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Transcription:

みんなで 考 えよう 病 理 検 査 室 の 安 全 対 策 獨 協 医 科 大 学 越 谷 病 院 病 理 診 断 科 古 谷 津 純 一 日 本 医 療 機 能 評 価 機 構 の 医 療 事 故 防 止 事 業 部 では, 全 国 から 医 療 事 故 を 収 集 解 析 し, 事 故 防 止 のための 啓 蒙 活 動 を 実 施 しています. 今 回 は,2004 年 10 月 から2010 年 9 月 末 日 まで( ちょっと 古 いで すが,これ 以 降 のまとまった 資 料 がありません)に 報 告 された 病 理 検 査 室 関 連 事 例 から, 工 程 の 場 面 別 に11 事 例 をピックアップし, 以 下 の 頁 に 示 します. これらの 事 例 を 報 告 した 施 設 では,その 背 景 要 因 を 解 析 し, 改 善 策 を 立 案 しています. この 改 善 策 は 有 効 でしょうか? そして 必 要 充 分 でしょうか? 勉 強 会 では,これら 事 例 とその 対 応 について, 双 方 向 で 議 論 したいと 思 います.

事 例 1: 検 体 放 置 術 中 簡 易 検 査 の 指 示 がでるも, 看 護 師 がガーゼにくるんで 放 置 した. 翌 日 依 頼 用 紙 が 残 っていたため 発 覚 した. 背 景 要 因 確 認 方 法 が 曖 昧 だった. 手 術 室 における 病 理 検 体 の 取 扱 基 準 が 欠 如 していた. 改 善 策 診 療 科 により 検 体 の 提 出 方 法 が 異 なるため, 提 出 方 法 のマニュアルを 整 備 した.

事 例 2: 受 付 ヒヤリハット 病 理 部 受 付 時 は1 患 者 で 検 体 容 器 が4 個 あった. バーコード 受 付 後 に 標 本 を 作 製 し, 病 理 医 に 提 出 した. 病 理 医 に 検 体 は5 個 あることになっているが, 5 番 目 の 検 体 はどうなっている? と 指 摘 された. 依 頼 した 臨 床 医 に 確 認 すると, 入 力 間 違 いであった. 背 景 要 因 電 子 カルテの 入 力 間 違 い. 病 理 部 受 付 時 の 依 頼 情 報 と 検 体 との 確 認 不 足. 確 認 を 怠 った

改 善 策 電 子 カルテの 入 力 間 違 い. 依 頼 検 体 とシステム 入 力 が 異 なったら, 修 正 してほしい 病 理 受 付 時 の 依 頼 情 報 と 検 体 との 確 認 不 足. 受 付 時 点 の 依 頼 情 報 と 検 体 確 認 の 徹 底 事 例 2: 受 付 ヒヤリハット

事 例 3: 切 り 出 し 時 の 検 体 紛 失 全 身 麻 酔 で 小 児 の 経 皮 的 肝 生 検. 検 査 技 師 は, 提 出 された 容 器 内 に 約 2cm 長 の 検 体 を 確 認 検 体 をピンセットでつまみ 出 し, カセットに 移 そうとしたときに,はじけ 飛 んで 見 失 う. 背 景 要 因 作 業 中 に 検 体 から 目 を 離 した. ピンセットで 検 体 をつまんだまま 検 体 番 号 を 確 認 した. 検 体 がはじけ 飛 んだ 方 向 を 見 ていない. 検 体 を 見 失 った 際 の 捜 索 手 順 が 欠 如 していた.

改 善 策 作 業 机 の 脇 に, 常 時 水 が 循 環 している 水 槽 があり, ここに 飛 んだ 可 能 性 もあるため, 水 槽 からの 流 出 防 止 策 を 講 じた. 事 例 3: 切 り 出 し 時 の 検 体 紛 失

事 例 4: 切 り 出 し 時 の 検 体 取 り 違 え(1) 右 乳 癌 で 手 術 予 定 の 患 者 A 右 A 領 域, 右 CD 領 域, 左 C 領 域 より CNB 施 行 した. 3ヶ 所 ともに 癌 と 診 断 され, 右 乳 頭 温 存 乳 腺 全 切 除 術, 左 乳 房 温 存 術 施 行 する. 病 理 診 断 は, 右 は 乳 癌 であったが, 左 には 癌 を 認 めない. カセットに 番 号 を 記 載 して 検 体 を 入 れる 際 に, 申 込 用 紙 の 見 間 違 えと 容 器 の 取 り 違 えが 起 き, 患 者 Aの 左 検 体 と, 患 者 Bの 検 体 が 入 れ 違 った.

背 景 要 因 検 体 取 扱 過 程 の 検 証 をせず, 個 々のやりやすい 方 法 で 処 理. 作 業 環 境 の 整 理 方 法 不 具 合. ダブルチェックシステムを 導 入 していなかった. 改 善 策 ダブルチェック 徹 底 のため,2 名 の 技 師 を 配 置 する. 技 師 (1)1 例 の 依 頼 書 検 体 ビン カセットを 置 き 処 理 が 完 了 したらこれらをサイド 机 に 置 く. 技 師 (2)サイド 机 の3 点 セットを 確 認 する. 確 認 が 済 んだらそれぞれが 依 頼 書 にサインする. 事 例 4: 切 り 出 し 時 の 検 体 取 り 違 え(1)

事 例 5: 切 り 出 し 時 の 検 体 取 り 違 え(2) 患 者 A, 患 者 Bの 前 立 腺 生 検 を 実 施 した. 薄 切 が 終 わったのちに, 同 じ 番 号 のブロックが 2 個 ずつあるのに 気 付 いた. 背 景 要 因 作 業 マニュアルの 不 備. 点 検 作 業 が 不 十 分. 同 種 類 の 検 体 を 連 番 で 病 理 番 号 を 発 番. 改 善 策 同 種 類 の 検 体 は 連 番 で 病 理 番 号 をつけない.

事 例 6: 包 埋 ヒヤリハット 消 化 管 内 視 鏡 生 検 の 検 体 が 受 付 時 には4 個 あったが, ブロックには2 個 しか 含 まれていなかった. 病 理 医 が 検 鏡 時 に 気 付 き 発 覚. 残 りの2 個 は 包 埋 カプセルに 残 っているのが 発 見 された. 背 景 要 因 包 埋 は 1 検 体 分 ごとに 行 なっているが, 検 体 受 付 画 面 と 検 体 個 数 の 確 認 が 不 十 分 であった. 標 本 作 製 後 も 確 認 が 不 十 分 となっていた.

改 善 策 複 数 の 生 検 検 体 がある 場 合 には 個 別 にカセット 処 理 する. 目 立 つように 生 検 材 料 にマーキング 処 理 を 同 時 に 行 なう 事 例 6: 包 埋 ヒヤリハット

事 例 7: 薄 切 時 の 検 体 取 り 違 え 経 気 管 支 肺 生 検 検 体 病 理 標 本 作 製 過 程 で, 同 日 に 生 検 された 別 の 症 例 の 検 体 の 一 部 と 入 れ 替 わり, 腺 癌 と 診 断 された. 右 肺 上 葉 切 除 右 下 葉 部 分 切 除 胸 壁 合 併 切 除 術 を 施 行 癌 を 認 めなかったため, 追 加 切 り 出 しを 実 施 して 検 索. 肺 膿 瘍 ( 放 線 菌 症 )の 所 見 のみであった. 肺 膿 瘍 であり, 手 術 適 応 事 例 であった.

背 景 要 因 通 常 通 りパラフィンブロックを 作 製 した. 薄 切 切 片 を 枠 付 きの 水 槽 に 浮 かべ, スライドガラスに 拾 う 際,ブロックの 位 置 がずれて, 他 の 検 体 と 入 れ 替 わり, 取 り 違 えが 発 生 した. 改 善 策 薄 切 した 切 片 を 浮 かべる 水 槽 に, ブロックを 入 れる 容 器 を 設 置 する. 薄 切 段 階 での 間 違 いを 防 止 するため, ガラス 標 本 とブロックの 形 状 を 確 認 する. 事 例 7: 薄 切 時 の 検 体 取 り 違 え

事 例 8: 薄 切 時 の 検 体 取 り 違 え 左 右 の 乳 腺 から 生 検 し, 左 右 別 容 器 で 検 体 を 病 理 に 提 出. * 右 乳 腺 には1, 左 乳 腺 には2と 記 載 し 区 別 していた. 包 埋 カセットには, 受 付 番 号 と1, 受 付 番 号 と2を 記 載. 包 埋 時 には, 左 右 の 区 別 は 出 来 ていた. 薄 切 後, 切 片 を 拾 う 際 に 順 番 が 逆 転 した. 病 理 診 断 は 右 側 : 癌 左 側 : 線 維 腺 腫 診 断 に 基 づき 右 乳 腺 部 分 切 除 術 施 行 するも 線 維 腺 腫 の 診 断. 左 右 標 本 の 間 違 えが 発 覚 した.

背 景 要 因 どちらが 1 か 識 別 ができるようにカットを 入 れるが, 2 に 切 り 込 みがあるように 見 えたため 逆 転 した. 改 善 策 検 体 が 複 数 ある 場 合, 今 回 のように 左 右 に 印 を 入 れるのでなく, 検 体 毎 にスライドを 作 製 する. 事 例 8: 薄 切 時 の 検 体 取 り 違 え

事 例 9:ラベル 貼 り 違 えによる 検 体 取 り 違 え PSA 高 値 を 指 摘 され, 左 右 9か 所 より 前 立 腺 生 検 施 行 した. 病 理 診 断 は,18 個 中 2か 所 に 中 高 分 化 型 腺 癌 と 診 断. 腹 腔 鏡 下 に 前 立 腺 全 摘 術 を 施 行 した. 生 検 では 7mmの 広 がりだったが,3mmしかなかった. 不 思 議 に 思 い 同 日 生 検 された 標 本 を 確 認 すると, 別 患 者 の 標 本 とラベルを 貼 り 違 えたことが 判 明 する.

背 景 要 因 前 立 腺 生 検 の 標 本 作 製 には, 当 日 作 製 分 のスライドガラス すべてに 手 書 きで 通 し 番 号 をつけて 自 動 染 色 機 で 染 色 した. 染 色 後, 通 し 番 号 順 に 並 べてラベルを 貼 る. ( 薬 液 対 応 のラベルでないため) ラベル 貼 付 時 に, 番 号 順 に 並 んでいなかった. 改 善 策 ダブルチェックを 徹 底 する. 作 業 時 には, 異 なる 患 者 の 標 本 を 離 しておく. ラベルを 貼 付 した 状 態 で 染 色 可 能 な 機 器 導 入 を 検 討 する. 事 例 9:ラベル 貼 り 違 えによる 検 体 取 り 違 え

事 例 10: 細 胞 診 判 定 違 い 乳 腺 穿 刺 吸 引 細 胞 診 を 細 胞 検 査 士 3 名 と 病 理 医 1 名 で 検 討. Class V adenocarcinoma と 診 断 した. 24 日 後 に 手 術 を 施 行 するも, 病 理 標 本 に 癌 の 所 見 なし. IHC も 含 め, 限 局 性 結 節 を 形 成 した 硬 化 性 線 症 と 診 断. 背 景 要 因 良 悪 鑑 別 困 難 症 例 で, 疑 陽 性 判 定 にとどめるべきだった. 細 胞 診 にも 診 断 補 助 として 免 疫 染 色 や 特 殊 染 色 を 実 施 する. 細 胞 診 結 果 で 手 術 適 応 になった 場 合 は, 主 病 変 の 術 中 迅 速 組 織 診 断 を 行 うことが 重 要 である.

改 善 策 当 院 症 例 の 細 胞 像 の 再 検 討 を 中 心 に, 学 会 や 外 部 研 修 に 積 極 的 に 参 加 し, 診 断 力 を 養 う. 乳 腺 に 限 らず 細 胞 診 における 専 門 的 知 識 の 集 積 を 行 う. 事 例 10: 細 胞 診 判 定 違 い

事 例 11: 検 査 結 果 見 忘 れ 左 副 鼻 腔 病 変 に 対 し 左 上 顎 洞 篩 骨 洞 の 手 術 を 施 行 した. 迅 速 診 のパラフィン 標 本 : 炎 症 性 変 化, 腫 瘍 をみない. 退 院 後 の 通 院 フォローで 鼻 出 血 と 血 性 痰 を 訴 える. ファイバーにて 炎 症 性 ポリープを 認 め, 消 炎 剤 処 方. その 後 も 出 血 が 続 き, 鼻 内 焼 灼 処 置 と 生 検 を 実 施 する. その 後, 左 眼 瞼 周 囲 と 頬 部 が 腫 脹 し 来 院 した. 病 理 結 果 は, 黒 色 腫 の 疑 いで 免 疫 染 色 中 のため 即 入 院 MRI: 腫 瘍 は 左 上 顎 洞 に 充 満 し 頬 部 と 眼 窩 内 に 突 出. この 時 点 で, 前 回 手 術 時 の 入 院 カルテを 確 認 すると, 永 久 標 本 で 悪 性 黒 色 腫 と 報 告 されていたことが 判 明.

背 景 要 因 定 かではないが, 術 中 迅 速 診 のパラフィン 標 本 結 果 と 永 久 標 本 の 病 理 診 断 結 果 が,ほぼ 同 時 に 報 告 されたため 迅 速 診 の 結 果 のみで 判 断 したものと 思 われる. 検 査 結 果 は 病 棟 クラークがカルテに 綴 じるため, 見 落 とされたまま 綴 じられたと 思 われる. 改 善 策 結 果 は 主 治 医 が 確 認 してからカルテに 綴 じる. 臨 床 診 断 と 病 理 診 断 が 乖 離 する 場 合 は, 報 告 書 に 注 意 を 喚 起 する 表 示 をする. 結 果 受 領 日 と 受 領 者 のサインをする. 事 例 11: 検 査 結 果 見 忘 れ