姫 監 公 表 第 1 号 平 成 2 5 年 1 月 2 5 日 姫 路 市 監 査 委 員 井 神 曉 同 小 林 茂 信 住 民 監 査 請 求 ( 政 務 調 査 費 の 返 還 に 係 る 法 定 利 息 の 不 足 につ い て ) に 係 る 監 査 の 結 果 に つ い て 平 成 24 年 11 月 30 日 に 受 付 し た 地 方 自 治 法 第 2 4 2 条 第 1 項 の 規 定 に 基 づ く 住 民 監 査 請 求 に 係 る 監 査 の 結 果 を 同 条 第 4 項 の 規 定 に 基 づ き 次 の と お り 公 表 します
第 1 監 査 の 請 求 1 請 求 人 姫 路 市 廣 野 武 男 2 請 求 年 月 日 姫 路 市 職 員 措 置 請 求 ( 住 民 監 査 請 求 政 務 調 査 費 の 返 還 に 係 る 法 定 利 息 の 不 足 以 下 本 件 請 求 という )に 係 る 請 求 書 は 平 成 2 4 年 1 1 月 3 0 日 に 提 出 さ れ ま し た 3 請 求 人 の 主 張 本 件 請 求 書 に 記 載 さ れ た 請 求 の 内 容 は 次 の と お り で す ( 原 文 の ま ま 掲 載 但 し 個 人 名 及 び 団 体 名 は 伏 字 に 変 え て い ま す ) 請 求 の 趣 旨 姫 路 市 議 会 議 長 が 政 務 調 査 費 を251,100 円 を 違 法 に 使 用 したとして 平 成 24 年 11 月 1 日 に 議 長 が 所 属 する 会 派 が 姫 路 市 に 全 額 返 還 し た が 法 定 金 利 の 未 納 が 1 7 円 あ り その 額 を 議 長 が 所 属 する 会 派 が 姫 路 市 に 返 還 さ せ る こ と を 求 め る 請 求 の 理 由 市 議 会 議 長 が 政 務 調 査 費 251,100 円 を 違 法 に 使 用 した としてその 額 を 姫 路 市 に 返 還 させることを 求 める 住 民 監 査 請 求 書 が 平 成 2 4 年 1 0 月 2 3 日 に 姫 路 市 監 査 委 員 に 提 出 し た 姫 路 市 監 査 委 員 はこの 住 民 監 査 請 求 書 を 収 受 したが 監 査 の 実 施 の 判 断 をする 前 に 議 長 が 所 属 する 会 派 が 平 成 24 年 11 月 1 日 に 姫 路 市 に 全 額 を 返 還 したが その 際 姫 路 市 は 法 定 金 利 の 徴 収 漏 れがあった その 法 定 金 利 の 返 還 を 求 める 住 民 監 査 請 求 書 が 平 成 2 4 年 11 月 6 日 に 姫 路 市 監 査 委 員 に 提 出 した これについても 姫 路 市 監 査 委 員 が 監 査 の 実 施 の 判 断 をする 前 に 議 長 が 所 属 する 会 派 が 平 成 24 年 11 月 9 日 に 法 定 金 利 として7,409 円 を 姫 路 市 に 返 還 し た 而 し て 法 定 金 利 の 利 息 計 算 に 間 違 い が あ る 利 率 等 の 表 示 の 年 利 建 て 移 行 に 関 する 法 律 第 25 条 前 各 条 の 規 定 に よ る 改 正 後 の 規 定 ( 他 の 法 令 の 規 定 に お い て 準 用 す る 場 合 も 含 む ) に 定 める 延 滞 税 利 子 税 還 付 加 算 金 延 滞 金 加 算 金 過 怠 金 違 約 1
金 割 増 金 納 付 金 及 び 延 滞 利 息 その 他 法 令 で 指 定 するこれらに 類 する ものの 額 の 計 算 につきこれらの 法 律 の 指 定 その 他 法 令 の 規 定 に 定 める 年 当 りの 割 合 は 閏 年 の 日 を 含 む 期 間 についても 三 百 六 十 五 日 当 りの 割 合 と す る と 規 定 さ れ て い る つまり が 返 還 した7,409 円 の 利 息 計 算 は 分 母 が366 日 としており 分 母 を 法 律 の 規 定 による365 日 で 計 算 すると 17 円 の 不 足 が 生 じる よって その 不 足 額 17 円 の 返 還 を 求 めるもの で あ る よ っ て 地 方 自 治 法 第 2 4 2 条 第 1 項 の 規 定 に よ り 別 紙 事 実 証 明 を 添 え 必 要 な 措 置 を 講 じ る こ と を 求 め る 4 事 実 を 証 す る 書 面 請 求 人 は 事 実 証 明 書 と し て 次 の 各 書 面 を 添 付 し て い ま す (1) 平 成 2 4 年 1 1 月 1 6 日 付 公 文 書 公 開 決 定 通 知 書 の 写 し (2) 上 記 (1)に よ り 監 査 委 員 か ら 公 開 さ れ た 政 務 調 査 費 返 還 に 係 る 公 文 書 の 写 し ア 政 務 調 査 費 返 還 金 の 納 入 通 知 書 兼 領 収 書 イ 政 務 調 査 費 返 還 金 に 対 す る 法 定 利 息 の 納 入 通 知 書 兼 領 収 書 5 監 査 執 行 上 の 除 斥 本 件 請 求 の 監 査 に つ い て は 議 員 の う ち か ら 選 任 さ れ た 長 谷 川 任 武 委 員 及 び 坂 本 学 委 員 を 地 方 自 治 法 ( 昭 和 2 2 年 法 律 第 6 7 号 以 下 自 治 法 と い う ) 第 1 9 9 条 の 2 の 規 定 に よ り 除 斥 と し ま し た 6 請 求 の 受 理 本 件 請 求 は 自 治 法 第 2 4 2 条 第 1 項 に 規 定 す る 要 件 を 具 備 し て い る も の と 認 め 平 成 2 4 年 1 2 月 5 日 に 受 理 し ま し た 第 2 監 査 の 実 施 1 監 査 の 対 象 事 項 本 件 請 求 に 係 る 政 務 調 査 費 251,100 円 ( 以 下 本 件 政 務 調 査 費 と いう )に 対 する 法 定 利 息 ( 以 下 本 件 法 定 利 息 という )として 納 入 さ れた 金 員 7,409 円 ( 以 下 本 件 納 入 済 利 息 という )に 不 足 額 が 生 じており 市 長 が そ の 返 還 請 求 権 の 行 使 ( 財 産 の 管 理 )を 怠 っ た こ と に よ り 市 に 損 害 を 与 え て い る か ど う か に つ い て 監 査 す る こ と と し ま し た 2
2 監 査 対 象 部 局 議 会 事 務 局 を 監 査 対 象 部 局 と し ま し た 3 請 求 人 の 証 拠 の 提 出 及 び 陳 述 請 求 人 に 対 し 自 治 法 第 2 4 2 条 第 6 項 の 規 定 に 基 づ き 平 成 2 4 年 1 2 月 1 7 日 に 証 拠 の 提 出 及 び 陳 述 を 行 う 機 会 を 与 え ま し た そ れ に 基 づ き 追 加 の 証 拠 書 類 と し て 次 の 書 面 の 提 出 が あ り ま し た (1) 平 成 2 4 年 1 1 月 2 1 日 付 公 文 書 公 開 決 定 通 知 書 の 写 し (2) 上 記 (1)に よ り 議 会 事 務 局 か ら 公 開 さ れ た 政 務 調 査 費 返 還 に 係 る 公 文 書 の 写 し ア 平 成 2 3 年 度 政 務 調 査 費 返 還 に 係 る 決 裁 及 び 添 付 資 料 ( 当 該 政 務 調 査 費 に 係 る 政 務 調 査 費 支 出 書 領 収 証 書 成 果 物 ) イ 平 成 2 3 年 度 政 務 調 査 費 返 還 に 係 る 調 定 書 ウ 平 成 2 3 年 度 政 務 調 査 費 返 還 に 係 る 収 入 内 訳 書 ( 平 成 2 4 年 1 1 月 1 日 収 入 分 収 入 リ ス ト ) エ 政 務 調 査 費 返 還 金 の 納 入 通 知 書 兼 領 収 書 (3) 上 記 (1)によって 議 会 事 務 局 か ら 公 開 さ れ た 政 務 調 査 費 返 還 に 対 す る 法 定 利 息 に 係 る 公 文 書 の 写 し ア 平 成 2 3 年 度 法 定 利 息 に 係 る 決 裁 イ 平 成 2 3 年 度 法 定 利 息 に 係 る 調 定 書 ウ 平 成 23 年 度 法 定 利 息 に 係 る 収 入 内 訳 書 ( 平 成 2 4 年 1 1 月 9 日 収 入 分 収 入 リ ス ト ) エ 法 定 利 息 の 納 入 通 知 書 兼 領 収 書 (4) 姫 路 市 市 税 条 例 の 一 部 ( 利 率 等 の 表 示 の 年 利 建 て 移 行 に 関 す る 条 例 ( 抜 粋 ) ) (5) 例 規 一 覧 ( 姫 路 市 介 護 保 険 条 例 姫 路 市 後 期 高 齢 者 医 療 に 関 する 条 例 及 び 姫 路 市 臨 床 研 修 医 奨 励 金 の 貸 与 に 関 す る 条 例 施 行 規 則 ) ま た 請 求 人 が 陳 述 を 行 い 次 の と お り 本 件 請 求 の 補 足 説 明 を 行 い ま し た (6) 政 務 調 査 費 は 市 の 補 助 金 であるので その 返 還 請 求 権 は 私 法 上 の 債 権 で な く 行 政 上 の 債 権 ( 公 法 上 の 債 権 )で あ る (7) 姫 路 市 市 税 条 例 姫 路 市 介 護 保 険 条 例 や 姫 路 市 後 期 高 齢 者 医 療 に 関 す る 条 例 で は 閏 年 の 場 合 で あ っ て も 3 6 5 日 当 た り の 割 合 と す る と 3
規 定 さ れ て い る (8) 当 該 法 定 利 息 の 不 足 額 1 7 円 の 計 算 式 は 次 の と お り で あ る 2 5 1, 0 0 0 円 5 % 2 1 6 日 / 3 6 5 日 = 7, 4 2 6. 8 4 円 7, 4 2 6 円 - 7, 4 0 9 円 ( 本 件 納 入 済 利 息 ) = 1 7 円 4 監 査 対 象 部 局 の 陳 述 平 成 2 4 年 1 2 月 1 7 日 に 議 会 事 務 局 長 ほ か 関 係 職 員 に よ る 陳 述 の 聴 取 を 行 い ま し た な お 陳 述 の 要 旨 は 次 の と お り で す (1) 利 息 の 金 利 は 民 法 第 4 0 4 条 の 規 定 に よ り 年 5 分 で 計 算 さ れ て い る (2) 利 息 の 日 割 計 算 は 民 法 第 1 4 3 条 第 1 項 の 規 定 に よ り 暦 に 従 っ て 年 3 6 6 日 当 た り の 割 合 で 計 算 さ れ て い る (3) 利 息 計 算 の 期 間 は 政 務 調 査 費 交 付 条 例 第 8 条 第 2 項 で 定 め る 政 務 調 査 費 支 出 書 に よ り 確 認 さ れ た 支 出 日 ( 平 成 2 4 年 3 月 3 0 日 )の 翌 日 ( 同 年 3 月 3 1 日 )か ら 納 入 の あ っ た 日 ( 同 年 1 1 月 1 日 )で あ る よ っ て 議 会 事 務 局 と し て は 適 正 な も の と 認 識 し て い る 5 監 査 の 実 施 監 査 対 象 部 局 に 対 し て 関 係 書 類 及 び そ の 他 の 記 録 等 の 提 出 を 求 め る と と も に 関 係 職 員 か ら の 事 情 聴 取 も 実 施 し ま し た 第 3 監 査 の 結 果 1 事 実 関 係 の 確 認 ⑴ 本 件 政 務 調 査 費 の 返 還 に つ い て ア 関 係 部 局 で あ る 議 会 事 務 局 総 務 課 の 説 明 に よ る と 本 件 政 務 調 査 費 の 返 還 に 係 る 経 緯 等 は 以 下 の と お り で す 平 成 2 4 年 3 月 3 0 日 に ( 以 下 同 会 派 と い う ) 所 属 の 議 員 が 政 務 調 査 の た め の 費 用 2 5 1,100 円 ( 市 政 報 告 資 料 作 成 費 1 4 9,1 0 0 円 郵 便 切 手 代 1 0 2,0 0 0 円 ) を 支 出 し 同 会 派 は 同 議 員 に 政 務 調 査 費 と し て 同 日 に 同 額 を 同 議 員 4
に 交 付 し た 平 成 2 4 年 1 1 月 1 日 に 同 会 派 か ら 会 派 と し て 当 該 費 用 に つ き 政 務 調 査 費 以 外 で の 支 出 と 決 定 し た の で 当 該 政 務 調 査 費 の 支 出 を 修 正 し 返 還 し た い と の 申 し 出 が あ り 議 会 事 務 局 総 務 課 が 同 日 に 同 額 の 納 入 通 知 書 を 発 行 し 同 日 中 に 同 会 派 が 金 融 機 関 に 納 入 し た 政 務 調 査 費 は 会 計 年 度 末 に お い て 一 括 し て 精 算 す る 方 式 を と っ て い る た め 会 計 年 度 終 了 後 に 政 務 調 査 費 収 支 報 告 書 等 の 修 正 変 更 等 の 届 出 規 定 が 設 け ら れ て お ら ず 同 会 派 か ら 文 書 の 提 出 や 報 告 は 受 けて い な い が 返 還 に か か る 書 類 は 当 該 年 度 の 最 終 的 な 収 支 が わ かるよ う に 収 支 報 告 書 等 に 添 付 し て い る イ 議 会 事 務 局 総 務 課 は 当 該 政 務 調 査 費 返 還 金 2 5 1,1 0 0 円 を 会 計 年 度 が 終 了 し て い た た め 平 成 23 年 度 ( 過 年 度 ) の 支 出 で あ る 本 件 政 務 調 査 費 の 歳 出 科 目 へ の 戻 入 ( 返 還 ) 手 続 き が で き ず 平 成 2 4 年 度 ( 翌 年 度 ) 歳 入 の 諸 収 入 雑 入 そ の 他 雑 収 入 と し て 平 成 24 年 1 1 月 1 日 に 収 入 していることを 調 定 書 収 入 関 係 決 裁 等 関 係 書 類 に よ り 確 認 し 同 収 入 関 係 決 裁 等 に 本 件 政 務 調 査 費 に 係 る 政 務 調 査 費 支 出 書 の 写 し 等 が 添 付 さ れ て い る こ と を 確 認 し ま し た ⑵ 本 件 納 入 済 利 息 に つ い て ア 関 係 部 局 で あ る 議 会 事 務 局 総 務 課 の 説 明 に よ る と 本 件 納 入 済 利 息 に 係 る 経 緯 等 は 以 下 の と お り で す 平 成 2 4 年 1 1 月 9 日 同 会 派 か ら の 申 し 出 に よ り 議 会 事 務 局 総 務 課 が 同 日 に 先 に 返 還 された251,100 円 の 利 息 相 当 額 7,409 円 の 納 入 通 知 書 を 発 行 し 同 日 中 に 同 会 派 が 金 融 機 関 に 納 入 した 当 該 法 定 利 息 相 当 額 は 私 法 ( 民 法 ) 上 の 債 権 に よ る 収 入 で あ る の で 民 法 の 諸 規 定 に 基 づ き 政 務 調 査 費 返 還 金 251,1 0 0 円 に 対 し て 利 息 計 算 し た も の で あ る (4 監 査 対 象 部 局 の 陳 述 参 照 ) 法 定 利 息 計 算 ( 日 割 り 計 算 )に お い て 利 息 計 算 期 間 が 閏 年 に あ た る た め 民 法 第 1 4 3 条 第 1 項 の 規 定 に 基 づ き 1 年 を 3 6 6 日 ( 閏 年 )と し て 計 算 さ れ て い る 利 息 計 算 期 間 の 起 算 日 は 政 務 調 査 費 支 出 書 の 写 し を 確 認 す る と 同 会 派 が 同 年 3 月 3 0 日 に 公 金 と し て 本 件 政 務 調 査 費 を 支 出 し て い た の で 民 法 第 1 4 0 条 の 規 定 に 基 づ き 同 日 の 翌 日 と な っ て い る イ 議 会 事 務 局 総 務 課 は 本 件 納 入 済 利 息 を 平 成 2 4 年 1 1 月 9 日 に 歳 5
入 科 目 諸 収 入 雑 入 そ の 他 雑 収 入 で 収 入 し て い る こ と を 調 定 書 収 入 関 係 決 裁 等 関 係 書 類 に よ り 確 認 し ま し た ⑶ 政 務 調 査 費 返 還 に 係 る 根 拠 法 令 に つ い て ア 自 治 法 自 治 法 に 特 段 の 規 定 は あ り ま せ ん イ 条 例 本 市 条 例 の 規 定 は 次 の と お り で す 姫 路 市 議 会 政 務 調 査 費 交 付 条 例 ( 平 成 1 3 年 3 月 2 8 日 条 例 第 1 号 以 下 交 付 条 例 と い う ) ( 政 務 調 査 費 の 返 還 ) 第 9 条 政 務 調 査 費 の 交 付 を 受 け た 会 派 が そ の 年 度 に お い て 交 付 を 受 け た 政 務 調 査 費 の 総 額 か ら 当 該 会 派 が そ の 年 度 に お い て 市 政 の 調 査 研 究 に 資 す る た め 必 要 な 経 費 と し て 支 出 し た 総 額 を 控 除 し て 残 余 が あ る と き は 当 該 残 余 の 額 を 毎 年 4 月 30 日 ま で に 市 長 に 返 還 し な け れ ば な ら な い 2 前 項 の 規 定 に か か わ ら ず 議 員 の 任 期 が 満 了 し た 場 合 に お い て 交 付 を 受 け た 政 務 調 査 費 に 残 余 が あ る と き は 会 派 の 代 表 者 及 び 経 理 責 任 者 で あ っ た 者 は 当 該 残 余 の 額 を 任 期 満 了 の 日 か ら 30 日 以 内 に 市 長 に 返 還 し な け れ ば な ら な い 3 第 1 項 の 規 定 に か か わ ら ず 議 会 又 は 政 務 調 査 費 の 交 付 を 受 け た 会 派 が 解 散 し た 場 合 に お い て 交 付 を 受 け た 政 務 調 査 費 に 残 余 が あ る と き は 会 派 の 代 表 者 及 び 経 理 責 任 者 で あ っ た 者 は 当 該 残 余 の 額 を 解 散 し た 日 か ら 30 日 以 内 に 市 長 に 返 還 し な け れ ば な ら な い < 参 考 > ( 交 付 の 方 法 ) 第 4 条 政 務 調 査 費 は 各 四 半 期 の 最 初 の 月 に 当 該 四 半 期 に 属 す る 月 数 分 を 交 付 す る た だ し 四 半 期 の 途 中 に お い て 議 員 の 任 期 が 満 了 す る 場 合 は 任 期 満 了 の 日 の 属 す る 月 ま で の 月 数 分 を 交 付 す る ( 収 支 報 告 書 等 の 提 出 等 ) 第 8 条 政 務 調 査 費 の 交 付 を 受 け た 会 派 は 規 則 で 定 め る 政 務 調 査 費 収 支 報 告 書 を 作 成 し 議 長 に 提 出 し な け れ ば な ら な い 6
2 政 務 調 査 費 の 交 付 を 受 け た 会 派 は 政 務 調 査 費 の 支 出 に 係 る 領 収 証 書 等 の 証 拠 書 類 を 添 付 し た 規 則 で 定 め る 政 務 調 査 費 支 出 書 を 作 成 し 規 則 で 定 め る と こ ろ に よ り 保 管 す る と と も に そ の 写 し( 添 付 さ れ た 証 拠 書 類 の 写 し を 含 む 以 下 同 じ )を 議 長 に 提 出 し な け れ ば な ら な い 3 第 1 項 の 規 定 に よ る 政 務 調 査 費 収 支 報 告 書 の 提 出 及 び 前 項 の 規 定 に よ る 政 務 調 査 費 支 出 書 の 写 し の 提 出 ( 以 下 収 支 報 告 書 等 の 提 出 と い う )は 前 年 度 の 交 付 に 係 る 政 務 調 査 費 に つ い て 毎 年 4 月 30 日 ま で に 行 わ な け れ ば な ら な い 4 前 項 の 規 定 に か か わ ら ず 議 員 の 任 期 が 満 了 し た と き は 会 派 の 代 表 者 及 び 経 理 責 任 者 で あ っ た 者 は 任 期 満 了 の 日 か ら 30 日 以 内 に 収 支 報 告 書 等 の 提 出 を 行 わ な け れ ば な ら な い 5 第 3 項 の 規 定 に か か わ ら ず 議 会 又 は 政 務 調 査 費 の 交 付 を 受 け た 会 派 が 解 散 し た と き は 会 派 の 代 表 者 及 び 経 理 責 任 者 で あ っ た 者 は 解 散 の 日 か ら 30 日 以 内 に ( 議 会 が 解 散 し た と き は 速 や か に ) 収 支 報 告 書 等 の 提 出 を 行 わ な け れ ば な ら な い ウ 規 則 本 市 規 則 に 特 段 の 規 定 は あ り ま せん エ 民 法 ( 明 治 2 9 年 4 月 2 7 日 法 律 第 8 9 号 ) 政 務 調 査 費 返 還 に 関 連 する 民 法 の 主 な 規 定 は 次 の と お り で す 第 4 1 2 条 ( 履 行 期 と 履 行 遅 滞 ) 第 7 0 3 条 ( 不 当 利 得 の 返 還 義 務 ) ⑷ 政 務 調 査 費 返 還 金 に 対 す る 法 定 利 息 に 係 る 根 拠 法 令 に つ い て ア 自 治 法 自 治 法 に 特 段 の 規 定 は あ り ま せ ん が 請 求 人 が 例 に あ げ て い る 延 滞 金 に つ い て の 規 定 は 次 の と お り で す 第 2 3 1 条 の 3 ( 督 促 滞 納 処 分 等 ) イ 条 例 本 市 条 例 に 特 段 の 規 定 は あ り ま せ ん が 請 求 人 が 例 に あ げ て い る 姫 路 市 市 税 条 例 姫 路 市 介 護 保 険 条 例 及 び 姫 路 市 後 期 高 齢 者 医 療 に 関 す る 条 例 の 延 滞 金 に つ い て の 主 な 規 定 は 次 の と お り で す 姫 路 市 市 税 条 例 ( 昭 和 2 5 年 8 月 1 2 日 条 例 第 2 4 号 ) 参 考 利 率 等 の 表 示 の 年 利 建 て 移 行 に 関 す る 条 例 ( 昭 和 45 年 10 7
月 8 日 条 例 第 37 号 ) ( 年 当 り の 割 合 の 基 礎 と な る 日 数 ) 第 9 条 第 1 条 第 3 条 から 第 5 条 ま で 第 7 条 及 び 前 条 の 規 定 に よ る 改 正 後 の 条 例 の 規 定 に 定 め る 延 滞 金 の 額 の 計 算 に つ き こ れ ら の 条 例 の 規 定 に 定 め る 年 当 り の 割 合 は 閏 年 の 日 を 含 む 期 間 に つ い て も 365 日 当 り の 割 合 と す る 姫 路 市 介 護 保 険 条 例 ( 平 成 1 2 年 3 月 2 9 日 条 例 第 4 7 号 ) ( 延 滞 金 ) 第 7 条 第 4 項 第 1 項 に 規 定 す る 年 当 た り の 割 合 は う る う 年 の 日 を 含 む 期 間 に つ い て も 3 6 5 日 当 た り の 割 合 と す る 姫 路 市 後 期 高 齢 者 医 療 に 関 す る 条 例 ( 平 成 2 0 年 3 月 2 6 日 条 例 第 1 号 ) ( 延 滞 金 ) 第 5 条 第 4 項 第 1 項 に 規 定 す る 年 当 た り の 割 合 は う る う 年 の 日 を 含 む 期 間 に つ い て も 3 6 5 日 当 た り の 割 合 と す る ウ 規 則 本 市 規 則 に 特 段 の 規 定 は あ り ま せ ん エ 民 法 政 務 調 査 費 返 還 金 に 対 す る 法 定 利 息 に 関 連 す る 民 法 の 主 な 規 定 は 次 の と お り で す 第 8 9 条 ( 果 実 の 帰 属 ) 第 1 4 0 条 ( 期 間 の 起 算 ) 第 1 4 3 条 ( 暦 に よ る 期 間 の 計 算 ) 第 4 0 4 条 ( 法 定 利 率 ) 第 4 1 5 条 ( 債 務 不 履 行 に よ る 損 害 賠 償 ) 第 7 0 4 条 ( 悪 意 の 受 益 者 の 返 還 義 務 等 ) 第 7 0 9 条 ( 不 法 行 為 に よ る 損 害 賠 償 ) ⑸ 利 率 等 の 表 示 の 年 利 建 て 移 行 に 関 す る 法 律 等 に つ い て 請 求 人 が 摘 示 し て い る 閏 年 に お け る 利 息 計 算 関 係 法 令 で あ る 利 率 等 の 表 示 の 年 利 建 て 移 行 に 関 す る 法 律 ( 昭 和 4 5 年 4 月 1 日 法 律 第 1 3 号 以 下 年 利 移 行 法 と い う ) 第 2 5 条 で は 前 各 条 の 規 定 に よ る 改 正 後 の 法 律 の 規 定 ( 他 の 法 令 の 規 定 において 準 用 する 場 合 を 含 む )に 定 8
める 延 滞 税 利 子 税 還 付 加 算 金 延 滞 金 加 算 金 過 怠 金 違 約 金 割 増 金 納 付 金 及 び 延 滞 利 息 そ の 他 政 令 で 指 定 す る こ れ ら に 類 す る も の の 額 の 計 算 に つ き こ れ ら の 法 律 の 規 定 そ の 他 法 令 の 規 定 に 定 め る 年 当 た り の 割 合 は 閏 年 の 日 を 含 む 期 間 に つ い て も 3 6 5 日 当 た り の 割 合 と す る と 規 定 さ れ て い ま す 同 法 の 立 法 趣 旨 は 利 率 等 を 日 歩 建 てで 表 示 している 法 律 の 規 定 を 一 括 して 年 利 建 ての 表 示 に 改 めるものであり( 昭 和 45 年 3 月 3 日 第 63 回 国 会 大 蔵 委 員 会 同 法 提 案 理 由 説 明 ) 対 象 と し て い る 法 律 は 国 税 通 則 法 地 方 税 法 土 地 収 用 法 道 路 法 農 地 法 等 の 5 8 の 法 律 で す また 同 法 の 施 行 に 伴 い 同 法 第 25 条 及 び 関 係 法 の 規 定 に 基 づき 利 率 等 の 表 示 の 年 利 建 て 移 行 に 関 す る 政 令 ( 以 下 年 利 移 行 令 と い う ) が 制 定 され 対 象 政 令 として 所 得 税 法 施 行 令 法 人 税 法 施 行 令 地 方 税 法 施 行 令 等 が 列 挙 さ れ て い ま す ⑹ 閏 年 に お け る 利 息 の 計 算 に つ い て 本 件 納 入 済 利 息 の 利 息 計 算 に お い て 利 率 は 法 令 に 特 段 の 規 定 が な い た め 民 法 第 4 0 4 条 規 定 の 年 利 ( 5 % )で 定 め ら れ る こ と と な り 民 法 第 8 9 条 第 2 項 の 規 定 に よ り 日 割 り で 計 算 さ れ ていま す 利 率 が 年 利 で 定 め ら れ る 場 合 民 法 第 1 4 3 条 第 1 項 で 週 月 又 は 年 に よ っ て 期 間 を 定 め た と き は そ の 期 間 は 暦 に よ っ て 計 算 す る と 規 定 さ れ て い ま す 1 年 の 日 数 は 平 年 ( 3 6 5 日 ) と 閏 年 ( 3 6 6 日 ) で 違 う の で 利 息 計 算 の 起 算 日 か ら 数 え て 年 の 途 中 で 計 算 を し な け れ ば な ら な い 場 合 閏 年 を 3 6 5 日 と し て 扱 う こ と と す る な ど 当 事 者 間 で の 合 意 が あ る と き や 法 令 に 特 段 の 規 定 が あ る と き を 除 き そ の 計 算 方 法 が 問 題 と な り ま す 暦 に し た が っ て 利 息 計 算 を す る 場 合 そ の 期 間 が 平 年 の 中 に あ る 場 合 に は 3 6 5 日 閏 年 の 中 に あ る 場 合 は 3 6 6 日 で 計 算 す る 考 え 方 ( 以 下 暦 年 閏 年 説 と い う )や 利 息 計 算 期 間 の 起 算 日 を 基 準 と し て 向 こう 1 年 間 の 中 に 2 月 2 9 日 を 含 む 場 合 に は 3 6 6 日 含 ま な い 場 合 に は 3 6 5 日 で 計 算 す る 考 え 方 ( 以 下 2 月 2 9 日 基 準 説 と い う ) が あ り ま す ⑺ 裁 判 判 決 ( 裁 判 所 判 断 ) に つ い て 本 件 請 求 に 関 連 す る と 考 え ら れ る 政 務 調 査 費 の 返 還 や 遅 延 損 害 金 に 係 る 裁 判 判 決 ( 裁 判 所 判 断 の 抜 粋 ) は 次 の と お り で す 9
ア 東 京 都 品 川 区 政 務 調 査 費 等 事 件 ( 平 成 2 1 年 1 0 月 1 6 日 東 京 地 方 裁 判 所 判 決 以 下 東 京 地 裁 判 決 と い う ) 政 務 調 査 費 は 地 方 自 治 法 及 び 条 例 に お い て 特 に 定 め ら れ た 交 付 金 で あ り そ の 目 的 内 容 等 に 照 ら す と 政 務 調 査 費 の 交 付 は 公 法 上 の 原 因 に 基 づ く も の と い う こ と が で き こ の よ う な 公 法 上 の 原 因 に 基 づ い て 交 付 さ れ た 金 員 の 返 還 を 内 容 と す る 不 当 利 得 返 還 請 求 権 は 公 法 上 の 債 権 で あ る と い う べ き で あ る イ 弘 前 市 政 務 調 査 費 返 還 履 行 請 求 控 訴 事 件 ( 平 成 2 3 年 5 月 2 0 日 仙 台 高 等 裁 判 所 判 決 以 下 仙 台 高 裁 判 決 と い う ) 本 件 条 例 ( 弘 前 市 議 会 政 務 調 査 費 交 付 条 例 ) に は 交 付 を 受 け た 政 務 調 査 費 に 残 余 が あ る 場 合 の 返 還 義 務 を 定 め た 規 定 は あ る も の の そ の 返 還 時 期 に つ い て 明 確 に 定 め た 規 定 は な い し か し 収 支 報 告 書 の 提 出 期 限 を 定 め る 本 件 条 例 の 規 定 及 び そ の 趣 旨 に 照 ら せ ば 本 件 条 例 は 残 余 金 の 返 還 時 期 に つ い て は 確 定 期 限 ( 政 務 調 査 費 の 交 付 に 係 る 年 度 の 翌 年 度 の 4 月 3 0 日 ) 又 は 不 確 定 期 限 ( 議 員 で な く な っ た 日 か ら 3 0 日 以 内 ) を 定 め て い る も の と い う べ き で あ る 不 当 利 得 返 還 請 求 に お け る 附 帯 請 求 ( 遅 延 損 害 金 ) の 起 算 日 は 政 務 調 査 費 の 交 付 を 受 け た 年 度 の 翌 年 度 の 5 月 1 日 と 認 め る の が 相 当 で あ る 以 上 仙 台 高 裁 判 決 では 弘 前 市 に 対 し て 違 法 な 政 務 調 査 費 を 支 出 し た 議 員 に 不 当 利 得 の 返 還 及 び 遅 延 損 害 金 ( 法 定 利 息 ) を 請 求 す る こ と を 命 じ る と と も に 既 に 政 務 調 査 費 を 自 主 的 に 返 還 した 議 員 に 対 し て も 5 月 1 日 か ら 自 主 返 還 日 ま で の 遅 延 損 害 金 を 請 求 す る こ と を 命 じ て い ます なお 平 成 1 9 年 4 月 の 弘 前 市 政 務 調 査 費 返 還 請 求 住 民 訴 訟 控 訴 審 判 決 に お い て も 仙 台 高 裁 判 決 と 同 様 の 判 断 が な さ れ て お り 同 控 訴 審 判 決 は 最 高 裁 判 所 が 平 成 1 9 年 1 0 月 2 6 日 原 告 の 上 告 を 棄 却 し 上 告 審 と し て 受 理 し な い こ と を 決 定 し た こ と に よ り 確 定 し て い ま す エ 神 戸 市 焼 却 炉 談 合 損 害 賠 償 控 訴 事 件 及 び 同 附 帯 請 求 事 件 に 係 る 請 求 異 議 事 件 ( 平 成 2 2 年 1 0 月 1 3 日 神 戸 地 方 裁 判 所 判 決 以 下 神 戸 地 裁 判 決 と い う ) 遅 延 損 害 金 の 計 算 方 法 に 関 し て 民 法 第 1 4 3 条 等 の 関 係 法 令 の 文 言 から2 月 2 9 日 基 準 説 と 暦 年 閏 年 説 のいず れ の 見 解 を 採 用 す べ き か ど う か を 決 す る こ と は 困 難 で あ り 両 説 と も そ れ ぞ れ 合 理 的 な 理 由 が な い と は い え ず い ず れ の 見 解 に 従 っ て 遅 延 損 害 金 の 計 算 法 を 行 う 10
べ き か ど う か を 直 ち に 決 す る こ と は で き な い 2 判 断 ⑴ 年 利 移 行 法 及 び 年 利 移 行 令 の 適 用 に つ い て ア 年 利 移 行 法 及 び 年 利 移 行 令 の 適 用 を 受 け る 利 息 債 権 に つ い て 請 求 人 が 主 張 す る 本 件 法 定 利 息 の 計 算 の 年 当 た り の 割 合 ( 3 6 5 日 ) に つ い ての 根 拠 法 令 で あ る 年 利 移 行 法 に お い て は そ の 適 用 を 受 け る 法 律 が 限 定 列 挙 さ れ て お り 同 法 の 施 行 に 伴 い 制 定 さ れ た 年 利 移 行 令 に お い て も その 適 用 を 受 け る 関 係 政 令 が 列 挙 さ れ て い ま す こ の よ う な 規 定 の 仕 方 か ら す れ ば 同 法 及 び 同 政 令 の 適 用 を 受 け 年 当 た り の 割 合 が 閏 年 の 日 を 含 む 期 間 に つ い て も 3 6 5 日 当 た り の 割 合 と な る 利 息 債 権 は 同 法 及 び 同 政 令 や 条 例 規 則 を 含 む 関 係 法 令 に 利 率 等 の 定 め の あ る 公 法 上 の 利 息 債 権 に 限 ら れ ると 解 す る の が 相 当 で す ま た 利 率 等 を 日 歩 建 て で 表 示 し て い る 法 律 の 規 定 を 一 括 し て 年 利 建 て の 表 示 に 改 め る も の と す る 同 法 の 立 法 趣 旨 か ら み る と 現 行 の 公 法 上 の 利 息 債 権 全 て に つ い て 同 法 が 適 用 ま た は 準 用 さ れ る も の で は な く 同 法 施 行 ( 昭 和 4 5 年 4 月 ) 後 に 設 け ら れ た 新 た な 制 度 に よ り 発 生 し た 公 法 上 の 利 息 債 権 に 係 る 閏 年 の 日 を 含 む 期 間 の 定 め に つ い て は 同 法 以 外 の 当 該 制 度 に 係 る 個 別 の 法 令 に 委 ね ら れ て い る と 考 え ま す イ 本 件 法 定 利 息 の 返 還 請 求 権 は 年 利 移 行 法 及 び 年 利 移 行 令 が 適 用 又 は 準 用 さ れ る 利 息 債 権 か ど う か に つ い て 本 件 法 定 利 息 の 元 本 で あ る 本 件 政 務 調 査 費 の 返 還 請 求 権 は 東 京 地 裁 判 決 で 判 示 さ れ ているよ う に 公 法 上 の 原 因 に 基 づ い て 交 付 さ れ た 金 員 の 返 還 を 内 容 と す る 公 法 上 の 債 権 で あ る と い え ま す そ し て 本 件 法 定 利 息 の 返 還 請 求 権 は 仙 台 高 裁 判 決 で 判 示 さ れ て い る よ う に 交 付 条 例 で 定 め ら れ た 期 限 ま で に 返 還 さ れ な か っ た 本 件 政 務 調 査 費 に 対 す る 遅 延 損 害 金 請 求 権 であり 公 法 上 の 債 権 である 本 件 政 務 調 査 費 の 返 還 請 求 権 に 附 帯 す る 公 法 上 の 利 息 債 権 で あ る と いえます しかしながら 本 件 法 定 利 息 の 利 率 や 利 息 計 算 等 に ついては 法 律 政 令 や 条 例 規 則 等 法 令 に 特 段 の 定 めがな く ま た 政 務 調 査 費 は 年 利 移 行 法 施 行 ( 昭 和 4 5 年 4 月 ) 後 の 平 成 1 2 年 の 自 治 法 改 正 に よ り 新 た に 制 度 化 さ れ た も の で あ る こ と か ら 政 務 調 査 費 返 還 に よ り 発 生 す る 本 件 法 定 利 息 の 返 還 請 求 権 に つ い て は 同 法 が 適 用 ま た は 準 用 される 余 地 は あ り ま せ ん 11
⑵ 本 件 法 定 利 息 は 公 法 上 の 延 滞 金 と 同 様 に 扱 う も の で あ る か ど う か に つ いて 請 求 人 は 姫 路 市 市 税 条 例 姫 路 市 介 護 保 険 条 例 及 び 姫 路 市 後 期 高 齢 者 医 療 に 関 す る 条 例 を 例 に 挙 げ 本 件 法 定 利 息 は 行 政 上 ( 公 法 上 )の 延 滞 金 と 同 様 に 扱 う べきであ る と 主 張 しているも の と 推 察 し ますが 市 長 が 歳 入 ( 延 滞 金 元 本 )を 納 期 限 ま で に 納 付 し な い 者 に 対 し て 延 滞 金 を 徴 収 す る と き に は 期 限 を 指 定 し て こ れ を 督 促 し 条 例 の 定 め る と こ ろ に よ り 徴 収 しなけ れ ば な り ま せ ん ( 自 治 法 第 2 3 1 条 の 3 ) 先 に 述 べ た よ う に 本 件 法 定 利 息 に つ い て は 本 市 条 例 に 特 段 の 定 め は な く ま た そ の 元 本 で あ る 本 件 政 務 調 査 費 は 同 会 派 か ら 自 主 返 納 さ れ た も の で あ り 督 促 を 要 し な い も の で あ る こ と か ら 公 法 上 の 延 滞 金 と 同 様 に 扱 う こ と は で き ま せ ん (3) 本 件 法 定 利 息 の 計 算 に お け る 閏 年 の 取 り 扱 い に つ い て 本 件 法 定 利 息 は 利 率 や 利 息 計 算 等 について 法 律 や 条 例 等 法 令 に 特 段 の 定 めがないため 民 法 の 規 定 が 準 用 され 不 当 利 得 若 しくは 債 務 不 履 行 ( 履 行 遅 滞 ) に 対 す る 遅 延 損 害 金 請 求 権 に 基 づ き 民 法 所 定 の 年 5 分 の 利 率 に よ り 利 息 計 算 さ れ る も の で あ る と 考 え ま す また 利 息 計 算 における 閏 年 の 取 り 扱 い に つ い て も 法 令 に 特 段 の 定 め が な く 本 市 と 同 会 派 と の 間 に 合 意 もないため 民 法 第 1 4 3 条 の 規 定 に よ り 暦 に 従 って 計 算 さ れ る こ と と な り ま す 暦 に 従 って 利 息 計 算 す る 場 合 暦 年 閏 年 説 で 計 算 すると1 年 は366 日 2 月 2 9 日 基 準 説 で 計 算 す る と 本 件 法 定 利 息 の 計 算 期 間 は 2 月 2 9 日 を 含 んでおらず3 6 5 日 と な る の で 本 件 納 入 済 利 息 は 暦 年 閏 年 説 で 利 息 計 算 さ れ た も の と 考 え ら れ ま す 遅 延 損 害 金 が 年 利 の 場 合 の 利 息 計 算 にお け る 閏 年 の 取 り 扱 い に つ い て は 神 戸 地 裁 判 決 において 判 示 さ れ て い る と お り 両 説 と も そ れ ぞ れ 合 理 的 な 理 由 が な い と は い え ず また 裁 判 所 ( 民 事 執 行 部 ) な ど の 公 的 機 関 が 暦 年 閏 年 説 を 採 用 し て い る 事 例 が あ る こ と か ら 本 市 が 年 3 6 6 日 当 た り の 割 合 で 利 息 計 算 さ れ た 本 件 納 入 済 利 息 を 適 正 な も の と し て 収 入 し た こ と に つ い て は 理 由 が あ り 違 法 不 当 であるとはいえません (4) 本 件 法 定 利 息 の 起 算 日 に つ い て 本 件 納 入 済 利 息 は 交 付 条 例 第 8 条 第 2 項 で 定 め る 政 務 調 査 費 支 出 書 により 本 件 政 務 調 査 費 の 支 出 が 確 認 された 平 成 24 年 3 月 30 日 12
の 翌 日 ( 3 月 3 1 日 ) から 返 還 された 同 年 11 月 1 日 までの 期 間 に つ い て 計 算 さ れ て い ま す が 交 付 条 例 第 9 条 で は 交 付 を 受 け た 政 務 調 査 費 に 残 余 が あ る と き は 当 該 残 余 の 額 を 毎 年 4 月 3 0 日 ま で に 市 長 に 返 還 し な け れ ば な ら な い と そ の 返 還 期 限 が 規 定 さ れ て い ま す 本 件 法 定 利 息 に 係 る 返 還 請 求 権 は 仙 台 高 裁 判 決 で 判 示 さ れ て い る よ う に 交 付 条 例 で 定 め ら れ た 期 限 ま で に 返 還 さ れ な か っ た 政 務 調 査 費 に 対 す る 遅 延 損 害 金 請 求 権 で あ り その 起 算 日 は 条 例 で 定 める 政 務 調 査 費 残 余 金 返 還 期 限 ( 以 下 返 還 期 限 と い う ) の 翌 日 で あ る 5 月 1 日 と 認 め る の が 相 当 です さらに 同 判 決 では 弘 前 市 に 対 して 既 に 政 務 調 査 費 を 自 主 的 に 返 還 し た 議 員 に 対 し て 5 月 1 日 か ら 自 主 返 還 日 ま で の 遅 延 損 害 金 を 請 求 す る こ と を 命 じ て い る こ と か ら み て も 本 件 法 定 利 息 の 起 算 日 は 条 例 で 定 め る 返 還 期 限 の 翌 日 で あ る 5 月 1 日 で あ る と いえます (5) 本 件 納 入 済 利 息 に 不 足 額 が 生 じ て い る か に つ い て 本 件 納 入 済 利 息 は 議 会 事 務 局 の 説 明 に よ る と 本 件 政 務 調 査 費 に 対 し て そ の 支 出 日 で あ る 平 成 2 4 年 3 月 30 日 の 翌 日 か ら 起 算 し て そ の 返 還 日 ( 同 年 1 1 月 1 日 ) ま で の 2 1 6 日 に つ い て 民 法 所 定 の 法 定 利 率 ( 年 5 分 ) 年 3 6 6 日 当 た り の 割 合 で 計 算 さ れ て い ま す 先 に 述 べ た と お り 本 件 法 定 利 息 の 起 算 日 は 交 付 条 例 で 定 める 返 還 期 限 の 翌 日 で あ る 同 年 5 月 1 日 で あ る と いえることか ら 本 件 政 務 調 査 費 の 返 還 日 ( 同 年 11 月 1 日 ) までの185 日 について 民 法 所 定 の 法 定 利 率 ( 年 5 分 )により 仮 に 年 3 6 6 日 当 た り の 割 合 で 計 算 す る と 6,3 4 6 円 請 求 人 が 主 張 す る 3 6 5 日 当 た り の 割 合 で 計 算 す る と 6, 3 6 3 円 と な り い ず れ の 場 合 も 納 入 さ れ た 本 件 法 定 利 息 7,4 0 9 円 を 下 回 り 不 足 額 は 生 じ て い ま せ ん 第 4 結 論 以 上 のとおり 本 件 法 定 利 息 は 公 法 上 の 債 権 で あ る 本 件 政 務 調 査 費 返 還 請 求 権 に 付 帯 す る 遅 延 損 害 金 請 求 権 ( 公 法 上 の 債 権 )に 基 づ く も の で あ る と 解 さ れ ま す が 年 利 移 行 法 及 び 年 利 移 行 令 の 適 用 を 受 け る も の で は な く 公 法 上 の 延 滞 金 と 同 様 に 取 り 扱 う も の で も な い こ と か ら 本 市 が 年 3 6 6 日 当 た り の 割 合 で 計 算 さ れ た 本 件 納 入 済 利 息 を 適 正 な も の と し て 収 入 し た こ と は 違 法 不 当 で あ る と は い え ま せ ん また 本 件 法 定 利 息 の 起 算 日 を 交 付 条 例 が 定 め た 返 還 期 限 の 翌 日 で あ 13
る 5 月 1 日 と し て 計 算 し た ときの 利 息 は 年 3 6 6 日 当 た り の 割 合 で 計 算 しても 請 求 人 が 主 張 す る 3 6 5 日 当 た り の 割 合 で 計 算 しても い ず れの 場 合 も 本 件 納 入 済 利 息 に 不 足 額 は 生 じ ず 本 市 に 財 産 的 損 害 は 発 生 し て いません したがって 本 件 納 入 済 利 息 に 不 足 額 が 生 じ て お り 市 長 はその 返 還 請 求 権 行 使 を 怠 っ て い る と す る 請 求 人 の 主 張 に は 理 由 が な く 当 該 不 足 額 を 返 還 請 求 す る 措 置 の 必 要 性 は 認 め ら れ な い も の と 判 断 し ま す 第 5 意 見 昨 年 9 月 の 自 治 法 改 正 を 受 け て 本 市 に お い て は 姫 路 市 議 会 政 務 活 動 費 交 付 条 例 ( 現 行 姫 路 市 議 会 政 務 調 査 費 交 付 条 例 ) が 同 法 の 施 行 日 と 同 日 に 施 行 さ れ ま す が 当 該 条 例 では 議 長 は 政 務 活 動 費 収 支 報 告 書 に つ い て 必 要 に 応 じ て 調 査 を 行 う 等 政 務 活 動 費 の 適 正 な 運 用 を 期 す と と も に 使 途 の 透 明 性 の 確 保 に 努 め る も の と す る と 使 途 の 透 明 性 の 確 保 に つ い て の 規 定 が 新 た に 追 加 さ れ て い ま す 今 後 は 議 長 の 調 査 の 結 果 使 途 基 準 に 適 合 し な い 政 務 活 動 費 ( 現 行 政 務 調 査 費 )が 会 計 年 度 終 了 後 に 返 還 さ れ る 場 合 も 考 え ら れ る こ と か ら 法 定 利 息 を 含 む 返 還 金 に つ い て 市 民 に 対 し て 明 確 な 説 明 責 任 を 果 た せ る よ う 政 務 活 動 費 ( 現 行 政 務 調 査 費 ) 収 支 報 告 書 等 の 修 正 変 更 な ど の 事 務 手 続 きを 含 めて 適 正 に 処 理 するた め の 仕 組 み を 確 立 す る こ と が 必 要 で あ る と 考 え ま す なお 本 件 納 入 済 利 息 は 過 納 の 状 態 と な っ て いるため 適 正 に 事 務 処 理 を 行 う 必 要 が あ る と 考 え ま す 14