2011.7 Vol.10 Nantan General Hospital 信 頼 される 医 療 をめざして 副 院 長 大 おおしま 嶋 かず や 一 也 このたびの 東 日 本 大 震 災 に 被 災 された 方 々に 心 からお 見 舞 い 申 し 上 げます 3 月 11 日 の 夕 刻 から 映 し 出 された 怒 涛 の 如 く 押 し 寄 せる 津 波 の 映 像 を 見 て だれしもが これは 未 曾 有 の 大 震 災 だと 震 撼 されたことと 思 います はからずも 前 号 (Vol.9)で 紹 介 された 公 立 南 丹 病 院 DMAT 一 隊 (6 名 )が 早 速 翌 日 被 災 地 に 入 り 救 援 活 動 を 行 いました 頻 繁 に 起 こる 余 震 不 十 分 な 食 糧 寸 断 された 道 路 など 震 災 直 後 の 現 場 は 医 療 活 動 もままならぬ 状 況 であったと 聞 いています 当 院 も 被 災 地 から の 妊 産 婦 の 受 け 入 れや 透 析 患 者 さんの 長 期 にわ たる 入 院 治 療 も 受 け 入 れるなど 積 極 的 に 協 力 援 助 を 申 し 出 ております さて 震 災 から 3 カ 月 が 過 ぎましたが 原 発 の 問 題 や 苦 しい 財 政 事 情 混 迷 きわまる 政 治 情 勢 な ど 復 興 どころか 復 旧 にもまだまだ 道 遠 しの 状 況 で す それでも 日 本 人 としての 一 体 感 (きずな)は 明 らかに 強 まった 今 東 北 地 方 に 明 るい 新 たな 歴 史 が 開 かれることを 信 じて 犠 牲 になられた 方 々 のご 冥 福 をお 祈 りしたいと 思 います また 東 北 地 方 には 多 数 の 生 産 工 場 があり 今 回 の 震 災 で 破 壊 流 失 など 大 きな 被 害 を 受 けました 製 薬 会 社 の 工 場 も 被 害 を 受 け 薬 の 製 造 ができな くなり 皆 様 方 がいつも 処 方 されている 薬 が 手 に 入 らなくなったり 投 与 日 数 の 制 限 や メーカーが 違 ったりすることも 生 じております 可 能 な 限 りご 迷 惑 をかけないように 配 慮 させていただきますが ご 理 解 ご 了 承 をお 願 い 致 します さて 公 立 南 丹 病 院 ですが この 新 年 度 に 医 師 看 護 師 など 新 しい 職 員 を 多 数 迎 え 更 に 充 実 した 内 容 の 医 療 が 行 える 体 制 を 整 えております 京 都 府 南 丹 医 療 圏 唯 一 の 公 立 総 合 病 院 として 通 常 の 診 療 以 外 に 年 中 無 休 の 夜 間 休 日 救 急 の 実 施 医 学 生 看 護 学 生 や 救 急 救 命 士 等 々の 教 育 各 種 専 門 学 会 や 研 究 会 への 発 表 など 多 方 面 での 活 動 が 求 められており こうした 重 責 を 担 える 人 材 と 設 備 施 設 をなんとしても 確 保 していかねばなりません 特 に 医 師 看 護 師 助 産 師 の 不 足 は 深 刻 です そ の 対 策 の 一 環 として 子 育 てしながら 働 ける 環 境 作 りが 急 がれていましたが この 4 月 に 待 望 の 院 内 保 育 所 たんぽぽ が 開 所 しました これにより 働 く 意 欲 のある 職 員 が 安 心 してその 能 力 を 発 揮 し てくれるものと 期 待 しています 近 年 医 療 は 専 門 化 が 進 み 医 師 の 専 門 分 野 も 細 分 化 され 多 様 な 病 態 の 患 者 さんの 治 療 にあたっ ては 専 門 医 間 の 連 携 はもちろん 多 くの 専 門 家 の 協 力 を 必 要 とします 看 護 師 助 産 師 薬 剤 師 診 療 放 射 線 技 師 臨 床 検 査 技 師 臨 床 工 学 技 士 理 学 療 法 士 作 業 療 法 士 管 理 栄 養 士 言 語 聴 覚 士 歯 科 衛 生 士 視 能 訓 練 士 など 全 て 国 家 資 格 が 必 要 な 専 門 職 です 当 院 では 医 師 や 歯 科 医 師 が こう した 専 門 家 と 協 力 して 個 々の 患 者 さんに 最 適 な 治 療 を 提 供 するためのチーム 医 療 を 進 めておりま す このように 医 療 や 介 護 に 精 通 した 事 務 局 職 員 を 含 め 多 種 多 様 な 人 材 の 確 保 が 病 院 の 実 力 を 高 め ひいては 地 域 住 民 の 皆 様 方 の 生 命 と 健 康 を お 守 りできると 信 じております これからも 皆 様 方 に 信 頼 され その 信 頼 を 裏 切 らない 病 院 を 目 指 し て 職 員 一 同 研 鑚 を 続 けてまいりますので 今 後 ともよろしくお 願 い 申 し 上 げます 最 後 に 産 婦 人 科 を 少 し 紹 介 させていただきま す 2 年 前 の 広 報 誌 Vol.2 で 医 師 不 足 のため 分 娩 制 限 せざる 得 ないことをお 知 らせしました この 間 関 係 者 のご 努 力 もあって 昨 年 から 常 勤 医 が 3 名 となり お 約 束 通 り 分 娩 制 限 を 解 除 しました し ばらくご 不 便 ご 心 配 をおかけしましたが 今 後 は 随 意 に 予 約 していただけると 思 います また 当 2
Nantan General Hospital 2011.7 Vol.10 院 は 小 児 科 も 充 実 していて 早 産 児 でも 管 理 可 能 のため 地 域 周 産 期 母 子 医 療 センターとしては 亀 岡 市 以 北 で 唯 一 妊 娠 30 週 以 上 であれば 母 体 搬 送 も 受 け 入 れています このように 小 児 科 医 や 時 には 麻 酔 科 医 も 加 わり 安 全 で 安 心 できるお 産 の 実 践 に 取 り 組 んでおります 周 産 期 医 療 の 最 終 目 標 は 母 子 ともに 元 気 に 退 院 していただくことで あり その 目 的 のためスタッフ 一 同 頑 張 ってまい りますので ご 支 援 よろしくお 願 い 申 し 上 げます 禁 煙 外 来 について 総 合 内 科 部 長 かわ の ひでひこ 河 野 秀 彦 南 丹 病 院 では 平 成 20 年 9 月 より 禁 煙 外 来 を 開 設 しています 医 師 1 名 看 護 師 2 名 で 毎 週 木 曜 日 に 行 っています 昨 年 10 月 のタバコ 値 上 がり 以 降 受 診 者 が 急 増 してきています 一 時 期 禁 煙 補 助 薬 が 品 薄 になった 時 期 もありましたが 本 年 初 め より 通 常 状 態 に 戻 っています 禁 煙 外 来 は 3 ヶ 月 の 間 に 原 則 計 5 回 受 診 してい ただくことになっており 最 初 の 受 診 時 には 喫 煙 状 況 など 詳 しくお 聞 きするために 30 分 程 度 かけ ています 禁 煙 外 来 はニコチン 依 存 症 という 病 名 をつけて 薬 を 保 険 で 処 方 する 外 来 です そのた めに (1)タバコ 依 存 度 スコア(TDS)を 調 べ 一 定 の 点 数 を 超 えているかどうか (2) 喫 煙 指 数 (1 日 の 喫 煙 本 数 喫 煙 年 数 )が 200 以 上 かどうか (3)すぐに 禁 煙 す る 気 があるかどうか (4) 文 書 で 禁 煙 挑 戦 を 表 明 できるかどうか 以 上 の 4 点 を 確 認 します タバコの 成 分 の 話 をするとほと んどの 方 はショックのあまり 絶 句 されるか もしくはすぐには 信 じ られないのか 遠 くを 見 つめてい るような 表 情 をされます まだ 一 般 の 方 へのこうした 知 識 の 普 及 が すすんでいないことにもよるのでしょう にわか には 信 じられない 話 も タバコの 一 成 分 である 一 酸 化 炭 素 の 呼 気 中 濃 度 測 定 を 受 けていただくと うな ウーン と 唸 られます 禁 煙 外 来 に 来 られた 動 機 をお 聞 きすると 自 分 や 家 族 の 健 康 への 影 響 が 気 になられた 方 ご 家 族 に 促 されて あまり 乗 り 気 ではないがとりあえず 来 てみた 方 喫 煙 場 所 が 少 なくなり 肩 身 が 狭 くなっ て 受 診 される 方 と 様 々です どんな 動 機 でも 構 いません まずはとにかく 一 度 気 軽 に 受 診 してい ただいて タバコについて 一 緒 に 考 える 機 会 にな ればと 思 っております 最 近 あるドーム 球 場 の 屋 内 で 透 明 な 壁 に 覆 われた 喫 煙 ルームを 見 かけました 内 部 はタバコ の 白 煙 でもうもうとし 周 囲 にはタバコ 臭 が 立 ち 込 めていました 父 親 が 喫 煙 ルームの 中 でタバコを 吸 い おそらく 子 供 さんでしょう ドアから 中 に 入 ろうとしている 状 況 でした 父 親 は 入 ってきたら あかん という 仕 草 で 止 めていましたが 同 じ 年 頃 の 子 供 を 持 つ 私 には このような 不 完 全 な 分 煙 は 意 味 のあるものとは 到 底 思 えず 悲 しい 光 景 でした 少 しでも 早 く 日 本 でも 屋 内 完 全 禁 煙 が 実 現 することを 祈 りつつ 一 人 でも 多 くの 方 が 卒 煙 されるよう 手 助 けをしていきたいと 考 えている 今 日 この 頃 です 禁 煙 外 来 : 毎 週 木 曜 午 後 ( 予 約 制 ) お 申 し 込 みは 健 診 センターまで 電 話 0771-42-2510 ( 内 線 2800) 平 日 9:00 17:00 まで 禁 煙 外 来 のスタッフと 担 当 医 の 河 野 秀 彦 部 長 ( 中 央 ) 3
2011.7 Vol.10 Nantan General Hospital 福 島 第 一 原 発 事 故 における 放 射 線 被 曝 者 に 対 するサーベイ 活 動 報 告 診 療 放 射 線 技 師 主 任 やま ね としのり 山 根 稔 教 はじめに 平 成 23 年 3 月 11 日 に 三 陸 沖 で 発 生 しました 東 北 地 方 太 平 洋 沖 地 震 におきま して お 亡 くなりになられた 多 くの 方 にお 悔 やみ 申 し 上 げるとともに 被 災 された 皆 様 に 心 からお 見 舞 い 申 し 上 げます 今 回 発 生 した 東 北 地 方 太 平 洋 沖 地 震 の 影 響 で 福 島 第 一 原 子 力 発 電 所 ( 以 下 福 島 第 一 原 発 ) での 事 故 が 発 生 し 放 射 性 物 質 が 外 に 漏 れ 出 し 周 辺 地 域 に 飛 散 して 土 壌 汚 染 や 地 域 住 民 の 方 の 健 康 を 脅 かすこととなりました このた め 福 島 第 一 原 発 から 半 径 20km 以 内 の 住 民 は 避 難 を 余 儀 なくされました 日 本 放 射 線 技 師 会 は 内 閣 府 原 子 力 安 全 委 員 会 及 び 福 島 県 より 放 射 線 被 曝 者 に 対 する 放 射 線 測 定 の 派 遣 依 頼 に 基 づいて 放 射 線 サーベイ 隊 を 第 1 次 から 第 11 次 派 遣 隊 まで 編 成 し 3 月 16 日 から 4 月 17 日 まで 活 動 しました 私 は 第 7 派 遣 隊 ( 京 都 府 )に 選 出 され 4 人 のチームで 活 動 してきまし た 活 動 目 的 は 放 射 性 物 質 の 飛 散 による 避 難 者 の 被 曝 測 定 と 放 射 性 物 質 汚 染 者 の 除 染 作 業 であり 派 遣 期 間 は 移 動 期 間 を 含 め 3 月 31 日 から 4 月 4 日 までの 5 日 間 でした また 活 動 場 所 は 福 島 第 一 原 発 から 37km 離 れた 田 村 市 総 合 運 動 公 園 内 スク リーニング 会 場 で この 会 場 の 体 育 館 には 約 800 人 の 方 が 避 難 所 生 活 をされていました このスク リーニング 会 場 では 電 気 事 業 連 合 社 員 北 海 道 庁 職 員 熊 本 市 職 員 田 村 市 職 員 被 災 地 の 大 熊 町 の 方 達 と 一 緒 に 活 動 しました このグループの 中 では 私 達 の 派 遣 隊 がリーダー 班 として 任 命 され ていたため 放 射 線 測 定 班 の 10 班 を 取 りまとめ 放 射 線 サーベイから 放 射 線 相 談 スクリーニング 証 明 書 発 行 までを 手 がけました 活 動 期 間 中 は チー ムで 約 2,200 人 の 方 を 測 定 しスクリーニング 証 明 書 を 発 行 し また 数 十 件 の 放 射 線 相 談 説 明 をお こなってきました また 放 射 線 汚 染 による 除 染 作 業 も 備 えていましたが 除 染 対 象 となる 方 は 居 られませんでした 私 達 が 派 遣 された 時 期 は 福 島 第 一 原 発 の 20km 圏 内 から 1 次 避 難 されてきた 方 達 が 2 次 避 難 先 へ 移 動 準 備 をされている 最 中 にあたり スク リーニング 証 明 書 がないと 2 次 避 難 所 に 受 け 入 れ てもらえない 病 院 で 診 察 してもらえないなどの 風 評 があり 多 くの 方 が 来 場 されました 会 場 で は 犬 や 猫 の 測 定 荷 物 の 測 定 を 依 頼 されることも ありました また ペットの 遺 体 を 測 定 して 欲 しい という 人 もおられました 大 きな 災 害 に 見 舞 われ き ぜん と 大 変 苦 労 されているにも 関 わらず 皆 さん 毅 然 した 態 度 で 来 られていました 私 は 緊 急 時 に 備 えて 講 習 会 や 訓 練 を 受 けていま したが いざ 活 動 してみると 思 うようには 進 みませ んでした 今 回 の 活 動 を 経 て 感 じたことは 非 日 常 的 で 混 乱 した 場 所 で 活 動 するには 強 いリーダー シップを 発 揮 すること 何 事 も 臨 機 応 変 に 対 応 し うまくコントロールしていくことが 必 要 だというこ とです 被 災 された 皆 様 の 1 日 も 早 い 復 興 を 心 よ りお 祈 り 申 し 上 げます 4
Nantan General Hospital 2011.7 Vol.10 シリーズ 部 門 紹 介 腎 センタ ー いずみ 腎 センター 看 護 師 長 泉 み 美 さ 佐 こ 子 当 院 の 透 析 室 は 腎 臓 内 科 医 師 3 名 看 護 師 11 名 臨 床 工 学 技 士 7 名 看 護 助 手 2 名 事 務 1 名 が 透 析 業 務 に 携 わっています 月 水 金 火 木 土 とそれぞれ 2 クールの 透 析 を 行 なっており 現 在 約 190 名 ( 腹 膜 透 析 :9 名 吸 着 療 法 :3 名 含 む)の 患 者 さんが 治 療 をされています 慢 性 腎 不 全 の 血 液 透 析 導 入 はもちろん 重 篤 な 合 併 症 を 併 した 維 持 透 析 症 例 や 急 性 腎 不 全 の 治 療 閉 塞 性 動 脈 硬 化 症 などの 吸 着 療 法 にも 対 応 し ています また 旅 行 帰 省 時 の 短 期 間 臨 時 透 析 に も 対 応 しています スタッフ 一 同 協 力 して 患 者 さんが 安 心 して 治 療 に 臨 めるよう 努 力 しています 臨 床 工 学 士 によって 機 械 の 定 期 点 検 が 行 なわれており 機 械 トラブル にもすぐ 対 応 でき 安 全 な 透 析 を 行 なうことができ ます シャントトラブルの 対 策 壊 疽 予 防 災 害 対 策 とそれぞれチームを 作 り 力 を 入 れているところ です 透 析 治 療 は 何 かと 制 限 の 多 い 治 療 ですが 患 者 さんに 有 意 義 な 生 活 を 送 っていただけるよう お 手 伝 いをすることを 心 がけています 透 析 室 は 患 者 さんが 長 い 時 間 過 ごされる 場 所 です できる だけ 患 者 さんが 安 心 して 治 療 に 臨 めるような 環 境 を 提 供 できるよう 努 めています また 少 しでも 患 者 さん ご 家 族 の 方 が 抱 かれ る 不 安 を 和 らげるため 治 療 のこと 食 事 のこと 医 療 費 や 福 祉 制 度 のことなど 分 からないことは 何 でもお 気 軽 にご 相 談 していただきたいと 思 いま す 5
2011.7 Vol.10 Nantan General Hospital みんなの リハビリテーション 今 回 はスプーンについての 紹 介 をします 食 事 は 人 生 の 中 でも 大 切 で 楽 しいものですが 病 気 や ケガ 等 により 食 事 動 作 が 難 しくなることもありま す 自 助 具 紹 介 スプーン 作 業 療 法 士 おんむら なお と 恩 村 直 人 二 股 に 柄 が 分 かれたスプーンは 指 が 曲 がりに くい 場 合 に 有 効 です 写 真 のように 手 に 挟 み 込 ん で 使 用 します 熱 を 加 えることで 形 が 変 わるため 手 の 障 害 程 度 や 大 きさに 合 わせて 修 正 することが できる 優 れものです 普 通 のスプーンでは 握 れないという 場 合 には 写 真 のように 差 し 込 んで 柄 を 太 くしたり 元 々 柄 の 太 いスプーンが 売 られています 柄 の 部 分 は 適 切 な 大 きさに 切 ることができスプーンの 長 さに 合 わせて 調 整 ができます くすりの 飲 み 合 わせ 薬 剤 師 いまいずみ 今 泉 ゆ き 有 希 くすりには 飲 み 合 わせの 悪 い 組 み 合 わせがある ことはよく 知 られています 一 緒 に 飲 むくすりの 種 類 が 多 いほど 副 作 用 が 出 やすくなることもわかっ ています 飲 み 合 わせが 悪 くなるメカニズムには いろいろあります それは くすりの 個 性 と 複 雑 に 関 係 しているため くすりごとに 違 います くすり 同 士 の 相 性 違 う 病 気 で 違 う 病 院 に 行 ってくすりを 処 方 して もらっても 今 飲 んでいるくすりと 同 じ 作 用 を 持 っ ているかもしれません 身 体 に 対 して 同 じ 作 用 や 似 た 作 用 を 持 っているくすりを 一 緒 に 飲 むと 効 き 目 が 強 くなる 場 合 があります 病 気 の 治 療 をするために 作 用 の 同 じ 薬 を 重 ね て 使 うこともありますが 危 険 なのは 違 う 病 気 に 使 うのにたまたま 作 用 の 同 じ 薬 が 重 なって 重 い 症 状 が 出 ることです また くすりには 反 対 の 作 用 を 持 っているものも あります そういう 組 み 合 わせでくすりを 飲 むと お 互 いの 効 きめを 弱 めてしまうことがあります 食 べ 物 や 嗜 好 品 との 相 性 くすりとの 関 係 でよく 知 られているのは グレー プフルーツジュースや 納 豆 です 他 にもお 酒 やコー ヒー 牛 乳 チーズ ワイン タバコなどは 効 き 目 に 影 響 するくすりがあることも 知 られています 食 事 そのものが くすりの 身 体 への 取 り 込 みを 悪 く したりすることもありますので そういう 時 は 食 事 の 前 や 食 間 に 飲 むなどの 工 夫 が 必 要 です くすりも 人 間 と 同 じように 個 性 があります 個 性 があれば 相 性 もさまざまです 新 しいくすりを 飲 み 始 める 時 は 現 在 飲 んでい るくすりとの 相 性 や 生 活 習 慣 で 気 をつけることがないか 確 認 してから 飲 んでいただくこ とが 大 切 です 6
Nantan General Hospital 2011.7 Vol.10 医 療 費 豆 知 識 選 定 療 養 費 医 事 課 長 はっ た ひろあき 八 田 裕 明 当 院 では 初 診 に 際 し 他 の 医 療 機 関 から 紹 介 状 ( 診 療 情 報 提 供 書 )をお 持 ちでない 方 は 初 診 料 の 他 に 選 定 療 養 費 ( 保 険 外 併 用 療 養 費 ) として 1,050 円 ( 消 費 税 込 み)をご 負 担 いた だいております 選 定 療 養 費 とは 初 期 の 治 療 は 地 域 の 医 院 診 療 所 などで 高 度 専 門 医 療 は 病 院 (200 床 以 上 )で 行 う という 医 療 機 関 の 機 能 分 担 の 推 進 を 目 的 として 厚 生 労 働 省 により 制 定 され た 制 度 です 当 院 に 受 診 される 際 には まずお 近 くの 医 院 診 療 所 におかかりのうえ 紹 介 状 ( 診 療 情 報 提 供 書 )をお 持 ちいただくことで 選 定 療 養 費 のご 負 担 がないだけでなく 検 査 結 果 などを 医 師 が 拝 見 して 診 察 を 行 うことができ 度 重 なる 検 査 などによる 医 療 費 や 患 者 さまのお 身 体 へのご 負 担 も 軽 減 することができます 7
*menu* 治 療 食 の ご 紹 介 Healthy Recipe 治 療 食 ( 糖 尿 病 食 )のご 紹 介 はた ち え こ 管 理 栄 養 士 長 畑 千 栄 子 糖 尿 病 は 栄 養 素 の 代 謝 がうまくいかなくなる 病 気 だ けに 代 謝 を 円 滑 にするビタミンやミネラルは 不 足 しな いように 気 をつける 必 要 があります 糖 尿 病 食 はエネ ルギーを 抑 えつつ 食 事 全 体 はバランスよく 摂 るように します 特 にエネルギー 代 謝 に 関 わるビタミン B 群 の 利 用 が 悪 くなるといわれていますので ビタミン B 群 は 心 掛 けて 摂 るようにしましょう 血 糖 値 を 上 げない 食 べ 方 のコツは 野 菜 海 草 類 から 先 に 食 べることです 食 物 繊 維 が 血 糖 の 上 昇 を 抑 えてくれます さて 今 回 は 糖 尿 病 食 メニューから 夏 らしく 七 夕 さけ の 日 の 献 立 をご 紹 介 します 鮭 の 汐 焼 き チンゲン サイの 浸 し 七 夕 そうめん フルーツの 4 品 です 鮭 は 春 から 夏 にかけて 獲 れる ときしらず と 呼 ばれる 種 類 で レチノール(ビタミン A)やビタミン B 1 B 2 B 6 D E が 豊 富 な 魚 です チンゲンサイも 一 年 中 使 える 食 材 でカ ロテン ビタミン C カルシウムが 豊 富 に 含 まれていま す さけ 鮭 の 汐 焼 き 材 料 鮭 (6 0 g )1 切 れ ( ) ( ) 塩 0.5g 酒 2.0cc 油 2.0cc しし 唐 2 本 作 り 方 鮭 は 塩 酒 で 下 味 を 付 け 15 分 程 置 き 軽 く 振 り 塩 をして 焼 き しし 唐 も 素 焼 きにする 七 夕 そうめん 材 料 そうめん( 干 ) 15g 材 料 (1 人 分 )と 作 り 方 錦 糸 卵 5.0g オクラ 5.0g 大 葉 1 枚 梅 肉 1.0g だし 汁 50cc 塩 0.5g 薄 口 しょうゆ 3.0cc 生 姜 汁 1.0cc 作 り 方 オクラはさっと 茹 で 小 口 切 りに 薄 焼 き 卵 を 作 り 錦 糸 に 切 る そうめんを 茹 で 流 水 で 洗 い 器 に 盛 り オクラ 錦 糸 卵 大 葉 梅 肉 を 飾 る つゆを 作 り 隠 し 味 に 生 姜 汁 を 入 れ 器 につゆを 張 る チンゲンサイの 浸 し 材 料 チンゲンサイ 80g 白 ゴマ 2.0g ( 濃 口 しょうゆ 3.0cc) 作 り 方 チンゲンサイはさっと 茹 で 流 水 で 熱 を 取 り 軽 く 絞 り 味 を 付 け 器 に 盛 り 花 かつ おを 添 える フルーツ 材 料 グレープフルーツ 100g スイカ ぶどう 桃 などの 季 節 の 果 物 で もよい 編 集 後 記 この 度 の 震 災 で お 薬 手 帳 が 見 直 されました というのは 被 災 者 の 多 くの 方 は 避 難 するのが 精 一 杯 で 服 用 されている 薬 やお 薬 手 帳 を 持 ってい ない 人 が 多 く 予 想 して 処 方 することがあるようで お 薬 手 帳 の 大 切 さを 痛 感 されたそうです 一 方 行 きつけの 病 院 に 行 けなくなって 別 の 病 院 での 受 診 の 際 に お 薬 手 帳 を 持 って 行 かれた 方 はお 薬 での 治 療 経 過 がわかり 対 応 し 易 かったというこ とです 災 害 時 や 別 の 病 院 での 受 診 時 は お 薬 手 帳 をお 持 ち 頂 ければ 必 ず 役 に 立 ちますので 携 わ だ 行 をお 願 いします ( 薬 剤 部 長 : 和 田 淳 あつし ) MAP 表 紙 のイラスト: 京 都 新 聞 提 供