自 治 体 として 富 裕 であるといえる その 他 の 財 政 の 状 況 を 見 ても 経 常 収 支 比 率 ( 人 件 費 等 の 自 治 体 運 営 上 の 固 定 費 の 比 率 80% 未 満 で 財 政 の 弾 力 性 があるとされている)については 近 年 硬 直 しつつある しか



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Transcription:

公 立 図 書 館 サービスと 情 報 通 信 技 術 の 適 用 大 谷 康 晴 1. 公 立 図 書 館 サービスと 情 報 通 信 技 術 情 報 通 信 技 術 の 発 展 により 多 くのサービスがインターネットを 経 由 して 提 供 されるよう になった 図 書 館 のサービスも 例 外 ではなく 蔵 書 検 索 のインターネット 上 での 公 開 貸 出 予 約 延 長 手 続 きの 提 供 にはじまり 電 子 メール 等 を 使 用 したインターネットを 経 由 しての 質 問 回 答 サービスの 提 供 に 至 っている これらのサービスは いずれも 利 用 者 の 便 宜 を 考 えると 提 供 を 行 わないよりは 行 うこと が 望 まれているサービスである 予 算 を 削 減 されて 資 料 費 や 人 員 の 確 保 といった 抜 本 的 な 問 題 を 抱 えている 図 書 館 が 大 半 であること 新 しいサービスを 開 始 することで 新 機 軸 や 改 善 を アピールできることなどの 点 から これらのサービスは 少 しずつ 導 入 されている しかし これらのサービスを 導 入 するためには ウェブ(World Wide Web)を 使 用 して 提 供 していくため 情 報 通 信 技 術 に 関 するそれなりの 知 識 が 要 求 される 技 術 的 な 革 新 に 適 応 した 職 員 を 自 前 で 抱 えていくことは さまざまな 理 由 で 現 実 的 ではないため 技 術 を 有 す る 外 部 に 委 託 することになる この 仕 組 みが 機 能 していれば 問 題 はないが 機 能 していない 場 合 大 きな 問 題 が 発 生 することになる 本 論 考 では 公 立 図 書 館 において 実 際 に 大 きな 問 題 となった 事 例 を 題 材 として 検 討 していきたい なお 事 例 を 題 材 とする 関 係 上 実 在 の 自 治 体 図 書 館 に 言 及 することになるが 特 定 の 自 治 体 を 糾 弾 する 意 図 はなく あくまで 図 書 館 全 体 の 問 題 として 考 察 していく 2. 岡 崎 市 立 図 書 館 システムに 関 わる 一 連 の 事 件 2. 1. 岡 崎 市 の 概 要 岡 崎 市 は 人 口 376,120 人 (2010 年 4 月 1 日 現 在 ) ⑴ で 豊 田 市 とともに 愛 知 県 中 部 ( 西 三 河 ) を 代 表 する 都 市 であり 中 核 市 に 指 定 されている 徳 川 家 康 の 生 誕 地 として 知 られ 歴 史 的 に 西 三 河 地 方 の 中 心 都 市 として 機 能 してきた 近 年 は 隣 接 する 豊 田 市 が 人 口 では 上 回 るよ うになっているが 依 然 として 地 域 を 代 表 する 都 市 である トヨタ 自 動 車 の 中 枢 が 豊 田 市 にあるため 西 三 河 は 全 国 的 に 見 ても 富 裕 な 地 域 である 基 準 財 政 収 入 額 を 基 準 財 政 需 要 額 で 除 した 数 値 の 過 去 3 年 の 平 均 である 財 政 力 指 数 は 通 常 の 自 治 体 の 大 半 が 1 未 満 であるが 2004 年 度 から2008 年 度 までいずれも 1 以 上 を 保 っていて 7

自 治 体 として 富 裕 であるといえる その 他 の 財 政 の 状 況 を 見 ても 経 常 収 支 比 率 ( 人 件 費 等 の 自 治 体 運 営 上 の 固 定 費 の 比 率 80% 未 満 で 財 政 の 弾 力 性 があるとされている)については 近 年 硬 直 しつつある しかし 最 も 悪 化 している2008 年 度 時 点 でも81.1% であって 財 政 の 硬 直 化 の 程 度 はそれほどではな いといえる 公 債 費 比 率 も4.6% と 少 なく 自 治 体 として 財 政 的 な 逼 迫 度 は 少 ないといえる ⑵ 2. 2. 岡 崎 市 立 図 書 館 の 概 要 岡 崎 市 立 図 書 館 は 中 央 図 書 館 と 額 田 図 書 館 からなる 公 立 図 書 館 である 2006 年 1 月 1 日 に 額 田 郡 額 田 町 を 編 入 して 同 町 立 図 書 館 が 額 田 図 書 館 となったことによるものである 図 書 館 の 概 要 は 表 1 のとおりである 一 般 に 図 書 館 のストック 部 分 の 目 安 には 人 口 一 人 当 蔵 書 冊 数 ( 蔵 書 密 度 )が サービス 部 分 の 目 安 には 人 口 一 人 当 年 間 貸 出 冊 数 ( 貸 出 密 度 )が それぞれ 取 り 上 げられることが 多 い 現 在 全 国 平 均 は 蔵 書 密 度 が2.7 前 後 貸 出 密 度 が5.0 前 後 であるため 充 実 しているとはいいがたい 図 書 館 であることになる ただし 中 央 図 書 館 は 移 転 のため 2008 年 9 月 に 一 時 休 館 をして 11 月 に 新 中 央 図 書 館 が 開 館 している このため 予 算 やサービス 実 績 という 点 では イレギュラーな 状 態 であるた め 表 1 だけをもって 図 書 館 の 全 てを 評 価 するのは 不 公 平 な 部 分 もある 表 1 岡 崎 市 立 図 書 館 の 概 要 及 び 実 績 (2008 年 度 ( 一 部 前 後 の 年 度 )) 図 書 館 名 岡 崎 市 立 中 央 図 書 館 岡 崎 市 立 額 田 図 書 館 延 床 面 積 (m2) 7,895 562 蔵 書 冊 数 ( 冊 ) 図 書 館 費 ( 千 円 ) 総 数 うち 開 架 (2007 年 度 決 算 ) 710,844 302,565 544,601 56,703 43,749 19,650 図 書 館 名 職 員 数 (カッコ 内 は 司 書 の 数 ) 資 料 費 ( 千 円 ) 専 任 職 員 非 常 勤 職 員 委 託 派 遣 職 員 (2007 年 度 決 算 ) 岡 崎 市 立 中 央 図 書 館 岡 崎 市 立 額 田 図 書 館 18(9) 0 18(8) 0 58(27) 5(2) 55,629 2,763 図 書 館 名 個 人 貸 出 数 登 録 率 人 口 一 人 当 蔵 人 口 一 人 当 個 人 書 冊 数 ( 冊 / 人 ) 貸 出 数 ( 冊 / 人 ) 岡 崎 市 立 中 央 図 書 館 1,502,015 岡 崎 市 立 額 田 図 書 館 38,639 37.71% 2.12 4.25 * 日 本 の 図 書 館 2009 FD 版 のデータをもとに 作 成 2. 3. 岡 崎 市 立 図 書 館 の 図 書 館 システムをめぐる 事 件 の 経 緯 岡 崎 市 立 図 書 館 は 2006 年 1 月 の 旧 額 田 郡 額 田 町 の 編 入 合 併 を 控 えた2005 年 6 月 にコン ピュータシステムを 三 菱 電 機 インフォメーションシステムズ( 以 下 MDIS)の MELIL CS ver.5.0に 変 更 した ⑶ 当 初 は 問 題 なかったものの 2010 年 になって 一 連 のトラブルが 発 覚 8

した 以 下 簡 単 に 経 緯 ( 表 2 参 照 )を 見 ていきたい 岡 崎 市 では 新 しい 図 書 館 を 建 築 する 計 画 が2000 年 前 後 から 進 められていた なお 新 規 に 図 書 館 を 建 築 する 場 合 には 基 本 構 想 段 階 から 開 館 に 至 るまで 数 年 から10 年 程 度 の 期 間 を 要 することが 多 いので 特 にこの 計 画 が 時 間 をかけすぎているわけではない 一 方 で 平 成 の 大 合 併 の 中 で 額 田 郡 額 田 町 を 編 入 合 併 することになる このような 全 体 的 な 状 況 の 中 で 2005 年 に MDIS とコンピュータシステムの 契 約 を 結 ぶことになる さて 2010 年 3 月 になって 図 書 館 の 熱 心 な 利 用 者 ( 年 間 約 100 冊 の 貸 出 )であるソフト ウェア 技 術 者 の 男 性 ⑷が 岡 崎 市 立 図 書 館 のウェブサイトの 新 着 図 書 ページが 使 いにくいた め 自 分 専 用 のサイトを 作 成 するためのプログラムを 作 成 した この 男 性 は 後 に 自 分 の 体 験 についてブログ ⑸ で 公 開 し そのサイトでは librahack と 名 乗 っているため この 男 性 を 示 すのに このハンドルネームをそのまま 使 用 することとする さて librahack が 作 成 したプログラムは 1 日 1 回 更 新 することで 毎 日 の 新 着 図 書 を 把 握 して 図 書 館 への 予 約 件 数 が 少 ない 場 合 には 岡 崎 市 立 図 書 館 サイトに 貸 出 予 約 の 手 続 きを 可 能 にし 予 約 件 数 が 多 い 場 合 にはアマゾンに 購 入 予 約 ができることを 意 図 していた librahack は 動 機 となった 新 着 図 書 ページの 使 いにくい 点 を 具 体 的 に 以 下 のように 指 摘 し ている ⑹ 新 着 図 書 が 多 すぎる( 各 カテゴリに200 冊 ぐらい) 新 着 図 書 の 対 象 期 間 が 長 すぎる( 3 ヶ 月 とか) あいうえお 順 に 並 んでいる( 新 着 順 にソートとかがない) そもそも 新 着 ( 入 荷 )した 日 付 がないので いつ 入 ったか 不 明 この 新 着 図 書 ページは NDC の 類 目 表 ( 一 番 左 の 桁 ) 別 にカテゴリが 設 定 されていて その 各 カテゴリに 分 類 される 図 書 の 一 覧 が 表 示 されている 一 覧 表 示 には 個 々の 図 書 へのリ ンクが 用 意 されていて ジャンプすると 予 約 件 数 が 表 示 されて 予 約 手 続 きのためのボタン が 含 まれた 詳 細 な 書 誌 事 項 が 記 載 されたページが 用 意 されている ちなみに 岡 崎 市 立 図 書 館 の 1 年 間 の 購 入 冊 数 は 2009 年 度 で 約 51,000 冊 ⑺で 受 け 入 れている これは 毎 日 150 冊 程 度 が 新 しく 受 け 入 れられることを 意 味 している なお 当 時 の 状 況 と 変 わっていなければ 受 け 入 れ 後 3 ヶ 月 程 度 表 示 されているので 12,000 冊 強 のデータが 表 示 されていることになる 当 然 これを 人 力 で 毎 日 確 認 するのは 物 理 的 に 無 理 なので librahack は 各 ページのコン テンツを 自 動 収 集 するプログラム(クローラ)を 用 意 した クローラとは Web を 自 動 的 に 巡 回 して 文 書 や 画 像 を 収 集 するプログラム ⑻ である クローラは 基 本 的 にはリンクを 辿 ってページを 収 集 することになるので 同 一 サイトに 対 して 多 数 回 アクセスを 行 うことに なる クローラは 10 年 以 上 前 から 検 索 エンジンで 使 用 されている 技 術 であり 特 殊 な 技 術 では なかった このため librahack は クローラ 自 体 には 問 題 がないと 考 え ただ 多 数 回 のア 9

表 2 岡 崎 市 立 図 書 館 システムの 事 件 関 連 年 表 ⑽ 年 月 日 出 来 事 2000 3 1 岡 崎 市 図 書 館 基 本 構 想 を 策 定 2003 1 1 岡 崎 市 額 田 町 合 併 協 議 会 を 設 置 愛 知 県 が 両 市 町 を 合 併 重 点 支 援 地 域 に 指 定 2004 3 18 岡 崎 市 新 図 書 館 基 本 計 画 を 公 表 2005 6 29 コンピュータシステムを NEC の 汎 用 機 から 三 菱 電 機 インフォメーションシステムズ 株 式 会 社 (MDIS)のクライアントサーバ 型 (MELIL CS ver.5.0)に 変 更 2006 1 1 額 田 郡 額 田 町 を 編 入 合 併 岡 崎 市 立 図 書 館 を 岡 崎 市 立 中 央 図 書 館 に 額 田 町 立 図 書 館 を 岡 崎 市 立 額 田 図 書 館 に 名 称 変 更 4 1 新 中 央 図 書 館 を 核 とした( 仮 称 ) 岡 崎 市 図 書 館 交 流 プラザ の 実 施 設 計 の 公 表 6 28 ( 仮 称 ) 岡 崎 市 図 書 館 交 流 プラザ 着 工 10 27 市 立 額 田 図 書 館 とコンピュータシステムを 統 合 2008 3 10 図 書 館 交 流 プラザ 完 工 9 1 新 図 書 館 開 館 準 備 のため 休 館 11 1 図 書 館 交 流 プラザ 開 館 2010 3 13-14 librahack が 自 身 で 利 用 するマッシュアップ 用 プログラム( 新 着 図 書 の 予 約 または Amazon での 購 入 を 行 うプログラム)の 一 部 としてクローラを 作 成 試 験 運 用 を 開 始 15 Web ページがエラーになると 外 部 から 苦 情 の 電 話 再 起 動 で 復 旧 16 15 日 と 同 様 の 現 象 19 MDIS はクローラによる 障 害 と 認 知 MDIS は 図 書 館 には 伝 達 せず( 以 後 も 技 術 的 観 点 からの 報 告 連 絡 は 行 われていない) 20-21 岡 崎 署 へ 電 話 相 談 4 2 捜 査 員 が 図 書 館 を 訪 れてヒアリング 5,8 MDIS はアクセスログを 岡 崎 市 立 図 書 館 に 提 出 上 旬 - 中 旬 アクセスログと 一 緒 に さくらインターネット ドメインのメールアドレスを 登 録 していた 利 用 者 4 人 の 氏 名 住 所 電 話 番 号 生 年 月 日 などの 情 報 も 県 警 の 照 会 に 応 じて 任 意 で 提 出 15 被 害 届 提 出 5 25 愛 知 県 警 による 強 制 捜 査 逮 捕 librahack はこのときまでサーバダウンの 事 実 を 知 らなかった 同 様 に このときまで 図 書 館 MDIS 警 察 その 他 すべてから librahack に 注 意 等 は 行 われていなかっ た 26 新 聞 各 紙 で 逮 捕 が 報 道 される 容 疑 は 4 月 2 日 から15 日 までに 約 33,000 回 岡 崎 市 立 図 書 館 のサイトにアクセスして 機 能 を 停 止 さ せ 図 書 館 の 業 務 を 妨 害 したものとされている 6 上 旬 最 初 の 勾 留 期 間 終 了 時 点 までには 警 察 検 察 とも librahack がサイバー 攻 撃 を 仕 掛 けていたわけ ではないとは 認 識 14 起 訴 猶 予 処 分 として 釈 放 19 librahack ブログを 公 開 7 20 岡 崎 市 立 図 書 館 協 議 会 開 催 8 21 朝 日 新 聞 にて 図 書 館 ソフトに 不 具 合 があり 大 量 アクセスによる 攻 撃 を 受 けたように 見 えていた と 報 道 9 1 岡 崎 市 立 図 書 館 が 公 式 見 解 を 発 表 9 3 MDIS が 公 式 見 解 を 発 表 9 28 岡 崎 市 立 中 央 図 書 館 の 利 用 者 の 個 人 情 報 漏 洩 について 記 者 会 見 報 道 MDIS のサイトから 岡 崎 市 立 図 書 館 の 事 例 紹 介 ページが 削 除 10 15 岡 崎 市 が MDIS との 契 約 破 棄 を 発 表 11 26 愛 知 県 岡 崎 市 が 記 者 会 見 MDIS を 1 年 6 カ 月 間 の 指 名 停 止 処 分 10 月 15 日 に 発 表 した 契 約 の 解 除 に 伴 う 違 約 金 は MDIS が 負 担 次 期 システムの 導 入 時 期 を2013 年 1 月 に 設 定 それまでは 現 行 の MDIS のシステム( 保 守 は 無 償 ) を 使 用 岡 崎 市 立 中 央 図 書 館 長 9 月 1 日 見 解 の システムに 不 具 合 はない MDIS に 責 任 はない とした 発 言 を 撤 回 librahack へのコメントを 求 められ たいへん 気 の 毒 なことだったと 思 う と 回 答 ( 謝 罪 ではない) 岡 崎 市 としての 見 解 は 現 時 点 でも 9 月 1 日 付 の 文 書 で 出 されたことに 尽 きるとも 30 MDIS が 記 者 会 見 閲 覧 障 害 問 題 と 個 人 情 報 流 出 問 題 について 謝 罪 librahack への 謝 罪 はあったものの 限 定 的 な 謝 罪 12 9 岡 崎 市 立 中 央 図 書 館 の 9 月 1 日 の 公 式 見 解 が 削 除 訂 正 のお 知 らせや 謝 罪 等 はない 10

クセスによるコンピュータシステムへの 負 荷 のみを 検 討 してプログラムを 作 成 した ⑼ ところが 岡 崎 市 立 図 書 館 のコンピュータシステムは このような 機 械 的 アクセスに 対 処 できるように 作 成 されてはいなかった 現 在 では このような 機 械 的 アクセスがインター ネット 上 のアクセスのかなりの 割 合 を 占 めているので 回 答 を 相 手 が 受 信 した 時 点 で 接 続 を 終 了 するなどの 対 処 を 図 るのが 普 通 である しかし このシステムは 1 回 のホームペー ジアクセスに 対 して10 分 間 データベースとの 接 続 を 維 持 する 仕 様 ⑾ となっていた この ため 次 々と 行 われるアクセスに 対 して 一 つ 一 つ10 分 間 の 接 続 を 維 持 することになり 同 時 接 続 数 の 上 限 を 超 えて システムが 不 調 になったのである これまで 見 てきたように librahack は 意 図 的 に 図 書 館 システムに 障 害 を 発 生 させる 意 図 はなかった むしろ 技 術 的 な 対 応 が 不 十 分 であった 図 書 館 のコンピュータシステムに 不 備 があった しかし MDIS の 担 当 者 は システム 解 析 や 性 能 調 査 による 原 因 の 究 明 を 行 わず 図 書 館 への 説 明 も 不 十 分 ⑿ であった この 結 果 愛 知 県 警 による 強 制 捜 査 が 行 われ librahack は2010 年 5 月 に 逮 捕 され 6 月 に 不 起 訴 処 分 となった 当 初 は 大 量 アクセスという 表 現 が 使 われていたこともあって ハッキングという 形 で 報 道 されていたが 事 情 が 判 明 するにつれて 図 書 館 と MDIS の 不 備 が 指 摘 されるようになった 9 月 には 岡 崎 市 立 図 書 館 と MDIS から 相 次 いで 公 式 見 解 が 出 された 岡 崎 市 立 図 書 館 は 自 身 のシステムの 問 題 には 言 及 せず 利 用 者 の 方 におかれましては 情 報 収 集 のために 使 われる 手 段 が 他 の 利 用 者 に 迷 惑 をかけていないかどうかについて ご 配 慮 をお 願 いいたし ます ⒀ という 見 解 を 示 した MDIS も 自 社 製 品 の 不 備 を 指 摘 することなく 単 にアクセ ス 障 害 が 発 生 し 心 配 をかけたことを 詫 びている 内 容 であった ⒁ このような 状 況 が 大 きく 変 わったのが 9 月 末 に MDIS のシステムから 個 人 情 報 が 漏 えい していることが 報 道 されてからである MDIS は 岡 崎 市 立 図 書 館 のシステムを 開 発 したわ けであるが その 開 発 されたシステムを 元 に 一 般 向 けの 製 品 を 制 作 販 売 している この 過 程 の 中 で 岡 崎 市 立 中 央 図 書 館 様 のシステム 調 整 試 験 を 行 った 際 プログラムライブラ リの 修 正 結 果 を 元 のプログラムライブラリに 反 映 させ 岡 崎 市 立 中 央 図 書 館 様 の 個 人 情 報 データが 残 存 していることに 気 付 かず 製 品 版 として 他 の 図 書 館 へ 納 品 していた ⒂ librahack の 一 件 があった 上 で 単 純 な 過 失 による 個 人 情 報 流 通 であったため 批 判 的 な 見 解 が 一 気 に 高 まった 岡 崎 市 は 10 月 15 日 に MDIS との 契 約 を 破 棄 した そして 11 月 26 日 に 岡 崎 市 30 日 にMDISによる 記 者 会 見 が 行 われた それまで librahack のアクセスに 問 題 があるとしていたものを 図 書 館 システムの 不 備 と 認 め その 点 において librahack に 謝 罪 したものの 業 務 妨 害 で 逮 捕 され 起 訴 猶 予 になったこと 自 体 の 謝 罪 は 行 われず 彼 の 名 誉 は 回 復 していない 3. 岡 崎 市 立 図 書 館 システムの 問 題 点 岡 崎 市 立 図 書 館 システムに 関 わる 一 連 の 事 件 には 以 下 の 多 くの 問 題 点 があった 11

1 ) 妨 害 意 図 がないのにも 関 わらず 業 務 妨 害 とみなし 強 制 捜 査 から 逮 捕 に 至 った 過 程 2 )librahack の 名 誉 回 復 3 ) 個 人 情 報 の 取 り 扱 い 4 )MDIS の 怠 慢 5 ) 図 書 館 の 怠 慢 無 知 いずれも 様 々な 問 題 をはらんでいるが 図 書 館 のサービスに 関 連 があるものとして 3 ) から 5 )を 見 ていきたいので 1 )と 2 )は 簡 単 に 見 ていく 業 務 妨 害 は 犯 罪 を 構 成 する 要 件 として 手 段 としての 威 力 偽 計 の 認 識 が 要 求 ⒃ され ている 既 に 見 てきたように librahack は 新 着 図 書 ページの 使 い 勝 手 が 悪 いため 技 術 的 解 決 策 としてデータを 自 動 取 得 することを 目 的 としていたこと それなりに 図 書 館 のシステ ムに 与 える 負 荷 について 考 慮 していた これらの 記 述 が 正 しければ librahack に 業 務 を 妨 害 する 意 図 はなかったことになる また librahack のプログラムと 図 書 館 システムについて 朝 日 新 聞 は 専 門 家 に 鑑 定 を 依 頼 しているが 図 書 館 システム 側 に 不 具 合 があるという 回 答 を 複 数 得 ている ⒄,⒅ 警 察 検 察 に 技 術 的 な 理 解 があれば このような 経 過 を 辿 らず 警 告 を 受 けて 関 係 者 が 事 実 を 確 認 して 問 題 なく 解 決 していた 可 能 性 がある 以 上 のように まず 業 務 妨 害 の 捜 査 として 問 題 があることになる 次 に librahack の 名 誉 回 復 である 結 局 2010 年 11 月 の 岡 崎 市 MDIS の 会 見 の 結 果 librahack のアクセスには 違 法 性 がないと 被 害 者 の 側 が 認 めたにも 関 わらず librahack は 業 務 妨 害 容 疑 で 逮 捕 不 起 訴 処 分 という 前 歴 が 残 っている 岡 崎 市 MDIS とも 逮 捕 され たことを 気 の 毒 としていても librahack の 名 誉 回 復 には 消 極 的 なままである このため librahack は この 前 歴 を 賞 罰 の 欄 に 書 かなければならないという 不 名 誉 な 状 態 が 継 続 した ままとなっている そして 個 人 情 報 の 取 り 扱 いである 岡 崎 市 のシステムテストの 結 果 を 製 品 マスタに 反 映 させているが そもそもそのような 実 在 の 個 人 情 報 をテストで 使 用 するのであるならば そ の 取 扱 いには 万 全 の 注 意 が 必 要 である また 岡 崎 市 立 図 書 館 は アクセス 記 録 を 警 察 に 任 意 で 提 出 しているが これは 図 書 館 の 自 由 に 関 する 宣 言 の 趣 旨 からいって 極 めて 異 例 で ある 図 書 館 の 自 由 に 関 する 宣 言 には 図 書 館 は 利 用 者 の 秘 密 を 守 る という 項 目 があり 読 者 が 何 を 読 むかはその 人 のプライバシーに 属 することであり 図 書 館 は 利 用 者 の 読 書 事 実 を 外 部 に 漏 らさない ただし 憲 法 第 35 条 にもとづく 令 状 を 確 認 した 場 合 は 例 外 とす る 図 書 館 は 読 書 記 録 以 外 の 図 書 館 の 利 用 事 実 に 関 しても 利 用 者 のプライバシーを 侵 さない という 副 文 がついている ⒆ 岡 崎 市 立 図 書 館 は 犯 罪 被 害 にあったという 観 点 で 捜 査 協 力 のために 記 録 を 提 出 したものと 思 われるが 図 書 館 の 自 由 に 関 する 宣 言 の 趣 旨 を 考 えると アクセスの 正 体 を 見 極 めて ISP(インターネットサービスプロバイダ) 経 由 で 警 告 を 出 すなど 図 書 館 として 最 善 を 尽 くすことが 求 められた 最 善 を 尽 くさずに 安 易 に 個 12

人 情 報 を 警 察 に 提 出 した 行 為 を 見 て 利 用 者 が 図 書 館 に 不 信 感 を 持 つことは 容 易 に 想 像 がつ く 技 術 的 には システムの 開 発 保 守 を 担 当 していた MDIS の 対 応 に 一 番 問 題 があったと 思 われる まず MDIS は 2005 年 に 岡 崎 市 立 図 書 館 にシステムを 納 入 している しかし 2005 年 1 月 時 点 に 靖 国 神 社 は 小 泉 首 相 ( 当 時 )の 参 拝 による 周 辺 諸 国 の 反 発 からサイバー 攻 撃 を 受 けていることを 公 表 しているが 2004 年 9 月 から2005 年 1 月 の 間 で 最 大 で 1 秒 間 15,000 回 程 度 のアクセスを 受 けているとしている ⒇ つまり 2005 年 時 点 においても 1 秒 1 回 のアクセス 頻 度 はサイバー 攻 撃 とはみなしがたい 程 度 のものであり この 程 度 のアクセ ス 頻 度 でシステムがダウンすることには 技 術 的 な 不 備 があることになり 技 術 的 に 劣 ったシ ステムであるということになる また librahack のアクセスを 受 けて MDIS が 行 った 対 応 は アクセスに 対 する 接 続 の 方 法 を 根 本 的 に 変 更 するのではなく クローラのアクセスを 全 て 拒 否 する robot.txt という ファイルを 用 意 して アクセスを 締 め 出 しただけであった そもそもインターネットにおいては 全 てのコンテンツは 全 世 界 に 公 開 されているため 各 国 の 法 の 効 力 は 限 られている このため トラブルに 対 しては 最 初 に 技 術 的 に 対 応 する という 文 化 になっている, MDIS は こうしたインターネット 上 でシステムを 作 成 して 販 売 する 会 社 であるのにも 関 わらず 技 術 的 に 劣 ったシステムを 用 意 しただけではなく そ の 後 も 技 術 的 な 対 応 を 怠 っていた そして このような MDIS の 怠 慢 を 見 抜 けなかった 図 書 館 の 怠 慢 無 知 が 当 事 者 として 一 番 問 題 である そもそも librahack が 作 成 使 用 した 自 分 専 用 のサイトはマッシュアップ と 呼 ばれる 現 在 ではよくあるコンテンツ 生 成 の 考 えた 方 によって 構 築 されたものである マッシュアップとは 2 つ 以 上 の 曲 から 片 方 はボーカルトラック もう 片 方 は 伴 奏 トラッ クを 取 り 出 してそれらをもともとあった 曲 のようにミックスし 重 ねて 一 つにした 音 楽 の 手 法 であった ところが インターネット 上 で 様 々なサービスが 自 らのサービスをプログ ラム 的 に 活 用 できるようにする API(Application Programming Interface) が 公 開 される ようになったことから Web 上 に 提 供 されている 情 報 やサービスなどを 組 み 合 わせて 新 しいソフトウェアやサービス データベースなどを 作 ること もマッシュアップと 呼 ぶよ うなったのである librahack は ソフトウェア 技 術 者 であったので 当 然 このような 現 状 をよく 把 握 してお り アマゾンのページと 岡 崎 市 立 図 書 館 のサービスを 組 みあわせて 新 しい 図 書 を 予 約 件 数 に 応 じて 購 入 したり 予 約 したりすることで 自 身 の 図 書 館 利 用 をより 充 実 したものにしよ うとしたのである アマゾンは 既 に API を 公 開 していて 簡 単 にデータを 収 集 できるが 図 書 館 の 目 録 データは 簡 単 に 収 集 できなかったため クローラを 作 成 し これが 問 題 となった 自 分 の 必 要 度 と 予 約 件 数 を 参 照 して 貸 出 予 約 や 購 入 を 決 定 するというのはいたって 合 理 的 な 行 動 であり 図 書 館 としては むしろ API を 公 開 して 目 録 データを 自 由 に 収 集 して 活 用 できる 方 向 を 検 討 していくべきである しかし 岡 崎 市 立 図 書 館 は 2010 年 9 月 の 見 解 13

では 技 術 的 な 動 向 や 自 館 サイトの 技 術 的 課 題 に 対 して 一 切 の 反 省 もなく 自 分 たちが 想 定 する 範 囲 内 の 利 用 のみを 許 容 するという 傲 慢 な 態 度 に 終 始 している また 2010 年 7 月 には 図 書 館 協 議 会 が 開 催 されている 図 書 館 協 議 会 は 図 書 館 法 第 14 条 2 項 に 規 定 されている 図 書 館 の 運 営 に 関 し 館 長 の 諮 問 に 応 ずるとともに 図 書 館 の 行 う 図 書 館 奉 仕 につき 館 長 に 対 して 意 見 を 述 べる 機 関 である この 時 の 議 事 録 が 公 開 されて いるが 1 時 間 30 分 程 度 の 会 議 で この 事 件 に 関 しては 報 告 事 項 にすらなっておらず 討 議 は 一 切 記 録 されていない さらに 2009 年 度 の 事 業 評 価 によると 電 算 システム 運 用 に 2008 年 度 決 算 で 約 1 億 200 万 円 2009 年 度 予 算 では 約 6,900 万 円 が 計 上 されている こ れだけの 予 算 をかけていながら 一 連 の 事 件 に 対 して 有 効 な 手 立 てが 打 てなかったことは 税 金 の 執 行 として 妥 当 であったかという 疑 問 も 生 まれてくる 以 上 のように 岡 崎 市 立 図 書 館 の 対 応 が 適 切 であったかという 問 題 と 同 時 に 情 報 通 信 技 術 に 対 して 図 書 館 がきわめて 無 知 であることが 見 えてくる この 点 は 一 連 の 事 件 を 取 材 し ていた 新 聞 記 者 も 感 じて 以 下 のように 指 摘 している ( 略 ) 岡 崎 に 限 らず IT の 絡 む 問 題 にまったく 対 応 できない 図 書 館 を 取 材 のなかで 数 多 く 見 た 業 者 のずさんなシステム 管 理 のせいで 個 人 情 報 が 流 出 した 図 書 館 が 複 数 あったが 外 部 から 指 摘 されるまでどこも 気 付 かなかった ( 略 ) IT はひとごとという 顔 で これまでは 済 んでいたのだろう だが 周 囲 の 状 況 は 激 変 している ( 略 ) 現 場 に 危 機 感 が 乏 しい 様 子 なのが 気 になる 手 遅 れになる 前 に IT に 向 き 合 ってほ しい 一 連 の 事 件 の 中 で 多 くの 図 書 館 を 見 てきた 新 聞 記 者 の 指 摘 であり 重 く 受 け 止 める 必 要 が ある 4. 情 報 通 信 技 術 と 図 書 館 員 教 育 さきほどの 引 用 は 岡 崎 市 立 図 書 館 はいうに 及 ばず 図 書 館 全 般 が 情 報 通 信 技 術 に 無 知 で ある 傾 向 を 指 摘 しているのが 重 要 である また この 問 題 に 関 する twitter や 掲 示 板 への 一 般 人 の 書 き 込 みの 中 に 図 書 館 を 糾 弾 しない 記 述 が 見 受 けられる のが 大 変 問 題 である これは 図 書 館 員 が 情 報 通 信 技 術 を 知 らないから 仕 方 がない という 前 提 に 立 っているため である 図 書 館 はさまざまな 時 代 の 知 の 影 響 を 受 けて 知 識 技 能 を 開 発 し そして 活 動 を 続 け てきたことを 考 えると このような 時 代 の 技 術 と 乖 離 していく 状 況 は 図 書 館 にとって 好 ま しいことではない なお 筆 者 は 単 に 図 書 館 を 贔 屓 しているから このようなことを 主 張 しているわけでは ない 従 来 の 目 録 の 知 識 がインターネット 上 の 情 報 源 の 識 別 のためメタデータに 活 用 されて いったように 知 識 を 扱 うノウハウはコンピュータ 上 においても 適 用 可 能 なものと 考 えるか 14

らである ノウハウが 完 全 に 途 絶 えてしまうと その 技 術 を 復 活 させるのは 容 易 なことでは ない さて 一 般 に 司 書 課 程 の 履 修 者 は 人 文 系 ( 文 学, 歴 史 等 )の 専 攻 の 受 講 者 が 多 い こ とが 指 摘 されている このこと 自 体 は 問 題 ではないが 情 報 通 信 技 術 について 単 なる 一 人 の ユーザー 以 上 の 知 識 を 修 得 しないまま 司 書 となって 現 場 に 配 属 されるのは 問 題 である した がって 現 在 現 場 にいる 図 書 館 員 と 養 成 課 程 の 双 方 により 高 度 な 情 報 通 信 技 術 を 教 えていく 必 要 がある 養 成 課 程 においては 2012 年 度 より 新 科 目 図 書 館 情 報 技 術 論 が 創 設 される この 科 目 内 容 を 真 摯 に 組 み 立 てていくことが 重 要 であろう 一 方 図 書 館 員 については 職 場 の 全 員 担 当 職 員 管 理 職 としてそれぞれ 理 解 しておく 知 識 技 能 を 研 修 等 で 指 導 していく 必 要 がある 情 報 通 信 技 術 が 不 得 手 な 職 員 に 知 識 技 能 を 修 得 させるだけではなく 図 書 館 システムにか なりの 不 備 があることが 見 えてきた 現 在 改 善 を 図 ろうとしている 動 きもある たとえば 国 内 でオープンソースによる 図 書 館 システムの 設 計, 開 発 を 行 い, 全 国 に 普 及 を 図 るプロ ジェクト である Project Next-L(Community for Developing Next Library)がある 現 在 多 くの 図 書 館 では 岡 崎 市 立 図 書 館 と 同 様 商 用 図 書 館 システムを 購 入 しているが 改 良 速 度 が 遅 い 状 況 となっている 仮 に システム 更 新 時 にバージョンアップを 行 う 場 合 にも そのための 費 用 が 発 生 するなど 高 コスト 低 品 質 という 状 況 になっている そこで オープ ンソース( ソフトウェアの 設 計 図 にあたるソースコードを インターネットなどを 通 じて 無 償 で 公 開 し 誰 でもそのソフトウェアの 改 良 再 配 布 が 行 えるようにすること また そ のようなソフトウェア )で 図 書 館 システムを 開 発 することで 図 書 館 の 規 模 等 に 関 係 な く 導 入 できるできるだけ 安 価 で 標 準 化 された 図 書 館 システムの 構 築 を 目 指 している あるいは 日 本 図 書 館 協 会 では 情 報 システム 研 究 会 を 組 織 している この 研 究 会 代 表 の 西 野 一 夫 は 以 下 のように 図 書 館 のコンピュータシステムに 対 する 態 度 を 総 括 している 利 用 者 プライバシーを 守 るという 点 については 優 れて 高 い 視 点 は 持 ってはいたもの の, 利 用 者 本 意 のシステム 開 発 という 点 では 大 いに 疑 問 が 残 る 開 発 面 での 価 格 を 抑 え てそこで 得 られた 成 果 を,より 利 用 者 に 向 けたサービスの 向 上 に 向 けようとする 発 想 に 欠 けた 傾 向 があったことは 否 めない このような 総 括 を 踏 まえて Project Next-L と 連 携 してオープンソースの 図 書 館 システム の 構 築 を 目 指 して 活 動 を 行 っている 以 上 のような 様 々な 活 動 を 実 らせていくことで 初 めて 現 在 の 情 報 通 信 技 術 を 適 切 に 取 り 込 んだ 図 書 館 システムが 実 現 化 されていくことになるだろう 5.おわりに 筆 者 がある 地 方 の 市 立 図 書 館 の 新 館 建 築 基 本 計 画 策 定 に 関 わっていた 時 のことである そ 15

の 図 書 館 ではコンピュータによる 貸 出 管 理 が 導 入 されていなかったため 新 館 に 移 転 する 際 に 導 入 が 図 られることになった コンピュータで 貸 出 手 続 きを 可 能 にするためには 数 十 万 冊 のデータ 入 力 が 必 要 になる これをどうするのかが 話 題 になって 東 京 の 民 間 業 者 にデー タ 入 力 を 委 託 することを 告 げられて 私 を 含 む 学 識 者 側 は 一 様 に 首 をかしげた 国 立 国 会 図 書 館 の 目 録 データの CD-ROM が 当 時 販 売 されて 一 定 の 金 額 を 払 えばダウンロード 可 能 で あったからである ISBN が 付 与 されているような 図 書 の 大 半 は アルバイトとかに 検 索 をさせて 見 つけた データをダウンロードすれば 目 録 データはほとんど 用 意 できる どうしても 検 索 して 見 つ けられなかったデータのみを 民 間 業 者 にデータ 作 成 させればよい 検 索 を 担 当 する 人 間 を 地 元 で 雇 用 する 機 会 を 失 い 高 額 な 委 託 料 を 払 い しかも 目 録 データの 権 利 は 民 間 業 者 が 持 つ という 何 重 にも 業 者 に 食 い 物 にされている 現 状 があったわけである 図 書 館 員 が 情 報 通 信 技 術 を 修 得 することは 利 用 者 にとって 使 い 勝 手 のよいシステムを 提 供 するために 必 要 であるだけではなく 税 金 あるいは 貴 重 な 財 源 の 効 率 的 な 執 行 に 結 びつ く 図 書 館 員 は あらゆる 意 味 において 情 報 通 信 技 術 を 修 得 して 高 度 に 活 用 していく 義 務 が あるといえる 注 引 用 文 献 (URL は 全 て2011 年 1 月 9 日 確 認 ) ⑴ 岡 崎 市 統 計 ポータルサイト 分 野 別 検 索 ( 人 口 ) http://www.city.okazaki.aichi.jp/tokei-portal/toukei_search.asp?kensaku=1&jouken=%90l%8c%fb ⑵ 以 上 この 段 落 における 岡 崎 市 の 財 政 状 況 については 岡 崎 市 統 計 ポータルサイト 分 野 別 検 索 ( 財 政 ) 掲 載 のデータを 参 照 した http://www.city.okazaki.aichi.jp/tokei-portal/toukei_search.asp?kensaku=1&jouken=%8d%e0%90%ad ⑶ 以 下 の 両 サイトから 確 認 をしている 岡 崎 市 の 図 書 館 概 要 : 平 成 22 年 度 版 http://www.library.okazaki.aichi.jp/tosho/about/pdf/h22.pdf 弊 社 図 書 館 システムにおける 個 人 情 報 の 混 入 及 び 流 出 について(お 詫 び) http://www.mdis.co.jp/news/press/2010/0928.html ⑷ 図 書 館 HP 閲 覧 不 能 サイバー 攻 撃 の 容 疑 者 逮 捕 だが (1/2ページ) http://www.asahi.com/national/update/0820/ngy201008200021.html ⑸ Librahack : 容 疑 者 から 見 た 岡 崎 図 書 館 事 件 http://librahack.jp/ ⑹ なぜプログラムを 作 ったか( Librahack : 容 疑 者 から 見 た 岡 崎 図 書 館 事 件 内 エントリ) http://librahack.jp/okazaki-library-case/purpose.html ⑺ 岡 崎 市 の 図 書 館 概 要 : 平 成 22 年 度 版 http://www.library.okazaki.aichi.jp/tosho/about/pdf/h22.pdf ⑻ クローラー - 意 味 説 明 解 説 : ASCII.jp デジタル 用 語 辞 典 http://yougo.ascii.jp/caltar/%e3%82%af%e3%83%ad%e3%83%bc%e3%83%a9%e3%83%bc ⑼ 負 荷 について 考 えたこと( Librahack : 容 疑 者 から 見 た 岡 崎 図 書 館 事 件 内 エントリ) http://librahack.jp/okazaki-library-case/stress-test-thinking.html ⑽ 年 表 の 作 成 にあたっては 以 下 のコンテンツを 参 照 している 2010 年 以 前 は 1. 2. のコンテンツを 元 に 作 成 し 2010 年 分 は librahack 関 連 については 3. を それ 以 外 は 4. を 元 にしている そして 11 月 30 日 の MDIS の 記 者 会 見 については 5. を 参 照 している なお twitter のツィートを 情 報 源 と しているものについては 実 際 のツィートが 確 認 できる 範 囲 までの 記 述 としている 1. 岡 崎 市 額 田 町 合 併 協 議 会 ( 総 務 省 自 治 行 政 局 市 町 村 体 制 整 備 課. 合 併 デジタルアーカイブ) http://www.gappei-archive.soumu.go.jp/db/23aiti/2311oka/ 16

2. 岡 崎 市 の 図 書 館 概 要 : 平 成 22 年 度 版 http://www.library.okazaki.aichi.jp/tosho/about/pdf/h22.pdf 3. Librahack : 容 疑 者 から 見 た 岡 崎 図 書 館 事 件 http://librahack.jp/ 4. 岡 崎 市 立 中 央 図 書 館 事 件 等 議 論 と 検 証 のまとめ http://www26.atwiki.jp/librahack/ 5. 11/30 岡 崎 市 立 中 央 図 書 館 事 件 に 関 する 三 菱 電 機 インフォメーションシステムズ 記 者 会 見 : 津 田 大 介 さんによる tsuda りまとめ #librahack http://togetter.com/li/74163 ⑾ 弊 社 図 書 館 システムに 生 じた 問 題 について(お 詫 び) http://www.mdis.co.jp/news/press/2010/1130.html ⑿ ⑾ ⒀ 岡 崎 市 立 中 央 図 書 館 のホームページへの 大 量 アクセスによる 障 害 について http://www.library.okazaki.aichi.jp/tosho/about/files/20100901.html *なお 同 ページは 岡 崎 市 立 図 書 館 のサイトからはリンクを 辿 れない(いわゆるデッドリンク)よ うになっている ⒁ 弊 社 図 書 館 システム について http://www.mdis.co.jp/news/topics/2010/0903.html ⒂ 弊 社 図 書 館 システムにおける 個 人 情 報 の 混 入 及 び 流 出 について(お 詫 び) http://www.mdis.co.jp/news/press/2010/0928.html ⒃ デジタル フォレンジック 研 究 会 第 115 号 コラム アクセス 巡 回 の 自 動 化 プログラムと 業 務 妨 害 罪 http://www.digitalforensic.jp/expanel/diarypro/diary.cgi?no=251&continue=on ⒄ ⑷ ⒅ 図 書 館 HP 閲 覧 不 能 サイバー 攻 撃 の 容 疑 者 逮 捕 だが (2/2ページ) http://www.asahi.com/national/update/0820/ngy201008200021_01.html ⒆ 日 本 図 書 館 協 会 図 書 館 の 自 由 委 員 会 編. 図 書 館 の 自 由 に 関 する 宣 言 1979 年 改 訂 解 説 : 第 2 版. 日 本 図 書 館 協 会,2004,127p. ⒇ 靖 国 神 社 サイトにサイバー 攻 撃 続 く http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0501/06/news100.html 岡 崎 市 立 図 書 館 事 件 に 見 るネットと 法 執 行 機 関 のズレ http://pc.nikkeibp.co.jp/article/column/20100901/1027224/?p=2 安 田 英 久. 岡 崎 市 立 図 書 館 は 相 手 が 国 外 だったらどうするつもりだったのだろうか http://web-tan.forum.impressrd.jp/e/2010/08/24/8655 MDIS の 技 術 的 な 不 備 や 怠 慢 について 糾 弾 するのが 本 論 文 の 目 的 ではないので 本 文 では 詳 細 に 述 べ ないが 多 くの 問 題 点 が 指 摘 されている たとえば 中 野 区 立 図 書 館 も 岡 崎 市 立 図 書 館 と 同 じ MDIS のシステムを 使 用 しているが 2008 年 9 月 には 新 着 図 書 のページに 対 する 苦 情 が 寄 せられている 両 自 治 体 の 新 着 図 書 ページの 内 容 は 若 干 詳 細 が 異 なるようであるが 表 示 される 件 数 が 多 すぎてチェックができないという 根 本 的 な 問 題 を 利 用 者 が 問 題 視 していることはこの 時 期 には 分 かっていたことになる( 中 野 区 立 図 書 館 に 寄 せられた ご 意 見 ご 要 望.http://www3.city.tokyo-nakano.lg.jp/tosho/voice/HPkoe0809.html) また 2010 年 4 月 に 改 正 された 国 立 国 会 図 書 館 法 では 国 立 国 会 図 書 館 が 国 地 方 公 共 団 体 等 の 公 共 機 関 を 対 象 に インターネット 上 で 公 開 されている 資 料 の Web クローラによる 収 集 を 認 めており 各 機 関 はその 収 集 に 適 切 に 対 応 しなければならないとしており 岡 崎 市 立 図 書 館 の 対 応 は 同 法 に 違 反 しているという 指 摘 がされている ( 高 木 浩 光. 国 会 図 書 館 の 施 策 で 全 国 の 公 共 機 関 の Web サイトが 消 滅 する( 岡 崎 図 書 館 事 件 (5)).http://takagi-hiromitsu.jp/diary/20100811.html#p01) そもそも robot.txt でクローラによるアクセスを 一 切 拒 否 するということは 検 索 エンジンの 検 索 対 象 とならないことを 意 味 しているため ネット 上 には 存 在 しないかのような 状 態 になることを 意 味 する 利 用 者 に 公 開 してサービスを 提 供 しようという 趣 旨 と 根 本 的 に 矛 盾 した 状 態 になっている そ もそもクローラによるアクセスは 現 在 頻 繁 に 行 われているため 任 意 のページへのアクセス 記 録 の 解 析 においては クローラによるアクセスを 判 別 して 取 り 除 く 必 要 があるとされている(クローラー (Crawler)(アクセスログ 解 析 用 語 集 )http://www.mitsue.co.jp/case/glossary/l_013.html) その 位 頻 繁 にアクセスしてくるクローラはもはや 技 術 的 に 当 たり 前 のものとなっており これを 排 除 するので 17

はなく 対 応 したシステムを 構 築 しなければならない さらに 個 人 情 報 の 漏 えいが 報 道 された 9 月 28 日 に MDIS は 自 社 のサイトの 事 例 紹 介 から 岡 崎 市 立 図 書 館 を 外 していることが 指 摘 されている( 流 石 三 菱 電 機 電 光 石 火 の 個 人 情 報 漏 洩 への 対 応 http://gutei.cocolog-nifty.com/hibikore/2010/10/post-d41a.html) こ の 記 述 が 真 実 で あ る な ら ば MDIS は 事 態 の 矮 小 化 にまず 取 り 組 んでいることになり さらに 不 信 感 を 募 らせるものとなっている マッシュアップ(wikipedia) http://ja.wikipedia.org/wiki/%e3%83%9e%e3%83%83%e3%82%b7%e3%83%a5%e3%82%a2%e3% 83%83%E3%83%97 API の 効 用 は IT 用 語 辞 典 e-words による 次 の 通 りになる 個 々のソフトウェアの 開 発 者 がソフトウェアの 持 つすべての 機 能 をプログラミングするのは 困 難 で 無 駄 が 多 いため 多 くのソフトウェアが 共 通 して 利 用 する 機 能 は OS やミドルウェアなどの 形 でまとめ て 提 供 されている 個 々の 開 発 者 は 規 約 に 従 ってその 機 能 を 呼 び 出 す だけで 自 分 でプログラミ ングすることなくその 機 能 を 利 用 したソフトウェアを 作 成 することができる マッシュアップ mash up (IT 用 語 辞 典 e-words) http://e-words.jp/w/e3839ee38383e382b7e383a5e382a2e38383e38397.html 平 成 22 年 度 第 1 回 岡 崎 市 図 書 館 協 議 会 会 議 録 http://www.city.okazaki.aichi.jp/appli/07/wp07_view_kaigiroku.asp?id=18 1143 平 成 21 年 度 基 礎 事 業 評 価 表 : 図 書 館 運 営 事 業 http://www.city.okazaki.aichi.jp/appli/11/pdf04/2009-0000003845.pdf 神 田 大 介. 図 書 館 と IT 向 き 合 わねば 存 亡 の 危 機 に. 朝 日 新 聞 2010 年 12 月 1 日 朝 刊 17 面 たとえば 以 下 の 記 述 が 見 受 けられる (MDIS は)IT 素 人 の 図 書 館 側 に 対 し,IT のスーバーバイザとしてまともに 機 能 してない. (http://twitter.com/qrrakakh/status/10128489445330944) 図 書 館 としては 自 分 たちは IT に 関 しては 素 人 だから 業 者 の 主 張 を 信 じるしかありませんでした 不 勉 強 で 業 者 の 主 張 を 鵜 呑 みにしてきたことについては 反 省 しています というのが 最 もダメー ジの 少 ない 幕 引 きだと 思 ったのですが 業 者 共 に 糾 弾 される 道 を 選 んだのは 意 外 (http://twitter.com/keikuma/status/21744622026) 図 書 館 は 素 人 なんだから 運 用 がクソなのはシステム 屋 の 責 任 だろ きちんとマニュアルとか 手 順 書 用 意 するのもシステム 屋 の 仕 事 ( IT 三 菱 開 発 の 図 書 館 システムが 全 国 でトラブル 続 出 5 月 にはサイバー 攻 撃 と 誤 解 され 逮 捕 者 も 書 き 込 みは http://digest2chnewsplus.blog59.fc2.com/blog-entry-20302.html で 確 認 ) これからの 図 書 館 の 在 り 方 検 討 協 力 者 会 議 (2006 年 ~2008 年 ). 司 書 養 成 の 関 するこれまでの 主 な 意 見 等 ( 検 討 のための 参 考 資 料 )( 第 7 回 会 議 配 布 資 料 ) http://www.mext.go.jp/a_menu/shougai/tosho/shiryo/07062109/002.htm Project Next-L Wiki http://next-l.slis.keio.ac.jp/wiki/wiki.cgi?page=frontpage オープンソース open source (IT 用 語 辞 典 e-words) http://e-words.jp/w/e382aae383bce38397e383b3e382bde383bce382b9.html 日 本 図 書 館 協 会 情 報 システム 研 究 会 のご 案 内 http://www.jla.or.jp/infosys/index.html 西 野 一 夫. 図 書 館 の IT 化 とは 何 であったのか(1): 公 共 図 書 館 における 総 括 を 例 にして. 図 書 館 雑 誌, vol.101, no. 10, p.700-701 (2007) 18