第 10 章 税 制 と 会 計 制 度 及 び 会 計 監 査 制 度 1. 税 制 (1) 概 要 ミャンマーの 税 金 は 主 に 以 下 の1~4に 示 す 税 目 14 種 類 から 構 成 されている 主 要 な 税 金 は 個 人 及 び 法 人 の 所 得 に 課 税 される 所 得 税 売 上 高 に 対 して 課 税 される 商 業 税 及 び 主 として 輸 入 品 に 対 して 課 税 される 関 税 である 税 金 は 個 別 の 法 律 に 基 づいて 課 せられるが 詳 細 については Rulesや Regulati on に 規 定 されている ミャンマーの 所 得 税 は 1974 年 所 得 税 法 及 び 補 足 立 法 に 規 定 され ており その 他 の 主 要 な 税 金 は 1990 年 商 業 税 法 1991 年 改 正 商 業 税 法 1992 年 関 税 法 において 定 められている 財 務 歳 入 省 内 国 歳 入 局 (Intern alrevenuedepartment)が 所 得 税 利 益 税 商 業 税 及 び 国 営 宝 くじ 税 の 4 種 類 の 税 金 の 徴 税 を 担 当 している その 他 の 税 については 中 には 詳 細 な 課 税 実 態 が 不 透 明 なものも 含 まれるので 注 意 が 必 要 1 物 品 税 国 内 生 産 や 消 費 に 課 される 税 (Exci se 税 目 管 轄 官 庁 概 要 duty) 輸 入 ライセンス 料 (Lice nsefeesonimported good s) 国 営 宝 くじ 税 (Stat e lottery) 運 輸 税 (Taxe s ontransport) 商 業 税 (Comm ercial tax) 印 紙 税 (Salesproceedof stamp s) Gener al Administration Minis try of Trade Inter nal Revenue ofroad Trans port Admin istration Inter nal Revenue Inter nal Revenue 酒 類 や 薬 品 などの 特 定 の 品 目 を 製 造 販 売 時 に 毎 年 支 払 う 税 (ライセンス 料 のよう なもの) 個 別 の 輸 入 ライセンス 取 得 時 に 貨 物 の 金 額 に 応 じて 徴 収 発 売 額 に 課 税 ( 外 資 企 業 は 宝 くじ 事 業 に 参 入 できない) 車 輛 の 登 録 時 に 課 税 売 上 高 に 対 して 課 税 される 一 種 の 付 加 価 値 税 各 種 契 約 覚 書 等 の 作 成 時 に 文 書 に 貼 付 44
2 所 得 や 所 有 に 課 される 税 税 目 管 轄 官 庁 概 要 所 得 税 (Income tax) Inter nal Revenue 法 人 及 び 個 人 の 所 得 に 対 し て 課 税 3 関 税 税 目 管 轄 官 庁 概 要 関 税 (Customs duties) Custo ms Department 主 として 輸 入 時 に 課 される 関 税 4 国 有 資 産 の 利 用 に 関 する 税 税 目 管 轄 官 庁 概 要 土 地 税 (Taxeson land: Land revenue) 水 資 源 税 (Water tax and emban kment tax) 森 林 税 (Tax on extraction of fores t products) 鉱 物 資 源 税 (Tax extra ction ofminerals) 水 産 税 (Tax on ゴム 税 (Tax levied on fisheries) on rubber) Gener al Administration Gener al Administration Fores t Department Gener al Administration Fishe ry Department Fores t Department 農 地 や 産 業 用 地 の 利 用 者 に 課 税 灌 漑 用 水 に 関 する 税 灌 漑 施 設 によって 水 の 供 給 を 受 け る 土 地 の 面 積 に 比 例 して 課 税 木 材 に 係 わる 各 種 ビジネス に 対 して 課 税 採 掘 量 従 業 員 施 設 単 位 で 鉱 物 資 源 の 採 掘 や 利 用 に 対 して 課 税 各 種 の 漁 業 を 行 うものが 取 得 しなければならないライ センスの 取 得 料 不 明 本 パートでは これらのうち 代 表 的 な 税 金 としてあげた 所 得 税 商 業 税 関 税 の 3 つについて 解 説 する (2) 所 得 税 ( 法 人 所 得 税 個 人 所 得 税 ) 1 所 得 税 法 の 概 要 イ. 概 要 ミャンマーでは 法 人 所 得 税 も 個 人 所 得 税 も 全 て 所 得 税 法 (Income Tax Law) に 規 定 されている しかし 190 年 代 以 降 の 経 済 制 度 の 変 更 や 明 文 化 されない 特 殊 な 政 策 等 により 課 税 対 象 者 の 分 類 や 定 義 が 明 確 でないのが 現 状 ミャンマー 所 得 税 法 では 法 人 所 得 個 人 所 得 キャピタルゲイン 所 得 への 課 税 及 び 源 泉 徴 45
収 に 関 する 取 扱 いなどが 規 定 されている ロ. 居 住 者 ( 国 民 外 国 人 )(ResidentCitizen/Reside Foreigner)の 区 分 居 住 者 は 居 住 市 民 と 居 住 外 国 人 に 分 類 されるが 以 下 の 場 合 には 居 住 外 国 人 (Resident Foreigner)に 該 当 する (イ) 法 人 の 場 合 会 社 法 その 他 の 法 令 に 基 づき 設 立 された 会 社 で その 持 分 の 一 部 又 は 全 部 を 外 国 人 が 所 有 している 会 社 (ロ) 個 人 の 場 合 ミャンマーに 課 税 年 度 (4 月 ~3 月 ) 中 に 183 日 以 上 居 住 している 外 国 人 ミャンマーの 居 住 者 に 該 当 するかどうかで 課 税 される 所 得 の 範 囲 が 変 わる 居 住 者 と 認 定 された 場 合 には ミャンマー 国 内 外 を 含 む 全 世 界 所 得 に 対 してミ ャンマーの 所 得 税 が 課 せられる 一 方 で 居 住 者 と 認 定 されない 場 合 には ミャ ンマー 国 内 を 源 泉 とする 所 得 のみに 対 して ミャンマーの 所 得 税 が 課 税 される ハ. 所 得 区 分 ミャンマーにおいて 課 税 所 得 の 計 算 は 以 下 の 所 得 区 分 に 応 じて 集 計 する 給 与 所 得 所 得 区 分 (Sala ries) 専 門 所 得 (Prof ession) 事 業 所 得 (Business) 不 動 産 所 得 (Prop erty) キャピタルゲイン 所 得 (Capi tal Gains) 非 公 開 所 得 (Undi sclosed Sources of come) In その 他 の 所 得 (Othe r Sourcesof Incom e) 内 容 給 与 賃 金 年 金 退 職 金 や 手 数 料 コミッション 恩 典 など 給 与 又 は 賃 金 の 代 わり 又 は 加 算 して 受 け 取 る 全 てのもの 専 門 職 としての 収 入 専 門 職 とは 医 者 看 護 師 弁 護 士 技 術 者 建 築 技 師 芸 能 人 作 家 画 家 彫 刻 家 会 計 士 監 査 人 占 星 術 師 教 師 など 個 人 の 技 能 に 基 づいて 報 酬 を 受 け 取 る 役 務 の 提 供 を 指 す ( 給 与 所 得 として 受 け 取 るものを 除 く) 事 業 に 基 づく 収 入 土 地 又 は 土 地 建 物 の 賃 料 収 入 キャピタルアセット( 土 地 建 物 車 両 その 他 事 業 に 関 係 する 資 産 )の 売 却 交 換 移 転 に 伴 う 収 入 現 金 を 含 む 動 産 又 は 不 動 産 で その 物 を 獲 得 した 方 法 を 正 確 に 記 録 していない 収 入 上 記 に 区 分 されない 収 入 46
ニ. 法 人 所 得 税 (イ) 内 国 法 人 の 所 得 税 外 国 投 資 法 会 社 法 特 別 会 社 法 及 びその 他 の 法 律 に 基 づいて 設 立 された 会 社 は 所 得 税 法 上 内 国 法 人 (Resident Companies)に 区 分 される (i) 課 税 所 得 の 範 囲 内 国 法 人 は その 源 泉 がミャンマー 国 内 か 国 外 かに 関 わらず 全 世 界 所 得 について 課 税 される ただし 外 国 投 資 法 に 基 づいて 設 立 された 会 社 につい ては ミャンマー 国 内 を 源 泉 とする 所 得 に 対 してのみ 課 税 される (ii) 税 率 内 国 法 人 に 対 して 課 される 所 得 税 の 税 率 は 25%です (ii) 課 税 所 得 の 計 算 ミャンマー 所 得 税 法 において 課 税 所 得 は 全 ての 収 入 ( 益 金 )から 費 用 ( 損 金 )を 控 除 して 計 算 する 益 金 には 総 売 上 事 業 収 入 キャピタルゲイン 利 子 賃 貸 料 ロイヤ ルティ 配 当 賞 金 商 品 サービス 料 手 数 料 などが 含 まれる ただし ミャンマー 国 内 の 会 社 から 受 け 取 った 配 当 金 については 非 課 税 となる また キャピタルゲインについては 別 途 分 離 して 課 税 が 行 われる 損 金 には 収 益 を 獲 得 するために 支 出 した 費 用 や 所 得 税 法 の 規 定 に 基 づ く 減 価 償 却 費 が 含 まれるが 以 下 のものは 損 金 に 算 入 することはできない 資 本 的 支 出 個 人 的 な 用 途 の 支 出 事 業 規 模 にふさわしくない 支 出 (iv) 各 費 用 項 目 に 関 する 損 金 算 入 制 度 減 価 償 却 費 減 価 償 却 費 は Income-Tax Reg ulationに 規 定 される 金 額 又 は 外 国 投 資 法 に 規 定 される 加 速 償 却 による 償 却 額 について 損 金 算 入 が 認 められてい る また 償 却 方 法 は 定 額 法 のみが 認 められている なお 新 たに 建 設 された 工 業 用 の 建 物 新 品 の 設 備 機 械 装 置 を 取 得 し た 場 合 その 固 定 資 産 が 稼 働 した 年 度 における 減 価 償 却 費 については 以 下 のとおり 損 金 算 入 が 可 能 建 物 の 場 合 取 得 費 用 の 15% 機 械 装 置 の 場 合 取 得 費 用 の 20% 研 究 開 発 費 適 正 な 研 究 開 発 費 については 損 金 算 入 が 認 められている 引 当 金 47
貸 倒 引 当 金 は 取 引 ビジネスの 結 果 発 生 し 貸 倒 れが 発 生 したか 発 生 する 可 能 性 が 高 いと 見 込 まれる 場 合 に 損 金 算 入 が 認 められる その 他 の 引 当 金 は 発 生 可 能 性 が 高 いと 見 込 まれる 場 合 には 損 金 算 入 が 認 められ る ただし 特 定 の 事 象 に 対 するものではない 一 般 目 的 の 引 当 金 は 損 金 算 入 が 認 められない その 他 の 経 費 宗 教 団 体 や 慈 善 団 体 への 寄 付 金 や 政 府 が 承 認 した 慈 善 財 団 に 対 する 寄 付 金 は 損 金 算 入 が 認 められる (v) 損 益 通 算 キャピタルゲイン 以 外 の 所 得 計 算 において 生 じた 損 失 は 同 一 年 度 のその 他 の 所 得 と 相 殺 することが 可 能 相 殺 できなかった 損 失 は 翌 年 度 以 降 に 繰 り 越 し 3 年 以 内 に 生 じる 所 得 と 相 殺 することが 可 能 なお キャピタルロスは 当 該 発 生 年 度 のキャピタルゲインとのみ 損 益 通 算 が 可 能 で 翌 年 度 以 降 に 繰 り 越 すことはできない (vi) 配 当 ミャンマー 国 内 の 会 社 から 受 領 した 配 当 については 非 課 税 とされている これは 配 当 が 所 得 税 を 控 除 したあとの 利 益 から 行 われていることによるもの である なお 国 外 から 受 領 した 配 当 については その 他 の 所 得 として 扱 われ 他 の 所 得 と 合 わせて 課 税 される ホ. 外 国 法 人 の 所 得 税 ミャンマー 以 外 の 国 で 設 立 された 外 国 企 業 は 所 得 税 法 上 外 国 法 人 (Non-ResidentCompany)に 区 分 される 外 国 法 人 には ミャンマー 国 外 で 設 立 された 企 業 やミャンマーで 特 別 な 許 可 に 基 づき 操 業 している 企 業 外 国 企 業 の 支 店 が 該 当 する 以 下 に 記 載 する 課 税 所 得 の 範 囲 及 び 税 率 を 除 き 内 国 法 人 と 同 様 に 課 税 が 行 わ れる (i) 課 税 所 得 の 範 囲 外 国 法 人 は ミャンマー 国 内 源 泉 所 得 にのみ 課 税 される (ii) 税 率 外 国 法 人 に 対 して 課 される 所 得 税 の 税 率 は 35% 1 個 人 所 得 税 居 住 者 に 該 当 する 個 人 は 内 国 法 人 と 同 様 に 全 世 界 所 得 を 対 象 に 課 税 される 外 国 人 でも ミャンマーに 課 税 年 度 中 183 日 以 上 滞 在 すれば 居 住 者 に 該 当 する 非 居 住 外 国 人 については ミャンマー 国 内 を 源 泉 とする 所 得 に 対 して 課 税 される 課 税 対 象 所 得 は 給 与 所 得 ( 給 料 賃 金 賞 与 手 当 祝 金 手 数 料 割 増 金 など) 48
の 全 て 及 びその 他 の 所 得 ( 財 産 所 得 事 業 所 得 その 他 の 源 泉 からの 所 得 )から 構 成 されるが 適 用 税 率 が 異 なるので 注 意 する 必 要 がある また 車 住 宅 など 各 種 フリンジ ベネフィットも 給 与 所 得 として 計 算 される イ. 税 率 所 得 の 種 類 ごとの 税 率 は 以 下 の 通 り 所 得 の 種 類 納 税 者 の 種 類 税 率 特 別 な 許 可 のもと 政 府 事 業 国 営 企 業 等 に 従 事 する 者 20% 給 与 外 国 人 ( 居 住 者 ) ミャンマー 国 民 1%~20%( 1) ( 超 過 累 進 課 税 ) 外 国 人 ( 非 居 住 者 ) 35% 事 業 所 得 外 国 人 ( 居 住 者 ) ミャンマー 国 民 外 国 人 ( 非 居 住 者 ) 2%~30%( 2) ( 超 過 累 進 税 率 ) 35% ( 1) 給 与 所 得 に 関 する 累 進 税 率 表 課 税 所 得 ( 単 位 :チャット) 税 率 税 額 累 計 税 額 1 ~ 500,0 1% 5,00 5,00 500,0 01 ~ 1,000 2% 20,00 0 25,00 0 1,000,001 ~ 1,500,00 3% 45,00 0 70,00 0 1,500,001 ~ 2,000 4% 80,00 0 150,0 00 2,000,001 ~ 3,000 5% 150,0 00 300,0 3,000,001 ~ 4,000 6% 240,0 00 540,0 00 4,000,001 ~ 6,000 7% 420,0 00 960,0 00 6,000,001 ~ 8,000 9% 720,0 00 1,680,00 8,000,001 ~ 10,00 0,000 11% 1,100,00 2,780,00 10,00 0,001 ~ 15,0 00,000 13% 1,950,00 4,730,00 15,00 0,001 ~ 20,00 0,000 15% 3,000 7,730,00 20,00 0,001 ~ 20% ( 2) 事 業 所 得 に 関 する 累 進 税 率 表 課 税 所 得 ( 単 位 :チャット) 税 率 税 額 累 計 税 額 1 ~ 500,0 2% 10,00 0 10,00 0 500,0 01 ~ 1,000 4% 40,00 0 50,00 0 1,000,001 ~ 2,000 6% 120,0 00 170,0 00 2,000,001 ~ 3,000 8% 240,0 00 410,0 00 3,000,001 ~ 4,000 10% 400,0 810,0 00 4,000,001 ~ 6,000 12% 720,0 00 1,530,00 6,000,001 ~ 8,000 14% 1,120,00 2,650,00 8,000,001 ~ 10,00 0,000 16% 1,600,00 4,250,00 49
10,00 0,001 ~ 15,00 0,000 18% 2,700,00 6,950,00 15,00 0,001 ~ 20,00 0,000 20% 4,000 10,95 0,000 20,00 0,001 ~ 30,00 0,000 25% 7,500,00 18,45 0,000 30,00 0,001 30% ロ. 基 礎 控 除 個 人 所 得 からは 基 礎 控 除 が 受 けられるほか 年 金 死 亡 障 害 による 弔 慰 金 死 亡 保 険 金 組 合 等 による 配 当 金 は 全 額 控 除 することができる 区 分 控 除 額 本 人 20%( 上 限 10,000,000チャット) 配 偶 者 30,00チャット 扶 養 子 女 ( ) 200,0 00チャット 生 命 保 険 寄 付 金 支 払 額 認 定 されたものについて 所 得 の20%まで ( ) 扶 養 子 女 とは 18 歳 未 満 の 未 婚 子 女 及 び 18 歳 以 上 で 学 業 に 専 念 し 課 税 所 得 のない 子 女 を 指 す 2 源 泉 徴 収 課 税 下 記 に 相 当 する 所 得 に 関 する 支 払 を 行 う 場 合 代 価 報 酬 を 支 払 う 者 が 所 得 税 を 源 泉 徴 収 し 税 務 当 局 に 納 付 する 必 要 がある 源 泉 徴 収 された 所 得 税 は 支 払 を 受 ける 者 がその 年 に 納 付 すべき 所 得 税 額 の 一 部 を 構 成 するので 年 間 (4 月 ~3 月 ) の 最 終 的 な 所 得 金 額 が 確 定 し 所 得 税 を 納 付 する 際 には 源 泉 徴 収 された 金 額 を 控 除 することができる なお 非 居 住 者 に 関 しては 当 該 課 税 が 最 終 の 課 税 となる 収 入 タイプ 居 住 者 居 住 者 たる 外 国 非 居 住 者 が 受 け 取 る 場 人 が 受 け 取 る 場 合 合 利 子 金 利 - 15% ロイヤリティ 15% 20% ミャンマー 国 内 組 織 又 はミャ ンマー 会 社 による 商 品 の 購 入 2% 3.5% 及 び 役 務 の 提 供 に 対 する 支 払 外 国 会 社 による 役 務 の 提 供 や 商 品 の 購 入 に 対 する 支 払 2% 3.5% 3 キャピタルゲイン 課 税 キャピタル ゲインとは 資 本 資 産 を 売 却 交 換 又 は 移 転 することによって 実 現 した 利 益 のことであり 資 本 資 産 (CapitalAsset)とは 土 地 建 物 車 輛 その 他 の 事 業 に 関 わる 資 産 と 定 義 される 株 式 の 譲 渡 及 び 売 却 もキャピタル ゲイン 課 税 に 含 まれている キャピタル ゲインの 計 算 は 資 本 資 産 の 売 却 交 換 又 は 移 転 に 関 する 全 ての 収 入 から 税 法 に 基 づく 減 価 償 却 累 計 額 を 控 除 後 の 帳 簿 価 額 及 び 売 却 交 換 又 は 移 50
転 時 に 発 生 した 費 用 などを 控 除 することにより 行 われる キャピタル ゲインに 対 する 税 率 は 以 下 の 表 のとおり 居 住 者 の 区 分 税 率 石 油 ガスセクター 会 社 左 記 以 外 の 一 般 会 社 居 住 法 人 キャピタル ゲインに 応 じた 累 進 課 税 10% 1 億 米 ドル 未 満 :40% 1 億 ドル~1 億 5,000 万 米 ドル: 45% 非 居 住 法 人 1 億 5,00 万 米 ドル 超 :50% 40% なお 年 間 の 売 却 交 換 又 は 移 転 による 価 格 が 50 万 チャット 以 内 である 場 合 には 課 税 されない 課 税 対 象 となるキャピタル ゲインのある 者 は 資 本 資 産 の 売 却 交 換 または 譲 渡 から 1カ 月 以 内 に 所 得 税 申 告 書 を 提 出 することを 義 務 付 けられており またキャ ピタル ゲインは 他 の 所 得 金 額 と 合 計 せず 分 離 課 税 が 行 われる なお 不 動 産 業 を 営 む 会 社 が 不 動 産 の 売 却 を 行 う 場 合 当 該 所 得 が 事 業 所 得 に 該 当 するか キャピタル ゲイン 所 得 に 該 当 するかが 問 題 となるが 一 般 的 に 不 動 産 業 を 営 む 会 社 が 不 動 産 の 売 却 や 賃 貸 により 獲 得 する 所 得 は 事 業 所 得 に 区 分 される 4 所 得 税 の 申 告 及 び 納 付 所 得 税 の 納 税 者 は 4 月 1 日 から 翌 年 3 月 31 日 までの 所 得 を 計 算 し 6 月 30 日 までに 申 告 書 を 郡 の 内 国 歳 入 局 事 務 所 に 提 出 しなければなりません その 後 内 国 歳 入 局 は 提 出 された 申 告 書 に 基 づいて 課 税 金 額 の 査 定 を 行 う 査 定 に 際 して 内 国 歳 入 局 より 追 加 の 証 憑 資 料 勘 定 明 細 資 産 明 細 の 提 出 を 求 めら れることがある 査 定 の 後 内 国 歳 入 局 より 課 税 通 知 書 (TheNoticeofAsessme nt) が 送 付 され それに 記 載 された 期 限 までに 所 得 税 を 納 付 する 必 要 がある なお 事 業 を 廃 止 する 場 合 には 廃 止 の 日 から 1ヵ 月 以 内 に 申 告 書 を 提 出 する 必 要 がある (3) 商 業 税 1 商 業 税 の 概 要 商 業 税 法 (TheCommercial Tax Law)は 1990 年 3 月 に 制 定 された 商 業 税 は 商 品 やサービスの 販 売 及 び 提 供 に 関 する 付 加 価 値 税 の 一 種 です 日 本 でいうところ の 消 費 税 の 様 な 税 金 で ミャンマー 国 内 で 製 造 生 産 される 製 品 商 品 や 輸 入 さ れる 商 品 に 対 して 幅 広 く 課 税 される ミャンマーで 商 業 活 動 を 行 う 事 業 者 は 商 業 税 の 納 付 義 務 がある ただし 民 間 事 業 会 社 や 組 合 組 織 で 年 間 売 上 高 が 1,000 万 チャット 以 下 の 場 合 には 課 税 対 象 と ならない なお 石 油 や 天 然 ガス チーク 材 ハードウッド 材 ヒスイや 希 少 な 宝 石 を 輸 出 する 場 合 には 輸 出 に 際 しても 商 業 税 が 課 せられる 51
2 課 税 年 度 商 業 税 の 課 税 年 度 は 4 月 1 日 ~3 月 31 日 3 税 務 申 告 及 び 納 付 ミャンマーで 商 業 活 動 を 行 う 全 ての 事 業 者 は 営 業 開 始 の 1ヶ 月 前 までに 内 国 歳 入 局 に 登 録 申 請 する 必 要 がある また 営 業 開 始 の 10 日 前 までに 開 始 日 を 報 告 する 必 要 がある 商 業 税 は 毎 月 末 から 10 日 以 内 に 納 付 し 四 半 期 に 一 度 四 半 期 末 日 から1ヶ 月 以 内 に 売 上 高 と 仕 入 高 の 金 額 を 内 国 歳 入 局 に 申 告 する 必 要 がある 年 度 の 税 務 申 告 書 は 6 月 末 までに 内 国 歳 入 局 に 提 出 する 必 要 がある 4 税 率 2012 年 4 月 1 日 の 税 制 改 正 前 は 品 目 によって 5%~100%までの 税 率 が 定 められて いる 複 雑 な 形 態 であった しかし 税 制 改 正 以 後 は 以 下 の 表 のとおり 一 部 の 品 目 を 除 きほとんどの 品 目 の 税 率 が 5%とされている 品 目 Sched ule1: 米 麦 野 菜 果 物 動 物 魚 など 税 率 非 課 税 Sched ule2~5 記 載 の 諸 々 品 目 5% Sched ule6:タバコ 酒 チーク 材 ヒスイ 等 希 少 宝 石 ガソリン 等 Sched ule7: 鉄 道 水 路 航 空 輸 送 サービス 娯 楽 ホテル 等 のサービス 業 8%~100% 5% 5 仕 入 税 額 控 除 商 業 税 は 国 内 生 産 物 の 販 売 時 点 あるいは 輸 入 品 の 輸 入 時 点 で 課 税 され 当 該 製 品 の 販 売 にかかる 商 業 税 ( 売 上 税 額 )から 輸 入 仕 入 にかかる 商 業 税 ( 仕 入 税 額 )を 控 除 できる また 中 間 生 産 物 が 国 内 で 調 達 された 場 合 も 同 様 に 控 除 することが できる (4) 関 税 1 関 税 の 概 要 関 税 は 一 部 の 品 目 を 除 き 原 則 として 全 ての 輸 入 品 に 対 して 課 税 される 課 税 標 準 は 輸 入 貨 物 CIF 価 額 に 0.5%を 加 えたもの また MICなどの 関 連 政 府 機 関 で 所 定 の 手 続 きを 踏 み 委 託 加 工 と 認 められた 原 材 料 の 輸 入 や MICの 認 可 を 受 けた 投 資 案 件 に 関 連 した 輸 入 品 で 事 前 に 承 認 を 得 れば 関 税 の 減 免 を 受 けられることがある また 関 税 と 同 時 に 商 業 税 も 課 税 され 課 税 対 象 金 額 は 輸 入 関 税 課 税 対 象 額 + 輸 入 関 税 額 なお 一 次 産 品 に 関 しては 輸 出 品 にも 課 税 される 52
2 税 率 関 税 の 税 率 は 細 かい 点 については 随 時 変 更 されている 可 能 性 があるので 個 別 品 目 の 最 新 税 率 については 税 関 にその 都 度 確 認 する 必 要 がある (5) 租 税 条 約 締 結 及 び 発 効 済 みの 租 税 条 約 にある 規 程 は ミャンマーの 所 得 税 法 の 規 定 より 優 先 して 適 用 される( 所 得 税 法 第 31 条 ) ミャンマーの 租 税 条 約 の 締 結 状 況 は 以 下 のとお りです 現 在 のところ 日 本 とミャンマーとの 間 には 租 税 条 約 は 締 結 されていません 1 締 結 発 行 済 み 7ヶ 国 英 国 マレーシア シンガポール ベトナム インド 韓 国 タイ 2 締 結 済 み 未 発 行 3ヶ 国 インドネシア ラオス バングラディッシュ ~ミャンマーと 各 国 との 租 税 条 約 の 比 較 ~ 区 分 シンガポール マレーシア インド 英 国 配 当 免 税 免 税 免 税 免 税 銀 行 金 融 機 関 利 子 ロイヤリティ 国 際 海 運 輸 送 に 関 する 所 得 国 際 航 空 輸 送 に 関 する 所 得 は8%まで その 他 は10% まで 10%まで 10%まで 特 段 の 規 定 なし 特 許 料 意 匠 料 などは10%ま 所 得 の 源 泉 とな で 10%まで 10%まで る 国 で 合 理 的 な その 他 15%ま 金 額 まで で 海 運 会 社 の 属 す 海 運 会 社 の 属 す る 国 が 納 税 額 る 国 が 納 税 額 海 運 会 社 の 属 す 海 運 会 社 の 属 す の50%を 徴 税 の50%を 徴 税 る 国 が 徴 税 す る 国 が 徴 税 す することができ することができ る る る る 航 空 会 社 の 属 す 航 空 会 社 の 属 す 航 空 会 社 の 属 す 航 空 会 社 の 属 す る 国 が 徴 税 す る 国 が 徴 税 す る 国 が 徴 税 す る 国 が 徴 税 す る る る る 技 術 料 収 入 特 段 の 規 定 なし 10%まで 特 段 の 規 定 なし 特 段 の 規 定 なし 締 結 月 1999 年 2 月 1998 年 3 月 2008 年 4 月 1953 年 3 月 53
(6)その 他 の 税 制 1 印 紙 税 (StampDuty) 印 紙 税 は 収 入 印 紙 を 購 入 し 課 税 文 書 に 添 付 することにより 課 税 が 行 われる 印 紙 税 は 様 々な 種 類 の 文 書 に 対 して 課 せられる 印 紙 は 法 定 費 用 に 関 する 印 紙 (Judicial Stamps) とその 他 用 途 の 印 紙 (Non-JudicialStamps)の 二 種 類 に 分 類 され 例 えば 不 動 産 の 取 引 に 当 たっては その 他 用 途 の 印 紙 税 が 課 せられる 種 類 摘 要 不 動 産 譲 渡 に 関 する 捺 印 証 書 不 動 産 リース 契 約 その 他 契 約 金 額 の5% (ただしヤンゴン 市 内 では 2%の 追 加 の 印 紙 税 が 課 税 され る ) 3 年 を 超 える 長 期 リース 契 約 :1 年 あたりリース 料 の5% 3 年 以 内 の 短 期 リース 契 約 :1 年 あたりリース 料 の1.5% 担 保 契 約 委 任 契 約 領 収 書 についても 印 紙 税 が 課 せられる なお 2012 年 3 月 15 日 付 の Notificatio nにより チャットではなく 外 国 通 貨 で 支 払 が 行 われる 契 約 については 通 常 の 印 紙 税 率 は 適 用 されず 1%の 印 紙 税 率 が 適 用 されることになった 2 固 定 資 産 税 一 般 的 に ミャンマーでは 土 地 及 び 建 物 等 の 固 定 資 産 の 所 有 使 用 に 対 して 固 定 資 産 税 が 課 される 固 定 資 産 税 は 一 般 税 照 明 税 管 理 税 水 税 等 で 構 成 される また 固 定 資 産 税 算 定 のため 土 地 及 び 財 産 の 評 価 が 行 われるが 評 価 額 は 年 間 の 予 想 賃 料 に 基 づいて 算 定 される YCDC( YangonCity 産 税 の 税 率 は 以 下 の 通 り elopmen DevtCouncil)に 確 認 したところでは 現 行 の 固 定 資 セントラルシティ 所 在 セントラルシティ 以 外 所 在 一 般 税 8% 8% 照 明 税 5% 5% 管 理 税 8.50 % 6.50 % 水 税 外 国 人 ミャンマー 人 ともに Kyats 110perm 3 外 国 人 世 帯 の 場 合 $ 2per m 3 ミャンマー 人 の 世 帯 の 場 合 Kyats 88 rm pe 3 54
2. 会 計 基 準 (1)ミャンマー 会 計 制 度 の 概 要 ミャンマーの 会 計 制 度 の 成 り 立 ちは ミャンマーの 歴 史 と 深 い 関 わりがある ミャンマーはかつて 英 国 の 植 民 地 支 配 下 にあるインドの 属 州 となっていたことか ら インド 政 府 によって 公 布 された 法 令 に 大 きな 影 響 を 受 けていた その 中 で 当 時 の 会 計 士 は 国 の 金 融 部 門 ビジネス 部 門 司 法 部 門 においてさまざまな 役 割 を 果 た していたが 会 社 法 [1913 年 インド 法 第 7 号 ](1914 年 4 月 1 日 施 行 )の 導 入 を 契 機 に 会 計 士 が 企 業 に 関 与 する 機 会 がさらに 増 えていった 独 立 後 ミャンマー 会 計 評 議 会 法 (Myanmar Accountancy Council Law)に 基 づき 1972 年 に 新 たな 会 計 制 度 機 構 としてミャンマー 会 計 評 議 会 (MAC)が 設 立 された 2003 年 にはミャンマー 公 認 会 計 士 協 会 が 設 立 され 会 計 制 度 の 近 代 化 のきっかけになった そして MACは 2003 年 に 国 際 会 計 基 準 を 基 礎 としたミャンマー 会 計 制 度 (Myanma r Accou ntingstandards:mass) を 公 表 することで 国 際 会 計 基 準 に 基 づいた 会 計 基 準 が 適 用 されることとなった また 中 小 企 業 向 けの 会 計 基 準 (MFRSforSMEs)も MACによって 制 定 された 1 会 計 帳 簿 会 社 法 に 基 づいて 設 立 された 企 業 は 企 業 の 取 引 及 び 財 政 状 態 を 十 分 に 説 明 する 会 計 帳 簿 を 維 持 することを 要 求 されている 2 財 務 諸 表 の 表 示 における 通 貨 貸 借 対 照 表 と 損 益 計 算 書 における 数 字 は 全 て ミャンマー 通 貨 (kyat)で 表 示 さ れる (2)ミャンマー 会 計 基 準 の 概 要 ミャンマーでは 従 前 英 国 の 基 準 に 近 い 会 計 基 準 を 採 用 していたが 現 在 では 国 際 財 務 報 告 基 準 と 同 等 の 会 計 基 準 が 制 定 されている この 理 由 は 国 際 的 な 会 計 基 準 間 の 差 異 を 縮 小 することが 財 務 諸 表 利 用 者 のニーズに 一 致 するという 考 え 方 を 採 用 しているためである 現 在 ミャンマーで 公 表 されているミャンマー 財 務 報 告 基 準 (MFRSs)の 基 準 書 は 以 下 の 通 り 55
Myanm ar FinancialReporting Standards (MFRSs) MFRS I ミャンマー 財 務 報 告 基 準 の 初 度 適 用 -First-time Adoptionof MFRS 2 株 式 報 酬 -Share-based Payme nt MFRS 3 企 業 結 合 -Business Combinat ions MFRS 4 保 険 契 約 -Insurance Contrac ts MFRS 5 MFRS 6 Mya nmarfinancial 売 却 目 的 で 保 有 する 非 流 動 資 産 及 び 非 継 続 事 業 -Non-currentAssets Held Reporting Standards rfo Sale and Discontinued Operations 鉱 物 資 源 の 探 査 及 び 評 価 -ExplorationforandEvaluationof Miner al Resources MFRS 7 金 融 商 品 開 示 -Financial nstruments: I Disclosure s MFRS 8 事 業 セグメント -Operating egments S Myanm ar Accounting Standards (MASs) MAS 1 財 務 諸 表 の 表 示 -Presentatio n offinancial MAS 2 棚 卸 資 産 -Inventories Statemen ts MAS 7 キャッシュ フロー 計 算 書 -Statement ofcash Flow s MAS 8 会 計 方 針 会 計 上 の 見 積 りの 変 更 及 び 誤 謬 -AccountingPolicies,Chang esinaccountingestimat esanderrors MAS 0 1 後 発 事 象 -Eventsafterthe Reporting Period MAS 1 1 工 事 契 約 -ConstructionCont racts MAS 2 1 法 人 所 得 税 -Income Taxes MAS 6 1 有 形 固 定 資 産 -Property, Pla ntand MAS 7 1 リース -Leases MAS 8 1 収 益 -Revenue MAS 9 1 従 業 員 給 付 -EmployeeBenefi ts MAS 0 2 MAS 1 2 政 府 補 助 金 の 会 計 処 理 及 び 政 府 援 助 の 開 示 Equipment -Accounting for Government Grants and Disclosure f Government o Assis tance 外 国 為 替 レート 変 動 の 影 響 -The Effects of Excha nge Rates MAS 3 2 借 入 費 用 -Borrowing Costs Changes in MAS 4 2 関 連 当 事 者 についての 開 示 -Related Party Disclosur es MAS 6 2 MAS 7 2 退 職 給 付 制 度 の 会 計 及 び 報 告 -Accounting and Reporting y RetirementBenefit b 連 結 及 び 個 別 財 務 諸 表 -Conso lidated and Separate State ments MAS 8 2 関 連 会 社 に 対 する 投 資 -Inves tments in Associates MAS 9 2 超 インフレ 経 済 化 における 財 務 報 告 -Financial Reportingin Hyp erinflationary ans Pl Foreign nancial Fi Economie s 56
MAS 1 3 ジョイント ベンチャーに 対 する 持 分 -InterestsinJointVentures MAS 2 3 金 融 商 品 表 示 -Financial nstruments: I Presentatio n MAS 3 3 1 株 当 たり 利 益 -Earnings Per Share MAS 4 3 中 間 財 務 報 告 -Interim Finan cialreporting MAS 6 3 資 産 の 減 損 -Impairmentof ssets A MAS 7 3 引 当 金 偶 発 負 債 及 び 偶 発 資 産 -Provisions,Contingent MAS 8 3 無 形 資 産 -IntangibleAsset s MAS 9 3 Lia bilitiesandcontingent Assets 金 融 商 品 認 識 及 び 測 定 -Financial Instruments: Rec ognitionand Measu rement MAS 0 4 投 資 不 動 産 -InvestmentProp erty MAS 1 4 農 業 -Agriculture また 中 小 企 業 のために 中 小 企 業 向 けのミャンマー 会 計 基 準 (MFRSforSMEs)が 制 定 されている これは ミャンマー 会 計 基 準 の 簡 易 版 であるため 中 小 企 業 の 財 務 諸 表 作 成 における 負 担 を 軽 減 することが 期 待 できる 3. 会 計 監 査 制 度 (1) 監 査 制 度 の 概 要 会 社 法 に 基 づいて 設 立 された 全 ての 会 社 は 1 人 以 上 の 会 計 監 査 人 を 選 任 しなけれ ばならない 会 計 監 査 人 は 公 認 会 計 士 のみが 就 任 することができるが 原 則 として ミャンマー 人 のみが 当 該 資 格 を 得 ることができるとされている 会 計 監 査 人 は 財 務 諸 表 に 対 して 意 見 を 表 明 することとなる 監 査 の 対 象 に 業 務 監 査 は 含 まれておらず 会 計 監 査 のみが 会 計 監 査 人 の 任 務 となっている 監 査 手 続 の 過 程 では 会 計 監 査 人 は 会 社 の 帳 簿 計 算 書 などを 入 手 する 権 限 を 有 し さらに 取 締 役 及 び 役 員 に 対 して 会 計 監 査 に 必 要 な 範 囲 の 情 報 と 説 明 を 求 める 権 限 を 有 している( 会 社 法 145 条 1 項 ) また 会 計 監 査 人 は 株 主 総 会 で 株 主 に 会 計 に 関 する 報 告 を 行 う 義 務 がある( 同 条 2 項 ) 57
~ 中 小 企 業 向 けミャンマー 会 計 基 準 ~ MACによって 中 小 企 業 向 けのミャンマー 会 計 基 準 (MFRSforSMEs)が 制 定 されている これは ミャンマー 会 計 基 準 の 簡 易 版 であるため 中 小 企 業 の 財 務 諸 表 作 成 における 負 担 を 軽 減 することが 期 待 できる SME(SmallandMedium-sizedEntities)とは 公 的 説 明 責 任 を 有 さず かつ 外 部 利 用 者 に 一 般 目 的 財 務 諸 表 を 公 表 している 事 業 体 をいう 外 部 利 用 者 の 例 には 事 業 経 営 に 関 与 していない 事 業 主 現 在 の 及 び 潜 在 的 な 債 権 者 並 びに 格 付 機 関 が 含 まれる (2) 監 査 基 準 の 概 要 監 査 等 に 関 する 基 準 として ミャンマーには 以 下 のものが 存 在 する ミャンマー 監 査 基 準 (MSAs) ミャンマー レビュー 業 務 基 準 (MSREs) ミャンマー 保 証 業 務 基 準 (MSAEs) ミャンマー 関 連 業 務 基 準 (MSRSs)( 注 ) ( 注 )コンピレーション 業 務 合 意 された 手 続 業 務 及 び MACが 特 定 するそ の 他 の 関 連 サービス 業 務 に 適 用 される 通 常 会 社 法 に 基 づく 監 査 では MSAsが 適 用 されることとなる MSAsの 適 用 にあたっては ミャンマー 監 査 実 務 ステートメント(MyanmarAuditin g Pract icestatements MAPSs)を 考 慮 することとなる 当 該 ステートメントは 職 業 会 計 士 に 解 釈 指 針 と 実 務 支 援 を 提 供 し 適 正 な 慣 行 を 促 進 することを 目 的 として 制 定 されている (3) 会 計 監 査 人 の 選 任 に 関 する 取 扱 の 概 要 会 計 監 査 人 は 定 時 株 主 総 会 によって 選 任 されるが その 任 期 は 次 の 定 時 株 主 総 会 の 終 結 の 時 までとなる( 会 社 法 14 条 3 項 ) また 設 立 時 の 会 計 監 査 人 は 法 定 の 設 立 時 総 会 の 前 に 取 締 役 によって 指 名 することができ その 任 期 は 最 初 の 定 時 株 主 総 会 までとされている( 会 社 法 144 条 7 項 ) 定 時 株 主 総 会 において 新 たに 会 計 監 査 人 を 選 任 する 場 合 以 下 の 手 続 きが 必 要 と なる 1 株 主 総 会 開 催 の 14 日 前 までに 会 計 監 査 人 候 補 を 指 名 する 旨 の 通 知 を 会 社 に 提 出 する 2 解 任 される 会 計 監 査 人 に 対 し 上 記 の 通 知 の 写 しを 送 付 する 3 株 主 総 会 開 催 の 7 日 前 までに 会 社 は 公 告 または 定 款 に 定 められる 方 法 により 他 の 株 主 に 通 知 する 58