今 週 のヘッドライン マレーシア インドネシア マレーシア 三 菱 東 京 UFJ 銀 行 国 際 業 務 部 BTMU Asia Weekly BTMU アジア ウィークリー 通 産 相 自 動 車 価 格 の 引 下 げを 2017 年 まで 段 階 的 に 実 施 カチン 武 装 勢 力 と 停 戦 合 意 貿 易 収 支 が 4 カ 月 連 続 で 赤 字 補 助 金 対 象 石 油 燃 料 の 値 上 げ 6 月 第 3 週 目 に 実 施 との 見 方 中 銀 7 カ 月 ぶりに 政 策 金 利 引 下 げ 実 施 政 治 経 済 トピックス 通 産 相 自 動 車 価 格 の 引 下 げを 2017 年 まで 段 階 的 に 実 施 7 Jun2013 / Vol.76 国 営 通 信 社 の 報 道 によると ムスタパ モハメド 通 産 相 は 28 日 自 動 車 販 売 価 格 の 引 下 げを 謳 った 与 党 連 合 国 民 戦 線 (BN)の 選 挙 公 約 に 従 い 2017 年 までに 段 階 的 に 価 格 引 下 げを 実 施 する 方 針 を 示 した 今 月 初 に 実 施 された 総 選 挙 における BN の 公 約 は 国 家 自 動 車 政 策 (NAP)を 改 定 し 自 動 車 価 格 を 20 ~30% 引 下 げる とするもの 具 体 的 な 手 法 としては 自 動 車 に 対 する 物 品 税 の 引 下 げが 柱 となる 見 通 し ナジブ 首 相 も 同 日 公 約 に 従 って 2017 年 までに 自 動 車 価 格 を 段 階 的 に 引 下 げる と 自 身 のツイッター を 通 じ 改 めて 選 挙 公 約 の 実 現 をアピールした マレーシア 政 府 は 自 動 車 産 業 の 活 性 化 や 外 国 資 本 の 投 資 誘 致 等 を 視 野 に 2009 年 に 制 定 さ れた 新 自 動 車 政 策 の 見 直 しを 進 めている これを 受 けて 外 資 メーカーはマレーシアでの 販 売 強 化 を 打 出 しており 国 内 市 場 では 既 に 競 争 激 化 により 販 売 価 格 の 下 落 が 始 まっているが 規 制 緩 和 は 国 産 車 メーカーのシェア ダウンに 繋 がるとの 指 摘 もある こうした 中 今 回 販 売 価 格 の 引 下 げ 方 針 を 表 明 したムスタパ 通 産 相 は 昨 年 10 月 から 現 在 ま でに 国 内 の 人 気 モデル 10 車 種 販 売 価 格 は 平 均 7.3% 下 落 している と 説 明 するとともに 価 格 の 引 下 げは 国 内 産 業 への 影 響 を 考 慮 しながら 進 める 必 要 がある との 認 識 を 示 した カチン 武 装 勢 力 と 停 戦 合 意 国 営 テレビの 報 道 によると 政 府 とカチン 独 立 機 構 (KIO)は 5 月 30 日 KIO の 軍 事 部 門 であるカチン 独 立 軍 (KIA)と 戦 闘 停 止 戦 闘 による 避 難 民 の 帰 還 促 進 監 視 団 の 設 置 等 7 項 目 からなる 合 意 文 書 に 調 印 した の 行 政 区 画 は 7 つの 管 区 7 つの 州 からなっており 大 まかに 8 部 族 (135 民 族 )が 存 在 するとされる 国 民 のうち 人 口 の 約 7 割 を 占 めるビルマ 族 は 主 に 管 区 に その 他 の 部 族 は 主 に 州 に 居 住 している 1948 年 のビルマ( 当 時 ) 独 立 直 後 から 多 くの 少 数 民 族 が 自 治 独 立 を 求 め 政 府 と 武 力 衝 突 を 続 けてきた 2011 年 1 月 の 総 選 挙 を 経 て 同 年 3 月 に 大 統 領 に 就 任 したテインセイン 大 統 領 は 民 主 化 推 進 の 一 環 として 少 数 民 族 との 和 平 も 重 要 政 策 として 掲 げ 停 戦 合 意 の 実 現 に 努 めてきた 1
少 数 民 族 との 和 平 進 展 を 含 むテインセイン 政 権 による 民 主 化 努 力 が 主 要 先 進 各 国 からも 評 価 され これまで 経 済 制 裁 の 解 除 / 緩 和 や 経 済 支 援 の 再 開 等 に 結 びついており 2012/13 年 度 の 海 外 直 接 投 資 が 前 年 比 5 倍 に 達 するなど 投 資 流 入 の 大 幅 な 伸 びをもたらしている 政 府 は 今 回 のカチン 族 との 合 意 により 全 ての 主 要 少 数 民 族 との 停 戦 が 実 現 した と しており 国 際 社 会 での 評 価 が 更 に 改 善 すると 期 待 する 声 もある 一 方 国 内 では 政 府 が 自 国 民 と して 認 めていないロヒンギャ 族 への 対 応 が 不 十 分 との 批 判 もある 貿 易 収 支 が 4 カ 月 連 続 で 赤 字 統 計 総 局 (GSO)の 発 表 によると 5 月 の 貿 易 収 支 ( 推 定 値 )は 12 億 米 ドル( 1,200 億 円 )の 赤 字 となっ た 単 月 の 貿 易 赤 字 は 今 年 2 月 以 降 4 カ 月 連 続 で 赤 字 額 が 10 億 米 ドルを 超 えるのは 2011 年 9 月 以 来 昨 年 の 貿 易 収 支 は 19 年 振 りの 貿 易 黒 字 を 計 上 し 外 貨 準 備 高 の 回 復 や 通 貨 ドンの 為 替 相 場 安 定 に 大 きく 寄 与 した 背 景 には 携 帯 電 話 の 輸 出 が 大 きく 伸 びたことも 挙 げられるが 国 内 製 造 業 の 生 産 減 少 や 個 人 消 費 の 減 速 を 受 け 部 材 や 耐 久 消 費 財 の 輸 入 が 伸 び 悩 んだこともその 一 因 で 景 気 低 迷 のサイン との 指 摘 もある 一 方 足 元 の 貿 易 赤 字 拡 大 の 原 因 となっている 輸 入 の 大 幅 な 伸 びは 国 家 銀 行 (SBV= 中 銀 ) が 国 内 での 入 札 用 に 金 の 輸 入 を 進 めていることが 背 景 にあるが 企 業 生 産 や 個 人 消 費 が 回 復 している 兆 しと 見 る 向 きもある ( 単 位 : 百 万 米 ドル) 貿 易 収 支 (1 米 ドル=ドン) ドン 対 米 ドル 為 替 相 場 推 移 1,000 21300 776 500 424 579 498 21200 361 395 172 175 156 21100 3 51 0 21000-94 コアレート 上 限 レート 下 限 レート 非 公 式 レート 市 場 レート -500-279 -527-546 20900 20800-1,000-936 -1,200 20700-1,500 20600 Jan-12 Feb-12 Mar-12 Apr-12 May-12 Jun-12 Jul-12 Aug-12 Sep-12 Oct-12 Nov-12 Dec-12 Jan-13 Feb-13 Mar-13 Apr-13 May-13 Jan-12 Feb-12 Mar-12 Apr-12 May-12 Jun-12 Jul-12 Aug-12 Sep-12 Oct-12 Nov-12 Dec-12 Jan-13 Feb-13 Mar-13 Apr-13 May-13 Jun-13 貿 易 赤 字 が 拡 大 傾 向 を 見 せる 中 外 為 市 場 では 5 月 半 ば 以 降 ドン 安 米 ドル 高 傾 向 がジワジワと 進 んでいる 6 月 5 日 には 昨 年 1 月 以 来 約 1 年 5 ヶ 月 振 りに 取 引 バンドを 米 ドル 高 方 向 に 逸 脱 する 非 公 式 相 場 が 発 生 した 現 状 ドンの 対 米 ドル 為 替 取 引 バンドからの 逸 脱 は 小 幅 な 水 準 に 止 まっているが 今 後 現 地 での ドンから 米 ドルへのエクスチェンジに 支 障 を 来 たす 可 能 性 があるとの 懸 念 もある 2
インドネシア 補 助 金 対 象 石 油 燃 料 の 値 上 げ 6 月 第 3 週 目 に 実 施 との 見 方 5 月 27 日 付 地 元 紙 によると インドネシア 政 府 が 本 年 4 月 に 5 月 中 に 実 施 する と 表 明 していた 補 助 金 対 象 石 油 燃 料 の 販 売 価 格 引 上 げについて 6 月 第 3 週 目 になるとの 見 方 を 明 らかにした 現 行 1l 当 たり 4,500 ルピア( 46 円 )としている 補 助 金 対 象 の 石 油 燃 料 のうち ガソリンを 現 状 比 +44%の 6,500 ルピア( 66 円 ) 軽 油 を 同 +22%の 5,500 ルピア( 56 円 )とすること 等 が 盛 込 まれた 補 正 予 算 案 が 6 月 17 日 に 国 会 で 承 認 される 見 通 しとなったことを 受 けたもの インドネシアでは 急 速 な 経 済 発 展 と 自 動 車 二 輪 車 の 普 及 でガソリン 需 要 が 急 増 する 中 原 油 価 格 の 高 止 まりも 相 俟 って 補 助 金 の 支 出 が 財 政 赤 字 の 拡 大 を 招 いている ユドヨノ 政 権 は 2012 年 に 補 助 金 燃 料 の 値 上 げを 試 みたが 野 党 や 国 民 の 反 発 を 受 け 実 施 が 見 送 られた 経 緯 がある また 1998 年 には 値 上 げに 動 いた 当 時 のスハルト 政 権 が 退 陣 に 追 込 ま れるなど この 問 題 に 対 する 国 民 の 反 発 は 非 常 に 大 きく 2014 年 の 総 選 挙 を 前 に 痛 みを 伴 う 改 革 に 取 組 むユドヨノ 政 権 の 政 権 運 営 に 注 目 が 集 まっている 尚 インドネシア 政 府 は 石 油 燃 料 の 値 上 げ 実 施 が 物 価 に 与 える 影 響 を 勘 案 し 今 年 の 予 想 イン フレ 率 を 前 年 比 +4.9%から 同 +7.2%と 大 幅 に 上 方 修 正 している また これを 受 け 中 央 銀 行 のペリ ー 副 総 裁 は 金 融 政 策 を 現 在 の 中 立 から 引 締 めに 変 更 する 可 能 性 を 示 唆 している 中 銀 7 カ 月 ぶりに 政 策 金 利 引 下 げ 実 施 中 央 銀 行 (BOT)は 29 日 前 日 から 2 日 間 に 亘 り 開 催 された 金 融 政 策 委 員 会 (MPC)の 会 合 で 政 策 金 利 ( 翌 日 物 レポ 金 利 )を 2.75%から 2.50%へ 引 下 げることを 決 定 した 中 銀 は 会 合 後 に 発 表 された 声 明 で 米 国 及 び 日 本 の 景 気 回 復 を 評 価 するとともに ユーロ 圏 について も 危 機 が 拡 大 する 可 能 性 が 低 下 したとして 前 向 きな 見 方 を 示 す 一 方 中 国 アジアの 経 済 成 長 は 予 想 を 下 回 っているとして の 輸 出 回 復 の 遅 れにつながる 可 能 性 があると 指 摘 した また 国 内 への 資 金 流 入 が 増 加 し 為 替 相 場 が 不 安 定 になっているとして 足 元 のバーツ 高 に 懸 念 を 表 明 した 中 銀 による 政 策 金 利 の 引 下 げは 昨 年 10 月 17 日 以 来 7 カ 月 ぶり 第 1 四 半 期 (1~3) 月 の 国 内 総 生 産 (GDP) 成 長 率 が 前 年 同 期 比 +5.3%に 止 まったことに 加 え 為 替 市 場 で 進 行 しているバーツ 高 抑 制 の 観 点 から 利 下 げ 期 待 が 強 まっていた 3
日 系 企 業 動 向 最 近 プレスリリースされた 主 な 新 規 進 出 増 設 等 の 案 件 進 出 先 親 会 社 現 地 法 人 ( 資 本 金 ) 所 在 地 三 菱 日 立 製 鉄 機 械 株 式 会 社 0% 100% インド CONCAST(INDIA)Ltd. ムンバイ 市 * 地 場 製 鉄 業 者 の 全 株 を 取 得 株 式 会 社 電 通 Webchutney Studio Private Limited インド ニューデリー 市 *インド 子 会 社 が 地 場 企 業 の 株 式 80%を 取 得 ( 資 本 金 339 万 ルピー) タミルナド 州 カンチ インド 株 式 会 社 HIVEC HIVEC RHINO TECHNOLOGIES Pvt.Ltd. インドネシア フジオーゼックス 株 式 会 社 75% PT. Prospect Motor(ジャカルタ) 25% インドネシア 豊 田 通 商 株 式 会 社 0% 4.9% * 地 場 大 手 自 動 車 部 品 メーカーに 資 本 参 入 ( 取 得 額 = 約 93 億 円 ) シンガポール エバラ 食 品 工 業 株 式 会 社 * 駐 在 員 事 務 所 開 設 シンガポール 株 式 会 社 コンテック フィリピン 株 式 会 社 JALUX 0% 100% * 株 式 会 社 アグリ サンより 営 業 権 全 株 式 を 取 得 株 式 会 社 GSユアサグループ 49% 60% Siam Motrsグループ 51% 40% * 合 弁 会 社 の 第 三 者 割 当 増 資 を 引 き 受 け 連 結 子 会 社 化 古 河 電 気 工 業 株 式 会 社 * 子 会 社 = 古 河 AS 株 式 会 社 100% 出 資 のフィリピン 現 法 が 新 工 場 設 立 ( 総 投 資 額 = 約 25 億 円 ) PT.FUJI OOZX INDONESIA ( 資 本 金 2,000 万 米 ドル 予 定 ) PT Astra Otoparts Tbk ( 資 本 金 4,820 億 ルピア) Ebara Foods Industry,Inc. Representative Office Singapore Contec Pte.Ltd. ( 資 本 金 100 万 シンガポールドル) Taniyama Siam Co.,Ltd. ( 資 本 金 3 億 700 万 バーツ) Siam GS Battery Co.,Ltd. ( 増 資 後 資 本 金 7,140 万 バーツ) FURUKAWA AUTOMOTIVE SYSTEMS LIMA PHILIPPINES INC. 株 式 会 社 電 通 グループ 90% PROMO TEC VIETNAM LIMITED Investment, Development and Information Service Co.,Ltd. 10% ( 資 本 金 125 万 米 ドル) JESCOホールディングス 株 式 会 社 JESCO ホアビン エンジニアリング * 地 場 提 携 先 の 子 会 社 の 増 資 を 引 き 受 け 発 行 済 株 式 の51.2%を 取 ( 予 定 ) 得 子 会 社 化 ( 取 得 額 = 約 89 万 米 ドル) マレーシア エバラ 食 品 工 業 株 式 会 社 0% 15.86% * 地 場 食 品 会 社 と 業 務 資 本 提 携 ( 取 得 額 =55 万 米 ドル) 王 子 ホールディングス 株 式 会 社 *100% 子 会 社 のOji Paper Asia Sdn Bhd(マレーシア)が 支 店 開 設 日 本 トランスシティ 株 式 会 社 * 駐 在 員 事 務 所 開 設 モンゴル オリックス 株 式 会 社 0% 約 16% ラオス * 地 場 大 手 金 融 持 ち 株 会 社 の 株 式 を 取 得 株 式 会 社 JALUX 0% 100% * アグリ サンの 子 会 社 より 営 業 権 全 株 式 を 取 得 CareFood Industries Sdn Bhd ( 資 本 金 346 万 6,667リンギ) Oji Paper Asia Sdn Bhd,Myanmar Branch Japan Transcity Corporation Yangon Representative Office TenGer Financial Group ( 資 本 金 1,279 億 3,600 万 ツグリク) Advance Agriculture Co.,Ltd. ( 資 本 金 100 万 米 ドル) プラム 県 西 ジャワ 州 カラワン 県 ジャカルタ シンガポール SINGAPORE バンコク サムトプラカン 県 バタンガス 州 リパ 市 ホーチミン 市 Selangor Yangon,Myanmar Yangon,Myanmar Ulaanbaatar セーコーン 県 ( 企 業 のウェイブページ 等 で 公 開 されている 案 件 すべての 日 系 企 業 動 向 を 網 羅 していない 点 ご 了 承 下 さい) 4
先 週 の 市 場 動 向 と 今 週 の 主 な 予 定 アジア 各 国 通 貨 市 場 先 週 の 動 向 と 今 週 の 予 想 アジア 通 貨 市 場 の 動 向 については 弊 行 レポート(BTMU Emerging FX Weekly)をご 参 照 下 さい 下 記 リンク 先 の PDF ファイル 通 貨 週 報 (6/3) が 今 週 号 になります BTMU Emerging FX Weekly (6 月 3 日 号 ) 本 資 料 は 信 頼 できると 思 われる 各 種 データに 基 づき 作 成 しておりますが 当 行 はその 信 頼 性 安 全 性 を 保 証 す るものではありません また 本 資 料 は お 客 さまへの 情 報 提 供 のみを 目 的 としたもので 当 行 の 商 品 サービスの 勧 誘 やアドバイザリーフィーの 受 入 れ 等 を 目 的 としたものではありません 投 資 売 買 に 関 する 最 終 決 定 はお 客 さまご 自 身 でなされますよう お 願 い 申 し 上 げます ( 編 集 発 行 ) 三 菱 東 京 UFJ 銀 行 国 際 業 務 部 教 育 情 報 室 橋 本 隆 城 E-Mail: takaki_hashimoto@mufg.jp Tel: 03-6259-6311 5