諮 問 庁 の 説 明 は, 理 由 説 明 書 によると,おおむね 以 下 のとおりである 1 行 政 文 書 開 示 請 求 の 対 象 となった 文 書 開 示 請 求 の 内 容 は, 国 家 公 務 員 総 合 職 採 用 試 験 合 格 者 による 官 庁 訪 問 において, 公 正 取



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Transcription:

諮 問 庁 : 公 正 取 引 委 員 会 委 員 長 諮 問 日 : 平 成 28 年 2 月 12 日 ( 平 成 28 年 ( 行 情 ) 諮 問 第 136 号 ) 答 申 日 : 平 成 28 年 7 月 7 日 ( 平 成 28 年 度 ( 行 情 ) 答 申 第 183 号 ) 事 件 名 : 平 成 27 年 度 総 合 職 官 庁 訪 問 での 対 応 依 頼 等 の 一 部 開 示 決 定 に 関 する 件 答 申 書 第 1 審 査 会 の 結 論 国 家 公 務 員 総 合 職 採 用 試 験 合 格 者 による 官 庁 訪 問 において, 公 正 取 引 委 員 会 の 内 定 を 出 すまでの 内 部 プロセスが 分 かる 文 書 ( 最 新 版 )(HPで 公 表 されている 文 書 は 除 く ) ( 以 下 本 件 対 象 文 書 という )につ き,その 一 部 を 不 開 示 とした 決 定 は, 妥 当 である 第 2 審 査 請 求 人 の 主 張 の 要 旨 1 審 査 請 求 の 趣 旨 行 政 機 関 の 保 有 する 情 報 の 公 開 に 関 する 法 律 ( 以 下 法 という )3 条 の 規 定 に 基 づく 開 示 請 求 に 対 し, 平 成 27 年 12 月 25 日 付 け 公 官 人 第 888 号 により 公 正 取 引 委 員 会 事 務 総 長 ( 以 下 処 分 庁 という )が 行 った 一 部 開 示 決 定 ( 以 下 原 処 分 という )について,その 一 部 の 取 消 しを 求 める 2 審 査 請 求 の 理 由 審 査 請 求 の 理 由 は, 審 査 請 求 書 及 び 意 見 書 によると,おおむね 以 下 のと おりである (1) 審 査 請 求 書 資 料 1( 添 付 資 料 略 )のとおり, 人 物 試 験 を 実 際 に 行 う 立 場 にある 現 職 人 事 が 書 いた 官 庁 訪 問 に 関 する 書 籍 が 毎 年, 市 販 されており, 公 務 員 試 験 受 験 生 にとっては 定 番 の 面 接 等 対 策 本 となっている そのため, 処 分 庁 が 不 開 示 とした 部 分 のすべてが 不 開 示 情 報 に 該 当 す るとは 限 らない (2) 意 見 書 会 計 検 査 院 は, 審 査 請 求 人 に 対 し, 平 成 27 年 12 月 25 日 付 の 行 政 文 書 開 示 決 定 通 知 書 ( 添 付 資 料 略 ), 会 計 検 査 院 の 平 成 27 年 度 総 合 職 官 庁 訪 問 実 施 計 画 を 開 示 した( 添 付 資 料 略 )ところ, 不 開 示 部 分 は, 本 件 対 象 文 書 の 不 開 示 部 分 よりも 遥 かに 少 なかった そのため,この 観 点 からしても, 本 件 対 象 文 書 の 不 開 示 部 分 のすべて が 不 開 示 情 報 に 該 当 するとは 限 らない 第 3 諮 問 庁 の 説 明 の 要 旨 1

諮 問 庁 の 説 明 は, 理 由 説 明 書 によると,おおむね 以 下 のとおりである 1 行 政 文 書 開 示 請 求 の 対 象 となった 文 書 開 示 請 求 の 内 容 は, 国 家 公 務 員 総 合 職 採 用 試 験 合 格 者 による 官 庁 訪 問 において, 公 正 取 引 委 員 会 ( 以 下, 第 3においては 当 委 員 会 とい う )の 内 定 を 出 すまでの 内 部 プロセスが 分 かる 文 書 ( 最 新 版 )(HPで 公 表 されている 文 書 は 除 く ) ( 本 件 対 象 文 書 )であり, 1 平 成 27 年 度 総 合 職 官 庁 訪 問 での 対 応 依 頼 ( 以 下 文 書 1 とい う ) 2 平 成 27 年 度 総 合 職 官 庁 訪 問 スケジュール( 以 下 文 書 2 とい う ) の2つの 行 政 文 書 を, 本 件 対 象 文 書 と 特 定 した 2 前 提 となる 事 実 ( 当 委 員 会 における 総 合 職 の 採 用 事 務 について) 国 家 公 務 員 の 任 用 方 法 の 一 つである 採 用 については, 国 家 公 務 員 法 33 条 1 項 で, すべて 職 員 の 任 用 は,この 法 律 及 び 人 事 院 規 則 の 定 めるとこ ろにより,その 者 の 受 験 成 績, 勤 務 成 績 又 はその 他 の 能 力 の 実 証 に 基 づい て,これを 行 う と 規 定 されている また, 国 家 公 務 員 法 36 条 1 項 では, 職 員 の 採 用 は, 競 争 試 験 による ものとする 但 し, 人 事 院 規 則 の 定 める 官 職 について, 人 事 院 の 承 認 があ った 場 合 は, 競 争 試 験 以 外 の 能 力 の 実 証 に 基 づく 試 験 の 方 法 によることを 妨 げない と 規 定 されており,これらの 規 定 に 基 づき 当 委 員 会 において は, 国 家 公 務 員 採 用 試 験 の 結 果 に 基 づく 採 用 候 補 者 名 簿 に 記 載 されている 者 の 中 から, 面 接 試 験 等 による 選 考 を 経 て 採 用 を 行 っているところである なお, 採 用 事 務 手 続 のうち, 官 庁 訪 問 の 実 施 や 採 用 面 接 の 実 施 方 法 等 に ついては, 各 行 政 機 関 に 委 ねられており, 行 政 機 関 ごとに 独 自 に 行 われて いるところである 3 本 件 対 象 文 書 (1) 文 書 1 総 合 職 官 庁 訪 問 を 実 施 するに 当 たって, 面 接 官 として 訪 問 者 に 対 応 す る 事 務 総 局 内 の 職 員 に 対 し, 官 庁 訪 問 での 対 応 振 りについて 説 明 する ために 用 いた 文 書 であって, 機 密 性 2 情 報 ( 官 庁 訪 問 面 接 対 応 者 限 り) との 記 載 があるとおり, 面 接 官 として 訪 問 者 に 対 応 する 事 務 総 局 内 の 職 員 及 び 人 事 担 当 職 員 のみが 使 用 するものである 文 書 の 内 容 としては, 官 庁 訪 問 の 全 体 スケジュール, 面 接 当 日 の 流 れ, 面 接 時 の 留 意 点, 採 用 に 関 する 基 本 情 報 ( 採 用 実 績, 採 用 後 の 処 遇, 女 性 職 員 の 割 合 等 ) 等 が 記 載 されている (2) 文 書 2 文 書 2は, 官 庁 訪 問 業 務 を 担 当 する 人 事 課 内 において, 総 合 職 官 庁 訪 問 の 日 程 ごとに 何 を 行 ったかを 整 理 した 文 書 である 2

平 成 27 年 度 総 合 職 官 庁 訪 問 スケジュールという 表 題 ではあるものの, 文 書 の 内 容 としては, 総 合 職 採 用 試 験 の 最 終 合 格 発 表 日 を 起 点 とし, 各 年 の 各 省 庁 人 事 担 当 課 長 会 議 申 合 せに 基 づく 官 庁 訪 問 ルールを 記 載 の 上, 官 庁 訪 問 開 始 日 以 降,クールごとに 人 数 をどれだけ 絞 っていっ たか,いつ 幹 部 面 接 を 行 ったか, 内 々 定 を 何 人 に 出 そうとしていたか などが 記 載 されている 4 原 処 分 及 びその 考 え 方 原 処 分 において, 不 開 示 とした 部 分 についての 考 え 方 は 以 下 のとおり (1) 文 書 1の1(5),2(1)ないし(4) 及 び 文 書 2について ア 不 開 示 事 項 及 びその 理 由 文 書 1の1 頁 目 1(5) 主 な 役 割 には, 面 接 における 面 接 官 の 役 割 が 具 体 的 に 記 載 されている また, 文 書 1の3 頁 目 から6 頁 目 にかけての 2 面 接 当 日 の 流 れ には, (1) 面 接 開 始 前, (2) 面 接 中 及 び (3) 面 接 終 了 後 と 順 を 追 って, 面 接 の 段 取 りや 評 価 方 法 が 記 載 されている 文 書 1の 2(3)< 参 考 2 > 及 び 2(4) 面 接 時 の 留 意 点 には, 面 接 官 が 面 接 時 に 留 意 すべき 点 が 記 載 されている 当 該 部 分 には, 官 庁 訪 問 において, 面 接 官 がどのような 役 割 を 帯 びて 面 接 に 臨 んでいるか, 面 接 中 の 面 接 官 がどのような 場 合 にどういった 対 応 を 採 るか, 面 接 官 に 伝 えられ ている 具 体 的 な 質 問 事 項 や 質 問 を 禁 止 している 事 項 といった 留 意 点 や, 面 接 において 評 定 を 行 う 具 体 的 な 項 目 及 び 項 目 ごとの 着 眼 点 が 記 載 されている また, 文 書 2には, 各 日 の 訪 問 者 数, 幹 部 面 接 のタイミングなどが 記 載 されている これらの 記 載 を 訪 問 者 が 確 認 することによって, 今 後 の 官 庁 訪 問 に おいて, 当 該 情 報 を 入 手 した 訪 問 者 が, 殊 更 に 自 己 が 高 い 評 価 を 得 るための 対 策 を 講 じることが 容 易 になったり, 面 接 時 に 自 身 が 内 々 定 までの 採 用 過 程 においてどの 段 階 にいるかを 理 解 して 面 接 に 望 む ようになったりするおそれがあり,また, 当 委 員 会 への 訪 問 者 数 の 傾 向 や, 採 用 者 確 保 のための 手 法 を 承 知 の 上 で 他 省 庁 との 併 願 を 検 討 するなどにより, 訪 問 者 が 訪 問 先 を 検 討 するに 当 たっての 判 断 に 予 断 を 与 えることになったりすることで, 結 果 として 当 委 員 会 にお ける 優 秀 な 人 材 の 確 保 に 支 障 が 生 じるのみならず, 本 来 職 員 として 適 性 を 欠 く 人 材 を 採 用 することとなりかねない したがって, 当 該 文 書 を 公 にした 場 合, 職 員 を 採 用 するに 当 たっての 評 価 方 法 の 一 端 が 明 らかとなり, 訪 問 者 に 対 し 無 用 の 混 乱 を 生 じさせ,また, 訪 問 者 が 当 該 評 価 方 法 に 即 した 対 策 を 採 ることなどにより, 当 委 員 会 に おける 官 庁 訪 問 者 の 率 直 な 評 価 を 妨 げ, 適 正 な 採 用 事 務 に 支 障 が 生 3

じることから, 法 第 5 条 6 号 ニに 該 当 し, 不 開 示 が 相 当 である イ 過 去 の 答 申 における 審 査 会 の 判 断 について 採 用 面 接 の 実 施 について 等 の 一 部 開 示 決 定 に 関 する 件 ( 平 成 18 年 ( 行 情 ) 答 申 第 431 号 )において, 審 査 会 は, 文 書 2は 面 接 の 評 定 内 容 や 選 定 の 基 準, 面 接 時 の 質 問 事 項 や 注 意 事 項 に 関 する 情 報 であり, 文 書 2-1の 評 定 項 目 欄 には, 官 庁 訪 問 者 に 対 す る 面 接 において 評 定 を 行 う 具 体 的 な 事 項 が, 着 眼 点 欄 には, 評 定 項 目 欄 に 記 載 された 事 項 ごとに 注 意 すべき 具 体 的 な 例 が, 文 書 2-3の 不 開 示 部 分 には, 面 接 者 ごとの 具 体 的 な 質 問 事 項 が, 文 書 2-4の 不 開 示 部 分 には 面 接 全 般 にわたる,より 具 体 的 な 質 問 事 項 が, 文 書 2-5の 文 書 中 の 実 線 枠 及 び 波 線 枠 内 には 被 面 接 者 に 対 して 質 問 を 禁 止 している 具 体 的 な 事 項 が,それぞれ 記 載 されてい ると 認 められ,これらを 公 にした 場 合, 職 員 を 採 用 するに 当 たって の 評 価 方 法 の 一 端 が 明 らかとなり, 被 面 接 者 に 対 し 無 用 の 混 乱 を 生 じさせ,また, 被 面 接 者 が 当 該 評 価 方 法 に 即 した 対 応 策 を 採 ること などにより, 被 面 接 者 の 率 直 な 評 価 を 妨 げ, 適 正 な 採 用 に 支 障 が 生 じるなど, 公 平 かつ 円 滑 な 人 事 の 確 保 に 支 障 を 及 ぼすおそれがある ことは 否 定 し 難 い ( 原 文 改 行 )したがって, 文 書 2の 諮 問 庁 がな お 不 開 示 が 妥 当 としている 部 分 については, 法 5 条 6 号 ニの 不 開 示 情 報 に 該 当 し, 不 開 示 とすることが 妥 当 である ( 第 5の2 (1))と 判 断 しており, 当 該 答 申 における 審 査 会 の 判 断 の 理 由 に 照 らしても, 前 記 アに 記 載 の 当 委 員 会 の 判 断 は 妥 当 であると 考 えられ る (2) 文 書 1の2(4)< 参 考 3>2(1)について 文 書 1の6 頁 目 の 2(4)< 参 考 3> 2 処 遇 (1) には, 当 委 員 会 に 入 局 後 の 総 合 職 における 勤 務 年 数 に 応 じた 具 体 的 な 昇 任 時 期 等 を 示 す 内 容 が 記 載 されている しかし,ここに 記 載 の 昇 任 時 期 等 に ついては, 皆 がこのとおり 昇 任 等 していくものではなく,また,これ を 約 束 し,あるいは, 拘 束 するものでもない しかしながら,その 旨 の 補 足 情 報 も 無 しに 当 該 情 報 が 公 になると, 当 委 員 会 の 任 用 が, 勤 務 年 数 に 応 じて, 横 並 び, 硬 直 的 に 行 われている ものとの 誤 解 を 招 き, 期 待 を 抱 かせることとなり,あるいは,そのよ うな 任 用 を 行 う 省 庁 を 忌 避 しようとする 訪 問 者 が 当 委 員 会 への 訪 問 を 避 けるようになるおそれがあり, 結 果 として, 当 委 員 会 における 優 秀 な 人 材 の 確 保 に 支 障 が 生 じるのみならず, 本 来 職 員 として 適 性 を 欠 く 人 材 を 採 用 することとなりかねず, 当 委 員 会 における 官 庁 訪 問 者 の 率 直 な 評 価 を 妨 げ, 適 正 な 採 用 事 務 に 支 障 が 生 じることから, 人 事 管 理 に 係 る 事 務 に 関 し, 公 平 かつ 円 滑 な 人 事 の 確 保 に 支 障 を 及 ぼすおそれ 4

がある また, 文 書 1は, 前 記 3(1)に 記 載 のとおり, 面 接 官 として 訪 問 者 に 対 応 する 事 務 総 局 内 の 職 員 及 び 人 事 担 当 職 員 のみが 使 用 するもので あって, 当 該 文 書 に 記 載 の 情 報 は, 前 記 のとおり 硬 直 的 な 昇 任 時 期 等 ではないにもかかわらず, 当 該 情 報 を 公 にすることにより, 当 該 情 報 を 知 った 当 委 員 会 の 総 合 職 職 員 から, 当 委 員 会 の 昇 任 時 期 等 に 関 する 人 事 管 理 に 関 する 不 信 感 を 招 き, 又 は 増 大 させ,これにより 昇 任 時 期 等 に 関 する 誤 解 に 基 づく 不 合 理 な 昇 任 の 要 請 などの 不 当 な 働 き 掛 けが 人 事 担 当 部 署 になされることなどにより, 総 合 職 職 員 における 勤 務 評 価 等 に 応 じた 適 任 者 を 昇 格 昇 任 させるという 人 事 管 理 に 係 る 事 務 に 関 し, 公 平 かつ 円 滑 な 人 事 の 確 保 に 支 障 を 及 ぼすおそれがある これらのことから, 当 該 文 書 を 公 にした 場 合, 人 事 管 理 に 係 る 事 務 に 関 し, 公 平 かつ 円 滑 な 人 事 の 確 保 に 支 障 を 及 ぼすおそれがあるため, 法 5 条 6 号 ニに 該 当 し, 不 開 示 が 相 当 である 5 審 査 請 求 人 の 主 張 についての 検 討 審 査 請 求 人 は, 人 物 試 験 を 実 際 に 行 う 立 場 にある 現 職 人 事 が 書 いた 官 庁 訪 問 に 関 する 書 籍 が 毎 年, 市 販 されており, 公 務 員 試 験 受 験 生 にとって は 定 番 の 面 接 等 対 策 本 となっている そのため, 処 分 庁 が 不 開 示 とした 部 分 のすべてが 不 開 示 情 報 に 該 当 するとは 限 らない と 主 張 するが, 官 庁 訪 問 対 応 をはじめとする 採 用 方 針 や 面 接 方 法 等 は, 各 府 省 庁 によって 事 情 が 異 なることは 当 然 であり, 面 接 等 の 対 策 に 関 する 書 籍 が 毎 年 出 版 されて いることは 開 示 の 理 由 とはならない また, 文 書 1には, 面 接 の 手 順, 面 接 官 の 役 割 や 評 価 方 法 などが, 文 書 2には, 内 々 定 までの 日 ごとの 段 取 りなどが 記 載 されているところ, 対 象 文 書 を 公 にすることにより, 公 正 かつ 適 正 に 採 用 を 行 うために 工 夫 をして いる 処 分 庁 の 具 体 的 かつ 詳 細 な 採 用 方 針 や 面 接 方 法 等 が 容 易 に 把 握 されて, 公 正 性 適 正 性 を 確 保 するための 努 力 は 意 味 をなさなくなり,ひいては, 当 委 員 会 に 有 為 な 人 材 を 採 用 するという, 公 平 かつ 円 滑 な 人 事 の 確 保 に 支 障 を 及 ぼすおそれがあるものであるから,これらを 不 開 示 とした 当 委 員 会 の 判 断 は 適 切 である 6 結 論 したがって, 上 記 に 述 べるとおり, 本 件 開 示 請 求 に 対 して 処 分 庁 が 行 っ た 一 部 不 開 示 の 処 分 は 妥 当 なものである 第 4 調 査 審 議 の 経 過 当 審 査 会 は, 本 件 諮 問 事 件 について, 以 下 のとおり, 調 査 審 議 を 行 った 1 平 成 28 年 2 月 12 日 諮 問 の 受 理 2 同 日 諮 問 庁 から 理 由 説 明 書 を 収 受 3 同 月 25 日 審 査 請 求 人 から 意 見 書 を 収 受 5

4 同 月 26 日 審 議 5 同 年 6 月 14 日 委 員 の 交 代 による 所 要 の 手 続 の 実 施 並 びに 本 件 対 象 文 書 の 見 分 及 び 審 議 6 同 年 7 月 5 日 審 議 第 5 審 査 会 の 判 断 の 理 由 1 本 件 対 象 文 書 について 本 件 対 象 文 書 は, 国 家 公 務 員 総 合 職 採 用 試 験 合 格 者 による 官 庁 訪 問 に おいて, 公 正 取 引 委 員 会 の 内 定 を 出 すまでの 内 部 プロセスが 分 かる 文 書 ( 最 新 版 )(HPで 公 表 されている 文 書 は 除 く ) である 処 分 庁 は,その 一 部 を 法 5 条 6 号 ニに 該 当 するとして 不 開 示 とする 決 定 を 行 った これに 対 し, 審 査 請 求 人 は, 原 処 分 の 取 消 しを 求 めているが, 諮 問 庁 は 原 処 分 を 妥 当 としていることから, 以 下, 本 件 対 象 文 書 を 見 分 した 結 果 を 踏 まえ, 不 開 示 情 報 該 当 性 について 検 討 する 2 不 開 示 情 報 該 当 性 について 文 書 1は, 総 合 職 官 庁 訪 問 を 実 施 するに 当 たって, 面 接 官 として 訪 問 者 に 対 応 する 職 員 に 対 し, 官 庁 訪 問 における 具 体 的 な 対 応 方 法 等 について 説 明 するために 用 いられた 文 書 であり, 面 接 官 として 訪 問 者 に 対 応 する 事 務 総 局 内 の 職 員 及 び 人 事 担 当 職 員 のみが 使 用 する 文 書 であるところ, 面 接 官 の 役 割, 面 接 当 日 の 流 れ, 具 体 的 な 昇 任 時 期 等 を 示 す 記 載 部 分 が 不 開 示 と されている 文 書 2は, 平 成 27 年 度 総 合 職 官 庁 訪 問 スケジュールに 関 する 文 書 であ り, 過 去 4 年 間 分 の 官 庁 訪 問 のスケジュールが 記 載 されているところ, 総 合 職 採 用 試 験 の 最 終 合 格 発 表 日 から 内 々 定 解 禁 日 までの 間 に,クールごと の 訪 問 者 の 選 考 状 況, 幹 部 面 接 を 行 った 時 期, 内 々 定 予 定 者 の 人 数 などの 記 載 部 分 が 不 開 示 とされている (1) 文 書 1の1(5),2(1)ないし(4)(ただし, 下 記 (2)に 掲 げる 部 分 を 除 く ) 及 び 文 書 2について 当 該 部 分 を 見 分 したところ, 面 接 官 ごとの 役 割, 面 接 中 の 留 意 事 項, 面 接 実 施 時 の 着 眼 点, 評 価 方 法, 基 準, 各 日 の 訪 問 者 数 や 幹 部 面 接 の タイミング 等 が 具 体 的 に 記 載 されていると 認 められる そうすると, これらを 公 にした 場 合, 職 員 を 採 用 するに 当 たっての 評 価 方 法 の 一 端 が 明 らかとなり, 被 面 接 者 に 対 し 無 用 の 混 乱 を 生 じさせ,また, 被 面 接 者 が 当 該 評 価 方 法 に 即 した 対 応 策 を 採 ることなどにより, 被 面 接 者 に 対 する 適 切 な 評 価 を 妨 げ, 適 正 な 採 用 に 支 障 が 生 じるなど, 公 平 か つ 円 滑 な 人 事 の 確 保 に 支 障 を 及 ぼすおそれがあると 認 められ, 法 5 条 6 号 ニに 該 当 し, 不 開 示 とすることが 妥 当 である (2) 文 書 1の2(4)< 参 考 3>2(1)について 6

当 該 部 分 には, 総 合 職 採 用 の 職 員 の 勤 務 年 数 に 応 じた 昇 任 時 期 に 関 す る 内 容 が 具 体 的 に 記 載 されていると 認 められる 当 審 査 会 事 務 局 職 員 をして 諮 問 庁 に 確 認 させたところ, 上 記 昇 任 時 期 については, 皆 がこのとおり 昇 任 等 することが 約 束 等 されるものでは なく, 訪 問 者 には,その 旨 補 足 説 明 をした 上 で 使 用 しているとのこと である そうすると,そのような 説 明 を 付 さないまま, 上 記 の 昇 任 時 期 に 関 する 記 載 部 分 を 公 にすると, 公 正 取 引 委 員 会 の 任 用 について 誤 解 を 招 くなどし, 人 事 管 理 に 係 る 事 務 に 関 し, 公 平 かつ 円 滑 な 人 事 の 確 保 に 支 障 を 及 ぼすおそれがあり, 法 5 条 6 号 ニに 該 当 すると 認 めら れる 3 審 査 請 求 人 のその 他 の 主 張 について (1) 審 査 請 求 人 は, 人 物 試 験 を 実 際 に 行 う 立 場 にある 現 職 人 事 が 書 いた 官 庁 訪 問 に 関 する 書 籍 ( 公 務 員 試 験 現 職 人 事 が 書 いた シリーズ)が 毎 年, 市 販 されており, 公 務 員 試 験 受 験 生 にとっては 定 番 の 面 接 等 対 策 本 となっている 旨 主 張 するが, 当 該 書 籍 は 民 間 の 発 行 者 による 独 自 の 編 集 等 に 基 づいて 発 行 されるものであるから,そこに 掲 載 された 情 報 が 直 ちに 上 記 2の 不 開 示 部 分 の 公 表 慣 行 を 基 礎 付 けるものとはいえない (2)また, 審 査 請 求 人 は, 会 計 検 査 院 が 開 示 した 平 成 27 年 度 総 合 職 官 庁 訪 問 実 施 計 画 の 不 開 示 部 分 は 本 件 対 象 文 書 の 不 開 示 部 分 よりも 遥 かに 少 なかった 等 主 張 するが, 当 審 査 会 事 務 局 職 員 をして 諮 問 庁 に 確 認 させた ところ, 当 該 官 庁 訪 問 については, 国 家 公 務 員 法 36 条 1 項 を 始 め, 同 法 55 条 や56 条 等 で, 任 命 権 は 各 外 局 の 長 に 属 する 旨 や, 職 員 の 採 用 は, 任 命 権 者 が 採 用 候 補 者 名 簿 に 記 載 された 者 の 中 から 面 接 を 行 い,そ の 結 果 を 考 慮 して 行 うと 規 定 されていること 等 に 基 づき, 各 省 庁 におい て, 当 該 規 定 の 枠 組 内 で,それぞれ 個 別 に 選 考 手 続 等 の 具 体 的 な 内 容 を 決 定 しているとのことであるから,その 内 容 に 違 いがあり 得 る 以 上, 開 示 不 開 示 部 分 の 範 囲 に 異 なる 部 分 があることが 不 合 理 であるとはいえ ない (3) 審 査 請 求 人 は,その 他 種 々 主 張 するが,いずれも 当 審 査 会 の 上 記 判 断 を 左 右 するものではない 4 本 件 一 部 開 示 決 定 の 妥 当 性 について 以 上 のことから, 本 件 対 象 文 書 につき,その 一 部 を 法 5 条 6 号 ニに 該 当 するとして 不 開 示 とした 決 定 については, 不 開 示 とされた 部 分 は 同 号 ニに 該 当 すると 認 められるので, 妥 当 であると 判 断 した ( 第 1 部 会 ) 委 員 岡 田 雄 一, 委 員 池 田 陽 子, 委 員 下 井 康 史 7