The Government of Japan Human Rights Council: 16 th Session Universal Periodic Review Mid-term progress report by Japan On its implementation of recommendations made in May 2008 March 2011 1
勧 告 我 が 国 の 措 置 以 下 は 我 が 国 がフォローアップを 約 束 した 勧 告 である (1) 以 下 の 条 約 の 批 准 又 は 批 准 の 検 討 (サブパラ1) 自 由 権 規 約 第 一 選 択 議 定 書 拷 問 等 禁 止 条 約 選 択 議 定 書 女 子 差 別 撤 廃 条 約 選 択 議 定 書 移 住 労 働 者 権 利 条 約 障 害 者 権 利 条 約 強 制 失 踪 条 約 国 際 的 な 子 の 奪 取 の 民 事 面 に 関 する1980 年 ハーグ 条 約 個 人 通 報 を 受 領 し 検 討 する 人 種 差 別 撤 廃 委 員 会 の 権 限 の 認 識 我 が 国 は,2009 年 7 月 に 強 制 失 踪 条 約 を 締 結 した 2007 年 9 月 に 署 名 した 障 害 者 権 利 条 約 については,2009 年 12 月, 障 害 者 施 策 の 推 進 を 図 るため 障 がい 者 制 度 改 革 推 進 本 部 が 設 置 され, 当 事 者 も 含 めた 関 係 者 の 間 で 積 極 的 な 議 論 が 行 われているところ これらの 議 論 を 踏 まえつつ, 引 き 続 き 同 条 約 の 早 期 締 結 を 目 指 していく 自 由 権 規 約 第 一 選 択 議 定 書, 女 子 差 別 撤 廃 条 約 選 択 議 定 書 等 に 定 める 個 人 通 報 制 度 については,2010 年 4 月 外 務 省 内 に 人 権 条 約 履 行 室 を 立 ち 上 げ, 同 制 度 の 受 入 れの 是 非 について 真 剣 に 検 討 を 進 めている 具 体 的 には, 我 が 国 の 司 法 制 度 や 立 法 政 策 との 関 連 での 問 題 の 有 無, 個 人 通 報 制 度 を 受 け 入 れる 場 合 の 実 施 体 制 等 につき, 政 府 部 内 で 検 討 を 行 っている ハーグ 条 約 締 結 の 可 能 性 については, 関 係 省 庁 が 密 接 に 協 力 しつつ, 真 剣 に 検 討 中 様 々な 方 面 から 寄 せられる 意 見 を 踏 まえつつ, 可 能 な 限 り 早 く 結 論 を 得 るべく, 検 討 作 業 を 進 めている 移 住 労 働 者 の 権 利 条 約 については, 我 が 国 は 移 住 労 働 者 及 びその 家 族 の 権 利 の 保 護 を 図 ろうとする 同 条 約 の 理 念 そのものは 理 解 しているが, 一 方, 同 条 約 は 移 住 労 働 者 に 対 して, 他 の 個 人 に 対 して 保 障 する 以 上 の 権 利 を 保 障 する 内 容 となっていることを 含 め, 同 条 約 については, 平 等 原 則, 我 が 国 の 国 内 諸 制 度 などとの 関 係 の 観 点 から, 十 分 慎 重 な 検 討 を 要 すると 認 識 している 2
(2) 可 及 的 速 やかにパリ 原 則 に 沿 った 人 権 機 構 を 設 立 する べきとの 要 請 ( 特 に 自 由 権 規 約 委 員 会 及 び 児 童 の 権 利 条 約 委 員 会 からの 要 請 )の 実 施 パリ 原 則 に 沿 った 国 内 人 権 機 構 を 設 立 するために 必 要 な 法 律 をまとめること 国 内 人 権 機 構 の 設 立 パリ 原 則 に 沿 った 国 内 機 構 を 設 立 するための 努 力 の 継 続 (サ ブパラ2) (3) 人 権 侵 害 の 申 立 てを 調 査 するための 独 立 した 機 構 の 設 立 (サブパラ3) (4) 人 権 理 事 会 の 特 別 手 続 に 対 する 恒 常 的 な 招 待 の 表 明 (サ ブパラ4) (5) 女 性 を 差 別 する 全 ての 法 律 上 の 規 定 の 廃 止 女 性 の 差 別 に 対 する 施 策 の 継 続 特 に 女 性 の 婚 姻 最 低 年 齢 を 男 性 と 同 じ18 歳 への 引 き 上 げ (サブパラ7) 2002 年 3 月 に, 新 たな 人 権 救 済 機 関 の 創 設 等 を 目 的 とする 人 権 擁 護 法 案 が 国 会 に 提 出 されたが, 同 法 案 は,2003 年 10 月, 衆 議 院 の 解 散 によって 廃 案 となった 新 たな 人 権 救 済 機 関 に 関 する 法 案 については, 救 済 の 対 象 と なる 人 権 侵 害 の 範 囲 や 人 権 救 済 機 関 の 独 立 性 の 担 保 方 法,その 調 査 権 限 の 内 容 等 について 様 々な 議 論 があるため, 現 段 階 では, 再 び 国 会 に 提 出 する には 至 っていない 日 本 は, 人 権 侵 害 による 被 害 者 のより 実 効 的 な 救 済 を 実 現 するため,パ リ 原 則 に 沿 った 国 内 人 権 機 構 の 創 設 に 向 けた 検 討 を 引 き 続 き 行 っていく 同 上 人 権 理 事 会 の 特 別 手 続 に 関 する 恒 常 的 な 招 待 を 表 明 する なお, 我 が 国 はこれまでも, 訪 日 日 時 やプログラム 等 について 事 前 に 調 整 した 上 で 受 入 を 実 施 してきており,2010 年 も 北 朝 鮮 人 権 状 況 特 別 報 告 者, 移 民 の 権 利 特 別 報 告 者, 水 へのアクセス 及 び 衛 生 に 関 する 人 権 独 立 専 門 家 の 訪 日 を 受 け 入 れた 我 が 国 は 2010 年 12 月 に 第 3 次 男 女 共 同 参 画 基 本 計 画 を 決 定 し,これ に 基 づき 男 女 共 同 参 画 社 会 の 実 現 に 向 けた 取 組 を 進 めることとしてい る 同 計 画 では, 家 族 に 関 する 法 制 の 整 備 等 について, 夫 婦 や 家 族 の 在 り 方 の 多 様 化 や 女 子 差 別 撤 廃 委 員 会 の 最 終 見 解 も 踏 まえ, 婚 姻 適 齢 の 男 女 統 一, 選 択 的 夫 婦 別 氏 制 度 の 導 入 等 の 民 法 改 正 について, 引 き 続 き 検 討 を 進 める としている 3
(6) マイノリティに 属 する 女 性 が 直 面 している 問 題 への 取 り 組 み (サブパラ 8) (7) 性 的 指 向 及 び 性 同 一 性 に 基 づく 差 別 を 撤 廃 するための 措 置 (サブパラ 11) 我 が 国 は 2010 年 12 月 に 第 3 次 男 女 共 同 参 画 基 本 計 画 を 決 定 し,これ に 基 づき 男 女 共 同 参 画 社 会 の 実 現 に 向 けた 取 組 を 進 めることとしてい る 同 計 画 において, 女 性 であることで 更 に 複 合 的 に 困 難 な 状 況 に 置 か れている 場 合 や 男 女 を 問 わず 性 的 指 向 を 理 由 として 困 難 な 状 況 に 置 か れている 場 合 など については, 人 権 教 育 啓 発 や 人 権 侵 害 の 被 害 者 の 救 済 を 進 める とともに, 男 女 共 同 参 画 の 視 点 に 立 って 必 要 な 取 組 を 進 める こととしている また, 障 害 者, 外 国 人,アイヌの 人 々, 同 和 問 題 等 に 係 る 人 権 問 題 の 解 決 を 図 るため, 法 務 局 地 方 法 務 局 の 常 設 人 権 相 談 所 において 人 権 相 談 に 積 極 的 に 取 り 組 むとともに, 相 談 者 が 利 用 しやすい 人 権 相 談 体 制 を 充 実 させる こととしている 法 務 省 の 人 権 擁 護 機 関 では, 上 記 常 設 相 談 所 において, 面 談 で 相 談 を 受 け 付 けているほか, 専 用 相 談 電 話 女 性 の 人 権 ホットライン を 設 け, 電 話 による 相 談 にも 応 じている 我 が 国 では,2004 年 7 月 に 施 行 された 性 同 一 性 障 害 の 性 別 の 取 扱 い の 特 例 に 関 する 法 律 ( 性 同 一 性 障 害 特 別 措 置 法 ) により, 性 同 一 性 障 害 者 の 当 事 者 の 戸 籍 上 の 性 別 を 変 更 することが 認 められ,2008 年 の 改 正 では,その 性 別 変 更 に 必 要 な 条 件 が 緩 和 された 国 際 的 な 動 向 としては, 我 が 国 としても, 性 的 指 向 に 基 づく 人 権 侵 害 が 許 されるべきではないと の 考 えから,2008 年 の 第 63 回 国 連 総 会 で 採 択 された 性 的 指 向 に 関 する 宣 言 では,コアグループの 一 員 として 署 名 を 行 った また, 我 が 国 は 2010 年 12 月 に 決 定 した 第 3 次 男 女 共 同 参 画 基 本 計 画 においても 性 的 指 向 を 理 由 とする 差 別 や 偏 見 の 解 消 を 目 指 して, 啓 発 4
(8) 女 性 及 び 児 童 に 対 する 暴 力 の 影 響 を 減 らすための 施 策 の 継 続 特 に 法 執 行 機 関 職 員 が 人 権 研 修 を 受 けることの 確 保 及 び 暴 力 被 害 者 が 回 復 相 談 するための 施 設 への 資 金 の 供 給 をするこ と (サブパラ14) 活 動 や 相 談, 調 査 救 済 活 動 に 取 り 組 む, 性 同 一 性 障 害 を 理 由 とする 差 別 や 偏 見 の 解 消 を 目 指 して, 啓 発 活 動 や 相 談, 調 査 救 済 活 動 に 取 り 組 む としている 法 務 省 の 人 権 擁 護 機 関 では, 取 組 が 求 められている 人 権 課 題 の 一 つと して, 性 的 指 向 や 性 同 一 性 障 害 に 関 する 問 題 を 掲 げ, 各 種 啓 発 活 動 や 人 権 相 談, 人 権 侵 犯 事 件 の 調 査 救 済 活 動 を 実 施 している 法 務 省 検 察 職 員 検 察 職 員 に 対 し, 経 験 年 数 に 応 じて 実 施 する 各 種 研 修 の 中 で, 国 際 人 権 関 係 条 約, 児 童 及 び 女 性 に 対 する 配 慮 と 検 察 の 実 務 などその 特 性 を 踏 まえた 講 義 を 実 施 している 矯 正 施 設 職 員 刑 務 官 などの 矯 正 施 設 で 勤 務 する 職 員 に 対 し, 様 々な 研 修 の 機 会 を 利 用 して, 被 収 容 者 の 処 遇 を 適 切 かつ 効 果 的 に 行 うために 必 要 な 各 種 人 権 問 題 に 関 する 条 約 や 法 令 の 知 識 及 び 技 能 の 習 得 を 図 っている 更 生 保 護 官 署 関 係 職 員 更 生 保 護 官 署 職 員 のうち, 主 に 新 任 の 保 護 観 察 官 に 対 し, 女 性 及 び 児 童 への 暴 力 の 防 止 並 びに 女 性 及 び 児 童 に 対 する 配 慮 等 を 含 めた 人 権 に 関 する 講 義 を 実 施 している 入 国 管 理 関 係 職 員 入 国 管 理 局 職 員 に 対 し, 新 規 採 用 職 員 から 幹 部 職 員 までの 職 務 段 階 に 応 じて 実 施 する 各 種 研 修 中, 人 権 に 関 する 講 義 を 受 講 させるほか, 特 に 中 堅 職 員 等 を 対 象 に, 関 係 府 省 庁, 国 際 移 住 機 関 (IOM), 人 権 NGO 等 の 外 部 講 5
師 の 協 力 を 得 て 人 身 取 引 対 策 及 び DV 事 案 に 関 する 研 修 や 人 権 に 関 する 研 修 を 行 っている 警 察 庁 警 察 は, 犯 罪 捜 査 等 の 人 権 にかかわりの 深 い 職 務 を 行 っていることから, 警 察 職 員 の 職 務 倫 理 及 び 服 務 に 関 する 規 則 (2000 年 国 家 公 安 委 員 会 第 1 号 )において, 人 権 の 尊 重 を 大 きな 柱 とする 職 務 倫 理 の 基 本 を 定 める とともに, 職 務 倫 理 に 関 する 教 育 を 警 察 における 教 育 の 最 重 点 項 目 に 掲 げ 人 権 教 育 を 積 極 的 に 実 施 している 新 たに 採 用 された 警 察 職 員 や 昇 任 する 警 察 職 員 に 対 しては, 警 察 学 校 における 憲 法, 刑 事 訴 訟 法 等 の 法 学 や 職 務 倫 理 の 授 業 等 で 人 権 尊 重 に 関 する 教 育 を 実 施 している 犯 罪 捜 査, 留 置 業 務, 被 害 者 支 援 等 に 従 事 する 警 察 職 員 に 対 しては, 各 級 警 察 学 校 における 専 門 教 育 や 警 察 本 部, 警 察 署 等 の 職 場 における 研 修 会 等 のあらゆる 機 会 を とらえ, 被 疑 者, 被 留 置 者, 被 害 者 等 の 人 権 に 配 意 した 適 正 な 職 務 執 行 を 期 する 上 で 必 要 な 知 識 技 能 等 を 修 得 させるための 教 育 を 行 っている 厚 生 労 働 省 労 働 基 準 監 督 職 員 を 対 象 に 大 学 や 人 権 団 体 からの 外 部 講 師 の 協 力 を 得 て 人 権 教 育 に 関 する 研 修 を 随 時 行 っている 内 閣 府 2010 年 12 月 に 決 定 した 第 3 次 男 女 共 同 参 画 基 本 計 画 において 女 性 に 対 するあらゆる 暴 力 の 根 絶 を 重 点 分 野 の 一 つとして 取 り 上 げ 暴 力 の 形 態 に 応 じた 幅 広 い 取 組 を 総 合 的 に 推 進 することとしている 1 内 閣 府 は, 女 性 に 対 する 暴 力 の 影 響 を 減 らすために, 以 下 の 施 策 を 継 続 している 6
(9) 特 に 女 性 と 児 童 に 対 する 人 身 取 引 に 対 処 するための 努 力 の 継 (1) 女 性 に 対 する 暴 力 の 根 絶 のための 広 報 啓 発 として, 女 性 に 対 する 暴 力 をなくす 運 動 ( 毎 年 11 月 12 日 ~ 同 25 日 ) (2) 配 偶 者 からの 暴 力 の 防 止 及 び 被 害 者 の 保 護 に 関 する 法 律 に 基 づい た 取 組 の 推 進 として, 若 年 層 に 対 する 予 防 啓 発 や 配 偶 者 からの 暴 力 被 害 に 関 する 相 談 窓 口 の 周 知 (3) 配 偶 者 からの 暴 力 等 被 害 者 に 対 する 緊 急 電 話 相 談 事 業 の 実 施 ( 平 成 23 年 2 月 ~3 月 ) 2 暴 力 被 害 者 が 回 復 相 談 するための 施 設 への 資 金 提 供 については, 内 閣 府 が 直 接 的 な 資 金 提 供 は 実 施 していないものの, 地 方 公 共 団 体 による 民 間 シェルターに 対 する 財 政 支 援 に 要 する 経 費 市 町 村 における 配 偶 者 暴 力 相 談 支 援 センターの 運 営 に 要 する 経 費 については その 1/2 が 特 別 交 付 税 の 算 定 基 準 に 盛 り 込 まれており, 内 閣 府 では,こうした 経 費 が 特 別 交 付 税 措 置 による 支 援 対 象 となることを 周 知 し 活 用 を 促 進 また, 平 成 22 年 度 補 正 予 算 地 域 活 性 化 交 付 金 ( 住 民 生 活 に 光 をそそぐ 交 付 金 ) の 対 象 の 一 つ として DV 対 策 等 の 弱 者 対 策 自 立 支 援 が 盛 り 込 まれており, 内 閣 府 にお いては 地 方 公 共 団 体 への 情 報 提 供 等 により 民 間 支 援 団 体 への 運 営 補 助 等 に 対 する 交 付 金 の 活 用 を 促 進 している 厚 生 労 働 省 厚 生 労 働 省 において, 暴 力 被 害 児 童 及 び 女 性 が 回 復 相 談 するための 施 設 として, 児 童 相 談 所 婦 人 相 談 所 婦 人 保 護 施 設 等 の 運 営 費 及 び 保 護 に かかる 経 費 について, 法 律 に 基 づく 負 担 又 は 経 費 の 補 助 を 行 っている 我 が 国 は, 人 身 取 引 は 重 大 な 犯 罪 かつ 人 権 侵 害 であるとの 認 識 の 下, 2009 年 12 月, 従 来 の 行 動 計 画 を 改 定 し, 人 身 取 引 対 策 行 動 計 画 2009 7
続 (サブパラ15) (10) 常 居 所 から 不 正 に 連 れさられたり 又 は 戻 ることを 妨 げられ ている 子 供 の 早 期 帰 還 を 確 保 するためのメカニズムの 構 築 (サブパラ16) (11) あらゆる 形 態 の 児 童 への 体 罰 の 明 示 的 な 禁 止 積 極 的 かつ 非 暴 力 な 形 態 のしつけの 促 進 (サブパラ17) を 策 定 した これに 基 づき, 内 閣 官 房 をはじめとする 関 係 省 庁 が 連 携 し つつ, 人 身 取 引 の 防 止, 撲 滅, 被 害 者 保 護 の 分 野 にわたり 包 括 的 に 施 策 を 実 施 している 具 体 的 には, 被 害 者 への 母 国 語 及 び 女 性 対 応 の 充 実 や 多 言 語 ホットライン 運 用 の 検 討,また 児 童 の 性 的 搾 取 に 対 する 厳 正 な 対 応 及 び 児 童 ポルノ 排 除 に 受 けた 取 組 の 強 化 をしていくことが 盛 り 込 ま れ, 施 策 実 施 に 向 けた 検 討 を 進 めていく 国 際 協 力 としては, 主 に 政 府 協 議 調 査 団 の 派 遣 を 通 じた 二 国 間 での 人 身 取 引 対 策 の 連 携 強 化,IOM を 通 じた 人 身 取 引 被 害 者 の 帰 国 及 び 社 会 復 帰 支 援 に 加 えて,UNODC を 通 じて,タイなどで 被 害 者 保 護 緩 和 ケアを 中 心 としたプロジェクトを 実 施 している 困 難 な 状 況 に 置 かれた 子 の 福 祉 を 重 視 することを 基 本 としつつ 各 国 と も 協 力 しつつ 対 応 を 行 っている 不 正 な 連 れ 去 りの 防 止 の 観 点 から 在 留 邦 人 に 対 する 注 意 喚 起 や 未 成 年 者 に 対 する 旅 券 発 給 の 厳 格 化 も 行 ってい る ハーグ 条 約 締 結 の 可 能 性 については, 関 係 者 が 緊 密 に 協 力 しつつ, 真 剣 に 検 討 中 子 の 最 善 の 福 祉 を 念 頭 に, 様 々な 方 面 から 寄 せられる 意 見 を 踏 まえつつ, 可 能 な 限 り 早 く 結 論 を 得 るべく, 検 討 作 業 を 進 めている 我 が 国 においては, 学 校 教 育 法 第 11 条 により 体 罰 を 厳 に 禁 止 している 文 部 科 学 省 はこの 点 に 関 し 通 知 や 毎 年 実 施 する 各 種 会 議 研 修 の 場 で 教 育 委 員 会 等 を 通 じ 学 校 関 係 者 に 対 し 指 導 している 一 方, 民 法 は, 親 権 者 は 必 要 な 範 囲 内 で 自 ら 子 を 懲 戒 することができる ものとしている(822 条 )ところ,これは, 親 権 者 が, 子 の 監 護 上, 子 の 非 行 や 過 誤 を 矯 正 し,それを 善 導 するために 必 要 かつ 相 当 な 範 囲 内 で, 子 を 制 裁 することを 認 めたものである それが 子 の 監 護 上 必 要 かつ 相 当 なもの 8
(12) 庇 護 決 定 を 再 検 討 するための 手 続 を 拷 問 等 禁 止 条 約 及 びその 他 の 関 連 する 人 権 条 約 と 調 和 させること 及 び 必 要 とする 移 住 者 への 国 による 法 的 援 助 の 提 供 (サブパラ20) (13) 入 国 者 収 容 所 を 調 査 する 国 際 的 な 監 視 員 の 受 け 入 れ (サブ パラ 21) とされるかどうかは,その 社 会 とその 時 代 の 健 全 な 社 会 常 識 により 判 断 さ れ, 許 容 される 範 囲 を 逸 脱 して 過 度 の 懲 戒 を 加 えたときは, 親 権 喪 失 ( 民 法 第 834 条 )の 原 因 となる また, 子 に 対 する 懲 戒 権 の 行 使 が 社 会 通 念 上 相 当 な 範 囲 を 超 える 場 合 は, 刑 法 ( 暴 行 罪, 傷 害 罪, 逮 捕 監 禁 罪 等 )や 児 童 虐 待 防 止 法 等 で 処 罰 される こととされている 我 が 国 では, 拷 問 等 禁 止 条 約 及 びその 他 の 関 連 する 人 権 条 約 を 踏 まえつ つ, 難 民 異 議 申 立 制 度 の 適 正 な 運 用 に 努 めるとともに,2009 年 の 出 入 国 管 理 及 び 難 民 認 定 法 の 改 正 により, 同 法 第 53 条 第 3 項 において, 退 去 強 制 を 受 ける 者 を 送 還 する 場 合 の 送 還 先 に, 拷 問 等 禁 止 条 約 第 3 条 1 及 び 強 制 失 踪 条 約 第 16 条 1 に 規 定 する 国 を 含 まないことを 明 確 に 規 定 した また, 実 際 の 送 還 手 続 においては, 難 民 認 定 申 請 中 の 者 はノン ル フールマンの 原 則 により 送 還 しておらず, 難 民 不 認 定 処 分 に 関 連 して 訴 訟 を 提 起 した 者 については, 裁 判 を 受 ける 権 利 に 配 慮 し, 訴 訟 の 経 過 等 を 踏 まえ, 個 々 人 ごとに, 送 還 の 実 施 時 期 等 を 決 定 している 国 際 的 な 監 視 員 が 何 を 指 すのか 不 明 だが, 我 が 国 では,2009 年 7 月 に 国 連 人 権 理 事 会 の 人 身 取 引 担 当 特 別 報 告 者,2010 年 3 月 に 国 連 人 権 理 事 会 の 移 民 の 権 利 特 別 報 告 者 による 入 国 者 収 容 所 等 の 視 察 を 受 け 入 れてい る また,2010 年 7 月 から, 入 国 者 収 容 所 等 の 適 正 な 運 営 に 資 するため, 第 三 者 たる 学 識 経 験 者, 法 曹 関 係 者, 医 療 関 係 者,NGO 関 係 者 などの 有 識 者 で 構 成 される 入 国 者 収 容 所 等 視 察 委 員 会 を 設 置 した 同 委 員 会 の 委 員 は, 入 国 者 収 容 所 等 を 視 察 し, 被 収 容 者 と 面 会 などを 行 9
った 上 で,その 運 営 に 関 し 入 国 者 収 容 所 等 の 長 に 意 見 を 述 べることにより, より 一 層 の 警 備 処 遇 の 透 明 性 の 確 保, 入 国 者 収 容 所 等 の 改 善 向 上 を 図 って いる (14) 社 会 的 経 済 的 な 発 展 が 必 要 な 国 々に 対 する 財 政 的 援 助 の 提 供 の 継 続 及 びミレニアム 開 発 目 標 8に 規 定 されている 発 展 の 権 利 の 実 現 に 向 けた 国 際 努 力 に 対 する 支 援 の 拡 大 (サブパラ 24) (15) インターネット 上 の 人 権 侵 害 における 人 権 の 保 護 に 関 する 日 本 の 経 験 の 他 の 国 との 共 有 (サブパラ25) 我 が 国 は, 財 政 状 況 が 厳 しい 中 でも, 途 上 国 の 安 定 と 発 展 に 資 する 援 助 の 提 供 を 継 続 している 援 助 に 当 たっては, 人 間 一 人 ひとりに 着 目 する 人 間 の 安 全 保 障 の 視 点 に 基 づき, 人 々が 恐 怖 と 欠 乏 から 解 放 され, 尊 厳 ある 生 命 を 全 うできるような 社 会 づくりを 目 指 している MDGs の 達 成 に 向 けて は, 各 分 野 におけるコミットメントを 表 明 し, 着 実 に 実 施 している 2010 年 9 月 には,2011 年 からの 5 年 間 で 保 健 分 野 で 50 億 ドル, 教 育 分 野 で 35 億 ドルの 支 援 を 新 たに 表 明 した 本 年 6 月 には, 幅 広 い 関 係 者 の 連 携 強 化 のため,MDGs 国 連 首 脳 会 合 をフォローアップする 国 際 会 議 を 我 が 国 で 開 催 する 予 定 である こうした 取 組 の 着 実 な 実 施 を 通 じ, 我 が 国 は 2015 年 まで の MDGs 達 成 に 向 け, 先 頭 に 立 って 貢 献 していく 法 務 省 人 権 擁 護 機 関 では 他 人 の 名 誉 やプライバシー 等 の 人 権 を 侵 害 す る 悪 質 な 事 案 に 対 しては 発 信 者 が 判 明 する 場 合 は 同 人 に 対 する 啓 発 を 通 じて 侵 害 状 況 の 排 除 に 努 め また 発 信 者 を 特 定 できない 場 合 には 当 該 情 報 の 削 除 をプロバイダ 等 に 求 めるなど 適 切 な 対 応 に 努 めている また,2005 年 に 設 立 された インターネット 上 の 違 法 有 害 情 報 への 対 応 に 関 する 研 究 会 に 基 づき, 政 府 がオブザーバーとして 参 加 する 違 法 有 害 情 報 相 談 センターを 設 置 し,プロバイダや 電 子 掲 示 板 の 管 理 者 等 による 自 主 的 対 応 の 支 援 に 当 たっている 更 に, 総 務 省 のオブザーバー 参 加 のも と, 電 気 通 信 事 業 者 協 会 等 の 民 間 4 団 体 により インターネット 上 の 違 法 10
(16) UPRプロセスのフォローアップにおいて 国 レベルでの 市 民 社 会 の 十 分 な 関 与 審 査 をフォローアップする 過 程 における ジェンダーの 視 点 の 組 織 的 かつ 継 続 的 な 組 み 入 れ (サブパラ26) な 情 報 への 対 応 に 関 するガイドライン 及 び 違 法 有 害 情 報 への 対 応 等 に 関 する 契 約 約 款 モデル 条 項 も 策 定 している 政 府 は 児 童 ポルノ 排 除 総 合 対 策 を 2010 年 に 策 定 し インターネッ ト サービス プロバイダ 等 の 関 連 事 業 者 による 自 主 的 なブロッキングの 導 入 に 向 けた 諸 対 策 の 推 進 を 含 む インターネット 上 の 児 童 ポルノ 画 像 等 の 流 通 閲 覧 防 止 対 策 を 推 進 しているところである NGO 等 市 民 社 会 との 間 では, 様 々な 対 話 の 機 会 を 設 けており, 今 後 もこの ような 対 話 を 重 視 し, 継 続 していく また, 我 が 国 は, 男 女 共 同 参 画 社 会 の 実 現 を 最 重 要 課 題 の 一 つと 位 置 づ け, 男 女 共 同 参 画 基 本 計 画 に 基 づき, 政 府 全 体 で 関 係 施 策 の 総 合 的 かつ 計 画 的 な 推 進 を 図 るとともに あらゆる 施 策 にジェンダーの 視 点 を 反 映 する ための 取 組 を 行 っているところである 11