低 栄 養 状 態 時 における 運 動 療 法 の 進 め 方 研 究 発 表 報 告 血 清 アルブミン 濃 度 と6 分 間 歩 行 距 離 の 関 係 について 血 清 アルブミン 濃 度 と 握 力 体 重 の 関 係 について 理 学 療 法 実 施 患 者 の 栄 養 状 態 に 関 する 調 査 研 究 低 栄 養 状 態 時 における 運 動 療 法 の 進 め 方 公 立 長 生 病 院 リハビリテーション 科 高 橋 豊 (PT) 監 修 副 院 長 阿 部 恭 久 ( 外 科 ) 1
その 前 に 栄 養 状 態 を 知 ることで 栄 養 状 態 と 運 動 を 結 び 付 け て 考 えることができました そして やっと 長 年 持 ち 続 けていた 疑 問 が 解 決 しました Qリハビリ 頑 張 っているのに なぜ 良 くならない? Q 栄 養 状 態 が 悪 い 人 と 良 い 人 でリハビリの 進 め 方 が 同 じでいいの? Q 頑 張 るのがリハビリ? 辛 いのがリハビリ?これでいい の?リハビリ 時 間 が 短 いのは 悪 い?(セラピストとし て 罪 悪 感 を 持 ってしまう) 2
血 清 アルブミン 濃 度 と6 分 間 歩 行 距 離 の 関 係 について 3
血 清 アルブミン 濃 度 と6 分 間 歩 行 距 離 の 関 係 について 目 的 栄 養 管 理 はすべての 医 療 の 基 本 であり, 栄 養 状 態 の 良 否 が, 手 術 などの 治 療 効 果, 合 併 症 の 頻 度 重 症 度, 予 後 に 大 きく 影 響 する 特 にタンパク 質 の 不 足 は, 筋 肉 量 の 減 少, 免 疫 機 能 の 低 下, 創 傷 の 治 癒 遅 延 などを 引 き 起 こす 本 試 験 の 目 的 は,BMI 指 数, 上 腕 三 頭 筋 皮 下 脂 肪 厚 (TSF), 上 腕 筋 肉 周 囲 (AMC), 血 清 アルブミン 濃 度 の 相 関 性 を 評 価 することと, 歩 行 能 力 に 血 清 アルブミン 濃 度 が 及 ぼす 影 響 を 評 価 す ることである 4
血 清 アルブミン 濃 度 と6 分 間 歩 行 距 離 の 関 係 について 方 法 2006 年 4 月 ~2006 年 10 月 に 外 科 内 科 に 入 院 して 理 学 療 法 を 行 った 患 者 65 例 ( 男 性 38 例, 女 性 27 例, 年 齢 79.4±10, 入 院 前 に 歩 行 していない 患 者, 麻 痺 や 運 動 器 疾 患 により 歩 行 できない 患 者 は 除 く)を 対 象 として, 理 学 療 法 開 始 時 にすべての 患 者 に 対 して,BMI 指 数, 握 力,TSF,AMCおよびアルブミン 血 症 を 含 むルーチン の 血 液 生 化 学 検 査 ならびに6 分 間 歩 行 試 験 による 機 能 評 価 を 行 った 5
血 清 アルブミン 濃 度 と6 分 間 歩 行 距 離 の 関 係 について 結 果 1)BMI 指 数 と%AMCに 正 の 相 関 (P<0.05) 2)%AMCと6 分 間 歩 行 距 離 に 正 の 相 関 (P<0.05) 3) 血 清 アルブミンと6 分 間 歩 行 距 離 に 正 の 相 関 (P<0.001) 4)6 分 間 歩 行 距 離 に 対 する 血 清 アルブミンの 単 回 帰 分 析 決 定 係 数 (R 2 値 )=0.26 6
血 清 アルブミン 濃 度 と6 分 間 歩 行 距 離 の 関 係 について 各 変 数 の 相 関 性 年 齢 BMI ALB %TSF %AMC 6MD 年 齢 1 BMI -0.09277 1 ALB -0.13856 0.071879 1 %TSF -0.16786 0.240616-0.03719 1 %AMC -0.08624 0.292953 0.236135-0.0856 1 6MD -0.19141 0.157439 0.50944 0.09011 0.305725 1 7
血 清 アルブミン 濃 度 と6 分 間 歩 行 距 離 の 関 係 について 6 分 間 歩 行 距 離 に 対 する 血 清 アルブミン 濃 度 の 単 回 帰 分 析 400 350 300 250 200 150 y = 91.892x - 168.88 R 2 = 0.2595 100 50 0-50 0 1 2 3 4 5 8
血 清 アルブミン 濃 度 と6 分 間 歩 行 距 離 の 関 係 について 考 察 1)BMI 指 数 と%AMCに 正 の 相 関 (P<0.05) AMCは 骨 格 筋 量 とよく 相 関 するといわれ, 筋 蛋 白 栄 養 障 害 の 指 標 である BMI 指 数 は 肥 満 の 判 定 に 使 われる 指 標 であるが, 対 象 で 肥 満 判 定 されたのは1 例 のみであり, 対 象 の98%はやせすぎ~ 基 準 値 の 範 囲 にある つまり, 本 試 験 においてBMI 指 数 が 増 え ることは 標 準 体 重 に 近 くなることであり 筋 蛋 白 量 も 適 切 な 量 に 増 えたと 考 える 2)%AMCと6 分 間 歩 行 距 離 に 正 の 相 関 (P<0.05) AMCは 先 に 述 べた 通 り, 骨 格 筋 量 とよく 相 関 する といわれているので,AMCの 増 減 は 骨 格 筋 の 増 減 と なり,6 分 間 歩 行 距 離 に 影 響 したと 考 える 9
血 清 アルブミン 濃 度 と6 分 間 歩 行 距 離 の 関 係 について 3) 血 清 アルブミンと6 分 間 歩 行 距 離 に 正 の 相 関 (P< 0.001) 血 清 アルブミンは 血 清 蛋 白 質 の 最 大 部 分 を 占 め 量 的 に 多 いこと,また 生 物 学 的 半 減 期 が 約 21 日 と 長 いこと により, 血 清 アルブミン 濃 度 の 増 減 は,それだけ 身 体 に 与 える 影 響 が 大 きく,6 分 間 歩 行 距 離 の 増 減 に 関 与 し たと 考 える 4)6 分 間 歩 行 距 離 に 対 する 血 清 アルブミンの 単 回 帰 分 析 決 定 係 数 (R2 値 )=0.26 血 清 アルブミン 濃 度 の 変 化 で6 分 間 歩 行 距 離 の26%が 説 明 できるということになる 本 試 験 により 歩 行 能 力 と 血 清 アルブミン 濃 度 に 密 接 な 関 連 性 が 認 められたことは, 入 院 患 者 に 対 し 運 動 療 法 を 行 う 際, 血 清 アルブミン 濃 度 を 考 慮 したプログラ ム 立 案 を 行 う 必 要 性 を 示 唆 と 考 えられ, 今 後 さらなる 検 討 を 重 ねていきたい 10
参 考 資 料 6MDとADLの 対 比 6MD ADL 500m 以 上 400m 以 下 300m 以 下 200m 以 下 正 常 日 常 的 な 外 出 に 制 限 が 生 じる 活 動 は 室 内 に 限 られる 生 活 範 囲 はごく 身 近 に 限 られること が 多 い 11
参 考 資 料 Hugh-Jonesの 息 切 れ 分 類 と6MD 重 症 度 ( 度 ) 症 状 6MD Ⅰ 息 切 れなし 健 康 人 と 同 様 に 動 作 ができる 670m Ⅱ 軽 度 の 息 切 れ Ⅲ 中 等 度 の 息 切 れ 平 地 では 同 年 齢 の 健 常 人 と 同 様 に 歩 行 できるが 坂 や 階 段 では 健 常 人 なみに 登 れない 平 地 さえ 健 康 人 なみに 歩 けないが 自 分 のヘ ースなら1km 以 上 歩 ける 470±60m 330±30m Ⅳ 高 度 の 息 切 れ 休 み 休 みでなければ50mも 歩 けない 210m±80m Ⅴ 極 めて 高 度 の 息 切 れ 話 をしたり 着 物 を 脱 いだり 身 の 回 り のことをするにも 息 切 れがする 12
血 清 アルブミン 濃 度 と 握 力 体 重 の 関 係 について 13
血 清 アルブミン 濃 度 と 握 力 体 重 の 関 係 について 目 的 今 回 は,ALBと 栄 養 評 価 で 身 体 機 能 構 造 の 代 表 的 指 標 である 握 力 体 重 の 関 係 について 着 目 し 評 価 した 14
血 清 アルブミン 濃 度 と 握 力 体 重 の 関 係 について 方 法 外 科 入 院 患 者 でPTが 栄 養 サポートチーム(NST)とし て 関 わった 患 者 112 例 男 性 70 例, 女 性 42 例, 年 齢 74.3±10.6 ( 握 力 体 重 測 定 できない 患 者 は 除 く) NST 活 動 で 栄 養 管 理 評 価 を 行 っている 項 目 の 中 から ALB 握 力 体 重 の 変 数 を 抽 出 した 統 計 分 析 は,これらの 変 数 の 相 関 性 を 単 回 帰 分 析 で 行 い,ALBと 年 齢 を 加 えた 各 変 数 の 関 係 を 重 回 帰 分 析 で 行 った 15
血 清 アルブミン 濃 度 と 握 力 体 重 の 関 係 について 血 清 アルブミン 濃 度 握 力 体 重 の 単 回 帰 分 析 男 性 n=70 ALB 握 力 体 重 ALB 握 力 0.49 P<0.0.1 体 重 0.14 0.47 P<0.01 女 性 n=42 ALB 握 力 体 重 ALB ALBと 握 力 正 の 相 関 男 :P<0.01 女 :P<0.05 ALBと 体 重 無 相 関 ( 男 女 ) 握 力 0.36 P<0.05 体 重 -0.04 0.21 16
血 清 アルブミン 濃 度 と 握 力 体 重 の 関 係 について 血 清 アルブミン 濃 度 と 握 力 体 重 年 齢 の 重 回 帰 分 析 男 性 n=70 握 力 体 重 年 齢 握 力 体 重 0.5 P<0.0.1 年 齢 0.52 P<0.01 0.15 ALBと 年 齢 握 力 はALBと 握 力 より 高 い 相 関 男 女 :P<0.01 女 性 n=42 握 力 体 重 年 齢 17 握 力 体 重 0.37 年 齢 0.47 P<0.01 0.21
血 清 アルブミン 濃 度 と 握 力 体 重 の 関 係 について 考 察 18 ALBは 生 物 的 半 減 期 が3 週 間 と 長 く, 体 内 に 最 も 豊 富 に 存 在 するタンパク 質 である つまり,ALBはそれだけタンパク 代 謝 動 態 およびエネ ルギー 代 謝 動 態 に 与 える 影 響 が 大 きく, 骨 格 筋 の 機 能 的 数 値 ( 握 力 )に 鋭 敏 に 反 映 したと 考 える よって 握 力 は 栄 養 指 標 として 単 独 でも 有 用 と 考 える 体 重 は 食 欲, 摂 食 機 能 障 害, 嚥 下 障 害, 胸 腹 水, 浮 腫, 排 尿 排 便 障 害 など 複 数 要 因 で 変 動 し,また, 栄 養 状 態 が 改 善 してALBが 高 くなると 胸 腹 水, 浮 腫 改 善 に より,かえって 体 重 減 少 になる 対 象 も 少 なくなかっ たのでALBと 体 重 は 無 相 関 になったと 考 える
血 清 アルブミン 濃 度 と 握 力 体 重 の 関 係 について しかし, 体 重 は 栄 養 状 態 やALBと 関 係 して 推 移 すること は 疑 いのないところである つまり, 体 重 は 栄 養 的 指 標 として 単 独 で 評 価 するので はなく, 理 想 体 重 値, 他 の 検 査 値, 理 学 的 所 見 などと 組 合 せて 総 合 的 に 判 断 することの 必 要 性 を 今 回 の 調 査 でも 示 唆 したと 考 える 19
理 学 療 法 実 施 患 者 の 栄 養 状 態 に 関 する 調 査 研 究 某 大 学 病 院 で 理 学 療 法 を 実 施 している 患 者 の 平 均 年 齢 は 64.8 歳 その67%がAlb 値 3.5g/dl 以 下 の 低 栄 養 状 態 で あった AlbとFIMの 運 動 13 項 目 ( 最 高 91 点 )の 関 係 では Alb3.6 以 上 は66.0 点 Alb3.5 以 下 は36.4 点 であった Alb3.5 以 下 でFIM 運 動 13 項 目 の 得 点 が 上 位 群 であった25 名 中 24 名 (96%)が 経 口 摂 取 下 位 群 44 名 中 26 名 (59%)が 経 管 経 静 脈 栄 養 であった 20 慈 恵 医 大 2006;121:291-6
参 考 資 料 FIM: 機 能 的 自 立 度 評 価 表 FIMとは (Functional Independence Measure) の 略 で 1983 年 にGrangerらによって 開 発 されたADL 評 価 法 のことです 特 に 介 護 負 担 度 の 評 価 が 可 能 であり 数 あるADL 評 価 法 の 中 でも 最 も 信 頼 性 と 妥 当 性 があると 言 われ リ ハビリの 分 野 などで 幅 広 く 活 用 されております 具 体 的 には 食 事 や 移 動 などの 運 動 ADL 13 項 目 と 認 知 ADL 5 項 目 から 構 成 され 1 点 が 介 護 時 間 1.6 分 と 設 定 されており 1 週 間 以 内 にFIM 得 点 が10 以 上 低 下 するような 状 態 を 急 性 増 悪 とみなせるとされ ています 21
参 考 資 料 FIM: 機 能 的 自 立 度 評 価 表 自 立 7: 完 全 自 立 6: 修 正 自 立 部 分 介 助 5: 監 視 介 助 あり 完 全 介 助 4: 最 小 介 助 3: 中 等 度 介 助 2: 最 大 介 助 1: 全 介 助 22
低 栄 養 状 態 時 における 運 動 療 法 の 進 め 方 リハ 栄 養 について 栄 養 障 害 サルコペニア サクコペニアの 予 防 改 善 には 運 動 の 効 果 栄 養 アセスメント 低 栄 養 状 態 時 における 運 動 療 法 の 進 め 方 23
低 栄 養 状 態 時 における 運 動 療 法 の 進 め 方 リハ 栄 養 とは 栄 養 ケアなくしてリハなし リハにとって 栄 養 はバイタルサインである リハ 栄 養 とは 栄 養 状 態 も 含 めてICF( 国 際 生 活 機 能 分 類 )で 評 価 を 行 ったうえで 適 切 な 予 後 予 測 のもと でリハと 栄 養 管 理 を 実 践 することです スポーツ 栄 養 のリハ 版 がリハ 栄 養 の 定 義 といえます 24
低 栄 養 状 態 時 における 運 動 療 法 の 進 め 方 栄 養 障 害 とは 栄 養 障 害 ( 不 良 ) 多 種 多 様 の 物 質 ( 栄 養 素 )の 身 体 への 必 要 と 摂 取 の 不 均 衡 から 生 じ 欠 乏 依 存 毒 性 あるいは 肥 満 の 症 候 群 が 起 こった 状 態 栄 養 不 足 ( 低 栄 養 ) : 栄 養 素 が 供 給 摂 取 不 足 栄 養 過 多 ( 高 栄 養 ) : 栄 養 素 が 供 給 摂 取 過 剰 25
低 栄 養 状 態 時 における 運 動 療 法 の 進 め 方 低 栄 養 についての 知 識 と 技 術 は 必 要 不 可 欠 現 在 一 般 的 な 日 常 生 活 にて 極 端 な 栄 養 不 足 に 遭 遇 することは 稀 で 虐 待 や 拒 食 過 食 症 などの 疾 患 時 に みられる もっとも 普 通 にみられるのは 入 院 患 者 である 26 入 院 患 者 の30~50%が 低 栄 養 状 態 リハビリを 行 って いる 患 者 様 はそれ 以 上 であると 報 告 されている 栄 養 障 害 や 栄 養 療 法 についての 重 要 性 が 急 速 に 認 識 さ れ NSTをはじめとする 栄 養 治 療 法 の 発 展 はめざましく 栄 養 療 法 に 関 する 知 識 と 技 術 は 医 療 スタッフが 必 要 最 低 限 に 身 につけるべき 必 須 治 療 法 となっている
低 栄 養 状 態 時 における 運 動 療 法 の 進 め 方 低 栄 養 によるNitrogen Death( 窒 素 死 ) 健 常 時 Lean Body Mass 100% 筋 肉 量 の 減 少 ( 骨 格 筋 心 筋 平 滑 筋 ) 内 蔵 蛋 白 の 減 少 (アルブミンなど) 免 疫 能 の 障 害 (リンパ 球 多 核 白 血 球 抗 体 など) 創 傷 治 癒 遅 延 臓 器 障 害 ( 腸 肝 臓 心 臓 ) 生 体 適 応 の 障 害 健 常 時 Lean Body Mass 70% 27 日 本 静 脈 経 腸 栄 養 学 会 :コメディカルのための 静 脈 経 腸 栄 養 ガイドライン 2000
低 栄 養 状 態 時 における 運 動 療 法 の 進 め 方 サルコペニア サルコペニアとは 筋 肉 量 と 筋 力 の 低 下 これらに よる 身 体 機 能 低 下 のことです サルコペニアの 原 因 には 加 齢 活 動 疾 患 栄 養 がある 飢 餓 状 態 で 運 動 療 法 を 行 っても 栄 養 管 理 が 不 十 分 なら 筋 肉 量 はかえって 減 少 し ADLも 低 下 したまま となる 28
低 栄 養 状 態 時 における 運 動 療 法 の 進 め 方 サルコペニアの 予 防 改 善 には 高 齢 者 の 筋 タンパク 質 合 成 を 促 進 するには 必 須 ア ミノ 酸 の 摂 取 が 重 要 であることが 判 明 しており 特 にロイシンの 含 量 を 高 めた 高 ロイシン 必 須 アミノ 酸 は 比 較 的 少 量 で 効 率 よく 筋 タンパク 質 の 合 成 を 促 進 し その 長 期 的 な 摂 取 により 骨 格 筋 量 筋 力 身 体 機 能 などの 改 善 が 期 待 できる サルコペニアに 対 して 現 時 点 で 最 も 有 効 な 治 療 方 法 が レジスタンストレーニング( 筋 トレ)であるこ とは 確 実 です レジスタンストレーニングに 食 事 療 法 やサプリメントを 併 用 することで サルコペニア に 対 する 治 療 効 果 をより 高 めることができると 考 え ています 29
低 栄 養 状 態 時 における 運 動 療 法 の 進 め 方 運 動 の 効 果 人 間 の 体 は 使 わないと 退 化 し 機 能 が 正 常 に 働 か なくなったり 病 気 を 引 き 起 こしたりします 生 理 的 効 果 精 神 的 効 果 社 会 的 効 果 30 http://www.kenko.-sappporo21.jp
低 栄 養 状 態 時 における 運 動 療 法 の 進 め 方 運 動 の 効 果 生 理 的 効 果 1 エネルギー 代 謝 のアップ 2 体 力 の 向 上 3 生 理 的 機 能 の 正 常 化 4 生 活 習 慣 病 の 予 防 ( 肥 満 糖 尿 病 高 血 圧 高 脂 血 症 脳 卒 中 心 臓 病 骨 粗 鬆 症 など) 31 http://www.kenko.-sappporo21.jp
低 栄 養 状 態 時 における 運 動 療 法 の 進 め 方 運 動 の 効 果 精 神 的 効 果 1 気 晴 らし 2 健 康 の 向 上 3 生 活 の 充 実 感 4 ストレスの 解 放 5 健 康 的 ライフスタイルの 選 択 32 http://www.kenko.-sappporo21.jp
低 栄 養 状 態 時 における 運 動 療 法 の 進 め 方 運 動 の 効 果 社 会 的 効 果 1 家 族 との 関 係 の 改 善 2 地 域 社 会 の 人 間 関 係 33 http://www.kenko.-sappporo21.jp
低 栄 養 状 態 時 における 運 動 療 法 の 進 め 方 栄 養 アセスメント 栄 養 アセスメント 栄 養 アセスメント 3 種 類 のデータをもとに 総 合 判 断 臨 床 所 見 ( 主 観 的 包 括 的 評 価 :SGA) 身 体 組 成 血 液 生 化 学 的 検 査 値 34
低 栄 養 状 態 時 における 運 動 療 法 の 進 め 方 栄 養 アセスメント 臨 床 所 見 ( 主 観 的 包 括 的 評 価 :SGA) SGAは 栄 養 状 態 を 示 す 多 角 的 指 標 であり 病 歴 の 問 診 と 身 体 検 査 の 二 本 柱 で 構 成 されている SGAを 利 用 することで 容 易 に 栄 養 アセスメントが 可 能 である 1 週 間 に 一 度 評 価 を 継 続 体 重 変 化 食 物 摂 取 の 変 化 消 化 器 症 状 身 体 機 能 疾 患 と 栄 養 必 要 量 の 関 係 35
低 栄 養 状 態 時 における 運 動 療 法 の 進 め 方 栄 養 アセスメント 身 体 組 成 身 体 計 測 による 身 体 組 成 データ 体 重 と 身 長 BMI(Body Mass Index) 上 腕 三 頭 筋 皮 下 脂 肪 厚 (TSF) 体 脂 肪 量 と 筋 肉 量 の 指 標 として 用 いられる 利 き 腕 でない 腕 の 肩 峰 と 尺 骨 頭 の 中 間 点 上 腕 筋 周 囲 (AMC) 全 身 の 筋 肉 量 除 脂 肪 体 重 の 指 標 上 腕 周 囲 (AC)と(TSF)から 求 める [AMC(cm)=AC-π TSF(cm)] 握 力 36
低 栄 養 状 態 時 における 運 動 療 法 の 進 め 方 栄 養 アセスメント BMI(Body Mass Index) 身 長 に 対 する 体 格 指 数 の 指 標 で 体 脂 肪 と 正 に 相 関 する BMI<18.5 や せ 18.5 BMI<25 正 常 理 想 体 重 とはBMI=22 の 場 合 の 体 重 25 BMI 肥 満 37
低 栄 養 状 態 時 における 運 動 療 法 の 進 め 方 栄 養 アセスメント 上 腕 三 頭 筋 皮 下 脂 肪 厚 (TSF) 80% 以 上 良 好 70~80% 中 等 度 栄 養 障 害 40% 未 満 重 度 栄 養 障 害 38
低 栄 養 状 態 時 における 運 動 療 法 の 進 め 方 栄 養 アセスメント 血 液 生 化 学 的 検 査 値 血 清 アルブミン 総 リンパ 球 数 血 清 トランスフェリン 血 清 プレアルブミン(トランスサイレチン) 総 鉄 結 合 能 血 清 コレステロール 39
低 栄 養 状 態 時 における 運 動 療 法 の 進 め 方 栄 養 アセスメント 血 液 生 化 学 的 検 査 値 表 1 血 清 アルブミン 値 の 評 価 判 定 表 2 総 リンパ 球 数 の 評 価 判 定 3.6 以 上 正 常 2000 以 上 正 常 2.8~3.5 軽 度 栄 養 障 害 1200~2000 軽 度 栄 養 障 害 2.0~2.7 中 等 度 栄 養 障 害 800~1200 中 等 度 栄 養 障 害 2.0 未 満 高 度 栄 養 障 害 800 未 満 高 度 栄 養 障 害 40
低 栄 養 状 態 時 における 運 動 療 法 の 進 め 方 運 動 療 法 の 進 め 方 軽 度 栄 養 障 害 レジスタント 運 動 強 運 動 強 度 応 用 高 度 栄 養 障 害 低 コンディショニング 41 他 動 的 運 動 ADL 基 礎
低 栄 養 状 態 時 における 運 動 療 法 の 進 め 方 低 栄 養 状 態 時 における 運 動 療 法 の 進 め 方 Alb 栄 養 障 害 身 体 機 能 低 下 運 動 療 法 3.6 以 上 正 常 栄 養 障 害 のことは 考 えな いで 運 動 療 法 できる 2.8~3.5 軽 度 栄 養 障 害 筋 肉 量 の 減 少 疲 れやすいので 休 みを 多 くとり 翌 日 の 状 態 を みて 負 荷 量 を 調 節 する 運 動 の 精 神 的 効 果 を 目 的 に 離 床 を 進 め 週 単 位 で 状 態 に 合 わせ 負 荷 量 を 調 節 する 運 動 療 法 はコンディショ ニング( 拘 縮 予 防 褥 創 防 止 )など 他 動 的 運 動 を 中 心 に 行 う 2.0~2.7 中 等 度 栄 養 障 害 免 疫 能 の 障 害 創 傷 治 癒 遅 延 42 2.0 未 満 高 度 栄 養 障 害 生 体 適 応 の 障 害
12 高 度 栄 養 障 害 (Alb2.0 未 満 ) 目 的 運 動 療 法 はコンディショニング ( 拘 縮 予 防 褥 創 防 止 認 知 症 予 防 など)を 中 心 に 行 い 二 次 的 障 害 を 予 防 する ポイント Albが2.0 以 上 になるま では 我 慢 リハビリによ る 効 果 が 表 れても 数 値 が 上 がるまで 要 注 意 運 動 強 度 負 荷 なし~ 軽 い 負 荷 運 動 終 了 時 楽 になった 軽 くなった と 言 われる 程 度 の 運 動 強 度 にする 43
13 中 等 度 栄 養 障 害 (Alb2.0-2.7) 目 的 少 しずつ 離 床 を 進 める ポイント 運 動 負 荷 量 の 判 断 は 翌 日 の 状 態 ( 疲 れ)をみ て 判 断 する リハビリ 中 の 休 憩 を 多 くする 運 動 強 度 他 動 的 運 動 自 動 運 動 レジスタンス 運 動 軽 い 負 荷 から 少 しずつ 運 動 強 度 を 増 やしていく 変 化 週 単 位 でリハビリ の 効 果 がでてくる 44
15 軽 度 栄 養 障 害 (Alb2.8-3.5) 目 的 疲 れない 範 囲 で 体 力 増 進 日 常 生 活 活 動 の 自 立 を 進 める ポイント 疲 れない 範 囲 であれば 栄 養 障 害 のことはあま り 考 えないで 普 通 にリ ハビリする 運 動 強 度 レジスタンス 運 動 を 中 心 に 行 い 運 動 強 度 は 軽 い 負 荷 から 少 しずつ 増 やしていく 変 化 日 単 位 でリハビリの 効 果 がでてくる 45
低 栄 養 状 態 時 における 運 動 療 法 の 進 め 方 良 いイメージを 持 って 接 する できるだけ 患 者 様 が 幸 せに 元 気 になるイメージを もつようにしています 医 療 者 が 患 者 様 を 見 ているのと 同 じように 患 者 様 も 医 療 者 を 見 ています リハビリテーションにおいては セラピストの 持 つイメージが 患 者 様 のQOLに 大 きく 関 係 しているよ うに 感 じています 46
ご 清 聴 ありがとうございました 47