(研究目的)



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3 職 員 の 平 均 給 与 月 額 初 任 給 等 の 状 況 (1) 職 員 の 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 及 び 平 均 給 与 月 額 の 状 況 ( 平 成 24 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 一 般 行 政 職 岐 阜 県 類 似 団 体 平 均 年 齢 平 均 給

(5) 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しの 実 施 状 況 概 要 国 の 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しにおいては 俸 給 表 の 水 準 の 平 均 2の 引 下 げ 及 び 地 域 手 当 の 支 給 割 合 の 見 直 し 等 に 取 り 組 むとされている 総 合 的

5) 在 宅 医 療 提 供 体 制 の 検 討 退 院 に 関 わる 業 種 ごとに 部 会 を 立 ち 上 げ 在 宅 医 療 に 必 要 なことについて 検 討 していく またそれを 拠 点 整 備 事 業 委 員 会 が 統 括 し さらにそれを 拠 点 整 備 事 業 協 議 会 が 監

2 9. どんな 食 べ 物 に 反 応 を 起 こしますか?( 複 数 回 答 可 ) リンゴ モモ トマト メロン キウイ スイカ その 他 フルーツ 野 菜 ( ) ナッツ 類 豆 腐 豆 乳 その 他 マメ 類 ( ) 牛 乳 卵 鶏 肉 牛 肉 豚 肉 魚 類 ( ) 小 麦 グルコサミン

2 職 員 の 初 任 給 等 の 状 況 (1) 職 員 の 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 及 び の 状 況 (26 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 一 般 行 政 職 平 均 年 齢 静 岡 県 国 類 似 団 体 2 技 能 労 務 職 区 41.8 歳 42.6 歳 43.5

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2 職 員 の 平 均 給 与 月 額 初 任 給 等 の 状 況 (1) 職 員 の 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 及 び 平 均 給 与 月 額 の 状 況 ( 平 成 22 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 一 般 行 政 職 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 平 均 給 与

75 歳 以 上 の 方 の 後 期 高 齢 者 医 療 制 度 75 歳 になると 全 ての 方 が 後 期 高 齢 者 医 療 制 度 に 加 入 して 医 療 を 受 けます 後 期 高 齢 者 医 療 制 度 は 東 京 都 後 期 高 齢 者 医 療 広 域 連 合 が 主 体 となり 区

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3 職 員 の 初 任 給 等 の 状 況 (1) 職 員 の 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 及 び の 状 況 (24 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 一 般 行 政 職 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 ( ベース) 43.7 歳 32, , ,321

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2 職 員 の 平 均 給 与 月 額 初 任 給 等 の 状 況 (1) 職 員 の 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 及 び 平 均 給 与 月 額 の 状 況 ( 平 成 25 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 一 般 行 政 職 平 均 給 与 月 額 平 均 年 齢 平 均 給 料

毎 月 の 給 与 等 ( )を 一 定 の 等 級 区 分 にあてはめた 標 準 月 額 の 上 限 が 現 行 の47 等 級 から50 等 級 に 改 正 されます ( 別 紙 健 康 保 険 料 額 表 参 照 ) なお 法 改 正 に 伴 い 標 準 月 額 が 改 定 される 方 につい

Transcription:

中 医 学 によるアレルギー 性 鼻 炎 の 分 析 原 田 浩 一 目 次 1. はじめに 2. アレルギー 性 鼻 炎 とは 3. 生 活 環 境 からみたアレルギー 性 鼻 炎 の 原 因 4. 中 医 学 によるアレルギー 性 鼻 炎 の 分 析 1 五 臓 の 生 理 とアレルギー 性 鼻 炎 2 アレルギー 性 鼻 炎 の 発 生 メカニズム 5. 症 例 検 討 6. アレルギー 性 疾 患 における 刺 絡 治 療 の 効 果 7. 当 院 の 治 療 実 績 8. 私 見 9. 考 察 10. 結 語 1

はじめに 近 年 アレルギー 性 鼻 炎 は 日 常 よくみられる 疾 患 の 一 つとなって いますが 根 本 的 改 善 法 が 開 発 されていないため 罹 患 者 の 数 は 年 々 増 加 する 一 方 となっています そこで 当 院 では 数 年 来 アレルギー 性 鼻 炎 の 治 療 に 全 力 をあげて 取 り 組 んでまいりました 中 医 学 の 視 点 からアレルギー 性 鼻 炎 の 発 生 メカニズムを 分 析 し 針 灸 治 療 がどの ような 効 果 を 及 ぼすか 実 際 の 症 例 を 用 いて 報 告 致 します 最 初 にアレルギーについて 少 しみてみましょう アレルギーとは 正 常 とは 異 なった 反 応 という 意 味 です ウイ ルスや 細 菌 などの 病 原 体 が 私 たちの 体 内 に 忍 びこむと それに 抵 抗 する 物 質 ができ 再 び 同 じ 病 原 体 が 入 ってきた 時 にその 物 質 が 病 原 体 から 身 体 を 守 るように 作 用 します このような 生 体 の 反 応 を 免 疫 といい 体 内 にできる 物 質 を 抗 体 病 原 体 を 抗 原 といい ます しかし 抗 原 に 対 する 抗 体 のこのような 反 応 ( 抗 原 抗 体 反 応 )は 場 合 によっては 身 体 にとって 都 合 の 悪 い 結 果 をもたらします なぜな ら 抗 原 と 反 応 した 結 果 化 学 伝 達 物 質 が 分 泌 されるなど 身 体 に 悪 い 影 響 を 与 えることもあるからです 身 体 にはこのような 生 体 防 衛 2

機 能 が 生 まれつき 備 わっているのですが その 機 能 が 行 き 過 ぎるた めにアレルギー 症 状 が 引 き 起 こされるのです 花 粉 が 鼻 の 粘 膜 に 付 着 してアレルギー 反 応 を 引 き 起 こすと アレ ルギー 性 鼻 炎 の 三 大 症 状 ともいえる 鼻 の 中 が 痒 くなりくしゃみを 連 発 する 水 のような 鼻 水 が 大 量 に 出 て 止 まらない 鼻 づまりが 続 く といった 症 状 が 現 れます この 症 状 はしばしば 朝 起 きてから しばらくの 間 ひどくなります 花 粉 症 は 毎 年 決 まった 季 節 になると 発 症 し その 花 粉 の 飛 散 の 終 了 と 共 に 症 状 も 消 失 するので 季 節 性 のアレルギー 性 鼻 炎 といえま す 通 年 性 のアレルギー 性 鼻 炎 は 家 の 中 の 埃 や 塵 をアレルゲンとす る 場 合 が 多 く 他 にダニの 死 骸 やペットの 毛 など アレルゲンは 多 岐 にわたります 近 年 症 状 が 変 化 し 重 症 化 が 進 んでいます 以 前 は 鼻 汁 を 中 心 とした 症 状 が 主 でしたが 最 近 では 鼻 汁 に 対 し て 鼻 閉 を 主 とし 鼻 や 目 顔 の 乾 燥 や 痒 み さらに 手 足 や 全 身 の 湿 疹 痒 みなどの 皮 膚 症 状 を 呈 する 症 状 が 増 加 しています また 喉 の いがいが 感 や 咳 気 管 支 喘 息 の 症 状 を 訴 えるなど 多 彩 な 症 状 を 呈 3

しています スギだけでなくイネ 科 や 秋 草 など 複 数 の 花 粉 に 反 応 す る 人 季 節 性 と 通 年 性 の 両 方 のアレルギー 性 鼻 炎 をもつ 人 さらに 食 物 アレルギーや 口 腔 アレルギーを 持 つ 人 など アレルギーのフル コースと 呼 ばれるくらい 1 人 の 人 が 多 数 のアレルゲンを 持 つなど 重 症 化 が 進 んでいます なぜアレルギー 性 鼻 炎 に 罹 患 する 人 がこのように 近 年 になって 急 速 に 増 加 したのでしょうか? なぜこのように 症 状 が 変 化 し 症 状 の 複 雑 化 が 進 んでいるのでしょ うか? アレルギー 性 鼻 炎 の 原 因 は 花 粉 やホコリなどのアレルゲンなのでし ょうか? それとも 私 たち 自 身 の 体 質 なのでしょうか? 4

アレルギー 性 鼻 炎 の 原 因 の 考 察 生 活 環 境 からみたアレルギー 性 鼻 炎 の 原 因 花 粉 症 は 1955 年 頃 より 急 速 に 増 加 しました それまでと 何 が 変 わったのでしょうか? 1 多 飲 冷 飲 様 々な 飲 み 物 がいつでも 自 動 販 売 機 などで 簡 単 に 手 に 入 るように なり 甘 いジュースやコーヒーなどを 多 量 に 飲 むようになりまし た また 室 内 の 暖 房 施 設 の 普 及 に 伴 い 冬 でも 冷 たいビールやお 茶 を 飲 むようになりました 2 食 生 活 の 変 化 (1) 旬 のものは 勢 いがあり 身 体 に 良 いのですが 冬 に 夏 の 果 物 を 食 するなど 季 節 に 関 係 なく 一 年 中 何 でも 食 べるようになりました (2) 食 生 活 の 欧 米 化 によって 油 物 や 肉 類 などを 中 心 とした 食 生 活 と なり さらに 嗜 好 品 もケーキやクッキーなどの 洋 菓 子 が 増 える 一 方 で 野 菜 や 穀 物 などの 摂 取 が 大 幅 に 減 少 しました 5

3ストレス 機 械 化 が 進 み コンピュータの 導 入 で 社 会 生 活 はスピード 化 され 激 しい 競 争 社 会 の 中 で 時 間 に 追 われ 常 に 過 剰 なストレスを 抱 え るようになりました 4 住 環 境 の 変 化 (1) エアコンの 普 及 や 部 屋 の 機 密 性 の 向 上 により 体 内 の 温 度 調 節 機 能 が 低 下 しました (2) エアコンや 車 の 排 ガス 道 路 の 整 備 や 鉄 筋 コンクリートの 住 宅 により 日 中 の 気 温 が 上 昇 し ますます 高 温 多 湿 となりました 私 たちの 身 体 は 身 体 内 の 気 血 水 が 順 調 に 流 れることによっ て 健 康 を 保 っています しかし 以 上 のような 要 因 により 体 内 の 様 々 な 臓 腑 の 生 理 機 能 が 失 調 し 身 体 内 の 気 血 水 の 流 れに 影 響 をも たらし 特 に 体 内 水 分 の 代 謝 異 常 を 引 き 起 こしました すなわち 生 活 環 境 の 変 化 が 新 陳 代 謝 機 能 の 低 下 を 招 き 自 然 環 境 にうまく 適 応 できないような 体 質 を 作 り 上 げたのです このような 体 質 の 変 化 が 花 粉 症 に 罹 患 する 人 が 年 々 増 加 している 根 本 的 な 原 因 にあげら れます 6

中 医 学 によるアレルギー 性 鼻 炎 の 分 析 前 項 で 述 べたように 自 然 環 境 への 適 応 能 力 の 低 下 は 六 淫 ( 風 寒 湿 熱 燥 火 )の 影 響 を 受 けやすく 肺 の 宣 散 失 調 を 招 き 衛 気 が 鬱 滞 し 防 衛 力 が 低 下 し アレルギー 性 鼻 炎 を 起 こしやすく するのです それでは 五 臓 の 生 理 からアレルギー 性 鼻 炎 の 発 生 メカニズムをさ らに 詳 しく 分 析 しましょう 五 臓 の 生 理 とアレルギー 性 鼻 炎 脾 1 多 飲 や 冷 飲 肥 甘 厚 味 の 過 食 ストレスは 脾 気 を 損 傷 し 湿 や 痰 を 形 成 します 2 脾 の 運 化 機 能 の 低 下 は 気 血 の 生 成 を 妨 げ 衛 気 不 足 による 衛 気 虚 を 引 き 起 こします その 結 果 表 層 のガードが 低 下 し 外 邪 が 侵 入 しやすくなります 水 湿 の 運 化 が 弱 く 水 湿 停 滞 水 湿 外 出 飲 食 失 常 脾 胃 を 損 傷 する 衛 気 の 生 成 不 足 アレルギー 性 鼻 炎 防 衛 低 下 外 邪 侵 入 飲 食 失 常 によるアレルギー 性 鼻 炎 の 発 生 メカニズム 7

腎 腎 陽 不 足 によるケース 腎 陽 は 冷 飲 食 の 過 食 過 剰 な 冷 房 加 齢 などによって 消 耗 します また ストレスや 過 剰 な 精 神 活 動 などによって 心 火 が 上 部 に 亢 逆 し 下 降 できなくなると 腎 陽 不 足 を 引 き 起 こします 腎 陽 不 足 の 結 果 腎 水 の 蒸 騰 気 化 が 不 十 分 となり 腎 水 が 身 体 の 下 部 に 停 滞 し 全 身 を 巡 るべき 津 液 が 肺 に 停 滞 し 肺 の 宣 散 失 調 が 起 こります そのた め 水 湿 が 鼻 汁 として 溢 れ 出 るのです これは 近 年 臨 床 においてよく 見 られるケースです 腎 は 津 液 を 温 め 蒸 化 し 再 び 肺 に 送 り 体 内 水 分 が 全 身 に 巡 るよ う 推 動 する 働 きを 持 っているのです 腎 陰 不 足 によるケース 慢 性 的 な 過 労 や 睡 眠 不 足 などは 腎 陰 を 損 傷 し 陰 血 不 足 による 目 の 痒 みや 皮 膚 の 乾 燥 などをもたらします 肝 ( 心 ) 1 肝 鬱 により 全 身 を 巡 るべき 気 の 流 れが 鬱 滞 し 内 部 にこもると 表 層 の 気 の 流 れが 滞 り 肺 の 衛 気 の 働 きに 影 響 を 与 えます 全 身 を 8

バリアのように 覆 い 身 体 を 防 衛 する 衛 気 の 働 きが 低 下 すると 外 邪 は 容 易 に 身 体 内 に 侵 入 でき 肺 の 宣 散 失 調 を 引 き 起 こします つ まり 肝 鬱 によっても 外 界 の 変 化 への 適 応 がスムーズにいかなくな るのです 2 肝 火 は 心 火 を 誘 ってよく 上 炎 し 人 体 の 上 部 である 頭 顔 面 部 に 熱 燥 風 などの 陽 症 を 生 み 皮 膚 の 熱 症 状 乾 燥 痒 みなどを 引 き 起 こします 肝 鬱 の 長 期 化 は 肺 陰 や 腎 陰 の 損 傷 につながり 以 上 の 症 状 を 一 層 強 めます 過 剰 な 肝 気 の 昇 発 は( 木 侮 金 となり) 肺 の 宣 散 や 粛 降 の 機 能 を 失 調 させます そのため 津 液 が 表 層 に 留 まり 鼻 汁 として 溢 れる 一 方 で 気 の 流 れの 滞 りにより 生 じた 鬱 熱 が 鼻 閉 や 鼻 の 乾 燥 をもたらすのです 以 上 によって 鼻 閉 さらに 鼻 や 目 顔 の 乾 燥 や 痒 みを 主 とする アレルギー 性 鼻 炎 が 近 年 多 くみられるようになったのです 肝 は 常 にストレスの 最 前 線 に 立 って 戦 っているのですが 現 代 は 肝 鬱 の 種 が 蔓 延 し 尽 きないといえます 肺 鼻 は 肺 の 竅 であり アレルギー 性 鼻 炎 にみられる 喉 や 気 管 支 皮 膚 の 症 状 は いずれも 肺 の 生 理 と 関 係 しています しかし 肺 にみ 9

られるこれらの 病 証 はあくまで 標 象 であり 鼻 汁 のもとである 湿 の 形 成 衛 気 の 不 足 宣 散 の 異 常 をもたらす 根 本 的 な 原 因 は これま で 述 べてきたように 他 の 臓 腑 の 生 理 が 大 きく 関 係 しています です から 病 因 病 機 をよく 分 析 し 個 々の 発 生 メカニズムに 合 わせた 治 療 を 施 すことが 最 も 大 切 です 10

アレルギー 性 鼻 炎 の 発 生 メカニズムの 図 1 自 然 環 境 へ の 適 応 力 低 下 風 寒 湿 風 熱 燥 肺 の 宣 発 に 影 響 衛 気 鬱 滞 衛 気 不 足 病 邪 として 花 粉 やホコリは 侵 入 しやすい 2 過 食 冷 食 脾 の 運 化 が 低 下 する 気 血 不 足 外 因 ( 花 粉 など) 水 湿 停 滞 3ストレス 過 剰 など 肝 気 鬱 結 長 期 化 寒 湿 湿 熱 ア レ ル ギ ー 性 鼻 炎 肝 鬱 化 火 4 過 剰 な 精 神 活 動 心 火 上 炎 内 因 ( 体 質 ) 火 不 帰 元 腎 水 下 凝 心 腎 不 交 下 汲 腎 陰 5 過 労 睡 眠 不 足 房 事 過 多 など 腎 陰 不 足 6 冷 飲 の 過 食 過 剰 な 冷 房 腎 陽 不 足 気 化 不 利 宣 散 失 調 11

アレルギー 性 鼻 炎 に 見 られる 代 表 的 な3つの 症 例 通 常 よく 見 られる 症 例 のタイプを3つ 挙 げ 鍼 灸 と 中 薬 による 治 療 方 法 を 示 します 日 本 では 鍼 灸 師 の 立 場 で 中 薬 を 処 方 することは 出 来 ませんが 中 薬 学 を 学 ぶことは 鍼 灸 治 療 と 配 穴 を 考 える 上 でと ても 参 考 になるのです 症 例 タイプ1 弁 証 脾 肺 気 虚 気 虚 不 固 風 邪 外 侵 症 状 虚 弱 体 質 で 風 邪 にかかり 易 く 天 候 が 悪 化 すると 発 症 しやすくなる 鼻 汁 が 多 く サラサラで 水 のように 流 れ 出 る くしゃみ 息 切 れ 軟 便 舌 診 舌 質 : 淡 舌 苔 : 薄 白 12

脈 診 浮 弱 発 生 メカニズム 脾 虚 のため 気 血 の 生 成 が 十 分 でなく 肺 気 及 び 衛 気 が 不 足 して 抵 抗 力 が 低 下 し 風 邪 にかかりやすい また 舌 質 が 淡 い 脈 が 浮 いて 弱 いのは 気 血 の 不 足 を 表 している 治 療 方 法 補 気 固 表 疏 風 通 竅 針 灸 中 薬 による 代 表 配 穴 と 処 方 配 穴 鍼 灸 足 三 里 気 海 迎 香 風 池 列 缺 上 星 三 陰 交 処 方 中 薬 玉 屏 風 散 合 桂 枝 湯 加 蒼 耳 子 辛 夷 13

理 法 穴 技 花 粉 症 風 邪 外 侵 疏 風 通 竅 風 池 列 缺 上 星 迎 香 平 補 平 瀉 体 表 不 固 固 表 衛 気 虚 弱 補 気 足 三 里 気 海 三 陰 交 補 法 理 法 方 薬 花 粉 症 風 邪 外 侵 疏 風 通 竅 桂 枝 3g 白 芍 2g 玉 塀 風 散 合 生 姜 1g 大 棗 1g 桂 枝 湯 加 甘 草 1g 蒼 耳 子 辛 夷 蒼 耳 子 1g 辛 夷 1g 体 表 不 固 固 表 衛 気 虚 弱 補 気 黄 耆 3g 白 朮 2g 防 風 1g 14

症 例 タイプ2 弁 証 肺 腎 虚 弱 風 寒 外 侵 症 状 体 質 が 弱 く 寒 さを 嫌 がる( 畏 寒 肢 冷 ) 腰 及 び 下 半 身 が 特 に 冷 える 時 々 咳 が 出 て 鼻 が 詰 まり 鼻 汁 が 白 くて 薄 く くしゃみが 出 る 舌 診 舌 質 : 淡 白 ( 舌 が 白 くわずかに 苔 が 正 常 より 多 い) 脈 診 沈 弱 ( 脈 が 沈 んで 弱 い) 症 状 発 生 のメカニズム 寒 さを 嫌 がり 腰 や 下 半 身 が 冷 えるのは 体 を 温 める 元 である 腎 の 陽 気 が 不 足 しているため そのため 肺 気 も 不 足 し 衛 気 が 十 分 満 たされず 体 表 面 のガードが 弱 くなり 風 邪 の 侵 入 をたやすくする 治 療 方 法 補 腎 益 肺 温 陽 散 寒 腎 を 補 って 身 体 を 温 め 利 水 し 肺 気 を 補 い 宣 発 を 強 め 水 の 代 謝 と 体 表 面 のガードである 衛 気 を 強 める 上 記 鼻 水 が 多 い 寒 さが 強 いなどの 症 状 により 加 減 法 を 用 いる 15

針 灸 中 薬 による 代 表 配 穴 と 処 方 配 穴 鍼 灸 命 門 関 元 腎 兪 肺 兪 太 淵 迎 香 風 池 処 方 中 薬 麻 黄 附 子 細 辛 湯 加 蒼 耳 子 辛 夷 五 味 子 蓮 子 肉 党 参 黄 耆 胡 桃 肉 病 因 病 機 治 法 鍼 灸 中 薬 鍼 灸 手 技 鼻 竅 不 通 通 竅 迎 香 辛 夷 蒼 耳 子 平 補 平 瀉 肺 失 宣 発 宣 肺 通 竅 肺 兪 太 淵 麻 黄 細 辛 平 補 平 瀉 温 灸 使 用 肺 腎 虚 弱 温 肺 腎 陽 命 門 関 元 附 子 平 補 平 瀉 温 灸 使 用 16

配 穴 処 方 鍼 灸 中 薬 加 減 法 理 法 穴 技 花 粉 症 肺 竅 不 宣 宣 肺 通 竅 肺 兪 平 補 平 瀉 風 寒 外 侵 風 散 寒 太 淵 風 池 平 補 平 瀉 腎 陽 不 足 温 補 腎 陽 腎 兪 命 門 補 法 理 法 方 薬 花 粉 症 鼻 汁 が 多 い 斂 涕 五 味 子 1g 蓮 子 肉 1g 肺 竅 不 宣 宣 肺 通 竅 麻 黄 附 子 辛 夷 1g 蒼 耳 子 1g 甘 草 1g 風 寒 外 侵 風 散 寒 固 表 細 辛 湯 麻 黄 1g 細 辛 1g 加 減 党 参 2g 黄 耆 2g 腎 陽 不 足 温 補 腎 陽 附 子 2g 胡 桃 肉 2g 17

症 例 タイプ3 弁 証 寒 飲 内 停 肺 脾 失 調 症 状 気 温 の 変 動 気 候 の 変 化 により 鼻 詰 まりが 生 じ くしゃみを 伴 い 鼻 水 が 水 のように 流 れる 食 欲 不 振 痰 を 伴 う 咳 がある 痰 の 色 は 白 く 薄 い 舌 診 舌 質 淡 胖 大 ( 舌 の 色 が 淡 く ふくれて 大 きい) 苔 白 で やや 膩 苔 ( 白 くやや 粘 った 苔 がついている) 脈 診 滑 ( 川 の 石 ころの 上 を 流 れている 水 のように 回 転 して 滑 るように 指 を 押 す 感 覚 がある) 発 生 のメカニズム 冷 たい 水 が 肺 にたまって いっぱいになっている 肺 気 や 脾 気 の 失 調 による 脾 虚 生 湿 で 水 湿 が 増 加 しているのが 苔 の 状 態 でもわかる 外 気 が 寒 いと 体 内 にも 影 響 して さらに 宣 発 失 調 を 起 こして 鼻 水 18

や 咳 を 生 じる 治 療 方 法 温 化 寒 飲 宣 肺 健 脾 ( 脾 は 生 痰 の 源 で 肺 は 貯 痰 の 器 である 脾 虚 によって 生 じた 大 量 の 痰 飲 が 肺 にたまっているのを 取 り 除 く 体 内 の 痰 飲 を 温 肺 化 飲 法 で 取 り 除 き 体 表 に 侵 入 した 風 寒 の 邪 を 解 表 散 寒 法 によって 取 り 除 く ) 上 記 症 状 により 加 減 法 を 用 いる 針 灸 中 薬 による 代 表 配 穴 と 処 方 鍼 灸 配 穴 脾 兪 三 陰 交 肺 兪 合 谷 迎 香 上 星 中 薬 処 方 小 青 竜 湯 加 蒼 耳 子 辛 夷 病 因 病 機 治 法 針 灸 中 薬 鍼 灸 手 技 肺 竅 不 通 通 鼻 竅 迎 香 平 補 平 瀉 肺 失 宣 発 宣 発 肺 気 肺 兪 合 谷 小 青 竜 湯 補 法 温 灸 併 用 寒 飲 内 停 温 化 寒 飲 豊 隆 三 陰 交 平 補 平 瀉 脾 兪 温 灸 併 用 19

鍼 灸 加 減 法 の 配 穴 理 法 穴 技 花 粉 症 肺 竅 不 通 通 竅 止 涕 上 星 迎 香 平 補 平 瀉 肺 失 宣 発 宣 肺 肺 兪 列 缺 平 補 平 瀉 痰 飲 内 停 温 化 寒 痰 豊 隆 三 陰 交 平 補 平 瀉 中 薬 加 減 法 の 処 方 理 法 方 薬 花 粉 症 肺 竅 不 通 通 竅 止 涕 蒼 耳 子 1g 辛 夷 1g 肺 失 宣 発 宣 肺 小 青 竜 湯 麻 黄 1g 白 芍 1g 加 味 細 辛 1g 五 味 子 1g 痰 飲 内 停 温 化 寒 痰 乾 姜 1g 桂 枝 2g 半 夏 1g 甘 草 1g 20

症 例 検 討 ここからは 実 際 の 症 例 により 検 討 します 症 例 (1) 女 性 43 歳 初 診 1999 年 2 月 15 日 主 訴 鼻 水 現 病 歴 20 年 来 の 花 粉 症 毎 年 2 月 から 5 月 初 旬 にかけて 鼻 水 が 水 のように 溢 れ 出 す 6 月 7 月 は 症 状 少 し 軽 減 8 月 9 月 は 症 状 なし 10 月 11 月 は 2 月 から 5 月 初 旬 と 同 様 の 症 状 鼻 水 は 1 時 間 程 でハンカチが 濡 れてしまって 使 えなくなるほどで 花 粉 飛 散 期 は 毎 日 耳 鼻 科 に 通 院 1 年 のうち 8 ヶ 月 はこのような 状 態 が 続 く 減 感 作 療 法 は 2 年 ほど 続 けているが 効 果 がないため 来 院 症 状 イライラ 易 怒 大 息 21

生 理 前 には 乳 房 が 張 り 生 理 になると 血 塊 がある 焦 燥 感 多 夢 寝 つきが 悪 い 口 内 炎 頻 発 キーンという 耳 鳴 りが あり 耳 が 詰 まった 感 じがする 発 汗 : 少 水 分 摂 取 量 : 少 尿 : 頻 尿 多 量 四 肢 厥 冷 舌 診 暗 紅 色 舌 尖 紅 舌 苔 白 薄 苔 苔 やや 多 く 粘 滑 脈 診 渋 やや 弦 弁 証 肝 気 鬱 結 心 腎 不 交 治 療 方 法 標 治 (とりあえず 現 在 の 症 状 を 改 善 させる 治 療 法 ): 宣 肺 止 涕 本 治 ( 症 状 の 発 生 メカニズムである 根 本 的 な 原 因 に 対 する 治 療 法 ): 疏 肝 理 気 交 通 心 腎 22

疏 肝 理 気 ( 肝 の 気 を 巡 らせ 抑 鬱 された 気 分 を 解 消 させる) 清 心 降 火 ( 頭 脳 や 思 考 の オーバーヒートを 和 らげる) 温 補 腎 陽 ( 腎 の 身 体 腎 水 を 交 通 心 腎 (この3つ の 方 法 によって 心 と 腎 の 関 係 を 相 互 に 交 流 させる) 温 める 機 能 を 補 う) 理 ( 病 因 病 機 ) 治 法 穴 手 技 ( 根 本 的 な 病 気 の ( 具 体 的 な 治 療 法 ) (ツボの 名 前 ) ( 鍼 灸 の 技 術 ) 原 因 と 成 り 立 ち) 花 粉 症 肺 失 宣 発 水 液 不 化 温 肺 止 涕 肺 兪 温 灸 補 法 心 火 上 炎 清 心 降 火 労 宮 瀉 法 腎 陽 不 足 温 補 腎 陽 神 闕 腎 兪 温 灸 補 法 23

肝 気 鬱 結 疏 肝 理 気 合 谷 太 衝 内 関 瀉 法 治 療 経 過 週 3 回 1ヶ 月 間 で 鼻 水 は 50% 軽 減 耳 鼻 科 に 行 ったのは1 回 のみ 週 2~3 回 で 2 ヶ 月 後 (20 回 ) 鼻 水 は 90% 軽 減 3 ヶ 月 後 (+5 回 ) には 全 ての 症 状 改 善 以 後 月 2 回 体 質 管 理 のために 継 続 1 年 後 2 ヶ 月 ほど 治 療 が 中 断 再 び 鼻 水 が 出 あわてて 再 来 院 する も1 回 の 治 療 で 治 癒 すぐに 山 や 草 原 のウォーキングに 出 かけたが 全 く 症 状 は 発 生 しなか った その 後 現 在 にいたるまで 症 状 の 発 症 は 見 られない 考 察 この 患 者 さんの 発 症 の 機 序 は 次 のようになる 肝 気 鬱 結 肝 鬱 化 火 母 病 及 子 心 火 上 炎 心 火 が 亢 逆 し 下 降 できずに 腎 水 を 温 められない 腎 陽 不 足 により 水 分 が 蒸 騰 して 気 化 できない 心 腎 不 交 水 液 停 滞 外 溢 鼻 汁 花 粉 症 24

イライラ 易 怒 焦 燥 感 寝 つきが 悪 い 多 夢 口 内 炎 などをみ ると 明 らかに 熱 証 である しかし 頻 尿 で 量 が 多 く 手 足 がなかな か 温 まらないという 症 状 また 舌 診 において 薄 白 苔 滑 苔 が 見 ら れるのは 明 らかに 寒 証 である 虚 実 については 実 証 のようであるが 腎 陽 虚 を 挟 んでいるので 虚 実 挟 雑 証 である 3 種 類 の 証 候 を 持 ち 虚 実 寒 熱 が 挟 雑 しているといえる 臨 床 ではこのようなケースがほとんどなので 病 因 病 機 及 び 寒 熱 虚 実 をしっかり 捉 えることが 大 切 である 25

症 例 (2) 女 性 31 歳 婦 人 警 官 初 診 1998 年 7 月 5 日 主 訴 鼻 づまり 現 病 歴 18~22 歳 まで 公 害 訴 訟 で 有 名 な 地 域 で 交 通 課 勤 務 その 後 22 歳 の 時 にオフィス 街 に 転 勤 その 年 の 冬 鼻 詰 まりが 始 まり 以 来 10 年 間 風 邪 や 季 節 に 関 係 なく 1 年 中 鼻 が 詰 まっている 両 鼻 が 詰 まっているため 口 を 開 けないと 息 ができない 2 軒 の 耳 鼻 科 でアレルギー 性 鼻 炎 と 診 断 された アレルゲンは1 種 類 の 花 粉 だが 1 年 中 鼻 が 詰 まっているため 原 因 はそれだけではないと 言 われた 半 年 以 上 通 院 したが 全 く 変 化 がなく 以 後 内 科 に 転 医 し 点 鼻 薬 と 飲 み 薬 をもらったが 薬 は 眠 くなるので 点 鼻 薬 のみを 使 用 薬 が 切 れると 鼻 が 詰 まるので 1 日 6 回 4 時 間 毎 に 点 鼻 し 以 来 10 年 間 点 鼻 を 継 続 26

随 伴 症 状 食 欲 旺 盛 過 食 肉 や 油 物 が 大 好 き おかずに 醤 油 や 砂 糖 を 多 く 使 う 甘 いものをよく 食 べる 水 はほとんど 飲 まない 少 汗 不 渇 尿 は1 日 4~5 回 色 : 黄 左 肩 と 右 膝 の 裏 に 湿 疹 がよく 出 来 蚊 にかまれたように 赤 くふくれ る 走 ると 人 より 早 く 息 切 れする 立 ちっぱなしや 運 動 後 は 腰 がだるくなり 足 が 張 る 1ヶ 月 に1 度 は 鼻 出 血 頚 肩 が 常 に 張 る 自 責 感 大 息 イライラ 焦 燥 感 寝 つきが 悪 く 多 夢 手 足 厥 冷 のぼせる 顔 が 常 に 火 照 る 経 前 乳 張 経 色 紫 暗 血 塊 月 経 過 少 (3~4 日 ) 大 便 乾 結 27

運 動 後 や 風 呂 に 入 ると 改 善 増 悪 要 素 ビールを 飲 んだ 後 脈 診 72 回 / 分 弦 滑 舌 診 紅 絳 舌 舌 尖 紅 舌 辺 歯 痕 舌 苔 黄 膩 苔 本 湿 熱 内 停 標 肺 気 不 宣 肺 竅 不 通 治 療 方 法 標 治 清 瀉 心 火 温 補 腎 陽 により 交 通 心 腎 をはかり 宣 肺 して 通 竅 する 疏 肝 理 気 本 治 清 利 湿 熱 28

理 ( 病 因 病 機 ) 法 ( 治 法 ) 穴 手 技 花 粉 症 肺 気 不 宣 肺 竅 不 通 通 鼻 開 竅 太 陽 印 堂 迎 香 平 補 平 寫 湿 熱 内 停 清 利 湿 熱 内 庭 三 陰 交 天 枢 上 巨 虚 心 火 上 炎 清 寫 心 火 労 宮 少 府 寫 上 熱 下 寒 温 補 腎 陽 腎 兪 湧 泉 頭 寒 足 熱 をはかる 気 機 不 調 疏 肝 理 気 合 谷 内 関 太 衝 寫 治 療 経 過 4 回 の 治 療 で 11 時 間 10 回 で 22 時 間 30 分 12 回 で 24 時 間 30 分 点 鼻 薬 をささずに 済 むようになった 20 回 目 で 118 時 間 30 分 点 鼻 薬 をささなくても 我 慢 できた 以 後 20 時 間 から 36 時 間 とな り 8 月 21 日 点 鼻 薬 を 中 止 しかしこの 時 の 改 善 度 は 50% 前 後 で 苦 しい 時 は 点 鼻 薬 をさすこ とを 促 したが 本 人 の 意 思 でささなかった 以 後 節 食 により 体 重 51kg 49kg 月 毎 に 症 状 改 善 され 5 ヶ 月 目 で 症 状 の 完 全 な 改 善 に いたった 29

考 察 病 程 が 長 く 鼻 詰 まりが 激 しいが その 根 本 的 な 原 因 は 湿 で 湿 を 生 じる 原 因 は 飲 食 である 肉 や 油 物 が 大 好 きで 過 食 傾 向 にあり 肥 甘 厚 味 に 偏 っている このような 飲 食 は 脾 失 運 化 となり 水 湿 を 生 じ る 湿 疹 は 水 分 が 汚 れて 皮 下 にたまったもの ビールを 飲 んだ 後 に 鼻 が 詰 まるのは ビールが 湿 を 加 重 するため 運 動 と 風 呂 によって 改 善 するのは 気 機 の 流 れがスムーズになるため 湿 は 気 機 を 妨 げやすく 気 機 が 不 調 になると 走 ると 早 く 息 切 れし 鼻 詰 まりを 起 こす 気 の 滞 りにより イライラや 焦 燥 感 よくため 息 をつくなどの 症 状 が 起 こる 湿 鬱 化 火 し 火 撹 心 神 により 寝 つきが 悪 くなり 心 火 亢 盛 により 血 熱 が 妄 行 し 鼻 出 血 している 舌 診 と 脈 診 は 湿 熱 と 心 火 上 炎 の 状 態 を 表 している しかしこの 症 例 においては どうしても 治 りたい というご 本 人 の 痛 切 な 意 思 が 何 より 良 い 結 果 につながったといえる 30

症 例 (3) 男 性 55 歳 初 診 2004 年 2 月 21 日 主 訴 鼻 づまり 随 伴 症 状 喘 息 首 肩 のこり 現 病 歴 昨 年 9 月 より 鼻 がつまり 段 々 悪 化 し 一 日 中 口 を 開 けないと 息 がで きないほどになった 4 年 前 から 毎 年 秋 口 に 鼻 がつまり 本 年 は 2 月 になっても 続 いて 治 り そうにない 状 態 だった 病 院 でアレルギー 性 鼻 炎 と 診 断 され 飲 み 薬 と 点 鼻 薬 を 服 用 年 末 から 正 月 にかけて 喘 息 横 になっていると 胸 がつまり ヒューヒュー 音 がする 胸 がつまり 苦 しいので それを 開 こうとして 咳 が 出 る 咳 をすると 白 い 痰 が 出 る 芝 刈 を 行 うと 喘 息 が 起 きやすい 激 しいくしゃみが 4 5 回 連 続 して 起 こる 暖 房 の 効 いた 部 屋 にいると 足 は 冷 えるのに 顔 が 熱 くなり ボーッ とする 31

飲 み 薬 は 有 効 だが 服 用 すると 頭 がボーッとし 服 用 を 止 めると 元 に 戻 る 点 鼻 薬 は 有 効 だが 2~3 時 間 で 元 に 戻 り 使 用 回 数 が 増 加 ストレスにより 鼻 づまりが 悪 化 このままでは 悪 化 するだけで 改 善 されない 根 本 的 な 改 善 法 を 求 め て 来 院 脈 診 弦 78 回 / 分 舌 診 紅 絳 舌 やや 紫 舌 苔 薄 白 苔 やや 滑 舌 下 静 脈 怒 張 弁 証 肝 火 上 炎 肝 火 犯 肺 脈 弦 舌 診 紅 絳 舌 やや 紫 舌 下 静 脈 怒 張 肝 火 上 炎 顔 が 熱 くなる ストレスにより 鼻 づまりが 悪 化 32

胸 がつまるのを 開 こうとして 咳 が 出 る 喘 息 が 起 こり 横 になっていると 胸 が 詰 まってきてヒューヒュー 音 がし 肝 火 犯 肺 肺 失 宣 降 苦 しいので 咳 をすると 白 い 痰 が 出 る 治 療 方 法 疏 肝 泄 熱 宣 肺 通 竅 理 法 穴 技 鼻 づまり 宣 肺 通 竅 風 池 魚 際 肺 兪 瀉 太 淵 上 仰 香 尺 沢 肺 失 宣 降 疏 肝 泄 熱 合 谷 太 衝 行 間 内 関 瀉 肝 火 犯 肺 滋 水 涵 木 腎 兪 ( 温 灸 ) 太 谿 ( 温 灸 ) 33

経 過 治 療 は 週 2 回 初 回 より 症 状 の 軽 減 を 見 た 3 ヶ 月 で 鼻 づまりはほぼ 解 消 したが 過 剰 な 飲 酒 後 鼻 づまりが そして 週 末 の 庭 の 芝 刈 り 後 に 喘 息 発 作 が 起 こった( 月 1~2 回 ) 8 月 にはそれらの 症 状 も 起 こ らなくなった 本 人 の 希 望 により 11 月 まで 継 続 し 以 後 月 1 回 の 体 質 管 理 に 切 り 替 え その 後 症 状 は 全 く 出 ていない 34

2005 年 7 月 内 モンゴルで 開 催 された 第 2 回 中 国 全 国 刺 絡 学 会 に て 論 文 を 発 表 しました この 論 文 より2 症 例 をこれから 紹 介 します 研 究 目 的 アレルギー 性 鼻 炎 (アトピー 性 皮 膚 炎 )に 対 して 針 灸 治 療 及 び 刺 絡 治 療 がどのような 効 果 を 及 ぼすか 症 例 結 果 より 検 討 する 研 究 背 景 研 究 の 対 象 はアレルギー 性 鼻 炎 27 症 例 とアトピー 性 皮 膚 炎 1 症 例 と した 平 成 17 年 1 月 より 5 月 末 まで 花 粉 飛 散 の 最 盛 期 を 治 療 の 対 象 期 間 と した 実 際 の 経 過 28 症 例 中 24 症 例 は 弁 証 治 療 のみで 改 善 し 残 る 最 も 重 症 な4 症 例 には 弁 証 治 療 と 刺 絡 治 療 を 試 み 著 明 な 効 果 が 得 られた 刺 絡 治 療 を 試 みた 4 症 例 のうち アトピー 性 皮 膚 炎 1 症 例 とアレル ギー 性 鼻 炎 1 症 例 について 報 告 する 35

症 例 (4) 女 性 33 歳 初 診 2005 年 1 月 15 日 主 訴 1アレルギー 性 鼻 炎 2 口 腔 アレルギー 症 状 目 および 顔 面 部 の 痒 み 鼻 づまり 現 病 歴 16 歳 の 時 くしゃみ 鼻 水 鼻 づまり 目 の 痒 みが 起 こり 病 院 で アレルギー 性 鼻 炎 と 診 断 された 25 歳 になって 顔 面 部 特 にまぶた 目 の 下 眉 の 上 が 赤 く 乾 燥 一 日 中 痒 みが 続 くようになった この 頃 より 主 となる 症 状 が 鼻 水 から 鼻 づまりに 変 化 通 年 性 および 季 節 性 の 全 てのアレルゲンを 持 っており ほとんど 一 年 中 鼻 がつまり 顔 が 痒 くなり 12 1 月 を 除 き 症 状 が 増 悪 16 歳 の 時 より メロン スイカ 桃 キウイ 胡 瓜 皮 付 きの 茄 子 などを 食 べると 吐 き 気 がして 口 や 喉 が 痒 くなり 以 来 現 在 までそ れらを 食 することができない 病 院 では 口 腔 アレルギーと 診 断 このような 体 質 を 根 本 的 に 改 善 したく 来 院 36

随 伴 症 状 仕 事 中 のイライラ 易 怒 焦 燥 感 不 安 いくら 寝 ても 寝 足 りない 感 じがして 普 通 より 多 く 寝 ないと 身 体 の 疲 れがとれない 多 夢 のぼせ 足 の 冷 え むくみ 口 渇 喜 冷 飲 だが 冷 飲 すると 腹 痛 油 ものを 食 べると 胃 が 気 持 ち 悪 くなる 便 秘 気 味 で 2 日 に 一 度 硬 い 便 が 出 る 汗 をあまりかかない 嗜 好 甘 いもの 舌 診 紅 絳 舌 舌 尖 紅 舌 苔 薄 白 膩 苔 脈 診 72 回 毎 分 滑 弁 証 肝 鬱 気 滞 脾 虚 湿 蘊 心 火 亢 盛 ( 心 腎 不 交 ) 配 穴 疏 肝 解 鬱 合 谷 太 衝 行 間 内 関 健 脾 化 湿 脾 兪 陰 陵 泉 水 分 交 通 心 腎 少 府 腎 兪 太 谿 通 鼻 竅 迎 香 37

方 解 肝 火 が 胆 火 及 び 心 火 を 誘 って 頭 顔 面 部 に 上 昇 し 熱 邪 と 燥 邪 による 皮 膚 症 状 が 現 れている 肝 鬱 により 肺 気 が 宣 散 できずに 鬱 滞 して 鬱 熱 となり 肺 気 が 充 満 し て 鼻 閉 となり さらに 気 血 が 瘀 滞 し 一 層 頑 固 な 鼻 閉 を 引 き 起 こし ている 足 の 冷 えやむくみ のぼせなど 上 熱 下 寒 の 症 状 を 呈 しているのは 心 火 が 亢 逆 して 腎 陽 が 不 足 し 心 腎 不 交 となったためである 舌 診 では まるで 練 乳 につかったイチゴの 先 が 少 し 出 ているように 舌 先 が 紅 点 で 赤 く 染 まり それ 以 外 の 舌 の 大 部 分 は 真 っ 白 である これは 肝 鬱 気 滞 の 長 期 化 や 飲 食 の 偏 りによる 脾 の 過 剰 負 担 が 原 因 で 脾 虚 失 薀 となり 上 中 下 焦 に 湿 が 停 滞 していることを 表 している また 舌 尖 の 紅 点 は 心 火 を 表 し 上 焦 に 熱 邪 があることを 示 してい る 通 常 より 長 い 睡 眠 を 必 要 とするのは 脾 虚 失 薀 のためである 38

理 法 穴 技 花 粉 症 通 鼻 竅 迎 香 瀉 水 湿 上 犯 化 水 利 湿 水 分 瀉 肝 鬱 気 滞 脾 虚 湿 蘊 疏 肝 解 郁 健 脾 化 湿 合 谷 太 衝 行 間 内 関 脾 兪 陰 陵 泉 瀉 心 腎 不 交 交 通 心 腎 少 府 腎 兪 太 谿 少 府 瀉 3 月 7 日 より 4 月 6 日 まで 刺 絡 ( 週 1~2 回 以 下 のツボより 3~5 穴 選 穴 ) 腎 兪 太 谿 補 大 椎 清 熱 通 陽 大 敦 清 利 膀 胱 湿 熱 関 衝 清 利 三 焦 湿 熱 魚 際 清 瀉 肺 熱 商 陽 清 利 陽 明 湿 熱 4 月 7 日 以 降 5 月 末 まで 週 1~2 回 刺 絡 は 委 中 のみとする( 回 数 10 回 ) 委 中 ( 吸 引 ) 清 利 湿 熱 39

治 療 の 経 過 鼻 閉 鼻 水 くしゃみ 完 全 消 失 目 の 周 りの 痒 みのみ 少 し 残 存 治 療 後 の 症 状 以 前 は 蚊 にかまれると 10~15cm くらいの 内 出 血 ができ 2 週 間 く らい 痒 く 跡 の 消 失 には 1 ヶ 月 かかっていた 現 在 は 3cm ほどの 内 出 血 で 済 み 痒 みもすぐ 消 え 跡 の 消 失 は 一 週 間 になった ほとんど 毎 日 ステロイド 剤 を 塗 っていたが 現 在 は 薬 不 使 用 これまで 半 そでやスカートから 出 ている 手 足 の 部 分 に 出 ていたじん ましんが 出 なくなった 身 体 が 疲 れにくくなり 目 の 痛 み 解 消 寝 つき 寝 起 きが 改 善 起 床 時 顔 に 枕 の 寝 跡 がつかなくなった 足 のむくみ 解 消 40

症 例 (5) 女 性 37 歳 主 訴 アトピー 性 皮 膚 炎 初 診 2005 年 1 月 13 日 随 伴 症 状 首 肩 のこり 腰 痛 生 理 異 常 疲 れやすい 現 病 歴 29 歳 の 時 突 然 首 筋 が 赤 くなり あっという 間 に 痒 みが 肩 や 顔 全 体 に 広 がり 特 に 目 と 耳 の 周 りが 真 っ 赤 になった この 頃 多 忙 により イライラ 怒 りを 感 じることが 多 く ストレス がピークに 達 していた 病 院 ではアトピー 性 皮 膚 炎 と 診 断 ステロイド 剤 を 6 ヶ 月 使 用 したが 改 善 されず その 後 漢 方 薬 局 にて 柴 胡 清 肝 湯 を 併 用 するも 効 果 得 られず 生 理 前 3~4 日 ほど 帯 下 ( 不 正 出 血 ) 陰 部 掻 痒 経 質 粘 稠 血 塊 少 汗 増 悪 要 素 ストレス 仕 事 が 好 きでよくこなし かつ 一 生 懸 命 やり 全 くストレスとは 認 識 していない 41

現 症 皮 膚 が 赤 く 発 熱 し ザラザラと 乾 燥 ( 首 目 耳 の 周 り 額 ) 出 血 ( 首 と 耳 ) 皮 膚 の 黒 ずみ( 膝 の 裏 腰 背 中 肘 ) 舌 診 紅 暗 舌 やや 紫 舌 尖 紅 舌 下 静 脈 怒 張 舌 苔 薄 白 膩 苔 やや 黄 中 下 焦 に 多 い 脈 診 78/ 分 脈 状 弦 渋 洪 気 血 津 液 弁 証 気 滞 痰 湿 瘀 血 寒 熱 弁 証 実 熱 弁 証 肝 胆 実 火 三 焦 湿 熱 治 療 方 法 清 肝 瀉 火 清 利 三 焦 湿 熱 配 穴 合 谷 太 衝 内 関 行 間 侠 谿 内 庭 商 陽 外 関 関 衝 翳 風 方 解 肝 鬱 により 全 身 を 巡 るべき 気 の 流 れが 鬱 滞 して 内 部 にこもり 表 層 の 気 血 の 流 れが 滞 り 皮 膚 が 栄 養 されない 三 焦 の 気 化 機 能 の 失 調 により 肺 の 通 調 腎 の 蒸 化 膀 胱 の 気 化 機 42

能 に 影 響 し 津 液 代 謝 が 失 調 内 部 と 表 層 の 気 や 津 液 の 流 通 が 滞 り 血 瘀 となり 皮 膚 が 栄 養 滋 潤 されず 腰 や 背 部 膝 の 裏 肘 部 が 黒 肝 鬱 の 長 期 化 によ り 肝 火 が 胆 火 ( 胃 火 心 火 )を 誘 って 上 炎 頭 顔 面 部 や 頚 部 の 熱 や 燥 をもたらし 皮 膚 が 赤 く 炎 上 乾 燥 理 法 穴 技 肝 胆 実 火 三 焦 湿 熱 清 肝 瀉 火 清 利 三 焦 合 谷 太 衝 内 関 行 間 侠 谿 翳 風 外 関 関 衝 内 庭 商 陽 少 府 労 宮 瀉 3 月 5 日 より 5 月 末 まで 刺 絡 ( 週 1~2 回 以 下 のツボより 2~3 穴 選 穴 ) 大 敦 清 利 膀 胱 湿 熱 商 陽 清 利 陽 明 湿 熱 関 衝 翳 風 清 利 三 焦 湿 熱 委 中 ( 吸 引 ) 清 利 下 焦 湿 熱 少 府 労 宮 清 心 瀉 火 43

治 療 の 経 過 週 2 回 3 ヶ 月 (24 回 )の 治 療 顔 首 の 赤 み 痒 みが 劇 的 に 改 善 腰 背 中 膝 の 裏 の 黒 ずみが 改 善 きれいな 皮 膚 を 取 り 戻 す 肘 部 もほぼ 改 善 患 者 談 痒 みがほとんどなくなったことで イライラすることも 少 なくなり 良 い 集 中 ができるので 無 理 しなくても 以 前 より 仕 事 ができている 仕 事 中 忙 しさの 分 担 配 分 ができるようになった まぶたが 一 重 から 二 重 になった 考 察 皮 膚 症 状 は 首 の 左 右 外 側 前 後 面 肘 関 節 の 内 面 背 面 背 中 腰 部 膝 の 裏 に 及 ぶ 手 少 陽 三 焦 経 の 井 穴 関 衝 の 刺 絡 によって 肘 関 節 背 面 の 皮 膚 症 状 が 手 厥 陰 心 包 経 手 少 陰 心 経 の 栄 穴 労 宮 少 府 によって 肘 関 節 内 面 の 皮 膚 症 状 が 翳 風 の 刺 絡 によって 頚 部 の 皮 膚 症 状 が 劇 的 に 改 善 された また 委 中 の 刺 絡 によって 膝 の 裏 の 皮 膚 症 状 及 び 頭 顔 面 部 の 痒 みが 劇 的 に 改 善 された 44

皮 膚 症 状 はそれぞれの 経 の 経 絡 走 行 上 に 現 れている このようにアトピー 性 皮 膚 炎 では 多 経 絡 に 影 響 が 及 ぶことが 多 く 特 に 皮 膚 症 状 についてはそれぞれの 経 絡 の 病 証 の 改 善 を 図 ることで 良 い 結 果 を 導 き 出 すことが 出 来 る そのことは 薬 局 にて 柴 胡 清 肝 湯 を 購 入 し 服 用 したが 全 く 効 果 がな かったことからもうなずける アレルギー 性 疾 患 における 刺 絡 治 療 の 効 果 刺 絡 治 療 を 施 した4 症 例 全 てにおいて 主 訴 及 び 随 伴 症 状 の 改 善 に 著 明 な 効 果 が 得 られました 特 に 目 や 皮 膚 の 痒 み 皮 膚 の 乾 燥 熱 黒 ずみに 対 して 劇 的 な 改 善 を 得 ました 刺 絡 治 療 は 湿 邪 風 邪 熱 邪 瘀 血 の 改 善 に 有 効 であるといえます 45

当 院 の 治 療 実 績 治 療 期 間 治 療 は 週 2 回 をベースとし 症 状 の 重 い 時 期 は 3 回 軽 くなれ ば 1 回 1 証 候 の 軽 いもの(30%) 5~15 回 1~2 ヶ 月 で 改 善 身 体 も 楽 で 随 伴 症 状 も 改 善 2 証 候 の 重 いもの(10%) 1 年 間 かけて 根 本 的 改 善 3 証 候 の 普 通 のもの(50%) 1 シーズン(3~5 ヶ 月 )かけて 改 善 4 10%は 不 明 追 跡 できず 私 見 近 年 アレルギー 性 鼻 炎 の 根 本 的 な 改 善 を 求 めている 人 がだんだ ん 多 くなってきました しかしながら 一 般 に 鍼 灸 でアレルギー 性 鼻 炎 が 治 ることはまだあまり 知 られておりません 私 の 患 者 さんの 多 くも 当 院 で 初 めて 鍼 灸 によってアレルギー 性 鼻 炎 が 治 ると 聞 いて 46

治 療 を 始 めるのです 必 要 な 日 数 に 従 って 来 院 していただければ 証 候 の 軽 重 に 関 わら ず どの 証 候 もほぼ1 年 以 内 に 改 善 できています しかし 治 療 回 数 が 足 りなかったり 来 院 ペースを 守 れなかったりして 症 状 を 翌 年 に 持 ち 越 すケースも 30%くらいあります しかし その 場 合 も 翌 年 にはほぼ 全 員 症 状 が 軽 減 し 治 療 回 数 も 非 常 に 少 なくて 済 んでい ます 治 療 成 績 は 年 々 向 上 しており 根 本 的 な 改 善 を 求 めている 人 に 自 身 を 持 って 鍼 灸 治 療 をお 勧 め 致 します 考 察 臨 床 では 寒 熱 虚 実 が 挟 雑 し 2 つ 3 つの 証 候 が 重 なっているのが 普 通 です 関 連 する 経 絡 臓 腑 が 5 つ 以 上 に 及 ぶこともあり 病 因 病 機 をしっかり 分 析 し 証 候 をたてる 必 要 があります 湿 と 燥 に 見 られるように 寒 と 熱 という 一 見 相 反 するように 見 え 47

る 病 象 が 組 み 合 わさっているのも アレルギー 性 鼻 炎 の 特 徴 といえ ます それゆえ もつれた 糸 を 一 つ 一 つほぐすように しっかり 標 本 を 見 分 け 証 候 の 変 化 や 病 態 に 応 じて 的 確 な 治 療 を 施 すことが 大 切 なのです 結 語 アレルギー 性 鼻 炎 の 根 本 的 な 原 因 は 体 質 であり アレルゲンは 単 に 誘 因 に 過 ぎません ゆえに 針 灸 治 療 によってアレルギー 体 質 その ものを 改 善 すれば どんなに 重 症 な 病 態 でも 根 本 的 な 改 善 を 図 るこ とができるのです 針 灸 治 療 によってたくさんの 人 が 慢 性 的 症 状 から 開 放 されること を 願 ってやみません 参 考 文 献 2001 年 第 3 回 国 際 中 医 学 学 術 交 流 会 議 ( 中 国 天 津 にて 開 催 ) 発 表 論 文 より 2003 年 第 4 回 国 際 中 医 薬 学 術 交 流 会 議 ( 中 国 天 津 にて 開 催 ) 発 表 論 文 より 48

2005 年 第 2 回 中 国 全 国 刺 絡 学 会 ( 内 モンゴルにて 開 催 ) 発 表 論 文 より 中 医 学 による 花 粉 症 治 療 中 医 学 による 頭 痛 治 療 天 津 中 医 学 院 鍼 灸 学 部 長 教 授 郭 義 原 田 鍼 灸 整 骨 院 院 長 原 田 浩 一 共 著 源 草 社 刊 中 医 臨 床 通 巻 68 号 花 粉 症 の 中 医 学 的 とらえ 方 と 治 療 仙 頭 正 四 郎 49