5 腎 膠 原 病 内 科 後 期 臨 床 研 修 カリキュラム 専 門 医 養 成 コース 1. 腎 膠 原 病 内 科 の 概 要 1.スタッフ 部 長 1 名 小 山 勝 志 医 長 1 名 医 員 3 名 後 期 研 修 医 3 名 日 本 内 科 学 会 : 認 定 内 科 医 3 名 専 門 医 1 名 指 導 医 1 名 日 本 腎 臓 学 会 : 専 門 医 2 名 指 導 医 1 名 日 本 透 析 医 学 会 : 認 定 医 1 名 専 門 医 1 名 指 導 医 1 名 日 本 リウマチ 学 会 : 専 門 医 2 名 2. 設 備 検 査 手 術 などの 実 績 新 規 入 院 患 者 数 : 約 500 名 / 年 ( 平 均 入 院 患 者 数 :20 名 在 院 日 数 :15.4 日 ) 外 来 通 院 患 者 延 べ 数 :12500 名 / 年 ( 新 患 数 :830 名 / 年 1 日 平 均 通 院 患 者 数 : 約 50 名 ) < 診 療 実 績 > 腎 生 検 症 例 数 年 間 50 例 血 液 透 析 導 入 症 例 数 年 間 70 例 シャント 手 術 症 例 年 間 140 例 LDLコレステロール 吸 着 療 法 年 間 顆 粒 球 吸 着 療 法 年 間 38 例 CAPD 導 入 年 間 40 件 血 漿 交 換 療 法 年 間 10 例 4 例 < 医 療 機 器 > 血 液 透 析 コンソール 11 台 血 液 透 析 濾 過 コンソール 1 台 LDLコレステロール 吸 着 器 1 台 血 漿 交 換 用 コンソール 1 台
2. 診 療 科 の 特 徴 腎 代 謝 内 科 病 棟 内 に 血 液 浄 化 室 を 配 置 し 特 に 糖 尿 病 性 腎 症 に 対 する 診 療 に 力 を いれている また 52 床 の 透 析 ベットを 擁 する 東 分 院 透 析 センターでの 外 来 透 析 診 療 も 担 っている 本 院 に 附 属 している 健 診 センターにて 発 見 される 腎 炎 の 患 者 から 膠 原 病 やその 他 の 全 身 疾 患 などを 原 因 とする 急 性 腎 障 害 (Acute Kidney Injury) Chronic Kidney Disease(CKD)の 管 理 透 析 導 入 そして 外 来 維 持 透 析 までのす べての 腎 疾 患 の 病 期 での 充 実 した 診 療 を 可 能 としている < 診 療 内 容 > 当 院 でも 年 間 の 透 析 療 法 導 入 患 者 数 は 毎 年 増 加 し さらに 近 年 の 特 徴 として 糖 尿 病 性 腎 症 による 導 入 者 数 が 激 増 しています 当 院 では 糖 尿 病 性 腎 症 に 対 する 診 療 に 力 を いれており 糖 尿 病 専 門 医 と 連 携 し 糖 尿 病 性 腎 症 外 来 教 室 を 立 ち 上 げた 腎 生 検 パ ス 保 存 期 腎 不 全 教 室 入 院 パス アンギオテンシンレセプター 阻 害 剤 導 入 パス シャ ント 増 設 パス SAMP 増 設 パス 血 液 透 析 導 入 パス 腹 膜 透 析 導 入 パスなど 各 種 の 効 率 のよいパスを 作 成 し 運 用 している さらには 慢 性 動 脈 閉 塞 症 に 対 するLDLコレ ステロール 吸 着 療 法 炎 症 性 腸 疾 患 に 対 する 顆 粒 球 吸 着 療 法 神 経 疾 患 に 対 する 血 漿 二 重 濾 過 療 法 などの 血 液 浄 化 療 法 も 積 極 的 に 行 っている 東 分 院 透 析 センターでは 受 け 持 ち 看 護 師 による プライマリーケアに 基 づく Order-Made の 外 来 透 析 医 療 を 実 現 している 3. 一 般 目 標 3 年 目 : 臓 器 別 ローテート 研 修 1) 内 科 医 として 必 要 な 救 急 医 療 に 関 する 臨 床 能 力 を 身 につける 2)チーム 医 療 を 通 じて 医 師 として 果 たすべき 役 割 責 任 を 自 覚 できる 3) 内 科 医 としての 一 般 的 知 識 素 養 を 培 い 総 合 診 療 能 力 を 身 につける 4) 内 科 認 定 医 取 得 に 必 要 な 臨 床 経 験 と 知 識 を 幅 広 く 身 につける 4 年 目 1) 内 科 認 定 医 資 格 を 取 得 する 2) 腎 臓 内 科 専 門 医 試 験 の 受 験 資 格 を 満 たす 臨 床 経 験 をおこない それに 期 待 され る 能 力 ( 知 識 技 術 )を 身 につける 3) 日 本 透 析 医 学 会 専 門 医 受 験 資 格 を 満 たす 臨 床 経 験 をおこない それに 期 待 され る 能 力 ( 知 識 技 術 )を 身 につける
4) 日 本 リウマチ 学 会 専 門 医 受 験 資 格 を 満 たす 臨 床 経 験 をおこない それに 期 待 さ れる 能 力 ( 知 識 技 術 )を 身 につける 4. 行 動 目 標 3 年 目 4 年 目 1) 内 科 医 としての 基 本 的 知 識 技 能 を 深 める 2) 腎 疾 患 および 膠 原 病 疾 患 患 者 の 医 療 面 接 身 体 診 察 を 習 得 する 3) 腎 生 検 手 技 カテーテル 挿 入 術 シャント 手 術 のトレーニングを 受 ける 4) 腎 病 理 診 断 のトレーニングを 受 ける 5) 血 液 浄 化 療 法 患 者 の 管 理 ができる 6) 血 液 浄 化 室 のチームの 一 員 として 対 応 できる 7) 東 分 院 透 析 センターのチームの 一 員 として 対 応 できる 8) 積 極 的 に 学 会 発 表 および 論 文 作 成 を 行 う 9) 入 院 患 者 の 検 査 治 療 計 画 を 専 任 者 として 立 案 できる 10) 末 期 腎 不 全 患 者 に 対 する 腎 代 替 療 法 のオプション 提 示 から 施 行 までを 担 当 医 と して 行 う 11) 他 科 からの 腎 疾 患 腎 不 全 コンサルテーションに 対 応 できる 12) 他 科 からの 膠 原 病 関 連 疾 患 のコンサルテーションに 対 応 できる 13)ローテーション 研 修 医 の 指 導 にあたる 5. 経 験 目 標 ( : 初 期 研 修 での 習 得 が 望 まれる 項 目 ) a. 一 般 的 診 療 技 術 および 知 識 1) 腎 臓 の 解 剖 学 的 位 置 構 造 について 言 える 2) 糸 球 体 の 構 造 構 成 細 胞 それぞれの 機 能 について 言 える 3) 尿 細 管 の 機 能 について 文 節 ごとに 区 別 して 言 える 4) 慢 性 腎 炎 の 臨 床 症 状 について 言 える 5) 慢 性 腎 炎 の 分 類 を 知 っている 6) 急 性 腎 炎 の 臨 床 症 状 について 言 える 7) 急 性 腎 炎 の 分 類 を 知 っている 8) 慢 性 腎 不 全 の 臨 床 症 状 について 言 える 9) 慢 性 腎 不 全 の 原 疾 患 を 挙 げることができる
10) 慢 性 腎 不 全 の 病 期 ごとの 病 態 について 詳 細 に 説 明 できる 11) 腎 性 貧 血 の 機 構 を 解 読 できる 12) 慢 性 腎 不 全 における 骨 代 謝 について 説 明 できる 13)Ca Pi 代 謝 の 異 常 について 解 説 できる 14) 血 液 浄 化 療 法 の 種 類 と 原 理 を 挙 げることができる 15) 血 液 透 析 療 法 の 原 理 を 言 える 16) 腹 膜 透 析 療 法 の 原 理 を 言 える 17) 我 が 国 の 腎 不 全 医 療 の 現 状 が 解 説 できる 18) 腎 機 能 障 害 時 の 薬 物 動 態 を 言 える 19) 慢 性 腎 不 全 急 性 腎 不 全 の 透 析 療 法 導 入 の 基 準 を 説 明 できる 20) 急 性 腎 不 全 の 臨 床 症 状 を 知 っている 21) 急 性 腎 不 全 の 原 疾 患 を 挙 げることができる 22) 水 電 解 質 異 常 の 種 類 と 原 疾 患 を 挙 げられる 23) 酸 塩 基 平 衡 の 異 常 とそのメカニズム 原 疾 患 について 解 説 できる 24) 膠 原 病 症 例 の 臨 床 症 状 を 挙 げることができる 25) 膠 原 病 のすべてを 挙 げることができる 26) 膠 原 病 の 診 断 基 準 を 言 える 27) 自 己 免 疫 疾 患 の 病 因 を 解 説 できる 28) 多 種 の 自 己 抗 体 の 差 異 を 明 確 に 説 明 できる 29) 免 疫 抑 制 療 法 の 概 念 を 説 明 できる 30) 免 疫 抑 制 療 法 の 合 併 症 を 挙 げることができる b. 各 種 検 査 法 1) 検 尿 の 異 常 とそれぞれの 異 常 から 病 態 が 把 握 できる 2) 検 尿 異 常 から 鑑 別 診 断 ができる 3) 尿 沈 渣 を 観 察 し その 所 見 が 言 える 4) 尿 細 胞 診 の 評 価 ができる 5) 血 液 検 査 からの 腎 機 能 の 推 測 ができる 6) 尿 生 化 学 検 査 により 障 害 部 位 と 程 度 を 判 別 できる 7) 尿 生 化 学 検 査 から 蛋 白 異 化 率 を 求 められる 8) 核 医 学 的 腎 機 能 検 査 法 の 相 違 を 挙 げ 評 価 できる 9) 腎 生 検 を 実 施 できる 10) 腎 生 検 標 本 を 観 察 し 診 断 を 下 す 11) 特 殊 尿 検 査 の 診 断 的 意 義 を 把 握 する 12) 腹 部 超 音 波 検 査 で 腎 臓 の 形 態 の 異 常 が 指 摘 できる
13) 経 静 脈 性 尿 路 造 影 の 読 影 ができる 14)MRIにて 腎 泌 尿 器 系 の 所 見 が 読 める 15) 血 液 透 析 患 者 の 透 析 効 率 を 算 出 できる 16) 血 液 透 析 症 例 のCaPiコントロールの 評 価 ができる 17) 副 甲 状 腺 機 能 の 評 価 ができる 18)シャント 造 影 が 実 施 でき 読 影 できる 19) 急 性 腎 不 全 の 鑑 別 診 断 ができる 20) 尿 のアニオンギャップを 計 測 する 21) 関 節 病 変 の 画 像 診 断 ができる 22) 自 己 抗 体 の 差 異 による 鑑 別 診 断 ができる 23) 血 清 学 的 検 査 による 病 勢 の 判 断 ができる 24)TDM(Therepeutic Drug Monitoring)を 解 説 できる 25) 抗 リン 脂 質 抗 体 症 候 群 における 自 己 抗 体 の 検 出 法 を 挙 げる c. 各 種 治 療 法 1) 慢 性 腎 不 全 保 存 期 の 食 事 療 法 の 指 導 ができる 2) 急 性 腎 不 全 症 例 の 食 事 療 法 について 実 施 できる 3) 慢 性 腎 不 全 症 例 の 運 動 生 活 制 限 について 分 類 に 基 づいて 指 導 ができる 4) 慢 性 腎 不 全 保 存 期 の 腎 性 貧 血 の 治 療 (rhepoの 使 用 ) 5) 副 甲 状 腺 機 能 亢 進 症 の 治 療 (ビタミンD3 パルス 療 法 副 甲 状 腺 自 家 移 植 等 ) 6) 慢 性 腎 不 全 保 存 期 の 経 口 治 療 を 的 確 に 選 択 できる 7) 腎 機 能 障 害 時 の 薬 剤 の 選 択 ができる 8) 血 液 透 析 症 例 の 乾 燥 重 量 を 設 定 する 9) 血 液 透 析 療 法 の 処 方 を 決 定 する 10)Blood access の 種 類 と 選 択 の 実 際 について 言 える 11) 簡 単 なBlood access ( 外 シャント 自 己 血 管 内 シャント)を 作 成 する 12)Blood access における 血 栓 除 去 術 を 行 う 13) 腹 膜 透 析 用 カテーテルを 挿 入 する( 指 導 医 の 指 導 下 にて) 14) 腹 膜 機 能 平 衡 検 査 の 概 略 と 結 果 に 基 づく 腹 膜 透 析 の 処 方 ができる 15) 慢 性 糸 球 体 腎 炎 の 薬 物 療 法 を 実 施 する 16)ネフローゼ 症 候 群 の 薬 物 療 法 を 計 画 実 施 効 果 判 定 を 行 う 17)ステロイドパルス 療 法 の 効 果 判 定 副 作 用 について 知 っている 18) 免 疫 抑 制 療 法 下 での 合 併 症 について 解 説 し 対 処 法 を 実 施 できる 19) 血 漿 交 換 療 法 の 適 応 を 選 択 し 実 施 できる 20) 血 漿 二 重 ろ 過 療 法 の 適 応 疾 患 を 挙 げ 実 施 できる
d. 対 象 疾 患 1) 慢 性 糸 球 体 性 腎 炎 :IgA 腎 症 2) 慢 性 糸 球 体 性 腎 炎 : 膜 性 腎 症 3) 慢 性 糸 球 体 性 腎 炎 : 膜 性 増 殖 性 糸 球 体 腎 炎 4)その 他 の 慢 性 糸 球 体 腎 炎 5)ネフローゼ 症 候 群 : 微 小 変 化 群 6)ネフローゼ 症 候 群 : 巣 状 糸 球 体 硬 化 症 7)ネフローゼ 症 候 群 : 糖 尿 病 性 腎 症 8)ネフローゼ 症 候 群 :ループス 腎 炎 9) 間 質 性 腎 炎 10) 薬 剤 性 腎 障 害 11) 尿 細 管 性 アシドーシス 12) 代 謝 性 アシドーシス 13) 悪 性 高 血 圧 14) 紫 斑 病 性 腎 炎 15) 慢 性 腎 不 全 16) 腎 性 骨 異 栄 養 症 17) 急 性 腎 不 全 18) 横 紋 筋 融 解 症 19) 溶 血 性 尿 毒 症 症 候 群 20) 血 栓 性 血 小 板 減 少 性 紫 斑 病 21)ANCA 関 連 血 管 炎 22)ウエジナー 肉 芽 腫 症 23) 全 身 性 エリテマトーデス 24) 強 皮 症 25) 混 合 性 結 合 組 織 病 26)シェーグレン 症 候 群 27) 悪 性 関 節 リウマチ 28) 成 人 発 症 スチル 病 29) 抗 リン 脂 質 抗 体 症 候 群 e. 救 急 医 療 1) 急 性 腎 不 全 2) 慢 性 腎 不 全 末 期
3) 強 皮 腎 クリーゼ 4) 悪 性 高 血 圧 5) 肺 高 血 圧 症 (SLE MCTDによる) 6) 肺 塞 栓 (ネフローゼ 症 候 群 SLE 抗 リン 脂 質 症 候 群 による) 7) 酸 塩 基 平 衡 異 常 6. 研 修 内 容 ( 研 修 方 略 ) a. 外 来 業 務 研 修 1) 腎 膠 原 病 内 科 専 門 外 来 週 1 回 2) 一 般 内 科 外 来 週 1 回 3) 血 液 透 析 外 来 ( 分 院 透 析 センター) 週 1 回 4) 腹 膜 透 析 外 来 ( 分 院 透 析 センター) 週 1 回 b. 検 査 業 務 研 修 1) 腎 生 検 週 1 回 (1 件 から2 件 ) c. 手 術 業 務 研 修 1)シャント 手 術 2)シャント PTA( 分 院 透 析 センター) 週 1 回 週 1 回 d.カンファ 1) 腎 臓 内 科 CME 週 1 回 ( 月 ) 2) 症 例 カンファ (スモールグループディスカッション) 週 3 回 ( 月 :17:00-18:00 火 :8:00-8:30 水 :8:00-8:30) 3) 腎 膠 原 病 内 科 症 例 検 討 会 週 1 回 ( 水 :17:00-18:30) 4) 入 院 透 析 患 者 カンファ( 多 種 職 を 含 む) 週 1 回 ( 水 :15:30-16:30) 5)ジャーナルクラブ 週 1 回 ( 木 :8:00-8:30) 7. 後 期 研 修 終 了 時 習 得 可 能 資 格 1) 内 科 学 会 認 定 医 2) 日 本 腎 臓 学 会 専 門 医
8.キャリアパス 腎 膠 原 病 内 科 後 期 研 修 終 了 後 は 以 下 の3つのキャリアパスを 提 供 できます 1) 当 院 へ 在 籍 しスタッフとして さらに 臨 床 経 験 を 積 み 習 得 可 能 の 各 種 専 門 医 資 格 を 得 る 2) 大 学 院 ( 名 古 屋 市 立 大 学 )へ 入 学 し 学 位 習 得 へのキャリアへ 進 む 3) 関 連 施 設 へ 移 動 し 臨 床 経 験 をつむ 4) 国 内 留 学 ( 実 績 としては 愛 知 医 科 大 学 筑 波 大 学 名 古 屋 第 二 赤 十 字 病 院 な ど)し 期 間 限 定 ではあるが 目 的 に 応 じた 研 修 をつむ < 習 得 可 能 専 門 医 資 格 > 内 科 認 定 医 内 科 専 門 医 腎 臓 専 門 医 透 析 専 門 医 リウマチ 専 門 医