Monthly Market Review 2009 年 12 月 Kosei Securities Co.,Ltd. 11 月 のマーケット 概 況 上 旬 に 米 国 において 金 融 緩 和 策 が 維 持 される 見 通 しとなったため 米 国 株 式 市 場 は 堅 調 に 推 移 し 昨 年 10 月 以 来 の 高 値 10,464ドルまで 上 昇 し 年 初 来 高 値 を 更 新 しました 一 方 で 日 本 株 だけは 下 落 基 調 が 鮮 明 で 主 要 先 進 国 の 中 でも 特 異 な 存 在 となりました 背 景 には 主 要 企 業 において 増 資 の 発 表 が 相 次 いだこと 政 府 によりデフレ 宣 言 がなされたこと 及 びドルに 対 して 円 高 が 一 層 進 行 した ことが 挙 げられます 新 興 国 は 引 き 続 き 良 好 な 経 済 成 長 が 見 込 まれており 株 式 は 堅 調 に 推 移 し たものの 一 時 期 の 過 熱 感 がやや 後 退 した 様 子 が 伺 えます インフレ 懸 念 の 台 頭 から 政 府 が 金 融 政 策 を 引 き 締 め 方 向 へ 転 換 していることが 背 景 と 思 われます また 先 月 に 引 き 続 きドル 安 基 調 は 継 続 しており ドル 安 を 背 景 とした 金 への 資 金 流 入 が 顕 著 です 11 月 は 金 価 格 の 上 昇 が 一 気 に 加 速 し 連 日 年 初 来 高 値 を 更 新 する 動 きとなりました 中 旬 のオバマ 大 統 領 のアジア 歴 訪 では 現 在 固 定 レートである 中 国 人 民 元 が 切 り 上 げされるかが 注 目 されましたが 結 局 実 現 には 至 りませんでした また 下 旬 に 中 東 ドバイ 政 府 系 企 業 の 総 額 5 兆 円 規 模 のデフォルト 懸 念 が 高 まり 金 融 不 安 が 再 燃 するとの 懸 念 から 世 界 的 に 株 式 市 場 が 下 落 す ることとなりました 資 産 クラス 指 数 9 月 10 月 11 月 当 月 リターン 年 初 来 リターン 国 内 株 式 日 経 平 均 株 価 10,133.23 10,034.74 9,345.55-6.87% 3.34% JASDAQインデックス 49.72 48.59 45.73-5.89% -5.10% 外 国 株 式 NYダウ30 種 9,712.28 9,712.73 10,344.84 6.51% 14.50% MSCI Europe 1,402.67 1,385.57 1,421.77 2.61% 29.39% 新 興 国 株 式 上 海 総 合 指 数 2,779.43 2,995.85 3,195.30 6.66% 69.90% ムンバイSENSEX 17,126.84 15,896.28 16,926.22 6.48% 70.91% 海 外 金 利 政 策 金 利 0.25% 0.25% 0.25% - - 米 国 債 10 年 3.31% 3.39% 3.20% - - CITI-WGBI 846.92 847.74 874.56 3.16% 7.98% 国 内 金 利 政 策 金 利 0.1% 0.1% 0.1% - - 10 年 物 国 債 1.29% 1.41% 1.27% - - NOMURA-BPI( 総 合 ) 321.10 319.78 322.52 0.86% 2.09% 外 国 為 替 米 ドル 89.69 90.08 86.34-4.15% -5.85% ユーロ 131.31 132.55 129.49-2.31% 2.04% コモディティー NYMEX 原 油 ( 先 物 ) 70.61 77.00 77.28 0.36% 66.77% COMEX 金 ( 先 物 ) 1,009.30 1,040.40 1,182.30 13.64% 34.43% 不 動 産 東 証 REIT 指 数 987.34 933.68 835.88-10.47% -8.44% ヘッジ ファンド HFRX 指 数 1,132.74 1,132.07 1,150.85 1.66% 12.55% 出 所 )ヘッジファンドの 項 目 はHFR 社 債 券 のリターンはロイター 社 のデータを 元 に 算 出 その 他 はQUICK 社 主 要 国 株 式 市 場 上 旬 に 米 国 FOMCが 開 催 されましたが 事 前 に 金 融 引 き 締 めに 転 じるとの 警 戒 感 が 一 部 にあった ものの 結 果 的 に 現 在 の 実 質 的 なゼロ 金 利 政 策 を 維 持 するとの 方 向 性 が 示 されました これを 受 け て 米 国 株 式 の 上 昇 に 弾 みがつき 年 初 来 高 値 を 更 新 し NYダウは 約 11か 月 ぶりの 水 準 を 回 復 するこ ととなりました また 政 府 の 減 税 策 が 功 を 奏 し 住 宅 市 場 に 改 善 の 兆 しが 見 られたことも 株 価 上 昇 の 追 い 風 となっています 一 方 日 本 株 は 大 規 模 な 増 資 計 画 を 発 表 した 三 菱 UFJFGが 売 られたことを 発 端 に メガバンク 株 全 体 が 再 度 売 り 込 まれることとなり また 同 時 に 急 速 に 進 行 した 円 高 によって ハイテク 自 動 車 株 を 中 心 とする 外 需 株 が 売 られた 結 果 日 経 平 均 は 前 月 末 から 約 5% 下 落 するという 振 るわない 展 開 になりました また20 日 に 政 府 によるデフレ 宣 言 なされる 一 方 で 民 主 党 の 政 策 運 営 に 対 する 懸 念 も 台 頭 しつつあることも 投 資 家 が 日 本 株 を 買 い 控 える 要 因 となっているでしょう -1-
月 末 には ドバイ 政 府 系 企 業 が 5 兆 円 規 模 の 借 り 入 れの 返 済 猶 予 を 要 請 したことを 発 端 として 収 束 に 向 かいつつあった 金 融 不 安 が 再 燃 するのではないかとの 思 惑 から 世 界 の 株 式 市 場 が 連 鎖 的 に 大 幅 下 落 しました 主 な 貸 出 債 権 は 欧 州 の 金 融 機 関 が 中 心 となって 保 有 していることから 米 国 株 への 影 響 は 限 定 的 になるとも 考 えられます しかし 現 在 の 金 融 市 場 は 世 界 的 な 金 融 緩 和 によって もたらされた 流 動 性 に 支 えられており 何 らかのネガティブな 事 柄 を 発 端 として リスク 商 品 に 向 かっていた 投 資 資 金 が 一 気 に 逆 流 する 可 能 性 が 考 えられます 引 き 続 き 金 融 市 場 への 影 響 を 注 視 していく 必 要 があるでしょう 日 経 平 均 株 価 ( 円 ) ダウ 工 業 株 30 種 (ドル) 20,000 18,000 1 14,000 12,000 10,000 8,000 13,500 12,000 10,500 9,000 7,500 新 興 国 株 式 市 場 先 月 に 引 き 続 き 経 済 成 長 が 堅 調 なアジア 新 興 国 ですが インフレ 及 び 急 激 な 外 資 の 流 入 に 対 し て 警 戒 する 動 きを 強 めています ベトナムでインフレを 警 戒 して 利 上 げし ブラジルでは 金 融 取 引 税 を 再 度 導 入 しています 世 界 的 に 新 興 国 が 注 目 されている 中 国 内 で 設 定 されている 投 資 信 託 も 新 興 国 を 切 り 口 とした ものが 盛 んに 販 売 されています 通 貨 別 に 残 高 を 比 較 した 場 合 ブラジル レアル 建 て 投 信 の 残 高 が1 兆 5,000 億 円 弱 (10 月 末 現 在 )と 新 興 国 では 既 に 圧 倒 的 な 規 模 となっており 先 進 国 である 英 国 ポンド 建 ての 投 信 残 高 の1 兆 3,200 億 円 を 既 に 超 えています(10 月 末 現 在 ) また 通 貨 別 で 株 式 投 信 だけを 見 た 場 合 新 興 国 ではブラジル レアル 建 てのものは 約 3,600 億 円 と 最 も 多 く イ ンドの 約 3,200 億 円 を 既 に 凌 駕 しています またブラジル ボベスパ 指 数 は 年 初 から 約 3 倍 近 くま で 上 昇 し 時 価 総 額 も 約 110 兆 円 と インドを 追 い 越 し ドイツとほぼ 同 水 準 まで 拡 大 しています 上 海 総 合 指 数 (ポイント) 75,000 ブラジル ボベスパ 指 数 (ポイント) 5,000 4,000 3,000 65,000 55,000 45,000 2,000 35,000 1,000 25,000 07/12/1 08/6/1 08/12/1 09/6/1 09/12/1 債 券 市 場 上 旬 には 国 内 債 券 価 格 が 急 落 し 10 年 物 日 本 国 債 の 利 回 りは 約 5ヶ 月 振 りの1.4% 台 後 半 まで 上 昇 しました 国 債 増 発 による 需 給 悪 化 観 測 など 民 主 党 政 権 下 での 財 政 に 対 する 不 透 明 要 因 があげら れました しかし 中 旬 に 実 施 された5 年 国 債 の 入 札 結 果 が 良 好 であったことをきっかけに 状 況 は 一 変 し 債 券 価 格 が 急 上 昇 して 金 利 は1.2% 台 前 半 まで 低 下 しました 政 府 によるデフレ 宣 言 が なされ 債 券 市 場 は 結 果 的 にこれを 織 り 込 む 形 となりました 中 旬 以 降 の 債 券 価 格 急 騰 局 面 においては 旺 盛 な 買 い 需 要 が 確 認 されましたが やはりそこには 景 気 が 停 滞 する 中 融 資 が 伸 びず 余 剰 資 金 が 積 み 上 がった 金 融 機 関 が 日 銀 の 金 融 緩 和 策 ともあい まって 資 金 の 振 り 向 け 先 として 引 き 続 き 債 券 を 積 極 的 に 購 入 している 様 子 が 伺 えます また 米 国 においては 引 き 続 き 国 債 の 大 規 模 な 入 札 が 実 施 されていますが FRBの 国 債 買 い 切 り -2-
プログラムは10 月 に 終 了 しており 今 後 は 需 給 の 悪 化 から 金 利 上 昇 圧 力 が 一 層 強 まる 可 能 性 があ ります 6 5 4 3 3 2 債 券 利 回 り (%) 日 本 10 年 物 国 債 利 回 り(%) 米 国 10 年 物 国 債 利 回 り(%) 1.50 1.45 1.40 1.35 1.30 1.25 日 本 10 年 物 国 債 利 回 り 8 月 ~11 月 (%) 1 1.20 09/8/1 09/9/1 09/10/1 09/11/1 09/12/1 為 替 市 場 FOMCにおいて 金 融 緩 和 策 の 維 持 が 表 明 され またその 後 発 表 されたFOMC 議 事 要 旨 においても ドル 安 を 容 認 する 内 容 が 確 認 されたことから ドルキャリー 取 引 が 加 速 し ドル 安 基 調 を 一 層 強 め る 展 開 となりました 資 源 国 や 新 興 国 などの 高 金 利 通 貨 への 資 金 流 入 は 顕 著 ですが ブラジルでは 先 月 に 引 き 続 き 金 融 取 引 税 強 化 の 動 きを 表 明 し 自 国 通 貨 への 過 度 な 資 金 流 入 を 警 戒 する 動 きが 見 られます 米 国 の 金 融 緩 和 策 は 維 持 される 見 通 しとなったため ドルキャリートレードによる 高 金 利 通 貨 国 への 資 金 流 入 が 加 速 し 一 部 では 資 産 インフレなどの 弊 害 も 指 摘 され 始 めています 日 本 円 に 関 しては 日 本 の 短 期 金 利 が 米 国 の 短 期 金 利 を 上 回 る 金 利 の 逆 転 現 象 が 起 こり 対 米 ドルで 円 高 を 更 に 加 速 させる 要 因 となりました また 下 旬 のドバイ 政 府 系 企 業 によるデフォルト 懸 念 が 投 資 資 金 のリスク 回 避 傾 向 をにわかに 強 めることになりました その 結 果 世 界 の 金 融 市 場 を 巡 っていた 投 資 資 金 がドルへ 回 帰 する い わゆる ドルキャリー 取 引 の 巻 き 戻 し が 見 られました またそれに 伴 い 対 ユーロ 対 ドルで 円 高 が 急 激 に 進 行 し 一 時 1ドル84 円 台 と 約 14 年 振 りの 円 高 水 準 に 達 し 円 が 投 資 資 金 の 逃 避 先 と なっている 様 子 が 見 られました 為 替 :ユーロ/ 円 ( 円 ) 為 替 :ドル/ 円 ( 円 ) 170 160 150 140 130 120 110 120 115 110 105 100 95 90 85 コモディティー 11 月 は 金 価 格 の 上 昇 が 大 きく 加 速 しました 上 旬 にはインドがIMFから200トンの 金 を 購 入 するとの 報 道 があり また 中 国 も 保 有 外 貨 の 運 用 先 として 金 の 比 重 を 高 めることを 示 唆 してい ます 今 後 もドル 安 が 継 続 する 場 合 新 興 国 の 保 有 する 米 ドルの 代 替 通 貨 として 金 を 購 入 する 流 れが 加 速 すると 考 えられ 金 に 対 する 注 目 が 高 まっていくでしょう 一 方 金 融 不 安 の 再 燃 が 懸 念 された 下 旬 の ドバイショック 時 には 投 資 資 金 がリスク 資 産 から 米 ドルへ 回 帰 する 動 きが 見 られましたが それに 加 えて 金 価 格 の 下 落 も 確 認 されています また 米 大 手 ヘッジファンドが 金 ETFに 対 して 買 いポジションを 拡 大 していることなどが 話 題 となっ ていますが 金 の 地 上 在 庫 は 現 在 約 540 兆 円 相 当 と 言 われており 全 ての 株 式 債 券 の 時 価 総 額 -3-
の 合 計 が 約 1 京 円 であることと 比 べると 金 の 現 物 の 市 場 規 模 は 極 めて 小 さいと 言 えます したがって 金 価 格 の 上 昇 は 金 の 先 物 市 場 への 急 激 な 資 金 流 入 による 部 分 が 大 きいと 考 えられ また 金 は 投 資 資 金 のリスク 回 避 時 の 逃 避 先 とはなり 得 ず あくまでも 米 ドルの 下 落 を 前 提 とした 価 格 の 上 昇 であると 言 えるでしょう 現 在 の 過 熱 した 状 態 も 今 後 米 ドルに 資 金 が 回 帰 するタイミン グにおいて 徐 々に 緩 和 するものと 考 えられます WTI 原 油 先 物 (ドル) COMEX 金 先 物 (ドル) 140 120 100 80 60 40 20 1,300 1,200 1,100 1,000 900 800 700 不 動 産 東 証 REIT 指 数 は 政 府 のデフレ 宣 言 及 びREITの 大 型 増 資 の 発 表 を 背 景 に 軟 調 な 展 開 になり 5 月 以 来 の 安 値 水 準 まで 下 落 しました REITの 増 資 は08 年 7 月 以 降 途 絶 えていましたが 10 月 以 降 4 件 の 大 型 増 資 が 発 表 されています REITの 増 資 により 新 規 物 件 の 取 得 による 不 動 産 市 場 の 活 性 化 が 期 待 されますが 一 方 で 需 給 の 悪 化 による 利 回 りの 低 下 が 投 資 家 から 嫌 気 され 売 られる 傾 向 も 見 られます 東 証 REIT 指 数 (ポイント) 8 東 京 都 心 5 区 オフィス 空 室 率 (%) データ: 三 鬼 商 事 2,110 7 1,810 6 1,510 1,210 5 4 910 3 610 2 07/10/1 08/4/1 08/10/1 09/4/1 09/10/1 ヘッジファンド 市 場 11 月 のヘッジファンドの 平 均 運 用 成 績 は 1.75%(HFR 社 )と 控 えめでしたが 年 初 からの 上 昇 率 は18%となり このままのペースであれば 2009 年 は 過 去 10 年 で 最 高 のパフォーマンスとなり ます またヘッジファンドへの 資 金 流 入 も 増 加 傾 向 が 継 続 しており 運 用 資 産 は6ヶ 月 連 続 で 純 増 となっております 11 月 に 金 価 格 が 大 きく 上 昇 した 背 景 に 米 大 手 ヘッジファンドの 資 金 流 入 が あったとも 言 われており 金 融 市 場 における 存 在 感 が 一 層 増 しています HFRX 指 数 (ポイント) VIX 指 数 (ポイント) 1,400 1,350 1,300 1,250 80 70 60 1,200 50 1,150 40 1,100 30 1,050 20 1,000 10 07/12/1 08/6/1 08/12/1 09/6/1 09/12/1-4-
今 後 の 見 通 し 3 月 に 米 国 株 式 市 場 が 反 発 し 始 めてからおよそ9カ 月 経 ちますが 大 きな 波 乱 が 起 こることなく 概 ね 安 定 して 推 移 してきたと 言 えるでしょう その 背 景 を 大 きく5 項 目 に 分 けると 1 国 際 協 調 的 な 金 融 緩 和 2 企 業 の 業 績 回 復 3 金 融 不 安 の 後 退 4 景 気 刺 激 策 の 効 果 5 新 興 国 の 経 済 成 長 が 挙 げられるでしょう 2の 業 績 回 復 は 良 好 な 決 算 に 反 映 されているものの その 内 容 はリストラによる 部 分 が 大 きく 効 果 は 一 巡 したと 見 られています また3は 現 在 の 米 国 ダウの 株 価 水 準 が 昨 年 9 月 末 の 水 準 まで 回 復 していることから 既 に 株 価 に 折 込 済 みといえるでしょう 4の 景 気 刺 激 策 は 先 進 国 においては 一 通 り 出 尽 くしており 財 源 に 乏 しい 先 進 国 の 更 なる 財 政 出 動 は 期 待 しにくいと 思 われます 5の 新 興 国 の 経 済 成 長 は 紛 れもなく 世 界 経 済 のけん 引 役 ですが 現 在 は 金 融 政 策 をやや 引 き 締 めに 転 じ ている 状 況 であり 株 価 の 更 なる 上 昇 に 関 しては 新 たな 材 料 が 必 要 でしょう したがって 現 在 の 株 価 水 準 は1の 米 国 を 中 心 とした 金 融 緩 和 策 に 依 存 している 状 況 と 考 えられま す ただ このまま 金 融 緩 和 策 を 維 持 すれば インフレ 懸 念 を 抱 え 外 資 の 流 入 を 抑 制 したい 新 興 国 や 資 源 国 との 間 で 立 場 の 違 いが 浮 き 彫 りになってしまい また 現 状 の 金 融 緩 和 策 を 解 除 するには 米 国 の 景 気 回 復 基 調 がより 鮮 明 に 確 認 できることが 必 要 であることから 現 状 の 金 融 政 策 に 対 する 米 国 の 置 かれている 状 況 の 難 しさが 伺 えます いずれにしても 来 年 の 後 半 までには 米 国 の 金 融 緩 和 策 の 引 き 締 め 観 測 が 徐 々に 高 まっていくこと が 考 えられます その 際 に ドルキャリー 取 引 の 巻 き 戻 しが 起 こる 可 能 性 が 高 く またドル 安 の 過 程 で 上 昇 を 続 けた 高 金 利 国 通 貨 金 新 興 国 株 式 などが 資 金 の 流 出 に 伴 う 一 時 的 な 下 落 に 見 舞 われる こともあり 得 るでしょう ただし 新 興 国 における 人 口 増 加 に 伴 う 消 費 の 拡 大 健 全 な 財 政 状 況 な どを 考 えると 世 界 経 済 の 牽 引 役 はアジア 新 興 国 及 び 資 源 国 である 事 実 に 当 面 変 化 はないでしょう そのため ドルキャリー 取 引 の 巻 き 戻 し による 株 式 市 場 の 調 整 局 面 においては 新 興 国 株 式 及 び 新 興 国 関 連 銘 柄 に 対 し 積 極 的 に 買 いを 入 れるタイミングと 言 えるでしょう また 日 本 株 においては 世 界 的 に 見 て 割 安 感 が 高 まっています 現 在 の 株 価 水 準 は 11 月 に 日 本 株 が 下 落 した 要 因 の 一 つになった 増 資 による 需 給 悪 化 を 既 に 織 り 込 んでいるとも 考 えられ 今 後 は 大 型 株 を 中 心 に 買 いのチャンスを 窺 っていく 必 要 があるでしょう 市 場 営 業 部 門 営 業 グループ 吉 田 栄 一 -5-
そうだったのか! 知 って 納 得 証 券 投 資 Vol.4 今 回 は ETFの 特 徴 と 利 用 方 法 を 紹 介 いたします ETFとは かつて 日 経 225 平 均 株 価 等 の 売 買 には インデックス 投 信 しかありませんでした ただしイン デックス 資 信 では 1 日 1 回 確 定 する 基 準 価 格 で 取 引 されるため 日 中 の 急 な 市 況 の 変 化 に 対 応 することができません このインデックス 投 信 の 欠 点 を 補 ったのが ETF です 証 券 取 引 所 に 上 場 されている 投 資 信 託 で 立 会 時 間 中 いつでも 取 引 できるのが 最 大 の 特 徴 です ETFは 日 経 225 平 均 株 価 等 対 象 指 数 の 動 きに 連 動 するように 設 定 されており 実 際 の 取 引 価 格 は 概 ね 対 象 指 数 に 準 じた 動 きをします ( 参 照 : 次 ページのチャート)また 信 用 取 引 が 可 能 で 相 場 の 下 落 を 予 想 した 時 に 売 り 建 てすることもできます 対 象 指 数 は 国 内 株 式 のみならず 外 国 株 式 商 品 貴 金 属 通 貨 にまで 広 がりを 見 せています 利 便 性 例 えば 株 式 投 資 の 他 に 金 投 資 をするには 別 途 商 品 先 物 会 社 や 純 金 取 扱 会 社 で 取 引 する 必 要 がありました しかし 金 価 格 連 動 ETF で 金 投 資 と 同 じ 効 果 を 狙 えるため 証 券 口 座 一 つで 済 みます しかも 個 人 投 資 家 の 場 合 は 特 定 口 座 で 取 引 することが 可 能 で 確 定 申 告 不 要 制 度 等 がそのまま 利 用 できます 投 資 戦 略 株 価 が 急 落 し 急 落 後 の 反 転 上 昇 を 予 想 するものの 個 別 銘 柄 で 迷 った 場 合 日 経 225 連 動 ETF や TOPIX 連 動 ETF といった 全 体 を 買 う 戦 略 が 考 えられます 国 の 経 済 成 長 は 株 価 の 上 昇 につながります 中 国 やブラジル 南 アフリカの 株 価 指 数 を 買 うこ ともETFでは 可 能 です また 投 資 対 象 となる 指 数 や 通 貨 などをバランスよく 組 み 合 わせてリスク 分 散 を 図 り 総 合 的 な 国 際 分 散 投 資 戦 略 を 構 築 することも 可 能 です 市 場 営 業 部 門 営 業 グループ 樋 爪 功 次 ETFの 対 象 となっている 主 な 指 数 や 商 品 日 経 225 TOPIX グリーンチップ35 S&P 日 本 新 興 株 100 TOPIX 大 型 TOPIX 中 型 TOPIX 小 型 TOPIX Core30 REIT( 不 動 産 ) KOSPI200( 韓 国 株 ) CSI300( 中 国 株 ) 上 証 50( 中 国 上 海 株 ) ボベスパ(ブラジル 株 ) FTSE/ 南 アフリカ40 RTS(ロシア 株 ) WT I( 石 油 ) 金 銀 プラチナ パナジウム 貴 金 属 S&PGSI 商 品 ルピー(インド 通 貨 ) レア ル(ブラジル 通 貨 ) ルーブル(ロシア 通 貨 ) など 現 在 当 社 では 大 証 ETFと 大 証 FX( 為 替 証 拠 金 取 引 )のキャンペーンを 行 っています 詳 しくは 当 社 の 営 業 担 当 者 にお 尋 ねください ホームページでもご 覧 になれます -6-
日 経 225 平 均 株 価 と それを 対 象 指 数 としたEFFの 値 動 き 日 経 225 日 経 225ETF 1 1 14,000 14,000 12,000 12,000 10,000 8,000 2007/11/1 2008/1/1 2008/3/1 2008/5/1 2008/7/1 2008/9/1 2008/11/1 2009/1/1 2009/3/1 2009/5/1 2009/7/1 2009/9/1 2009/11/1 10,000 8,000 2007/11/1 2008/1/1 2008/3/1 2008/5/1 2008/7/1 2008/9/1 2008/11/1 2009/1/1 2009/3/1 2009/5/1 2009/7/1 2009/9/1 2009/11/1 株 式 ETF 投 資 信 託 の 比 較 株 式 ETF 投 資 信 託 信 託 報 酬 (%は 年 率 ) 売 買 指 値 成 行 取 引 時 間 内 であれば いつでも 可 能 可 能 一 日 一 回 の 約 定 不 可 インデックス 型 ETF 0.12~0.23% その 他 ETF 0.22~0.95% 国 内 株 式 型 投 資 信 託 1.36% 国 際 株 式 型 投 資 信 託 1.85% 指 数 業 種 別 インデックス 型 投 資 信 託 0.69% 派 生 商 品 型 投 資 信 託 1.14% 信 託 報 酬 なし 信 託 報 酬 がかかる 手 数 料 売 買 の 都 度 かかる 買 付 時 のみ( 買 付 時 にかからない 商 品 もある) 運 用 方 針 なし INDEXに 忠 実 な 運 用 商 品 によって 様 々 信 用 取 引 ( 銘 柄 により) 可 能 不 可 -7-
本 資 料 は 情 報 提 供 のみを 目 的 として 作 成 したもので いかなる 有 価 証 券 等 の 売 買 の 勧 誘 を 目 的 としたものではありません また 一 般 的 あるいは 特 定 の 投 資 助 言 を 行 うものでも ありません 本 資 料 は 信 頼 できると 判 断 した 情 報 源 から 入 手 した 情 報 データ 等 を もとに 作 成 しておりますが これらの 情 報 データ 等 また 本 資 料 の 内 容 の 正 確 性 適 時 性 完 全 性 等 を 保 証 するものではありません 情 報 が 不 完 全 な 場 合 または 要 約 されている 場 合 もあります 本 資 料 に 掲 載 されたデータ 統 計 等 のうち 作 成 者 出 所 が 明 記 されてい ないものは 当 社 により 作 成 されたものです 本 資 料 に 掲 載 された 見 解 や 予 測 は 本 資 料 作 成 時 のものであり 予 告 なしに 変 更 されます 運 用 方 針 資 産 配 分 等 は 参 考 情 報 であり 予 告 なしに 変 更 されます 過 去 の 実 績 は 将 来 の 成 果 を 予 測 あるいは 保 証 するものでは ありません 本 店 : 大 阪 府 大 阪 市 中 央 区 北 浜 2-1-10 連 絡 先 ) 代 表 (06)6209-0821 東 京 店 : 東 京 都 中 央 区 日 本 橋 兜 町 9-9 連 絡 先 ) 代 表 (03)3667-7721 商 号 等 加 入 協 会 : 光 世 証 券 株 式 会 社 金 融 商 品 取 引 業 者 : 日 本 証 券 業 協 会 近 畿 財 務 局 長 ( 金 商 ) 第 14 号 -8-