平 成 26 年 度 岡 山 県 包 括 外 部 監 査 結 果 報 告 書 概 要 包 括 外 部 監 査 人 井 上 信 二 第 1 包 括 外 部 監 査 の 概 要 1 選 定 した 特 定 の 事 件 (テーマ) 県 税 の 賦 課 徴 収 に 係 る 事 務 の 執 行 について 2 監 査 の 対 象 岡 山 県 総 務 部 税 務 課 及 び 県 民 局 税 務 部 なお 特 定 の 事 件 (テーマ)に 関 係 する 組 織 として 次 の 部 署 も 監 査 の 対 象 とした 環 境 文 化 部 循 環 型 社 会 推 進 課 環 境 文 化 部 自 然 環 境 課 農 林 水 産 部 林 政 課 3 事 件 (テーマ)を 選 定 した 理 由 平 成 24 年 度 の 県 税 収 入 額 は 1,928 億 5 千 1 百 万 円 であり 一 般 会 計 歳 入 額 の 28.9% を 占 めており 県 政 を 推 進 していく 上 での 重 要 な 財 源 となっている 平 成 24 年 度 の 収 入 率 は 全 税 目 平 均 96.9%と 全 国 平 均 を 上 回 っているものの 平 成 24 年 度 末 の 県 税 収 入 未 済 額 は 55 億 5 千 8 百 万 円 となっている 県 税 の 賦 課 徴 収 事 務 については 平 成 17 年 度 包 括 外 部 監 査 においてテーマに 選 定 さ れ 各 種 の 指 摘 や 意 見 が 提 出 され その 後 約 10 年 の 間 に 県 では 県 税 に 係 る 組 織 変 更 や 収 入 率 向 上 に 向 けての 取 組 が 実 施 された これらの 状 況 から 過 去 の 包 括 外 部 監 査 の 結 果 に 対 する 県 の 改 善 状 況 の 検 証 も 含 め 収 入 の 確 保 と 課 税 及 び 徴 収 の 公 平 性 の 観 点 から 県 税 の 賦 課 事 務 及 び 滞 納 整 理 事 務 の 適 切 性 について 監 査 を 実 施 する 意 義 は 大 きいと 判 断 し 特 定 の 事 件 として 選 定 した 第 2 監 査 の 指 摘 事 項 及 び 意 見 1 不 動 産 取 得 税 課 税 権 の 消 滅 ( 指 摘 事 項 ) 不 動 産 取 得 税 は 土 地 や 家 屋 を 取 得 した 際 に 課 税 されるが 登 記 情 報 により 不 動 産 取 得 の 事 実 を 知 った 時 点 では 5 年 の 除 斥 期 間 は 経 過 していなかったものの 課 税 処 理 の 過 程 で 除 斥 期 間 が 経 過 し 課 税 権 が 消 滅 した 案 件 があった これは 市 町 村 の 固 定 資 産 課 税 台 帳 に 取 得 不 動 産 と 一 致 するものがなく 当 該 市 町 村 1
等 に 問 い 合 わせたものの 適 切 な 回 答 が 得 られないまま 除 斥 期 間 が 経 過 し 課 税 権 が 消 滅 してしまったものであった 所 有 権 移 転 登 記 された 不 動 産 について 該 当 する 課 税 台 帳 が 当 該 市 町 村 になく 事 実 が 判 明 した 後 も 適 切 な 修 正 等 が 行 われなかった 点 で 第 一 義 的 には 市 町 村 の 対 応 に 問 題 があったと 考 えられるものの 当 該 市 町 村 や 取 得 者 等 への 追 加 調 査 等 を 怠 った 結 果 除 斥 期 間 を 経 過 し 課 税 できなくなったことは 県 にも 不 手 際 があったと 考 えられ 今 後 再 発 防 止 に 努 めるべきである 2 不 動 産 取 得 税 の 期 限 内 申 告 義 務 ( 意 見 ) 不 動 産 の 取 得 者 は 不 動 産 取 得 の 日 から 60 日 以 内 に 不 動 産 取 得 税 の 賦 課 徴 収 に 関 する 事 項 を 申 告 する 義 務 が 課 されているが 不 動 産 取 得 の 日 から 60 日 以 内 に 申 告 書 が 提 出 さ れていない 事 例 が 散 見 された 岡 山 県 税 条 例 に 定 められた 申 告 期 限 が 徹 底 されておらず 是 正 されることが 必 要 であ る 現 在 では 申 告 義 務 について 周 知 が 徹 底 されていないことから 申 告 義 務 違 反 を 行 った 者 に 対 して 岡 山 県 税 条 例 で 定 められた 罰 則 規 定 も 適 用 されていない 市 町 村 による 固 定 資 産 税 評 価 のための 家 屋 評 価 の 際 に 周 知 することや 不 動 産 の 取 得 手 続 に 関 与 することの 多 い 不 動 産 業 者 や 建 築 業 者 司 法 書 士 等 に 対 する 周 知 への 協 力 依 頼 など 申 告 義 務 があること 及 び 申 告 期 限 罰 則 規 定 の 存 在 について 積 極 的 な 周 知 が 望 まれる 3 ゴルフ 場 利 用 税 の 等 級 の 認 定 方 法 ( 意 見 ) ゴルフ 場 利 用 税 は ゴルフ 場 の 規 模 と 利 用 料 金 により 決 められた 等 級 ごとに 税 額 が 定 められている 利 用 料 金 には グリーンフィーとカートフィーが 含 まれるが 等 級 の 算 定 対 象 になるグリーンフィーを 下 げ 等 級 の 算 定 対 象 にならないカートフィーを 上 げる ことによって 等 級 の 変 更 をしているゴルフ 場 が 散 見 された ゴルフ 場 の 利 用 料 金 の 低 下 に 伴 い カートフィーの 占 める 割 合 が 大 きくなってきてお り 利 用 料 金 総 額 を 勘 案 した 等 級 判 定 をすることを 検 討 すべきである 4 軽 油 引 取 税 の 課 税 免 除 (1) 引 取 報 告 書 の 提 出 状 況 の 把 握 ( 意 見 ) 船 舶 の 動 力 源 に 供 する 等 一 定 の 用 途 に 用 いられる 軽 油 は 軽 油 引 取 税 が 免 税 される 2
免 税 軽 油 使 用 者 は 県 から 免 税 証 の 交 付 を 受 け その 免 税 証 と 引 き 換 えに 販 売 業 者 から 免 税 軽 油 を 引 き 取 ることになる 免 税 軽 油 使 用 者 に 対 して 引 取 報 告 書 の 提 出 を 義 務 付 けているが 県 は 免 税 証 を 交 付 し た 者 から 漏 れなく 引 取 報 告 書 が 提 出 されているか 把 握 していなかった 引 取 報 告 書 が 未 提 出 となっている 使 用 者 を 特 定 し 当 該 使 用 者 へ 問 い 合 わせを 行 う あるいは 備 前 県 民 局 間 税 調 査 班 ( 各 局 兼 務 )で 実 施 している 軽 油 引 取 税 の 現 地 調 査 の 対 象 に 含 めるといった 対 応 を 検 討 すべきと 考 える (2) 免 税 証 の 回 収 管 理 ( 意 見 ) 免 税 軽 油 を 購 入 する 場 合 は 免 税 証 を 販 売 業 者 へ 引 き 渡 し 販 売 業 者 が 申 告 書 ととも に 県 へ 提 出 する また 使 用 されなかった 免 税 証 も 県 への 返 却 を 義 務 付 けている こ のため 交 付 された 免 税 証 は 原 則 として 県 へ 回 収 されることになっている 電 算 システムに 集 計 された 発 行 枚 数 と 回 収 枚 数 には 乖 離 が 見 受 けられるが 県 は 個 々 の 免 税 証 の 乖 離 要 因 について 特 定 出 来 ていない また 回 収 された 免 税 証 の 傷 汚 れ 等 により 読 み 取 りができない 場 合 の 手 作 業 による 電 算 入 力 が 徹 底 されていない 電 算 システムへの 回 収 情 報 の 入 力 を 徹 底 した 上 で 発 行 枚 数 と 回 収 枚 数 に 乖 離 が 生 じ ている 場 合 には その 原 因 を 特 定 し 合 理 的 な 理 由 ( 免 税 証 の 紛 失 県 外 使 用 など)に よるものかを 検 証 する 必 要 があると 考 える (3) 免 税 証 の 交 付 数 量 について( 意 見 ) 当 初 の 免 税 証 の 交 付 が 6,000 リットル 分 であったが 実 際 に 使 用 した 免 税 証 の 数 量 は 850 リットル 分 であったといったように 交 付 した 免 税 証 の 数 量 と 実 際 に 使 用 した 免 税 証 の 数 量 に 大 きな 乖 離 がある 事 例 が 見 受 けられた 免 税 証 の 更 新 に 際 し 過 去 の 使 用 実 績 等 が 勘 案 されているが 質 問 等 により 異 常 な 点 がなければ 交 付 申 請 された 数 量 で 免 税 証 を 交 付 している 免 税 証 を 交 付 する 数 量 について 農 業 用 の 交 付 基 準 など 一 定 の 数 量 基 準 を 設 定 したり 過 去 の 使 用 実 績 の 報 告 数 量 を 基 準 にしたりすることが 望 ましい (4) プレジャーボートの 課 税 免 除 の 取 扱 い( 意 見 ) プレジャーボートは 船 舶 の 使 用 者 が 当 該 船 舶 の 動 力 源 に 供 する 軽 油 の 引 取 り に 該 3
当 するため 軽 油 引 取 税 が 免 税 されるが 免 税 は 納 税 者 の 生 活 や 業 務 に 著 しく 支 障 をき たす 場 合 に 限 定 されるべきであり 主 に 遊 興 を 目 的 とすると 考 えられるプレジャーボー トに 軽 油 引 取 税 を 課 したとしても 納 税 者 の 生 活 や 業 務 に 著 しく 支 障 をきたすものでは ないものと 考 える プレジャーボートの 免 税 は 地 方 税 法 を 根 拠 とするものであるため 県 から 国 へ 免 税 範 囲 を 限 定 するよう 働 きかけることが 必 要 である 5 自 動 車 税 の 課 税 免 除 の 取 扱 い( 意 見 ) 県 は 身 体 障 害 者 等 が 所 有 する 自 動 車 で 一 定 の 要 件 を 満 たす 場 合 について 自 動 車 税 を 課 税 免 除 としている 身 体 障 害 者 等 の 入 院 や 手 帳 の 返 納 等 課 税 免 除 の 要 件 を 満 たさなくなった 場 合 その 旨 を 申 告 することになっているが 申 告 すればその 次 月 から 課 税 されるのに 対 して 申 告 せず 県 の 書 面 調 査 で 判 明 するか 若 しくはその 調 査 書 に 回 答 しなければ 調 査 年 度 の 10 月 1 日 から 課 税 されることになっており 正 直 に 申 告 した 者 との 間 で 不 公 平 が 生 じてい る この 不 公 平 を 改 善 するためには 書 面 調 査 の 頻 度 を 上 げる 必 要 があるが ほとんどの 県 で 採 用 している 減 免 制 度 へ 移 行 することも 検 討 すべきである 減 免 制 度 へ 移 行 すれば 毎 年 申 請 が 必 要 となるため 状 況 確 認 を 確 実 に 実 施 すること ができ 年 度 途 中 で 非 該 当 になった 場 合 には 翌 年 度 から 課 税 することができる 他 その 減 免 額 に 上 限 を 設 けることができる 等 の 利 点 も 享 受 できる 6 課 税 誤 り 事 例 ( 個 人 事 業 税 自 動 車 税 )の 再 発 防 止 ( 意 見 ) 平 成 25 年 度 に 課 税 額 の 誤 りを 原 因 として 減 額 修 正 等 を 行 った 事 例 の 回 答 を 入 手 した その 結 果 事 業 認 定 に 係 る 審 査 誤 り 特 に 不 動 産 貸 付 業 や 駐 車 場 業 の 認 定 に 関 連 する 個 人 事 業 税 の 課 税 誤 り 事 例 があった 再 発 防 止 策 として 誤 りやすい 点 を 網 羅 したチェ ックリストを 作 成 し 実 際 の 課 税 作 業 の 際 に 活 用 できるようにすることを 提 案 する また 電 算 システムの 登 録 内 容 を 更 新 する 際 などの 単 純 な 入 力 誤 りによる 自 動 車 税 の 課 税 誤 り 事 例 があった 担 当 者 自 身 による 検 証 作 業 のみにとどまっている 現 状 を 改 善 し 入 力 担 当 者 以 外 の 者 による 検 証 体 制 の 構 築 も 検 討 すべきと 考 える 4
7 預 り 金 であるゴルフ 場 利 用 税 の 滞 納 ( 指 摘 事 項 ) ゴルフ 場 利 用 税 は ゴルフ 場 経 営 者 が 利 用 料 金 とともに 徴 収 して 県 へ 納 めることとな っているゴルフ 場 利 用 者 からの 預 り 金 であり より 確 実 な 納 付 が 求 められる ゴルフ 場 による 同 税 の 滞 納 は 翌 月 15 日 までに 申 告 納 入 を 求 める 岡 山 県 税 条 例 に 違 反 するものであり かつ ゴルフ 場 の 運 営 費 にゴルフ 場 利 用 税 を 充 てることとなり 預 り 金 の 流 用 と 言 わざるを 得 ない 県 は 滞 納 分 を 速 やかに 回 収 し 厳 しく 指 導 を 行 うべき である 8 延 滞 金 についての 対 応 ( 意 見 ) 県 は 本 税 の 取 立 てを 優 先 しており 本 税 に 対 しては 催 告 書 の 送 付 後 財 産 調 査 や 差 押 え 捜 索 など 必 要 に 応 じて 実 施 しているが ( 本 税 がなく) 延 滞 金 のみの 滞 納 に 対 する 対 応 が 延 滞 金 納 付 書 及 びその 催 告 書 の 送 付 にとどまっており それ 以 上 の 滞 納 処 分 を 実 施 していないことが 多 い 本 税 と 同 様 に 厳 しい 滞 納 処 分 を 実 施 することが 必 要 である 9 財 産 調 査 の 方 法 (1) 財 産 調 査 の 範 囲 について( 意 見 ) 滞 納 があった 場 合 滞 納 者 に 対 する 財 産 調 査 が 実 施 されるが 本 籍 地 である 倉 敷 市 の 銀 行 に 口 座 を 有 していることが 判 明 したものの 同 市 を 拠 点 とするそれ 以 外 の 金 融 機 関 には 調 査 を 実 施 していない 事 例 があった 当 該 滞 納 者 が 本 籍 地 に 口 座 を 有 する 以 上 それ 以 外 の 金 融 機 関 にも 口 座 を 有 する 可 能 性 があり 追 加 で 調 査 を 実 施 する 必 要 があったと 考 える (2) 優 先 順 位 の 判 断 について( 意 見 ) 財 産 調 査 の 必 須 範 囲 等 は 各 県 民 局 で 基 本 的 方 針 が 示 されているが 基 本 的 な 調 査 範 囲 を 超 える 調 査 については 各 徴 税 担 当 者 が 各 滞 納 者 の 状 況 に 応 じ その 範 囲 及 び 内 容 を 判 断 決 定 している しかし 明 確 な 方 針 は 示 されておらず 徴 税 担 当 者 の 経 験 や 資 質 により 調 査 内 容 に 差 が 生 じやすいといえる マニュアル 等 を 作 成 し また 上 長 によりその 判 断 を 点 検 する 等 により 担 当 者 判 断 の 差 を 発 生 させないようにすることが 必 要 である 5
(3) インターネット 銀 行 への 照 会 について( 意 見 ) 滞 納 整 理 推 進 機 構 の 滞 納 案 件 の 回 収 実 績 をみると インターネット 銀 行 の 口 座 の 発 見 及 び 差 押 の 実 施 の 事 例 も 相 当 数 ある このため 滞 納 者 の 年 齢 層 等 によっては インタ ーネット 銀 行 の 調 査 も 有 効 であると 考 えられる 各 県 民 局 でも 積 極 的 に 取 り 組 むことが 望 まれる 10 差 押 可 能 財 産 等 に 対 する 執 行 停 止 ( 指 摘 事 項 ) 平 成 25 年 度 自 動 車 税 の 滞 納 に 対 し 県 が 財 産 調 査 をした 結 果 平 成 24 年 度 に 一 定 の 所 得 があるものの 近 隣 金 融 機 関 との 取 引 はなく 固 定 資 産 も 所 有 していないことから 財 産 等 がないとして 執 行 停 止 がなされている 事 例 があった( 自 動 車 税 4 万 2,600 円 ) しかし 平 成 24 年 度 の 所 得 の 額 は 国 税 徴 収 法 により 差 押 が 禁 止 されている 金 額 を 上 回 っており 差 押 が 可 能 であった また 別 の 案 件 では 財 産 調 査 の 結 果 5 金 融 機 関 8 口 座 の 預 金 等 残 高 が 発 見 されてい るが そのうち 1 口 座 ( 普 通 預 金 17 万 407 円 )を 差 押 え 滞 納 額 に 充 当 していた しか し その 他 の 預 金 残 高 ( 合 計 4 万 2,535 円 )については 差 押 を 行 っていなかった 差 押 可 能 な 給 与 等 の 所 得 や 預 金 残 高 が 発 見 されれば 差 押 を 行 い 税 金 の 回 収 を 図 る べきである 11 執 行 停 止 後 の 再 調 査 (1) 再 調 査 の 実 効 性 の 問 題 について( 指 摘 事 項 ) 滞 納 案 件 は 時 効 到 来 前 に 財 産 調 査 等 の 再 調 査 を 実 施 することとなっており 執 行 停 止 中 の 案 件 であれば 財 産 や 所 得 の 発 生 等 による 資 力 の 回 復 が 判 明 した 場 合 には 執 行 停 止 が 取 り 消 される 個 人 事 業 税 の 滞 納 案 件 で 再 調 査 の 結 果 執 行 停 止 時 より 所 得 や 給 与 収 入 が 増 加 して いるにもかかわらず 執 行 停 止 が 取 り 消 されず 不 納 欠 損 処 理 されている 事 例 があった 少 なくとも 執 行 停 止 は 取 り 消 し 滞 納 額 の 請 求 を 実 施 した 上 で なお 納 付 がなければ 差 押 による 滞 納 処 分 を 行 い 税 金 の 回 収 を 図 るべきであったと 考 える (2) 再 調 査 の 効 率 性 の 問 題 について 執 行 停 止 中 の 滞 納 者 に 新 たな 課 税 が 発 生 した 場 合 は 当 該 滞 納 者 の 資 力 が 回 復 してい 6
る 可 能 性 が 高 いといえる よって 新 たな 課 税 の 発 生 を 如 何 に 適 時 効 率 的 に 把 握 する ことができるかが 重 要 である ア 県 管 内 で 課 税 される 県 税 の 発 生 の 把 握 ( 意 見 ) 執 行 停 止 中 の 滞 納 者 に 係 る 新 たな 課 税 の 発 生 は 税 務 システムにより 確 認 することが 多 いが 案 件 が 多 いため それが 納 期 限 までに 納 付 されている 場 合 には 滞 納 者 の 資 力 が 回 復 している 事 実 を 徴 収 担 当 者 が 認 識 できていない 場 合 がある 課 税 情 報 を 把 握 して いる 課 税 担 当 者 と 徴 収 担 当 者 の 連 携 を 密 にすることが 必 要 である イ 個 人 住 民 税 の 発 生 の 把 握 ( 意 見 ) 現 在 県 では 時 効 到 来 前 の 再 調 査 のときにのみ 個 人 市 町 村 民 県 民 税 の 発 生 状 況 を 市 町 村 に 照 会 しており その 資 力 の 回 復 を 即 時 に 把 握 できていない ただし 件 数 が 膨 大 にあるため 書 面 による 照 会 をするには 県 と 市 町 村 の 双 方 にと って 膨 大 な 手 数 がかかる 所 得 が 最 も 発 生 しやすいと 考 えられる 労 働 の 稼 働 年 齢 層 に 絞 り 込 んで 実 施 することや 平 成 29 年 度 から 始 まるマイナンバー 制 の 導 入 も 見 据 えて 市 町 村 のデータと 照 合 し 個 人 住 民 税 発 生 者 を 特 定 できるような 仕 組 みの 構 築 を 各 市 町 村 及 びマイナンバー 制 を 所 管 する 省 庁 に 働 きかけ 作 業 を 効 率 化 することが 望 まれる 12 滞 納 整 理 推 進 機 構 の 今 後 の 在 り 方 ( 意 見 ) 滞 納 整 理 推 進 機 構 は 現 時 点 で 非 常 に 効 果 的 であり 成 果 もあげている 現 時 点 におい て 平 成 27 年 度 までの 設 置 期 間 が 設 定 されているが 市 町 村 には 徴 収 困 難 事 案 が 残 って おり かつ まだ 県 に 引 継 や 職 員 派 遣 を 行 っていない 市 町 村 もあるため 効 果 が 継 続 す る 蓋 然 性 は 非 常 に 高 く 現 在 の 設 置 期 間 で 終 了 するのではなく 当 面 は 継 続 すべきであ る しかし 滞 納 整 理 推 進 機 構 は 常 設 すべきとの 意 見 もあるものの 滞 納 整 理 推 進 機 構 は いずれは 終 了 させるべきものであり その 時 期 について 検 討 が 必 要 である 滞 納 整 理 推 進 機 構 が 扱 う 事 案 の 減 少 を 理 由 として 滞 納 整 理 推 進 機 構 を 終 了 させるべき でなく 市 町 村 が 自 律 的 に 困 難 事 案 を 解 決 していく 体 制 が 整 っているかを 見 定 め その 体 制 が 整 ったのを 見 極 めたうえで 滞 納 整 理 推 進 機 構 を 終 了 させるべきである 7
13 事 業 税 の 医 療 機 関 への 調 査 方 法 ( 意 見 ) 県 は 事 業 税 の 課 税 に 当 たり 医 療 機 関 等 から 提 出 された 資 料 等 について 確 認 等 を 行 っているが 書 面 審 査 によるものであり 医 療 機 関 への 現 地 調 査 は 実 施 されていない 社 会 保 険 診 療 に 係 る 収 入 は 事 業 税 が 非 課 税 となるため 医 療 機 関 が 作 成 する 書 類 上 自 由 診 療 事 業 に 係 る 収 入 を 社 会 保 険 診 療 に 係 る 収 入 に 含 めて 計 上 して 申 告 した 場 合 には 課 税 漏 れとなる 可 能 性 があると 考 えられる これらの 検 証 を 行 うためには 現 地 に 保 管 されている 帳 簿 や 領 収 書 等 の 証 憑 類 の 確 認 や 社 会 診 療 報 酬 支 払 基 金 へのレセプトの 照 会 また 国 民 健 康 保 険 団 体 連 合 会 への 診 療 報 酬 請 求 書 等 の 確 認 により 調 査 を 実 施 し 課 税 漏 れを 防 ぐ 必 要 がある 14 産 業 廃 棄 物 処 理 税 及 びゴルフ 場 利 用 税 の 調 査 方 法 の 在 り 方 (1) 産 業 廃 棄 物 処 理 税 の 調 査 について( 指 摘 事 項 ) 産 業 廃 棄 物 処 理 税 の 調 査 について 施 設 によっては 処 理 量 が 少 ない 施 設 もあり 何 年 も 調 査 の 対 象 となっていないところが 散 見 された 事 務 処 理 要 領 に 定 める 2 年 に 1 回 程 度 の 調 査 が 行 われておらず 要 領 に 即 した 調 査 が 行 われていないため 改 善 が 必 要 で ある 処 理 量 が 少 なく 現 地 調 査 の 対 象 となっていない 施 設 についても 適 正 な 申 告 が 行 わ れるよう 例 えば 簡 易 な 書 面 調 査 で 代 替 するなどして 納 税 者 に 対 する 牽 制 機 能 を 発 揮 すべきである (2) ゴルフ 場 利 用 税 の 調 査 について( 意 見 ) ゴルフ 場 利 用 税 事 務 処 理 要 領 では 利 用 料 金 利 用 の 状 況 諸 帳 簿 の 整 備 状 況 等 を 十 分 把 握 し 最 も 効 果 的 な 調 査 を 行 うこととなっている 要 領 に 違 反 するものではないが 調 査 での 労 力 と 時 間 に 比 して 指 摘 数 が 少 なくなっており 費 用 対 効 果 の 点 で 有 効 かつ 効 率 的 な 調 査 であるとは 言 い 難 いものと 考 える 1 施 設 当 たりの 調 査 内 容 の 見 直 しや 書 面 調 査 の 導 入 など 従 来 方 式 の 調 査 に 加 え 簡 易 な 調 査 も 導 入 することにより 調 査 の 対 象 法 人 を 増 加 させ 県 の 牽 制 機 能 をより 発 揮 すべきである 15 目 的 税 に 係 る 職 員 費 の 算 定 方 法 ( 意 見 ) 狩 猟 税 に 係 る 支 出 額 のうち 当 該 事 業 に 従 事 する 人 件 費 相 当 額 であるはずの 職 員 費 は 8
単 に 税 収 額 と 事 業 費 との 差 額 で 算 出 されており 意 味 を 持 つ 金 額 とはなっていない これ は 目 的 税 の 使 途 として 説 明 するために 十 分 な 内 容 とは 言 えない 1 人 当 たりの 標 準 的 な 人 件 費 の 額 に 事 業 に 従 事 している 人 員 数 を 乗 じる 等 実 態 に 合 わ せ 合 理 的 な 積 算 に 基 づいた 金 額 を 用 いるべきと 考 える また 狩 猟 税 に 限 らず 産 業 廃 棄 物 処 理 税 とおかやま 森 づくり 県 民 税 についても 現 在 の 職 員 費 の 積 算 が 実 態 に 照 らして 妥 当 な 水 準 であるのかどうか 税 収 額 や 基 金 残 高 の 推 移 事 業 充 当 額 と 人 件 費 充 当 額 の 割 合 等 を 勘 案 して 定 期 的 に 見 直 しを 行 うことが 望 ましい 16 産 業 廃 棄 物 処 理 税 報 償 金 の 在 り 方 ( 意 見 ) 県 は 産 業 廃 棄 物 処 理 税 の 特 別 徴 収 義 務 者 に 対 し 特 別 徴 収 義 務 の 履 行 に 伴 う 負 担 を 軽 減 し 納 税 協 力 に 対 して 報 償 する 目 的 で 報 償 金 を 交 付 している( 平 成 25 年 度 の 交 付 率 は 同 税 の 収 入 見 込 額 の2.425%であり 交 付 額 は 合 計 978 万 4 千 円 ) しかし 特 別 徴 収 義 務 者 の 税 金 徴 収 費 用 は 特 別 徴 収 義 務 者 の 社 会 的 経 済 的 地 位 に 基 づく 反 射 的 な 義 務 として 受 忍 すべきものであり 一 般 的 な 特 別 徴 収 義 務 者 と 異 なる 特 別 の 事 情 がある 特 別 地 方 消 費 税 や 軽 油 引 取 税 の 特 別 徴 収 義 務 者 を 除 き 原 則 として 徴 収 取 扱 費 は 交 付 すべきではない 県 も 交 付 率 を 削 減 しているが 県 の 財 政 はさらに 厳 しくなることが 予 想 されることを 考 慮 すると 特 別 徴 収 義 務 者 に 理 解 を 求 め 報 償 金 の 廃 止 も 視 野 にその 在 り 方 を 検 討 す べきである 17 産 業 廃 棄 物 処 理 税 の 使 途 の 優 先 順 位 ( 意 見 ) 産 業 廃 棄 物 処 理 税 は 産 業 活 動 の 支 援 適 正 処 理 の 推 進 意 識 の 改 革 の 3 つを 柱 に この 優 先 順 位 のもとで 施 策 を 推 進 するための 事 業 に 充 てられる しかし その 具 体 的 な 使 途 を 見 てみると 産 業 活 動 の 支 援 適 正 処 理 の 推 進 意 識 の 改 革 が ほ ぼ 1:2:1 の 金 額 比 で 使 用 されており そのような 優 先 順 位 が 守 られているとは 考 えに くい これらの 事 業 は 複 数 の 部 署 に 分 けられて 遂 行 されているため 事 業 ごとの 見 直 しは できたとしても 抜 本 的 に 見 直 すことは 容 易 ではないと 考 えられる そのため 更 に 高 い 観 点 からの 予 算 の 優 先 順 位 の 検 討 や 再 配 分 が 必 要 である 9
18 公 会 計 を 通 じた 債 権 分 類 と 徴 収 業 務 への 活 用 ( 意 見 ) 県 は 平 成 21 年 度 から 国 が 示 したモデルのうち 総 務 省 方 式 改 訂 モデル を 採 用 し て 公 会 計 制 度 を 導 入 しており 今 後 は 公 会 計 を 管 轄 している 財 政 課 と 債 権 管 理 をして いる 税 務 課 が 一 体 となって 公 会 計 における 債 権 の 回 収 可 能 見 込 額 をより 的 確 に 把 握 検 討 することによって 効 果 的 効 率 的 な 債 権 管 理 を 行 っていくことが 必 要 となってくる そのためには 債 権 の 区 分 を 貸 倒 れの 見 込 みがない 債 権 ( 一 般 債 権 ) 少 しでも 回 収 の 見 込 みがある 債 権 ( 貸 倒 懸 念 債 権 ) 及 び 回 収 見 込 みのない 債 権 ( 破 産 更 生 債 権 ) 等 に 分 類 することにより それぞれの 債 権 を 適 切 に 評 価 して 債 権 管 理 を 行 うことが 望 ましい 以 上 10
( 参 考 ) 指 摘 事 項 及 び 意 見 の 件 数 一 覧 項 目 指 摘 事 項 意 見 計 賦 課 事 務 に 関 する 事 項 1 8 9 1 不 動 産 取 得 税 課 税 権 の 消 滅 1 0 1 2 不 動 産 取 得 税 の 期 限 内 申 告 義 務 0 1 1 3 ゴルフ 場 利 用 税 の 等 級 の 認 定 方 法 0 1 1 4 軽 油 引 取 税 の 課 税 免 除 0 4 4 5 自 動 車 税 の 課 税 免 除 の 取 扱 い 0 1 1 6 課 税 誤 り 事 例 ( 個 人 事 業 税 自 動 車 税 )の 再 発 防 止 0 1 1 徴 収 事 務 に 関 する 事 項 3 7 10 7 預 り 金 であるゴルフ 場 利 用 税 の 滞 納 1 0 1 8 延 滞 金 についての 対 応 0 1 1 9 財 産 調 査 の 方 法 0 3 3 10 差 押 可 能 財 産 等 に 対 する 執 行 停 止 1 0 1 11 執 行 停 止 後 の 再 調 査 1 2 3 12 滞 納 整 理 推 進 機 構 の 今 後 の 在 り 方 0 1 1 調 査 事 務 に 関 する 事 項 1 2 3 13 事 業 税 の 医 療 機 関 への 調 査 方 法 0 1 1 14 産 業 廃 棄 物 処 理 税 及 びゴルフ 場 利 用 税 の 調 査 方 法 の 在 り 方 1 1 2 目 的 税 に 関 する 事 項 0 3 3 15 目 的 税 に 係 る 職 員 費 の 算 定 方 法 0 1 1 16 産 業 廃 棄 物 処 理 税 報 償 金 の 在 り 方 0 1 1 17 産 業 廃 棄 物 処 理 税 の 使 途 の 優 先 順 位 0 1 1 その 他 の 事 項 0 1 1 18 公 会 計 を 通 じた 債 権 分 類 と 徴 収 業 務 への 活 用 0 1 1 合 計 5 21 26 11