PowerPoint プレゼンテーション



Similar documents
4 調 査 の 対 話 内 容 (1) 調 査 対 象 財 産 の 土 地 建 物 等 を 活 用 して 展 開 できる 事 業 のアイディアをお 聞 かせく ださい 事 業 アイディアには, 次 の 可 能 性 も 含 めて 提 案 をお 願 いします ア 地 域 の 活 性 化 と 様 々な 世

Microsoft Word - 佐野市生活排水処理構想(案).doc



1 総 合 設 計 一 定 規 模 以 上 の 敷 地 面 積 及 び 一 定 割 合 以 上 の 空 地 を 有 する 建 築 計 画 について 特 定 行 政 庁 の 許 可 により 容 積 率 斜 線 制 限 などの 制 限 を 緩 和 する 制 度 である 建 築 敷 地 の 共 同 化 や

目 次 高 山 市 連 結 財 務 諸 表 について 1 連 結 貸 借 対 照 表 2 連 結 行 政 コスト 計 算 書 4 連 結 純 資 産 変 動 計 算 書 6 連 結 資 金 収 支 計 算 書 7

1 予 算 の 姿 ( 平 成 25 当 初 予 算 ) 長 野 県 財 政 の 状 況 H 現 在 長 野 県 の 予 算 を 歳 入 面 から 見 ると 自 主 財 源 の 根 幹 である 県 税 が 全 体 の5 分 の1 程 度 しかなく 地 方 交 付 税 や 国 庫 支

3 独 占 禁 止 法 違 反 事 件 の 概 要 (1) 価 格 カルテル 山 形 県 の 庄 内 地 区 に 所 在 する5 農 協 が, 特 定 主 食 用 米 の 販 売 手 数 料 について, 平 成 23 年 1 月 13 日 に 山 形 県 酒 田 市 所 在 の 全 国 農 業 協

Taro-01 議案概要.jtd

個人住民税徴収対策会議

 

<819A955D89BF92B28F BC690ED97AA8EBA81418FA48BC682CC8A8890AB89BB816A32322E786C7378>

経 常 収 支 差 引 額 等 の 状 況 平 成 26 年 度 予 算 早 期 集 計 平 成 25 年 度 予 算 対 前 年 度 比 較 経 常 収 支 差 引 額 3,689 億 円 4,597 億 円 908 億 円 減 少 赤 字 組 合 数 1,114 組 合 1,180 組 合 66

スライド 1

目 標 を 達 成 するための 指 標 第 4 章 計 画 における 環 境 施 策 世 界 遺 産 への 登 録 早 期 登 録 の 実 現 史 跡 の 公 有 地 化 平 成 27 年 度 (2015 年 度 )までに 235,022.30m 2 施 策 の 体 系 1 歴 史 的 遺 産 とこ


質 問 票 ( 様 式 3) 質 問 番 号 62-1 質 問 内 容 鑑 定 評 価 依 頼 先 は 千 葉 県 などは 入 札 制 度 にしているが 神 奈 川 県 は 入 札 なのか?または 随 契 なのか?その 理 由 は? 地 価 調 査 業 務 は 単 にそれぞれの 地 点 の 鑑 定

(Microsoft Word - \221\346\202P\202U\201@\214i\212\317.doc)

4. その 他 (1) 期 中 における 重 要 な 子 会 社 の 異 動 ( 連 結 範 囲 の 変 更 を 伴 う 特 定 子 会 社 の 異 動 ) 無 (2) 簡 便 な 会 計 処 理 及 び 四 半 期 連 結 財 務 諸 表 の 作 成 に 特 有 の 会 計 処 理 の 適 用 有

人事行政の運営状況の報告について

<4D F736F F F696E74202D E38BA A A8D9195DB91678D8795E28F958CA992BC82B DC58F4994C52E >

< E9197BF A959A8CA98AEE91628E9197BF>

untitled

Ⅰ 平成14年度の状況

< DB8CAF97BF97A6955C2E786C73>

も く じ 1 税 源 移 譲 1 2 何 が 変 わったのか 改 正 の 3 つ の ポイント ポイント1 国 から 地 方 へ 3 兆 円 規 模 の 税 源 が 移 譲 される 2 ポイント2 個 人 住 民 税 の 税 率 構 造 が 一 律 10%に 変 わる 3 ポイント3 個 々の 納

代 議 員 会 決 議 内 容 についてお 知 らせします さる3 月 4 日 当 基 金 の 代 議 員 会 を 開 催 し 次 の 議 案 が 審 議 され 可 決 承 認 されました 第 1 号 議 案 : 財 政 再 計 算 について ( 概 要 ) 確 定 給 付 企 業 年 金 法 第

2. ど の 様 な 経 緯 で 発 覚 し た の か ま た 遡 っ た の を 昨 年 4 月 ま で と し た の は 何 故 か 明 ら か に す る こ と 回 答 3 月 17 日 に 実 施 し た ダ イ ヤ 改 正 で 静 岡 車 両 区 の 構 内 運 転 が 静 岡 運

は 固 定 流 動 及 び 繰 延 に 区 分 することとし 減 価 償 却 を 行 うべき 固 定 の 取 得 又 は 改 良 に 充 てるための 補 助 金 等 の 交 付 を 受 けた 場 合 にお いては その 交 付 を 受 けた 金 額 に 相 当 する 額 を 長 期 前 受 金 とし

共 通 認 識 1 官 民 較 差 調 整 後 は 退 職 給 付 全 体 でみて 民 間 企 業 の 事 業 主 負 担 と 均 衡 する 水 準 で あれば 最 終 的 な 税 負 担 は 変 わらず 公 務 員 を 優 遇 するものとはならないものであ ること 2 民 間 の 実 態 を 考


2. 建 築 基 準 法 に 基 づく 限 着 色 項 目 の 地 区 が 尾 張 旭 市 内 にはあります 関 係 課 で 確 認 してください 項 目 所 管 課 窓 口 市 役 所 内 電 話 備 考 がけに 関 する 限 (がけ 条 例 ) 都 市 計 画 課 建 築 住 宅 係 南 庁 舎

<95CA8E86315F8A6D92E8905C8D908F9182C98AD682B782E B8B4C985E8D8096DA2E786C7378>

定 性 的 情 報 財 務 諸 表 等 1. 連 結 経 営 成 績 に 関 する 定 性 的 情 報 当 第 3 四 半 期 連 結 累 計 期 間 の 業 績 は 売 上 高 につきましては 前 年 同 四 半 期 累 計 期 間 比 15.1% 減 少 の 454 億 27 百 万 円 となり

No.7 アメリカ 合 衆 国 小 規 模 事 例 (そ4) 助 金 も 財 源 になっている しかし 小 規 模 事 業 体 では 連 邦 政 府 から 基 金 はもちろん 市 から 補 助 金 もまったくない が 実 状 である すなわち 給 人 口 が25 人 から100 人 規 模 小 規

小 売 電 気 の 登 録 数 の 推 移 昨 年 8 月 の 前 登 録 申 請 の 受 付 開 始 以 降 小 売 電 気 の 登 録 申 請 は 着 実 に 増 加 しており これまでに310 件 を 登 録 (6 月 30 日 時 点 ) 本 年 4 月 の 全 面 自 由 化 以 降 申

別紙3

Microsoft Word - jigyoukeikakusho.docx

<4D F736F F D E598BC68A8897CD82CC8DC490B68B7982D18E598BC68A8893AE82CC8A C98AD682B782E993C195CA915B C98AEE82C382AD936F985E96C68B9690C582CC93C197E1915B927582CC898492B75F8E96914F955D89BF8F915F2E646F6

その 他 事 業 推 進 体 制 平 成 20 年 3 月 26 日 に 石 垣 島 国 営 土 地 改 良 事 業 推 進 協 議 会 を 設 立 し 事 業 を 推 進 ( 構 成 : 石 垣 市 石 垣 市 議 会 石 垣 島 土 地 改 良 区 石 垣 市 農 業 委 員 会 沖 縄 県 農

Microsoft Word - H27概要版

2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 平 成 27 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 役 名 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 2,142 ( 地 域 手 当 ) 17,205 11,580 3,311 4 月 1

Microsoft PowerPoint - 報告書(概要).ppt

<4D F736F F D D3188C091538AC7979D8B4B92F F292B98CF092CA81698A94816A2E646F63>

< EE597768E968BC688EA97972D372E786477>

市 の 人 口 密 度 は 5,000 人 を 超 え 図 4 人 口 密 度 ( 単 位 : 人 /k m2) に 次 いで 高 くなっている 0 5,000 10,000 15,000 首 都 圏 に 立 地 する 政 令 指 定 都 市 では 都 内 に 通 勤 通 学 する 人 口 が 多

平成24年度税制改正要望 公募結果 153. 不動産取得税

近畿中部防衛局広報誌

Microsoft Word - 目次.doc

能勢町市街化調整区域における地区計画のガイドライン

Taro-条文.jtd

スライド 1

現 行 工 業 地 域 準 工 業 地 域 商 業 地 域 近 隣 商 業 地 域 改 正 後 準 工 業 地 域 ( 特 別 業 務 地 区 ( 第 2 種 ) 及 び 指 定 集 積 区 域 を 除 く) 近 隣 商 業 地 域 2 / 7

1 変更の許可等(都市計画法第35条の2)

Microsoft Word - H25普通会計決算状況 .docx

公 的 年 金 制 度 について 制 度 の 持 続 可 能 性 を 高 め 将 来 の 世 代 の 給 付 水 準 の 確 保 等 を 図 るため 持 続 可 能 な 社 会 保 障 制 度 の 確 立 を 図 るための 改 革 の 推 進 に 関 する 法 律 に 基 づく 社 会 経 済 情

目 次 第 1 土 地 区 画 整 理 事 業 の 名 称 等 1 1. 土 地 区 画 整 理 事 業 の 名 称 1 2. 施 行 者 の 名 称 1 第 2 施 行 地 区 1 1. 施 行 地 区 の 位 置 1 2. 施 行 地 区 位 置 図 1 3. 施 行 地 区 の 区 域 1 4

学校安全の推進に関する計画の取組事例

福 山 市 では, 福 山 市 民 の 安 全 に 関 する 条 例 ( 平 成 10 年 条 例 第 12 号 )に 基 づき, 安 全 で 住 みよい 地 域 社 会 の 形 成 を 推 進 しています また, 各 地 域 では, 防 犯 を 始 め 様 々な 安 心 安 全 活 動 に 熱 心

<947A957A8E9197BF C E786C73>

< F31332D91CF906B89BB8C7689E68F912E6A7464>

(3) 善 通 寺 市 の 状 況 善 通 寺 市 においては 固 定 資 産 税 の 納 期 前 前 納 に 対 する 報 奨 金 について 善 通 寺 市 税 条 例 の 規 定 ( 交 付 率 :0.1% 限 度 額 :2 万 円 )に 基 づき 交 付 を 行 っています 参 考 善 通 寺


< F2D819A8B638E968E9197BF82528E968BC68C7689E68F C>

39_1

経 常 収 支 差 引 額 の 状 況 平 成 22 年 度 平 成 21 年 度 対 前 年 度 比 較 経 常 収 支 差 引 額 4,154 億 円 5,234 億 円 1,080 億 円 改 善 赤 字 組 合 の 赤 字 総 額 4,836 億 円 5,636 億 円 800 億 円 減

スライド 1

市況トレンド

小山市保育所整備計画

水 道 事 業 1. 経 営 の 健 全 性 効 率 性 1 経 常 収 支 比 率 (%): 経 常 収 益 経 常 費 用 当 該 年 度 において 給 水 収 益 や 一 般 会 計 からの 繰 入 金 等 の 収 益 で 維 持 管 理 費 や 支 払 利 息 等 の 費 用 をどの 程 度

毎 月 の 給 与 等 ( )を 一 定 の 等 級 区 分 にあてはめた 標 準 月 額 の 上 限 が 現 行 の47 等 級 から50 等 級 に 改 正 されます ( 別 紙 健 康 保 険 料 額 表 参 照 ) なお 法 改 正 に 伴 い 標 準 月 額 が 改 定 される 方 につい

Microsoft Word - 奨学金相談Q&A.rtf

(3) 調 査 の 進 め 方 2 月 28 日 2 月 28 日 ~6 月 30 日 平 成 25 年 9 月 サウンディング 型 市 場 調 査 について 公 表 松 戸 市 から 基 本 的 な 土 地 情 報 サウンディングの 実 施 活 用 意 向 アイデアのある 民 間 事 業 者 と

第5回法人課税ディスカッショングループ 法D5-4

<4D F736F F D F8D828D5A939982CC8EF68BC697BF96B38F9E89BB82CC8A6791E52E646F63>

大学と学生第545号ビジネスモデルからみた卒業生就職支援の課題_関西学院大学(澤谷 敏行)-JASSO

越前米

<4D F736F F D2090BC8BBB959491BA8F5A91EE8A C52E646F63>

(5) 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しの 実 施 状 況 について 概 要 の 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しにおいては 俸 給 表 の 水 準 の 平 均 2の 引 き 下 げ 及 び 地 域 手 当 の 支 給 割 合 の 見 直 し 等 に 取 り 組 むとされている

Microsoft Word - ★HP版平成27年度検査の結果

損 益 計 算 書 自. 平 成 26 年 4 月 1 日 至. 平 成 27 年 3 月 31 日 科 目 内 訳 金 額 千 円 千 円 営 業 収 益 6,167,402 委 託 者 報 酬 4,328,295 運 用 受 託 報 酬 1,839,106 営 業 費 用 3,911,389 一

<4D F736F F D20328FCD5F8F5A82DC82A282DC82BF82C382AD82E882CC89DB91E8>

4. その 他 (1) 期 中 における 重 要 な 子 会 社 の 異 動 ( 連 結 範 囲 の 変 更 を 伴 う 特 定 子 会 社 の 異 動 ) 無 (2) 簡 便 な 会 計 処 理 及 び 四 半 期 連 結 財 務 諸 表 の 作 成 に 特 有 の 会 計 処 理 の 適 用 有

                         庁議案件No

(Microsoft Word - \220\305\220\247\211\374\220\263.doc)

(3) その 他 市 長 が 必 要 と 認 める 書 類 ( 補 助 金 の 交 付 決 定 ) 第 6 条 市 長 は 前 条 の 申 請 書 を 受 理 したときは 速 やかにその 内 容 を 審 査 し 補 助 金 を 交 付 すべきものと 認 めたときは 規 則 第 7 条 に 規 定 す

< F2D30362D955C8E C8E86816A2E6A7464>

別 紙 第 号 高 知 県 立 学 校 授 業 料 等 徴 収 条 例 の 一 部 を 改 正 する 条 例 議 案 高 知 県 立 学 校 授 業 料 等 徴 収 条 例 の 一 部 を 改 正 する 条 例 を 次 のように 定 める 平 成 26 年 2 月 日 提 出 高 知 県 知 事 尾

財政再計算結果_色変更.indd

全設健発第     号

2000 年 12 月 輸 出 の 減 速 によりテンポはやや 鈍 化 しているものの 緩 やかな 回 復 を 続 けている 2001 年 1 月 緩 やかな 回 復 を 続 けているが そのテンポは 輸 出 の 減 速 により 鈍 化 している 2001 年 2 月 緩 やかな 回 復 を 続 け

1 変更の許可等(都市計画法第35条の2)

<4D F736F F F696E74202D208CE38AFA8D8297EE8ED288E397C390A CC8A AE98EBA8DEC90AC816A2E707074>

為 が 行 われるおそれがある 場 合 に 都 道 府 県 公 安 委 員 会 がその 指 定 暴 力 団 等 を 特 定 抗 争 指 定 暴 力 団 等 として 指 定 し その 所 属 する 指 定 暴 力 団 員 が 警 戒 区 域 内 において 暴 力 団 の 事 務 所 を 新 たに 設

(現行版)工事成績書と評定表をあわせた_docx

既 存 建 築 物 の 建 替 市 街 化 調 整 区 域 で 許 可 を 不 要 とする 取 扱 いについて 既 存 建 築 物 の 建 替 は 以 下 の1)~3)をすべて 満 たしている 場 合 に 可 能 です 1) 建 替 前 の 建 築 物 ( 以 下 既 存 建 築 物 という )につ

1_ 報告書品目円グラフ 文書 (修復済み)

災害時の賃貸住宅居住者の居住の安定確保について

Taro-29職員退職手当支給規程

Microsoft Word 印刷ver 本編最終no1(黒字化) .doc

Transcription:

( 日 英 同 時 通 訳 ) 皆 さんこんにちは 滋 賀 県 日 本 からやってまいりました 滋 賀 県 副 知 事 の 西 嶋 栄 治 です 本 日 皆 さんとこのセッションでお 会 いすることがで き 大 変 光 栄 に 存 じます 始 めます 前 に まずは 滋 賀 大 学 の 久 保 教 授 とこのセッションの 開 催 に かかわられた 全 ての 人 に 対 して 私 を 招 待 していただいたこと また 話 をさせていただく 機 会 を 頂 戴 しましたことにまずはお 礼 申 し 上 げたいと 思 います 本 日 私 からは 琵 琶 湖 の 水 質 改 善 と 生 態 系 の 課 題 そしてつながりの 再 生 に 関 してお 話 ししたいと 思 います まず 滋 賀 県 についてよくご 存 じない 方 も 聴 衆 にはおられると 思 います ので 短 く 滋 賀 県 そして 琵 琶 湖 のことをご 紹 介 したいと 思 います 滋 賀 県 は 日 本 のほぼ 中 央 部 に 位 置 し 日 本 最 大 の 淡 水 湖 である 琵 琶 湖 があります 琵 琶 湖 の 水 は 京 都 大 阪 兵 庫 といった 近 畿 地 方 の 主 要 な 都 市 へ 流 れ 日 本 の 総 人 口 の10 分 の1 以 上 である1450 万 人 の 人 々に 飲 料 水 や 工 業 用 水 を 供 給 しています ちょうど 画 面 の 地 図 にあ る 水 色 で 示 したエリアに 水 を 供 給 しています また 琵 琶 湖 は 世 界 的 にも 珍 しい 古 代 湖 と 呼 ばれる 湖 の 一 つであり 400 万 年 以 上 の 歴 史 を 持 ち 60 種 以 上 の 固 有 種 が 暮 らす 生 物 多 様 性 の 宝 庫 でもあります 1

最 初 に 琵 琶 湖 における 水 質 改 善 の 取 組 についてお 話 ししたいと 思 います 滋 賀 県 には 住 民 が 主 体 となり 行 政 を 動 かし 条 例 の 制 定 にまでに 至 った 草 の 根 自 治 の 歴 史 があります せっけん 運 動 と 呼 ばれるこの 運 動 は 琵 琶 湖 で 赤 潮 が1977 年 に 初 めて 発 生 し その 原 因 がリンを 含 む 合 成 洗 剤 にあることを 知 った 主 婦 たちが 合 成 洗 剤 を 使 わず 粉 石 けんを 使 おうと 呼 びかけたことから 始 まりました この 運 動 は 県 下 に 一 斉 に 広 がり 行 政 も 一 緒 になって 運 動 を 繰 り 広 げました そ してそれから2 年 後 の1979 年 には 全 国 で 初 めてとなるリンを 含 む 合 成 洗 剤 の 使 用 販 売 等 の 禁 止 などを 内 容 とする 富 栄 養 化 防 止 条 例 を 制 定 しました 研 究 者 行 政 市 民 の3 者 がスクラムを 組 み 湖 沼 の 水 質 問 題 に 真 正 面 から 取 り 組 んだ 象 徴 的 な 事 例 がこの せっけん 運 動 ではないかと 思 います その 後 赤 潮 の 発 生 は 減 少 し 現 在 において 赤 潮 は2010 年 からは 全 く 発 生 していませんので 琵 琶 湖 の 赤 潮 問 題 は 一 定 克 服 できたのではと 言 えると 思 います 2

この 他 にも 本 県 は 琵 琶 湖 の 水 質 改 善 を 図 るため 様 々な 流 入 負 荷 量 の 削 減 対 策 を 進 めてきました 特 に 下 水 道 の 整 備 を 急 ピッチで 進 め 1980 年 ころにはわずか5% 程 度 で あった 本 県 の 下 水 道 普 及 率 は 2014 年 では 全 国 第 7 位 の87.9%にまでな りました さらに 農 業 集 落 排 水 施 設 や 合 併 浄 化 槽 等 の 全 ての 排 水 処 理 施 設 を 合 わせ た 汚 水 処 理 施 設 整 備 率 は 現 在 においては98.2%であり ほぼ100%に 近 い 数 字 となっています 3

その 結 果 琵 琶 湖 の 水 質 は 徐 々に 改 善 してきました 琵 琶 湖 の 北 湖 の 平 均 透 明 度 は 現 在 では 約 6mにまで 改 善 して います また 人 口 や 産 業 が 集 中 している 南 湖 においても 現 在 は2.4 mとなっています 全 チッソおよび 全 リンの 値 についても 富 栄 養 化 防 止 条 例 の 施 行 や 工 場 排 水 の 規 制 強 化 下 水 道 の 整 備 等 により 徐 々に 改 善 してきており 琵 琶 湖 の 富 栄 養 化 は 抑 制 されていると 言 えると 思 います 4

しかし 琵 琶 湖 の 生 態 系 という 点 では 水 質 の 改 善 にもかかわらず むしろ 厳 しい 状 況 になってきています 最 も 顕 著 に 表 れているのは 在 来 魚 介 類 の 減 少 です グラフを 見 ていた だいたとおり 琵 琶 湖 の 漁 獲 量 は 大 きく 減 少 してきています その 中 でも 特 に 琵 琶 湖 の 名 産 であるセタシジミなど 貝 類 の 減 少 が 著 しくなっています 5

その 原 因 の 一 つとして 湖 辺 の 形 態 の 変 化 があると 思 います かつては 琵 琶 湖 の 湖 辺 にはヨシ 帯 が 生 え 琵 琶 湖 と 周 囲 の 田 んぼや 内 湖 は 水 路 でつながり 魚 はその 水 路 を 自 由 に 行 き 来 する 中 で 田 ん ぼや 内 湖 などで 産 卵 するなど 湖 辺 域 は 生 態 系 にとって 重 要 な 場 所 と なっていましたが ほ 場 整 備 や 内 湖 の 埋 立 て 等 により 生 物 の 生 息 の 場 がどんどん 奪 われていきました 特 に ヨシ 帯 が 琵 琶 湖 の 開 発 等 により 面 積 が 大 きく 減 少 しました ヨシは 水 質 浄 化 をはじめ 生 物 の 生 息 場 所 や 琵 琶 湖 独 特 の 景 観 など 非 常 に 重 要 な 役 割 があります そこで 県 では 失 われたヨシ 帯 を 復 活 さ せていくため ヨシ 群 落 保 全 条 例 の 制 定 や ヨシの 造 成 など ヨシを 増 やす 取 組 を 実 施 しています 6

また 分 断 された 琵 琶 湖 と 田 んぼとのつながりを 再 生 しようとする 取 り 組 みとして 魚 のゆりかご 水 田 という 事 業 を 行 っています 左 の 写 真 のように ほ 場 整 備 によりコンクリートで 作 られた 排 水 路 が 整 備 された 結 果 魚 は 農 業 水 路 を 伝 って 田 んぼまで 行 けなくなりました このため フナなどの 産 卵 期 にあわせていくつもの 堰 を 設 けて 水 位 を 田 んぼのレ ベルまでかさ 上 げし 魚 が 田 んぼまで 水 路 を 使 って 移 動 できるようにし ました 魚 が 飛 び 跳 ねて 堰 を 上 がっていく 様 子 がご 覧 いただけると 思 います このような 取 り 組 みを 地 元 や 農 家 等 の 協 力 により 琵 琶 湖 の 周 辺 で 実 施 しています 7

琵 琶 湖 の 生 態 系 の 変 化 は 湖 辺 だけでなく 水 の 中 でも 大 きな 変 化 が 起 こっ ています 1960~70 年 代 に 北 アメリカから 移 入 されたブルーギルやブラックバスは 大 繁 殖 し 在 来 魚 やエビなどを 捕 食 するなど 琵 琶 湖 の 生 態 系 に 大 きな 変 化 を もたらし 琵 琶 湖 漁 業 に 大 きな 被 害 をもたらしています 毎 年 多 額 の 税 金 を 投 入 し 外 来 魚 の 駆 除 をしていますが 外 来 魚 は 繁 殖 力 が 強 く 様 々な 手 法 で 駆 除 を 行 っていますが まだまだ 多 くの 生 息 量 が 確 認 さ れています また 外 来 魚 による 捕 食 のため 絶 滅 に 瀕 している 在 来 魚 もいます このような 外 来 種 の 問 題 は 世 界 のどこの 湖 でも 起 こりうる 問 題 だと 思 いま す 8

それから 現 在 琵 琶 湖 で 非 常 に 問 題 になっているのが 水 草 の 異 常 繁 茂 です 最 近 特 に 南 湖 の 湖 底 の 約 9 割 が 水 草 で 覆 われる 状 況 になっていま す これがやがて 枯 れて 腐 り 湖 底 に 沈 むと 魚 類 や 貝 類 の 生 息 が 困 難 になる 原 因 になります 水 草 は 琵 琶 湖 の 生 態 系 の 問 題 となるだけでなく 周 囲 への 悪 臭 や 船 舶 の 航 行 障 害 など 人 々の 生 活 にも 悪 影 響 を 与 えています このため 県 では 水 草 の 表 層 刈 取 りと 根 こそぎ 刈 取 りを 組 み 合 わせて 行 ってい ます 9

琵 琶 湖 の 保 全 においては 県 ではこれまで 水 質 の 改 善 を 主 眼 にお いて 流 入 負 荷 削 減 対 策 を 中 心 とした 施 策 を 行 ってきましたが 健 全 な 琵 琶 湖 を 将 来 の 世 代 へ 引 き 継 いでいくためには 琵 琶 湖 の 生 態 系 の 保 全 対 策 をしていく 必 要 があると 思 います その 際 水 源 地 から 琵 琶 湖 までの 集 水 域 全 体 について 考 えることが 重 要 であり 山 ~ 川 ~ 里 ~ 湖 を 一 つの 系 としてとらえ それぞれのつな がりや 生 き 物 のつながり 物 質 の 循 環 といった 各 事 象 間 の 関 係 性 に 着 目 して 課 題 の 全 体 像 を 俯 瞰 する 必 要 があると 思 います 10

そこで 県 では2014 年 に 県 内 にある8つの 試 験 研 究 機 関 と 関 係 行 政 部 局 による 琵 琶 湖 環 境 研 究 推 進 機 構 を 組 織 し その 最 初 の 研 究 テーマとして 在 来 魚 のにぎわい 復 活 という 切 り 口 で 生 物 のつなが りや 生 息 域 のつながり 再 生 の 研 究 を 行 っています 11

また このような 物 理 的 な つながり と 同 時 に 人 々のつながり とい う 視 点 も 重 要 であります そこで 行 政 だけでなく 住 民 NPO 企 業 など 様 々な 主 体 が 一 緒 に なって 琵 琶 湖 を 守 っていく 仕 組 みとして マザーレイクフォーラム とい うものを 設 置 しました この 写 真 のように 毎 年 びわコミ 会 議 という 会 議 を 開 催 し 琵 琶 湖 を 良 くするために 何 が 必 要 かを 話 合 い そのために 自 分 は 何 ができるの かを 約 束 するということをしています こうした 住 民 主 体 による 琵 琶 湖 の 保 全 の 取 組 には 冒 頭 に 話 した せっけん 運 動 に 代 表 される 草 の 根 自 治 の 歴 史 が 生 かされていると 思 います 12

つながり を 重 視 する 考 え 方 は 財 源 確 保 の 問 題 にも 現 れています 琵 琶 湖 の 保 全 のためには 水 源 域 である 森 林 が 荒 れては 琵 琶 湖 は 守 れないとの 思 いから 滋 賀 県 森 林 づくり 条 例 を2004 年 4 月 につくり それを 受 けて 2006 年 4 月 に 琵 琶 湖 森 林 づくり 県 民 税 条 例 を 施 行 し ました 同 条 例 では 県 民 から800 円 を 森 林 保 全 のための 税 金 としていただく 他 企 業 からは 資 本 金 の 規 模 に 応 じ2,200 円 ~88,000 円 をいただいて います この 森 林 づくり 県 民 税 は 琵 琶 湖 の 保 全 のための 資 金 メカニズムとし ても 機 能 するものであり 2014 年 度 においては 県 民 との 協 働 事 業 や 環 境 を 重 視 した 事 業 の 約 9 億 8 千 万 円 の 事 業 に 対 し 約 8 億 円 が 森 林 づくり 県 民 税 から 財 源 充 当 されました 13

このように 滋 賀 県 は 琵 琶 湖 の 保 全 において 様 々な 取 組 や 経 験 を 有 し ており さらに 我 々は 世 界 の 湖 沼 環 境 の 保 全 にも 貢 献 していくべきだと 考 えています このため 本 県 が 提 唱 して1984 年 に 世 界 湖 沼 会 議 を 開 催 し これ まで30 年 に 渡 り 世 界 各 地 を 巡 りながら15 回 開 催 されてきました 湖 沼 会 議 は 湖 沼 環 境 に 関 する 問 題 を 単 独 で 取 り 上 げた 国 際 会 議 として は 初 めての 会 議 であり また 研 究 者 だけではなく 行 政 住 民 といっ た3 者 が 一 堂 に 会 して 議 論 するというコンセプトは 画 期 的 なものでし た 滋 賀 県 は この 世 界 湖 沼 会 議 を1984 年 と2001 年 の2 回 開 催 してお り また 今 回 参 加 している 世 界 水 フォーラムについても 第 3 回 会 議 を 招 致 するなど 積 極 的 に 世 界 規 模 の 会 議 に 参 加 しています 本 日 の 会 議 だけでは 十 分 議 論 できないと 思 いますので 是 非 皆 さんに は 次 回 の 世 界 湖 沼 会 議 に 参 加 いただき 引 き 続 き 議 論 できればと 思 います ちなみに 次 回 は2016 年 11 月 に インドネシアのバリ 島 でありますの で 皆 さん 是 非 ご 参 加 ください 簡 単 ではありますが これで 私 からの 発 表 は 終 わります 14