第2章 木材チップの含水率



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第 2 章 木 材 チップの 含 水 率 2.1 調 査 目 的 及 び 調 査 方 法 近 年 木 材 チップは 従 来 からの 主 用 途 である 製 紙 用 やボード 用 に 加 えて 木 質 バイオマス として 燃 料 用 の 需 要 が 高 まりつつある 木 材 チップを 燃 料 用 として 扱 う 場 合 その 発 熱 量 は 木 材 中 の 水 分 に 影 響 される ここでは 燃 料 木 材 チップの 性 能 規 格 を 制 定 するため 各 関 係 業 界 で 扱 われている 木 材 チップの 含 水 率 に 関 する 調 査 を 行 った まず 各 関 係 産 業 の 木 材 チップの 実 測 含 水 率 に 対 する 意 識 と 含 水 率 測 定 方 法 および 一 般 生 産 者 に 受 け 入 れ 可 能 な 燃 料 チップの 含 水 率 値 を 調 査 した 次 に その 結 果 を 基 にして 各 産 業 の 標 準 的 な 含 水 率 値 や 含 水 率 に 対 する 発 熱 量 を 実 態 合 わせて 解 析 した また 比 較 的 含 水 率 が 高 い 原 木 チップや 製 材 チップから 燃 料 用 木 材 チップを 生 産 する 場 合 のコストを 試 算 した 2.2 チップ 生 産 使 用 工 場 調 査 対 象 は 木 材 チップを 生 産 あるいは 原 料 や 燃 料 として 使 用 している 工 場 とした 対 象 は 北 海 道 地 区 埼 玉 地 区 静 岡 地 区 島 根 地 区 宮 崎 地 区 の 合 計 5 地 区 の13 社 とした 業 種 は チップ 生 産 発 電 製 紙 化 学 加 工 ボ-ド 生 産 製 材 等 であった それらの 概 観 を 以 下 に 述 べる 尚 チップ 生 産 工 場 は 実 名 でその 他 は 記 号 等 で 社 名 を 示 した 2.2.1 静 岡 チップ 工 業 株 式 会 社 静 岡 チップ 工 業 株 式 会 社 は 家 屋 解 体 材 ( 垂 木 や 柱 材 ) 廃 パレット 梱 包 廃 材 木 材 工 場 廃 材 伐 採 木 等 を 破 砕 により 木 材 チップ 化 し 製 紙 原 料 木 質 ボード 原 料 およびボイラ 燃 料 として 生 産 していた 防 腐 剤 等 の 薬 品 処 理 材 に 関 しては 目 視 等 で 確 認 することにより 除 外 していた ダストは 畜 産 敷 料 等 として 扱 われていた 解 体 材 等 の 原 料 持 ち 込 みに 対 して は 2.5 円 /kg の 処 分 量 を 課 していた 解 体 材 は 住 宅 建 築 等 の 落 ち 込 みにより 減 尐 傾 向 であり 今 後 の 原 料 確 保 を 懸 念 していた 木 材 チップは 住 宅 解 体 材 であるため 原 料 の 低 含 水 率 であるが 木 材 チップ で 保 管 しているときに 近 隣 に 埃 として 舞 うことを 懸 念 して 散 水 をしていた 今 後 燃 料 チップとして 湿 量 含 水 率 20%の 含 水 率 規 格 は 受 け 入 れ 可 能 とい うことであった 写 真 2.1 解 体 材 等 の 木 材 チップ 化 作 業

2.2.2 三 基 開 発 株 式 会 社 三 基 開 発 株 式 会 社 は 解 体 材 や 伐 採 による 残 材 を 資 源 リサイクルする 業 者 である これ らの 原 料 は 工 場 を 中 心 として 道 内 50kmの 範 囲 内 から 収 集 されていた 主 に 燃 料 用 木 材 チ ップを 生 産 し 王 子 製 紙 関 連 会 社 へ 出 荷 していた 燃 料 チップの 含 水 率 規 格 として 湿 量 基 準 20%は 受 け 入 れられる 数 値 ということであった 写 真 2.2 解 体 材 等 の 集 積 作 業 写 真 2.3 チップ 化 された 解 体 材 2.2.3 株 式 会 社 ニチモク 林 産 株 式 会 社 ニチモク 林 産 は 原 木 チップを 生 産 していた これらは 製 紙 用 木 材 チップであり その 他 バーク ダストの 生 産 も 行 っていた 原 木 の 樹 種 は 道 内 のアカエゾマツ トドマツ シラカバ ナラ 雑 木 等 であった 製 紙 用 チップは 日 本 製 紙 株 式 会 社 向 けであった 写 真 2.4 広 葉 樹 チップの 道 内 原 木 写 真 2.5 広 葉 樹 材 のチップ 化 工 程

2.2.3 山 興 緑 化 有 限 会 社 山 興 緑 化 有 限 会 社 は 木 材 チップ 生 産 工 場 等 から 排 出 されるバーク( 樹 皮 )のバーク 堆 肥 を 生 産 していた バークの 再 資 源 化 減 量 化 そして 土 壌 改 良 材 としてのリサイクルに 取 り 組 んでいた さらに 枝 葉 根 株 木 屑 家 屋 廃 材 等 のリサイクル 事 業 として 建 築 の 木 屑 等 土 木 工 事 や 造 成 工 事 に 伴 う 抜 根 枝 葉 等 を 破 砕 処 理 して 堆 肥 等 を 生 産 していた ま た 曲 がり 材 等 の 原 木 を 用 いて 製 紙 用 木 材 チップを 生 産 していた 含 水 率 に 関 しては 製 紙 用 であることから 意 識 はしていないが 今 後 燃 料 用 として 規 格 が 設 けられる 場 合 湿 量 基 準 30% 以 下 ならば 可 能 な 数 値 であるとしていた 写 真 2.6 機 械 化 された 枝 葉 や 根 株 等 の 破 砕 写 真 2.7 チップ 用 の 原 木 選 別 2.2.4 宮 崎 みどり 製 薬 株 式 会 社 宮 崎 みどり 製 薬 株 式 会 社 は 畜 産 水 産 農 業 用 の 混 合 飼 料 粗 飼 料 特 殊 肥 料 の 生 産 を 行 っていた 混 合 飼 料 として 国 産 常 緑 広 葉 樹 (イタジイ 等 )の 樹 皮 を 熱 処 理 ( 炭 化 )し てできた 樹 皮 炭 と 木 酢 液 による 製 品 の 生 産 や 粗 飼 料 としてスギ 原 木 をチップ 化 し 圧 力 蒸 煮 釜 で 熱 処 理 を 行 い 加 工 した 製 品 を 生 産 していた 基 本 的 に 木 材 チップを 原 料 とした 化 学 加 工 工 場 なので 原 料 の 含 水 率 基 準 は 特 に 設 けてはいなかった 写 真 2.8 イタジイ 等 の 常 緑 広 葉 樹 原 木 写 真 2.9 圧 力 煮 沸 装 置 による 熱 処 理

2.2.5 木 脇 産 業 株 式 会 社 木 脇 産 業 株 式 会 社 は 国 産 材 (スギ) 製 材 チップ 加 工 住 宅 資 材 製 造 販 売 している 年 間 130,000m 3 の 素 材 生 産 量 である 木 材 チップは 針 葉 樹 スギの 背 板 から 生 産 され 11000 ~15000 m 3 から 約 1000t の 木 材 チップが 生 産 される スギ 林 には 広 葉 樹 も 混 じっている 場 合 があり 1200t/ 年 ではあるが 広 葉 樹 チップも 生 産 していた 同 社 では 木 材 チップ 等 の 木 質 燃 料 は 木 材 乾 燥 用 の 木 質 燃 料 焚 きボイラでも 利 用 しており 10t/ 日 の 割 合 で 消 費 されてい た 写 真 2.10 製 材 工 程 前 のスギ 丸 太 材 写 真 2.11 背 板 等 からの 木 材 チップ 2.2.6 亀 井 産 業 株 式 会 社 亀 井 産 業 株 式 会 社 は 建 築 廃 棄 物 からボ-ド 用 と 燃 料 用 の 木 材 チップを 生 産 していた 主 に ボイラ 燃 料 として 木 くず 角 材 板 類 合 板 類 等 を 破 砕 によりチップ 化 していた ま た 製 紙 原 料 ボード 原 料 用 も 生 産 していた 燃 料 チップの 含 水 率 規 格 に 関 しては 湿 量 基 準 30% 以 下 ならば 可 能 な 数 値 であるとしていた 写 真 2.12 重 機 による 解 体 材 の 一 次 破 砕 写 真 2.13 燃 料 用 破 砕 チップの 一 例

2.2.7 A 社 A 社 はパーティクルボ-ドの 製 造 会 社 である 製 品 の 厚 みは 9~40mmであった 製 品 内 部 は 粒 子 の 粗 い 木 片 を 表 面 は 鋸 や 鉋 くずのスクリ-ンダスト 等 の 細 かい 粒 子 を 用 いて 製 造 されていた 製 品 含 水 率 は 外 側 8% 内 側 は 4%で 管 理 されていた 原 料 の 乾 燥 方 法 は 直 径 2m 長 さ 12mのロ-タリ-キルンで 行 われていた ロ-タリ-キルンの 乾 燥 温 度 は 200 程 度 で 含 水 率 30~60%の 原 料 チップを 10 分 以 内 で 乾 燥 していた 含 水 率 は 製 品 の 品 質 に 影 響 するので 最 終 的 には 110~120 で 含 水 率 4%に 落 としていた ロ-タリ-キルンの 加 熱 源 は 12t/hの 蒸 発 能 力 を 持 つ 木 質 燃 料 ボイラであった 木 質 燃 料 の 消 費 量 は 1~2t/ 時 間 であった ボ-ド 原 料 や 燃 料 チップは 屋 外 に 山 積 みされていたが 樹 皮 等 を 含 む 場 合 には 自 然 発 火 を 防 ぐために 最 大 3.5m 以 下 に 制 限 されていた 写 真 2.14 木 材 チップ 乾 燥 工 程 装 置 外 観 写 真 2.15 山 積 み 高 さ 3.5mの 木 材 チップ 原 料 2.2.8 B 社 B 社 はパーティクルボードやMDF インシュレ-ションボ-ド 等 の 繊 維 板 を 製 造 して いた 製 品 含 水 率 は 約 7%で 管 理 されていた ボードの 主 な 原 料 は マレーシア 等 からML H(Mix Light Hardood)と 称 される 輸 入 広 葉 樹 混 合 材 であった 原 料 の 含 水 率 は 製 造 プ ラントの 工 程 にある 異 物 除 外 プールで 沈 むような 高 密 度 高 含 水 率 材 は 除 くことがある 木 材 チップの 品 質 規 格 としては 製 紙 用 繊 維 版 パーティクルボ-ドそして 燃 料 という 区 分 ならば 受 け 入 れ 可 能 であるということであった 2.2.9 C 社 C 社 は 出 力 100 万 kw の 石 炭 燃 料 による 火 力 発 電 所 である ここでは 木 質 バイオマス 燃 料 を 石 炭 と 混 燃 する 実 証 実 験 が 行 われていた 発 電 のため 8,000ton/day の 石 炭 を 燃 焼 し 混 燃 試 験 では 重 量 割 合 で 約 2%の 約 150t/day の 木 質 燃 料 を 実 際 の 燃 焼 装 置 に 加 える 実 証 試 験 を 行 っていた 混 燃 用 の 木 質 燃 料 は 島 根 県 内 から 調 達 していた 木 質 燃 料 は 樹 皮 も 含 まれ ており 50mm の 大 きさ 制 限 を 行 っていた 含 水 率 はトラックドライバ-によりバケツ 1 杯

分 を 採 取 その 後 担 当 係 員 により 重 量 法 で 測 定 していた 受 け 入 れ 基 準 含 水 率 は 湿 量 基 準 含 水 率 55% 以 下 としていた 写 真 2.17 バイオマスサイロへの 投 入 写 真 2.16 木 材 チップサンプルの 採 取 2.2.10 P1 社 P1 社 は 新 聞 用 紙 出 版 用 紙 中 質 紙 を 製 造 している 製 紙 工 場 である 木 材 チップ 品 質 検 査 用 のサンプルはトラックの 荷 台 からピットに 落 とすときに バケツ 一 杯 分 をトラッ クドライバ-によって 採 取 し 検 査 担 当 係 員 へ 提 出 していた 含 水 率 用 のサンプルは 担 当 係 員 により 検 査 室 でふるい 分 けをした 後 大 さき 17mm のチップを 重 量 法 で 測 定 していた 写 真 2.18 木 材 チップ 投 入 ピット (トラックドライバ-がサンプル 採 取 ) 写 真 2.19 ふるいによる 形 状 選 別

2.2.11 P2 社 P2 社 は 木 材 チップを 原 料 とした 溶 解 パルプ リグニン 製 品 CMC セルロースパウ ダー 等 のケミカル 原 料 を 生 産 していた 化 学 工 業 用 途 にはセルロースの 比 率 が 高 いパルプ ( 溶 解 パルプ)が 求 められていた シート 製 品 はレーヨンやセロファンの 原 料 に ロール 製 品 はセルロース 誘 導 体 (メチルセルロース 酢 酸 セルロース 硝 酸 セルロースなど)の 原 料 であった 一 方 木 材 のセルロース 以 外 の 成 分 についても 糖 分 は 酵 母 核 酸 に リ グニン 分 はリグニンスルホン 塩 酸 として 工 業 用 特 殊 分 野 に 幅 広 く 利 用 されていた 原 料 チ ップとしては 過 度 に 含 水 率 の 低 いものは 生 産 上 問 題 になることがあるということであった 2.2.12 P3 社 P3 社 は 製 紙 工 場 である 主 な 製 品 は 上 質 紙 PPC 用 紙 などを 中 心 に 感 熱 紙 等 の 情 報 用 紙 などの 高 品 質 製 品 を 生 産 していた 原 料 の 樹 種 は 国 産 のシイやカシ 輸 入 材 はチリ オ-ストラリア NZからのユ-カリやベトナムからのアカシアであった 輸 入 材 が 約 9 割 であった 国 産 材 の 含 水 率 はトラックドライバ-によりバケツ 1 杯 分 を 採 取 それから 担 当 係 員 に より 150g 見 当 を 重 量 法 で 測 定 していた 写 真 2.20 輸 入 原 料 広 葉 樹 チップ 写 真 2.21 サンプルチップの 採 取

2.3 含 水 率 測 定 含 水 率 測 定 用 の 木 材 チップ 供 給 工 場 7 社 から 採 取 した 木 材 チップの 用 途 は 製 紙 用 ボ -ド 用 および 燃 料 用 であった 木 材 チップの 原 料 は 原 木 製 材 工 場 の 製 材 側 板 や 国 内 解 体 材 であった 製 紙 用 木 材 チップは 納 入 先 との 取 り 決 めにより 針 葉 樹 と 広 葉 樹 に 分 別 されて いた 含 水 率 の 測 定 は 次 の 通 り 行 った 各 工 場 で 採 取 した 木 材 チップ 試 料 は 密 封 し 直 ちに 森 林 総 合 研 究 所 へ 送 付 した 測 定 用 試 料 の 含 水 率 測 定 は 次 のように 重 量 測 定 法 (JIS Z 2101 あるいは JIS Z 7203-3)の 手 順 で 行 った まず 各 社 の 木 材 チップ 約 1kg を 電 子 天 秤 によ り 重 量 測 定 ( 生 材 重 量 (W )) を 行 った 次 に 庫 内 温 度 105 に 設 定 された 送 風 恒 温 器 内 で 恒 量 ( 含 水 率 0%)の 状 態 を 確 認 そして 恒 量 に 達 した 木 材 チップの 重 量 測 定 ( 全 乾 重 量 ( W o ))を 行 った 含 水 率 の 算 出 は 乾 量 基 準 含 水 率 を 以 下 の 式 (2.1)により 湿 量 基 準 含 水 率 を 式 (2.2) で 行 った W Wo U d 100 (2.1) Wo W Wo U 100 (2.2) W ここに U d : 乾 量 基 準 の 含 水 率 (%), U : 湿 量 基 準 の 含 水 率 (%),W : 生 材 重 量 (kg), W o : 全 乾 重 量 (kg)である また 乾 量 基 準 含 水 率 から 湿 量 基 準 含 水 率 および 湿 量 基 準 含 水 率 から 乾 量 基 準 含 水 率 の 変 換 式 はそれぞれ 式 (2.3)および 式 (2.4)である U d 100 U (2.3) 100 -U U 100 U d (2.4) 100 U d ここに U d : 乾 量 基 準 の 含 水 率 (%), U : 湿 量 基 準 の 含 水 率 (%),W : 生 材 重 量 (kg), W o : 全 乾 重 量 (kg)である 表 2.1 は 各 調 査 工 場 の 含 水 率 測 定 結 果 である 静 岡 チップ 工 業 株 式 会 社 三 基 開 発 株 式 会 社 亀 井 産 業 株 式 会 社 の 解 体 材 等 はチップ 化 の 山 積 み 状 態 の 時 に 雨 水 に 曝 され 煤 塵 の 飛 散 を 防 ぐために 散 水 を 行 っている 等 の 事 例 が 確 認 されたこともあり 乾 量 基 準 含 水 率 12~ 55%( 湿 量 基 準 含 水 率 10~35%)を 示 した 住 宅 解 体 材 を 原 料 とした 廃 材 チップは 住 宅 用

材 として 長 時 間 にわたり 自 然 に 乾 燥 されているため 製 材 品 は 平 衡 含 水 率 に 近 い 乾 量 基 準 含 水 率 12~17% ボード 類 は 8~12%という 値 が 維 持 されていると 思 われるが 今 回 調 査 のチップ 化 工 程 では 含 水 率 は 上 記 の 理 由 で 上 昇 している 傾 向 がみられた 株 式 会 社 ニチモク 林 産 三 興 緑 化 有 限 会 社 木 脇 産 業 株 式 会 社 の 製 材 チップや 曲 がり 材 等 の 原 木 チップ 等 は 針 葉 樹 で 乾 量 基 準 含 水 率 32~77%( 湿 量 基 準 含 水 率 24~43%) 広 葉 樹 は 乾 量 基 準 含 水 率 55~65%( 湿 量 基 準 含 水 率 35~40%)であった 木 脇 産 業 株 式 会 社 の 針 葉 樹 背 板 は 辺 材 部 分 が 多 いスギ 材 であり チップ 化 工 程 の 排 出 状 態 で 試 料 を 採 取 したた め 乾 量 基 準 含 水 率 100% 以 上 の 含 水 率 が 予 想 されたが 乾 量 基 準 含 水 率 52%( 湿 量 基 準 含 水 率 34%)であった これは 素 材 丸 太 の 伐 採 時 期 保 管 状 態 の 影 響 およびチップ 加 工 の 際 の 物 理 的 な 脱 水 が 理 由 として 考 えられる 製 紙 やボード 用 の 木 材 チップは 製 紙 工 場 に 納 入 する 際 に 含 水 率 を 除 いた 状 態 で 取 引 さ れるので チップ 工 場 出 し 原 料 段 階 の 含 水 率 値 は 意 識 されていなかった 一 方 今 後 燃 料 として 利 用 される 場 合 は 木 材 チップの 含 水 率 によって 発 熱 量 が 異 なることから この 発 熱 量 を 品 質 基 準 とする 場 合 には 今 後 含 水 率 値 の 管 理 が 重 要 視 されると 考 えられる 表 2.1 木 材 チップの 含 水 率 測 定 値 ( 重 量 測 定 法 ) 含 水 率 採 取 工 場 用 途 原 料 樹 種 等 乾 量 基 準 湿 量 基 準 (%) (%) 静 岡 チップ 工 業 株 式 会 社 燃 料 用 建 築 解 体 材 31 24 製 紙 用 建 築 解 体 材 36 27 製 紙 用 建 築 解 体 材 55 35 三 基 開 発 株 式 会 社 ボ-ド 用 外 側 用 鋸 屑 36 26 製 紙 用 針 葉 樹 (アカマツ) 23 19 ボ-ド 用 建 築 解 体 材 34 25 株 式 会 社 ニチモク 林 産 製 紙 用 針 葉 樹 (カラマツ) 32 24 製 紙 用 広 葉 樹 ( 国 産 ) 55 35 三 興 緑 化 有 限 会 社 燃 料 用 根 株 31 24 製 紙 用 広 葉 樹 ( 国 産 ) 65 40 製 紙 用 針 葉 樹 (スギ ヒノキ) 77 43 木 脇 産 業 株 式 会 社 製 紙 用 針 葉 樹 丸 太 (スギ ヒノキ) 40 29 製 紙 用 背 板 (スギ) 52 34 宮 崎 みどり 製 薬 株 式 会 社 その 他 スギ 皮 入 り 40 29 その 他 広 葉 樹 ( 国 産 ) 46 32 亀 井 産 業 株 式 会 社 燃 料 用 建 築 解 体 材 29 22 製 紙 用 建 築 解 体 材 12 10 ボ-ド 用 建 築 解 体 材 17 14

2.4 燃 料 チップとしての 発 熱 量 近 年 バイオマス 燃 料 として 重 要 視 されている 木 材 チップは それ 自 体 に 含 まれる 水 分 によって 発 熱 量 の 高 低 が 現 れる 発 熱 量 とは 燃 料 の 単 位 量 1kg または 1Nm 3 (0 1 気 圧 ) が 完 全 に 燃 焼 する 時 の 熱 量 のことである ここでは 木 材 チップを 燃 料 として 扱 うことを 念 頭 にした 品 質 について 考 察 した 2.4.1 木 材 チップと 他 の 燃 料 の 発 熱 量 表 2.2 は 湿 量 基 準 含 水 率 および 乾 量 基 準 含 水 率 に 対 する 発 熱 量 ( 高 発 熱 量 )の 関 係 を 示 している このように 木 材 の 発 熱 量 は 一 般 的 に 4500kcal/kg を 用 いる ただし この 数 値 は 木 材 に 水 分 が 全 く 含 まれていない 状 態 における 値 である 木 材 チップの 場 合 は 人 工 的 に 乾 燥 処 理 をしたとしても 5~10%であるから 一 般 的 には 4000kcal/kg を 現 実 的 な 値 とし て 扱 うことが 望 ましいと 思 われる 参 考 までに 他 の 燃 料 の 発 熱 量 は 灯 油 11,000~11500 kcal/kg A 重 油 10000~11000 kcal/kg 石 炭 6000~7000 kcal/kg である 表 2.2 木 材 含 水 率 に 対 する 発 熱 量 ( 高 発 熱 量 )の 関 係 湿 量 基 準 含 水 率 乾 量 基 準 含 水 率 発 熱 量 (%) (%) (kcal/kg) (MJ/kg) 0 0 4562 19.1 10 11 4020 16.8 15 18 3749 15.7 20 25 3476 14.6 25 33 3208 13.4 30 43 2937 12.3 35 54 2666 11.2 40 67 2395 10.0 45 82 2124 8.9 50 100 1853 7.8 単 位 変 換 1kcal=4.1865kJ 参 考 : 木 材 工 業 便 覧 P.245(1951) 2.4.2 水 分 を 含 んだ 燃 料 チップとしての 品 質 木 材 は 元 々 樹 木 であった 時 の 樹 液 を 多 く 含 む 木 材 チップは 製 材 側 板 や 曲 がり 材 や 剪 定 木 等 から 生 産 される 場 合 に 樹 液 である 水 分 を 蒸 発 乾 燥 させる 必 要 がある 木 材 の 特 性 は 材 内 水 分 の 蒸 発 乾 燥 過 程 で 達 する 繊 維 飽 和 点 ( 乾 量 基 準 含 水 率 で 約 30%) から 物 理 的 な 性 能 が 変 化 する この 理 由 の 一 つに 木 材 中 の 自 由 水 がなくなることがあげら れる すなわち 液 体 としての 水 は 蒸 発 乾 燥 して 木 材 実 質 と 化 学 的 な 結 合 をした 水 分 のみ の 状 態 になる したがって この 繊 維 飽 和 点 よりも 含 水 率 が 低 いところに 発 熱 量 の 基 準 が 必 要 と 思 われた 生 材 状 態 から 乾 燥 木 材 チップとして 生 産 する 場 合 は ある 程 度 発 熱 量 が 得 られ 生 産 コ

発 熱 量 (kcal/kg) ストも 抑 えられる 場 合 を 考 慮 し 次 の 判 断 基 準 を 必 要 とすると 思 われた まず 湿 量 基 準 含 水 率 20%( 乾 量 基 準 含 水 率 25%) 未 満 とし 発 熱 量 3500kcal/kg を 担 保 できるようにする 次 に 湿 量 基 準 含 水 率 30%( 乾 量 基 準 含 水 率 43%) 未 満 とし 発 熱 量 3000kcal/kg を 担 保 できるようにする そして 高 含 水 率 であり 発 熱 量 は 小 さいが 製 品 燃 料 チップを 重 量 で 取 引 する 場 合 単 位 重 量 当 たりで 木 材 実 質 よりも 水 分 のほうが 重 いよう なものは 品 質 としてよろしくないと 判 断 し 湿 量 基 準 含 水 率 50%( 乾 量 基 準 含 水 率 100%) 未 満 を 発 熱 量 2000kcal/kg に 基 準 を 設 ける 必 要 があると 考 えられた このように 燃 料 チップは 含 水 率 に 対 する 発 熱 量 を 品 質 基 準 として 扱 うことが 望 ましいと 考 えられる 2.4.3 湿 量 基 準 含 水 率 および 乾 量 基 準 含 水 率 と 発 熱 量 の 関 係 湿 量 基 準 含 水 率 は 対 象 物 の 全 重 量 に 対 する 水 分 量 の 割 合 である したがって 湿 量 基 準 含 水 率 に 対 する 発 熱 量 ( Q ( 高 発 熱 量 ))は 図 2.1 のように 直 線 関 数 の 近 似 式 (2.5)で 表 す h ことができる 一 方 乾 量 基 準 含 水 率 は 木 材 実 質 の 重 量 と 水 分 重 量 の 比 である したがっ て 乾 量 基 準 含 水 率 に 対 する 発 熱 量 ( Q hd 近 似 式 (2.6)で 表 すことができる ( 高 発 熱 量 ))の 関 係 は 図 2.2 のように 指 数 関 数 の 5000 4500 4000 文 献 値 3500 3000 2500 2000 1500 Q h 54.18 U 4562 R 2 =0.999 1000 500 0 0 10 20 30 40 50 湿 量 基 準 含 水 率 (%) 図 2.1 湿 量 基 準 含 水 率 と 含 水 率 の 関 係

発 熱 量 (kcal/kg) 5000 4500 4000 3500 3000 2500 2000 1500 1000 Q hd U d 1030.36 3516.37 exp 69.37 R 2 =0.999 500 0 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 乾 量 基 準 含 水 率 (%) 図 2.2 乾 量 基 準 含 水 率 と 含 水 率 の 関 係 Q 54.18 h 4562 (2.5) U d Q hd 1030.36 3516.37 exp 69.37 (2.6) ここに Q h : 含 水 率 U の 時 の 発 熱 量 (kcal/kg) Q hd : 含 水 率 U d の 時 の 発 熱 量 (kcal/kg) U : 湿 量 基 準 の 含 水 率 (%) U : 乾 量 基 準 の 含 水 率 (%) d 木 材 の 含 水 率 は 従 来 から 乾 量 基 準 含 水 率 基 準 ( 測 定 法 :JIS Z2101)で 扱 われてきている 乾 量 基 準 含 水 率 は 木 材 やお 茶 等 の 農 林 産 物 の 水 分 含 有 量 に 用 いられるのみの 表 示 方 法 で ある 木 材 チップの 品 質 を 発 熱 量 に 関 係 する 含 水 率 で 区 分 する 場 合 には 含 水 率 と 熱 量 の 関 係 が 指 数 近 似 式 になる 乾 量 基 準 含 水 率 ベースよりも 直 線 近 似 が 容 易 な 湿 量 基 準 含 水 率 の ほうが 扱 いやすいと 思 われる また 一 般 的 に 他 の 産 業 が 扱 っている 湿 量 基 準 含 水 率 との 混 乱 を 避 けることを 考 慮 して 木 材 チップ 燃 料 の 品 質 規 格 表 示 の 場 合 は 湿 量 基 準 含 水 率 を 採 用 することが 望 ましい ただし 当 面 は 湿 量 基 準 含 水 率 であることを 明 記 し 乾 量 基 準 含 水 率 との 変 換 式 を 記 載 する 必 要 があると 思 われる また 燃 料 木 材 チップは 規 格 上 の 測 定 法 を 主 な 産 業 の 固 形 燃 料 で 扱 う 湿 量 含 水 率 基 準 ( 測 定 法 :JIS Z7302-3)に 根 拠 をおくことも 検 討 するべきと 思 われる

2.5 文 献 による 発 熱 量 表 2.3 は 無 水 状 態 ( 含 水 率 0%)における 各 樹 種 の 発 熱 量 である 一 般 的 に 針 葉 樹 の 発 熱 量 の 方 が 広 葉 樹 より 高 い 竹 材 の 無 水 状 態 の 発 熱 量 は 年 齢 1~6 で 約 4700 kcal/kg である 表 2.4 は 木 材 の 発 熱 性 を 調 べるために 実 験 的 に ISO コ-ンカロリ- 計 で 求 めた 各 樹 種 の 有 効 燃 焼 熱 の 例 である この 試 験 結 果 でも 針 葉 樹 の 方 が 発 熱 量 は 高 い 結 果 である また 発 炎 燃 焼 の 燃 焼 熱 は 表 2.2 の 湿 量 基 準 含 水 率 10%では 4000cal/kg の 発 熱 量 に 対 して 低 い 値 を 示 している 気 乾 ベースの 有 効 発 熱 量 は 2962~3440kcal/kg であった 木 材 の 成 分 は 炭 素 水 素 酸 素 で 構 成 されており これらは 燃 焼 によって 各 酸 化 物 と 発 熱 を 生 じる これらの 成 分 のほかに 灰 分 がある 木 材 の 灰 分 は 一 般 的 には 2% 程 度 と 言 われ ている したがって 総 発 熱 量 は 樹 種 ごとでも 密 度 とともに 増 加 した 初 期 含 水 率 は 発 炎 燃 焼 時 間 およびその 間 の 発 熱 速 度 に 影 響 した 樹 皮 の 発 熱 量 は 木 材 部 分 よりもやや 高 いか 類 似 の 値 である 木 材 部 分 と 同 様 に 針 葉 樹 の 発 熱 量 の 方 が 高 い これは 針 葉 樹 の 樹 皮 は 広 葉 樹 の 樹 皮 よりも 樹 脂 精 油 を 多 く 含 み 外 皮 が 発 達 していることやコルク 質 が 多 く 密 度 の 割 には 炭 素 含 有 率 が 多 いためとされてい る このように 木 材 の 燃 焼 量 は 実 際 のところは 各 樹 種 の 密 度 灰 分 樹 脂 含 有 率 等 にも 関 係 すると 考 えられるので 留 意 する 必 要 もあると 思 われた 表 2.3 針 葉 樹 と 広 葉 樹 の 発 熱 量 ( 高 発 熱 量 ) 樹 種 無 水 状 態 の 高 発 熱 量 (kcal/kg) 木 材 樹 皮 カラマツ 4920 トドマツ 4970 エゾマツ 4840 針 葉 樹 12 種 平 均 4960 ブナ 4700 ナラ 4689 ケヤキ 4392 広 葉 樹 12 種 平 均 4730 ダグラスファー 5110 5610 ヘムロック 4720 5440 レッドシーダー 4390 4830 アルダー 4400 4670 参 考 : 木 材 乾 燥 講 習 会 テキスト

表 2.4 コ-ンカロリ- 計 で 求 めた 各 樹 種 の 有 効 燃 焼 熱 樹 種 試 験 体 数 密 度 発 炎 燃 焼 の 燃 焼 熱 ( 気 乾 ベース) ( 個 ) (g/cm 3 ) (kcal/kg) (MJ/kg) アカマツ 9 0.46~0.62 3201 13.4 P.densiflora カラマツ 9 0.41~0.59 3177 13.3 L.leptolepis ヒノキ 12 0.41~0.58 3440 14.4 C.obtusa スギ 11 0.27~0.39 3273 13.7 C.japonica トドマツ 8 0.34~0.48 3344 14.0 A.sachalinensis ヤチダモ 14 0.43~0.71 2962 12.4 F.mandshurica 試 験 体 の 寸 法 :100(T) 100(L) 15(R)mm( 板 目 材 ) 養 生 条 件 :23 50%RHで3ヵ 月 ( 乾 量 基 準 含 水 率 9% 湿 量 基 準 含 水 率 8.3%) 単 位 変 換 :1J = 4.1865cal 参 考 : 菊 池 伸 一 木 材 の 発 熱 性 に 対 する 密 度 水 分 の 影 響 Hokkaido For.Prod.Res.Inst.Vol22.No2,2008 2.6 高 発 熱 量 と 低 発 熱 量 木 材 に 含 まれる 水 分 や 燃 焼 による 化 学 反 応 によって 発 熱 量 は 高 低 が 生 じる それは 主 に 炭 素 と 水 素 と 酸 素 の 分 子 組 成 からなる 木 材 自 体 の 燃 焼 と 水 の 蒸 発 潜 熱 と 凝 縮 潜 熱 の 関 係 に 起 因 するとも 考 えられる 実 際 に 燃 料 として 使 用 される 木 材 チップは 含 水 率 0%の 状 態 ではなく 各 含 水 率 で 使 用 時 の 高 発 熱 量 は 低 くなることは 表 2.2 のとおりである 低 発 熱 量 とは 高 発 熱 量 から 水 蒸 気 の 凝 縮 熱 を 除 いた 値 である 実 際 の 燃 焼 では 燃 焼 ガ スを 高 温 のまま 排 出 し 水 蒸 気 の 凝 縮 熱 ( 気 体 が 液 体 になる 時 に 放 出 する 熱 )は 利 用 でき ないので 低 発 熱 量 が 実 用 的 な 意 味 を 持 つことになる すなわち 高 発 熱 量 は 燃 焼 ガス 中 の 生 成 水 蒸 気 が 凝 縮 したときに 得 られる 凝 縮 潜 熱 を 含 めた 発 熱 量 をいい 単 位 量 の 燃 料 の 燃 焼 熱 に 等 しい それに 対 して 低 発 熱 量 は 生 成 水 蒸 気 は 凝 縮 されないまま 系 外 に 放 出 されたときの 発 熱 量 をいい 実 際 に 利 用 できる 熱 量 に 等 しい 低 発 熱 量 を 高 発 熱 量 との 関 係 式 で 表 すと 含 水 率 に 関 係 した 式 (2.7)および 式 (2.8)で 表 される

H L U d 600(9h0 ) H 100 h0 (2.7) U d 1 100 H L H h0 U 600(9h0 100 U U 1 100 U ) (2.8) ここに H L : 低 発 熱 量 (kcal/kg) H h0 : 高 発 熱 量 ( 含 水 率 0%)(kcal/kg) h 0 : 水 素 量 ( 含 水 率 0% 時 )(kg/kg) U d : 乾 量 基 準 の 含 水 率 (%) U : 湿 量 基 準 の 含 水 率 (%) 表 2.2 の 数 値 を 用 いて 計 算 した 値 を 湿 量 基 準 含 水 率 に 対 する 発 熱 量 を 表 したのが 表 2.5 お よび 図 2.3 である 図 2.3 では 明 らかに 表 せないが 含 水 率 が 低 いほど 高 発 熱 量 に 対 する 低 発 熱 量 の 割 合 は 小 さくなる 表 2.5 各 含 水 率 値 に 対 する 高 発 熱 量 と 低 発 熱 量 の 関 係 湿 量 基 準 含 水 率 乾 量 基 準 含 水 率 高 発 熱 量 低 発 熱 量 (%) (%) (kcal/kg) (MJ/kg) (kcal/kg) (MJ/kg) 0 0 4562 19.1 4238 17.7 5 5 4291 18.0 3954 16.6 10 11 4020 16.8 3673 15.4 15 18 3749 15.7 3393 14.2 20 25 3476 14.6 3113 13.0 25 33 3208 13.4 2838 11.9 30 43 2937 12.3 2561 10.7 35 54 2666 11.2 2285 9.6 40 67 2395 10.0 2010 8.4 45 82 2124 8.9 1735 7.3 50 100 1853 7.8 1460 6.1

発 熱 量 (kcal/kg) 発 熱 量 (kcal/kg) 5000 4500 4000 Q H 54.18 U 4562 R² = 0.999 3500 3000 2500 2000 1500 1000 500 0 Q L 55.75 U 4238 R² = 0.999 高 発 熱 量 低 発 熱 量 0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50 湿 量 湿 量 基 基 準 準 含 水 率 (%) 図 2.3 湿 量 基 準 含 水 率 値 に 対 する 高 発 熱 量 と 低 発 熱 量 湿 量 基 準 含 水 率 と 高 発 熱 量 および 低 発 熱 量 の 関 係 を 式 (2.9)と 式 (2.10)に 示 す Q H 54.18U 4562 (2.9) ここに Q 55.75 U L 4238 (2.10) Q H : 含 水 率 U の 時 の 高 発 熱 量 (kcal/kg) U : 湿 量 基 準 含 水 率 (%) Q L : 含 水 率 U の 時 の 低 発 熱 量 (kcal/kg) 2.7. 実 効 発 熱 量 木 材 チップ 燃 料 をエネルギ-として 変 換 する 場 合 現 在 技 術 的 に 確 立 されているのは 蒸 気 発 生 ボイラである 燃 焼 によって 水 を 加 熱 して 水 蒸 気 として 気 化 させると その 水 蒸 気 は 熱 エネルギ-や 圧 力 エネルギ-に 変 換 可 能 である 前 者 は 30 ~100 という 人 間 生 活 に 深 く 関 わる 温 度 域 をカバ-できる 後 者 の 主 な 応 用 技 術 は 発 電 用 タ-ビンの 回 転 等 に 用 いられる 木 質 燃 料 焚 きボイラ-の 性 能 は 蒸 気 発 生 量 200kg/h から 10t/h 以 上 と その 用 途 等 によ って 使 い 分 けられている ここで 留 意 しなければならないことはボイラ 効 率 である ボイ ラ 効 率 とはボイラに 供 給 された 総 熱 量 にたいしてボイラ 水 と 蒸 気 に 吸 収 された 熱 量 の 割 合 である ボイラ 効 率 はボイラの 種 類 や 燃 料 によって 異 なり 木 質 燃 料 焚 き 水 管 ボイラの 場

合 は 70~80% 程 度 である 表 2.6 は 各 湿 量 基 準 含 水 率 に 対 する 推 定 実 効 熱 量 である 試 算 条 件 は 各 湿 量 含 水 率 の 低 発 熱 量 灰 分 2%を 考 慮 そしてボイラ 効 率 70%の 木 質 燃 料 焚 きボイラとし た こ の 試 算 は 厳 し め に 生 産 さ れ て い る が 湿 量 基 準 含 水 率 20% 未 満 で は 2200kcal/kg 湿 量 基 準 含 水 率 30% 未 満 では 1800kcal/kg そして 湿 量 基 準 含 水 率 50% 未 満 では 1000kcal/kg と 算 出 された 表 2.6 低 発 熱 量 を 基 にした 推 定 実 効 発 熱 量 湿 量 基 準 含 水 率 乾 量 基 準 含 水 率 高 発 熱 量 低 発 熱 量 灰 分 2%を 考 慮 した 発 熱 量 木 質 燃 料 焚 きボイラの 推 定 実 効 発 熱 量 (%) (%) (kcal/kg)(kcal/kg) (kcal/kg) ( 効 率 70%)(kcal/kg) 0 0 4562 4238 4153 2907 5 5 4291 3954 3875 2713 10 11 4020 3673 3600 2520 15 18 3749 3393 3325 2328 20 25 3476 3113 3050 2135 25 33 3208 2838 2781 1947 30 43 2937 2561 2510 1757 35 54 2666 2285 2239 1568 40 67 2395 2010 1969 1379 45 82 2124 1735 1700 1190 50 100 1853 1460 1431 1002 2.8 燃 料 用 木 材 チップの 乾 燥 処 理 木 材 チップを 燃 料 として 利 用 する 場 合 その 含 水 率 によって 発 熱 量 が 異 なり 低 含 水 率 の 方 が 発 熱 量 は 高 い 解 体 材 の 木 材 チップは 長 年 の 住 宅 使 用 によって 湿 量 基 準 含 水 率 は 10% 前 後 なので チップとして 加 工 した 後 は 燃 料 用 として 十 分 の 燃 焼 性 能 を 持 って いると 考 えられる 一 方 原 木 や 製 材 側 板 や 端 材 から 生 産 された 木 材 チップの 含 水 率 は 高 い 今 回 の 調 査 では 湿 量 基 準 含 水 率 で 最 大 43%であった したがって 燃 料 用 木 材 チップとし て 製 品 化 するためには 乾 燥 工 程 が 必 要 である ここでは 実 効 発 熱 量 2000kcal/kg 前 後 となる 湿 量 基 準 含 水 率 20~ 30%の 燃 料 用 チップを 生 産 することを 想 定 して 必 要 熱 量 とそれにかかる 燃 料 コスト 等 を 試 算 した 表 2.7 は 1kg の 木 材 チップを 乾 燥 前 湿 量 基 準 含 水 率 30~55%から 20~30%に 乾 燥 するときの 必 要 熱 量 を 基 に 算 出 した 燃 料 コストである 湿 量 基 準 含 水 率 40%を 20%にする 場 合 木 材 チップ 1tを 生 産 するときの 燃 料 コストは 灯 油 で 1,181 円 重 油 で 864 円 木 材 チップは 184 円 であった 湿 量 基 準 含 水 率 40%を 30%にする 場 合 も 同 様 の 値 であった また これらの 場 合 単 位 生 産 重 量 あたりで 必 要 な 燃 料 木 材 チップは 3%と 試 算 された

表 2.7 木 材 チップを 乾 燥 させるための 熱 量 とコスト 乾 燥 前 含 水 率 乾 燥 後 含 水 率 ( 製 品 含 水 率 ) 乾 燥 必 要 熱 量 各 加 熱 燃 料 の 必 要 コスト 木 材 チップ 生 産 に 必 要 な 燃 料 チップ 量 の 割 合 湿 量 基 準 湿 量 基 準 灯 油 A 重 油 木 材 チップ (%) (%) (kcal/kg) ( 円 /t) ( 円 /t) ( 円 /t) (%) 55 20 215 2,067 1,553 322 11 50 20 184 1,772 1,331 276 9 40 20 123 1,181 887 184 6 30 20 61 591 444 92 3 55 30 153 1,477 1,109 230 8 50 30 123 1,181 887 184 6 40 30 61 591 444 92 3 コスト 計 算 条 件 : 灯 油 :11000kcal/kg 106 円 /L(2012.01) A 重 油 :10500kcal/kg 76 円 /L(2012.01) 木 材 チップ:2000kcal/kg( 湿 量 基 準 =20~30%の 実 効 発 熱 量 ) 3 円 /kg 2.9 乾 燥 設 備 も 含 めた 木 材 チップ 生 産 コストの 試 算 日 産 50ton の 木 材 チップを 生 産 すると 想 定 したコスト 試 算 を 行 った この 生 産 量 は 年 間 稼 働 率 約 80%で 年 間 15,000ton の 生 産 である 試 算 は 次 の 条 件 で 行 った 日 産 50ton の 燃 料 用 木 材 チップを 実 効 発 熱 量 2,000kcal/kg の 木 材 チップを 生 産 する 場 合 は 湿 量 含 水 率 25% 未 満 に 乾 燥 処 理 をする 必 要 がある この 時 必 要 な 原 料 チップは 含 水 率 を 湿 量 含 水 率 40%とした 場 合 68 ton / 日 以 上 を 必 要 とする 蒸 発 水 分 量 は 18 ton / 日 以 上 である 乾 燥 処 理 に 用 いる 装 置 は ロータリ 乾 燥 機 1 機 による 24 時 間 稼 働 の 連 続 生 産 木 質 燃 料 焚 きボイラ( 蒸 発 量 2 ton / 日 ボイラ 効 率 70%)と 周 辺 機 器 も 含 めたコストである ま た 比 較 のために 同 ロ-タリ 乾 燥 機 と 油 焚 きボイラを(A 重 油 蒸 発 量 2 ton /h ボイラ 効 率 90%)を 組 み 合 わせた 場 合 の 試 算 を 行 った 各 燃 料 費 は 木 材 チップ 3 円 /kg A 重 油 76 円 /kg(2011.01 現 在 )とした 乾 燥 温 度 は 160 外 気 温 20 とした 68ton の 木 材 チップを 乾 燥 処 理 する 場 合 は 約 500kg/10 分 間 であり この 乾 燥 温 度 による 処 理 としては 可 能 な 数 値 と 思 われた ただし ロータリ 乾 燥 機 内 の 風 量 等 で 乾 燥 時 間 は 変 化 するので 今 後 実 験 的 に 明 らかにする 必 要 は あると 考 えられる 乾 燥 処 理 に 必 要 な 熱 量 の 計 算 は 次 の 条 件 で 行 った 乾 燥 機 は 連 続 的 に 稼 働 しているとし て 乾 燥 初 期 の 温 度 上 昇 等 に 必 要 な 熱 量 ( H 1 )( 式 (2.11))は 木 材 の 加 熱 に 必 要 な 熱 量 H 1 )( 式 (2.12))と 木 材 中 の 水 分 の 加 熱 に 必 要 な 熱 量 ( H 1 b )( 式 (2.13))を 足 し 合 わ ( a

せた 熱 量 とした H1 1 H1 a H b (2.11) 水 分 を 含 んだ 木 材 チップの 加 熱 に 必 要 な 熱 量 ここに H 1 a H V r C ( ) a 1 (2.12) 1 0 0 0 2 は 式 (2.12)から 求 めた V 0 : 乾 燥 する 材 積 (m 3 ) r 0 : 木 材 の 全 乾 密 度 数 (kg/m 3 ) C 0 : 木 材 の 比 熱 (kcal/kg ) 1 2 : 外 気 温 度 及 び 初 期 設 定 温 度 ( ) 一 方 原 料 木 材 チップに 含 まれる 水 分 の 加 熱 に 必 要 な 熱 量 ( た ここに H 1 b ua H 1b m( 2 1) V0r0C 0 ( 2 1) (2.13) 100 )は 式 (2.13) から 求 め m : 水 分 量 (kg) u a : 初 期 含 水 率 (%) 1 2 : 木 材 の 乾 燥 前 温 度 及 び 乾 燥 初 期 設 定 温 度 ( ) また 原 料 木 材 チップの 水 分 蒸 発 にかかる 熱 量 ( u 30 30 u H 2 a )は 式 (2.14)から 求 めた a e H 2a r0v 0 Q Q 20 (2.14) 100 10 ここに Q : 蒸 発 潜 熱 (kcal/kg) Q 20 : 含 水 率 30% 以 下 の 平 均 蒸 発 潜 熱 (kcal/kg) u a : 初 期 含 水 率 u e : 仕 上 がり 含 水 率 (%) 蒸 発 潜 熱 は 乾 燥 経 過 中 の 平 均 温 度 について 考 え 約 560kcal/kg とした 総 必 要 熱 量 H total は 原 料 木 材 チップの 乾 燥 初 期 温 度 上 昇 等 に 必 要 な 熱 量 ( H 1 )と 水 分 蒸 発 にかかる 熱 量 ( )を 足 し 合 わせた 数 値 とした さらに 乾 燥 処 理 中 には 壁 体 から H 2 a の 放 熱 空 気 および 水 蒸 気 の 加 熱 等 にも 加 熱 が 必 要 であるため 文 献 値 を 利 用 して 総 必 要 熱 量 H を 1.57 倍 した 数 値 を 実 質 の 必 要 発 熱 量 としてコスト 計 算 に 利 用 した total 表 2.8 に 木 材 チップを 燃 料 とした 場 合 の 生 産 コストを 示 す ロ-タリ 乾 燥 機 1 機 に 対 し 木 質 燃 料 焚 きボイラ( 蒸 発 量 2t/h)を 設 定 した また 表 2.9 は 同 ロ-タリ 乾 燥 機 1 機 に 対 し 油 焚 きボイラ( 蒸 発 量 2t/h)を 設 定 した 両 試 算 で 特 徴 的 なのは 各 ボイラの 価 格 の 差 人 件 費 および 燃 料 代 の 差 である

木 質 燃 料 焚 きボイラ 加 熱 による 生 産 コストは 表 2.8 のように 年 間 生 産 量 15,000ton に 対 して 5,536 万 円 であった 木 材 チップ 1 トン 当 たりに 換 算 すると 3,690 円 /ton であった 油 焚 きボイラ 加 熱 による 生 産 コストは 表 2.9 のように 年 間 生 産 量 15,000ton に 対 して 6,118 万 円 であった 木 材 チップ 1 トン 当 たりに 換 算 すると 4,079 円 /ton と 試 算 された この 値 は 現 状 の 燃 料 用 木 材 チップの 価 格 からみて 厳 しい 値 である このコスト 対 策 として は 燃 料 チップ 価 格 が 現 状 のまま 推 移 するのであれば 生 産 量 に 対 する 設 備 規 模 を 精 査 し て 設 備 に 係 るコストを 抑 えるか あるいはさらなる 増 産 を 試 みる 必 要 があると 考 えられる 表 2.8 木 質 燃 料 焚 きボイラを 用 いた 時 の 木 材 チップ 生 産 コスト 導 入 機 械 ロ-タリ- 乾 燥 機 木 質 燃 料 焚 ボイラ(2t/h) 10000 万 円 8000 万 円 乾 燥 機 : 設 備 償 却 費 ( 金 利 3% 7 年 償 却 残 存 15%)1,493 万 円 / 年 ボイラ 等 : 設 備 償 却 費 ( 金 利 3% 7 年 償 却 残 存 15%) 1,194 万 円 / 年 人 件 費 ( 必 要 作 業 員 3 人 ) 1,500 万 円 / 年 光 熱 費 ( 電 気 600kWh 300 日 12 円 /kwh) 432 万 円 / 年 含 水 率 40%を30%にする 燃 料 費 ( 木 質 燃 料 ) 648 万 円 / 年 設 備 管 理 費 ( 償 却 の10%) 269 万 円 / 年 合 計 5,536 万 円 / 年 表 2.9 油 焚 きボイラを 用 いた 時 の 木 材 チップ 生 産 コスト 導 入 機 械 ロ-タリ- 乾 燥 機 油 焚 きボイラ(2t/h) 年 間 生 産 コスト 試 算 乾 燥 機 : 設 備 償 却 費 ( 金 利 3% 7 年 償 却 残 存 15%) ボイラ 等 : 設 備 償 却 費 ( 金 利 3% 7 年 償 却 残 存 15%) 人 件 費 ( 必 要 作 業 員 1 人 ) 光 熱 費 ( 電 気 600kWh 300 日 12 円 /kwh) 含 水 率 40%を30%にする 燃 料 費 (A 重 油 ) 設 備 管 理 費 ( 償 却 の10%) 合 計 10000 万 円 1500 万 円 1,493 万 円 / 年 224 万 円 / 年 500 万 円 / 年 263 万 円 / 年 3,466 万 円 / 年 172 万 円 / 年 6,118 万 円 / 年 1 日 50tの 燃 料 チップ 生 産 (A 重 油 (76 円 /L) 木 材 チップ3( 円 /kg)) 年 間 1 万 5000トンのチップ 生 産 ( 稼 働 率 82%) 2.10 乾 燥 時 間 と 乾 燥 曲 線 乾 燥 時 間 は 原 料 チップのストック 量 計 画 生 産 量 初 期 含 水 率 製 品 含 水 率 等 の 品 質

湿 量 基 準 含 水 率 20%になる 乾 燥 時 間 ( 時 間 ) に 関 係 する たとえば 乾 燥 温 度 によって 生 産 量 は 増 減 する 乾 燥 温 度 の 高 い 方 が 乾 燥 時 間 は 早 く 生 産 量 は 増 える ただし 過 度 の 昇 温 は 加 熱 燃 料 が 多 く 必 要 になり 高 コストとなる 場 合 もある このように 乾 燥 時 間 の 設 定 は 燃 料 用 乾 燥 木 材 チップの 生 産 シミュレ-シ ョンを 行 う 上 で 重 要 である 図 2.4 は 今 回 の 調 査 で 含 水 率 を 測 定 した 時 の 結 果 である 約 1kg の 木 材 チップ 試 料 を 100 の 送 風 恒 温 器 に 投 入 し 湿 量 基 準 含 水 率 20% 程 度 になるまでの 乾 燥 時 間 である 初 期 湿 量 基 準 含 水 率 40%の 場 合 針 葉 樹 が 1.8 時 間 広 葉 樹 は 2.4 時 間 であった 乾 燥 時 間 は 2 時 間 程 度 が 必 要 であった 針 葉 樹 と 広 葉 樹 を 比 較 すると 100 の 乾 燥 の 場 合 同 一 含 水 率 では 針 葉 樹 の 方 が 短 い 乾 燥 時 間 であった この 理 由 の 一 つは 密 度 の 影 響 と 思 われた 4.0 3.5 3.0 y = 0.10 x - 1.39 R² = 0.66 2.5 y = 0.08 x - 1.56 R² = 0.98 2.0 1.5 1.0 広 葉 樹 針 葉 樹 0.5 0.0 20 30 40 50 60 70 初 期 湿 量 基 準 含 水 率 (%) 図 2.4 100 の 乾 燥 処 理 に 対 する 針 葉 樹 と 広 葉 樹 の 乾 燥 時 間 の 差 図 2.5 は 80 図 2.6 は 100 図 2.7 は 120 で 約 1kg の 同 じ 木 材 チップ 試 料 を 乾 燥 し た 時 の 乾 燥 曲 線 である 今 後 は 140 160 180 で 同 様 な 試 験 を 行 い 乾 燥 時 間 推 定 がで きるようにする 必 要 があると 思 われた このような 乾 燥 初 期 含 水 率 に 対 する 各 乾 燥 温 度 に 対 する 乾 燥 処 理 時 間 の 資 料 図 を 作 成 しておけば 原 料 樹 種 や 初 期 含 水 率 の 変 化 に 対 して 迅 速 に 対 処 可 能 である

湿 量 基 準 含 水 率 (%) 湿 量 基 準 含 水 率 (%) 40 35 30 25 針 葉 樹 c 針 葉 樹 c 広 葉 樹 c 20 15 10 5 0 0 0.5 1 1.5 2 2.5 3 3.5 4 4.5 乾 燥 処 理 時 間 ( 時 間 ) 図 2.5 80 の 乾 燥 処 理 における 乾 燥 曲 線 40 35 30 25 20 針 葉 樹 c 針 葉 樹 c 広 葉 樹 c 建 廃 燃 料 ボ-ド 15 10 5 0 0 0.5 1 1.5 2 2.5 3 3.5 4 4.5 乾 燥 処 理 時 間 ( 時 間 ) 図 2.6 100 の 乾 燥 処 理 における 乾 燥 曲 線

湿 量 基 準 含 水 率 (%) 40 35 30 25 針 葉 樹 c 針 葉 樹 c 広 葉 樹 c 20 15 10 5 0 0 0.5 1 1.5 2 2.5 3 3.5 4 4.5 乾 燥 処 理 時 間 ( 時 間 ) 図 2.7 120 の 乾 燥 処 理 における 乾 燥 曲 線 2.11 含 水 率 管 理 含 水 率 管 理 は 含 水 率 測 定 法 とした JIS Z 2101 や JIS Z 7302-3 に 則 って 重 量 測 定 法 に よることが 基 本 と 思 われるが この 方 法 の 問 題 は 木 材 の 成 分 が 熱 分 解 しない 程 度 の 乾 燥 温 度 (105 )で 処 理 するため 結 果 を 出 すためには 一 昼 夜 以 上 の 時 間 を 要 することである 木 材 チップを 大 量 に 生 産 する 場 面 では 工 程 ライン 上 で 流 れる 木 材 チップの 含 水 率 を 時 々 刻 々と 測 定 する 必 要 がある 現 在 国 内 では 木 材 チップ 含 水 率 を 専 用 に 測 定 する 機 器 は 市 販 されていない 今 後 バイオマス 燃 料 としての 用 途 が 増 加 することを 勘 案 すれば 早 急 の 専 用 機 器 の 開 発 作 成 が 必 要 と 考 えられる 表 2.10 は 現 状 の 木 材 含 水 率 を 測 定 するための 方 式 と 各 特 徴 である 生 産 工 程 ライン 上 で 設 置 可 能 な 方 式 としては 近 赤 外 線 方 式 マイクロ 波 透 過 方 式 中 性 子 方 式 X 線 透 過 方 式 があげられる これらの 各 特 徴 から 木 材 チップの 含 水 率 管 理 機 器 として 有 望 と 思 われるの は 生 産 工 程 ラインではマイクロ 波 透 過 式 が 精 度 や 経 済 的 な 面 からみて 有 望 と 考 えられた 一 方 製 品 の 含 水 率 確 認 のためには マイクロ 波 透 過 式 に 加 えて 電 気 抵 抗 式 電 気 容 量 式 等 が 有 望 と 考 えられた

表 2.10 各 含 水 率 測 定 管 理 機 器 とその 特 徴 重 量 測 定 法 電 気 抵 抗 式 電 気 容 量 式 近 赤 外 線 方 式 マイクロ 波 透 過 式 中 性 子 X 線 (JISZ2101 JISZ7302-3) 測 定 精 度 湿 量 含 水 率 23% 以 上 高 い 低 い 低 い 低 い 低 い 高 い 高 い 湿 量 含 水 率 23% 以 上 高 い 高 い 高 い 高 い 高 い 高 い 高 い 測 定 時 間 6 時 間 から2 日 瞬 時 瞬 時 瞬 時 瞬 時 瞬 時 瞬 時 測 定 部 分 試 料 全 体 センサ 先 端 部 深 度 20~30mm 深 度 2~3mm 透 過 部 分 透 過 部 分 透 過 部 分 測 定 エリア 試 料 全 体 センシング 先 端 部 分 センシング 両 極 部 放 射 範 囲 放 射 範 囲 放 射 範 囲 透 過 部 分 温 度 の 影 響 無 有 有 有 有 無 有 密 度 ( 樹 種 )の 影 響 無 無 有 有 有 有 有 チップ 形 状 の 影 響 無 無 有 有 有 有 有 表 面 色 の 影 響 無 無 無 有 無 無 無 工 程 ライン 連 続 測 定 難 しい 難 しい 難 しい 容 易 容 易 容 易 容 易 推 定 製 品 価 格 5~15 万 円 5~15 万 円 10~100 万 円 100~500 万 円 200~1000 万 円 500~1000 万 円 1000~5000 万 円 ラニングコスト 低 い 低 い 低 い 低 い 低 い 高 い 高 い まとめ 燃 料 用 木 材 チップの 品 質 基 準 を 定 めていくうえで 含 水 率 調 査 発 熱 量 および 生 産 コス 等 を 算 出 および 解 析 した その 結 果 1. 燃 料 用 木 材 チップの 品 質 は 含 水 率 の 対 する 発 熱 量 で 区 分 することが 望 ましい 2. 含 水 率 の 表 示 は 他 の 産 業 分 野 への 配 慮 や 含 水 率 に 対 する 発 熱 量 が 直 線 であらわせる ので 湿 量 基 準 含 水 率 が 望 ましい 3. 含 水 率 基 準 は 実 態 調 査 に 合 わせて 湿 量 基 準 含 水 率 20%( 発 熱 量 3500kcal/kg 以 上 ) 湿 量 基 準 含 水 率 30%( 発 熱 量 3000kcal/kg 以 上 ) 湿 量 基 準 含 水 率 50%( 発 熱 量 2000kcal/kg 以 上 )を 区 分 の 目 安 とすることが 望 ましい 4. 含 水 率 数 値 取 り 扱 いの 混 乱 を 避 けるため 当 面 は 湿 量 基 準 含 水 率 から 乾 量 基 準 含 水 率 に 変 換 できるような 数 式 を 明 記 することが 望 ましい 5. 湿 量 基 準 含 水 率 によって 木 材 チップの 含 水 率 を 管 理 できる 測 定 機 器 の 開 発 を 早 急 に 行 うことが 望 まれる