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第 3 回 浜 松 がん 看 護 フォーラム21 知 って 得 するボディイメージの 話 自 己 概 念 とは 自 分 で 自 分 を 客 観 的 に 見 たときの 自 分 像 自 分 とはなんだろうか 自 分 は 一 体 どういう 人 間 だろうか 理 想 自 己 ボディイメージ 役 割 社 会 的 な 面 性 格 に 関 する 面 能 力 に 関 する 面 人 間 関 係 に 関 する 面 身 体 に 関 する 面 自 尊 心 アイデンティ ティ 1

自 己 概 念 その 人 の 特 性 や 能 力 についての 認 知 他 の 人 々や 環 境 との 関 係 経 験 や 目 的 に 伴 なう その 人 の 価 値 観 その 人 の 目 標 や 理 想 行 動 身 体 とは 自 己 を 表 す 最 も 具 象 的 なもの 自 分 の 身 体 は? 大 きい 小 さい 魅 力 的 魅 力 的 でない 2

ボディイメージとは 人 が 身 体 についてもつ 心 像 (イメージ) 身 体 に 対 してその 人 が 持 つ 意 識 的 あるいは 無 意 識 的 な 認 識 自 分 自 身 の 身 体 についての 概 念 ボディイメージの 形 成 は 幼 児 期 に 始 まり 自 己 の 知 覚 や 感 覚 友 人 や 重 要 他 者 の 反 応 文 化 社 会 的 価 値 観 をもとに 作 り 上 げられ る 絶 えず 変 化 する 現 実 身 体 (real Body) 身 体 知 覚 (body perception) 身 体 評 価 (body appraisal) 身 体 期 待 (body expectation) 藤 崎 郁 (1996).ボディ イメージ アセスメント ツールの 開 発. 日 本 保 健 医 療 行 動 科 学 会 年 報,11:178-199より 引 用 3

ボディイメージに 影 響 する 因 子 自 分 自 身 の 考 えや 感 情 他 者 の 自 分 に 対 する 評 価 ボディイメージ ボディイメージに 影 響 するもの 身 体 の 一 部 の 喪 失 四 肢 や 乳 房 切 除 人 口 肛 門 の 造 設 子 宮 摘 出 など 身 体 のサイズ 形 や 外 観 の 変 化 脱 毛 皮 膚 トラブル 体 重 の 増 減 など 身 体 の 機 能 の 障 害 関 節 可 動 域 の 低 下 歩 行 障 害 など がんに 罹 患 することや 治 療 によって 生 じる 体 力 的 な 衰 えや 倦 怠 感 外 観 の 変 化 によるものと 外 観 以 外 の 変 化 によりもたらされる 影 響 がある 4

ボディイメージの 混 乱 に 影 響 するもの 変 化 した 身 体 の 部 分 や 機 能 の 重 要 性 身 体 の 外 観 についての 価 値 づけ 変 化 した 身 体 部 分 の 見 えやすさ リハビリテーションの 有 効 性 変 化 の 起 こったスピード コーピングパターン アセスメントすべき 項 目 は 身 体 にどのような 変 化 をもたらしているのか ボディイメージにどのような 変 化 をもたらしているのか ボディイメージと 自 己 概 念 自 己 価 値 との 関 係 自 己 概 念 自 己 価 値 身 体 的 自 己 ボディイメージ 人 格 的 自 己 理 想 自 己 自 尊 心 役 割 アイデンティティ 佐 藤 まゆみ(2004).ボディイメージの 変 化 についての 理 解 とケ ア. 月 刊 ナーシング,Vol.24(2):44-47より 一 部 抜 粋 5

自 己 概 念 と 理 想 自 己 自 己 概 念 自 己 概 念 高 理 想 自 己 い 自 尊 心 低 い 自 尊 心 理 想 自 己 理 想 自 己 こうありたいという 願 いに 基 づいて 自 分 はいかに 行 動 すべきかと 認 知 するもの 自 尊 心 自 分 の 行 動 がどの 程 度 理 想 自 己 と 一 致 しているかを 分 析 して 得 られた 自 分 自 身 の 価 値 に 対 する 判 断 高 い 自 尊 心 ( 優 越 感 ) 自 己 概 念 と 理 想 自 己 が 良 いバランス 自 分 は 価 値 があり 大 切 な 存 在 だ と 感 じることができる 低 い 自 尊 心 ( 劣 等 感 ) 自 己 概 念 と 理 想 自 己 が 悪 いバランス 人 生 に 目 的 や 意 味 を 見 いだせず 自 分 には 価 値 がないと 感 じる 自 己 概 念 と 理 想 自 己 のバランスを 保 つことが 重 要 自 分 を 知 ること Aさん 自 分 には 価 値 がない 乳 房 切 除 術 6

きれいに 残 っ ていないなら 意 味 がない Aさん 乳 房 温 存 術 Bさん 変 形 したけど 2つ 残 ってい て 良 かった Aさんの 価 値 :きれいな 乳 房 Bさんの 価 値 : 乳 房 が2つある 個 人 がどのような 価 値 をおいているかが 重 要 ボディイメージは 自 己 の 身 体 の 容 姿 や 能 力 についての 感 情 的 価 値 的 評 価 から 作 られるため 他 の 人 の 客 観 的 な 感 覚 とは 必 ずしも 一 致 しない 身 体 の 外 観 や 構 造 機 能 の 変 化 変 化 した 自 分 の 身 体 を 変 化 する 前 の 価 値 基 準 で 捉 えようとする 個 人 の 価 値 基 準 が 変 われば 新 しいボディ イメージを 受 け 入 れることができる しかし 価 値 基 準 が 変 わらないと 自 己 概 念 が 脅 かされる ( 危 機 的 状 況 ) 7

身 体 の 変 化 に 伴 う 反 応 大 切 な 所 有 物 身 体 愛 情 の 対 象 依 存 の 対 象 ボディイメージの 変 化 は 喪 失 体 験 ~ 対 象 の 喪 失 に 伴 なう 悲 嘆 反 応 ~ 無 力 感 孤 独 感 絶 望 感 悲 しみ 怒 り 否 定 的 な 自 己 概 念 を 抱 く 患 者 は 自 分 の 病 気 が 自 分 の 人 生 に 著 しく 否 定 的 に 作 用 したり 将 来 について 希 望 が 持 てず 楽 観 的 にもなれないと 感 じて ますます 病 気 について 心 配 する Stuart GW 編, 樋 口 康 子 ほか 監 修 (1985): 自 己 概 念 の 変 容, 新 臨 床 看 護 学 大 系, 精 神 看 護 学 Ⅰ, 医 学 書 院 p248-251 ボディイメージの 問 題 ( 自 己 概 念 の 問 題 )に 関 連 する 効 果 的 な 看 護 介 入 が 必 要 8

ボディイメージが 変 容 した 患 者 への 看 護 目 標 : 患 者 が 自 分 の 問 題 への 洞 察 を 深 め 行 動 上 の 変 化 を 起 こすことができる 自 己 実 現 の 促 進 :その 人 が 自 分 の 感 情 や 願 望 や 心 情 をより 明 確 に より 深 く 体 験 する 方 向 で 支 援 する 価 値 の 変 容 : 本 当 に 大 切 なものに 気 づき 自 分 にできることを 知 り 自 信 を 持 てるよ うに 支 援 する 1. 自 分 を 知 るための 環 境 を 整 える 信 頼 関 係 の 確 立 受 容 傾 聴 考 えや 感 情 の 表 出 批 判 しない 看 護 師 の 受 容 的 な 態 度 は 患 者 が 長 所 も 欠 点 もある1 人 の 人 間 として 自 分 自 身 の すべての 要 素 を 安 心 して 自 由 に 分 析 するこ とを 可 能 にする 9

例 ) 乳 房 喪 失 の 受 容 を 促 すケア 手 術 なんてしなければ 良 かった そし たらこんな 思 いをしなくても 済 むのに こんなおっぱいみたくもない もう 私 なんて 生 きている 価 値 がない 本 当 に 辛 いですね 今 はまだ 傷 を 見 なくても 大 丈 夫 ですよ 辛 い 時 はいつでも 話 を 聞 き ますので 遠 慮 なくおっ しゃって 下 さい 2. 気 づきを 与 える 自 分 を 深 く 洞 察 する 機 会 を 多 く 持 つ 受 容 傾 聴 言 語 化 を 助 ける 看 護 師 が 患 者 の 言 葉 を 繰 り 返 し 言 うこと で 患 者 は 自 分 の 言 っていることをより 正 確 に 認 知 することを 助 ける 患 者 は 自 分 の 思 考 を 言 語 化 されたことで その 思 考 がよ り 具 体 的 で 実 際 的 なものとなる 10

手 術 をしなければがんは 治 らないし 家 族 のためにもやるしかなかった で も おっぱいに 傷 ができることがこん なに 辛 いとは 思 わなかった がんを 治 すために よく 手 術 を 決 心 されましたね 辛 い 決 断 でしたね ご 自 身 の 身 体 の 変 化 に 辛 さを 感 じて いるのですね 3. 患 者 の 問 題 を 共 有 する 患 者 の 問 題 について 話 し 合 う 受 容 傾 聴 開 かれた 質 問 看 護 師 の 受 容 的 態 度 と 共 感 的 コミュニ ケーションを 土 台 とし 質 問 に 答 えること で 患 者 は 自 ら 問 題 に 直 面 し 自 分 のストレス の 原 因 を 明 確 にすることができる 11

おっぱいなんて 今 さら 誰 に 見 せるわけ でもないのに いざ 自 分 の 身 体 がこん な 状 態 になるとみじめで やっぱり おっぱいがあることで 私 は 堂 々とし た 姿 勢 で 歩 いていたのだといます これまでおっぱいが 両 方 あ ることが 普 通 でしたから 急 に 身 体 の 一 部 がなくなっ てしまった 感 じでしょうか みんなが さんのおっぱ いを 見 ている そんな 感 じ がするのでしょうか 4. 解 決 法 を 見 出 し 目 標 を 立 てる 対 処 方 法 について 話 し 合 う コーピングの 強 化 なすべき 変 化 を 具 体 的 に 示 す 決 めたことを 尊 重 する 受 容 傾 聴 患 者 は 理 想 自 己 を 低 めて( 価 値 基 準 を 下 げ て) 自 分 がなしうるような 目 標 に 限 定 する 辛 い 作 業 が 必 要 となるが 患 者 には 人 生 を 再 構 築 し 自 分 の 成 長 のための 新 しい 体 験 となる 12

みんなのおっぱいがうらやましく 思 います 私 は 自 分 の 容 姿 に 自 信 があ りました だから 人 に 見 せられない 姿 になってしまってこれからどうし て 良 いのかわかりません でも おっぱいはもどってくるわけではな いですよね どうしようもないこと はわかっているのです 手 術 する 前 の 身 体 がいとお しいですよね だからおっ ぱいを 片 方 失 ったことはと ても 悲 しいと 思 います で も さんはがんを 治 す ために それから 家 族 のた めに 頑 張 っているのですか ら 家 族 からみたらたった 一 人 のお 母 さんであること にかわりはいのではないで しょうか 5. 目 標 達 成 ための 継 続 的 な 支 援 具 体 的 な 行 動 計 画 情 報 提 供 成 功 体 験 家 族 のサポート 患 者 が 何 年 もかかって 築 いた 行 動 パター ンから 新 しい 行 動 への 変 容 が 永 久 的 なも のになるために 十 分 な 時 間 をかける 必 要 がある 患 者 の 可 能 性 や 成 果 を 肯 定 的 に 強 化 し 患 者 が 前 進 し 続 けられるようサポート する 13

娘 の 参 観 会 にも 行 きたいし 仕 事 も 続 けたい おっぱいがないことは 仕 方 ないけれど 周 りに 気 づかれて 娘 に 余 計 な 心 配 をかけたくない どう したらいいでしょうか まず 乳 房 の 補 整 をしま しょう 娘 さんにも 病 気 に ついて 説 明 することも 必 要 かもしれません それから1 人 で 抱 え 込 まないで ご 主 人 にも 相 談 しましょう 乳 がん 治 療 によるボディイメージ 乳 がん 治 療 の 診 断 告 知 手 術 による 乳 房 の 喪 失 変 形 リンパ 浮 腫 内 分 泌 療 法 による 肥 満 ボディイメージ の 変 容 化 学 療 法 による 脱 毛 皮 膚 障 害 末 梢 神 経 障 害 セクシュアリティ 放 射 線 療 法 による 皮 膚 障 害 乳 房 のこわばり 授 乳 機 能 の 喪 失 ボディイメージの 受 容 独 立 行 政 法 人 国 立 病 院 機 構 四 国 がんセンター 編 集 (2008): 乳 がん 看 護 トータルガイド.p173 14

乳 がん 治 療 によるボディイメージ 受 容 への 看 護 ~ 手 術 療 法 の 場 合 ~ 告 知 時 より さま ざまなボディイメー ジの 変 化 による 喪 失 を 受 け 入 れるための 心 の 準 備 ができるよ う 支 援 する 身 体 に 対 する 価 値 観 を 理 解 予 期 的 悲 嘆 を 促 す 患 者 の 受 容 状 態 に 合 わせた 手 術 前 オ リエンテーション 治 療 内 容 患 者 の 希 望 生 活 対 処 方 法 を 共 に 考 える 乳 がん 治 療 の 診 断 告 知 ボディイメージ の 変 容 ボディイメージの 受 容 ボディイメージの 受 容 を 促 すケア 身 体 に 対 する 価 値 観 を 理 解 患 者 の 受 容 状 態 に 合 わせた 心 理 的 な 支 援 身 体 機 能 の 回 復 へ の 基 本 的 な 援 助 独 立 行 政 法 人 国 立 病 院 機 構 四 国 がんセンター 編 集 (2008): 乳 がん 看 護 トータルガイド.p173 本 日 のまとめ ボディイメージは 心 理 的 に 変 化 をもたらさなければ 変 化 はしない よって ボディイメージの 変 化 と 身 体 の 変 化 は 区 別 する ボディイメージを 理 解 することは 患 者 の 重 要 な 感 情 や 不 安 や 価 値 を 理 解 することにつながる 家 族 や 看 護 師 の 身 体 の 外 観 や 構 造 機 能 が 変 化 しても 今 までのあなたと 少 しも 変 わりがない という 言 語 的 非 言 語 的 コミュニケーションが 人 々がボディイメージの 変 化 を 受 容 していくために 重 要 である 看 護 師 の 役 割 は 患 者 のボディイメージの 変 化 への 適 応 を 促 進 するように 援 助 する 15