(3) これらを 踏 まえた 結 果 IFRS-IC では IAS 第 32 号 及 び IFRS 第 9 号 (IAS 第 39 号 )の 現 行 のガイダンスに 照 らし 解 釈 指 針 も 基 準 の 修 正 も 必 要 ないとの 結 論 が 下 された (4) なお カスタマー ロイヤルティ



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Transcription:

第 331 回 企 業 会 計 基 準 委 員 会 資 料 番 号 日 付 審 議 事 項 (8)-1 2016 年 3 月 9 日 プロジェクト 項 目 IFRS 適 用 課 題 対 応 IAS 第 32 号 金 融 商 品 : 表 示 - 企 業 が 発 行 したプリペイド カ ードに 係 る 負 債 の 当 該 企 業 の 財 務 諸 表 における 分 類 I. 本 資 料 の 目 的 1. 本 資 料 は 2015 年 11 月 に 開 催 された 第 324 回 企 業 会 計 基 準 委 員 会 で 議 論 した IAS 第 32 号 金 融 商 品 : 表 示 - 企 業 が 発 行 したプリペイド カードに 係 る 負 債 の 当 該 企 業 の 財 務 諸 表 における 分 類 に 関 する 論 点 のその 後 の 経 過 についてご 説 明 すること を 目 的 として 作 成 している なお 本 資 料 について 本 日 の 委 員 会 においてご 審 議 い ただくことは 予 定 していない II. 背 景 アジェンダ 決 定 案 の 公 表 とこれに 対 する ASBJ からのコメント 2. IFRS-IC は 2015 年 9 月 に 次 の 事 項 を 内 容 とするアジェンダ 決 定 案 ( 以 下 本 アジェ ンダ 決 定 案 という )を 公 表 した (1) 企 業 1 が 発 行 するプリペイド カードに 係 る 負 債 は 金 融 負 債 の 定 義 を 満 たす 2 (2) したがって こうしたカードを 発 行 する 企 業 は プリペイド カードに 係 る 負 債 の 認 識 の 中 止 を 行 うかどうか 及 び いつ 行 うのかを 決 定 するために IFRS 第 9 号 金 融 商 品 (IAS 第 39 号 金 融 商 品 : 認 識 及 び 測 定 )のガイダンスを 適 用 することになる 1 当 初 の 要 請 では 銀 行 が 発 行 したプリペイド カードが 論 点 とされていたが アジェンダ 決 定 案 では 一 般 の 企 業 が 発 行 したプリペイド カードも 含 めて 企 業 が 発 行 したプリペイド カードが 対 象 とされた 2 企 業 が 発 行 するプリペイド カードに 係 る 負 債 は 主 に 次 の 理 由 から 金 融 負 債 の 定 義 を 満 たす と 考 えられた (1) 企 業 は カード 保 有 者 に 代 わり 小 売 業 者 に 現 金 を 引 き 渡 す 契 約 上 の 義 務 (カード 保 有 者 が 財 又 はサービスの 購 入 にプリペイド カードを 使 用 することを 条 件 とする)があり この 契 約 上 の 義 務 を 決 済 するために 現 金 を 引 き 渡 すことを 回 避 する 無 条 件 の 権 利 を 有 していな いこと (2) カード 保 有 者 が 発 行 企 業 においてプリペイド カードを 使 用 する 可 能 性 がある 場 合 でも 企 業 の 義 務 は 金 融 負 債 であることに 変 わりはないこと( 発 行 企 業 は カード 保 有 者 が 第 三 者 である 小 売 業 者 でプリペイド カードを 使 用 する 場 合 に 現 金 の 引 渡 しを 回 避 する 無 条 件 の 権 利 を 有 していない ) 1

(3) これらを 踏 まえた 結 果 IFRS-IC では IAS 第 32 号 及 び IFRS 第 9 号 (IAS 第 39 号 )の 現 行 のガイダンスに 照 らし 解 釈 指 針 も 基 準 の 修 正 も 必 要 ないとの 結 論 が 下 された (4) なお カスタマー ロイヤルティ プログラムの 一 部 として 発 行 されたプリペ イド カードについては アジェンダ 決 定 案 の 範 囲 から 除 外 することとされた 3. 本 アジェンダ 決 定 案 に 対 して 本 専 門 委 員 会 における 議 論 を 踏 まえ ASBJ からは ア ジェンダ 決 定 の 適 用 範 囲 を 以 下 のように 狭 めたうえで 最 終 化 することを 提 案 するコ メント レターを 提 出 した( 下 線 は 追 加 すべき 内 容 取 消 線 は 削 除 すべき 内 容 を 表 す ) 以 下 のすべての 特 徴 を 有 するプリペイド カードに 限 る a. 有 効 期 限 がない b. 返 金 換 金 現 金 との 交 換 ができない c. 財 又 はサービスとのみ 交 換 できる d. 使 用 できるのは 特 定 の 小 売 業 者 のみで 交 換 可 能 ( 企 業 を 含 むまない 場 合 があるが 当 該 企 業 でしか 使 用 できないわけではない ) であり カードのプログラムに 応 じて 単 一 の 小 売 業 者 である 場 合 から 特 定 のカード ネットワークを 受 け 入 れるすべての 業 者 である 場 合 まである カード 保 有 者 が 小 売 業 者 で 財 又 はサービス 購 入 に 使 用 する 時 点 で 企 業 は 当 該 小 売 業 者 に 現 金 を 支 払 う 契 約 上 の 義 務 を 有 する e. 後 取 手 数 料 がない(これは カード 保 有 者 が 使 用 しない 限 りプリペイド カードの 残 高 が 減 少 しないことを 意 味 する ) f. カスタマー ロイヤルティ プログラム( 売 上 取 引 で 付 与 されるかに 限 らず)の 一 部 として 発 行 されたものではなくい プリペイド カード 残 高 に 所 定 のプログラムによ る 特 典 クレジットが 付 与 されるようなカスタマー ロイヤルティ プログラムの 特 性 も 組 み 込 まれていない 4. なお 上 記 の 取 引 は 次 のように 図 示 しうる (1) 企 業 :プリペイド カードの 発 行 者 (2) 顧 客 :プリペイド カードの 保 有 者 (3) 小 売 業 者 :プリペイド カードの 償 還 と 交 換 で 顧 客 に 対 して 財 又 はサービス を 提 供 する 者 2

図 1: 本 アジェンダ 決 定 案 で 想 定 されたプリペイド カード 取 引 プリペイド カード 1 現 金 企 業 ( 発 行 者 ) 2プリペイド カード ジット 顧 客 (カード 保 有 者 ) 5 支 払 請 求 6 現 金 3プリペイド カード での 支 払 小 売 業 者 4 財 又 はサービス III. 2016 年 1 月 開 催 の IFRS-IC 会 議 (コメント レターの 検 討 ) 5. 本 アジェンダ 決 定 案 に 対 して IFRS-IC に 5 通 のコメント レターが 寄 せられた 全 てのコメント 提 出 者 が この 論 点 を IFRS-IC が 今 後 さらに 検 討 すべきアジェンダに 追 加 しないことに 同 意 していたが アジェンダ 決 定 案 に 記 載 されている 根 拠 に 関 して 4 通 のコメント レターにおいて 修 正 提 案 等 が 表 明 されていた 主 な 内 容 は 以 下 のと おりである (1) アジェンダ 決 定 の 範 囲 を 明 確 にすべきである ( 論 点 1 参 照 ) (2) 他 の 基 準 における 認 識 の 中 止 の 要 求 事 項 について 更 に 本 格 的 なレビューを 行 う べきである ( 論 点 2 参 照 ) (3) 想 定 されている 取 引 の 経 済 的 実 質 を 反 映 する 会 計 方 針 を 開 発 することを 発 行 企 業 に 認 めるために IAS 第 8 号 会 計 方 針 会 計 上 の 見 積 りの 変 更 及 び 誤 謬 のガイダンスを 適 用 するよう アジェンダ 決 定 案 を 修 正 すべきである ( 論 点 3 参 照 ) 6. 以 下 において それぞれの 論 点 毎 に 1 寄 せられたコメント 2IASB スタッフの 提 案 3IFRS-IC における 議 論 の 概 要 について 記 載 する 3

論 点 1:アジェンダ 決 定 の 範 囲 の 明 確 化 ( 寄 せられたコメント) 7. 2 名 のコメント 提 出 者 (ASBJ 及 び Deloitte)から アジェンダ 決 定 の 範 囲 に 関 して 以 下 のような 明 確 化 の 提 案 が 示 された (1) IFRS 第 15 号 顧 客 との 取 引 から 生 じる 収 益 におけるカスタマー ロイヤル ティ プログラムとの 関 係 について 明 確 にすべきである (2) IAS 第 18 号 収 益 及 び IFRIC 解 釈 指 針 第 13 号 カスタマー ロイヤルティ プログラム と IFRS 第 15 号 のいずれを 適 用 しているかに 関 わらず カスタマ ー ロイヤルティ プログラムの 一 部 として 発 行 されたカードは アジェンダ 決 定 の 適 用 範 囲 外 である 旨 を 明 確 化 すべきである (3) プリペイド カードについて 発 行 企 業 自 身 でカードが 利 用 ( 決 済 )できるケ ースを 除 外 するよう アジェンダ 決 定 の 範 囲 を 限 定 すべきである (IASB スタッフの 提 案 ) 8. 上 記 のコメントに 対 し IASB スタッフより 以 下 の 対 応 が 提 案 された (1) 発 行 者 においてプリペイド カードが 決 済 (redeem)される 取 引 を 除 外 するよう にアジェンダ 決 定 の 範 囲 を 限 定 すべきであるという 提 案 については アジェン ダ 決 定 の 有 用 性 を 損 ねるものと 考 えられるため 当 該 提 案 には 対 応 しない (2) プリペイド カードがカスタマー ロイヤルティ プログラムの 一 部 として 発 行 された 場 合 には 本 アジェンダ 決 定 の 対 象 外 とすべきという 提 案 については 一 部 文 言 を 修 正 することにより 対 応 する ただし プリペイド カードにカス タマー ロイヤルティ プログラムが 組 み 込 まれている 場 合 カスタマー ロ イヤルティ プログラムはプリペイド カードと 区 分 して 分 析 しなければなら ないと 考 える (3) 上 記 を 踏 まえ アジェンダ 決 定 案 の 範 囲 に 関 する 記 載 ( 本 資 料 第 3 項 f 参 照 ) を 次 のように 加 筆 修 正 する f.カスタマー ロイヤルティ プログラムの 一 部 として 発 行 されたものではないもなく また カスタマー ロイヤルティ プログラムを 含 むものでもない また 解 釈 指 針 委 員 会 は 企 業 が IAS 第 18 号 収 益 及 び IFRIC 解 釈 指 針 第 13 号 カ 4

スタマー ロイヤルティ プログラム 又 は IFRS 第 15 号 顧 客 との 契 約 から 生 じる 収 益 を 適 用 しているか 否 かに 関 わらず カスタマー ロイヤルティ プログラムの 一 部 として 発 行 されたカードは 本 論 点 の 範 囲 外 であることに 着 目 した ただし プリペイ ド カードにカスタマー ロイヤルティ プログラムが 組 み 込 まれている 場 合 には カ スタマー ロイヤルティ プログラムはプリペイド カードと 区 分 して 分 析 しなければ ならない (IFRS-IC 会 議 の 議 論 ) 発 行 者 で 決 済 しうるプリペイド カードをアジェンダ 決 定 案 の 対 象 に 含 めるべきか 否 か 9. 議 論 において アジェンダ 決 定 の 対 象 に 発 行 者 で 決 済 しうるプリペイド カードを 含 めずに 当 初 の 要 請 の 事 例 ( 発 行 者 が 銀 行 の 事 例 )に 戻 すべきではないかとの 意 見 が 複 数 聞 かれた 主 な 理 由 は 以 下 のとおりである (1) 発 行 者 でも 償 還 できる 取 引 は 収 益 認 識 が 適 用 される 取 引 に 近 い このような ケースを 含 めるべきか 否 かについて 十 分 な 議 論 が 尽 くされていない (2) 企 業 で 償 還 出 来 る 場 合 は カスタマー ロイヤルティ プログラムの 取 引 に 類 似 している (3) 対 象 を 一 般 企 業 にまで 拡 大 したのは EITF がすべての 企 業 を 範 囲 に 含 めたから ではないか アジェンダ 決 定 の 対 象 は 財 又 はサービスを 提 供 しない 発 行 者 に 限 定 すべきではないか カスタマー ロイヤルティ プログラムについての 記 載 10. 議 論 において プリペイド カードにカスタマー ロイヤルティ プログラムの 特 性 が 組 み 込 まれているような 取 引 については カスタマー ロイヤルティ プログラ ムを 区 分 して 会 計 処 理 すべき という 文 言 をアジェンダ 決 定 に 含 めるというスタッフ の 提 案 については ほとんどの 委 員 が 支 持 しなかった 主 な 理 由 は 以 下 のとおりであ る (1) どのように 区 分 するのかが 不 明 であり 運 用 が 困 難 である (2) 基 準 が 明 確 になるというよりも より 複 雑 になるだけである (3) カスタマー ロイヤルティ プログラムが 定 義 されていない 中 で 何 がカスタ 5

マー ロイヤルティ プログラムかが 明 確 ではない カスタマー ロイヤルテ ィ プログラムについては すべて 対 象 外 とすべきである 論 点 2: 他 の 基 準 における 認 識 の 中 止 の 規 定 の 見 直 し ( 寄 せられたコメント) 11. あるコメント 提 出 者 (ドイツの 会 計 基 準 設 定 主 体 )から アジェンダ 決 定 が 対 象 とし ている 取 引 の 事 例 は カスタマー ロイヤルティ プログラムに 基 づいて 付 与 される ポイントやマイレージ 等 の 事 例 に 類 似 していることから IAS 第 39 号 や IFRS 第 9 号 の 基 準 に 規 定 されている 認 識 の 中 止 の 規 定 を 適 用 することが 適 切 か 否 かについて 定 かではなく 異 なる 基 準 において 定 められている 認 識 の 中 止 の 定 めをより 本 格 的 にレ ビューすることを 将 来 検 討 すべきという 提 案 がなされた (IASB スタッフの 分 析 ) 12. 上 記 提 案 に 対 して IASB スタッフから 次 の 分 析 が 提 示 された (1) 異 なる 基 準 における 認 識 の 中 止 に 関 する 定 めを 適 用 すべきか 否 かは 過 去 の IFRS-IC において 十 分 に 分 析 済 みであり IFRS-IC は 議 論 において 本 アジェ ンダ 決 定 が 適 用 されるプリペイド カードに 係 る 負 債 は 要 求 払 の 性 質 を 有 す る 金 融 負 債 であるとの 考 えから 解 釈 指 針 も 基 準 の 修 正 も 必 要 ないとの 暫 定 決 定 を 行 っている (2) したがって より 本 格 的 なレビューを 実 施 することは 自 らが 検 討 しうる 範 囲 を 超 えていると 考 えられる (IFRS-IC 会 議 の 議 論 ) 13. 議 論 において プリペイド カードの 非 行 使 部 分 について プリペイド カードに 係 る 負 債 を 永 久 に 負 債 として 保 持 し 続 けるのかという 疑 問 があるため IAS 第 37 号 引 当 金 偶 発 負 債 及 び 偶 発 資 産 の 認 識 の 中 止 に 関 する 要 求 事 項 の 適 用 を 検 討 するか 米 国 財 務 会 計 基 準 審 議 会 (FASB)が 検 討 している 例 外 規 定 と 同 様 の 限 定 的 な 例 外 規 定 を 設 けてはどうかとの 意 見 も 聞 かれた また 非 行 使 部 分 の 取 扱 いについて IASB の 意 見 を 聞 くべきではないかとの 意 見 も 出 された 論 点 3:アジェンダ 決 定 の 修 正 (IAS 第 8 号 の 適 用 ) 6

( 寄 せられたコメント) 14. あるコメント 提 出 者 (PwC)から カードの 保 有 者 に 金 融 資 産 が 生 じないため プリ ペイド カードの 論 点 は IAS 第 39 号 または IFRS 第 9 号 の 範 囲 外 であり 3 IFRS には 明 確 な 規 定 がないと 考 えられることから 当 該 取 引 の 経 済 的 実 質 を 反 映 させるような 会 計 方 針 の 開 発 を 発 行 企 業 に 認 めるために 企 業 に IAS 第 8 号 の 適 用 を 要 求 するよう アジェンダ 決 定 を 修 正 すべきとする 提 案 がなされた (スタッフの 分 析 ) 15. 上 記 提 案 に 対 して IASB スタッフから 2015 年 9 月 の 会 議 において IFRS-IC は 既 に 発 行 企 業 の 負 債 は 金 融 負 債 の 定 義 を 満 たしていることから 金 融 負 債 である との 暫 定 決 定 を 行 っているという 分 析 が 示 された (IFRS-IC 会 議 の 議 論 ) 16. 上 記 の 提 案 について これを 支 持 する 意 見 が 聞 かれたが 他 方 で 本 論 点 は 2015 年 9 月 の 審 議 で 検 討 し 一 度 結 論 が 出 されているとして スタッフの 意 見 を 支 持 する 意 見 も 聞 かれた 総 論 (IFRIC-IC 会 議 の 議 論 ) 17. 一 部 の 委 員 を 除 き ほぼ 全 員 が カスタマー ロイヤルティ プログラムを 区 分 して 分 析 すべきとする 追 加 の 文 章 を 削 除 することに 賛 成 したが 最 終 のアジェンダ 決 定 を 出 すか 否 かについては 意 見 が 分 かれた 18. 一 部 の 委 員 からは 何 らかのガイダンスが 必 要 であるため さらなる 分 析 は 必 要 では あるもののアジェンダ 決 定 を 出 す 方 向 で 再 検 討 を 試 みてはどうかとの 意 見 が 出 され たが 他 方 アジェンダ 決 定 案 において 急 に 論 点 の 範 囲 が 拡 大 したように 思 われる との 意 見 も 聞 かれた このため 当 初 の 要 望 に 戻 るか コンセンサスが 得 られないの であれば プロジェクト 自 体 を 終 了 させてはどうかとの 意 見 も 聞 かれた 19. 上 記 を 踏 まえ IFRS-IC 委 員 長 から 他 の 基 準 との 関 連 性 (IFRS 第 15 号 との 関 連 性 3 IAS 第 32 号 第 11 項 の 金 融 商 品 の 定 義 によれば 金 融 商 品 とは 一 方 の 企 業 にとっての 金 融 資 産 と 他 の 企 業 にとっての 金 融 負 債 又 は 資 本 性 金 融 商 品 の 双 方 を 生 じさせる 契 約 をいう とされてい る 7

等 )を 再 度 分 析 した 上 で 2016 年 3 月 の 会 議 で 再 検 討 してはどうかとの 考 えが 示 され た (IFRIC Update) 20. IFRIC Update においては 本 件 について 次 の 記 載 がされている (1) 寄 せられたコメントを 踏 まえて 数 名 の 解 釈 指 針 委 員 会 メンバーが この 論 点 の 範 囲 を 当 初 の 要 望 書 に 含 まれていた 事 実 パターン(すなわち カードを 発 行 企 業 において 使 用 することはできない 状 況 )に 狭 めることを 提 案 した 一 部 の 解 釈 指 針 委 員 会 メンバーは 次 のことを 行 うことが 有 用 かもしれないことに 着 目 した 1 この 事 実 パターンを 会 計 処 理 する 際 に 適 用 すべき 関 連 性 のある 基 準 を 確 認 するために IFRS 第 15 号 と IFRS 第 9 号 (IAS 第 39 号 )との 相 互 関 係 を 検 討 する 2 IFRS 第 9 号 (IAS 第 39 号 )の 要 求 事 項 がこの 取 引 にどのように 適 用 される のかに 関 する 分 析 をレビューし IAS 第 8 号 との 相 互 関 係 を 検 討 する (2) 解 釈 指 針 委 員 会 は スタッフに 過 去 の 議 論 の 要 約 と こうしたプリペイド カ ードの 会 計 処 理 に 適 用 される 可 能 性 があるさまざまな 基 準 間 の 相 互 関 係 の 分 析 を 再 度 提 供 するよう 依 頼 した IV. 当 委 員 会 の 対 応 21. 専 門 委 員 会 では 本 論 点 は 重 要 と 考 えられるため コメント レターを 出 すことで 終 わらせず 先 方 の 事 務 局 とコミュニケーションを 図 っていくことが 重 要 との 見 解 が 示 された こうした 見 解 を 踏 まえ 今 後 先 方 事 務 局 と 適 宜 コミュニケーションを 図 っ ていくことを 予 定 している 以 上 8

( 別 紙 1) 2016 年 1 月 の IFRS-IC 会 議 で IASB スタッフから 提 案 されたアジェンダ 決 定 ( 案 ) 22. 2016 年 1 月 の IFRS-IC 会 議 で 提 案 されたアジェンダ 決 定 ( 案 )は 以 下 のとおりである ( 下 線 及 び 取 り 消 し 線 は 2015 年 9 月 のアジェンダ 決 定 案 からの 修 正 を 示 したもので ある ) IAS 第 32 号 金 融 商 品 : 表 示 - 発 行 者 の 財 務 諸 表 におけるプリペイド カードに 係 る 負 債 の 分 類 解 釈 指 針 委 員 会 は 企 業 がプリペイド カードを 発 行 する 場 合 に 負 債 をどのように 分 類 し そうしたカードの 未 使 用 残 高 をどのように 会 計 処 理 することになるのかを 議 論 した 具 体 的 には 解 釈 指 針 委 員 会 は 以 下 の 特 徴 を 有 するプリペイド カードについて 議 論 した (a) 有 効 期 限 がない (b) 返 金 換 金 現 金 との 交 換 ができない (c) 財 又 はサービスのみに 使 用 できる (d) 使 用 できるのは 特 定 の 小 売 業 者 のみ( 企 業 を 含 む 場 合 があるが 当 該 企 業 でしか 使 用 できないわけではない)であり カードのプログラムに 応 じて 使 用 できる 小 売 業 者 の 範 囲 が 単 一 の 第 三 者 の 業 者 である 場 合 から 特 定 のカード ネットワークを 受 け 入 れるすべての 業 者 である 場 合 まである カード 保 有 者 が 小 売 業 者 で 財 又 はサービスの 購 入 に 使 用 する 時 点 で 企 業 は 小 売 業 者 に 現 金 を 支 払 う 契 約 上 の 義 務 を 有 する (e) 後 取 手 数 料 がない(これは カード 保 有 者 が 使 用 しない 限 りプリペイド カードの 残 高 が 減 少 しないことを 意 味 する) (f) カスタマー ロイヤルティ プログラムの 一 部 として 発 行 されたものではないもなく また カスタマー ロイヤルティ プログラムを 含 むものでもない 解 釈 指 針 委 員 会 は プリペイド カードに 係 る 負 債 は 非 金 融 負 債 なのかどうかを 検 討 す るよう 求 められた 企 業 はカード 保 有 者 に 現 金 を 引 き 渡 す 義 務 を 有 していないからであ る 解 釈 指 針 委 員 会 は プリペイド カードについて 企 業 の 負 債 は 金 融 負 債 の 定 義 を 満 た すことに 着 目 した 企 業 は カード 保 有 者 に 代 わり 小 売 業 者 に 現 金 を 引 き 渡 す 契 約 上 の 義 9

務 (カード 保 有 者 が 財 又 はサービスの 購 入 にプリペイド カードを 使 用 することを 条 件 と する)があり この 契 約 上 の 義 務 を 決 済 するために 現 金 を 引 き 渡 すことを 回 避 する 無 条 件 の 権 利 を 有 してないからである 解 釈 指 針 委 員 会 は 当 該 企 業 での 使 用 が 1 つの 可 能 性 で あるとしても 企 業 の 義 務 は 依 然 として 金 融 負 債 であると 判 断 した 企 業 は カード 保 有 者 が 第 三 者 である 小 売 業 者 でプリペイド カードを 使 用 する 場 合 に 現 金 の 引 渡 しを 回 避 す る 無 条 件 の 権 利 を 有 していないからである また 解 釈 指 針 委 員 会 は 企 業 が IAS 第 18 号 収 益 及 び IFRIC 解 釈 指 針 第 13 号 カス タマー ロイヤルティ プログラム 又 は IFRS 第 15 号 顧 客 との 契 約 から 生 じる 収 益 を 適 用 しているか 否 かに 関 わらず カスタマー ロイヤルティ プログラムの 一 部 として 発 行 されたカードは 本 論 点 の 範 囲 外 であることに 着 目 した ただし プリペイド カー ドにカスタマー ロイヤルティ プログラムが 組 み 込 まれている 場 合 には カスタマー ロイヤルティ プログラムはプリペイド カードと 区 分 して 分 析 しなければならない したがって こうしたカードを 発 行 する 企 業 は プリペイド カードに 係 る 負 債 の 認 識 の 中 止 を 行 うかどうか 及 び いつ 行 うのかを 決 定 するために IFRS 第 9 号 金 融 商 品 (IAS 第 39 号 金 融 商 品 : 認 識 及 び 測 定 )のガイダンスを 適 用 することになる したがって 解 釈 指 針 委 員 会 は IAS 第 32 号 金 融 商 品 : 表 示 及 び IFRS 第 9 号 (IAS 第 39 号 )の 現 行 のガイダンスに 照 らし 解 釈 指 針 も 基 準 の 修 正 も 必 要 ないと 結 論 を 下 し た したがって 解 釈 指 針 委 員 会 は この 論 点 をアジェンダに 追 加 しないことを[ 決 定 し た] 10

金 融 負 債 か 否 かの 検 討 ( 過 去 のスタッフ ペーパーの 分 析 ) ( 別 紙 2) 23. 過 去 の IFRS-IC において プリペイド カードに 係 る 負 債 が 金 融 負 債 に 該 当 するか 否 かについて 次 の 分 析 がなされた ( 見 解 1) 銀 行 が 発 行 するプリペイド カードを 非 金 融 負 債 と 考 える 見 解 非 金 融 負 債 か 金 融 負 債 かの 検 討 24. IAS 第 32 号 第 11 項 の 金 融 商 品 の 定 義 によれば 金 融 商 品 とは 一 方 の 企 業 にとって の 金 融 資 産 と 他 の 企 業 にとっての 金 融 負 債 又 は 資 本 性 金 融 商 品 の 双 方 を 生 じさせる 契 約 をいう とされている 25. 見 解 1 の 支 持 者 は 銀 行 がプリペイド カードの 発 行 時 に 認 識 する 負 債 は 金 融 商 品 から 生 じるものではないため 金 融 商 品 のガイダンスに 従 って 会 計 処 理 する 必 要 はな いと 考 えている これは 以 下 のとおり プリペイド カードの 発 行 時 に 金 融 資 産 を 有 する 相 手 がいないと 考 えているためである (1) プリペイド カードは 現 金 と 交 換 できないため 顧 客 は 金 融 資 産 を 有 している 訳 ではない (2) 小 売 業 者 には 顧 客 に 財 又 はサービスを 提 供 するまで 金 融 資 産 は 生 じない 銀 行 から 現 金 を 受 け 取 る 権 利 が 生 じた 日 以 降 にはじめて 金 融 資 産 が 生 じる 26. したがって 見 解 1 の 支 持 者 は プリペイド カードは 金 融 商 品 の 定 義 を 満 たさず 銀 行 の 負 債 は 金 融 負 債 として 分 類 されないと 考 える 想 定 される 会 計 処 理 27. 見 解 1 によると 以 下 の 基 準 を 考 慮 して プリペイド カードの 発 行 時 に 非 金 融 負 債 を 認 識 し 負 債 の 測 定 に 見 込 まれる 非 行 使 部 分 を 反 映 すべきと 考 えられる (1) IAS 第 37 号 引 当 金 偶 発 負 債 及 び 偶 発 資 産 負 債 の 測 定 : 債 務 を 決 済 するために 要 求 される 資 源 の 流 出 の 最 善 の 見 積 り を 測 定 する( 第 36-37 項 ) 債 務 を 決 済 するために 経 済 的 価 値 を 有 する 資 源 の 流 出 が 必 要 となる 可 能 性 が 高 くなくなった 時 点 で 非 金 融 負 債 の 認 識 を 中 止 する( 第 59 項 ) 11

(2) IFRIC 解 釈 指 針 第 13 号 カスタマー ロイヤルティ プログラム ( 以 下 IFRIC 第 13 号 という ) 特 典 の 公 正 価 値 を 参 照 して 特 典 クレジットの 公 正 価 値 を 測 定 する 際 に 交 換 されないと 見 込 まれる 特 典 クレジットの 割 合 を 検 討 する 4 (3) 米 国 基 準 実 務 上 2005 年 の SEC スタッフのスピーチ 5 に 基 づき 顧 客 からの 交 換 の 可 能 性 がほとんどなくなった(remote) 時 点 で 負 債 の 認 識 を 中 止 している 28. この 見 解 によると 顧 客 が 小 売 業 者 から 購 入 した 財 又 はサービスに 対 する 支 払 いを 行 うためにカードを 利 用 した 時 点 (すなわち 小 売 業 者 に 金 融 資 産 が 生 じた 時 点 )で はじめて 銀 行 に 金 融 負 債 が 生 じることになる ( 見 解 2) 銀 行 が 発 行 するプリペイド カードを 金 融 負 債 と 考 える 見 解 非 金 融 負 債 か 金 融 負 債 かの 検 討 29. この 見 解 の 支 持 者 は 以 下 の 理 由 から 銀 行 の 負 債 は 金 融 負 債 の 定 義 を 満 たすと 考 え ている (1) 銀 行 は 顧 客 の 裁 量 により 顧 客 の 代 わりに 小 売 業 者 に 現 金 を 支 払 う 契 約 上 の 義 務 を 有 している これは 実 質 的 に 要 求 払 預 金 に 類 似 しており 銀 行 は 契 約 上 の 義 務 を 決 済 するために 現 金 を 引 き 渡 すことを 回 避 できる 無 条 件 の 権 利 を 有 していない このため IAS 第 32 号 第 19 項 で 説 明 されている 金 融 負 債 の 定 義 に 関 する 説 明 に 照 らして 金 融 負 債 と 判 断 されるべきである (2) 金 融 負 債 の 定 義 を 満 たすために IAS 第 32 号 は 特 定 の 相 手 企 業 が 同 時 に 金 融 資 産 を 有 していると 特 定 することを 企 業 に 要 求 していない 4 (ASBJ スタッフ 注 )カスタマー ロイヤルティ プログラムについては IFRS 第 15 号 顧 客 との 契 約 から 生 じる 収 益 においても 追 加 的 な 財 又 はサービスに 対 する 顧 客 のオプションが 別 個 の 履 行 義 務 となる 場 合 に は オプションが 行 使 される 可 能 性 を 見 積 ることとされている(IFRS15.B42) また プリペイド カード 等 における 顧 客 の 非 行 使 の 権 利 は 1 非 行 使 部 分 の 金 額 に 対 する 権 利 を 得 ると 企 業 が 見 込 んでいる 場 合 には そ の 部 分 を 顧 客 が 行 使 する 権 利 のパターンに 比 例 して 収 益 として 認 識 する 2 非 行 使 部 分 の 金 額 に 対 する 権 利 を 得 ると 見 込 まれない 場 合 には 顧 客 がその 権 利 を 行 使 する 可 能 性 がほとんどなくなった 場 合 に 収 益 として 認 識 する(IFRS15.B46) 5 (ASBJ スタッフ 注 ) 米 国 公 認 会 計 士 協 会 (AICPA) 主 催 の 最 近 の SEC 及 び PCAOB の 動 向 に 関 する 2005 年 AICPA 全 国 大 会 における SEC スタッフの 発 言 (2005 年 12 月 5 日 ) SEC スタッフは ギフトカードの 非 行 使 部 分 の 認 識 に 関 する 受 入 可 能 又 は 受 入 不 能 な 方 法 を 説 明 しており 受 入 可 能 な 方 法 の1つとして ギフトカードを 発 行 した 小 売 業 者 が 顧 客 がギフトカードの 履 行 を 要 求 する 可 能 性 がほとんどなくなったことが 証 明 できるのであれば 負 債 の 認 識 の 中 止 も 容 認 できる 可 能 性 があると 述 べて いる また IFRS 第 15 号 と 同 様 非 行 使 と 見 込 まれる 部 分 について ギフトカードが 交 換 されるに 従 って 比 例 的 に 収 益 として 認 識 する 方 法 も 紹 介 されている 12

(3) 顧 客 と 小 売 業 者 のいずれも 以 下 のように 契 約 上 の 権 利 を 有 している 1 顧 客 は 財 又 はサービスに 対 して 小 売 業 者 に 現 金 を 支 払 うよう 銀 行 に 指 図 する 契 約 上 の 権 利 を 有 する 2 小 売 業 者 は 将 来 財 又 はサービスを 提 供 した 後 で 銀 行 から 現 金 を 受 け 取 る 権 利 を 有 する 参 考 IAS 第 32 号 では 金 融 負 債 とは 以 下 のように 説 明 されている( 抜 粋 ) 金 融 負 債 とは 他 の 企 業 に 現 金 又 は 他 の 金 融 資 産 を 支 払 う 契 約 上 の 義 務 である(IAS 第 32 号 第 11 項 ) 契 約 上 の 義 務 を 決 済 するために 現 金 又 はその 他 の 金 融 資 産 を 引 き 渡 すことを 回 避 できる 無 条 件 の 権 利 を 企 業 が 有 していない 場 合 には 資 本 性 金 融 商 品 に 分 類 されるものを 除 き 当 該 義 務 は 金 融 負 債 の 定 義 に 該 当 する(IAS 第 32 号 第 19 項 ) 想 定 される 会 計 処 理 30. この 見 解 によると 以 下 の 基 準 に 照 らして 銀 行 は 負 債 が 消 滅 するまで 負 債 (プリ ペイド カード)について 認 識 の 中 止 を 行 うことはできないほか 要 求 払 金 額 を 下 回 る 金 額 で 測 定 することはできないと 考 えられる (1) IFRS 第 9 号 (IAS 第 39 号 ) 当 初 認 識 時 において 金 融 負 債 を 公 正 価 値 で 測 定 する(IFRS 第 9 号 5.1.1 項 /IAS 第 39 号 第 43 項 ) 金 融 負 債 が 消 滅 するまでは 負 債 の 認 識 を 中 止 することはできない(IFRS 第 9 号 3.3.1 項 /IAS 第 39 号 第 39 項 ) (2) IFRS 第 13 号 公 正 価 値 測 定 要 求 払 の 特 徴 を 有 する 金 融 負 債 ( 例 えば 要 求 払 預 金 )の 公 正 価 値 は 要 求 払 金 額 を 当 該 金 額 の 支 払 が 要 求 される 可 能 性 のある 最 初 の 日 (すなわ ち 即 時 )から 割 り 引 いた 金 額 を 下 回 ってはならない( 第 47 項 ) 以 上 13