平 成 25 年 度 第 4 学 年 耳 鼻 咽 喉 科 学 定 期 試 験 ( 本 試 験 ) 1. 眼 振 ( 眼 球 振 盪 ;Nystagmus)の 急 速 相 と 緩 徐 相 の 違 いについて 知 るところを 述 べ 内 耳 障 害 に 伴 う 眼 振 と 平 衡 障 害 の 特 徴 について 述 べよ 眼 振 は 急 速 な 眼 球 運 動 ( 急 速 相 )と 緩 徐 な 運 動 ( 緩 徐 相 )の 2 つの 要 素 からなり 眼 振 の 方 向 は 急 速 相 の 向 きと 定 義 される 急 速 相 は 眼 球 の 反 射 的 復 元 運 動 であり 緩 徐 相 は 向 き が 体 幹 の 偏 倚 方 向 に 一 致 する 内 耳 障 害 は 眼 振 を 伴 うことが 多 いが 小 脳 脳 幹 の 前 庭 系 は 正 常 であるので 非 注 視 眼 振 検 査 で 眼 振 が 現 れ 注 視 眼 振 検 査 では 眼 振 が 現 れにくい これは 内 耳 に 障 害 が 起 こると 小 脳 や 脳 幹 の 働 きによって 物 を 注 視 することで 眼 振 を 抑 えようとするからである また 内 耳 障 害 によるめまいは 回 転 性 の 場 合 が 多 いが そうでない 場 合 もある 2. アレルギーの 特 異 抗 原 の 検 索 方 法 と 北 海 道 の 花 粉 症 の 主 要 抗 原 について 述 べよ 2009 解 答 より アレルギーの 特 異 抗 原 検 索 方 法 には 皮 内 テスト RAST 鼻 粘 膜 誘 発 テストの 3 つのテスト がある 皮 内 テストはいろいろな 抗 原 抽 出 液 を 皮 内 に 注 射 することで 原 因 となる 抗 原 を 特 定 する 方 法 である 抗 原 ごとに 注 射 針 を 変 えなければならないことが 短 所 RAST(Radio allergosorbent test)は 試 験 管 内 血 清 抗 体 を 定 量 する 方 法 で 一 度 の 採 血 で 様 々 な 抗 原 を 調 べることができる 感 度 もよく 皮 内 テストとの 一 致 率 は 80% 程 度 であるため よく 用 いられる 鼻 粘 膜 誘 発 テストは 抗 原 を 染 み 込 ませた 濾 紙 を 下 鼻 甲 介 に 貼 る これによって くしゃみ 水 様 性 鼻 汁 鼻 閉 などが 誘 発 されるかをみる 疼 痛 はほとんどなく 簡 便 である しかし 一 つの 抗 原 に 対 し 検 査 が 10 数 分 かかることや 抗 ヒスタミン 剤 を 服 用 していると 行 えない ことが 短 所 である 北 海 道 における 花 粉 症 の 主 要 抗 原 はスギではなくシラカバがほとんどで 他 にカモガヤやヨ モギも 原 因 となる 2007 シケタイ * 症 状 1. 主 要 症 状 :くしゃみ 水 様 性 鼻 汁 鼻 閉 2.その 他 の 鼻 症 状 : 鼻 出 血 鼻 痛 痒 感 3. 眼 症 状 : 眼 痛 痒 感 流 涙 充 血 4. 咽 頭 症 状 : 痛 痒 感 風 邪 とアレルギー 性 鼻 炎 の 違 い: 症 状 の 違 い 発 熱 頭 痛 前 進 倦 怠 感 咽 頭 痛 など
* 分 類 a. 複 合 型 1)アレルギー 性 鼻 アレルギー 症 状 ( 主 要 症 状 のこと)があり 原 因 物 質 が 特 定 できるもの 鼻 汁 に 抗 原 (+) 好 酸 球 (+) 通 年 性 アレルギー( 主 要 抗 原 ダニ(ヤケヒョウダニ コナヒョウダニ) ハウスダスト( 多 い)) 季 節 性 アレルギー( 主 要 抗 原 花 粉 ) 花 粉 症 の 主 要 抗 原 スギ 飛 散 時 期 2-4 月 ( 主 に 本 州 ) シラカバ 4-5 月 ( 北 海 道 のみ) カモガヤ 6-8 月 ヨモギ 8-9 月 北 海 道 では 花 粉 症 の50%がシラカバ 花 粉 による 北 海 道 と 沖 縄 を 除 いて スギ 花 粉 が 最 も 多 いが 北 海 道 ではほとんどない シラカバアレルギーの50%に OAS(Oral Allergy Syndrome)を 合 併 する シラカバ 花 粉 抗 原 の 中 でも Bet v1 Bet v2(プロフィリン)という 抗 原 が 重 要 で Bet v1 はバラ 科 の 果 物 (リンゴ サクランボ モモ アンズ プラム 西 洋 なし)の Bet v2 は バラ 科 以 外 の 果 物 (メロン スイカ バナナ トマトなど)のタンパクと DNA の 相 同 性 が 高 く それぞれの IgE 陽 性 症 例 において 対 応 する 食 物 との OAS を 合 併 しやすい また 花 粉 症 を 伴 わない OAS では LTP(Lipid Transfer Peptidase)が 重 要 な 抗 原 である ペプシンに 耐 性 があり 消 化 されないが 加 熱 すると 変 性 する アナフィラキシー 等 の 全 身 症 状 を 伴 うことが 多 く 重 症 化 しやすい 2) 非 アレルギー 性 原 因 物 質 が 特 定 できないもの 抗 原 (-) 好 酸 球 (+): 好 酸 球 増 多 性 鼻 炎 ( 喘 息 患 者 の70%がこのタイプ) 抗 原 (-) 好 酸 球 (-): 血 管 運 動 性 鼻 炎 b. 鼻 漏 型 冷 気 吸 入 性 鼻 炎 c.うっ 血 型 妊 娠 性 鼻 炎 薬 物 性 鼻 炎 d. 浮 腫 型 アスピリン 過 敏 症 (アスピリン 喘 息 患 者 にみられる) * 診 断 1. 問 診 2. 特 異 的 IgE の 検 出 3.Skin Prick Test 4.チャレンジ Test
抗 原 を 調 べるための 検 査 RAST 血 清 中 の 特 異 的 IgE を 調 べる 感 度 がよい 皮 内 テスト 感 度 はよいが 時 に 偽 陽 性 を 示 す 侵 襲 がある( 痛 い) スクラッチテスト 皮 内 テストに 比 べ 感 度 が 悪 い 時 に 偽 陰 性 を 示 す これらは 抗 原 抽 出 液 を 皮 内 に 注 射 または 引 っかき 傷 をつくり その 上 に 滴 下 することで 陽 性 がでたものを 起 因 抗 原 である 可 能 性 が 高 いと 判 断 する * 治 療 1. 抗 原 の 除 去 と 回 避 2. 薬 物 療 法 有 効 性 が 高 く 早 期 に 効 果 が 期 待 できるが 毎 日 の 服 用 を 必 要 とすること が 多 い 対 症 療 法 である 1 抗 ヒスタミン 剤 第 1 世 代 :BBB を 通 過 する 眠 気 口 が 渇 く 即 効 性 第 2 世 代 : 第 1 世 代 より 効 果 が 強 い 最 もよく 使 われる 糖 尿 病 と 前 立 腺 肥 大 緑 内 障 には 禁 忌 2LTs 拮 抗 薬 TXA2 拮 抗 薬 くしゃみ 鼻 汁 鼻 閉 に 有 効 やや 遅 効 性 3 局 所 ステロイド 剤 強 い 鼻 症 状 に 対 し 最 も 臨 床 効 果 が 高 いが 噴 霧 時 の 鼻 内 刺 激 症 状 を 伴 うことがある 薬 による 効 果 発 現 時 期 第 1 世 代 :10-20 分 ( 即 効 性 が 高 い) 第 2 世 代 局 所 ステロイド 剤 :1-2 日 全 身 ステロイド 剤 :2-3 日 Ts 拮 抗 薬 TXA2 拮 抗 薬 : 約 1 週 間 経 口 ケミカルメディエーター( 副 作 用 少 ない): 約 2 週 間 3. 減 感 作 療 法 中 等 度 以 上 の 鼻 炎 が 対 象 維 持 量 に 達 すると 月 1 回 の 注 射 でコントロールでき 妊 娠 中 で も 治 療 の 継 続 が 可 能 であるが 維 持 量 に 達 するまで 週 1-2 回 の 通 院 が 必 要 である(3 年 間 続 けると50%が 完 治 する) 効 果 は3ヶ 月 以 降 まで 見 られない まれながら 重 篤 な 副 作 用 (アナフィラキシー 反 応 )を 起 こすことがある ハウスダストには 有 効 だが スギ 花 粉 にはあまり 効 かない 4. 手 術 療 法 レーザー 治 療 (90%の 患 者 に 有 効 ) 下 鼻 甲 介 切 除 術 ( 粘 膜 を 取 る) 高 周 波 電 気 凝 固 術 TCA(トリクロル 酢 酸 ) 化 学 剤 手 術
3. 伝 音 難 聴 をきたす 疾 患 をひとつ 挙 げ 1) 病 態 成 因,2) 症 状,3) 検 査 所 見, 4) 治 療 法 について 簡 潔 に 述 べよ 伝 音 難 聴 としては 急 性 中 耳 炎 があげられる 病 態 は 発 熱 耳 痛 耳 漏 などの 風 邪 症 状 が 見 られる 肺 炎 球 菌 インフルエンザ 菌 カタラーリス 菌 の 三 大 起 因 炎 菌 が 耳 管 を 経 て 内 耳 に 進 入 する 事 で 病 気 を 引 き 起 こす 治 療 は 排 膿 抗 菌 薬 投 与 などを 行 う 4. 扁 桃 病 巣 疾 患 の 概 念,および,その 三 大 疾 患 について 述 べよ 2007 年 シケタイより 扁 桃 病 巣 感 染 症 ( 病 巣 性 扁 桃 炎 )) 病 巣 性 とは 限 局 性 に 存 在 する 慢 性 の 炎 症 巣 のこと 自 覚 症 状 はないが 炎 症 が 波 及 するた め 反 応 性 に 二 次 的 な 疾 患 を 引 き 起 こすもの 扁 桃 が 病 巣 のときは 扁 桃 病 巣 感 染 症 扁 桃 病 巣 感 染 症 では 扁 桃 自 体 の 症 状 はほとんどないにもかかわらず 皮 膚 腎 臓 関 節 など にさまざまな 障 害 が 起 きてしまう その 二 次 的 疾 患 を 具 体 的 に 挙 げると 掌 蹠 膿 疱 症 尋 常 性 乾 癬 IgA 腎 症 胸 骨 鎖 骨 過 形 成 症 などがある このように 遠 隔 臓 器 に 病 変 を 発 生 する 機 序 としては 菌 体 ないしその 産 生 物 が 血 行 リンパ 行 性 に 運 ばれるとする 説 あるいは 抗 原 性 物 質 が 抗 原 抗 体 反 応 を 引 き 起 こすとする 説 とがある 治 療 法 は 扁 桃 自 体 が 病 巣 の なってしまっているため 扁 桃 摘 出 術 * 掌 蹠 膿 疱 症 : 手 掌 と 足 蹠 に 米 粒 大 の 無 菌 性 膿 疱 や 水 疱 が 出 現 する 皮 膚 疾 患 * 胸 骨 鎖 骨 過 形 成 症 : 胸 骨 鎖 骨 に 異 常 骨 化 が 生 じ これらの 部 位 で 疼 痛 を 訴 える 疾 患 緩 解 憎 悪 を 繰 り 返 し 徐 々に 進 行 扁 桃 病 巣 感 染 症 の 検 査 扁 桃 誘 発 試 験 扁 桃 を 直 接 刺 激 2 次 的 疾 患 の 変 化 や 体 温 血 液 などを 調 べる 憎 悪 で 陽 性 超 短 波 誘 発 試 験 やマッサージ 法 など 扁 桃 打 消 試 験 扁 桃 の 炎 症 を 抑 え 2 次 的 疾 患 の 変 化 や 体 温 血 液 などを 調 べる 軽 快 で 陽 性 陰 窩 洗 浄 法 レーダー 吸 引 法 インプレトール 法 など 扁 桃 摘 出 術 による 効 果 (ア) 掌 蹠 膿 疱 症 : 消 失 率 46% 改 善 率 90% 適 用 は 掌 蹠 膿 疱 症 の 確 定 診 断 と 中 程 度 以 上 の 重 症 度 が 必 須 (イ) 胸 骨 鎖 骨 過 形 成 症 : 疼 痛 の 消 失 率 52% 改 善 率 81%
(ウ) IgA 腎 症 : 蛋 白 尿 の 改 善 率 48 70% 血 尿 の 改 善 率 52 82% 実 際 には 扁 摘 だけ ではなくステロイドパルス 療 法 と 併 用 適 用 は 腎 生 検 による 確 定 診 断 と 重 症 度 Ⅰ 群 ~Ⅲ 群 血 清 クレアチニン 値 が 2.0mg/dl 以 下 が 必 須 5. 気 管 切 開 の 適 応 と 合 併 症 について 述 べよ 2009 解 答 より < 適 応 > 1 喉 頭 狭 窄 閉 塞 をきたす 疾 患 ( 喉 頭 癌 下 咽 頭 癌 仮 性 クループ 急 性 喉 頭 蓋 炎 ) 2 喀 出 困 難 な 下 気 道 の 粘 着 物 3 下 気 道 に 原 因 のある 疾 患 4 中 枢 性 末 梢 性 の 原 因 による 呼 吸 困 難 5 頭 頚 部 手 術 に 際 しての 気 道 確 保 6 誤 嚥 による 肺 炎 の 防 止 < 合 併 症 > 1 出 血 2 呼 吸 困 難 3 皮 下 血 腫 縦 隔 気 腫 4 感 染 5 食 道 損 傷 6 気 管 カニューレ 抜 去 困 難 症 7 腕 頭 動 脈 損 傷 気 管 カニューレ 抜 去 困 難 症 とは 長 期 の 期 間 内 挿 管 によって 甲 状 輪 状 軟 骨 が 肉 芽 で 置 き 換 えられて カニューレを 抜 くと 呼 吸 困 難 になる 疾 患 である この 場 合 チューブやステン トで 枠 組 みを 作 ったり 軟 骨 移 植 が 必 要 になる 2007 年 シケタイより 気 管 切 開 とは 1. 喉 頭 より 上 位 の 気 道 閉 塞 に 対 し バイパスを 作 成 気 道 を 確 保 する 2. 喉 頭 を 避 けて 直 接 下 気 道 に 経 路 を 作 る 1 下 気 道 の 異 物 貯 留 物 の 除 去 を 容 易 にする 2 気 道 の 死 腔 気 道 抵 抗 を 減 少 させる 3 長 期 間 の 人 口 呼 吸 管 理 を 容 易 にする
3. 下 気 道 を 上 気 道 から 分 離 する 1 誤 嚥 の 防 止 2 頭 頚 部 手 術 の 際 の 挿 管 呼 吸 管 理 など の 目 的 のため 気 管 前 壁 に 切 開 をいれカニューレなどのチューブを 挿 入 する 手 技 適 応 1. 喉 頭 狭 窄 閉 塞 をきたす 各 種 疾 患 : 喉 頭 外 傷 喉 頭 癌 急 性 喉 頭 蓋 炎 仮 性 クル ープなど 2. 喀 出 困 難 な 下 気 道 の 分 泌 物 : 肺 炎 肺 水 腫 3. 下 気 道 に 原 因 のある 各 種 疾 患 : 気 管 外 傷 気 管 気 管 支 異 物 慢 性 呼 吸 器 疾 患 etc 4. 中 枢 性 末 梢 性 の 原 因 による 呼 吸 困 難 :ALS 進 行 性 筋 ジストロフィーetc 5. その 他 頭 頚 部 手 術 に 際 し 挿 管 術 後 の 気 道 確 保 : 傷 跡 がはれるため 口 からの 挿 管 が 困 難 なため 6. 誤 嚥 による 肺 炎 の 防 止 : 意 識 消 失 者 など 術 式 切 開 部 分 と 甲 状 腺 の 位 置 によって 上 中 下 と 分 かれている 上 気 管 切 開 : 甲 状 腺 峽 部 の 上 で 気 管 を 開 く 小 児 には 禁 忌 中 気 管 切 開 : 甲 状 腺 峽 部 を 切 断 し 気 管 を 開 く 最 も 一 般 的 下 気 管 切 開 : 甲 状 腺 峽 部 の 下 で 気 管 を 開 く 全 ての 方 法 において 切 開 の 際 輪 状 軟 骨 を 傷 つけないように 注 意 輪 状 軟 骨 は 気 管 を 丸 く たもっている 特 に 小 児 は 気 管 が 短 く 甲 状 腺 と 輪 状 軟 骨 の 間 が 狭 いため 小 児 では 下 気 管 切 開 が 主 である 気 管 の 切 開 の 仕 方 は 縦 一 文 字 や 十 字 型 など 術 者 の 好 みでさまざまだが 楕 円 型 と 三 角 型 は 小 児 では 狭 窄 をひきおこすため 禁 忌 である <Jackson の 三 角 > 輪 状 軟 骨 下 縁 から 胸 骨 上 部 陥 凹 の 間 の 三 角 形 で その 中 央 部 ( 甲 状 腺 の 辺 り)は 切 開 して も 安 全 である 一 切 の 確 認 が 不 要 なので 緊 急 切 開 に 適 する 合 併 症 出 血 : 血 管 の 損 傷 不 十 分 な 甲 状 腺 の 損 傷 ( 甲 状 腺 は 脳 につぐ 血 流 量 をもつ) 呼 吸 困 難 : 凝 血 塊 や 気 道 の 乾 燥 による 分 泌 物 のため
皮 下 気 腫 縦 隔 気 腫 : 狭 い 縫 合 などでカニューレと 切 開 口 のすきまから 漏 れた 空 気 が 逃 げ 道 を 失 うことによる 通 常 は 吸 収 されるが 縦 隔 気 腫 は 重 篤 になることもある 気 管 カニューレ 抜 去 困 難 症 :カフやカニューレの 長 期 圧 迫 による 血 流 減 少 壊 死 肉 芽 形 成 によっての 気 管 狭 窄 特 に 小 児 に 多 い 腕 頭 動 脈 損 傷 : 挿 入 の 際 カニューレによって 圧 迫 傷 つけてしまう 致 命 的 他 無 気 肺 感 染 食 道 損 傷 など < 気 切 の 適 応 疾 患 に 関 して> 急 性 喉 頭 蓋 炎 ~ 急 性 声 門 上 喉 頭 炎 とも 幼 児 に 多 発 成 人 にもみられる 起 炎 菌 :インフルエンザ 菌 ブドウ 状 球 菌 溶 連 菌 肺 炎 球 菌 など 症 状 : 発 熱 喉 頭 痛 嚥 下 痛 が 著 明 吸 気 性 喘 鳴 呼 吸 困 難 となると 幼 児 では 致 命 的 治 療 : 呼 吸 困 難 感 が 生 じれば 入 院 気 道 確 保 全 身 管 理 喉 頭 蓋 が 腫 れるため 口 から の 挿 管 は 不 可 であるため 気 管 切 開 の 時 期 の 判 断 が 重 要 急 性 声 門 下 喉 頭 炎 ( 仮 性 クループ)~ 幼 少 時 の 急 性 喉 頭 炎 で 好 発 主 病 変 は 声 門 下 起 炎 菌 :パラインフルエンザ 菌 が 主 体 症 状 : 吸 気 性 呼 吸 困 難 ( 主 に 夜 間 ) 犬 吠 様 咳 嗽 喘 鳴 嗄 声 からチアノーゼなど 治 療 : 抗 生 剤 投 与 ステロイド 剤 ときに 気 管 切 開 喉 頭 膿 瘍 急 性 喉 頭 軟 骨 膜 炎 急 性 蜂 巣 織 炎 性 喉 頭 炎 原 因 : 異 物 の 刺 入 から 感 染 ( 原 発 性 )や 炎 症 の 伝 播 など( 続 発 性 ) 放 射 線 治 療 などに 併 発 する 場 合 など 症 状 : 痛 み( 主 に 嚥 下 痛 ) 発 熱 声 門 付 近 におよぶと 呼 吸 困 難 治 療 : 気 道 確 保 全 身 管 理 大 量 の 抗 生 剤 投 与 後 遺 症 : 重 篤 なものでは 喉 頭 枠 組 みの 軟 骨 群 の 壊 死 変 形 クループ 症 候 群 炎 症 により 急 性 の 喉 頭 狭 窄 をきたし 吸 気 性 喘 鳴 や 犬 吠 様 咳 嗽 をきたす 一 連 の 疾 患 ジフ テリア 感 染 による 真 性 クループ は 最 近 ほとんどみられず かつての 仮 性 クループも 含 め 現 在 はひとまとめにクループ 症 候 群 と 称 される 原 因 疾 患 : 急 性 喉 頭 蓋 炎 急 性 喉 頭 炎 声 門 下 喉 頭 円 喉 頭 気 管 炎 喉 頭 気 管 気 管 支 炎 喉 頭 ジフテリア
6. 下 咽 頭 癌 の 診 断 と 治 療 について 部 位 別 病 期 別 に 述 べよ 2007 シケタイより 下 咽 頭 癌 病 因 男 性 では 喫 煙 と 飲 酒 が 女 性 では Plummer-Vinson 症 候 群 が 危 険 因 子 である 病 理 大 部 分 が 扁 平 上 皮 癌 である 亜 部 位 梨 状 陥 凹 (75%) 男 性 に 多 い 輪 状 後 部 (15%) 女 性 に 多 い 後 壁 (10%) 症 状 初 期 に 症 状 が 現 れにくいために 進 行 癌 が 多 い 初 期 症 状 としては 咽 喉 頭 異 常 感 咽 頭 痛 を 認 める 比 較 的 進 行 すれば 嚥 下 痛 や 通 過 障 害 を 認 める 重 複 癌 30%にみられる 食 道 癌 がもっとも 多 い 遠 隔 転 移 肺 転 移 が 最 も 多 く 肝 や 骨 にも 認 める 死 因 遠 隔 転 移 が 最 も 多 く 次 に 咽 後 リンパ 節 転 移 と 頚 部 リンパ 節 転 移 が 多 い また 他 癌 死 の 死 亡 も 多 い 予 後 頭 頚 部 癌 の 中 でももっとも 予 後 不 良 の 疾 患 の 一 つである 5 年 粗 生 存 率 は 40% 前 後 が 現 在 の 標 準 的 治 療 成 績 である N 因 子 ( 頸 部 リンパ 節 転 移 個 数 4 個 以 上 の 症 例 の 生 存 率 は 10% 前 後 )が 予 後 におけ るハイリスクファクターである 治 療 早 期 癌 に 対 しては 放 射 線 治 療 が 第 一 選 択 であり 進 行 癌 に 対 しては 手 術 治 療 が 主 体 となる ( 試 案 ) T1,2N0 放 射 線 治 療 または 喉 頭 温 存 下 咽 頭 部 分 切 除 術 T1,2N1,2 喉 頭 温 存 下 咽 頭 部 分 切 除 術 T3,4N1,2 下 咽 頭 喉 頭 摘 出 術 または 喉 頭 温 存 下 咽 頭 温 存 下 咽 頭 部 分 切 除 術 AnyTN3 下 咽 頭 喉 頭 摘 出 術 再 建 遊 離 空 腸 が 瘻 孔 と 吻 合 部 狭 窄 が 生 じにくいため 第 一 選 択 となっている 遊 離 前 腕 皮 弁 は 開 腹 の 必 要 がなく 手 術 侵 襲 が 少 ない 胃 管 は 食 道 癌 を 重 複 している 症 例 に 対 して 選 択 されることが 多 い
7. 耳 下 腺 腫 瘍 について 知 るところを 述 べよ 2009 年 本 試 解 答 より 3 種 類 の 大 唾 液 腺 ( 耳 下 腺 顎 下 腺 舌 下 腺 )のうち 耳 下 腺 での 発 生 率 が 最 も 高 く 良 性 腫 瘍 悪 性 腫 瘍 のどちらも 多 形 腺 腫 に 代 表 されるようにさまざまな 組 織 像 を 呈 するの が 特 徴 である また 耳 下 腺 は 良 性 腫 瘍 の 比 率 がほかの 唾 液 腺 に 比 べ 多 いのが 特 徴 である 良 性 腫 瘍 では 1, 良 性 混 合 腫 瘍 ( 多 形 性 腫 瘍 ) 発 育 緩 徐 頻 度 としては 一 番 多 い 2, 単 形 性 腺 腫 3, 粘 表 皮 様 腫 瘍 (ワルチン 腫 瘍 など) 4, 脂 肪 腫 血 管 腫 など 悪 性 では 1 扁 平 上 皮 ガン 2 腺 ガン これにも 組 織 によって, 腺 様 襄 胞 ガン, 腺 房 細 胞 ガン, 酸 好 酸 ガンなど) 3 悪 性 混 合 腫 瘍 4 粘 表 皮 様 ガン 5 本 来 の 耳 下 腺 組 織 以 外 の 腫 瘍 たとえば 悪 性 リンパ 腫 など 病 因 不 明 診 断 唾 液 腺 造 影 法 のほかに 超 音 波 RI シンチグラム X 線 CT MRI などの 画 像 診 断 さ らに 穿 刺 吸 引 細 胞 診 を 加 えれば 診 断 の 精 度 が 高 まる 画 像 診 断 のうち 頻 用 されるのは 超 音 波 CT MRI である この 中 でも MRI が 多 方 向 からの 撮 像 が 可 能 であることや 濃 度 分 解 能 がすぐれているから もっとも 判 定 に 適 している また 超 音 波 断 層 法 も 良 悪 の 鑑 別 にすぐれているし のう 胞 の 診 断 にもすぐ れているので 両 者 を 組 み 合 わせることが 多 い 治 療 通 常 良 悪 を 問 わず 摘 出 手 術 が 第 一 選 択 とされる 良 性 腫 瘍 では 浅 葉 切 除 あるいは 深 葉 切 除 が 原 則 である 悪 性 腫 瘍 では 組 織 の 悪 性 度 により 切 除 範 囲 が 異 なり 高 分 化 粘 表 皮 癌 腺 房 細 胞 癌 では 耳 下 腺 全 摘 出 術 を 行 うが その 他 の 悪 性 腫 瘍 では 腫 瘍 の 進 展 度 顔 面 神 経 との 癒 着 の 有 無 耳 下 腺 周 囲 組 織 への 浸 潤 の 程 度 に 応 じて 耳 下 腺 全 摘 から 下 顎 骨 周 囲 筋 組 織 を 含 めた 拡 大 全 摘 と 頚 部 郭 清 術 併 用 まで 適 宜 選 択 する 術 中 の 所 見 によって 放 射 線 治 療 あるいは 化 学 療 法 を 追 加 する