Similar documents
Microsoft Word - ☆f.doc

ひろっぱ355号2月Web用に.indd

2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 役 名 法 人 の 長 理 事 理 事 ( 非 常 勤 ) 平 成 25 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 16,936 10,654 4,36

< F2D874491E682528FCD2091E DF C A2E>

国 家 公 務 員 の 年 金 払 い 退 職 給 付 の 創 設 について 検 討 を 進 めるものとする 平 成 19 年 法 案 をベースに 一 元 化 の 具 体 的 内 容 について 検 討 する 関 係 省 庁 間 で 調 整 の 上 平 成 24 年 通 常 国 会 への 法 案 提

Microsoft Word - 2章.doc

(Microsoft Word - \213\213\227^\201E\222\350\210\365\212\307\227\235\214\366\225\\\201iH \)\201iHP\227p\201j.doc)

2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 平 成 27 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 役 名 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 2,142 ( 地 域 手 当 ) 17,205 11,580 3,311 4 月 1

<6D313588EF8FE991E58A778D9191E5834B C8EAE DC58F4992F18F6F816A F990B32E786C73>

Microsoft Word - 【溶け込み】【修正】第2章~第4章

各論_1章〜7章.indd

平成25年度 独立行政法人日本学生支援機構の役職員の報酬・給与等について

有 料 老 ホーム ( ) ( 主 として 要 介 護 状 態 にある を 入 居 させるも のに 限 る ) 第 29 条 ( 届 出 等 ) 第 二 十 九 条 有 料 老 ホーム( 老 を 入 居 させ 入 浴 排 せつ 若 しくは 食 事 の 介 護 食 事 の 提 供 又 はその 他 の

( 別 紙 ) 以 下 法 とあるのは 改 正 法 第 5 条 の 規 定 による 改 正 後 の 健 康 保 険 法 を 指 す ( 施 行 期 日 は 平 成 28 年 4 月 1 日 ) 1. 標 準 報 酬 月 額 の 等 級 区 分 の 追 加 について 問 1 法 改 正 により 追 加

頸 がん 予 防 措 置 の 実 施 の 推 進 のために 講 ずる 具 体 的 な 施 策 等 について 定 めることにより 子 宮 頸 がんの 確 実 な 予 防 を 図 ることを 目 的 とする ( 定 義 ) 第 二 条 この 法 律 において 子 宮 頸 がん 予 防 措 置 とは 子 宮

Taro-H19退職金(修正版).jtd

目次


18 国立高等専門学校機構

<6E32355F8D918DDB8BA697CD8BE28D C8EAE312E786C73>

私立大学等研究設備整備費等補助金(私立大学等

診療行為コード

17 外 国 人 看 護 師 候 補 者 就 労 研 修 支 援 18 看 護 職 員 の 就 労 環 境 改 善 運 動 推 進 特 別 20 歯 科 医 療 安 全 管 理 体 制 推 進 特 別 21 在 宅 歯 科 医 療 連 携 室 整 備 22 地 域 災 害 拠 点 病

公平委員会設置条例

図 表 1 1,000 万 円 以 上 高 額 レセプト ( 平 成 25 年 度 ) 順 位 月 額 医 療 費 主 傷 病 名 順 位 月 額 医 療 費 主 傷 病 名 順 位 月 額 医 療 費 主 傷 病 名 順 位 月 額 医 療 費 主 傷 病 名 順 位 月 額 医 療 費 主 傷

< F2D F97CC8EFB8F BE8DD78F9192CA926D>

( 医 療 機 器 の 性 能 及 び 機 能 ) 第 3 条 医 療 機 器 は 製 造 販 売 業 者 等 の 意 図 する 性 能 を 発 揮 できなければならず 医 療 機 器 としての 機 能 を 発 揮 できるよう 設 計 製 造 及 び 包 装 されなければならない 要 求 項 目 を

国立研究開発法人土木研究所の役職員の報酬・給与等について

(5) 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しの 実 施 状 況 概 要 国 の 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しにおいては 俸 給 表 の 水 準 の 平 均 2の 引 下 げ 及 び 地 域 手 当 の 支 給 割 合 の 見 直 し 等 に 取 り 組 むとされている 総 合 的

年 金 払 い 退 職 給 付 制 度 における 年 金 財 政 のイメージ 積 立 時 給 付 時 給 付 定 基 (1/2) で 年 金 を 基 準 利 率 で 付 利 給 付 定 基 ( 付 与 利 の ) 有 期 年 金 終 身 年 金 退 職 1 年 2 年 1 月 2 月 ( 終 了 )

Microsoft Word - 3大疾病保障特約付団体信用生命保険の概要_村上.docx

事務連絡

該 介 護 休 業 が 終 了 する 日 までに, 当 該 介 護 休 業 に 係 る 対 象 家 族 が 死 亡 したとき 又 は 離 婚, 婚 姻 の 取 消, 離 縁 等 により 当 該 介 護 休 業 に 係 る 対 象 家 族 との 親 族 関 係 が 消 滅 した とき (3) 配 偶

<6D33335F976C8EAE CF6955C A2E786C73>

全設健発第     号

毎 月 の 給 与 等 ( )を 一 定 の 等 級 区 分 にあてはめた 標 準 月 額 の 上 限 が 現 行 の47 等 級 から50 等 級 に 改 正 されます ( 別 紙 健 康 保 険 料 額 表 参 照 ) なお 法 改 正 に 伴 い 標 準 月 額 が 改 定 される 方 につい

[ 組 合 員 期 間 等 の 特 例 ] 組 合 員 期 間 等 については 年 齢 職 種 などにより 過 去 の 制 度 からの 経 過 措 置 が 設 けられ ており 被 用 者 年 制 度 の 加 入 期 間 ( 各 共 済 組 合 の 組 合 員 期 間 など)については 生 年 月 日

我孫子市小規模水道条例

Microsoft Word - 制度の概要_ED.docx

(Microsoft Word - \212\356\226{\225\373\220j _\217C\220\263\201j.doc)

Taro-iryouhoken

公 的 年 金 制 度 について 制 度 の 持 続 可 能 性 を 高 め 将 来 の 世 代 の 給 付 水 準 の 確 保 等 を 図 るため 持 続 可 能 な 社 会 保 障 制 度 の 確 立 を 図 るための 改 革 の 推 進 に 関 する 法 律 に 基 づく 社 会 経 済 情

3 職 員 の 初 任 給 等 の 状 況 (1) 職 員 の 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 及 び の 状 況 (24 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 一 般 行 政 職 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 ( ベース) 43.7 歳 32, , ,321

(2) 国 民 年 金 の 保 険 料 国 民 年 金 の 第 1 号 被 保 険 者 および 任 意 加 入 者 は, 保 険 料 を 納 めなければなりま せん また,より 高 い 老 齢 給 付 を 望 む 第 1 号 被 保 険 者 任 意 加 入 者 は, 希 望 により 付 加 保 険

16 日本学生支援機構

2 前 項 前 段 の 規 定 にかかわらず 年 俸 制 教 職 員 から 申 し 出 があった 場 合 においては 労 使 協 定 に 基 づき その 者 に 対 する 給 与 の 全 額 又 は 一 部 を 年 俸 制 教 職 員 が 希 望 する 金 融 機 関 等 の 本 人 名 義 の 口

< F2D C482C682EA B40945C8BE6>

(4) ラスパイレス 指 数 の 状 況 H H H5.4.1 ( 参 考 値 ) 97.1 H H H H5.4.1 H H5.4.1 ( 参 考


は 固 定 流 動 及 び 繰 延 に 区 分 することとし 減 価 償 却 を 行 うべき 固 定 の 取 得 又 は 改 良 に 充 てるための 補 助 金 等 の 交 付 を 受 けた 場 合 にお いては その 交 付 を 受 けた 金 額 に 相 当 する 額 を 長 期 前 受 金 とし

2 平 均 病 床 数 の 平 均 病 床 数 では 療 法 人 に 対 しそれ 以 外 の 開 設 主 体 自 治 体 社 会 保 険 関 係 団 体 その 他 公 的 の 規 模 が 2.5 倍 程 度 大 きく 療 法 人 に 比 べ 公 的 病 院 の 方 が 規 模 の 大 き いことが

<947A957A8E9197BF C E786C73>


公表表紙

m07 北見工業大学 様式①

国立大学法人 東京医科歯科大学教職員就業規則

Microsoft PowerPoint _GP向けGL_final

5 月 27 日 4 子 宮 頸 癌 1 GIO: 子 宮 頸 癌 の 病 態 診 断 治 療 について 理 解 する SBO: 1. 子 宮 頸 癌 の 発 癌 のメカニズムや 発 癌 過 程 について 説 明 できる 2. 子 宮 頸 癌 および 前 癌 病 変 の 分 類 ついて 説 明 でき

とする ( 減 免 額 の 納 付 ) 第 6 条 市 長 は 減 免 を 受 け た 者 が 偽 り そ の 他 不 正 な 方 法 に よ り 減 免 の 決 定 を 受 け た こ と を 知 っ た と き 前 の 申 告 が あ っ た と き 又 は 同 条 第 2 項 の 規 定 によ

為 が 行 われるおそれがある 場 合 に 都 道 府 県 公 安 委 員 会 がその 指 定 暴 力 団 等 を 特 定 抗 争 指 定 暴 力 団 等 として 指 定 し その 所 属 する 指 定 暴 力 団 員 が 警 戒 区 域 内 において 暴 力 団 の 事 務 所 を 新 たに 設

 

目  次

<4D F736F F D C689D789B582B581698AAE90AC92CA926D816A2E646F63>

別紙3

別 表 1 土 地 建 物 提 案 型 の 供 給 計 画 に 関 する 評 価 項 目 と 評 価 点 数 表 項 目 区 分 評 価 内 容 と 点 数 一 般 評 価 項 目 立 地 条 件 (1) 交 通 利 便 性 ( 徒 歩 =80m/1 分 ) 25 (2) 生 活 利 便

退職手当とは

(2) 勤 続 5 年 を 超 え 10 年 までの 期 間 については 勤 続 期 間 1 年 につき 本 俸 月 額 の100 分 の140 (3) 勤 続 10 年 を 超 え 20 年 までの 期 間 については 勤 続 期 間 1 年 につき 本 俸 月 額 の100 分 の180 (4)

セルフメディケーション推進のための一般用医薬品等に関する所得控除制度の創設(個別要望事項:HP掲載用)

●幼児教育振興法案

HIV感染防止マニュアル(出力用).indd

( 月 額 で 支 給 されるもの) 扶 養 手 当 住 居 手 当 通 勤 手 当 ( 1 2) 単 身 赴 任 手 当 寒 冷 地 手 当 等 1 傷 病 手 当 金 出 産 手 当 金 又 は 休 業 手 当 金 ( 以 下 傷 病 手 当 金 等 という ) と 報 酬 との 調 整 につい

共 通 認 識 1 官 民 較 差 調 整 後 は 退 職 給 付 全 体 でみて 民 間 企 業 の 事 業 主 負 担 と 均 衡 する 水 準 で あれば 最 終 的 な 税 負 担 は 変 わらず 公 務 員 を 優 遇 するものとはならないものであ ること 2 民 間 の 実 態 を 考

った 場 合 など 監 事 の 任 務 懈 怠 の 場 合 は その 程 度 に 応 じて 業 績 勘 案 率 を 減 算 する (8) 役 員 の 法 人 に 対 する 特 段 の 貢 献 が 認 められる 場 合 は その 程 度 に 応 じて 業 績 勘 案 率 を 加 算 することができる

Microsoft Word 印刷ver 本編最終no1(黒字化) .doc

2 職 員 の 平 均 給 与 月 額 初 任 給 等 の 状 況 (1) 職 員 の 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 及 び 平 均 給 与 月 額 の 状 況 (26 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 一 般 行 政 職 区 分 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 平 均 給 与

第5回法人課税ディスカッショングループ 法D5-4

大 田 区 保 育 従 事 職 員 宿 舎 借 り 上 げ 支 援 事 業 Q&A 目 次 Ⅰ 補 助 事 業 全 般 について P3~P4 Ⅱ 補 助 対 象 施 設 について P5 Ⅲ 補 助 対 象 職 員 について P6~P10 Ⅳ 補 助 対 象 経 費 について P11~P13 2

5

2 一 般 行 政 職 給 料 表 の 状 況 ( 平 成 23 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 号 給 の 給 料 月 額 最 高 号 給 の 給 料 月 額 1 級 2 級 3 級 4 級 5 級 ( 単 位 : ) 6 級 7 級 8 級 135, , ,900 2

目 次 表 紙... 1 目 次... 2 改 訂 記 録 目 的 対 象 製 造 部 門 品 質 部 門 組 織 PET 薬 剤 製 造 施 設 ( 施 設 長 )の 責 務 製 造 管 理 者 の 責 務... 7

Taro-29職員退職手当支給規程

(\202g22\214\366\225\\.xls)

島根大学における学生等の授業料その他の費用に関する規則

ていることから それに 先 行 する 形 で 下 請 業 者 についても 対 策 を 講 じることとしまし た 本 県 としましては それまでの 間 に 未 加 入 の 建 設 業 者 に 加 入 していただきますよう 28 年 4 月 から 実 施 することとしました 問 6 公 共 工 事 の

<904588F582CC8B8B975E814592E888F58AC7979D82CC8CF6955C E348DEC90AC2E786C73>

(2) 広 島 国 際 学 院 大 学 ( 以 下 大 学 という ) (3) 広 島 国 際 学 院 大 学 自 動 車 短 期 大 学 部 ( 以 下 短 大 という ) (4) 広 島 国 際 学 院 高 等 学 校 ( 以 下 高 校 という ) ( 学 納 金 の 種 類 ) 第 3 条

<4D F736F F D208E52979C8CA78E598BC68F5790CF91A390698F9590AC8BE08CF D6A2E646F6378>

2 職 員 の 初 任 給 等 の 状 況 (1) 職 員 の 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 及 び の 状 況 (26 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 一 般 行 政 職 平 均 年 齢 静 岡 県 国 類 似 団 体 2 技 能 労 務 職 区 41.8 歳 42.6 歳 43.5

<4D F736F F D D3188C091538AC7979D8B4B92F F292B98CF092CA81698A94816A2E646F63>

(5) 給 与 改 定 の 状 況 事 委 員 会 が 無 い た め 記 載 し て お り ま せ ん 1 月 例 給 事 委 員 会 の 勧 告 ( 参 考 ) 区 分 民 間 給 与 A 公 務 員 給 与 B 較 差 A - B 勧 告 ( 改 定 率 ) 給 与 改 定 率 国 の 改

新ひだか町住宅新築リフォーム等緊急支援補助金交付要綱

δ

賃 金 改 善 の 方 法 等 について ( 問 1) 厚 生 労 働 省 の 説 明 資 料 や 報 道 等 において 15,000 円 という 金 額 が 出 てきているが 15,000 円 を 上 回 る 賃 金 改 善 計 画 を 策 定 しなければ 本 交 付 金 による 助 成 を 受

市街化区域と市街化調整区域との区分

第 9 条 の 前 の 見 出 しを 削 り 同 条 に 見 出 しとして ( 部 分 休 業 の 承 認 ) を 付 し 同 条 中 1 日 を 通 じて2 時 間 ( 規 則 で 定 める 育 児 休 暇 を 承 認 されている 職 員 については 2 時 間 から 当 該 育 児 休 暇 の

(4) 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しの 実 施 状 況 について 1 給 料 表 の 見 直 し [ 実 施 ] 実 施 内 容 ( 給 料 表 の 改 定 実 施 時 期 ) 平 成 27 年 4 月 1 日 ( 内 容 ) 行 政 職 給 料 表 について 国 の 見 直 し 内

2 特 別 給 人 事 委 員 会 の 勧 告 区 分 民 間 の 支 給 割 公 務 員 の 支 給 格 差 勧 告 年 間 支 給 数 合 A 数 B A-B ( 改 定 数 ) 年 度 ( 注 ) 民 間 の 支 給 割 合 は 民 間 事 業 所 で 支 払 われた 賞 与 等 の 特 別

資料1:勧告の仕組みとポイント 改【完成】

(2) 支 状 況 保 育 所 ( 定 員 60 人 以 上 ) 支 状 況 は 次 とおりです 1 総 入 構 成 比 は 割 合 が88.1% 活 動 外 入 が2.1% 特 別 入 が9.8%でした 2 構 成 比 は 運 営 費 入 が80.1% 経 常 経 費 補 助 金 入 が17.8%

Microsoft Word - nagekomi栃木県特定医療費(指定難病)支給認定申請手続きのご案内 - コピー

Transcription:

2008. 11. 10 脳 頸 動 脈 領 域 エキスパートインタビュー CASで 狭 窄 率 は79.7%から9.4%へ 改 善 鹿 児 島 大 学 大 学 院 脳 神 経 外 科 学 講 師 永 山 哲 也 氏 関 連 ジャンル: 循 環 器 脳 血 管 頸 動 脈 用 ステントシステム(PRECISE ANGIOGUARD XP)が 2008 年 4 月 に 保 険 認 可 され 日 本 においても 頸 動 脈 ステント 留 置 術 (CAS;carotid artery stenting)が 本 格 化 すると 思 われる そこで 頸 動 脈 狭 窄 症 に 対 する CASの 現 状 さらにCAS 周 術 期 の 薬 物 療 法 などについ て 鹿 児 島 大 学 大 学 院 脳 神 経 外 科 学 講 師 の 永 山 哲 也 氏 ( 写 真 )に 解 説 をお 願 いした( 日 経 メディカル 別 冊 ) 頸 動 脈 狭 窄 症 の 治 療 では 何 を 治 療 目 標 とされ るのでしょうか 鹿 児 島 大 学 大 学 院 脳 神 経 外 科 学 講 師 の 永 山 哲 也 氏 永 山 頸 動 脈 狭 窄 症 は 症 候 性 ( 脳 梗 塞 TIAを 発 症 )と 無 症 候 性 に 分 けられ さらに 狭 窄 度 70% 以 上 を 高 度 50~69%を 中 等 度 30~49%を 軽 度 とするのが 一 般 的 です 頸 動 脈 狭 窄 症 の 治 療 には 頸 動 脈 内 膜 剥 離 術 (CEA;carotid endarterectomy)とcasがあり 主 に 脳 梗 塞 の 発 症 予 防 を 目 的 としています

一 般 に 頸 動 脈 狭 窄 症 は 脳 梗 塞 の 原 因 の1~2 割 を 占 めていると 考 えられています 頸 動 脈 狭 窄 症 に 基 づく 脳 梗 塞 の 発 症 機 序 としては 塞 栓 性 機 序 と 血 行 力 学 的 機 序 さらに 両 者 の 合 わさったものがあります 塞 栓 性 機 序 によるものは 頸 部 の 狭 窄 部 位 から 血 栓 などが 飛 び 脳 血 管 を 閉 塞 させることで 脳 梗 塞 を 起 こします 一 方 血 行 力 学 的 機 序 によるものは 血 流 が 次 第 に 乏 しくなることによって 脳 梗 塞 が 生 じます このように 脳 梗 塞 の 原 因 の1つとされる 頸 動 脈 狭 窄 症 を 治 療 することは 大 変 重 要 です CEAは エビデンス 上 どのように 評 価 されているのでしょうか 永 山 頸 動 脈 狭 窄 症 の 外 科 的 治 療 としては 従 来 から 頸 動 脈 を 切 開 して 内 膜 のプラーク を 剥 離 するCEAが 行 われてきました この 治 療 法 に 関 する 代 表 的 なエビデンスとして 症 候 性 に 関 してはNASCET(North American Symptomatic Carotid Endarterectomy Trial) 試 験 があ り 70% 以 上 の 症 候 性 高 度 狭 窄 病 変 に 対 するCEAは 内 科 的 治 療 ( 抗 血 小 板 療 法 )よりも 脳 卒 中 再 発 予 防 効 果 が 高 いことが 示 されています また NASCETのその 後 の 報 告 では 50% 以 上 の 中 等 度 狭 窄 でも CEAは 内 科 的 治 療 よりも 脳 卒 中 再 発 率 を 低 下 させることが 明 らかに なっています 一 方 無 症 候 性 に 関 しては 代 表 的 なエビデンスとしてACAS(Asymptomatic Carotid Atherosclerosis Study) 試 験 があり 60% 以 上 の 無 症 候 性 狭 窄 病 変 に 対 するCEAは 内 科 的 治 療 より 脳 卒 中 予 防 効 果 が 高 いことが 示 されています 頸 動 脈 用 ステントシステムが 保 険 認 可 され わが 国 でもCASが 多 く 行 われるようになっ ています 頸 動 脈 狭 窄 症 に 対 する 血 管 内 治 療 は これまでどのような 過 程 を 経 てきたのでしょ うか 永 山 バルーン 形 成 術 による 冠 動 脈 狭 窄 の 治 療 が 進 歩 したことから 1980 年 代 になって 経 皮 的 血 管 形 成 術 (PTA;percutaneous transluminal angioplasty)は 頸 動 脈 狭 窄 の 治 療 にも 行 わ れるようになりました しかし バルーンのみを 用 いた 治 療 は 再 狭 窄 動 脈 解 離 遠 位 塞 栓 の 問 題 から 普 及 には 至 りませんでした その 後 ステントが 導 入 され プロテクションデバイス ( 末 梢 塞 栓 防 止 用 デバイス)が 開 発 されたことで 最 近 になって 積 極 的 に 行 われるようになり ました わが 国 では2008 年 4 月 よりCASが 認 可 されましたが CASは 比 較 的 低 侵 襲 で 行 えると いう 利 点 がありますので 保 険 収 載 以 前 の 段 階 でも 頸 動 脈 狭 窄 症 に 対 する 治 療 の5~6 割 を 占 めるようになっていました CASは エビデンス 上 どのように 評 価 されているのでしょうか

永 山 米 国 FDAは2004 年 にCASを 認 可 しています その 裏 付 けとなる 代 表 的 なエビデンスが SAPPHIRE(Stenting and Angioplasty with Protection in Patients at High Risk for Endarterectomy) 試 験 です 本 試 験 では CEAのハイリスク 患 者 ( 症 候 性 では 狭 窄 度 50% 以 上 無 症 候 性 では 狭 窄 度 80% 以 上 )を 対 象 に CASとCEAが 比 較 され CASの 非 劣 性 が 証 明 されました わが 国 でのCAS 承 認 も この 結 果 に 基 づいており 適 応 基 準 はCEAのハイリスク 患 者 で 症 候 性 で50% 以 上 無 症 候 性 で80% 以 上 の 狭 窄 がある 場 合 とされています CASに 用 いられるステントは どのような 特 徴 を 持 っているのでしょうか 永 山 冠 動 脈 における 血 管 内 治 療 では 主 にバルーンの 圧 力 で 拡 張 するバルーン 拡 張 型 ス テントが 使 われます 一 方 頸 動 脈 では 外 力 が 加 わりやすく それによりステントが 変 形 する 恐 れがありますので 自 己 拡 張 型 ステントを 使 用 しています クローズドセルタイプ (Wallstent)とオープンセルタイプがありますが 今 回 保 険 適 用 になったPRECISEはオープン セルタイプです クローズドセルタイプはステントの 網 の 目 が 細 かいので 血 栓 などが 飛 びや すい 状 態 の 狭 窄 で 有 利 とされ オープンセルタイプは 屈 曲 が 強 い 部 位 の 狭 窄 で 有 利 とされて います それぞれに 一 長 一 短 がありますので 使 い 分 けることが 理 想 的 ですが 現 段 階 で 保 険 適 用 になっているのはオープンセルタイプだけです プロテクションデバイスは どのようなものですか 永 山 保 険 収 載 前 によく 行 っていたのはdistal balloon protection 法 (GuardWire Plus: PercuSurge)です ガイドワイヤー 先 端 のバルーンを 膨 らませ 脳 への 血 流 を 止 めて 脳 血 管 に 血 栓 などのデブリスが 飛 ぶのを 防 ぎます そして ステント 留 置 後 吸 引 カテーテルでデブ リスを 回 収 し バルーンを 減 圧 して 血 流 を 回 復 します 一 方 今 回 保 険 適 用 されたANGIOGUARD XPはフィルタータイプですので 処 置 中 の 血 流 は 維 持 され デブリスはフィルターによって 捕 捉 し 回 収 されます 通 常 ステント 留 置 に 要 する 時 間 は10 分 ほどで 片 側 の 頸 動 脈 をバルーンによって 閉 塞 させても 症 状 は 出 ないことが 多 い のですが すぐ 症 状 が 出 る 人 もいて 局 所 麻 酔 が 難 しい 場 合 があります しかし ANGIOGUARD XPでは 血 流 は 保 たれますので 症 状 が 出 ずにすむという 利 点 があります 一 方 デブリスによってフィルターが 詰 りno flowになる 場 合 もあります 実 際 その 頻 度 は10 ~20%といわれ no flowになった 症 例 の 約 40%に 術 後 脳 梗 塞 などの 合 併 症 がみられる とい う 報 告 もありますので この 点 は 今 後 の 大 きな 課 題 だと 思 います

今 回 の 保 険 適 用 では CAS 実 施 に 関 して どのような 条 件 が 挙 げられているのでしょう か 永 山 日 本 脳 神 経 血 管 内 治 療 学 会 など 関 連 12 学 会 が 合 意 した 実 施 医 と 指 導 医 の 基 準 が 定 められています 実 施 医 に 関 しては カテーテル 治 療 専 門 医 または 認 定 医 で 選 択 的 頸 動 脈 撮 影 を 含 む 脳 血 管 造 影 を30 例 以 上 経 験 していることが 条 件 とされています さらに 脳 外 科 医 の 場 合 は 頸 動 脈 ステント 留 置 術 を10 例 以 上 術 者 または 助 手 として 行 っていること 心 血 管 カテーテル 治 療 専 門 医 の 場 合 は 冠 動 脈 ステント 留 置 術 を200 例 以 上 行 っていること 血 管 外 科 専 門 医 の 場 合 は 末 梢 血 管 のステント 留 置 術 を50 例 以 上 術 者 または 助 手 として 行 ってい ることが 条 件 です 指 導 医 に 関 しては 頸 動 脈 ステント 留 置 術 を 術 者 として30 例 以 上 行 っていることが 条 件 と なっています また CASを 始 めるに 際 しては 研 修 プログラムの 実 施 が 義 務 付 けられており まずコンピュ ーターで 勉 強 をして(オンライン 座 学 ) その 後 シミュレーターなどを 使 った 講 習 を 受 けます さらに 指 導 医 の 下 で 術 者 として2 例 のステント 治 療 に 成 功 すると 実 施 医 になることができま す 実 施 医 となって さらに30 例 のCASを 実 施 すると 指 導 医 になる 資 格 を 得 ることができま す CASが 適 応 となるのは CEAのハイリスク 群 ということですが 具 体 的 には どのような 症 例 が 対 象 となるのでしょう 永 山 われわれの 施 設 では 表 1のい ずれかに 該 当 する 症 例 をCEAハイリス ク 群 としています これらのうち 最 も 多 いのは 高 齢 者 で われわれの 施 設 でCASを 施 行 した 患 者 さんの 約 7 割 は 70 歳 以 上 の 高 齢 者 です ただし SAPPHIRE 試 験 では80 歳 以 上 をハイリ スク 群 としており 何 歳 以 上 をハイリス ク 群 とするかは 施 設 により 異 なって 表 1 頸 動 脈 ステント 留 置 術 の 適 応 いるかもしれません

CASによる 治 療 が 困 難 なのは どのような 症 例 ですか 永 山 通 常 カテーテルは 大 腿 動 脈 から 挿 入 しますが 高 度 屈 曲 病 変 などによって 頸 動 脈 へ のカテーテル 到 達 が 難 しい 場 合 などが 挙 げられます 頸 動 脈 狭 窄 部 の 全 周 性 石 灰 化 により 拡 張 不 十 分 になることが 予 想 される 症 例 また 潰 瘍 形 成 や 不 安 定 プラークなど 手 技 中 に 浮 遊 血 栓 などが 飛 ぶ 可 能 性 が 高 い 場 合 も 難 しいといえます 実 際 CASでどのような 治 療 成 績 が 得 られているのでしょうか 永 山 われわれは2004 年 以 降 原 則 的 にCASを 第 1 選 択 としてきました 以 前 は NASCETや ACASなどで 得 られているエビデンスに 基 づいて 50% 以 上 の 症 候 性 と60% 以 上 の 無 症 候 性 の 狭 窄 病 変 を 治 療 対 象 としていましたが 2008 年 4 月 以 降 はわが 国 の 適 応 基 準 に 則 して 行 っ ています 2004 年 1 月 から2008 年 8 月 までに153 例 にCASを 行 っており 年 齢 は45~82 歳 ( 平 均 年 齢 70.7 歳 ) 132 例 (86.2%)が 男 性 です 発 症 形 式 は 症 候 性 が109 例 (71%) 無 症 候 性 が44 例 (29%)です 術 後 追 跡 期 間 は1カ 月 ~4 年 8カ 月 ( 平 均 24.5カ 月 )です その 結 果 狭 窄 率 は 79.7%から9.4%へ 改 善 されています distal balloon protection 法 の 場 合 側 副 血 行 が 乏 しい 人 では 虚 血 による 麻 痺 意 識 障 害 な どの 症 状 が 一 時 的 に 出 現 しますが これは118 例 中 35 例 (30%)で 認 められています しかし バルーンによる 閉 塞 を 解 除 した 後 全 例 で 症 状 は 速 やかに 消 失 し 影 響 はみられていませ ん ANGIOGUARD XPの 場 合 は フィルターにデブリスが 詰 まって 血 流 が 悪 化 するslow flowが 起 こることがありますが われわれは 24 例 中 5 例 (21%)でslow flowを 経 験 しています slow flowがさらにひどくなると no flowになり 術 後 に 脳 梗 塞 が 起 きやすいといわれていますが こ れまでのところno flowの 経 験 はありません もう1つの 問 題 として バルーンによって 狭 窄 部 分 を 広 げることによって 動 脈 壁 に 存 在 する 頸 動 脈 洞 のbaroreceptorが 刺 激 を 受 け 迷 走 神 経 の 反 射 によって 徐 脈 や 低 血 圧 が 起 こること があります このようにして 手 術 中 に 徐 脈 低 血 圧 が 出 現 したのは44 例 (28.7%)でした そ のうち 薬 による 対 応 が 必 要 であったのが 約 7 割 で 一 番 長 い 人 では8 日 間 の 昇 圧 剤 投 与 が 必 要 でした しかし その 後 は 全 例 で 症 状 の 回 復 が 認 められています

また 高 度 の 狭 窄 によって 血 流 が 乏 しくなっている 場 合 治 療 によって 急 激 に 血 流 が 増 加 す ると 頭 痛 脳 局 所 症 状 などを 呈 する 過 灌 流 症 候 群 が 起 こることがありますが これは 今 のと ころ1 例 も 経 験 していません 周 術 期 合 併 症 として ステント 留 置 後 の 一 過 性 不 全 麻 痺 が1 例 あります distal balloon protection 法 を 使 用 していた 時 期 に プロテクションが 施 行 できない 状 態 で 処 置 をした 結 果 デブリスが 飛 び 神 経 学 的 な 症 状 が 出 現 したわけですが 幸 い 3~4 日 で 症 状 は 回 復 しまし た したがって 現 在 までのところ 術 後 30 日 以 内 の 死 亡 例 後 遺 症 発 生 例 は 起 きていません 術 後 30 日 以 降 では 死 亡 が6 例 脳 梗 塞 が2 例 あります 死 亡 の 原 因 は リウマチの 悪 化 が 1 例 胃 癌 食 道 癌 が3 例 心 不 全 が2 例 です 脳 梗 塞 は いずれも 頸 動 脈 病 変 に 起 因 するも のではなく CASが 原 因 で 脳 梗 塞 が 起 こった 人 は 今 のところいません このように CASの 成 績 は 非 常 に 良 好 ですが 合 併 症 を 有 する 患 者 さんが 多 いので それら を 原 因 とする 死 亡 が 多 いという 状 況 です このほかに 穿 刺 部 の 異 常 を2 例 で 経 験 しています 1 例 は 血 管 の 閉 塞 他 の1 例 は 仮 性 動 脈 瘤 です これらには 保 存 的 な 治 療 を 行 い いずれも 良 好 な 経 過 を 得 ています 1 2 2006-2008 Nikkei Business Publications, Inc. All Rights Reserved.

2008. 11. 10 脳 頸 動 脈 領 域 エキスパートインタビュー CASで 狭 窄 率 は79.7%から9.4%へ 改 善 鹿 児 島 大 学 大 学 院 脳 神 経 外 科 学 講 師 永 山 哲 也 氏 関 連 ジャンル: 循 環 器 脳 血 管 抗 血 小 板 薬 は どのように 使 用 されているのでしょうか 永 山 CASによる 治 療 が 必 要 な 患 者 さんの 場 合 ほとんどの 方 は 既 に 抗 血 小 板 薬 1 剤 を 服 用 していますので 原 則 として CASの1 週 間 前 から それにもう1 剤 を 加 えるようにしています CASは 局 所 麻 酔 下 に 行 い 術 中 は 抗 凝 固 薬 のヘパリンを 使 用 します さらに 術 後 は 抗 トロ ンビン 薬 のアルガトロバンを48 時 間 持 続 投 与 します 抗 血 小 板 薬 については 特 に 中 止 することなく 翌 日 から2 剤 投 与 を 再 開 し 基 本 的 には3カ 月 後 を 目 処 に1 剤 とします これは 出 血 傾 向 を 防 ぐためです 抗 血 小 板 薬 は 従 来 は1 剤 単 独 が 多 かったのですが 最 近 は 脳 出 血 既 往 者 などを 除 いて2 剤 を 併 用 しています これまでのCAS 施 行 例 における 抗 血 小 板 薬 の 使 用 状 況 をみますと 2 剤 併 用 が64% 1 剤 単 独 が36%となっています 1 剤 の 場 合 はアスピリンが65%と 最 も 多 く クロピドグレルは15% シロスタゾールは11%で 使 用 されています かつてはチクロピジンを 使 用 することも 多 かったのですが 現 在 チクロピ

ジンを 単 独 で 使 うことは ほとんどありません 2 剤 併 用 ではアスピ リンとシロスタゾール の 組 み 合 わせが 40%と 最 も 多 くなって います アスピリンと チクロピジンの 併 用 に 関 しては 最 近 は 減 っている 状 況 で す アスピリンとシロス タゾール 併 用 の 場 合 は 出 血 リスクを 増 大 させる 恐 れが 比 較 的 少 ない 印 象 があり ますので 3カ 月 を 過 図 1 抗 血 小 板 薬 の 使 用 状 況 ぎても 併 用 を 続 ける ことが 多 くありますが それ 以 外 の 併 用 の 場 合 には 3カ 月 を 過 ぎると1 剤 に 減 らします シロ スタゾールには 症 候 性 頭 蓋 内 動 脈 狭 窄 の 進 展 抑 制 頸 動 脈 内 膜 中 膜 肥 厚 の 進 展 抑 制 冠 動 脈 ステント 留 置 後 の 再 狭 窄 抑 制 といった 抗 動 脈 硬 化 作 用 を 示 す 報 告 が 散 見 されるため 再 狭 窄 予 防 も 考 慮 して 1 剤 にするときにはシロスタゾールを 継 続 し アスピリンを 切 るように しています( 図 1 図 2) 図 2 CASにおける 抗 血 小 板 薬 プロトコール

CASの 今 後 の 課 題 については どのようにお 考 えでしょうか 永 山 不 安 定 プラークがある 場 合 の 対 応 が 1つの 大 きな 課 題 だと 考 えています エコーや MRIで ソフトプラークが 見 つかった 場 合 血 栓 などが 飛 ぶ 確 率 は 高 く 飛 ばないにしても あ るいは 回 収 できるにしても 遊 離 する 物 質 は 多 いと 予 想 されますので CASを 行 って 良 いのか 否 かが 問 題 になります 大 部 分 はCASで 治 療 可 能 と 考 えていますが CEAの 技 術 はやはり 残 しておく 必 要 があると 思 っています 1 2 2006-2008 Nikkei Business Publications, Inc. All Rights Reserved.