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第 3 節 衝 突 と 摩 擦 第 4 章 法 制 度 の 強 化 第 4 章 長 春 市 における 満 州 国 教 育 旧 祉 群 法 制 度 による 再 解 釈 第 1 節 満 州 国 文 教 部 旧 祉 第 2 節 満 州 国 文 教 部 の 組 織 と 機 能 第 3 節 満 州 国 新 京 の 諸 学 校 旧 祉 第 4 節 満 州 国 文 教 部 旧 祉 に 関 する 再 解 釈 第 5 章 満 州 国 政 府 官 庁 旧 祉 群 の 歴 史 と 現 在 第 1 節 満 州 国 官 庁 旧 祉 群 とは 第 2 節 満 州 国 と 溥 儀 第 3 節 満 州 国 国 都 建 設 組 織 第 4 節 官 庁 旧 祉 群 の 過 去 と 現 在 第 6 章 満 州 国 旧 祉 群 の 保 存 をめぐる 論 争 とその 位 置 づけの 変 化 第 1 節 満 州 国 旧 祉 群 の 保 存 をめぐる 論 争 第 2 節 満 州 国 旧 祉 群 をめぐる 位 置 づけの 変 化 第 3 節 満 州 国 旧 祉 群 と 文 化 第 7 章 長 春 市 における 満 州 国 旧 祉 群 の 価 値 の 再 検 討 ユネスコ 世 界 文 化 遺 産 登 録 に 向 けて 第 1 節 文 化 財 保 護 法 の 視 座 第 2 節 長 春 市 における 満 州 国 旧 祉 群 の 道 徳 的 な 性 格 第 3 節 長 春 市 における 満 州 国 旧 祉 群 の 再 検 討 第 4 節 満 州 国 新 京 の 位 置 づけ 第 5 節 残 された 課 題 終 章 参 考 文 献 付 録

第 1~7 章 の 要 旨 第 1 章 中 華 人 民 共 和 国 建 国 後 満 州 国 の 旧 官 衙 など 諸 施 設 は 堅 牢 さと 利 便 性 が 評 価 され すな わち 使 用 価 値 により 諸 政 府 や 中 国 人 民 によって 少 なくとも 1980 年 代 初 頭 まで 使 用 さ れて 来 た それを 大 きく 変 えたのは 1982 年 11 月 に 制 定 された 文 化 財 保 護 法 であった 歴 史 の 記 憶 という 価 値 が 満 州 国 旧 祉 群 に 加 わったのである 第 2 章 1980 年 代 には 中 国 映 画 の 揺 籃 とされた 長 春 映 画 製 作 所 ( 長 映 )の 原 点 は 満 州 国 時 代 の 満 州 映 画 製 作 所 ( 満 映 )であった 満 映 は 中 国 東 北 部 ( 満 州 )に 映 画 という 娯 楽 を 伝 え 庶 民 はそれを 受 け 入 れていった 中 華 人 民 共 和 国 建 国 後 満 映 の 技 術 者 たちは 中 国 に 留 用 され 中 国 人 に 映 画 製 作 技 術 を 伝 えた 長 春 市 内 の 長 映 の 映 画 館 が 建 国 以 来 30 年 間 連 続 してほぼ 満 席 状 態 であったことを 考 えるとき この 製 作 技 術 と 映 画 の 大 衆 化 の 過 程 はまさに 文 化 触 変 の 過 程 であった 長 映 の 施 設 はすでに 郊 外 に 移 転 したが この 満 映 の 施 設 は 今 日 長 春 市 内 に 旧 祉 として 残 されている 第 3 章 文 化 財 保 護 法 とその 関 連 法 令 の 制 定 さらに6 次 にわたる 文 化 財 保 護 法 の 改 正 により 保 護 基 準 が 明 確 化 され 省 政 府 市 政 府 など 地 方 政 府 の 権 限 と 責 任 が 強 化 された 長 春 市 における 文 化 財 認 定 件 数 は 1984 年 1 月 以 来 2012 年 12 月 までに 150 に 達 し その 内 の 63 が 満 州 国 時 代 のものである その 63 のうち 皇 宮 関 東 軍 司 令 部 施 設 満 州 国 軍 事 部 はじめ 八 大 部 官 庁 建 国 忠 魂 廟 等 16 か 所 が 吉 林 省 条 例 によって 省 指 定 の 文 化 財 とな っている 第 4 章 満 州 国 政 府 は 1932 年 それまで 使 用 されていた 南 京 政 府 による 1927 年 版 教 科 書 三 民 主 義 をことごとく 焼 却 し 日 満 一 体 精 神 を 人 民 に 貫 徹 させる 目 的 で 文 教 部 を 設 置 した 日 本 語 学 習 が 強 制 され 満 州 国 へ 多 くの 日 本 語 教 師 が 派 遣 され 満 州 からは 多 く の 留 学 生 が 日 本 に 派 遣 された もちろん これは 支 配 者 である 日 本 が 帝 国 主 義 政 策 の 一 環 として 行 ったことは 疑 う 余 地 はない しかし 満 州 の 人 々は 日 本 語 を 通 じて 近 代 的 な 思 想 や 文 化 を 摂 取 したことも 事 実 である 半 封 建 半 植 民 地 と 辛 亥 革 命 失 敗 の 歴 史 の 中 で どのように 満 州 国 文 教 部 旧 祉 を 捉 えればいいのか 文 化 財 保 護 法 第 2 条 ( 文 化 財 とは 歴 史 的 価 値 を 持 ち 各 時 代 の 社 会 制 度 社 会 生 産 社 会 活 動 を 反 映 し 教 育 上 の 意 義 を 持 つもの)からすれば それは 貴 重 な 文 化 財 である 現 在 その 建 物 は 老 朽 化 によ り 撤 去 されてしまったが 今 日 その 旧 祉 は 八 大 部 の 一 つとして 長 春 市 の 文 化 財 であ る

第 5 章 長 春 市 における 満 州 国 の 主 な 官 庁 旧 祉 群 には 二 宮 九 部 一 衙 がある 二 宮 とは 仮 宮 殿 と 新 宮 殿 であり 九 部 とは 関 東 軍 司 令 部 と 軍 事 部 など 八 大 部 のことであり 一 衙 とは 総 合 法 衙 である 二 宮 のうちの 仮 宮 殿 すなわち 満 州 国 皇 宮 は 偽 満 皇 宮 博 物 館 として 収 蔵 物 約 2 万 点 館 員 161 名 を 擁 し 年 間 50 万 余 り(うち 外 国 人 3 万 )の 来 館 者 を 集 めている また 中 央 政 府 により それは 最 高 の AAAAA 級 の 観 光 地 であり 全 国 の 優 秀 な 愛 国 教 育 基 地 と 称 されている また 八 大 部 旧 祉 群 は 全 国 126 景 観 として 多 くの 観 光 客 を 集 めている 第 6 章 文 化 財 保 護 法 により 長 春 市 政 府 によって 認 定 された 文 化 財 は 保 護 される 勝 手 に 破 壊 や 転 用 は 許 されない 従 って 文 化 財 ならずとも 満 州 国 時 代 の 古 い 建 造 物 は 価 値 ある ものとして 大 切 にされなければならない しかし 市 政 府 とそれら 建 造 物 の 使 用 権 者 と のトラブルは 頻 繁 に 生 ずる さらに 満 州 国 旧 祉 については 歴 史 認 識 の 問 題 がつきまとう マイナスの 評 価 については 民 族 傷 痕 さらに 撤 去 論 まである 肯 定 はしないが で はハルビンの 半 分 を 上 海 バンドも 植 民 地 旧 祉 だからその 全 部 をそれぞれ 取 り 壊 すのか と 撤 去 論 に 反 対 する 知 識 人 もいる これに 対 し 満 州 国 旧 祉 群 は 西 洋 と 東 洋 の 文 化 の 融 合 の 産 物 であり それ 自 体 文 化 財 であるという 意 見 もある このように 満 州 国 旧 祉 群 に 関 し 全 国 的 にそして 長 春 市 民 の 間 でいろいろな 意 見 が あり 意 見 の 一 致 は 見 られない とはいえ 2013 年 には 長 春 市 満 州 国 旧 祉 3 組 13 か 所 が 全 国 文 化 財 リストに 入 れられた 皇 宮 と 八 大 部 満 州 国 中 央 銀 行 長 映 初 期 建 築 がそのリスト 入 りを 果 たしたのである 第 7 章 2007 年 12 月 の 長 春 市 人 民 大 会 で 満 州 国 旧 祉 群 を 世 界 警 示 性 文 化 遺 産 つまり 同 じ 歴 史 を 繰 り 返 さないよう 世 界 に 警 告 し 展 示 する 文 化 遺 産 とするという 提 案 が 採 択 さ れた それを 受 けて 長 春 市 長 崔 傑 が 2009 年 3 月 の 全 国 人 民 代 表 大 会 において そのよ うな 趣 旨 の 提 案 をした これに 中 央 政 治 局 常 務 委 員 李 長 春 が 注 目 した 中 国 共 産 党 中 央 宣 伝 部 の 協 力 のもとで この 計 画 は 全 国 の 注 目 するところとなり 長 春 市 政 府 による 宣 伝 が 功 を 奏 してか 満 州 国 旧 祉 群 に 対 する 長 春 市 民 の 理 解 が 進 んだように 思 われる 今 長 春 市 政 府 は 満 州 国 旧 祉 群 を 世 界 警 示 性 文 化 遺 産 としてユネスコ 世 界 遺 産 への 登 録 を 目 指 してその 準 備 を 進 めている

評 価 周 論 文 は 満 州 国 の 首 都 であった 長 春 市 という 日 本 のかつての 満 州 支 配 を 象 徴 する 都 市 に 遺 された 満 州 国 官 衙 の 建 造 物 や 関 連 施 設 を 対 象 にして 中 華 人 民 共 和 国 建 国 以 来 それらの 利 用 や 保 存 の 実 情 を そして 中 央 政 府 の 制 定 した 文 化 財 保 護 法 の 変 遷 とそれに 伴 う 長 春 市 政 府 による 満 州 国 遺 産 の 保 存 の 推 移 を 明 らかにすること を 目 的 としたものである その 目 的 は 達 成 されていると 言 ってよい また 昨 年 8 月 29 日 に 実 施 されたセミナーにおいて 指 摘 された 文 章 表 現 の 稚 拙 さ 不 適 切 さという 問 題 点 や 資 料 に 関 する 課 題 などは おおむね 解 決 された その 努 力 を 多 としたい そもそも 中 国 や 日 本 において 傀 儡 国 家 満 州 国 の 建 造 物 やその 関 連 施 設 の 実 情 について 紹 介 し 建 築 史 や 都 市 計 画 の 視 点 から 論 ぜられることはあっても 第 2 次 世 界 大 戦 終 了 後 におけるその 利 用 や 保 存 ないしはその 変 遷 について 学 問 研 究 の 対 象 として 扱 われることはなかった 欧 米 においても 同 様 である その 意 味 ではこの 周 論 文 は 画 期 的 であると 言 えよう しかし 本 論 文 にはいくつかの 課 題 もある 第 一 に 相 対 化 するという 視 点 から 満 州 国 が 建 てた 建 造 物 や 施 設 以 外 の 大 連 や 瀋 陽 に 数 多 く 存 在 する 満 鉄 や 関 東 州 の 手 に よる 建 造 物 や 施 設 に 対 する 中 央 政 府 や 大 連 市 など 地 方 政 府 の 対 応 に 関 して 触 れるところ があってもいいのではないか 上 海 市 と 外 灘 の 旧 欧 米 居 留 地 北 京 市 と 円 明 園 について は 触 れられるが 例 えば 大 連 市 による 満 鉄 関 東 州 による 建 造 物 や 関 連 施 設 への 対 応 や 保 存 に 向 けた 姿 勢 との 比 較 があってもよかったのではないか 第 二 に 本 論 文 で 取 り 上 げられた 建 造 物 や 施 設 が 満 州 国 崩 壊 後 長 春 市 の 都 市 計 画 や 社 会 的 文 化 的 インフラの 整 備 とどのように 関 わって 来 たのか という 点 に 触 れ られていない 点 である 確 かに 周 論 文 では 満 映 が 長 映 となり 映 画 製 作 の 技 術 移 転 に 大 きな 役 割 を 果 たしたことや 日 満 一 体 のスローガンの 下 に 日 本 語 や 日 本 文 化 の 強 制 に 大 きな 役 割 を 果 たした 満 州 国 文 教 部 の 遺 産 がその 後 の 日 本 語 人 材 の 育 成 に 影 響 を 与 えた 点 については 日 本 人 や 中 国 人 の 研 究 や 指 摘 を 踏 まえつつ 言 及 されて いる この 点 は 評 価 できるが 映 画 館 などの 娯 楽 施 設 やデパートや 市 場 などの 商 業 施 設 が 戦 後 の 長 春 市 においてどのような 意 味 を 持 ったのかということを 明 らかにして 欲 しか ったし 今 後 の 研 究 によって 是 非 とも 明 らかにしてもらいたい 点 である 第 三 に 最 近 の 動 向 に 関 する 論 述 特 にユネスコ 世 界 文 化 遺 産 への 登 録 を 目 指 す 長 春 市 政 府 や 中 央 政 府 の 姿 勢 とその 政 策 決 定 に 関 する 論 述 について 根 拠 が 必 ずしも 明 確 で ないところがある 直 接 的 な 資 料 収 集 に 大 きな 制 約 があることは 理 解 できるが 手 堅 い 周 辺 資 料 から 詰 めることはできないか との 思 いは 残 る しかし この 3 点 は 先 に 挙 げた 本 論 文 の 学 術 的 意 義 を 些 かとも 損 なうものではない むしろ 周 氏 はじめ 日 中 両 国 の 研 究 者 が 本 論 文 を 契 機 に 今 後 取 り 組 むべき 課 題 であろう 以 上 から 本 審 査 委 員 会 は 現 代 社 会 研 究 科 委 員 会 に 本 論 文 が 博 士 論 文 に 値 するとご 報 告 する 次 第 である 以 上