JAにおける新規就農支援の取り組みの特徴と課題



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研 究 レポート JAにおける 新 規 就 農 支 援 の 取 り 組 みの 特 徴 と 課 題 ( 社 )JA 総 合 研 究 所 基 礎 研 究 部 主 席 研 究 員 鴻 巣 正 (こうのす ただし) 1.はじめに 米 国 のサブプライム 問 題 に 端 を 発 した 金 融 危 機 は 実 体 経 済 にも 深 刻 な 影 響 を 及 ぼし 緊 急 雇 用 対 策 が 喫 緊 の 課 題 となった こうしたなか 農 業 が 雇 用 の 場 として 注 目 され 農 業 後 継 者 の 育 成 や 地 域 の 担 い 手 確 保 等 の 観 点 からも 期 待 が 高 まっている これまで 新 規 就 農 支 援 の 取 り 組 みは 行 政 主 導 の 傾 向 が 強 く JAグループとして の 全 国 的 な 運 動 としての 盛 り 上 がりには 至 っていなかった 当 研 究 所 では JA 全 中 や 農 林 中 央 金 庫 等 と 連 携 し 新 規 就 農 支 援 にどのような 条 件 整 備 が 必 要 か 事 例 収 集 を 進 めている 本 稿 では 第 一 線 の 具 体 的 な 取 り 組 みを 通 じたJAにおける 新 規 就 農 支 援 の 特 徴 を 紹 介 し その 課 題 について 若 干 の 考 察 を 行 った 2. 営 農 形 態 による 特 徴 一 般 的 には 畜 産 や 園 芸 の 盛 んな 地 域 の 方 が JAでの 個 別 の 取 り 組 みが 進 んで いる 一 方 水 田 農 業 地 域 では 農 業 後 継 者 の 育 成 や 地 域 の 担 い 手 育 成 など 全 体 的 な 地 域 農 業 振 興 の 一 環 として 実 施 されている (1) 畜 産 関 係 酪 農 については 無 理 な 規 模 拡 大 に 伴 う 事 業 の 再 生 や 継 承 との 関 係 がみられる 例 えば 北 海 道 では 農 地 保 有 合 理 化 事 業 で 中 間 保 有 された 牧 場 を 公 社 からリースを 受 け 新 規 就 農 者 を 育 成 し 事 業 継 承 させる 事 例 がある 都 府 県 では 酪 農 協 でこう した 取 り 組 みを 行 っているところもある 肉 用 牛 では 肉 用 牛 繁 殖 での 増 頭 を 図 り 新 規 就 農 を 促 す 取 り 組 みがみられる これには 全 体 に 畜 産 経 営 が 非 常 に 厳 しいという 背 景 がある (2) 園 芸 関 係 野 菜 や 特 産 物 における 新 規 就 農 支 援 の 取 り 組 みは JAグループにおいても 最 も 一 般 的 といえる 少 ない 資 本 で 一 定 の 所 得 を 挙 げようとすれば 野 菜 や 特 産 物 等 が 現 実 的 で 就 農 希 望 者 が 選 好 する 傾 向 にある また 都 市 周 辺 では 非 農 家 や 地 域 住 民 を 対 象 とした 取 り 組 みが 出 てきている 特 に 直 売 所 の 運 営 組 織 等 とも 結 び 付 いた 取 り 組 みなどである (3) 水 田 関 係 JAでの 取 り 組 みを 通 じた 土 地 利 用 型 への 就 農 は 農 業 後 継 者 やUターン 等 のケー スが 多 い 稲 作 水 田 農 業 で 専 業 化 は 難 しく 非 農 家 の 就 農 希 望 者 向 きではない 水 田 農 業 の 場 合 人 々のきずなや 地 域 の 共 生 を 図 る 観 点 から 全 体 的 な 担 い 手 育 成 の 取 り 組 みの 一 環 として 実 施 されている 特 に 経 営 所 得 安 定 対 策 の 定 着 化 に 伴 い 集 落 営 農 組 織 等 のリーダーやオペレーターの 育 成 が 重 要 になっており 既 存 の 新 規 就 農 支 援 という 枠 組 みでは 対 応 しがたい 面 も 出 ている 3. 推 進 組 織 での 特 徴 (1) 基 金 等 の 活 用 JAの 新 規 就 農 支 援 について 地 域 農 業 や 農 村 振 興 の 観 点 から 位 置 付 ける 動 きも 出 てきている 県 市 町 村 JAグループ 等 で 造 成 した 基 金 を 活 用 し 新 規 就 農 支 研 究 レポート JAにおける 新 規 就 農 支 援 の 取 り 組 みの 特 徴 と 課 題 27

援 に 助 成 している 事 例 がある これは 欧 州 の 農 村 振 興 基 金 にも 通 じるものである 行 政 機 構 の 整 備 に 伴 い 総 合 的 対 策 として 関 連 する 機 関 や 団 体 等 とのワンフロア 化 が 進 められ 新 規 就 農 相 談 センターを 設 ける 傾 向 になっている 新 規 就 農 相 談 セン ターは 法 人 格 を 持 たないが 農 業 振 興 公 社 等 が 母 体 になっている 場 合 が 多 い (2) 就 農 支 援 協 議 会 の 設 立 行 政 団 体 等 の 一 体 的 推 進 を 図 るため 新 規 就 農 対 策 を 目 的 としたJA 参 画 型 の 就 農 支 援 協 議 会 を 設 立 する 動 きがある 新 規 就 農 にかかわる 事 業 は かなり 広 範 に わたっている 就 農 支 援 協 議 会 には 地 域 の 関 連 する 団 体 組 織 が 参 加 し 地 域 の ことは 地 域 で 決 めるという 仕 組 みの 基 本 になっている こうした 動 きは 地 域 が 連 携 し 受 け 入 れ 態 勢 を 整 備 し 地 方 分 権 化 を 促 進 する 上 でも 効 果 を 発 揮 している 4. 就 農 希 望 者 との 関 係 (1) 農 業 後 継 者 JAの 新 規 就 農 支 援 は 組 合 員 貢 献 が 基 本 にあるが 必 ずしも 組 合 員 子 弟 を 意 識 し た 取 り 組 みとはいえない 面 がある 特 に 水 田 地 域 にその 傾 向 は 強 い これは 水 田 農 業 の 担 い 手 対 策 と 密 接 に 関 連 している 地 域 農 業 を 維 持 し 農 地 を 保 全 してい くためには 集 落 営 農 等 の 組 織 の 役 割 が 大 きくなっており 地 域 のきずなや 協 力 で 農 地 を 守 っていってほしいという 農 家 が 多 い また 専 業 でやっている 農 家 は 自 分 の 家 で 後 継 者 を 育 成 できるという 面 がある (2) 定 年 帰 農 者 や 地 域 住 民 地 域 農 業 の 維 持 や 農 地 の 保 全 等 の 観 点 から 直 売 所 等 を 活 用 して 定 年 帰 農 者 や 地 域 住 民 の 農 業 参 加 を 進 める 動 きもある これは 今 後 も 増 えていくとみている 特 に 団 塊 世 代 が 定 年 を 迎 え 定 年 後 農 業 を 始 めたいという 人 も 多 い 一 方 農 業 サイドでは 高 齢 化 や 後 継 者 不 足 で 不 耕 作 地 が 増 加 するなど 地 域 農 業 の 維 持 や 農 地 の 保 全 が 重 要 な 課 題 になっている 貸 し 手 と 借 り 手 のニーズを 踏 まえ JAが 積 極 的 な 役 割 を 発 揮 している 地 域 もある (3) 農 業 法 人 への 就 農 JAでの 新 規 就 農 支 援 では 農 業 生 産 法 人 への 就 業 は 多 いとはいえない JAの 場 合 人 々のきずなや 地 域 との 共 生 を 基 本 にしており いわゆる 新 規 参 入 等 の 支 援 に 馴 染 まない 面 もある JA 出 資 法 人 等 での 取 り 組 みも 見 られるが 主 要 な 動 きに はなっていない 新 規 就 農 者 の 雇 用 は 農 業 法 人 の 方 が 進 んでおり 特 に 非 農 家 出 身 者 にとっては 農 業 法 人 への 就 業 の 方 が 安 定 しているという 面 がある 5.JAにおける 施 設 等 の 保 有 (1) 研 修 施 設 等 の 保 有 JAが 新 規 就 農 者 向 け 研 修 施 設 を 保 有 する 例 は 少 ないが JAで 整 備 し 研 修 事 業 を 行 う 事 例 が 見 られる JAの 施 設 保 有 が 採 算 面 でどうなのかという 課 題 があり JAとして 新 規 就 農 支 援 にどこまで 踏 み 込 むのかということにかかわってくる こうした 場 合 地 域 の 担 い 手 を 確 保 するという 観 点 から 施 設 を 保 有 する 場 合 が 多 く 個 別 の 採 算 性 より 全 体 として 総 合 的 に 判 断 されている (2)JA 出 資 農 業 生 産 法 人 の 活 用 JA 出 資 農 業 生 産 法 人 で 研 修 生 を 受 け 入 れ 実 践 研 修 や 一 時 的 雇 用 を 行 う 事 例 も ある 次 期 JA 全 国 大 会 組 織 協 議 案 でも JA 出 資 農 業 生 産 法 人 やJA 本 体 による 農 業 経 営 を 積 極 的 に 位 置 付 けるようになってきた JA 出 資 農 業 生 産 法 人 による 新 規 就 農 支 援 の 取 り 組 みは JAとしては 踏 み 込 ん 28 研 究 レポート JAにおける 新 規 就 農 支 援 の 取 り 組 みの 特 徴 と 課 題

だ 対 応 であり 個 別 JAの 事 情 もかなり 反 映 している (3) 経 済 連 全 農 県 本 部 との 分 担 関 係 経 済 連 全 農 県 本 部 が 研 修 施 設 を 保 有 し 新 規 就 農 者 の 支 援 を 行 っている 事 例 も 見 られる 県 連 の 施 設 については JAの 共 同 利 用 施 設 の 位 置 付 けか 県 連 の 事 業 目 的 なのかを 含 め JAグループとして 地 域 の 実 情 にあった 機 能 分 担 と 連 携 関 係 を つくる 必 要 がある 県 域 全 体 の 新 規 就 農 支 援 の 体 系 とJAの 機 能 分 担 については JAと 県 域 機 能 の 連 携 を 検 討 する 上 で 有 益 であり JAグループの 目 指 す 総 合 的 推 進 体 制 の 構 築 に 通 じる 6. 新 規 就 農 支 援 の 条 件 や 支 援 措 置 の 特 徴 (1) 就 農 の 条 件 部 会 等 への 加 入 やJA 出 荷 など 新 規 就 農 支 援 に 一 定 の 条 件 を 設 ける 傾 向 にある JAとしての 取 り 組 みには JAとして 取 り 組 む 意 義 がなければ 持 続 せず 運 動 と しても 盛 り 上 がらない 新 規 就 農 支 援 に 伴 う 人 的 物 的 金 銭 的 負 担 もある 収 益 的 な 面 ばかりでなく 組 織 や 事 業 基 盤 といった 面 を 含 めて JAとしての 取 り 組 み の 考 え 方 が 前 提 となる (2) 支 援 措 置 の 特 徴 JAでの 新 規 就 農 支 援 は 就 農 相 談 や 就 農 講 座 就 農 塾 のような 比 較 的 簡 易 な 取 り 組 みが 多 い 一 般 的 には 就 農 支 援 といえるような 支 援 までは 踏 み 込 めていない 一 方 で JAおよびJAグループが 本 格 的 な 就 農 支 援 に 取 り 組 む 場 合 もある 例 えば 農 業 インターン 制 度 を 導 入 し 臨 時 職 員 として 採 用 し インターン 期 間 中 の 給 与 をJAで 負 担 し 農 業 就 業 者 の 育 成 を 図 る 事 例 もある (3) 定 着 率 の 向 上 策 新 規 就 農 については 制 度 が 整 備 されているが 定 着 率 の 課 題 がある 施 設 を 導 入 したが 就 農 者 がいつの 間 にかいなくなるというケースもあって JAも 慎 重 に ならざるを 得 ない 面 もある 定 着 率 向 上 の 取 り 組 みは 新 規 就 農 支 援 の 成 否 にも 影 響 が 大 きい 課 題 である 新 規 就 農 者 の 定 着 率 の 向 上 を 図 る 観 点 から 例 えばニューファーマー 施 設 集 団 就 農 施 設 を 整 備 し 効 果 を 挙 げているJAもある 新 規 就 農 者 は 生 産 部 会 や 青 壮 年 部 に 加 入 し 就 農 後 のアフターケアが 効 果 を 発 揮 し 高 い 定 着 率 を 実 現 するまでになっ ている 7. 農 業 インターン 制 度 による 新 規 就 農 支 援 JAにおける 新 規 就 農 支 援 として 農 業 インターン 制 度 が 着 目 されているので その 具 体 例 を 取 り 上 げる (1) 農 業 インターン 制 度 の 概 要 A-JAでは 農 業 後 継 者 育 成 事 業 の 一 環 として 2000( 平 成 12) 年 度 に 農 業 イ ンターン 制 度 を 発 足 させ 今 年 で 10 年 目 を 迎 えた 農 業 インターン 生 は1 年 間 J Aの 特 別 臨 時 職 員 として 採 用 され 給 与 を 受 けながら 本 格 的 な 農 業 研 修 に 取 り 組 む 1インターン 生 の 募 集 と 研 修 インターン 生 とは 農 業 インターン 制 度 に 基 づく 研 修 生 で 対 象 者 は おおむ ね 18 歳 から 40 歳 の 青 壮 年 である インターン 生 の 選 考 は インターン 制 度 の 運 営 委 員 会 で 行 う 選 考 にあたっては 地 区 からも 推 薦 状 をもらい 事 務 局 で 第 1 次 選 考 を 行 う 研 究 レポート JAにおける 新 規 就 農 支 援 の 取 り 組 みの 特 徴 と 課 題 29

2 研 修 の 内 容 研 修 内 容 については インターン 生 の 意 向 を 踏 まえ 運 営 委 員 会 が 決 定 する イ ンターン 生 が 希 望 する 作 物 について 先 進 農 家 での 研 修 がメインとなる このほか 本 人 の 希 望 で 農 業 大 学 校 の 講 座 を 受 講 したり JAの 関 連 施 設 での 研 修 も 可 能 である 3 給 与 の 支 給 と 所 属 認 定 を 受 けたインターン 生 は JAの 特 別 臨 時 職 員 ( 農 業 インターン 生 ) 就 業 規 則 に 定 める 雇 用 手 続 をとり 給 与 が 支 給 される インターン 生 の 所 属 は 研 修 農 家 管 内 や 出 身 地 区 の 営 農 担 当 部 となる 研 修 農 家 は 地 区 にある 専 門 部 会 の 部 会 長 等 リーダーの 方 にお 願 いする 場 合 が 多 い 研 修 期 間 中 のインターン 生 の 人 件 費 はJAで 予 算 化 し 負 担 しているが 今 年 度 から 県 の ふるさと 雇 用 再 生 特 別 基 金 事 業 の 対 象 になった (2) 農 業 インターン 希 望 者 農 業 インターン 希 望 者 の 経 歴 も 農 業 経 験 もさまざまである 就 農 までのプロセス も 多 様 であるが いくつかに 類 型 化 することができる 1 農 業 後 継 者 農 家 の 後 継 ぎで 農 作 業 を 手 伝 ってきた 研 修 生 もいる 組 合 員 子 弟 にも 親 か ら 習 うだけより 一 度 外 へ 出 て 鍛 えられたい 別 の 技 術 を 体 験 したい とい う 人 が 多 い 農 業 後 継 者 の 場 合 インターン 生 の 経 験 を 積 んで 認 定 就 農 者 にな る 人 も 多 い 2 U ターン 就 農 者 一 度 都 会 に 出 て 就 職 したが 親 の 後 を 継 いで 就 農 する 場 合 である インター ン 生 には U ターン 就 農 者 も 多 い 就 農 作 物 に 何 をやるかにもよるが 一 般 的 には 親 のやっていた 農 業 を 継 ぐ 場 合 が 多 く 就 農 は 早 い 3 非 農 家 I ターン 就 農 者 非 農 家 の 場 合 農 地 もなく 一 からのスタートとなるため 農 業 インターンは 研 修 のステップとなっている 非 農 家 の 場 合 は インターン 終 了 後 農 業 法 人 に 就 農 したりして さらに 経 験 を 積 むことになる (3) 農 業 インターン 制 度 の 活 用 事 例 1) 農 業 後 継 者 Hさん 1ミカン 専 業 農 家 の 出 身 Hさんの 父 親 は 県 内 でも 有 数 の 規 模 と 技 術 を 誇 るミカン 農 家 で 特 にハウス ミカンのスペシャリストである 県 の 果 樹 同 志 会 ハウスみかん 部 会 長 やJAの 地 域 温 室 みかん 部 会 長 を 歴 任 している 2 農 業 インターン 研 修 Hさんは 会 社 勤 めの 傍 ら 農 繁 期 の 休 日 に 収 穫 作 業 を 手 伝 っていたが 会 社 勤 めとの 両 立 は 難 しいと 判 断 し 会 社 を 退 職 した 半 年 ほど 農 作 業 に 従 事 した 後 農 業 インターン 研 修 を 申 し 込 んだ 研 修 先 には 先 進 農 家 のほか 果 樹 類 の 研 究 開 発 機 関 である 県 農 業 試 験 場 JAの 選 果 場 を 選 んだ 3 武 者 修 行 の 成 果 Hさんは 自 宅 のハウス1 棟 にデコポンの 苗 木 を 植 えた これは 研 修 先 が ちゅうばんかん 中 晩 柑 栽 培 の 先 進 農 家 であったことと 視 察 研 修 で 韓 国 のデコポン 栽 培 に 刺 激 を 受 けたことで 導 入 を 決 めた 農 業 インターン 研 修 を 通 じ 視 野 が 広 がった 結 果 ともいえる 2) 非 農 家 K さん 1 農 業 インターン 応 募 の 動 機 30 研 究 レポート JAにおける 新 規 就 農 支 援 の 取 り 組 みの 特 徴 と 課 題

Kさんは 東 京 の 非 農 家 の 出 身 で 関 西 の 大 学 院 で 分 子 生 物 学 を 専 攻 したが 後 継 者 不 足 で 世 代 交 代 が 必 要 な 農 業 にビジネスチャンスがあるのではないかと 思 う ようになった 農 業 法 人 の ファーマーズフェア に 参 加 し 県 の 農 業 法 人 の 研 修 生 になった 1 年 の 研 修 後 さらに 農 業 技 術 の 習 得 を 目 指 して JAの 農 業 イ ンターン 制 度 に 応 募 した 2JA 出 資 農 業 生 産 法 人 への 就 農 機 会 JA 出 資 農 業 生 産 法 人 の 新 規 就 農 募 集 を 知 り 新 規 就 農 を 決 意 した この 法 人 では JAが 施 設 を 整 備 し 農 業 後 継 者 等 にリースして 高 設 イチゴ 栽 培 に 取 り 組 んでいる 大 規 模 団 地 に4 人 が 独 立 栽 培 しており うち2 人 がインターン 生 である 3JA 出 資 農 業 生 産 法 人 の 役 員 へ Kさんは 法 人 の 役 員 になって6 年 目 を 迎 えた 1ha の 施 設 を 奥 さんとインター ン 生 OBの 従 業 員 1 人 外 国 人 研 修 生 3 人 パート4 人 で 管 理 し 栽 培 している 雇 用 の 管 理 のほか 経 営 者 としての 役 割 を 担 い 忙 しい 日 々を 送 っている 8.JAの 新 規 就 農 支 援 の 課 題 (1) 農 業 後 継 者 対 策 JAグループにおける 新 規 就 農 支 援 の 取 り 組 みは 必 ずしも 主 体 的 であったとは いえず 必 要 性 は 認 識 されても 運 動 として 取 り 組 む 誘 引 に 欠 けていた 面 は 否 めない また 地 域 農 業 や 農 村 振 興 を 目 的 とするものであっても JAとしての 取 り 組 みに は 財 源 的 にもおのずと 限 界 もあった しかし 農 業 後 継 者 問 題 は 組 合 員 農 家 にとって 深 刻 な 課 題 である JAの 新 規 就 農 支 援 は やはり 農 業 後 継 者 を 起 点 に 行 われるべきであり 農 家 の 後 継 ぎとなる 青 年 農 業 者 やUターン 就 農 者 等 の 支 援 は 不 可 欠 である (2) 地 域 の 担 い 手 育 成 JAにおける 新 規 就 農 支 援 の 取 り 組 みの 態 様 は かなり 多 様 であり さまざまな 側 面 を 有 している このなかで 地 域 の 担 い 手 をどうするかという 観 点 から 農 業 農 村 振 興 のメニューの1つとして 従 来 とは 異 なる 視 点 で 見 る 必 要 がある 例 えば 水 田 地 域 においては 地 域 の 担 い 手 育 成 の 観 点 から 集 落 営 農 のリーダー やオペレーターの 育 成 が 重 要 な 課 題 になっているが こうした 主 体 が 新 規 就 農 支 援 の 対 象 になっていない JAの 受 託 部 会 等 を 通 じ 農 家 をサポートする 人 材 をどう 確 保 するかは 重 要 な 課 題 である (3)JAらしい 新 規 就 農 支 援 JAは 人 々のきずなや 地 域 との 共 生 を 大 切 にしてきた 里 親 という 言 葉 に 人 間 的 な 温 かみを 感 じる 人 も 多 いと 思 う 新 規 就 農 においては 里 親 としての 受 け 入 れ 農 家 の 役 割 が 大 きい JAにおける 新 規 就 農 支 援 の 取 り 組 みには 受 け 入 れ 農 家 とタイアップした 農 業 インターン 制 のようなものが 馴 染 みやすい こうした 取 り 組 みが 現 実 的 に 成 り 立 つ 条 件 整 備 が 不 可 欠 である JAは 地 域 の 人 々とともに 自 立 を 目 指 す 就 農 希 望 者 を 支 援 してきた 新 規 就 農 支 援 についても 地 域 の 実 態 に 即 して 地 域 のコンセンサスで 進 める 必 要 があり き ずなや 共 生 を 基 本 とするJAの 総 合 的 取 り 組 みが 期 待 される 研 究 レポート JAにおける 新 規 就 農 支 援 の 取 り 組 みの 特 徴 と 課 題 31