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平 成 27 年 度 政 策 研 究 グループ 17 研 究 報 告 書 特 殊 詐 欺 悪 質 商 法 被 害 の 未 然 防 止 の た め の 新 たな 被 害 防 止 対 策 の 研 究 ~オレオレ 詐 欺 被 害 0(ゼロ)を 目 指 して~ グループメンバー 県 民 文 化 部 くらし 安 全 消 費 生 活 課 佐 久 保 健 福 祉 事 務 所 福 祉 課 畜 産 試 験 場 県 民 文 化 部 くらし 安 全 消 費 生 活 課 県 民 文 化 部 くらし 安 全 消 費 生 活 課 県 民 文 化 部 くらし 安 全 消 費 生 活 課 松 原 寛 新 海 拓 也 高 野 美 恵 子 日 高 慶 子 坂 井 田 慧 田 中 利 彦

1 はじめに 目 次 2 特 殊 詐 欺 の 意 義 と 手 口 分 類 3 長 野 県 における 特 殊 詐 欺 被 害 状 況 (1) 平 成 25 年 ~26 年 の 被 害 状 況 (2) 平 成 27 年 4 月 末 ( 政 策 研 究 開 始 時 )までの 被 害 状 況 と 発 生 傾 向 (3) 平 成 27 年 7 月 末 までの 被 害 状 況 と 発 生 傾 向 4 ありたい 姿 ~ オレオレ 詐 欺 被 害 ゼロを 目 指 して~ 5 考 察 ~なぜ 被 害 が 減 らないのか?~ (1) 被 害 者 の 意 識 ~ 自 分 だけはだまされない? ~ (2) 高 齢 者 だけが 気 を 付 ければ 被 害 は 防 止 できるのか? (3) 高 齢 者 へのサポートの 必 要 性 ~ 誰 が 高 齢 者 を 守 るのか?~ (4) まとめ~ 新 たな 被 害 防 止 対 策 に 必 要 な 視 点 ~ 6 特 殊 詐 欺 ひとごとじゃない! キャンペーンの 実 施 (1) キャンペーンの 目 的 (2) キャンペーンの 推 奨 事 項 (3) 訓 練 型 出 前 講 座 の 実 施 7 政 策 提 案 ~ 俺 の 恩 返 し! プロジェクト~ (1) プロジェクトの 趣 旨 (2) スローガンの 制 定 (3) プロジェクトの 概 要 (4) 具 体 的 内 容 1 働 き 盛 り 世 代 対 象 訓 練 型 特 殊 詐 欺 対 応 講 座 2 参 加 促 進 制 度 Ⅰ 講 座 参 加 者 個 人 への 優 待 サービス 制 度 Ⅱ 特 殊 詐 欺 被 害 防 止 協 力 企 業 認 証 制 度 (5) プロジェクトの 効 果 8 終 わりに 本 報 告 書 記 載 の 特 殊 詐 欺 被 害 認 知 状 況 等 の 統 計 値 は 全 て 長 野 県 警 察 本 部 から 提 供 を 受 けたものである なお 統 計 値 は 毎 月 発 表 されるが 本 報 告 書 に 記 載 する 値 は 成 果 報 告 会 での 発 表 内 容 と 斉 一 を 期 すため 平 成 27 年 7 月 末 までのものとした

1 はじめに 80 代 女 性 が 息 子 をかたる 電 話 を 受 けて 万 円 をだまし 取 られた テレビや 新 聞 で 連 日 のように 特 殊 詐 欺 被 害 が 報 道 されている 全 国 的 にこうしたオレオレ 詐 欺 を 始 めとする 特 殊 詐 欺 の 被 害 が 後 を 絶 たず 大 きな 社 会 問 題 となっている 長 野 県 内 でも 平 成 26 年 中 の 特 殊 詐 欺 被 害 認 知 件 数 は190 件 被 害 額 は 約 10 億 2 千 万 円 にのぼり 平 成 27 年 に 入 ってからは 前 年 を 上 回 るペースで 被 害 が 発 生 しており 極 めて 深 刻 な 状 況 にある 特 殊 詐 欺 は 特 に 高 齢 者 が 被 害 に 遭 うことが 多 く その 大 切 な 財 産 をだまし 取 る 極 め て 卑 劣 な 犯 罪 であり 県 民 生 活 の 安 全 を 確 保 するためにもこれ 以 上 の 被 害 増 加 に 歯 止 め をかけることが 喫 緊 の 課 題 である これまで 長 野 県 長 野 県 警 察 市 町 村 等 の 関 係 団 体 機 関 が 特 殊 詐 欺 被 害 を 防 止 す るため 様 々な 対 策 をとってきたが 被 害 の 撲 滅 には 至 っていない 状 況 にある そこで 我 々グループメンバーは 政 策 研 究 という 機 会 を 通 じて 特 殊 詐 欺 被 害 を 未 然 に 防 止 するための 新 たな 対 策 を 研 究 することとした 2 特 殊 詐 欺 の 意 義 と 手 口 分 類 特 殊 詐 欺 の 被 害 防 止 対 策 について 検 討 する 前 に 特 殊 詐 欺 とはどういう 犯 罪 で どの ような 手 口 があるのか 整 理 を 行 った そもそも 特 殊 詐 欺 とは 刑 法 第 246 条 に 規 定 する 詐 欺 罪 ( 人 を 欺 いて 財 物 を 交 付 さ せる 犯 罪 )の 一 類 型 で 不 特 定 の 人 に 対 し 直 接 面 会 することなく 電 話 等 で 欺 罔 行 為 (だ まし 行 為 )を 行 い 振 り 込 み 等 により 金 銭 の 交 付 を 要 求 する 手 口 をいう 特 殊 詐 欺 の 特 徴 は 不 特 定 多 数 の 人 を 犯 行 の 対 象 とすること 面 会 することなく 電 話 やメールで 欺 罔 行 為 を 行 うこと であるが その 欺 罔 の 言 葉 や 方 法 などにより 以 下 の 手 口 に 分 類 される オレオレ 詐 欺 電 話 を 利 用 して 子 や 孫 などの 親 族 警 察 官 弁 護 士 等 を 装 い 様 々なトラブルを 解 決 する 名 目 で 現 金 を 預 金 口 座 等 に 振 り 込 ませたり 宅 配 便 や 郵 送 などで 送 金 さ せるなどの 方 法 で 金 銭 をだまし 取 るもの 架 空 請 求 詐 欺 ( 支 払 え 詐 欺 ) 身 に 覚 えのない 料 金 請 求 のことで 郵 便 やインターネット 等 を 利 用 して 不 特 定 多 数 の 者 に 対 し 架 空 の 事 実 を 口 実 とした 料 金 の 請 求 や 偽 の 裁 判 通 知 などの 文 書 や メールを 送 付 するなどして 現 金 を 預 金 口 座 等 に 振 り 込 ませたり 宅 配 便 や 郵 送 な どで 送 金 させるなどの 方 法 で 金 銭 をだまし 取 るもの 融 資 保 証 金 詐 欺 ( 貸 します 詐 欺 ) 実 際 には 融 資 しないにもかかわらず 低 金 利 で 融 資 する 旨 の 文 書 を 送 付 するなど して 融 資 を 申 し 込 んできた 者 に 対 し 保 証 金 や 信 用 調 査 名 目 で 現 金 を 預 金 口 座 等 に 振 り 込 ませたり 宅 配 便 や 郵 送 などで 送 金 させるなどの 方 法 で 金 銭 をだまし 取 る もの 1

還 付 金 等 詐 欺 ( 返 します 詐 欺 ) 税 務 署 や 社 会 保 険 庁 市 町 村 等 をかたり 税 金 や 保 険 料 等 の 還 付 等 に 必 要 な 手 続 きを 装 って 電 話 で 指 示 しながら 被 害 者 にATMを 操 作 させ 被 害 者 が 知 らないう ちに 口 座 間 送 金 により 現 金 をだまし 取 るもの 金 融 商 品 等 取 引 名 目 の 詐 欺 ( もうかります 詐 欺 ) 実 際 にはほとんど 価 値 がない 有 価 証 券 ( 社 債 や 未 公 開 株 等 )や 架 空 の 有 価 証 券 外 国 通 貨 などの 購 入 をダイレクトメール 等 であっせんし その 後 別 の 犯 人 が 電 話 で 必 ずもうかる 3 倍 で 買 い 取 る あなたしか 買 えない などと 言 って 購 入 を 勧 めてだまし これらを 買 えば 高 額 で 買 い 取 ってもらえると 信 じ 込 ませ 現 金 をだ まし 取 るもの ギャンブル 必 勝 法 情 報 提 供 名 目 の 詐 欺 雑 誌 の 広 告 やメールなどで パチンコ 攻 略 法 や 数 字 選 択 式 宝 くじの 当 たり 番 号 情 報 競 馬 必 勝 情 報 などで 虚 偽 の 情 報 を 提 供 し これを 名 目 に 現 金 を 振 り 込 ま せ だまし 取 るもの 異 性 との 交 際 あっせん 名 目 の 詐 欺 雑 誌 やメール サイト 上 で 女 性 紹 介 などと 掲 載 し これに 申 し 込 んだ 人 に 対 して 虚 偽 の 異 性 の 情 報 を 提 供 したりした 後 会 員 登 録 料 や 保 証 金 等 の 名 目 で 現 金 を 振 り 込 ませたり 異 性 になりすまして 現 金 を 要 求 したり サイト 上 で 高 額 なポイ ント 等 を 購 入 させ 現 金 をだまし 取 るもの その 他 の 特 殊 詐 欺 上 記 以 外 の 特 殊 詐 欺 以 上 の 手 口 のうち オレオレ 詐 欺 架 空 請 求 詐 欺 融 資 保 証 金 詐 欺 還 付 金 等 詐 欺 を 振 り 込 め 詐 欺 金 融 商 品 等 取 引 名 目 の 詐 欺 ギャンブル 必 勝 法 情 報 提 供 名 目 の 詐 欺 異 性 との 交 際 あっせん 名 目 の 詐 欺 その 他 の 特 殊 詐 欺 を 振 り 込 め 詐 欺 以 外 の 特 殊 詐 欺 と 呼 ぶ ( 長 野 県 警 ホームページから 転 載 ) 2

3 長 野 県 における 特 殊 詐 欺 被 害 状 況 (1) 平 成 25 年 ~26 年 の 被 害 状 況 平 成 25 年 の 長 野 県 内 における 特 殊 詐 欺 被 害 の 状 況 は 認 知 件 数 195 件 被 害 額 約 10 億 9 千 万 円 で 被 害 額 では 過 去 最 悪 を 記 録 した さらに 翌 26 年 は 被 害 認 知 件 数 190 件 被 害 額 約 10 億 3 千 万 円 であり 平 成 25 年 の 被 害 状 況 と 比 較 し て 件 数 は5 件 被 害 額 は 約 6 千 万 円 減 少 したものの 被 害 は 多 発 傾 向 にあり 深 刻 な 状 況 が 続 いた (2) 平 成 27 年 4 月 末 ( 政 策 研 究 開 始 時 )までの 被 害 状 況 と 発 生 傾 向 平 成 27 年 に 入 ると 平 成 26 年 を 上 回 るペースで 被 害 が 発 生 し 政 策 研 究 を 開 始 した4 月 末 の 段 階 で 被 害 認 知 件 数 82 件 と 前 年 同 期 と 比 較 して20 件 増 減 率 で 言 えば32.3%の 増 加 となった 一 方 被 害 金 額 は 約 2 億 8 千 万 円 あまりと 前 年 同 期 と 比 較 して 約 1 億 2 千 万 円 減 少 となった 平 成 27 年 4 月 末 特 殊 詐 欺 被 害 認 知 件 数 被 害 額 前 年 同 期 比 ( 暫 定 値 ) 区 分 特 殊 詐 欺 合 計 平 成 26 年 中 平 成 26 年 4 月 末 平 成 27 年 4 月 末 前 年 同 期 比 件 数 被 害 額 ( 円 ) 件 数 被 害 額 ( 円 ) 件 数 被 害 額 ( 円 ) 件 数 増 減 率 被 害 額 ( 円 ) 増 減 率 190 1,029,809,338 62 401,382,990 82 287,551,217 20 32.3% -113,831,773-28.4% オレオレ 詐 欺 50 228,895,896 10 80,264,960 33 103,300,000 23 230.0% 23,035,040 28.7% 架 空 請 求 詐 欺 ( 支 払 え 詐 欺 ) 57 316,349,224 12 56,186,000 25 125,983,000 13 108.3% 69,797,000 124.2% 融 資 保 証 金 詐 欺 内 ( 貸 します 詐 欺 ) 5 3,940,362 2 926,980 4 8,939,236 2 100.0% 8,012,256 864.3% 還 付 金 等 詐 欺 ( 返 します 詐 欺 ) 11 7,886,806 10 8,107,901 10-8,107,901 - 金 融 商 品 等 取 引 名 目 の 詐 欺 (もうかります 詐 欺 ) 34 314,402,000 19 165,010,000 6 28,210,000-13 -68.4% -136,800,000-82.9% 訳 ギャンブル 必 勝 法 情 報 提 供 名 目 の 詐 欺 (もうかります 詐 欺 ) 14 48,534,050 7 25,674,050 3 9,571,080-4 -57.1% -16,102,970-62.7% 異 性 との 交 際 あっせん 名 目 の 詐 欺 ( 紹 介 します 詐 欺 ) 4 36,521,000 2 7,191,000-2 -100.0% -7,191,000-100.0% その 他 15 73,280,000 10 66,130,000 1 3,440,000-9 -90.0% -62,690,000-94.8% 平 成 27 年 4 月 末 までの 発 生 傾 向 を 分 析 した 結 果 認 知 件 数 の 半 数 近 くが オレオ レ 詐 欺 (うち9 割 が 息 子 孫 がたり )であること オレオレ 詐 欺 の 被 害 者 は 全 て60 歳 以 上 の 高 齢 者 であること 新 幹 線 沿 線 地 域 ( 長 野 市 上 田 市 千 曲 市 )で 被 害 が 急 増 していることが 分 かった また 前 兆 電 話 ( 高 齢 者 宅 などにかかってくる 特 殊 詐 欺 の 被 害 につながるおそれのある 電 話 特 殊 詐 欺 の 前 ぶれの 電 話 の 総 称 息 子 や 孫 をかたる 者 からの 携 帯 電 話 をなくした などの 電 話 )が 急 増 し 特 殊 詐 欺 犯 人 グ ループの 活 動 が 活 発 化 していること 等 が 明 らかになった こうした 発 生 傾 向 のうち 特 に 顕 著 だったのは オレオレ 詐 欺 の 増 加 であり 前 年 同 期 と 比 較 して 実 に3.3 倍 にも 増 加 していた また オレオレ 詐 欺 の 手 口 とし ては 息 子 をかたり 会 社 のカバンをなくした 今 日 中 にお 金 が 必 要 などと 嘘 をつ いて 金 銭 を 要 求 する 典 型 的 な オレオレ 詐 欺 が 目 立 った 3

(3) 平 成 27 年 7 月 末 までの 被 害 状 況 と 発 生 傾 向 政 策 研 究 を 継 続 中 も 被 害 認 知 件 数 は 増 加 の 一 途 をたどり 7 月 末 の 認 知 件 数 は 158 件 に 達 したが オレオレ 詐 欺 の 割 合 が 多 いという 傾 向 は 変 わることはなく 7 月 末 の 特 殊 詐 欺 被 害 の 手 口 別 割 合 で オレオレ 詐 欺 は46%を 占 めた 平 成 27 年 7 月 末 特 殊 詐 欺 被 害 認 知 件 数 被 害 額 前 年 同 期 比 ( 暫 定 値 ) 区 分 特 殊 詐 欺 合 計 平 成 26 年 中 平 成 26 年 7 月 末 平 成 27 年 7 月 末 前 年 同 期 比 件 数 被 害 額 ( 円 ) 件 数 被 害 額 ( 円 ) 件 数 被 害 額 ( 円 ) 件 数 増 減 率 被 害 額 ( 円 ) 増 減 率 190 1,029,809,338 107 644,691,921 158 459,136,079 51 47.7% -185,555,842-28.8% 内 訳 オレオレ 詐 欺 50 228,895,896 28 179,615,896 73 166,320,000 45 160.7% -13,295,896-7.4% 架 空 請 求 詐 欺 ( 支 払 え 詐 欺 ) 57 316,349,224 23 133,950,900 45 214,634,214 22 95.7% 80,683,314 60.2% 融 資 保 証 金 詐 欺 ( 貸 します 詐 欺 ) 5 3,940,362 5 3,940,362 7 11,807,236 2 40.0% 7,866,874 199.6% 還 付 金 等 詐 欺 ( 返 します 詐 欺 ) 11 7,886,806 2 1,999,713 19 17,269,549 17 850.0% 15,269,836 763.6% 金 融 商 品 等 取 引 名 目 の 詐 欺 (もうかります 詐 欺 ) 34 314,402,000 23 202,010,000 8 30,014,000-15 -65.2% -171,996,000-85.1% ギャンブル 必 勝 法 情 報 提 供 名 目 の 詐 欺 (もうかります 詐 欺 ) 14 48,534,050 11 31,004,050 4 13,951,080-7 -63.6% -17,052,970-55.0% 異 性 との 交 際 あっせん 名 目 の 詐 欺 ( 紹 介 します 詐 欺 ) 4 36,521,000 3 19,991,000-3 -100.0% -19,991,000-100.0% その 他 15 73,280,000 12 72,180,000 2 5,140,000-10 -83.3% -67,040,000-92.9% 特 殊 詐 欺 の 手 口 別 割 合 (7 月 末 ) 50 40 30 20 10 0 オレオレ 詐 欺 の 割 合 46% 4 ありたい 姿 ~ オレオレ 詐 欺 被 害 ゼロを 目 指 して~ 我 々の 政 策 研 究 は 特 殊 詐 欺 被 害 が 増 加 しつづけるという 重 苦 しい 状 況 の 中 で 行 われ たが メンバー 間 では まず 研 究 テーマのありたい 姿 について 検 討 を 行 った その 結 果 たどりついたのが オレオレ 詐 欺 被 害 をゼロにする である 前 述 したとおり 特 殊 詐 欺 には 様 々な 手 口 があるが 全 ての 手 口 に 対 応 する 対 策 は 難 しく 我 々は 手 口 を 絞 り 言 わば 一 点 突 破 の 手 法 でアイデアを 出 し 合 った 様 々な 手 口 の 中 で オレオレ 詐 欺 は オレだけど などと 偽 の 息 子 をかたり 会 社 の 大 事 な 書 類 をなくした 今 日 中 にお 金 が 必 要 だ お 母 さん 助 けて などと 嘘 を 言 って 高 齢 の 親 からお 金 をだまし 取 る 手 口 であり まさに 親 子 の 愛 情 につけ 込 んだ 極 めて 卑 劣 な 犯 罪 であると 言 える また 発 生 傾 向 からみても 被 害 が 最 も 多 く この オレオレ 詐 欺 被 害 を 防 止 すれば 県 内 の 特 殊 詐 欺 被 害 を 激 減 させることができる 以 上 のことから 我 々は 新 たな 対 策 の 重 点 を オレオレ 詐 欺 対 策 とし オレオレ 詐 欺 被 害 ゼロをありたい 姿 として 掲 げた 4

5 考 察 ~なぜ 被 害 が 減 らないのか?~ これまで 特 殊 詐 欺 被 害 を 防 止 するため 県 や 県 警 市 町 村 等 の 関 係 機 関 団 体 が 様 々 な 対 策 に 取 り 組 んできた 特 に 平 成 26 年 には 5 月 に 長 野 県 知 事 による 特 殊 詐 欺 非 常 事 態 宣 言 が 発 令 され 県 や 県 警 市 町 村 等 の 関 係 機 関 団 体 は 連 携 を 強 化 し 高 齢 者 宅 を 戸 別 訪 問 して 直 接 注 意 喚 起 するなど 高 齢 者 への 徹 底 的 な 注 意 喚 起 を 行 った それまでにも 毎 偶 数 月 の 年 金 支 給 日 (15 日 )における 金 融 機 関 での 高 齢 者 に 対 する 街 頭 啓 発 活 動 や 高 齢 者 に 対 してより 分 かりやすく 特 殊 詐 欺 の 手 口 を 紹 介 するための 寸 劇 や 紙 芝 居 など 様 々な 被 害 防 止 のための 活 動 が 行 われてきた 被 害 防 止 のための 取 組 は やり 尽 くされた 感 すらあるにもかかわらず 被 害 は 一 向 に 減 少 しない 犯 人 グループの 増 加 やその 活 動 の 活 発 化 という 側 面 も 原 因 の 一 つと 考 えられるが 我 々は 被 害 者 側 への 広 報 啓 発 という 側 面 に 着 目 し なぜ 被 害 が 減 らないのか これまで の 取 組 みの 問 題 点 や 足 りない 点 は 何 かについて 考 察 を 行 った (1) 被 害 者 の 意 識 ~ 自 分 だけはだまされない? ~ 今 日 では 特 殊 詐 欺 という 犯 罪 があるということを 知 らない 人 はほとんどいない のではないだろうか 細 かい 手 口 の 分 類 は 分 からなくても 例 えば オレオレ 詐 欺 と 言 えば 多 くの 人 が 偽 の 息 子 や 孫 をかたり 様 々なトラブル 解 決 名 目 でお 金 をだ まし 取 る 手 口 と 答 えられるだろう これはこれまでの 被 害 防 止 のための 取 組 が 功 を 奏 した 結 果 と 言 えるだろう 平 成 27 年 4 月 県 警 が 行 った 特 殊 詐 欺 の 被 害 に 実 際 に 遭 った 人 に 対 するアンケー ト 調 査 では 特 殊 詐 欺 の 被 害 者 のうち 9 割 の 人 が 報 道 や 行 政 機 関 等 の 広 報 啓 発 によ り 特 殊 詐 欺 について 知 っていたという 結 果 が 明 らかになった この 数 字 は 特 殊 詐 欺 に 関 する 周 知 が 相 当 程 度 進 んだということを 裏 付 けるものと 言 える しかし 周 知 が 進 んだにもかかわらず 被 害 が 減 らないのはなぜであろう このアンケートでは 被 害 者 の9 割 が 特 殊 詐 欺 について 知 っていた 一 方 で 被 害 者 の8 割 は 自 分 はだまされない と 考 えていたことも 明 らかとなった つまり 被 害 者 の 多 くは 特 殊 詐 欺 について 知 っていたにもかかわらず いざ オ レだけど と 偽 の 息 子 からの 電 話 がかかってくると 詐 欺 であることに 気 付 かずにだ まされているのである 5

我 々は 特 殊 詐 欺 について 知 識 があるにもかかわらず 被 害 に 遭 うという 現 実 の 背 景 には 何 があるか 検 討 を 行 った グループのメンバーには 以 前 から 特 殊 詐 欺 の 被 害 防 止 活 動 に 従 事 した 経 験 のある 者 もいたが そのメンバーによると 年 金 支 給 日 などで 高 齢 者 に 対 して 注 意 喚 起 を 行 う と 決 まって 高 齢 者 から 返 ってくる 言 葉 があるという それは オレオレ 詐 欺 でしょ ウチは 大 丈 夫 お 金 ないから ニュースでよく 聞 くけど なんで 息 子 の 声 がわから ないのかね 関 係 ない そんな 電 話 がきても 見 破 れるよ という どこか 特 殊 詐 欺 をひとごとと 考 えている 言 葉 である これは 多 くの 人 が 持 っている 特 殊 詐 欺 に 対 する 認 識 であろう ところが 被 害 者 の 多 くが 電 話 がかかってきても 見 破 る 自 信 があった のに 自 宅 に 一 人 でいる 時 に いざ オレだけど と 偽 の 息 子 ( 犯 人 )からの 助 けを 求 める 電 話 がかかってきたとたん 頭 が 真 っ 白 になり 言 われるままに 犯 人 にお 金 を 渡 してし まっている 現 実 がある 我 々は アンケート 結 果 などから これまでの 取 組 により 特 殊 詐 欺 の 周 知 は 進 ん だが 多 くの 人 が 特 殊 詐 欺 を 自 分 には 関 係 のないこと つまり ひとごと と 思 っているのではないかと 分 析 した そして 被 害 を 減 らすためにはこの 意 識 を 変 えな ければいけない つまり 県 民 の 特 殊 詐 欺 に 対 する 危 機 意 識 と 当 事 者 意 識 を 醸 成 する 対 策 が 必 要 と 考 えた (2) 高 齢 者 だけが 気 を 付 ければ 被 害 は 防 止 できるのか? 以 前 から 特 殊 詐 欺 というのは 高 齢 者 が 狙 われる 犯 罪 というイメージがある 実 際 に 特 殊 詐 欺 の 被 害 者 の8 割 が60 歳 以 上 の 高 齢 者 である この 傾 向 は 以 前 から 変 わ ることはない そのため 従 来 の 取 組 も 年 金 支 給 日 における 街 頭 啓 発 であったり 高 齢 者 宅 への 訪 問 であったり 高 齢 者 に 対 して 注 意 喚 起 を 行 う 方 法 が 主 であった 我 々は どのような 対 策 が 必 要 か 検 討 する 前 に 高 齢 者 がなぜだまされるか どの ような 心 理 になるのかを 知 る 必 要 があった そのためには 被 害 者 から 直 接 話 を 聞 くの が 一 番 であったが 被 害 者 と 接 触 するのは 困 難 であったため 高 齢 者 の 特 殊 詐 欺 被 害 を 未 然 に 防 止 した 北 信 地 方 の 金 融 機 関 職 員 ( 以 下 Aさん とする )から 聞 き 取 り 調 査 を 行 った その 内 容 は 以 下 のとおりである 6

平 成 27 年 3 月 Aさんが 勤 務 する 金 融 機 関 に 顧 客 である80 歳 代 夫 婦 が 来 店 し 今 日 中 に1500 万 円 が 必 要 だからおろしたい とAさんに 告 げた Aさんは 突 然 の 申 し 出 に 特 殊 詐 欺 を 疑 い 夫 婦 に 現 金 が 必 要 な 理 由 を 尋 ねる と 夫 婦 は 家 のリフォーム 代 だ 親 せきがリフォームしてくれたから 見 積 書 や 請 求 書 はない 資 金 繰 りが 大 変 だということだから 今 日 中 に 支 払 いたい と 答 えた Aさんは この 夫 婦 が 特 殊 詐 欺 にだまされているのではないかと 疑 いをますます 強 めたので この 夫 婦 に 特 殊 詐 欺 ではないかと 伝 えたが 夫 婦 は 全 く 耳 を 貸 さなかった そこでAさんは 夫 婦 の 自 宅 に 行 き 本 当 にリフォーム 工 事 が 行 われたのか 確 認 し たが そのような 形 跡 はなかったことから 再 度 夫 婦 を 説 得 して 話 を 聞 いた すると 夫 婦 は 重 い 口 を 開 き 実 はリフォーム 工 事 なんてしていない 今 日 息 子 が 会 社 の 小 切 手 をなくしてお 金 が 必 要 と 電 話 をしてきた 息 子 の 不 始 末 を 他 人 に 話 す のは 恥 ずかしかったからごまかした と Aさんに 事 情 を 話 してくれた この 話 を 聞 いてAさんは この 夫 婦 はオレオレ 詐 欺 にだまされている と 確 信 し たが 夫 婦 は 電 話 をかけてきたのが 実 の 息 子 と 信 じ 切 っており 夫 婦 に 対 して 現 金 を おろすのを 止 めるように 説 得 を 続 けた その 最 中 夫 婦 の 家 の 電 話 が 鳴 り 夫 が 出 たところ 電 話 の 相 手 は 偽 の 息 子 を 名 乗 るオレオレ 詐 欺 の 犯 人 で 夫 が 今 ( 金 融 機 関 の 名 前 )の 人 が 来 てるんだが 特 殊 詐 欺 だと 疑 っていて と 言 ったとたん 電 話 は 切 れた ところが 夫 婦 は 自 分 達 がだまされているとはまだ 気 づいておらず 電 話 の 相 手 も 本 当 の 息 子 だと 信 じ 切 っており 息 子 のためにお 金 が 必 要 の 一 点 張 りだった すると そこへタイミング 良 く 夫 婦 の 実 の 息 子 から 電 話 があり 夫 婦 はようやく 自 分 達 がだまされていることに 気 付 いた Aさんの 話 では 夫 婦 の 家 の 電 話 の 近 くには 特 殊 詐 欺 啓 発 のポスターが 貼 ってあっ たそうだが オレオレ 詐 欺 の 事 はよくよく 知 っていたが いざ 息 子 の 事 となる と そういう 知 識 はどこかへ 行 ってしまい 電 話 の 相 手 を 息 子 と 思 いこんでしまった とにかく 息 子 を 助 けるためにお 金 をおろそうと 必 死 で Aさんの 話 も 耳 に 入 らなかっ た と 夫 婦 ともに 語 った また この 出 来 事 以 降 それまでほとんど 夫 婦 宅 に 立 ち 寄 ることのなかった 息 子 が こまめに 顔 を 出 すようになったとのことである この 事 例 は 典 型 的 な オレオレ 詐 欺 の 手 口 に 高 齢 者 がだまされてしまったが 金 融 機 関 職 員 の 機 転 とサポートにより 幸 いにも 被 害 を 未 然 に 防 止 できたものである 事 例 の 夫 婦 は 詐 欺 の 電 話 がかかってくる 以 前 から 特 殊 詐 欺 についてよく 知 ってお り 自 宅 の 電 話 の 近 くに 注 意 喚 起 をよびかけるポスターを 貼 るなどして 対 策 をとって いたにもかかわらず いざ 息 子 を 名 乗 る 犯 人 からの 電 話 をうけたとたん 周 りの 人 間 の 助 言 にも 耳 を 貸 さないほど 冷 静 さを 失 い だまされてしまっている このことは 親 の 子 を 思 う 気 持 ちにつけこむ オレオレ 詐 欺 の 卑 劣 さと 手 口 の 巧 妙 さを 示 しているが それ 以 上 に 高 齢 者 だけで 被 害 を 防 止 することが 極 めて 難 しい ことを 物 語 っている 7

(3) 高 齢 者 へのサポートの 必 要 性 ~ 誰 が 高 齢 者 を 守 るのか?~ 県 警 では 特 殊 詐 欺 の 被 害 状 況 だけでなく 被 害 の 未 然 防 止 ( 被 害 の 水 際 阻 止 )の 状 況 も 公 表 している 被 害 の 未 然 防 止 とは 例 えば 前 述 の 聞 き 取 り 調 査 の 内 容 のように 高 齢 者 などが 金 融 機 関 で 高 額 の 現 金 を 引 き 下 ろそうとした 際 に 金 融 機 関 職 員 が 声 かけをして 特 殊 詐 欺 被 害 を 未 然 に 防 止 した 場 合 などを 言 う 7 月 末 の 阻 止 状 況 は 阻 止 件 数 166 件 阻 止 金 額 約 4 億 6 千 万 円 であり 前 年 の 同 じ 時 期 と 比 較 して 件 数 で75 件 ( 増 減 率 +82.4%) 金 額 は 約 1 億 4 千 万 円 ( 増 減 率 +43.3%) 増 加 している 未 然 防 止 をした 者 の 内 訳 をみると 金 融 機 関 職 員 が119 件 で 最 も 多 く 次 いで 家 族 が19 件 となっている その 他 コンビニエンスストアの 従 業 員 や 運 送 業 者 などが 被 害 を 阻 止 した 事 例 もある 平 成 27 年 7 月 末 までの 特 殊 詐 欺 阻 止 状 況 の 推 移 平 成 27 年 7 月 末 特 殊 詐 欺 被 害 阻 止 件 数 阻 止 金 額 前 年 同 期 比 区 分 被 害 阻 止 合 計 平 成 26 年 中 平 成 26 年 7 月 末 平 成 27 年 7 月 末 前 年 同 期 比 阻 止 件 数 阻 止 金 額 ( 円 ) 阻 止 件 数 阻 止 金 額 ( 円 ) 阻 止 件 数 阻 止 金 額 ( 円 ) 阻 止 件 数 増 減 率 阻 止 金 額 ( 円 ) 増 減 率 175 609,678,672 91 320,616,072 166 459,350,500 75 82.4% 138,734,428 43.3% 内 訳 オレオレ 詐 欺 67 289,240,000 34 147,800,000 107 392,950,000 73 214.7% 245,150,000 165.9% 架 空 請 求 詐 欺 ( 支 払 え 詐 欺 ) 52 150,459,072 24 76,018,072 19 23,193,500-5 -20.8% -52,824,572-69.5% 融 資 保 証 金 詐 欺 ( 貸 します 詐 欺 ) 1 150,000 1-150,000 - 還 付 金 等 詐 欺 ( 返 します 詐 欺 ) 9 2 16 14 700.0% 金 融 商 品 等 取 引 名 目 の 詐 欺 (もうかります 詐 欺 ) 20 79,759,600 12 25,208,000 4 12,024,000-8 -66.7% -13,184,000-52.3% ギャンブル 必 勝 法 情 報 提 供 名 目 の 詐 欺 (もうかります 詐 欺 ) 8 5,925,000 6 5,900,000 2 2,000-4 -66.7% -5,898,000-100.0% 異 性 との 交 際 あっせん 名 目 の 詐 欺 ( 紹 介 します 詐 欺 ) その 他 19 84,295,000 13 65,690,000 17 31,031,000 4 30.8% -34,659,000-52.8% 8

平 成 27 年 7 月 末 特 殊 詐 欺 被 害 の 未 然 防 止 者 一 覧 未 然 防 止 者 特 殊 詐 欺 オレオレ 架 空 請 求 融 資 保 証 金 還 付 金 等 金 融 商 品 等 ギャンブル 異 性 紹 介 その 他 阻 止 金 額 ( 円 ) 金 融 機 関 職 員 コンビニ 従 業 員 119 80 10 1 6 4 2 16 6 6 387,626,500 1,504,000 運 送 業 者 9 6 3 19,880,000 警 察 職 員 2 2 5,000,000 一 般 人 その 他 10 5 5 5,600,000 知 人 1 1 100,000 家 族 19 14 2 2 1 39,640,000 現 在 金 融 機 関 では 警 察 からの 要 請 により 顧 客 が 高 額 の 振 込 をしようとする 場 合 や 預 貯 金 から 高 額 の 現 金 を 引 き 下 ろそうとする 場 合 には 職 員 が 顧 客 に 対 して 声 か けを 行 う 警 察 へ 通 報 するなどの 被 害 防 止 のための 取 組 を 強 化 している また 犯 人 グループが 高 齢 者 等 に 対 して レターパックや 宅 配 便 で 現 金 を 送 付 す るように 要 求 する 手 口 に 着 目 して 宅 配 業 者 等 に 対 する 被 害 防 止 対 策 も 強 化 されている 7 月 末 の 被 害 阻 止 状 況 を 見 ても 分 かるように 平 成 27 年 に 入 ると 被 害 件 数 よりも 阻 止 件 数 が 上 回 っており 社 会 全 体 に 特 殊 詐 欺 被 害 防 止 というキーワードが 浸 透 し 高 齢 者 を 特 殊 詐 欺 から 守 るという 気 運 が 醸 成 されつつあると 言 える しかし 阻 止 件 数 が 多 いということは 周 りの 者 が 高 齢 者 をサポートしなければ 被 害 は 現 状 の 倍 以 上 に 膨 れ 上 がっているということでもあり やはり 被 害 を 減 少 させ るためには 高 齢 者 だけが 対 策 をとるのでは 十 分 でなく 周 りのサポートが 必 要 不 可 欠 であると 言 える では 被 害 を 防 ぐために 一 体 誰 が 高 齢 者 をサポートすることができるのか オレオレ 詐 欺 でいえば ほとんどの 場 合 犯 人 は 偽 の 息 子 を 名 乗 って 電 話 をか けてくる これを 高 齢 者 が 見 破 るためには これまで 広 報 啓 発 されてきたように 親 子 でしか 分 からない 合 言 葉 を 決 める 自 宅 の 電 話 の 留 守 番 電 話 を 設 定 する ナンバー ディスプレイや 非 通 知 電 話 の 着 信 拒 否 設 定 をするなどの 対 策 を 日 頃 からしておくこと が 重 要 である ところが これらの 対 策 を 高 齢 者 だけでとるのは 極 めて 困 難 であり 息 子 や 孫 など が 両 親 や 祖 父 母 に 対 して 特 殊 詐 欺 について 注 意 喚 起 を 行 い 合 言 葉 を 決 めたり 電 話 の 設 定 を 行 う 必 要 がある 例 えば 息 子 が 母 親 に 対 して もしオレをかたって 現 金 を 要 求 してきても それは オレオレ 詐 欺 だよ 俺 は 電 話 でお 母 さんにお 金 の 話 なんかしないよ と 日 頃 から 話 題 にしておくだけで 高 い 確 率 で 被 害 は 防 げるはずである ところが 現 実 に 家 族 で 対 策 をとっている 人 はあまりいないのではないか 実 際 平 成 26 年 中 に 特 殊 詐 欺 の 被 害 にあった 人 に 対 するアンケート 調 査 では 被 害 に 遭 う 前 家 族 で 対 策 をとっていた 人 の 割 合 はわずか15%との 結 果 が 出 ている 9

なぜ 家 族 で 対 策 を 講 じる 人 が 少 ないのか それは 高 齢 者 をサポートすべき 子 や 孫 の 世 代 が 高 齢 者 以 上 に 特 殊 詐 欺 を ひとごと ととらえているためではないか 我 々は 高 齢 者 の 子 や 孫 にあたる 働 き 盛 り 世 代 が 特 殊 詐 欺 について 他 人 事 とと らえ 自 分 の 親 がだまされるはずがない 自 分 の 親 は 大 丈 夫 だろう と 思 ってい るために 家 族 での 対 策 が 進 まなくなっており 働 き 盛 り 世 代 が 特 殊 詐 欺 から 親 を 守 る という 発 想 をもたなければ 被 害 は 減 らせないと 考 えた (4) まとめ~ 新 たな 被 害 防 止 対 策 に 必 要 な 視 点 ~ 以 上 のとおり 我 々は オレオレ 詐 欺 被 害 をゼロにする というありたい 姿 を 目 指 し これまで 様 々な 被 害 防 止 のための 取 組 が 行 われてきたにもかかわらず 被 害 が 減 ら ないのはなぜか これまでの 取 組 に 足 りなかったものは 何 か という 点 について 考 察 を 行 ってきた その 結 果 新 たな 被 害 防 止 対 策 には 次 の 視 点 が 必 要 との 結 論 に 至 った それは 1 県 民 の 特 殊 詐 欺 に 対 する 危 機 意 識 当 事 者 意 識 を 醸 成 県 民 の 多 くは 特 殊 詐 欺 について 知 ってはいるが 自 分 は 関 係 ない だまされない = ひとごと と 思 っている 被 害 を 減 らすにはこの ひとごと という 意 識 を 払 しょくし 県 民 の 特 殊 詐 欺 に 対 する 危 機 意 識 当 事 者 意 識 を 醸 成 することが 必 要 2 特 殊 詐 欺 対 策 は 高 齢 者 が 対 象 という 発 想 からの 脱 却 特 殊 詐 欺 の 被 害 者 の 多 くが 高 齢 者 であるから 従 来 の 対 策 は 高 齢 者 向 けのものが 多 かったが 巧 妙 化 する 手 口 に 高 齢 者 だけで 対 抗 するには 限 界 があり 特 殊 詐 欺 対 策 は 高 齢 者 が 対 象 という 発 想 からの 脱 却 が 必 要 3 子 の 世 代 ( 働 き 盛 り 世 代 )が 特 殊 詐 欺 から 親 ( 高 齢 者 )を 守 るという 意 識 改 革 を 図 る 対 策 が 必 要 高 齢 者 を 被 害 から 守 るためには 家 族 特 に オレオレ 詐 欺 で 偽 者 が 登 場 する 息 子 ( 孫 )のサポートが 不 可 欠 子 ( 孫 )の 世 代 ( 働 き 盛 り 世 代 )が 俺 が 親 を 詐 欺 から 守 る という 意 識 改 革 を 図 る 対 策 が 必 要 の3 点 であり 我 々は この 視 点 から 新 たな 被 害 防 止 対 策 を 検 討 することとした 10

6 特 殊 詐 欺 ひとごとじゃない! キャンペーンの 実 施 我 々メンバーは 特 殊 詐 欺 被 害 防 止 のための 新 たな 取 組 を 考 案 するため 検 討 を 行 った が 前 述 のとおり 4 月 以 降 県 内 の 特 殊 詐 欺 被 害 は 増 加 の 一 途 をたどった そのため 県 くらし 安 全 消 費 生 活 課 では 平 成 27 年 5 月 29 日 から 特 殊 詐 欺 被 害 を 防 止 するための 対 策 特 殊 詐 欺 ひとごとじゃない! キャンペーンを 開 始 した これは 成 果 報 告 会 に 先 立 って メンバーが 政 策 研 究 で 検 討 した 視 点 を 一 部 取 り 入 れ て 行 ったものである (1) キャンペーンの 目 的 この 特 殊 詐 欺 ひとごとじゃない! キャンペーンの 目 的 は 既 に 述 べた 視 点 で ある 特 殊 詐 欺 を ひとごと と 思 う 意 識 を 払 しょくし いつ 誰 のところに 詐 欺 の 電 話 がかかってくるかわからない 自 分 や 自 分 の 親 が 被 害 者 になるかもしれない と の 危 機 意 識 や 当 事 者 意 識 を 醸 成 することにあった 特 殊 詐 欺 に 対 する 危 機 意 識 や 当 事 者 意 識 を 県 民 一 人 ひとりが 持 てば これまでの 被 害 防 止 に 向 けた 取 組 も 活 かされると 考 えたのである 特 殊 詐 欺 の 手 口 や 現 状 の 周 知 のみを 図 る 従 来 の 広 報 啓 発 からさらに 一 歩 踏 み 込 んで 誰 でも 被 害 者 になる 可 能 性 がある = ひとごとじゃない! と 県 民 一 人 ひとりが 特 殊 詐 欺 について 危 機 意 識 と 当 事 者 意 識 を 持 てるような 広 報 啓 発 を 行 うこととした (2) キャンペーンの 推 奨 事 項 キャンペーンでは 毎 月 第 三 日 曜 日 の 家 庭 の 日 や 敬 老 の 日 などをきっかけ にした 家 族 間 での 定 期 的 な 声 かけ を 推 奨 した 特 殊 詐 欺 被 害 で 最 も 多 い 息 子 がた りの オレオレ 詐 欺 を 防 ぐため 日 ごろから 家 族 で 定 期 的 に 連 絡 を 取 り 合 い 特 殊 詐 欺 について 話 題 にするなどして 備 えてもらうための 呼 びかけを 行 ったのである キャンペーンで 行 った 呼 びかけの 具 体 的 内 容 は 以 下 のとおりである 11

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(3) 訓 練 型 出 前 講 座 の 実 施 特 殊 詐 欺 ひとごとじゃない! キャンペーンの 一 環 として 新 たに 行 ったのが 訓 練 型 出 前 講 座 である これは 周 知 から 体 験 へ をキーワードに 従 来 の 講 演 やDVD 寸 劇 などによる 手 口 の 周 知 から 一 歩 踏 み 込 んで 実 際 の 電 話 機 を 使 って 参 加 者 に 手 口 を 体 験 してもらい その 応 対 方 法 を 文 字 どおり 訓 練 してもらうものである 具 体 的 には 政 策 研 究 のメンバーの 県 職 員 が 犯 人 役 となり 迫 真 の 演 技 で もしもしオレだけど お 母 さん 助 けて 会 社 の 大 事 なカバンを 落 として 小 切 手 をなくしてしまった 今 日 中 に 会 社 に500 万 円 賠 償 しなくちゃいけないから 200 万 円 をなんとかしてほしい などとオレオレ 詐 欺 で 多 い 手 口 の 内 容 を 電 話 で 告 げ 参 加 者 には あんた 本 当 に 私 の 息 子? 名 前 を 言 ってみなさい 金 がほしいなら 直 接 頼 みに 来 なさい などと 自 分 で 考 えて 応 対 してもらうものである この 訓 練 により 実 際 に 特 殊 詐 欺 の 電 話 がかかってきたときに 落 ち 着 いて 行 動 でき るようにしてもらうとともに 特 殊 詐 欺 の 犯 人 の 手 口 の 巧 妙 さを 体 験 することにより 特 殊 詐 欺 への 危 機 意 識 を 醸 成 するのが 目 的 である この 訓 練 型 出 前 講 座 は 6 月 から12 月 末 までに 県 下 各 地 で34 回 開 催 し 参 加 者 は 約 1400 名 に 達 した 参 加 者 からは 自 分 で 体 験 することにより 詐 欺 の 手 口 が 良 くわかった いつかかってくるかわからない 詐 欺 に 備 えようと 思 った などの 感 想 が 寄 せられている 13

7 政 策 提 案 ~ 俺 の 恩 返 し! プロジェクト~ この 特 殊 詐 欺 ひとごとじゃない! キャンペーンが 行 われる 中 我 々は 新 た な 特 殊 詐 欺 被 害 防 止 対 策 として 俺 の 恩 返 し! プロジェクトを 政 策 提 案 した ~ 俺 が オレオレ から 俺 の 親 を 守 る!!~ (1) プロジェクトの 趣 旨 本 プロジェクトは 多 発 する 特 殊 詐 欺 被 害 のうち 被 害 が 最 も 多 い オレオレ 詐 欺 被 害 を 撲 滅 するために 行 うもので 高 齢 の 親 や 祖 父 母 などがいる 働 き 盛 り 世 代 に 対 し 自 分 の 親 や 祖 父 母 をオレオレ 詐 欺 から 守 る という 意 識 の 醸 成 を 図 ることを 最 大 の 目 的 とする オレオレ 詐 欺 を 防 ぐためには 息 子 や 孫 が 両 親 や 祖 父 母 に 対 して 気 を 付 けて ね とサポートすることが 必 要 であり 息 子 や 孫 が 日 頃 の(これまでの) 恩 返 しの 気 持 ちを 込 め 特 殊 詐 欺 の 被 害 に 遭 わないように 両 親 や 祖 父 母 をサポートして 欲 しいと の 思 いを 込 め プロジェクトの 名 称 を 俺 の 恩 返 し! とした (2) スローガンの 制 定 プロジェクトを 実 施 するには 県 民 にプロジェクトの 趣 旨 を 分 かりやすく 伝 えかつ 覚 えやすいスローガンが 必 要 と 考 え 俺 が オレオレ から 俺 の 親 を 守 る!! に 決 定 した これは 息 子 が 偽 の 息 子 ( オレオレ )から 親 を 守 るということを 力 強 く 宣 言 した もので 早 口 言 葉 にすることで 頭 に 入 りやすくするねらいがある 14

(3) プロジェクトの 概 要 本 プロジェクトは 働 き 盛 り 世 代 を 対 象 とした 訓 練 型 の 特 殊 詐 欺 対 応 講 座 の 開 催 を 根 幹 とし 市 町 村 企 業 と 協 働 した 同 講 座 への 参 加 促 進 制 度 ( 参 加 者 個 人 への 優 待 サ ービス 制 度 と 特 殊 詐 欺 被 害 防 止 協 力 企 業 認 証 制 度 )を 組 み 合 わせたもので 働 き 盛 り 世 代 を 対 象 とした 特 殊 詐 欺 の 講 座 や 訓 練 は 過 去 にも 事 例 はあるものの そこへ 参 加 促 進 制 度 を 組 み 合 わせたものは 全 国 初 の 試 みである 働 き 盛 り 世 代 対 象 訓 練 型 特 殊 詐 欺 対 応 講 座 + 市 町 村 企 業 との 協 働 による 参 加 促 進 制 度 参 加 者 個 人 への 優 待 サービス 制 度 特 殊 詐 欺 被 害 防 止 協 力 企 業 認 証 制 度 (4) 具 体 的 内 容 1 働 き 盛 り 世 代 対 象 訓 練 型 特 殊 詐 欺 対 応 講 座 プロジェクトで 行 う 働 き 盛 り 世 代 対 象 訓 練 型 特 殊 詐 欺 対 応 講 座 ( 訓 練 型 講 座 ) は 従 来 型 の 講 義 に 加 え 参 加 した 働 き 盛 り 世 代 が 自 宅 などにいる 自 分 の 親 に 電 話 をかけて 親 子 間 で 決 めている 合 言 葉 の 確 認 をしたり 息 子 自 身 が 実 際 に オレオ レ 詐 欺 の 手 口 を 再 現 して 親 が 対 応 方 法 を 訓 練 することを 内 容 とする 15

この 講 座 を 開 催 することにより 働 き 盛 り 世 代 が 特 殊 詐 欺 に 関 する 知 識 を 深 め 自 分 が 親 を 特 殊 詐 欺 から 守 らなければならないという 意 識 を 持 つ 実 際 に 親 子 で 訓 練 に 参 加 することにより オレオレ 詐 欺 への 抵 抗 力 を 強 化 する 効 果 が 期 待 できる また 講 座 で 子 が 親 に 電 話 をかけることで 親 子 間 のコミュニケーションの 活 発 化 を 促 し 普 段 被 害 防 止 の 広 報 啓 発 がなかなか 伝 わらない 高 齢 者 に 直 接 的 な 注 意 喚 起 が 出 来 る 利 点 があると 考 える 2 参 加 促 進 制 度 本 プロジェクトの 根 幹 は 訓 練 型 講 座 の 開 催 にあるが 講 座 の 対 象 である 働 き 盛 り 世 代 は 仕 事 が 忙 しい 時 間 がない 等 の 理 由 により 単 に 講 座 を 開 催 す るので 参 加 して 下 さい と 言 った 呼 びかけでは 参 加 が 望 めないことが 懸 念 される そこで より 多 くの 働 き 盛 り 世 代 が 講 座 に 参 加 してもらうため (Ⅰ) 講 座 参 加 者 個 人 への 優 待 サービス 制 度 (Ⅱ) 特 殊 詐 欺 被 害 防 止 協 力 企 業 認 証 制 度 の2 種 類 の 参 加 促 進 制 度 を 考 案 した Ⅰ 講 座 参 加 者 個 人 への 優 待 サービス 制 度 講 座 参 加 者 個 人 への 優 待 サービス 制 度 は 既 に 県 下 で 行 われている ながの 子 育 て 家 庭 優 待 パスポート 事 業 からヒントを 得 たものである 制 度 の 内 容 は 訓 練 型 講 座 へ 参 加 した 人 に 対 し 講 座 修 了 証 を 授 与 し 県 内 の 協 力 店 舗 において 講 座 修 了 証 を 交 付 すれば 様 々なサービスを 受 けられると いうものである サービスを 受 けられるものは 講 座 参 加 者 とその 家 族 とし サービスの 内 容 は 施 設 利 用 代 金 割 引 やワンドリンクサービス ポイントの 上 乗 せ 等 協 力 店 舗 ごと 任 意 の 内 容 とする この 優 待 サービス 制 度 の 課 題 は 協 力 店 舗 をいかに 確 保 するかという 点 であるが ながの 子 育 て 家 庭 優 待 パスポート 事 業 と 同 様 に 市 町 村 単 位 で 協 力 店 舗 を 募 集 することで より 多 くの 協 力 店 舗 を 確 保 できると 考 える 講 座 参 加 者 個 人 への 優 待 サービス 制 度 訓 練 型 講 座 参 加 者 家 族 講 座 修 了 証 の 提 示 各 種 サービスの 提 供 優 待 サービス 制 度 への 協 力 店 舗 サービスの 提 供 サービスの 例 買 い 物 時 の 割 引 ワンドリンクサービス ポイント 上 乗 せなど 16

Ⅱ 特 殊 詐 欺 被 害 防 止 協 力 企 業 認 証 制 度 優 待 サービス 制 度 は 講 座 参 加 者 へ 特 典 を 与 え 個 人 の 講 座 への 参 加 意 欲 の 向 上 を 目 的 とした 言 わば 県 民 一 人 ひとりに 向 けた 訓 練 型 講 座 への 参 加 促 進 制 度 である 一 方 特 殊 詐 欺 被 害 防 止 協 力 企 業 認 証 制 度 は 県 内 の 企 業 や 団 体 に 向 けた 参 加 促 進 制 度 である 訓 練 型 講 座 への 参 加 対 象 者 は その 多 くが 県 内 の 企 業 や 団 体 で 勤 務 していること が 想 定 されることから 県 内 の 企 業 団 体 が 訓 練 型 講 座 の 趣 旨 に 賛 同 し 協 力 を 得 られれば 多 くの 講 座 への 参 加 者 を 確 保 できる 見 込 みがある 具 体 的 には 企 業 がその 従 業 員 に 対 して 講 座 への 参 加 を 呼 びかけたり 企 業 の 会 議 の 場 において 出 前 講 座 の 形 で 訓 練 型 講 座 を 開 催 するなどすれば 仕 事 で 忙 しい 人 達 もより 講 座 に 参 加 しやすくなる また 優 待 サービス 制 度 の 協 力 店 舗 を 増 加 させ 制 度 の 実 効 性 を 向 上 させるため には 県 内 の 企 業 の 協 力 が 必 要 不 可 欠 である この 特 殊 詐 欺 被 害 防 止 協 力 企 業 認 証 制 度 は 訓 練 型 講 座 と 優 待 サービス 制 度 へ 協 力 してくれる 県 内 の 企 業 団 体 を 特 殊 詐 欺 被 害 防 止 協 力 企 業 として 県 が 認 証 し 特 典 を 付 与 することで プロジェクト 全 体 を 活 性 化 させ 特 殊 詐 欺 被 害 の 撲 滅 を 目 指 すもので 企 業 団 体 との 協 働 による 被 害 防 止 のための 制 度 と 言 える 具 体 的 な 制 度 の 内 容 であるが 一 定 以 上 の 従 業 員 の 訓 練 型 講 座 への 参 加 優 待 サービス 制 度 への 協 力 等 を 認 証 基 準 として 設 定 しておき これを 満 たし た 企 業 団 体 を 特 殊 詐 欺 被 害 防 止 協 力 企 業 として 認 証 し 認 定 証 を 交 付 した うえで 企 業 名 等 を 県 ホームページで 公 表 したり 県 の 入 札 参 加 資 格 での 優 遇 措 置 や 協 賛 金 融 機 関 による 貸 付 時 における 金 利 優 遇 などの 特 典 を 付 与 するものであ る また この 認 証 制 度 については 部 局 への 政 策 提 案 及 び 予 算 要 求 時 においては 認 証 基 準 に 特 殊 詐 欺 被 害 防 止 活 動 への 協 力 を 追 加 した ここでいう 特 殊 詐 欺 被 害 防 止 活 動 への 協 力 とは 県 等 が 作 成 した 特 殊 詐 欺 被 害 防 止 のための 広 報 啓 発 物 (ポスターやちらし)を 掲 示 し 顧 客 等 に 対 して 注 意 喚 起 の 呼 びかけを 行 うことや 企 業 等 が 作 成 管 理 する 広 告 物 ホームページ 等 に 特 殊 詐 欺 被 害 防 止 を 呼 びかける 内 容 を 掲 載 すること 更 には 従 来 消 費 者 の 会 や 防 犯 ボランティア 団 体 が 取 り 組 んできたオレオレ 詐 欺 などの 手 口 を 分 かり やすく 伝 えるための 寸 劇 や 紙 芝 居 年 金 支 給 日 における 街 頭 啓 発 への 参 加 などが 挙 げられる これは 県 内 の 企 業 団 体 に 訓 練 型 講 座 と 優 待 サービス 制 度 への 協 力 だけで なく 被 害 防 止 のための 広 報 啓 発 に 協 力 してもらうことにより 県 民 に 対 して 広 く 特 殊 詐 欺 被 害 防 止 を 呼 びかけ 県 民 が 一 致 団 結 して 特 殊 詐 欺 に 立 ち 向 かう 気 運 を 醸 成 することがねらいである 17

特 殊 詐 欺 被 害 防 止 協 力 企 業 認 証 制 度 (5) プロジェクトの 効 果 政 策 提 案 した 俺 の 恩 返 し! プロジェクトは 事 業 として 実 施 することで 働 き 盛 り 世 代 の 意 識 改 革 により 高 齢 者 を 被 害 から 守 る 環 境 が 強 化 される 親 子 による 対 応 訓 練 により 詐 欺 電 話 に 対 する 警 戒 力 抵 抗 力 が 強 化 される 認 証 制 度 により 県 民 一 致 団 結 して 特 殊 詐 欺 に 対 抗 する 気 運 が 醸 成 される 県 民 の 特 殊 詐 欺 への 危 機 意 識 当 事 者 意 識 が 強 化 され 従 来 の 対 策 が 浸 透 する などの 効 果 が 期 待 され オレオレ 詐 欺 被 害 ゼロ というありたい 姿 に 近 づくことが 出 来 ると 考 える プロジェクト 全 体 のイメージ 働 き 盛 り 世 代 講 座 参 加 者 ( 家 族 含 む) 講 講 修 座 座 了 参 開 証 加 催 交 付 修 了 証 の 提 示 サービスの 提 供 特 殊 詐 欺 被 害 防 止 協 力 企 業 優 待 サービ ス への 協 力 講 座 へ の 参 加 協 力 企 業 団 体 個 人 事 業 所 被 害 防 止 活 動 へ の 協 力 認 証 長 野 県 18

8 終 わりに 平 成 27 年 4 月 から 我 々メンバー6 人 は 特 殊 詐 欺 被 害 を 一 件 でもなくしたい 被 害 で 悲 しむ 人 を 減 らしたい との 思 いから 研 究 課 題 に 取 り 組 んだ 特 殊 詐 欺 被 害 の 未 然 防 止 のための 取 組 という 研 究 課 題 は 他 の 政 策 研 究 課 題 と 比 べ ありたい 姿 は 明 確 であり この 点 の 検 討 はスムーズに 進 行 したが いざ 具 体 的 な 政 策 の 研 究 となると 既 に 様 々な 取 組 がなされており なかなか 良 いアイデアが 出 ない 状 態 が 続 いた また 4 月 以 降 県 内 の 特 殊 詐 欺 被 害 は 増 加 の 一 途 をたどり 我 々メンバーはもどか しい 思 いを 感 じながら 検 討 を 続 けた そして この 俺 の 恩 返 し! プロジェクトにたどり 着 き 成 果 報 告 会 では 阿 部 知 事 や 北 川 チーフアドバイザーから 厳 しい 指 摘 を 受 けながらも 部 局 において 予 算 化 等 を 行 い 施 策 に 反 映 との 評 価 をいただいた 今 後 は アイデア 出 しから 実 現 という 段 階 に 入 り 一 部 メンバーは 引 き 続 き 企 画 立 案 を 担 当 するが 単 にプロジェクトを 実 施 することだけに 満 足 することなく 常 に 被 害 者 をこれ 以 上 増 やさないという 視 点 を 忘 れず 現 実 に 特 殊 詐 欺 被 害 を 長 野 県 内 から 撲 滅 す るために 努 力 していきたい 最 後 に お 忙 しい 中 常 に 適 切 なアドバイスをいただいた 居 戸 中 村 両 アドバイザー と 無 理 な 注 文 にも 親 切 に 対 応 していただいた 職 員 キャリア 開 発 センターの 皆 さんに 感 謝 の 言 葉 を 申 し 上 げ 研 究 報 告 書 の 結 びとしたい 19