周 易 中 の 亨 字 に つ い て 大 東 文 化 大 學 博 士 課 程 ( 中 國 山 東 大 學 文 史 哲 研 究 院 博 士 研 究 生 ) 西 山 尚 志 は じ め に 近 年 多 く の 戰 國 時 代 か ら 漢 代 に か け て 出 土 資 料 文 獻 が 中 國 各 地 か ら 發 見 さ れ て お り 思 想 史 研 究 の み な ら ず 樣 々 な 方 面 が こ れ ら の 出 土 資 料 文 獻 に 關 心 を 寄 せ て い る 中 で も 周 易 は 特 に 材 料 が 豐 富 な 出 土 資 料 文 獻 の 一 つ で あ る 近 年 に お け る 出 土 資 料 の 周 易 は 一 九 七 三 年 十 二 月 に 湖 南 省 長 沙 市 馬 王 堆 三 號 漢 墓 か ら 發 見 さ れ た 馬 王 堆 帛 書 周 易 ( 以 下 馬 王 堆 本 と 略 す ) 一 九 七 七 年 に 安 徽 省 阜 陽 縣 雙 古 堆 西 汝 陰 侯 墓 か ら 發 見 さ れ た 阜 陽 漢 簡 周 易 ( 以 下 阜 陽 簡 本 と 略 す ) 一 九 九 四 年 に 香 港 の 骨 董 市 場 か ら 發 見 さ れ て 上 海 博 物 館 が 買 い 戻 し た 上 博 楚 簡 周 易 ( 以 下 上 博 本 と 略 す ) が あ る 1 こ れ ら の お お ま か な 抄 寫 年 代 は 馬 王 堆 本 は 前 漢 初 期 ( 前 二 〇 〇 年 頃 ) 阜 陽 簡 本 は 前 漢 文 帝 期 ( 前 一 七 九 ~ 一 六 八 年 ) 上 博 本 の 抄 寫 年 代 に つ い て は 異 説 が 多 い が こ こ で は 大 ま か に 戰 國 期 と と ら え て お く 本 稿 は 主 に こ れ ら の 材 料 を 用 い な が ら 周 易 中 の 重 要 な 用 語 と し て 從 來 重 視 さ れ て き た 元 亨 利 貞 の 亨 字 の 本 源 的 な 意 味 を 探 る も の で あ る 2 第 一 章 各 諸 本 周 易 の 亨 周 易 の 亨 字 は 樣 々 な 解 釋 が あ る が ま ず 代 表 的 な 例 を 擧 げ る と 李 鼎 祚 周 易 集 解 所 引 の 子 夏 傳 は 乾 卦 の 元 亨 利 貞 に 對 し 元 始 也 亨 通 也 利 和 也 貞 正 也 と し て お り 周 易 文 言 傳 は 文 言 曰 元 者 善 之 長 也 亨 者 嘉 之 會 也 利 者 義 之 和 也 貞 者 事 之 幹 也 と し て お り 周 易 蒙 卦 の 鄭 玄 注 は 1
亨 陽 也 と し て お り ま た ず っ と 時 代 が 下 っ た 近 代 の 李 鏡 池 周 易 筮 辭 考 3 は 元 亨 利 貞 四 字 中 只 有 個 亨 字 獨 立 成 義 的 亨 是 表 示 好 的 一 種 占 詞 跟 吉 是 同 類 と し て お り 高 亨 周 易 古 經 今 注 ( 重 訂 本 ) は 元 亨 利 貞 之 初 義 維 何? 曰 元 大 也 亨 即 享 祀 之 享 利 即 利 益 之 利 貞 即 貞 卜 之 貞 也 と し て い る 4 で は 上 博 本 馬 王 堆 本 阜 陽 簡 本 の 周 易 が 發 見 さ れ た 現 在 こ の 亨 を 改 め て ど の よ う に 解 釋 す べ き で あ ろ う か ま ず は 通 行 本 周 易 の 經 文 に お け る 亨 を 全 て 引 用 し 上 博 本 馬 王 堆 本 阜 陽 簡 本 と 比 較 す る ま た 以 下 に 述 べ る 通 り 亨 と 關 係 す る 享 祭 字 も 同 時 に 引 用 し て 比 較 す る そ し て そ の 比 較 し た も の は 以 下 の 表 1 の 通 り で あ る な お 底 本 は 阮 元 刻 本 十 三 經 注 疏 を 使 用 し 底 本 で の 亨 字 が 異 本 に よ っ て 別 の 字 に 作 る と き は 注 の 中 で 隨 時 言 及 す る こ と と す る 表 1 番 號 卦 名 通 行 本 上 博 本 馬 王 堆 1 乾 乾 元 亨 利 貞 作 享 本 阜 陽 簡 本 5 2 坤 坤 元 亨 利 牝 馬 之 貞 君 子 有 攸 往 先 迷 後 得 主 利 西 南 得 朋 東 北 喪 朋 安 貞 吉 3 屯 屯 元 亨 利 貞 勿 用 有 攸 往 利 建 侯 作 亨 作 亨 2
4 蒙 蒙 亨 匪 我 求 童 蒙 童 蒙 求 我 初 筮 告 再 三 瀆 瀆 則 不 告 利 貞 5 需 需 有 孚 光 亨 貞 吉 利 渉 大 作 卿 作 亨 川 6 小 畜 小 畜 亨 密 雲 不 雨 自 我 西 郊 作 亨 7 履 履 虎 尾 不 咥 人 亨 作 亨 8 泰 泰 小 往 大 來 吉 亨 9 否 初 六 拔 茅 茹 以 其 彙 貞 吉 亨 作 亨 10 否 六 二 包 承 小 人 吉 大 人 否 亨 11 同 人 同 人 于 野 亨 利 渉 大 川 利 君 作 亨 作 亨 作 亨 作 亨 6 子 貞 12 大 有 大 有 元 亨 作 亨 作 亨 13 大 有 九 三 公 用 亨 于 天 子 小 人 弗 克 7 作 芳 14 謙 謙 亨 君 子 有 終 作 卿 15 隨 隨 元 亨 利 貞 无 咎 作 卿 作 亨 16 隨 上 六 拘 係 之 乃 從 維 之 王 用 作 亯 作 芳 作 亨 亨 于 西 山 17 蠱 蠱 元 亨 利 渉 大 川 先 甲 三 日 作 卿 作 亨 後 甲 三 日 18 臨 臨 元 亨 利 貞 至 于 八 月 有 凶 19 噬 嗑 噬 嗑 亨 利 用 獄 作 亨 20 賁 賁 亨 小 利 有 攸 往 作 亨 3
21 復 復 亨 出 入 无 疾 朋 來 无 咎 反 復 其 道 七 日 來 復 利 有 攸 往 作 亨 22 无 妄 无 妄 元 亨 利 貞 其 匪 正 有 眚 作 卿 作 亨 作 亨 不 利 有 攸 往 23 大 畜 上 九 何 天 之 衢 亨 作 卿 作 亨 24 大 過 大 過 棟 撓 利 有 攸 往 亨 作 亨 作 亨 25 習 坎 習 坎 有 孚 維 心 亨 行 有 尚 作 亨 作 亨 26 離 離 利 貞 亨 畜 牝 牛 吉 作 亨 作 亨 27 咸 咸 亨 利 貞 取 女 吉 作 卿 作 亨 28 恆 恆 亨 无 咎 利 貞 利 有 攸 往 作 卿 作 亨 29 遯 遯 亨 小 利 貞 作 卿 作 亨 30 損 損 有 孚 元 吉 无 咎 可 貞 利 有 攸 往 曷 之 用 二 簋 可 用 享 31 益 六 二 或 益 之 十 朋 之 龜 弗 克 違 永 貞 吉 王 用 享 于 帝 吉 作 芳 作 芳 32 萃 萃 亨 王 假 有 廟 利 見 大 人 こ の 字 こ の 字 亨 利 貞 用 大 牲 吉 利 有 攸 往 な し な し 8 33 萃 萃 亨 王 假 有 廟 利 見 大 人 作 卿 作 亨 亨 利 貞 用 大 牲 吉 利 有 攸 往 34 升 升 元 亨 用 見 大 人 勿 恤 南 征 吉 作 亨 35 升 六 四 王 用 亨 于 岐 山 吉 无 咎 作 亨 36 困 困 亨 貞 大 人 吉 无 咎 有 言 不 信 作 亨 4
37 困 九 二 困 于 酒 食 朱 紱 方 來 利 用 享 祀 征 凶 无 咎 作 芳 38 困 九 五 劓 刖 困 于 赤 紱 乃 徐 有 作 祭 作 芳 説 利 用 祭 祀 9 39 革 革 巳 日 乃 孚 元 亨 利 貞 悔 亡 作 亨 40 鼎 鼎 元 吉 亨 41 震 震 亨 震 來 虩 虩 笑 言 啞 啞 震 驚 百 里 不 喪 七 鬯 作 亨 42 豐 豐 亨 王 假 之 勿 憂 宜 日 中 作 亨 43 旅 旅 小 亨 旅 貞 吉 作 卿 作 亨 44 巽 巽 小 亨 利 有 攸 往 利 見 大 人 作 亨 45 兌 兌 亨 利 貞 作 亨 46 渙 渙 亨 王 假 有 廟 利 渉 大 川 作 卿 作 亨 利 貞 47 節 節 亨 苦 節 不 可 貞 作 亨 48 節 六 四 安 節 亨 49 小 過 小 過 亨 利 貞 可 小 事 不 可 大 事 飛 鳥 遺 之 音 不 宜 上 宜 下 大 吉 作 亨 50 既 濟 既 濟 亨 小 利 貞 初 吉 終 亂 作 亨 51 既 濟 九 五 東 鄰 殺 牛 不 如 西 鄰 之 禴 祭 實 受 其 福 作 祭 作 祭 1 0 52 未 濟 未 濟 亨 小 狐 汔 濟 濡 其 尾 无 攸 利 作 亨 以 上 の 表 1 か ら 讀 み と れ る こ と は 以 下 の 通 り で あ ろ う ( 括 弧 内 の 算 用 5
數 字 は 上 の 表 の 番 號 に 對 應 し て い る ) 1 通 行 本 に お け る 亨 は 上 博 本 で は 卿 に 作 る も の と 亯 に 作 る も の の 二 種 類 が あ る ( 5 14 15 17 22 23 27 2 8 29 3 3 43 46 と 16) 2 通 行 本 に お け る 亨 は 馬 王 堆 本 で は 亨 に 作 る も の と 芳 に 作 る も の の 二 種 類 が あ る( 2 3 5 6 7 9 10 11 12 15 1 7 21 22 23 24 25 26 27 28 29 33 34 3 6 3 9 41 42 43 44 45 46 47 49 50 52 と 13 16 30 31 37 38) 1 1 3 通 行 本 の 亨 は 阜 陽 簡 本 で も み な 亨 に 作 る つ ま り 上 博 本 で い う 卿 亯 馬 王 堆 本 で い う 亨 芳 と い っ た 種 類 が な い ( 10 11 12 16 19 20 22 24 25 26 35) な お 通 行 本 に お け る 享 祭 は 阜 陽 簡 本 は み な し て お り こ れ ら が 阜 陽 簡 本 で は 何 に 作 っ て い た か は 不 明 4 上 博 本 の 卿 は 馬 王 堆 本 は 亨 に 作 る ( 5 15 17 22 23 27 28 29 33 43 46) 5 上 海 本 の 亯 は 馬 王 堆 本 は 芳 に 作 る ( 16) 6 通 行 本 に お け る 享 ま た は 異 本 で 享 に 作 っ て い る 通 行 本 の 亨 は 馬 王 堆 本 で は 芳 に 作 る ( 13 30 31 37) 7 通 行 本 の 祭 は 上 博 本 も 祭 に 作 る ( 38 51) 8 通 行 本 の 祭 は 馬 王 堆 本 は 芳 と 祭 に 作 る ( 38 51) そ こ で 以 上 の 表 1 と 1 ~ 8 の 分 析 か ら 以 下 の 表 2 が 歸 納 で き る だ ろ う 表 2 番 號 通 行 本 ま た は 異 本 上 博 本 馬 王 堆 本 阜 陽 簡 本 Ⅰ 亨 卿 亨 亨 Ⅱ 亨 亯 芳 亨 6
Ⅲ 祭 祭 芳 ま た は 祭? Ⅳ 享? 芳? そ し て 本 稿 で は 通 行 本 の 亨 字 を 議 題 と し て い る の で 以 下 は 便 宜 上 表 2 第 Ⅰ 列 を 卿 グ ル ー プ 表 2 第 Ⅱ 列 を 亯 グ ル ー プ と そ れ ぞ れ 呼 ぶ こ と と す る 通 行 本 亨 字 に お け る 卿 グ ル ー プ と 亯 グ ル ー プ と い う 分 類 は 特 に 目 新 し い 分 類 を し て い る わ け で は な く そ の よ う な 用 語 を 用 い ず と も 從 來 か ら ほ と ん ど 混 同 す る こ と な く 分 け ら れ て 用 い ら れ て い る 例 え ば 高 田 眞 治 後 藤 基 巳 譯 易 經 1 2 や 赤 塚 忠 譯 易 經 1 3 は 卿 グ ル ー プ の 亨 は 全 て と お る と 訓 じ 亯 グ ル ー プ の 亨 は き ょ う す ま た は ま つ る と 訓 じ て い る 1 4 し か し 幾 つ か の 研 究 者 は 兩 字 を 混 同 さ せ て い る 例 え ば 陸 德 明 經 典 釋 文 で は 卿 グ ル ー プ の 乾 卦 元 亨 利 貞 を 許 庚 反 卦 德 也 訓 通 也 餘 放 此 と す る 一 方 亯 グ ル ー プ の 大 有 卦 九 三 公 用 亨 於 天 子 小 人 弗 克 を 許 庚 反 通 也 下 同 と し 同 じ く 亯 グ ル ー プ の 升 卦 六 四 王 用 亨 於 岐 山 吉, 无 咎 を 許 庚 反 通 也 と し 同 じ く 亯 グ ル ー プ の 隨 卦 上 六 拘 係 之 乃 從 維 之 王 用 亨 於 西 山 を 許 庚 反 通 也 と 釋 し て お り 卿 グ ル ー プ と 亯 グ ル ー プ の 字 釋 を 混 同 さ せ て い る ま た 高 亨 周 易 古 經 今 注 で は 大 有 卦 の 九 三 公 用 亨 于 天 子 小 人 弗 克 の 亨 字 を 例 外 と し て み な 亨 は 享 祀 の 意 味 と し て い る 1 5 し か し こ の 新 出 土 資 料 か ら 考 え て や は り 通 行 本 の 亨 の 意 味 は 二 つ に 分 類 す べ き だ ろ う 7
第 二 章 上 博 本 周 易 の 卿 字 に つ い て で は 本 來 亨 に は 二 つ の 意 味 が あ る こ と を 前 提 と し ま ず 本 章 で は 卿 グ ル ー プ の 意 味 を 考 え て み る こ と に す る 占 い に 關 す る 出 土 資 料 文 獻 で は 卿 字 は 饗 と 讀 爲 し 神 が 願 い を う け る と い う 意 で 用 い ら れ て い る 例 え ば 九 店 楚 簡 日 書 第 二 十 六 號 簡 に 邦 君 濁 ( 得 ) 年 少 ( 小 ) 夫 四 城 ( 成 ) 咼 ( 以 ) 爲 卡 ( 上 下 ) 禱 ( 祠 ) 神 卿 ( 饗 ) 之 乃 浧 ( 盈 ) 亓 ( 其 ) 志 と あ り 睡 虎 地 秦 墓 竹 簡 日 書 甲 種 第 三 號 簡 ( 正 貳 ) に 陽 日 百 事 順 成 邦 郡 得 年 小 夫 四 成 以 蔡 ( 祭 ) 上 下 羣 神 卿 ( 饗 ) 之 乃 盈 志 と あ る こ れ ら は い ず れ も 神 々 が ( 供 物 を ) 受 け て 願 い が 通 じ る と い う 意 味 で あ る ま た 傳 世 文 獻 中 の 占 い の 場 面 で は し ば し ば 何 か を 占 う 際 に 神 々 を 介 し て 行 わ れ そ の 時 に 神 々 が 供 物 を う け る か ど う か が し ば し ば 問 題 に な る こ と が あ る そ し て そ の う け る と い う 意 味 に 饗 字 が 用 い ら れ る こ と が あ る 例 え ば 尚 書 顧 命 に 大 史 秉 書 由 賓 階 隮 御 王 册 命 曰 皇 后 憑 玉 几 道 揚 末 命 命 汝 嗣 訓 臨 君 周 邦 率 循 大 卞 燮 和 天 下 用 荅 揚 文 武 之 光 訓 王 再 拜 興 荅 曰 眇 眇 予 末 小 子 其 能 而 亂 四 方 以 敬 忌 天 威 乃 受 同 瑁 王 三 宿 三 祭 三 咤 上 宗 曰 饗 太 保 受 同 降 盥 以 異 同 秉 璋 以 酢 授 宗 人 同 拜 王 荅 拜 太 保 受 同 祭 嚌 宅 授 宗 人 同 拜 王 荅 拜 太 保 降 收 諸 侯 出 廟 門 俟 と あ り 儀 禮 士 虞 禮 に 死 三 日 而 殯 三 月 而 葬 遂 卒 哭 將 旦 而 祔 則 薦 卒 辭 曰 哀 子 某 來 日 某 隮 祔 爾 于 爾 皇 祖 某 甫 尚 饗 女 子 曰 皇 祖 妣 某 氏 婦 曰 孫 婦 于 皇 祖 姑 某 氏 其 他 辭 一 也 と あ り 同 じ く 士 虞 禮 に 饗 辭 曰 哀 子 某 圭 爲 而 哀 薦 之 饗 8
と あ り 同 じ く 士 虞 禮 に 明 日 以 其 班 祔 沐 浴 櫛 搔 翦 用 專 膚 爲 折 俎 取 諸 脰 膉 其 他 如 饋 食 用 嗣 尸 曰 孝 子 某 孝 顯 相 夙 興 夜 處 小 心 畏 忌 不 惰 其 身 不 寧 用 尹 祭 嘉 薦 普 淖 普 薦 溲 酒 適 爾 皇 祖 某 甫 以 隮 祔 爾 孫 某 甫 尚 饗 と あ り 同 じ く 特 牲 饋 食 禮 に 命 曰 孝 孫 某 筮 來 日 某 諏 此 某 事 適 其 皇 祖 某 子 尚 饗 筮 者 許 諾 還 即 席 西 面 坐 と あ り 同 じ く 特 牲 饋 食 禮 に 前 期 三 日 之 朝 筮 尸 如 求 日 之 儀 命 筮 曰 孝 孫 某 諏 此 某 事 適 其 皇 祖 某 子 筮 某 之 某 爲 尸 尚 饗 と あ り 同 じ く 少 牢 饋 食 禮 に 主 人 曰 孝 孫 某 來 日 丁 亥 用 薦 歳 事 于 皇 祖 伯 某 以 某 妃 配 某 氏 尚 饗 史 曰 諾 西 面 于 門 西 抽 下 韇 左 執 筮 右 兼 執 韇 以 擊 筮 遂 述 命 曰 假 爾 大 筮 有 常 孝 孫 某 來 日 丁 亥 用 薦 歳 事 于 皇 祖 伯 某 以 某 妃 配 某 氏 尚 饗 乃 釋 韇 立 筮 と あ り 同 じ く 少 牢 饋 食 禮 に 宿 前 宿 一 日 宿 戒 尸 明 日 朝 筮 尸 如 筮 日 之 禮 命 曰 孝 孫 某 來 日 丁 亥 用 薦 歳 事 于 皇 祖 伯 某 以 某 妃 配 某 氏 以 某 之 某 爲 尸 尚 饗 筮 卦 占 如 初 吉 則 乃 遂 宿 尸 と あ り 同 じ く 少 牢 饋 食 禮 に 主 人 再 拜 稽 首 祝 祝 曰 孝 孫 某 敢 用 柔 毛 剛 鬣 嘉 薦 普 淖 用 薦 歳 事 于 皇 祖 伯 某 以 某 妃 配 某 氏 尚 饗 主 人 又 再 拜 稽 首 と あ り こ れ ら の 饗 は 人 が 神 に 對 し て 願 い を う け る こ と を 懇 願 す る も の で あ る よ っ て 上 博 本 卿 は 饗 と 讀 む べ き で あ る と 考 え る が こ れ は 本 稿 第 四 章 で も う 一 度 議 論 す る こ と と す る 第 三 章 上 博 本 周 易 の 亯 字 に つ い て 9
で は 本 章 で は 亯 グ ル ー プ の 意 味 を 考 え て み る こ と に す る コ メ ン ト [HISASHI1 ]: 本 稿 注 7 で も 述 べ て い る 通 り 困 卦 九 五 の 祭 祀 は 經 典 釋 文 は 享 祀 に 作 っ て い る 享 祀 と い う 用 例 は 通 行 文 獻 中 に は 多 く 見 ら れ 文 獻 の 用 例 數 だ け 擧 げ る と 詩 經 に 一 例 呂 氏 春 秋 に 一 例 大 戴 禮 記 に 一 例 春 秋 左 氏 傳 に 二 例 國 語 に 二 例 史 記 に 一 例 漢 書 に 三 例 逸 周 書 に 一 例 あ る ま た 出 土 資 料 文 獻 に は 楚 帛 書 丙 五 三 に 亯 祀 と い う 例 が あ る 祭 祀 と い う 用 例 は い ち い ち 例 を 擧 げ る 必 要 も な い ほ ど 言 わ ず と 傳 世 文 獻 中 に は 極 め て 多 く 見 ら れ る( 詩 經 孟 子 莊 子 墨 子 管 子 老 子 荀 子 韓 非 子 呂 氏 春 秋 孝 經 楚 辭 儀 禮 禮 記 大 戴 禮 記 等 々 ) ち な み に 出 土 資 料 文 獻 で は 郭 店 楚 簡 老 子 丙 本 第 十 六 號 簡 ( 馬 王 堆 帛 書 老 子 甲 乙 本 に も あ る ) 郭 店 楚 簡 性 自 命 出 第 六 十 六 號 簡 ( 性 情 論 第 二 十 九 號 簡 )に 一 例 上 博 楚 簡 昔 者 君 老 第 二 號 簡 に 一 例 馬 王 堆 帛 書 戰 國 縱 横 家 書 に 一 例 あ る 享 祀 祭 祀 を 必 ず し も 同 じ 言 葉 と 斷 言 は し な い が ま ず は 饗 祀 と い う 用 例 は 傳 世 文 獻 中 に 管 見 の 限 り は 見 ら れ ず 金 文 中 で は 殷 周 金 文 集 成 引 得 1 6 に よ る と 中 山 王 圓 壺 に 郷 ( 饗 ) 祀 先 王 と い う 一 例 が あ る の み で あ る こ と を 確 認 し て お く ま た 濮 茅 左 氏 の 上 博 本 周 易 譯 注 の 隨 卦 で は 亯 獻 祭 亯 之 亯 1 7 と 述 べ て い る が 亯 と 祭 を 竝 列 さ せ て 亯 祭 と い う 例 は 包 山 楚 簡 卜 筮 祭 祷 第 二 三 七 號 簡 二 四 一 號 簡 に 一 例 ず つ 滕 壬 生 楚 系 簡 帛 文 字 編 所 引 の 天 星 觀 楚 簡 卜 筮 祭 祷 に 二 例 1 8 み ら れ る そ し て 享 祭 は 傳 世 文 獻 中 で は 管 子 侈 靡 篇 に 安 郷 樂 宅 享 祭 而 謳 吟 稱 號 者 皆 誅 所 以 留 民 俗 也 と あ り 孔 子 家 語 致 思 篇 に 孔 子 之 楚 而 有 漁 者 而 獻 魚 焉 孔 子 不 受 漁 者 曰 天 暑 市 遠 無 所 鬻 也 思 慮 棄 之 糞 壤 不 如 獻 之 君 子 故 敢 以 進 焉 於 是 夫 子 再 拜 受 之 使 弟 子 掃 地 將 以 享 祭 門 人 曰 彼 將 棄 之 而 夫 子 以 祭 之 何 也 10
と あ り 漢 書 王 莽 傳 に 成 王 加 元 服 周 公 則 致 政 郊 祀 天 地 宗 祀 明 堂 共 祀 宗 廟 享 祭 羣 神 贊 曰 假 皇 帝 民 臣 謂 之 攝 皇 帝 自 稱 曰 予 と あ る な お 饗 祭 と い う 例 は 傳 世 文 獻 中 に 管 見 の 限 り で は 見 当 た ら な い ( ち な み に 祭 享 は 逸 周 書 に 一 例 の み 祭 饗 は 傳 世 文 獻 中 に 見 ら れ な い ) 上 記 の 享 祀 ( 祭 祀 饗 祀 ) 亯 祭 ( 享 祭 饗 祭 祭 享 ) の 例 と 第 一 章 表 2 Ⅱ Ⅲ Ⅳ 列 の 結 果 合 わ せ て 考 え る と 以 下 の こ と が 言 え る だ ろ う ( a ) 上 博 本 の 亯 は 享 芳 祭 と 強 い 相 關 關 係 に あ る こ と が 明 ら か で あ り 亯 グ ル ー プ は き ょ う す あ る い は ま つ る と 訓 じ る べ き で あ る と 考 え る ( b ) 少 な く と も 上 海 本 と 馬 王 堆 本 で は 卿 グ ル ー プ と 亯 グ ル ー プ は 排 他 的 關 係 に あ る 歴 代 の 大 部 分 の 注 釋 は 亯 グ ル ー プ 中 の 通 行 本 の 亨 を 享 或 い は 祭 と 訓 じ て い る ( 筆 者 は 以 下 の 獻 の 意 味 も こ こ で は 享 の 意 味 と ほ と ん ど 同 じ で あ る と 考 え る ) 例 え ば 大 有 卦 九 三 公 用 亨 於 天 子 小 人 弗 克 の 陸 德 明 經 典 釋 文 は 許 庚 反 通 也 下 同 衆 家 竝 香 兩 反 京 云 獻 也 干 云 享 宴 也 姚 云 享 祀 也 と あ り 升 卦 に 六 四 王 用 亨 於 岐 山 吉 无 咎 の 陸 德 明 經 典 釋 文 は 許 庚 反 通 也 馬 鄭 陸 王 肅 許 兩 反 馬 云 祭 也 鄭 云 獻 也 と あ り 隨 卦 上 六 拘 係 之 乃 從 維 之 王 用 亨 於 西 山 の 玉 函 山 房 輯 佚 書 所 収 の 周 易 京 氏 章 句 馬 國 翰 注 は 晁 氏 呂 氏 引 京 虞 陸 績 一 行 曰 亨 祭 也 と あ る ま た 定 説 の 例 と し て 擧 げ た 高 田 眞 治 後 藤 基 巳 譯 易 經 赤 塚 忠 譯 易 經 の よ う に ほ と ん ど の 學 者 は 亯 グ ル ー プ の 通 行 本 亨 を き 11
ょ う す ま つ る と 訓 じ て い る が こ こ で も 同 じ 結 論 に 達 し た と い う こ と を ひ と ま ず こ こ で 確 認 し て お く ち な み に 第 一 章 で 擧 げ た 陸 德 明 が 亯 グ ル ー プ を 通 也 と 釋 し て い る が 上 の 結 論 か ら 考 え て 採 る こ と は で き な い だ ろ う 第 四 章 饗 と 亯 の 關 係 に つ い て 王 力 同 源 字 典 に は 亯 の 例 と し て 説 文 解 字 の 亯 獻 也 や 爾 雅 釋 詁 の 享 獻 也 な ど の 例 を 擧 げ 一 方 で 饗 は 説 文 解 字 の 饗 郷 人 飲 酒 也 や 廣 韻 の 饗 歆 饗 儀 禮 少 牢 饋 食 禮 の 尚 饗 と い っ た 例 を 擧 げ て 按 享 饗 實 同 一 詞 在 文 字 上 加 以 區 別 但 是 古 書 往 往 混 用 1 9 と 述 べ て い る つ ま り は 結 論 か ら 言 う と 上 博 本 周 易 の 卿 は や は り 饗 ( う け る ) と 讀 む べ き で あ る と 考 え る そ れ は 饗 ( う け る ) と 亯 ( き ょ う す ) は 表 裏 一 體 の 意 味 を も っ て お り 兩 字 の 意 味 が 往 々 に 混 用 さ れ た か ら こ そ 阜 陽 簡 本 通 行 本 周 易 に な っ て 卿 亯 が 同 じ く 亨 と な っ て し ま っ た の だ ろ う よ っ て 亯 グ ル ー プ を き ょ う す ま つ る と 讀 む 以 上 上 博 本 の 卿 は 亨 の 假 借 字 と す る よ り も 饗 ( う け る ) と 讀 む 方 が ふ さ わ し い だ ろ う そ し て 周 易 に お け る 卿 は 神 が 願 い を 饗 ( う け た ) も の な の で あ り 吉 祥 な の で あ ろ う な お 古 音 の 關 係 を 述 べ る と 郭 錫 良 漢 字 古 音 手 册 2 0 に よ れ ば 亨 享 郷 饗 は と も に 暁 母 陽 部 卿 は 渓 母 陽 部 に そ れ ぞ れ 屬 し 聲 母 は と も に 喉 音 韻 母 は 同 じ で あ り 通 假 可 能 で あ る ま た 説 文 解 字 亯 部 に 碍 獻 也 从 高 省 曰 象 進 孰 物 形 孝 經 曰 祭 則 鬼 亯 之 凡 亯 之 屬 皆 从 亯 嚇 篆 文 亯 と あ る が こ の 説 文 解 字 が 引 く 孝 經 孝 治 章 は 阮 元 校 勘 本 十 三 經 注 疏 は 享 に 作 り 石 臺 本 は 亨 に 作 り 群 書 治 要 所 引 の 孝 經 は 饗 に 作 っ て い る 12
お わ り に 上 博 本 馬 王 堆 本 阜 陽 簡 本 の 出 土 資 料 を 利 用 し 筆 者 は 上 博 本 の 亯 は き ょ う す ま つ る と い う 意 と 解 し 同 時 に 上 博 本 の 卿 は ( 神 々 が 供 物 を ) う け る = 願 い が な か う と い う 意 に 解 し た ま た 年 代 の 古 い 上 博 本 馬 王 堆 本 の 卿 グ ル ー プ と 亯 グ ル ー プ は 明 確 に 字 形 上 の 區 別 を し て お り 上 博 本 の 卿 は 饗 と 讀 爲 す べ き で あ る こ と を 考 え れ ば 本 來 の 周 易 に お け る 卿 グ ル ー プ の 亨 は 饗 ( う け る ) で あ っ た の で は な い だ ろ う か も ち ろ ん 傳 世 文 獻 中 や 出 土 資 料 文 献 中 に も 神 々 が 供 物 を う け る と い う 意 味 に 享 字 や 亯 字 が 用 い ら れ る こ と も あ る こ こ で 議 論 と し て い る の は あ く ま で 周 易 に 關 す る も の で あ る こ と を 注 意 さ れ た い そ れ か ら 濮 茅 左 氏 は 上 博 簡 の 卿 を 通 行 本 と 同 じ く 一 樣 に 亨 の 假 借 字 と し て い る が 2 1 通 行 本 と 比 較 で き る 出 土 資 料 文 獻 は 往 々 に し て 安 易 に 通 行 本 の 文 字 に 讀 ん で し ま い が ち で あ る し か し 我 々 は 可 能 な 限 り 原 簡 の 文 字 に 對 し 先 入 觀 を も た ず に 釋 す べ き だ ろ う そ う で な い と せ っ か く の 出 土 資 料 文 獻 が 與 え て く れ る 意 義 が 半 減 し て し ま う 大 野 裕 司 氏 は 周 易 蒙 卦 新 解 上 海 博 物 館 藏 戰 國 楚 竹 書 周 易 尨 卦 に 見 る 犬 の 民 俗 2 2 の 注 ( 二 二 )で 周 易 の 亨 ( 楚 簡 の 卿 )は 鬼 神 へ の 祈 り が 受 け 入 れ ら れ 願 い が 叶 う 意 で あ る と 考 え る と 述 べ て い る が 筆 者 も ほ ぼ 同 意 し た い で は 卿 グ ル ー プ の 通 行 本 亨 字 の 本 來 の 意 味 が 饗 つ ま り は う け る の 意 味 に 由 來 す る す る も の だ と し て も そ れ が 周 易 の 用 語 と し て 相 應 し い も の で あ る だ ろ う か 卿 ( 饗 ) は ( 神 々 が 供 物 を )う け る と す る な ら ば 以 下 の 二 つ の 假 説 を 立 て る こ と が で き る だ ろ う ( 1 ) 占 い の 結 果 は 神 々 が 與 え る も の と 考 え 神 々 に 供 物 を 捧 げ な が ら お 伺 い を た て そ こ で 卿 ( 饗 ) 字 つ ま り は 神 々 が 供 物 を う け る = 願 い が な か う と な っ た と い う も の ( 2 ) 前 掲 の 九 店 楚 簡 睡 虎 地 秦 簡 日 書 の 樣 な 占 い の 言 葉 が 馴 化 さ れ て 13
周 易 の 用 語 と な っ た つ ま り こ れ は 神 々 に 供 物 を 捧 げ た り す る こ と が 必 ず し も 周 易 に お け る 占 い の 行 爲 の 中 に あ る と は 限 ら な い 本 來 周 易 が ど の よ う な 使 わ れ 方 を し て い た の か と い う 問 題 が 解 決 し て い な い の で い ず れ が 相 應 し い か は っ き り と 言 う こ と は で き な い し ま た 他 の 假 説 が 成 り 立 つ か も し れ な い こ れ ら は 將 來 の 課 題 と し た い 本 稿 は 大 東 文 化 大 學 に お け る 池 田 知 久 先 生 の 中 國 哲 學 演 習 ( 三 ) で 發 表 し た 成 果 の 一 部 で あ る 池 田 先 生 ( 大 東 文 化 大 學 教 授 ) を 始 め と し て 井 上 亘 先 生 ( 大 東 文 化 大 學 人 文 科 學 研 究 所 兼 任 研 究 員 ) 元 勇 準 氏 ( 東 京 大 學 大 學 院 博 士 課 程 )か ら は 有 益 な 意 見 を 頂 戴 し た ま た 筆 者 は 二 〇 〇 五 年 夏 か ら 中 國 山 東 大 學 に 留 學 す る こ と に な っ た が 曹 峰 先 生 ( 山 東 大 學 教 授 ) か ら も 貴 重 な ご 意 見 を 頂 い た こ こ に 深 甚 の 謝 意 を を 表 し た い ま た 本 稿 は 上 博 館 藏 戰 國 楚 竹 書 研 究 ( 上 海 書 店 出 版 社 )の 第 三 巻 に 中 國 語 で 掲 載 さ れ る 予 定 で あ る 本 稿 は そ の 日 本 語 譯 に 當 た る こ と を 最 後 に 注 記 し て お く 注 釋 1 そ れ ぞ れ の 圖 版 は 馬 王 堆 本 は 陳 松 長 編 馬 王 堆 帛 書 藝 術 ( 上 海 書 店 出 版 社 1996 年 12 月 ) 阜 陽 簡 本 は 韓 自 強 阜 陽 漢 簡 周 易 研 究 ( 上 海 古 籍 出 版 社 2004 年 7 月 ) 上 博 本 は 濮 茅 左 譯 周 易 ( 馬 承 源 主 編 上 海 博 物 館 藏 戰 國 楚 竹 書 ( 三 ) 上 海 古 籍 出 版 社 2003 年 12 月 ) を 參 照 し た 2 高 亨 氏 は 元 亨 利 貞 が 重 視 さ れ て き た 状 況 を 以 下 の よ う に 説 明 す る 周 易 卦 辭 爻 辭 中, 元 亨 利 貞 四 字, 爲 數 甚 多 此 四 字 之 意 不 明, 則 全 書 莫 能 通 曉 乾 卦 曰 : 乾, 元 亨 利 貞 文 言 曰 : 文 言 曰 : 元 者, 善 之 長 也 ; 亨 者, 嘉 之 會 也 ; 利 者, 義 之 和 也 ; 貞 者, 事 之 幹 也 君 子 體 仁 足 以 長 人, 嘉 會 足 以 合 禮, 利 物 足 以 和 義, 貞 固 足 以 幹 事 君 子 行 此 四 德 者, 故 曰 乾, 元 亨 利 貞 此 元 亨 利 貞 最 古 之 解 釋, 後 世 奉 爲 金 科 玉 律 者 也 ( 周 易 古 經 今 注 第 五 篇 元 亨 利 貞 解 重 訂 本 中 華 書 局 1984 年 3 月 を 參 照 )ま た 胡 樸 安 氏 は 以 下 の よ う に 説 明 す る 元 亨 利 貞 四 字, 14
是 周 易 卦 辭 記 事 之 總 符 號 六 十 四 卦, 只 有 六 卦 無 元 亨 利 貞 字, 元 亨 利 貞 字 具 全 者 七 卦, 有 元 亨 利 者 一 卦, 卦 辭 之 元 亨 利 貞 四 字, 可 謂 周 易 紀 事 之 重 要 符 號 ( 胡 樸 安 周 易 古 史 觀 總 說 上 海 古 籍 出 版 社 1986 年 5 月 を 參 照 ) 3 李 鏡 池 周 易 筮 辭 考 ( 顧 頡 剛 編 著 古 史 辨 第 三 册 民 國 叢 書 第 四 編 第 六 十 六 册 1933 年 11 月 ) 4 高 亨 周 易 古 經 今 注 ( 重 訂 本 中 華 書 局 1984 年 3 月 ) 第 五 篇 元 亨 利 貞 解 參 照 5 馬 王 堆 本 で は 唯 一 こ の 字 だ け が 享 に 作 っ て い る 字 形 が 近 い た め 亨 と 書 き 誤 っ た か も し く は 亨 と の 假 借 字 か( 享 亨 は と も に 暁 母 陽 部 ) 6 否 卦 六 二 の 亨 字 が あ る 簡 は 果 た し て 本 當 に 阜 陽 漢 簡 本 が 否 卦 に 結 合 で き る か ど う か は 不 明 で あ る こ こ で は 暫 時 韓 自 強 阜 陽 漢 簡 周 易 研 究 に 從 う 7 左 傳 僖 公 二 十 五 年 に 公 曰 筮 之 筮 之 遇 大 有 命 冥 之 睽 命 名 曰 吉 遇 公 用 享 于 天 子 之 卦 也 戰 克 而 王 饗 吉 孰 大 焉 と あ り 享 に 作 っ て い る 8 經 典 釋 文 に 王 肅 本 同 馬 鄭 陸 虞 等 竝 無 此 字 と あ る 上 博 本 馬 王 堆 本 に も こ の 亨 字 が 見 え な い や は り 衍 文 と す べ き で あ ろ う 9 祭 祀 は 經 典 釋 文 に 本 亦 作 享 祀 と あ る 1 0 馬 王 堆 本 は 九 五 東 鄰 殺 牛 以 祭 不 若 西 鄰 之 濯 禴 祭 實 受 其 福 吉 に 作 る な お 上 博 本 に は 通 行 本 と 同 じ く 以 祭 は 無 い 1 1 馬 王 堆 本 の 乾 卦 は 享 に 作 る た め 統 計 か ら 外 し て お く こ と に す る 1 2 高 田 真 治 後 藤 基 巳 譯 易 經 ( 全 二 册 岩 波 書 店 1969 年 7 月 ) 1 3 赤 塚 忠 易 經 中 國 古 典 新 書 明 德 出 版 社, 1974 年 3 月 1 4 高 田 真 治 後 藤 基 巳 譯 易 經 は 損 卦 の 享 を ま つ る と 訓 じ て い る 以 外 亯 グ ル ー プ は み な き ょ う す と 訓 じ て い る 1 5 高 亨 周 易 古 經 今 注 ( 重 訂 本 中 華 書 局 1984 年 3 月 ) 第 五 篇 元 亨 利 貞 解 參 照 1 6 張 亞 初 編 著 殷 周 金 文 集 成 引 得 ( 中 華 書 局 2001 年 7 月 ) 1 7 馬 承 源 主 編 上 海 博 物 館 藏 戰 國 楚 竹 書 ( 三 ) ( 上 海 古 籍 出 版 社 2003 年 12 月 ) 一 六 一 頁 參 照 1 8 江 陵 天 星 觀 楚 簡 全 體 の 圖 版 は 未 公 開 こ こ で は 滕 壬 生 楚 系 簡 帛 文 字 編 ( 武 漢 教 育 出 版 社 1995 年 ) を 參 照 し た 1 9 王 力 同 源 字 典 ( 商 務 印 書 館 1982 年 10 月 ) 三 四 九 ~ 三 五 〇 頁 參 照 2 0 郭 錫 良 漢 字 古 音 手 册 ( 北 京 大 學 出 版 1986 年 ) 2 1 濮 茅 左 周 易 譯 注 ( 馬 承 源 主 編 上 海 博 物 館 藏 戰 國 楚 竹 書 ( 三 ) 上 海 古 籍 出 版 社 2003 年 12 月 ) を 參 照 2 2 大 野 裕 司 周 易 蒙 卦 新 解 上 海 博 物 館 藏 戰 國 楚 竹 書 周 易 尨 卦 に 見 る 犬 の 民 俗 ( 中 國 哲 學 第 三 十 三 號 北 海 道 中 國 哲 學 會 2005 年 3 月 ) 15