基 調 講 演 国 内 外 における 食 品 表 示 等 の 動 向 協 会 理 事 実 践 女 子 大 教 授 田 島 眞 食 品 の 表 示 に 関 係 する 法 律 で 重 要 なのは 食 品 衛 生 法 と JAS 法 です 食 品 衛 生 法 は 食 品 の 衛 生 性 の 確 保 を 目 的 にした 法 律 で 表 示 対 象 は 容 器 包 装 された 加 工 食 品 です 他 方 JAS 法 の 目 的 は 消 費 者 への 情 報 開 示 ですから 生 鮮 加 工 を 問 わず すべての 飲 食 料 品 が 対 象 になっています 期 限 表 示 食 品 衛 生 法 は 安 全 性 を 確 保 できる 期 限 として 消 費 期 限 の 表 示 を 求 め JAS 法 は 品 質 を 十 分 担 保 できる 期 限 として 賞 味 期 限 の 表 示 を 求 めています 消 費 期 限 の 場 合 は 期 限 が 来 たら 直 ちに 廃 棄 したほうが 好 ましく 賞 味 期 限 の 場 合 は 廃 棄 する 必 要 はないという 話 で ございます 消 費 期 限 は 安 全 性 にかかる 概 念 であり 賞 味 期 限 は 品 質 にかかる 概 念 です ので 一 本 化 は 難 しいと 思 います CODEX でも 二 本 立 てになっています 期 限 は 業 者 が 自 分 の 責 任 で 決 めます 消 費 期 限 は 主 に 微 生 物 検 査 により 概 ね 5 日 以 内 で 設 定 しますが 1 日 の 場 合 や 6 日 の 場 合 もありま す 賞 味 期 限 は 主 に 官 能 検 査 により 概 ね 5 日 以 上 3 年 以 内 に 設 定 します たとえば 冷 凍 肉 まんの 官 能 調 査 官 能 評 価 ポイント 5 冷 凍 肉 饅 頭 の 賞 味 期 限 の 評 点 が 保 存 当 初 は 5 点 を 確 保 していたが だんだん 品 質 が 落 ちて 16 ヶ 月 で 3 点 を 下 回 り 売 り 物 にはな らなくなったとします この 場 合 の 賞 味 期 限 は この まま 決 めれば 16 ヵ 月 ですが 危 険 度 を 見 込 んで 大 体 1/1.5 の 12 ヵ 月 が 賞 味 期 限 になります 逆 にいえ ば 賞 味 期 限 を 過 ぎても 十 分 食 べられます 4 3 2 1 官 能 評 価 ポイントが3を 下 回 る 時 期 :16ヶ 月 16ヶ 月 1.5= 賞 味 期 限 12ヶ 月 3 6 9 12 16 保 存 月 数 消 費 期 限 や 賞 味 期 限 ではなくて 製 造 年 月 日 を 表 示 してほしいという 要 望 もありますが 製 造 年 月 日 表 示 は 両 刃 の 剣 です 売 れ 残 りを 加 工 すると 例 えば 魚 の 販 売 形 態 が 丸 のま ま 切 り 身 粕 漬 け 惣 菜 弁 当 のおかずと 変 わるたびに 製 造 日 ( 加 工 日 )を 新 しく することができます 製 造 年 月 日 表 示 では その 食 材 があたかも 直 前 につくられたよう にみせかけることが 可 能 になるのです 1971 年 東 京 大 学 大 学 院 ( 博 士 課 程 ) 修 了 農 林 水 産 省 食 糧 研 究 所 中 国 農 業 試 験 場 を 経 て 1991 年 より 実 践 女 子 大 学 生 活 科 学 部 教 授 現 在 (2009 年 8 月 20 日 時 点 ) 内 閣 府 消 費 者 委 員 会 設 立 準 備 参 与 農 林 水 産 省 JAS 調 査 会 会 長 厚 生 労 働 省 農 林 水 産 省 表 示 に 関 する 共 同 会 議 座 長 ( 社 ) 日 本 食 品 科 学 工 学 会 会 長 ( 社 ) 日 本 フードスペシャリスト 協 会 理 事 ( 社 ) 日 本 家 政 学 会 関 東 支 部 監 事 日 本 食 品 保 蔵 科 学 会 常 任 理 事 食 品 分 析 研 究 会 副 会 長 食 品 品 質 保 持 技 術 研 究 会 副 会 長 食 品 照 射 研 究 協 議 会 副 会 長 日 本 食 育 学 会 常 任 理 事 IUFoST-Japan 理 事 ( 社 ) 学 校 物 資 流 通 協 議 会 選 定 委 員 会 委 員 長 ( 財 ) 飯 島 記 念 食 品 科 学 振 興 財 団 評 議 員 食 創 会 理 事
食 品 添 加 物 の 表 示 食 品 衛 生 法 では 食 品 の 製 造 加 工 に 使 用 した 添 加 物 は 全 て 表 示 することになっていま すが 沢 山 の 例 外 があり 表 示 されない 添 加 物 も 数 多 くあります 食 品 添 加 物 は 官 報 告 示 された 物 質 名 で 表 示 するのが 原 則 ですが 消 費 者 になじみが 無 かったり 限 られたスペースに 記 載 するのに 無 理 があったりするため 厚 生 労 働 省 が 指 定 した 通 称 名 や 簡 略 名 を 使 うことができます L-アスコルビン 酸 ナトリウムでは 何 のこ とか 分 かりませんが ビタミン C なら 誰 でも 知 っています 消 費 者 が 関 心 の 高 い 甘 味 料 や 着 色 料 など 8 種 の 添 加 物 については 例 えば 亜 硝 酸 Na と 書 いてもよくわからないので 発 色 剤 ( 亜 硝 酸 Na)のように 用 途 名 を 併 記 する 義 務 が あります 香 料 酸 味 料 などについては 個 々の 添 加 物 の 名 称 を 書 かずに 一 括 して 香 料 酸 味 料 と 表 示 することができます どんなものを 使 っているかは 製 造 のノウハウが 詰 まっ た 企 業 秘 密 であり 場 合 によっては 香 料 などの 専 業 メーカーに 外 注 しているため 製 造 業 者 自 身 も 知 らないことがあるからです 表 示 が 免 除 される 場 合 もいくつかあります 第 1 に 加 工 助 剤 です 加 工 工 程 で 使 用 されるが 除 去 さ れたり 中 和 されたりして 最 終 製 品 にほとんど 残 ら ないものをいい 脱 色 に 使 う 活 性 炭 抽 出 剤 に 使 う ヘキサンなどがこれにあたります 第 2 がキャリーオーバーです 原 料 中 に 含 まれる が 使 用 した 食 品 には 効 果 が 出 ないものです たと えば せんべい 製 造 のしょうゆに 含 まれる 保 存 料 は せんべいの 保 存 には 効 果 がなく 表 示 の 必 要 はあり ません 端 的 に 言 えば 自 分 のところで 入 れなかっ たものは 表 示 する 必 要 はない ということになりま す 加 工 食 品 は 多 くの 原 材 料 を 外 部 から 調 達 して 製 造 されますから 原 材 料 中 の 多 数 の 添 加 物 は 表 示 されません 第 3 がばら 売 り 食 品 や 小 包 装 食 品 ( 表 示 面 積 30 平 方 センチメートル 以 下 )です 物 理 的 な 表 示 可 能 性 の 話 なので 省 略 します 第 4 は 栄 養 強 化 目 的 で 使 用 する 場 合 です 健 康 増 進 法 により 表 示 が 行 われており 食 品 衛 生 法 では 表 示 が 免 除 されています これはコーデックスでも 同 じ 扱 いです 添 加 物 の 表 示 方 法 原 則 として 官 報 告 示 した 物 質 名 を 表 示 厚 生 労 働 省 指 定 の 範 囲 で 別 名 簡 略 名 の 記 載 も 可 能 L-アスコルビン 酸 ビタミン C V.C 炭 酸 水 素 ナトリウム 重 曹 硫 酸 アルミニウムカリウム ミョウバン 用 途 名 併 記 の 添 加 物 消 費 者 の 関 心 の 高 い 8 種 の 添 加 物 甘 味 料 着 色 料 保 存 料 ゲル 化 剤 酸 化 防 止 剤 発 色 剤 漂 白 剤 防 かび 剤 例 : 防 かび 剤 (OPP-Na) 一 括 名 での 表 示 香 料 ガムベース かんすい 膨 脹 剤 酸 味 料 調 味 料 乳 化 剤 豆 腐 用 凝 固 剤 その 他 イーストフード 等 厚 生 労 働 省 指 定 の 範 囲 で 別 名 簡 略 名 の 記 載 も 可 能 L-アスコルビン 酸 ビタミン C V.C 炭 酸 水 素 ナトリウム 重 曹 硫 酸 アルミニウムカリウム ミョウバン 表 示 免 除 の 添 加 物 加 工 助 剤 活 性 炭 ( 脱 色 剤 ) ヘキサン( 抽 出 剤 ) カセイソーダ( 中 和 剤 ) 等 キャリーオーバー 小 包 装 食 品 栄 養 強 化 目 的 のもの
これは 実 際 に 加 工 食 品 に 表 示 されている 添 加 物 添 加 物 の 表 示 例 を 書 き 出 したものです 調 味 料 (アミノ 酸 等 ) 酸 ロースハム 味 料 乳 化 剤 増 粘 安 定 剤 というのが 一 括 表 示 で リン 酸 塩 (Na) 調 味 料 (アミノ 酸 等 ) 酸 化 防 止 剤 (Vt.C) 発 色 剤 ( 亜 硝 酸 酸 化 防 止 剤 (Vt.C) 発 色 剤 ( 亜 硝 酸 Na)などが 用 Na) コチニール 色 素 途 名 併 記 です さつま 揚 げ 調 味 料 (アミノ 酸 等 ) キシロース 表 示 されている 添 加 物 は それほど 多 くありませ 豆 腐 凝 固 剤 ( 塩 化 Mg) 安 定 剤 (キサンタン ん 比 較 的 多 く 表 示 されているのはカツサンドのよ ガム) うな 中 食 食 品 ですが 驚 くような 数 ではありません カップスープ 乳 糖 デキストリン 調 味 料 (アミノ 酸 一 括 名 表 示 によって 実 際 に 使 われている 添 加 物 は 等 ) 隠 れてしまっています 高 級 品 を 主 として 利 用 して マーボ 茄 子 調 味 料 (アミノ 酸 等 ) カラメル 色 素 増 いる 場 合 は 加 工 食 品 が 多 い 食 生 活 を 送 っていても 粘 剤 (キサンタンガム) パプリカ 色 素 つゆ 表 示 される 添 加 物 はたかだか 50 ぐらいでしょう 調 味 料 (アミノ 酸 等 ) 酸 味 料 添 加 物 総 数 1600 ぐらいのうち 僅 か 50 の 表 示 では カツサンド 乳 化 剤 増 粘 安 定 剤 カゼイン Na 調 食 品 添 加 物 は 原 則 として 表 示 とは 言 えないので 味 料 (アミノ 酸 等 ) リン 酸 塩 (Na) 着 はないかと 思 います 色 料 (カラメル カロテン) 酸 化 防 止 剤 (Vt.C Vt.E) 香 料 保 存 料 (ソルビ 1995 年 の 食 品 衛 生 法 改 正 の 前 は 合 成 保 存 料 を ン 酸 K) 酸 味 料 使 用 とか 合 成 着 色 料 を 使 用 という 形 の 表 示 で したが 好 ましくないものが 一 目 瞭 然 で 表 示 される という 意 味 では むしろ 親 切 だっ たのではないでしょうか 今 のように 羅 列 すると 大 事 な 情 報 が 埋 没 し しかも 一 括 名 表 示 のために 肝 心 なところがわからないという 話 になりかねないと 思 います 原 産 地 原 料 原 産 地 表 示 原 産 地 原 料 原 産 地 の 表 示 は JAS 法 に 基 づく 消 費 者 への 情 報 提 供 です ばら 売 りの 場 合 も 店 頭 表 示 が 求 められます 農 産 物 の 原 産 地 表 示 は 国 産 なら 都 道 府 県 名 輸 入 品 の 場 合 は 国 名 です 水 産 物 の 場 合 は 国 産 なら 漁 獲 水 域 名 が 原 則 ですが それが 難 しいときは 水 揚 港 名 やその 港 が 属 す る 都 道 府 県 名 でも 良 いとされています 輸 入 水 産 物 は 国 名 表 示 が 原 則 で 漁 獲 水 域 の 併 記 もできることになっています 畜 産 物 の 場 合 は 国 産 のものはただ 国 産 でよく 輸 入 品 は 国 名 記 載 が 求 められます なお 国 産 牛 肉 というと 和 牛 肉 を 想 像 しますが 乳 牛 の 肉 がかなりの 割 合 を 占 めます 加 工 食 品 の 場 合 は 輸 入 品 は 全 て 原 産 国 表 示 が 求 められますが 国 内 で 製 造 される 加 工 食 品 についても 加 工 度 が 低 い 24 種 類 の 食 品 に 限 り 主 要 原 料 ( 乾 重 比 50% 以 上 の 原 料 )の 原 産 地 を 表 示 することになっています 次 のページの 表 の 19 番 にあるように 衣 をつけたエビは 表 示 対 象 ですが これをフライにするとエビの 原 産 地 を 表 示 する 義 務 はなくなります 冷 凍 ギョーザは どの 原 材 料 をとっても 乾 重 比 50%に 達 しない 場 合
表 示 の 義 務 はありません 生 鮮 食 品 を 異 種 混 合 した 例 えば たらと 白 菜 のお 鍋 セットは 表 示 対 象 ( 右 表 の 20 番 )ですが 加 工 食 品 を 混 合 したもの 例 えば 練 物 の 入 ったお 鍋 セットは 表 示 義 務 から 外 れます 原 産 地 ロンダリングと 揶 揄 される 話 もあります 中 国 産 の 野 菜 をベトナムで 乾 燥 して それで 日 本 でふり かけに 加 工 すると 原 料 はベトナム 産 乾 燥 野 菜 になり 中 国 産 が 隠 れてしまいます コーデックスでも 認 めら れていることではありますが 消 費 者 にとっては ち ょっと 納 得 がいかないところでしょう 実 際 の 表 示 をみると 原 料 原 産 地 が 非 常 に 判 りにく い 場 合 があります えぼ 鯛 の 開 きでパックの 表 には 小 田 原 低 温 乾 燥 いかにも 小 田 原 産 というイメー ジですが 裏 側 を 見 ると えぼ 鯛 ( 中 国 産 ) あらら という 感 じす 製 造 業 者 等 JAS 法 食 品 衛 生 法 どちらでも 加 工 食 品 の 製 造 業 原 料 原 産 地 表 示 の 対 象 食 品 20 食 品 群 ( 下 線 は2009 年 10 月 追 加 品 目 ) 1. 乾 燥 きのこ 類 乾 燥 野 菜 及 び 乾 燥 果 実 2. 塩 蔵 したきのこ 類 塩 蔵 野 菜 及 び 塩 蔵 果 実 3.ゆで 又 は 蒸 したきのこ 類 野 菜 及 び 豆 類 並 びにあん 4. 異 種 混 合 したカット 野 菜 異 種 混 合 した カット 果 実 その 他 野 菜 果 実 及 びきのこ 類 を 異 種 混 合 したもの 5. 緑 茶 及 び 緑 茶 飲 料 6.もち 7.いりさや 落 花 生 いり 落 花 生 あげ 落 花 生 及 びいり 豆 類 8.こんにゃく 9. 調 味 した 食 肉 10.ゆで 又 は 蒸 した 食 肉 及 び 食 用 鳥 卵 11. 表 面 をあぶった 食 肉 12.フライ 種 として 衣 を 付 けた 食 肉 13. 合 挽 肉 その 他 異 種 混 合 した 食 肉 14. 素 干 魚 介 類 塩 干 魚 介 類 煮 干 魚 介 類 及 び こんぶ 干 のり 焼 きのりその 他 干 した 海 藻 類 15. 塩 蔵 魚 介 類 及 び 塩 蔵 海 藻 類 16. 調 味 した 魚 介 類 及 び 海 藻 類 17.ゆで 又 は 蒸 した 魚 介 類 及 び 海 藻 類 18. 表 面 をあぶった 魚 介 類 19.フライ 種 として 衣 を 付 けた 魚 介 類 20.4 又 は13に 掲 げるもののほか 生 鮮 食 品 を 異 種 混 合 したもの 個 別 指 定 4 食 品 農 産 物 漬 物 野 菜 冷 凍 食 品 うなぎ 蒲 焼 き かつお 削 り 節 者 等 の 名 称 及 び 住 所 の 表 示 が 義 務 づけられています 製 造 業 者 等 の 等 は 輸 入 業 者 と 販 売 者 です 輸 入 品 の 品 質 について 現 地 の 製 造 業 者 に 代 わって 輸 入 業 者 が 責 任 をもつと いうのは 納 得 できますが 問 題 は 販 売 者 です 製 造 業 者 との 合 意 があれば 販 売 者 名 表 示 で 良 いとされており 製 造 者 名 が 隠 れてしまいます お 土 産 はほとんどが 販 売 者 しか 表 示 されていません 下 請 けに OEM で 作 らせた 製 品 も 販 売 者 は 実 名 表 示 されますが 製 造 者 は 製 造 所 固 有 記 号 での 表 示 にとどめるのが 大 半 です 最 近 では 販 売 者 名 とともに 製 造 者 名 をも 表 示 する 例 が 徐 々に 出 てきていますが ほとんどの 製 品 が 販 売 者 表 示 しかな されないというのは だれが 責 任 をもつかという 意 味 で 問 題 かと 思 います 遺 伝 子 組 換 え 食 品 遺 伝 子 組 み 換 え 農 産 物 を 使 った 食 品 はたくさん 流 通 していますが 食 べている 実 感 が ありません これは 一 つには 表 示 義 務 が DNA 組 換 え 体 及 びそれから 発 現 したたんぱく 質 が 残 存 している 32 群 の 食 品 のみに 限 られるからです 豆 腐 納 豆 は 表 示 義 務 がありま すが 大 豆 油 や 醤 油 には DNA 組 換 え 体 たんぱく 質 が 全 く 含 まれていない 大 豆 油 や 醤 油 にはありません もう 一 つは 表 示 義 務 が 主 な 原 材 料 ( 重 量 比 が 上 位 3 位 以 内 かつ 5% 以 上 の 原 材 料 )に 限 られているからです 大 豆 たんぱく 質 は 表 示 義 務 対 象 ですが これを 使 ったシューマイ は 重 量 比 5% 以 下 になるので 非 表 示 コーンスターチは 表 示 義 務 対 象 ですが これを 使
ったケーキは 同 様 に 非 表 示 になります 農 産 物 (7) 大 豆 とうもろこし 菜 種 綿 実 ばれいしょ アフファルファ てん 菜 31.アルファルファを 主 な 原 材 料 とするもの 32.てん 菜 ( 調 理 用 )を 主 な 原 材 料 とするもの 遺 伝 子 組 換 え 表 示 対 象 農 産 物 加 工 食 品 加 工 食 品 (32 群 ) 1. 豆 腐 油 揚 げ 類 2. 凍 豆 腐 おから 及 び 湯 葉 3. 納 豆 4. 豆 乳 類 5.みそ 6. 大 豆 煮 豆 7. 大 豆 缶 詰 及 び 大 豆 瓶 詰 8.きな 粉 9. 大 豆 いり 豆 10.1.~9.を 主 な 原 材 料 注 ) とするもの 11. 大 豆 ( 調 理 用 )を 主 な 原 材 料 とするもの 12. 大 豆 粉 を 主 な 原 材 料 とするもの 13. 大 豆 たん 白 を 主 な 原 材 料 とするもの 14. 枝 豆 を 主 な 原 材 料 とするもの 15. 大 豆 もやしを 主 な 原 材 料 とするもの 16.コーンスナック 菓 子 17.コーンスターチ 18.ポップコーン 19. 冷 凍 とうもろこし 20.とうもろこし 缶 詰 及 びとうもろこし 瓶 詰 21.コーンフラワーを 主 な 原 材 料 とするもの 22.コーングリッツを 主 な 原 材 料 とするもの 23.とうもろこし( 調 理 用 )を 主 な 原 材 料 とするもの 24.16.~20.を 主 な 原 材 料 とするもの 25. 冷 凍 ばれいしょ 26. 乾 燥 ばれいしょ 27.ばれいしょでん 粉 28.ポテトスナック 菓 子 29.25.~28.を 主 な 原 材 料 とするもの 30.ばれいしょ( 調 理 用 )を 主 な 原 材 料 とするもの 有 機 食 品 の 表 示 有 機 農 産 物 や 有 機 加 工 食 品 などにはこの 有 機 JAS マークをつ けることができます 有 機 農 産 物 は 農 薬 化 学 肥 料 を 使 用 しない で 栽 培 したものをいいますが これはあくまでも 原 則 であって 有 機 農 産 物 JAS 規 格 には 但 し 書 きがあり ボルドー 液 に 使 用 す る 硫 酸 銅 など 使 用 経 験 が 長 く 安 全 性 が 高 い 農 薬 は 使 用 が 認 められています アレルギー 原 因 物 質 の 表 示 表 示 が 義 務 付 けられている 特 定 原 材 料 は 現 在 エビ カニ 卵 乳 小 麦 そば 落 花 生 このうちエビ カニは 2009 年 5 月 に 追 加 され 2 年 間 の 猶 予 期 間 があります ほ かに 義 務 ではないが 表 示 が 望 ましいとされ ている 原 材 料 が 18 あります アレルギー 原 因 物 質 の 表 示 は 非 常 に 厳 密 で キャリーオーバーでも 表 示 しなければな りません この 場 合 は 原 材 料 表 示 の 末 尾 に 括 弧 書 きで ( 原 材 料 の 一 部 に 小 麦 大 豆 を 含 む) のように 表 示 します そばと 同 じラインでうどんを 作 る 場 合 や かまぼこの 原 料 魚 がエビやカニを 捕 食 している 可 能 性 がある 場 合 など コンタミネーションの 可 能 性 があ ればそれも 表 示 しなければなりません CODEX 原 材 料 表 示 が 必 要 となる 食 品 表 示 が 義 務 化 されたもの ( 特 定 原 材 料 7 品 目 ) 小 麦 えび そば かに 卵 乳 落 花 生 症 例 数 が 多 いもの 症 状 が 重 篤 なもの 表 示 が 奨 励 されたもの (18 品 目 ) あわび いか いくら オ レンジ キウイフルーツ 牛 肉 くるみ さけ さば 大 豆 鶏 肉 バナナ 豚 肉 まつたけ もも やま いも りんご ゼラチン 症 例 数 が 少 なく 一 層 の 調 査 を 必 要 とするもの コーデックスは 1962 年 に FAO と WHO により 設 置 された 国 際 機 関 で 食 品 の 国 際 的 規 格 基 準 を 策 定 する 役 割 を 担 っています 次 ページにコーデックスの 組 織 図 を 示 し ました 一 番 左 の 一 般 原 則 部 会 が 一 番 活 発 に 活 動 しているところで 食 品 表 示 を 含 む 10 の 部 会 があります 個 別 食 品 部 会 には 11 の 部 会 がありますが 活 動 は 低 調 で 6 つは 休
会 中 です 特 別 部 会 や 地 域 調 整 部 会 もほとんど 活 動 しておりません 部 会 は 参 加 国 の 中 から 選 ばれたホスト 国 が 運 営 しており 会 議 は 通 常 ホスト 国 で 開 催 されます 食 品 表 示 部 会 はカナダがホスト 国 で 毎 年 1 回 の 部 会 総 会 もカナダで 開 かれます コーデックス 委 員 会 執 行 委 員 会 事 務 局 一 般 問 題 部 会 (10 部 会 ) 一 般 原 則 (フランス) 食 品 添 加 物 ( 中 国 ) 汚 染 物 質 (オランダ) 食 品 衛 生 ( 米 国 ) 食 品 表 示 (カナダ) 分 析 サンフ リンク 法 (ハンガリー) 残 留 農 薬 ( 中 国 ) 食 品 残 留 動 物 用 医 薬 品 ( 米 国 ) 食 品 輸 出 入 検 査 認 証 制 度 ( 豪 州 ) 栄 養 特 殊 用 途 食 品 (ドイツ) 個 別 食 品 部 会 (11 部 会 ) 乳 乳 製 品 (NZ) 加 工 果 実 野 菜 ( 米 国 ) 魚 類 水 産 製 品 (ノルウェー) 油 脂 (マレーシア) 生 鮮 果 実 野 菜 (メキシコ) ナチュラル ミネラル ウォーター(スイス) 糖 類 ( 英 国 ) 穀 物 豆 類 ( 米 国 ) 植 物 タンパク 質 (カナダ) ココア 製 品 チョコレート(スイス) 食 肉 衛 生 (NZ ) 特 別 部 会 (1 部 会 ) 抗 菌 剤 耐 性 ( 韓 国 ) 地 域 調 整 部 会 (6 部 会 ) アジア アフリカ ヨーロッパ ラテンアメリカ カリフ 海 近 東 北 アメリカ 南 西 太 平 洋 食 品 表 示 に 係 るコーデックスの 合 意 文 書 としては 右 の 3 本 がありま すが 大 事 なのは 包 装 食 品 の 表 示 に 関 するコーデックス 一 般 規 格 です 表 示 基 準 を 定 めるときは WTO に 通 報 して 審 査 を 受 ける 必 要 がありますが 科 学 的 根 拠 もなく 一 般 規 格 と 離 れた 基 準 を 作 ろうとし ても WTO で 却 下 されてしまいます 国 内 法 もこの 一 般 規 格 に 準 拠 することが 求 められ ます あと 2 つはガイドラインで 強 制 力 はありません 消 費 者 庁 と 消 費 者 委 員 会 包 装 食 品 の 表 示 に 関 するコーデックス 一 般 規 格 強 調 表 示 に 関 するコーデックス 一 般 ガイドライン 栄 養 表 示 に 関 するガイドライン 2009 年 5 月 29 日 に 消 費 者 庁 関 連 3 法 ( 消 費 者 庁 及 び 消 費 者 委 員 会 設 置 法 消 費 者 庁 及 び 消 費 者 委 員 会 設 置 法 の 施 行 に 伴 う 関 係 法 律 の 整 備 に 関 する 法 律 消 費 者 安 全 法 )が 成 立 し 9 月 1 日 には 消 費 者 庁 と 消 費 者 委 員 会 が 発 足 することになっています これは 消 費 者 委 員 会 設 立 準 備 会 の 参 与 の 名 簿 で 消 費 者 委 員 への 就 任 が 予 定 されてお ります みたところ 弁 護 士 と 法 律 専 門 家 が ほとんどで 食 品 関 係 はアサヒビールの 池 田 さんと 私 と2 人 だけということで 多 勢 に 無 勢 でどのような 議 論 になるのか ちょっと 不 安 です 消 費 者 委 員 会 は 内 閣 府 の 本 府 に 置 かれ 消 費 者 庁 は 内 閣 府 の 外 局 として 設 置 されます 消 費 者 委 員 会 設 立 準 備 参 与 池 田 弘 一 アサヒビール 会 長 兼 CEO 川 戸 惠 子 ジャーナリスト 櫻 井 敬 子 学 習 院 大 学 法 学 部 教 授 佐 野 真 理 子 主 婦 連 合 会 事 務 局 長 下 谷 内 冨 士 子 ( 社 ) 全 国 消 費 生 活 相 談 員 協 会 顧 問 住 田 裕 子 弁 護 士 田 島 眞 実 践 女 子 大 学 生 活 科 学 部 教 授 中 村 雅 人 弁 護 士 日 弁 連 消 費 者 行 政 一 元 化 推 進 本 部 長 代 行 林 文 子 雪 印 乳 業 社 外 取 締 役 松 本 恒 雄 一 橋 大 学 大 学 院 法 学 研 究 科 教 授
政 府 原 案 では 消 費 者 委 員 会 は 消 費 者 庁 の 内 部 機 関 と 位 置 づけられていたのですが 国 会 審 議 の 過 程 で 内 閣 直 属 となり 消 費 者 庁 とは 独 立 して 活 動 するという 話 になっています 消 費 者 庁 の 組 織 図 です 定 員 202 名 総 務 課 のほかに 規 格 調 整 担 当 3 課 執 行 担 当 4 課 で 構 成 され JAS 法 食 品 衛 生 法 の 表 示 に 関 する 部 分 は 図 の 右 下 の 食 品 表 示 課 が 担 当 することになっています 消 費 者 委 員 会 は 事 務 局 の 下 に 事 務 局 長 と 参 事 官 が 1 人 というこ とで 定 員 がたった 2 人 ですが 出 向 者 を 併 せ 20 名 体 制 で 事 務 局 を 作 ります これによって これまで 各 省 に またがっていた 消 費 者 問 題 を 消 費 者 庁 消 費 者 委 員 会 が 一 元 的 に 担 当 することになりました 一 元 化 により 各 省 庁 の 行 政 の 谷 間 に あったすき 間 を 埋 めてほしいと いう 強 い 期 待 があります 大 変 難 しい 話 ですが 何 とかしなくては と 思 っています すき 間 の 例 としてよく 出 されるのが こんにゃくゼリーです 幼 児 の 誤 食 による 死 亡 例 が 報 告 されており 直 ちに 販 売 禁 止 措 置 を 取 るべきだという 主 張 もありますが 現 在 の 法 律 では 製 造 業 者 への 改 善 勧 告 はできても 禁 止 処 置 はとれません お 餅 を 喉 に 詰 ま らせて 高 齢 者 が 亡 くなる 例 がたくさん 報 告 されており こんにゃくゼリーが 禁 止 ならお 餅 も 禁 止 という 話 になってしまうからです 簡 単 な 話 ではありませんが 何 とかしなく てはいけません 消 費 者 庁 消 費 者 委 員 会 が 抱 える 法 律 は JAS 法 食 品 衛 生 法 健 康 増 進 法 の 表 示 部 分 を 含 め 21 本 になります 健 康 増 進 法 のトクホに 関 しては すでに 64 件 余 りの 申 請 が 審 査 を 待 っているとのことで 待 ったなしです たった 10 名 の 消 費 者 委 員 会 で これ だけの 仕 事 をやらなければならないということで どうなるかは 走 り 出 してみないと 全 く 分 からないというところです 消 費 者 にとって 望 ましい 表 示 とは 食 品 表 示 の 改 正 についての 審 議 会 の 議 論 を 聞 いていると 消 費 者 団 体 代 表 の 方 は 全 て 表 示 すべきだと 主 張 されますが 詳 しく 書 くことによって 分 かりにくくなるという 面 も あります 1995 年 の 食 品 衛 生 法 の 改 正 で 食 品 添 加 物 は 全 面 表 示 することになりましたが
それ 以 降 合 成 の 食 品 添 加 物 の 生 産 量 はむしろ 増 えています なんでも 表 示 することは 必 ずしも 消 費 者 の 利 益 になるとは 限 らないと 思 います 他 方 食 品 表 示 は 必 要 最 小 限 に とどめて 残 りのものはお 客 様 相 談 室 あるいはインターネットのホームページで 表 示 すれば インターネットなど 全 然 使 えないという 高 齢 者 への 情 報 提 供 をどうするかとい う 問 題 が 出 てきます 消 費 者 が 本 当 に 求 めている 情 報 は 一 体 何 なのか あるいは それ をどう 表 示 したらいいかというのは 難 しい 問 題 だと 感 じております