( 3 ) 申 立 人 X 1 の 特 別 受 益 申 立 人 X 1 が 平 成 元 年 8 月 1 5 日 に 1 0 0 万 円 の 贈 与 を 受 け て い る こ と は 当 事 者 間 に 争 い が な い が, 当 時 の B の 経 済 状 態 遺 産 の 総 額 か ら み て



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土 購 入 土 借 用 土 所 有 権 移 転 登 記 確 約 書 農 転 用 許 可 書 ( 写 ) 農 転 用 届 出 受 理 書 ( 写 ) 土 不 動 産 価 格 評 価 書 土 見 積 書 ( 写 ) 又 は 売 買 確 約 書 ( 写 ) 土 売 主 印 鑑 登 録 証 明 書 売 主

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Taro-契約条項(全部)

損 益 計 算 書 ( 自 平 成 25 年 4 月 1 日 至 平 成 26 年 3 月 31 日 ) ( 単 位 : 百 万 円 ) 科 目 金 額 営 業 収 益 75,917 取 引 参 加 料 金 39,032 上 場 関 係 収 入 11,772 情 報 関 係 収 入 13,352 そ

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平成16年度

弁護士報酬規定(抜粋)

情 報 通 信 機 器 等 に 係 る 繰 越 税 額 控 除 限 度 超 過 額 の 計 算 上 控 除 される 金 額 に 関 する 明 細 書 ( 付 表 ) 政 党 等 寄 附 金 特 別 控 除 額 の 計 算 明 細 書 国 庫 補 助 金 等 の 総 収 入 金 額 不 算 入 に 関

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目 次 市 民 税 の 減 免 に つ い て 1 減 免 の 一 般 的 な 留 意 事 項 2 減 免 の 範 囲 お よ び 減 免 割 合 3 1 生 活 保 護 法 の 規 定 に よ る 保 護 を 受 け る 者 3 2 当 該 年 に お い て 所 得 が 皆 無 と な っ た

[ 組 合 員 期 間 等 の 特 例 ] 組 合 員 期 間 等 については 年 齢 職 種 などにより 過 去 の 制 度 からの 経 過 措 置 が 設 けられ ており 被 用 者 年 制 度 の 加 入 期 間 ( 各 共 済 組 合 の 組 合 員 期 間 など)については 生 年 月 日

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( 補 助 金 等 交 付 決 定 通 知 に 加 える 条 件 ) 第 7 条 市 長 は 交 付 規 則 第 11 条 に 規 定 するところにより 補 助 金 の 交 付 決 定 に 際 し 次 に 掲 げる 条 件 を 付 するものとする (1) 事 業 完 了 後 に 消 費 税 及 び

死 亡 後 の 手 続 きリスト 2 14 日 以 内 住 民 票 の 抹 消 届 の 提 出 市 町 村 役 場 の 戸 籍 住 民 登 録 窓 口 届 出 人 の 印 鑑 本 人 確 認 できる 証 明 書 類 ( 運 転 免 許 証 パスポ-ト) 世 帯 主 変 更 届 の 提 出 市 町 村

4. その 他 (1) 期 中 における 重 要 な 子 会 社 の 異 動 ( 連 結 範 囲 の 変 更 を 伴 う 特 定 子 会 社 の 異 動 ) 無 (2) 簡 便 な 会 計 処 理 及 び 四 半 期 連 結 財 務 諸 表 の 作 成 に 特 有 の 会 計 処 理 の 適 用 有

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不 動 産 所 得 の 赤 字 < 土 地 等 の 取 得 の 負 債 利 子 なら 300 万 500 万 不 動 産 所 得 の 赤 字 300 万 のうち 利 子 分 の500 万 は 通 算 できない = 赤 字 分 の300 万 は 全 額 通 算 できないことになる = 損 益 通 算

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平 成 34 年 4 月 1 日 から 平 成 37 年 3 月 31 日 まで 64 歳 第 2 章 労 働 契 約 ( 再 雇 用 希 望 の 申 出 ) 第 3 条 再 雇 用 職 員 として 継 続 して 雇 用 されることを 希 望 する 者 は 定 年 退 職 日 の3か 月 前 まで

就 業 規 則 ( 福 利 厚 生 ) 第 章 福 利 厚 生 ( 死 亡 弔 慰 金 等 ) 第 条 法 人 が 群 馬 県 社 会 福 祉 協 議 会 民 間 社 会 福 祉 施 設 等 職 員 共 済 規 程 に 基 づき 群 馬 県 社 会 福 祉 協 議 会 との 間 において 締 結 す

定 性 的 情 報 財 務 諸 表 等 1. 連 結 経 営 成 績 に 関 する 定 性 的 情 報 当 第 3 四 半 期 連 結 累 計 期 間 の 業 績 は 売 上 高 につきましては 前 年 同 四 半 期 累 計 期 間 比 15.1% 減 少 の 454 億 27 百 万 円 となり

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入札公告 機動装備センター

(1) 率 等 一 覧 ( 平 成 26 年 度 ) 目 課 客 体 及 び 納 義 務 者 課 標 準 及 び 率 法 内 に 住 所 を 有 する ( 均 等 割 所 得 割 ) 内 に 事 務 所 事 業 所 又 は 家 屋 敷 を 有 する で 内 に 住 所 を 有 し ないもの( 均 等

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年 支 給 開 始 年 齢 図 特 別 支 給 の 老 齢 厚 生 年 ( 給 料 比 例 部 分 ) 昭 和 29 年 10 月 1 日 生 まれ 以 前 ~ 特 別 支 給 の 退 職 共 済 年 老 齢 厚 生 年 昭 和 25 年 10 月 1 日 生 まれ 以 前 ~ 退 職 共 済 年

平 成 24 年 4 月 1 日 から 平 成 25 年 3 月 31 日 まで 公 益 目 的 事 業 科 目 公 1 公 2 公 3 公 4 法 人 会 計 合 計 共 通 小 計 苦 情 相 談 解 決 研 修 情 報 提 供 保 証 宅 建 取 引 健 全 育 成 Ⅰ. 一 般 正 味 財

給 与 所 得 控 除 控 除 額 の 計 算 については 次 のとおりです 給 与 等 の 収 入 金 額 給 与 所 得 控 除 額 180 万 円 以 下 の 場 合 180 万 円 を 超 え 360 万 円 以 下 の 場 合 360 万 円 を 超 え 660 万 円 以 下 の 場 合

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(2) 単 身 者 向 け 以 外 の 賃 貸 共 同 住 宅 等 当 該 建 物 に 対 して 新 たに 固 定 資 産 税 等 が 課 税 される 年 から 起 算 して5 年 間 とする ( 交 付 申 請 及 び 決 定 ) 第 5 条 補 助 金 の 交 付 を 受 けようとする 者 は


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2. 居 住 用 財 産 を 売 却 し た 場 合 の 特 例 譲 渡 資 産 は 居 住 用 財 産 で す か? 住 宅 取 得 特 別 控 除 の 適 用 を 受 け て い ま せ ん か? 所 有 期 間 が 1 0 年 を 超 え て い ま す か? 居 住 期 間 は 3 0 年

Taro-別紙1 パブコメ質問意見とその回答

第 2 問 問 4 問 5 1ロ 2チ 3ヲ 4ホ ⅰ)Aさんは 今 年 の 誕 生 日 で 40 歳 となるので 公 的 介 護 保 険 の(1 第 2 号 ) 被 保 険 者 資 格 を 取 得 し 介 護 保 険 料 を 負 担 することになる 40 歳 以 上 65 歳 未 満 の 医 療

2. ど の 様 な 経 緯 で 発 覚 し た の か ま た 遡 っ た の を 昨 年 4 月 ま で と し た の は 何 故 か 明 ら か に す る こ と 回 答 3 月 17 日 に 実 施 し た ダ イ ヤ 改 正 で 静 岡 車 両 区 の 構 内 運 転 が 静 岡 運

(2) 特 別 障 害 給 付 金 国 民 年 金 に 任 意 加 入 していなかったことにより 障 害 基 礎 年 金 等 を 受 給 していない 障 がい 者 の 方 に 対 し 福 祉 的 措 置 として 給 付 金 の 支 給 を 行 う 制 度 です 支 給 対 象 者 平 成 3 年 3

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別 紙 軽 費 老 人 ホームの 収 入 認 定 について 平 成 22 年 3 月 9 日 千 葉 県 健 康 福 祉 部 高 齢 者 福 祉 課 本 紙 は 平 成 18 年 1 月 24 日 老 発 第 号 厚 生 労 働 省 老 健 局 長 通 知 老 人 保 護 措 置 費

 


は 共 有 名 義 )で 所 有 権 保 存 登 記 又 は 所 有 権 移 転 登 記 を された も の で あ る こと (3) 居 室 便 所 台 所 及 び 風 呂 を 備 え 居 住 の ために 使 用 す る 部 分 の 延 べ 床 面 積 が 5 0 平 方 メ ー ト ル 以 上

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給 与 所 得 控 除 所 得 税 の 簡 易 給 与 所 得 表 により 給 与 所 得 の 金 額 を 求 めますが 控 除 額 の 計 算 については 次 のとおりです 給 与 等 の 収 入 金 額 給 与 所 得 控 除 額 180 万 円 以 下 の 場 合 180 万 円 を 超 え

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平成21年10月30日

( 2 ) 評 価 基 準 が 定 め る 市 街 化 区 域 農 地 の 評 価 方 法 市 街 化 区 域 農 地 ( 法 附 則 1 9 条 の 2 第 1 項 に 規 定 す る 市 街 化 区 域 農 地 を い う ) の 評 価 に つ い て 評 価 基 準 は 沿 接 す る 道

Taro-事務処理要綱250820

2 前 項 に 定 める 日 に 支 給 する 給 与 は 総 額 給 与 を12 分 割 した 額 ( 以 下 給 与 月 額 という ) 扶 養 手 当 住 居 手 当 通 勤 手 当 単 身 赴 任 手 当 寒 冷 地 手 当 及 び 業 績 手 当 並 びに 前 月 分 の 超 過 勤 務

第 1 監 査 の 請 求 1 請 求 人 姫 路 市 廣 野 武 男 2 請 求 年 月 日 姫 路 市 職 員 措 置 請 求 ( 住 民 監 査 請 求 政 務 調 査 費 の 返 還 に 係 る 法 定 利 息 の 不 足 以 下 本 件 請 求 という )に 係 る 請 求 書 は 平 成

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災害時の賃貸住宅居住者の居住の安定確保について

(6) Qualification for participating in the tendering procedu

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東久留米市訓令乙第   号

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2 前 項 前 段 の 規 定 にかかわらず 年 俸 制 教 職 員 から 申 し 出 があった 場 合 においては 労 使 協 定 に 基 づき その 者 に 対 する 給 与 の 全 額 又 は 一 部 を 年 俸 制 教 職 員 が 希 望 する 金 融 機 関 等 の 本 人 名 義 の 口

【労働保険事務組合事務処理規約】

入札公告 次 の と お り 一 般 競 争 入 札 に 付 し ま す 平 成 2 8 年 1 2 月 2 2 日 経 理 責 任 者 独 立 行 政 法 人 国 立 病 院 機 構 栃 木 医 療 セ ン タ ー 院 長 長 谷 川 親 太 郎 調 達 機 関 番 号 所 在 地 番

1. 任 免 1-1 採 用 ( 試 験 採 用 ) 1 任 免 試 験 採 用 採 用 者 予 定 者 数 報 告 試 験 公 告 任 命 結 果 通 知 書 採 用 予 定 者 数 の 報 告 採 用 説 明 会 の 計 画 実 施 人 事 異 動 対 象 者

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種 類 控 除 額 小 規 模 企 業 共 済 等 掛 金 控 除 生 命 保 険 料 控 除 地 震 保 険 料 控 除 支 払 った 小 規 模 共 済 心 身 障 害 者 扶 養 共 済 の 掛 金 の 金 額 生 命 保 険 料 控 除 額 = 一 般 生 命 保 険 料 控 除 額 + 個

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税 市 民 税 県 民 税 家 屋 敷 課 税 の 申 告 書 の 提 出 豊 川 市 外 にお 住 まいで 1 月 1 日 現 在 で 市 内 に 事 務 所 事 業 所 または 家 屋 敷 を 有 する で 申 告 書 を 提 出 される 平 成 29 年 度 以 後 の 年 度 分 の 申 告

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月 収 額 算 出 のながれ 給 与 所 得 者 の 場 合 年 金 所 得 者 の 場 合 その 他 の 所 得 者 の 場 合 前 年 中 の 年 間 総 収 入 を 確 かめてください 前 年 中 の 年 間 総 収 入 を 確 かめてください 前 年 中 の 年 間 総 所 得 を 確 かめ

日 雇 い 等 の 収 入 の 場 合 前 々 年 1 月 1 日 以 前 から 引 きつづき 前 々 年 分 所 得 額 証 勤 務 先 が 不 特 定 の 日 雇 いをしている 方 前 年 分 確 定 申 告 書 ( 控 ) 前 々 年 1 月 1 日 以 前 から 引 きつづき 前 々 年 分

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2 一 般 行 政 職 給 料 表 の 現 況 ( 平 成 22 1 号 給 の 給 料 月 額 137,9 188,9 226,7 266,4 294,3 最 高 号 給 の 給 料 月 額 247,9 314,9 362,8 399,9 415,1 ( 注 ) 給 料 月 額 は 給 与 抑 制

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(4) 運 転 する 学 校 職 員 が 交 通 事 故 を 起 こし 若 しくは 交 通 法 規 に 違 反 したことにより 刑 法 ( 明 治 40 年 法 律 第 45 号 ) 若 しくは 道 路 交 通 法 に 基 づく 刑 罰 を 科 せられてから1 年 を 経 過 していない 場 合 同

所 得 の 種 類 と 所 得 金 額 の 計 算 方 法 所 得 の 種 類 要 件 計 算 方 法 事 業 雑 営 業 等 農 業 小 売 業 製 造 業 飲 食 業 理 容 業 保 険 外 交 員 大 工 集 金 人 ピアノ 講 師 など 農 産 物 の 生 産 果 樹 の 栽 培 家 畜 の

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File.12< 参 考 判 決 1 > 死 亡 生 命 保 険 金 と 特 別 受 益 神 戸 家 庭 裁 判 所 伊 丹 支 部 平 12 年 ( 家 ) 111 号 112 号 平 13 年 ( 家 ) 1405 号 平 成 15 8 8 審 判 大 阪 高 裁 平 15( ラ ) 953 号 平 成 16 5 10 決 定 最 高 裁 平 16( 許 ) 11 号 平 成 16 10 29 二 小 法 廷 決 定 神 戸 家 庭 裁 判 所 伊 丹 支 部 平 成 1 2 年 ( 家 ) 第 1 1 1 号, 第 1 1 2 号, 平 成 1 3 年 ( 家 ) 第 1 4 0 5 号 平 成 1 5 年 8 月 8 日 審 判 主 文 1 相 手 方 の 被 相 続 人 A に 関 す る 寄 与 分 を 8 7 0 万 円 と 定 め る 2 被 相 続 人 A 及 び 被 相 続 人 B の 各 遺 産 を 次 の と お り 分 割 す る ( 1 ) 別 紙 遺 産 目 録 記 載 の 各 土 地 は 相 手 方 の 単 独 取 得 と す る ( 2 ) 相 手 方 は 申 立 人 ら に 対 し ( 1 ) 記 載 の 遺 産 取 得 の 代 償 と し て そ れ ぞ れ 2 5 6 万 2 0 4 0 円 及 び こ れ に 対 す る 本 審 判 確 定 の 日 の 翌 日 か ら 支 払 い 済 み ま で 年 5 分 の 割 合 に よ る 各 金 員 を 支 払 え 3 本 件 手 続 費 用 中 鑑 定 人 中 村 増 秀 に 支 給 し た 金 4 2 万 円 は 当 事 者 全 員 の 平 等 負 担 と し そ の 余 の 手 続 費 用 は 各 自 の 負 担 と す る 理 由 一 件 記 録 に 基 づ く 当 裁 判 所 の 事 実 認 定 及 び 法 律 判 断 は 以 下 の と お り で あ る 1 相 続 の 開 始 相 続 人 及 び 法 定 相 続 分 ( 1 ) 被 相 続 人 A ( 以 下 A と い う ) は 平 成 2 年 1 月 2 日 に 被 相 続 人 B ( 以 下 B と い う ) は 同 年 1 0 月 2 9 日 に い ず れ も 死 亡 し 相 続 が 開 始 し た ( 2 ) 相 続 人 は 長 男 で あ る 相 手 方 長 女 で あ る 申 立 人 X 1 ( 以 下 申 立 人 X 1 と い う ) 四 男 で あ る 申 立 人 X 2 ( 以 下 申 立 人 X 2 と い う ) 二 女 で あ る 申 立 人 X 3 ( 以 下 申 立 人 X 3 と い う ) で あ る ( 3 ) 申 立 人 ら 及 び 相 手 方 の 法 定 相 続 分 は 各 4 分 の 1 で あ る 2 遺 産 の 範 囲 本 件 審 判 に お い て 分 割 の 対 象 と な る 被 相 続 人 ら の 遺 産 は 別 紙 遺 産 目 録 記 載 の 各 土 地 ( 以 下 本 件 土 地 と い う ) で あ る な お 既 に 平 成 3 年 9 月 2 0 日 付 け 遺 産 分 割 協 議 書 及 び 調 停 の 一 部 成 立 ( 当 庁 平 成 7 年 ( 家 イ ) 第 1 5 号 平 成 1 0 年 ( 家 イ ) 第 3 7 5 号 各 遺 産 分 割 申 立 事 件 ) に よ り 遺 産 の 一 部 分 割 が 行 わ れ て い る と こ ろ 当 事 者 は 本 件 審 判 で は そ の 結 果 を 考 慮 し な い こ と に 合 意 し て い る 3 特 別 受 益 ( 1 ) 相 手 方 の 特 別 受 益 相 手 方 が 被 相 続 人 ら の 死 亡 後 日 本 生 命 保 険 相 互 会 社 の 養 老 保 険 ( 被 保 険 者 B 分 ) 5 0 0 万 2 4 6 5 円 第 一 生 命 保 険 相 互 会 社 の 養 老 保 険 7 3 万 7 8 2 4 円 伊 丹 市 農 業 協 同 組 合 の 生 命 共 済 金 2 1 9 万 4 7 6 8 円 の 合 計 7 9 3 万 5 0 5 7 円 を 受 け 取 っ た こ と は 当 事 者 間 に 争 い が な い し た が っ て 7 9 3 万 5 0 5 7 円 を 相 手 方 の 特 別 受 益 と 認 め る の が 相 当 で あ る 日 本 生 命 保 険 相 互 会 社 養 老 保 険 ( 被 保 険 者 A 分 ) 1 5 1 万 7 4 2 5 円 に つ い て は C 甲 9 の 2 及 び 乙 C 2 の 6 3 に よ れ ば 全 額 が B 名 義 の 預 金 口 座 に 振 り 込 ま れ た こ と が 認 め ら れ る 申 立 人 ら は 相 手 方 が B か ら そ の 半 分 を 受 け 取 っ た と 主 張 す る が こ れ を 認 め る に 足 り る 証 拠 は な い ( 2 ) 申 立 人 X 2 の 特 別 受 益 相 手 方 は 申 立 人 X 2 は 東 京 で 暮 ら し て い た 昭 和 6 2 年 1 月 2 7 日 か ら 昭 和 6 3 年 1 2 月 2 1 日 ま で の 間 B か ら 4 回 に わ た り 合 計 2 5 0 万 円 の 送 金 を 受 け て い た と 主 張 し 同 申 立 人 も 受 領 の 事 実 を 認 め て い る し か し こ れ ら の 金 額 送 金 時 期 か ら 判 断 す れ ば こ れ ら は B が 東 京 で 一 人 暮 ら し を す る X 2 の 生 活 を 心 配 し て 送 金 し た も の と み る の が 相 当 で あ り 持 ち 戻 し 免 除 の 意 思 を 黙 示 に 表 示 し て い た も の と 認 め ら れ る 次 に 相 手 方 の 照 会 書 兼 回 答 書 の 別 紙 2 ( B 作 成 の メ モ ) に よ れ ば 申 立 人 X 2 は 平 成 元 年 8 月 1 8 日 に B か ら 4 万 円 を 受 け と っ て い る こ と が 認 め ら れ る が 金 額 か ら み て 生 計 の 資 本 と し て の 贈 与 と は 考 え ら れ ず 特 別 受 益 に は 当 た ら な い さ ら に B が 契 約 者 及 び 被 保 険 者 を 申 立 人 X 2 と す る 生 命 保 険 の 掛 金 ( 合 計 1 2 万 5 1 4 6 円 ) を 支 払 っ て い た こ と は 当 事 者 間 に 争 い が な い が B を 保 険 金 受 取 人 と し て い た こ と か ら み て 申 立 人 X 2 に 生 計 の 資 本 と し て 贈 与 さ れ た も の と は 認 め ら れ な い し そ の 金 額 か ら も 特 別 受 益 と み な さ な く て も 相 続 人 間 の 公 平 を 害 す る も の で は な い - 1 -

( 3 ) 申 立 人 X 1 の 特 別 受 益 申 立 人 X 1 が 平 成 元 年 8 月 1 5 日 に 1 0 0 万 円 の 贈 与 を 受 け て い る こ と は 当 事 者 間 に 争 い が な い が, 当 時 の B の 経 済 状 態 遺 産 の 総 額 か ら み て 持 ち 戻 し 免 除 の 意 思 を 黙 示 に 表 示 し て い た も の と 認 め ら れ る 4 寄 与 分 ( 1 ) 申 立 人 ら は 相 手 方 に よ る A に 関 す る 寄 与 分 の 申 立 て は 遺 産 分 割 調 停 の 申 立 て か ら 約 6 年 3 か 月 を 経 過 し た 平 成 1 3 年 4 月 2 4 日 に 至 っ て は じ め て な さ れ た も の で あ り 遺 産 分 割 の 審 理 を 著 し く 遅 延 さ せ る も の で あ る か ら 家 事 審 判 規 則 1 0 3 条 の 4 第 3 項 に よ り 却 下 す べ き で あ る と 主 張 す る が 本 件 調 停 及 び 審 判 の 経 緯 に 照 ら せ ば 寄 与 分 の 申 立 て に よ り 審 理 が 著 し く 遅 延 し た と は 認 め ら れ な い ( 2 ) 一 件 記 録 に よ れ ば 以 下 の 各 事 実 が 認 め ら れ る 1 A は 昭 和 5 4 年 6 月 2 6 日 か ら 昭 和 5 6 年 6 月 2 日 ま で の 約 2 年 間 脳 血 栓 症 脳 溢 血 症 の た め 安 倉 病 院 に 入 院 し た 安 倉 病 院 入 院 当 時 申 立 人 ら 及 び 相 手 方 は い ず れ も 独 立 し て A B 夫 婦 と は 同 居 し て い な か っ た が A は 安 倉 病 院 を 退 院 後 は B と と も に 相 手 方 の 居 宅 と 隣 接 す る 二 階 建 て の 別 棟 建 物 に 転 居 し そ こ で 居 住 す る よ う に な っ た A は 安 倉 病 院 に 数 回 通 院 し た 後 昭 和 5 7 年 2 月 1 6 日 宮 宗 病 院 に 入 院 し た が 脳 梗 塞 後 遺 症 ( け い れ ん 発 作 不 穏 状 態 等 ) に よ り 同 月 1 8 日 に 天 神 川 病 院 に 転 院 し た 同 年 3 月 1 9 日 こ ろ 脳 梗 塞 に よ り 関 西 労 災 病 院 に 転 院 し 脳 外 科 手 術 を 受 け 同 年 4 月 1 2 日 天 神 川 病 院 に 転 院 し た 同 年 7 月 3 日 こ ろ 天 神 川 病 院 を 退 院 し た 後 は 同 病 院 に 入 通 院 し つ つ 自 宅 で 生 活 し て い た が 昭 和 5 9 年 3 月 9 日 か ら 市 立 伊 丹 病 院 に 入 院 し そ の 後 も 市 立 伊 丹 病 院 関 西 労 災 病 院 に 通 院 し 市 立 伊 丹 病 院 に 数 回 に わ た っ て 入 院 し た 昭 和 6 1 年 6 月 こ ろ 足 の 骨 折 の た め 手 術 を し て か ら は 寝 た き り 状 態 に な り 市 立 伊 丹 病 院 に 数 回 入 院 し た 平 成 元 年 4 月 に 市 立 伊 丹 病 院 を 退 院 し て か ら は 自 宅 で 療 養 を 続 け 平 成 元 年 4 月 か ら は 奥 村 医 師 の 往 診 を 合 計 2 5 回 受 け た が 平 成 2 年 1 月 2 日 自 宅 に て 死 亡 し た 2 A は 安 倉 病 院 に 入 院 中 の 昭 和 5 6 年 こ ろ か ら 痴 呆 状 態 が 出 現 し て お り 退 院 後 は 徘 徊 行 動 も み ら れ る よ う に な っ た A の 介 護 に は 妻 の B が 主 に あ た っ て お り B は A が 安 倉 病 院 を 退 院 し た 後 の 同 年 9 月 に は 仕 事 を 退 職 し て A の 介 護 に 専 念 す る よ う に な っ た A は 昭 和 6 0 年 5 月 1 7 日 付 け で 市 立 伊 丹 病 院 南 野 医 師 よ り 脳 出 血 を 原 因 と す る 右 半 身 運 動 麻 痺 構 音 障 害 右 顔 面 麻 痺 で あ り 右 半 身 運 動 麻 痺 発 語 障 害 右 顔 面 を 中 心 と す る 痙 攣 発 作 が 認 め ら れ 記 銘 力 低 下 記 憶 障 害 作 話 な ど が あ り 痴 呆 状 態 に 陥 っ て い る そ の た め 常 に 家 族 に よ る 看 護 が 必 要 と し て 身 体 障 害 者 福 祉 法 所 定 の 障 害 に 該 当 す る と 診 断 さ れ た ま た 昭 和 6 1 年 2 月 1 3 日 付 け で 関 西 労 災 病 院 赤 堀 医 師 よ り 脳 梗 塞 を 原 因 と す る 四 肢 疼 性 麻 痺 で あ り 四 肢 疼 性 麻 痺 の た め 歩 行 起 立 等 身 体 動 作 は ほ と ん ど 不 能 痴 呆 も あ り 日 常 生 活 の 介 助 を 要 す る と し て 身 体 障 害 者 1 級 に 該 当 す る と 診 断 さ れ そ の こ ろ 身 体 障 害 者 1 級 の 認 定 を 受 け た 奥 村 医 師 記 載 の カ ル テ に よ る と A の 平 成 元 年 4 月 当 時 の 症 状 は 脳 手 術 後 の 右 片 麻 痺 と 腎 盂 炎 か ら の 全 身 衰 弱 の た め 寝 た き り の 状 態 寝 た き り の 状 態 で あ り 全 介 助 の 状 態 で あ っ た ( 3 ) 以 上 の 事 実 を 総 合 す れ ば A に は 痴 呆 症 状 が あ り 常 時 付 き 添 い が 必 要 で あ っ た う え 徘 徊 行 動 が み ら れ た り 数 回 に わ た っ て 入 退 院 を 繰 り 返 し て い る こ と 昭 和 6 1 年 以 降 は 寝 た き り で 全 介 助 状 態 と な っ て い る こ と が 認 め ら れ る と こ ろ こ れ を B 1 人 で 介 護 す る こ と は 不 可 能 で あ り 隣 接 建 物 に 住 ん で い た 相 手 方 が B と と も に A の 介 護 に 当 た っ た こ と が 推 認 で き る し た が っ て 相 手 方 に は 親 族 間 の 協 力 扶 助 義 務 に 基 づ く 一 般 的 な 寄 与 の 程 度 を 超 え る 程 度 の 貢 献 が あ っ た と 認 め る の が 相 当 で あ る 相 手 方 に よ る 被 相 続 人 ら の 虐 待 の 事 実 に つ い て は こ れ を 認 め る に 足 り る 証 拠 は な い ( 4 ) も っ と も 相 手 方 は A が 昭 和 4 8 年 4 月 1 7 日 に 虫 垂 炎 で 福 山 病 院 に 入 院 し た 時 点 か ら の 寄 与 分 を 主 張 し て い る が A は そ の 後 体 調 が 良 く な っ た り 悪 く な っ た り し て い る も の の 昭 和 5 4 年 5 月 1 6 日 時 点 で の 明 和 病 院 に お け る 診 断 書 に も 痴 呆 を 疑 わ せ る 所 見 の 記 載 は な い こ と か ら す れ ば 安 倉 病 院 に 入 院 し た 昭 和 5 4 年 6 月 こ ろ ま で は 明 確 な 痴 呆 の 症 状 は な か っ た と 認 め ら れ る し た が っ て A が 安 倉 病 院 を 退 院 後 相 手 方 の 自 宅 と 隣 接 す る 建 物 に 転 居 し た 昭 和 5 6 年 6 月 2 日 以 降 の 介 護 を 特 別 な 寄 与 と 認 め る の が 相 当 で あ る ( 5 ) 申 立 人 の 昭 和 5 6 年 6 月 2 日 か ら A の 死 亡 日 で あ る 平 成 2 年 1 月 2 日 ま で ( 1 年 は 全 て 3 6 5 日 と し て 計 算 し た ) の 寄 与 分 は 別 紙 寄 与 分 計 算 書 記 載 の と お り 各 年 度 の 兵 庫 県 看 護 婦 家 政 婦 紹 介 事 業 組 合 発 行 の 看 護 補 助 者 の 基 本 給 ( 1 日 8 時 間 あ た り の も の ) に 0. 6 を 乗 じ ( B が 主 と し て 介 護 に あ た っ て い た こ と を 考 慮 し 相 手 方 の 介 護 に 要 し た 時 間 は 5 時 間 程 度 と 考 え た ) さ ら に 0. 8 を 乗 じ た ( 親 族 扶 養 部 分 2 0 % を 控 除 し た ) 8 7 0 万 円 と 認 め る の が 相 当 で あ る ( 1 0 0 0 円 未 満 四 捨 五 入 ) - 2 -

5 遺 産 の 評 価 本 件 土 地 の 相 続 開 始 時 の 評 価 額 は 平 成 2 年 度 固 定 資 産 税 評 価 額 と す る こ と に つ い て は 当 事 者 間 に 争 い が な く そ の 合 計 額 は 7 0 7 万 7 1 0 0 円 で あ る ま た 鑑 定 人 中 村 増 秀 の 鑑 定 の 結 果 に よ れ ば 本 件 土 地 の 審 判 時 に お け る 評 価 額 は 同 目 録 1 及 び 4 記 載 の 土 地 が 8 1 7 万 円 同 目 録 2 及 び 3 記 載 の 土 地 が 3 3 2 万 円 で あ り そ の 合 計 額 は 1 1 4 9 万 円 で あ る こ と が 認 め ら れ る 6 具 体 的 相 続 分 の 算 定 本 件 遺 産 分 割 に あ た っ て 既 に 行 わ れ た 一 部 分 割 の 結 果 を 考 慮 し な い こ と は 当 事 者 間 に 争 い が な い そ こ で 分 割 対 象 で あ る 本 件 土 地 の 相 続 開 始 時 の 価 格 7 0 7 万 7 1 0 0 円 に 相 手 方 の 特 別 受 益 7 9 3 万 5 0 5 7 円 を 加 え 相 手 方 の 寄 与 分 8 7 0 万 円 を 引 く と み な し 相 続 財 産 は 6 3 1 万 2 1 5 7 円 と な る し た が っ て 各 相 続 人 の 具 体 的 相 続 分 を 価 格 で 示 す と 以 下 の と お り で あ る ( 申 立 人 ら 各 人 ) 6 3 1 万 2 1 5 7 円 1 / 4 = 各 1 5 7 万 8 0 3 9 円 ( 1 円 未 満 四 捨 五 入 ) ( 相 手 方 ) 6 3 1 万 2 1 5 7 円 1 / 4-7 9 3 万 5 0 5 7 円 + 8 7 0 万 円 = 2 3 4 万 2 9 8 2 円 ( 同 上 ) こ の 各 相 続 人 の 具 体 的 相 続 分 を 比 率 で 示 す と 申 立 人 ら 各 人 が 0. 2 2 2 9 8 相 手 方 が 0. 3 3 1 0 6 と な る こ れ を 本 件 土 地 の 審 判 時 の 価 格 に 乗 じ て 算 出 し た 各 相 続 人 の 具 体 的 取 得 分 額 は 以 下 の と お り で あ る 申 立 人 ら 各 人 2 5 6 万 2 0 4 0 円 ( 1 0 円 未 満 四 捨 五 入 ) 相 手 方 3 8 0 万 3 8 8 0 円 ( 同 上 ) 7 分 割 の 方 法 に 関 す る 当 事 者 の 意 見 ( 1 ) 申 立 人 ら 第 1 次 的 に は 相 手 方 が 本 件 土 地 を 全 部 取 得 す る 前 提 で 申 立 人 ら に 代 償 金 を 支 払 う 代 償 分 割 を 第 2 次 的 に 申 立 人 ら 及 び 相 手 方 が 本 件 土 地 の 共 有 取 得 を 希 望 し て い る ( 2 ) 相 手 方 相 手 方 は 本 件 土 地 上 に 自 宅 兼 仕 事 場 と し て 使 用 す る 建 物 を 所 有 し て お り 建 物 敷 地 以 外 の 部 分 も 車 庫 や 資 材 置 き 場 と し て 使 用 し て い る こ の た め 相 手 方 は 相 手 方 が 本 件 土 地 を 全 部 取 得 し た う え で 申 立 人 ら に 代 償 金 を 支 払 う 代 償 分 割 を 希 望 し て い る 8 当 裁 判 所 の 定 め る 分 割 方 法 以 上 の 事 情 に 照 ら せ ば 本 件 で は 共 有 物 分 割 の 方 法 に よ る 二 重 の 手 間 を か け る こ と は 相 当 で な い か ら 相 手 方 に 本 件 土 地 を 取 得 さ せ 申 立 人 ら に は 代 償 金 を 支 払 う 方 法 に よ る べ き で あ る 9 手 続 費 用 の 負 担 鑑 定 に 要 し た 費 用 は 当 事 者 全 員 の 平 等 負 担 と し そ の 余 の 費 用 は 各 自 の 負 担 と す る の が 相 当 で あ る 1 0 よ っ て 主 文 の と お り 審 判 す る 裁 判 官 和 田 三 貴 子 ( 別 紙 ) 遺 産 目 録 略 寄 与 分 計 算 書 略 - 3 -

大 阪 高 等 裁 判 所 平 成 1 5 年 ( ラ ) 第 9 5 3 号 平 成 1 6 年 5 月 1 0 日 決 定 主 文 1 原 審 判 を 取 り 消 す 2 抗 告 人 ら の 乙 事 件 申 立 て を 却 下 す る 3 相 手 方 の 丙 事 件 申 立 て を 却 下 す る 4 甲 事 件 被 相 続 人 E の 遺 産 を 次 の と お り 分 割 す る ( 1 ) 別 表 3 記 載 の 土 地 4 筆 は い ず れ も 相 手 方 の 取 得 と す る ( 2 ) 相 手 方 は, 上 記 遺 産 取 得 の 代 償 と し て, 抗 告 人 ら そ れ ぞ れ に 対 し, 2 8 7 万 2 5 0 0 円 ず つ を 支 払 え 5 抗 告 費 用 は 抗 告 人 ら の 負 担 と す る 6 原 審 に お け る 手 続 費 用 の う ち, 鑑 定 費 用 4 2 万 円 は 抗 告 人 ら 及 び 相 手 方 が 4 分 の 1 ず つ 負 担 す る も の と し, そ の 余 の 手 続 費 用 は 各 自 の 負 担 と す る 理 由 第 1 抗 告 に 至 る 経 緯 等 原 審 記 録 に よ れ ば, 次 の 事 実 が 認 め ら れ る ( 以 下, 別 表 1 及 び 3 記 載 の 不 動 産 に つ い て は, 地 番 又 は 家 屋 番 号 に よ っ て 表 示 し, 別 表 3 記 載 の 4 筆 の 土 地 を 本 件 各 土 地 と 表 示 す る ま た, 抗 告 人 は 姓 を 略 し 抗 告 人 A な ど と 表 示 す る ) 1 甲 事 件 被 相 続 人 E は, 沖 縄 で 生 ま れ, 昭 和 1 0 年 こ ろ 以 降, 大 阪 や 東 京 で 働 く よ う に な り, 昭 和 1 5 年, 乙 事 件 被 相 続 人 F と 婚 姻 し, 長 男 で あ る 相 手 方, 長 女 で あ る 抗 告 人 A を 含 む 五 男 二 女 の 七 人 の 子 を も う け た が, 二 男, 三 男, 五 男 は 若 く し て 他 界 し た ( な お, 二 男 は 婚 姻 後 死 亡 し た が 子 は な か っ た ) 2 E は, 昭 和 2 1 年 こ ろ, 国 有 地 で あ っ た 1 9 8 番 土 地 ( 昭 和 4 1 年 に 払 下 げ ) の 上 の 建 物 に 移 り 住 み, 工 員 な ど と し て 稼 働 す る 傍 ら, 養 豚 業 を 営 み, 河 川 敷 に お い て 耕 作 を 行 う な ど し て 生 計 を 立 て, 昭 和 2 4 年 に は 1 2 7 番 土 地, 昭 和 3 7 年 こ ろ 2 0 4 番 土 地 を 買 い 受 け た E は, 昭 和 3 9 年 に は, 賃 貸 用 ア パ ー ト で あ る 1 2 7 番 建 物 を 新 築 し, そ の こ ろ, 養 豚 業 を 止 め, 工 員 と し て 稼 働 す る ほ か, 不 動 産 賃 貸 業 に よ っ て 収 入 を 得 る よ う に な り, 昭 和 4 0 年 に は 本 件 各 土 地 を 相 手 方 名 義 で 買 い 受 け た な お, E と F は, 1 2 7 番 建 物 の 一 部 を 自 宅 と し, こ こ に 居 住 し て い た 3 相 手 方 は, 熔 接 工 と し て 稼 働 し て い た が, 昭 和 4 6 年, 2 1 5 番 土 地 の 上 に, 木 造 瓦 葺 2 階 建 の 自 宅 ( 以 下 相 手 方 自 宅 と い う ) を 新 築 し, 本 件 各 土 地 上 で 鉄 工 業 を 自 営 す る よ う に な っ た E は, そ の こ ろ, 工 員 と し て の 勤 務 を 辞 め, も っ ぱ ら 不 動 産 賃 貸 業 に よ っ て 収 入 を 得 る よ う に な っ た 4 E は, 昭 和 5 4 年 6 月, 脳 血 栓 症 一 部 脳 溢 血 症 の た め 入 院 手 術 を 受 け, 約 2 年 間 入 院 生 活 を 送 っ た 後 退 院 し た が, 痴 呆 状 態 と な り, 日 常 生 活 全 般 に お い て, 常 時 介 護 を 要 す る 状 態 と な っ た F は, 昭 和 5 6 年 9 月, E を 介 護 す る た め, そ れ ま で の 勤 め を 辞 め た 相 手 方 は, E が 痴 呆 状 態 と な っ た 後, し ば し ば 1 2 7 番 建 物 に 出 向 い て E の 様 子 を う か が っ た り 介 護 を 手 伝 う こ と に な っ た た め, E 及 び F を 近 く に 住 ま わ せ る こ と に し, 昭 和 5 5 年 1 2 月, 相 手 方 自 宅 の 北 川 側 接 続 し て 2 階 建 て の 居 宅 部 分 を 増 築 し, そ の 増 築 部 分 に E 及 び F 夫 婦 を 住 ま わ せ, 以 後, F が 行 う E の 介 護 を 手 助 け し た 5 平 成 2 年 1 月 2 日 に E が 死 亡 し, 同 年 1 0 月 2 9 日 に F が 死 亡 し, 相 手 方 は, 次 の と お り, 保 険 金 ( 共 済 金 ) 合 計 7 9 3 万 5 0 5 7 円 を 受 領 し た ( 1 ) 保 険 契 約 者 被 保 険 者 を F, 保 険 者 を 生 命 保 険 相 互 会 社, 死 亡 保 険 金 受 取 人 を 相 手 方 と す る 養 老 保 険 の 保 険 金 5 0 0 万 2 4 6 5 円 ( C 甲 第 9 号 証 の 1 ) ( 2 ) 保 険 契 約 者 被 保 険 者 を F, 保 険 者 を 生 命 保 険 相 互 会 社, 死 亡 保 険 金 受 取 人 を 相 手 方 と す る 養 老 保 険 の 保 険 金 7 3 万 7 8 2 4 円 ( C 甲 第 9 号 証 の 3 ) ( 3 ) 共 済 契 約 者 被 共 済 者 を E, 共 済 者 を 農 業 協 同 組 合 と す る 死 亡 共 済 金 2 1 9 万 4 7 6 8 円 ( C 乙 第 1 6 号 証 の 1, 2 ) 6 抗 告 人 ら 及 び 相 手 方 は, 平 成 3 年 9 月 2 0 日, 別 表 1 記 載 の 不 動 産 及 び 預 貯 金 が E の 遺 産 で あ る と し, こ れ を 別 表 1 の と お り 分 割 す る こ と に 合 意 し た( C 甲 第 2 号 証 の 1, 2 ) な お, 別 表 1 の 不 動 産 の 価 額 は, 平 成 2 年 度 固 定 資 産 課 税 台 帳 兼 名 寄 帳 ( 当 審 提 出 の C 甲 第 3 0 号 証 の 5, 6 ) に お け る 評 価 額 で あ る 7 抗 告 人 ら は, 平 成 7 年 1 月 2 0 日 に は, E の 遺 産 の 分 割 を 求 め て 家 事 調 停 ( 甲 事 件 調 停 ) を 申 し 立 て た 抗 告 人 ら と 相 手 方 と の 間 に は, 本 件 各 土 地 及 び そ の 地 上 建 物 ( 相 手 方 自 宅 を 含 む ) が 遺 産 か ど う か と い う 点 で 厳 し い 対 立 が あ り, 抗 告 人 ら は, 平 成 8 年 中 に, 本 件 各 土 地 及 び そ の 地 上 建 物 等 が E の 遺 産 で あ る こ と の 確 認 を 求 め る 民 事 訴 訟 を 提 起 し た ( 神 戸 地 方 裁 判 所 伊 丹 支 部 平 成 8 年 ( ワ ) 第 号 以 下 別 件 訴 訟 と い う ) 8 抗 告 人 ら は, 平 成 1 0 年 1 0 月 1 3 日, F の 遺 産 の 分 割 を 求 め て 家 事 調 停 ( 乙 事 件 調 - 4 -

停 ) を 申 し 立 て, 甲 乙 事 件 調 停 は 併 合 さ れ, 抗 告 人 ら と 相 手 方 は, 平 成 1 0 年 1 1 月 3 0 日 の 調 停 期 日 に お い て, 別 表 2 の 財 産 に つ い て は, E 又 は F の い ず れ か の 遺 産 で あ る と し て, こ れ を 別 表 2 の と お り 分 割 す る 旨 の 調 停 を 成 立 さ せ た 9 神 戸 地 方 裁 判 所 伊 丹 支 部 は, 平 成 1 1 年 1 2 月 1 6 日, 本 件 各 土 地 が E の 遺 産 で あ る こ と を 確 認 し, そ の 地 上 建 物 等 は E の 遺 産 で な い こ と を 理 由 と し て 抗 告 人 ら の 確 認 請 求 を 棄 却 す る 旨 の 別 件 訴 訟 の 第 一 審 判 決 を 言 い 渡 し た ( C 甲 第 1 2 号 証 ) し か し 相 手 方 が こ れ を 不 服 と し て 控 訴 を 提 起 し た た め, 甲 乙 事 件 調 停 は 平 成 1 2 年 1 月 1 9 日 不 成 立 と な っ て 審 判 手 続 ( 原 審 ) に 移 行 す る こ と に な り, 以 後, 別 件 訴 訟 の 訴 訟 手 続 と 審 判 手 続 と が 並 行 し て 行 わ れ た そ の 後, 大 阪 高 等 裁 判 所 の 平 成 1 2 年 7 月 6 日 言 渡 し の 控 訴 棄 却 判 決, 最 高 裁 判 所 の 平 成 1 2 年 1 1 月 2 8 日 付 け 上 告 棄 却 上 告 不 受 理 決 定 を 経 て, 別 件 訴 訟 の 第 一 審 判 決 は 確 定 し, 本 件 各 土 地 は E の 遺 産 と し て 分 割 す べ き こ と が 確 定 し た 1 0 相 手 方 は, 平 成 1 3 年 4 月 2 4 日, E を 療 養 看 護 し, E の 財 産 の 維 持 又 は 増 加 に つ き 特 別 の 寄 与 を し た と し て, 寄 与 分 を 定 め る 家 事 調 停 ( 丙 事 件 調 停 ) を 申 し 立 て た 原 審 裁 判 所 は, 同 調 停 事 件 を 同 年 1 0 月 9 日 に 不 成 立 と し て 審 判 手 続 ( 原 審 ) に 移 行 さ せ, 甲 乙 事 件 に 併 合 し た 1 1 原 審 裁 判 所 は, 平 成 1 4 年 1 2 月 2 5 日, 不 動 産 鑑 定 士 を 鑑 定 人 に 選 任 し, 本 件 各 土 地 の 価 額 鑑 定 を 実 施 し, 同 鑑 定 人 は, 平 成 1 5 年 2 月 1 3 日, 2 1 5 番 2 1 8 番 土 地 の 鑑 定 評 価 額 を 8 1 7 万 円 と し, 2 1 6 番 2 1 7 番 土 地 の 鑑 定 評 価 額 を 3 3 2 万 円 と す る 旨 の 鑑 定 を し た ( 価 格 時 点 は 平 成 1 5 年 2 月 7 日 ) 1 2 原 審 裁 判 所 は, 鑑 定 の 結 果 に 基 づ き, 平 成 1 5 年 8 月 8 日, 甲 な い し 丙 事 件 に つ い て, 次 の と お り の 審 判 を し た な お, 原 審 判 は, 上 記 5 ( 1 ) な い し ( 3 ) の 保 険 金 ( 共 済 金 ) の 受 領 が 相 手 方 の 特 別 受 益 に 該 当 す る と の 判 断 を 前 提 と し て い る ( 1 ) 相 手 方 の E の 遺 産 に 関 す る 寄 与 分 を 8 7 0 万 円 と 定 め る ( 2 ) E 及 び F の 遺 産 で あ る 本 件 各 土 地 を 相 手 方 の 単 独 取 得 と す る ( 3 ) 相 手 方 は,( 2 ) の 遺 産 取 得 の 代 償 と し て, 抗 告 人 ら そ れ ぞ れ に 対 し, 各 2 5 6 万 2 0 4 0 円 及 び こ れ に 対 す る 審 判 確 定 の 日 の 翌 日 か ら 完 済 ま で 年 5 分 の 割 合 に よ る 金 員 を 支 払 え ( 4 ) 手 続 費 用 中, 鑑 定 費 用 4 2 万 円 は, 当 事 者 全 員 の 平 等 負 担 と し, そ の 余 の 手 続 費 用 は 各 自 の 負 担 と す る 第 2 抗 告 の 理 由 の 要 旨 抗 告 人 ら は, 原 審 判 を 不 服 と し て 即 時 抗 告 を 申 し 立 て た と こ ろ, そ の 抗 告 の 理 由 の 要 旨 は 次 の と お り で あ る 1 原 審 判 は, み な し 相 続 財 産 を 計 算 す る 際, 平 成 2 年 度 固 定 資 産 課 税 台 帳 上 の 評 価 額 7 0 7 万 7 1 0 0 円 を も っ て, 本 件 各 土 地 の 相 続 開 始 時 の 価 額 で あ る と 認 定 し た が, そ の 価 額 認 定 に は 根 拠 が な い 2 原 審 判 は, 8 7 0 万 円 も の 相 手 方 の 寄 与 分 を 認 定 し て い る が, そ の 認 定 は 不 当 で あ る 仮 に, 相 手 方 に 何 ら か の 寄 与 分 が 認 め ら れ る と し て も, そ の 寄 与 分 は, E の 遺 産 全 体 に つ い て の 寄 与 分 で あ る か ら, 遺 産 の 一 部 で あ る 本 件 各 土 地 を 分 割 す る 場 合 に は, そ の 寄 与 分 の 額 も 一 部 と な る は ず で あ り, 原 審 判 は こ の 点 を 看 過 し, 遺 産 全 体 に 係 る 寄 与 分 を 本 件 各 土 地 の 分 割 に お い て 考 慮 し て い る 3 本 件 各 土 地 の 平 成 6 年 度 固 定 資 産 課 税 台 帳 上 の 評 価 額 は 合 計 3 6 2 3 万 4 4 4 5 円 に も 達 す る の で あ り, 本 件 各 土 地 の 価 額 を 1 1 4 9 万 円 と す る 原 審 の 鑑 定 の 結 果 は, 余 り に も 相 手 方 に 偏 っ た 不 合 理 な も の で あ る 原 審 の 鑑 定 は そ の 評 価 手 法 に も 様 々 な 問 題 が あ る 第 3 乙 事 件 に 係 る 当 裁 判 所 の 判 断 一 件 記 録 を 検 討 し て も, F の 遺 産 と し て 分 割 す べ き 財 産 が 存 在 す る と は 認 め ら れ な い か ら, 抗 告 人 ら の 乙 事 件 の 申 立 て は, 分 割 対 象 遺 産 が な い の に さ れ た 不 適 法 な も の と し て 却 下 を 免 れ な い 第 4 甲 丙 事 件 に 係 る 当 裁 判 所 の 判 断 1 相 続 人 及 び 法 定 相 続 分 の 割 合 に つ い て E の 遺 産 相 続 に 係 る F の 相 続 分 は, 抗 告 人 ら 及 び 相 手 方 の 4 名 に 平 等 に 再 転 相 続 さ れ て お り, 現 時 点 で は, E の 相 続 人 は, 抗 告 人 ら 及 び 相 手 方 の 4 名 で あ り, そ の 法 定 相 続 分 の 割 合 は 4 分 の 1 ず つ で あ る 2 遺 産 の 範 囲 に つ い て ( 1 ) 本 件 に お い て 分 割 対 象 と な る E の 遺 産 は 本 件 各 土 地 だ け で あ る ( 2 ) 別 表 1, 2 の と お り, こ れ ま で に さ れ た E 及 び F の 遺 産 分 割 の 結 果 に は, 遺 産 取 得 の 過 不 足 が あ る が, そ の 過 不 足 を 本 件 各 土 地 の 分 割 に お い て 調 整 す る た め に は, 別 表 1 に 記 載 の 不 動 産 に つ い て も 分 割 時 の 評 価 額 を 鑑 定 す る 必 要 が あ る し, こ れ ま で に 分 割 取 得 が さ れ た 預 貯 金 が E と F い ず れ の 遺 産 で あ っ た の か も 峻 別 す る 作 業 が 必 要 と な る し か し な が ら, 原 審 及 び 当 審 に お け る 手 続 の 全 趣 旨 に よ れ ば, 抗 告 人 ら も 相 手 方 も, 新 た な 鑑 定 や 遺 産 の 峻 別 を 行 う こ と を 敢 え て 希 望 し て お ら ず, 遺 産 の 一 部 分 割 の 結 果 を 本 件 各 土 地 の 分 割 の 際 に 考 慮 し な い こ と に 合 意 し て い る こ と が 明 ら か で あ る 3 特 別 受 益 に つ い て ( 1 ) 原 審 判 は, 前 記 第 1 の 5 ( 1 ) な い し ( 3 ) の 保 険 金 ( 共 済 金 ) 合 計 7 9 3 万 5 0 5 7 円 が 相 手 方 の 特 別 受 益 に 当 た る と 判 断 し て い る ( た だ し, 原 審 判 の 判 断 は, F を 保 険 - 5 -

契 約 者 と す る 前 記 第 5 ( 1 )( 2 ) の 保 険 契 約 の 保 険 金 が, E の 遺 産 相 続 に お い て 特 別 受 益 と な る 根 拠 を 明 ら か に し て い な い ) し か し な が ら, 死 亡 保 険 金 ( 共 済 金 ) 請 求 権 は, 指 定 さ れ た 保 険 金 ( 共 済 金 ) 受 取 人 が, 被 保 険 者 ( 被 共 済 者 ) 死 亡 時 に, 自 己 の 固 有 の 権 利 と し て 取 得 す る の で あ っ て, 保 険 ( 共 済 ) 契 約 者 か ら 承 継 取 得 す る も の で は な い し, 保 険 ( 共 済 ) 契 約 者 の 払 い 込 ん だ 保 険 料 と 等 価 の 関 係 に 立 つ も の で は な く, 被 保 険 者 ( 被 共 済 者 ) の 稼 働 能 力 に 代 わ る 給 付 で も な い の で あ っ て, 死 亡 保 険 金 ( 共 済 金 ) 請 求 権 が 実 質 的 に 保 険 ( 共 済 ) 契 約 者 又 は 被 保 険 者 ( 被 共 済 者 ) の 財 産 に 属 し て い た も の と み る こ と は で き な い ( 最 高 裁 判 所 平 成 1 4 年 1 1 月 5 日 判 決 民 集 5 6 巻 8 号 2 0 6 9 頁 参 照 ) し た が っ て, 前 記 第 1 の 5 ( 1 ) な い し ( 3 ) の 保 険 金 ( 共 済 金 ) は, 民 法 9 0 3 条 1 項 所 定 の 遺 贈 又 は 生 計 の 資 本 と し て の 贈 与 に 該 当 す る も の と 解 す る こ と は で き ず, 原 審 判 の 上 記 判 断 を 是 認 す る こ と は で き な い ( 2 ) 他 に も, E か ら 本 件 相 続 人 へ の 遺 贈 又 は 生 計 の 資 本 と し て の 生 前 贈 与 が さ れ た 事 実 は 見 当 た ら な い 4 相 手 方 の 寄 与 分 に つ い て ( 1 ) 原 審 記 録 に よ れ ば, 原 審 判 4 頁 1 9 行 目 か ら 6 頁 4 行 目 ま で の と お り の 事 実 が 認 め ら れ る ( 2 ) こ の 事 実 に よ れ ば, 痴 呆 症 状 で 徘 徊 行 動 が み ら れ, 昭 和 6 1 年 以 降 は 寝 た き り と な っ た E を F 1 人 で 在 宅 で 介 護 す る こ と は 不 可 能 で あ っ た と 考 え ら れ, 隣 接 建 物 に 住 ん で い た 相 手 方 が F と と も に E の 介 護 に 当 た り, 介 護 に 伴 う 様 々 な 苦 労 を 余 儀 な く さ れ た と 思 わ れ る し か し な が ら, 原 審 記 録 に よ れ ば, E の 介 護 の 負 担 は 主 に F に か か っ て い た こ と, 相 手 方 は, 昭 和 4 6 年 以 降, E か ら 本 件 各 土 地 を 無 償 で 借 り 受 け, 自 宅 等 の 敷 地 と し て 利 用 し て お り, E か ら 一 定 の 便 益 を 付 与 さ れ て い る こ と が 明 ら か で あ る ま た, 別 表 1 の 遺 産 は, E の 遺 産 と し て 分 割 協 議 が さ れ た こ と は 前 記 の と お り で あ り, 抗 告 人 ら と 相 手 方 と は, 平 成 3 年 9 月 の 時 点 で, E の 介 護 に ど の よ う に 報 い る の か と い う 点 も あ る 程 度 加 味 し て E の 遺 産 の 大 部 分 を 分 割 し た も の と 考 え ら れ る そ う す る と, E の 残 余 遺 産 で あ る 本 件 各 土 地 の 分 割 に 際 し て は, 相 手 方 に よ る E の 療 養 看 護 は, E の 財 産 の 維 持 又 は 増 加 に つ い て の 特 別 の 寄 与 と ま で は 認 め な い の が 相 当 で あ る 5 遺 産 の 価 額, 各 相 続 人 の 相 続 分 に つ い て ( 1 ) 原 審 記 録 中 の 平 成 1 5 年 2 月 1 3 日 付 け 不 動 産 鑑 定 評 価 書 ( 以 下 本 件 鑑 定 書 と い う ) に 記 載 さ れ た 評 価 手 法 や 前 提 事 実 の 認 定 に 特 段 の 不 合 理 な 点 は 認 め ら れ な い の で あ っ て, 前 記 認 定 の 鑑 定 結 果 に 従 っ て 本 件 各 土 地 の 分 割 時 価 額 を 1 1 4 9 万 円 と し た 原 審 判 の 認 定 は 相 当 で あ る 抗 告 人 ら は, 当 審 に 平 成 1 5 年 1 2 月 1 9 日 付 け 即 時 抗 告 理 由 補 充 書 ( そ の 2 ) を 提 出 し, 原 審 鑑 定 人 の 評 価 手 法 の 不 当 性, 本 件 鑑 定 書 の 記 載 の 不 備, 前 提 事 実 の 誤 認 を こ と 細 か に 指 摘 し て い る が, そ れ ら 指 摘 は 当 審 に 提 出 さ れ た 甲 第 2 0 号 証 に 照 ら し て 採 用 で き な い な お, 甲 第 2 0 号 証 は, 原 審 鑑 定 人 が 相 手 方 代 理 人 に 宛 て た 調 査 報 告 書 と 題 す る 文 書 で あ る 裁 判 所 の 鑑 定 人 が, 事 件 の 一 方 当 事 者 を 経 由 し て 文 書 を 提 出 す る こ と は, 本 来, 好 ま し い こ と で は な い が, 甲 第 2 0 号 証 の 内 容 は, 本 件 鑑 定 書 に 係 る 抗 告 人 ら の 疑 義 に 応 答 す る と い う も の で あ り, 本 件 鑑 定 書 を 補 充 す る 趣 旨 の 記 載 が さ れ て い る だ け で あ っ て, 新 た な 前 提 事 実, 新 た な 知 見 に 基 づ い て 抗 告 人 ら の 主 張 に 反 論 す る と い う も の で は な か っ た そ の た め, 当 裁 判 所 は, 甲 第 2 0 号 証 を も っ て 原 審 鑑 定 人 の 中 立 性, ひ い て は 原 審 鑑 定 の 正 当 性 を 疑 わ せ る も の と は 評 価 せ ず, 本 件 鑑 定 書, 甲 第 2 0 号 証, 抗 告 人 ら の 上 記 即 時 抗 告 理 由 補 充 書 の 3 つ の 文 書 を 吟 味 し, 結 論 と し て, 原 審 鑑 定 の 結 果 を 採 用 し た も の で あ る ( 2 ) 前 記 の と お り, 本 件 で は 特 別 受 益 や 寄 与 分 が 認 め ら れ る 相 続 人 は い な い か ら, 民 法 9 0 3 条, 9 0 4 条 の 2 に 基 づ く み な し 相 続 財 産 の 計 算 は 必 要 で は な く ( 本 件 各 土 地 の 相 続 開 始 時 の 価 額 を 認 定 す る 必 要 は な い ), 各 相 続 人 の 相 続 分 は 各 2 8 7 万 2 5 0 0 円 と な り, 各 相 続 人 が そ の 額 を 取 得 す る よ う 本 件 各 土 地 を 分 割 す べ き こ と に な る 6 具 体 的 な 分 割 方 法 に つ い て 前 記 の と お り, 相 手 方 は, 昭 和 4 6 年 以 降, 本 件 各 土 地 を 相 手 方 自 宅 の 敷 地 又 は 鉄 工 業 の 事 業 場 と し て 利 用 し て い る の で あ り, 一 件 記 録 に 照 ら せ ば, 相 手 方 以 外 に 本 件 各 土 地 を 現 実 に 利 用 し て い る 相 続 人 が い な い 事 実 は 明 ら か で あ る こ の こ と か ら す れ ば, 本 件 各 土 地 の 全 部 を 相 手 方 に 取 得 さ せ る こ と が, 本 件 各 土 地 及 び そ の 地 上 建 物 の 利 用 関 係 を 安 定 さ せ, 社 会 経 済 的 に 最 も 望 ま し い と い わ な け れ ば な ら な い ま た, 原 審 及 び 当 審 の 手 続 の 全 趣 旨 に 照 ら せ ば, 相 手 方 に は, 抗 告 人 ら の 相 続 分 の 全 額 ( 8 6 1 万 7 5 0 0 円 ) を 償 う だ け の 資 力 が あ る こ と が 認 め ら れ る か ら, 本 件 各 土 地 に つ い て は, 家 事 審 判 規 則 1 0 9 条 の 特 別 の 事 由 が 肯 定 さ れ る し た が っ て, 本 件 各 土 地 は 相 手 方 の 単 独 取 得 と し, 相 手 方 に は 抗 告 人 ら に 対 す る 代 償 金 債 務 を 負 担 さ せ る 方 法 で 分 割 す る の が 相 当 で あ る な お, 原 審 判 は, 代 償 金 債 務 に 期 限 を 付 し た 上, 遅 延 損 害 金 に つ い て も 給 付 命 令 を 発 し て い る が, そ の よ う な 給 付 命 令 を 発 す る こ と は 相 当 で は な い 第 5 結 論 - 6 -

よ っ て, 以 上 と 異 な る 原 審 判 を 取 消 し た 上, 家 事 審 判 規 則 1 9 条 2 項 に 基 づ き, 審 判 に 代 わ る 裁 判 を す る 趣 旨 で, 主 文 の と お り 決 定 す る ( 裁 判 長 裁 判 官 下 方 元 子 裁 判 官 橋 詰 均 裁 判 官 三 宅 康 弘 ) 別 表 1 平 成 3 年 9 月 2 0 日 付 け 分 割 協 議 に よ っ て 分 割 さ れ た 遺 産 及 び そ の 取 得 者 取 得 額 << 略 >> 別 表 2 平 成 1 0 年 1 1 月 3 0 日 付 け 分 割 協 議 に よ っ て 分 割 さ れ た 遺 産 及 び そ の 取 得 者 取 得 額 << 略 >> 別 表 3 民 事 訴 訟 の 判 決 に よ っ て E の 遺 産 で あ る こ と が 確 定 し た 不 動 産 の 取 得 者 取 得 額 << 略 >> - 7 -

最 高 裁 判 所 平 成 1 6 年 ( 許 ) 第 1 1 号 遺 産 分 割 及 び 寄 与 分 を 定 め る 処 分 審 判 に 対 す る 抗 告 審 の 変 更 決 定 に 対 す る 許 可 抗 告 事 件 平 成 1 6 年 1 0 月 2 9 日 第 二 小 法 廷 決 定 主 文 本 件 抗 告 を 棄 却 す る 抗 告 費 用 は 抗 告 人 ら の 負 担 と す る 理 由 抗 告 代 理 人 宇 津 呂 雄 章, 同 今 西 康 訓, 同 宇 津 呂 修 の 抗 告 理 由 に つ い て 1 本 件 は, A と B の 各 共 同 相 続 人 で あ る 抗 告 人 ら と 相 手 方 と の 間 に お け る そ れ ぞ れ の 被 相 続 人 の 遺 産 の 分 割 等 申 立 て 事 件 で あ る 2 記 録 に よ れ ば, 本 件 の 経 緯 は 次 の と お り で あ る ( 1 ) 抗 告 人 ら 及 び 相 手 方 は, い ず れ も A と B の 間 の 子 で あ る A は 平 成 2 年 1 月 2 日 に, B は 同 年 1 0 月 2 9 日 に, そ れ ぞ れ 死 亡 し た A の 法 定 相 続 人 は B, 抗 告 人 ら 及 び 相 手 方 で あ り, B の 法 定 相 続 人 は 抗 告 人 ら 及 び 相 手 方 で あ る ( 2 ) 本 件 に お い て 遺 産 分 割 の 対 象 と な る 遺 産 は, A が 所 有 し て い た 第 1 審 の 審 判 の 別 紙 遺 産 目 録 記 載 の 各 土 地 ( 以 下 本 件 各 土 地 と い う ) で あ り, そ の 平 成 2 年 度 の 固 定 資 産 税 評 価 額 は 合 計 7 0 7 万 7 1 0 0 円, 第 1 審 に お け る 鑑 定 の 結 果 に よ る 平 成 1 5 年 2 月 7 日 時 点 の 評 価 額 は 合 計 1 1 4 9 万 円 で あ る ( 3 ) A 及 び B の 本 件 各 土 地 以 外 の 遺 産 に つ い て は, 抗 告 人 ら 及 び 相 手 方 と の 間 に お い て, 平 成 1 0 年 1 1 月 3 0 日 ま で に 遺 産 分 割 協 議 及 び 遺 産 分 割 調 停 が 成 立 し ( そ の 内 容 は 原 決 定 別 表 1 及 び 2 の と お り ), こ れ に よ り, 相 手 方 は 合 計 1 3 8 7 万 8 7 2 7 円, 抗 告 人 X 1 は 合 計 1 1 9 9 万 6 1 1 3 円, 抗 告 人 X 2 は 合 計 1 2 2 1 万 4 9 9 8 円, 抗 告 人 X 3 は 合 計 1 4 4 1 万 7 7 9 3 円 に 相 当 す る 財 産 を そ れ ぞ れ 取 得 し た な お, 抗 告 人 ら 及 び 相 手 方 は, 本 件 各 土 地 の 遺 産 分 割 の 際 に 上 記 遺 産 分 割 の 結 果 を 考 慮 し な い こ と を 合 意 し て い る ( 4 ) 相 手 方 は A と B の た め に a 市 内 の 自 宅 を 増 築 し, A と B を 昭 和 5 6 年 6 月 こ ろ か ら そ れ ぞ れ 死 亡 す る ま で そ こ に 住 ま わ せ, 痴 呆 状 態 に な っ て い た A の 介 護 を B が 行 う の を 手 伝 っ た そ の 間, 抗 告 人 ら は, い ず れ も A 及 び B と 同 居 し て い な い ( 5 ) 相 手 方 は, 次 の 養 老 保 険 契 約 及 び 養 老 生 命 共 済 契 約 に 係 る 死 亡 保 険 金 等 を 受 領 し た ア 保 険 者 を C 保 険 相 互 会 社, 保 険 契 約 者 及 び 被 保 険 者 を B, 死 亡 保 険 金 受 取 人 を 相 手 方 と す る 養 老 保 険 ( 契 約 締 結 日 平 成 2 年 3 月 1 日 ) の 死 亡 保 険 金 5 0 0 万 2 4 6 5 円 イ 保 険 者 を D 保 険 相 互 会 社, 保 険 契 約 者 及 び 被 保 険 者 を B, 死 亡 保 険 金 受 取 人 を 相 手 方 と す る 養 老 保 険 ( 契 約 締 結 日 昭 和 3 9 年 1 0 月 3 1 日 ) の 死 亡 保 険 金 7 3 万 7 8 2 4 円 ウ 共 済 者 を E 農 業 協 同 組 合, 共 済 契 約 者 を A, 被 共 済 者 を B, 共 済 金 受 取 人 を A と す る 養 老 生 命 共 済 ( 契 約 締 結 日 昭 和 5 1 年 7 月 5 日 ) の 死 亡 共 済 金 等 合 計 2 1 9 万 4 7 6 8 円 ( 入 院 共 済 金 1 3 万 4 0 0 0 円, 死 亡 共 済 金 2 0 6 万 0 7 6 8 円 ) ( 6 ) 抗 告 人 ら は, 上 記 ( 5 ) の 死 亡 保 険 金 等 が 民 法 9 0 3 条 1 項 の い わ ゆ る 特 別 受 益 に 該 当 す る と 主 張 し た 3 原 審 は, 前 記 2 ( 5 ) の 死 亡 保 険 金 等 に つ い て は, 同 項 に 規 定 す る 遺 贈 又 は 生 計 の 資 本 と し て の 贈 与 に 該 当 し な い と し て, 死 亡 保 険 金 等 の 額 を 被 相 続 人 が 相 続 開 始 の 時 に お い て 有 し た 財 産 の 価 額 に 加 え る こ と ( 以 下, こ の 操 作 を 持 戻 し と い う ) を 否 定 し た 上, 本 件 各 土 地 を 相 手 方 の 単 独 取 得 と し, 相 手 方 に 対 し 抗 告 人 ら 各 自 に 代 償 金 各 2 8 7 万 2 5 0 0 円 の 支 払 を 命 ず る 旨 の 決 定 を し た 4 前 記 2 ( 5 ) ア 及 び イ の 死 亡 保 険 金 に つ い て 被 相 続 人 が 自 己 を 保 険 契 約 者 及 び 被 保 険 者 と し, 共 同 相 続 人 の 1 人 又 は 一 部 の 者 を 保 険 金 受 取 人 と 指 定 し て 締 結 し た 養 老 保 険 契 約 に 基 づ く 死 亡 保 険 金 請 求 権 は, そ の 保 険 金 受 取 人 が 自 ら の 固 有 の 権 利 と し て 取 得 す る の で あ っ て, 保 険 契 約 者 又 は 被 保 険 者 か ら 承 継 取 得 す る も の で は な く, こ れ ら の 者 の 相 続 財 産 に 属 す る も の で は な い と い う べ き で あ る ( 最 高 裁 昭 和 3 6 年 ( オ ) 第 1 0 2 8 号 同 4 0 年 2 月 2 日 第 三 小 法 廷 判 決 民 集 1 9 巻 1 号 1 頁 参 照 ) ま た, 死 亡 保 険 金 請 求 権 は, 被 保 険 者 が 死 亡 し た 時 に 初 め て 発 生 す る も の で あ り, 保 険 契 約 者 の 払 い 込 ん だ 保 険 料 と 等 価 関 係 に 立 つ も の で は な く, 被 保 険 者 の 稼 働 能 力 に 代 わ る 給 付 で も な い の で あ る か ら, 実 質 的 に 保 険 契 約 者 又 は 被 保 険 者 の 財 産 に 属 し て い た も の と み る こ と は で き な い ( 最 高 裁 平 成 1 1 年 ( 受 ) 第 1 1 3 6 号 同 1 4 年 1 1 月 5 日 第 一 小 法 廷 判 決 民 集 5 6 巻 8 号 2 0 6 9 頁 参 照 ) し た が っ て, 上 記 の 養 老 保 険 契 約 に 基 づ き 保 険 金 受 取 人 と さ れ た 相 続 人 が 取 得 す る 死 亡 保 険 金 請 求 権 又 は こ れ を 行 使 し て 取 得 し た 死 亡 保 険 金 は, 民 法 9 0 3 条 1 項 に 規 定 す る 遺 贈 又 は 贈 与 に 係 る 財 産 に は 当 た ら な い と 解 す る の が 相 当 で あ る も っ と も, 上 記 死 亡 保 険 金 請 求 権 の 取 得 の た め の 費 用 で あ る 保 険 料 は, 被 相 続 人 が 生 前 保 険 者 に 支 払 っ た も の で あ り, 保 険 契 約 者 で あ る 被 相 続 人 の 死 亡 に よ り 保 険 金 受 取 人 で あ る 相 続 人 に 死 亡 保 険 金 請 求 権 が 発 生 す る こ と な ど に か ん が み る と, 保 険 金 受 取 人 で あ る 相 続 人 と そ の 他 の 共 同 相 続 人 と の 間 に 生 ず る 不 公 平 が 民 法 9 0 3 条 の 趣 旨 に 照 ら し 到 底 是 認 す る こ と が で き な い ほ ど に 著 し い も の で あ る と 評 価 す べ き 特 段 の 事 情 - 8 -

が 存 す る 場 合 に は, 同 条 の 類 推 適 用 に よ り, 当 該 死 亡 保 険 金 請 求 権 は 特 別 受 益 に 準 じ て 持 戻 し の 対 象 と な る と 解 す る の が 相 当 で あ る 上 記 特 段 の 事 情 の 有 無 に つ い て は, 保 険 金 の 額, こ の 額 の 遺 産 の 総 額 に 対 す る 比 率 の ほ か, 同 居 の 有 無, 被 相 続 人 の 介 護 等 に 対 す る 貢 献 の 度 合 い な ど の 保 険 金 受 取 人 で あ る 相 続 人 及 び 他 の 共 同 相 続 人 と 被 相 続 人 と の 関 係, 各 相 続 人 の 生 活 実 態 等 の 諸 般 の 事 情 を 総 合 考 慮 し て 判 断 す べ き で あ る こ れ を 本 件 に つ い て み る に, 前 記 2 ( 5 ) ア 及 び イ の 死 亡 保 険 金 に つ い て は, そ の 保 険 金 の 額, 本 件 で 遺 産 分 割 の 対 象 と な っ た 本 件 各 土 地 の 評 価 額, 前 記 の 経 緯 か ら う か が わ れ る B の 遺 産 の 総 額, 抗 告 人 ら 及 び 相 手 方 と 被 相 続 人 ら と の 関 係 並 び に 本 件 に 現 れ た 抗 告 人 ら 及 び 相 手 方 の 生 活 実 態 等 に 照 ら す と, 上 記 特 段 の 事 情 が あ る と ま で は い え な い し た が っ て, 前 記 2 ( 5 ) ア 及 び イ の 死 亡 保 険 金 は, 特 別 受 益 に 準 じ て 持 戻 し の 対 象 と す べ き も の と い う こ と は で き な い 5 前 記 2 ( 5 ) ウ の 死 亡 共 済 金 等 に つ い て 上 記 死 亡 共 済 金 等 に つ い て の 養 老 生 命 共 済 契 約 は, 共 済 金 受 取 人 を A と す る も の で あ る の で, そ の 死 亡 共 済 金 等 請 求 権 又 は 死 亡 共 済 金 等 に つ い て は, 民 法 9 0 3 条 の 類 推 適 用 に つ い て 論 ず る 余 地 は な い 6 以 上 の と お り で あ る か ら, 前 記 2 ( 5 ) の 死 亡 保 険 金 等 に つ い て 持 戻 し を 認 め ず, 前 記 3 の と お り の 遺 産 分 割 を し た 原 審 の 判 断 は, 結 論 に お い て 是 認 す る こ と が で き る 論 旨 は 採 用 す る こ と が で き な い よ っ て, 裁 判 官 全 員 一 致 の 意 見 で, 主 文 の と お り 決 定 す る ( 裁 判 長 裁 判 官 北 川 弘 治 裁 判 官 福 田 博 裁 判 官 梶 谷 玄 裁 判 官 滝 井 繁 男 裁 判 官 津 野 修 ) - 9 -