ISSN 0911-8063 産 業 安 全 研 究 所 技 術 指 針 TECHNICAL RECOMMENDATIONS OF THE NATIONAL INSTITUTE OF INDUSTRIAL SAFETY NIIS-TR-NO.39(2006) 工 場 電 気 設 備 防 爆 指 針 (ガス 蒸 気 防 爆 2006) 独 立 行 政 法 人 産 業 安 全 研 究 所
序 本 指 針 は 1979 年 版 工 場 電 気 設 備 防 爆 指 針 の 改 定 版 として 刊 行 するものである 1979 年 版 指 針 は 可 燃 性 ガス 又 は 引 火 性 液 体 の 蒸 気 が 存 在 するおそれのある 場 所 に 設 置 する 防 爆 構 造 電 気 設 備 に 関 する 技 術 指 針 として また 検 定 制 度 のよりどころとして 現 在 も 広 く 活 用 されてい る 国 は この 間 国 際 基 準 への 整 合 化 の 一 環 として 電 気 機 械 器 具 防 爆 構 造 規 格 と 国 際 電 気 標 準 会 議 の 制 定 した 関 係 規 格 との 整 合 化 を 図 ることを 目 的 に 電 気 機 械 器 具 防 爆 構 造 規 格 ( 昭 和 44 年 労 働 省 告 示 第 16 号 )における 可 燃 性 ガスまたは 引 火 性 の 物 の 上 記 にかかる 防 爆 構 造 の 規 格 に 適 合 する 電 気 機 械 器 具 と 同 等 以 上 の 防 爆 性 能 を 有 するものの 技 術 的 基 準 (IEC 規 格 79 関 係 )( 昭 和 63 年 基 発 第 208 号 ) を 示 しているが 国 際 規 格 の 頻 繁 な 改 定 のため 技 術 的 基 準 の 見 直 しが 追 いつかない 状 況 にある こと また 本 指 針 は 国 内 のこれまでの 経 緯 を 踏 まえた 内 容 を 含 んでいるものの 刊 行 以 来 27 年 が 経 過 し 技 術 の 進 歩 内 外 規 格 の 変 化 等 に 対 応 できていないことなどから 産 業 界 等 からの 改 定 の 要 望 も 強 く この 度 改 定 の 運 びとなったものである このため 当 研 究 所 では 改 定 原 案 作 成 のためメーカ ユーザ 中 立 の 専 門 家 からなる 委 員 会 の 開 催 および 審 議 を 社 団 法 人 産 業 安 全 技 術 協 会 に 委 託 し 今 般 成 案 が 得 られたので 新 しい 工 場 電 気 設 備 防 爆 指 針 (ガス 蒸 気 防 爆 2006)として 発 行 する 次 第 である 本 指 針 では 1000 電 気 設 備 防 爆 一 般 4000 電 気 配 線 の 防 爆 及 び 5000 防 爆 電 気 設 備 の 保 守 については IEC 規 格 との 整 合 を 図 りつつ 国 内 事 情 を 加 味 した 改 定 を 行 い 内 容 の 充 実 が 図 られた 2000 電 気 機 器 の 防 爆 構 造 については 構 造 規 格 との 整 合 化 引 用 JIS 等 の 更 新 絶 縁 巻 線 の 温 度 上 昇 値 の 統 一 細 則 の 見 直 しなど 最 小 限 の 改 定 とした 3000 防 爆 構 造 の 電 気 機 器 の 試 験 及 び 附 属 書 については 2000 の 改 定 に 伴 う 変 更 程 度 とした 今 後 この 指 針 が 1979 年 版 に 引 き 続 き 国 内 の 防 爆 構 造 電 気 設 備 の 技 術 的 よりどころとして 活 用 されれば 幸 いである 最 後 に 本 指 針 の 原 案 作 成 審 議 に 当 たり 絶 大 なるご 協 力 を 頂 いた 産 業 安 全 技 術 協 会 関 係 機 関 団 体 等 及 び 工 場 電 気 設 備 防 爆 指 針 改 定 審 議 委 員 会 委 員 各 位 に 対 して 深 甚 の 謝 意 を 表 します 平 成 18 年 3 月 31 日 独 立 行 政 法 人 産 業 安 全 研 究 所 理 事 長 鈴 木 芳 美
工 場 電 気 設 備 防 爆 委 員 会 委 員 長 秋 山 均 横 河 電 機 株 式 会 社 副 委 員 長 角 谷 憲 雄 株 式 会 社 山 武 委 員 大 崎 高 広 厚 生 労 働 省 労 働 基 準 局 秋 葉 洋 総 務 省 消 防 庁 有 山 正 彦 IDEC 株 式 会 社 金 子 貴 之 社 団 法 人 日 本 電 気 協 会 富 田 隆 株 式 会 社 日 立 産 機 システム 冨 永 恵 仁 財 団 法 人 日 本 船 舶 技 術 研 究 協 会 中 野 秀 司 星 和 電 機 株 式 会 社 星 寅 一 新 日 本 石 油 株 式 会 社 山 根 哲 夫 東 燃 ゼネラル 石 油 株 式 会 社 吉 田 孝 一 社 団 法 人 日 本 電 機 工 業 会 永 石 治 喜 社 団 法 人 産 業 安 全 技 術 協 会 小 金 実 成 社 団 法 人 産 業 安 全 技 術 協 会 本 山 建 雄 独 立 行 政 法 人 産 業 安 全 研 究 所 安 藤 隆 之 独 立 行 政 法 人 産 業 安 全 研 究 所 山 隈 瑞 樹 独 立 行 政 法 人 産 業 安 全 研 究 所 事 務 局 松 井 英 憲 社 団 法 人 産 業 安 全 技 術 協 会 西 村 浩 次 郎 社 団 法 人 産 業 安 全 技 術 協 会
産 業 安 全 研 究 所 技 術 指 針 工 場 電 気 設 備 防 爆 指 針 (ガス 蒸 気 防 爆 2006) 目 次 1000 電 気 設 備 防 爆 一 般... 1 1100 一 般 事 項... 1 1110 指 針 の 目 的 と 活 用...1 1111 指 針 の 目 的...1 1112 指 針 の 活 用...1 1120 用 語 の 意 味...2 1121 一 般 ( 共 通 ) 用 語...2 1122 可 燃 性 物 質 とその 物 理 的 及 び 化 学 的 現 象 に 関 する 用 語...3 1123 爆 発 危 険 箇 所 に 関 する 用 語...4 1124 電 気 機 器 の 構 造 一 般 に 関 する 用 語...4 1200 電 気 設 備 の 防 爆 対 策... 6 1210 防 爆 対 策 の 考 え 方...6 1211 爆 発 性 雰 囲 気 の 生 成 防 止...6 1212 電 気 設 備 における 発 火 源...6 1213 電 気 機 器 への 防 爆 技 術 適 用 の 考 え 方...7 1214 電 気 配 線 への 防 爆 技 術 適 用 の 考 え 方...7 1220 防 爆 構 造 の 種 類 と 記 号...8 1221 防 爆 構 造 の 種 類...8 1222 防 爆 構 造 等 の 記 号...9 1300 爆 発 性 ガス 及 び 防 爆 電 気 機 器 の 分 類... 10 1310 爆 発 性 ガス 及 び 防 爆 電 気 機 器 の 分 類... 10 1311 構 造 規 格 における 防 爆 電 気 機 器 の 対 象 とする 爆 発 性 ガスの 分 類... 10 1312 技 術 的 基 準 における 防 爆 電 気 機 器 の 分 類... 11
1400 爆 発 危 険 箇 所 の 分 類 に 関 する 基 本 概 念... 13 1410 爆 発 危 険 箇 所 の 種 別... 13 1411 特 別 危 険 箇 所... 13 1412 第 一 類 危 険 箇 所... 13 1413 第 二 類 危 険 箇 所... 13 1420 放 出 源 の 等 級... 14 1421 連 続 級 放 出 源... 14 1422 1 級 放 出 源... 14 1423 2 級 放 出 源... 14 1430 換 気 の 種 類... 15 1431 自 然 換 気... 15 1432 全 体 強 制 換 気... 15 1433 局 所 強 制 換 気... 15 1434 無 換 気... 15 1500 防 爆 電 気 設 備 の 計 画... 16 1510 計 画 の 進 め 方... 16 1520 爆 発 危 険 箇 所 の 判 定... 16 1521 爆 発 危 険 箇 所 判 定 の 目 的... 16 1522 爆 発 危 険 箇 所 判 定 の 基 本... 16 1523 放 出 源 の 検 討... 16 1524 換 気 の 検 討... 17 1525 範 囲 の 検 討... 18 1530 防 爆 電 気 設 備 の 選 定... 18 1531 選 定 上 の 留 意 事 項... 18 1532 電 気 機 器 の 防 爆 構 造 の 選 定 の 原 則... 19 1533 防 爆 電 気 配 線 ( 配 線 用 附 属 品 類 を 含 む)の 選 定... 20 1540 内 圧 室... 22 1541 適 用 範 囲... 22 1542 位 置 の 選 定... 22 1543 室 の 構 造... 22 1544 内 圧 室 の 配 線 引 込 口... 22
1545 通 風... 22 1546 保 護 装 置... 23 1547 通 電... 23 1550 電 気 設 備 の 防 爆 対 策 の 特 例... 23 1560 研 究 室 実 験 室 等 における 電 気 設 備 の 防 爆 対 策... 23 2000 電 気 機 器 の 防 爆 構 造... 25 2100 防 爆 構 造 一 般... 25 2110 適 用 範 囲... 25 2120 一 般 事 項... 25 2121 用 語 の 意 味... 25 2122 防 爆 構 造 の 基 本 事 項... 26 2123 温 度 上 昇 限 度... 26 2124 防 爆 構 造 等 の 表 示... 27 2130 錠 締 構 造... 28 2131 錠 締 の 適 用... 28 2132 錠 締 構 造... 30 2140 電 気 機 器 と 外 部 導 線 との 接 続... 30 2141 電 気 機 器 と 外 部 導 線 との 接 続 方 法... 30 2142 端 子 箱... 30 2143 端 子 箱 の 防 爆 構 造 の 適 用... 31 2144 端 子 箱 から 電 気 機 器 本 体 への 導 線 引 込 部 の 構 造... 31 2145 外 部 導 線 の 端 子 箱 への 引 込 部 の 構 造... 31 2146 外 部 導 線 の 内 圧 防 爆 構 造 電 気 機 器 への 直 接 引 込... 31 2147 電 気 機 器 内 部 における 導 線 引 込... 32 2148 集 成 機 器 の 導 線 引 込... 32 2149 接 地 端 子... 32 2200 耐 圧 防 爆 構 造... 33 2210 耐 圧 防 爆 構 造 の 必 要 条 件... 33 2220 容 器... 33 2221 容 器 の 強 さ... 33
2222 容 器 の 内 容... 34 2223 透 明 窓... 34 2230 スキの 奥 行 及 びスキ... 34 2231 接 合 面... 34 2232 回 転 軸... 36 2233 接 合 面 の 仕 上 げ 程 度... 37 2234 接 合 面 の 構 成 材 料... 37 2240 ねじ 及 びねじ 込 結 合... 37 2241 耐 圧 防 爆 性 保 持 に 必 要 な 締 付 けねじ 及 びねじ 込 結 合... 37 2242 ねじの 強 度 及 び 本 数... 37 2243 貫 通 ねじ 類... 37 2244 ねじはめあい 部... 38 2250 パッキン... 39 2251 開 く 箇 所 に 使 用 するパッキン... 39 2252 開 かない 箇 所 に 使 用 するパッキン... 40 2260 温 度 上 昇 限 度... 40 2261 温 度 上 昇 限 度... 40 2300 油 入 防 爆 構 造... 41 2310 油 入 防 爆 構 造 の 必 要 条 件... 41 2320 容 器... 41 2321 容 器 の 構 造... 41 2322 ガス 抜 き 穴... 41 2323 容 器 の 特 例... 42 2324 排 油 装 置... 42 2325 油 面 の 表 示... 42 2326 最 低 油 位... 42 2327 内 面 油 位 表 示... 42 2330 油 面 計... 43 2331 油 面 計 の 構 造... 43 2340 引 込 導 線... 43 2341 引 込 導 線 の 種 類... 43
2342 引 込 導 線 の 油 切 り... 43 2343 油 面 通 過 部 の 絶 縁... 43 2350 温 度 上 昇 限 度... 43 2351 爆 発 性 ガスに 触 れるおそれがある 部 分 の 温 度 上 昇 限 度... 43 2352 油 面 の 温 度 上 昇 限 度... 43 2400 内 圧 防 爆 構 造... 44 2410 内 圧 防 爆 構 造 の 必 要 条 件... 44 2420 内 圧 防 爆 構 造 の 分 類... 44 2430 容 器... 44 2431 容 器 の 構 造... 44 2432 透 明 窓... 45 2440 保 護 気 体 及 び 保 護 気 体 送 給 設 備... 45 2441 保 護 気 体... 45 2442 保 護 気 体 送 給 設 備... 45 2450 保 護 装 置... 46 2451 通 風 式 内 圧 防 爆 構 造 に 対 する 保 護 装 置... 46 2452 封 入 式 内 圧 防 爆 構 造 に 対 する 保 護 装 置... 47 2453 密 封 式 内 圧 防 爆 構 造 に 対 する 保 護 装 置... 47 2454 圧 力 低 下 検 出 器... 48 2460 温 度 上 昇 限 度... 48 2461 温 度 上 昇 限 度... 48 2470 表 示... 48 2471 表 示... 48 2500 安 全 増 防 爆 構 造... 49 2510 安 全 増 防 爆 構 造 の 必 要 条 件... 49 2520 容 器... 49 2521 容 器 の 保 護 等 級... 49 2522 透 明 窓... 49 2530 絶 縁 物... 50 2531 絶 縁 材 料... 50
2532 裸 充 電 部 の 支 持 物... 50 2533 積 層 絶 縁 物... 50 2534 型 造 絶 縁 物... 50 2540 絶 縁 空 間 距 離 及 び 沿 面 距 離... 50 2541 絶 縁 空 間 距 離... 50 2542 沿 面 距 離... 50 2543 沈 みボルト 又 は 沈 みねじ... 52 2544 リブ 又 はくぼみ... 53 2550 接 続 部... 54 2551 接 続 方 法... 54 2552 外 部 導 線 と 接 続 する 端 子 部 分... 55 2560 温 度 上 昇 限 度... 55 2561 爆 発 性 ガスに 触 れるおそれがある 部 分 の 温 度 上 昇 限 度... 55 2562 絶 縁 巻 線 の 温 度 上 昇 限 度... 55 2600 本 質 安 全 防 爆 構 造... 56 2610 本 質 安 全 防 爆 構 造 の 必 要 条 件... 56 2620 用 語 の 意 味... 56 2630 電 気 機 器 の 構 成 区 分 と 性 能 区 分... 57 2631 電 気 機 器 の 構 成 区 分... 57 2632 電 気 機 器 の 性 能 区 分... 57 2640 構 造 一 般... 58 2641 容 器... 58 2642 接 地 端 子... 59 2643 外 部 導 線 接 続 部... 59 2644 電 気 機 器 内 における 部 品 及 び 導 線 の 配 置 及 び 取 付... 59 2645 危 険 場 所 設 置 の 本 安 関 連 機 器... 59 2646 温 度 上 昇 限 度... 59 2650 本 質 安 全 防 爆 性 の 保 持 に 必 要 な 構 造 及 び 性 能... 60 2651 外 部 導 線 接 続 部 の 構 造... 60 2652 絶 縁 空 間 距 離 離 隔 距 離 及 び 沿 面 距 離... 60 2653 電 気 機 器 内 における 導 線 及 び 回 路 の 絶 縁 性 能... 62
2654 本 安 関 連 機 器 内 における 導 線 の 分 離... 62 2660 安 全 保 持 素 子... 63 2661 安 全 保 持 素 子 一 般... 63 2662 電 源 変 圧 器... 64 2663 制 動 巻 線... 65 2664 リレー... 65 2665 フォトカプラ... 65 2666 プラグ 及 びソケット... 65 2667 抵 坑 器... 66 2668 電 池... 66 2670 安 全 保 持 素 子 の 配 置 及 び 取 付... 66 2671 電 流 制 限 用 安 全 保 持 素 子... 66 2672 電 圧 制 限 用 安 全 保 持 素 子... 66 2673 充 放 電 電 流 制 限 用 安 全 保 持 素 子... 67 2680 安 全 保 持 器... 68 2681 シャントダイオード 形 安 全 保 持 器... 68 2682 オプチカルファイバ 形 安 全 保 持 器... 68 2690 表 示... 69 2691 表 示... 69 2700 細 則 (1)... 70 2710 回 転 機... 70 2711 防 爆 構 造... 70 2712 電 源 変 換 器 で 駆 動 する 電 動 機... 73 2713 安 全 増 防 爆 構 造 のブラシレス 同 期 電 動 機... 74 2714 軸 流 送 風 機 用 電 動 機... 75 2715 キャンドモータ... 76 2716 耐 圧 防 爆 構 造 の 水 中 ポンプ 用 立 形 電 動 機... 78 2717 うず 電 流 継 手... 78 2720 変 圧 器... 80 2721 防 爆 構 造... 80 2722 混 触 防 止 板... 80
2723 安 全 増 防 爆 構 造 の 計 器 用 変 成 器... 80 2730 開 閉 器 及 び 制 御 器 類... 81 2731 防 爆 構 造... 81 2732 開 閉 器 類... 81 2733 ヒューズ... 82 2734 抵 抗 器 類... 82 2735 電 磁 弁 用 電 磁 石... 83 2736 電 磁 ブレーキ... 85 2740 半 導 体 整 流 器... 88 2741 防 爆 構 造... 88 2742 安 全 増 防 爆 構 造 の 半 導 体 整 流 器... 88 2750 車 両 用 蓄 電 池... 88 2751 防 爆 構 造... 88 2752 材 料... 88 2753 構 造... 89 2760 計 測 器... 90 2761 適 用 範 囲... 90 2762 防 爆 構 造... 90 2763 安 全 増 防 爆 構 造 の 計 測 器... 91 2800 細 則 (2)... 92 2810 照 明 器 具... 92 2811 適 用 範 囲... 92 2812 防 爆 構 造... 92 2813 構 造 一 般... 92 2814 耐 圧 防 爆 構 造 の 定 着 灯... 93 2815 耐 圧 防 爆 構 造 の 移 動 灯... 99 2816 安 全 増 防 爆 構 造 の 定 着 灯... 100 2817 表 示... 104 2820 電 池 付 携 帯 電 灯... 104 2821 適 用 範 囲... 104 2822 防 爆 構 造... 104
2823 構 造 一 般... 104 2824 探 見 灯 形 携 帯 電 灯... 105 2825 キャップランプ 形 携 帯 電 灯... 105 2826 手 提 形 携 帯 電 灯... 106 2827 表 示... 106 2830 表 示 灯 類... 106 2831 適 用 範 囲... 106 2832 防 爆 構 造... 106 2833 構 造 一 般... 106 2834 耐 圧 防 爆 構 造 の 表 示 灯 類... 107 2835 安 全 増 防 爆 構 造 の 表 示 灯 類... 108 2836 表 示... 109 2840 差 込 接 続 器... 109 2841 適 用 範 囲... 109 2842 防 爆 構 造... 109 2843 構 造 一 般... 109 2844 表 示... 110 2850 接 続 箱... 110 2851 適 用 範 囲... 110 2852 防 爆 構 造... 110 2853 構 造 一 般... 110 2854 耐 圧 防 爆 構 造 の 接 続 箱... 110 2855 安 全 増 防 爆 構 造 の 接 続 箱... 110 2860 電 線 管 用 附 属 品... 111 2861 適 用 範 囲... 111 2862 防 爆 構 造... 111 2863 構 造 一 般... 111 2864 ボックス 類... 112 2865 カップリング 類... 112 2866 シーリングフイッチング... 112 2867 配 線 用 フレクシブルフィッチング... 113 2868 器 具 吊 り 下 げ 用 フレクシブルフィッチング... 113
2869 表 示... 113 2900 細 則 (3)... 114 2910 スペースヒータ... 114 2911 適 用 範 囲... 114 2912 電 熱 体 の 構 造... 114 2913 防 爆 構 造... 116 2914 温 度 上 昇 限 度... 116 2915 温 度 保 護 装 置... 117 2916 端 子 箱 からスペースヒータ 本 体 への 導 線 引 込 方 式... 117 2917 温 度 保 護 装 置 の 導 線 引 込... 118 2918 試 験... 119 2920 安 全 増 防 爆 構 造 の 電 動 機 に 内 蔵 するスペースヒ 一 夕... 119 2921 適 用 範 囲... 119 2922 構 造... 120 2923 温 度 上 昇 限 度... 120 2924 温 度 保 護 装 置... 120 2925 試 験... 120 2930 ガス 分 析 計... 121 2931 適 用 範 囲... 121 2932 防 爆 構 造... 121 2933 流 通 路 の 防 爆 性... 122 2934 フレームアレスタによる 火 炎 逸 走 防 止... 123 2935 フレームアレスタの 種 類 及 び 構 造... 124 2936 流 通 路 及 びフレームアレスタに 対 する 爆 発 試 験... 127 2940 液 体 分 析 計... 128 2941 適 用 範 囲... 128 2942 防 爆 構 造... 128 2943 流 通 路 の 防 爆 性... 129 2944 フレームアレスタによる 火 炎 逸 走 防 止... 130 2945 流 通 路 及 びフレームアレスタに 対 する 爆 発 試 験... 130 2950 ガス 警 報 器 用 検 知 部 ( 拡 散 式 )... 130
2951 適 用 範 囲... 130 2952 防 爆 構 造... 130 2953 フレームアレスタの 種 類 及 び 構 造... 132 2960 ガス 警 報 器 用 検 知 部 ( 吸 引 式 )... 133 2961 適 用 範 囲... 133 2962 防 爆 構 造... 134 2963 流 通 路 の 防 爆 性... 134 2964 センサ 室 のフレームアレスタの 種 類 及 び 構 造... 135 2970 振 動 機 器... 136 2971 適 用 範 囲... 136 2972 振 動 機 器 の 構 成... 136 2973 振 動 機 器 の 設 置... 137 2974 防 爆 構 造... 137 2975 構 造 一 般... 137 2976 表 示... 139 2977 温 度 試 験... 140 2978 保 護 装 置 の 動 作 試 験... 140 3000 防 爆 構 造 の 電 気 機 器 の 試 験... 141 3100 一 般 事 項...141 3110 適 用 範 囲... 141 3120 試 験 の 種 類 と 適 用... 141 3121 試 験 の 種 類... 141 3122 試 験 の 適 用... 141 3200 試 験 方 法...144 3210 耐 圧 防 爆 構 造 の 電 気 機 器 の 試 験... 144 3211 構 造 検 査... 144 3212 爆 発 試 験... 144 3213 温 度 試 験... 146 3214 鋼 球 落 下 試 験... 146 3215 落 下 試 験... 147
3216 引 張 試 験... 147 3217 屈 曲 試 験... 147 3218 熱 衝 撃 試 験... 148 3220 油 入 防 爆 構 造 の 電 気 機 器 の 試 験... 148 3221 構 造 検 査... 148 3222 発 火 試 験... 148 3223 温 度 試 験... 149 3224 鋼 球 落 下 試 験... 149 3225 保 護 等 級 の 試 験... 150 3230 内 圧 防 爆 構 造 の 電 気 機 器 の 試 験... 150 3231 構 造 検 査... 150 3232 内 圧 試 験... 150 3233 温 度 試 験... 152 3234 鋼 球 落 下 試 験... 152 3235 保 護 等 級 の 試 験... 153 3240 安 全 増 防 爆 構 造 の 電 気 機 器 の 試 験... 153 3241 構 造 検 査... 153 3242 温 度 試 験... 153 3243 気 密 試 験... 156 3244 鋼 球 落 下 試 験... 156 3245 引 張 試 験... 157 3246 屈 曲 試 験... 157 3247 熱 衝 撃 試 験... 157 3248 保 護 等 級 の 試 験... 157 3250 本 質 安 全 防 爆 構 造 の 電 気 機 器 の 試 験... 157 3251 構 造 検 査... 157 3252 火 花 点 火 試 験... 158 3253 温 度 試 験... 160 3254 耐 電 圧 試 験... 160 3255 シャントダイオード 形 安 全 保 持 器 の 機 能 試 験... 162 3256 保 護 等 級 の 試 験... 162
4000 電 気 配 線 の 防 爆... 163 4100 一 般 事 項...163 4110 一 般 事 項... 163 4111 適 用 範 囲... 163 4112 用 語 の 意 味... 163 4113 電 気 配 線 の 防 爆 性... 163 4114 防 爆 性 の 保 持... 164 4115 環 境 に 対 する 配 慮... 165 4116 電 気 的 火 花 の 危 険 に 対 する 配 慮... 165 4200 低 圧 配 線...166 4210 配 線 一 般... 166 4211 配 線 方 法... 166 4212 配 線 と 電 気 機 器 との 接 続... 166 4213 配 線 の 電 気 機 器 への 引 込... 166 4220 ケーブル 配 線... 167 4221 使 用 ケーブル... 167 4222 ケーブルの 布 設 方 法... 167 4223 ケーブルの 接 続... 169 4230 金 属 管 配 線... 169 4231 配 線 材 料... 169 4232 配 管 方 法... 169 4233 シーリングを 施 す 箇 所... 170 4234 シーリングの 施 工 方 法... 171 4235 除 滴... 171 4240 移 動 電 気 機 器 の 配 線... 171 4241 配 線 材 料... 171 4242 配 線 方 法... 172 4300 高 圧 配 線...173 4310 配 線 一 般... 173 4311 配 線 方 法... 173 4312 配 線 と 電 気 機 器 との 接 続... 173
4313 配 線 の 端 子 箱 への 引 込... 173 4320 ケーブル 配 線... 173 4321 使 用 ケーブル... 173 4322 ケーブルの 布 設 方 法... 173 4323 ケーブルの 接 続... 174 4400 本 安 回 路 の 配 線...175 4410 本 安 回 路 の 配 線 における 留 意 事 項... 175 4420 配 線 一 般... 176 4421 配 線 方 法... 176 4422 配 線 材 料... 177 4423 配 線 と 電 気 機 器 との 接 続... 177 4424 配 線 相 互 の 接 続 又 は 分 岐... 178 4425 本 安 回 路 の 配 線 の 識 別... 178 4426 非 爆 発 危 険 箇 所 におけるパネル 内 配 線... 178 4427 爆 発 性 ガスの 流 動 防 止... 180 4430 本 安 回 路 等 の 地 絡 保 護... 180 4431 本 安 回 路 の 接 地... 180 4432 本 安 関 連 機 器 の 回 路 接 地... 180 4433 地 絡 保 護 装 置 の 省 略... 180 4500 地 絡 保 護...181 4510 地 絡 保 護 一 般... 181 4511 適 用 範 囲... 181 4512 低 圧 電 路 の 接 地 方 式... 181 4513 接 地 式 低 圧 電 路 における 地 絡 保 護... 181 4514 非 接 地 式 低 圧 電 路 における 地 絡 保 護... 182 4515 高 圧 電 路 における 地 絡 保 護... 182 4520 非 充 電 金 属 部 及 び 電 路 外 金 属 部 の 保 護 接 地... 183 4521 保 護 接 地 の 対 象... 183 4522 接 地 抵 抗 値... 183 4523 接 地 保 護 導 体... 183
5000 防 爆 電 気 設 備 の 保 守... 185 5100 一 般 事 項...185 5110 適 用 範 囲... 185 5120 用 語 の 意 味... 185 5130 文 書... 186 5140 保 守 担 当 者 の 要 件... 187 5200 点 検...188 5210 一 般 事 項... 188 5220 点 検 の 種 類... 188 5230 点 検 の 程 度... 190 5240 定 期 点 検... 190 5241 定 期 点 検 のための 要 員... 190 5242 定 期 点 検 の 周 期 と 手 順... 190 5250 熟 練 者 による 継 続 的 管 理... 191 5251 概 念... 191 5252 目 的... 191 5253 責 任... 191 5254 点 検 頻 度... 192 5255 文 書... 192 5256 訓 練... 192 5300 保 守...194 5310 保 守 要 求 事 項... 194 5320 電 気 機 器 の 整 備... 194 5330 改 造... 195 5340 キャブタイヤケーブル 等 の 保 守... 195 5350 電 気 機 器 の 取 外 し 時 の 配 線 端 末 処 理... 195 5360 締 付 け 部 品 及 び 工 具... 195 5400 保 守 についての 関 連 事 項...196
5410 使 用 環 境 条 件... 196 5420 電 源 の 遮 断 等... 196 5421 本 質 安 全 防 爆 回 路 以 外 の 設 備... 196 5422 本 質 安 全 防 爆 設 備... 197 5430 接 地 及 び 等 電 位 ボンディング... 198 5440 使 用 条 件... 198 5450 移 動 電 気 機 器... 198 5500 点 検 表 に 関 する 一 般 事 項 ( 表 52.1 52.2 及 び 52.3)...199 5600 点 検 計 画 及 び 保 守 に 関 するその 他 の 事 項...201 5610 耐 圧 防 爆 構 造 ( 表 52.1 参 照 )... 201 5611 耐 圧 防 爆 接 合 部... 201 5620 安 全 増 防 爆 構 造 ( 表 52.1 参 照 )... 201 5621 過 負 荷... 201 5630 本 質 安 全 防 爆 構 造 ( 表 52.2 参 照 )... 201 5640 内 圧 防 爆 構 造 ( 表 52.3 参 照 )... 203 5650 第 二 類 危 険 箇 所 で 使 用 する 機 器... 203 附 属 書 1 錠 締 構 造...208 附 属 書 2 端 子 箱 の 構 造... 211 附 属 書 3 端 子 箱 から 電 気 機 器 本 体 への 導 線 引 込 部 の 構 造...212 附 属 書 4 外 部 導 線 の 端 子 箱 への 引 込 部 の 構 造...221 参 考 資 料 1 関 係 規 格 及 び 関 係 法 規...226 参 考 資 料 2 爆 発 性 ガスの 爆 発 等 級 発 火 度 及 び 主 要 な 危 険 性...227 参 考 資 料 3 爆 発 危 険 箇 所 の 判 定 と 範 囲 決 定 の 要 領...230 参 考 資 料 4 危 険 場 所 の 範 囲 を 示 す 目 安 例...232 参 考 資 料 5 防 爆 電 気 機 器 の 選 定 例...233 参 考 資 料 6 防 爆 電 気 設 備 における 水 気 湿 気 腐 食 熱 振 動 などの 対 策...238
参 考 資 料 7 シーリングの 施 工 方 法...240 参 考 資 料 8 ケーブル 配 線 における 爆 発 性 ガスの 流 動 防 止 方 法...244 参 考 資 料 9 MIケーブルの 端 末 処 理 方 法...246 参 考 資 料 10 防 爆 構 造 電 動 機 の 端 子 箱 の 基 本 寸 法...248 参 考 資 料 11 端 子 箱 内 におけるゴム 又 はプラスチックケーブルの 接 続 作 業 方 法...254 参 考 資 料 12 IEC 形 火 花 点 火 試 験 装 置 とその 校 正...255 参 考 資 料 13 電 気 火 花 による 爆 発 性 ガスへの 点 火 限 界...258 参 考 資 料 14 本 安 回 路 にかかわる 安 全 保 持 器...261 参 考 資 料 15 ( 欠 番 ) 参 考 資 料 16 容 器 の 保 護 等 級...262 あとがき
1000 電 気 設 備 防 爆 一 般 1100 一 般 事 項 1110 指 針 の 目 的 と 活 用 1111 指 針 の 目 的 工 場 電 気 設 備 防 爆 指 針 ( 以 下 防 爆 指 針 又 は 指 針 という)は 工 場 その 他 の 事 業 場 において 可 燃 性 ガ ス 又 は 引 火 性 液 体 の 蒸 気 ( 以 下 爆 発 性 ガスという)が 爆 発 又 は 火 災 を 生 じるおそれのある 濃 度 で 存 在 し 又 は 存 在 するおそれのある 場 所 ( 以 下 危 険 場 所 という)に 電 気 設 備 を 設 置 し 又 は 使 用 する 場 合 に 電 気 設 備 が 原 因 となって 生 ずる 爆 発 又 は 火 災 を 防 止 するために 必 要 な 事 項 を 推 奨 基 準 として 定 めたものであ る 1 2 3 4 本 指 針 は わが 国 の 技 術 水 準 これまでの 防 爆 電 気 設 備 に 関 する 研 究 成 果 IECなど 最 近 の 国 際 的 動 向 な どを 考 慮 し 電 気 設 備 に 起 因 する 爆 発 等 を 防 止 するために 望 ましい 内 容 を 包 含 させたものである 国 内 における 防 爆 電 気 設 備 に 関 係 がある 基 準 類 としては 日 本 工 業 規 格 (JIS) 労 働 安 全 衛 生 法 及 び 同 関 係 規 則 電 気 事 業 法 及 び 同 関 係 規 則 等 がある これらのうち 法 及 び 規 則 等 については 関 係 規 定 の 内 容 の 骨 子 は 指 針 から 採 用 されており 細 部 に 関 するそれらの 運 用 に 当 たっては 本 指 針 に 準 拠 し 又 は 本 指 針 を 参 照 し 得 ることとされている ( 参 考 資 料 1 参 照 ) 本 指 針 でいう 爆 発 性 ガスとは 可 燃 性 ガス 及 び 引 火 性 液 体 の 蒸 気 に 対 する 総 称 であり これらが 単 独 で 存 在 する 場 合 及 び 大 気 中 などに 混 在 している 場 合 のいずれも 含 むものとする 本 指 針 でいう 危 険 場 所 とは 工 場 その 他 の 事 業 場 において 爆 発 又 は 火 災 を 生 ずるために 十 分 な 量 の 爆 発 性 ガスが 空 気 と 混 合 して 爆 発 性 雰 囲 気 を 生 成 しているか あるいは 生 成 するおそれのある 場 所 のことで い わゆるガス 蒸 気 危 険 場 所 を 指 すものである 1112 指 針 の 活 用 電 気 設 備 の 設 計 製 作 施 工 使 用 などに 当 たっては それぞれの 立 場 において 本 指 針 を 自 主 的 に 活 用 するものとする なお 本 指 針 は 電 気 設 備 を 新 設 又 は 更 新 する 場 合 はもとより 保 守 する 場 合 にも 活 用 することが 望 ましい 活 用 に 当 たっての 主 要 な 事 項 を 示 すと 次 のとおりである ( 1 ) 電 気 設 備 の 設 置 に 当 たっては 電 気 機 器 及 び 電 気 配 線 方 法 の 選 定 を 適 正 に 行 うため 電 気 設 備 を 設 置 しようとする 場 所 に 存 在 する 爆 発 性 ガスの 種 類 を 検 討 し 1500( 防 爆 電 気 設 備 の 計 画 )に 基 づき 特 別 危 険 箇 所 第 一 類 危 険 箇 所 及 び 第 二 類 危 険 箇 所 のいずれに 該 当 するかを 決 定 する ( 2 ) 電 気 機 器 は できる 限 り 爆 発 危 険 のない 場 所 に 設 置 すべきであるが やむを 得 ず 危 険 場 所 に 設 置 す る 場 合 には 必 要 最 小 限 度 にとどめ 爆 発 危 険 箇 所 及 び 爆 発 性 ガスの 種 類 に 応 じ 1530( 防 爆 電 気 設 備 の 選 定 )に 基 づき 適 正 な 防 爆 構 造 のものを 選 定 する ( 3 ) 防 爆 構 造 の 電 気 機 器 は 2000( 電 気 機 器 の 防 爆 構 造 )に 適 合 し 同 型 式 のものについて 3000( 防 爆 構 造 の 電 気 機 器 の 試 験 )に 基 づき 防 爆 性 能 が 確 認 されたものを 使 用 する ( 4 ) 危 険 場 所 の 電 気 配 線 は 使 用 電 圧 などに 応 じ 4000( 電 気 配 線 の 防 爆 )に 基 づき 施 工 する 1
( 5 ) 電 気 設 備 の 保 守 については 電 気 設 備 が 正 常 な 状 態 を 維 持 するように 5000( 防 爆 電 気 設 備 の 保 守 ) に 基 づき 十 分 な 保 守 管 理 を 行 う 1120 用 語 の 意 味 本 指 針 で 用 いる 主 な 用 語 の 意 味 は 次 のとおりとする ただし 各 章 で 主 として 用 いる 用 語 について は 必 要 に 応 じて それぞれの 章 に 示 す 1121 一 般 ( 共 通 ) 用 語 ( 1 ) 構 造 規 格 ( 告 示 ) 電 気 機 械 器 具 防 爆 構 造 規 格 ( 昭 和 44 年 労 働 省 告 示 第 16 号 )の 略 称 ( 2 ) 技 術 的 基 準 ( 通 達 ) 電 気 機 械 器 具 防 爆 構 造 規 格 ( 昭 和 44 年 労 働 省 告 示 第 16 号 )における 可 燃 性 ガス 又 は 引 火 性 液 体 の 物 の 蒸 気 に 係 わる 防 爆 構 造 の 規 格 に 適 合 する 電 気 機 械 器 具 と 同 等 以 上 の 防 爆 性 能 を 有 するものの 技 術 的 基 準 (IEC 規 格 79 関 係 ) 電 気 機 械 器 具 防 爆 構 造 規 格 の 一 部 を 改 正 する 告 示 ( 昭 和 63 年 労 働 省 告 示 第 18 号 )の 適 用 等 についての 労 働 省 労 働 基 準 局 通 達 ( 昭 和 63 年 4 月 1 日 基 発 第 208 号 ) 別 添 の 略 称 ( 3 ) IEC 規 格 IEC は International Electrotechnical Commission( 国 際 電 気 標 準 会 議 )の 略 号 であって IEC 規 格 とは IEC が 出 版 している Standard( 規 格 ) 又 は Technical Report( 技 術 報 告 書 )を 意 味 する ( 4 ) 電 気 機 器 電 気 機 械 器 具 電 力 の 消 費 による 他 のエネルギーの 発 生 発 電 送 配 電 蓄 電 電 力 の 変 換 調 整 制 御 及 び 電 気 を 利 用 した 計 測 通 信 情 報 伝 達 など 電 気 に 関 連 する 機 械 器 具 及 び 装 置 ( 5 ) 電 気 設 備 必 要 な 機 能 を 果 たすように 電 気 機 器 と 電 気 配 線 とが 接 続 された 電 気 的 設 備 ( 6 ) 防 爆 構 造 電 気 機 器 が 発 火 源 となってその 周 囲 に 存 在 する 爆 発 性 雰 囲 気 に 発 火 させることがないように 電 気 機 器 に 適 用 する 技 術 的 手 法 ( 7 ) 防 爆 電 気 機 器 爆 発 性 雰 囲 気 の 中 での 使 用 に 適 するように 1 種 類 以 上 の 防 爆 構 造 を 具 備 する 電 気 機 械 ( 8 ) 防 爆 電 気 設 備 (ガス 防 爆 電 気 機 器 ) 爆 発 性 雰 囲 気 の 中 での 使 用 に 適 するように 技 術 的 措 置 が 講 じられた 電 気 設 備 ( 9 ) グループ 適 用 されるべき 爆 発 性 雰 囲 気 に 関 連 する 電 気 機 器 の 分 類 備 考 IEC 規 格 60079 は 適 用 されるべき 爆 発 性 雰 囲 気 に 関 連 して 防 爆 電 気 機 器 を 次 の 二 つのグループに 分 類 している (a) グループI: 坑 気 に 影 響 されやすい 鉱 山 に 用 いられる 防 爆 電 気 機 器 (b) グループⅡ: 坑 気 に 影 響 されやすい 鉱 山 を 除 く 爆 発 性 雰 囲 気 にあるすべての 場 所 に 用 いられる 防 爆 電 気 機 器 であって 防 爆 構 造 の 種 類 によって 防 爆 性 能 に 応 じてさらにⅡA ⅡB ⅡC の 三 つ に 分 類 される 2
(10) 最 高 表 面 温 度 周 囲 の 爆 発 性 雰 囲 気 に 点 火 することができる 電 気 機 器 の 各 部 分 又 は 表 面 が 電 気 機 器 の 定 格 内 で の 最 も 過 酷 な 使 用 条 件 のもとで 使 用 した 場 合 に 達 する 最 も 高 い 温 度 備 考 最 も 過 酷 な 使 用 条 件 には 承 認 された 過 負 荷 及 び 当 該 防 爆 構 造 の 規 格 で 認 められた 故 障 状 態 を 含 むものとする (11) 温 度 等 級 電 気 機 器 の 最 高 表 面 温 度 に 基 づく 防 爆 電 気 機 器 の 分 類 (12) 通 常 の 状 態 プラントなどの 各 機 器 がその 定 格 値 以 内 で 運 転 されている 状 態 電 気 機 器 では 電 気 的 及 び 機 械 的 に 設 計 仕 様 に 適 合 しており かつ 製 造 者 が 指 定 する 限 度 内 で 使 用 されている 状 態 備 考 可 燃 性 物 質 の 微 量 な 放 出 は 通 常 の 状 態 の 一 部 である 例 えば 取 扱 液 体 の 濡 れによるシールからの 放 出 は 微 量 な 放 出 とみなす しかし 修 理 又 は 停 止 作 業 を 必 要 とするような 破 損 ( 故 障 によって 生 じたポンプシール 又 はフ ランジガスケットの 破 損 など)は 通 常 の 状 態 とみなさない 1122 可 燃 性 物 質 とその 物 理 的 及 び 化 学 的 現 象 に 関 する 用 語 ( 1 ) 可 燃 性 物 質 可 燃 性 のガス 引 火 性 液 体 の 蒸 気 液 体 又 はミストの 総 称 ( 2 ) 可 燃 性 ガス 又 は 引 火 性 液 体 の 蒸 気 空 気 とある 範 囲 内 の 比 率 で 混 合 したとき 爆 発 性 雰 囲 気 を 形 成 する 可 燃 性 のガス 又 は 引 火 性 液 体 の 蒸 気 本 指 針 では 爆 発 性 ガス と 総 称 する ( 3 ) 可 燃 性 液 体 ( 引 火 性 液 体 ) 予 知 し 得 る 取 扱 い 条 件 のもとで 可 燃 性 の 蒸 気 又 はミストを 発 生 する 液 体 ( 4 ) 可 燃 性 ミスト 爆 発 性 雰 囲 気 を 形 成 するように 空 気 中 に 分 散 した 可 燃 性 液 体 の 微 小 滴 ( 5 ) 爆 発 爆 発 性 雰 囲 気 において 酸 化 又 はその 他 の 発 熱 反 応 によって 圧 力 及 び 温 度 の 急 激 な 上 昇 を 来 す 現 象 ( 6 ) 爆 発 性 雰 囲 気 ( 爆 発 性 ガス 雰 囲 気 ) 通 常 の 大 気 条 件 におけるガス 引 火 性 液 体 の 蒸 気 又 はミストと 空 気 の 混 合 物 であって 発 火 した とき 燃 焼 が 未 燃 焼 部 分 全 体 に 伝 播 するような 状 態 にあるもの ( 7 ) 引 火 点 標 準 化 された 条 件 のもとで 点 火 しうる 濃 度 の 蒸 気 と 空 気 の 混 合 ガス を 形 成 することができ るだけの 蒸 気 を 発 散 させる 液 体 の 最 低 温 度 ( 8 ) 発 火 温 度 ガス 又 は 引 火 性 液 体 の 蒸 気 と 空 気 の 混 合 ガス が 所 定 の 条 件 のもとで 加 熱 面 に 接 したとき 発 火 が 起 こるその 加 熱 面 の 最 低 温 度 ( 9 ) 爆 発 限 界 爆 発 下 限 界 及 び 爆 発 上 限 界 の 総 称 ただし 両 限 界 の 範 囲 を 示 す 意 味 に 用 いられることもある (10) 爆 発 下 限 界 爆 発 性 雰 囲 気 を 形 成 するガス 引 火 性 液 体 の 蒸 気 又 はミストの 空 気 中 における 最 低 濃 度 3
(11) 爆 発 上 限 界 爆 発 性 雰 囲 気 を 形 成 するガス 引 火 性 液 体 の 蒸 気 又 はミストの 空 気 中 における 最 高 濃 度 (12) 最 大 安 全 隙 間 最 も 火 炎 逸 走 しやすい 混 合 ガスを 用 いて 所 定 の 試 験 容 器 内 部 の 混 合 ガスに 点 火 したとき 試 験 容 器 の 接 合 部 ( 奥 行 き 25mm)を 通 って 爆 発 の 火 炎 が 外 部 の 混 合 ガスに 伝 播 しなくなる 接 合 部 の 隙 間 の 最 大 値 1123 爆 発 危 険 箇 所 に 関 する 用 語 ( 1 ) 爆 発 危 険 箇 所 電 気 機 器 の 構 造 設 置 及 び 仕 様 について 特 別 な 安 全 対 策 を 必 要 とするほどの 爆 発 性 雰 囲 気 が 存 在 し 又 は 存 在 することが 予 測 される 場 所 ( 2 ) 非 危 険 場 所 電 気 機 器 の 構 造 設 置 及 び 仕 様 について 特 別 な 安 全 対 策 を 必 要 とするほどの 爆 発 性 雰 囲 気 が 存 在 することがないと 予 測 される 場 所 ( 3 ) 内 圧 室 内 部 に 電 気 設 備 が 設 置 され かつ 人 が 出 入 りする 室 又 は 建 屋 であって 室 又 は 建 屋 の 内 部 の 圧 力 を 常 に 大 気 圧 より 高 く 保 持 するように 清 浄 な 空 気 を 送 入 し 外 部 の 爆 発 性 雰 囲 気 が 侵 入 しないよう にしたもの ( 4 ) 保 護 ガス 内 圧 を 保 持 するため 又 は 内 部 の 爆 発 性 ガスを 爆 発 下 限 界 よりも 十 分 に 低 い 濃 度 まで 希 釈 するた めに 使 用 する 空 気 その 他 の 不 燃 性 の 気 体 ( 5 ) 放 出 源 可 燃 性 物 質 を 雰 囲 気 中 に 放 出 する 箇 所 又 は 位 置 であって 爆 発 危 険 箇 所 を 生 成 する 根 源 となるも の ( 6 ) 放 出 源 の 等 級 可 燃 性 物 質 の 放 出 が 起 こる 頻 度 及 び 爆 発 性 雰 囲 気 の 生 成 の 可 能 性 などによる 分 類 連 続 級 1 級 及 び 2 級 の 三 つの 基 本 的 な 等 級 に 分 類 される ( 7 ) 発 火 源 発 火 源 とは 爆 発 性 雰 囲 気 に 対 して 爆 発 を 起 こさせるだけのエネルギーをもっている 電 気 火 花 又 は 高 温 部 をいう なお 電 気 火 花 によるものを 着 火 源 とすることがある 1124 電 気 機 器 の 構 造 一 般 に 関 する 用 語 ( 1 ) 容 器 電 気 機 器 において その 充 電 部 分 を 取 り 囲 む 外 被 ( 2 ) 容 器 の 保 護 等 級 以 下 の(a) 及 び(b)に 示 す 事 項 について 電 気 機 器 の 容 器 が 具 備 すべき 保 護 の 度 合 いを 表 す 等 級 (a) 容 器 内 の 充 電 部 への 接 触 若 しくは 接 近 及 び 容 器 内 への 回 転 部 分 への 接 触 に 対 する 人 体 の 保 護 なら びに 外 来 固 形 物 の 侵 入 に 対 する 電 気 機 器 あるいは 容 器 の 保 護 4
(b) 水 の 有 害 な 侵 入 に 対 する 電 気 機 器 あるいは 容 器 の 保 護 ( 3 ) ブリーザ 容 器 の 防 爆 性 能 を 維 持 しつつ 容 器 内 の 空 気 と 周 囲 の 空 気 との 入 替 えを 可 能 にするもの ( 4 ) ドレン 容 器 の 防 爆 性 能 を 維 持 しつつ 容 器 内 から 液 体 ( 凝 縮 した 水 など)を 排 出 することを 可 能 とする もの ( 5 ) 接 続 端 子 部 外 部 の 電 線 の 電 気 的 接 続 に 使 用 する 端 子 ねじ 部 品 及 びその 他 の 部 品 から 成 るもの ( 6 ) 端 子 箱 電 気 機 器 本 体 から 独 立 した 容 器 であって 接 続 端 子 部 を 収 納 するもの ( 7 ) 接 続 箱 防 爆 電 気 配 線 におけるケーブル 又 は 絶 縁 電 線 の 接 続 に 用 いる 防 爆 構 造 の 容 器 ( 8 ) 直 接 引 込 み 電 気 機 器 の 本 体 内 の 接 続 端 子 部 又 は 本 体 に 自 由 に 通 じる 端 子 室 内 の 接 続 端 子 部 によって 電 気 機 器 に 外 部 回 路 を 接 続 する 方 法 ( 9 ) 間 接 引 込 み 電 気 機 器 の 本 体 の 外 側 にある 端 子 箱 によって 電 気 機 器 に 外 部 回 路 を 接 続 する 方 法 (10) ケーブル 引 込 部 電 気 機 器 の 中 にケーブル 配 線 を 引 込 む 部 分 (11) 電 線 管 引 込 部 電 気 機 器 の 中 に 電 線 管 による 配 線 を 引 込 む 部 分 5
1200 電 気 設 備 の 防 爆 対 策 1210 防 爆 対 策 の 考 え 方 危 険 場 所 において 電 気 設 備 に 基 づく 爆 発 又 は 火 災 が 発 生 するためには 爆 発 性 雰 囲 気 と 発 火 源 が 共 存 することが 条 件 であり この 条 件 が 成 立 しないような 措 置 を 講 ずることが 防 爆 対 策 の 基 本 である したが って 電 気 設 備 に 基 づく 爆 発 又 は 火 災 を 発 生 させないためには 爆 発 性 雰 囲 気 が 生 成 する 確 率 と 電 気 設 備 が 発 火 源 となる 確 率 との 積 を 実 質 的 にゼロとみなせるような 小 さな 値 に 保 持 しなければならない その 具 体 的 措 置 として まず 爆 発 性 雰 囲 気 の 生 成 防 止 次 いで 電 気 設 備 の 防 爆 化 が 考 えられる 1211 爆 発 性 雰 囲 気 の 生 成 防 止 爆 発 性 雰 囲 気 を 生 成 させないようにするためには 次 のような 対 策 が 考 えられる ( 1 ) 爆 発 性 ガスの 漏 洩 放 出 の 防 止 空 気 中 に 爆 発 性 ガスが 漏 洩 し 又 は 放 出 されることを 防 止 するために 次 の 措 置 を 講 ずる (a) 可 燃 性 物 質 の 使 用 を 抑 制 し 特 に 開 放 状 態 での 使 用 を 避 けること (b) 配 管 類 の 継 手 部 分 ポンプのグランド 部 などからの 漏 洩 を 防 止 すること (c) 異 常 反 応 装 置 の 劣 化 破 損 誤 操 作 等 の 事 故 による 漏 洩 を 防 止 すること ( 2 ) 爆 発 性 ガスの 滞 留 防 止 空 気 中 に 漏 洩 し 又 は 放 出 された 爆 発 性 ガスが 速 やかに 拡 散 するように 換 気 通 風 をよくする そのためには 次 の 措 置 を 講 ずる (a) 爆 発 性 ガスが 漏 洩 しやすい 装 置 は 屋 外 に 設 置 するか 又 は 外 壁 が 開 放 された 建 物 内 に 設 置 するこ と (b) 換 気 の 不 十 分 な 箇 所 は 強 制 換 気 を 行 うこと 放 出 源 の 周 辺 及 び 周 囲 の 状 況 により 爆 発 性 ガスの 滞 留 が 予 想 される 場 合 には 爆 発 性 ガスの 存 在 をできるだ け 早 く 検 知 するため 可 燃 性 ガス 警 報 装 置 を 設 置 することが 望 ましい 1212 電 気 設 備 における 発 火 源 電 気 設 備 が 爆 発 性 雰 囲 気 に 対 し 発 火 源 となる 場 合 としては 次 のいずれかが 考 えられる ( 1 ) 電 気 設 備 が 正 常 時 に 対 象 とする 爆 発 性 ガスに 対 し 点 火 能 力 をもった 電 気 火 花 を 発 生 するか 又 は 発 火 させるだけの 高 温 部 をもっている 場 合 ( 2 ) 電 気 設 備 が 異 常 時 に 対 象 とする 爆 発 性 ガスに 対 し 点 火 能 力 をもった 電 気 火 花 又 は 発 火 させるだ けの 高 温 部 を 発 生 する 場 合 1 電 気 火 花 の 点 火 能 力 は 爆 発 性 ガスの 種 類 及 び 電 気 火 花 が 発 生 したときの 条 件 によって 異 なるが 試 験 そ の 他 によって 特 に 点 火 能 力 のないことが 確 認 されない 限 り 一 般 に 点 火 能 力 があるものとみなす 2 高 温 部 の 温 度 が 爆 発 性 ガスの 発 火 度 若 しくは 温 度 等 級 に 対 する 許 容 温 度 より 低 いことが 明 らかな 場 合 は 点 火 能 力 がないものとみなす 6
3 発 火 源 となるか 又 はそのおそれのある 電 気 設 備 の 例 としては 次 のようなものがある (a) 正 常 な 運 転 中 に 常 に 電 気 火 花 を 発 するもの 例 : 直 流 電 動 機 の 整 流 子 巻 線 形 誘 導 電 動 機 のスリップリング (b) 正 常 な 動 作 時 に 電 気 火 花 を 発 するもの 例 : 開 閉 器 具 類 制 御 器 具 類 などの 電 気 接 点 (c) 保 護 装 置 としての 動 作 時 に 電 気 火 花 を 発 するもの 例 : 気 中 遮 断 器 の 開 閉 接 点 保 護 継 電 器 の 電 気 接 点 ヒューズ (d) 正 常 な 使 用 状 態 で 高 温 となるもの 例 : 電 熱 器 抵 抗 器 照 明 器 具 の 光 源 部 (e) 異 常 時 ( 故 障 時 又 は 破 損 時 を 含 む)などに 電 気 火 花 又 は 高 温 を 発 生 するおそれのあるもの 例 : 電 動 機 の 巻 線 変 圧 器 の 巻 線 マグネットコイル 照 明 器 具 の 光 源 部 ケーブルその 他 の 配 線 など 1213 電 気 機 器 への 防 爆 技 術 適 用 の 考 え 方 爆 発 性 雰 囲 気 が 存 在 し 又 は 存 在 するおそれのある 場 所 に 電 気 機 器 を 設 置 しても これが 発 火 源 となっ て 爆 発 等 の 事 故 が 発 生 しないように 電 気 機 器 に 防 爆 性 をもたせるには 次 のような 方 法 が 考 えられる ( 1 ) 発 火 源 の 防 爆 的 隔 離 電 気 機 器 の 発 火 源 となる 部 分 を 周 囲 の 爆 発 性 ガスから 隔 離 して 接 触 させないようにする 方 法 と 電 気 機 器 内 部 で 発 生 した 爆 発 が 電 気 機 器 の 周 囲 の 爆 発 性 ガスに 波 及 しないように 発 火 源 を 実 質 的 に 隔 離 する 方 法 がある 前 者 に 基 づいて 製 作 されたものとしては 内 圧 防 爆 構 造 及 び 油 入 防 爆 構 造 の 電 気 機 器 があり 後 者 に 基 づいて 製 作 されたものとしては 耐 圧 防 爆 構 造 の 電 気 機 器 がある ( 2 ) 電 気 機 器 の 安 全 度 の 増 強 正 常 な 状 態 において 発 火 源 となるような 電 気 火 花 発 生 部 及 び 高 温 部 が 存 在 しない 電 気 機 器 について は 特 に 安 全 度 を 増 加 して 故 障 を 起 こりにくくしておくことにより 総 合 的 に 事 故 が 発 生 する 確 率 をゼロに 近 い 値 にすることができる この 考 え 方 に 基 づいて 製 作 されたものとして 安 全 増 防 爆 構 造 の 電 気 機 器 がある ( 3 ) 発 火 能 力 の 本 質 的 抑 制 弱 電 流 回 路 の 電 気 機 器 においては 正 常 な 状 態 のみでなく 事 故 時 に 発 生 する 電 気 火 花 及 び 高 温 部 についても 爆 発 性 ガスに 発 火 するおそれがないことを 試 験 その 他 によって 十 分 に 確 認 される 場 合 には これを 本 質 的 に 発 火 能 力 の 抑 制 された 機 器 として 使 用 することができる この 考 え 方 に 基 づいて 製 作 されたものとして 本 質 安 全 防 爆 構 造 の 電 気 機 器 がある 1214 電 気 配 線 への 防 爆 技 術 適 用 の 考 え 方 電 気 配 線 が 発 火 源 となって 爆 発 等 の 事 故 が 発 生 しないように 電 気 配 線 に 防 爆 性 をもたせるには 次 の ような 方 法 が 考 えられる ( 1 ) 配 線 の 安 全 度 の 増 強 電 気 配 線 の 電 気 的 及 び 機 械 的 強 度 を 強 化 し 地 絡 短 絡 断 線 などの 事 故 により 配 線 が 発 火 源 と なる 頻 度 を 極 力 少 なくすることによって 総 合 的 に 事 故 が 発 生 する 確 率 をゼロに 近 くする 方 法 が 考 えられる この 考 え 方 に 基 づいた 電 気 配 線 として ケーブル 配 線 又 は 金 属 管 配 線 がある ( 2 ) 発 火 能 力 の 本 質 的 抑 制 7
配 線 の 地 絡 短 絡 断 線 等 の 事 故 時 に 電 気 火 花 及 び 高 温 部 が 生 じても 爆 発 性 ガスに 対 して 発 火 能 力 がなく かつ 当 該 配 線 が 他 の 電 気 回 路 と 混 触 し 又 は 電 磁 誘 導 若 しくは 静 電 誘 導 を 受 けるおそ れのないようにして 本 質 的 に 発 火 能 力 を 抑 制 する 方 法 がある この 考 え 方 に 基 づいた 電 気 配 線 と して 本 安 回 路 の 配 線 がある 1220 防 爆 構 造 の 種 類 と 記 号 1221 防 爆 構 造 の 種 類 電 気 機 器 の 防 爆 構 造 の 種 類 は 次 に 示 すとおりである ( 1 ) 耐 圧 防 爆 構 造 容 器 が その 内 部 に 侵 入 した 爆 発 性 雰 囲 気 の 内 部 爆 発 に 対 して 損 傷 を 受 けることなく 耐 え か つ 容 器 のすべての 接 合 部 又 は 構 造 上 の 開 口 部 を 通 して 外 部 の 爆 発 性 雰 囲 気 へ 発 火 を 生 じることの ない 電 気 機 器 の 防 爆 構 造 ( 2 ) 油 入 防 爆 構 造 電 気 機 器 及 び 電 気 機 器 の 部 分 を 油 に 浸 す 構 造 であり さらに 油 の 上 又 は 容 器 の 外 部 に 存 在 する 爆 発 性 雰 囲 気 へ 発 火 を 生 じることがない 電 気 機 器 の 防 爆 構 造 ( 3 ) 内 圧 防 爆 構 造 容 器 内 の 保 護 ガスの 圧 力 を 外 部 の 雰 囲 気 の 圧 力 より 高 く 保 持 することによって 又 は 容 器 内 の 爆 発 性 ガスの 濃 度 を 爆 発 下 限 界 より 十 分 に 低 いレベルに 希 釈 することによって 防 爆 性 能 を 確 保 する 電 気 機 器 の 防 爆 構 造 ( 4 ) 安 全 増 防 爆 構 造 通 常 の 使 用 中 にはアーク 又 は 火 花 を 発 生 することのない 電 気 機 器 に 適 用 する 防 爆 構 造 であって 過 度 な 温 度 の 可 能 性 並 びに 異 常 なアーク 及 び 火 花 の 発 生 の 可 能 性 に 対 して 安 全 性 を 増 加 する 手 段 が 講 じられた 電 気 機 器 の 防 爆 構 造 ( 5 ) 本 質 安 全 防 爆 構 造 通 常 の 状 態 及 び 仮 定 した 故 障 状 態 において 電 気 回 路 に 発 生 する 電 気 火 花 及 び 高 温 部 が 規 定 され た 試 験 条 件 で 所 定 の 試 験 ガスが 発 火 しないようにした 防 爆 構 造 ( 6 ) 特 殊 防 爆 構 造 特 殊 防 爆 構 造 とは (1)~(5) 以 外 の 構 造 で 爆 発 性 ガスの 発 火 を 防 止 できることが 試 験 等 によ って 確 認 された 構 造 をいう ( 7 ) 非 点 火 防 爆 構 造 電 気 機 器 に 適 用 する 防 爆 構 造 で 正 常 な 運 転 中 には 周 囲 の 爆 発 性 雰 囲 気 を 発 火 するおそれがなく また 発 火 を 生 じる 故 障 を 起 こす 可 能 性 の 少 ない 構 造 をいう ( 8 ) 樹 脂 充 填 防 爆 構 造 電 気 機 械 器 具 を 構 成 する 部 分 であって 火 花 若 しくはアークを 発 し 又 は 高 温 となって 点 火 源 と なるおそれがあるものを 樹 脂 の 中 に 囲 むことにより ガス 又 は 蒸 気 に 点 火 しないようにした 構 造 を いう 8
1222 防 爆 構 造 等 の 記 号 防 爆 構 造 の 種 類 爆 発 等 級 及 び 発 火 度 について その 記 号 を 表 12.1 のとおり 定 める 表 12.1 防 爆 構 造 等 の 記 号 区 分 記 号 ( 構 造 規 格 ) 記 号 ( 技 術 的 基 準 ) 防 爆 構 造 の 種 類 耐 圧 防 爆 構 造 油 入 防 爆 構 造 内 圧 防 爆 構 造 d o f d o p 安 全 増 防 爆 構 造 本 質 安 全 防 爆 構 造 特 殊 防 爆 構 造 非 点 火 防 爆 構 造 樹 脂 充 填 防 爆 構 造 e ia 又 は ib s n ma 又 は mb e ia 又 は ib s - - 爆 発 等 級 及 び 分 類 爆 発 等 級 1 分 類 ⅡA 爆 発 等 級 2 分 類 ⅡB 爆 発 等 級 3 分 類 ⅡC 1 2 3a 3b 3c 3n ⅡA ⅡB ⅡC 発 火 度 及 び 温 度 等 級 発 火 度 G1 温 度 等 級 T1 発 火 度 G2 温 度 等 級 T2 発 火 度 G3 温 度 等 級 T3 発 火 度 G4 温 度 等 級 T4 発 火 度 G5 温 度 等 級 T5 温 度 等 級 T6 G1 G2 G3 G4 G5 - T1 T2 T3 T4 T5 T6 備 考 爆 発 等 級 3 において 3a は 水 性 ガス 及 び 水 素 を 3b は 二 硫 化 炭 素 を 3c はアセチレンを 対 象 とし 3n は 爆 発 等 級 3 のすべてのガスを 対 象 とする 9
1300 爆 発 性 ガス 及 び 防 爆 電 気 機 器 の 分 類 1310 爆 発 性 ガス 及 び 防 爆 電 気 機 器 の 分 類 わが 国 には 防 爆 電 気 機 器 とそれを 適 用 する 爆 発 性 ガスとの 対 応 について 二 通 りの 分 類 がある その 一 つは 労 働 省 告 示 の 電 気 機 器 防 爆 構 造 規 格 によるもの 他 の 一 つは 同 告 示 の 一 部 を 改 正 した 労 働 省 労 働 基 準 局 通 達 の 技 術 的 基 準 によるものである 1311 構 造 規 格 における 防 爆 電 気 機 器 の 対 象 とする 爆 発 性 ガスの 分 類 構 造 規 格 では 防 爆 電 気 機 器 の 対 象 とする 爆 発 性 ガスを 表 13.1 のとおり その 火 炎 逸 走 限 界 の 値 によ って 1 2 及 び 3 の 3 段 階 の 爆 発 等 級 に 分 類 し さらに 表 13.2 のとおり その 発 火 温 度 の 値 によって G1 G2 G3 G4 及 び G5 の 5 段 階 の 発 火 度 に 分 類 している そして それぞれの 爆 発 等 級 又 は 発 火 度 の 爆 発 性 ガスに 対 して 安 全 に 適 用 できる 防 爆 電 気 機 器 の 性 能 を 規 定 し 所 定 の 性 能 を 備 えた 防 爆 電 気 機 器 にそれぞれ 該 当 する 爆 発 等 級 及 び 発 火 度 の 記 号 を 表 示 して 適 用 上 の 便 宜 を 図 っている すなわち 構 造 規 格 による 防 爆 電 気 機 器 における 爆 発 等 級 及 び 発 火 度 の 記 号 は その 記 号 を 示 した 電 気 機 器 が 当 該 及 び それより 小 さい 数 字 の 爆 発 等 級 及 び 発 火 度 の 爆 発 性 ガスに 対 して 防 爆 性 能 が 保 証 されていることを 示 すも のである 表 13.1 爆 発 等 級 の 分 類 爆 発 等 級 火 炎 逸 走 限 界 の 値 (mm) 1 0.6 を 超 えるもの 2 0.4 を 超 え 0.6 以 下 のもの 3 0.4 以 下 表 13.2 発 火 度 の 分 類 爆 発 性 ガスの 発 火 温 度 ( ) 発 火 度 電 気 機 器 の 許 容 温 度 ( ) 450 を 超 えるもの G1 360 300 を 超 え 450 以 下 のもの G2 240 200 を 超 え 300 以 下 のもの G3 160 135 を 超 え 200 以 下 のもの G4 110 100 を 超 え 135 以 下 のもの G5 80 備 考 電 気 機 器 の 許 容 温 度 は 周 囲 温 度 40 を 含 む 耐 圧 防 爆 構 造 においては 容 器 の 強 さ 容 器 のスキの 奥 行 及 びスキなど 耐 圧 防 爆 構 造 として 必 要 な 構 造 上 の 条 件 を 爆 発 性 ガスの 爆 発 特 性 ( 爆 発 圧 力 火 炎 逸 走 限 界 など)に 従 って 定 めているが これに 関 連 して ここで 爆 発 性 ガスをその 危 険 度 に 従 って 3 等 級 に 分 類 することにしたものである なお 標 準 容 器 とは 内 容 積 8,000cm 3 半 球 部 のフランジ 接 合 面 のスキの 奥 行 が 25mm の 球 状 容 器 で そのスキの 値 を 変 化 させて 火 炎 逸 走 限 界 を 測 定 する 装 置 をいう 一 般 に 工 場 などで 多 く 取 扱 われる 代 表 的 な 爆 発 性 ガスについて 爆 発 等 級 及 び 発 火 度 を 分 類 して 示 すと 次 表 のようになる この 表 に 示 されていない 爆 発 性 ガスの 爆 発 等 級 及 び 発 火 度 については 参 考 資 料 2 を 参 照 するこ と 10
発 火 度 爆 発 等 級 1 爆 発 性 ガスの 爆 発 等 級 及 び 発 火 度 の 一 例 G1 G2 G3 G4 G5 アセトン アンモニア 一 酸 化 炭 素 エ タ ン 酢 酸 トルエン ベンゼン メ タ ン エ タ ノ ー ル 酢 酸 イソぺンチル 酢 酸 エ チ ル 1 - ブ タ ノ ー ル ブ タ ン プ ロ パ ン 無 水 酢 酸 メ タ ノ ー ル ガソリン ヘキサン アセトアルデヒド ジエチルエーテル 2 石 炭 ガス 3 水 性 ガス 水 素 エ チ レ ン エチレンオキシド ア セ チ レ ン 二 硫 化 炭 素 1312 技 術 的 基 準 における 防 爆 電 気 機 器 の 分 類 技 術 的 基 準 では 爆 発 性 ガスを 直 接 分 類 することはせず まず 坑 気 が 発 生 しやすい 坑 内 を 除 く 工 場 事 業 場 用 の 防 爆 電 気 機 器 をグループⅡと 分 類 し(グループ I は 坑 気 が 生 成 しやすい 坑 内 専 用 の 防 爆 電 気 機 器 ) さらに 耐 圧 防 爆 構 造 及 び 本 質 安 全 防 爆 構 造 の 電 気 機 器 は 表 13.3 および 表 13.4 のとおり 対 応 する 爆 発 性 ガスの 爆 発 特 性 を 考 慮 してⅡA ⅡB ⅡC と 分 類 している また すべての 防 爆 構 造 の 電 気 機 器 に ついて 表 13.5 のとおり 対 応 する 爆 発 性 ガスの 発 火 温 度 を 考 慮 して T1 T2 T3 T4 T5 及 び T6 の 6 段 階 の 温 度 等 級 に 分 類 している そして それぞれの 分 類 記 号 の 電 気 機 器 を 必 要 とする 爆 発 性 ガスを 同 じ 分 類 記 号 及 び 温 度 等 級 記 号 で 示 し 適 用 上 の 便 宜 を 図 っている 分 類 ⅡA ⅡB 及 びⅡC は もともと 最 大 安 全 隙 間 の 値 による 分 類 であるが 最 小 点 火 電 流 は 最 大 安 全 隙 間 と 相 関 性 があるので これらのどちらかによって 分 類 することができる また 温 度 等 級 T1 T2 T3 T4 T5 及 び T6 については 電 気 機 器 の 最 高 表 面 温 度 が 対 応 する 爆 発 性 ガスの 発 火 温 度 未 満 まで 許 容 されているので 温 度 等 級 の 分 類 における 電 気 機 器 の 最 高 表 面 温 度 の 値 は 爆 発 性 ガスの 発 火 温 度 の 下 限 値 と 同 じである 11
表 13.3 最 大 安 全 隙 間 に 対 応 する 防 爆 電 気 機 器 の 分 類 耐 圧 防 爆 構 造 の 電 気 機 器 分 類 ⅡA ⅡB ⅡC 最 大 安 全 隙 間 の 値 (mm) 0.9 以 上 0.5 を 超 え 0.9 未 満 0.5 以 下 表 13.4 最 小 点 火 電 流 に 対 応 する 防 爆 電 気 機 器 の 分 類 本 質 安 全 防 爆 構 造 の 電 気 機 器 分 類 ⅡA ⅡB ⅡC 最 小 点 火 電 流 比 (メタン=1) 0.8 を 超 えるもの 0.45 を 超 え 0.8 以 下 のもの 0.45 以 下 表 13.5 電 気 機 器 の 温 度 等 級 に 対 応 する 爆 発 性 ガスの 分 類 電 気 機 器 の 最 高 表 面 温 度 ( ) 温 度 等 級 爆 発 性 ガスの 発 火 温 度 ( ) 450 T1 450 を 超 えるもの 300 T2 300 を 超 えるもの 200 T3 200 を 超 えるもの 135 T4 135 を 超 えるもの 100 T5 100 を 超 えるもの 85 T6 85 を 超 えるもの 備 考 電 気 機 器 の 最 高 表 面 温 度 は 周 囲 温 度 40 を 含 む 12
1400 爆 発 危 険 箇 所 の 分 類 に 関 する 基 本 概 念 1410 爆 発 危 険 箇 所 の 種 別 危 険 箇 所 は 爆 発 性 雰 囲 気 の 存 在 する 時 間 と 頻 度 に 応 じて 三 つの 種 別 に 分 類 する 1 API RP505 では 爆 発 性 雰 囲 気 の 生 成 時 間 が 年 間 1,000 時 間 を 超 える 場 合 を 特 別 危 険 箇 所 1,000 時 間 か ら 10 時 間 の 場 合 に 第 一 類 危 険 箇 所 10 時 間 から 1 時 間 の 場 合 を 第 二 類 危 険 箇 所 という 目 安 を 示 している 2 地 震 その 他 予 想 を 超 える 事 故 で 発 生 の 頻 度 が 極 めて 少 なく 爆 発 性 ガスの 漏 洩 が 大 量 で 電 気 設 備 の 防 爆 対 策 の 範 囲 を 超 える 場 合 は 想 定 しない 1411 特 別 危 険 箇 所 特 別 危 険 箇 所 とは 爆 発 性 雰 囲 気 が 通 常 の 状 態 において 連 続 して 又 は 長 時 間 にわたって 若 しくは 頻 繁 に 存 在 する 場 所 をいう 特 別 危 険 箇 所 となりやすい 場 所 の 例 としては ふたが 開 放 された 容 器 内 の 引 火 性 液 体 の 液 面 付 近 がある ただし これは 通 風 換 気 の 良 好 な 場 所 においては 特 別 危 険 箇 所 としての 範 囲 が 狭 くなり 第 一 類 危 険 箇 所 又 は 第 二 類 危 険 箇 所 と 判 定 されることがある 1412 第 一 類 危 険 箇 所 第 一 類 危 険 箇 所 とは 通 常 の 状 態 において 爆 発 性 雰 囲 気 をしばしば 生 成 する 可 能 性 がある 場 所 をいう 第 一 類 危 険 箇 所 となりやすい 場 所 の 例 を 示 せば 次 のとおりである (a) 通 常 の 運 転 操 作 による 製 品 の 取 出 し ふたの 開 閉 などによって 爆 発 性 ガスを 放 出 する 開 口 部 付 近 (b) 点 検 又 は 修 理 作 業 のために 爆 発 性 ガスをしばしば 放 出 する 開 口 部 付 近 (c) 屋 内 又 は 通 風 換 気 が 妨 げられる 場 所 で 爆 発 性 ガスが 滞 留 する 可 能 性 のある 場 所 ただし このよう な 場 所 は 通 風 換 気 がよい 場 合 には 第 一 類 危 険 箇 所 としての 範 囲 は 狭 くなり 第 二 類 危 険 箇 所 又 は 非 危 険 場 所 と 判 定 されることがある 1413 第 二 類 危 険 箇 所 第 二 類 危 険 箇 所 とは 通 常 の 状 態 において 爆 発 性 雰 囲 気 を 生 成 する 可 能 性 が 少 なく また 生 成 した 場 合 でも 短 時 間 しか 持 続 しない 場 所 をいう 1 第 二 類 危 険 箇 所 となりやすい 場 所 の 例 を 示 せば 次 のとおりである (a) ガスケットの 劣 化 などのために 爆 発 性 ガスを 漏 出 する 可 能 性 のある 場 所 (b) 誤 操 作 によって 爆 発 性 ガスを 放 出 したり 異 常 反 応 などのために 高 温 高 圧 となって 爆 発 性 ガスを 漏 出 したりする 可 能 性 のある 場 所 (c) 強 制 換 気 装 置 が 故 障 したとき 爆 発 性 ガスが 滞 留 して 爆 発 性 雰 囲 気 を 生 成 する 可 能 性 のある 場 所 (d) 第 一 類 危 険 箇 所 の 周 辺 又 は 第 二 類 危 険 箇 所 に 隣 接 する 室 内 で 爆 発 性 雰 囲 気 がまれに 侵 入 する 可 能 性 の ある 場 所 2 爆 発 性 雰 囲 気 の 持 続 とは 発 生 から 消 滅 までをいう 3 従 来 二 種 場 所 ( 第 二 類 危 険 箇 所 に 相 当 )は 異 常 な 状 態 において 危 険 雰 囲 気 ( 爆 発 性 雰 囲 気 )を 生 成 する おそれがある 場 所 と 定 義 されていたが 第 二 類 危 険 箇 所 は 通 常 の 状 態 における 爆 発 性 雰 囲 気 の 生 成 の 可 能 性 によって 定 義 される 例 えば 配 管 継 手 の 漏 出 は 一 般 には 無 視 できる 程 度 であるが ガスケットが 経 年 13
劣 化 することによって 漏 出 量 が 増 加 してくる 可 能 性 があり これは 通 常 の 状 態 で 発 生 するものである ま たリリーフバルブは 異 常 反 応 や 誤 操 作 時 に 作 動 するものであるが これは 異 常 な 状 態 ではなく 通 常 の 状 態 での 事 象 と 判 断 され この 周 辺 は 第 二 類 危 険 箇 所 と 定 義 される つまり 通 常 の 状 態 において 想 定 すべき 事 象 の 範 囲 がより 広 くなった 点 に 注 意 を 要 する 1420 放 出 源 の 等 級 放 出 源 は 可 燃 性 物 質 の 放 出 が 起 こる 頻 度 などにより 連 続 級 1 級 及 び2 級 の 三 つの 基 本 的 な 等 級 に 分 類 され さらにこれらの 基 本 的 な 等 級 が 二 つ 以 上 組 み 合 わされた 多 重 放 出 源 に 分 類 される 1421 連 続 級 放 出 源 可 燃 性 物 質 を 連 続 して 放 出 するか 又 は 長 時 間 の 放 出 若 しくは 短 時 間 の 高 頻 度 放 出 をすることが 予 測 さ れる 放 出 源 連 続 級 放 出 源 の 例 をあげれば 次 のとおりである (a) 不 活 性 化 されていない 固 定 屋 根 式 タンク 内 の 引 火 性 液 体 の 表 面 (b) 大 気 に 開 放 された 可 燃 性 液 体 の 表 面 ( 例 えば 油 水 分 離 装 置 ) (c) 爆 発 性 ガスを 大 気 中 に 頻 繁 に 又 は 長 時 間 にわたって 放 出 する 開 放 されたベント 及 びその 他 の 開 口 部 1422 1 級 放 出 源 通 常 の 状 態 で 定 期 的 に 又 はときどき 放 出 することが 予 測 される 放 出 源 1 級 放 出 源 の 例 をあげれば 次 のとおりである (a) ポンプ コンプレッサ 及 びバルブのシールで プロセス 機 器 の 通 常 の 状 態 において 放 出 が 予 測 されるも の (b) 可 燃 性 液 体 を 内 蔵 するタンクに 付 いているプロセス 機 器 の 水 ドレンで 通 常 の 状 態 において 水 を 排 出 す るとき 可 燃 性 物 質 を 大 気 中 に 放 出 するもの (c) 通 常 の 状 態 において 可 燃 性 物 質 を 大 気 中 に 放 出 することが 予 測 される 試 料 採 取 箇 所 (d) 通 常 の 状 態 において 爆 発 性 ガスを 大 気 中 に 放 出 されることが 予 測 されるリリーフバルブ ベント 及 びそ の 他 の 開 口 部 1423 2 級 放 出 源 通 常 の 状 態 では 放 出 することが 予 測 されず もし 放 出 してもまれで しかも 短 時 間 しか 放 出 しない 放 出 源 2 級 放 出 源 の 例 をあげれば 次 のとおりである (a) ポンプ コンプレッサ 及 びバルブのシールで プロセス 機 器 の 通 常 の 状 態 においては 放 出 が 起 きること が 予 測 されないもの (b) フランジ 継 手 及 び 配 管 附 属 品 (c) 通 常 の 状 態 においては 可 燃 性 物 質 を 大 気 中 に 放 出 することが 予 測 されない 試 料 採 取 箇 所 (d) 通 常 の 状 態 において 爆 発 性 ガスを 大 気 中 に 放 出 されることが 予 測 されないリリーフバルブ ベント 及 び その 他 の 開 口 部 14
1430 換 気 の 種 類 換 気 は 危 険 箇 所 の 分 類 のために 次 の 4 種 類 に 分 類 される 1431 自 然 換 気 風 又 は 温 度 勾 配 の 効 果 による 空 気 の 移 動 又 は 新 鮮 な 空 気 との 置 換 自 然 換 気 の 例 は 次 のとおりである (a) 開 放 構 造 物 パイプラックなどからなる 化 学 工 業 及 び 石 油 工 業 における 環 境 に 代 表 される 開 放 された 場 所 (b) 対 象 とする 爆 発 性 ガスの 蒸 気 密 度 を 考 慮 して 危 険 箇 所 の 分 類 の 目 的 のための 建 物 内 の 換 気 が 開 放 さ れた 環 境 における 換 気 と 同 等 にみなしうるような 寸 法 及 び 位 置 の 開 口 部 を 壁 又 は 屋 根 に 設 けた 開 放 建 物 (c) 開 放 建 物 ではないが 換 気 目 的 のために 設 けられた 恒 久 的 な 開 口 部 による 自 然 換 気 がある 建 物 1432 全 体 強 制 換 気 人 工 的 な 方 法 ( 例 えば 壁 や 屋 根 に 換 気 扇 を 設 けて 排 気 給 気 又 はその 両 方 を 行 う 方 法 )による 空 気 の 移 動 又 は 新 鮮 な 空 気 との 置 換 で 一 般 的 な 場 所 に 適 用 するもの 全 体 強 制 換 気 の 例 は 次 のとおりである (a) 建 物 内 の 全 体 換 気 を 改 善 するために 壁 又 は 屋 根 に 換 気 扇 を 設 けた 建 物 (b) 区 域 の 全 体 換 気 を 改 善 するために 適 切 な 位 置 に 換 気 扇 を 設 けた 開 放 された 環 境 1433 局 所 強 制 換 気 人 工 的 な 方 法 ( 主 として 排 出 フードを 用 いた 強 制 排 気 法 )による 空 気 の 移 動 又 は 新 鮮 な 空 気 との 置 換 で 特 定 の 放 出 源 又 は 局 所 に 適 用 するもの 局 所 強 制 換 気 の 例 は 次 のとおりである (a) 連 続 的 に 又 は 周 期 的 に 爆 発 性 ガスを 放 出 するプロセス 機 器 又 は 容 器 に 適 用 される 空 気 爆 発 性 ガス 排 出 システム (b) 爆 発 性 雰 囲 気 が 生 成 すると 予 測 される 換 気 不 十 分 な 小 さい 局 所 場 所 に 適 用 される 押 込 み 又 は 吸 出 し 換 気 システム 1434 無 換 気 新 鮮 な 空 気 との 置 換 が 講 じられていない 状 態 ただし 放 出 源 の 周 囲 に 比 べて 内 部 の 容 積 が 大 きい 建 物 内 では 必 ずしもその 場 所 が 無 換 気 であると 考 える 必 要 はない 無 換 気 の 場 所 の 例 は 恒 久 的 な 開 口 部 のない 容 器 又 は 室 である 15
1500 防 爆 電 気 設 備 の 計 画 1510 計 画 の 進 め 方 工 場 その 他 の 事 業 場 において 防 爆 電 気 設 備 の 計 画 を 進 める 場 合 には あらかじめ 次 の 各 項 について 検 討 する ( 1 ) 爆 発 危 険 箇 所 の 種 別 と 範 囲 立 地 条 件 建 物 の 配 置 装 置 及 び 機 械 の 配 置 運 転 及 び 保 守 の 状 況 可 燃 性 物 質 の 特 性 及 び 使 用 状 態 放 出 源 の 等 級 換 気 の 状 態 などを 考 慮 して 爆 発 危 険 箇 所 の 種 別 と 範 囲 を 検 討 する ( 2 ) 爆 発 危 険 箇 所 における 電 気 設 備 の 選 定 爆 発 危 険 箇 所 の 種 別 対 象 とする 爆 発 性 ガスの 分 類 及 び 発 火 度 温 度 等 級 点 検 及 び 保 守 の 難 易 度 などを 考 慮 して 防 爆 電 気 機 器 及 び 配 線 方 法 の 選 定 を 行 う 電 気 室 計 器 室 操 作 室 などは 非 危 険 場 所 に 設 置 することが 望 ましいが それができない 場 合 は 内 圧 室 にすることを 検 討 する 1520 爆 発 危 険 箇 所 の 判 定 1521 爆 発 危 険 箇 所 判 定 の 目 的 爆 発 危 険 箇 所 を 判 定 する 目 的 は 防 爆 電 気 設 備 の 選 定 を 適 正 にして 均 衡 のとれた 防 爆 対 策 を 実 施 する ためである その 基 本 は 爆 発 性 ガスの 濃 度 によって 行 うのではなく あくまで 濃 度 が 爆 発 限 界 に 達 す る 確 率 によって 行 うものである したがって その 確 率 を 数 値 で 示 し その 値 に 従 って 分 類 することが 望 ましいが 確 率 を 定 量 的 に 決 定 することが 困 難 であるので 爆 発 性 雰 囲 気 の 存 在 する 時 間 と 頻 度 に 応 じて 特 別 危 険 箇 所 第 一 類 危 険 箇 所 第 二 類 危 険 箇 所 又 は 非 危 険 場 所 のいずれかの 区 域 に 概 念 的 に 分 類 する 1522 爆 発 危 険 箇 所 判 定 の 基 本 爆 発 危 険 箇 所 判 定 の 基 本 は 次 による ( 参 考 資 料 3 参 照 ) ( 1 ) 爆 発 危 険 箇 所 が 特 別 危 険 箇 所, 第 一 類 危 険 箇 所 又 は 第 二 類 危 険 箇 所 のいずれに 該 当 するかの 判 定 は 爆 発 性 ガスの 発 生 条 件 物 理 的 性 質 などを 考 慮 して 爆 発 性 雰 囲 気 が 存 在 する 時 間 及 び 頻 度 の 大 小 によって 行 うものとする このため まず 放 出 源 の 有 無 を 確 認 の 上 放 出 源 の 等 級 を 決 定 する ( 2 ) 爆 発 性 雰 囲 気 の 生 成 の 有 無 を 検 討 するに 当 たっては その 場 所 における 空 間 の 広 さ 可 燃 性 物 質 の 種 類 及 び 量 装 置 及 び 作 業 の 種 類 換 気 の 良 否 ないし 有 効 な 換 気 装 置 の 有 無 などを 考 慮 して 行 う ものとする ( 3 ) 取 扱 う 可 燃 性 物 質 の 状 態 ( 温 度 圧 力 )により 爆 発 性 雰 囲 気 の 生 成 範 囲 が 異 なるので 爆 発 危 険 箇 所 の 範 囲 を 決 める 際 にこの 点 を 反 映 させるものとする 1523 放 出 源 の 検 討 各 種 のプロセス 機 器 (タンク ポンプ パイプライン 容 器 など)は 可 燃 性 物 質 の 潜 在 的 な 放 出 源 と 考 えられる もし プロセス 機 器 の 各 々が 可 燃 性 物 質 を 内 蔵 することができなければ その 機 器 の 周 囲 16
に 爆 発 危 険 箇 所 は 生 じない また それが 可 燃 性 物 質 を 内 蔵 していても 可 燃 性 物 質 を 雰 囲 気 中 に 放 出 す ることができなければ その 機 器 の 周 囲 に 爆 発 危 険 箇 所 は 生 じない もし あるプロセス 機 器 が 雰 囲 気 中 に 可 燃 性 物 質 を 放 出 することが 判 明 したならば 第 一 に 放 出 頻 度 及 び 放 出 時 間 を 想 定 することによって 放 出 源 の 等 級 を 決 定 する 必 要 がある 1524 換 気 の 検 討 雰 囲 気 中 に 放 出 された 爆 発 性 ガスは 空 気 中 における 拡 散 又 は 分 散 によってその 濃 度 が 爆 発 下 限 界 未 満 になるまで 希 釈 される 換 気 すなわち 空 気 の 動 きは 主 として 分 散 を 促 進 する 換 気 の 度 合 い 例 えば 1 時 間 当 たりの 換 気 回 数 は 爆 発 危 険 箇 所 の 種 別 及 び 範 囲 に 影 響 する 最 も 重 要 なことは 爆 発 危 険 箇 所 における 最 適 換 気 条 件 を 達 成 するために 換 気 の 設 計 を 放 出 源 と 関 連 させて 行 うことである 換 気 の 効 果 を 考 える 際 には 爆 発 性 ガスの 蒸 気 密 度 が 重 要 であり 換 気 装 置 の 配 置 を 決 定 するとき 特 に 考 慮 する 必 要 が ある ( 1 ) 自 然 換 気 及 び 全 体 強 制 換 気 の 場 合 原 則 として 連 続 級 放 出 源 は 特 別 危 険 箇 所 を 1 級 放 出 源 は 第 一 類 危 険 箇 所 を そして 2 級 放 出 源 は 第 二 類 危 険 箇 所 を 形 成 する しかし 換 気 の 程 度 が 良 ければ 爆 発 危 険 箇 所 の 範 囲 は 無 視 しうる ほど 小 さくなり より 危 険 度 の 低 い 種 別 になるか 著 しくよければ 非 危 険 場 所 になることもある これに 反 して 換 気 の 程 度 が 悪 ければ 爆 発 危 険 箇 所 はより 大 きい 範 囲 となり ある 場 合 には よ り 危 険 度 の 高 い 種 別 になる ( 2 ) 換 気 装 置 が 故 障 した 場 合 換 気 装 置 が 作 動 しているのが 通 常 の 状 態 であれば 爆 発 危 険 箇 所 の 分 類 は 換 気 装 置 が 作 動 してい ることを 前 提 とし その 上 で 換 気 装 置 が 故 障 したときの 危 険 を 考 えるべきである もし 換 気 装 置 の 故 障 の 危 険 が 無 視 できる 場 合 ( 例 えば 別 個 の 自 動 待 機 システムが 設 置 されている 場 合 )には 換 気 装 置 の 作 動 を 前 提 として 決 定 した 爆 発 危 険 箇 所 の 種 別 は 変 更 する 必 要 がない しかし 換 気 装 置 の 故 障 の 可 能 性 が 無 視 できないならば 強 制 換 気 がないときに 爆 発 性 雰 囲 気 が 広 がる 範 囲 ととも に 予 測 される 換 気 装 置 の 故 障 の 頻 度 及 び 持 続 時 間 を 想 定 すべきである この 広 がりの 範 囲 は 換 気 装 置 の 作 動 を 前 提 としてすでに 決 定 した 爆 発 危 険 箇 所 範 囲 よりも 大 きくなることがある 1 配 管 類 に 対 する 爆 発 危 険 箇 所 判 定 例 を 示 すと 次 のとおりである (a) バルブ 継 手 などのない 配 管 類 は 原 則 として 放 出 源 とみなさない (b) バルブ 継 手 などのある 配 管 類 に 対 しては 次 による (ⅰ) 通 常 状 態 で 漏 洩 している 場 合 は (イ) 通 風 換 気 が 良 い 箇 所 は 1 級 放 出 源 周 辺 に 第 一 類 危 険 箇 所 あるいは 第 二 類 危 険 箇 所 の 爆 発 危 険 箇 所 を 生 成 する (ロ) 通 風 換 気 が 悪 い 箇 所 は 1 級 放 出 源 周 辺 に 特 別 危 険 箇 所 あるいは 第 一 類 危 険 箇 所 の 爆 発 危 険 箇 所 を 生 成 する (ⅱ) 通 常 の 状 態 で 漏 洩 するおそれがないが ガスケットが 劣 化 した 場 合 などに(2 級 放 出 源 ) 周 辺 に 第 二 類 危 険 箇 所 の 爆 発 危 険 箇 所 を 生 成 する 2 容 器 類 に 対 する 考 え 方 は それらが 可 燃 性 物 質 の 密 封 容 器 として 所 定 の 構 造 を 備 えていて 開 くことがな い 場 合 は 原 則 として 放 出 源 とみなさない 17
1525 範 囲 の 検 討 爆 発 危 険 箇 所 の 範 囲 を 定 めるには 爆 発 性 ガスの 比 重 放 出 量 放 出 速 度 放 出 方 向 などがガスの 濃 度 分 布 に 大 きな 影 響 を 与 えることに 留 意 し その 影 響 を 考 慮 しなければならない 爆 発 危 険 箇 所 の 範 囲 決 定 の 方 法 は 次 による ( 1 ) 爆 発 危 険 箇 所 の 範 囲 を 決 定 するには まず その 根 源 となる 放 出 源 及 び 可 燃 性 物 質 について 調 査 し 個 々の 条 件 を 検 討 する ( 2 ) 空 気 より 重 い 爆 発 性 ガスの 爆 発 危 険 箇 所 の 範 囲 と 空 気 より 軽 い 爆 発 性 ガスの 爆 発 危 険 箇 所 の 範 囲 は 当 然 異 なるべきであり この 中 間 の 重 さの 場 合 には 両 者 の 考 え 方 を 考 慮 して 定 めるべきである 爆 発 危 険 箇 所 の 範 囲 決 定 のための 爆 発 性 ガスの 蒸 気 密 度 ( 空 気 を 1 とした 場 合 )による 分 類 としては 次 の ような 例 がある (IEC 60079-10 2002 4.4.4) 空 気 より 重 い 爆 発 性 ガス 蒸 気 密 度 1.2 超 のもの 空 気 より 軽 い 爆 発 性 ガス 蒸 気 密 度 0.8 未 満 のもの 空 気 と 同 程 度 の 爆 発 性 ガス 蒸 気 密 度 0.8~1.2 のもの 爆 発 危 険 箇 所 の 範 囲 例 としては IEC 60079-10 米 国 石 油 協 会 (API) 英 国 石 油 協 会 (IP)のものなどが 知 られている 1530 防 爆 電 気 設 備 の 選 定 1531 選 定 上 の 留 意 事 項 防 爆 電 気 機 器 及 び 防 爆 電 気 配 線 の 選 定 に 当 たっては 次 により 対 象 とする 爆 発 性 ガスの 危 険 特 性 防 爆 構 造 の 特 質 環 境 条 件 温 度 上 昇 に 影 響 する 外 的 諸 条 件 などを 考 慮 しなければならない ( 1 ) 爆 発 性 ガスの 危 険 特 性 (a) 耐 圧 防 爆 構 造 又 は 本 質 安 全 防 爆 構 造 の 電 気 機 器 は 表 示 された 爆 発 等 級 ( 又 は 分 類 )の 記 号 が 対 象 とする 爆 発 性 ガスの 最 大 安 全 隙 間 又 は 最 小 点 火 電 流 に 適 切 に 対 応 するものを 選 定 すること (b) すべての 防 爆 構 造 の 電 気 機 器 は 表 示 された 発 火 度 ( 又 は 温 度 等 級 )が 対 象 とする 爆 発 性 ガスの 発 火 温 度 に 適 切 に 対 応 するものを 選 定 すること (c) 対 象 とする 爆 発 性 ガスが 2 種 類 以 上 存 在 する 場 合 は 上 記 (a) 及 び(b)のそれぞれについて 最 も 危 険 度 の 高 い 危 険 特 性 に 適 切 に 対 応 する 電 気 機 器 を 選 定 すること なお 対 象 とする 爆 発 性 ガスが 2 種 類 以 上 の 物 質 の 混 合 物 である 場 合 には 混 合 物 としての 危 険 特 性 に 適 切 に 対 応 する 電 気 機 器 を 選 定 すること ( 2 ) 防 爆 電 気 機 器 の 特 質 すべての 防 爆 電 気 機 器 は 爆 発 危 険 箇 所 での 使 用 に 適 するように 考 案 され 設 計 されているが 電 気 機 器 の 種 類 対 象 とする 爆 発 性 ガスの 種 類 使 用 条 件 などによって 防 爆 構 造 の 特 質 に 差 異 があ るので このようなことを 考 慮 して 爆 発 危 険 箇 所 の 種 別 ( 特 別 危 険 箇 所, 第 一 類 危 険 箇 所 又 は 第 二 類 危 険 箇 所 )に 適 切 に 対 応 するものを 選 定 すること 18
( 3 ) 環 境 条 件 防 爆 電 気 機 器 は 一 般 に 下 記 ( 大 括 弧 内 は IEC 60079-0 の 規 定 によるもの)の 標 準 的 な 環 境 条 件 を 前 提 として 設 計 されているので 標 高 ( 又 は 気 圧 ) 周 囲 温 度 若 しくは 相 対 湿 度 が 所 定 の 範 囲 を 超 える 場 所 又 は 腐 食 性 ガスが 存 在 するなどの 特 殊 な 環 境 条 件 の 場 所 で 使 用 する 場 合 には 特 にそ れらの 環 境 条 件 に 適 応 するものを 選 定 すること (a) 標 高 :1,000m 以 下 気 圧 :80~110kPa (0.8~1.1bar) (b) 周 囲 温 度 :-20~+40 周 囲 温 度 :-20~+60 わが 国 で 標 高 に 上 限 を 設 けているのは 標 高 が 高 くなると 空 気 が 希 薄 になるために 熱 放 散 が 悪 くなること を 考 慮 したものであり IEC 60079-0 で 気 圧 に 下 限 を 設 けたのも 同 様 であると 考 えられる また わが 国 にお ける 周 囲 温 度 -20 ~+40 及 び 相 対 湿 度 45~85%は 一 般 的 に 電 気 機 器 の 使 用 を 考 慮 した 数 値 である しか し 相 対 湿 度 に 関 しては この 範 囲 を 超 えても 特 殊 な 環 境 条 件 とは 考 えないのが 普 通 である これに 対 して IEC 60079-0 に 規 定 されている 気 圧 の 上 限 及 び 周 囲 温 度 の 範 囲 は 爆 発 性 雰 囲 気 の 爆 発 特 性 を 考 慮 した 数 値 であって 気 圧 が 規 定 の 上 限 を 超 えるか 周 囲 温 度 が-20 未 満 になれば 爆 発 圧 力 が 無 視 できな いほど 高 くなるだけでなく 最 大 安 全 隙 間 も 小 さくなる また 周 囲 温 度 が 60 を 超 えれば 最 大 安 全 隙 間 が 無 視 できないほど 小 さくなるので このような 環 境 条 件 で 使 用 する 耐 圧 防 爆 構 造 及 び 本 質 安 全 防 爆 構 造 の 電 気 機 器 は 特 にこれらの 特 性 データを 考 慮 して 設 計 される 必 要 がある ( 4 ) 温 度 上 昇 に 影 響 する 外 的 諸 条 件 防 爆 電 気 機 器 は 周 囲 温 度 冷 却 媒 体 の 温 度 及 び 流 量 外 部 からの 熱 伝 導 及 び 熱 放 射 などによっ て 温 度 が 異 常 に 上 昇 し 防 爆 性 能 に 影 響 を 及 ぼすおそれがあるので これらの 諸 条 件 を 考 慮 して 選 定 すること ( 5 ) 電 気 的 保 護 使 用 中 の 異 常 状 態 によって 防 爆 性 能 に 影 響 を 及 ぼすおそれがある 防 爆 電 気 機 器 は 適 切 な 保 護 装 置 を 設 けたものを 選 定 すること 1532 電 気 機 器 の 防 爆 構 造 の 選 定 の 原 則 爆 発 危 険 箇 所 の 各 種 別 に 適 応 する 電 気 機 器 の 防 爆 構 造 の 種 類 は 表 15.1 を 原 則 として 選 定 する 19
表 15.1 電 気 機 器 の 防 爆 構 造 の 選 定 の 原 則 準 拠 規 格 防 爆 構 造 の 種 類 と 記 号 特 別 危 険 箇 所 第 一 類 危 険 箇 所 第 二 類 危 険 箇 所 構 造 規 格 本 質 安 全 防 爆 構 造 ia 本 質 安 全 防 爆 構 造 ib 耐 圧 防 爆 構 造 d 内 圧 防 爆 構 造 f 安 全 増 防 爆 構 造 e 油 入 防 爆 構 造 o 非 点 火 防 爆 構 造 n 樹 脂 充 填 防 爆 構 造 ma 樹 脂 充 填 防 爆 構 造 mb 特 殊 防 爆 構 造 s - - 技 術 的 基 準 本 質 安 全 防 爆 構 造 Ex ia 本 質 安 全 防 爆 構 造 Ex ib 耐 圧 防 爆 構 造 Ex d 内 圧 防 爆 構 造 Ex p 安 全 増 防 爆 構 造 Ex e 油 入 防 爆 構 造 Ex o 備 考 1. 表 中 の 記 号 一 の 意 味 は 次 のとおりである 印 : 適 するもの 印 : 法 規 では 容 認 されているが 避 けたいもの 印 : 適 さないもの 一 印 : 適 用 されている 防 爆 原 理 によって 適 否 を 判 断 すべきもの 2. 特 殊 防 爆 構 造 の 電 気 機 器 は その 防 爆 構 造 によって 使 用 に 適 する 爆 発 危 険 箇 所 が 決 定 される 1533 防 爆 電 気 配 線 ( 配 線 用 附 属 品 類 を 含 む)の 選 定 防 爆 電 気 配 線 の 選 定 に 当 たっては 1531 の 電 気 配 線 にも 適 用 できる 諸 条 件 を 考 慮 しなければならない ( 1 ) 爆 発 危 険 箇 所 の 種 別 に 対 する 配 線 方 法 の 選 定 の 原 則 爆 発 危 険 箇 所 の 種 別 に 対 応 する 防 爆 電 気 配 線 の 配 線 方 法 の 選 定 の 原 則 を 表 15.2 に 示 す 表 15.2 防 爆 電 気 配 線 における 配 線 方 法 の 選 定 の 原 則 配 線 方 法 特 別 危 険 箇 所 第 一 類 危 険 箇 所 第 二 類 危 険 箇 所 ケーブル 配 線 本 安 回 路 以 外 の 配 線 金 属 管 配 線 移 動 電 気 機 器 の 配 線 本 安 回 路 の 配 線 備 考 金 属 管 配 線 は 高 圧 配 線 爆 発 等 級 3 及 び 分 類 ⅡC には 適 さない 20
( 2 ) ケーブル 配 線 における 引 込 方 式 (ケーブルグランド)の 選 定 例 電 気 機 器 の 端 子 箱 等 の 防 爆 構 造 別 に ケーブルの 種 類 に 適 応 する 引 込 方 式 (ケーブルグランド) の 選 定 例 を 示 せば 表 15.3 のとおりである 表 15.3 ケーブルの 引 込 方 式 (ケーブルグランド)の 選 定 例 電 気 機 器 の 端 子 箱 等 の 防 爆 構 造 引 込 方 式 ケーブル コ ム フ ラスチック 金 属 鎧 装 鉛 被 MI 耐 圧 パッキン 式 耐 圧 防 爆 構 造 耐 圧 固 着 式 耐 圧 スリーブ 金 具 式 安 全 増 防 爆 構 造 パッキン 式 固 着 式 備 考 1. 電 気 機 器 の 端 子 箱 等 は 電 気 機 器 によって 本 体 容 器 の 一 部 分 であるか 又 は 端 子 箱 である また 接 続 箱 は 法 規 上 電 気 機 器 ではないが ケーブルの 引 込 方 式 の 適 用 においては 電 気 機 器 の 端 子 箱 等 と 同 等 に 取 り 扱 われる 2. シースの 内 部 に 空 隙 の 多 いゴム プラスチックケーブルは 固 着 式 には 不 向 きであり 耐 圧 固 着 式 ケーブルグラン ドを 用 いても 十 分 な 耐 圧 防 爆 性 能 を 確 保 しがたい 3. 表 中 の 印 は 適 するもの ここで 引 込 方 式 (ケーブルグランド) と 表 記 したのは 防 爆 電 気 機 器 の 流 通 の 実 態 に 合 わせて 電 気 機 器 のケーブル 引 込 部 をケーブルグランドに 置 き 換 えたものである ケーブル 引 込 部 は 電 気 機 器 の 一 部 であり 電 気 機 器 と 一 体 で 供 給 されなければならない ( 3 ) 金 属 管 配 線 における 電 線 管 用 附 属 品 の 選 定 例 電 気 機 器 の 端 子 箱 等 の 防 爆 構 造 の 種 類 に 適 応 する 電 線 管 用 附 属 品 の 選 定 例 を 示 せば 表 15.4 のと おりである 表 15.4 電 線 管 用 附 属 品 の 選 定 例 電 線 管 用 附 属 品 の 種 類 電 気 機 器 の 端 子 箱 等 の 防 爆 構 造 ユニオンカップ リング アダプ タ ニップル フレクシブル フィッチング シーリング フィッチング ボックス 類 耐 圧 耐 圧 安 全 増 耐 圧 耐 圧 安 全 増 耐 圧 防 爆 構 造 安 全 増 防 爆 構 造 備 考 1. 電 気 機 器 の 端 子 箱 については 表 15.3 の 備 考 1.に 準 ずる 2. ボックス 類 は 電 気 機 器 とシーリングフィッチングとの 間 には 上 記 により 選 定 するが シーリングフ ィッチングの 外 側 に 設 置 する 場 合 は これによる 必 要 はない 3. 電 気 機 器 の 端 子 箱 等 の 一 部 としてシーリングが 設 けられている 場 合 は 重 ねてシーリングフィッチン グを 設 ける 必 要 はない 4. 表 中 の 印 は 適 するもの 印 は 適 さないものを 示 す 21
1540 内 圧 室 1541 適 用 範 囲 本 節 は 建 屋 の 一 部 ( 部 屋 ) 又 は 独 立 した 建 屋 を 全 閉 構 造 とし その 室 内 に 清 浄 な 空 気 を 送 入 し 常 に 室 内 の 気 圧 を 外 気 圧 より 高 く 保 ち 外 部 の 爆 発 性 雰 囲 気 の 侵 入 を 防 止 するために 必 要 な 事 項 を 定 めたもの である このような 場 所 を 内 圧 室 といい 非 危 険 場 所 とみなす 内 圧 室 は 管 理 する 者 が 常 時 室 内 にいることを 原 則 として 定 めたものであり 人 が 入 れないような 電 気 設 備 のみの 室 は 該 当 しないものとする 1542 位 置 の 選 定 内 圧 室 を 設 ける 位 置 は 危 険 場 所 内 のできるだけ 安 全 な 場 所 で かつ 事 故 の 際 内 部 の 作 業 者 が 容 易 に 避 難 できるような 場 所 を 選 ばなければならない 1543 室 の 構 造 内 圧 室 の 構 造 は 次 の 各 項 によるものとする ( 1 ) 構 成 材 料 (a) 柱 壁 天 井 屋 根 床 とびらなどの 主 要 構 成 材 料 は 不 燃 性 材 料 とすること (b) 室 の 構 成 材 料 及 び 構 造 は 爆 発 性 ガスの 侵 入 しにくいものであること ( 2 ) 出 入 口 (a) 出 入 口 は 2 箇 所 以 上 設 け そのうち 少 なくとも 1 箇 所 は 放 出 源 の 存 在 しない 場 所 に 面 すること (b) 出 入 口 のとびらは すべて 外 開 きとし 危 険 場 所 に 開 口 する 出 入 口 は 二 重 扉 とすること ( 3 ) 窓 危 険 場 所 に 面 する 窓 は 原 則 として 開 放 できない 構 造 とすること このため 夏 期 は 空 気 の 冷 却 などにより 室 温 の 上 昇 を 防 ぐ 措 置 を 講 ずることが 必 要 である 1544 内 圧 室 の 配 線 引 込 口 危 険 場 所 から 室 内 に 配 線 及 び 配 管 類 を 引 込 む 場 合 の 引 込 口 は 爆 発 性 ガスの 侵 入 を 防 止 できる 構 造 でな ければならない 1545 通 風 ( 1 ) 内 圧 室 へ 送 給 する 空 気 の 取 入 口 は 常 に 清 浄 な 空 気 の 取 入 れを 確 保 するため 放 出 源 に 対 して 距 離 高 さ 風 向 きなどを 考 慮 し 十 分 に 安 全 な 位 置 を 選 ばなければならない ( 2 ) 送 入 する 空 気 の 風 量 及 び 圧 力 は 室 の 広 さ 室 内 における 電 気 設 備 の 配 置 排 出 口 の 位 置 などを 考 慮 し 出 入 口 付 近 における 室 内 の 圧 力 が 外 気 圧 より 高 い 状 態 を 保 持 できるようにしなければならな い ( 3 ) 内 圧 室 の 各 部 の 圧 力 は 外 部 よりも 最 低 25Pa(0.25mbar) 高 くすること 22
( 4 ) 保 護 用 ダクトとそれらの 接 続 部 は 正 常 な 使 用 状 態 においてこれらの 管 路 に 生 じる 圧 力 の 1.5 倍 に 耐 えるものであること なお 最 低 200Pa の 圧 力 に 耐 えること 1546 保 護 装 置 室 内 の 気 圧 保 持 のため 保 護 装 置 を 設 け 異 常 を 生 じた 場 合 は 警 報 などによりこれを 確 実 に 知 ることが できなければならない 1547 通 電 通 電 前 に 室 内 が 爆 発 性 雰 囲 気 でないこと 及 び 加 圧 していることを 確 認 して 電 源 を 供 給 するものである こと 原 則 として 窓 を 開 放 できない 構 造 としたのは 夏 期 の 暑 さのため 危 険 場 所 に 面 する 窓 を 開 放 することによる 危 険 を 防 止 するためである 1550 電 気 設 備 の 防 爆 対 策 の 特 例 ( 1 ) 換 気 装 置 とインターロックを 持 つ 防 爆 対 策 の 特 例 建 家 の 内 部 は 換 気 の 程 度 によって 爆 発 危 険 箇 所 の 範 囲 が 狭 くなるか より 危 険 度 の 低 い 爆 発 危 険 箇 所 となるか あるいは 非 危 険 場 所 となる したがって 全 体 強 制 換 気 又 は 局 所 強 制 換 気 を 活 用 して 爆 発 危 険 箇 所 の 種 別 及 び 範 囲 を 低 減 するとともに 換 気 装 置 とインターロックをもたせるこ とにより 一 般 の 電 気 機 器 を 使 用 することも 可 能 となる 場 合 がある ( 2 ) ガス 検 知 器 とインターロックをもつ 電 気 設 備 爆 発 性 雰 囲 気 の 存 在 する 範 囲 が 狭 く 持 続 時 間 も 短 い 場 合 は 放 出 源 の 周 囲 の 環 境 をガス 検 知 器 で 検 知 し 爆 発 性 ガスの 濃 度 が 爆 発 下 限 界 の 25% 以 下 の 場 合 に 限 り ガス 検 知 器 とインターロック をもたせることにより 一 般 の 電 気 機 器 を 使 用 することも 可 能 である 1560 研 究 室 実 験 室 等 における 電 気 設 備 の 防 爆 対 策 研 究 室 実 験 室 等 では 取 扱 う 可 燃 性 物 質 が 多 種 多 様 であり 危 険 特 性 が 十 分 に 知 られていない 可 燃 性 物 質 を 取 扱 うこともある また 防 爆 構 造 にすることが 困 難 な 実 験 用 機 器 を 必 要 とすることも 考 えられる したがって これらの 場 所 の 防 爆 対 策 としては 次 のような 措 置 を 講 ずることが 推 奨 される ( 1 ) 可 燃 性 物 質 の 濃 度 が 爆 発 下 限 界 より 十 分 に 低 くなるように 十 分 な 能 力 の 換 気 設 備 を 設 置 し 室 全 体 を 非 危 険 場 所 とする この 場 合 において 換 気 量 が 過 大 になるときは 可 燃 性 物 質 をドラフトチャ ンバ 内 で 取 扱 い 強 制 排 気 による 局 所 換 気 装 置 を 設 置 することにより 全 体 の 排 気 設 備 の 容 量 を 小 さくすることができる ( 2 ) 可 燃 性 物 質 を 取 扱 う 設 備 等 は 室 の 一 部 に 集 中 させ 局 所 換 気 能 力 を 向 上 させて 可 燃 性 物 質 の 濃 度 が 爆 発 下 限 界 より 十 分 低 くなるようにする また 風 量 調 節 その 他 の 理 由 で 十 分 な 局 所 換 気 をするこ とが 困 難 な 場 合 には 可 燃 性 物 質 の 周 辺 の 電 気 設 備 は 適 切 な 防 爆 構 造 のものとする ( 3 ) 可 燃 性 物 質 を 多 量 に 取 扱 う 実 験 は 専 用 の 室 で 行 うこととし 工 場 事 業 場 と 同 様 な 爆 発 危 険 箇 所 の 23
分 類 及 び 防 爆 電 気 設 備 の 選 定 を 行 う この 場 合 にも 1550 電 気 設 備 の 防 爆 対 策 の 特 例 を 適 用 し 一 般 の 電 気 設 備 を 使 用 することができる ただし 電 源 を 遮 断 する 前 に 他 のインターロック 作 動 によ って 実 験 が 安 全 方 向 に 進 むことを 確 保 する 必 要 がある ( 4 ) 取 扱 う 可 燃 性 物 質 の 種 類 や 漏 洩 の 状 況 が 変 わるような 場 合 には それまでの 防 爆 対 策 が 適 切 なもの であるか 否 かを 再 検 討 する 送 入 する 空 気 の 風 量 及 び 風 圧 を 特 に 規 定 しなかったのは 室 の 構 造 又 は 広 さなどにより これを 一 律 に 規 定 することが 困 難 であるためで 出 入 口 において 室 内 の 気 圧 が 外 気 圧 より 高 く 二 重 とびらの 構 造 と 相 まって 外 気 が 室 内 に 侵 入 することがなければよいものとした また 通 風 に 異 常 を 生 じた 場 合 の 警 報 とは 通 風 装 置 が 止 まるなどの 場 合 を 考 慮 したものであり 警 報 により 事 後 の 安 全 対 策 が 講 じられるものとする 24
2000 電 気 機 器 の 防 爆 構 造 2100 防 爆 構 造 一 般 2110 適 用 範 囲 本 編 は 爆 発 危 険 箇 所 に 単 独 に 又 は 他 の 機 械 装 置 の 一 部 として 使 用 される 電 気 機 械 及 び 電 気 器 具 ( 以 下 電 気 機 器 という)の 防 爆 構 造 について 定 めたものである ただし 本 質 安 全 防 爆 構 造 については 非 危 険 場 所 に 設 置 される 本 安 機 器 及 び 本 安 関 連 機 器 にも 適 用 する また 特 殊 防 爆 構 造 については 公 的 機 関 の 判 断 によるものとする なお 本 編 に 定 めない 事 項 は それぞれの 電 気 機 器 の 一 般 規 格 によるものとする 2120 一 般 事 項 2121 用 語 の 意 味 本 編 で 用 いる 主 な 用 語 の 意 味 は 次 のとおりとする ( 1 ) 錠 締 (じょうじめ) 錠 締 とは 特 殊 な 工 具 を 使 用 しなければ 締 付 部 を 緩 めることができないようにするものをいう ( 2 ) 絶 縁 空 間 距 離 絶 縁 空 間 距 離 とは 裸 充 電 部 分 とこれと 絶 縁 されるべき 他 の 部 分 との 間 における 最 短 空 間 距 離 を いう ( 3 ) 沿 面 距 離 沿 面 距 離 とは 裸 充 電 部 分 とこれと 絶 縁 されるべき 他 の 部 分 との 間 において 絶 縁 物 の 表 面 に 沿 って 漏 電 のおこり 得 る 最 短 距 離 をいう ( 4 ) 離 隔 距 離 離 隔 距 離 とは 合 成 樹 脂 などの 絶 縁 物 によって 完 全 に 充 填 された 充 電 部 間 の 最 短 距 離 をいう ( 5 ) 容 器 容 器 とは 回 転 機 の 外 被 変 圧 器 及 び 開 閉 器 の 外 箱 などのように 防 爆 構 造 を 構 成 するための 包 被 をいう ( 6 ) インターロック 開 閉 器 インターロック 開 閉 器 とは 無 電 圧 状 態 でなければ 容 器 を 開 くことができないように 電 気 機 器 に 組 込 まれた 電 源 開 放 装 置 をいう ( 7 ) 透 明 窓 透 明 窓 とは 容 器 の 一 部 を 構 成 し 容 器 内 部 をみるために 透 明 板 を 用 いた 窓 をいう ( 8 ) 火 炎 逸 走 火 炎 逸 走 とは 耐 圧 防 爆 構 造 の 容 器 において 内 部 の 爆 発 によって 生 ずる 火 炎 及 び 高 温 ガスなど が 容 器 の 接 合 面 を 通 過 して 周 囲 の 爆 発 性 ガスに 着 火 することをいう 25
( 9 ) スキ スキとは 耐 圧 防 爆 構 造 の 容 器 において 内 部 に 爆 発 圧 力 が 加 わっていない 状 態 での 接 合 面 の 最 大 隙 間 をいう (10) スキの 奥 行 スキの 奥 行 とは 耐 圧 防 爆 構 造 の 容 器 接 合 面 においてスキをもつ 部 分 の 最 小 長 さをいう (11) 保 護 気 体 保 護 気 体 とは 内 圧 防 爆 構 造 において 容 器 内 の 圧 力 を 所 定 の 値 に 保 持 するために 使 用 する 清 浄 な 空 気 不 活 性 ガスなどをいう (12) 掃 気 掃 気 とは 内 圧 防 爆 構 造 において 通 電 する 前 に 容 器 内 と 通 風 管 路 内 に 保 護 気 体 を 通 すことによ って 通 電 停 止 中 に 侵 入 した 爆 発 性 ガスを 排 除 することをいう 2122 防 爆 構 造 の 基 本 事 項 防 爆 構 造 の 基 本 事 項 は 次 による ( 1 ) 電 気 機 器 の 防 爆 構 造 は 本 編 に 示 す 各 条 項 に 適 合 しなければならない ただし 防 爆 構 造 の 細 部 に おいて 本 編 に 示 す 以 外 の 構 造 又 は 材 料 を 用 いた 場 合 でも 十 分 な 防 爆 性 が 得 られることが 公 的 機 関 において 試 験 その 他 により 確 認 されたときは それによることができる ( 2 ) 防 爆 構 造 の 電 気 機 器 は 使 用 場 所 における 環 境 条 件 ( 例 えば ガス 又 は 蒸 気 による 化 学 作 用 など) を 考 慮 し 丈 夫 であって 保 守 に 便 利 な 構 造 とし その 使 用 材 料 は 電 気 的 機 械 的 熱 的 及 び 化 学 的 に 十 分 な 抵 抗 力 をもつものでなければならない また 容 器 内 において 水 分 が 凝 縮 して 集 積 するおそれがある 場 合 には 水 分 の 凝 縮 集 積 を 防 止 す る 方 法 又 は 集 積 した 水 を 排 除 する 方 法 を 講 じなければならない 2123 温 度 上 昇 限 度 防 爆 構 造 の 電 気 機 器 の 温 度 上 昇 限 度 は 次 による ( 1 ) 電 気 機 器 の 爆 発 性 ガスに 対 する 温 度 上 昇 限 度 は 表 21.1 のとおりとする 表 21.1 温 度 上 昇 限 度 単 位 発 火 度 G1 G2 G3 G4 G5 温 度 上 昇 限 度 320 200 120 70 40 表 21.1 に 定 めた 温 度 上 昇 限 度 は それぞれの 発 火 度 に 対 応 する 発 火 温 度 の 下 限 値 の 約 80%から 基 準 周 囲 温 度 の 限 度 40 を 差 引 いた 値 である ( 2 ) 基 準 周 囲 温 度 が 40 を 超 えるときは その 超 過 値 だけ 表 21.1 の 温 度 上 昇 限 度 を 低 くとるものと する この 場 合 電 気 機 器 にはその 基 準 周 囲 温 度 を 表 示 しなければならない ( 3 ) 冷 却 水 などを 冷 却 媒 体 として 用 いる 場 合 は 温 度 上 昇 限 度 を 定 める 条 件 となっている 冷 却 媒 体 の 温 度 流 量 など 必 要 事 項 を 表 示 しなければならない 26
( 4 ) 温 度 上 昇 が 装 置 連 結 機 械 軸 などからの 熱 伝 導 熱 放 射 などにより 影 響 を 受 ける 場 合 は 使 用 条 件 を 明 確 にして 温 度 上 昇 限 度 を 定 めなければならない この 場 合 その 使 用 条 件 を 表 示 するものとす る ( 5 ) 温 度 上 昇 が 使 用 と 定 格 又 は 運 転 方 式 によって 影 響 を 受 ける 場 合 は それらの 条 件 を 明 確 にして 必 要 事 項 を 表 示 しなければならない 2124 防 爆 構 造 等 の 表 示 防 爆 構 造 の 電 気 機 器 には 見 やすい 位 置 にそれぞれの 電 気 機 器 の 一 般 規 格 による 表 示 のほかに 次 によ り 防 爆 構 造 等 について 表 示 しなければならない ( 1 ) 防 爆 構 造 の 種 類 並 びに 対 象 とする 爆 発 性 ガスの 爆 発 等 級 及 び 発 火 度 を 記 号 で 表 示 する ただし 爆 発 性 ガスの 爆 発 等 級 に 関 係 なく 適 用 される 防 爆 構 造 の 電 気 機 器 については 爆 発 等 級 の 記 号 を 省 略 する なお 2323 により 容 器 を 耐 圧 防 爆 構 造 とした 油 入 防 爆 構 造 の 表 示 は o(d) とする 1 爆 発 性 ガスの 爆 発 等 級 に 関 係 なく 適 用 される 防 爆 構 造 の 電 気 機 器 とは 油 入 内 圧 又 は 安 全 増 防 爆 構 造 を 意 味 し これらについては 爆 発 等 級 を 省 略 し 適 応 する 発 火 度 だけを 表 示 しなければならない 2 対 象 とする 爆 発 性 ガスを 爆 発 等 級 及 び 発 火 度 の 記 号 で 表 示 するのは 耐 圧 防 爆 構 造 と 本 質 安 全 防 爆 構 造 で ある ( 2 ) 対 象 とする 爆 発 性 ガスが 特 定 のものに 限 定 される 場 合 には 爆 発 等 級 及 び 発 火 度 の 記 号 による 表 示 をせずにそのガス 名 を 表 示 する ( 3 ) 爆 発 等 級 及 び 発 火 度 の 記 号 は その 記 号 を 表 示 した 防 爆 構 造 の 電 気 機 器 が 当 該 及 びそれ 以 下 の 爆 発 等 級 並 びに 発 火 度 の 爆 発 性 ガスに 対 してその 防 爆 性 が 保 証 されていることを 示 すものである なお 爆 発 等 級 3 において 記 号 3n は 爆 発 等 級 3 のすべての 爆 発 性 ガスを 対 象 とするが 記 号 3a 3b 3c は それぞれの 爆 発 性 ガスだけを 対 象 としたもので 爆 発 等 級 の 序 列 を 表 すものではない ( 4 ) 2 種 類 以 上 の 防 爆 構 造 が 組 合 された 電 気 機 器 は それぞれの 防 爆 構 造 の 記 号 を 表 示 する この 場 合 主 体 となる 部 分 の 防 爆 構 造 の 記 号 を 初 めに 表 示 するものとする なお 組 合 せを 構 成 して いる 各 部 分 について 取 扱 い 又 は 安 全 上 防 爆 構 造 の 種 類 を 明 らかにする 必 要 がある 場 合 には 前 記 の 表 示 のほかに 各 部 分 に 防 爆 構 造 の 種 類 だけを 表 示 するものとする 1 2 種 類 以 上 の 防 爆 構 造 が 組 合 された 電 気 機 器 において 各 部 分 の 保 証 する 対 象 ガスの 爆 発 等 級 及 び 発 火 度 に 差 がある 場 合 は 電 気 機 器 として 防 爆 性 を 保 証 し 得 る 対 象 ガスの 爆 発 等 級 及 び 発 火 度 として それらのう ちの 最 も 安 全 側 となる 等 級 をとるものとする 2 防 爆 構 造 の 記 号 の 表 示 において 例 えば 安 全 増 防 爆 構 造 の 一 部 に 耐 圧 防 爆 構 造 又 は 内 圧 防 爆 構 造 が 含 まれ ている 場 合 は その 取 扱 い 又 は 安 全 性 を 保 証 するために それらの 記 号 を 併 記 するものとする すなわち ed 又 はefなどと 表 示 する ( 5 ) 防 爆 構 造 等 の 記 号 を 一 括 して 表 示 する 場 合 は 防 爆 構 造 の 種 類 爆 発 等 級 発 火 度 の 順 序 による 27
1 電 気 機 器 の 一 部 に 耐 圧 防 爆 構 造 のものがある 場 合 は それがいかに 小 部 分 であってもその 電 気 機 器 として 防 爆 性 を 保 証 し 得 る 対 象 ガスが 爆 発 等 級 に 関 係 するので 適 応 する 爆 発 等 級 を 表 示 するものとする 例 え ば 安 全 増 防 爆 構 造 の 蛍 光 灯 において 器 具 本 体 及 び 端 子 箱 が 安 全 増 防 爆 構 造 であってインターロック 開 閉 器 に 耐 圧 防 爆 構 造 を 採 用 している 場 合 は 発 火 度 だけでなくその 耐 圧 防 爆 構 造 が 対 象 とする 爆 発 等 級 の 爆 発 性 ガスに 対 して 安 全 性 を 保 証 することになるので 爆 発 等 級 と 発 火 度 とを 表 示 する 必 要 がある また 安 全 増 防 爆 構 造 の 電 動 機 において 機 器 本 体 及 び 端 子 箱 とも 発 火 度 G1 のガスを 対 象 とする 安 全 増 防 爆 構 造 の 場 合 は 単 に eg1 と 表 示 すればよいが 端 子 箱 が 爆 発 等 級 2 発 火 度 G2 のガスを 対 象 とする 耐 圧 防 爆 構 造 であれば 全 体 としては 爆 発 等 級 2 発 火 度 G1 を 対 象 とするものであるから ed2g1 と 表 示 する 必 要 がある 下 表 は これらを 例 示 したものである 表 示 例 (1) 内 容 説 明 記 号 例 本 体 が(G2)の 安 全 増 防 爆 構 造 の 電 動 機 で 端 子 箱 が(2G3)の 耐 圧 防 爆 構 造 の 場 合 ed2g2 本 体 が(2G3)の 耐 圧 防 爆 構 造 の 開 閉 器 で 端 子 箱 が(G2)の 安 全 増 防 爆 構 造 の 場 合 de2g2 本 体 が(G3)の 安 全 増 防 爆 構 造 の 電 動 機 で スリップリング が(G4)の 内 圧 防 爆 構 造 端 子 箱 が(G3)の 安 全 増 防 爆 構 造 の efg3 場 合 2 防 爆 構 造 等 の 記 号 を 一 括 して 表 示 する 例 を 示 すと 下 表 のとおりである 表 示 例 (2) 内 容 説 明 記 号 例 爆 発 等 級 2 発 火 度 G3 に 属 する 爆 発 性 ガスを 対 象 とする 耐 圧 防 爆 構 造 d2g3 発 火 度 G2 に 属 する 爆 発 性 ガスを 対 象 とする 安 全 増 防 爆 構 造 eg2 爆 発 等 級 1 発 火 度 G1 に 属 する 爆 発 性 ガスを 対 象 とする もので 耐 圧 防 爆 構 造 のスリップリングを 有 する 安 全 増 防 ed1g1 爆 構 造 の 誘 導 電 動 機 爆 発 等 級 2 発 火 度 G3 に 属 する 爆 発 性 ガスを 対 象 とする 本 質 安 全 防 爆 構 造 i2g3 ( 6 ) 防 爆 構 造 の 電 気 機 器 でその 使 用 条 件 を 指 定 する 必 要 がある 場 合 は その 要 点 を 明 確 に 表 示 しなければ ならない 2130 錠 締 構 造 2131 錠 締 の 適 用 防 爆 構 造 の 電 気 機 器 を 構 成 するねじ 類 に 対 する 錠 締 の 適 用 は 次 による ( 1 ) 防 爆 性 の 保 持 に 必 要 なねじ 類 であって 外 部 から 緩 めることができるものは 錠 締 を 施 すこと ただ し 分 解 組 立 のとき 以 外 には 緩 める 必 要 がなく 責 任 者 以 外 の 者 が 緩 めることがないもので 防 爆 性 の 保 持 に 影 響 が 小 さいと 考 えられるものは 錠 締 を 省 略 することができる また 一 部 のねじ 類 に 錠 締 を 施 すことによって 確 実 に 目 的 を 達 し 得 る 場 合 は 他 のねじ 類 の 錠 締 を 省 略 することができる 28
1 防 爆 性 保 持 に 必 要 なねじ 類 の 例 をそれぞれの 防 爆 構 造 に 対 応 して 次 に 示 す (a) 耐 圧 防 爆 性 の 保 持 に 必 要 な 部 分 耐 圧 防 爆 構 造 の 容 器 を 構 成 するねじ 類 で 外 部 から 緩 めることができるもの 例 : 開 閉 器 箱 のふた 回 転 機 のブラケット エアギャップ 測 定 穴 のプラグ 外 部 から 取 付 けた 透 明 窓 ただし 電 線 管 用 附 属 品 は 錠 締 を 省 略 することができる (b) 油 入 防 爆 性 の 保 持 に 必 要 な 部 分 油 入 防 爆 構 造 として 所 要 の 最 低 油 位 を 確 保 するのに 必 要 なもの 例 : 排 油 装 置 のプラグ 又 は 弁 油 タンク 吊 り 装 置 のねじ 類 なお 油 面 計 は 緩 んだり 破 損 しても 最 低 油 位 を 保 持 するように 構 造 上 の 規 制 があるので 錠 締 を 必 要 としない (c) 内 圧 防 爆 性 の 保 持 に 必 要 な 部 分 (ⅰ) 通 風 式 及 び 封 入 式 内 圧 防 爆 構 造 の 内 圧 を 保 持 するのに 必 要 なねじ 類 で 外 部 から 緩 めることができるもの 例 :スリップリングの 点 検 窓 配 電 箱 のふた とびら ただし 回 転 機 のブラケット 配 電 箱 の 裏 板 などは 錠 締 を 省 略 することができる (ⅱ) 密 封 式 内 圧 防 爆 構 造 の 容 器 を 構 成 するねじ 類 で 外 部 から 緩 めることができるもの 2 一 部 のねじ 類 に 錠 締 を 施 すことにより 錠 締 の 目 的 を 達 し 得 る 場 合 とは 下 図 のように 錠 締 箇 所 を 少 なくしても 十 分 に 錠 締 の 目 的 を 果 たしていることをいう ( 2 ) 開 いた 場 合 に 内 部 の 充 電 部 分 に 接 触 して 危 険 を 生 ずるおそれがある 部 分 のふた 又 はカバーを 締 付 けるねじ 類 には 容 易 にふた 又 はカバーを 開 くことができないように 少 なくとも 1~2 箇 所 に 錠 締 を 施 すこと ただし 分 解 組 立 のとき 以 外 には 緩 める 必 要 がなく 責 任 者 以 外 の 者 が 緩 めることが ないものには 錠 締 を 省 略 することができる 1 開 いた 場 合 に 危 険 を 生 ずるおそれがある 部 分 の 例 を 挙 げれば 油 入 防 爆 構 造 の 開 閉 器 のふた 安 全 増 防 爆 構 造 の 端 子 箱 のふた 安 全 増 防 爆 構 造 で 裸 充 電 部 を 内 蔵 する 容 器 のふた 又 はカバーなどがある ただし 低 圧 電 路 における 安 全 増 防 爆 構 造 の 端 子 箱 において ラグ 式 接 続 を 採 用 し 接 続 部 が 絶 縁 テープで 十 分 にテーピングされている 場 合 には そのふたの 錠 締 を 省 略 することができる 2 錠 締 を 省 略 できる 例 としては 安 全 増 防 爆 構 造 の 回 転 機 のブラケットなどがある 29
2132 錠 締 構 造 錠 締 構 造 は ねじ 回 し スパナ プライヤなどの 一 般 工 具 によって 容 易 に 緩 めることができないもので なければならない 最 も 一 般 的 に 用 いられる 六 角 ボルト 穴 付 きボルト 及 び 小 ねじなどに 対 する 構 造 寸 法 の 一 例 を 附 属 書 1 に 示 す 1 錠 締 の 目 的 は 責 任 者 以 外 の 者 が 防 爆 性 の 保 持 に 必 要 なねじ 類 を 緩 めてふたを 開 き 又 は 危 険 な 操 作 をする ことを 防 止 することにあるので 一 般 工 具 では 絶 対 に 開 き 得 ない 構 造 とすることを 理 想 とするが 実 際 に はペンチで 無 理 にこじ 開 けたり ハンマでたたいて 緩 めたりすれば 開 き 得 る 場 合 が 多 い したがって 監 督 する 立 場 にある 責 任 者 は 一 般 作 業 者 が 開 いてはならない 旨 を 徹 底 させる 必 要 がある 2 錠 締 構 造 として 主 に 用 いられるものを 附 属 書 1 で 示 したが これらは 代 表 的 な 例 で 必 ずしもこれによる 必 要 はなく 錠 締 の 目 的 に 適 合 している 構 造 であればよい 防 爆 構 造 の 容 器 のふたなどに 施 錠 するとか 又 は ふたを 閉 めた 部 分 に 強 固 な 金 属 線 を 巻 いて 鉛 などで 封 印 し 開 くことができないようにしたものなどは 錠 締 構 造 の 一 つの 例 である 2140 電 気 機 器 と 外 部 導 線 との 接 続 2141 電 気 機 器 と 外 部 導 線 との 接 続 方 法 電 気 機 器 と 外 部 導 線 との 接 続 方 法 は 次 による ( 1 ) 電 気 機 器 と 外 部 導 線 との 接 続 は 端 子 箱 内 において 行 うものとする ただし 内 圧 防 爆 構 造 の 電 気 機 器 と 外 部 導 線 とは 端 子 箱 を 用 いずに 2146 によって 直 接 接 続 することができる ( 2 ) 本 安 機 器 又 は 非 危 険 場 所 の 本 安 関 連 機 器 と 外 部 導 線 との 接 続 は 端 子 箱 を 用 いず 直 接 接 続 すること ができる ( 3 ) 電 気 機 器 の 範 囲 は 外 部 導 線 の 引 込 部 までである 1 電 気 機 器 と 外 部 導 線 との 接 続 は 電 気 機 器 の 端 子 箱 内 において 行 うことを 基 本 原 則 としたことにより 電 気 機 器 製 作 者 と 工 事 業 者 との 責 任 の 分 担 を 明 確 にしている 2 危 険 場 所 に 設 置 される 本 安 機 器 に 接 続 される 外 部 導 線 は 本 安 回 路 となるので 特 に 端 子 箱 を 設 ける 必 要 性 がない したがって 必 ずしも 端 子 箱 を 設 けなくてもよいことにした また 非 危 険 場 所 に 設 置 される 本 安 関 連 機 器 についても 端 子 箱 を 設 けて 防 爆 性 を 確 保 する 必 要 性 がないと 認 められるので これについても 同 様 の 取 扱 いとすることにした しかし 危 険 場 所 設 置 の 本 安 関 連 機 器 については 非 本 安 回 路 の 外 部 導 線 が 接 続 されるので(1)によるべきことは 当 然 である 2142 端 子 箱 端 子 箱 は 防 爆 構 造 の 電 気 機 器 に 附 属 し 外 部 導 線 との 接 続 だけに 使 用 されるものでその 構 造 は 次 によ る ( 1 ) 端 子 箱 内 の 充 電 部 分 は 2500 の 規 定 に 従 い 絶 縁 空 間 距 離 沿 面 距 離 接 続 部 の 構 造 温 度 上 昇 など の 点 について 安 全 度 を 増 加 すること ( 2 ) 端 子 箱 は 導 線 を 接 続 するのに 十 分 な 広 さをもつこと 30
1 導 線 を 接 続 するのに 十 分 な 広 さとは 端 子 箱 内 で 導 線 を 接 続 した 状 態 で 絶 縁 空 間 距 離 沿 面 距 離 が 十 分 確 保 でき 外 部 導 線 及 び 口 出 線 の 最 小 曲 率 半 径 などの 要 件 を 満 足 し かつ 容 易 に 接 続 作 業 ができるような 構 造 及 び 状 態 をいう このような 電 動 機 端 子 箱 の 具 体 例 とその 寸 法 を 参 考 資 料 10 に 示 す 2 端 子 箱 は 外 部 導 線 との 接 続 だけに 使 用 するものであり 他 の 電 気 機 器 との 接 続 に 使 用 してはならない ( 3 ) 端 子 箱 の 構 造 は 附 属 書 2 に 示 す 2143 端 子 箱 の 防 爆 構 造 の 適 用 端 子 箱 の 防 爆 構 造 の 適 用 は 次 による ( 1 ) 耐 圧 防 爆 構 造 内 圧 防 爆 構 造 又 は 容 器 を 耐 圧 防 爆 構 造 とした 油 入 防 爆 構 造 の 電 気 機 器 の 端 子 箱 は 耐 圧 防 爆 構 造 とする ただし 高 圧 電 気 機 器 の 端 子 箱 及 び 第 二 類 危 険 箇 所 でだけ 使 用 することを 表 示 した 耐 圧 防 爆 構 造 内 圧 防 爆 構 造 又 は 容 器 を 耐 圧 防 爆 構 造 とした 油 入 防 爆 構 造 の 低 圧 電 気 機 器 の 端 子 箱 は 安 全 増 防 爆 構 造 とすることができる ( 2 ) 油 入 防 爆 構 造 及 び 安 全 増 防 爆 構 造 の 電 気 機 器 の 端 子 箱 は 安 全 増 防 爆 構 造 とする 2144 端 子 箱 から 電 気 機 器 本 体 への 導 線 引 込 部 の 構 造 端 子 箱 から 電 気 機 器 本 体 への 導 線 引 込 部 の 構 造 は 次 による ( 1 ) 電 気 機 器 の 本 体 若 しくは 端 子 箱 又 はそのいずれもが 耐 圧 防 爆 構 造 の 場 合 における 導 線 引 込 部 の 引 込 方 式 は 耐 圧 スタッド 式 耐 圧 パッキン 式 又 は 耐 圧 固 着 式 とする ( 2 ) 電 気 機 器 の 本 体 が 耐 圧 防 爆 構 造 以 外 であって 端 子 箱 が 安 全 増 防 爆 構 造 の 場 合 における 導 線 引 込 部 の 引 込 方 式 は スタッド 式 パッキン 式 固 着 式 又 はブッシング 式 とする ( 3 ) (1) 及 び(2)の 各 引 込 部 の 構 造 は 附 属 書 3 に 示 す 2145 外 部 導 線 の 端 子 箱 への 引 込 部 の 構 造 外 部 導 線 の 端 子 箱 への 引 込 部 の 構 造 は 次 による ( 1 ) 耐 圧 防 爆 構 造 の 端 子 箱 へ 外 部 導 線 を 引 込 む 場 合 の 引 込 方 式 は 耐 圧 パッキン 式 耐 圧 固 着 式 MI ケ ーブル 用 耐 圧 スリーブ 金 具 式 又 は 電 線 管 耐 圧 ねじ 結 合 式 (シーリングフィッチングを 含 む)とする ( 2 ) 安 全 増 防 爆 構 造 の 端 子 箱 へ 外 部 導 線 を 引 込 む 場 合 の 引 込 方 式 は パッキン 式 固 着 式 又 は 電 線 管 ね じ 結 合 式 (シーリングフィッチングを 含 む)とする ( 3 ) (1) 及 び(2)の 各 引 込 部 の 構 造 は 附 属 書 4 に 示 す 2146 外 部 導 線 の 内 圧 防 爆 構 造 電 気 機 器 への 直 接 引 込 外 部 導 線 の 内 圧 防 爆 構 造 電 気 機 器 への 直 接 引 込 は 次 による ( 1 ) 外 部 導 線 の 内 圧 防 爆 構 造 電 気 機 器 への 直 接 引 込 は 2145(2)に 準 じて 行 うものとする ただし MI ケーブルを 引 込 む 場 合 は 2145(1)の MI ケーブル 用 耐 圧 スリーブ 金 具 式 によるものとす る ( 2 ) 外 部 導 線 との 接 続 端 子 部 分 は 2500 の 規 定 に 従 い 絶 縁 空 間 距 離 沿 面 距 離 接 続 部 の 構 造 及 び 温 度 上 昇 などの 点 について 安 全 度 を 増 加 しなければならない 31
2147 電 気 機 器 内 部 における 導 線 引 込 容 器 内 部 が 2 個 以 上 に 区 画 されている 場 合 にその 隔 壁 を 通 じて 導 線 を 引 込 むには それぞれの 容 器 の 防 爆 構 造 に 応 じて 2144 を 準 用 する 2148 集 成 機 器 の 導 線 引 込 2 個 以 上 の 電 気 機 器 が 組 合 されて 1 個 の 電 気 機 器 を 構 成 し これらの 間 を 結 合 する 導 線 の 一 部 が 容 器 の 外 部 に 出 る 場 合 は 2145 又 は 2146 に 準 じて 行 うものとする 2 個 以 上 の 電 気 機 器 が 組 合 されて 1 個 の 電 気 機 器 を 構 成 している 場 合 とは 例 えば ホイスト 用 の 電 気 機 器 フォークリフト 用 電 気 機 器 又 はガソリン 計 量 機 用 電 気 機 器 などの 構 成 電 気 機 器 がそれぞれ 別 の 容 器 に 収 納 され て それが 一 つのフレームに 取 付 けられている 場 合 をいう 2149 接 地 端 子 電 気 機 器 の 金 属 容 器 には 接 地 用 として 次 の(1) 及 び(2)によって 端 子 箱 の 内 部 及 び 外 部 に 接 地 端 子 を 設 けなければならない ただし 移 動 用 機 器 には 外 部 接 地 端 子 を 設 けてはならない また 金 属 電 線 管 をね じ 込 み 接 続 し これを 接 地 線 に 代 用 し 得 る 場 合 には 接 地 端 子 を 省 略 してもよい なお 接 地 端 子 は 取 付 けねじ 又 は 取 付 け 基 礎 ボルトなどとは 別 個 のものとし これと 兼 用 してはなら ない ( 1 ) 端 子 箱 をもつ 場 合 は 次 による (a) 外 部 の 接 地 端 子 は 端 子 箱 以 外 の 部 分 に 設 けてもよいこと (b) 接 地 端 子 は 接 地 線 を 確 実 に 接 続 できる 構 造 とし 緩 止 めを 施 すこと (c) 接 地 端 子 は 耐 圧 防 爆 構 造 の 容 器 を 貫 通 して 取 付 けてはならないこと ただし 端 子 を 緩 めても 防 爆 性 能 を 失 わないように 穴 が 閉 鎖 されている 場 合 例 えば 立 込 みスタッドをかたくはめ 込 んだ 場 合 はこの 限 りでない (d) 接 地 端 子 は 文 字 記 号 E 又 は 図 記 号 ( ) 等 で 表 示 すること ( 2 ) 直 接 引 込 の 場 合 は 次 による 外 部 導 線 を 直 接 引 込 む 内 圧 防 爆 構 造 及 び 本 質 安 全 防 爆 構 造 の 電 気 機 器 に 設 ける 場 合 は 次 による (a) 容 器 の 内 部 及 び 外 部 に 接 地 端 子 を 設 けること (b) (1)の(b) 及 び(d)に 準 じて 緩 止 め 及 び 表 示 を 施 すこと 電 気 機 器 の 金 属 容 器 の 接 地 は できる 限 り 端 子 箱 内 部 に 設 けた 接 地 端 子 を 用 いること 32
2200 耐 圧 防 爆 構 造 2210 耐 圧 防 爆 構 造 の 必 要 条 件 電 気 機 器 の 耐 圧 防 爆 構 造 は 2100 及 び 本 章 の 各 条 項 に 適 合 しなければならない 耐 圧 防 構 爆 造 として 必 要 な 性 能 ( 以 下 耐 圧 防 爆 性 という)は 全 閉 構 造 の 容 器 内 に 点 火 源 となり 得 る 部 分 をもち かつ 周 囲 の 爆 発 性 ガスが 容 器 内 に 侵 入 し 得 る 電 気 機 器 において 次 に 示 す 基 本 条 件 をもた なければならない ( 1 ) 容 器 内 の 点 火 源 により 内 部 で 爆 発 が 生 じた 場 合 容 器 がその 爆 発 圧 力 に 耐 える 強 度 をもつとともに 爆 発 によって 生 じた 火 炎 や 高 温 ガスが 周 囲 の 爆 発 性 ガスに 点 火 するのを 防 止 し 得 ること なお こ の 基 本 条 件 は 3212 による 爆 発 試 験 を 実 施 してそれを 実 証 しなければならない ( 2 ) 爆 発 性 ガスに 触 れる 容 器 外 面 の 温 度 上 昇 は 発 火 度 に 対 応 して 定 められた 値 ( 表 21.1)を 超 えない こと なお この 基 本 条 件 は 3213 による 温 度 試 験 を 実 施 してそれを 実 証 しなければならない 2220 容 器 2221 容 器 の 強 さ 容 器 の 強 さは 次 による ( 1 ) 耐 圧 防 爆 構 造 の 容 器 は その 内 容 積 に 応 じて 表 22.1 に 示 す 内 部 圧 力 に 耐 えるものでなければならな い なお 容 器 の 内 容 積 が 2cm 3 以 下 のものは 製 作 上 及 び 使 用 上 必 要 な 強 さをもつものであればよい 爆 発 等 級 内 容 積 表 22.1 内 部 圧 力 2cm 3 を 超 え 100cm 3 以 下 単 位 MPa 100cm 3 を 超 えるもの 1 2 0.8 以 上 1.0 以 上 3 爆 発 予 備 試 験 によって 測 定 した 爆 発 圧 力 の 1.5 倍 以 上 ただし 最 小 値 は 0.8 爆 発 予 備 試 験 によって 測 定 した 爆 発 圧 力 の 1.5 倍 以 上 ただし 最 小 値 は 1.0 備 考 ここでいう 爆 発 予 備 試 験 とは, 試 験 圧 力 を 決 めるために 行 う 爆 発 試 験 の ことで 供 試 品 の 容 器 を 用 いて 試 験 ガスによって 常 圧 で 爆 発 試 験 を 行 い その 際 発 生 する 最 高 爆 発 圧 力 を 測 定 するものである ( 2 ) 容 器 の 強 さを 決 定 するのに 必 要 な 内 容 積 は 容 器 自 身 の 内 容 積 から 運 転 上 欠 くことのできない 内 容 物 の 容 積 を 差 引 いたものとする 33
( 3 ) 容 器 内 部 が 2 室 以 上 に 分 かれてこれらが 小 穴 で 連 結 されている 場 合 には 圧 力 重 積 現 象 によって 爆 発 圧 力 が 異 常 に 上 昇 することがあるので このような 構 造 はできるだけ 避 けなければならない や むを 得 ずこのような 構 造 を 用 いる 場 合 には 爆 発 試 験 における 実 測 圧 力 の 1.5 倍 が 表 22.1 の 値 を 超 えてもこれに 耐 えるものでなければならない ( 4 ) 容 器 を 構 成 する 部 品 は 導 電 部 として 使 用 してはならない 例 えば 下 図 の A において 点 火 すれば A の 火 炎 が B に 達 する 前 に B には 未 燃 焼 ガスが 圧 入 されて 圧 力 上 昇 を 来 す このとき 火 炎 が B に 達 して 爆 発 すれば 大 きな 爆 圧 を 生 じる ただし 穴 が 大 きければ 圧 力 の 平 衡 を 来 して 上 昇 程 度 は 小 さい A が B の 10 倍 の 容 積 であるとき B の 爆 圧 が 1.5MPa に 達 した 例 がある したがっ て このような 構 造 はなるべく 避 けた 方 がよい 2222 容 器 の 内 容 容 器 の 内 部 で 開 閉 接 点 及 び 巻 線 を 油 中 に 浸 してはならない 開 閉 接 点 及 び 巻 線 を 油 中 に 浸 してはならないとしたのは 開 閉 接 点 部 の 電 気 火 花 又 は 巻 線 の 過 熱 により 油 が 分 解 して 水 素 ガスなどが 発 生 するおそれがあるためである 2223 透 明 窓 透 明 窓 は 必 要 最 小 限 度 に 設 けることとし 各 開 口 部 の 面 積 は 100cm 2 以 下 にしなければならない 透 明 窓 に 用 いる 透 明 板 は 次 による ( 1 ) 透 明 板 は JIS R3206 に 規 定 する 強 化 ガラス 又 はこれと 同 等 以 上 の 強 度 をもつ 難 燃 性 物 質 を 使 用 し 爆 発 の 際 片 面 の 温 度 上 昇 に 十 分 耐 えるものでなければならない ( 2 ) 透 明 板 は これを 透 明 窓 に 取 付 けた 状 態 で 質 量 200gの 鋼 球 を 200cm の 高 さから 落 下 させても 破 損 しない 強 さをもたなければならない ( 3 ) 透 明 板 の 取 付 けに 当 たっては これに 危 険 な 応 力 を 与 えないようにしなければならない 2230 スキの 奥 行 及 びスキ 2231 接 合 面 接 合 面 のスキの 奥 行 及 びスキは 次 による ( 1 ) 接 合 面 のスキの 奥 行 はできるだけ 長 く スキはできるだけ 小 さくとるようにし 使 用 中 に 生 ずる 影 34
響 などによりスキが 拡 大 しない 構 造 としなければならない ( 2 ) 使 用 中 に 互 いに 動 かない 接 合 面 ( 例 えば フランジ 部 はめあい 部 ) 又 はまれに 動 く 接 合 面 ( 例 え ば 操 作 軸 の 貫 通 部 )のスキの 奥 行 及 びスキは 容 器 の 内 容 積 に 応 じて 表 22.2 によらなければなら ない ただし 構 造 上 必 要 がある 場 合 は 内 容 積 のより 大 きな 区 分 に 対 する 値 をとることができる なお スキの 奥 行 及 びスキの 決 定 に 必 要 な 容 器 の 内 容 積 は 容 器 自 体 の 内 容 積 から 運 転 上 欠 くこと ができない 内 容 物 の 容 積 を 差 引 いたものとする 表 22.2 動 かない 接 合 面 又 はまれに 動 く 接 合 面 のスキの 奥 行 及 びスキ 内 容 積 スキの 奥 行 及 びスキ スキの 奥 行 L の 許 容 最 小 値 ボルト 穴 までの 最 短 距 離 L1の 許 容 最 小 値 スキ W の 許 容 最 大 値 爆 発 等 級 1 爆 発 等 級 2 爆 発 等 級 3 2cm 3 以 下 5 5 0.3 0.2 0.1 2cm 3 を 超 え 100cm 3 以 下 10 6 0.2 0.1 100cm 3 を 超 え 2,000cm 3 以 下 15 8 0.25 0.15 注 印 の 値 は 爆 発 引 火 試 験 において 火 炎 逸 走 しない 最 大 スキの 50%とする 単 位 mm 2,000cm 3 を 超 えるもの 25 40 10 15 0.3 0.4 0.2 0.25 1 スキの 奥 行 及 びスキを 例 示 すれば 下 図 のとおりである ここで L はスキの 奥 行 W はスキとする b 2 ボルト 穴 までの 最 短 距 離 L 1 のとり 方 を 例 示 すれば 下 図 のとおりである 35
2232 回 転 軸 回 転 軸 のスキの 奥 行 及 びスキは 次 による ( 1 ) 回 転 軸 その 他 使 用 中 に 回 転 する 部 分 のスキの 奥 行 及 びスキは 容 器 の 内 容 積 に 応 じて 表 22.3 によ らなければならない ただし 構 造 上 必 要 がある 場 合 には 内 容 積 のより 大 きな 区 分 に 対 する 値 を とることができる なお スキの 奥 行 及 びスキの 決 定 に 必 要 な 容 器 の 内 容 積 は 容 器 自 体 の 内 容 積 から 運 転 上 欠 くことができない 内 容 物 の 容 積 を 差 引 いたものとする 表 22.3 回 転 軸 のスキの 奥 行 及 びスキ 単 位 mm スキの 奥 行 及 びスキ 内 容 積 2cm 3 以 下 2cm 3 を 超 え 100cm 3 以 下 100cm 3 を 超 え 500cm 3 以 下 500cm 3 を 超 えるもの 転 が り 軸 受 滑 スキの 奥 行 L の 許 容 最 小 値 5 10 15 25 40 爆 発 等 級 1 0.45 0.3 0.45 0.45 0.6 スキ W の 許 容 最 大 値 爆 発 等 級 2 0.3 0.2 0.3 0.3 0.4 爆 発 等 級 3 0.15 スキの 奥 行 L の 許 容 最 小 値 5 15 25 40 り 軸 受 スキ W の 許 容 最 大 値 爆 発 等 級 1 0.3 0.2 0.3 0.5 爆 発 等 級 2 0.2 0.1 許 容 し 得 ない 爆 発 等 級 3 0.1 注 印 の 値 は 爆 発 引 火 試 験 において 火 炎 逸 走 しない 最 大 スキの 50%とする ( 2 ) ラビリンス 構 造 におけるスキの 奥 行 L とスキ W との 関 係 を 示 せば 図 22.1 の(ⅰ) (ⅱ) 又 は(ⅲ)の とおりである 図 22.1 ラビリンス 構 造 におけるスキの 奥 行 きLのとり 方 回 転 軸 とは 電 動 機 などのように 軸 受 に 支 持 されて 回 転 する 軸 を 指 すものである ただし 操 作 軸 であって も 軸 受 に 支 持 されている 場 合 は 表 22.3 を 適 用 することができる 36
2233 接 合 面 の 仕 上 げ 程 度 接 合 面 の 表 面 の 中 心 線 平 均 粗 さ Ra は 6.3μm を 超 えてはならない なお 接 合 面 には さび 止 め 又 は 防 水 のために 不 乾 性 の 油 などを 塗 ることができる 接 合 面 に 塗 る 油 は それによって 耐 圧 防 爆 性 を 失 なうものであってはならない また 塗 布 後 に 固 まってス キに 変 化 を 生 ずることがないように 不 乾 性 の 油 とすることにした 2234 接 合 面 の 構 成 材 料 容 器 を 構 成 する 接 合 面 は 原 則 として 金 属 対 金 属 とし 容 器 に 金 属 以 外 の 材 料 を 使 用 する 場 合 でも 少 な くとも 接 合 面 の 片 面 は 金 属 としなければならない 2240 ねじ 及 びねじ 込 結 合 2241 耐 圧 防 爆 性 保 持 に 必 要 な 締 付 けねじ 及 びねじ 込 結 合 耐 圧 防 爆 性 保 持 に 必 要 な 締 付 けねじ 及 びねじ 込 結 合 (ねじぶたを 含 む)は 錠 締 とし 緩 止 めを 施 さなけ ればならない ただし 容 器 と 容 器 又 は 容 器 とパイプ 類 などの 間 のねじ 結 合 部 で 両 端 が 固 定 されている などして 構 造 上 緩 むおそれがないものは この 限 りでない 1 緩 止 めの 方 法 としては 二 重 ナット ばね 座 金 などがある また ほとんど 緩 める 必 要 のないねじに 対 して は 以 上 のほか 割 ピン みぞ 付 きナット つめ 付 座 金 などがある また 緩 止 めの 実 際 の 効 果 が 十 分 確 認 されるものは これを 使 用 しても 差 し 支 えない 2 ねじ 結 合 部 の 緩 止 めのために 止 めねじを 用 いるものがあるが 止 めねじが 緩 んだ 場 合 にもねじはめあい 部 の 防 爆 性 を 損 なうおそれのない 位 置 に 設 けなければならない したがって このような 方 法 はなるべく 避 けることが 望 ましい 2242 ねじの 強 度 及 び 本 数 容 器 を 締 付 けねじで 結 合 する 場 合 のねじ 類 は 爆 発 圧 力 に 十 分 耐 える 強 度 のものを 使 用 しなければなら ない なお ねじ 類 だけで 結 合 する 場 合 は 原 則 として 3 本 以 上 のねじを 使 用 しなければならない 耐 圧 防 爆 構 造 の 容 器 を ねじ 又 はボルトだけで 結 合 する 場 合 に 原 則 として 3 本 以 上 のねじ 又 はボルトを 使 用 しなければならないと 定 めたのは 2 本 ではふたなどが 反 り 返 える 場 合 があることを 考 慮 したものである た だし 小 形 のはめあい 結 合 で 反 り 返 るおそれがないことが 明 らかな 場 合 は 必 ずしも 3 本 以 上 でなくてもよい 2243 貫 通 ねじ 類 貫 通 ねじ 類 は 次 による ( 1 ) ねじ 類 は やむを 得 ない 場 合 に 限 り 容 器 壁 を 貫 通 することができる この 場 合 貫 通 ねじ 又 はボル トを 錠 締 とし 緩 止 めを 施 さなければならない 37
( 2 ) 貫 通 ねじと 容 器 とのねじはめあい 部 は 2244 による ( 3 ) 貫 通 穴 が 図 22.2 のようにばか 穴 の 場 合 は ねじ 類 が 穴 を 貫 通 する 部 分 にはねじを 切 らないでその 長 さ 及 び 直 径 差 が 表 22.2 の L 及 び W の 値 に 適 合 しなければならない ( 4 ) 貫 通 しないねじの 下 穴 は 爆 発 の 際 爆 発 圧 力 に 十 分 耐 え 得 るだけの 余 肉 を 容 器 壁 に 残 さなければ ならない 余 肉 は ねじ 穴 径 の 1/3( 最 低 3mm) 以 上 とする 図 22.2 貫 通 穴 2244 ねじはめあい 部 ねじはめあい 部 に 耐 圧 防 爆 性 をもたせる 場 合 は 次 による なお 爆 発 等 級 3 の 容 器 に 対 するねじはめあいの 適 用 は 内 容 積 が 6,000cm 3 以 下 の 場 合 に 限 るものと する ( 1 ) ねじの 形 式 は ねじ 山 の 角 度 が 60 又 は 55 の 三 角 ねじであること 1 三 角 ねじとは ねじ 山 の 形 が 正 三 角 形 に 近 いねじの 総 称 であって メートルねじ ユニファイねじ ミニ チュアねじはこれに 属 する JIS B0101(ねじ 用 語 ) 参 照 2 上 記 以 外 の 三 角 ねじであっても 爆 発 引 火 試 験 に 合 格 すれば 使 用 することができる ( 2 ) ピッチは 0.7mm 以 上 であること ただし 2mm を 超 える 場 合 は 火 炎 逸 走 防 止 のための 特 別 な 考 慮 を 払 うものとする 火 炎 逸 走 防 止 のための 特 別 な 考 慮 としては ロックナットを 使 用 してねじ 山 の 片 側 のフランクを 強 く 押 しつ ける 構 造 とすることなどが 考 えられる ( 3 ) ねじの 等 級 については ねじの 形 式 及 び 容 器 の 爆 発 等 級 に 応 じて 特 別 な 考 慮 を 払 うこと 38
メートルねじ 及 び 管 用 平 行 ねじについて 容 器 の 爆 発 等 級 に 応 じたねじの 等 級 を 例 示 すれば 下 表 のとおり である 爆 発 等 級 に 応 じたねじの 等 級 ねじの 形 式 爆 発 等 級 メートルねじ 管 用 平 行 ねじ 1 又 は 2 JIS B0209-1( 一 般 用 メートルねじ- 公 差 - 第 1 部 )に 定 めるはめあい 区 分 JIS B0202( 管 用 平 行 ねじ)に 定 める 等 級 B 級 又 は A 級 中 又 は 精 3 同 上 のはめあい 区 分 精 同 上 の 等 級 A 級 ( 4 ) はめあい 山 数 は 容 器 の 爆 発 等 級 に 従 って 爆 発 等 級 1 及 び 2 に 対 しては 連 続 した 5 山 以 上 爆 発 等 級 3 に 対 しては 連 続 した 6 山 以 上 とすること ( 5 ) はめあい 長 さは 容 器 の 内 容 積 及 び 爆 発 等 級 に 従 って 表 22.4 のとおりとすること 爆 発 等 級 内 容 積 表 22.4 ねじはめあい 部 のはめあい 長 さ 単 位 mm 100cm 3 以 下 100cm 3 を 超 えるもの 1 又 は 2 5 以 上 8 以 上 3 9.5 以 上 12.5 以 上 2250 パッキン 2251 開 く 箇 所 に 使 用 するパッキン 操 作 監 視 又 は 点 検 のために 開 くことがある 箇 所 に 使 用 したパッキンを 火 炎 逸 走 防 止 の 手 段 としては ならない したがって この 場 合 パッキンが 脱 落 しても 表 22.2 のスキの 奥 行 及 びスキを 保 つことが 必 要 である ここでは 操 作 監 視 又 は 点 検 などのため 開 くことがある 部 分 のパッキンは 原 則 として 火 炎 逸 走 防 止 の 手 段 として 使 用 してはならないことを 規 定 したものである 防 水 防 塵 などの 必 要 からパッキンを 用 いる 場 合 には 耐 圧 防 爆 構 造 として 必 要 なスキの 奥 行 及 びスキを 保 持 した 上 これとは 別 に 下 図 に 示 すように スキの 値 に 悪 影 響 を 及 ぼさないような 方 法 で パッキンを 使 用 することが 必 要 である 39
2252 開 かない 箇 所 に 使 用 するパッキン 操 作 監 視 又 は 点 検 のために 開 くことがない 箇 所 で 内 部 の 爆 発 による 圧 力 によって パッキン 接 合 面 が 開 かない 接 合 面 で かつパッキンが 十 分 な 抵 抗 力 及 び 耐 久 力 をもつ 場 合 に 限 りこれを 火 炎 逸 走 防 止 の 手 段 として 使 用 することができる ただし パッキンは 金 属 又 は 不 燃 性 物 質 で 常 に 十 分 な 圧 力 で 押 付 けら れ かつ 爆 発 圧 力 によって 押 出 されないようにしなければならない この 場 合 パッキン 接 合 面 の 奥 行 には 表 22.2 のL 1 の 値 を 適 用 する 操 作 監 視 又 は 点 検 などのため 開 く 必 要 がない 箇 所 については パッキンに 抵 抗 力 及 び 耐 久 力 のあるものを 選 んで 使 用 することを 認 めたもので パッキンに 金 属 又 は 不 燃 性 物 質 のものを 使 用 するように 規 定 したのは 火 炎 によりパッキンが 損 傷 することを 防 止 するためである 2260 温 度 上 昇 限 度 2261 温 度 上 昇 限 度 容 器 外 面 における 温 度 上 昇 は 表 21.1 の 値 を 超 えてはならない 40
2300 油 入 防 爆 構 造 2310 油 入 防 爆 構 造 の 必 要 条 件 電 気 機 器 の 油 入 防 爆 構 造 は 2100 及 び 本 章 の 各 条 項 に 適 合 しなければならない 油 入 防 爆 構 造 として 必 要 な 性 能 ( 以 下 油 入 防 爆 性 という)は 全 閉 構 造 の 容 器 内 に 点 火 源 となり 得 る 部 分 をもち かつ 周 囲 の 爆 発 性 ガスが 容 器 内 に 侵 入 し 得 る 電 気 機 器 において 次 に 示 す 基 本 条 件 をもたな ければならない ( 1 ) 容 器 内 の 電 気 火 花 発 生 部 分 を 油 中 に 納 めることによって 油 面 上 又 は 容 器 外 周 の 爆 発 性 ガスに 点 火 するのを 防 止 し 得 ること なお この 基 本 条 件 は 3222 による 発 火 試 験 を 実 施 してそれを 実 証 しな ければならない ( 2 ) 油 に 浸 されない 部 分 は 2500 によること ( 3 ) 爆 発 性 ガスに 触 れるおそれのある 部 分 及 び 油 面 における 油 の 温 度 上 昇 は それぞれ 発 火 度 に 対 応 し て 定 められた 値 ( 表 21.1 及 び 表 23.1)を 超 えないこと なお この 基 本 条 件 は 3223 による 温 度 試 験 を 実 施 してそれを 実 証 しなければならない 1 油 入 防 爆 構 造 は 床 置 壁 掛 けなどのように 定 着 して 使 用 する 電 気 機 器 に 限 り 適 用 する 2 軌 道 走 行 起 重 機 その 他 の 輸 送 設 備 又 は 車 両 に 取 付 けて 使 用 する 電 気 機 器 は 使 用 中 にいかなる 場 合 にも 傾 斜 せず また 油 面 の 動 揺 などにより 油 入 防 爆 性 が 損 なわれるおそれがない 場 合 に 限 り 油 入 防 爆 構 造 を 適 用 する 2320 容 器 2321 容 器 の 構 造 容 器 の 構 造 は ガス 抜 き 穴 を 除 き IP54 以 上 としなければならない 2322 ガス 抜 き 穴 定 格 開 閉 容 量 1kVA 又 は 遮 断 容 量 25kVA を 超 える 油 入 開 閉 器 又 は 制 御 器 には 図 23.1 に 例 示 する ようなガス 抜 き 穴 を 設 けなければならない ただし 容 器 の 構 造 上 内 部 に 電 気 火 花 による 油 の 分 解 ガ スの 蓄 積 が 明 らかに 少 ないと 認 められるものに 対 しては 特 にガス 抜 き 穴 を 設 けなくてもよい 図 23.1 ガス 抜 き 穴 の 構 造 41
1 油 入 開 閉 器 は 開 閉 時 に 電 気 火 花 によって 水 素 を 主 とする 分 解 ガスが 発 生 するため 定 格 開 閉 容 量 1kVA 又 は 遮 断 容 量 25kVA を 超 えるものにガス 抜 き 穴 を 設 けなければならないことにした 2 油 入 開 閉 器 の 容 器 の 構 造 には 多 くの 種 類 があるが 例 えば 油 面 の 上 部 に 容 器 のふたがあり そのふたに 防 じん 性 フェルトパッキンを 設 けるような 構 造 のもので フェルトの 無 数 の 微 細 な 穴 を 通 して 分 解 ガスが 放 出 されることが 確 認 された 場 合 は 特 に ガス 抜 き 穴 を 設 けなくてもよいことにした 2323 容 器 の 特 例 定 格 電 圧 交 流 600V 以 下 定 格 開 閉 容 量 3kVA 以 下 ( 最 大 開 閉 容 量 10kVA 以 下 )の 自 動 開 路 しない 手 動 の 油 入 開 閉 器 で 容 器 内 部 に 電 気 火 花 による 油 の 分 解 ガスの 蓄 積 が 明 らかに 少 ないものは 2222 及 び 2322 にかかわらずその 容 器 を 耐 圧 防 爆 構 造 とすることができる また この 防 爆 構 造 によるものは 2325 に 定 める 油 面 の 表 示 を 省 くことができる 備 考 最 大 開 閉 容 量 は 3222 による 発 火 試 験 の 際 の 試 験 電 流 によるものとする 1 定 格 交 流 電 圧 600V 以 下 で 定 格 開 閉 容 量 3kVA 以 下 最 大 開 閉 容 量 10kVA 以 下 の 手 動 油 入 開 閉 器 は 実 験 結 果 により 電 気 火 花 による 油 の 分 解 ガスの 発 生 量 が 極 めて 少 なく かつ 操 作 軸 の 接 合 面 などから 分 解 ガスが 放 出 されることを 確 認 したので 2222 にかかわらず 容 器 に 耐 圧 防 爆 構 造 を 採 用 することを 認 めたも のである 2 容 器 を 耐 圧 防 爆 構 造 とした 油 入 防 爆 構 造 の 手 動 開 閉 器 は 点 火 源 となる 電 気 火 花 の 発 生 部 分 を 油 中 に 納 め 更 に 耐 圧 防 爆 構 造 の 容 器 によって 防 爆 性 を 保 持 する 構 造 となっているので 油 面 計 を 必 要 としない 2324 排 油 装 置 油 タンクに 排 油 装 置 を 設 ける 場 合 は 油 漏 れのないよう 十 分 緊 密 な 構 造 とし 錠 締 及 び 緩 止 めを 施 さな ければならない 2325 油 面 の 表 示 油 タンクには 油 面 計 を 設 けるか 又 は 外 部 から 容 易 に 油 面 位 を 認 め 得 る 構 造 にしなければならない 2326 最 低 油 位 油 面 と 点 火 源 部 分 との 距 離 は 十 分 にとり 電 気 火 花 が 油 面 上 に 出 ないようにしなければならない この 距 離 は いかなる 小 形 の 電 気 機 器 であっても 10mm 以 上 としなければならない 2327 内 面 油 位 表 示 い 油 タンクを 取 外 して 油 を 満 たす 構 造 のものは 油 タンク 内 面 に 所 要 油 位 を 示 す 印 を 付 けなければならな 油 タンクを 取 外 して 油 を 満 たす 構 造 のものは 取 外 したときと 取 付 けたときとで 油 位 が 変 わるので 油 タン クの 内 面 に 油 位 の 印 を 付 けることとした 42
2330 油 面 計 2331 油 面 計 の 構 造 油 面 計 の 構 造 は 次 による ( 1 ) 油 面 計 は 破 損 のおそれが 少 なく 透 明 板 又 は 透 明 管 は 取 替 えができる 構 造 のものでなければな らない ( 2 ) 油 面 計 の 透 明 板 透 明 管 及 びパッキンは 熱 油 の 作 用 により 有 害 な 変 化 を 生 じないものでなければ ならない ( 3 ) 油 面 計 の 指 示 範 囲 は 温 度 の 変 化 によって 油 位 が 上 下 しても 常 に 外 部 から 認 め 得 るものでなけれ ばならない ( 4 ) 油 面 計 は 電 気 機 器 に 取 付 けた 状 態 で 質 量 95 g の 鋼 球 を 100cm の 高 さから 落 下 させても 破 損 しな い 強 さをもたなければならない 油 面 計 の 設 計 に 当 たっては 温 度 の 変 化 によって 油 位 が 上 下 することを 十 分 に 考 慮 しなければならない 2340 引 込 導 線 2341 引 込 導 線 の 種 類 引 込 導 線 が 油 に 触 れ 又 は 触 れるおそれがあるときは 耐 油 性 をもった 導 線 を 用 いなければならない 2342 引 込 導 線 の 油 切 り 引 込 導 線 が 毛 細 管 現 象 により 油 を 漏 洩 させるおそれがある 場 合 には 油 切 りを 確 実 にしなければなら ない 2343 油 面 通 過 部 の 絶 縁 開 閉 器 又 は 制 御 器 において 充 電 部 の 大 地 に 対 する 電 圧 が 1kV を 超 える 場 合 には 油 面 を 通 過 する 箇 所 の 充 電 部 は 絶 縁 被 覆 されていなければならない 2350 温 度 上 昇 限 度 2351 爆 発 性 ガスに 触 れるおそれがある 部 分 の 温 度 上 昇 限 度 電 気 機 器 を 構 成 するすべての 部 分 で 爆 発 性 ガスに 触 れるおそれがある 部 分 の 温 度 上 昇 限 度 は 表 21.1 の 値 を 超 えてはならない 2352 油 面 の 温 度 上 昇 限 度 油 面 における 油 の 温 度 上 昇 は 表 23.1 の 値 を 超 えてはならない 表 23.1 油 面 における 油 の 温 度 上 昇 限 度 単 位 発 火 度 G1 G2 G3 G4 G5 温 度 上 昇 限 度 60 60 60 60 40 43
2400 内 圧 防 爆 構 造 2410 内 圧 防 爆 構 造 の 必 要 条 件 電 気 機 器 の 内 圧 防 爆 構 造 は 2100 及 び 本 章 の 各 条 項 に 適 合 しなければならない 内 圧 防 爆 構 造 として 必 要 な 性 能 ( 以 下 内 圧 防 爆 性 という)は 全 閉 構 造 の 容 器 内 に 点 火 源 となり 得 る 部 分 をもち かつ 周 囲 の 爆 発 性 ガスが 容 器 内 に 侵 入 し 得 る 電 気 機 器 において 次 に 示 す 基 本 条 件 をもたな ければならない ( 1 ) 容 器 内 に 保 護 気 体 を 圧 入 し その 内 圧 を 容 器 外 周 の 圧 力 より 高 く 保 持 することによって 通 電 中 に 周 囲 の 爆 発 性 ガスが 容 器 内 に 侵 入 するのを 防 止 し 得 ると 同 時 に 保 護 気 体 の 圧 力 が 所 定 値 以 下 に 低 下 した 場 合 に 確 実 に 保 護 装 置 が 動 作 し 得 ること なお 通 風 式 及 び 封 入 式 における 通 電 は 掃 気 後 に 開 始 しなければならない この 基 本 条 件 は 3232 による 内 圧 試 験 を 実 施 して これを 実 証 しなければならない ( 2 ) 爆 発 性 ガスに 触 れる 容 器 外 面 通 風 管 路 の 外 面 及 び 排 気 の 温 度 上 昇 は 発 火 度 に 対 応 して 定 められ た 値 ( 表 21.1)を 超 えないこと なお この 基 本 条 件 は 3233 による 温 度 試 験 を 実 施 して これを 実 証 しなければならない 2420 内 圧 防 爆 構 造 の 分 類 内 圧 防 爆 構 造 は 内 圧 の 保 持 方 式 によって 次 の 3 種 類 に 分 類 する ( 1 ) 通 風 式 内 圧 防 爆 構 造 通 風 式 内 圧 防 爆 構 造 とは 容 器 に 給 気 口 と 排 気 口 とをもち 他 力 通 風 により 内 圧 を 保 持 する 方 式 をい う ( 2 ) 封 入 式 内 圧 防 爆 構 造 封 入 式 内 圧 防 爆 構 造 とは 容 器 内 の 保 護 気 体 の 漏 れ 量 が 微 小 である 場 合 に 外 部 から 漏 れ 量 に 応 じ て 連 続 又 は 間 欠 的 に 保 護 気 体 を 補 充 することにより 内 圧 を 保 持 する 方 式 をいう この 方 式 では 正 常 運 転 時 に 排 気 口 を 使 用 せず 電 気 機 器 の 冷 却 は 保 護 気 体 の 送 給 に 依 存 しないも のとするが 掃 気 時 にのみ 使 用 する 排 気 口 を 設 けてもよい ( 3 ) 密 封 式 内 圧 防 爆 構 造 密 封 式 内 圧 防 爆 構 造 とは 保 護 気 体 を 完 全 に 密 封 し 漏 れるおそれがないようにして 内 圧 を 保 持 す る 方 式 をいう 2430 容 器 2431 容 器 の 構 造 容 器 は 通 電 中 に 所 定 の 内 圧 が 保 持 できるように 保 護 気 体 の 給 排 気 口 以 外 の 部 分 を IP4X 以 上 とし かつ 通 電 中 の 保 護 気 体 の 圧 力 に 耐 えるものでなければならない また 通 風 式 又 は 封 入 式 内 圧 防 爆 構 造 のものは 容 器 内 のあらゆる 部 分 の 掃 気 が 容 易 に 行 われる 構 造 で 44
なければならない 容 器 内 に 収 納 される 単 体 機 器 についても その 内 部 の 掃 気 が 十 分 かつ 容 易 に 行 われるように 考 慮 することが 必 要 である 2432 透 明 窓 透 明 窓 は 次 による ( 1 ) 透 明 窓 は 必 要 最 小 限 度 に 設 けることとし 各 開 口 部 の 面 積 はできる 限 り 小 さくしなければならな い なお 透 明 窓 に 用 いる 透 明 板 は 次 のとおりとする (a) 透 明 板 は 容 器 の 一 部 として 所 要 の 強 さをもたなければならない (b) 透 明 板 は JIS R3206 に 規 定 する 強 化 ガラス 又 はこれと 同 等 以 上 の 強 度 をもつ 難 燃 性 物 質 を 使 用 しなければならない (c) 透 明 板 は これを 透 明 窓 に 取 付 けた 状 態 で 質 量 200g の 鋼 球 を 200cm の 高 さから 落 下 させても 破 損 しない 強 さをもたなければならない (d) 透 明 板 の 取 付 けに 当 たっては これに 危 険 な 応 力 を 与 えないようにしなければならない ( 2 ) 透 明 窓 の 開 口 部 の 面 積 が 100cm 2 を 超 える 場 合 は (1)による 透 明 板 の 外 側 に 次 に 示 すような 保 護 パネルを 設 けなければならない (a) 保 護 パネルは 良 質 のガラス 又 は 機 械 的 熱 的 及 び 化 学 的 影 響 に 十 分 耐 えるものを 使 用 しなければ ならない (b) 保 護 パネルは 容 器 に 取 付 けた 状 態 で 質 量 95 g の 銅 球 を 100cm の 高 さから 落 下 させても 破 損 し ない 強 さをもたなければならない なお この 場 合 透 明 板 も 破 損 してはならない 2440 保 護 気 体 及 び 保 護 気 体 送 給 設 備 2441 保 護 気 体 通 風 式 及 び 封 入 式 内 圧 防 爆 構 造 の 電 気 機 器 においては その 内 圧 防 爆 性 を 確 保 するために 必 要 にし て 十 分 な 保 護 気 体 の 風 圧 及 び 風 量 を 定 めておかなければならない この 場 合 電 気 機 器 の 通 電 中 に 容 器 内 部 のあらゆる 点 の 圧 力 が 容 器 外 周 の 圧 力 より 50Pa 以 上 高 く 保 持 されていなければならない 内 圧 防 爆 性 を 確 保 するために 必 要 にして 十 分 な とは 圧 力 低 下 検 出 器 の 動 作 値 よりも 十 分 に 高 く 安 定 して 通 電 を 継 続 し 得 る 値 を 意 味 する 2442 保 護 気 体 送 給 設 備 保 護 気 体 送 給 設 備 は 次 による ( 1 ) 通 風 式 及 び 封 入 式 内 圧 防 爆 構 造 の 電 気 機 器 には これに 必 要 な 保 護 気 体 を 送 給 できる 設 備 を 設 けな ければならない 45
( 2 ) 保 護 気 体 送 給 設 備 は 対 象 とする 電 気 機 器 が 必 要 とする 風 圧 及 び 風 量 を 十 分 に 安 定 して 供 給 し 得 る 容 量 のものでなければならない ( 3 ) 通 風 管 路 の 材 料 は 不 燃 性 でなければならない また 通 風 式 内 圧 防 爆 構 造 における 排 気 の 放 出 口 は 爆 発 の 危 険 性 がない 場 所 に 設 けるものとする ( 4 ) 保 護 気 体 として 空 気 を 用 いる 場 合 には その 取 入 口 は 常 時 清 浄 な 空 気 が 得 られ いかなる 場 合 に も 周 囲 の 爆 発 性 ガスが 混 入 するおそれがない 場 所 に 設 けなければならない なお 塵 埃 などの 侵 入 を 防 止 するためにフィルタを 設 ける 場 合 は フィルタの 清 掃 が 容 易 に 行 える 構 造 としなければなら ない 2450 保 護 装 置 2451 通 風 式 内 圧 防 爆 構 造 に 対 する 保 護 装 置 通 風 式 内 圧 防 爆 構 造 に 対 する 保 護 装 置 は 次 による ( 1 ) 電 気 機 器 の 通 電 開 始 に 際 しては 容 器 及 びそれにつながる 通 風 管 路 の 内 部 が その 内 容 積 の 5 倍 以 上 の 保 護 気 体 で 掃 気 された 後 初 めて 電 気 機 器 に 通 電 を 開 始 することができるようにしなければな らない 通 電 開 始 前 の 掃 気 時 に 保 護 気 体 の 量 がその 内 容 積 の 5 倍 以 上 とは 通 風 式 及 び 封 入 式 内 圧 防 爆 構 造 の 電 気 機 器 に 対 する 基 準 として 掃 気 総 量 でみた 最 低 限 度 を 定 めているに 過 ぎない したがって 容 器 内 部 の 構 造 の 複 雑 な 箇 所 及 び 容 器 内 部 に 取 付 けた 単 体 機 器 の 内 部 など 滞 留 が 生 じやすいと 思 われる 部 分 について その 効 果 が 十 分 期 待 できるよう 掃 気 総 量 を 定 めるべきである 保 護 気 体 で 掃 気 された 後 通 電 を 開 始 するには 一 般 にタイムリレーを 使 用 して 電 気 的 にインターロックす る 方 法 が 用 いられている この 場 合 の 掃 気 時 間 t(s)の 算 出 は 次 式 による k (V+α) t (s) Q ここに Ⅴ : 容 器 の 内 容 積 (m 3 ) α : 通 風 管 路 の 内 容 積 (m 3 ) Q k : 掃 気 時 の 最 低 所 要 風 量 (m 3 /s) : 掃 気 総 量 を 定 めるための 係 数 5 以 上 k(v+α) : 掃 気 総 量 (m 3 ) ( 2 ) 電 気 機 器 の 通 電 中 に 保 護 気 体 の 圧 力 が 所 定 の 値 * 以 下 に 低 下 した 場 合 は 通 電 を 停 止 させるか 警 報 を 発 して 保 護 しなければならない 圧 力 低 下 時 の 措 置 は 表 24.1 のとおりとする 46
表 24.1 圧 力 低 下 時 の 措 置 機 器 の 種 類 第 一 類 危 険 箇 所 第 二 類 危 険 箇 所 常 時 点 火 源 をもつもの 常 時 点 火 源 をもたないもの 直 ちに 自 動 的 に 通 電 を 停 止 する 直 ちに 警 報 を 発 し 自 動 的 に 一 定 時 限 で 通 電 を 停 止 する 直 ちに 警 報 を 発 し 自 動 的 又 は 人 為 的 に 一 定 時 限 で 通 電 を 停 止 する 直 ちに 警 報 を 発 し できるだけ 早 く 自 動 的 又 は 人 為 的 に 通 電 を 停 止 する 注 * ここでいう 所 定 の 値 とは 圧 力 低 下 検 出 器 の 動 作 値 をいい 周 辺 の 爆 発 性 ガスが 容 器 内 部 に 侵 入 するおそれが 生 じないように 容 器 の 構 造 及 び 使 用 場 所 の 危 険 性 に 応 じて 定 めるものとする 1 周 辺 の 爆 発 性 ガスが 容 器 内 部 に 侵 入 するおそれがないようにするためには 容 器 内 の 最 低 圧 力 部 が 容 器 外 周 の 圧 力 より 50Pa 以 上 高 いものでなければならない 2 圧 力 低 下 検 出 器 の 圧 力 検 出 部 は 原 則 として 電 気 機 器 の 通 電 中 に 最 も 低 いと 思 われる 部 分 ( 最 低 圧 力 部 ) に 設 けるものとする 3 圧 力 検 出 部 を 電 気 機 器 の 最 低 圧 力 部 に 設 けることが 困 難 なために やむを 得 ず 最 低 圧 力 部 より 圧 力 の 高 い 他 の 位 置 に 設 けて 等 価 的 に 最 低 圧 力 部 の 圧 力 を 検 出 する 場 合 圧 力 低 下 検 出 器 の 動 作 値 は 最 低 圧 力 部 の 圧 力 が 50Pa であるときに 対 応 する 検 出 部 位 置 の 圧 力 値 以 上 でなければならない 4 圧 力 低 下 検 出 器 の 動 作 値 は 使 用 場 所 の 危 険 度 環 境 ( 雰 囲 気 の 圧 力 爆 発 性 ガスの 発 生 状 態 爆 発 性 ガ スの 流 れの 方 向 など)の 変 化 を 考 慮 し 更 に 余 裕 を 加 えて 決 定 するものとする ( 3 ) 電 気 機 器 の 通 電 停 止 後 に 通 風 がなければ 機 器 内 部 の 温 度 が 過 大 になるなどの 危 険 が 生 ずるおそれ がある 場 合 は 通 電 停 止 後 の 所 要 時 間 の 間 内 圧 を 保 持 し かつ 冷 却 のため 通 風 を 行 うような 保 護 装 置 を 設 けなければならない 2452 封 入 式 内 圧 防 爆 構 造 に 対 する 保 護 装 置 封 入 式 内 圧 防 爆 構 造 に 対 する 保 護 装 置 は 次 による ( 1 ) 封 入 式 内 圧 防 爆 構 造 に 対 する 保 護 装 置 は 2451 に 準 じて 行 うものとする ( 2 ) 通 電 開 始 前 の 掃 気 時 だけに 使 用 する 排 気 口 を 設 けた 場 合 の 保 護 装 置 の 掃 気 時 間 は 排 気 口 を 使 用 し ないものとして 設 定 する ただし 掃 気 時 だけ 排 気 口 を 自 動 的 に 開 閉 する 機 構 をもつ 場 合 は 排 気 口 を 使 用 したものとして 設 定 することができる 掃 気 時 にだけ 使 用 する 排 気 口 を 設 けるのは 本 来 掃 気 をより 確 実 に 行 うことを 目 的 としているので 保 護 装 置 における 掃 気 時 間 の 設 定 は 安 全 側 を 考 えて 排 気 口 を 開 かない 場 合 の 値 とする ただし 電 磁 弁 などを 用 い て 掃 気 時 だけ 自 動 的 に 排 気 口 を 開 閉 する 機 構 をもつものは 通 風 式 内 圧 防 爆 構 造 の 場 合 と 同 様 の 掃 気 効 果 が 得 られるので 掃 気 時 間 を 通 風 式 と 同 じ 考 え 方 で 設 定 してもよいこととした 2453 密 封 式 内 圧 防 爆 構 造 に 対 する 保 護 装 置 密 封 式 内 圧 防 爆 構 造 に 対 する 保 護 装 置 は 容 器 内 部 の 圧 力 を 確 実 に 指 示 する 装 置 でなければならない 47
2454 圧 力 低 下 検 出 器 通 風 式 及 び 封 入 式 内 圧 防 爆 構 造 の 電 気 機 器 に 使 用 する 圧 力 低 下 検 出 器 は 次 による ( 1 ) 圧 力 低 下 検 出 器 は 内 圧 防 爆 構 造 の 電 気 機 器 が 設 置 される 場 所 の 分 類 に 適 合 した 本 質 安 全 防 爆 構 造 又 は 耐 圧 防 爆 構 造 のものでなければならない 備 考 耐 圧 防 爆 構 造 の 圧 力 低 下 検 出 器 は 内 部 爆 発 によって 圧 力 検 出 機 能 に 支 障 を 来 さないものとする ( 2 ) 圧 力 低 下 検 出 器 は 保 護 気 体 の 使 用 圧 力 * に 継 続 して 耐 え 得 るものでなければならない * 注 使 用 圧 力 とは 保 護 気 体 送 給 設 備 の 正 常 運 転 時 に 容 器 内 に 生 じ 得 る 最 大 圧 力 をいう 2460 温 度 上 昇 限 度 2461 温 度 上 昇 限 度 容 器 外 面 爆 発 危 険 箇 所 内 の 通 風 管 路 の 外 面 及 び 排 気 の 温 度 上 昇 は 表 21.1 の 値 を 超 えてはならない 2470 表 示 2471 表 示 内 圧 防 爆 構 造 の 電 気 機 器 は 2124 による 表 示 のほか 通 風 式 及 び 封 入 式 内 圧 防 爆 構 造 の 場 合 は 次 の 事 項 を 表 示 しなければならない ( 1 ) 容 器 の 内 容 積 ( 2 ) 保 護 気 体 の 給 気 口 における 所 要 風 圧 及 び 所 要 風 量 ( 3 ) 保 護 気 体 の 排 気 口 における 所 要 風 圧 ( 通 風 式 の 場 合 のみ) ( 4 ) 容 器 の 許 容 最 高 風 圧 容 器 の 内 容 積 を 表 示 するのは 掃 気 時 間 の 算 出 に 必 要 なためである 48
2500 安 全 増 防 爆 構 造 2510 安 全 増 防 爆 構 造 の 必 要 条 件 電 気 機 器 の 安 全 増 防 爆 構 造 は 2100 及 び 本 章 の 各 条 項 に 適 合 しなければならない 安 全 増 防 爆 構 造 として 必 要 な 性 能 ( 以 下 安 全 増 防 爆 性 という)は 正 常 な 使 用 状 態 で 容 器 内 に 電 気 火 花 異 常 高 温 ともに 発 生 することのない 電 気 機 器 において 次 に 示 す 基 本 条 件 に 適 合 しなければなら ない ( 1 ) 絶 縁 空 間 距 離 沿 面 距 離 絶 縁 巻 線 の 温 度 上 昇 限 度 及 び 導 体 接 続 部 などに 安 全 度 を 増 加 させること によって 点 火 源 となるおそれのある 電 気 火 花 又 は 異 常 高 温 の 発 生 の 可 能 性 を 抑 止 し 得 ること なお 正 常 な 使 用 状 態 とは 電 気 機 器 の 定 格 を 維 持 することであって 例 えば 過 負 荷 運 転 のおそれ がある 場 合 などのように 定 格 を 外 れる 状 態 に 対 しては 適 切 な 保 護 装 置 との 組 合 せで 安 全 度 を 判 定 しなければならない ( 2 ) 爆 発 性 ガスに 触 れるおそれがある 容 器 内 外 各 部 の 温 度 上 昇 は 発 火 度 に 対 応 して 定 められた 値 ( 表 21.1)を 超 えないこと なお この 基 本 条 件 は 3242 による 温 度 試 験 を 実 施 して それを 実 証 しなければならない 2520 容 器 2521 容 器 の 保 護 等 級 容 器 の 保 護 等 級 は 次 の 各 号 に 定 めるところに 適 合 しなければならない ( 1 ) 内 部 に 裸 充 電 部 分 がある 容 器 は IP54 以 上 でなければならない ( 2 ) 内 部 に 絶 縁 された 充 電 部 分 だけがある 容 器 は IP44 以 上 でなければならない ( 3 ) (1) 及 び(2)にかかわらず 容 器 にドレン 穴 や 結 露 防 止 用 の 通 気 口 を 設 ける 場 合 は (1)では IP44 を (2)では IP24 をそれぞれ 下 回 らないものでなければならない ( 4 ) 高 圧 回 転 機 金 属 抵 抗 器 及 び 車 両 用 蓄 電 池 において 金 網 などを 用 いて 充 電 部 分 が 十 分 に 保 護 され ている 場 合 には IP20 でもよい 1 高 圧 回 転 機 は 一 般 に 容 量 が 大 きく 注 意 が 十 分 に 行 き 届 くであろうから また 抵 抗 器 は 一 般 に 温 度 上 昇 値 が 高 くなるなどの 見 解 から 充 電 部 分 が 十 分 に 保 護 されている 場 合 には 必 ずしも IP44 以 上 としなくて もよいこととした 2 車 両 用 蓄 電 池 は 水 素 を 発 生 するので 空 気 の 流 通 があった 方 が 安 全 であるので 充 電 部 を 十 分 保 護 するこ とによって 必 ずしも IP44 以 上 としなくてもよいこととした 3 容 器 の 保 護 等 級 については JIS C0920 および JIS C4034-5 を 参 照 のこと 2522 透 明 窓 透 明 窓 は 必 要 最 小 限 度 に 設 けることとし 各 開 口 部 の 面 積 はできる 限 り 小 さくしなければならない なお 透 明 窓 に 用 いる 透 明 板 は 次 による ( 1 ) 透 明 板 は JIS R3206 に 規 定 する 強 化 ガラス 又 はこれと 同 等 以 上 の 強 度 をもつ 難 燃 性 物 質 を 使 用 し 49
なければならない ( 2 ) 透 明 板 は これを 透 明 窓 に 取 付 けた 状 態 で 質 量 95g の 鋼 球 を 100cm の 高 さから 落 下 させても 破 損 しない 強 さをもたなければならない ( 3 ) 透 明 板 の 取 付 けに 当 たっては これに 危 険 な 応 力 を 与 えないようにしなければならない 2530 絶 縁 物 2531 絶 縁 材 料 電 気 機 器 の 絶 縁 材 料 は 周 辺 の 雰 囲 気 の 影 響 及 び 予 想 される 機 械 的 化 学 的 熱 的 影 響 に 十 分 耐 える のでなければならない 2532 裸 充 電 部 の 支 持 物 裸 充 電 部 の 支 持 物 として 絶 縁 処 理 を 施 さない 木 材 ファイバ 及 びプレスボードを 使 用 してはならない 2533 積 層 絶 縁 物 積 層 絶 縁 板 又 は 積 層 絶 縁 管 においては 層 をはがし 又 は 絶 縁 物 をはぐような 機 械 力 が 加 わる 構 造 として はならない なお 加 工 面 には 十 分 な 耐 湿 処 理 を 施 さなければならない 2534 型 造 絶 縁 物 型 造 絶 縁 物 は 使 用 中 に 表 皮 が 損 傷 しにくいような 形 状 にしなければならない 表 皮 をもっていないか 又 は 仕 上 げにより 全 部 又 は 一 部 の 表 皮 が 取 除 かれた 絶 縁 物 の 表 面 には ワニスなど を 十 分 に 塗 り 湿 気 の 侵 入 を 防 止 しなければならない 2540 絶 縁 空 間 距 離 及 び 沿 面 距 離 2541 絶 縁 空 間 距 離 絶 縁 空 間 距 離 は 表 25.1 によらなければならない 2542 沿 面 距 離 沿 面 距 離 は 絶 縁 物 の 比 較 トラッキング 指 数 (CTI)による 区 分 に 応 じて 表 25.2 によらなければならな い なお 絶 縁 物 にリブ 又 はくぼみを 設 ける 場 合 は 2544 によって 沿 面 距 離 を 計 算 することとする この 場 合 沿 面 距 離 は 表 25.2 における 1 段 上 位 の 区 分 に 対 応 する 最 小 値 を 適 用 してもよい 50
表 25.1 絶 縁 空 間 距 離 の 最 小 値 単 位 mm 定 格 絶 縁 電 圧 V 絶 縁 空 間 距 離 の 最 小 値 30 1.8 60 2.1 250 5 400 6 500 8 660 10 1,000 14 1,500 20 2,000 23 3,000 36 6,000 60 10,000 100 備 考 電 気 機 器 の 定 格 電 圧 は 表 25.1 の 定 格 絶 縁 電 圧 を 10%まで 超 えてもよい 表 25.2 沿 面 距 離 の 最 小 値 単 位 mm 区 分 定 格 絶 縁 電 圧 V I Ⅱ Ⅲa 30 1.8 1.8 1.8 60 2.1 2.6 3.4 250 5.0 6.3 8.0 400 8.0 10.0 12.5 500 10.0 12.5 16.0 660 12.0 16.0 20.0 1,000 20.0 25.0 32.0 1,500 23.0 27.0 32.0 2,000 25.0 28.0 32.0 3,000 40.0 45.0 50.0 6,000 80.0 90.0 100.0 10,000 125.0 140.0 160.0 備 考 1. 電 気 機 器 の 定 格 電 圧 は 表 25.2 の 定 格 絶 縁 電 圧 を 10%まで 超 えてもよい 2. 沿 面 距 離 のⅠ Ⅱ Ⅲa は 比 較 トラッキング 指 数 によって 次 のように 区 別 する 比 較 トラッキング 指 数 の 区 分 区 分 比 較 トラッキング 指 数 備 考 Ⅰ 600 CTI 磁 器 ガラスなどの 無 機 質 絶 縁 物 Ⅱ 400 CTI<600 Ⅲa 175 CTI<400 3. 絶 縁 物 の 比 較 トラッキング 指 数 を 決 定 するための 耐 トラッキング 性 試 験 法 は JIS C2134 による F 51
絶 縁 物 にリブ 又 はくぼみを 設 けた 場 合 の 沿 面 距 離 の 最 小 値 を 一 段 上 位 の 区 分 に 対 応 する 値 を 適 用 するという ことは 例 えば 区 分 Ⅲa に 対 応 する 絶 縁 物 にリブ 又 はくぼみを 設 けた 場 合 には 区 分 Ⅱに 対 応 する 沿 面 距 離 の 最 小 値 を 適 用 することをいう 2543 沈 みボルト 又 は 沈 みねじ 沈 みボルト 又 は 沈 みねじの 埋 込 穴 における 沿 面 距 離 は ほこりを 考 慮 し ボルト 又 はねじの 頭 の 端 から 埋 込 穴 の 側 線 までの 距 離 fの 大 小 により 次 に 示 すように 計 算 しなければならない ( 1 ) f<3mm の 場 合 図 25.1(a) (b)に 例 示 するように 埋 込 穴 の 側 線 は ボルト 又 はねじの 頭 の 上 端 の 線 までとし 埋 込 穴 の 側 線 からボルト 又 はねじの 頭 の 上 端 までの 距 離 は 含 まないものとする ( 2 ) f 3mm の 場 合 図 25.1(c) (d)に 例 示 するように 埋 込 穴 の 側 線 は ボルト 又 はねじの 頭 の 座 面 ( 座 金 がある 場 合 は 座 金 の 座 面 )までを 沿 面 距 離 として 加 算 してもよい 図 25.1 沈 みボルトまたは 沈 みねじの 沿 面 距 離 52
2544 リブ 又 はくぼみ 絶 縁 物 にリブ 又 はくぼみを 設 ける 場 合 の 沿 面 距 離 は 次 に 示 すように 計 算 しなければならない ( 1 ) リブ 又 はくぼみは 高 さ 又 は 深 さh 及 び 幅 wがそれぞれ 3mm 以 上 ある 場 合 に 限 りリブ 又 はくぼみと して 適 用 する ( 2 ) リブ 又 はくぼみの 高 さ 又 は 深 さh 及 び 幅 wがそれぞれ 3mm 以 上 の 場 合 は 図 25.2(a) (b) (c)に 例 示 するように 導 体 からリブ 又 はくぼみまでの 距 離 fの 大 小 によって 沿 面 距 離 を 計 算 しなければな らない 備 考 リブ 又 はくぼみの 高 さ 又 は 深 さh 及 び 幅 wが 3mm 未 満 の 場 合 は リブ 又 はくぼみの 効 果 が 小 さいので 沿 面 距 離 kは 図 25.2(d) (e)に 例 示 するようにリブ 又 はくぼみの 高 さ 又 は 深 さを 加 算 しないで 導 体 間 の 直 線 距 離 としなければならな い 図 25.2 リブ 又 はくぼみの 沿 面 距 離 53
( 3 ) リブが 絶 縁 物 の 継 合 せである 場 合 でも 継 目 がないのと 同 等 の 効 果 がある 処 理 を 施 したものは (2) を 適 用 することができる ( 図 25.3 に 例 示 する ) 図 25.3 継 合 せリブの 沿 面 距 離 2550 接 続 部 2551 接 続 方 法 導 電 部 の 接 続 部 分 は 常 時 運 転 による 発 熱 振 動 又 は 絶 縁 物 の 変 化 ( 例 えば 膨 れ 上 がり)により 接 触 不 良 を 来 さないようにしなければならない その 接 続 方 法 は 次 のいずれかによる ( 1 ) 緩 止 めを 施 したねじ 締 め この 場 合 図 25.4 に 例 示 するように ねじの 先 端 で 直 接 電 線 を 押 し 付 けるような 端 子 及 び 締 める ときに 電 線 がよじれ 又 は 滑 るような 端 子 を 使 用 してはならない 図 25.4 接 続 端 子 の 不 良 例 ( 2 ) リベット 締 め 又 は 圧 着 接 続 ( 3 ) スリーブ バインド 線 などで 補 強 したはんだ 付 け ( 4 ) 硬 ろう 付 け ( 5 ) 溶 接 54