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Ⅰ 1 M&Aの 活 用 法 後 継 者 不 在 の 解 消 のために 経 営 者 の 平 均 年 齢 が60 歳 を 超 えつつある 現 在 後 継 者 がいないという 状 況 に 直 面 して いる 企 業 が 増 えています この 課 題 を 解 決 する 方 法 として M&A の 活 用 が 増 加 していま す 次 の 経 営 を 引 き 継 ぐ 企 業 を 探 し 出 すことに 成 功 すれば 借 入 金 の 連 帯 保 証 も 解 消 され そして 経 営 を 次 世 代 に 委 ねることができます M&A によって 会 社 が 次 の 世 代 へと 承 継 されることで さらなる 発 展 も 期 待 できます 2 事 業 をランクアップさせるために 中 小 企 業 の 中 には 新 事 業 を 具 現 化 したい しかし 自 社 単 独 では 経 営 資 源 が 足 りない 軌 道 に 乗 った 事 業 をより 発 展 させたい と 考 える 経 営 者 も 少 なくありません 事 業 をランクアップさせるために 必 要 なのは 資 金 や 多 様 な 人 材 経 営 ノウハウです 特 に 最 近 では 人 材 の 不 足 が 最 も 深 刻 な 問 題 となっています M&A はそれらを 効 率 的 に 結 び 付 けます 短 期 間 のうちに 会 社 を 成 長 させ 社 会 的 な 価 値 を 向 上 させことができるといえます 3 経 営 の 選 択 と 集 中 を 進 めて 企 業 価 値 を 向 上 させるために 企 業 が 成 長 するには 競 争 力 がなくなった 事 業 や 不 得 意 な 事 業 将 来 的 に 必 要 性 が 乏 し い 事 業 を 合 理 的 に 整 理 し 競 争 力 のある 事 業 得 意 な 事 業 戦 略 的 な 必 要 性 が 高 い 事 業 に 投 資 を 集 中 させていく 必 要 があります 4 事 業 を 短 期 間 で 拡 大 するために 短 期 間 で 売 上 を 伸 ばしたい 自 社 に 不 足 している 人 材 や 技 術 を 取 り 込 みたい 新 規 事 業 に 参 入 したい このような 目 的 に 対 し M&Aは 適 しています すでに 存 在 している 営 業 基 盤 や 技 術 人 材 を 取 り 込 むことができるので リスクが 格 段 に 低 くなるばかりでなく 時 間 も 短 縮 でき 競 合 他 社 に 一 歩 先 んじることができます 自 社 単 独 の 場 合 よりも 短 期 間 で 事 業 展 開 が 可 能 となります 1

Ⅱ M&Aの 基 礎 知 識 1 M&Aとは M&A は 英 語 の Mergers( 合 併 )and Acquisitions( 買 収 )の 略 です 一 般 的 にM&A とは 会 社 もしくは 経 営 権 の 取 得 を 意 味 します つまり M&A とは 複 数 の 企 業 を 一 つの 企 業 に 統 合 したり( 合 併 ) ある 企 業 が 他 の 企 業 の 株 式 や 事 業 を 買 い 取 ったりする 事 ( 買 収 )をいいます 企 業 の 合 併 や 買 収 だけでなく 事 業 譲 渡 や 資 本 業 務 提 携 を 含 めた 広 い 意 味 での 企 業 間 提 携 の 総 称 として 使 われています また M&A は 自 社 に 不 足 している 経 営 資 源 (ヒト モノ カネ 技 術 情 報 など)を おぎない 事 業 の 拡 大 や 再 構 築 を 行 うための 経 営 戦 略 のひとつです 手 法 株 主 が 受 取 る 対 価 会 社 の 組 織 資 産 負 債 諸 契 約 雇 用 の 承 継 株 主 への 課 税 株 式 譲 渡 現 金 存 続 する 変 更 なし あり( 譲 渡 所 得 税 ) 第 三 者 割 当 増 資 なし 存 続 する 変 更 なし なし 事 業 譲 渡 なし 会 社 は 残 るが 譲 渡 さ れるお 行 の 運 営 会 社 は 変 わる 再 契 約 が 必 要 なし 株 式 交 換 相 手 企 業 の 株 式 存 続 する 変 更 なし 一 定 の 要 件 を 満 たせ ば なし 合 併 相 手 企 業 の 株 式 消 滅 する 会 社 分 割 株 式 その 他 の 資 産 新 たに 組 織 される 合 併 企 業 が 直 接 承 継 承 継 される( 分 割 さ れる 事 業 にかかる 部 分 ) いってい あり( 譲 渡 所 得 税 ) (みなし 配 当 譲 渡 課 税 ) 2 M&Aで 発 生 する 税 務 M&A にかかる 税 金 のなかで 注 意 が 必 要 なのが 所 得 税 と 法 人 税 です 中 小 企 業 の M&A で 多 く 使 われる 手 法 は 株 式 譲 渡 事 業 譲 渡 第 三 者 割 当 増 資 ですが M&A の 手 法 によって 誰 が 税 金 を 納 めるのかが 異 なります 株 式 取 得 に 関 する 税 務 株 式 を 譲 渡 したときの 課 税 ( 譲 渡 所 得 課 税 )は 一 律 20%( 所 得 税 15% 住 民 税 5%) であるのに 対 し 給 与 所 得 は 累 進 課 税 ( 所 得 税 5%~45%)です 2

株 式 譲 渡 金 額 がある 程 度 大 きい 場 合 は 株 式 譲 渡 による 税 金 は 給 与 所 得 に 課 される 税 金 に 比 べ 少 なくなります 適 格 組 織 再 編 税 制 合 併 会 社 分 割 及 び 株 式 交 換 移 転 のいずれも 税 務 上 は 原 則 として 時 価 での 譲 渡 とみ なして 評 価 損 益 課 税 がなされます しかし 一 定 の 条 件 を 満 たしている 場 合 時 価 ではな く 簿 価 で 譲 渡 を 行 ったものとみなし 評 価 損 益 の 計 上 を 繰 り 延 べることができます のれんの 取 り 扱 い 税 務 上 非 適 格 組 織 再 編 が 行 われる 場 合 に 限 り 取 得 した 資 産 と 負 債 の 差 額 の 時 価 相 当 額 を のれん として 資 産 計 上 し 償 却 していきます 上 記 以 外 にも 次 のような 項 目 が 挙 げられます M&Aが 適 格 もしくは 非 適 格 であるかにより 取 り 扱 いが 異 なりますので 充 分 に 留 意 する 必 要 があります 株 式 交 換 及 び 株 式 移 転 にかかる 税 務 事 業 譲 渡 に 関 する 法 人 税 法 の 取 り 扱 い 合 併 の 税 務 会 社 分 割 の 税 務 消 費 税 の 取 り 扱 い 3

Ⅲ M&Aの 手 法 1 M&Aの 手 法 M&Aの 代 表 的 な 手 法 の デを 確 認 します 代 表 的 な 手 法 1 株 式 譲 渡 2 第 三 者 割 当 増 資 3 事 業 譲 渡 4 株 式 交 換 5 合 併 6 会 社 分 割 2 株 式 譲 渡 株 式 譲 渡 とは 株 式 を 相 手 方 に 譲 渡 することで 経 営 権 を 譲 渡 する 方 法 会 社 名 や 会 社 が 持 っている 債 権 債 務 契 約 関 係 等 は 全 て 引 き 継 がれるため 対 外 的 には 株 主 が 変 わった 以 外 に 大 きな 変 化 はなく 取 引 先 や 従 業 員 が 安 心 できるようなしっかりとした 相 手 先 が 買 い 手 企 業 となった 場 合 しかるべき 引 継 ぎがなされれば 事 業 がそのまま 承 継 できる 可 能 性 が 高 いといえる ( マイペディア より) M&A の 手 続 が 簡 単 で 早 い 法 律 上 は 別 組 織 なので 別 組 織 として 運 営 できる 会 社 が 有 する 資 産 契 約 等 を 引 き 継 ぐことができる 譲 渡 益 に 対 する 税 率 が 低 い デ 不 要 な 資 産 簿 外 債 務 等 があった 場 合 でも 引 き 継 がなければならない 優 良 企 業 を 買 収 する 場 合 連 結 財 務 諸 表 上 ののれん 償 却 費 が 税 務 上 損 金 算 入 でき ない 買 収 資 金 の 準 備 が 必 要 である 4

譲 渡 人 の 税 務 個 人 の 場 合 申 告 分 離 課 税 方 式 で 税 率 は 20%( 所 得 税 15% 地 方 税 5%) 所 得 税 額 等 の 計 算 法 人 の 場 合 法 人 が 株 式 を 譲 渡 し 譲 渡 益 を 計 上 した 場 合 には 他 の 益 金 と 同 様 に 益 金 算 入 する 株 式 譲 渡 は スキーム 構 築 の 上 で 役 員 退 職 金 の 支 給 や 事 前 の 配 当 の 実 施 を 行 うケースが あるので 株 式 譲 渡 に 関 する 税 務 知 識 だけでなく 関 係 する 税 務 知 識 についても 十 分 に 確 認 を 行 う 必 要 があります 株 式 の 譲 渡 制 限 譲 渡 制 限 株 式 : 譲 渡 による 株 式 の 取 得 について 定 款 で 会 社 の 承 認 を 要 する 旨 の 記 載 のある 会 社 の 株 式 のこと 譲 渡 の 可 否 は 取 締 役 会 設 置 会 社 では 取 締 役 会 の 決 議 それ 以 外 の 会 社 は 株 主 総 会 の 普 通 決 議 によって 承 認 される 未 公 開 会 社 や 同 族 会 社 といった 会 社 で 会 社 にとって 好 ましくない 者 が 株 主 になる ことを 防 止 することが 目 的 譲 渡 制 限 株 式 を 他 に 譲 渡 しようとする 株 主 は 会 社 に 対 して その 他 人 が 譲 渡 制 限 株 式 を 取 得 することについて 承 認 するか 否 かを 決 定 するよう 会 社 に 請 求 することが できる 3 第 三 者 割 当 増 資 株 主 であるかを 問 わず 特 定 の 第 三 者 に 新 株 引 受 権 を 与 える 第 三 者 割 当 によって 増 資 を 行 うこと この 増 資 によって 会 社 の 自 己 資 本 を 充 実 させ 財 務 内 容 を 健 全 化 することがで きる ( デジタル 大 辞 泉 より) 買 収 企 業 との 関 係 は 出 資 比 率 により 異 なりますが 役 員 の 派 遣 を 伴 うケースが 中 小 企 業 M&A では 多 く 見 られます また 第 三 者 割 当 増 資 は 株 式 譲 渡 と 同 じく 株 式 を 取 得 する 方 法 ( 株 式 取 得 )ですが 第 三 者 割 当 増 資 は 既 存 の 株 主 と 買 収 企 業 の 株 主 が 共 に 経 営 をしていくため 100%の 完 全 買 収 は 出 来 ません 5

買 手 企 業 M&A の 手 続 が 簡 単 で 早 い 時 間 を 買 うがある 売 手 企 業 に 欠 損 金 がある 場 合 買 収 企 業 から 生 じる 利 益 に 対 して 有 効 利 用 でき 節 税 がある 再 売 却 の 際 の 手 続 が 容 易 デ 買 収 資 金 の 調 達 が 必 要 簿 外 債 務 があった 場 合 最 終 的 に 買 手 企 業 が 負 担 せざるを 得 ない 買 収 価 額 のうちのれん 相 当 額 については 償 却 できないため のれん 償 却 の 節 税 メリ ットが 生 じない 売 手 企 業 M&A の 手 続 が 簡 単 で 早 い 信 用 力 の 高 い 企 業 から 出 資 を 受 けることで 信 用 力 が 増 し 資 金 調 達 事 業 展 開 に 有 利 にはたらく 会 社 に 資 金 が 入 るので M&A と 資 金 調 達 が 同 時 に 実 現 される デ 買 手 企 業 にとっては 常 に 一 部 取 得 となるので 完 全 買 収 を 望 む 買 手 企 業 には 不 向 き 売 手 企 業 の 株 主 売 手 企 業 の 株 主 としての 経 営 権 は 失 わない デ 現 金 を 手 にすることができない 第 三 者 割 当 増 資 において 会 計 処 理 上 留 意 すべき 点 買 手 企 業 の 場 合 買 手 企 業 にとっては 第 三 者 割 当 増 資 による M&A の 会 計 処 理 も 基 本 的 には 株 式 買 取 によ る M&A の 会 計 処 理 と 同 じになります これは 買 手 企 業 にとっては 売 手 企 業 の 株 主 にお 金 を 払 うのか それとも 売 手 企 業 そのも のにお 金 を 入 れるのかという 違 いだけで お 金 を 払 って 株 式 を 取 得 することに 変 わりはな いからです 6

売 手 企 業 の 場 合 株 式 売 却 による M&A では 売 手 企 業 そのものではなく 売 手 企 業 の 株 主 に 会 計 処 理 の 必 要 がありましたが 第 三 者 割 当 増 資 の 場 合 には 逆 に 売 手 企 業 そのものに 会 計 処 理 が 必 要 にな ってきます 売 手 企 業 から 見 れば M&A とはいってもあくまで 増 資 なわけですから 通 常 の 増 資 の 会 計 処 理 をします このとき 新 株 式 を 発 行 しますが 新 株 発 行 に 要 した 費 用 は 新 株 発 行 費 と 呼 ばれ 以 下 の 会 計 処 理 が 選 択 できます (1) 新 株 発 行 費 として 資 産 に 計 上 し 3 年 以 内 に 均 等 額 以 上 を 償 却 する (2) 一 時 に 経 費 として 処 理 する 一 般 的 には(2)にしたがい 一 時 の 費 用 として 処 理 することが 多 いようです また (1) の 経 理 処 理 を 選 択 する 会 社 は 金 融 機 関 などに 苦 しい 会 社 と 見 られてしまうケースがありま すので 留 意 が 必 要 です 4 事 業 譲 渡 事 業 譲 渡 とは 会 社 ごと 売 買 するのではなく 会 社 の 中 身 のうち 必 要 な 事 業 に 関 連 す る 資 産 負 債 のみを 売 買 する M&A の 手 法 のこと 売 り 手 企 業 ( 売 却 企 業 )のオーナーは 譲 渡 した 事 業 に 対 する 支 配 権 を 完 全 に 失 う 店 舗 や 工 場 といった 土 地 建 物 などの 有 形 固 定 資 産 や 売 掛 金 在 庫 などの 流 動 資 産 だけでなく 営 業 権 (のれん) 人 材 ノウハウといっ た 無 形 資 産 も 譲 渡 対 象 となるため 買 い 手 企 業 ( 買 収 企 業 )は 必 要 な 資 産 のみを 譲 り 受 け ることができる 売 り 手 企 業 は 同 一 市 町 村 内 では 同 一 営 業 を 再 開 することができなくな るという 法 律 ( 会 社 法 ) 上 の 制 約 ( 競 業 避 止 義 務 )を 受 ける また 買 い 手 企 業 にとっては 契 約 で 引 き 継 ぐと 謳 われている 債 務 以 外 は 原 則 として 引 き 継 ぐ 必 要 がないため 簿 外 債 務 などが 発 覚 しても 負 担 する 必 要 はない ( シクミカ 運 営 会 計 用 語 キーワード 辞 典 より) 簿 外 資 産 簿 外 負 債 を 引 き 継 がない 買 収 価 額 のうちのれん 相 当 額 について 償 却 ができるため 節 税 がある 引 き 継 ぐ 従 業 員 契 約 を 限 定 することができる 一 部 の 事 業 のみを 譲 渡 することができる 7

デ 個 別 の 資 産 取 引 ごとに 譲 渡 の 手 続 を 行 わなければならないため 手 続 が 煩 雑 取 引 先 との 契 約 等 がうまく 引 き 継 げないリスクがある 免 許 許 認 可 等 の 取 り 直 しが 必 要 である 譲 渡 益 に 対 して 法 人 税 が 課 される 譲 渡 人 の 税 務 事 業 譲 渡 の 法 人 税 法 上 の 取 り 扱 いは 原 則 として 通 常 の 売 買 と 同 じ 譲 渡 益 は 他 の 所 得 と 合 算 され 申 告 所 得 がある 場 合 には 法 人 税 住 民 税 の 課 税 関 係 が 生 じる 株 式 譲 渡 との 相 違 税 務 上 のリスクの 承 継 事 業 譲 渡 の 場 合 は 引 き 継 がない 資 産 調 整 勘 定 : 譲 渡 会 社 の 資 産 負 債 は 時 価 で 譲 渡 するため 譲 渡 対 価 と 時 価 純 資 産 に 差 額 が 生 じる 場 合 は 資 産 調 整 勘 定 を 計 上 する 減 価 償 却 費 の 処 理 消 費 税 譲 渡 資 産 を 時 価 で 取 得 するために 消 費 税 が 生 じる 不 動 産 取 得 税 不 動 産 を 取 得 する 際 の 不 動 産 取 得 税 登 録 免 許 税 が 生 じる 取 締 役 会 重 要 な 財 産 の 処 分 及 び 譲 受 けに 該 当 する 場 合 には 取 締 役 会 の 決 議 が 必 要 ( 会 社 法 362 条 4 項 )となります 株 主 総 会 次 の 場 合 には 株 主 総 会 決 議 が 必 要 ( 会 社 法 467 条 )となります 事 業 の 全 部 の 事 業 の 全 部 の 譲 渡 事 業 の 重 要 な 一 部 の 譲 渡 事 業 全 部 の 譲 受 5 会 社 分 割 会 社 分 割 とは 会 社 の 事 業 の 一 部 または 全 部 を 分 離 し 他 社 に 渡 したり 新 会 社 を 作 る ことを 会 社 分 割 という 会 社 分 割 は 分 割 の 方 法 である 新 設 分 割 吸 収 分 割 と 株 式 の 割 当 先 が 分 社 方 分 割 か 分 割 型 分 割 で4 種 類 のバリエーションが 生 まれる ( シクミカ 運 営 会 計 用 語 キー ワード 辞 典 より) 8

会 社 の 部 門 ごと 事 業 ごとに 譲 渡 分 割 できる 分 割 の 実 施 に 際 して 資 金 準 備 の 必 要 がない 契 約 関 係 を 包 括 的 に 承 継 することができる 資 産 負 債 の 移 動 に 際 して 消 費 税 が 発 生 しない デ 不 要 な 資 産 簿 外 債 務 等 があった 場 合 でも 引 き 継 がなければならない 許 認 可 によっては 引 き 継 げない 許 認 可 がある 税 務 の 取 り 扱 いが 複 雑 6 合 併 合 併 の 実 施 に 際 して 資 金 準 備 の 必 要 がない 契 約 関 係 を 包 括 的 に 承 継 することができる 企 業 規 模 が 拡 大 し スケールが 受 けられる 営 業 権 相 当 額 について 償 却 ができるため 節 税 がある デ 不 要 な 資 産 簿 外 債 務 等 があった 場 合 でも 引 き 継 がなければならない 売 り 手 企 業 の 株 主 が 新 たに 株 主 として 加 わるため 同 族 経 営 からの 脱 却 が 求 められ るケースがある 売 り 手 企 業 の 株 主 が 取 得 した 株 式 の 現 金 化 が 困 難 合 併 の 手 続 1 取 締 役 会 合 併 は 組 織 上 重 要 な 行 為 であるため 取 締 役 会 で 承 認 が 必 要 2 株 主 総 会 原 則 : 特 別 決 議 例 外 : 株 主 総 会 決 議 の 省 略 可 能 簡 易 合 併 ( 合 併 の 対 価 が 存 続 会 社 の 純 資 産 の 20% 以 下 の 場 合 ) 略 式 合 併 3 債 権 者 保 護 手 続 効 力 発 生 日 の 1 ヶ 月 前 までに 官 報 公 告 及 び 個 別 催 告 が 必 要 一 定 の 場 合 には 個 別 催 告 を 省 略 可 能 9

7 株 式 交 換 他 の 会 社 を100% 子 会 社 にするために 他 社 の 株 式 と 自 社 の 株 式 を 交 換 することを 株 式 交 換 という 完 全 親 会 社 と 完 全 子 会 社 をつくるための 制 度 として 商 法 に 規 定 されている 株 式 交 換 において 完 全 親 会 社 と 完 全 子 会 社 の 株 主 に 会 計 処 理 が 発 生 する ( シクミカ 運 営 会 計 用 語 キーワード 辞 典 より) 株 式 交 換 の 実 施 に 際 して 現 金 交 付 をしない 場 合 は 資 金 準 備 の 必 要 がない 子 会 社 化 することになるため 法 人 としては 別 法 人 として 運 営 することができる スクイーズアウトにより 株 主 全 員 が 賛 成 しない 場 合 でも 100% 子 会 社 化 すること が 可 能 デ 不 要 な 資 産 簿 外 債 務 等 も 引 き 継 がなければならない 手 続 きが 株 式 譲 渡 に 比 べると 煩 雑 買 収 価 格 のうちのれん 相 当 額 について 償 却 できず 節 税 に 乏 しい 買 収 企 業 が 非 公 開 会 社 の 場 合 株 式 の 現 金 化 が 難 しい 株 式 交 換 の 手 続 1 取 締 役 会 株 式 交 換 は 組 織 上 重 要 な 行 為 であるため 取 締 役 会 で 承 認 が 必 要 2 株 主 総 会 原 則 : 特 別 決 議 例 外 : 株 主 総 会 決 議 の 省 略 可 能 簡 易 株 式 交 換 ( 株 式 交 換 の 対 価 が 完 全 親 会 社 の 純 資 産 の 20% 以 下 の 場 合 ) 略 式 株 式 交 換 3 債 権 者 保 護 手 続 原 則 : 債 権 者 保 護 手 続 きは 不 要 例 外 : 完 全 親 会 社 株 式 以 外 の 金 銭 等 を 交 付 する 場 合 には 官 報 公 告 個 別 催 告 が 必 要 となる 場 合 がある 10

8 資 本 業 務 提 携 資 本 提 携 とは 資 本 参 加 を 伴 う 業 務 提 携 をいいます 増 資 の 引 き 受 けなどにより 一 定 の 株 式 を 持 つことで 単 なる 業 務 提 携 (アライアンス)に 比 べ より 強 い 関 係 を 作 ること ができます 大 企 業 と 同 じように 魅 力 的 な 中 堅 中 小 企 業 があれば 取 引 先 などから 資 本 提 携 し たい という 提 案 を 受 けるケースもあります これも M&A のひとつととらえることがで きます( 広 義 の M&A) 資 本 を 受 け 入 れる 側 にとっても 商 圏 の 拡 大 や 商 品 の 共 同 開 発 など 成 長 の 種 を 自 社 の 経 営 資 源 のみとするのではなく 他 社 との 協 力 関 係 を 構 築 することによって より 発 展 さ せることができます 業 務 提 携 は 簡 単 に 提 携 したり 解 約 することができますが 資 本 提 携 では 経 営 に 参 画 し てもらったり 財 務 面 で 支 援 してもらうなど より 強 力 な 関 係 を 構 築 することができ ) M&A に 近 い 効 果 が 得 られます デ 資 本 を 受 け 入 れ 株 主 になってもらうことは 経 営 に 一 定 の 参 加 権 を 与 えることになるた め 機 密 情 報 などの 情 報 開 示 も 含 め どの 程 度 の 出 資 比 率 とするか 社 内 戦 略 上 明 確 にする 必 要 があります 資 本 業 務 提 携 における 注 意 点 株 主 は 原 則 として 所 有 する 株 式 の 割 合 に 応 じて 株 主 総 会 で 議 決 権 を 行 使 できます 例 えば 議 決 権 の 3% 以 上 を 取 得 した 場 合 帳 簿 閲 覧 権 を 行 使 することが 出 来 ます 議 決 権 の 過 半 数 を 取 得 すれば 取 締 役 の 選 任 解 任 や 配 当 の 決 定 などの 可 否 が 可 能 とな り 議 決 権 の 2/3 以 上 を 取 得 すれば M&A や 定 款 変 更 の 可 否 が 可 能 となります 一 定 割 合 以 上 の 議 決 権 を 保 有 する 株 主 には 少 数 株 主 権 という 権 利 が 会 社 法 上 認 めら れており また 原 則 として 議 決 権 の 20%~50% 未 満 を 所 有 する 場 合 は 持 分 法 適 用 会 社 となります 提 携 を 行 う 際 には どの 程 度 の 出 資 比 率 を 与 えるか 相 手 企 業 と 長 期 に 渡 り 関 係 を 維 持 できるか といった 点 に 注 意 する 必 要 があります 11

Ⅳ 会 社 の 売 却 1 売 れる 会 社 の 条 件 会 社 が 売 れる 条 件 について 確 認 していきます 安 定 した 利 益 を 出 す 実 力 がある 会 社 の 買 い 手 にとって 買 収 後 の 投 資 回 収 がどうなるかは 非 常 に 重 要 です これまで 安 定 して 利 益 を 上 げてきた 実 績 があり 今 後 もそれを 続 ける 実 力 のある 会 社 は 先 の 見 通 し が 立 てやすいので 非 常 に 有 利 といえます 事 業 の 将 来 性 将 来 有 望 な 事 業 を 早 い 段 階 で 買 えるということは 買 い 手 にとって 魅 力 的 です 金 の 卵 としてアピールすることができれば 買 い 手 探 しや 買 収 交 渉 を 有 利 に 進 めることができま す 買 い 手 にとっての 相 乗 効 果 新 たに 会 社 を 買 い 取 ることにより 既 存 の 事 業 と 相 乗 効 果 が 生 じることを 期 待 します 当 事 者 では 気 付 かなくても 意 外 な 組 み 合 わせによる 効 果 が 見 込 まれて 予 想 していなかっ たような 買 い 手 がつくこともあります 手 に 入 りにくい 何 か を 持 っている 利 益 の 出 ている 事 業 であっても 売 れている 店 であっても 金 の 卵 のような 商 品 を 持 っ ていても 第 三 者 が 容 易 に 参 入 することができれば わざわざ 会 社 を 買 い 取 る 必 要 はあり ません 逆 に 後 から 手 に 入 れることの 難 しい あるいは 時 間 やコストのかかる そういった 経 営 資 源 を 有 しているならば それを 必 要 とする 人 は 会 社 ごと 買 い 取 ることを 考 えます ( 例 ) 固 定 客 店 舗 網 代 理 店 網 などの 販 売 ネットワーク 優 良 な 取 引 先 等 とのネットワーク 新 規 取 得 の 困 難 な 施 設 設 備 等 独 占 販 売 権 商 標 権 特 許 権 事 業 者 免 許 等 の 権 利 や 資 格 社 内 に 蓄 積 された 高 度 な 技 術 やノウハウ 優 秀 な 技 術 者 販 売 員 などの 人 材 12

2 買 い 手 の 着 眼 点 売 れる 会 社 つまり 買 い 手 がつく 会 社 であるためには 買 い 手 の 見 方 を 知 っておく 必 要 が あります 買 い 手 企 業 は 対 象 企 業 の 事 業 内 容 が 自 社 の 戦 略 にマッチしているかどうかは 当 然 として 他 にも 以 下 の 点 を 見 てきます 買 収 金 額 M&A の 最 大 の 交 渉 条 件 です 売 り 手 としては 高 く 売 りたい 買 い 手 は 安 く 買 いたい というのはごく 自 然 なことです 売 り 手 にとっては 企 業 価 値 = 理 論 的 価 値 + 心 理 的 価 値 となっているのに 対 し 買 い 手 は 企 業 価 値 = 理 論 的 価 値 と 認 識 しているのです 取 引 先 との 関 係 決 算 書 の 内 容 は 買 い 手 が 買 収 を 決 断 する 際 にも 買 収 金 額 の 交 渉 の 際 にも 大 きく 影 響 し てきます 買 い 手 が 特 に 注 目 するのは 次 のようなポイントです 資 金 繰 りの 状 況 不 明 瞭 なコストの 有 無 オーナーやその 一 族 への 報 酬 役 員 報 酬 や 従 業 員 への 給 与 借 入 れと 担 保 の 状 況 不 動 産 や 有 価 証 券 等 の 有 無 とその 時 価 在 庫 の 状 況 手 形 や 売 掛 金 貸 付 金 などの 債 権 の 状 況 帳 簿 に 載 っていない 負 債 等 の 有 無 株 主 構 成 中 小 企 業 においても 株 式 が 分 散 していることがあります オーナーが 実 質 的 にすべて の 株 式 をコントロールできれば 問 題 はありませんが そうでない 場 合 買 い 手 は 買 収 が 思 うように 進 められなかったり 買 収 後 に 好 ましくない 株 主 が 残 るという 恐 れを 持 ちます 買 い 手 は 会 社 の 株 主 構 成 について 検 討 してきます オーナーの 人 物 像 条 件 的 に 折 り 合 ったとしても 互 いの 信 頼 関 係 が 築 けなければ M&A はまとまりません また 中 小 企 業 においてはオーナーの 存 在 が 大 きいことから 買 収 後 も 何 らかの 形 で 一 定 期 間 前 オーナーが 残 ることを 求 められるケースも 多 く 見 られます 買 い 手 は 時 には M&A の 交 渉 相 手 として また 時 にはビジネスパートナーとして 売 り 手 のオーナーが 信 頼 できる 人 物 かを 見 てきます 13

Ⅴ 会 社 の 買 収 1 成 功 するM&Aの 条 件 成 長 のための M&A 右 肩 上 がりの 成 長 が 望 めない 現 在 無 理 に 売 上 を 伸 ばそうと 採 算 を 度 外 視 した 値 引 販 売 や 強 引 な 営 業 方 法 では 企 業 イメージをダウンさせてしまう 恐 れもあります 自 社 の 販 路 を 活 用 して 顧 客 を 増 やし 業 績 を 伸 ばすことはもちろん 重 要 ですが それだけでは 成 長 拡 大 の スピード 感 に 物 足 りなさを 感 じる 経 営 者 も 多 いと 思 います M&A を 活 用 して 他 社 の 営 業 基 盤 を 取 得 すれば 一 気 に 売 上 高 を 2 倍 3 倍 に 伸 ばすこ とも 可 能 となります 新 規 事 業 参 入 のための M&A いつの 時 代 でも 成 長 事 業 は 存 在 します 自 社 の 主 力 事 業 が 今 後 大 きく 成 長 する 見 込 みが ない 場 合 事 業 が 比 較 的 順 調 なうちに 次 の 事 業 の 柱 として 成 長 事 業 への 参 入 を 図 りたいと 思 うのは 経 営 者 であれば 誰 しも 考 えるところです しかし ノウハウのない 事 業 を 自 前 で 立 ち 上 げるのはリスクが 非 常 に 高 く 失 敗 すれば せっかく 順 調 に 進 んでいる 現 在 の 事 業 にまで 影 響 を 及 ぼしかねません また 自 前 主 義 に 固 執 してモタモタしていた 結 果 時 機 (タイミング)を 逸 して 後 発 企 業 に 成 り 下 がり 成 長 事 業 として 参 入 したものの 大 きな 収 益 を 挙 げることなく 結 果 的 に 撤 退 し てしまう 企 業 もあります M&A は 時 間 を 買 う 行 為 である といわれておりますが これは スピーディーに 事 業 参 入 する という 意 味 よりも 時 機 を 逃 さない という 意 味 の 方 が 大 きいといえます 相 互 補 完 のための M&A 最 近 では 中 小 企 業 でも 大 企 業 顔 負 けの 技 術 力 を 有 している 企 業 も 多 く 見 受 けられます 大 企 業 では 一 定 の 市 場 規 模 が 見 込 めないと 研 究 開 発 を 行 わないため ニッチマーケットに 集 中 的 に 経 営 資 源 を 投 入 できる 機 動 的 な 中 小 企 業 が 大 企 業 を 出 し 抜 くという 現 象 が 起 こり 得 ます 中 小 企 業 に 共 通 する 弱 みとして 資 金 不 足 貧 弱 な 販 路 管 理 部 門 の 人 材 不 足 が 挙 げられ ます これら 双 方 が 持 つ 弱 みを 補 完 するための 方 策 として M&A が 有 効 に 活 用 できます 大 企 業 は 中 小 企 業 の 持 つ 技 術 資 産 を 自 社 の 事 業 に 役 立 てることができ 中 小 企 業 も 大 企 業 との 資 本 提 携 をテコに 更 なる 飛 躍 が 狙 えるなど まさに WIN-WIN の 関 係 が 構 築 できま す 成 熟 産 業 の 企 業 同 士 であっても お 互 いに 相 互 補 完 できることがあれば M&A をするメ リットがあるといえます 14

2 デューデリジェンス 買 収 監 査 (デューデリジェンス)とは 買 い 手 が M&A を 最 終 判 断 するにあたり 公 認 会 計 士 や 監 査 法 人 が 会 社 の 実 態 を 把 握 するために 行 う 企 業 の 精 密 検 査 です 通 常 売 り 手 と 買 い 手 が 最 終 合 意 に 向 けてお 互 いに 協 力 し 合 うことを 約 束 する 基 本 合 意 締 結 後 に 行 われ ます 具 体 的 な 作 業 は これまで 検 討 の 前 提 となっていた 資 料 ( 財 務 諸 表 や 契 約 書 など)の 正 確 性 資 産 の 実 在 性 などの 確 認 です デューデリジェンスの 観 点 デューデリジェンスは 次 の3つの 観 点 から 行 います 1 財 務 調 査 2ビジネスマンズ レビュー( 事 業 調 査 ) 3 法 務 調 査 これらの 観 点 から 買 い 手 が 対 象 となる 会 社 の 実 地 調 査 を 行 います この 実 地 調 査 によ り 事 前 に 知 らされていた 情 報 と 一 致 しているかの 確 認 を 行 います 結 果 によってはM&A が 中 止 となることもあります 各 項 目 における 調 査 は 次 のとおりとなります 財 務 調 査 過 去 データの 調 査 予 測 データの 調 査 事 業 調 査 事 業 計 画 の 検 証 組 織 人 的 資 源 資 産 の 機 能 的 側 面 業 務 システム 取 引 関 係 状 況 法 務 調 査 外 部 との 契 約 内 容 権 利 の 保 全 状 態 違 法 行 為 の 有 無 など 15

Ⅵ 企 業 価 値 評 価 1 企 業 価 値 評 価 とは M&A を 検 討 する 際 に 会 社 をいくら 以 上 で 売 却 すれば 安 売 りではないのか あるい は 買 収 価 額 はいくら 以 下 でなければならないか を 知 っておかなければなりません また 同 業 他 社 から 合 併 を 持 ちかけられた 場 合 など 自 社 の 価 値 を 正 確 に 把 握 しておか ないと 不 利 な 合 併 比 率 で 吸 収 されるかもしれません 増 資 の 場 合 も 同 じです 株 価 を 安 くすると 新 たな 株 主 に 議 決 権 を 必 要 以 上 に 多 く 取 られてしまうばかりか 会 社 の 必 要 資 金 が 集 まらないことにもなります 2 企 業 価 値 評 価 の 手 法 M&Aにおける 売 買 金 額 を 決 定 するうえで 企 業 価 値 評 価 を 行 います 企 業 評 価 の 目 的 に 応 じて 企 業 評 価 方 法 を 選 択 することになります たとえば 相 続 をするときの 企 業 評 価 と M&A で 第 三 者 に 会 社 を 譲 渡 する 評 価 では 考 え 方 が 全 く 異 なります 相 続 税 の 場 合 は 国 税 庁 が 定 めている 財 産 評 価 基 本 通 達 に 従 っ て 評 価 することになりますが M&A で 第 三 者 に 売 却 するときには 会 社 の のれん が 加 味 された 評 価 額 でなければ 売 却 には 応 じられないと 思 われます また 評 価 方 法 の 選 択 は M&A の 手 法 (スキーム)によって 決 めるのでもなく 事 業 の 特 性 や 成 長 ステージ その 他 企 業 の 取 り 巻 く 環 境 などを 鑑 み 総 合 的 に 判 断 します さらに 評 価 方 法 は 1 種 類 のみ 採 用 するとは 限 りません 1 つだけ 適 用 する 単 独 法 複 数 の 評 価 方 法 を 組 み 合 わせる 併 用 法 や 折 衷 法 などがあります 企 業 評 価 をする 際 に 着 目 するポイントは 大 きく 分 けて 次 の 3 つです 1 会 社 の 保 有 している 資 産 に 着 目 する 方 法 ( 純 資 産 価 額 法 ) 2 会 社 の 収 益 またはキャッシュフローに 着 目 する 方 法 (DCF 法 ) 3 市 場 価 値 ( 相 場 )に 着 目 する 方 法 ( 類 似 会 社 比 準 法 ) 1をアセット(またはコスト) アプローチ(Asset または Cost Approach) 2をイン カム アプローチ(Income Approach) 3をマーケット アプローチ(Market Approach)と 呼 びます 16