Business Friend Business Friend Merry Christmas 2011.12
Business friend December- 2011 Contents 所 長 挨 拶 2 特 集 3 退 職 金 シリーズ~ 判 例 紹 介 ~ 7 配 置 転 換 転 勤 命 令 の 有 効 性 ( 東 亜 ペイント 事 件 ) トピックス! 8 顧 問 先 お 仕 事 紹 介 9 第 6 回 株 式 会 社 グリップインターナショナル 様 - 1 -
ごあいさつ 平 成 23 年 もあとわずか 思 い 残 すことのないよう 自 分 自 身 悔 いが 残 らないよ うに 最 後 のスパートをかけたいと 思 います 先 月 私 は 授 戒 を 受 けました 私 の 家 は 浄 土 宗 の 檀 家 で 浄 土 宗 では 授 戒 と 五 重 を 受 けて 仏 の 子 になるといわれています 3 日 間 仏 の 教 えを 頂 いてきました 私 は 仏 の 子 になりました 戒 名 も 頂 きました 私 は 職 業 人 として 職 務 能 力 を 磨 くことは 当 たり 前 の 大 切 なことですが それ 以 上 に 人 間 性 人 格 を 磨 くことが 大 事 であると 言 っています なぜなら この 社 会 保 険 労 務 士 という 仕 事 は 教 科 書 に 応 えが 載 っていない 問 題 を 抱 えることが 多 いからです 顧 問 先 さまからご 質 問 を 頂 いたときに 答 えを 右 と 出 すか 左 とするか 結 果 出 した 判 断 が 正 しいものであったか その 答 えには 人 間 性 が 大 きく 左 右 されると 思 っています 我 々はプロとしての 職 業 能 力 を 磨 き 続 けなければなりません 人 事 労 務 とい う 問 題 は 世 の 中 の 変 化 に 伴 って 問 題 が 複 雑 化 多 様 化 してきます それに 対 応 で きるように 専 門 分 野 はもちろん 人 労 務 に 関 する 種 々の 知 識 を 習 得 する 必 要 があります しかし それだけでは 危 険 であると 思 っています その 人 間 性 人 格 を 磨 くには 日 本 の 教 育 にあった 修 身 や 道 徳 という 教 えが 大 きく 影 響 すると 思 っています 今 回 受 けた 授 戒 で 改 めて 人 間 としてその 大 切 さを 教 えられました いわば お 釈 迦 様 の 教 えです まずは 慎 みの 心 と 励 みの 心 と 戒 めの 心 という 習 慣 を 意 識 付 けて 日 々 精 進 し ていきます 心 が 変 われば 行 動 が 変 わる 行 動 が 変 われば 習 慣 が 変 わる 習 慣 が 変 わると 人 生 ( 運 命 )が 変 わる 本 年 も 多 くのご 支 援 ご 鞭 撻 ありがとうございました 社 員 一 同 感 謝 致 してお ります 来 年 もより 成 長 できる 習 慣 の 日 々を 送 ります どうぞよろしくお 願 いい たします 社 会 保 険 労 務 士 法 人 大 手 前 総 合 労 務 管 理 事 務 所 有 限 会 社 大 手 前 総 合 労 務 管 理 事 務 所 代 表 社 員 代 表 取 締 役 太 田 惠 子 - 2 -
退 職 金 平 成 24 年 3 月 末 に いよいよ 適 格 年 金 が 廃 止 されます この 機 会 にもう 一 度 退 職 金 とはどういったものか 考 えてみたいと 思 います 退 職 金 とはどういったものか? 退 職 金 とは 従 業 員 と 使 用 者 との 間 の 雇 用 関 係 が 終 了 したとき( 退 職 した 場 合 ) あらかじめ 定 められた 労 働 協 約 就 業 規 則 ( 退 職 金 規 程 )に 基 づいて 支 払 われる 給 付 の 総 称 です 退 職 金 の 性 格 としては 以 下 の3 説 があります 1 功 労 報 償 説 勤 務 中 の 功 労 に 対 する 報 奨 金 としての 支 給 2 賃 金 後 払 説 勤 務 中 に 支 払 われるべき( 支 払 ってもよかった) 賃 金 の 一 部 を 退 職 後 に 支 給 3 生 活 保 障 説 定 年 後 年 金 以 外 の 収 入 が 絶 たれたあとの 生 活 保 障 としての 支 給 終 身 雇 用 制 度 を 背 景 とした 考 え 方 そして 一 口 に 退 職 金 といっても 様 々な 制 度 の 種 類 があります ~ 在 職 時 の 評 価 を 在 職 時 に 給 与 に 上 乗 せして 支 払 う~ 前 払 い 退 職 金 制 度 既 存 の 退 職 金 制 度 を 廃 止 しその 相 当 額 を 給 与 に 上 乗 せして 支 払 う 方 法 給 与 に 上 乗 せするため 社 会 保 険 料 や 所 得 税 の 面 では 従 業 員 に 不 利 になりますが 社 員 の 現 在 の 貢 献 度 を 短 期 決 済 することができます ~ 在 職 時 の 評 価 を 退 職 時 に 支 払 う~ ポ イ ン ト 退 職 金 制 度 ポイント 方 式 は 退 職 金 の 基 礎 に 賃 金 を 用 いず 職 能 資 格 制 度 を 基 礎 においた 退 職 金 制 度 です 例 えば 職 能 資 格 制 度 の 各 等 級 と 勤 続 年 数 の 区 分 にそれぞれポイントを 設 定 し 各 等 級 への 在 位 期 間 や 退 職 までの 勤 続 年 数 に 応 じて 付 与 されたポイント に 単 価 を 乗 じて 退 職 金 を 計 算 するという 方 法 をとります 同 じ 勤 続 期 間 であってもより 早 く 昇 格 した 者 はより 高 いポイントを 獲 得 します そのため 在 職 中 に 発 揮 された 能 力 や 業 績 による 貢 献 度 を 反 映 しやすくなるのです ただし メンテナンスが 非 常 に 煩 雑 というデメリットもあります ~ 退 職 時 の 評 価 だけで 退 職 金 を 計 算 し 支 払 う~ 基 本 給 連 動 型 退 職 金 制 度 退 職 時 の 基 本 給 に 退 職 時 の 勤 続 年 数 に 応 じた 支 給 月 数 を 掛 けて 退 職 金 を 計 算 する 方 法 メンテナンスの 手 間 はとられませんが 1 基 本 給 の 上 昇 により 退 職 金 の 額 が 膨 れ 上 がってしまう 2 基 本 給 は 年 功 序 列 に 運 用 されていることが 多 いため 退 職 金 まで 年 功 に 流 れてしまい 会 社 に 対 する 功 労 が 反 映 されにくい 3 賃 金 体 系 はその 時 々の 経 営 環 境 組 織 体 制 に 応 じて 柔 軟 に 変 更 させるべきものだが 退 職 金 が 基 本 給 の 元 となっている 以 上 賃 金 体 系 の 変 更 もさせづらくなる 等 のデメリットがあります 退 職 金 制 度 の 法 的 性 格 退 職 金 は 本 来 的 には 企 業 からの 恩 恵 給 付 ですが 退 職 金 規 程 ( 制 度 )や 労 使 慣 行 が 存 在 する 場 合 には 労 働 基 準 法 第 11 条 の 賃 金 に 該 当 します そのため 入 社 した 時 から 退 職 金 が 約 束 されたことになり 退 職 金 は 会 社 の 債 務 となります 何 が あ っ て も 絶 対 支 払 う 必 要 が あ る というものです 退 職 金 規 程 を 変 更 したい 場 合 は 労 働 条 件 の 不 利 益 変 更 となり 個 人 毎 の 同 意 が 必 要 となります どうし ても 制 度 の 変 更 廃 止 等 が 必 要 な 場 合 には 少 なくともその 時 点 で 計 算 した 退 職 金 支 給 額 は 保 障 する 必 要 があるでしょう ( 既 得 権 ) - 3 -
退 職 金 退 職 金 制 度 のメンテナンス 貴 社 では 退 職 金 規 程 のメ ン テ ナ ン ス は 定 期 的 に 行 っていますか?また 現 在 の 従 業 員 が 退 職 した 場 合 個 人 毎 にいくら 位 の 退 職 金 の 支 払 いが 必 要 になるか 試 算 はされていますか? 退 職 金 制 度 は 一 度 作 成 されるとメンテナンスが 行 われない 場 合 が 多 く 数 十 年 前 に 作 成 された 規 程 がそのまま 使 用 されているケース も 見 受 けられます しかし 現 代 は 数 十 年 前 には 予 想 しなかった 低 金 利 雇 用 形 態 の 変 化 終 身 雇 用 制 度 の 崩 壊 等 々 時 代 が 変 わっ てきています そして 退 職 金 は 先 に 述 べた 通 り 一 度 規 程 を 作 ってしまうと 賃 金 と 同 等 にみなされるために 将 来 にわたり 従 業 員 に 対 する 多 額 の 債 務 を 抱 えることになってしまいます 時 代 は 変 わったのに 退 職 金 という 債 務 だけ 昔 のまま 持 ち 続 けるのは 得 策 とは いえません また 例 えば 基 本 給 連 動 型 の 場 合 基 本 給 の 上 昇 や 勤 続 年 数 の 増 加 に 伴 い 退 職 金 の 額 も 膨 らんできています 毎 期 の 決 算 時 には 退 職 金 給 付 債 務 の 計 算 をお 忘 れずに!! 退 職 金 の 原 資 の 準 備 方 法 次 に 退 職 金 の 原 資 の 準 備 の 方 法 について 考 えてみましょう 原 資 の 準 備 には 大 きくわけて 社 内 準 備 と 社 外 準 備 の 二 つが あります どちらにもメリット デメリットが 存 在 します 退 職 金 の 原 資 社 内 準 備 制 度 メリット デメリット 何 といっても 退 職 金 を 直 接 支 給 できる 資 金 が 外 部 に 流 出 しない 問 題 のあるやめ 方 をした 従 業 員 に 退 職 金 が 直 接 渡 らない 退 職 給 与 引 当 金 を 積 んであっても 万 が 一 事 業 資 金 に 使 ってしまうと 退 職 金 の 準 備 にはならない 経 営 が 悪 化 したときに 人 員 整 理 をした 場 合 退 職 金 の 原 資 がない 従 業 員 にとっては 退 職 金 が 本 当 にもらえるか 不 安 に 思 う 退 職 金 の 原 資 社 外 準 備 制 度 メリット デメリット 確 実 に 退 職 金 の 原 資 を 準 備 できる 経 営 が 悪 化 したときも 退 職 金 を 払 う 原 資 がある 黒 字 経 営 のときは 節 税 になる 運 用 を 委 託 してあった 生 命 保 険 会 社 などが 倒 産 すると 給 付 が 減 額 になる 可 能 性 がある 問 題 のあるやめ 方 をした 従 業 員 にも 直 接 退 職 金 が 渡 ってしまう 掛 け 金 が 全 額 経 費 になるので 赤 字 経 営 のときは 決 算 書 が 悪 くなる 中 小 企 業 退 職 金 共 済 制 度 ( 中 退 共 ) 中 小 企 業 退 職 金 共 済 事 業 団 1( 詳 細 は 次 ページ) 特 定 退 職 金 共 済 制 度 ( 特 退 共 ) 商 工 会 議 所 等 種 類 厚 生 年 金 基 金 制 度 老 齢 厚 生 年 金 の 上 乗 せ 部 分 確 定 拠 出 型 年 金 制 度 会 社 が 掛 け 金 を 拠 出 し 従 業 員 が 運 用 方 法 を 選 択 原 則 60 歳 到 達 時 から 支 給 確 定 給 付 型 企 業 年 金 ( 規 約 型 ) 規 約 で 定 める 年 齢 到 達 時 から 支 給 - 4 -
退 職 金 1( 前 ページ) 中 退 共 とは 中 小 企 業 退 職 金 共 済 制 度 ( 中 退 共 )とは 昭 和 34 年 に 国 の 中 小 企 業 対 策 の 一 環 として 制 定 された 中 小 企 業 退 職 金 共 済 法 に 基 づき 設 けられた 制 度 です 中 小 零 細 企 業 において 単 独 では 退 職 金 制 度 をもつことが 困 難 である 実 情 を 考 慮 して 中 小 企 業 者 の 相 互 扶 助 の 精 神 と 国 の 援 助 で 退 職 金 制 度 を 確 立 し これによって 中 小 企 業 の 従 業 員 の 福 祉 の 増 進 と 雇 用 の 安 定 を 図 り ひいては 中 小 企 業 の 振 興 と 発 展 に 寄 与 することを 目 的 としています 特 徴 1 掛 け 金 が 定 額 制 月 額 5,000 円 ~30,000 円 の 範 囲 の 16 種 の 中 から 選 ぶ 2 最 低 利 回 りが 法 律 で 保 障 3 国 の 助 成 がある 制 度 運 用 の 事 務 費 や 手 数 料 を 国 が 負 担 初 めて 加 入 する 企 業 や 掛 け 金 を 増 額 した 企 業 に 一 定 期 間 掛 け 金 の 一 部 を 助 成 する 制 度 がある 4 積 立 不 足 が 発 生 しない 5 掛 け 金 が 全 額 損 金 に 算 入 でき 従 業 員 の 給 与 所 得 にもならない 6 掛 け 金 に 上 限 が 定 められている 7 自 己 都 合 退 職 と 会 社 都 合 退 職 の 差 をつけることができない 8 年 齢 に 関 係 なく 途 中 で 退 職 したときも 支 給 対 象 となる メリット デメリット 確 定 拠 出 型 であるために 基 本 的 に 会 社 は 運 用 リスクを 負 わない 手 数 料 は 非 常 に 安 く また 制 度 のメンテナンスも 簡 単 である 適 格 退 職 年 金 制 度 からの 持 ち 分 引 き 継 ぎ 制 度 を 活 用 することが できる 退 職 金 の 積 み 立 て 金 が 会 社 の 資 産 から 分 離 されるため 会 社 に 万 一 のことがあっても 退 職 金 の 支 給 に 影 響 がない 等 級 別 などで 掛 け 金 を 変 えることによって 在 職 中 の 貢 献 度 を 中 小 企 業 しか 加 入 できない 加 入 期 間 1 年 未 満 は 掛 け 金 が 戻 ってこない 2 年 未 満 は 元 本 割 れとなる 自 己 都 合 退 職 による 退 職 金 の 減 額 など 退 職 理 由 に 基 づく 支 給 額 の 変 更 はできない 建 設 業 退 職 金 共 済 ( 建 退 共 )に 加 入 している 者 は 重 複 して 加 入 できない 退 職 金 の 支 給 額 に 反 映 することができる 中 退 共 活 用 の イ メ ー ジ パターン1 パターン2 退 職 金 の 額 は 確 定 していて 退 職 金 規 程 中 退 共 の 額 = 退 職 金 退 職 金 規 程 中 退 共 はあくまでその 原 資 の 中 退 共 の 確 定 拠 出 型 退 職 金 制 度 補 てんの 役 割 中 退 共 中 退 共 - 5 -
退 職 金 退 職 金 制 度 のポイント 退 職 金 の 支 払 い 時 期 退 職 金 が 就 業 規 則 などで 支 給 条 件 が 明 確 となっている 場 合 は 賃 金 の 性 格 を 有 するため 支 払 時 期 を 明 確 に 規 定 していない 場 合 労 働 基 準 法 第 23 条 の 使 用 者 は 労 働 者 の 死 亡 または 退 職 の 場 合 において 権 利 者 の 請 求 があった 場 合 においては 7 日 以 内 に 賃 金 を 払 い という 部 分 が 適 用 されます しかし 退 職 金 に ついては 規 定 があれば 退 職 金 支 払 期 日 が 到 達 するまでは 請 求 があっても 支 払 わなくてもよいと 考 えられて います 退 職 者 に 懲 戒 解 雇 など 減 額 事 由 の 疑 いがあった 場 合 の 調 査 事 実 確 認 に 要 する 時 間 も 考 慮 に 入 れ 退 職 後 3 ~ 6 ヶ 月 程 度 と 期 間 に 余 裕 を 定 め て 支 払 時 期 を 規 定 するのが 望 ましいでしょう 勤 続 年 数 の 算 定 退 職 金 制 度 の 内 容 については 労 働 基 準 法 上 特 段 の 規 制 はないので 内 容 をどのように 決 めるかは 使 用 者 の 自 由 です 従 って 規 程 には 勤 続 年 数 に 算 入 す る 期 間 と し な い 期 間 を 分 け て 明 示 し て お く ことが 必 要 です 単 に 勤 続 年 数 と 規 程 しておくと 在 籍 はしているものの 直 接 企 業 に 貢 献 していない 期 間 も 含 めたすべての 期 間 を 算 入 せざるを 得 なくなります 勤 続 年 数 から 控 除 すべきと 考 えられる 期 間 は 1 育 児 介 護 休 業 期 間 2 私 傷 病 で の 休 職 期 間 等 があげ られます 逆 に 直 接 企 業 に 貢 献 していない 期 間 だったとしても 1 業 務 上 災 害 による 欠 勤 期 間 2 会 社 命 令 による 出 向 期 間 等 は 一 般 的 に 算 入 すべき 期 間 と 考 えられます 受 給 資 格 者 死 亡 の 取 り 扱 い 従 業 員 が 死 亡 した 場 合 に 退 職 金 を 支 給 する 旨 の 規 定 を 設 ける 場 合 には 受 給 権 者 を 明 確 にする 必 要 があり ます 就 業 規 則 などに 明 確 な 規 定 がない 場 合 は 民 法 の 一 般 原 則 による 遺 産 相 続 人 に 支 払 われると 解 されます しかし 親 族 間 のトラブルに 巻 き 込 まれる 可 能 性 もあり 受 給 権 者 の 範 囲 と 順 位 を よ り 明 確 化 しておく ためには 労 働 基 準 法 施 行 規 則 ( 労 災 の 遺 族 への 給 付 の 支 給 順 位 )に 沿 った 内 容 に 定 めておくことが 望 まし いでしょう 退 職 事 由 による 支 給 率 差 退 職 金 が 功 労 報 奨 的 な 正 確 や 賃 金 の 後 払 い 的 な 性 格 を 持 つことからすると 若 年 ~ 中 堅 社 員 が 自 己 都 合 で 退 職 する 場 合 は 定 年 や 会 社 都 合 で 退 職 する 場 合 より 水 準 を 下 げ る のが 一 般 的 です 懲 戒 解 雇 と 退 職 金 就 業 規 則 で 懲 戒 解 雇 などの 一 定 の 事 由 に 該 当 する 場 合 は 退 職 金 を 支 給 し な い ことや 減 額 する 旨 を 規 定 しておくべきです しかし 退 職 金 を 全 部 不 支 給 とすることは 労 働 者 のそれまでの 功 労 を 抹 消 してしまうほ どの 著 しく 信 義 に 反 する 行 為 があった 場 合 に 限 られるとする 裁 判 例 もあるので 留 意 が 必 要 です 退 職 後 に 懲 戒 解 雇 該 当 事 由 が 判 明 した 場 合 一 般 的 には 退 職 して 従 業 員 としての 地 位 がなくなった 者 に 対 して 就 業 規 則 を 適 用 することはできないので 支 払 済 の 退 職 金 を 返 還 させることができません しかし 規 定 上 に 具 体 的 に 個 々 の 不 正 行 為 に よ る 退 職 金 の 不 支 給 減 額 措 置 が 明 示 されており それに 該 当 する 事 実 があれば 退 職 金 不 支 給 条 件 は 成 り 立 っている こととなり 既 に 支 給 した 退 職 金 は 労 働 者 にとって 不 当 利 得 であり このような 場 合 は 返 還 を 請 求 することが できます - 6 -
シリーズ ~ 判 例 紹 介 ~ 今 回 は 会 社 の 人 事 権 について 人 事 異 動 ( 転 勤 命 令 )にどの 程 度 の 強 制 力 があるかを 示 した 最 高 裁 判 決 をご 紹 介 します 事 件 の 概 要 Aさんは 全 国 15ヶ 所 に 事 務 所 営 業 所 があるX 社 に 入 社 し 大 阪 事 務 所 に 勤 務 していた 入 社 4 年 で 子 会 社 に 出 向 させられ その2 年 後 には 神 戸 営 業 所 に 転 勤 させられた さらにその2 年 後 に 広 島 営 業 所 に 転 勤 を 内 示 されたのに 対 し Aさんは 以 下 のような 家 庭 の 事 情 を 理 由 に 転 勤 を 拒 否 した 1 母 親 が 高 齢 (71 歳 )であること ( 但 し 介 護 が 必 要 というような 状 況 ではない ) 2 妻 が 保 母 をしており 仕 事 を 辞 めることが 難 しいこと 3 子 どもが 幼 少 (2 歳 )であること そこで X 社 は Aさんの 変 わりに 別 の 社 員 を 広 島 営 業 所 に 転 勤 させ その 後 任 としてAさんに 対 して 名 古 屋 営 業 所 への 転 勤 を 内 示 したが 上 記 同 様 の 理 由 で 拒 否 したので X 社 は 本 人 の 同 意 が 得 られないまま 転 勤 を 発 令 した 結 果 Aさんがこれに 応 じなかったため X 社 は Aさんを 就 業 規 則 所 定 の 懲 戒 事 由 に 該 当 するとして 懲 戒 解 雇 した そこでAさんは こ の 転 勤 命 令 は 人 事 権 を 濫 用 し た 権 利 の 濫 用 で あ り そ れ に 従 わ な か っ た こ と を 理 由 に な さ れ た 懲 戒 解 雇 も 無 効 であると 訴 えた 1 審 2 審 はAさんの 主 張 が 認 めたため X 社 が 上 告 最 高 裁 判 決 は 次 の 通 り 裁 判 所 判 決 1 審 2 審 判 決 をひっくり 返 し 会 社 (X 社 )の 出 した 転 勤 命 令 は 権 利 の 濫 用 には 当 たらず 有 効 とされた X 社 の 労 働 協 約 及 び 就 業 規 則 には 会 社 は 業 務 上 の 都 合 により 従 業 員 に 転 勤 を 命 ずることができる 旨 の 定 めがあり 現 に X 社 では 全 国 に10 数 箇 所 の 営 業 所 をおき その 間 において 従 業 員 特 に 営 業 担 当 者 の 転 勤 を 頻 繁 に 行 っており Aさん は 大 学 卒 業 資 格 の 営 業 担 当 者 としてX 社 に 入 社 したもので 両 者 の 間 で 労 働 契 約 が 成 立 した 際 にも 勤 務 地 を 大 阪 に 限 定 する 合 意 はなされていなかった 事 情 の 下 においては X 社 は 個 別 的 同 意 な し に A さ ん の 勤 務 地 を 決 定 し こ れ に 転 勤 を 命 じ て 労 務 の 提 供 を 求 め る 権 限 を 有 す る ものというべきである 会 社 は 業 務 上 の 必 要 に 応 じ その 裁 量 により 労 働 者 の 勤 務 場 所 を 決 定 することができるが 転 勤 特 に 転 居 を 伴 う 転 勤 は 一 般 に 労 働 者 の 生 活 関 係 に 少 なからぬ 影 響 を 与 えるものであるから 使 用 者 の 転 勤 命 令 権 は 無 制 限 に 認 めることはできず その 濫 用 は 許 されないが 以 下 の 場 合 に 該 当 しなければ 権 利 の 濫 用 とはいえない 1 業 務 上 の 必 要 性 が 存 し な い 場 合 2 業 務 上 の 必 要 性 がある 場 合 でも 当 該 転 勤 命 令 が 他 の 不 当 な 動 機 目 的 を も っ て な さ れ た ものであるとき 3 労 働 者 に 対 し 通 常 甘 受 す べ き 程 度 を 著 し く 超 え る 不 利 益 を 負 わせるものである 等 特 段 の 事 情 がある 場 合 なお 業 務 上 の 必 要 性 については この 者 でないと 他 の 者 では 替 え 難 い というほどの 高 度 な 必 要 性 である 必 要 はなく 労 働 力 の 適 正 配 置 業 務 の 能 率 増 進 労 働 者 の 能 力 開 発 勤 労 意 欲 の 高 揚 業 務 運 営 の 円 滑 化 な ど の 企 業 の 合 理 的 運 営 に 寄 与 す る 点 が 認 められる 限 りは 業 務 上 の 必 要 性 があるといえる 本 件 では 名 古 屋 営 業 所 の 主 任 の 後 任 に 適 当 な 者 としてAさんを 選 び 発 令 した 転 勤 命 令 であり 業 務 上 の 必 要 性 が 優 に 存 し たといえ またAさんの 家 族 状 況 に 照 らすと 今 回 の 転 勤 がAさんに 与 える 家 庭 生 活 上 の 不 利 益 は 転 勤 に 伴 い 通 常 甘 受 す べ き 程 度 の も の と い う べ き で あ り 本 件 転 勤 命 令 は 会 社 の 権 利 の 濫 用 に は 当 ら な い と 判 断 された なお 権 利 の 濫 用 に 当 たる 場 合 としては 両 親 の 介 護 や 子 ど も の 特 殊 な 病 気 等 が 上 げられる - 7 - * 判 例 を 要 約 しておりますので 判 例 の 言 葉 通 りではありません
トピックス! 年 末 調 整 の 時 期 が 到 来 しました!! 今 回 は 今 年 の 所 得 税 法 の 改 正 の 中 から 年 末 調 整 における 主 な 変 更 点 と 来 年 以 降 の 給 与 年 末 調 整 に 関 わる 変 更 点 についてとりあげます 今 年 の 年 末 調 整 の 主 な 変 更 点 今 年 の 一 番 大 きな 改 正 点 はなんといっても 扶 養 控 除 の 見 直 し で 以 下 2 点 があげられます 116 歳 未 満 の 扶 養 親 族 ( 以 下 年 少 扶 養 親 族 といいます )に 対 する 扶 養 控 除 の 廃 止 昨 年 までは1 人 につき38 万 円 の 所 得 控 除 が 受 けられたもの 216 歳 以 上 19 歳 未 満 の 扶 養 親 族 に 対 する 扶 養 控 除 の 上 乗 せ 部 分 (25 万 円 )の 廃 止 特 定 扶 養 親 族 の 範 囲 が 16 歳 以 上 23 歳 未 満 の 扶 養 親 族 から 19 歳 以 上 23 歳 未 満 の 扶 養 親 族 に 変 更 されました 昨 年 までは16 歳 以 上 23 歳 未 満 の 扶 養 親 族 1 人 につき38 万 円 の 控 除 に 上 乗 せして25 万 円 の 所 得 控 除 が 受 けられたもの ~ 図 にすると 以 下 の 通 りとなります ~ 控 除 額 63 万 円 上 乗 せ 部 分 (25 万 円 ) 廃 止 58 万 円 48 万 円 同 居 老 親 等 加 算 38 万 円 年 少 扶 養 親 族 廃 止 一 般 の 控 除 対 象 扶 養 親 族 特 定 扶 養 親 族 一 般 の 控 除 対 象 扶 養 親 族 老 人 扶 養 親 族 15 才 16 才 18 才 19 才 22 才 23 才 69 才 70 才 年 齢 控 除 対 象 扶 養 親 族 扶 養 親 族 また 上 記 に 伴 い 控 除 対 象 配 偶 者 及 び 扶 養 親 族 が 同 居 特 別 障 害 者 に 該 当 する 場 合 の 加 算 のしくみが 変 更 となりましたが 実 質 加 算 のしくみの 変 更 のみで 金 額 に 影 響 はありません 変 更 点 は 年 少 扶 養 親 族 に 対 する 扶 養 控 除 が 廃 止 されたため 従 来 扶 養 控 除 の38 万 円 に 加 算 されていた 同 居 特 別 障 害 者 加 算 の35 万 円 が 障 害 者 控 除 ( 特 別 障 害 者 )の40 万 円 に 加 算 される 制 度 に 変 わりました 来 年 以 降 の 給 与 に 関 わる 税 制 の 主 な 変 更 点 いくつかある 源 泉 所 得 税 の 改 正 の 中 でも 会 社 で 行 う 給 与 計 算 事 務 等 に 直 接 関 係 の 深 い 以 下 2 点 についてとりあげます 1 通 勤 手 当 に 関 する 変 更 来 年 の1 月 より 自 動 車 な ど の 交 通 用 具 を 使 用 し て 通 勤 す る 人 に 支 給 さ れ る 通 勤 手 当 の 非 課 税 限 度 額 が 変 わ り ま す 改 正 内 容 は 交 通 用 具 を 使 用 して 通 勤 する 場 合 の 非 課 税 限 度 額 は 距 離 に 応 じて 決 められているのですが 通 勤 の 距 離 が15 キロメートル 以 上 である 人 について 距 離 に 応 じて 決 められた 非 課 税 限 度 額 を 超 えても 公 共 交 通 機 関 を 利 用 して 最 も 経 済 的 かつ 合 理 的 と 認 められる 通 常 の 通 勤 の 経 路 及 び 方 法 によって 通 勤 する 場 合 の 運 賃 相 当 額 ( 最 高 限 度 : 月 額 10 万 円 )までは 非 課 税 とされ ていましたが この 運 賃 相 当 額 ま で を 非 課 税 とす る 措 置 が 廃 止 されました 従 って 従 来 この 措 置 に 該 当 し 非 課 税 として 取 り 扱 ってきたケースについては 今 回 見 直 しが 必 要 です なお 公 共 交 通 機 関 を 利 用 して 通 勤 する 人 に 支 給 される 通 勤 手 当 の 取 り 扱 いは 従 来 通 りで 変 更 はありません 2 来 年 以 降 の 年 末 調 整 時 の 取 扱 いが 変 わる 生 命 保 険 料 控 除 に 関 する 変 更 来 年 ( 平 成 24 年 分 )の 年 末 調 整 より 従 来 一 般 生 命 保 険 料 控 除 ( 限 度 額 5 万 円 ) と 個 人 年 金 保 険 料 控 除 ( 限 度 額 5 万 円 ) の 合 計 10 万 円 が 適 用 限 度 額 だった 生 命 保 険 料 控 除 に 新 たに 介 護 医 療 保 険 契 約 等 に 基 づいて 支 払 った 保 険 料 等 について 受 けられる 介 護 医 療 保 険 料 控 除 ( 限 度 額 4 万 円 ) が 創 設 され また 従 来 のそれぞれの 限 度 額 が 5 万 円 から 4 万 円 に 変 更 となり 合 計 12 万 円 を 適 用 限 度 額 とする 制 度 へと 変 わります ( 改 正 後 新 たに 締 結 した 保 険 契 約 に 適 用 される ) - 8 -
顧 問 先 お 仕 事 紹 介!! Vol.6 今 回 は ゴルフウェアにファッションを 取 り 入 れた 株 式 会 社 グリップインターナショナル さんです グリップインターナショナルさんは 2001 年 5 月 大 手 アパレルメーカーに 勤 めていた 社 長 の 桑 田 隆 晴 氏 が なぜゴルフにファッションの 要 素 がないんだ ろう なぜゴルフ 市 場 にベンチャーがないのだろう という 疑 問 に 気 付 き 当 時 部 下 だった 片 山 良 二 氏 ( 現 常 務 取 締 役 )とともに 設 立 をされました 創 業 の 際 に 無 風 状 態 だったゴルフアパレルのマーケットへ ゴルフ 業 界 に 新 し い 風 という 考 えのもと 行 った 提 案 は 多 くの 顧 客 の 心 をつかみ 成 長 をもたらしま した 今 ではマーケットは 大 きく 変 化 し 歴 史 あるモチベーション カテゴリーからスピードあるファッションカテゴリーへとチェンジし ゴルフのニューパラダイムを 形 成 されました 創 立 の 翌 春 には オリジナルブランド Heal Creak が 関 西 の 百 貨 店 に 店 を 構 え 百 貨 店 での 初 日 売 上 の 新 記 録 を 打 ち 立 て 更 には 年 間 を 通 じてトップセールスを 記 録 するという 華 々しいスタートを 切 られました そこから 東 京 大 阪 をはじめとした 全 国 有 名 百 貨 店 への 出 店 直 営 店 舗 である Fine Second や ~ 名 前 の 由 来 ~ G:General( 普 遍 である 事 業 コンセプト) R:Revolution( 変 革 し 成 長 する 事 業 と 人 ) I:Imagination( 創 作 し 続 けるファッションとビジネス) P:Profess( 天 職 として 生 き 生 き 働 く 仲 間 たち) VIVA HEART selectionの 展 開 韓 国 台 湾 香 港 といった 海 外 への 進 出 等 次 々と 店 舗 を 増 やされ 成 長 を 続 けている 会 社 です 2011 年 スローガン 本 社 入 口 ファインセカンドは 晴 れた 空 に 打 つセカンドショットをイメージし セレクトする 愉 しみをウェアやグッズに 託 したストアー 多 様 化 しファッション 化 するゴルフウェアーを 更 に 進 化 した 提 案 をする 為 にはセレクトでの 提 案 が 必 要 であるという 思 いから 作 られたセレクトショップです F ine Sec ond 神 戸 店 神 戸 市 中 央 区 御 幸 通 4-1-15 廣 榮 ビル1 階 - 9 -
顧 問 先 お 仕 事 紹 介 2002 年 春 に デビューし たオリジナ ルブランドの Heal Creek シック カジュアルという 一 見 相 反 するイメージを 融 合 させたブランドです それまでのゴルフウェアとは 一 線 を 画 した 自 由 度 の 高 いラインナップで シックなエレガンス の 中 にも 大 人 の 遊 び 心 が 見 え 隠 れする 心 地 よいカジュアルさ がスパイスをきかせています ( 契 約 プロ: 北 田 瑠 衣 さんなど) 2004 年 春 にデビューしたオリジナルブランドの VIVA HEART ピンクを 基 調 としたヴィヴィットカラーが 鮮 やかなパワーあふれるブランドづくりを 展 開 してい ます VIVA HEART を 着 ている 人 が 楽 しくハッピー な 気 分 になることで それを 見 ているまわりの 人 たち まで 元 気 が 伝 播 していくような 素 敵 な 元 気 を と いうコンセプトのもと 高 い 品 質 と 機 能 性 実 用 性 を 含 むスーパーベーシックを 究 めています ( 契 約 プロ: 有 村 智 恵 さんなど) 契 約 プロの 有 村 智 恵 さん のサイン 朝 にサーフィンをしてビーチからそのままゴルフに 行 けるよう なウェア をテーマにロサンゼルスで 立 ち 上 げられたブランド Rosasen トラッド と カジュアル という 相 反 する 要 素 を ニュートラディショナル として 融 合 しています (ライセンス 契 約 ) イタリアで 生 まれた 革 新 的 なデザインと 機 能 的 な 素 材 がバランスよく 融 合 されている ヨーロッパゴルフ ウェア 1ブランドである CHERVO (インポート) ファッションとスポーツウェアの 融 合 を 成 し 遂 げて きたスウェーデン 発 信 のブランド (インポート) 08/25 Omotesando Hill s 店 オープン 10/15 阪 急 MEN S TOKYO 店 オープン ~VIVA HEART selection~ ブラックを 基 調 としたスタイリッシュ な 店 内 でメンズ レディス グッズの フルラインを 揃 えた VIVA HEARTの 世 界 観 を 表 現 したショップ 10/28 ハービス PLAZA ENT 店 オープン 11/23 青 山 Ao 店 オープン VIVA HEART selection ハービス PLAZA ENT 店 大 阪 市 北 区 梅 田 2-2-22 ハービス PLAZA ENT4 階 是 非 お 立 ち 寄 り 下 さい!! 神 戸 神 戸 市 中 央 区 雲 井 通 4-2-2 マークラー 神 戸 ビル 6F 東 京 東 京 都 渋 谷 区 恵 比 寿 1-19-19 恵 比 寿 ビジネスタワー1F TEL.078-262-5920 FAX.078-262-5930-10 - TEL.03-6408-8686 FAX.03-6408-8687
大 手 前 コラム この 度 新 たに 入 社 しました 山 内 聡 子 と 申 します 入 社 以 来 早 2ヶ 月 が 経 過 しましたが 経 験 したことのない 出 来 事 に 遭 遇 すること 多 く とまどいもありますが 専 門 知 識 の 蓄 積 はもとより 実 践 力 をつけることに 努 力 しています 目 指 す 職 業 の 世 界 で 働 けること 嬉 しく 思 います 皆 様 方 に よりお 喜 び 頂 ける 様 な 仕 事 ができるようになりたいと 思 っております BY: 山 内 聡 子 ビジネスフレンド 2011 年 12 月 号 No.108 編 集 発 行 2011 年 12 月 1 日 発 行 社 会 保 険 労 務 士 法 人 大 手 前 総 合 労 務 管 理 事 務 所 有 限 会 社 大 手 前 総 合 労 務 管 理 事 務 所 540-0037 大 阪 市 中 央 区 内 平 野 町 2-1-9 シグナスビル 5 階 TEL:06-6947-0280 FAX:06-6910-2398 HP-URL:www.ootemae.co.jp E-mail:info@ootemae.co.jp - 11 -