図3 2からみると 要求希望賃金が就職率に大きな影響を与える たとえば 要求希望 賃金が 1000元以下 の場合 就職率が一番低く 要求希望賃金が 2000 3000元 の場 合 就職率が一番高い 2000 3000元 の範囲を超えると 要求希望賃金が高くなるほ ど 就職率も下がっていく 樋口美雄の就業決定モデルでは 市場賃金が留保賃金12より 高いとき 就業すると指摘している 今回の調査では 延辺大学生の要求希望賃金は 2000 3000元 で一番多く 実際平均賃金 初任給 は約2100元で 希望賃金と実際賃金の 差が小さい この結果からみると 実際賃金と希望賃金の差が小さいとき 就職できる可 能性が高く 就職率も一番高いと考えられる 図3 3要求希望賃金と実際平均賃金 元 3000 2500 2000 1500 1000 500 0 1000以下 1000 1500 1500 2000 2000 3000 3000 4000 4000以上元 出所 図3 2に同じ 2006年の全国調査によると 大学生の要求希望賃金が 1500 2000元 の範囲である場 合が一番多かった 今回の調査で 延辺大学生の要求希望賃金は 2000 3000元 の範 囲が一番多く 希望賃金が全国平均より高い傾向がある 調査によると 要求希望賃金が ほかの地方大学生より高いのは 朝鮮族の要求希望賃金が相対的に高いからである それ は 朝鮮族の大学生がネットワークあるいは多言語能力によって 韓国系企業を中心とす る外資系企業に就職する可能性が高いからである 図3 3から 要求希望賃金と実際平均 賃金の相関性をみると あまり相関性が強くない 要求賃金が 2000元以下 の場合 実 際賃金が希望賃金を上回っているが 2000元以上 である場合 実際賃金が下回ってい る 特に 希望賃金が 4000元以上 の場合 実際賃金との差が一番大きく 就職率も大 幅に下がっている 55
希望勤務年数と実際賃金 要求希望賃金関係 図3 4 人80 團期間勤務数 70 60 50 40 30 20 10 0 1 2年 1年以下 2 3年 3 4年 長期 5年 出所 図3 2に同じ 今回の調査では 大学生の実際賃金が希望賃金より高いとき 勤務年数 1年以下 が 50 1 2年 が67 2 3年 が75 3 4年 が71 5年 が76 長期 が68 を占めた このことから 実際賃金が要求賃金より高いとき 勤務年数の安定性を 見せたが 勤務年数の長期を選んだ学生が1OO でなく 68 しかないのは 賃金以外にも 人材育成 才能発揮などの要素が希望勤務年数に影響すると言える その一方で 先就業 後選択 13の大学生の就業行動も勤務年数に影響を与える このような状況は 一方では 卒業生の就業行動に大きな変化があったことの現れだが もう一方では 企業にとっては 大卒者を採用した後 いかに人材を引きつけ 留まらせるかが重要な問題となっている 図3 5 企業選択基準の人材育成と勤務年数関係 120 100 80 60 40 20 0 1年以下 1 2年 2 3年 3 4年 出所 図3 2に同じ 56 5年 長期