20140801



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2014年8月 事例1 疑義照会 薬剤変更に関する事例 事例番号 000000038674 80歳代の男性患者の家族が来局した 発熱で受診し ユナシン錠375mg2錠 2 3日分 ビオフェルミ ンR散3g 3 3日分が処方された ユナシン錠375mgの錠剤は大きく 患者は以前に大きい錠剤が飲み 込めないことがあったので 家族に確認すると 最近飲み込みが以前にも増して悪くなった とのことだっ たので 医師に疑義照会し クラビット錠500mg1錠 1 3日分 ミヤBM細粒3g 3 3日分に変更 となり クラビット錠500mgは粉砕して渡した 処方通りに薬を渡したら 患者はユナシン錠375mgを飲み込めなかった可能性があり 飲み込めるように するために錠剤をつぶすと苦みが発生するため 結果的に服用できなかったと思われる 患者の服薬状況を前回来局時に記録しており 今回処方がでた際に前回の記録を確認したことで 薬剤変更し て薬を服用してもらえるようにした 情報収集と それを活用することの大切さを再確認できた 薬局で 患者の状態や生活状況に関して丁寧に情報収集することにより その患者にとって大きい錠剤は 用しづらいことに気付くことができ 服用しやすい形の医薬品へと処方変更することができた良い事例で あると思われる

2014年8月 事例2 疑義照会 分量変更に関する事例 事例番号 000000038684 過活動膀胱の治療薬が処方されたことがない患者に ベタニス錠50mgが0. 5錠 分1夕食後で初めて処 方された 処方通り入力 調剤し鑑査にまわした 鑑査者がベタニス錠の添付文書で半錠にできないこと 徐 放性製剤のため と 腎機能や肝機能に異常はないと思われるが常用量の50mg 日でないことに対して疑 義照会し 1錠 50mg 日へ処方変更になった 処方医は泌尿器科処方については専門外であった可能性がある 処方医 調剤した薬剤師ともベタニス錠が徐 放性製剤であるという認識がなかった ベタニス錠の半錠の指示は当薬局では初めて受け付けたが 調剤する 前に添付文書等で半錠への分割が可能かどうか確認しなかった レセプトコンピュータにベタニス錠を入力すると 半錠不可 のコメントが表示されるように設定し 薬剤情 報提供文書にも 半錠 つぶし不可 のコメントが表示されるように設定した また 初めて半錠 粉砕 一 包化の指示が出た場合は 必ず添付文書等で可能かどうか確認してから調剤を開始し 半錠 粉砕 一包化が 不可等の医薬品については上記と同様の対応を実施する ベタニス錠の添付文書より一部抜粋 適用上の注意 本剤は徐放性製剤であるため 割ったり 砕いたり すりつぶしたりしないで そのままかまずに服 用するよう指導すること 割ったり 砕いたり すりつぶしたりして服用すると 本剤の徐放性が失 われ 薬物動態が変わるおそれがある 調剤に際して 半錠 粉砕 一包化といった剤形などについては 処方医が製剤的特性を十分理解してい ない場合があるので 薬剤師 処方医の連携が大切であることを示唆している事例である

2014年8月 事例3 疑義照会 薬剤変更に関する事例 事例番号 000000038713 2歳の患者の母親が処方せんを持って来局した ザジテンドライシロップ0. 1 を含む4種類の散剤が処方 されていた 以前 ザジテンが処方された時はてんかんの既往歴がなかったが 前回来局時に 1ヶ月前に熱 性けいれんで入院したことを聞き取っていた ザジテンは てんかんの既往歴のある患者には禁忌であり 熱 性けいれんの既往歴のある患者には慎重投与となっている けいれんを誘発する可能性があるため 処方医に 疑義照会したところ ザジテンドライシロップ0. 1 からセルテクトドライシロップ2 に変更になった 以前 ザジテンが処方された時は 熱性けいれんの既往歴がなかったが 1ヶ月前に熱性けいれんで入院して いた 今回そのことを処方医に伝えていたかは不明である 引き続き ザジテンが処方された時はてんかんの既往歴に注意しながら調剤 鑑査 服薬指導を行う ザジテンドライシロップ0. 1 の添付文書より一部抜粋 禁忌 次の患者には投与しないこと 1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者 2 てんかん又はその既往歴のある患者 痙攣閾値を低下させることがある 慎重投与 次の患者には慎重に投与すること てんかんを除く痙攣性疾患 又はこれらの既往歴のある患者 痙攣閾値を低下させることがある 禁忌 の項参照 処方薬の内容から必要な既往歴を聞き取り 記録していたことにより 有害事象の発生を未然に防ぐこと ができた良い事例であると思われる

2014年8月 事例4 疑義照会 その他に関する事例 事例番号 000000038820 一般名で ロキソプロフェンNa貼付剤100mg と処方せんに記載されていた 貼付剤 テープと思い込ん だまま入力し 処方せんにも テープ と鉛筆でメモを残した 調剤者もそれを見てテープ剤を取った 鑑査 者が剤形の記載不備に気づき疑義照会をしたところ 医師の意図はパップ剤であった事が判明した 病院のパソコン画面上ではパップ剤 テープ剤の区別がつくそうだが 処方せんにはそれが反映されない 病院側でコメントにパップかテープかの記載を入れてもらうよう依頼した コメントが無かった場合にはその 都度疑義照会を行うことを スタッフ間でも周知徹底した 貼付剤を一般名処方する際に 処方設計が処方せんに反映されない病院の処方システムに要因がある 薬剤師が注意して処方せん監査することも大切であるが 病院側の処方システムの改善も求められる

2014年8月 事例5 内服薬調剤 処方せん監査間違いに関する事例 事例番号 000000038881 70歳代の患者にエリキュース錠5mgが2錠2 朝夕服用で処方されていた 量が多いと思ったが患者に出血傾 向はなく 処方は病院で設計されたものが診療所で継続されていたためそのまま調剤し 交付した ある日メーカ ーのMRが来て エリキュース錠が10mgで処方されている高齢者はいないか と聞かれたので いるが 量 が多いと思いつつ 病院で処方設計されているので診療所の処方医に疑義照会しても変わらないと思い 疑義照 会していない と話した その後メーカーのMRが処方医のところに行って説明し 次回の処方ではエリキュー ス錠2. 5mg2錠2 朝夕服用に変更された 病院等で処方設計されたものは 診療所のかかりつけ医に疑義照会しても処方変更が行われにくい 病院は 患者の病状が落ち着いて処方内容に疑義がない状態にしてから 患者を診療所に戻すべきであると考え る 薬局で疑義が生じても 例えば ACEIとARBの併用のように 意図的な処方設計であると認識してし まう 疑義照会先としての診療所が 病院で処方設計された処方を引き継いだ場合に疑義照会になかなか対応しない 点は問題である 疑義が生じた場合の照会先を悩むことになる可能性がある たとえ処方設計が病院でなされたとしても 処方医には処方せん発行に対する責任があるので 薬局で疑義が 生じた際には薬剤師の責務として処方医に疑義照会すべきと思われる

2014年8月 事例6 内服薬調剤 処方せん監査間違いに関する事例 事例番号 000000039167 受付時 患者から処方せんを1枚受けとったが 実際は2枚発行されていた 入力者 調剤者はそのことに気が付 かず 入力 調剤をした 鑑査者も鑑査時には気が付かず 交付時に もらえるはずの薬が処方されていない と いう患者の言葉から 処方せんが2枚あることに気が付いた(処方せんには 以下余白 ではなく 次頁あり と 記載されていた) 患者に2枚目があることを説明し 患者の荷物の中に紛れていた2枚目を受け取った 患者から受け取った処方せんが1枚ということから 今回の処方せんは1枚だけだと思い込んでしまった(臨時 の処方せんだった) 長期連休明けということで 薬局内が混雑していた 処方せんを見慣れていない他薬局の 支援者が調剤を行っていたこともあり 処方せんの 次頁あり を見落としてしまった 処方せんに記載されている 以下余白 の記載も処方監査の項目に入れ 確認を徹底する 処方監査時に鉛筆で チェックを入れる 一般的に 在る ことに気が付くことは容易であるが 無い ことに気が付くためには意識して関心を払 わなければならないと思われる 処方はここまででありこの先は無い という重要な意味の 以下余白 までの記載を 確実に確認する必要が ある