平成21年度税制改正について



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( 参 考 ) 国 家 戦 略 特 別 区 域 法 ( 平 成 25 年 法 律 第 107 号 )( 抄 ) 国 家 戦 略 特 別 区 域 法 及 び 構 造 改 革 特 別 区 域 法 の 一 部 を 改 正 する 法 律 ( 平 成 27 年 法 律 第 56 号 ) による 改 正 後 (

私立大学等研究設備整備費等補助金(私立大学等

積 み 立 てた 剰 余 金 の 配 当 に 係 る 利 益 準 備 金 の 額 は 利 益 準 備 金 1 の 増 3 に 記 載 します ⑸ 平 成 22 年 10 月 1 日 以 後 に 適 格 合 併 に 該 当 しない 合 併 により 完 全 支 配 関 係 がある 被 合 併 法 人 か

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(12) 配当所得の収入金額の収入すべき時期

1 特 別 会 計 財 務 書 類 の 検 査 特 別 会 計 に 関 する 法 律 ( 平 成 19 年 法 律 第 23 号 以 下 法 という ) 第 19 条 第 1 項 の 規 定 に 基 づき 所 管 大 臣 は 毎 会 計 年 度 その 管 理 する 特 別 会 計 について 資 産

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03 平成28年度文部科学省税制改正要望事項

は 固 定 流 動 及 び 繰 延 に 区 分 することとし 減 価 償 却 を 行 うべき 固 定 の 取 得 又 は 改 良 に 充 てるための 補 助 金 等 の 交 付 を 受 けた 場 合 にお いては その 交 付 を 受 けた 金 額 に 相 当 する 額 を 長 期 前 受 金 とし

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定款

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平成16年度

損 益 計 算 書 ( 自 平 成 25 年 4 月 1 日 至 平 成 26 年 3 月 31 日 ) ( 単 位 : 百 万 円 ) 科 目 金 額 営 業 収 益 75,917 取 引 参 加 料 金 39,032 上 場 関 係 収 入 11,772 情 報 関 係 収 入 13,352 そ

(6) 事 務 局 職 場 積 立 NISAの 運 営 に 係 る 以 下 の 事 務 等 を 担 当 する 事 業 主 等 の 組 織 ( 当 該 事 務 を 代 行 する 組 織 を 含 む )をいう イ 利 用 者 からの 諸 届 出 受 付 事 務 ロ 利 用 者 への 諸 連 絡 事 務

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退職手当とは

2. 会 計 規 程 の 業 務 (1) 規 程 と 実 際 の 業 務 の 調 査 規 程 や 運 用 方 針 に 規 定 されている 業 務 ( 帳 票 )が 実 際 に 行 われているか( 作 成 されている か)どうかについて 調 べてみた 以 下 の 表 は 規 程 の 条 項 とそこに

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4 5 6 県 内 に 所 在 する 営 業 所 等 のうち 主 たるものから 本 県 分 を 一 括 納 入 県 内 に 所 在 する 各 営 業 所 等 から 当 該 営 業 所 等 分 を 納 入 この 場 合 において 特 別 徴 収 義 務 者 の 事 務 処 理 システム 上 必 要 あ

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Ⅲ 相 続 財 産 の 分 割 に 関 する 確 認 事 項 1 遺 言 がありますか? 有 遺 言 公 正 証 書 又 は 家 公 証 人 役 場 等 要 月 日 無 庭 裁 判 所 の 検 認 を 受 否 ( 通 ) けた 遺 言 書 2 死 因 贈 与 があります 有 贈 与 契 約 書 要

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2 前 項 に 定 める 日 に 支 給 する 給 与 は 総 額 給 与 を12 分 割 した 額 ( 以 下 給 与 月 額 という ) 扶 養 手 当 住 居 手 当 通 勤 手 当 単 身 赴 任 手 当 寒 冷 地 手 当 及 び 業 績 手 当 並 びに 前 月 分 の 超 過 勤 務

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情 報 通 信 機 器 等 に 係 る 繰 越 税 額 控 除 限 度 超 過 額 の 計 算 上 控 除 される 金 額 に 関 する 明 細 書 ( 付 表 ) 政 党 等 寄 附 金 特 別 控 除 額 の 計 算 明 細 書 国 庫 補 助 金 等 の 総 収 入 金 額 不 算 入 に 関

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税制面での支援

(ⅴ) 平 成 28 年 4 月 1 日 から 平 成 35 年 12 月 31 日 までの 期 間 未 成 年 者 に 係 る 少 額 上 場 株 式 等 の 非 課 税 口 座 制 度 に 基 づき 証 券 会 社 等 の 金 融 商 品 取 引 業 者 等 に 開 設 した 未 成 年 者 口

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4-3-4共立蒲原総合病院組合職員の育児休業等に関する条例

Transcription:

相 続 税 法 等 の 改 正 所 得 税 関 係 のその 他 の 改 正 目 一 特 定 退 職 金 共 済 制 度 の 改 正 185 二 家 事 関 連 費 等 の 必 要 経 費 不 算 入 制 度 の 改 正 188 三 電 子 証 明 書 を 有 する 個 人 の 電 子 情 報 処 理 組 織 による 申 告 に 係 る 所 得 税 額 の 特 別 控 除 制 度 の 改 正 190 四 オリンピック 競 技 大 会 における 成 績 優 秀 者 を 表 彰 するものとして 交 付 され る 金 品 の 非 課 税 制 度 ( 改 正 後 :オリン ピック 競 技 大 会 等 における 成 績 優 秀 者 を 表 彰 するものとして 交 付 される 金 品 等 の 非 課 税 制 度 )の 改 正 191 次 五 定 額 給 付 金 の 非 課 税 措 置 の 創 設 191 六 政 治 活 動 に 関 する 寄 附 をした 場 合 の 寄 附 金 控 除 の 特 例 又 は 所 得 税 額 の 特 別 控 除 制 度 の 改 正 194 七 山 林 所 得 に 係 る 森 林 計 画 特 別 控 除 制 度 の 改 正 195 一 特 定 退 職 金 共 済 制 度 の 改 正 ⑴ 特 定 退 職 金 共 済 団 体 が 行 う 退 職 金 共 済 に 関 する 制 度 ( 特 定 退 職 金 共 済 制 度 )に 基 づいて 支 給 される 給 付 で この 制 度 に 係 る 被 共 済 者 の 退 職 により 支 払 われる 一 時 金 については 退 職 所 得 として 年 金 については 公 的 年 金 等 に 係 る 雑 所 得 として 所 得 税 が 課 されることとされています ( 所 法 31 三 353 三 所 令 722 一 82の22 一 ) ( 注 1) 企 業 が 従 業 員 に 支 払 う 退 職 金 の 準 備 方 法 としては 企 業 内 引 当 ての 方 法 として 退 職 給 与 引 当 金 制 度 がありますが よりその 支 払 を 確 保 する 方 法 として 企 業 が 掛 金 を 企 業 外 の 他 の 法 人 等 に 拠 出 し 退 職 した 従 業 員 にはその 法 人 が 退 職 手 当 等 を 給 付 する い わゆる 企 業 外 拠 出 による 方 法 があります ( 注 2) この 企 業 外 拠 出 の 方 法 による 中 小 企 業 の 従 業 員 に 対 する 退 職 金 共 済 制 度 としては 中 小 企 業 退 職 金 共 済 法 に 基 づいて 独 立 行 政 法 人 勤 労 者 退 職 金 共 済 機 構 が 行 う 退 職 金 共 済 に 関 する 制 度 ( 中 小 企 業 退 職 金 共 済 制 度 ) がありますが その 要 件 や 従 業 員 の 在 職 年 数 の 分 布 等 が 異 なる 業 種 や 地 域 においては この 中 小 企 業 退 職 金 共 済 制 度 に 加 入 する 実 益 が 小 さいことに 配 慮 して 独 自 の 共 済 制 度 を 設 けることが 可 能 であり 民 間 の 共 済 団 体 が 行 う 退 職 金 共 済 制 度 のうち 中 小 企 業 退 職 金 共 済 制 度 とほぼ 同 様 の 要 件 を 満 たすも のとして 税 務 署 長 の 承 認 を 受 けた 特 定 退 職 金 共 済 団 体 が 行 う 退 職 金 共 済 制 度 につ いては 事 業 主 負 担 の 掛 金 や 従 業 員 に 支 給 される 退 職 一 時 金 等 に 対 する 課 税 上 の 取 扱 いが 中 小 企 業 退 職 金 共 済 制 度 に 対 する 取 扱 いとほぼ 同 様 に 定 められています ⑵ この 特 定 退 職 金 共 済 団 体 とは 退 職 金 共 済 事 業 を 行 う 市 町 村 ( 特 別 区 を 含 みます ) 商 工 会 議 所 商 工 会 商 工 会 連 合 会 都 道 府 県 中 小 企 業 団 体 中 央 会 退 職 金 共 済 事 業 を 主 たる 目 185

的 とする 公 益 社 団 法 人 若 しくは 公 益 財 団 法 人 又 ( 注 は 特 例 一 般 法 人 ) その 他 財 務 大 臣 の 指 定 する これらに 準 ずる 法 人 で その 行 う 退 職 金 共 済 事 業 について 次 に 掲 げる 要 件 を 備 えているもの として 税 務 署 長 の 承 認 を 受 けたものをいいます ( 旧 所 令 731) 1 多 数 の 事 業 主 を 対 象 として 退 職 金 共 済 契 約 を 締 結 することを 目 的 とし かつ 加 入 事 業 主 のみがその 掛 金 を 負 担 すること 2 被 共 済 者 のうちに 他 の 特 定 退 職 金 共 済 団 体 の 被 共 済 者 を 含 まないこと 3 被 共 済 者 のうちに 加 入 事 業 主 である 個 人 若 しくはこれと 生 計 を 一 にする 親 族 又 は 加 入 事 業 主 である 法 人 の 役 員 を 含 まないこと 4 掛 金 として 払 い 込 まれた 金 額 は 加 入 事 業 主 に 返 還 しないこと 5 掛 金 として 払 い 込 まれた 金 額 から 退 職 金 共 済 事 業 を 行 う 団 体 の 事 務 に 要 する 経 費 として 通 常 必 要 な 金 額 を 控 除 した 残 額 ( 資 産 総 額 ) は 公 社 債 預 貯 金 合 同 運 用 信 託 証 券 投 資 信 託 の 受 益 権 等 の 資 産 として 運 用 し かつ これらの 資 産 を 担 保 に 供 し 又 は 貸 し 付 けない こと 6 掛 金 の 月 額 は 被 共 済 者 1 人 につき30,000 円 以 下 であること 7 被 共 済 者 の 過 去 勤 務 期 間 又 は 合 併 等 前 勤 務 期 間 がある 場 合 において これらの 期 間 を 退 職 給 付 金 の 額 の 計 算 の 基 礎 に 含 めるときは その 退 職 給 付 金 の 額 の 計 算 の 基 礎 に 含 める 期 間 並 びにその 期 間 に 対 応 する 掛 金 の 額 及 びそ の 払 込 みについて 一 定 の 要 件 を 満 たすもの であること 8 退 職 をした 被 共 済 者 が 独 立 行 政 法 人 勤 労 者 退 職 金 共 済 機 構 から 退 職 金 相 当 額 の 引 渡 し を 受 けて 被 共 済 者 となった 者 である 場 合 には その 被 共 済 者 の 退 職 について 支 給 する 退 職 給 付 金 は その 計 算 の 基 礎 にその 退 職 金 相 当 額 を 含 むものであること 等 その 他 被 共 済 者 が 退 職 をした 場 合 において 一 定 の 定 めによるこ ととされていること 9 掛 金 の 額 又 は 退 職 給 付 金 の 額 について 加 入 事 業 主 又 は 被 共 済 者 のうち 特 定 の 者 につき 不 当 に 差 別 的 な 取 扱 いをしないこと 10 退 職 金 共 済 事 業 に 関 する 経 理 は 他 の 経 理 と 区 分 して 行 うこと ( 注 ) 特 例 一 般 法 人 とは いわゆる 特 例 民 法 法 人 として 存 続 する 公 益 法 人 制 度 改 革 前 の 旧 民 法 第 34 条 法 人 のうち 新 たな 法 人 制 度 の 対 象 となる 法 人 への 移 行 認 定 又 は 移 行 認 可 の 登 記 をしていないもの( 移 行 認 可 が 取 り 消 された ものを 除 きます )をいいます ⑶ 特 定 退 職 金 共 済 団 体 としての 承 認 を 受 けた 公 益 社 団 法 人 又 は 公 益 財 団 法 人 が 公 益 社 団 法 人 及 び 公 益 財 団 法 人 の 認 定 等 に 関 する 法 律 ( 平 成 18 年 法 律 第 49 号 )に 基 づきその 公 益 認 定 の 取 消 しの 処 分 を 受 けたことによりその 処 分 後 におい て 一 般 社 団 法 人 又 は 一 般 財 団 法 人 となった 場 合 であっても 原 則 として その 法 人 は 引 き 続 き 特 定 退 職 金 共 済 団 体 として 存 続 することができ ることとされています( 旧 所 令 731) ⑷ 特 定 退 職 金 共 済 団 体 としての 税 務 署 長 の 承 認 を 受 けようとする 法 人 は その 名 称 主 たる 事 務 所 の 所 在 地 退 職 金 共 済 事 業 の 責 任 者 の 氏 名 その 開 始 予 定 年 月 日 等 を 記 載 した 申 請 書 に 退 職 金 共 済 規 程 を 添 付 して 所 轄 税 務 署 長 に 提 出 しな ければならないこととされています( 旧 所 令 74 旧 所 規 19) また 上 記 承 認 の 申 請 をする 法 人 が 公 益 社 団 法 人 公 益 財 団 法 人 及 び 特 例 一 般 法 人 である 場 合 には その 申 請 書 に 退 職 金 共 済 規 程 のほか に 定 款 をあわせて 添 付 しなければならないこ ととされています( 旧 所 令 74) 2 改 正 の 内 容 ⑴ 特 定 退 職 金 共 済 団 体 として 税 務 署 長 の 承 認 を 受 けることができる 法 人 ( 以 下 承 認 申 請 団 体 といいます )の 対 象 範 囲 について 退 職 金 共 済 事 業 を 主 たる 目 的 とする 公 益 社 団 法 人 若 しく は 公 益 財 団 法 人 又 は 特 例 一 般 法 人 に 代 えて 新 たに 退 職 金 共 済 事 業 を 主 たる 目 的 とする 一 定 の 186

一 般 社 団 法 人 又 は 一 般 財 団 法 人 が 追 加 されまし た( 所 令 731) 上 記 の 改 正 を 受 けて 特 定 退 職 金 共 済 団 体 と しての 承 認 を 受 けた 公 益 社 団 法 人 又 は 公 益 財 団 法 人 が 公 益 社 団 法 人 及 び 公 益 財 団 法 人 の 認 定 等 に 関 する 法 律 ( 平 成 18 年 法 律 第 49 号 )に 基 づ きその 公 益 認 定 の 取 消 しの 処 分 を 受 けた 場 合 の 取 扱 い( 上 記 1⑶)は 廃 止 することとされま した( 旧 所 令 731) ⑵ 上 記 ⑴の 承 認 申 請 団 体 となる 一 定 の 一 般 社 団 法 人 又 は 一 般 財 団 法 人 とは 特 例 一 般 法 人 ( 上 記 1⑵( 注 )) 以 外 の 一 般 社 団 法 人 又 は 一 般 財 団 法 人 にあっては 次 に 掲 げる 要 件 を 満 たすも のに 限 るものとされました( 所 令 732 所 規 18 の4) 1 定 款 に 上 記 1⑵10の 退 職 金 共 済 事 業 に 関 す る 経 理 に 関 する 書 類 をその 主 たる 事 務 所 に 備 え 置 く 旨 並 びに 被 共 済 者 がその 書 類 を 閲 覧 で きる 旨 の 定 めがあること 2 定 款 に 特 定 の 個 人 又 は 団 体 に 剰 余 金 の 分 配 を 受 ける 権 利 を 与 える 旨 の 定 めがないこと 3 定 款 に 解 散 したときはその 残 余 財 産 が 特 定 の 個 人 又 は 団 体 ( 国 地 方 公 共 団 体 公 益 社 団 法 人 公 益 財 団 法 人 公 益 社 団 法 人 及 び 公 益 財 団 法 人 と 類 似 の 目 的 をもつ 一 定 の 法 人 又 は 当 該 一 般 社 団 法 人 若 しくは 一 般 財 団 法 人 と 類 似 の 目 的 をもつ 他 の 一 般 社 団 法 人 一 般 財 団 法 人 を 除 きます )に 帰 属 する 旨 の 定 めが ないこと 4 1から3まで 及 び5の 要 件 のすべてに 該 当 していた 期 間 において 特 定 の 個 人 団 体 に 剰 余 金 の 分 配 その 他 の 方 法 ( 合 併 による 資 産 の 移 転 を 含 みます )により 特 別 の 利 益 を 与 えることを 決 定 し 又 は 与 えたことがないこ と 5 各 理 事 について その 理 事 及 び 理 事 の 配 偶 者 又 は 三 親 等 以 内 の 親 族 その 他 のその 理 事 と 特 殊 の 関 係 のある 者 である 理 事 の 合 計 数 の 理 事 の 総 数 に 占 める 割 合 が3 分 の1 以 下 である こと ( 注 1) 上 記 の 要 件 は 公 益 法 人 制 度 改 革 によ り 創 設 された 一 般 社 団 法 人 又 は 一 般 財 団 法 人 が その 行 う 事 業 の 公 益 性 の 有 無 に かかわらず 準 則 主 義 ( 登 記 )により 法 人 格 を 取 得 できることを 踏 まえ 企 業 が 従 業 員 に 支 払 う 退 職 金 の 企 業 外 拠 出 によ る 方 法 の 一 つである 特 定 退 職 金 共 済 制 度 の 中 核 となる 特 定 退 職 金 共 済 団 体 として 税 務 署 長 の 承 認 を 受 けるに 当 たって そ の 事 業 に 係 る 適 正 性 を 担 保 する 観 点 から 設 けられたものです ( 注 2) 特 例 一 般 法 人 については 上 記 要 件 を 要 しないこととされていますが 特 例 一 般 法 人 が 一 般 社 団 法 人 又 は 一 般 財 団 法 人 となった 後 において 変 更 の 承 認 申 請 書 を 提 出 する 場 合 には 上 記 1から5まで の 要 件 を 満 たす 必 要 があります また 上 記 の 一 般 社 団 法 人 又 は 一 般 財 団 法 人 が 特 定 退 職 金 共 済 団 体 として 税 務 署 長 の 承 認 を 受 けるために 特 定 退 職 金 共 済 団 体 の 承 認 申 請 書 を 提 出 する 場 合 における 添 付 書 類 及 び 申 請 書 の 記 載 事 項 に 関 して 所 要 の 整 備 が 行 われました( 所 令 74 所 規 191 五 2 四 ) 3 適 用 関 係 上 記 2⑴ 及 び⑵の 改 正 は 承 認 申 請 団 体 である 法 人 が 平 成 21 年 4 月 1 日 以 後 に 申 請 書 を 提 出 する 場 合 について 適 用 し 同 日 前 に 申 請 書 を 提 出 した 場 合 については 従 前 どおりとされています( 改 正 所 令 附 則 3) 187

二 家 事 関 連 費 等 の 必 要 経 費 不 算 入 制 度 の 改 正 1 居 住 者 が 支 出 し 又 は 納 付 する 次 に 掲 げる ものの 額 については その 者 の 不 動 産 所 得 の 金 額 事 業 所 得 の 金 額 山 林 所 得 の 金 額 又 は 雑 所 得 の 金 額 の 計 算 上 必 要 経 費 に 算 入 しない こととされています( 所 法 451) イ 家 事 上 の 経 費 及 びこれに 関 連 する 経 費 で 一 定 のもの ロ 所 得 税 ( 利 子 税 で 一 定 のものを 除 きま す ) ハ 所 得 税 以 外 の 国 税 に 係 る 延 滞 税 過 少 申 告 加 算 税 無 申 告 加 算 税 不 納 付 加 算 税 及 び 重 加 算 税 印 紙 税 法 の 過 怠 税 ニ 地 方 税 法 の 規 定 による 道 府 県 民 税 及 び 市 町 村 民 税 ( 都 民 税 及 び 特 別 区 民 税 を 含 みま す ) ホ 地 方 税 法 の 規 定 による 延 滞 金 過 少 申 告 加 算 金 不 申 告 加 算 金 及 び 重 加 算 金 へ 罰 金 及 び 科 料 並 びに 過 料 ト 損 害 賠 償 金 (これに 類 するものを 含 みま す )で 一 定 のもの チ 次 に 掲 げる 法 律 の 規 定 による 課 徴 金 及 び 延 滞 金 国 民 生 活 安 定 緊 急 措 置 法 私 的 独 占 の 禁 止 及 び 公 正 取 引 の 確 保 に 関 する 法 律 金 融 商 品 取 引 法 公 認 会 計 士 法 2 居 住 者 が 供 与 をする 刑 法 第 198 条 ( 贈 賄 ) に 規 定 する 賄 賂 又 は 不 正 競 争 防 止 法 第 18 条 第 1 項 ( 外 国 公 務 員 等 に 対 する 不 正 の 利 益 の 供 与 等 の 禁 止 )に 規 定 する 金 銭 その 他 の 利 益 に 当 たるべき 金 銭 の 額 及 び 金 銭 以 外 の 物 又 は 権 利 その 他 経 済 的 な 利 益 の 価 額 (その 供 与 に 要 する 費 用 の 額 がある 場 合 には その 費 用 の 額 を 加 算 した 金 額 )は その 者 の 不 動 産 所 得 の 金 額 事 業 所 得 の 金 額 山 林 所 得 の 金 額 又 は 雑 所 得 の 金 額 の 計 算 上 必 要 経 費 に 算 入 しな いこととされています( 所 法 452) 2 改 正 の 趣 旨 及 び 内 容 ⑴ 改 正 の 趣 旨 1 罰 科 金 課 徴 金 ( 上 記 11ヘ 及 びチに 掲 げる 罰 金 及 び 科 料 若 しくは 過 料 又 は 課 徴 金 及 び 延 滞 金 をいいます )について 損 金 の 額 又 は 必 要 経 費 に 算 入 しないこととされているの は これを 損 金 の 額 又 は 必 要 経 費 に 算 入 する と その 納 付 すべき 法 人 税 又 は 所 得 税 が 減 少 することになり それだけ 制 裁 の 効 果 を 減 殺 することになるので その 違 法 行 為 に 対 する 制 裁 の 効 果 を 減 殺 させないこととするといっ た 社 会 政 策 的 な 観 点 からです このような 罰 金 等 に 対 する 取 扱 いは 我 が 国 が 課 するもののみが 対 象 とされていましたが 平 成 10 年 度 改 正 において それまで 対 象 外 で あった 外 国 の 罰 金 等 についても 制 裁 効 果 が 減 殺 されていることへの 批 判 や 主 要 諸 外 国 の 取 扱 いを 踏 まえ 損 金 算 入 又 は 必 要 経 費 算 入 が 制 限 されました ただし 外 国 の 罰 金 等 と いっても 様 々なものがあることから 刑 事 訴 訟 手 続 を 経 て 科 される 罰 金 又 は 科 料 に 相 当 するもの に 限 定 されています 2 最 近 において 欧 州 連 合 (EU)によるカ ルテル 等 違 反 への 制 裁 金 (EC 条 約 等 に 基 づき 欧 州 委 員 会 (EC)が 裁 決 し 納 付 を 命 じて いるものです 以 下 EU 課 徴 金 といいます ) が 課 される 例 が 多 くなってきたことなどに 伴 い 税 制 上 の 取 扱 いについて 問 題 提 起 がされ るようになりました それは カルテル 等 違 反 に 対 する 制 裁 金 であっても 我 が 国 や 米 国 において 課 されるものは 損 金 算 入 又 は 必 要 経 費 算 入 が 制 限 される 一 方 EU 課 徴 金 につい ては 損 金 算 入 又 は 必 要 経 費 算 入 が 制 限 されな 188

いのは 課 税 の 公 平 性 の 観 点 から 問 題 がある のではないかということです ( 注 ) 米 国 のいわゆる 反 トラスト 法 におけるカ ルテル 等 違 反 に 対 するFineの 多 くは 刑 事 訴 訟 手 続 を 伴 うものであるため 法 人 税 法 第 55 条 第 4 項 第 1 号 又 は 所 得 税 法 第 45 条 第 1 項 第 6 号 に 規 定 する 罰 金 及 び 科 料 に 該 当 することになるものと 思 われます 3 平 成 10 年 度 税 制 改 正 において 外 国 等 が 行 う 制 裁 についてもその 効 果 を 減 殺 しない 方 向 で 対 応 し 外 国 等 の 罰 金 又 は 科 料 に 相 当 する ものの 損 金 算 入 又 は 必 要 経 費 算 入 を 制 限 した ところですが 上 記 2のように 各 国 は 競 争 法 における 取 組 みを 強 めており そのような 下 で 税 制 上 の 取 扱 いの 不 均 衡 が 顕 在 化 してい ることなどを 勘 案 すると 早 急 にその 取 扱 い を 見 直 す 必 要 があると 考 えられたところです そこで 今 回 各 国 競 争 法 に 基 づいて 納 付 する 課 徴 金 制 裁 金 について 法 人 税 法 上 日 本 の 独 占 禁 止 法 の 課 徴 金 と 同 様 の 取 扱 いとする こととされたことに 伴 い 所 得 税 においても 各 国 競 争 法 に 基 づいて 納 付 する 課 徴 金 制 裁 金 について 所 得 税 法 上 日 本 の 独 占 禁 止 法 の 課 徴 金 と 同 様 の 取 扱 いとすることとされて います なお 外 国 の 課 徴 金 制 裁 金 の 取 扱 いを 見 直 すからといって この 機 会 に 外 国 の 罰 金 等 を 一 律 の 取 扱 いにできるかというと 外 国 の 罰 金 等 の 態 様 が 様 々であることなどを 考 える と 今 回 のように 個 別 的 に 対 応 していくこと にせざるを 得 ないのではないかと 思 われます ⑵ 改 正 の 内 容 その 者 の 不 動 産 所 得 の 金 額 事 業 所 得 の 金 額 山 林 所 得 の 金 額 又 は 雑 所 得 の 金 額 の 計 算 上 必 要 経 費 に 算 入 しないこととされている 罰 科 金 課 徴 金 の 範 囲 に 外 国 若 しくはその 地 方 公 共 団 体 又 は 国 際 機 関 が 納 付 を 命 ずる 独 占 禁 止 法 の 課 徴 金 及 び 延 滞 金 に 類 するもの( 以 下 外 国 課 徴 金 といいます )が 追 加 されました( 所 法 451 九 ) この 必 要 経 費 不 算 入 の 対 象 となる 外 国 課 徴 金 は 日 本 の 独 占 禁 止 法 に 規 定 する 課 徴 金 とその 対 象 となる 行 為 が 一 致 するものに 限 られるもの ではありません 外 国 課 徴 金 に 該 当 するか 否 か は その 納 付 を 命 ぜられる 根 拠 となる 法 令 等 が その 趣 旨 目 的 対 象 となる 行 為 計 算 方 法 等 を 勘 案 して 独 占 禁 止 法 と 同 質 といえる 法 令 等 (いわゆる 競 争 法 )であるか 否 かによ って 判 断 されることとなります 今 回 の 改 正 により EU 課 徴 金 などのいわゆ る 外 国 等 の 競 争 法 違 反 に 係 る 課 徴 金 は 必 要 経 費 に 算 入 されないこととなります ( 注 ) 競 争 法 とは 公 正 取 引 委 員 会 のウェブサ イトによると 日 本 の 独 占 禁 止 法 のよう に 市 場 における 公 正 で 自 由 な 競 争 の 実 現 を 目 指 す 法 律 の 一 般 的 呼 称 とされ そこでは 85 の 世 界 の 競 争 法 が 紹 介 されています( 出 典 : 公 正 取 引 委 員 会 ウェブページ 世 界 の 競 争 法 平 成 21 年 5 月 1 日 現 在 ) そのほとんどの 競 争 法 においては カルテル( 協 定 )や 入 札 談 合 といった 不 当 な 取 引 制 限 等 に 当 たる 行 為 につ いて これを 禁 止 制 限 し その 抑 止 やそれ によって 不 当 な 利 益 を 得 ることに 対 する 制 裁 などを 目 的 として 科 罰 規 定 が 置 かれています また 競 争 法 における 制 裁 としては 罰 金 など 刑 事 訴 訟 手 続 を 要 するものから 課 徴 金 など 刑 事 訴 訟 手 続 を 要 しないものまでありま すが 罰 金 又 は 科 料 に 相 当 するものについて は 既 に 法 人 税 法 第 55 条 第 4 項 第 1 号 又 は 所 得 税 法 第 45 条 第 1 項 第 6 号 に 該 当 することによ って 損 金 算 入 又 は 必 要 経 費 算 入 が 制 限 されて おり 今 回 の 改 正 により 新 たに 損 金 不 算 入 及 び 必 要 経 費 不 算 入 の 対 象 となるのは 刑 事 訴 訟 手 続 を 要 しないものということになります ところで 刑 法 に 規 定 する 罰 金 又 は 科 料 には 不 当 利 得 を 没 収 することは 入 っていません 没 収 として 別 の 財 産 刑 が 規 定 されています 損 金 不 算 入 又 は 必 要 経 費 不 算 入 となる 罰 科 金 課 徴 金 にはこの 没 収 は 含 まれていませんので 没 収 による 損 失 額 は 損 金 の 額 又 は 必 要 経 費 に 算 入 189

されることになります 外 国 の 同 じものも 同 様 といえます これは そもそも 課 税 すべき 不 当 利 得 ( 所 得 )が 消 滅 してしまうことから この ような 場 合 についてまで その 損 失 のみを 制 限 すべきでないということによるものです これと 同 様 に 競 争 法 違 反 に 基 因 して 納 付 を 命 ぜられた 金 銭 であっても それが 競 争 法 違 反 による 不 当 利 得 の 返 還 剥 奪 没 収 のみを 目 的 とするものであるときは その 損 失 額 は 損 金 又 は 必 要 経 費 に 算 入 されると 考 えられます 3 適 用 関 係 ⑴ 上 記 2の 改 正 は 平 成 21 年 4 月 1 日 以 後 に 終 わった 行 為 に 係 る 外 国 課 徴 金 について 適 用 し 同 日 前 に 終 わった 行 為 に 係 る 外 国 課 徴 金 につい ては 従 前 どおりとされています( 改 正 法 附 則 3 1) これにより 平 成 21 年 4 月 1 日 以 後 に 納 付 す ることとなる 外 国 課 徴 金 であっても 同 日 前 に 終 わった 行 為 に 係 るものについては 従 前 どお り 必 要 経 費 に 算 入 されます このように 適 用 関 係 を 施 行 日 前 後 の 行 為 で 区 別 しているのは 当 分 の 間 は 施 行 日 以 後 に 納 付 をすることとなる 外 国 課 徴 金 のほとんどが 同 日 前 の 行 為 に 係 るものとなる 上 その 中 には 施 行 の 相 当 前 に 競 争 法 違 反 となる 行 為 を 止 めてい るものもあることから 施 行 日 以 後 に 納 付 をす る 外 国 課 徴 金 と 施 行 日 前 に 納 付 をした 外 国 課 徴 金 との 課 税 上 の 取 扱 いの 権 衡 も 考 慮 したことに よるものです ⑵ 平 成 21 年 4 月 1 日 以 後 に 終 わった 行 為 に 係 る 外 国 課 徴 金 については 改 正 後 の 規 定 が 適 用 され ますが それが 同 日 前 に 開 始 され 同 日 以 後 に 終 わった 行 為 に 係 る 外 国 課 徴 金 である 場 合 には その 外 国 課 徴 金 の 額 のうちその 行 為 の 同 日 前 の 部 分 に 係 る 金 額 は 必 要 経 費 に 算 入 されないこ ととなる 外 国 課 徴 金 の 額 に 該 当 しないものとみ なすこととされています( 改 正 法 附 則 32) すなわち 外 国 課 徴 金 が 平 成 21 年 4 月 1 日 の 前 後 にまたがる 行 為 に 係 るものである 場 合 には その 外 国 課 徴 金 のうち 同 日 前 の 部 分 に 係 る 金 額 については 従 前 どおり 必 要 経 費 算 入 と その 行 為 の 同 日 以 後 の 部 分 に 係 る 金 額 については 必 要 経 費 不 算 入 となります この 場 合 において その 行 為 の 平 成 21 年 4 月 1 日 前 の 部 分 に 係 る 金 額 と 同 日 以 後 の 部 分 に 係 る 金 額 との 区 分 は その 外 国 課 徴 金 の 額 の 算 定 方 法 等 に 基 づく 合 理 的 な 方 法 により 行 うこ とになります 例 えば その 算 定 の 基 礎 となる 売 上 高 との 対 応 関 係 が 明 らかな 外 国 課 徴 金 の 額 を 同 日 前 後 のその 売 上 高 に 応 じて 区 分 する 方 法 や 外 国 課 徴 金 の 額 をその 対 象 となる 行 為 全 体 の 実 行 期 間 の 同 日 前 後 の 期 間 の 比 によって 按 分 する 方 法 などが 合 理 的 な 方 法 に 該 当 するもの と 考 えられます 三 電 子 証 明 書 を 有 する 個 人 の 電 子 情 報 処 理 組 織 による 申 告 に 係 る 所 得 税 額 の 特 別 控 除 制 度 の 改 正 個 人 が 平 成 19 年 分 又 は 平 成 20 年 分 の 所 得 税 に つき 国 税 電 子 申 告 納 税 システム(e Tax) を 利 用 して 所 得 税 の 確 定 申 告 書 の 提 出 を 行 う 場 合 において その 確 定 申 告 書 に 記 載 すべき 事 項 に 関 する 情 報 (その 個 人 の 電 子 署 名 が 行 われているも のに 限 ります )とその 電 子 署 名 に 係 る 電 子 証 明 書 とを 併 せて 送 信 したときは その 個 人 のその 年 分 の 所 得 税 の 額 から5,000 円 (その 年 分 の 所 得 税 の 額 を 限 度 とします )を 控 除 することとされて いました( 旧 措 法 41の19の31) 2 改 正 の 内 容 引 き 続 き 電 子 政 府 推 進 の 前 提 となる 電 子 証 明 書 等 ( 住 民 基 本 台 帳 カード 等 の 電 子 証 明 書 とICカー 190

ドリーダライタ)の 普 及 の 促 進 に 資 する 観 点 から この 制 度 の 適 用 期 限 が2 年 延 長 され 平 成 22 年 分 までの 所 得 税 について 適 用 することとされました ( 措 法 41の19の51) なお この 税 額 控 除 を 適 用 した 者 は その 後 の 適 用 年 分 においてこの 税 額 控 除 の 適 用 はできないこととされています( 措 法 41 の19の53) 四 オリンピック 競 技 大 会 における 成 績 優 秀 者 を 表 彰 するもの として 交 付 される 金 品 の 非 課 税 制 度 ( 改 正 後 :オリンピック 競 技 大 会 等 における 成 績 優 秀 者 を 表 彰 するものとして 交 付 さ れる 金 品 等 の 非 課 税 制 度 )の 改 正 オリンピック 競 技 大 会 において 特 に 優 秀 な 成 績 を 収 めた 者 を 表 彰 するものとして 財 団 法 人 日 本 オリンピック 委 員 会 から 交 付 される 金 品 すなわ ち オリンピック 競 技 大 会 において 第 1 位 から 第 3 位 までに 入 賞 した 者 が 財 団 法 人 日 本 オリンピ ック 委 員 会 から オリンピック 特 別 賞 として 交 付 される 金 品 については 所 得 税 を 課 さないこ ととされています( 措 法 41の8 平 成 6 年 大 蔵 省 告 示 第 85 号 ) 2 改 正 の 趣 旨 及 び 内 容 厚 生 労 働 省 及 び 文 部 科 学 省 は 障 害 者 スポーツ 振 興 を 図 っていく 上 での 施 策 の 一 つとして パラ リンピックメダリストを 特 に 優 秀 な 成 績 を 収 めた 者 として オリンピックメダリストと 同 様 にスポ ーツ 振 興 法 第 15 条 に 規 定 する 顕 彰 を 特 別 に 行 うこ ととし オリンピック 競 技 大 会 優 秀 者 顕 彰 規 程 ( 平 成 6 年 文 部 省 令 第 2 号 )を 改 正 し オリンピッ ク 競 技 大 会 及 びパラリンピック 競 技 大 会 優 秀 者 顕 彰 規 程 を 定 めました 同 規 程 には 国 は 財 団 法 人 日 本 障 害 者 スポーツ 協 会 が 第 2 条 第 2 項 に 規 定 する 者 (パラリンピック 競 技 大 会 において 第 1 位 から 第 3 位 までに 入 賞 した 者 )を 表 彰 ( 報 奨 金 の 交 付 を 含 む )することを 奨 励 するものとす る との 定 めが 設 けられており 他 の 競 技 大 会 による 成 績 優 秀 者 との 位 置 付 けを 明 確 に 区 分 する こととされました 厚 生 労 働 省 及 び 文 部 科 学 省 におけるこのような 位 置 付 けを 踏 まえ 税 制 においてもこれを 支 援 す ることとされ 今 回 財 団 法 人 日 本 障 害 者 スポー ツ 協 会 がパラリンピックメダリストに 支 給 する 報 奨 金 については 所 得 税 を 課 さないこととされま した( 措 法 41の81 平 成 21 年 財 務 省 告 示 第 111 号 ) 3 適 用 関 係 上 記 2の 改 正 は 平 成 21 年 分 以 後 の 所 得 税 につ いて 適 用 することとされています( 改 正 法 附 則 21 平 成 21 年 財 務 省 告 示 第 111 号 ) 五 定 額 給 付 金 の 非 課 税 措 置 の 創 設 1 創 設 の 経 緯 定 額 給 付 金 については 当 初 安 心 実 現 のた めの 緊 急 総 合 対 策 ( 平 成 20 年 8 月 29 日 安 心 実 現 のための 総 合 対 策 に 関 する 政 府 与 党 会 議 経 済 対 策 閣 僚 会 議 合 同 会 議 決 定 )において 定 額 控 除 方 式 による 所 得 税 個 人 住 民 税 の 特 別 減 税 を 単 年 度 の 措 置 として 平 成 20 年 度 内 に 実 施 するた め 規 模 実 施 方 式 等 については 財 源 を 勘 案 し つつ 年 末 の 税 体 系 の 抜 本 的 改 革 の 議 論 に 併 せて 引 き 続 き 検 討 することとされ その 後 の 生 活 対 策 ( 平 成 20 年 10 月 30 日 新 たな 経 済 対 策 に 関 する 政 府 与 党 会 議 経 済 対 策 閣 僚 会 議 合 同 会 議 決 定 ) において 家 計 への 緊 急 支 援 としての 効 果 を 低 所 191

得 者 の 方 々にも 広 く 公 平 に 行 き 渡 らせる 等 の 観 点 から 給 付 方 式 により 実 施 することとされたもの です このような 経 緯 などを 踏 まえ 景 気 後 退 下 での 生 活 者 の 不 安 にきめ 細 かく 対 処 するため 家 計 への 緊 急 支 援 として 実 施 される 定 額 給 付 金 については 所 得 税 を 課 さないこととされました( 措 法 41の8 2) ( 参 考 1) 安 心 実 現 のための 緊 急 総 合 対 策 ( 平 成 20 年 8 月 29 日 安 心 実 現 のための 総 合 対 策 に 関 する 政 府 与 党 会 議 経 済 対 策 閣 僚 会 議 合 同 会 議 決 定 )( 抄 ) 物 価 高 原 油 高 の 経 済 環 境 の 変 化 に 対 応 するため 家 計 への 緊 急 支 援 として 定 額 控 除 方 式 による 所 得 税 個 人 住 民 税 の 特 別 減 税 を 単 年 度 の 措 置 として 平 成 20 年 度 内 に 実 施 するため 規 模 実 施 方 式 等 については 財 源 を 勘 案 しつつ 年 末 の 税 制 抜 本 改 革 の 議 論 に 併 せて 引 き 続 き 検 討 する ( 参 考 2) 生 活 対 策 ( 平 成 20 年 10 月 30 日 新 たな 経 済 対 策 に 関 する 政 府 与 党 会 議 経 済 対 策 閣 僚 会 議 合 同 会 議 決 定 )( 抄 ) 第 2 章 具 体 的 施 策 < 第 1の 重 点 分 野 > 生 活 者 の 暮 らしの 安 心 景 気 後 退 下 での 生 活 者 の 不 安 にきめ 細 かく 対 処 するため 家 計 への 緊 急 支 援 として 総 額 2 兆 円 を 限 度 として 生 活 支 援 定 額 給 付 金 ( 仮 称 )を 実 施 すると ともに 非 正 規 労 働 者 や 中 小 企 業 地 域 を 中 心 に60 万 人 分 の 雇 用 下 支 え 強 化 を 行 う また 消 費 者 政 策 を 抜 本 的 に 強 化 するとともに 介 護 人 材 等 の10 万 人 増 強 出 産 子 育 て 支 援 や 障 害 者 医 療 年 金 対 策 の 推 進 など 国 民 の 生 活 の 安 全 安 心 を 確 保 するための 取 組 を 推 進 する 1 家 計 緊 急 支 援 対 策 家 計 への 緊 急 支 援 として 特 別 減 税 及 びこれに 関 連 する 臨 時 福 祉 特 別 給 付 金 を 実 施 することとしてい た 一 方 家 計 への 緊 急 支 援 とし ての 効 果 をより 迅 速 に 実 現 し かつ 低 所 得 者 にも 広 く 公 平 に 行 き 渡 ら せるためには 給 付 方 式 によるこ とがより 適 切 である この 給 付 ( 生 活 支 援 定 額 給 付 金 ( 仮 称 ))は 総 額 2 兆 円 を 限 度 として 単 年 度 の 措 置 として 今 年 度 内 に 実 施 するこ ととし その 実 施 方 式 等 について 早 急 に 検 討 する < 具 体 的 施 策 > 生 活 支 援 定 額 給 付 金 ( 仮 称 )の 実 施 2 制 度 の 内 容 住 民 基 本 台 帳 に 記 録 されている 者 の 属 する 世 帯 の 世 帯 主 その 他 一 定 の 者 に 対 して 定 額 給 付 金 給 付 事 業 費 補 助 金 を 財 源 として 市 町 村 又 は 特 別 区 から 給 付 される 給 付 金 (いわゆる 定 額 給 付 金 )に ついては 所 得 税 を 課 さないこととされました( 措 法 41の82) ⑴ 定 額 給 付 金 が 給 付 される 者 の 範 囲 定 額 給 付 金 が 給 付 される 者 は 次 に 掲 げる 者 とされています( 措 法 41の82 措 令 26の8の 2 措 規 19の21) 1 次 に 掲 げる 者 の 属 する 世 帯 の 世 帯 主 イ 基 準 日 ( 平 成 21 年 2 月 1 日 以 下 同 じで す )において 住 民 基 本 台 帳 法 に 基 づき 住 民 基 本 台 帳 に 記 録 されている 者 ロ 基 準 日 以 前 に 住 民 基 本 台 帳 法 の 規 定 によ り 住 民 票 の 消 除 がされた 者 で 基 準 日 にお いて 国 内 に 居 所 を 有 しているもの( 基 準 日 においていずれの 市 町 村 又 は 特 別 区 の 住 民 基 本 台 帳 にも 記 録 されていない 者 に 限 りま す )のうち 基 準 日 後 に 同 法 に 基 づき 住 民 基 本 台 帳 に 記 録 された 者 2 基 準 日 において 外 国 人 登 録 法 に 基 づき 外 国 192

人 登 録 原 票 に 登 録 されている 者 のうち 次 に 掲 げる 者 イ 日 本 国 との 平 和 条 約 に 基 づき 日 本 の 国 籍 を 離 脱 した 者 等 の 出 入 国 管 理 に 関 する 特 例 法 に 定 める 特 別 永 住 者 ロ 出 入 国 管 理 及 び 難 民 認 定 法 ( 以 下 入 管 法 といいます )に 定 める 在 留 資 格 をも って 本 邦 に 在 留 する 者 ( 短 期 滞 在 の 在 留 資 格 をもって 在 留 する 者 を 除 きます ) ハ 国 内 において 出 生 した 者 又 は 日 本 の 国 籍 を 失 った 者 のうち 入 管 法 の 規 定 により 在 留 資 格 を 有 することなく 在 留 することができ るもの 3 基 準 日 以 前 に 出 生 し 基 準 日 後 に 外 国 人 登 録 法 に 基 づき 外 国 人 登 録 原 票 に 登 録 された 者 のうち2のイからハまでに 掲 げる 者 4 1に 掲 げる 者 ( 以 下 旧 世 帯 主 といいま す )が 定 額 給 付 金 の 給 付 を 受 けることなく 死 亡 した 場 合 において その 死 亡 の 時 にその 世 帯 に 属 する 者 で 新 たに 当 該 世 帯 の 世 帯 主 と なった 者 ( 当 該 世 帯 の 世 帯 主 となる 者 がいな いことその 他 の 理 由 によりこれにより 難 い 場 合 には 基 準 日 において 旧 世 帯 主 の 住 民 基 本 台 帳 に 記 録 されている 住 所 と 同 一 の 場 所 で 旧 世 帯 主 と 生 計 を 一 にしていた 者 のうち 市 町 村 長 又 は 特 別 区 の 区 長 が 定 額 給 付 金 の 給 付 を する 者 ) 5 2 又 は3に 掲 げる 者 ( 以 下 旧 登 録 者 と いいます )が 定 額 給 付 金 の 給 付 を 受 けるこ となく 死 亡 した 場 合 において 基 準 日 におい て 旧 登 録 者 の 外 国 人 登 録 原 票 に 登 録 されて いる 居 住 地 と 同 一 の 場 所 で 旧 登 録 者 と 生 計 を 一 にしていた 者 のうち 市 町 村 長 又 は 特 別 区 の 区 長 が 定 額 給 付 金 の 給 付 をする 者 ⑵ 定 額 給 付 金 の 給 付 額 定 額 給 付 金 の 給 付 額 は 給 付 対 象 者 1 人 につ き12,000 円 (ただし 基 準 日 において65 歳 以 上 の 者 及 び18 歳 以 下 の 者 については 20,000 円 ) とされています ( 参 考 ) 定 額 給 付 金 給 付 事 業 の 概 要 1 施 策 の 目 的 景 気 後 退 下 での 住 民 の 不 安 に 対 処 するため 住 民 への 生 活 支 援 を 行 うとともに あわせて 住 民 に 広 く 給 付 することにより 地 域 の 経 済 対 策 に 資 することを 目 的 とする 2 事 業 費 ( 補 正 予 算 ( 第 2 号 ) 計 上 額 ) 2 兆 395 億 13 百 万 円 事 業 費 1 兆 9,570 億 円 事 務 費 825 億 13 百 万 円 3 事 業 の 実 施 主 体 と 経 費 負 担 実 施 主 体 は 市 町 村 ( 特 別 区 を 含 む) 実 施 に 要 する 経 費 ( 給 付 費 及 び 事 務 費 )に ついては 国 が 補 助 ( 補 助 率 10/10) 4 給 付 対 象 者 及 び 申 請 受 給 者 給 付 対 象 者 は 基 準 日 ( 平 成 21 年 2 月 1 日 ) において 1 又 は2のいずれかに 該 当 する 者 1 住 民 基 本 台 帳 に 記 録 されている 者 ( 1) 2 外 国 人 登 録 原 票 に 登 録 されている 者 ( 2)( 不 法 滞 在 者 及 び 短 期 滞 在 者 のみ 対 象 外 ) 1 基 準 日 以 前 に 住 民 票 が 消 除 されて いた 者 で 国 内 で 生 活 をしていたが いずれの 市 町 村 の 住 民 基 本 台 帳 にも 記 録 されておらず 基 準 日 後 初 めて 当 該 市 町 村 の 住 民 基 本 台 帳 に 記 録 さ れることとなった 者 を 含 む 2 基 準 日 以 前 に 出 生 した 者 で 基 準 日 後 外 国 人 登 録 原 票 に 登 録 されたもの を 含 む 申 請 受 給 者 は 給 付 対 象 者 の 属 する 世 帯 の 世 帯 主 ( 外 国 人 については 各 給 付 対 象 者 )( 3) 3 基 準 日 以 降 に 申 請 受 給 者 が 死 亡 した 場 合 は 原 則 として 世 帯 ( 外 国 人 の 場 合 は 住 所 と 生 計 を 同 一 と する 単 位 )の 中 から 新 たに 世 帯 主 と なった 者 ( 外 国 人 の 場 合 は 選 ばれた 者 ) 等 が 申 請 受 給 者 となる 193

5 給 付 額 給 付 対 象 者 1 人 につき12,000 円 (ただし 基 準 日 において65 歳 以 上 の 者 及 び18 歳 以 下 の 者 については20,000 円 ) 6 申 請 及 び 給 付 の 方 法 原 則 として 次 の1 2 及 び3の 方 式 の 組 合 せで 実 施 (3の 方 式 は 1 及 び2によりが たい 場 合 ) 1 郵 送 申 請 方 式 : 振 込 先 口 座 を 記 した 申 請 書 を 本 人 確 認 書 類 とともに 市 町 村 に 郵 送 し 振 込 により 受 給 2 窓 口 申 請 方 式 : 振 込 先 口 座 を 記 した 申 請 書 を 窓 口 で 提 出 し 振 込 により 受 給 3 窓 口 現 金 受 領 方 式 : 申 請 書 を 窓 口 で 提 出 し 現 金 により 受 給 7 給 付 開 始 日 市 町 村 において 決 定 申 請 期 限 は 申 請 受 付 開 始 日 から6 月 3 適 用 関 係 上 記 の 非 課 税 措 置 は 平 成 20 年 度 の 一 般 会 計 補 正 予 算 ( 第 2 号 )における 定 額 給 付 金 給 付 事 業 費 補 助 金 を 財 源 として 市 町 村 又 は 特 別 区 から 給 付 さ れる 定 額 給 付 金 について 適 用 されます( 措 法 41の 82 措 規 19の22 改 正 法 附 則 21) なお 給 付 開 始 日 は 市 町 村 において 決 定 することとされ ており 申 請 期 限 は 当 該 市 町 村 における 給 付 申 請 受 付 開 始 日 から6ヶ 月 以 内 とされています 六 政 治 活 動 に 関 する 寄 附 をした 場 合 の 寄 附 金 控 除 の 特 例 又 は 所 得 税 額 の 特 別 控 除 制 度 の 改 正 ⑴ 個 人 が 政 治 資 金 規 正 法 の 一 部 を 改 正 する 法 律 ( 平 成 6 年 法 律 第 4 号 )の 施 行 の 日 ( 平 成 7 年 1 月 1 日 )から 平 成 21 年 12 月 31 日 までの 間 に 行 った 政 治 活 動 に 関 する 寄 附 のうち 1 政 党 2 政 治 資 金 団 体 3 国 会 議 員 が 主 宰 する 又 は 主 たる 構 成 員 であるその 他 の 政 治 団 体 4 国 会 議 員 都 道 府 県 議 会 の 議 員 知 事 又 は 指 定 都 市 の 市 議 会 議 員 若 しくは 市 長 の 職 ( 以 下 公 職 といいます )にある 者 の 後 援 団 体 及 び5 特 定 の 公 職 の 候 補 者 又 はその 公 職 になろうとする 者 の 後 援 団 体 に 対 するもので 政 治 資 金 規 正 法 の 規 定 により 報 告 されたもの 並 びに6 公 職 の 候 補 者 に 対 してその 公 職 に 係 る 政 治 活 動 に 関 してなさ れる 寄 附 で 公 職 選 挙 法 の 規 定 により 報 告 された ものは 寄 附 金 控 除 の 対 象 となる 特 定 寄 附 金 と みなして 寄 附 金 控 除 の 対 象 とされています( 措 法 41の181) ⑵ また 寄 附 金 控 除 ( 所 得 控 除 )との 選 択 で 上 記 期 間 内 に 個 人 が 上 記 ⑴の1 政 党 2 政 治 資 金 団 体 に 対 する 政 治 活 動 に 関 する 寄 附 で 政 治 資 金 規 正 法 の 規 定 により 報 告 されたものについて は 以 下 の 計 算 式 により 計 算 した 金 額 の 税 額 控 除 を 受 けることができることとされていました ( 措 法 41の182) 計 算 式 税 額 控 除 額 ( 所 得 税 額 の25%を 限 度 100 円 未 満 切 捨 て) = 2 改 正 の 内 容 その 年 中 に 支 出 し た 政 党 等 に 対 する 寄 附 金 の 額 の 合 計 5 千 円 額 ( 特 定 寄 附 金 と 合 わせて 総 所 得 金 額 等 の40%を 限 度 ) 30% この 制 度 の 適 用 期 限 が 平 成 26 年 12 月 31 日 まで5 年 延 長 されました( 措 法 41の1812) 194

七 山 林 所 得 に 係 る 森 林 計 画 特 別 控 除 制 度 の 改 正 個 人 が 昭 和 56 年 から 平 成 21 年 までの 各 年 にお いて その 森 林 施 業 計 画 に 基 づいて 山 林 の 伐 採 又 は 譲 渡 をした 場 合 には その 収 入 金 額 の20%( 概 算 経 費 控 除 を 適 用 しない 場 合 には その 収 入 金 額 の50%から 必 要 経 費 を 控 除 した 残 額 を 限 度 としま す )の 特 別 控 除 が 認 められていました( 旧 措 法 30の212) ( 参 考 ) 森 林 施 業 計 画 制 度 とは 長 期 的 視 点 に 立 って 国 内 の 木 材 生 産 体 制 を 強 化 し 受 給 の 円 滑 化 を 図 るとともに 健 全 な 林 業 の 発 展 に 資 することを 主 眼 としたもので 森 林 所 有 者 がその 森 林 について 長 期 の 施 業 方 針 をた て 森 林 の 現 状 伐 採 立 木 の 材 積 造 林 面 積 等 について 計 画 を 定 め 認 定 を 受 けた 上 これに 従 って 計 画 的 な 伐 採 造 林 を 行 うも のです 2 改 正 の 内 容 この 制 度 の 適 用 期 限 が2 年 延 長 され 平 成 23 年 分 までの 山 林 所 得 について 適 用 することとされま した( 措 法 30の21) 195