施 工 計 画 の 手 引 ウォールソーイング 工 法 一 般 社 団 法 人 日 本 コンクリート 切 断 穿 孔 業 協 会
目 次 1 本 書 の 目 的 と 範 囲 1.1 目 的 2 1.2 除 外 範 囲 2 1.3 適 用 効 力 2 1.4 積 算 の 範 囲 2 2 工 法 の 概 要 2.1 概 要 3 2.2 用 途 3 2.3 利 点 3 2.4 注 意 点 3 2.5 機 械 の 構 成 4 3 切 断 作 業 の 手 順 3.1 準 備 作 業 5 3.2 切 断 作 業 5 4 積 算 4.1 計 算 の 手 順 10 4.2 代 価 表 の 形 式 11 4.3 1 台 当 たり 施 工 可 能 数 量 12 4.4 労 務 機 械 編 成 表 17 4.5 ブレードの 消 耗 率 19 4.6 消 耗 品 消 耗 工 具 等 21 4.7 動 力 用 水 22 5 参 考 資 料 5.1 材 料 等 の 参 考 価 格 24 5.2 損 料 表 25
1 本 書 の 目 的 と 範 囲 1.1 目 的 本 書 は ウォールソーイング 工 法 を 採 用 して 施 工 計 画 及 び 積 算 などを 行 う 場 合 の 参 考 資 料 として 作 成 されたものであり 最 近 の 実 情 を 考 慮 して 改 訂 したものである 1.2 除 外 範 囲 本 書 は 一 般 的 なコンクリート 構 造 物 を 対 象 としている 下 記 のような 作 業 は 現 場 によって 施 工 条 件 の 差 異 が 大 きく 標 準 的 係 数 を 設 定 することができな い これらの 見 積 が 必 要 な 場 合 は 現 地 の 専 門 工 事 業 者 に 問 い 合 わせること 1.2.1 水 中 切 断 1.2.2 乾 式 ( 冷 却 水 を 使 用 しないで 切 断 する) 工 法 による 切 断 1.2.3 土 砂 等 が 含 まれる 切 断 作 業 1.2.4 強 度 の 著 しく 高 い 躯 体 1.2.5 厚 さ 400 mmを 超 える 躯 体 の 切 断 作 業 (2.4.1 項 を 参 照 ) 1.3 適 用 効 力 本 書 の 歩 掛 等 の 係 数 は 一 般 的 なケースを 想 定 したものであるから 具 体 的 な 個 々の 現 場 の 見 積 に ついては 現 地 を 調 査 した 専 門 工 事 業 者 のほうが 信 頼 性 が 高 い 1.4 積 算 の 範 囲 本 書 が 第 4 項 で 扱 う 積 算 部 分 の 計 算 範 囲 は 下 図 の 点 線 内 に 限 られる 下 図 に 示 した 通 り コンク リート 殻 の 搬 出 処 分 や 安 全 費 用 は 含 まれていない また 専 門 工 事 業 者 の 会 社 維 持 に 要 する 経 費 も 含 まれていないので 工 事 請 求 金 額 の 算 定 にあたっては 所 定 の 比 率 で 管 理 費 経 費 を 別 途 に 計 上 する 必 要 がある 積 算 範 囲 労 務 費 材 料 費 直 接 工 事 費 機 械 損 料 消 耗 品 費 工 事 原 価 動 力 用 水 搬 出 運 搬 破 砕 請 負 工 事 金 額 準 備 費 間 接 工 事 費 安 全 費 一 般 管 理 費 現 場 管 理 費 - 2 -
2 工 法 の 概 要 2.1 概 要 ウォールソーイング 工 法 とは 壁 階 段 柱 を 切 断 できる 工 法 である コンクリートの 部 材 の 切 断 面 に 沿 って 走 行 レールを 設 置 し そのレールにウォールソーマシンを 嵌 め 込 み 冷 却 水 をかけ ながらダイヤモンド ブレードを 高 速 回 転 させて 切 断 する なお 近 年 では 冷 却 水 を 使 用 せずに 切 断 する 乾 式 工 法 の 研 究 も 進 められている(ただし 本 書 では 乾 式 工 法 は 取 り 扱 っていない) 2.2 用 途 2.2.1 建 築 分 野 2.2.1.1 窓 枠 ドア 取 付 けに 伴 う 建 築 物 の 切 断 工 事 2.2.1.2 ビルなどの 改 修 耐 震 補 強 工 事 2.2.2 土 木 分 野 2.2.2.1 トンネル 橋 梁 防 波 堤 ダムなどで の 切 断 工 事 2.2.2.2 コンクリート 建 造 物 などの 改 修 解 体 工 事 2.3 利 点 ウォールソーイング 工 法 は 従 来 の 解 体 工 法 に 比 べて 次 のような 利 点 がある 2.3.1 切 断 面 が 滑 らか ダイヤモンド ブレードを 使 用 するので 切 れ 味 が 鋭 い 2.3.2 切 断 精 度 が 高 い レールに 設 置 するので 直 線 的 に 切 断 できる 2.3.3 狭 い 場 所 でも 作 業 可 能 道 路 カッターが 入 れない 狭 い 床 版 部 分 も 切 断 できる 2.3.4 安 全 性 が 高 い 破 片 が 飛 び 散 らない 重 機 を 載 せられない 場 所 でも 軽 量 なので 作 業 ができる 2.4 注 意 点 ウォールソーイング 工 法 の 利 用 にあたっては 以 下 のような 点 に 注 意 が 必 要 である 2.4.1 厚 み ウォールソーイング 工 法 で 作 業 ができる 一 般 的 な 厚 みは 300 mm 程 度 までであることが 多 い 物 理 的 には 大 きなブレードも 装 着 できるが ブレードが 大 きくなると 水 平 切 断 時 には 自 重 によってブレードが 湾 曲 し 施 工 能 率 を 落 とす 400 mmを 超 える 厚 みを 施 工 する 場 合 は 現 場 環 境 や 施 工 業 者 の 所 有 機 械 技 術 などの 条 件 によって 施 工 性 が 左 右 されるため 本 書 で 示 している 当 該 範 囲 の 係 数 はあくまでも 参 考 値 の 域 に 留 まるものである 2.4.2 角 の 処 理 右 のような 現 場 を 切 断 する 場 合 角 の 部 分 をオーバーカットすることになる これが 望 ましくない 場 合 は 角 の 部 分 をコアドリル 等 で 穿 孔 する 必 要 があり その 費 用 が 加 算 されること になる - 3 -
2.5 機 械 の 構 成 ウォールソーマシンには 電 気 駆 動 式 と 油 圧 駆 動 式 とがある 以 下 では 電 気 駆 動 式 を 例 に 概 要 を 説 明 する 1 モーター 部 ブレードを 回 転 させるウォールソー 本 体 電 動 式 と 油 圧 式 があり 出 力 回 転 数 などによって 適 切 な 機 種 を 選 ぶ 2 走 行 レール(トラックレール) ウォールソーマシンを 支 え 移 動 させるレール 3 ブレード 基 板 ( 鋼 製 の 円 盤 )にセグメント(ダイヤモンド 砥 粒 と 金 属 を 焼 結 した 物 )を 接 合 したタイプが 一 般 的 4 ブレードカバー 回 転 する 刃 を 人 や 物 に 接 触 させないための 防 護 器 具 5 操 作 ボックス 遠 隔 操 作 用 の 端 末 1モーター 3ブレード 4ブレードカバー 2 走 行 レール 5 操 作 ボックス - 4 -
3 切 断 作 業 の 手 順 3.1 準 備 作 業 3.1.1 電 源 水 工 具 類 の 準 備 ウォールソー 作 業 は ウォールソーマシンの 他 に 電 源 水 工 具 類 が 必 要 となる 3.1.1.1 電 源 の 準 備 機 械 能 力 を 最 大 限 に 発 揮 させるため 4.4.4.2 項 の 規 格 を 満 足 する 電 源 を 確 保 する 現 場 の 状 況 に 応 じて 発 電 機 延 長 ケーブル トランスを 用 意 する 3.1.1.2 水 の 準 備 ブレード 先 端 のセグメントの 冷 却 と 切 断 粉 の 排 除 のため 清 水 ( 毎 分 3~5リットル) を 確 保 する 3.1.1.3 工 具 類 の 準 備 レールを 固 定 するためのアンカー 類 給 水 用 ホース 等 を 確 保 する 3.1.2 壁 裏 の 確 認 被 切 断 物 を 完 全 に 切 断 する 場 合 は 裏 側 にも 水 が 飛 散 するので 必 要 に 応 じて 飛 散 防 止 策 を 講 じてから 作 業 を 行 う 3.2 切 断 作 業 ウォールソーはハンドカッターより 重 いので 手 で 持 ったままでは 作 業 できない 床 面 または 壁 面 に 走 行 レールを 固 定 し レールに 沿 って 切 断 する 作 業 手 順 は 下 記 の 通 り 3.2.1 アンカー 施 工 切 断 予 定 位 置 からレール 位 置 を 計 算 し その 位 置 にアンカーを 打 ち 込 み レ ールを 固 定 する ここでは 最 も 一 般 的 な 金 属 拡 張 式 アンカーによる 固 定 方 法 を 挙 げておく カットライン アンカー 用 下 穴 位 置 1 カットラインからアンカー 用 下 穴 の 位 置 を 計 算 し ハンマードリルで 下 穴 をあける 2 チリ 吹 きで 穴 の 中 の 切 り 粉 を 排 除 する 3 アンカーを 穴 の 中 に 挿 入 し ハンマーでしっかり 打 ち 込 む 4 アンカーに 寸 切 りボルトをねじ 込 む 5 寸 切 りボルトがアンカー 固 定 用 の 長 穴 から 出 るように 走 行 レールをセットする - 5 -
3.2.2 レールの 固 定 1 アンカー 固 定 用 角 座 金 を 使 用 して ナットで 軽 く 手 締 めをする 2 レールの 側 面 にスケールを 当 て カットラインの 位 置 を 調 整 する( 機 種 によりカットライン の 距 離 は 異 なる) 3 走 行 レール 各 部 の 高 さ 調 整 ボ ルトを 六 角 棒 スパナを 使 用 し て 軽 く 締 め 付 け レベルを 調 整 する カットライン 4 軽 く 手 締 めしてあったナット を メガネレンチを 使 用 してし っかりと 締 め 付 ける 3.2.3 ウォールソーマシンの 取 付 け 1 ウォールソーのベースのクランプレバー 上 部 のピンを 指 で 押 し 込 んだ 状 態 で クラ ンプレバーを 内 側 に 向 ける 2 ウォールソーを 持 ち 上 げ レー ルの 任 意 の 位 置 で ベースを 本 体 に 取 り 付 ける ピン 3 クランプレバーを 外 側 に 向 け クレンプレバー 部 のピンが 10 mm 程 度 押 し 出 されていること を 確 認 する クランプレバー ( 開 方 向 = 内 側 に 回 転 ) - 6 -
3.2.4 ブレードの 取 付 け 1 モーターのスピンドル 先 端 にねじ 込 んである 六 角 ボルトと 平 座 金 を 外 し 外 側 フランジを 内 側 フランジ から 取 り 外 す ピン ブレード 外 側 フランジ 2 ブレードをスピンドルに 差 し 込 む 3 外 側 フランジを 内 側 フランジのピ ンに 合 わせて 差 し 込 む 4 六 角 ボルトに 平 座 金 を 取 り 付 けて スピンドル 先 端 にねじ 込 む 内 側 フランジ スピンドル 3.2.5 自 動 送 り 装 置 の 取 付 け 1 ウォールソーのメインスイッチを OFF にする 2 自 動 送 り 装 置 に 接 続 ケーブルを 取 付 け プラグを 電 源 に 接 続 する 3.2.6 ブレードカバーの 取 付 け 1 本 体 カバーと 前 面 カバーを 合 わせ て パチン 錠 にて 固 定 する 2 ブレードカバー 部 の 固 定 ノブを 締 め 付 けて 確 実 に 固 定 する パチン 錠 固 定 ノブ 3 必 要 に 応 じて 排 水 口 の 位 置 を 移 動 させ ホース 片 側 を 排 水 口 に 接 続 し ホース 先 端 をバケツ 等 で 受 ける - 7 -
3.2.7 レールの 連 結 1 3.2.1 項 の アンカー 施 工 の 要 領 で レール 固 定 用 のアンカーを 打 込 む 2 ラックギヤを 先 行 レールに 嵌 め 込 んで 両 レールの 端 面 どうしを 密 着 させて 角 座 金 六 角 ボルトで 固 定 する 3 プレートの 合 わせ 面 に 段 差 がある 場 合 や レールと 切 断 面 が 密 着 していない 場 合 は 六 角 棒 レンチでレベル 調 整 す る 4 レールの 側 面 にスケールを 当 て カ ットラインに 沿 うよう 位 置 調 整 す る 5 ウォールソーを 試 験 走 行 させ ブレ ードがカットラインの 位 置 に 合 う ようにレールを 微 調 整 する 6 レールをレンチで しっかり 締 付 け 固 定 する カットラインに 合 わせ 試 験 走 行 させる カットライン - 8 -
3.2.8 給 水 準 備 1 給 水 コックを 閉 じ 給 水 用 カプラーまたはホ ースバンドで 接 続 する 2 必 要 に 応 じて シートを 張 るなど 飛 散 水 の 対 策 を 行 う ホース 給 水 コック 3.2.9 切 断 1 水 道 の 蛇 口 を 開 け 給 水 コックを 徐 々に 開 いて 給 水 量 を 調 整 する 2 ウォールソーのメインモータースイッチを [ON]にして ブレードを 回 転 させる 3 切 り 込 みハンドルでブレードを 被 切 断 物 へ 切 り 込 み ノブボルトを 締 め 込 み ハンド ルを 固 定 する 4 自 動 送 り 装 置 または 送 り 走 行 ボタンを 押 して 切 断 走 行 させる 5 メインモーター 音 ブレードの 回 転 状 態 など 負 荷 に 注 意 して 切 断 する 6 ステップカットをする 場 合 (ア) ブレードカバーとブレードを 取 り 外 す (イ) 切 断 中 の 溝 へ 新 しいブレードを 入 れる (ウ) ブレードが 溝 に 入 ったままの 状 態 でマシンの 軸 にブレードを 取 り 付 ける (エ) ブレードの 大 きさに 合 ったブレードカバーを 取 り 付 ける 7 切 断 作 業 が 完 了 したら 切 り 込 みハンドルを 回 して ブレードが 被 切 断 物 から 出 る まで 引 き 上 げる 8 ウォールソーのメインモータースイッチを 切 り 給 水 を 止 める 9 電 源 ボタン を OFF にして すべての 動 作 を 停 止 する - 9 -
4 積 算 4.1 計 算 の 手 順 ウォールソーイング 工 法 の 切 断 単 価 は 以 下 の 手 順 で 算 出 する 手 順 内 容 具 体 的 な 方 法 参 照 1 1 台 当 たり 施 工 可 能 数 量 の 算 出 4.3 項 に 従 って 施 工 条 件 による 係 数 を 選 び 計 算 式 に 代 入 する P.12~16 2 日 当 たり 施 工 台 数 の 設 定 もし 上 記 1の 1 台 当 たり 施 工 可 能 数 量 が 発 注 者 の 日 当 たり 計 画 施 工 量 を 超 えていたら 施 工 台 数 は1 台 でよい もし 計 画 施 工 量 に 満 たない 場 合 は 機 械 台 数 を 必 要 なレベルまで 増 やす ( 施 工 可 能 数 量 = 1 台 当 たり 施 工 可 能 数 量 機 械 台 数 ) ただし 発 注 者 の 計 画 施 工 量 が 不 明 の 場 合 は1 台 で 計 算 する 3 日 当 たり 施 工 可 能 数 量 の 算 出 (ヶ 所 ) = 1 2 = 1 台 当 たり 施 工 可 能 数 量 日 当 たり 施 工 台 数 4 日 当 たり 施 工 可 能 数 量 の 算 出 (m 換 算 ) = 3 平 均 切 断 長 さ(m) 5 労 務 機 械 編 成 を 選 ぶ 2で 算 出 した 日 当 たり 施 工 台 数 に 基 づき 4.4 項 を 参 照 して 労 務 機 械 の 編 成 規 模 を 選 ぶ P.17~18 6 ブレード 消 耗 率 の 算 出 4.5 項 に 従 って 施 工 条 件 による 係 数 を 選 び 計 算 式 に 代 入 する P.19~20 7 ブレード 消 耗 量 の 算 出 = 4 6 = 日 当 たり 施 工 可 能 数 量 ブレード 消 耗 率 8 消 耗 品 消 耗 工 具 等 の 計 上 2で 決 めた 台 数 3で 求 められた 施 工 数 量 をもとに 4.6 項 に 従 って 必 要 な 数 量 を 計 上 する P.21 9 動 力 用 水 の 計 上 4.7 項 に 従 って 燃 料 消 費 量 水 の 使 用 量 を 計 上 する P.22 10 代 価 表 への 記 入 上 記 までの 手 続 きで 求 めた 歩 掛 を 代 価 表 (4.2 項 )に 記 入 する それぞれの 単 価 は 参 考 資 料 (5 項 )から 引 用 してよい P.11 P.24~25 11 単 価 (1m 当 たり)を 求 める = 10 4 = 代 価 表 の 合 計 額 日 当 たり 施 工 可 能 数 量 - 10 -
4.2 代 価 表 の 形 式 ウォールソーイング 工 法 の 工 事 費 の 計 算 には 以 下 のような 代 価 表 を 使 用 する 代 価 表 (ウォールソーイング 工 事 ) 大 分 類 小 分 類 数 量 単 位 単 価 金 額 備 考 1 人 件 費 世 話 役 人 2 特 殊 作 業 員 人 3 普 通 作 業 員 人 4 機 械 損 料 切 断 機 台 5 発 電 機 台 6 バン 台 7 ユニック 台 8 材 料 費 ブレード1 枚 9 ブレード2 枚 10 ブレード3 枚 11 消 耗 品 費 アンカー 本 12 消 耗 工 具 類 セット 13 燃 料 発 電 機 用 リットル 14 バン リットル 15 ユニック リットル 16 用 水 水 道 水 リットル 17 18 小 計 ( 円 / m) 19 20 1mあたり 単 価 ( 円 /m) 1 日 あたり - 11 -
4.3 1 台 当 たり 施 工 可 能 数 量 4.3.1 単 位 計 算 にあたっては 時 間 の 単 位 は 分 を 厚 みの 単 位 には mm を 使 用 する ただ し 長 さの 単 位 には mm と m を 使 いわけているので それぞれの 注 記 に 従 うこと 4.3.2 係 数 等 下 記 の 計 算 式 に 登 場 する 係 数 ( 準 1~ 片 2) 基 本 値 ( 基 本 準 備 時 間 基 本 切 断 速 度 基 本 片 付 時 間 )は 次 ページから 掲 載 されている 4.3.3 計 算 式 1 台 当 たりの 施 工 可 能 数 量 は 次 の 計 算 式 で 求 める ただし 計 算 した 結 果 4.3.4 項 の 上 限 値 を 超 えた 場 合 は 4.3.4 項 の 上 限 値 を 施 工 可 能 数 量 として 計 上 する 1 台 当 たり 施 工 可 能 数 量 ( 単 位 :ヶ 所 ) =(1 日 施 工 可 能 時 間 ) (1ヶ 所 当 りの 準 備 時 間 +1ヶ 所 当 りの 切 断 時 間 +1ヶ 所 当 りの 片 付 時 間 ) 4.3.3.1 1ヶ 所 当 りの 準 備 時 間 1ヶ 所 当 りの 準 備 時 間 は 次 の 予 備 計 算 式 で 求 める 1ヶ 所 当 りの 準 備 時 間 = 基 本 準 備 時 間 + 準 1+ 準 2+ 準 3 4.3.3.2 1ヶ 所 当 りの 切 断 時 間 1ヶ 所 当 りの 切 断 時 間 は 次 の 予 備 計 算 式 で 求 める 1ヶ 所 当 りの 切 断 時 間 = 平 均 切 断 長 さ(mm) ( 基 本 切 断 速 度 切 1 切 2 切 3 切 4) 4.3.3.3 1ヶ 所 当 りの 片 付 時 間 1ヶ 所 当 りの 片 付 時 間 は 次 の 予 備 計 算 式 で 求 める 1ヶ 所 当 りの 片 付 時 間 = 基 本 片 付 時 間 + 片 1+ 片 2 4.3.4 施 工 量 の 上 限 実 際 の 現 場 ではレールの 交 換 時 間 が 制 約 要 因 となる 1 人 の 作 業 員 が 1800 mmのレールを 交 換 するには 15 分 程 度 かかるため 継 続 的 に 分 速 120 mmを 超 えることは 難 しい したがって1 日 の 全 体 出 来 高 が 分 速 120 mmを 超 えるような 計 算 結 果 になった 場 合 は 分 速 120 mmで 再 計 算 した 施 工 可 能 数 量 を 上 限 値 として 採 用 する - 12 -
4.3.5 基 本 値 係 数 等 の 解 説 4.3.5.1 準 備 時 間 の 係 数 等 準 備 時 間 の 係 数 等 は 次 のように 設 定 する 1ヶ 所 当 りの 準 備 時 間 = 基 本 準 備 時 間 + 準 1+ 準 2+ 準 3 ( 再 掲 ) 4.3.5.1.1 基 本 準 備 時 間 アンカーでレールを 固 定 し 機 械 にブレード を 装 着 し その 機 械 をレールに 固 定 する 準 備 作 業 の 標 準 時 間 を 右 記 に 示 す 切 断 厚 み が 大 きくなるほどにブレードの 扱 いに 手 間 がかかるようになる なお 400 mmを 超 える 厚 みの 係 数 および 天 井 方 向 の 全 ての 係 数 は 参 考 値 である 切 断 深 さ 基 本 準 備 時 間 床 壁 天 井 50mm 9 分 13 分 26 分 100mm 9 分 13 分 26 分 150mm 9 分 13 分 26 分 200mm 9 分 13 分 26 分 250mm 9 分 13 分 26 分 300mm 9 分 13 分 26 分 350mm 12 分 17 分 34 分 400mm 12 分 17 分 34 分 450mm 16 分 22 分 44 分 500mm 16 分 22 分 44 分 4.3.5.1.2 準 1 駆 動 システムによる 係 数 ( 加 算 ) ウォールソーイングマシンには 大 きく 分 けて 電 動 式 と 油 圧 式 がある 電 動 式 は 軽 く 利 便 性 が 高 い 油 圧 式 は 重 くなるが 駆 動 力 が 強 いため 長 距 離 の 切 断 や 厚 みの 大 き な 躯 体 を 切 るときに 強 みを 発 揮 する 準 備 時 間 片 付 時 間 のみで 判 断 すると 油 圧 式 が 一 方 的 に 不 利 に 見 えるが 切 断 スピードとのバランスも 考 慮 して 総 合 的 に 判 断 する 必 要 がある また 天 井 を 切 断 するときには 冷 却 水 がモーターに 落 下 す るため 油 圧 式 の 機 械 が 採 用 されることが 多 い 駆 動 システム 電 動 式 マシン 油 圧 式 マシン 準 1 0 分 10 分 4.3.5.1.3 準 2 水 養 生 による 係 数 ( 加 算 ) 水 養 生 ( 下 記 参 照 )を 行 う 場 合 は 被 切 断 面 の 周 辺 を 養 生 シ ート 等 で 覆 い 集 水 経 路 を 確 保 しなければならない このよう な 慎 重 さを 要 しない 現 場 では 作 業 効 率 が 上 がる 区 分 水 養 生 なし 水 養 生 あり 準 2 0 分 15 分 水 養 生 とは 切 断 時 に 刃 先 から 出 す 冷 却 水 の 飛 散 防 止 と 集 水 作 業 の 総 称 である 4.3.5.1.3.1 飛 散 防 止 切 断 時 に 周 囲 をビニールシート 等 で 囲 い 切 断 水 や 飛 沫 による 周 囲 の 汚 れを 防 ぐこと 4.3.5.1.3.2 集 水 切 断 水 をビニールシート モルタル 堰 雨 樋 等 によって 集 積 し タ ンク 等 に 仮 受 けする 作 業 4.3.5.1.4 準 3 高 所 作 業 による 係 数 ( 加 算 ) 足 場 上 高 所 作 業 車 などでの 作 業 では 工 具 の 持 ち 運 びや 安 定 性 確 保 に 手 間 がかかる - 13 - 高 所 の 状 況 準 3 足 場 等 での 作 業 なし 0 分 足 場 等 での 作 業 あり 5 分 高 所 作 業 車 上 での 作 業 10 分
4.3.5.2 切 断 時 間 の 係 数 等 切 断 時 間 の 係 数 等 は 次 のように 設 定 する 1ヶ 所 当 りの 切 断 時 間 = 平 均 切 断 長 さ(mm) ( 基 本 切 断 速 度 切 1 切 2 切 3 切 4)( 再 掲 ) 4.3.5.2.1 基 本 切 断 速 度 切 断 状 況 が 安 定 していると 仮 定 した 場 合 の 一 般 的 な 切 断 スピードを 示 す なお 400 mmを 超 える 厚 みについての 係 数 は 参 考 値 で ある 切 断 深 さ 基 本 切 断 時 間 50mm 500mm/ 分 100mm 230mm/ 分 150mm 140mm/ 分 200mm 96mm/ 分 250mm 70mm/ 分 300mm 53mm/ 分 350mm 42mm/ 分 400mm 33mm/ 分 450mm 27mm/ 分 500mm 22mm/ 分 4.3.5.2.2 切 1 切 断 方 向 による 係 数 ( 乗 算 ) 水 平 切 断 ( 刃 が 水 平 になる 状 態 で 切 断 した 場 合 )で は 刃 が 自 重 によって 垂 れ 下 がり 切 断 抵 抗 が 増 え るため 切 断 速 度 を 低 下 させる なお 400 mmを 超 える 厚 みについての 係 数 は 参 考 値 である また 天 井 方 向 の 切 断 時 には 垂 直 の 係 数 を 使 う 切 断 深 さ 切 1 水 平 垂 直 混 合 50mm 1.00 1.00 1.00 100mm 0.98 1.00 0.99 150mm 0.96 1.00 0.98 200mm 0.94 1.00 0.97 250mm 0.90 1.00 0.95 300mm 0.86 1.00 0.93 350mm 0.81 1.00 0.91 400mm 0.75 1.00 0.88 450mm 0.68 1.00 0.84 500mm 0.61 1.00 0.81 4.3.5.2.3 切 2 被 切 断 物 の 質 による 係 数 ( 乗 算 ) 被 切 断 物 の 強 度 等 によって 施 工 能 率 が 変 わる 被 切 断 物 切 2 現 場 打 ちコンクリート 1 二 次 製 品 0.8 石 材 個 別 検 討 - 14 -
4.3.5.2.4 切 3 鉄 筋 量 による 係 数 ( 乗 算 ) 被 切 断 物 に 鉄 筋 鉄 骨 等 が 多 く 含 まれていると 施 工 能 率 は 著 しく 落 ちる ここで 対 象 となる 鉄 筋 比 率 とは 厳 密 には 切 断 面 に 表 れた 鉄 の 面 積 比 を 指 す しかし この 面 積 比 は 施 工 前 に 予 測 できないため 便 宜 的 に 被 切 断 躯 体 のコンクリート 全 体 と 鉄 全 体 の 容 積 比 率 で 計 算 してもよい( 切 断 量 が 十 分 に 多 くなれば 両 者 は 近 似 値 をとる) 鉄 筋 量 備 考 切 3 無 筋 (0%) 捨 てコンなど 1 低 配 筋 (0.4% 未 満 ) 重 力 式 橋 台 など 0.8 中 配 筋 (0.8% 未 満 ) 建 物 の 壁 など 0.5 高 配 筋 (1.2% 未 満 ) 高 欄 など 0.4 超 高 配 筋 (2% 未 満 ) 床 版 など 0.3 参 考 1 上 表 では 無 筋 コンクリートに 比 べた 鉄 のみの 切 断 時 間 を 経 験 によって 150 倍 前 後 とみなしている したがって 上 表 に 含 まれない 範 囲 の 配 筋 率 の 切 3 係 数 を 求 めるためには 次 の 計 算 式 を 使 えばよい 切 3 =1 { 鉄 筋 比 率 150+(1- 鉄 筋 比 率 ) 1} 参 考 2 なお 上 表 の 係 数 は それぞれの 範 囲 の 中 間 値 を 代 表 して 載 せてある(た とえば 中 配 筋 の 場 合 は 0.4% 以 上 0.8% 未 満 の 範 囲 となるので 係 数 としては 0.6% で 計 算 したものを 載 せてある) 4.3.5.2.5 切 4 油 圧 式 マシンを 使 用 した 場 合 の 係 数 ( 乗 算 ) 油 圧 式 マシンを 使 用 した 場 合 準 1 で 言 及 したように 駆 動 力 が 強 いため 切 断 距 離 が 長 い( 準 備 時 間 等 の 比 率 が 下 がる) 場 合 や 切 断 厚 みが 大 きな 場 合 は 電 動 式 との 差 が 顕 著 に 表 れてくる そのような 現 場 では 油 圧 式 のメリット が 大 きくなる 電 動 方 式 を 採 用 する 場 合 は すべて1を 代 入 する なお 400 mmを 超 える 厚 みについての 係 数 は 参 考 値 である 切 断 深 さ 切 4 50mm 1.9 100mm 2.1 150mm 2.2 200mm 2.4 250mm 2.7 300mm 2.9 350mm 3.2 400mm 3.5 450mm 3.8 500mm 4.2-15 -
4.3.5.3 片 付 時 間 の 係 数 等 片 付 時 間 の 係 数 等 は 次 のように 設 定 する 1ヶ 所 当 りの 片 付 時 間 = 基 本 片 付 時 間 + 片 1+ 片 2 ( 再 掲 ) 4.3.5.3.1 基 本 片 付 時 間 切 断 終 了 後 機 械 を 設 置 面 から 外 して レールを 外 す 段 階 ( 次 の 作 業 準 備 にとり かかる 前 )までの 標 準 的 所 要 時 間 を 示 す なお 400 mmを 超 える 厚 みの 係 数 およ び 天 井 方 向 のすべての 係 数 は 参 考 値 であ る 切 断 深 さ 基 本 片 付 け 時 間 床 壁 天 井 50mm 5 分 5 分 10 分 100mm 5 分 5 分 10 分 150mm 5 分 5 分 10 分 200mm 5 分 5 分 10 分 250mm 5 分 5 分 10 分 300mm 5 分 5 分 10 分 350mm 7 分 7 分 14 分 400mm 7 分 7 分 14 分 450mm 7 分 7 分 14 分 500mm 7 分 7 分 14 分 4.3.5.3.2 片 1 駆 動 システムによる 係 数 ( 加 算 ) この 係 数 は 準 1 でも 登 場 した 概 念 油 圧 式 は 本 体 も 周 辺 器 具 も 大 掛 かりになるため 切 断 後 の 取 り 外 し 作 業 にも 電 動 式 に 比 べて 手 間 がかかる 駆 動 システム 片 1 電 動 式 マシン 0 分 油 圧 式 マシン 5 分 4.3.5.3.3 片 2 水 養 生 による 係 数 ( 加 算 ) この 係 数 は 準 2 でも 登 場 した 概 念 シート 類 排 水 ホースの 取 り 外 し 仮 受 容 器 の 処 理 などの 手 間 がかかる 区 分 片 2 水 養 生 なし 0 分 水 養 生 あり 5 分 - 16 -
4.4 労 務 機 械 編 成 表 施 工 台 数 世 話 役 特 殊 作 業 員 普 通 作 業 員 車 両 1 台 1 人 1 人 2 台 1 人 2 人 3 台 1 人 3 人 4.4.2 参 照 4.4.3 参 照 4.4.1 労 務 の 基 本 編 成 労 務 の 基 本 編 成 は 4.1 項 2で 算 出 した 機 械 台 数 に 基 づいて 上 表 から 選 ぶ 普 通 作 業 員 車 両 の 選 定 は 次 項 以 降 の 基 準 に 従 う 4.4.2 普 通 作 業 員 次 の 条 件 を 一 つでも 満 たしている 場 合 は 機 械 1 台 につき 普 通 作 業 員 を1 名 追 加 する 4.4.2.1 切 断 厚 みが 300 mmを 超 える 場 合 (すなわち 301 mm 以 上 ) 4.4.2.2 油 圧 式 マシンを 使 う 場 合 4.4.3 車 両 車 両 の 編 成 は 使 用 機 械 と 合 計 人 数 によって 以 下 のように 選 定 する 4.4.3.1 使 用 機 械 使 用 機 械 の 区 分 による 車 両 の 計 上 方 法 は 以 下 の 通 り 4.4.3.1.1 電 動 式 電 動 式 の 機 械 を 使 用 する 場 合 は バン1 台 に 機 械 1 台 を 載 せることができ るものとして 台 数 を 計 上 する 4.4.3.1.2 油 圧 式 油 圧 式 の 機 械 を 使 用 する 場 合 は ユニック 車 1 台 に 機 械 2 台 までを 載 せる ことができるものとして 台 数 を 計 上 する 4.4.3.2 合 計 人 数 による 台 数 の 調 整 4.4.3.2.1 原 則 ユニック 車 を 使 う 場 合 は ユニック 車 1 台 に 機 械 のほかに3 人 までが 乗 れる ものとして 台 数 を 計 上 し バンを 使 う 場 合 は バン1 台 に 機 械 のほかに2 人 までが 乗 れるものとして 台 数 を 計 上 する 4.4.3.2.2 人 数 が 多 い 場 合 計 上 された 人 数 が 使 用 機 械 の 項 で 計 上 した 車 両 に 乗 り 切 れな い 場 合 は バンを 追 加 する 例 1: 油 圧 式 2 台 の 場 合 世 話 役 1 人 特 殊 作 業 員 2 人 普 通 作 業 員 2 人 ユニック 車 1 台 バン1 台 例 2: 電 動 式 2 台 で 厚 み 350 mmを 切 断 する 場 合 世 話 役 1 人 特 殊 作 業 員 2 人 普 通 作 業 員 2 人 バン3 台 - 17 -
4.4.4 機 械 の 選 定 ウォールソーの 機 械 は 現 場 条 件 によって 機 種 を 使 い 分 けるが ここでは 一 般 的 な 例 として 下 記 のような 基 準 で 機 械 を 選 定 する なお 400 mmを 超 える 躯 体 の 切 断 は 困 難 を 伴 うので その ような 施 工 現 場 が 発 生 した 場 合 は 実 際 に 施 工 する 現 地 の 業 者 に 施 工 可 能 性 と 相 場 を 確 認 す る 必 要 がある 呼 称 適 用 の 目 安 建 設 機 械 等 損 料 表 ( 平 成 25 年 度 版 )の 参 照 番 号 電 動 式 切 断 厚 が300mm 以 下 2016-011-030-001 油 圧 式 切 断 厚 が300mmを 超 える 場 合 または 切 断 距 離 が 長 い 場 合 2016-012-070-001 4.4.4.1 油 圧 式 を 選 定 する 条 件 油 圧 式 のウォールソーは 被 切 断 物 の 厚 みが 300 mmを 超 える 現 場 だけではなく 薄 い 場 合 でも 切 断 距 離 が 長 い 現 場 では 選 ばれることがある すなわち 4.3 項 ( 施 工 可 能 数 量 ) および 4.5 項 (ブレードの 消 耗 率 )の 計 算 結 果 として 当 該 現 場 が 電 動 式 よりも 油 圧 式 によって 施 工 したほうが 時 間 的 または 経 済 的 に 合 理 的 であるという 結 論 が 出 た 場 合 に 選 ぶことが 望 ましい ただし 水 中 では 電 動 式 を 使 えないので その 場 合 の 選 択 肢 は 油 圧 式 のみとなる 4.4.4.2 発 電 機 上 記 で 選 定 した 機 種 の 動 力 は 一 般 に 下 記 の 規 格 の 発 電 機 で 稼 動 させる( 原 則 としてウ ォールソー1 台 ごとに 発 電 機 を1 台 使 う) もし 現 場 に 使 用 可 能 な 電 源 があれば それを 利 用 してもよい ( 発 電 機 ) 呼 称 定 格 容 量 燃 料 消 費 量 (リットル/ 時 間 ) 使 用 燃 料 電 動 式 10kVA 2.21 油 圧 式 (ユニット) 45kVA 7.82 軽 油 燃 料 消 費 量 は 建 設 機 械 等 損 料 表 平 成 25 年 度 版 の 1510-034-001-010 および 1510-034-001-045 の 機 関 出 力 運 転 1 時 間 当 たり 燃 料 消 費 率 - 18 -
4.5 ブレードの 消 耗 率 4.5.1 ブレード ライフ ブレード ライフの 標 準 値 を 下 表 に 示 す 一 般 的 にライフ( 寿 命 )は 1 枚 当 りの 切 断 可 能 数 量 (m/ 枚 ) で 表 示 することが 多 いが ここでは 計 算 の 利 便 性 を 優 先 するために 参 考 欄 に 逆 数 の 状 態 ( 枚 /m)で 表 示 してある( 一 般 的 にステップカットの 目 安 は1 回 あたり 50 mm 程 度 であるため 参 考 欄 にも 50 mmを 切 った 場 合 を 表 示 している) 刃 の 直 径 ( 呼 称 ) ライフ 参 考 切 断 深 さ 枚 /m 18インチ 3.00m2/ 枚 0.01667 26インチ 4.33m2/ 枚 0.01155 30インチ 5.00m2/ 枚 0.01000 38インチ 6.33m2/ 枚 50mm 0.00790 42インチ 7.00m2/ 枚 0.00714 46インチ 7.67m2/ 枚 0.00652 50インチ 8.30m2/ 枚 0.00602 4.5.2 ブレードの 選 択 例 ブレードは 切 断 する 厚 みによって 組 み 合 わせて 使 用 する ステップカッ トの 方 法 (4.5.4 項 参 照 )や 機 械 の 特 性 などの 要 素 が 関 係 するために 多 くの 組 み 合 わせが 存 在 するが ここでは 標 準 的 な 組 み 合 わせ 例 を 下 に 記 す 切 断 深 さ 50mm 100mm 150mm 200mm 250mm 300mm 350mm 400mm 450mm 500mm 使 用 ブレード 1 枚 目 2 枚 目 3 枚 目 基 本 消 耗 率 ( 枚 /m) 基 本 消 耗 率 ( 枚 /m) 基 本 消 耗 率 ( 枚 /m) 18インチ 0.01667 18インチ 0.03333 18インチ 0.05 26インチ 0.04619 26インチ 0.05774 30インチ 0.06 26インチ 38インチ 0.04619 0.0237 26インチ 42インチ 0.04619 0.02856 26インチ 38インチ 46インチ 0.04619 0.0237 0.01304 26インチ 38インチ 50インチ 0.04619 0.0237 0.01806-19 -
4.5.3 鉄 筋 による 消 耗 率 の 補 正 ブレードの 消 耗 率 は 下 記 の 鉄 筋 係 数 によって 変 動 するため 次 の 計 算 式 で 補 正 する ブレード 消 耗 率 = 基 本 消 耗 率 ( 枚 /m) 鉄 筋 係 数 4.5.3.1 鉄 筋 係 数 鉄 筋 ( 鉄 骨 )を 含 んでいる 場 合 は 下 表 の 係 数 をブレードの 基 本 消 耗 率 に 乗 ずることに よって 現 実 の 消 耗 量 を 計 算 する ダイヤモンドは 炭 素 でできてい るため 鉄 と 親 和 性 が 高 く 被 切 断 物 に 鉄 が 多 く 含 まれていると ダイヤモンドが 吸 収 されやすい ことが 急 激 な 磨 耗 の 原 因 である 鉄 筋 量 備 考 鉄 筋 係 数 無 筋 (0%) 捨 てコンなど 1 低 配 筋 (0.4% 未 満 ) 重 力 式 橋 台 など 1.1 中 配 筋 (0.8% 未 満 ) 建 物 の 壁 など 1.4 高 配 筋 (1.2% 未 満 ) 高 欄 など 1.6 超 高 配 筋 (2% 未 満 ) 床 版 など 1.9 ( 参 考 ) 上 表 では 無 筋 コンクリートに 比 べて 鉄 のみによって 消 耗 する 度 合 いを 経 験 によって 60 倍 前 後 とみなしている したがって 上 表 に 含 まれない 範 囲 の 配 筋 率 の 鉄 筋 係 数 を 求 めるためには 次 の 計 算 式 を 使 えばよい 鉄 筋 係 数 = { 鉄 筋 比 率 60+(1- 鉄 筋 比 率 ) 1} なお 上 表 の 係 数 については 4.3.5.2.4 項 の 参 考 2 も 参 照 のこと 4.5.4 ステップカット ステップカットとは 一 度 に 深 く 切 らず 浅 い 切 断 を 繰 り 返 しながら 与 え られた 厚 みまで 切 る 技 法 を 指 す 4.5.4.1 背 景 一 度 に 深 く 切 ろうとすると 切 断 機 に 強 いトルクが 必 要 となり その 強 いトル クでブレードが 変 形 しないようにブレードを 厚 くすると 切 削 部 分 が 増 えて 更 に 大 きな トルクが 必 要 になり かつ 材 料 の 無 駄 も 増 えるという 悪 循 環 に 陥 る ステップカットを 採 用 すれば この 悪 循 環 を 絶 てる 4.5.4.2 運 用 方 法 の 違 い ステップカットの 具 体 的 方 法 としては 小 さなブレードで 浅 く 切 断 し 徐 々に 大 きなブレードに 交 換 しながら 切 断 する 方 法 と 初 めからある 程 度 の 大 きなブ レードを 取 り 付 けて 往 復 しながら 少 しずつ 切 る 方 法 とがある どちらが 合 理 的 であるか は 現 場 条 件 によって 変 わる 4.5.4.3 本 資 料 が 選 択 している 方 法 一 般 的 にウォールソーの 現 場 は 道 路 カッターなどに 比 べ て1ヶ 所 の 延 長 距 離 が 短 いことが 多 い このような 場 合 は きめ 細 かくブレードを 交 換 しても 能 率 が 落 ちるだけなので 4.5.2 項 には 初 めからある 程 度 の 大 きなブレードを 取 り 付 けて 切 る 方 法 によって 例 示 してある - 20 -
4.6 消 耗 品 消 耗 工 具 等 4.6.1 アンカー 金 属 拡 張 式 アンカー(3.2.1 項 を 参 照 )は 次 の 要 領 で 計 上 する 4.6.1.1 標 準 規 格 4 分 のアンカー(4/8 インチ 規 格 のネジが 入 るサイズのアンカー)を 使 うことが 多 い あるいは 強 度 の 近 似 しているものとしてM12 のネジが 入 るアンカーでも よい 4.6.1.2 使 用 本 数 正 確 には1 本 のレールにつき2 本 を 使 用 する ただし 計 画 段 階 では 使 用 す るレールの 規 格 ( 長 さ)は 特 定 できないので ここでは 標 準 的 な 1200 mmのレールを 使 うことを 前 提 として 切 断 長 さ 1200 mmごとに2 本 のアンカーを 計 上 する(すなわち 切 断 長 さ 600 mmごとに1 本 のアンカーを 計 上 する) 4.6.2 消 耗 工 具 類 ウォールソー1 台 につき 下 記 の 消 耗 工 具 類 を1セット 計 上 する 名 称 数 量 単 位 単 価 金 額 損 料 / 日 損 耗 率 の 目 安 備 考 墨 壷 1 個 0.03 コードリール( 電 線 ) 1 個 0.01 3.5sq ハンマードリル 1 本 0.01 日 立 DH42 キリ 1 本 0.07 穴 径 18mm ハシゴ 兼 用 脚 立 1 脚 0.01 MED5.1ナカオ 片 手 ハンマー 1 本 0.02 2ポンド 打 ち 込 み 棒 1 本 0.03 スパナセット 1 セット 0.02 両 口 5 本 モンキーレンチ 2 本 0.02 200mm ラチェットレンチ 2 本 0.02 21~26 両 口 ドライバー(±) 1 セット 0.03 ペンチ 1 本 0.02 200mm プライヤー 1 本 0.02 200mm 水 平 器 1 個 0.02 水 中 ポンプ 1 台 0.01 1 吋 バキュームクリーナ 1 台 0.01 レール(600mm) 3 本 0.01 レール(1200mm) 2 本 0.01 レール(1800mm) 2 本 0.01 合 計 - 21 -
4.7 動 力 用 水 4.7.1 動 力 ( 発 電 機 の 燃 料 ) 1 時 間 当 たり 消 費 量 1 日 の 稼 動 時 間 稼 動 台 数 電 力 を 施 工 業 者 が 用 意 する 場 合 は 一 般 に 発 電 機 を 持 ち 込 む このときの 燃 料 消 費 量 は 4.4.4.2 項 の 表 の 数 値 に 1 日 の 稼 働 時 間 と 稼 動 台 数 を 乗 ずることによって 求 める 例 :3 台 の 電 動 マシンを7 時 間 稼 動 させる 場 合 は 10kVA の 発 電 機 を3 台 使 うので 軽 油 使 用 量 =2.21 7 3=46.41(リットル) となる 4.7.2 動 力 ( 車 両 の 燃 料 ) 車 両 の 燃 料 (ガソリンまたは 軽 油 )は 5.2 項 のD 列 とM 列 の 数 値 を 乗 ずることによって 求 め る ただし ここで 示 されているD 列 の 数 値 は 建 設 機 械 等 損 料 表 の 該 当 欄 の 年 間 運 転 時 間 を 年 間 運 転 日 数 で 除 したものであり 単 なる 一 般 値 である したがって 移 動 距 離 が 特 定 されている 具 体 的 な 現 場 の 積 算 までも 拘 束 するものではない 4.7.3 用 水 用 水 (3.1.1.2 項 を 参 照 )を 施 工 業 者 が 用 意 する 場 合 は 水 タンクなどに 水 道 水 を 入 れて 現 場 に 持 ち 込 む このときの 消 費 量 の 計 算 式 としては 簡 易 型 精 密 型 の2 種 類 が 考 えられる 水 道 料 金 そのものは 比 較 的 安 く どちらの 計 算 式 を 採 用 しても 施 工 単 価 には 大 きな 影 響 を 及 ぼ さないので 積 算 の 精 密 度 に 合 わせて 都 合 のよい 方 法 を 選 択 してよい 4.7.3.1 簡 易 型 1 日 の 施 工 可 能 時 間 ( 分 ) 施 工 台 数 3リットル/ 分 例 :1 台 のウォールソーで7 時 間 の 仕 事 をした 場 合 は 水 消 費 量 =420 分 1 台 3リットル/ 分 =1260 リットル となる (この 計 算 式 では 準 備 時 間 や 片 付 時 間 にも 水 を 使 っていることになるので 本 来 より も 過 剰 に 計 上 されることになる したがって 3.1.1.2 項 に 示 された1 分 当 たり 消 費 量 の 目 安 のうち 最 も 少 ない 値 (3リットル)を 採 用 しておく) 4.7.3.2 精 密 型 1 日 の 切 断 時 間 ( 分 ) 施 工 台 数 5リットル/ 分 例 :1 台 のウォールソーで7 時 間 の 仕 事 をする 場 合 その 現 場 条 件 を 4.3.3 項 の 数 式 に あてはめたところ 一 日 あたりの 正 味 の 切 断 時 間 の 総 計 が 206 分 だったとする こ の 場 合 水 消 費 量 =206 分 1 台 5リットル/ 分 =1030 リットル となる (この 計 算 式 では 準 備 時 間 や 片 付 時 間 には 水 を 止 めていることになるので 水 増 し が 存 在 しない 理 屈 になる したがって 3.1.1.2 項 に 示 された1 分 当 たり 消 費 量 の 目 安 のう ち 最 も 多 い 値 (5リットル)を 採 用 しておく) - 22 -
参 考 資 料 このページより 後 は あくまでも 参 考 資 料 であり 下 記 の 全 項 目 を 了 解 した 上 で 利 用 すること 1 これらの 単 価 は 調 査 の 手 間 を 省 きたいとする 関 係 者 を 支 援 する 目 的 で 編 纂 時 の 時 価 を 集 めたも のである 2 これらの 単 価 は 個 々の 物 件 に 適 用 する 時 点 での 単 価 を 保 証 するものではない 3 したがって これらの 単 価 は 積 算 価 格 を 拘 束 するものではない 4 協 会 事 務 局 は 最 新 の 時 価 の 問 い 合 わせにその 都 度 対 応 している 余 裕 がないので 正 確 な 時 価 情 報 が 必 要 な 者 は 各 自 の 責 任 で 調 べること 5 協 会 事 務 局 は 独 占 禁 止 法 の 趣 旨 に 従 い 工 事 価 格 に 関 する 見 積 書 を 一 切 発 行 できない - 23 -
5 参 考 資 料 5.1 材 料 等 の 参 考 価 格 5.1.1 ブレード ウォールソー 用 ブレードは 価 格 性 能 ともに 種 類 が 多 く 標 準 品 を 設 定 すること 刃 の 直 径 ( 呼 称 ) が 困 難 であるが ここでは 各 社 のラインナップの 一 例 を 掲 載 しておく 平 均 SK ダイヤ 日 本 ダイヤモンド ディスコ アブレイシブ システムズ サンゴバン ノリタケ 旭 ダイヤモンド 工 業 アライド マテリアル 18インチ 170,000 161,000 152,200 176,000 151,000 178,000 195,000 180,000 26インチ 257,000 240,000 226,600 262,000 245,000 263,000 282,000 280,000 30インチ 332,000 309,000 294,000 308,000 405,000 300,000 330,000 380,000 38インチ 466,000 453,000 475,000 456,000 465,000 480,000 42インチ 604,000 616,000 684,000 537,000 580,000 46インチ 716,000 657,000 892,000 633,000 680,000 50インチ 783,000 746,000 822,000 780,000 5.1.2 アンカー 金 属 拡 張 式 アンカー(4 分 ) 約 100 円 / 本 5.1.3 消 耗 工 具 類 名 称 数 量 単 位 単 価 金 額 損 料 / 日 損 耗 率 の 目 安 備 考 墨 壷 1 個 1,500 1,500 45 0.03 コードリール( 電 線 ) 1 個 54,000 54,000 540 0.01 3.5sq ハンマードリル 1 本 85,000 85,000 850 0.01 日 立 DH42 キリ 1 本 4,000 4,000 280 0.07 穴 径 18mm ハシゴ 兼 用 脚 立 1 脚 40,600 40,600 406 0.01 MED5.1ナカオ 片 手 ハンマー 1 本 1,210 1,210 24 0.02 2ポンド 打 ち 込 み 棒 1 本 1,000 1,000 30 0.03 スパナセット 1 セット 4,800 4,800 96 0.02 両 口 5 本 モンキーレンチ 2 本 2,860 5,720 114 0.02 200mm ラチェットレンチ 2 本 5,100 10,200 204 0.02 21~26 両 口 ドライバー(±) 1 セット 1,500 1,500 45 0.03 ペンチ 1 本 1,480 1,480 30 0.02 200mm プライヤー 1 本 3,340 3,340 67 0.02 200mm 水 平 器 1 個 3,000 3,000 60 0.02 水 中 ポンプ 1 台 32,000 32,000 320 0.01 1 吋 バキュームクリーナ 1 台 63,000 63,000 630 0.01 レール(600mm) 3 本 85,000 255,000 2,550 0.01 レール(1200mm) 2 本 130,000 260,000 2,600 0.01 レール(1800mm) 2 本 217,000 434,000 4,340 0.01 合 計 13,231-24 -
5.2 損 料 表 損 料 燃 料 消 費 量 ( 切 断 機 発 電 機 車 両 ) 品 目 A B C D E F G H I J K 機 関 出 力 (kw) 標 準 使 用 年 数 No 1 日 基 礎 価 格 運 転 時 間 運 転 日 数 供 用 日 数 維 持 修 理 費 率 年 間 管 理 費 率 償 却 費 率 一 日 の 損 料 率 1 日 の 総 損 料 1 電 動 式 1,830,000 2.4 6 70 90 0.75 0.09 0.93 0.005286 9,670 2 油 圧 式 11,500,000 21 6 70 90 0.75 0.09 0.93 0.005286 60,800 3 発 電 機 (10kVA) 1,190,000 13 10 (5) 110 120 0.35 0.07 0.94 0.001809 2,150 4 発 電 機 (45kVA) 3,010,000 46 10 (5) 110 120 0.35 0.07 0.94 0.001809 5,450 5 バン(ワンボックス 型 ) 1,750,000 69 8.5 3.62 210 250 0.45 0.12 0.93 0.001345 2,350 6 ユニック4t 6,250,000 132 12 5.85 130 160 0.45 0.12 0.93 0.001808 11,300 上 記 は 建 設 機 械 等 損 料 表 平 成 25 年 度 版 ( 以 下 損 料 表 と 表 記 )を 参 照 した 詳 細 は 下 記 の 通 り (1) No.1は 損 料 表 の20-9ページの2016-011-030-001を 掲 載 した (2) No.2は 損 料 表 の20-9ページの2016-012-070-001を 掲 載 した (3) No.3は 損 料 表 の15-13ページの1510-034-001-010を No.4は1510-034-001-045を それぞれ 掲 載 した (4) No.5は 損 料 表 の20-11ページの2022-012-020-001を No.6は03-3ページの0302-021-043-001を それぞれ 掲 載 した (5) No.3 No.4 の 一 日 運 転 時 間 は 標 準 的 現 場 では7 時 間 とする 計 算 式 の 説 明 a) J=( I+G C +H ) 1 E 損 料 表 (12)ページの 第 (12) 欄 の 数 式 に 基 づく b) K=A J 損 料 表 (12)ページの 第 (13) 欄 の 数 式 に 基 づく c) M=B L 損 料 表 (17)ページの 第 (17) 欄 の 数 式 に 基 づく L 燃 料 消 費 率 (L/kW h) 0.17 0.17 0.047 0.05 M 1 時 間 の 燃 料 消 費 量 2.21 7.82 3.24 6.6-25 -
施 工 計 画 の 手 引 ウォールソーイング 工 法 ( 第 14 版 ) 不 許 複 製 平 成 25 年 7 月 1 日 発 行 編 集 発 行 一 般 社 団 法 人 日 本 コンクリート 切 断 穿 孔 業 協 会 141-0031 東 京 都 品 川 区 西 五 反 田 1-4-8 秀 和 レジデンス 412 TEL 03-3490-3217 FAX 03-3490-3288