くも 膜 下 出 血 の 症 状 頭 を 殴 られたような 突 然 の 激 しい 頭 痛 意 識 が 朦 朧 (もうろう)とする 意 識 を 失 う 嘔 吐 血 圧 上 昇 物 が 二 重 に 見 えるなどの 症 状 があります 手 足 の 麻 痺 は 必 ず 起 こるとは 限 りません 発 症 前



Similar documents
Microsoft PowerPoint _GP向けGL_final

<96DA8E9F81698D8791CC A2E786C73>

4. 手 術 により 期 待 される 効 果 手 術 は 直 腸 癌 に 対 する 治 療 として 最 も 確 実 な 方 法 とされていますが これに よりすべての 直 腸 癌 が 治 癒 するわけではありません 肉 眼 的 にすべての 癌 が 取 り 除 けた 場 合 でも 目 には 見 えない

< F2D874491E682528FCD2091E DF C A2E>

(Microsoft Word _10\214\216\222\262\215\270\203\212\203\212\201[\203X_\215\305\217I\215e.doc)

図 表 1 1,000 万 円 以 上 高 額 レセプト ( 平 成 25 年 度 ) 順 位 月 額 医 療 費 主 傷 病 名 順 位 月 額 医 療 費 主 傷 病 名 順 位 月 額 医 療 費 主 傷 病 名 順 位 月 額 医 療 費 主 傷 病 名 順 位 月 額 医 療 費 主 傷

各論_1章〜7章.indd

Microsoft Word - 3大疾病保障特約付団体信用生命保険の概要_村上.docx

< F2D F97CC8EFB8F BE8DD78F9192CA926D>

Microsoft Word - 通知 _2_.doc

養 老 保 険 の 減 額 払 済 保 険 への 変 更 1. 設 例 会 社 が 役 員 を 被 保 険 者 とし 死 亡 保 険 金 及 び 満 期 保 険 金 のいずれも 会 社 を 受 取 人 とする 養 老 保 険 に 加 入 してい る 場 合 を 解 説 します 資 金 繰 りの 都

ROTA:ロータブレター 件 数 期 間 中 の 実 施 件 数 (K548 算 定 件 数 ) CTO: 慢 性 完 全 閉 塞 件 数 PTA: 経 皮 的 末 梢 動 脈 形 成 術 件 数 期 間 中 の 実 施 件 数 (K616 算

2 ペインクリニック ペインクリニック 科 に 関 しては 先 ずは 様 々な 痛 みの 症 例 を 正 確 に 診 断 できる 能 力 の 養 成 を 最 大 の 目 標 にします その 過 程 で 薬 物 療 法 神 経 ブロック( 超 音 波 透 視 下 を 含 む) Intervention

5 月 27 日 4 子 宮 頸 癌 1 GIO: 子 宮 頸 癌 の 病 態 診 断 治 療 について 理 解 する SBO: 1. 子 宮 頸 癌 の 発 癌 のメカニズムや 発 癌 過 程 について 説 明 できる 2. 子 宮 頸 癌 および 前 癌 病 変 の 分 類 ついて 説 明 でき

診療行為コード

頸 がん 予 防 措 置 の 実 施 の 推 進 のために 講 ずる 具 体 的 な 施 策 等 について 定 めることにより 子 宮 頸 がんの 確 実 な 予 防 を 図 ることを 目 的 とする ( 定 義 ) 第 二 条 この 法 律 において 子 宮 頸 がん 予 防 措 置 とは 子 宮

Microsoft Word - 【溶け込み】【修正】第2章~第4章

4 ぼうこう又は直腸機能障害

Microsoft Word 菊地

<4D F736F F D B8FE68ED28F9D8A E CE388E28FE18A51816A93C196F E646F63>

17 外 国 人 看 護 師 候 補 者 就 労 研 修 支 援 18 看 護 職 員 の 就 労 環 境 改 善 運 動 推 進 特 別 20 歯 科 医 療 安 全 管 理 体 制 推 進 特 別 21 在 宅 歯 科 医 療 連 携 室 整 備 22 地 域 災 害 拠 点 病

カラーP1.indd

神 経 系 統 の 機 能 神 経 系 統 の 機 能 の 著 しい 障 害 とは 脳 の 器 質 障 害 四 肢 その 他 の 神 経 の 損 傷 によって 生 じる 灼 熱 痛 脳 神 経 及 び 脊 髄 神 経 の 外 傷 その 他 の 原 因 による 神 経 痛 等 により 特 に 軽 易

Microsoft Word - 公表用答申422号.doc

スライド 1

Ⅶ 東 海 地 震 に 関 して 注 意 情 報 発 表 時 及 び 警 戒 宣 言 発 令 時 の 対 応 大 規 模 地 震 対 策 特 別 措 置 法 第 6 条 の 規 定 に 基 づき 本 県 の 東 海 地 震 に 係 る 地 震 防 災 対 策 強 化 地 域 において 東 海 地 震

アフターケア.indd

HIV感染防止マニュアル(出力用).indd


δ

目次

は 固 定 流 動 及 び 繰 延 に 区 分 することとし 減 価 償 却 を 行 うべき 固 定 の 取 得 又 は 改 良 に 充 てるための 補 助 金 等 の 交 付 を 受 けた 場 合 にお いては その 交 付 を 受 けた 金 額 に 相 当 する 額 を 長 期 前 受 金 とし

スライド 1

ひろっぱ355号2月Web用に.indd

3 保 険 料 ( 掛 金 )を 納 めていること 原 則 として 初 診 日 月 前 々 月 まで 国 民 年 金 加 入 期 間 全 体 うち 3 分 2 以 上 きち んと 納 めている( 保 険 料 免 除 期 間 も 含 む)ことが 必 要 です 現 在 は 特 例 として 初 診 日 が

糖尿病の歯科病変

<4D F736F F D D3188C091538AC7979D8B4B92F F292B98CF092CA81698A94816A2E646F63>

検 討 検 討 の 進 め 方 検 討 状 況 簡 易 収 支 の 世 帯 からサンプリング 世 帯 名 作 成 事 務 の 廃 止 4 5 必 要 な 世 帯 数 の 確 保 が 可 能 か 簡 易 収 支 を 実 施 している 民 間 事 業 者 との 連 絡 等 に 伴 う 事 務 の 複 雑

Microsoft Word - 19年度(行情)答申第081号.doc

(Microsoft Word - \212\356\226{\225\373\220j _\217C\220\263\201j.doc)

目  次

( 別 紙 ) 以 下 法 とあるのは 改 正 法 第 5 条 の 規 定 による 改 正 後 の 健 康 保 険 法 を 指 す ( 施 行 期 日 は 平 成 28 年 4 月 1 日 ) 1. 標 準 報 酬 月 額 の 等 級 区 分 の 追 加 について 問 1 法 改 正 により 追 加

< F2D817995DB94AD D8691E6328D86817A96BE8DD78F91>

当 機 構 では 補 償 対 象 と 考 えられる 児 が 満 5 歳 の 誕 生 日 を 過 ぎたために 補 償 を 受 けることができないという 事 態 が 生 じることがないよう 昨 年 に 引 き 続 き 広 く 関 係 者 の 皆 様 に 本 制 度 の 周 知 をお 願 いしているところ

発 覚 理 由 違 反 態 様 在 日 期 間 違 反 期 間 婚 姻 期 間 夫 婦 間 の 子 刑 事 処 分 等 1 出 頭 申 告 不 法 残 留 約 13 年 9 月 約 9 年 11 月 約 1 年 10 月 2 出 頭 申 告 不 法 入 国 約 4 年 2 月 約 4 年 2 月 約

 

3 薬 局 サービス 等 (1) 健 康 サポート 薬 局 である 旨 の 表 示 健 康 サポート 薬 局 である 旨 を 表 示 している 場 合 健 康 サポート 薬 局 とは かかりつけ 薬 剤 師 薬 局 としての 基 本 的 な 機 能 に 加 えて 積 極 的 な 健 康 サポート 機

75 歳 以 上 の 方 の 後 期 高 齢 者 医 療 制 度 75 歳 になると 全 ての 方 が 後 期 高 齢 者 医 療 制 度 に 加 入 して 医 療 を 受 けます 後 期 高 齢 者 医 療 制 度 は 東 京 都 後 期 高 齢 者 医 療 広 域 連 合 が 主 体 となり 区

(Microsoft Word - \213\213\227^\201E\222\350\210\365\212\307\227\235\214\366\225\\\201iH \)\201iHP\227p\201j.doc)

を 行 わなければならない 適 正 な 運 用 方 針 を 厳 格 に 運 用 することによっては じめて 人 がみだりにその 容 ぼう 等 を 撮 影 されない 自 由 や 権 利 の 保 護 と 犯 罪 発 生 の 抑 止 という 防 犯 カメラの 設 置 目 的 との 調 和 が 実 現 され

PowerPoint プレゼンテーション

認 定 看 護 師 専 門 看 護 師 集 中 ケア 新 生 児 集 中 ケア A 呼 吸 ケアチーム 加 算 150 点 呼 吸 ケアチームの 設 置 救 急 看 護 小 児 救 急 看 護 慢 性 呼 吸 器 疾 患 看 護 急 性 重 症 患 者 看 護 A 247 認 知 症

監 修 北 辰 会 有 澤 総 合 病 院 内 科 大 八 木 秀 和 1 時 間 目 子 宮 内 膜 症 名 古 屋 大 学 大 学 院 医 学 系 研 究 科 産 婦 人 科 中 原 辰 夫 NAKAHARA Tatsuo 月 経 困 腎 難 不 を 全 訴 とはどのような えて 来 院 される

学校法人日本医科大学利益相反マネジメント規程

資 格 給 付 関 係 ( 問 1) 外 国 人 Aさん(76 歳 )は 在 留 期 間 が3ヶ 月 であることから 長 寿 医 療 の 被 保 険 者 ではない が 在 留 資 格 の 変 更 又 は 在 留 期 間 の 伸 長 により 長 寿 医 療 の 適 用 対 象 となる 場 合 には 国

(2) 特 別 障 害 給 付 金 国 民 年 金 に 任 意 加 入 していなかったことにより 障 害 基 礎 年 金 等 を 受 給 していない 障 がい 者 の 方 に 対 し 福 祉 的 措 置 として 給 付 金 の 支 給 を 行 う 制 度 です 支 給 対 象 者 平 成 3 年 3

平成24年度 福島県患者調査の概況(厚生労働省大臣官房統計情報部人口動態・保健社会統計課 保健統計室:H )

公平委員会設置条例

疑わしい取引の参考事例

5 月 25 日 2 口 腔 咽 頭 唾 液 腺 の 疾 患 2 GIO: 口 腔 咽 頭 唾 液 腺 の 疾 患 を 理 解 する SBO: 1. 急 性 慢 性 炎 症 性 疾 患 を 説 明 できる 2. 扁 桃 の 疾 患 を 説 明 できる 3. 病 巣 感 染 症 を 説 明 できる 4

<4D F736F F D20836E E819592E88C5E B F944E82548C8E89FC90B3816A5F6A D28F57>

第 9 条 の 前 の 見 出 しを 削 り 同 条 に 見 出 しとして ( 部 分 休 業 の 承 認 ) を 付 し 同 条 中 1 日 を 通 じて2 時 間 ( 規 則 で 定 める 育 児 休 暇 を 承 認 されている 職 員 については 2 時 間 から 当 該 育 児 休 暇 の

Microsoft Word - ☆f.doc

為 が 行 われるおそれがある 場 合 に 都 道 府 県 公 安 委 員 会 がその 指 定 暴 力 団 等 を 特 定 抗 争 指 定 暴 力 団 等 として 指 定 し その 所 属 する 指 定 暴 力 団 員 が 警 戒 区 域 内 において 暴 力 団 の 事 務 所 を 新 たに 設

想 像 思 行 ず 消 毒 擦 む 薄 血 混 じ 滲 み ぶ 痂 ぶ 取 下 薄 来 経 験 沢 山 お 思 健 常 人 間 元 々 備 能 力 中 具 的 何 起 ょ 簡 単 説 明 ず 人 間 負 部 リ ン パ 球 血 小 板 マ ク ロ フ ァ ジ 悪 食 べ 集 死 溶 食 べ 清 浄

Microsoft Word - 佐野市生活排水処理構想(案).doc

(Microsoft Word - \221\346\202P\202U\201@\214i\212\317.doc)

●「高齢者医療運営円滑化等補助金」については、なぜ、本日の公開による再仕分けの対象事業に選定されたと認識しているか

大学病院治験受託手順書

2 職 員 の 初 任 給 等 の 状 況 (1) 職 員 の 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 及 び の 状 況 (26 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 一 般 行 政 職 平 均 年 齢 静 岡 県 国 類 似 団 体 2 技 能 労 務 職 区 41.8 歳 42.6 歳 43.5

<4D F736F F D2093C195CA92A58EFB82C98AD682B782E E646F63>

Microsoft Word - 諮問第82号答申(決裁後)


- 1 - 総 控 負 傷 疾 病 療 養 産 産 女 性 責 帰 べ 由 試 ~ 8 契 約 契 約 完 了 ほ 契 約 超 締 結 専 門 的 知 識 技 術 験 専 門 的 知 識 高 大 臣 専 門 的 知 識 高 専 門 的 知 識 締 結 契 約 満 歳 締 結 契 約 契 約 係 始

<947A957A8E9197BF C E786C73>

母 子 医 療 対 策 費 462 (313,289) 国 4,479 1 不 妊 治 療 助 成 事 業 8,600 不 妊 治 療 費 用 の 一 部 を 助 成 し 経 済 的 負 担 の 軽 減 を 図 る 230, ,608 不 妊 治 療 費 の 増 加 による 増 額 分

一 方 でも 自 分 から 医 師 に 症 状 の 変 化 について 伝 えている 割 合 は シーズン 前 では 満 足 な と 同 じ %でしたが シーズン 開 始 直 後 から 高 くなり シーズン 後 半 では の 31%を 上 回 り 42%となっています (グラフ 3) ギャップ 3:

Microsoft Word - 目次.doc

Microsoft Word - h doc

Microsoft Word - 奨学金相談Q&A.rtf

1

Microsoft PowerPoint - 報告書(概要).ppt

製 造 業 者 は 製 造 販 売 業 者 の 管 理 監 督 の 下 適 切 な 品 質 管 理 を 行 い 製 品 を 製 造 します なお 製 造 業 は 製 造 に 特 化 した 許 可 となっており 製 造 業 の 許 可 のみでは 製 品 を 市 場 に 出 荷 することはできま せん

先行研究のサマリー

( 医 療 機 器 の 性 能 及 び 機 能 ) 第 3 条 医 療 機 器 は 製 造 販 売 業 者 等 の 意 図 する 性 能 を 発 揮 できなければならず 医 療 機 器 としての 機 能 を 発 揮 できるよう 設 計 製 造 及 び 包 装 されなければならない 要 求 項 目 を

別紙3

も く じ 1 税 源 移 譲 1 2 何 が 変 わったのか 改 正 の 3 つ の ポイント ポイント1 国 から 地 方 へ 3 兆 円 規 模 の 税 源 が 移 譲 される 2 ポイント2 個 人 住 民 税 の 税 率 構 造 が 一 律 10%に 変 わる 3 ポイント3 個 々の 納

Microsoft Word - 2章.doc

Microsoft Word - h28rifo

2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 平 成 27 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 役 名 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 2,142 ( 地 域 手 当 ) 17,205 11,580 3,311 4 月 1

<4D F736F F D B8FE68ED28F9D8A FC92CA E88EA8E9E8BE0816A93C196F E646F63>

(2) 国 民 年 金 の 保 険 料 国 民 年 金 の 第 1 号 被 保 険 者 および 任 意 加 入 者 は, 保 険 料 を 納 めなければなりま せん また,より 高 い 老 齢 給 付 を 望 む 第 1 号 被 保 険 者 任 意 加 入 者 は, 希 望 により 付 加 保 険

人生の最終段階における医療に関する意識調査 結果の概要

Microsoft Word 役員選挙規程.doc

私立大学等研究設備整備費等補助金(私立大学等

<4D F736F F D208E9197BF A955B895E93AE82CC8B4B90A C982C282A282C42E646F6378>

Microsoft Word - H25普通会計決算状況 .docx

国立大学法人 東京医科歯科大学教職員就業規則

事務連絡

PowerPoint プレゼンテーション

Transcription:

破 裂 脳 動 脈 瘤 に 対 する 開 頭 クリッピング 術 とは くも 膜 下 出 血 について 頭 蓋 骨 の 内 側 には 硬 膜 くも 膜 軟 膜 と 呼 ばれる 脳 組 織 を 包 んで いる 組 織 があります くも 膜 と 軟 膜 のすき 間 は くも 膜 下 腔 と 呼 ば れています くも 膜 下 腔 に 出 血 を 起 こした 状 態 がくも 膜 下 出 血 で す くも 膜 下 出 血 は 救 命 できず にそのまま 死 亡 するケースが 多 い( 統 計 的 には 50%の 患 者 様 が 初 回 の 出 血 で 死 亡 しています)う えに 手 術 による 救 命 に 成 功 して も 重 大 な 後 遺 症 を 残 すケースも 少 なくありません そして 約 20%の 患 者 様 に 後 遺 症 が 残 ります また 病 院 に 運 び 込 まれた 時 点 の 患 者 さんの 状 態 によっては 積 極 的 な 治 療 を 行 うこ とができないケースもあります くも 膜 下 出 血 の 原 因 脳 動 脈 の 一 部 が 膨 らんで 出 来 た 動 脈 瘤 の 破 裂 によるものがほとんどです(80-90%) 男 性 より 女 性 に 多 く 40 歳 以 降 に 多 く 見 られ 年 齢 とともに 増 加 します 家 系 内 に 動 脈 瘤 やくも 膜 下 出 血 の 方 がいる 場 合 は 発 生 頻 度 が 高 くなるといわれています また 高 血 圧 喫 煙 過 度 の 飲 酒 は 動 脈 瘤 破 裂 の 可 能 性 が 数 倍 高 くなるといわれて います その 他 血 管 奇 形 や 外 傷 なども くも 膜 下 出 血 の 原 因 となり 得 ます

くも 膜 下 出 血 の 症 状 頭 を 殴 られたような 突 然 の 激 しい 頭 痛 意 識 が 朦 朧 (もうろう)とする 意 識 を 失 う 嘔 吐 血 圧 上 昇 物 が 二 重 に 見 えるなどの 症 状 があります 手 足 の 麻 痺 は 必 ず 起 こるとは 限 りません 発 症 前 に 突 然 頭 痛 を 何 回 か 経 験 する 方 もいます これは 動 脈 瘤 から 起 こる 微 小 出 血 によるもので 前 ぶれ 頭 痛 といいます 出 血 量 が 少 なく 典 型 的 な 症 状 がないた め 軽 い 頭 痛 で 風 邪 と 思 い 込 んで 様 子 をみてしまう 方 もいるようです そのほか 動 脈 瘤 が 破 れた 瞬 間 に 脳 の 圧 が 高 くなり いったん 意 識 を 失 い 回 復 した 場 合 でも 脳 の 圧 が 高 い 状 態 が 長 く 続 くと 脳 に 血 流 が 流 れず 脳 自 体 に 損 傷 が 起 こり 意 識 が 戻 らない 場 合 があります また くも 膜 下 出 血 の 他 に 脳 実 質 の 中 に 出 血 を 起 こす 脳 内 出 血 を 伴 うこともあり 手 足 の 麻 痺 や 言 語 障 害 を 伴 うこともあります 注 意 が 必 要 な 症 状 頭 痛 吐 き 気 や 嘔 吐 意 識 消 失 物 が 二 重 に 見 える 手 足 の 麻 痺 意 識 障 害 この 手 術 の 必 要 性 及 び 有 用 性 出 血 した 脳 動 脈 瘤 は 病 院 に 搬 入 された 時 点 では 辛 うじて 止 血 されている 状 態 になっ ています しかし いつ 何 時 再 出 血 するかはわかりません この 場 合 の 死 亡 率 は 非 常 に 高 率 となります 再 出 血 を 起 こした 場 合 の 死 亡 率 は 約 50% 再 々 出 血 後 の 死 亡 率 は 約 80% 以 上 といわれています そこで まず 行 うべき 治 療 は 再 出 血 予 防 です ただ 現 在 のところ 薬 を 使 って 再 出 血 を 予 防 することはできません そのため 手 術 によって 再 出 血 を 予 防 する 必 要 があります この 手 術 の 目 的 は あくまでも 再 出 血 を 予 防 することにあります くも 膜 下 出 血 そのものの 治 療 を 目 的 とするものではありま せん 手 術 を 実 施 できない 場 合 などについて 昏 睡 状 態 や きわめて 全 身 状 態 の 悪 い 患 者 様 の 場 合 は 残 念 ながら 手 術 を 実 施 するこ とができない 場 合 もあります 手 術 が 実 施 できるかどうかは 手 術 の 直 前 の 患 者 様 の 状 態 を 踏 まえ 判 断 することになります

また 動 脈 瘤 が 脳 表 に 近 い あるいは 小 さい 場 合 は 手 術 しやすいのですが 奥 深 い 大 きい 場 合 は 手 術 を 実 施 できたとしても 残 存 が 生 じ 根 治 させることが 困 難 となりま す あらかじめご 了 承 ください 手 術 を 実 施 する 時 期 について 手 術 の 時 期 は できるだけ 早 いほうがよいのですが 深 夜 など 人 手 の 少 ない 悪 条 件 の 中 で 手 術 することは かえって 危 険 になることもあります 患 者 様 の 脳 心 臓 及 び 肺 の 状 態 や 全 身 麻 酔 や 手 術 に 関 る 人 員 など 患 者 様 にとってベストと 思 われる 時 期 に 行 います 手 術 までは 薬 で 十 分 に 寝 かせて 血 圧 を 低 めにコントロールします 手 術 前 の 患 者 様 の 状 態 の 管 理 について くも 膜 下 出 血 は 脳 の 病 気 です しかしながら 全 身 に 大 きな 影 響 を 及 ぼす 疾 患 です た とえば くも 膜 下 出 血 後 心 電 図 に 異 常 があったり 心 臓 の 動 きが たこ 壷 のような 異 様 な 動 きになることがあります また 血 管 から 肺 に 水 が 滲 み 出 て 肺 水 腫 などが 起 こりやすくなります このため くも 膜 下 出 血 の 初 期 治 療 として 全 身 管 理 が 必 要 です 全 身 管 理 は 呼 吸 状 態 を 管 理 し 血 圧 や 心 拍 などの 循 環 状 態 を 安 定 させることを 目 的 とする 処 置 です また 血 圧 が 上 がらないようにコントロールし 麻 酔 薬 などで 鎮 痛 し 安 静 を 保 つこと を 原 則 とします くも 膜 下 出 血 後 に 起 こる 可 能 性 のある 他 の 病 気 くも 膜 下 出 血 の 後 下 記 のような 病 気 が 起 こることがあります いずれもこの 手 術 に よって 予 防 することは 困 難 なため 手 術 の 成 否 とは 関 係 がありません 1 脳 血 管 攣 縮 (れんしゅく) といって くも 膜 下 出 血 の 後 4 ~14 日 目 の 間 に 脳 の 血 管 が 細 くなり 脳 梗 塞 を 起 こすことが あります 発 症 後 4~15 日 後 (10 日 目 前 後 )に 起 こることが 一 般 的 です 血 管 撮 影 上 の 脳 血 管 攣 縮 は 約 40-70%に 起 こります が 症 状 を 出 すもの( 症 候 性 ) はそのうち 約 20-30%です 症 候 性 のうち 1/3 は 一 過 性 のも

のですが 残 りは 脳 梗 塞 に 陥 り 1/3 は 後 遺 症 残 存 1/3 は 死 亡 となります 2 水 頭 症 といって 脳 に 髄 液 が 過 剰 に 溜 まってくる 現 象 です これは くも 膜 下 出 血 によって 脳 表 に 広 がった 血 液 により 循 環 している 髄 液 の 吸 収 障 害 が 起 きるからです この 病 態 の 改 善 には 髄 液 を 脳 から 腹 腔 内 に 逃 がす 脳 室 腹 腔 短 絡 術 が 必 要 となります この 手 術 の 具 体 的 な 方 法 1)まず 全 身 麻 酔 をかけたあと 外 科 的 に 開 頭 を 行 い ます 2) 手 術 用 の 顕 微 鏡 を 用 いて 出 血 を 取 り 除 きなが ら 脳 の 自 然 のすき 間 をはがします 3) 動 脈 瘤 まで 到 達 したら 動 脈 瘤 を 金 属 製 (チタ ン 製 のものが 主 流 です)のクリップではさみます 4) 血 流 が 流 入 しないようにする 手 術 のため クリ ップは 特 に 理 由 が 無 いかぎりその 場 に 留 置 したまま になります これは 動 脈 瘤 に 対 する 最 も 広 く 普 及 し ている 治 療 法 で 特 に 問 題 を 起 こすことはありませ ん 5) 前 述 で 挙 げる 脳 血 管 攣 縮 (れんしゅく)の 予 防 のた め 脳 の 表 面 や 脳 の 中 の 出 血 をできるかぎり 取 り 除 き 脳 の 中 を 循 環 している 水 分 を 排 出 させる 管 をお きます これは 脳 の 圧 を 正 常 に 保 つためです

この 手 術 に 伴 う 避 けられない 合 併 症 及 び 不 利 益 この 手 術 を 選 択 した 場 合 例 えば 次 のような 合 併 症 その 他 の 不 利 益 が 生 じることが あります これらはいずれも この 治 療 法 に 通 常 伴 うものであるとともに 避 けられな いものです これらのことを 考 慮 したうえで 手 術 を 受 けるか 否 かを 決 定 してくださ い 1) 重 症 例 などでは くも 膜 下 出 血 により 脳 には 既 に ある 程 度 の 損 傷 が 加 わってい ます このため 生 命 の 危 険 が 生 じたり 後 遺 症 が 残 るおそれがあります 2) 手 術 中 に 動 脈 瘤 から 大 量 出 血 が 起 こる 可 能 性 があります 生 命 の 危 険 につなが る 場 合 は 輸 血 や 血 漿 製 剤 の 補 充 が 必 要 となります 3) 手 術 操 作 などに 関 連 して 脳 梗 塞 を 起 こし 言 語 障 害 や 半 身 麻 痺 痺 れなどが 一 過 性 あるいは 永 続 性 に 残 ることがあります 4)なお 動 脈 瘤 の 場 所 によっては 以 下 の 症 状 が 出 る 危 険 があります 症 例 によって 異 なりますが 頻 度 はすべて5% 以 下 です 前 交 通 動 脈 瘤 : 嗅 覚 脱 失 記 憶 障 害 人 格 変 化 視 床 下 部 障 害 内 頚 動 脈 瘤 中 大 脳 動 脈 瘤 : 片 麻 痺 失 語 症 動 眼 神 経 麻 痺 視 力 視 野 障 害

椎 骨 動 脈 瘤 : 下 位 脳 神 経 障 害 5) 無 菌 手 術 を 心 がけていますが 手 術 の 際 に 細 菌 の 侵 入 を100% 防 ぐことは 困 難 です 術 後 創 部 感 染 髄 膜 炎 脳 炎 などを 起 こす 可 能 性 があります 術 中 から 抗 生 物 質 を 投 与 し 発 生 予 防 を 頃 がけます 6) 術 後 にてんかん 発 作 (けいれん)が 起 きることがあります その 際 には 抗 てんかん 薬 を 使 用 して 対 処 して 行 きます 7) 中 高 年 の 方 は 特 に 糖 尿 病 高 血 圧 心 疾 患 肺 気 腫 内 分 泌 疾 患 精 神 疾 患 など これまで 顕 在 化 していなかった 疾 患 が 手 術 を 契 機 として 発 症 すること があります その 場 合 は 随 時 対 処 致 しますが 重 症 化 することもあります 8) 脳 外 科 の 手 術 は 比 較 的 長 時 間 の 手 術 が 多 く 同 じ 姿 勢 を 保 ち かつやや 脱 水 気 味 に 状 態 を 保 持 するため 下 肢 の 静 脈 還 流 が 悪 く 深 部 静 脈 血 栓 症 肺 塞 栓 症 (エコノミークラス 症 候 群 )を 起 こす 可 能 性 があります その 予 防 策 として 術 中 から 術 後 に 下 肢 を 間 欠 的 に 圧 迫 して 静 脈 還 流 を 促 進 したり 弾 性 ソックス を 履 いていただきます 上 記 のような 合 併 症 その 他 の 不 利 益 が 生 じたときは 当 院 において 最 善 の 処 置 を 行 います なお これらの 処 置 は 通 常 の 保 険 診 療 となります 代 替 可 能 な 治 療 について 当 院 では くも 膜 下 出 血 に 対 する 治 療 法 として 開 頭 クリッピング 手 術 を 第 一 に 選 択 すべき 治 療 法 としています それゆえ これが 不 可 能 であるなどの 特 段 の 事 情 がない 限 り 開 頭 クリッピング 手 術 をおすすめしています 開 頭 クリッピング 手 術 以 外 の 治 療 法 としては 動 脈 瘤 の 中 にコイルを 詰 めて 治 療 する という 方 法 (コイル 塞 栓 術 )もあります これは カテーテルを 血 管 内 に 挿 入 して 病 変 部 まで 進 行 させて 行 います 両 者 を 比 較 したとき コイル 塞 栓 術 の 方 法 が 開 頭 クリッピングに 比 べて 優 れていると いう 見 解 も 発 表 されています ただ 当 院 では 両 者 には それぞれ 症 例 によって 向 き 不 向 きがあり どちらかが 他 方 より 優 れているとはいえない と 考 えています そこで 開 頭 クリッピング 術 よりも 安 全 に 処 置 を 行 うことができると 判 断 される 場 合 に 限 って コイル 塞 栓 術 による 治 療 を 行 っています なお コイル 塞 栓 術 を 行 う 場 合 で も 開 頭 クリッピング 手 術 と 同 様 に 脳 梗 塞 感 染 症 てんかんなどの 合 併 症 が 発 生 する おそれがあるほか これに 加 えて 次 のような 合 併 症 その 他 の 不 利 益 が 発 生 するおそ れがあります 術 中 出 血 血 管 穿 刺 部 の 皮 下 出 血 血 管 穿 刺 部 に 偽 性 動 脈 瘤 の 発 生

コイル 塞 栓 術 : 内 頸 動 脈 瘤 にコイルをつめている 何 も 治 療 を 行 わなかった 場 合 に 予 想 される 経 過 上 記 のとおり 出 血 した 脳 動 脈 瘤 は 病 院 に 搬 入 された 時 点 では 辛 うじて 止 血 されて いるにとどまり いつ 何 時 再 出 血 するか 全 く 予 測 できない 状 況 にあります 手 術 を 行 わなければ この 状 況 は 変 わりません 出 血 が 血 管 の 周 りに 広 がると 脳 の 血 管 は 自 動 的 に 収 縮 して 破 裂 部 位 からの 出 血 が 抑 えられ 血 栓 と 呼 ばれるカサブタが 張 って 一 時 的 に 止 血 された 状 態 になります しか し この 止 血 も 一 時 的 で 何 かの 拍 子 に 再 び 破 裂 する 可 能 性 が 高 くなります この 場 合 の 死 亡 率 は 非 常 に 高 率 となり 早 急 に 手 術 が 必 要 です 適 切 な 治 療 を 受 けなかった 場 合 は 24 時 間 以 内 ( 特 に 最 初 の6 時 間 以 内 )に 再 出 血 を 起 こすと 考 えられます 再 出 血 を 起 こした 場 合 の 死 亡 率 は 約 50% 再 々 出 血 後 の 死 亡 率 は 約 80% 以 上 といわれてい ます また 破 裂 脳 動 脈 瘤 が2~3 週 間 以 内 に 再 出 血 する 確 率 は 全 体 で 約 30%と 考 えら れます 6ヶ 月 以 内 に50%で 再 出 血 し 10 年 後 に 無 症 状 なのは18%のみと 言 われてい ます いずれにしても 不 安 に 思 われる 点 は 医 師 に 遠 慮 なくご 相 談 ください 誠 意 をもってお 答 えいたします