口腔機能向上サービスの提供のあり方と介護予防効果等に関する調査研究



Similar documents
横浜市障害者ガイドヘルプ事業実施要綱

目 次 1. 社 会 保 障 分 野 でできること 1 1 高 額 医 療 高 額 介 護 合 算 制 度 の 改 善 2 保 険 証 機 能 の 一 元 化 3 自 己 診 療 情 報 の 活 用 4 給 付 可 能 サービスの 行 政 側 からの 通 知 2. 年 金 分 野 でできること 5

Ⅶ 東 海 地 震 に 関 して 注 意 情 報 発 表 時 及 び 警 戒 宣 言 発 令 時 の 対 応 大 規 模 地 震 対 策 特 別 措 置 法 第 6 条 の 規 定 に 基 づき 本 県 の 東 海 地 震 に 係 る 地 震 防 災 対 策 強 化 地 域 において 東 海 地 震

Microsoft Word - 目次.doc

<4D F736F F D20836E E819592E88C5E B F944E82548C8E89FC90B3816A5F6A D28F57>

<4D F736F F D C8E9688D993AE82C994BA82A492F18F6F8F9197DE81698DC58F49816A2E646F6378>

は 共 有 名 義 )で 所 有 権 保 存 登 記 又 は 所 有 権 移 転 登 記 を された も の で あ る こと (3) 居 室 便 所 台 所 及 び 風 呂 を 備 え 居 住 の ために 使 用 す る 部 分 の 延 べ 床 面 積 が 5 0 平 方 メ ー ト ル 以 上

Microsoft Word - y doc

 

2 1.ヒアリング 対 象 (1) 対 象 範 囲 分 類 年 金 医 療 保 険 雇 用 保 険 税 備 考 厚 生 年 金 の 資 格 喪 失 国 民 年 金 の 加 入 老 齢 給 付 裁 定 請 求 など 健 康 保 険 の 資 格 喪 失 国 民 健 康 保 険 の 加 入 健 康 保 険

<4D F736F F D2095BD90AC E ED957D977B8ED28E918A6982C982C282A282C42E646F63>

5) 在 宅 医 療 提 供 体 制 の 検 討 退 院 に 関 わる 業 種 ごとに 部 会 を 立 ち 上 げ 在 宅 医 療 に 必 要 なことについて 検 討 していく またそれを 拠 点 整 備 事 業 委 員 会 が 統 括 し さらにそれを 拠 点 整 備 事 業 協 議 会 が 監

障害福祉制度あらまし目次


( 別 紙 ) 以 下 法 とあるのは 改 正 法 第 5 条 の 規 定 による 改 正 後 の 健 康 保 険 法 を 指 す ( 施 行 期 日 は 平 成 28 年 4 月 1 日 ) 1. 標 準 報 酬 月 額 の 等 級 区 分 の 追 加 について 問 1 法 改 正 により 追 加

Taro-iryouhoken

第 7 条 職 員 の 給 与 に 関 する 規 程 ( 以 下 給 与 規 程 という ) 第 21 条 第 1 項 に 規 定 す るそれぞれの 基 準 日 に 育 児 休 業 している 職 員 のうち 基 準 日 以 前 6 月 以 内 の 期 間 にお いて 在 職 した 期 間 がある 職

第1号様式

(\202g22\214\366\225\\.xls)

(2) 特 別 障 害 給 付 金 国 民 年 金 に 任 意 加 入 していなかったことにより 障 害 基 礎 年 金 等 を 受 給 していない 障 がい 者 の 方 に 対 し 福 祉 的 措 置 として 給 付 金 の 支 給 を 行 う 制 度 です 支 給 対 象 者 平 成 3 年 3

国民年金


17 外 国 人 看 護 師 候 補 者 就 労 研 修 支 援 18 看 護 職 員 の 就 労 環 境 改 善 運 動 推 進 特 別 20 歯 科 医 療 安 全 管 理 体 制 推 進 特 別 21 在 宅 歯 科 医 療 連 携 室 整 備 22 地 域 災 害 拠 点 病

福 岡 厚 生 年 金 事 案 4486 第 1 委 員 会 の 結 論 申 立 人 の 申 立 期 間 については その 主 張 する 標 準 報 酬 月 額 に 基 づく 厚 生 年 金 保 険 料 を 事 業 主 により 給 与 から 控 除 されていたことが 認 められることから 申 立 期

別 記 様 式 (その1) 平 成 年 度 狂 犬 病 予 防 集 合 注 射 指 定 獣 医 師 参 加 申 込 書 平 成 年 月 日 会 長 理 事 様 申 請 者 住 所 氏 名 今 般 社 団 法 人 京 都 府 獣 医 師 会 狂 犬 病 予 防 注 射 実 施 規 程 第 4 条 並

(2) 国 民 年 金 の 保 険 料 国 民 年 金 の 第 1 号 被 保 険 者 および 任 意 加 入 者 は, 保 険 料 を 納 めなければなりま せん また,より 高 い 老 齢 給 付 を 望 む 第 1 号 被 保 険 者 任 意 加 入 者 は, 希 望 により 付 加 保 険

(4) 運 転 する 学 校 職 員 が 交 通 事 故 を 起 こし 若 しくは 交 通 法 規 に 違 反 したことにより 刑 法 ( 明 治 40 年 法 律 第 45 号 ) 若 しくは 道 路 交 通 法 に 基 づく 刑 罰 を 科 せられてから1 年 を 経 過 していない 場 合 同

桜井市外国人高齢者及び外国人重度心身障害者特別給付金支給要綱

東京事務所BCP【実施要領】溶け込み版

資 格 給 付 関 係 ( 問 1) 外 国 人 Aさん(76 歳 )は 在 留 期 間 が3ヶ 月 であることから 長 寿 医 療 の 被 保 険 者 ではない が 在 留 資 格 の 変 更 又 は 在 留 期 間 の 伸 長 により 長 寿 医 療 の 適 用 対 象 となる 場 合 には 国

2 職 員 の 初 任 給 等 の 状 況 (1) 職 員 の 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 及 び の 状 況 (26 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 一 般 行 政 職 平 均 年 齢 静 岡 県 国 類 似 団 体 2 技 能 労 務 職 区 41.8 歳 42.6 歳 43.5

頸 がん 予 防 措 置 の 実 施 の 推 進 のために 講 ずる 具 体 的 な 施 策 等 について 定 めることにより 子 宮 頸 がんの 確 実 な 予 防 を 図 ることを 目 的 とする ( 定 義 ) 第 二 条 この 法 律 において 子 宮 頸 がん 予 防 措 置 とは 子 宮

各論_1章〜7章.indd

該 介 護 休 業 が 終 了 する 日 までに, 当 該 介 護 休 業 に 係 る 対 象 家 族 が 死 亡 したとき 又 は 離 婚, 婚 姻 の 取 消, 離 縁 等 により 当 該 介 護 休 業 に 係 る 対 象 家 族 との 親 族 関 係 が 消 滅 した とき (3) 配 偶

第1章 総則

目 次 市 民 税 の 減 免 に つ い て 1 減 免 の 一 般 的 な 留 意 事 項 2 減 免 の 範 囲 お よ び 減 免 割 合 3 1 生 活 保 護 法 の 規 定 に よ る 保 護 を 受 け る 者 3 2 当 該 年 に お い て 所 得 が 皆 無 と な っ た

<819A B8B975E8CF6955C2E786C73>

<95BD90AC E EE8CEC95DB8CAF CC093788A7A90E096BE82BF82E782B B8CFB816A>

Q5 育 児 休 業 を 請 求 する 際 の 事 務 手 続 は? A5 育 児 休 業 を 請 求 しようとする 職 員 は, 育 児 休 業 承 認 請 求 書 ( 様 式 第 1 号 )に 子 の 氏 名 や 請 求 する 期 間 等 を 記 入 し, 育 児 休 業 を 始 めようとする1

表紙-2.xdw

無年金外国人高齢者福祉手当要綱

Microsoft Word - 福祉医療費給付要綱

2 一 般 行 政 職 給 料 表 の 状 況 ( 平 成 25 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 号 給 の 給 料 月 額 最 高 号 給 の 給 料 月 額 ( 注 ) 給 料 月 額 は, 給 与 抑 制 措 置 を 行 う 前 のものである ( 単 位 : ) 3 職 員 の, 初 任

住み慣れたこの町で最期まで 安心して暮らすために

技 能 労 務 職 公 務 員 民 間 参 考 区 分 平 均 年 齢 職 員 数 平 均 給 与 月 額 平 均 給 与 月 額 平 均 給 料 月 額 (A) ( 国 ベース) 平 均 年 齢 平 均 給 与 月 額 対 応 する 民 間 の 類 似 職 種 東 庄 町 51.3 歳 18 77

死 亡 後 の 手 続 きリスト 2 14 日 以 内 住 民 票 の 抹 消 届 の 提 出 市 町 村 役 場 の 戸 籍 住 民 登 録 窓 口 届 出 人 の 印 鑑 本 人 確 認 できる 証 明 書 類 ( 運 転 免 許 証 パスポ-ト) 世 帯 主 変 更 届 の 提 出 市 町 村

(2) 単 身 者 向 け 以 外 の 賃 貸 共 同 住 宅 等 当 該 建 物 に 対 して 新 たに 固 定 資 産 税 等 が 課 税 される 年 から 起 算 して5 年 間 とする ( 交 付 申 請 及 び 決 定 ) 第 5 条 補 助 金 の 交 付 を 受 けようとする 者 は

(2) 職 員 の 初 任 給 の 状 況 ( 平 成 17 年 4 月 1 日 現 在 ) 初 任 給 2 年 後 の 給 料 初 任 給 2 年 後 の 給 料 一 般 行 政 職 技 能 労 務 職 大 学 卒 171,1 151,5 19,2 164,7 17,7 184,4 中 学 卒 1

(5) 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しの 実 施 状 況 概 要 国 の 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しにおいては 俸 給 表 の 水 準 の 平 均 2の 引 下 げ 及 び 地 域 手 当 の 支 給 割 合 の 見 直 し 等 に 取 り 組 むとされている 総 合 的

提 出 書 類 ア 財 産 形 成 年 金 貯 蓄 の 非 課 税 適 用 確 認 申 告 書 ( 積 立 終 了 から2ヶ 月 以 内 に 提 出 厳 守 ) 記 入 例 参 照 イ 財 産 形 成 年 金 貯 蓄 者 の 退 職 等 申 告 書 記 入 例 参 照 年 金 財 形 提 出 書 類

公 営 企 業 職 員 の 状 況 1 水 道 事 業 1 職 員 給 与 費 の 状 況 ア 決 算 区 分 総 費 用 純 利 益 職 員 給 与 費 総 費 用 に 占 める ( 参 考 ) 職 員 給 与 費 比 率 22 年 度 の 総 費 用 に 占 A B B/A める 職 員 給 与

奨学資金の受領から返還までの手続

05_現状把握指標一覧(H28.1.1時点)【 確定版】

FP知年金_-D-_[本文].indb

毎 月 の 給 与 等 ( )を 一 定 の 等 級 区 分 にあてはめた 標 準 月 額 の 上 限 が 現 行 の47 等 級 から50 等 級 に 改 正 されます ( 別 紙 健 康 保 険 料 額 表 参 照 ) なお 法 改 正 に 伴 い 標 準 月 額 が 改 定 される 方 につい

Ⅰ 年 金 制 度 昭 和 37 年 12 月 1 日 に 地 方 公 務 員 等 共 済 組 合 法 が 施 行 され 恩 給 から 年 金 へ 昭 和 61 年 4 月 から 20 歳 以 上 60 歳 未 満 のすべての 国 民 が 国 民 年 金 に 加 入 厚 生 年 金 基 金 職 域

母 子 医 療 対 策 費 462 (313,289) 国 4,479 1 不 妊 治 療 助 成 事 業 8,600 不 妊 治 療 費 用 の 一 部 を 助 成 し 経 済 的 負 担 の 軽 減 を 図 る 230, ,608 不 妊 治 療 費 の 増 加 による 増 額 分

取 るケースのみ 入 所 施 設 からGH CHへの 移 行 については 施 設 敷 地 内 や 近 隣 地 域 の 系 列 GH CH へ 入 所 するケースが80%を 超 える 状 況 2 施 設 への 新 規 入 所 者 の 実 績 ( 人 数 ) 施 設 の 種 類 21 年 度 22 年

Taro-契約条項(全部)

2 条 ) ア 育 児 休 業 の 対 象 とならない 職 員 ( 法 第 2 条 及 び 条 例 第 2 条 関 係 ) (ア) 臨 時 的 に 任 用 される 職 員 (イ) 育 児 休 業 に 係 る 期 間 を 任 期 と 定 めて 採 用 された 職 員 (ウ) 勤 務 延 長 職 員 (

Microsoft Word - 3大疾病保障特約付団体信用生命保険の概要_村上.docx

2 一 般 行 政 職 給 料 表 の 状 況 ( 平 成 23 年 4 月 1 日 現 在 ) ( 単 位 : ) 1 級 2 級 3 級 4 級 5 級 6 級 7 級 8 級 1 号 給 の 給 料 月 額 135,6 161,7 222,9 261,9 289,2 32,6 366,2 41

平成19年度

年 支 給 開 始 年 齢 図 特 別 支 給 の 老 齢 厚 生 年 ( 給 料 比 例 部 分 ) 昭 和 29 年 10 月 1 日 生 まれ 以 前 ~ 特 別 支 給 の 退 職 共 済 年 老 齢 厚 生 年 昭 和 25 年 10 月 1 日 生 まれ 以 前 ~ 退 職 共 済 年

人生の最終段階における医療に関する意識調査 結果の概要

福山市立駅家南中学校P T A 規約

[ 組 合 員 期 間 等 の 特 例 ] 組 合 員 期 間 等 については 年 齢 職 種 などにより 過 去 の 制 度 からの 経 過 措 置 が 設 けられ ており 被 用 者 年 制 度 の 加 入 期 間 ( 各 共 済 組 合 の 組 合 員 期 間 など)については 生 年 月 日

日本年金機構編 年金相談マニュアル-08 勧奨編(平成24年5月改訂-第06版) 【308頁】サンプル

介護保険制度改正にかかる事業所説明会

240709

3. 出 産 費 等 について (1) 文 部 科 学 省 共 済 組 合 員 またはその 被 扶 養 者 が 出 産 したとき 常 勤 職 員 のみ 出 産 費 1 件 420,000 円 ( 産 科 医 療 補 償 制 度 に 加 入 していない 医 療 機 関 で 出 産 のときは 390,0

KYOSAI 号CC2014.indd

(3) 職 員 の 初 任 給 の 状 況 ( 平 成 5 年 月 日 現 在 ) 決 定 初 任 給 採 用 年 経 過 後 給 料 月 額 大 学 卒 7, 8, 一 般 行 政 職 短 大 卒 9,8 6, 高 校 卒, 8,5 () 職 員 の 経 験 年 数 別 学 歴 別 平 均 給 料

経 常 収 支 差 引 額 等 の 状 況 平 成 26 年 度 予 算 早 期 集 計 平 成 25 年 度 予 算 対 前 年 度 比 較 経 常 収 支 差 引 額 3,689 億 円 4,597 億 円 908 億 円 減 少 赤 字 組 合 数 1,114 組 合 1,180 組 合 66

川越市幼稚園就園奨励費補助金交付要綱

Microsoft Word - 【溶け込み】【修正】第2章~第4章

<4D F736F F D C93FA967B91E5906B8DD082D682CC91CE899E2E646F6378>

神戸市重度障害者特別給付金支給要綱

訪 問 看 護 と 看 護 職 員 による の 選 択 主 治 医 意 見 書 において 訪 問 看 護 と 看 護 職 員 の 訪 問 による 相 談 支 援 の 両 方 の 項 にチェ ックがある 場 合 どちらのサービスを 優 先 すべ きか 以 下 の 場 合 は どのように 取 扱 うのか

Taro-事務処理要綱250820

定款

平成20年度 就学援助費支給事業について

Microsoft Word - 2章.doc

(3) 調 査 の 進 め 方 2 月 28 日 2 月 28 日 ~6 月 30 日 平 成 25 年 9 月 サウンディング 型 市 場 調 査 について 公 表 松 戸 市 から 基 本 的 な 土 地 情 報 サウンディングの 実 施 活 用 意 向 アイデアのある 民 間 事 業 者 と

< E8BE08F6D2082C682B DD2E786C7378>

Microsoft Word - (課×県・指定)【頭紙】「精神障害者保健福祉手帳の診断書の記入に当たって留意すべき事項について」等の一部改正について.rtf

Microsoft Word

自 分 にあった 健 康 保 険 を 見 つけよう! それぞれの 健 康 保 険 の 特 徴 を 踏 まえ 自 分 にあった 健 康 保 険 を 選 ぶようにしましょう! 今 までの 収 入 扶 養 家 族 の 有 無 によって どの 健 康 保 険 に 加 入 するとメリットがあるか 参 考 にし

< F2D95D48AD282CC8EE888F D48AD28A4A8E6E8ED28145>

■認知症高齢者の状況

<4D F736F F D D3188C091538AC7979D8B4B92F F292B98CF092CA81698A94816A2E646F63>

×××那覇市□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□条例の一部を改×××正する条例

Microsoft Word - 【事務連絡】居所情報の登録申請が間に合わなかった場合の取扱いの周知について.docx

2 一 般 行 政 職 給 料 表 の 状 況 (24 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 級 2 級 3 級 4 級 5 級 6 級 1 号 給 の 給 料 月 額 135,6 185,8 222,9 261,9 289,2 32,6 最 高 号 給 の 給 料 月 額 243,7 37,8 35

長崎市民間建築物耐震化推進事業の概要

< F2D874491E682528FCD2091E DF C A2E>

4 承 認 コミュニティ 組 織 は 市 長 若 しくはその 委 任 を 受 けた 者 又 は 監 査 委 員 の 監 査 に 応 じなければ ならない ( 状 況 報 告 ) 第 7 条 承 認 コミュニティ 組 織 は 市 長 が 必 要 と 認 めるときは 交 付 金 事 業 の 遂 行 の

<4D F736F F D20819F964C96BE8E E682548AFA89EE8CEC816A8A C52E646F63>

2 職 員 の 平 均 給 与 月 額 初 任 給 等 の 状 況 (1) 職 員 の 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 及 び 平 均 給 与 月 額 の 状 況 ( 平 成 22 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 一 般 行 政 職 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 平 均 給 与

<4D F736F F F696E74202D208CE38AFA8D8297EE8ED288E397C390A CC8A AE98EBA8DEC90AC816A2E707074>

Transcription:

地 域 の 実 情 に 応 じた 在 宅 医 療 介 護 連 携 を 推 進 するための 多 職 種 研 修 プログラム ロールプレイ 用 標 準 シナリオ2 < 事 例 名 > 急 きょ 退 院 が 決 まった 自 宅 での 最 後 を 希 望 するがん 患 者 の 退 院 支 援 < 事 例 概 要 > 1 患 者 利 用 者 の 状 況 (1) 年 齢 70 歳 (2) 性 別 男 性 (3) 病 名 胆 管 癌 統 合 失 調 症 2 型 糖 尿 病 (4) 経 過 現 状 (5) 家 族 関 係 者 キーパーソン 概 要 統 合 失 調 症 にて 当 院 ( 地 域 の 中 核 である 総 合 病 院 ) 通 院 治 療 中 であっ た 2 月 に 腹 痛 嘔 気 にて 来 院 閉 塞 性 黄 疸 を 認 め 同 日 当 院 入 院 CT ĒRCP 検 査 腹 部 エコー 等 の 検 査 にて 胆 管 癌 多 発 性 肺 転 移 と 診 断 そ の 後 胆 管 ステント 留 置 し 黄 疸 は 改 善 傾 向 で 食 欲 も 出 てきている 主 治 医 より 予 後 3 か 月 と 言 われ 自 宅 退 院 を 希 望 している ADL ほぼ 自 立 処 方 内 容 経 口 抗 がん 剤 投 与 腹 痛 に 対 してはオピオイドを 投 与 している (オキ ノーム デュロテップパッチ 使 用 ) 現 在 は 病 棟 より 配 薬 し オピオイド 以 外 は 自 分 で 管 理 一 人 暮 らし 唯 一 の 親 族 であるいとこが 隣 市 に 在 住 しているが 関 係 は 薄 く 今 回 の 入 院 でさらに 関 係 が 悪 化 し 今 後 入 院 時 の 保 証 人 等 には なれないと 支 援 を 拒 否 されている 10 年 以 上 前 に 妻 と 離 婚 息 子 が 一 人 いるが 音 信 不 通 生 命 保 険 の 受 取 人 が 息 子 になっているので 本 人 は 息 子 を 探 してほしいという 気 持 ち がある 地 区 担 当 の 民 生 委 員 は 地 域 の 組 も 違 うこともあり 今 まであまりかか わりはない すぐ 下 の 家 に 1 歳 下 の 幼 なじみが 住 んでおり 本 人 を 気 にかけてくれている 2 ロールプレイの 場 面 設 定 入 院 中 であるが 無 断 で 離 院 したことをきっかけに 本 人 も 希 望 しているとの 理 由 で 3 日 後 に 退 院 することが 決 定 した 退 院 調 整 が 行 えていないので 関 係 者 を 集 めて 退 院 時 カンファレンスを 開 催 することとした

3 結 論 ( ロールプレイ 開 始 前 には 説 明 せず 終 了 後 の 解 説 時 に 説 明 ) 退 院 前 カンファレンスの 終 了 後 本 人 の 了 解 を 得 て 地 域 包 括 支 援 センター 職 員 訪 問 看 護 ス テーションスタッフが 自 宅 へ 訪 問 し 居 室 の 片 づけ 寝 床 の 準 備 ( 布 団 シーツ 等 ) トイレの 確 認 冷 蔵 庫 洗 濯 機 等 の 確 認 をする 地 域 包 括 支 援 センターが 民 間 の 配 食 サービスの 手 配 退 院 時 に 待 ち 合 わせ お 金 をおろして 買 い 物 をして 帰 宅 退 院 翌 日 から 訪 問 看 護 と 訪 問 診 療 を 開 始 同 日 民 生 委 員 隣 人 も 参 加 してもらい 自 宅 でカンファレンスを 開 催 急 変 時 の 緊 急 連 絡 先 を 皆 で 共 有 お 金 の 管 理 は しばらくは 地 域 包 括 支 援 センターが 行 い 成 年 後 見 人 の 申 し 立 てのためにも 息 子 を 探 す 手 配 をする 住 所 地 がわかり 手 紙 で 連 絡 を 依 頼 するも 返 事 なし 死 亡 された 場 合 の 遺 体 引 き 取 り 葬 儀 等 について 地 区 区 長 評 議 員 民 生 委 員 ボランティアで 話 し 合 いをし 承 諾 を 得 る 隣 人 コンビニの 店 員 も 見 守 りに 加 わり 生 活 を 継 続 していた 食 欲 も 徐 々に 低 下 し 黄 疸 も 著 明 となる 退 院 約 1 か 月 後 朝 方 前 の 家 に 雨 の 中 傘 もささずに 訪 問 され 近 所 から 不 安 の 声 が 出 たため 主 治 医 民 生 委 員 隣 人 等 と 自 宅 にてカンファレンスを 開 催 主 治 医 より 今 朝 の 行 動 は 胆 管 癌 の 進 行 による 不 穏 状 態 と 考 える 痛 みもあって 不 安 になっ たのだろう 近 所 の 方 が 見 守 ってくれていることで 安 心 している 痛 み 止 めの 効 果 で 少 しぼー っとしているが 皆 さんの 声 掛 けが 本 人 の 安 心 につながっていると 話 される しかし 今 後 も 同 じようなことが 起 こるであろうと 説 明 される 病 状 の 悪 化 と 急 死 に 対 する 地 域 の 不 安 も 聞 か れたため 入 院 の 提 案 をされる 地 域 の 方 とも 相 談 し 本 人 も 承 諾 したため 当 院 に 入 院 となる 保 証 人 は 近 隣 の 方 が 受 けてくれることとなった 本 人 入 院 後 死 亡 後 の 流 れについて 地 域 とも 準 備 しておくため 死 亡 届 が 出 せる 唯 一 の 方 であ るいとこへの 連 絡 をどうするかを 検 討 した 葬 儀 納 骨 については 地 域 の 組 内 で 話 し 合 いがあり 今 まで 地 域 の 付 き 合 いをしてこられた 方 なので 皆 で 手 伝 う 組 費 から 不 足 分 は 出 すことにした と 地 域 包 括 支 援 センターに 報 告 があ った 入 院 2 週 間 後 に 亡 くなられた いとこには 組 の 方 が 連 絡 を 取 ってくれて 無 事 死 亡 届 に 印 鑑 とサインをいただいた 病 院 に 協 力 して 火 葬 場 の 使 用 時 間 まで 霊 安 室 を 使 用 させてもらった その 後 組 内 のほぼ 全 員 の 方 に 見 守 られ お 寺 にお 経 を 一 巻 あげてもらい 無 事 納 骨 までを 終 える

<シナリオ 配 役 1> Aさん 70 歳 男 性 持 ち 家 に 一 人 暮 らし 母 屋 はあるが 玄 関 の 鍵 が 壊 れており 離 れ に 住 んでいる 台 所 やトイレは 母 屋 にあるため 廊 下 伝 いで 出 入 りしている 寝 たきりで 特 別 養 護 老 人 ホームに 入 所 していた 母 親 を 5 年 前 に 亡 くされている 年 金 生 活 で 貯 蓄 はほぼなし 妻 とは 10 年 以 上 前 に 離 婚 息 子 が 一 人 大 阪 にいるが 音 信 不 通 唯 一 の 親 族 であるいとこがおり 病 状 説 明 にも 呼 んでほしいと の 希 望 で 連 絡 し 一 度 は 承 諾 されたが いとこの 妻 の 反 対 もあ り 今 後 は 関 われないと 連 絡 があった そのことを 本 人 に 伝 え ると 涙 されていた 以 前 から 食 事 には 貪 欲 でカップラーメンなど 好 きなものを 好 きなだけ 食 べて 特 に 食 費 に 関 しては 浪 費 傾 向 があり 年 金 月 に は お 金 が 足 りなくなることもあった ギャンブル 依 存 傾 向 も あったが 引 き 落 としのための 入 金 は 几 帳 面 に 各 通 帳 に 振 り 分 けていた 地 域 の 付 き 合 いもきちんとされていた 統 合 失 調 症 で 総 合 病 院 に 通 院 中 であったが 腹 痛 嘔 気 を 主 訴 に 来 院 し 閉 塞 性 黄 疸 を 認 め 同 日 入 院 検 査 の 結 果 胆 管 癌 多 発 性 肺 転 移 と 診 断 ステント 留 置 し 黄 疸 改 善 し 食 欲 も 良 好 になり 制 限 のある 病 院 の 食 事 では 満 足 せず 無 断 で 離 院 してラーメンを 食 べに 行 った り 自 宅 に 帰 ったりした 病 院 から 連 絡 を 受 けた 地 域 包 括 支 援 センターの 職 員 が 話 に 行 き 病 院 に 送 り 届 けるも 家 は 良 かったが だれも 来 てはくれ んからねえ と 寂 しそうに 話 された 余 命 3 か 月 の 告 知 を 受 け 退 院 を 強 く 希 望 されているが 経 済 的 に 生 活 も 厳 しい お 金 の 管 理 にも 不 安 がある いとこにも 今 後 入 院 の 保 証 人 にはなれないといわれた でも 今 は とにかくおいしいものが 食 べたい 病 院 に 乗 ってきた 車 の 処 分 もどうしたらいいかと 悩 んでいる 実 は 生 命 保 険 に 加 入 して 受 取 人 は 息 子 になっている 息 子 を 探 してほしい できれば 会 いに 来 てほしいと 話 される

<シナリオ 配 役 2> 内 科 主 治 医 40 代 男 性 病 状 の 説 明 は 丁 寧 だが 地 味 で 少 し 頼 りない 印 象 本 人 のことは 親 身 に 考 えてはいるが 度 重 なる 離 院 で 元 気 なうちに 自 宅 退 院 をとの 思 いが 強 い 何 かあればいつでも 再 入 院 は 可 能 と 考 えているが 相 談 員 の 顔 色 をうかがっている 様 子 が 見 られる 経 口 抗 がん 剤 の 継 続 処 方 については 経 済 的 なこともあ るのではと 心 配 している 在 宅 の 主 治 医 には すぐにでも 連 絡 可 能 と 連 携 はスムー ズな 印 象 である 本 人 には 何 を 食 べてもいいですと 説 明 するつもり

<シナリオ 配 役 3> 病 棟 師 長 40 代 女 性 若 作 りであるが しっかりした 印 象 口 調 もはきはきとしており 相 談 員 とも 張 り 合 える 状 況 度 重 なる 離 院 で 本 人 を 見 離 しているような 感 じも 受 け る ある 意 味 苦 言 を 言 わなければならない 役 職 として 病 院 の 立 場 も 説 明 され 本 人 にも 入 院 中 に 何 かあってはいけ ないのでと 説 明 され 1 日 でも 早 い 退 院 を 望 んでいる 一 方 今 自 宅 に 帰 らないと 帰 れなくなるのではとも 考 え ている 歩 行 も 可 能 でトイレも 自 立 内 服 薬 もセットして 渡 せ ば 自 分 で 内 服 できる と 本 人 の 状 態 が 安 定 しており いつでも 退 院 できる 状 態 であることを 強 調 している た だ パッチの 交 換 だけは 難 しいので 訪 問 看 護 の 利 用 が 必 要 ではないかと 提 案 したいと 考 えている

<シナリオ 配 役 4> 病 院 相 談 員 40 代 女 性 様 々な 施 設 や 病 院 勤 務 を 経 験 したベテラン 社 会 福 祉 士 在 宅 スタッフとは 以 前 同 じ 病 院 で 勤 務 していたことも あり お 互 い 話 しやすい 関 係 早 い 段 階 から 地 域 包 括 支 援 センターに 連 絡 を 取 り 今 後 の 支 援 を 依 頼 していた 今 回 のカンファレンスも 司 会 進 行 を 務 める 本 人 からは 信 頼 されており 関 係 は 良 好 今 回 の 退 院 に 向 けての 話 を 中 心 に 進 めてきた 駐 車 場 の 本 人 の 車 のことも 気 になっている 一 方 本 人 の 最 後 は 自 宅 で の 希 望 をかなえてあげた いので 病 状 が 安 定 している 今 が 退 院 のタイミングとも 思 う しかし 急 な 入 院 で 着 替 えがない お 金 がないなど 問 題 も 山 積 みで 退 院 後 の 日 々の 生 活 費 に 加 え 入 院 費 の 支 払 いや 死 亡 時 の 対 応 など 在 宅 スタッフに 丸 投 げになっ てはいけないので 入 院 中 にできることは 支 援 したいと 思 うが もう 退 院 は 延 期 できない ただ 再 入 院 については 保 証 人 が 必 要 であると 強 調 さ れる

<シナリオ 配 役 5> 訪 問 看 護 ステーション 看 護 師 50 代 女 性 訪 問 看 護 師 になって 20 年 近 いベテラン 看 護 師 姉 御 肌 で スタッフや 利 用 者 家 族 の 信 頼 も 厚 い 夜 間 の 呼 び 出 しや 相 談 の 電 話 にも 速 やかに 対 応 し 救 急 車 より 早 く 来 てくれる と 家 族 に 言 わしめた 人 物 今 回 地 域 包 括 支 援 センターより 依 頼 を 受 けて 参 加 病 院 相 談 員 とは 元 同 僚 で 今 までもケースのことで 相 談 を 受 けたこともあり 気 兼 ねがない 関 係 な 反 面 急 な 退 院 に 少 し 不 満 も 感 じている 現 在 ターミナルのケースも 数 件 あるが 在 宅 での 看 取 りに 関 してはできるだけ 本 人 の 希 望 に 添 いたいという 強 い 思 いがある しかし キーパーソンがいないことや 金 銭 面 について 不 安 がある 在 宅 の 医 師 は 普 段 から 在 宅 看 取 りをともに 支 援 してい る 先 生 なので 心 強 いし 無 理 も 言 える とりあえず 地 域 包 括 支 援 センターもともに 関 わるとい うことで 役 割 分 担 もしながら 支 援 を 考 えなければと 思 う

<シナリオ 配 役 6> 民 生 委 員 60 代 男 性 民 生 委 員 2 年 目 元 教 員 本 人 とは 少 し 家 が 離 れており あまり 関 わりはなかっ た 今 回 病 院 から 連 絡 を 受 けて 訪 問 したが お 金 の 貯 えも ない 家 族 もいないと 聞 いて 今 後 どこまで 関 わればいい のか 不 安 が 強 い 家 に 帰 るとなると 今 後 どうなっていくのか すべてが 不 安 今 後 死 後 の 葬 儀 も 組 内 でどこまで 関 わるか 区 長 さん らと 相 談 しなければと 思 う 本 人 のすぐ 近 くの 家 の 男 性 がいつも 関 わってくださっ ていたので 今 後 も 情 報 は 聞 けると 思 う 今 回 も 家 の 鍵 をかけないで 急 きょ 入 院 されたので 近 所 の 男 性 は 心 配 されていたらしい どちらにしても 自 分 は できること の 限 界 がある お 金 のことが 一 番 気 がかりである

<シナリオ 配 役 7> 地 域 包 括 支 援 センター 保 健 師 50 代 女 性 地 域 包 括 支 援 センター 勤 務 8 年 目 訪 問 看 護 師 とも 関 係 良 好 で 多 くのケースを 共 に 支 援 し てきた 最 初 に 病 院 から 情 報 提 供 の 連 絡 があった 際 に 病 院 に 会 いに 行 くなどフットワークは 軽 い 離 院 して 自 宅 に 帰 っ た 時 も 自 宅 訪 問 し 本 人 を 説 得 し タクシーで 同 行 し 病 院 に 送 り 届 けた 今 回 は 問 題 が 多 く 大 変 な 印 象 だが 医 療 のことは 訪 問 看 護 師 に 任 せて 役 割 分 担 をしてひとつずつ 整 理 してい けたらと 考 えている ただ 以 前 訪 問 した 際 に 見 た 自 宅 内 はかなり 乱 雑 なの で 退 院 前 に 環 境 整 備 が 必 要 だと 思 う 近 所 の 方 にも 協 力 を 得 る 必 要 があり 近 所 のキーパーソ ンともつながらなければと 思 う 身 寄 りのない 高 齢 者 の 死 亡 時 の 対 応 については 経 験 も 少 なく 音 信 不 通 の 息 子 への 連 絡 等 は 行 政 にも 相 談 をしながら 対 応 しようと 思 う 今 後 のことを 考 えたら 成 年 後 見 制 度 の 活 用 も 必 要 では ないか 退 院 後 早 急 に 自 宅 で 在 宅 主 治 医 民 生 委 員 近 所 の 町 内 役 員 の 方 を 交 えての 話 し 合 いをしようと 考 えている