抗 菌 薬 の PK-PD ガイダンス 1
はじめに PK とは 薬 物 動 態 を 意 味 する Pharmacokinetics の 略 であり 薬 物 の 用 法 用 量 と 生 体 内 での 薬 物 濃 度 推 移 ( 吸 収 分 布 代 謝 排 泄 )の 関 係 を 表 す また PD とは 薬 力 学 を 意 味 する Pharmacodynamics の 略 であり 薬 物 の 生 体 内 での 曝 露 と 作 用 ( 期 待 される 作 用 副 作 用 )の 関 係 を 表 す 抗 菌 薬 における PK-PD とは PK と PD を 組 み 合 わせて 関 連 付 けることにより 抗 菌 薬 の 用 法 用 量 と 作 用 の 関 係 を 表 し 抗 菌 薬 の 有 効 性 や 安 全 性 の 観 点 から 最 適 な 用 法 用 量 を 設 定 し 適 正 な 臨 床 使 用 を 実 践 するための 考 え 方 で ある 抗 菌 薬 の 開 発 や 新 たな 適 応 症 の 承 認 を 得 るため 行 われる 前 臨 床 試 験 および 臨 床 試 験 においては 抗 菌 薬 の 被 験 者 に 対 する 副 作 用 を 最 小 限 にし 臨 床 効 果 を 最 大 限 にするための 投 与 方 法 を 明 らかにすること が 重 要 である 前 臨 床 試 験 においては 前 臨 床 PK-PD 試 験 で 薬 効 と 相 関 する PK-PD パラメータを 明 ら かにし 治 療 効 果 を 得 るために 必 要 な PK-PD パラメータ 値 を 算 出 すること PK-PD パラメータや PK と mutant prevention concentration(mpc)との 関 係 から 耐 性 菌 の 出 現 抑 制 に 関 わる 要 因 を 解 明 すること 副 作 用 発 現 に 関 わる PK パラメータを 明 らかにし 副 作 用 発 現 の 危 険 性 が 予 測 される PK パラメータの 数 値 を 算 出 することが 重 要 で これらの 前 臨 床 試 験 の 結 果 を 踏 まえて 臨 床 試 験 においても 積 極 的 な PK-PD 検 討 の 実 施 を 推 進 することによって 抗 菌 薬 の 有 効 性 や 安 全 性 の 観 点 から 求 められる 最 適 な 用 法 用 量 を より 能 率 的 に 設 定 することが 可 能 となり ひいてはより 適 正 な 臨 床 使 用 を 実 践 することが できるといえる 抗 菌 薬 療 法 における PK-PD の 重 要 性 を 鑑 みて 抗 菌 薬 開 発 における 積 極 的 な PK-PD 検 討 の 実 施 を 推 進 するために 抗 菌 薬 開 発 における PK-PD 検 討 の 現 状 に 関 する 調 査 を 行 い これらの 調 査 の 結 果 を 踏 ま え 抗 菌 薬 の 前 臨 床 試 験 および 臨 床 試 験 に 関 する PK-PD ガイダンスを 作 成 した 2
目 次 PK-PD 前 臨 床 ガイダンス... 5 1. 前 臨 床 試 験 における PK-PD 試 験 の 意 義 と 目 的... 5 1.1. 治 験 の 能 率 化... 5 1.1.1 治 験 における 用 法 用 量 設 定 の 科 学 的 根 拠... 5 1.1.2. PK-PD 前 臨 床 試 験 成 績 の 臨 床 への 外 挿... 5 1.2. 耐 性 菌 出 現 防 止 対 策... 5 1.3. 既 存 抗 菌 薬 治 療 の 能 率 化... 5 1.4. 副 作 用 の 予 測 と 解 析... 5 2. 前 臨 床 PK-PD 試 験 : 実 施 方 法... 5 2.1. 前 臨 床 PK-PD 試 験 系 の 標 準 化... 6 2.1.1. 供 試 動 物... 6 2.1.2. 前 処 置... 6 2.1.3. 供 試 菌 株... 6 2.1.4. 菌 の 調 製 方 法... 6 2.1.5. 感 染 部 位... 6 2.1.6. 投 与 スケジュール... 6 2.1.7. PK-PD パラメータ 値 の 算 出... 6 2.1.8. 治 療 効 果 と PK-PD パラメータとの 相 関... 6 2.2. PK-PD 標 準 化 試 験 実 施 上 の 留 意 点... 6 2.2.1. 試 験 標 準 化 の 目 的... 6 2.2.2. 対 照 薬 の 選 択... 6 2.2.3. 薬 力 学 パラメータを 検 討 するにあたっての 留 意 点... 7 3. 前 臨 床 PK-PD 試 験 法 に 関 する 今 後 の 課 題... 8 3.1. 前 臨 床 PK-PD 試 験 の 外 挿 性 の 検 証... 8 PK-PD 臨 床 ガイダンス... 9 1. 序 論... 9 1.1 抗 菌 薬 療 法 における PK-PD の 重 要 性... 9 2. PK-PD 試 験 の 意 義... 9 3
2.1. 科 学 的 根 拠 に 基 づいた 用 法 用 量 の 設 定... 9 2.2 治 験 の 能 率 化... 10 2.3. 既 存 抗 菌 薬 における 適 正 使 用... 10 2.4. 耐 性 菌 の 出 現 防 止 および 副 作 用 の 軽 減... 10 3. 試 験 計 画 実 施 方 法... 10 3.1. PK-PD 検 討 における 第 Ⅰ 相 試 験 の 役 割... 11 3.2. 第 Ⅱ 相 試 験 における PK-PD 検 討... 11 3.3. 第 Ⅲ 相 試 験 における PK-PD 検 討... 12 3.3.1. 比 較 臨 床 試 験... 12 3.3.2. 一 般 臨 床 試 験... 12 3.4. 特 定 の 要 因 を 持 つ 患 者 集 団 を 対 象 とした PK-PD 検 討... 12 4. PK-PD データ 解 析 方 法 報 告 方 法... 13 4.1. PK-PD データの 集 計 解 析 方 法... 13 4.2. PK-PD モデリングと Clinical Trial Simulation... 13 4.3. PPK 解 析 とベイズ 推 定... 13 4.4. PK-PD ターゲット 値 の 算 定... 14 4.5. タンパク 結 合 率 ( 遊 離 薬 物 濃 度 )... 14 4.6. 影 響 因 子... 14 4.6.1. 宿 主 側 の 因 子... 14 4.6.2. 菌 側 の 因 子... 14 4.7. 複 数 菌 感 染 の 場 合 のデータの 取 り 扱 い... 14 4.8. 複 数 の PK-PD 関 連 試 験 結 果 が 得 られた 場 合 の 統 合 的 な 評 価 方 法... 15 5. 抗 菌 薬 のライフサイクルマネージメントにおける PK-PD 検 討 の 位 置 づけ 活 用 方 法 15 5.1. 開 発 の 段 階... 15 5.2. 製 造 販 売 後 の 段 階... 15 6. 小 児 臨 床 試 験 における PK-PD 検 討... 15 6.1. 小 児 臨 床 開 発 の 進 め 方... 15 6.2. 成 人 の 臨 床 試 験 が 先 行 している 場 合 の 小 児 臨 床 試 験... 16 6.3. 成 人 試 験 のない 場 合 の 小 児 臨 床 試 験 における 留 意 点... 17 6.4. 小 児 における PK-PD 解 析 の 課 題 と 対 応 策... 17 6.5. その 他 の 留 意 点... 17 おわりに... 18 4
PK-PD 前 臨 床 ガイダンス 1. 前 臨 床 試 験 における PK-PD 試 験 の 意 義 と 目 的 1.1. 治 験 の 能 率 化 抗 菌 薬 の 開 発 や 新 たな 適 応 症 の 承 認 を 得 るためには 治 験 を 実 施 する 必 要 がある 抗 菌 薬 の 被 験 者 に 対 する 副 作 用 を 最 小 限 にし 臨 床 効 果 を 最 大 限 にするためには 基 本 的 な PK-PD の 特 徴 を 明 確 化 することが 重 要 である 特 に 前 臨 床 PK-PD 試 験 成 績 は 下 記 の 点 において 臨 床 試 験 への 有 用 性 の 高 い 資 料 を 提 示 で きると 考 える 1.1.1 治 験 における 用 法 用 量 設 定 の 科 学 的 根 拠 前 臨 床 PK-PD 試 験 で 薬 効 と 相 関 する PK-PD パラメータを 明 らかにし 治 療 効 果 を 得 るために 必 要 な PK-PD パラメータ 値 を 算 出 する 第 Ⅰ 相 試 験 などで 得 られたヒト PK データ 必 要 な PK-PD パラメータ 値 および 同 系 統 抗 菌 薬 の 成 績 を 参 照 しながら 至 適 な 用 法 用 量 を 設 定 する 1.1.2. PK-PD 前 臨 床 試 験 成 績 の 臨 床 への 外 挿 蓄 積 された 前 臨 床 PK-PD 試 験 成 績 および 第 Ⅰ 相 試 験 などのヒトにおける PK データから 臨 床 への 高 い 外 挿 性 が 期 待 される 1.2. 耐 性 菌 出 現 防 止 対 策 PK-PD パラメータや PK と mutant prevention concentration(mpc)との 関 係 から 耐 性 菌 の 出 現 抑 制 に 関 わる 要 因 の 解 明 が 可 能 となる 1.3. 既 存 抗 菌 薬 治 療 の 能 率 化 前 臨 床 試 験 で 得 られた 抗 菌 薬 治 療 効 果 と 相 関 のある PK-PD パラメータをふまえ 感 染 症 治 療 における より 効 果 的 な 既 存 抗 菌 薬 の 投 与 方 法 ( 用 法 用 量 )の 確 立 に 寄 与 できる 1.4. 副 作 用 の 予 測 と 解 析 副 作 用 発 現 に 関 わる PK パラメータを 明 らかにし 副 作 用 発 現 の 危 険 性 が 予 測 される PK パラメータ の 数 値 を 算 出 する この 成 績 を 基 に 臨 床 における 副 作 用 発 現 を 防 止 できる 用 法 用 量 の 科 学 的 算 出 が 可 能 となる 2. 前 臨 床 PK-PD 試 験 : 実 施 方 法 前 臨 床 における PK-PD 試 験 成 績 を 有 効 かつ 能 率 的 に 使 用 するには PK-PD 試 験 の 標 準 化 が 必 要 であ る この 標 準 化 は 各 試 験 成 績 を 相 互 に 読 み 替 えることを 念 頭 において 作 成 されたものであり この 標 準 化 された 方 法 を 中 心 に 検 討 抗 菌 薬 の 特 性 に 基 づいた 試 験 を 実 施 することが 望 ましい 5
2.1. 前 臨 床 PK-PD 試 験 系 の 標 準 化 2.1.1. 供 試 動 物 4-8 週 齢 ICR 系 マウス 2.1.2. 前 処 置 サイクロフォスファミドを 感 染 4 日 前 150 mg/kg および 感 染 1 日 前 に 100 mg/kg をそれぞれ 腹 腔 内 投 与 し 顆 粒 球 減 尐 状 態 を 惹 起 させる 2.1.3. 供 試 菌 株 接 種 菌 株 は 目 的 に 応 じて 選 択 する 2.1.4. 菌 の 調 製 方 法 接 種 菌 量 により 結 果 が 影 響 されるため 調 製 方 法 と 接 種 菌 量 を 明 記 する 2.1.5. 感 染 部 位 大 腿 部 あるいは 腓 腹 筋 に 感 染 用 菌 液 を 接 種 する 2.1.6. 投 与 スケジュール 菌 接 種 2 時 間 後 から 投 与 開 始 し 投 与 開 始 時 を 0 時 間 とし 24 時 間 を 均 等 に 分 割 して 投 与 する 投 与 ルートは 臨 床 の 投 与 ルートと 必 ずしも 同 じである 必 要 はない 投 与 の 確 実 性 および 血 中 薬 物 濃 度 推 移 の モニターの 精 度 から 皮 下 投 与 が 推 奨 される 2.1.7. PK-PD パラメータ 値 の 算 出 Static effect に 必 要 な PK-PD パラメータ 値 抗 菌 薬 投 与 直 前 の 接 種 部 位 ( 大 腿 部 あるいは 腓 腹 筋 )の 生 菌 数 を 測 定 し 治 療 24 時 間 後 におけ る 菌 数 を 治 療 開 始 時 の 菌 数 に 抑 制 する PK-PD パラメータ 値 を 算 出 する 殺 菌 的 効 果 に 必 要 な PK-PD パラメータ 値 Emax-Sigmoid curve から 菌 数 を 治 療 開 始 時 の 1/10(1 log kill)あるいは 1/100(2 log kill)にな るのに 必 要 な PK-PD パラメータ 値 を 算 出 する 2.1.8. 治 療 効 果 と PK-PD パラメータとの 相 関 薬 効 評 価 試 験 と 可 能 な 限 り 同 条 件 (マウスの 系 統 週 齢 免 疫 不 全 状 態 感 染 ) 同 ルートで 投 与 し た 時 の 血 中 濃 度 を 予 め 測 定 し 治 療 効 果 と 相 関 の 高 い PK-PD パラメータを 求 める 2.2. PK-PD 標 準 化 試 験 実 施 上 の 留 意 点 2.2.1. 試 験 標 準 化 の 目 的 臨 床 での 薬 効 耐 性 菌 出 現 抑 制 副 作 用 発 現 を 予 測 し 臨 床 用 法 用 量 の 設 定 に 利 用 可 能 な PK-PD パラメータならびにその 指 標 値 を 明 らかにすることを 目 的 とする 2.2.2. 対 照 薬 の 選 択 同 系 統 抗 菌 薬 の 既 存 抗 菌 薬 があり その 臨 床 的 評 価 が 充 分 に 実 施 されている 場 合 以 下 の 標 準 抗 菌 薬 を 参 考 に 当 該 品 を 対 照 薬 として 同 じ 実 験 条 件 にて 評 価 し PK-PD 試 験 結 果 の 妥 当 性 を 検 証 す るとともに 被 験 薬 剤 の 臨 床 効 果 の 推 定 に 資 する 6
標 準 抗 菌 薬 経 口 セフェム 系 薬 :cefpodoxime proxetil 非 経 口 セフェム 系 薬 :cefepime (ceftriaxone*) カルバペネム 系 薬 :meropenem (meropenem/cilastatin**) 経 口 キノロン 系 薬 :levofloxacin 非 経 口 キノロン 系 薬 :ciprofloxacin マクロライド 系 薬 :clarithromycin ケトライド 系 薬 :telithromycin アミノグリコシド 系 薬 :gentamicin (arbekacin***) グリコペプタイド 系 薬 :vancomycin オキサゾリジノン 系 薬 :linezolid テトラサイクリン 系 薬 :minocycline *: 半 減 期 の 非 常 に 長 い 抗 菌 薬 の 場 合 に 使 用 **: 動 物 実 験 の 場 合 に 使 用 ***: 抗 MRSA 薬 の 場 合 に 使 用 新 規 構 造 新 規 作 用 機 作 の 抗 菌 薬 については 対 照 薬 を 設 定 できないので 前 臨 床 PK-PD 試 験 成 績 を 中 心 とした 多 方 面 の 成 績 を 基 に 臨 床 評 価 に 資 する 2.2.3. 薬 力 学 パラメータを 検 討 するにあたっての 留 意 点 In vitro および in vivo 試 験 の 成 績 を 踏 まえ 被 験 抗 菌 薬 の 特 徴 を 示 す 尐 数 の 代 表 的 な 菌 株 の 評 価 で PK-PD パラメータを 検 討 し 各 菌 種 菌 株 による 感 染 症 に 対 する 治 療 効 果 を 予 測 する 菌 種 によって PK-PD パラメータ 値 が 異 なる 場 合 があることから 複 数 の 主 要 な 標 的 菌 種 について 検 討 することが 望 ましい 薬 力 学 パラメータ 値 の 算 出 では 供 試 菌 株 に 対 する MIC が 重 要 な 因 子 となる 定 法 での MIC は 2 倍 段 階 希 釈 で 求 められるため 1 管 のずれで PK-PD パラメータ 値 は 1/2 から 2 倍 に 変 動 する 従 って MIC の 測 定 精 度 に 注 意 を 要 する また 数 値 の 正 確 性 を 期 するために 同 一 株 で MIC 測 定 を 複 数 回 実 施 して 代 表 値 を 求 める MIC を 低 希 釈 倍 率 (1.25 倍 等 )で 測 定 して 変 動 幅 を 縮 小 する あるいは 供 試 菌 株 数 を 増 やすなどの 対 応 をはかることには 意 義 がある 治 療 効 果 に 影 響 する PK-PD パラメータを 検 討 する 際 投 与 量 と 投 与 回 数 がそれぞれ 違 う 多 数 の 群 を 用 いる それら 各 群 の 治 療 効 果 成 績 を 総 合 的 に 解 析 して 治 療 効 果 に 密 接 に 関 わる PK-PD パラメータを 明 らかにする 治 療 効 果 に 影 響 する PK-PD パラメータは 複 数 となる 場 合 も 考 えられる 7
3. 前 臨 床 PK-PD 試 験 法 に 関 する 今 後 の 課 題 3.1. 前 臨 床 PK-PD 試 験 の 外 挿 性 の 検 証 臨 床 での 薬 効 を 予 測 し 臨 床 用 法 用 量 の 設 定 に 利 用 可 能 な PK-PD パラメータを 明 らかにすることが 前 臨 床 PK-PD 試 験 の 主 要 な 目 的 である この 数 値 の 外 挿 性 は 臨 床 での PK-PD 成 績 および 臨 床 効 果 成 績 によって 検 証 されるものである このような 前 臨 床 と 臨 床 の 相 関 性 は 実 際 に 臨 床 で 評 価 された 当 該 抗 菌 薬 のみならず 他 の 同 系 抗 菌 薬 にも 適 応 し 得 ると 考 えられる 今 後 臨 床 における PK-PD 解 析 を 実 施 することによって これらの 成 果 が 充 分 活 用 されることが 期 待 される なお このガイダンスは 今 後 新 知 見 の 検 証 により 改 善 すること およびここに 記 載 したモデルの 他 に 抗 菌 薬 の 特 徴 を 表 示 できる 評 価 モデルの 併 用 も 推 奨 する 8
PK-PD 臨 床 ガイダンス 1. 序 論 1.1 抗 菌 薬 療 法 における PK-PD の 重 要 性 抗 菌 薬 の 標 的 は 外 部 から 侵 入 する 病 原 体 であり 基 本 的 には その 病 原 体 に 対 する in vitro における 抗 菌 作 用 を 詳 細 に 検 討 することができる また 動 物 感 染 モデルを 使 用 した in vivo における 抗 菌 薬 の PK-PD の 検 討 は その 検 討 が 適 切 な 方 法 で 行 われるものであれば ヒトにおける 抗 菌 薬 の 用 法 用 量 の 決 定 に 大 いに 影 響 を 与 えると 考 えられる これらのことは 生 体 そのものが 標 的 である 他 の 多 くの 薬 物 と は 異 なる 抗 菌 薬 独 自 の 特 徴 であり 臨 床 試 験 の 進 め 方 も 抗 菌 薬 以 外 の 薬 剤 とは 異 なったものとなる 可 能 性 を 秘 めている そのような PK-PD の 基 礎 的 な 検 討 を 活 用 し 抗 菌 薬 の 臨 床 試 験 をいかに 能 率 的 に 行 う かについて 示 したものが 本 PK-PD 臨 床 ガイダンスである 2. PK-PD 試 験 の 意 義 臨 床 試 験 において PK-PD 解 析 を 実 施 することの 意 義 は 新 薬 ならびに 既 存 抗 菌 薬 の 用 法 用 量 を 科 学 的 に 検 討 することにあり 以 下 のような 項 目 が 考 えられる 2.1. 科 学 的 根 拠 に 基 づいた 用 法 用 量 の 設 定 抗 菌 薬 の 有 効 性 と PK-PD に 関 する 検 討 が 行 われ ヒトにおける 抗 菌 薬 の 用 法 用 量 を 設 定 する 上 で 動 物 モデルにおける PK-PD パラメータおよびそのターゲット 値 が 参 考 になることが 示 されてきた 従 来 は 経 験 的 に 設 定 された 推 奨 用 量 を 用 いて 限 られた 症 例 数 で 検 討 を 行 い 臨 床 で 用 いられる 用 法 用 量 を 決 定 してきたが 今 後 は 以 下 のようなステップが 考 えられる 前 臨 床 PK-PD 試 験 で 薬 効 と 相 関 する PK-PD パラメータの 種 類 を 明 らかにし 満 足 すべき 治 療 効 果 を 得 るために 必 要 な PK-PD パラメータのターゲット 値 を 算 出 後 第 Ⅰ 相 試 験 で 得 られるヒト PK データおよび 対 象 とする 菌 種 の 感 受 性 分 布 (MIC 分 布 ) さらに 既 存 抗 菌 薬 ( 同 系 統 薬 など) の 情 報 も 加 味 することにより 第 Ⅱ 相 試 験 実 施 のための 用 法 用 量 を 設 定 する これらの 検 討 結 果 から 第 Ⅱ 相 試 験 において PK-PD 解 析 を 行 い 用 法 用 量 の 妥 当 性 を 確 認 する 推 奨 された 用 法 用 量 を 用 いる 検 証 的 試 験 ( 第 Ⅲ 相 試 験 等 )において 有 効 性 安 全 性 を 確 認 す る 第 Ⅲ 相 試 験 における population pharmacokinetics (PPK) 解 析 等 を 用 いて 各 種 背 景 を 有 する 患 者 に おける 適 正 な 用 法 用 量 に 関 する 情 報 を 得 る 製 造 販 売 後 に 継 続 的 な PK-PD 解 析 を 実 施 することにより 用 法 用 量 の 更 なる 至 適 化 を 目 指 す 注 前 臨 床 PK-PD 試 験 では 多 種 類 の 用 法 用 量 における 多 数 のデータが 得 られることから Sigmoid Emax model を 用 いた 解 析 により 薬 効 と 相 関 する PK-PD パラメータの 種 類 およびターゲット 値 の 推 定 などが 可 能 である しかし 臨 床 における PK-PD の 検 討 においては 1~3 種 類 程 度 の 用 法 用 量 に 限 定 されるため 前 臨 床 PK-PD 試 験 のような Sigmoid Emax model を 用 いた 解 析 を 実 施 することは 9
困 難 である 特 に 1~3 種 類 程 度 と 尐 ない 用 法 用 量 での 臨 床 における PK-PD 検 討 においては 薬 効 と 相 関 する PK-PD パラメータの 種 類 を 推 定 することは 困 難 であることから 前 臨 床 PK-PD 試 験 の 結 果 を 用 いて 推 定 することを 推 奨 する 2.2 治 験 の 能 率 化 治 験 における PK-PD 解 析 およびそこから 得 られる 知 見 は 以 下 の 点 において 治 験 の 能 率 化 に 関 する 有 用 な 情 報 を 提 供 できるものと 考 える 第 Ⅲ 相 試 験 の 成 功 確 率 の 向 上 国 内 外 の 臨 床 試 験 成 績 の 相 互 利 用 臨 床 試 験 規 模 の 適 正 化 臨 床 試 験 の 迅 速 化 2.3. 既 存 抗 菌 薬 における 適 正 使 用 製 造 販 売 後 においては 菌 の 抗 菌 薬 に 対 する 感 受 性 の 低 下 により 有 効 性 の 面 で 開 発 時 の 成 績 が 得 ら れないことは 珍 しくない 製 造 販 売 後 においても PK-PD データを 集 積 することにより より 効 果 的 な 用 法 用 量 を 検 討 することができる また 製 造 販 売 後 における 用 法 用 量 の 検 討 は ライフサイクルマ ネージメントにも 有 用 である 2.4. 耐 性 菌 の 出 現 防 止 および 副 作 用 の 軽 減 PK-PD 検 討 は 有 効 性 だけでなく 耐 性 菌 の 出 現 防 止 副 作 用 の 軽 減 においても 考 慮 すべき 重 要 な 事 項 である 従 って 有 効 性 に 関 する PK-PD 検 討 は 重 要 であるが 耐 性 菌 の 出 現 抑 制 および 副 作 用 軽 減 に 関 する PK-PD 検 討 も 考 慮 して 用 法 用 量 を 決 定 することが 重 要 である 3. 試 験 計 画 実 施 方 法 本 項 では 抗 菌 薬 の 能 率 的 な 臨 床 開 発 と 適 正 な 臨 床 使 用 のための 情 報 を 得 る 観 点 から 臨 床 における PK-PD 検 討 を 実 施 する 上 で 前 臨 床 PK-PD 試 験 成 績 の 利 用 臨 床 における PK-PD の 検 討 のデザインや 解 析 法 の 留 意 点 臨 床 試 験 での PPK 解 析 の 留 意 点 試 験 計 画 立 案 時 の 留 意 点 などについて 記 載 する 抗 菌 薬 は 医 薬 品 の 中 でも PK-PD 研 究 が 進 んでいる 領 域 であり 抗 菌 薬 の 有 効 性 と PK-PD パラメータ との 相 関 性 が 知 られている 新 規 抗 菌 薬 であっても in vitro でのヒト PK simulation model や 動 物 を 用 い た in vivo 感 染 モデルを 利 用 することにより PK-PD パラメータと 有 効 性 の 関 係 の 推 測 が 可 能 である PK-PD パラメータの 算 出 においては 薬 物 動 態 が 必 要 不 可 欠 な 情 報 であるため できる 限 り 多 くの 被 験 者 から PK 情 報 を 得 る 必 要 がある 各 被 験 者 における PK パラメータの 推 定 においては 従 来 は 経 時 的 な 多 時 点 採 血 による 薬 物 動 態 試 験 ( 標 準 的 な 薬 物 動 態 試 験 )を 行 うことが 多 かったが より 被 験 者 負 担 の 尐 ない 手 法 として PPK 解 析 が 有 用 である 10
また 薬 物 濃 度 と 効 果 の 関 係 を 考 える 上 においては 本 来 感 染 部 位 における 抗 菌 薬 の 濃 度 を 用 いる ことが 望 ましいが 臨 床 試 験 においては 実 施 困 難 な 場 合 が 多 く 血 中 の 薬 物 濃 度 で 代 表 している 抗 菌 薬 の 特 性 によっては 体 液 中 組 織 内 における 薬 物 濃 度 を 測 定 しておくことも 有 用 となる 場 合 がある 抗 菌 薬 は 感 染 症 を 対 象 としており 被 験 者 への 倫 理 的 配 慮 から プラセボや 低 用 量 の 偽 プラセボを 設 定 した 用 量 反 応 試 験 の 実 施 は 困 難 である 従 って 用 量 反 応 性 を 厳 密 に 検 討 することが 難 しい これに 対 し PK-PD に 関 連 する 試 験 データを 総 合 的 に 勘 案 することにより 科 学 的 に 用 法 用 量 の 至 適 化 を 図 ることができる PK-PD 解 析 には 主 に 有 効 性 との 関 連 を 目 的 とする 解 析 と 安 全 性 との 関 連 を 目 的 とする 解 析 が 考 え られるが 解 析 対 象 集 団 の 取 り 扱 いは 両 者 において 異 なることが 一 般 的 である これらの 取 り 扱 いにつ いては 試 験 実 施 計 画 書 または 解 析 計 画 書 に 明 記 する 必 要 がある 耐 性 菌 および 副 作 用 における PK-PD 解 析 については 現 在 までにその 成 績 が 十 分 ではなく 今 後 情 報 の 集 積 をしていく 必 要 がある 3.1. PK-PD 検 討 における 第 Ⅰ 相 試 験 の 役 割 新 規 有 効 成 分 をヒトに 対 して 初 めて 投 与 する 試 験 は 通 常 は 健 康 な 志 願 者 を 対 象 とし 薬 物 動 態 と 安 全 性 ( 忍 容 性 )を 確 認 することを 目 的 とする 標 準 的 な 薬 物 動 態 試 験 法 により 経 時 的 な 多 時 点 採 血 が 行 われ 薬 物 動 態 に 関 する 基 本 的 な 情 報 を 得 ることができる ここで 得 られた 血 中 薬 物 濃 度 データをもと に 当 該 抗 菌 薬 のヒトにおける 基 本 的 な 薬 物 動 態 モデルを 構 築 することができる 場 合 が 多 い こういっ た 薬 物 動 態 モデルは 以 後 に 実 施 する 患 者 を 対 象 とした 臨 床 試 験 におけるPPK 解 析 のための 採 血 計 画 の 立 案 やデータ 解 析 を 行 う 上 で 極 めて 重 要 な 基 本 情 報 となる 主 要 代 謝 物 ( 活 性 / 非 活 性 とも)を 含 めた 抗 菌 薬 の 体 内 からの 消 失 経 路 と 薬 物 収 支 を 明 らかにするこ とは 有 効 性 安 全 性 の 評 価 に 有 用 な 場 合 がある また 安 全 域 の 狭 い 抗 菌 薬 においては この 段 階 の 試 験 においてできるだけ 広 範 な 用 量 を 検 討 するこ とにより MTD(Maximum Tolerable Dose)を 求 めることも 可 能 となる 第 Ⅰ 相 試 験 における 薬 物 動 態 は 副 作 用 発 現 とPKパラメータの 関 係 を 明 らかにする 際 やPK-PDパラメータから 最 適 な 用 法 用 量 を 明 らかにする 際 において 有 用 な 情 報 を 与 える 可 能 性 がある 3.2. 第 Ⅱ 相 試 験 における PK-PD 検 討 この 段 階 の 臨 床 試 験 の 目 的 は 当 該 薬 剤 の 第 Ⅲ 相 試 験 に 用 いるための 適 切 な 用 法 用 量 設 定 を 行 うこ とであり 原 則 として 複 数 の 種 類 の 用 法 用 量 を 用 いた 検 討 を 実 施 する 必 要 がある 前 臨 床 PK-PD 試 験 で 薬 効 と 相 関 するPK-PDパラメータを 明 らかにし 治 療 効 果 を 得 るために 必 要 な PK-PDターゲット 値 を 算 出 する 第 Ⅰ 相 試 験 で 得 られるヒトPKデータ 対 象 とする 菌 種 の 臨 床 分 離 株 の 感 受 性 (MIC)からPK-PDターゲット 値 が 得 られる 用 法 用 量 を 選 択 し 第 Ⅱ 相 試 験 実 施 のための 用 法 用 量 設 定 の 根 拠 または 参 考 とする 次 に これらの 第 Ⅱ 相 試 験 結 果 から 患 者 におけるPK-PDパラメー タの 特 定 ターゲット 値 の 推 定 を 行 い 用 法 用 量 の 妥 当 性 について 検 討 を 行 う MIC 値 としては MIC 90 値 を 用 いることが 適 切 である 必 要 に 応 じ MIC 付 近 においては 2 倍 希 釈 ではなく 細 かい 濃 度 設 定 を 行 うことも 有 用 である 11
感 染 症 の 場 合 は 疾 患 ( 感 染 部 位 )が 多 岐 にわたり それぞれ 感 染 症 の 状 態 が 異 なる 用 法 用 量 の 検 討 では 単 一 の 疾 患 においてできる 限 り 多 くの 症 例 を 集 積 して 行 うことが 試 験 の 精 度 を 高 める 上 で 重 要 である 広 域 の 菌 種 に 対 する 適 応 を 目 的 とした 開 発 を 行 う 場 合 は 呼 吸 器 感 染 症 など 比 較 的 多 くの 症 例 が 集 積 しやすい 疾 患 を 対 象 に 試 験 を 実 施 することが 望 ましい PPK 解 析 では 被 験 者 1 名 当 たりの 採 血 回 数 が 比 較 的 尐 ない(2~4ポイント 程 度 ) 場 合 でも 適 切 に 計 画 することによって 当 該 被 験 者 の 薬 物 動 態 パラメータを 推 定 することが 可 能 であり こうして 得 られ た 情 報 をもとにPK-PD 解 析 が 可 能 である また 小 児 や 外 来 患 者 を 対 象 とした 試 験 のように 多 時 点 頻 回 採 血 が 困 難 な 臨 床 試 験 の 場 合 でも PPKの 手 法 を 用 いることによりPK-PD 解 析 が 可 能 となる なお PPK 解 析 を 前 提 とした 採 血 を 実 施 する 場 合 においても 投 与 量 投 与 時 刻 ( 点 滴 投 与 の 場 合 は 投 与 開 始 および 終 了 時 刻 ) 採 血 時 刻 および 血 中 薬 物 濃 度 値 の 全 ての 情 報 が 揃 って 始 めて 意 味 のある 情 報 となる ため これらを 正 確 に 記 録 することが 極 めて 重 要 である 外 科 的 切 除 気 管 支 肺 胞 洗 浄 (BAL) マイクロダイアリシス 法 など 感 染 部 位 組 織 等 の 検 体 採 取 が 侵 襲 的 である 場 合 も 本 来 の 治 療 目 的 から 組 織 の 採 取 が 行 われる 場 合 は その 機 会 を 用 いて 検 体 を 採 取 す ることが 可 能 な 場 合 もある 感 染 部 位 の 薬 物 濃 度 の 情 報 については このように 限 られた 被 験 者 からの 情 報 であっても 血 中 薬 物 濃 度 と 組 織 移 行 性 の 関 係 が 明 らかにできるため 重 要 な 情 報 である 従 って 抗 菌 薬 の 特 性 を 考 慮 して 喀 痰 尿 などの 感 染 部 位 の 薬 物 濃 度 測 定 が 比 較 的 容 易 に 実 施 できる 場 合 を 含 め 可 能 な 限 りPK-PD 解 析 を 臨 床 試 験 実 施 計 画 に 盛 り 込 んでおくと 良 い 3.3. 第 Ⅲ 相 試 験 における PK-PD 検 討 3.3.1. 比 較 臨 床 試 験 この 段 階 の 臨 床 試 験 では 先 の 用 法 用 量 検 討 においてPK-PDパラメータの 適 切 なターゲット 値 が 得 られた 用 法 用 量 を 用 いて 行 われるが 当 該 抗 菌 薬 の 用 法 用 量 をより 精 密 に 検 討 する 意 味 でも PK-PD パラメータの 検 討 を 引 き 続 き 行 っていくことが 望 ましい ただし 盲 検 下 比 較 試 験 においてPK-PD 解 析 を 実 施 する 場 合 は リアルタイムのデータ 収 集 ( 薬 物 濃 度 測 定 および 薬 物 動 態 解 析 )に 際 して 治 験 の 盲 検 性 を 維 持 するための 適 切 な 方 策 が 必 要 である 3.3.2. 一 般 臨 床 試 験 用 法 用 量 検 討 や 比 較 臨 床 試 験 では 呼 吸 器 感 染 症 など 単 一 の 領 域 における PK-PD パラメータの 検 討 が 行 われる それに 対 して この 段 階 では その 他 の 疾 患 においても PK-PD パラメータの 検 討 から 用 法 用 量 の 設 定 に 関 する 情 報 を 導 き 出 せる 可 能 性 があり できる 限 り 多 くの 症 例 において PK-PD パラ メータが 算 出 できるよう 血 中 薬 物 濃 度 測 定 ならびに 細 菌 学 的 検 査 を 適 切 に 行 うべきである なお PPK 解 析 はこの 段 階 においては 患 者 における 個 体 差 要 因 の 解 析 や 特 殊 集 団 患 者 層 における 用 法 用 量 調 節 などに 有 益 である 3.4. 特 定 の 要 因 を 持 つ 患 者 集 団 を 対 象 とした PK-PD 検 討 小 児 老 人 腎 機 能 低 下 患 者 肝 機 能 低 下 患 者 および 代 謝 酵 素 活 性 が 低 下 している 患 者 などの 特 定 の 要 因 を 持 つ 患 者 集 団 の 薬 物 動 態 成 績 を 用 いた PK-PD 解 析 は 当 該 患 者 集 団 における 最 適 な 用 法 用 量 を 12
示 す 上 で 貴 重 な 情 報 となる 前 項 で 述 べたように 血 中 薬 物 濃 度 については 被 験 者 1 名 あたりの 採 血 回 数 を 減 らす 工 夫 をし できる 限 り 多 くの 患 者 集 団 の 情 報 を 得 ることが 重 要 である 小 児 臨 床 試 験 における PK-PD の 検 討 については 本 ガイダンス 6 章 に 記 載 する 4. PK-PD データ 解 析 方 法 報 告 方 法 4.1. PK-PD データの 集 計 解 析 方 法 抗 菌 薬 の 臨 床 試 験 においては 一 般 的 には 設 定 された 何 れの 用 法 用 量 においても 高 い 有 効 性 が 期 待 できる 範 囲 で 臨 床 試 験 が 実 施 されることから 有 効 例 数 に 比 較 し 無 効 例 数 が 尐 ないデータとなる また 用 法 用 量 の 種 類 が 尐 ないことから PK パラメータの 変 動 範 囲 が 大 きくない 可 能 性 がある さらに PK-PD 解 析 においては 個 々の 患 者 において 薬 物 濃 度 ( 一 般 的 には 血 中 薬 物 濃 度 ) 原 因 菌 の 特 定 原 因 菌 に 対 する MIC および 有 効 性 ( 細 菌 学 的 効 果 臨 床 効 果 )の 3 種 類 のデータがそろっていることが 必 要 である さらに 正 確 なデータを 入 手 するために 検 体 の 採 取 法 や 検 体 の 安 定 性 を 考 慮 した 輸 送 方 法 等 に も 注 意 する 必 要 がある この 様 な 臨 床 データを 用 いた PK-PD 解 析 においては 前 臨 床 PK-PD 試 験 で 通 常 行 う 解 析 方 法 は 適 さ ないため 以 下 に 述 べる 解 析 方 法 を 参 考 にすることが 有 用 である 4.2. PK-PD モデリングと Clinical Trial Simulation 臨 床 試 験 における PK-PD モデリングおよびシミュレーションは 臨 床 試 験 の 成 功 確 率 を 上 げるために 有 用 である 具 体 的 には 患 者 集 団 における PPK パラメータと 原 因 菌 の 感 受 性 分 布 (MIC 分 布 )デー タを 用 いたモンテカルロシミュレーションにより PK-PD パラメータのターゲット 値 に 対 する 期 待 有 効 確 率 を 推 定 し 最 適 な 用 法 用 量 を 推 定 する また 臨 床 試 験 における PK-PD パラメータのターゲット 値 の 推 定 については 以 下 の 方 法 を 用 いるこ とが 有 用 である 4.3. PPK 解 析 とベイズ 推 定 患 者 を 対 象 とした 臨 床 試 験 では 各 患 者 から 多 数 ポイントの 血 中 薬 物 濃 度 データを 得 ることは 困 難 で あるが PPK 解 析 およびベイズ 推 定 の 手 法 を 用 いることにより 被 験 者 1 名 当 たりの 採 血 回 数 が 比 較 的 尐 なくても(2~4ポイント 程 度 ) 当 該 被 験 者 のPKパラメータを 推 定 し 血 中 薬 物 濃 度 推 移 をシミュレー ションすることが 可 能 であり これらの 手 法 は 臨 床 PK-PD 解 析 において 有 用 である また PPK 解 析 を 前 提 とした 採 血 を 実 施 する 場 合 においても 投 与 量 投 与 時 刻 ( 点 滴 投 与 の 場 合 は 投 与 開 始 および 終 了 時 刻 ) 採 血 時 刻 および 血 中 薬 物 濃 度 値 の 全 ての 情 報 が 揃 って 始 めて 意 味 のある 情 報 となるため ワークシートまたは 調 査 表 などを 作 成 し これらを 適 切 に 記 録 することが 極 めて 重 要 で ある 13
4.4. PK-PD ターゲット 値 の 算 定 (1) 臨 床 試 験 において 各 被 験 者 から 得 られた 原 因 菌 に 対 する MIC および PK パラメータ( 血 中 薬 物 濃 度 ) を 用 いて 各 被 験 者 における PK-PD パラメータ(AUC/MIC C max /MIC T>MIC 等 )を 算 出 する (2) (1)で 得 られた PK-PD パラメータと 有 効 性 ( 細 菌 学 的 効 果 または 臨 床 効 果 )との 関 係 について 検 討 し ターゲット 値 を 算 定 する 主 なターゲット 値 の 算 定 方 法 としては 以 下 の 2 種 類 の 方 法 が 報 告 され ており 臨 床 的 に 意 味 があるターゲット 値 として 視 覚 的 に 理 解 しやすいため 参 考 にすると 良 い 方 法 1 : Range 毎 に 分 類 した PK-PD パラメータと 有 効 率 との 関 係 からターゲット 値 を 算 定 する 方 法 方 法 2 : PK-PD パラメータと 累 積 有 効 率 および 累 積 無 効 率 との 関 係 からターゲット 値 を 算 定 する 方 法 また 統 計 的 手 法 を 用 いてブレイクポイント 的 に 分 岐 点 を 探 し ターゲット 値 の 算 定 を 行 う 方 法 とし て CART(Classification and Regression Tree 2 進 再 帰 分 割 法 )および Logistic regression 解 析 (ロジス ティック 回 帰 分 析 )が 報 告 されているので 必 要 に 応 じて 検 討 すると 良 い ただし いずれの 方 法 を 用 い た 場 合 でも 用 いたデータの 内 容 を 勘 案 し 得 られたターゲット 値 の 結 果 が 臨 床 的 に 意 味 のあるもので あるかについて 検 討 することが 必 要 である 4.5. タンパク 結 合 率 ( 遊 離 薬 物 濃 度 ) 一 般 的 に 血 清 タンパク( 主 に 血 清 アルブミンや α 1 - 酸 性 糖 タンパク)と 結 合 していない 遊 離 型 の 抗 菌 薬 が 薬 効 を 発 揮 すると 考 えられているので タンパク 結 合 率 を 考 慮 した 遊 離 薬 物 濃 度 を 用 いて PK-PD パラメータ 値 (fauc/mic fc max /MIC ft>mic 等 )を 算 出 し 検 討 することも 重 要 である 4.6. 影 響 因 子 4.6.1. 宿 主 側 の 因 子 薬 物 動 態 に 影 響 を 与 える 因 子 として 感 染 部 位 肝 臓 腎 臓 などの 排 泄 臓 器 の 障 害 ( 機 能 低 下 ) 加 齢 による 腎 排 泄 機 能 の 低 下 小 児 ( 特 に 新 生 児 )は 成 人 の 薬 物 動 態 と 異 なること などがあげられる また 新 生 児 や 高 齢 者 などで 免 疫 能 が 成 人 と 比 較 して 低 いことが 予 測 される 場 合 や 抗 がん 剤 やステロ イド 剤 の 併 用 により 免 疫 抑 制 状 態 が 予 測 される 場 合 は 治 療 効 果 が 期 待 できる PK-PD パラメータのター ゲット 値 が 大 きくなることが 推 定 される 4.6.2. 菌 側 の 因 子 原 因 菌 と 抗 菌 薬 との 組 み 合 わせ( 殺 菌 力 Post-antibiotic effect(pae) 等 ) バイオフィルム 形 成 等 に より 治 療 効 果 が 期 待 できる PK-PD パラメータのターゲット 値 が 変 動 する 可 能 性 がある また 細 胞 内 寄 生 菌 では 標 的 細 胞 内 における 薬 物 濃 度 と 血 中 薬 物 濃 度 との 関 係 を 補 正 する 必 要 性 も 考 えられる 4.7. 複 数 菌 感 染 の 場 合 のデータの 取 り 扱 い 複 数 菌 感 染 の 場 合 の PK-PD 解 析 は 基 本 的 には 原 因 菌 ごとの 微 生 物 学 的 効 果 を primary として 行 う 14
4.8. 複 数 の PK-PD 関 連 試 験 結 果 が 得 られた 場 合 の 統 合 的 な 評 価 方 法 基 本 的 には 各 試 験 で 得 られた 結 果 は その 試 験 の 報 告 書 にまとめることが 望 ましい 複 数 の PK-PD 試 験 を 実 施 した 場 合 対 象 患 者 集 団 の 背 景 ( 疾 患 原 因 菌 種 患 者 数 等 )が 異 なれば PK-PD パラメータ のターゲット 値 等 は 一 致 した 値 になるとは 限 らない また 類 似 の 患 者 背 景 で 複 数 の 試 験 結 果 が 得 られ た 場 合 は 併 合 解 析 を 実 施 し まとめることも 有 用 であるが 対 象 疾 患 の 異 なる 臨 床 試 験 成 績 を 併 合 す る 場 合 は 併 合 解 析 が 可 能 であるとする 科 学 的 根 拠 即 ち 体 液 組 織 内 薬 物 濃 度 の 類 似 性 病 態 や 原 因 菌 の 類 似 性 などについて 示 すことが 重 要 である 5. 抗 菌 薬 のライフサイクルマネージメントにおける PK-PD 検 討 の 位 置 づけ 活 用 方 法 5.1. 開 発 の 段 階 本 段 階 における PK-PD 検 討 は 用 法 用 量 の 妥 当 性 を 確 認 する 目 的 で 個 々の 症 例 における 薬 物 濃 度 ( 感 染 部 位 の 推 定 値 も 含 む)と 有 効 性 ( 臨 床 効 果 微 生 物 学 的 効 果 )または 安 全 性 との 関 係 を 検 討 する ことが 望 ましい また 有 効 性 のみならず 耐 性 菌 の 出 現 を 最 小 限 に 抑 えることを 念 頭 において 用 法 用 量 を 設 定 することは 抗 菌 薬 のライフサイクルを 可 能 な 限 り 長 くするための 有 用 な 手 段 と 考 えられる 5.2. 製 造 販 売 後 の 段 階 本 段 階 で 実 施 される 臨 床 試 験 または 調 査 においても PK-PD の 検 討 を 継 続 し PK-PD 解 析 が 可 能 な 症 例 の 情 報 を 蓄 積 していくことが 望 ましい その 結 果 適 応 菌 種 適 応 疾 患 の 組 み 合 わせ 開 発 の 段 階 で 除 外 されていたような 特 殊 背 景 を 有 する 集 団 その 他 PK-PD 解 析 が 実 施 されなかった 疾 患 などに 対 して 最 適 な 用 法 用 量 の 推 定 が 可 能 となる また 副 作 用 発 現 と 関 連 する PK および PK-PD パラメータの 検 討 には 多 くのデータが 必 要 となることから 製 造 販 売 後 において 検 討 可 能 なデータを 蓄 積 していくこと は 極 めて 重 要 である 既 存 の 抗 菌 薬 で 用 法 用 量 設 定 の 根 拠 が 明 確 でないものについては PK-PD の 観 点 から 現 在 用 いら れている 用 法 用 量 が 科 学 的 にサポートできるものであるかを 確 認 することを 推 奨 する この 検 討 によ りさらに 効 果 的 な 用 法 用 量 が 見 出 されることもあり 得 るため 抗 菌 薬 のライフサイクルを 延 長 させる ことにも 役 立 つと 考 えられる 発 売 からかなりの 年 月 が 経 過 している 抗 菌 薬 については 感 受 性 の 低 下 により 有 効 性 の 面 で 開 発 当 時 と 同 様 の 成 績 が 得 られないことも 珍 しくないので 現 時 点 において 最 適 と 考 えられる 用 法 用 量 を PK-PD の 観 点 から 再 検 討 することが 望 ましい その 際 原 因 菌 の 感 受 性 の 変 遷 を 用 法 用 量 に 反 映 させ る 手 段 として 近 年 分 離 された 臨 床 分 離 株 の 感 受 性 分 布 (MIC 分 布 )データと 想 定 される 患 者 集 団 にお ける PPK パラメータから モンテカルロシミュレーションを 行 うことは 有 用 である 6. 小 児 臨 床 試 験 における PK-PD 検 討 6.1. 小 児 臨 床 開 発 の 進 め 方 小 児 科 領 域 においても PK-PD を 活 用 した 臨 床 開 発 が 望 まれ 以 下 の 点 が 重 要 と 考 えられる 15
成 人 の 第 Ⅰ 相 試 験 成 績 を 踏 まえた 小 児 における PK の 予 測 および 小 児 感 染 症 における 原 因 菌 の 感 受 性 分 布 の 予 測 から モンテカルロシミュレーション 等 により 有 効 性 を 推 定 すること 幼 若 動 物 における 毒 性 試 験 成 人 の 臨 床 試 験 ならびに 類 薬 の 安 全 性 情 報 などから 小 児 における 安 全 性 を 推 定 すること(ICH-E11 および M3 参 照 ) 小 児 の 臨 床 試 験 においても 有 効 性 および 安 全 性 の 評 価 とともに 小 児 患 者 での PK-PD 解 析 データを 集 積 すること これにより 成 人 における 有 効 性 データを 外 挿 できる 場 合 もありうる 小 児 患 者 への 負 担 を 考 慮 し 可 能 な 場 合 は 血 中 濃 度 以 外 の 各 組 織 中 濃 度 測 定 も 実 施 し 有 効 性 ( 場 合 によっては 安 全 性 ) 成 績 との 関 係 について 考 察 すること( 特 に 化 膿 性 髄 膜 炎 は 成 人 での 症 例 集 積 することが 困 難 であるため 小 児 での 髄 液 中 濃 度 データは 貴 重 である) 小 児 領 域 におけるPK-PDを 活 用 した 臨 床 開 発 従 来 の 小 児 領 域 開 発 成 人 での 臨 床 開 発 有 効 性 安 全 性 データ 小 児 領 域 臨 床 開 発 小 児 用 法 用 量 は 成 人 からの 体 重 換 算 と 既 存 類 薬 の 用 法 用 量 を 参 考 に 設 定 症 例 を 多 数 例 集 積 して 有 効 性 安 全 性 評 価 用 法 用 量 PK-PD 臨 床 評 価 PK-PDを 活 用 した 小 児 領 域 開 発 小 児 用 法 用 量 設 定 前 臨 床 におけるPK-PD 成 績 成 人 におけるPKおよび 忍 容 性 成 績 成 人 における 有 効 性 安 全 性 成 績 成 人 におけるPK-PD 解 析 小 児 におけるPK 情 報 小 児 感 染 症 における 原 因 菌 幼 若 動 物 における 安 全 性 情 報 類 薬 における 安 全 性 情 報 等 モンテカルロシミュレーション 等 に よる 有 効 性 推 定 を 活 用 小 児 臨 床 試 験 患 者 のPK-PD 解 析 データ 集 積 用 法 用 量 の 妥 当 性 確 認 図 1 小 児 領 域 における PK-PD を 活 用 した 臨 床 開 発 6.2. 成 人 の 臨 床 試 験 が 先 行 している 場 合 の 小 児 臨 床 試 験 小 児 臨 床 試 験 における 用 法 用 量 を 検 討 する 際 の 検 討 方 法 の 例 を 以 下 に 示 す (1) 下 記 の 成 績 などをもとに 小 児 における 薬 物 動 態 ( 特 に 分 布 容 積 排 泄 に 関 わる 腎 機 能 および 代 謝 酵 素 の 発 達 的 変 化 等 )を 考 察 し 体 重 体 表 面 積 換 算 等 を 考 慮 し 用 法 用 量 を 補 正 する 必 要 性 の 有 無 を 検 討 する 幼 若 動 物 と 成 熟 動 物 における 薬 物 動 態 代 謝 に 関 する 成 績 成 人 および 小 児 由 来 の 組 織 または 細 胞 を 用 いた in vitro 試 験 等 での 代 謝 に 関 するデータ 成 人 の 薬 物 動 態 16
(2) 小 児 用 製 剤 ( 例 : 細 粒 )と 成 人 用 製 剤 ( 例 : 錠 剤 )において 剤 形 が 異 なる 場 合 は 製 剤 間 の PK の 類 似 性 を 検 討 する (3) 成 人 の PK パラメータをもとに 上 記 (1)および(2)の 検 討 内 容 を 考 慮 し 種 々の 用 法 用 量 における 小 児 の PK パラメータを 推 定 する (4) 小 児 感 染 症 における 原 因 菌 の 分 離 頻 度 を 考 慮 した 対 象 菌 種 の 感 受 性 (MIC) 分 布 ( 度 数 分 布 )を 推 定 する (5) 小 児 における 推 定 PK パラメータ( 平 均 ± 標 準 偏 差 )に 適 切 な 分 布 ( 例 : 対 数 正 規 分 布 )を 仮 定 し さらに 推 定 MIC 分 布 ( 度 数 分 布 )に 適 切 な 分 布 ( 例 :カスタム 分 布 )を 仮 定 して モンテカル ロシミュレーションを 行 い 成 人 患 者 で 得 られた PK-PD パラメータのターゲット 値 を 上 回 る 目 標 達 成 確 率 ( 期 待 有 効 率 )を 種 々の 用 法 用 量 について 算 出 する (6) PK-PD パラメータのターゲット 値 を 上 回 る 目 標 達 成 確 率 ( 期 待 有 効 率 )より 小 児 感 染 症 に 対 す る 有 効 性 が 期 待 される 小 児 の 用 法 用 量 を 選 択 する 6.3. 成 人 試 験 のない 場 合 の 小 児 臨 床 試 験 における 留 意 点 前 臨 床 試 験 から 得 られた PK-PD パラメータおよびそのターゲット 値 をもとに 小 児 における 用 法 用 量 を 推 定 する(2.1 章 参 照 ) なお 試 験 の 実 施 に 際 しては 上 記 6.2 章 を 参 照 すること 6.4. 小 児 における PK-PD 解 析 の 課 題 と 対 応 策 小 児 領 域 臨 床 試 験 における PK-PD 解 析 の 課 題 と 対 応 策 を 以 下 に 示 す (1) 採 血 量 の 制 限 があるため 高 感 度 の 薬 物 濃 度 測 定 法 の 開 発 が 望 まれる (2) 採 血 回 数 の 制 限 があることから サンプリングを 最 小 にするために PPK や 他 の 最 適 サンプリング 理 論 に 基 づいたサンプリングの 利 用 や 苦 痛 を 最 小 限 にするための 留 置 カテーテルの 使 用 が 有 用 で ある(ICH E11 参 照 ) (3) 吸 収 排 泄 等 に 関 わるトランスポーター 代 謝 酵 素 等 の 発 達 および 血 清 タンパク 結 合 の 年 齢 による 変 化 等 に 関 しては 十 分 明 らかとなっていないため 可 能 な 範 囲 で 小 児 の in vitro 試 料 を 用 いた 予 測 を 行 うことは 有 用 である 6.5. その 他 の 留 意 点 成 人 患 者 で 得 られた PK-PD パラメータのターゲット 値 より 臨 床 的 に 推 奨 される 用 法 用 量 を 推 定 した 場 合 は 小 児 臨 床 試 験 で 得 られた 有 効 性 安 全 性 および 薬 物 動 態 から 必 要 に 応 じて 小 児 における 用 法 用 量 を 調 整 ( 修 正 )することも 重 要 である なお 先 行 する 成 人 試 験 のない 場 合 の 安 全 性 の 評 価 については 必 ずしも PK と 副 作 用 の 関 係 が 明 ら かではないこともあることから 安 全 性 評 価 のためには ある 程 度 の 症 例 数 を 集 積 することが 必 要 であ ろう 17
おわりに 今 日 抗 菌 薬 による 感 染 症 治 療 の 適 正 化 抗 菌 薬 の 治 験 ならびに 臨 床 試 験 の 能 率 化 に PK-PD 解 析 と その 成 績 の 蓄 積 が 欠 くべからざるものとなっている 本 ガイダンスでは 抗 菌 薬 臨 床 試 験 における PK-PD 検 討 の 重 要 性 とその 方 法 および 試 験 実 施 上 の 留 意 点 を 述 べた 抗 菌 薬 の 用 法 用 量 を 決 定 する 上 で 臨 床 試 験 の 各 段 階 において PK-PD 検 討 を 実 施 し その 成 績 の 蓄 積 が 重 要 となる 本 ガイダンスを 考 慮 し 質 の 高 い PK-PD の 検 討 が 実 施 されるよう 希 望 する 18