地震保険制度に関するPT2012.6.1プレゼンテーション資料



Similar documents
災害時の賃貸住宅居住者の居住の安定確保について

事 業 税 の 外 形 標 準 課 税 事 業 税 は 都 道 府 県 が 所 得 ( 利 益 )に 対 して 課 税 します 1. 個 人 事 業 税 業 種 区 分 税 率 ( 標 準 税 率 ) 第 1 種 事 業 ( 物 品 販 売 業 製 造 業 金 銭 貸 付 業 飲 食 店 業 不 動



スライド 1

資料8(第2回水害WG)

税制面での支援

スライド 1

平成24年度税制改正要望 公募結果 153. 不動産取得税

セルフメディケーション推進のための一般用医薬品等に関する所得控除制度の創設(個別要望事項:HP掲載用)

 

弁護士報酬規定(抜粋)

就 業 規 則 ( 福 利 厚 生 ) 第 章 福 利 厚 生 ( 死 亡 弔 慰 金 等 ) 第 条 法 人 が 群 馬 県 社 会 福 祉 協 議 会 民 間 社 会 福 祉 施 設 等 職 員 共 済 規 程 に 基 づき 群 馬 県 社 会 福 祉 協 議 会 との 間 において 締 結 す

目 次 高 山 市 連 結 財 務 諸 表 について 1 連 結 貸 借 対 照 表 2 連 結 行 政 コスト 計 算 書 4 連 結 純 資 産 変 動 計 算 書 6 連 結 資 金 収 支 計 算 書 7

は 固 定 流 動 及 び 繰 延 に 区 分 することとし 減 価 償 却 を 行 うべき 固 定 の 取 得 又 は 改 良 に 充 てるための 補 助 金 等 の 交 付 を 受 けた 場 合 にお いては その 交 付 を 受 けた 金 額 に 相 当 する 額 を 長 期 前 受 金 とし

(1) 率 等 一 覧 ( 平 成 26 年 度 ) 目 課 客 体 及 び 納 義 務 者 課 標 準 及 び 率 法 内 に 住 所 を 有 する ( 均 等 割 所 得 割 ) 内 に 事 務 所 事 業 所 又 は 家 屋 敷 を 有 する で 内 に 住 所 を 有 し ないもの( 均 等

Microsoft PowerPoint - 報告書(概要).ppt

国 家 公 務 員 の 年 金 払 い 退 職 給 付 の 創 設 について 検 討 を 進 めるものとする 平 成 19 年 法 案 をベースに 一 元 化 の 具 体 的 内 容 について 検 討 する 関 係 省 庁 間 で 調 整 の 上 平 成 24 年 通 常 国 会 への 法 案 提

Taro-01 議案概要.jtd

個 人 所 得 課 税 ~ 住 宅 ローン 控 除 等 の 適 用 期 限 の 延 長 2 4. 既 存 住 宅 に 係 る 特 定 の 改 修 工 事 をした 場 合 の 所 得 税 額 の 特 別 控 除 居 住 年 省 エネ 改 修 工 事 控 除 限 度 額 バリアフリー 改 修 工 事 平

スライド 1

1 特 別 会 計 財 務 書 類 の 検 査 特 別 会 計 に 関 する 法 律 ( 平 成 19 年 法 律 第 23 号 以 下 法 という ) 第 19 条 第 1 項 の 規 定 に 基 づき 所 管 大 臣 は 毎 会 計 年 度 その 管 理 する 特 別 会 計 について 資 産

スライド 1

(Microsoft Word - \220\305\220\247\211\374\220\263.doc)

untitled

「経営者保証に関するガイドライン」に基づく保証債務の整理に係る課税関係の整理

空 き 家 を 売 却 した 場 合 の,000 万 円 控 除 特 例 の 創 設 被 相 続 人 が 住 んでいた 家 屋 及 びその 敷 地 を 相 続 があった 日 から 年 を 経 過 する 年 の 月 日 までに 耐 震 工 事 をしてから あるいは 家 を 除 却 し てから 売 却

Microsoft Word - 目次.doc

税金読本(8-5)特定口座と確定申告

Microsoft Word - 奨学金相談Q&A.rtf

スライド 1

情 報 通 信 機 器 等 に 係 る 繰 越 税 額 控 除 限 度 超 過 額 の 計 算 上 控 除 される 金 額 に 関 する 明 細 書 ( 付 表 ) 政 党 等 寄 附 金 特 別 控 除 額 の 計 算 明 細 書 国 庫 補 助 金 等 の 総 収 入 金 額 不 算 入 に 関

H25要綱本文

高松市緊急輸送道路沿道建築物耐震改修等事業補助金交付要綱(案)


住宅税制について

< EE597768E968BC688EA97972D372E786477>

している 5. これに 対 して 親 会 社 の 持 分 変 動 による 差 額 を 資 本 剰 余 金 として 処 理 した 結 果 資 本 剰 余 金 残 高 が 負 の 値 となるような 場 合 の 取 扱 いの 明 確 化 を 求 めるコメントが 複 数 寄 せられた 6. コメントでは 親

4. その 他 (1) 期 中 における 重 要 な 子 会 社 の 異 動 ( 連 結 範 囲 の 変 更 を 伴 う 特 定 子 会 社 の 異 動 ) 無 (2) 簡 便 な 会 計 処 理 及 び 四 半 期 連 結 財 務 諸 表 の 作 成 に 特 有 の 会 計 処 理 の 適 用 有

所令要綱

住 宅 融 資 の 仕 組 み 住 宅 融 資 は 独 政 法 住 宅 融 援 機 構 ( 以 下 機 構 といいます )が う 融 機 関 の 住 宅 ローン 貸 出 に 対 する 公 的 な 信 用 です 住 宅 融 資 は 融 機 関 の う 住 宅 ローン 貸 出 の 損 害 を 填 補 す

Ⅲ 相 続 財 産 の 分 割 に 関 する 確 認 事 項 1 遺 言 がありますか? 有 遺 言 公 正 証 書 又 は 家 公 証 人 役 場 等 要 月 日 無 庭 裁 判 所 の 検 認 を 受 否 ( 通 ) けた 遺 言 書 2 死 因 贈 与 があります 有 贈 与 契 約 書 要

私立大学等研究設備整備費等補助金(私立大学等

<4D F736F F D F5A91EE8BC F368C8E3393FA8DC48D F C8E323893FA916493C B95AA8D CE3816A>

も く じ 1 税 源 移 譲 1 2 何 が 変 わったのか 改 正 の 3 つ の ポイント ポイント1 国 から 地 方 へ 3 兆 円 規 模 の 税 源 が 移 譲 される 2 ポイント2 個 人 住 民 税 の 税 率 構 造 が 一 律 10%に 変 わる 3 ポイント3 個 々の 納


Microsoft PowerPoint - 基金制度

4. その 他 (1) 期 中 における 重 要 な 子 会 社 の 異 動 ( 連 結 範 囲 の 変 更 を 伴 う 特 定 子 会 社 の 異 動 ) 無 (2) 簡 便 な 会 計 処 理 及 び 四 半 期 連 結 財 務 諸 表 の 作 成 に 特 有 の 会 計 処 理 の 適 用 有

賦課の根拠となった法律及び条例(その2)

第 40 回 中 央 近 代 化 基 金 補 完 融 資 推 薦 申 込 み 公 募 要 綱 1 公 募 推 薦 総 枠 30 億 円 一 般 物 流 効 率 化 促 進 中 小 企 業 高 度 化 資 金 貸 付 対 象 事 業 の 合 計 枠 2 公 募 期 間 平 成 28 年 6 月 20

<4D F736F F D2095BD90AC E937890C590A789FC90B38FDA8DD72E747874>

賦課の根拠となった法律及び条例(その2)

Microsoft Word - 制度の概要_ED.docx

<4D F736F F D2095BD90AC E937890C590A789FC90B382CC8EE582C893E09765>

1. 決 算 の 概 要 法 人 全 体 として 2,459 億 円 の 当 期 総 利 益 を 計 上 し 末 をもって 繰 越 欠 損 金 を 解 消 しています ( : 当 期 総 利 益 2,092 億 円 ) 中 期 計 画 における 収 支 改 善 項 目 に 関 して ( : 繰 越

損 益 計 算 書 自. 平 成 26 年 4 月 1 日 至. 平 成 27 年 3 月 31 日 科 目 内 訳 金 額 千 円 千 円 営 業 収 益 6,167,402 委 託 者 報 酬 4,328,295 運 用 受 託 報 酬 1,839,106 営 業 費 用 3,911,389 一

スライド 1

Microsoft Word 利子補給金交付要綱


< F2D E633368D86816A89EF8C768E9696B18EE688B5>

(4) 運 転 する 学 校 職 員 が 交 通 事 故 を 起 こし 若 しくは 交 通 法 規 に 違 反 したことにより 刑 法 ( 明 治 40 年 法 律 第 45 号 ) 若 しくは 道 路 交 通 法 に 基 づく 刑 罰 を 科 せられてから1 年 を 経 過 していない 場 合 同

Taro-H26改正_溶け込み_中学授業

<4D F736F F F696E74202D208CE38AFA8D8297EE8ED288E397C390A CC8A AE98EBA8DEC90AC816A2E707074>

1 はじめに 計 画 の 目 的 国 は 平 成 18 年 度 に 住 生 活 基 本 法 を 制 定 し 住 まいに 関 する 基 本 的 な 計 画 となる 住 生 活 基 本 計 画 ( 全 国 計 画 )を 策 定 し 住 宅 セーフティネットの 確 保 や 住 生 活 の 質 の 向 上

<4D F736F F D C8E9688D993AE82C994BA82A492F18F6F8F9197DE81698DC58F49816A2E646F6378>

<95CA8E86315F8A6D92E8905C8D908F9182C98AD682B782E B8B4C985E8D8096DA2E786C7378>

< E95FB8CF689638AE98BC689FC90B390A CC8CA992BC82B582C982C282A282C E90E096BE8E9E8E9197BF2E786477>

公 的 年 金 制 度 について 制 度 の 持 続 可 能 性 を 高 め 将 来 の 世 代 の 給 付 水 準 の 確 保 等 を 図 るため 持 続 可 能 な 社 会 保 障 制 度 の 確 立 を 図 るための 改 革 の 推 進 に 関 する 法 律 に 基 づく 社 会 経 済 情

<4D F736F F D F93878CA797708F4390B3816A819A95CA8B4C976C8EAE91E682538B4C8DDA97E12E646F6378>

南伊豆町空き家バンクリフォーム等補助金交付要綱

Microsoft PowerPoint - 税制上の特例.pptx

2 1.ヒアリング 対 象 (1) 対 象 範 囲 分 類 年 金 医 療 保 険 雇 用 保 険 税 備 考 厚 生 年 金 の 資 格 喪 失 国 民 年 金 の 加 入 老 齢 給 付 裁 定 請 求 など 健 康 保 険 の 資 格 喪 失 国 民 健 康 保 険 の 加 入 健 康 保 険

<4D F736F F D2091E F18CB48D C481698E7B90DD8F9590AC89DB816A2E646F63>

03 平成28年度文部科学省税制改正要望事項

給 与 所 得 控 除 所 得 税 の 簡 易 給 与 所 得 表 により 給 与 所 得 の 金 額 を 求 めますが 控 除 額 の 計 算 については 次 のとおりです 給 与 等 の 収 入 金 額 給 与 所 得 控 除 額 180 万 円 以 下 の 場 合 180 万 円 を 超 え

Taro-事務処理要綱250820

Microsoft Word - 【溶け込み】【修正】第2章~第4章

Taro-契約条項(全部)

( 別 紙 ) 以 下 法 とあるのは 改 正 法 第 5 条 の 規 定 による 改 正 後 の 健 康 保 険 法 を 指 す ( 施 行 期 日 は 平 成 28 年 4 月 1 日 ) 1. 標 準 報 酬 月 額 の 等 級 区 分 の 追 加 について 問 1 法 改 正 により 追 加

損 益 計 算 書 ( 自 平 成 25 年 4 月 1 日 至 平 成 26 年 3 月 31 日 ) ( 単 位 : 百 万 円 ) 科 目 金 額 営 業 収 益 75,917 取 引 参 加 料 金 39,032 上 場 関 係 収 入 11,772 情 報 関 係 収 入 13,352 そ

給 与 所 得 控 除 控 除 額 の 計 算 については 次 のとおりです 給 与 等 の 収 入 金 額 給 与 所 得 控 除 額 180 万 円 以 下 の 場 合 180 万 円 を 超 え 360 万 円 以 下 の 場 合 360 万 円 を 超 え 660 万 円 以 下 の 場 合

国税連携ファイル記録項目一覧

平成16年年金制度改正 ~年金の昔・今・未来を考える~


検 討 検 討 の 進 め 方 検 討 状 況 簡 易 収 支 の 世 帯 からサンプリング 世 帯 名 作 成 事 務 の 廃 止 4 5 必 要 な 世 帯 数 の 確 保 が 可 能 か 簡 易 収 支 を 実 施 している 民 間 事 業 者 との 連 絡 等 に 伴 う 事 務 の 複 雑

Microsoft PowerPoint a1.ppt

住民税

要 な 指 示 をさせることができる ( 検 査 ) 第 8 条 甲 は 乙 の 業 務 にかかる 契 約 履 行 状 況 について 作 業 完 了 後 10 日 以 内 に 検 査 を 行 うものとする ( 発 生 した 著 作 権 等 の 帰 属 ) 第 9 条 業 務 によって 甲 が 乙 に

Ⅴ Ⅵ 目 予 算 編 成 のフローチャートと 決 算 書 類 19 図 表 6 予 算 編 成 のフローチャート 20 図 表 7 収 支 報 告 書 貸 借 対 照 表 財 産 目 録 備 品 台 帳 モデル 21 滞 納 金 回 収 に 関 する 管 理 会 社 の 業 務 と 役 割 25

スライド 1

適合証明業務手数料規程

Microsoft Word - ☆f.doc

土 購 入 土 借 用 土 所 有 権 移 転 登 記 確 約 書 農 転 用 許 可 書 ( 写 ) 農 転 用 届 出 受 理 書 ( 写 ) 土 不 動 産 価 格 評 価 書 土 見 積 書 ( 写 ) 又 は 売 買 確 約 書 ( 写 ) 土 売 主 印 鑑 登 録 証 明 書 売 主

老発第    第 号

第 3 四 半 期 運 用 状 況 の 概 要 第 3 四 半 期 末 の 運 用 資 産 額 は 2,976 億 円 となりました 第 3 四 半 期 の 修 正 総 合 収 益 率 ( 期 間 率 )は +1.79%となりました なお 実 現 収 益 率 は +0.67%です 第 3 四 半 期

これまでの 課 題 の 検 討 状 況 の 整 理 地 震 保 険 制 度 に 関 するプロジェクトチーム 報 告 書 ( 平 成 24 年 11 月 30 日 ) ( 附 属 物 の 損 害 査 定 ) 地 震 保 険 においては 迅 速 性 の 観 点 から 主 要 構 造 部 を 対 象 とし

目 次 1 報 酬 給 与 額 事 例 1 報 酬 給 与 額 に 含 める 賞 与 の 金 額 が 誤 っていた 事 例 1 事 例 2 役 員 退 職 金 ( 役 員 退 職 慰 労 金 )を 報 酬 給 与 額 として 申 告 して いなかった 事 例 1 事 例 3 持 株 奨 励 金 を

N 一 般 の 住 宅 について 控 除 の 対 象 となる 借 入 金 は 平 成 26 年 4 月 平 成 31 年 6 月 30 日 までの 入 居 の 場 合 は4,000 万 円 ( 平 成 26 年 3 月 までの 入 居 の 場 合 は2,000 万 円 )までとなります 建 物 や

定 性 的 情 報 財 務 諸 表 等 1. 連 結 経 営 成 績 に 関 する 定 性 的 情 報 当 第 3 四 半 期 連 結 累 計 期 間 の 業 績 は 売 上 高 につきましては 前 年 同 四 半 期 累 計 期 間 比 15.1% 減 少 の 454 億 27 百 万 円 となり

< F2D C93FA967B91E5906B8DD082CC94ED8DD0>

Transcription:

2012.6.1 地 震 保 険 制 度 に 関 するPT 生 活 設 計 の 観 点 からみた 望 まれる 地 震 保 険 制 度 とは 生 活 設 計 塾 クルー 取 締 役 清 水 香

本 日 の 内 容 1. 現 状 の 確 認 2. 商 品 性 見 直 しについてのいくつかの 提 案 C2012 KAORI SHIMIZU 2

1. 現 状 の 確 認 C2012 KAORI SHIMIZU 3

東 日 本 大 震 災 における 地 震 保 険 制 度 の 評 価 3カ 月 強 で1 兆 円 超 の 地 震 保 険 金 支 払 い 延 べ1 万 人 を 超 えるスタッフの 奮 闘 / 航 空 写 真 や 衛 星 写 真 等 活 用 の 共 同 調 査 / 代 理 店 による 損 害 調 査 自 己 申 告 による 書 面 調 査 等 迅 速 な 支 払 いが 優 先 され 種 々の 手 段 が 取 り 入 れられた 契 約 者 による 申 し 出 だけでなく 請 求 勧 奨 も 実 施 地 震 保 険 契 約 会 社 照 会 センターの 開 設 / 保 険 会 社 からの 能 動 的 な 請 求 勧 奨 とにかく 保 険 金 を 支 払 う 受 け 取 ってもらう という 基 本 姿 勢 利 益 を 得 られない 地 震 保 険 に 損 害 保 険 業 界 が 尽 力 したこと は 高 く 評 価 されるべき こうした 取 り 組 みがあったからこそ 被 災 者 の 生 活 の 安 定 に 寄 与 する 制 度 として 機 能 したといえる C2012 KAORI SHIMIZU 4

東 日 本 大 震 災 後 の 現 状 責 任 準 備 金 が 約 1 兆 3 千 億 円 に 半 減 巨 大 地 震 が 切 迫 連 続 地 震 の 可 能 性 巨 大 地 震 発 生 時 今 回 のような 損 害 調 査 の 迅 速 性 は 維 持 できるか 連 続 地 震 の 発 生 時 にも 損 害 調 査 に 公 平 性 を 保 てるか 責 任 準 備 金 を 大 きく 超 える 支 払 いが 発 生 しても 制 度 そのものを 健 全 に 維 持 することができるか いつ どのような 巨 大 地 震 が 起 きても 地 震 保 険 金 は 確 実 に かつ 公 平 迅 速 に 支 払 われなくてはならない C2012 KAORI SHIMIZU 5

生 活 者 が 信 頼 できる 地 震 保 険 のすがた 制 度 を 信 頼 でき 安 心 して 加 入 ができること 制 度 を 正 しく 理 解 してもらうための 具 体 的 な 取 り 組 み 生 活 再 建 が 支 えられる 保 険 金 が 支 払 われること 本 当 に 困 った 時 にこそ しっかりと 頼 れる 仕 組 みを 保 険 金 ができるだけ 早 く 支 払 われること 巨 大 地 震 でも 混 乱 のないシンプルな 補 償 損 害 調 査 のあり 方 支 払 われる 保 険 金 の 額 を 不 公 平 に 思 わないこと 損 害 調 査 のあり 方 やしくみをわかりやすく 納 得 できるものに 地 震 保 険 は 被 災 時 に 生 活 者 の 経 済 的 被 害 をカバーする ほぼ 唯 一 の 手 段 さらに 安 心 して 加 入 してもらうために より 安 定 した 制 度 をめざす 見 直 しが 必 要 C2012 KAORI SHIMIZU 6

制 度 が 確 実 に 維 持 されるために 保 険 金 が 確 実 に 支 払 われるために より 多 くの 人 に 入 ってもらうことで 責 任 準 備 金 を 積 み 増 せる より 多 くの 地 域 で 加 入 してもらうしくみがあればリスクを 分 散 できる 補 償 のシンプル 化 は 損 害 調 査 をスピードアップさせる また 損 害 調 査 の 簡 素 化 によって 査 定 コストを 減 らせる 制 度 普 及 を 促 進 し 支 え 手 を 増 やすために 生 活 者 が 地 震 保 険 加 入 を 検 討 する 具 体 的 な 機 会 の 設 定 生 活 者 が 自 らの 被 災 リスクを 認 知 し 誤 解 なく 加 入 するための 金 融 機 関 や 代 理 店 による 説 明 義 務 地 震 被 害 は 予 測 できず 国 及 び 損 害 保 険 会 社 のキャパシ ティにも 限 界 がある 制 度 に 想 定 外 の 負 荷 がかからない 方 向 で 複 数 の 具 体 的 な 見 直 しを 積 み 上 げていくのが 現 実 的 C2012 KAORI SHIMIZU 7

2. 商 品 性 見 直 しについてのいくつかの 提 案 C2012 KAORI SHIMIZU 8

商 品 性 見 直 し 生 活 者 にとって 重 要 な2つの 視 点 東 日 本 大 震 災 の 経 験 を 踏 まえた 持 続 可 能 な 制 度 真 に 被 災 者 の 生 活 の 安 定 に 寄 与 する 制 度 具 体 的 な 提 案 内 容 1 100% 補 償 全 損 のみ 担 保 の 創 設 2 一 部 損 のあり 方 を 再 考 する 3 普 及 を 進 めるための 具 体 策 生 活 者 への 呼 びかけ 4 住 居 費 二 重 負 担 解 消 のための 地 震 団 信 の 創 設 C2012 KAORI SHIMIZU 9

そもそも 地 震 リスクが 認 知 されていない 現 状 復 旧 費 用 の 工 面 方 法 国 地 方 自 治 体 の 行 政 による 支 援 を 期 待 5 割 程 度 被 災 者 生 活 再 建 支 援 法 の 認 知 度 ( 地 震 保 険 加 入 者 ) 名 前 を 知 っている 程 度 34.2% 知 らない 52.8% 住 宅 ローンの 返 済 状 況 住 宅 ローンの 返 済 中 だが 地 震 保 険 非 加 入 39.9% 地 震 保 険 を 知 っている? 名 前 を 知 っている 程 度 ( 火 災 保 険 加 入 者 ) 57.2% 地 震 危 険 に 関 する 消 費 者 意 識 調 査 ( 平 成 21 年 調 査 ) 損 害 保 険 料 率 算 定 機 構 より 半 数 が 国 や 自 治 体 に 期 待 ところが 支 援 の 具 体 的 な 内 容 は 知 らず 住 宅 ローン 返 済 中 でも4 割 が 地 震 保 険 非 加 入 C2012 KAORI SHIMIZU 10

被 災 時 の 住 まい 問 題 は 深 刻 住 宅 に 関 する 相 談 最 多 の26.3% 住 宅 ローン 住 宅 に 関 する 支 援 制 度 修 繕 など ( 日 本 ファイナンシャルプランナーズ 協 会 による 被 災 者 電 話 相 談 内 容 ) 持 ち 家 住 宅 の 自 力 再 建 が 基 本 当 座 の 仮 住 まい 確 保 に 費 用 が 必 要 住 宅 を 失 っても 住 宅 ローンはなくならない 修 繕 費 用 が 工 面 できず 損 害 状 態 で 住 むことを 余 儀 なくされる 都 合 によ 賃 貸 り 地 域 を 離 れられず 住 居 費 が 掛 かることも 住 み 替 えが 必 要 だが 損 害 は 家 財 にとどまり 住 居 費 の 二 重 負 担 は 生 じない 住 まいは 個 人 財 産 ではあるが 同 時 に 生 活 の 基 盤 住 まいなしに 生 活 再 建 が 始 まることはない C2012 KAORI SHIMIZU 11

私 的 整 理 は 高 いハードル? 個 人 債 務 者 の 私 的 整 理 に 関 するガイドライン 平 成 23 年 8 月 22 日 発 足 自 己 破 産 のデメリットを 受 けずに 私 的 整 理 によって 債 務 免 除 等 を 行 う 仕 組 み 手 元 に 残 してよいのは 原 則 500 万 円 程 度 貯 蓄 や 仕 事 がなく 返 済 不 能 と 認 定 されたケースが 対 象 あくまでも 私 的 整 理 銀 行 等 の 債 権 放 棄 が 必 要 成 立 事 例 は21 件 ( 平 成 24 年 5 月 28 現 在 ) C2012 KAORI SHIMIZU 12

現 状 では 被 災 時 の 経 済 的 リスクが 低 い 世 帯 の 最 低 限 の 補 償 制 度 としてのレベル リスク 高 リスク 項 目 リスク 低 持 ち 家 住 まい 賃 貸 住 宅 相 当 額 ある 住 宅 ローン 残 高 あまりない またはない あまりない またはない 貯 蓄 ある 程 度 はある ない 身 を 寄 せる 先 ある これらの 要 素 が 強 い 世 帯 は 被 災 後 の 生 活 再 建 に 困 難 が 予 測 されるが 地 震 保 険 によ るカバーには 限 界 がある これらの 要 素 が 強 い 世 帯 にとって 現 在 の 地 震 保 険 は 被 災 者 生 活 再 建 支 援 制 度 の 上 乗 せ 補 償 といえる C2012 KAORI SHIMIZU 13

生 活 者 が 抱 える 経 済 的 リスクに 対 し 設 定 できる 保 険 金 額 が 少 ない 住 宅 ローンを 抱 える 世 帯 が 住 宅 を 失 うと 再 建 修 繕 費 用 と 当 座 の 仮 住 まい 費 用 そして 住 宅 ローン 返 済 の 住 居 費 の 二 重 負 担 が 発 生 生 活 再 建 は 著 しく 困 難 となる 条 件 変 更 が 行 われても 返 済 総 額 は 減 らない 一 定 期 間 の 元 本 据 え 置 き 等 が 明 ければ また 通 常 返 済 が 始 まる 東 日 本 大 震 災 以 降 の 住 宅 ローン H23.5 現 在 H24.1 現 在 約 定 返 済 を 猶 予 されている 住 宅 ローン 923 億 円 231 億 円 条 件 変 更 を 行 った 住 宅 ローン 122 億 円 640 億 円 平 成 24 年 4 月 金 融 庁 資 料 被 災 3 県 ( 岩 手 県 宮 城 県 福 島 県 )に 所 在 する 金 融 機 関 からのヒアリング 結 果 C2012 KAORI SHIMIZU 14

分 譲 マンションの 専 共 二 重 負 担 問 題 4000 万 円 の 分 譲 マンション(70m2 程 度 のファミリータイプ)で 住 宅 ロー ン3600 万 円 ( 物 件 価 格 の9 割 )でも 土 地 や 業 者 の 利 益 共 用 部 分 を 除 いた 専 有 部 分 の 火 災 保 険 金 額 はおおむね1000 万 円 前 後 ( 物 件 による) したがって 地 震 保 険 金 額 は500 万 円 程 度 共 用 部 分 ( 躯 体 等 )はマンション 管 理 組 合 が 火 災 保 険 契 約 を 行 う ( 地 震 保 険 は 共 用 部 分 価 額 の50%) 地 震 によりマンション 建 物 が 全 損 となった 場 合 専 有 部 分 は 500 万 円 が 共 用 部 分 は 共 用 部 分 の 価 額 の50%が 地 震 保 険 金 として 支 払 われる ただし 住 宅 ローンは 地 震 保 険 で 清 算 で きず 共 用 部 分 の 修 繕 費 についても 修 繕 積 立 金 の 取 り 崩 しや 所 有 者 の 追 加 負 担 となる C2012 KAORI SHIMIZU 15

個 人 財 産 ではなく 生 活 財 を 失 う 現 状 に 対 処 すべき 生 活 者 にとって 地 震 保 険 金 を 受 け 取 ることはゴールではな く スタート この 先 も 続 く 暮 らしを 立 てていくために 被 災 時 の 家 計 に 効 果 の 高 い 地 震 保 険 制 度 であることが 重 要 被 災 時 の 経 済 的 リスクの 高 い 世 帯 に 完 成 度 の 高 い 自 助 の 機 会 を 家 計 が 対 処 できなかった 損 害 は 最 終 的 には 国 や 自 治 体 がそのコストを 負 担 することになる C2012 KAORI SHIMIZU 16

提 案 1 価 額 の100% 補 償 全 損 のみ 担 保 の 創 設 建 物 価 額 の100%を 補 償 する 全 損 のみ 担 保 補 償 特 約 を 創 設 住 宅 全 損 時 のリスクのみをカバーする 最 悪 の 事 態 のみに 補 償 を 絞 り 保 険 料 を 抑 える 地 震 保 険 料 のうち 全 損 部 分 の 保 険 料 は 約 28%( 純 保 険 料 割 合 38%) 付 加 保 険 料 は 約 26% よって 全 損 のみ 保 険 料 は 現 在 の5 5割 強 と 考 えられる 全 損 のみを 対 象 とし 損 害 調 査 時 のコストを 抑 える 東 日 本 大 震 災 で 全 損 と 認 定 された 建 物 は 支 払 保 険 金 総 額 の 24.1%( 件 数 ベースでは4.9%) もっとも 深 刻 なケースを 手 厚 くカバーできる 手 段 で 被 災 者 の 生 活 再 建 を 後 押 しする 家 計 が 対 応 不 能 なレベルの 被 害 に 補 償 を 絞 り 家 計 にとっての 最 悪 の 事 態 を 回 避 する 手 段 を 提 供 する C2012 KAORI SHIMIZU 17

前 提 条 件 保 険 金 額 は 火 災 保 険 金 額 と 同 額 新 耐 震 基 準 を 充 足 した 建 物 のみの 引 き 受 け 半 損 一 部 損 の 補 償 なし 留 意 事 項 保 険 金 額 はあくまでも 建 物 価 額 であり 住 宅 ローン 金 額 ではな い( 分 譲 マンション 建 物 価 額 を 超 える 借 入 金 は 清 算 不 能 ) 全 損 のみが 補 償 対 象 であることの 十 分 な 説 明 が 重 要 住 宅 全 壊 時 でも 地 震 保 険 金 だけでは 債 務 が 清 算 されない 旨 融 資 先 の 金 融 機 関 による 説 明 ガイドライン 化 など 検 討 が 必 要 キャパシティ 拡 大 を 抑 制 するために 何 らかの 調 整 が 必 要 C2012 KAORI SHIMIZU 18

一 部 損 は 家 計 に 不 可 欠 な 水 準 の 補 償? 本 来 の 趣 旨 からすれば 保 険 とは 家 計 で 到 底 対 処 し 得 ない リスクに 対 し あえてコストを 負 担 し 将 来 に 備 える 手 段 東 日 本 大 震 災 での 一 部 損 認 定 は 件 数 ベース70.9% 保 険 金 支 払 ベース24.5%と 全 体 に 対 する 割 合 は 少 なくない 支 払 金 額 の 割 に 査 定 コストがかさんでいることになる 保 険 金 の 平 均 額 は49.7 万 円 ( 建 物 58.23 万 円 家 財 21.1 万 円 ) 国 の 財 政 を 出 動 させ 維 持 すべきか 今 後 予 測 される 巨 大 地 震 において 制 度 が 機 能 停 止 になら ず 迅 速 に 保 険 金 が 支 払 われるためには 査 定 のシンプル 化 が 必 要 C2012 KAORI SHIMIZU 19

提 案 2 一 部 損 を 見 直 す ( 案 1) 被 害 地 域 を 決 め 該 当 地 域 を 一 部 損 地 域 として 該 当 地 域 在 住 の 契 約 者 には 個 別 の 損 害 調 査 なしで 保 険 金 を 支 払 う しくみに 大 枠 での 公 平 性 を 担 保 する 損 害 調 査 コストを 抑 える ( 案 2) 保 険 金 額 の5%ではなく 一 律 金 額 の 見 舞 金 へ 改 定 する 損 害 調 査 は 不 要 参 考 : コープ 共 済 一 部 焼 壊 以 上 で 見 舞 金 を 支 払 う 修 理 見 積 もり 等 で 損 害 判 定 ( 保 障 ではなく 内 規 ) ( 案 3) 一 部 損 そのものの 廃 止 国 が 関 与 すべき 家 計 に 不 可 欠 な 保 険 金 の 水 準 とは 言 えない 一 部 損 は 家 計 にとり +α の 補 償 民 による 商 品 開 発 に 期 待 C2012 KAORI SHIMIZU 20

留 意 点 連 続 地 震 への 対 応 では 一 部 損 に 関 しては 保 険 期 間 中 の 請 求 は1 回 までにするなどの 対 応 も 必 要? 一 部 損 に 限 らず 家 財 については 損 害 認 定 の 基 準 が 不 明 瞭 約 款 では 金 額 ベースでの 損 害 認 定 とあるが 実 際 の 損 害 調 査 では 破 損 した 品 目 ベースで 損 害 区 分 が 決 まる 損 害 認 定 に 関 しても 分 かりやすく 納 得 感 のある 整 備 が 必 要 では C2012 KAORI SHIMIZU 21

提 案 3 普 及 を 進 めるための 具 体 策 生 活 者 への 呼 びかけ 普 及 の 足 枷? 地 震 保 険 料 は 高 いのか 地 震 保 険 の 加 入 検 討 をしたが 加 入 しなかった 理 由 保 険 料 までは 分 からないが 保 険 料 が 高 いイメージがあったから 30.4% 保 険 料 を 見 た または 計 算 した 結 果 保 険 料 が 高 かったから 29.8% 地 震 保 険 の 加 入 検 討 もしなかった 理 由 保 険 料 が 高 いというイメージがあるから 42.5% 地 震 危 険 に 関 する 消 費 者 意 識 調 査 ( 平 成 21 年 調 査 ) 損 害 保 険 料 率 算 定 機 構 より 保 険 料 の 多 寡 を 図 るモノサシは 不 在 火 災 保 険 にセットす るかしないか(0か100か)で 高 いと 言 われているに 過 ぎない C2012 KAORI SHIMIZU 22

不 測 に 事 態 に 対 するリスクは 正 しく 認 識 されて いない 生 命 保 険 の 加 入 状 況 生 命 保 険 世 帯 加 入 率 90.3% 世 帯 年 間 払 込 保 険 料 45.4 万 円 死 亡 保 険 金 額 2978万 円 追 加 加 入 意 向 がある 世 帯 3 割 平 成 21 年 ( 財 ) 生 命 保 険 文 化 センター 生 命 保 険 に 関 する 全 国 実 態 調 査 より 公 的 年 金 制 度 や 公 的 医 療 保 険 制 度 な どの 社 会 保 障 に 加 え 企 業 保 障 など 既 にある 保 障 が 十 分 に 踏 まえられず リ スクが 過 大 に 捉 えられている 実 態 が 地 震 保 険 は? 世 帯 加 入 率 23.7%( 平 成 23 年 3 月 現 在 ) 保 険 金 額 1000 万 円 あたりの 年 間 保 険 料 木 造 住 宅 28,200 円 マンション 15,200 円 いずれも 東 京 都 保 険 期 間 1 年 昭 和 56 年 以 降 新 築 の 建 物 保 険 料 そのものはそれほど 大 きな 負 担 感 を 持 つような 金 額 とは 考 えにくい C2012 KAORI SHIMIZU 23

地 震 リスクを 正 しく 認 知 し 具 体 的 な 備 えに 結 び つける 取 り 組 みが 必 要 地 震 保 険 の 加 入 も 検 討 しなかった 理 由 検 討 のきっかけがなかったから 19.6% 具 体 的 に 検 討 できるきっかけづくりが 必 要 地 震 危 険 に 関 する 消 費 者 意 識 調 査 ( 平 成 21 年 調 査 ) 損 害 保 険 料 率 算 定 機 構 より 住 宅 購 入 時 火 災 保 険 契 約 時 などに 地 震 被 害 による 経 済 的 リスクの 存 在 を 伝 え 地 震 保 険 による 備 えを 提 案 する 具 体 的 なしくみを 設 置 地 震 保 険 加 入 チェック ガイドライン 設 置 に 関 するご 提 案 2012 年 2 月 に 日 本 損 害 保 険 協 会 へ 正 式 に 申 し 入 れ 代 理 店 が 個 々の 生 活 者 に 対 し 地 震 リスクコンサルティングを 代 理 店 へのリスクコンサルティングツールの 提 供 など C2012 KAORI SHIMIZU 24

生 活 者 の 地 震 保 険 の 優 先 順 位 は 低 くない 建 物 評 価 額 の 最 高 50%であっても 地 震 保 険 は 必 要 か? 地 震 保 険 加 入 者 必 要 82.7% わからない 15.2% 地 震 保 険 非 加 入 者 必 要 46.5% 分 からない 40.7% 必 要 ない と 考 えている 人 はわずか 地 震 危 険 に 関 する 消 費 者 意 識 調 査 ( 平 成 21 年 調 査 ) 損 害 保 険 料 率 算 定 機 構 より 補 償 を 選 択 できる 火 災 保 険 では 地 震 保 険 の 付 帯 率 が 上 がる 震 災 前 63.6% (2011.2.12 時 点 の 保 有 契 約 ) 業 界 全 国 平 均 48.1% 震 災 後 72.8% (2012.2.13 時 点 の 保 有 契 約 ) セゾン 自 動 車 火 災 の 通 信 販 売 主 体 の 組 立 式 火 災 保 険 のケース ウェブ 経 由 契 約 のみの 集 計 C2012 KAORI SHIMIZU 25

地 震 保 険 は 持 家 重 視 政 策 の 補 完 策 70 年 代 以 降 続 く 持 家 重 視 政 策 現 在 でも 税 制 補 助 金 制 度 エコポイント 他 住 宅 取 得 には 数 々のインセンティブが 与 えられている ただし 取 得 後 は 被 災 時 であっても 生 活 再 建 は 自 己 責 任 地 震 被 災 時 の 経 済 的 リスクに 備 えるためのほぼ 唯 一 の 手 段 である 地 震 保 険 制 度 は 本 来 は 政 府 の 持 家 重 視 政 策 の 補 完 策 と 位 置 付 けるべきもの C2012 KAORI SHIMIZU 26

提 案 4 住 居 費 の 二 重 負 担 問 題 を 解 決 する 地 震 団 信 を 地 震 団 信 ( 団 体 信 用 保 険 ) の 創 設 地 震 被 害 に 対 し 損 害 に 応 じた 一 定 の 一 時 金 を 支 払 う 地 震 保 険 に 対 し 地 震 団 信 は 住 宅 全 損 時 に 住 宅 ローン 残 高 に 応 じた 地 震 保 険 金 が 支 払 われ 失 われた 住 まいの 住 宅 ローンが 完 済 する 現 在 の 地 震 保 険 地 震 団 信 損 害 に 応 じた 一 時 金 の 確 保 目 的 住 宅 全 損 時 のローン 清 算 建 物 家 財 の 全 損 半 損 一 部 損 保 険 金 の 支 払 い 対 象 となる 被 害 建 物 全 損 5000 万 円 支 払 われる 保 険 金 の 上 限 住 宅 ローン 残 高 に 連 動 火 災 保 険 に 原 則 付 帯 契 約 方 法 住 宅 ローン 金 利 に 上 乗 せ 強 制 加 入 C2012 KAORI SHIMIZU 27

地 震 団 信 による 解 決 が 有 効 ローン 返 済 の 終 わっていない 住 宅 は 事 実 上 資 産 ではない 住 宅 を 失 い 負 債 が 残 る 深 刻 な 事 態 に 対 応 できる 自 助 のしく みを 整 えれば 被 災 者 はマイナスからの 出 発 を 回 避 可 能 に 債 権 者 である 金 融 機 関 にとっても 重 要 な 資 産 である 住 宅 ローン 債 権 の 焦 げ 付 きは 連 結 ベースでみれば 深 刻 な 問 題 地 震 団 信 で 銀 行 は 債 権 の 保 全 を 図 ることができる 住 宅 購 入 時 の 強 制 保 険 にすることで 全 国 的 に 広 くローン 債 務 者 の 加 入 が 促 進 され 責 任 準 備 金 の 積 み 増 しや 分 散 し た 契 約 ポートフォリオ 構 築 に 寄 与 する C2012 KAORI SHIMIZU 28

地 震 団 信 概 算 保 険 料 前 提 条 件 国 土 交 通 省 新 築 着 工 戸 数 データがベース 住 宅 ローン 債 務 者 に 対 する 強 制 保 険 とする 現 行 の 地 震 保 険 制 度 の 政 府 再 保 険 スキームを 利 用 する 新 耐 震 基 準 を 充 足 した 建 物 のみの 引 き 受 け 全 損 のみ 担 保 保 険 金 額 は 住 宅 ローン 残 高 に 連 動 契 約 例 3000 万 円 を30 年 返 済 で 借 りるケース 金 利 2.3%に0.1%の 地 震 団 信 保 険 料 を 上 乗 せ 月 額 返 済 額 11 万 6982 円 ( 月 額 地 震 団 信 保 険 料 1,542 円 ) 保 険 料 試 算 は 日 本 震 災 パートナーズ 代 表 取 締 役 多 田 健 太 郎 氏 によるもの C2012 KAORI SHIMIZU 29

概 算 保 険 料 詳 細 住 宅 ローン 適 用 金 利 に 以 下 の 金 利 を 上 乗 せする 全 国 一 律 の 場 合 木 造 住 宅 0.1% 県 別 の 場 合 マンション 0.07% 木 造 住 宅 0.05%~0.17% マンション0.035%~0.17% 参 考 住 宅 ローン 保 証 料 : 金 利 上 乗 せの 場 合 0.2% 程 度 機 構 団 信 特 約 料 : 残 高 の0.3% 程 度 機 構 団 信 以 外 の 団 信 はおおむね 融 資 条 件 ( 保 険 料 は 債 権 者 負 担 ) C2012 KAORI SHIMIZU 30

生 活 者 がリスクを 抱 え 過 ぎてしまう 現 状 住 宅 購 入 時 の 頭 金 はもはや 死 語 物 件 価 格 の120%を 貸 す 金 融 機 関 も 住 宅 金 融 支 援 機 構 フラット35 の 借 入 条 件 の1つ 総 返 済 負 担 率 ( 年 間 合 計 返 済 額 の 割 合 ) は 年 収 400 万 円 以 上 では35% 以 下 つまり 年 収 600 万 円 なら210 万 円 ( 月 17.5 万 円 )だが 可 処 分 所 得 は 481 万 円 ( 月 40 万 円 ) 返 済 額 以 外 にも 税 金 や 保 険 メンテナンスコストな どがかかり 目 一 杯 借 りれば 可 処 分 所 得 の 半 分 は 住 宅 関 連 費 になる 計 算 そもそも 地 震 保 険 だけに 転 嫁 できることではない 深 刻 な 事 態 を 招 かないために 生 活 財 である 住 宅 に 対 する 融 資 に 上 限 を 設 ける 返 済 リスクに 関 する 説 明 義 務 を 課 すなどの 仕 組 みも 必 要 になる 年 収 600 万 円 40 歳 未 満 標 準 世 帯 の 例 C2012 KAORI SHIMIZU 31

一 方 家 計 の 不 測 の 事 態 への 耐 性 は 低 下 わが 国 の 持 ち 家 率 は60.1% うち 昭 和 55 年 以 前 新 築 新 耐 震 基 準 を 充 たさない 住 宅 3 割 ( 総 務 省 統 計 局 平 成 20 年 住 宅 土 地 統 計 調 査 ) 住 宅 ローンを 返 済 している 世 帯 の 割 合 35.9% ( 総 務 省 平 成 23 年 家 計 調 査 家 計 収 支 編 勤 労 世 帯 ) 可 処 分 所 得 における 住 宅 ローン 返 済 額 の 割 合 20.8% 過 去 最 高 ( 総 務 省 平 成 23 年 家 計 調 査 家 計 収 支 編 勤 労 世 帯 ) 貯 蓄 なし 世 帯 の 割 合 3 割 借 入 金 のある 世 帯 4 割 過 去 最 高 ( 金 融 広 報 中 央 委 員 会 家 計 の 金 融 行 動 に 関 する 世 論 調 査 平 成 23 年 ) 平 成 22 年 分 平 均 給 与 412 万 円 ( 平 成 12 年 分 461 万 円 ) ( 国 税 庁 平 成 22 年 分 民 間 給 与 実 態 統 計 調 査 ) 年 収 600 万 円 の 会 社 員 平 成 23 年 分 可 処 分 所 得 は10 年 前 よ り30 万 円 超 の 減 少 (40 歳 以 上 会 社 員 標 準 世 帯 の 例 ) C2012 KAORI SHIMIZU 32

国 策 だからこそ 真 に 生 活 の 安 定 に 寄 与 する 制 度 を 6 兆 2 千 億 円 のキャパシティの 中 で どのような 人 に どの ようにお 金 を 振 り 分 けるかが 地 震 保 険 制 度 の 理 念 そのも のを 表 す 現 状 では より 深 刻 な 経 済 的 ダメージを 負 う 世 帯 のための 完 成 度 の 高 い 自 衛 手 段 は 存 在 しない 持 家 重 視 政 策 が 維 持 される 一 方 で 自 身 に 責 任 のない 災 害 による 被 害 を 補 償 できる 完 成 度 の 高 い 仕 組 みを こうし た 手 段 によって 自 助 を 促 すことが 被 災 地 の 復 興 とともに 国 の 財 政 負 担 を 軽 減 することにもつながる 以 上 C2012 KAORI SHIMIZU 33