法 律 建 築 基 準 ~ 借 地 借 家 ~ 原 状 回 復 げんじょうかいふく げんじょうかいふく 賃 貸 物 件 の 退 去 時 に 借 主 が 室 内 に 設 置 した 造 作 などを 自 ら 取 り 除 いて 貸 主 へ 返 還 するこ とです 住 んで 古 くなった 部 屋 を 契 約 当 時 の 状 態 に 戻 すことではありません 国 土 交 通 省 のガイドラインでは 賃 借 人 の 故 意 過 失 善 管 注 意 義 務 違 反 その 他 通 常 の 使 用 を 超 えるような 使 用 による 損 耗 毀 損 を 復 旧 すること と 定 義 しています この 考 え 方 に 従 っ て 借 主 の 不 注 意 で 壊 したり 汚 した 部 分 を 修 繕 することも 原 状 回 復 に 含 むのが 現 在 では 一 般 的 です 原 状 回 復 特 約 げんじょ げんじょうかいふくとくやく うかいふくとくやく 賃 貸 借 契 約 の 中 に 付 帯 的 に 盛 り 込 まれることがある 特 約 の 一 つで 退 去 する 際 に どの 程 度 まで 借 主 の 負 担 で 汚 れや 損 傷 を 修 繕 するかを 定 めたものです 通 常 の 原 状 回 復 義 務 を 超 えて 損 害 賠 償 義 務 を 負 うことを 規 定 しているケースが 多 く 損 害 賠 償 特 約 ともいわれま す 内 容 によって 敷 金 返 還 トラブルの 原 因 になる 可 能 性 がある 項 目 です 国 土 交 通 省 のガ イドラインでは 特 約 に 暴 利 的 でない 客 観 的 合 理 的 な 理 由 があること などを 留 意 点 として 掲 げています 権 利 金 けんりきん けんりきん 賃 貸 借 契 約 をする 場 合 に 地 主 や 家 主 に 対 して 支 払 うのが 権 利 金 です 借 地 権 を 設 定 する ための 対 価 または 地 代 ~ 家 賃 の 前 払 いという 性 格 を 持 ちます いずれの 場 合 も 借 り 手 が 立 ち 退 いた 時 に 貸 し 手 が 返 還 する 必 要 はありません 貸 し 手 側 には 所 有 権 の 売 却 益 と 同 様 に 権 利 金 に 対 して 不 動 産 譲 渡 税 がかかります 借 地 人 が 借 地 権 を 売 却 するときには 権 利 金 に 相 当 する 金 額 が 借 地 権 価 格 になります 借 地 権 価 格 は 更 地 価 格 の 7~9 割 で 大 都 市 圏 ほど 高 くなります 更 新 料 こうしんりょう こうしんりょう 賃 貸 借 契 約 の 更 新 をする 際 に 支 払 う 一 時 金 の 一 種 です 借 地 借 家 法 上 に 明 確 な 規 定 がある わけではないので 仮 に 賃 貸 借 契 約 書 に 更 新 料 にかかわる 条 項 がなければ 借 り 手 は 更 新 料 を 支 払 う 義 務 はありません 契 約 書 に 明 記 してあれば 支 払 わないと 契 約 違 反 になりま す 貸 家 の 場 合 は 新 規 家 賃 の 1~2 か 月 分 の 更 新 料 をあらかじめ 契 約 書 に 盛 り 込 んでいるこ とが 多 いです 借 地 契 約 では 地 代 ではなく 更 地 価 格 ( 時 価 )の 1 割 前 後 の 更 新 料 を 請 求 するケースが 多 いです
敷 金 しききん しききん 賃 貸 借 契 約 で 借 り 手 が 家 賃 を 滞 納 したり 部 屋 の 造 作 を 壊 すなどした 場 合 の 損 害 賠 償 の 支 払 いを 担 保 するために 家 主 に 対 して 預 けるお 金 のことです 保 証 金 と 同 じ 性 格 だが 敷 金 としての 相 場 は 家 賃 の 1~3 か 月 分 になります 契 約 が 終 了 した 時 滞 納 や 修 理 が 必 要 な 損 害 を 与 えないかぎり 無 利 息 で 全 額 返 還 されるのが 原 則 です 部 屋 の 改 装 費 用 を 差 し 引 いて 返 還 する 家 主 もいますが 常 識 的 な 使 い 方 で 経 年 変 化 した 分 の 改 装 費 まで 借 り 手 が 負 担 する 義 務 はありません 借 地 権 しゃくちけん しゃくちけん 建 物 の 所 有 を 目 的 に 地 主 から 土 地 を 借 りて 使 用 する 権 利 のことです 借 地 権 の 契 約 期 間 は 最 低 30 年 以 上 借 地 人 が 更 新 を 求 めた 場 合 同 一 の 条 件 で 契 約 を 更 新 しなければならず 更 新 後 の 契 約 期 間 は 1 度 目 が 20 年 以 上 2 度 目 の 更 新 以 降 は 10 年 以 上 地 主 が 契 約 更 新 を 拒 絶 できるのは 正 当 事 由 がある 場 合 のみとなります 定 期 借 地 権 と 区 別 するために 普 通 借 地 権 ということもあります また 借 地 権 には 地 上 権 と 土 地 賃 借 権 の 2 つの 種 類 があり ます 借 地 権 割 合 しゃくちけんわりあい しゃくちけんわりあい 土 地 の 権 利 が 借 地 権 の 場 合 に 更 地 の 時 価 に 対 する 借 地 権 価 格 の 割 合 を 意 味 します 市 場 では 地 価 の 高 い 地 域 ほど 借 地 権 割 合 も 高 くなり 相 対 的 に 底 地 評 価 が 低 くなります 商 業 地 では 8~9 割 住 宅 地 では 6~7 割 程 度 の 場 合 が 多 いです 相 続 税 評 価 では 路 線 価 の 設 定 された 地 域 ごとに 借 地 権 割 合 が 設 定 されていますので 目 安 を 知 るには 路 線 価 が 有 効 で す ただ 市 場 における 借 地 権 割 合 と 税 務 上 の 借 地 権 割 合 は 必 ずしも 一 致 するとは 限 りま せん 借 地 借 家 法 しゃくちしゃっかほう しゃくちしゃっかほう 借 地 や 借 家 の 権 利 関 係 契 約 に 関 して 定 めた 法 律 のことです もともとは 大 正 10(1921) 年 に 借 地 法 借 家 法 が 独 立 した 形 で 制 定 されました いずれも 借 り 手 側 の 保 護 に 重 点 が 置 かれています 特 に 正 当 事 由 制 度 によって 過 度 に 借 り 手 が 守 られ 一 度 貸 したら 二 度 と 戻 らないという 意 識 が 生 まれ 土 地 活 用 が 進 まないという 議 論 が 活 発 化 平 成 3(1991) 年 に 借 地 法 借 家 法 が 廃 止 定 期 借 地 権 制 度 が 盛 り 込 まれた 新 借 地 借 家 法 が 誕 生 しました
修 繕 特 約 しゅうぜんとくやく しゅうぜんとくやく 賃 貸 借 契 約 の 中 に 付 帯 的 に 盛 り 込 まれることがある 特 約 の 一 つで 入 居 中 に 生 じた 損 耗 や 故 障 などについて 一 定 の 範 囲 内 の 修 繕 を 借 主 の 負 担 にすることを 定 めたものです 本 来 貸 主 の 負 担 で 修 繕 するべき 経 年 変 化 や 自 然 損 耗 についても 特 約 に 盛 り 込 んでいる 場 合 があ るので 注 意 が 必 要 です 一 般 に 畳 表 や 襖 の 張 り 替 えなどの 小 修 繕 までが 借 主 の 負 担 壁 紙 やカーペットの 張 り 替 え 設 備 機 器 の 交 換 などの 借 主 に 過 失 のない 場 合 の 大 修 繕 は 貸 主 の 負 担 となります 底 地 そこち そこち 借 地 権 がついた 宅 地 の 所 有 権 のことです 更 地 のように 土 地 所 有 者 が 自 由 に 利 用 したり 転 売 したりできる 完 全 所 有 権 とは 違 い 借 地 権 者 との 関 係 で 利 用 上 の 制 約 を 受 けること 借 地 権 者 以 外 の 第 三 者 に 底 地 だけを 売 却 することが 難 しいことから 不 完 全 所 有 権 といわれま す 底 地 の 価 格 は 更 地 の 時 価 から 借 地 権 価 格 を 差 し 引 いた 金 額 に 相 当 します また 相 続 税 評 価 額 も 借 地 権 割 合 を 控 除 した 価 額 になります 大 都 市 圏 の 都 心 に 近 いほど 評 価 は 低 いです 地 上 権 ちじょうけん ちじょうけん 借 地 権 の 種 類 のひとつです 地 代 を 支 払 う 義 務 はあるが 地 主 に 断 ることなく 自 由 に 売 買 したり また 貸 しや 建 て 替 えが 可 能 です 地 上 権 を 設 定 すると 地 主 に 登 記 を 請 求 すること ができるので 抵 当 権 を 設 定 して 地 上 権 を 担 保 に 融 資 を 受 けることもできます 借 地 人 の 力 が 強 く 所 有 権 に 近 いです 民 法 では 地 上 権 を 他 人 の 土 地 に 於 て 工 作 物 または 竹 木 を 所 有 するためその 土 地 を 使 用 する 権 利 と 規 定 しており 所 有 権 と 同 じ 物 権 に 分 類 さ れています 定 期 借 地 権 ていきしゃくちけん ていきしゃくちけん 契 約 期 限 が 来 た 時 に 契 約 の 更 新 がなく 建 物 を 取 り 壊 して 更 地 にして 返 還 する 必 要 がある 借 地 権 のことです 契 約 期 間 の 延 長 がなく 立 退 料 の 請 求 もできません 借 地 借 家 法 では 次 の 3 つの 種 類 が 規 定 されています 契 約 期 間 が 50 年 以 上 の 一 般 定 期 借 地 権 同 10 年 以 上 50 年 以 下 の 事 業 用 借 地 権 そして 同 30 年 以 上 で 建 物 付 で 土 地 を 返 還 できる 条 件 の 付 いた 建 物 譲 渡 特 約 付 借 地 権 新 築 住 宅 の 供 給 では 一 般 定 期 借 地 権 のタイプが 一 番 多 いです
定 期 借 地 権 住 宅 ていきしゃくちけんじゅうたく ていきしゃくちけんじゅうたく 定 期 借 地 権 付 きの 建 売 住 宅 と 定 期 借 地 権 の 土 地 を 建 築 条 件 付 で 分 譲 して 注 文 建 築 で 新 築 一 戸 建 てを 建 てる 場 合 があります 契 約 内 容 は 契 約 期 間 50 年 前 後 の 一 般 定 期 借 地 権 がほ とんどです 地 代 は 2 万 ~4 万 円 台 が 中 心 で 一 時 金 を 含 めた 総 額 は 所 有 権 分 譲 の 場 合 の 4~5 割 程 度 低 めとなります 一 時 金 は 保 証 金 のタイプが 中 心 で 数 百 万 円 から 2000 万 円 程 度 が 多 いです 所 有 権 分 譲 に 比 べて 同 じレベルの 価 格 帯 なら 建 物 のグレードは 高 めにな っています 定 期 借 家 権 ていきしゃっかけん ていきしゃっかけん 契 約 更 新 のない 定 期 建 物 賃 貸 借 権 のことです 契 約 期 間 の 上 限 はありません 定 期 借 地 権 のように 借 地 借 家 法 に 権 利 として 規 定 されているわけではなく 同 法 38 条 に 定 期 借 家 契 約 ができると 定 められています 契 約 を 結 ぶ 際 に 家 主 は 借 家 人 に 対 して 公 正 証 書 などの 書 面 を 公 布 して 更 新 がなく 期 間 満 了 により 終 了 する ことを 説 明 する 義 務 があります また 契 約 終 了 の 1 年 前 から 6 か 月 前 までの 期 間 に 契 約 終 了 の 通 知 をする 必 要 があります 土 地 賃 借 権 とちちんしゃくけん とちちんしゃくけん 2 種 類 ある 借 地 権 のうちのひとつです 地 上 権 とは 違 い 売 却 や 転 貸 建 て 替 えの 際 には 地 主 の 承 諾 が 必 要 になります 売 却 や 建 て 替 えの 承 諾 を 得 るために 借 地 権 価 格 の 1 割 程 度 の 承 諾 料 を 支 払 うのが 一 般 的 です 土 地 賃 借 権 には 抵 当 権 の 設 定 はできないし 地 主 は 賃 借 権 を 登 記 する 必 要 はありません ただ 定 期 借 地 権 の 場 合 は 登 記 されるケースが 多 いで す なお 賃 借 権 の 法 的 性 格 は 賃 貸 借 契 約 によって 対 価 を 払 って 使 用 できる 権 利 で 債 権 に 当 たります 保 証 金 ほしょうきん ほしょうきん 契 約 を 守 ることを 担 保 するために 支 払 うお 金 を 一 般 に 保 証 金 といいます 契 約 終 了 後 に 無 利 息 で 返 還 されるのが 普 通 です 全 額 返 還 せず 1~3 割 償 却 されるケースもあります 不 動 産 の 世 界 では 敷 金 とほぼ 同 じ 意 味 です 貸 家 の 場 合 関 東 方 面 では 敷 金 関 西 方 面 では 保 証 金 という 言 葉 を 使 います(ビル 等 の 場 合 は 関 東 でも 保 証 金 ) 貸 家 の 保 証 金 の 相 場 は 家 賃 の 3~10 か 月 分 借 地 の 場 合 普 通 借 地 権 では 権 利 金 定 期 借 地 権 では 保 証 金 の 割 合 が 高 いです
礼 金 れいきん れいきん 賃 貸 住 宅 に 入 居 する 際 に 家 主 に 支 払 う 一 時 金 のひとつです 関 西 では 保 証 金 の 償 却 に 当 たります 敷 金 や 保 証 金 のように 契 約 期 間 が 終 了 しても 返 還 されることはありません 現 在 は 賃 貸 住 宅 の 供 給 が 増 えて 借 り 手 市 場 になりつつありますが 以 前 は 貸 し 手 = 家 主 の 力 が 強 かったために 発 生 した 金 銭 とされます 昔 は 領 収 書 を 出 さない 権 利 金 だったという 説 もあります 法 的 な 裏 付 けはありません 現 在 でも 家 賃 の 1~2 か 月 分 の 礼 金 を 取 ることが 多 いが 礼 金 なしの 賃 貸 住 宅 もあります