論叢本文



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第一部【証券情報】

(ⅴ) 平 成 28 年 4 月 1 日 から 平 成 35 年 12 月 31 日 までの 期 間 未 成 年 者 に 係 る 少 額 上 場 株 式 等 の 非 課 税 口 座 制 度 に 基 づき 証 券 会 社 等 の 金 融 商 品 取 引 業 者 等 に 開 設 した 未 成 年 者 口

c. 投 資 口 の 譲 渡 に 係 る 税 務 個 人 投 資 主 が 投 資 口 を 譲 渡 した 際 の 譲 渡 益 は 株 式 等 に 係 る 譲 渡 所 得 等 として 原 則 20%( 所 得 税 15% 住 民 税 5%)の 税 率 による 申 告 分 離 課 税 の 対 象 となりま

損 益 計 算 書 ( 自 平 成 25 年 4 月 1 日 至 平 成 26 年 3 月 31 日 ) ( 単 位 : 百 万 円 ) 科 目 金 額 営 業 収 益 75,917 取 引 参 加 料 金 39,032 上 場 関 係 収 入 11,772 情 報 関 係 収 入 13,352 そ

情 報 通 信 機 器 等 に 係 る 繰 越 税 額 控 除 限 度 超 過 額 の 計 算 上 控 除 される 金 額 に 関 する 明 細 書 ( 付 表 ) 政 党 等 寄 附 金 特 別 控 除 額 の 計 算 明 細 書 国 庫 補 助 金 等 の 総 収 入 金 額 不 算 入 に 関

4 5 6 県 内 に 所 在 する 営 業 所 等 のうち 主 たるものから 本 県 分 を 一 括 納 入 県 内 に 所 在 する 各 営 業 所 等 から 当 該 営 業 所 等 分 を 納 入 この 場 合 において 特 別 徴 収 義 務 者 の 事 務 処 理 システム 上 必 要 あ

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Microsoft Word - 【第17期】有価証券報告書(課税上の取り扱い)

内 において 管 理 されている 上 場 株 式 等 のうち 非 課 税 管 理 勘 定 に 係 るもの( 新 規 投 資 額 で 毎 年 80 万 円 を 上 限 とします )に 係 る 配 当 等 で 未 成 年 者 口 座 に 非 課 税 管 理 勘 定 を 設 けた 日 から 同 日 の 属

PowerPoint プレゼンテーション

は 固 定 流 動 及 び 繰 延 に 区 分 することとし 減 価 償 却 を 行 うべき 固 定 の 取 得 又 は 改 良 に 充 てるための 補 助 金 等 の 交 付 を 受 けた 場 合 にお いては その 交 付 を 受 けた 金 額 に 相 当 する 額 を 長 期 前 受 金 とし

スライド 1

(1) 率 等 一 覧 ( 平 成 26 年 度 ) 目 課 客 体 及 び 納 義 務 者 課 標 準 及 び 率 法 内 に 住 所 を 有 する ( 均 等 割 所 得 割 ) 内 に 事 務 所 事 業 所 又 は 家 屋 敷 を 有 する で 内 に 住 所 を 有 し ないもの( 均 等

損 益 計 算 書 自. 平 成 26 年 4 月 1 日 至. 平 成 27 年 3 月 31 日 科 目 内 訳 金 額 千 円 千 円 営 業 収 益 6,167,402 委 託 者 報 酬 4,328,295 運 用 受 託 報 酬 1,839,106 営 業 費 用 3,911,389 一

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4 承 認 コミュニティ 組 織 は 市 長 若 しくはその 委 任 を 受 けた 者 又 は 監 査 委 員 の 監 査 に 応 じなければ ならない ( 状 況 報 告 ) 第 7 条 承 認 コミュニティ 組 織 は 市 長 が 必 要 と 認 めるときは 交 付 金 事 業 の 遂 行 の

(12) 配当所得の収入金額の収入すべき時期

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所令要綱

Microsoft PowerPoint - 基金制度

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1 特 別 会 計 財 務 書 類 の 検 査 特 別 会 計 に 関 する 法 律 ( 平 成 19 年 法 律 第 23 号 以 下 法 という ) 第 19 条 第 1 項 の 規 定 に 基 づき 所 管 大 臣 は 毎 会 計 年 度 その 管 理 する 特 別 会 計 について 資 産

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弁護士報酬規定(抜粋)


 

定款  変更

[Q1] 復 興 特 別 所 得 税 の 源 泉 徴 収 はいつから 行 う 必 要 があるのですか 平 成 25 年 1 月 1 日 から 平 成 49 年 12 月 31 日 までの 間 に 生 ずる 所 得 について 源 泉 所 得 税 を 徴 収 する 際 復 興 特 別 所 得 税 を 併

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(6) 事 務 局 職 場 積 立 NISAの 運 営 に 係 る 以 下 の 事 務 等 を 担 当 する 事 業 主 等 の 組 織 ( 当 該 事 務 を 代 行 する 組 織 を 含 む )をいう イ 利 用 者 からの 諸 届 出 受 付 事 務 ロ 利 用 者 への 諸 連 絡 事 務

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2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 平 成 27 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 役 名 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 2,142 ( 地 域 手 当 ) 17,205 11,580 3,311 4 月 1

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(1) 貸 借 対 照 表 ( 平 成 26 年 11 月 30 日 現 在 ) ( 単 位 : 千 円 ) 資 産 の 部 負 債 の 部 科 目 金 額 科 目 金 額 流 動 資 産 4,623,985 流 動 負 債 3,859,994 現 金 及 び 預 金 31,763 支 払 手 形

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10 期 末 現 在 の 資 本 金 等 の 額 次 に 掲 げる 法 人 の 区 分 ごとに それぞれに 定 める 金 額 を 記 載 します 連 結 申 告 法 人 以 外 の 法 人 ( に 掲 げる 法 人 を 除 きます ) 法 第 292 条 第 1 項 第 4 号 の5イに 定 める

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入 札 参 加 者 は 入 札 の 執 行 完 了 に 至 るまではいつでも 入 札 を 辞 退 することができ これを 理 由 として 以 降 の 指 名 等 において 不 利 益 な 取 扱 いを 受 けることはない 12 入 札 保 証 金 免 除 13 契 約 保 証 金 免 除 14 入

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ただし 区 分 は 同 一 の 譲 渡 所 得 であっても 不 動 産 の 譲 渡 損 益 は 不 動 産 の 譲 渡 損 益 どうしで また 株 式 等 の 譲 渡 損 益 は 株 式 等 の 譲 渡 損 益 どうしで それぞれ 通 算 を 行 うことになっています( 次 項 の 損 益 通 算

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[2] 控 除 限 度 額 繰 越 欠 損 金 を 有 する 法 人 において 欠 損 金 発 生 事 業 年 度 の 翌 事 業 年 度 以 後 の 欠 損 金 の 繰 越 控 除 にあ たっては 平 成 27 年 度 税 制 改 正 により 次 ページ 以 降 で 解 説 する の 特 例 (

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2. 前 項 の 規 定 にかかわらず 証 券 会 社 等 又 は 機 構 を 通 じた 届 出 の 対 象 となっていない 事 項 については 当 会 社 の 定 める 書 式 により 株 主 名 簿 管 理 人 宛 に 届 け 出 るものとす る ( 法 人 株 主 等 の 代 表 者 ) 第

 

定 性 的 情 報 財 務 諸 表 等 1. 連 結 経 営 成 績 に 関 する 定 性 的 情 報 当 第 3 四 半 期 連 結 累 計 期 間 の 業 績 は 売 上 高 につきましては 前 年 同 四 半 期 累 計 期 間 比 15.1% 減 少 の 454 億 27 百 万 円 となり

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法 人 等 に 対 する 課 税 際 課 税 原 則 の 帰 属 主 義 への 見 直 しのポイント 総 合 主 義 から 帰 属 主 義 への 移 行 法 人 及 び 非 居 住 者 ( 法 人 等 )に 対 する 課 税 原 則 について 従 来 のいわゆる 総 合 主 義 を 改 め OECD

養 老 保 険 の 減 額 払 済 保 険 への 変 更 1. 設 例 会 社 が 役 員 を 被 保 険 者 とし 死 亡 保 険 金 及 び 満 期 保 険 金 のいずれも 会 社 を 受 取 人 とする 養 老 保 険 に 加 入 してい る 場 合 を 解 説 します 資 金 繰 りの 都

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している 5. これに 対 して 親 会 社 の 持 分 変 動 による 差 額 を 資 本 剰 余 金 として 処 理 した 結 果 資 本 剰 余 金 残 高 が 負 の 値 となるような 場 合 の 取 扱 いの 明 確 化 を 求 めるコメントが 複 数 寄 せられた 6. コメントでは 親

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03 平成28年度文部科学省税制改正要望事項


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無年金外国人高齢者福祉手当要綱

む )の 規 定 は 同 令 第 二 百 六 十 三 条 第 一 項 に 規 定 する 申 告 書 と 併 せて 提 出 する 復 興 特 別 所 得 税 申 告 書 について 準 用 する 2 法 第 十 七 条 第 一 項 第 三 号 に 規 定 する 政 令 で 定 める 金 額 は 所 得

公 的 年 金 制 度 について 制 度 の 持 続 可 能 性 を 高 め 将 来 の 世 代 の 給 付 水 準 の 確 保 等 を 図 るため 持 続 可 能 な 社 会 保 障 制 度 の 確 立 を 図 るための 改 革 の 推 進 に 関 する 法 律 に 基 づく 社 会 経 済 情

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金 融 所 得 課 税 の 一 体 化 に 向 けての 論 点 と 在 り 方 原 武 彦 税 務 大 学 校 研 究 部 教 授

120 要 約 1 研 究 の 目 的 ( 問 題 の 所 在 ) 金 融 所 得 課 税 の 一 体 化 ( 本 要 約 において 以 下 一 体 化 という )は 更 に 推 進 することとされていることから 今 後 一 体 化 を 進 めるに 当 たっての 論 点 と 在 り 方 を 検 討 するものである なお この 一 体 化 は 基 本 的 には 個 人 ( 主 に 居 住 者 )の 金 融 所 得 に 対 す る 所 得 税 等 の 課 税 に 関 するものであると 言 える 検 討 に 当 たっては 政 府 税 制 調 査 会 金 融 小 委 員 会 における 議 論 報 告 そ の 後 の 税 制 調 査 会 における 答 申 経 済 産 業 省 及 び 金 融 庁 の 審 議 会 研 究 会 で の 議 論 報 告 租 税 法 学 者 の 議 論 各 研 究 会 や 経 済 界 からの 提 言 金 融 所 得 に 対 する 課 税 の 現 状 と 最 近 の 税 制 改 正 の 状 況 主 要 国 における 制 度 等 を 確 認 し 今 後 の 一 体 化 に 向 けての 論 点 と 在 り 方 を 示 すとともに 税 務 執 行 上 の 問 題 点 やその 解 決 策 についても 検 討 する 2 研 究 の 概 要 (1) 金 融 所 得 課 税 の 現 状 と 最 近 の 税 制 改 正 イ 金 融 所 得 の 課 税 関 係 ( 利 子 所 得 配 当 所 得 株 式 等 の 譲 渡 所 得 等 及 び その 他 の 金 融 所 得 の 課 税 の 仕 組 み)を 確 認 整 理 した ロ 平 成 20 年 度 の 税 制 改 正 により 平 成 21 年 分 から 1 上 場 株 式 等 の 配 当 等 に 係 る 配 当 所 得 ( 大 口 株 主 等 が 受 けるものを 除 く )について 20% の 税 率 ( 所 得 税 15% 住 民 税 5% 以 下 本 要 約 において 同 様 )による 申 告 分 離 課 税 を 選 択 できることとされ 2 上 場 株 式 等 に 係 る 譲 渡 損 失 の 金 額 がある 場 合 には 上 場 株 式 等 に 係 る 配 当 所 得 の 金 額 ( 申 告 分 離 課 税 を 選 択 したものに 限 る )との 損 益 通 算 ができることとされた ハ 平 成 21 年 度 の 税 制 改 正 では 上 場 株 式 等 の 配 当 所 得 及 び 譲 渡 所 得 等 に 対 する 10%( 所 得 税 7% 住 民 税 3%)の 軽 減 税 率 の 特 例 措 置 について 平 成 20 年 度 改 正 時 に 設 けられた 金 額 制 限 を 撤 廃 した 上 で 平 成 23 年 まで

121 適 用 することとされた また 同 改 正 法 の 附 則 において 税 制 の 抜 本 的 な 改 革 について 平 成 23 年 度 までに 必 要 な 法 律 上 の 措 置 を 講 ずるものとするとされ そのために 検 討 を 加 える 基 本 的 方 向 性 として 1 一 体 化 を 更 に 推 進 すること 2 納 税 者 番 号 制 度 の 導 入 の 準 備 を 含 め 納 税 者 利 便 の 向 上 及 び 課 税 の 適 正 化 を 図 ることなどが 記 載 されたことは 注 目 される (2) 主 要 国 の 金 融 所 得 課 税 の 動 向 等 イ 主 要 国 の 金 融 所 得 課 税 の 動 向 利 子 所 得 は 米 国 及 び 英 国 はともに 総 合 課 税 フランスは 源 泉 分 離 課 税 と 総 合 課 税 の 選 択 制 となっている 配 当 所 得 は 米 国 は 連 邦 税 が 二 段 階 の 税 率 での 課 税 で 州 地 方 政 府 税 は 総 合 課 税 英 国 は 二 段 階 の 税 率 での 課 税 フランスは 源 泉 分 離 課 税 と 総 合 課 税 の 選 択 制 となってい る 株 式 の 譲 渡 所 得 は 米 国 は 連 邦 税 が 二 段 階 の 税 率 での 課 税 で 州 地 方 政 府 税 は 総 合 課 税 英 国 及 びフランスは 申 告 分 離 課 税 となってい る ドイツでは 平 成 20 年 までは 利 子 所 得 配 当 所 得 及 び 株 式 の 譲 渡 所 得 (1 年 以 下 保 有 の 売 却 )について 総 合 課 税 であったが 税 制 改 正 によ り 平 成 21 年 から 申 告 不 要 ( 分 離 課 税 ) 制 度 が 導 入 され 総 合 課 税 との 選 択 制 となった また ドイツで 納 税 者 番 号 制 度 が 実 施 となったことも 注 目 され これらの 税 制 改 革 について 紹 介 する ロ 二 元 的 所 得 税 と 我 が 国 への 応 用 二 元 的 所 得 税 は 主 に 北 欧 諸 国 で 採 用 されている 制 度 で すべての 所 得 を 資 本 所 得 と 勤 労 所 得 に 分 類 し 資 本 所 得 の 損 失 の 通 算 は 資 本 所 得 内 で 行 い 資 本 所 得 は 比 例 税 率 ( 勤 労 所 得 の 最 低 税 率 と 法 人 税 率 と 等 しく 設 定 おおむね 30% 程 度 )で 勤 労 所 得 は 累 進 税 率 で 課 税 するというも のである 我 が 国 への 応 用 に 当 たっては 個 人 事 業 主 が 高 い 税 率 が 適 用 となる 総 合 課 税 の 事 業 所 得 を 回 避 するため 法 人 を 設 立 して 資 本 所 得 ( 配 当 所 得 )

122 として 申 告 することに 対 する 措 置 についての 教 訓 が 参 考 となる 例 えば ノルウェーでは 一 定 の 非 公 開 法 人 のオーナーの 一 定 の 所 得 を 個 人 事 業 所 得 として 総 合 課 税 の 対 象 とする 措 置 が 導 入 されたが これを 回 避 する 手 法 が 採 られ 実 質 的 には 機 能 しなかったとされている このような 意 味 からもオーナー 株 主 等 が 受 ける 配 当 等 の 一 体 化 の 対 象 への 拡 大 は 慎 重 に 検 討 すべきであると 考 える 二 元 的 所 得 税 の 考 え 方 を 金 融 所 得 課 税 に 取 り 入 れることは 有 益 である が 北 欧 諸 国 等 と 我 が 国 の 税 制 の 相 違 を 踏 まえながら 我 が 国 へ 応 用 する ことが 必 要 である なお OECDの 報 告 書 ( 平 成 18 年 )では 我 が 国 の 制 度 は 二 元 的 所 得 税 に 準 ずる 制 度 (Semi-Dual Income Tax)に 分 類 されている (3) 税 制 調 査 会 審 議 会 等 での 議 論 経 済 財 政 諮 問 会 議 で 取 りまとめられ 平 成 13 年 6 月 26 日 に 閣 議 決 定 さ れた 今 後 の 経 済 財 政 運 営 及 び 経 済 社 会 の 構 造 改 革 に 関 する 基 本 方 針 (い わゆる 骨 太 の 方 針 )には 従 来 の 預 貯 金 中 心 の 貯 蓄 優 遇 から 株 式 投 資 などの 投 資 優 遇 へという 金 融 のあり 方 の 切 り 替 えや 起 業 創 業 の 重 要 性 を 踏 まえ 税 制 を 含 めた 諸 制 度 のあり 方 を 検 討 する と 記 載 され 貯 蓄 から 投 資 への 方 針 が 打 ち 出 された そして 平 成 15 年 6 月 の 政 府 税 制 調 査 会 の 中 期 答 申 尐 子 高 齢 社 会 に おける 税 制 のあり 方 においては 今 後 金 融 所 得 課 税 をできる 限 り 一 本 化 すべきである との 方 向 性 が 示 された これを 受 けて 税 制 調 査 会 金 融 小 委 員 会 において 平 成 15 年 10 月 から 検 討 が 進 められ 平 成 16 年 6 月 には 同 委 員 会 から 一 体 化 についての 基 本 的 考 え 方 が 報 告 さている また 同 時 期 に 経 済 産 業 省 産 業 構 造 審 議 会 産 業 金 融 部 会 小 委 員 会 金 融 庁 の 金 融 税 制 に 関 する 研 究 会 でも 同 様 の 議 論 がなされ 報 告 書 が 公 表 されており 内 容 を 整 理 し 紹 介 する それぞれ 考 え 方 について 相 違 が 見 られるが 一 体 化 を 推 進 するとの 方 向 では おおむね 一 致 している

123 (4) 一 体 化 へ 向 けての 論 点 と 考 え 方 イ 一 体 化 の 必 要 性 ( 一 体 化 が 必 要 とされる 理 由 背 景 ) (イ) 税 制 調 査 会 金 融 小 委 員 会 での 報 告 では 1 貯 蓄 から 投 資 への 政 策 要 請 の 下 での 投 資 環 境 の 整 備 2 金 融 商 品 間 の 中 立 性 の 要 請 ( 課 税 の 中 立 性 ) 3 簡 素 で 分 かりやすい 税 制 ( 課 税 の 簡 素 性 ) 4 投 資 リスクの 軽 減 が 掲 げられている (ロ) 一 方 所 得 税 は 総 合 累 進 課 税 が 望 ましいとする 見 地 から 一 体 化 は 高 額 所 得 者 優 遇 所 得 再 配 分 機 能 低 下 を 招 くなどとする 批 判 がある (ハ) 他 方 1 個 人 の 投 資 は 高 額 所 得 者 に 限 られておらず 高 額 所 得 者 優 遇 ではない 2 金 融 所 得 は 足 の 速 い 所 得 ( 保 有 者 資 産 等 の 国 内 外 の 移 動 が 容 易 )であり 国 外 への 逃 避 を 防 止 し 源 泉 徴 収 を 中 心 として 一 定 税 率 での 課 税 確 保 が 重 要 であるとの 見 解 がある ロ 金 融 所 得 の 課 税 方 法 ( 一 体 化 の 意 義 と 金 融 所 得 課 税 の 推 移 ) (イ) 一 体 化 は 金 融 所 得 について 一 定 税 率 (20%)での 分 離 課 税 とし 金 融 所 得 間 で 広 く 損 益 通 算 を 認 めるというものである 分 離 課 税 の 税 率 が 20%とされているのは 利 子 に 対 する 分 離 課 税 の 税 率 が 長 い 間 20%( 注 1)とされてきたこと また 申 告 不 要 となる 場 合 の 配 当 所 得 の 原 則 的 な 課 税 株 式 等 の 譲 渡 所 得 の 原 則 的 な 課 税 金 融 類 似 商 品 の 収 益 に 対 する 課 税 長 期 保 有 ( 譲 渡 した 年 の1 月 1 日 現 在 の 保 有 期 間 が5 年 超 ) 土 地 建 物 の 譲 渡 所 得 等 に 対 する 課 税 につい ては いずれも 20%の 税 率 の 分 離 課 税 となっていることなどが 考 慮 さ れているものと 考 えられる ( 注 1)なぜ 税 率 を 20%とするのかについては 利 子 所 得 を 一 律 20% の 税 率 による 分 離 課 税 とする 改 正 法 案 の 国 会 の 委 員 会 での 審 議 にお いて 最 低 税 率 は 国 税 10.5% 地 方 税 5%である 中 利 子 所 得 とし ては 平 均 的 なケースを 考 えると 勤 労 性 所 得 給 与 所 得 の 上 積 み としてあるので 所 得 税 の 税 率 構 造 等 を 考 えると 国 税 地 方 税 合 わせて 20%が 適 当 である 旨 説 明 されている

124 (ロ) 金 融 所 得 課 税 のこれまでの 推 移 を 確 認 し 整 理 した 配 当 所 得 は 基 本 的 に 総 合 課 税 とされてきた 配 当 控 除 が 昭 和 23 年 に 控 除 率 15%で 導 入 され 昭 和 25 年 のシャウプ 税 制 では 25%に 改 正 された 後 控 除 率 については 変 遷 があったが 昭 和 48 年 分 からは 10%となり 現 在 に 至 っている 利 子 所 得 課 税 についても 総 合 累 進 課 税 の 対 象 とするのが 望 ましいと されながら 貯 蓄 奨 励 や 資 本 蓄 積 等 の 政 策 要 請 に 応 じ 源 泉 分 離 課 税 制 度 源 泉 分 離 選 択 課 税 制 度 非 課 税 制 度 等 が 導 入 され また グリ ーン カード 制 を 導 入 し 総 合 課 税 とすることも 試 みられたが 実 現 に 至 らずに 昭 和 63 年 の 改 正 後 20%の 税 率 の 源 泉 分 離 課 税 制 度 が 続 いて いる 株 式 等 の 譲 渡 所 得 等 の 課 税 は 非 課 税 制 度 継 続 取 引 等 から 生 じる 所 得 の 課 税 昭 和 63 年 からの 原 則 として 申 告 分 離 課 税 上 場 株 式 等 の 源 泉 分 離 選 択 課 税 を 経 て 平 成 15 年 から 申 告 分 離 課 税 に 一 本 化 され 以 後 貯 蓄 から 投 資 へ の 改 革 に 資 する 軽 減 簡 素 化 が 順 次 図 られて きた ハ 金 融 所 得 課 税 の 一 体 化 の 対 象 範 囲 と 金 融 所 得 の 定 義 (イ) 現 在 の 10 種 類 の 所 得 区 分 の 見 直 しの 議 論 ( 注 2)があるほか 抜 本 的 に 見 直 すべきとの 見 解 もあるが 一 体 化 への 拡 大 に 当 たり 当 面 は 現 在 の 所 得 区 分 は 維 持 し( 金 融 所 得 に 係 る 雑 所 得 等 の 分 離 課 税 等 の 創 設 等 は 必 要 ) 特 別 措 置 で 対 応 することが 現 実 的 と 考 える その 後 金 融 経 済 情 勢 の 行 方 や 納 税 者 番 号 制 度 導 入 の 議 論 等 も 踏 まえて 金 融 所 得 区 分 の 創 設 を 含 めた 抜 本 的 な 改 革 について 議 論 していくことが 必 要 であると 考 える ( 注 2) 例 えば 平 成 17 年 6 月 の 税 制 調 査 会 基 礎 問 題 小 委 員 会 個 人 所 得 課 税 に 関 する 論 点 整 理 では 給 与 所 得 ( 給 与 所 得 控 除 の 見 直 し 特 定 支 出 控 除 の 拡 大 ) 退 職 所 得 (2 分 の1 課 税 の 見 直 し) 事 業 所 得 ( 適 切 な 課 税 確 保 ) 譲 渡 所 得 (2 分 の1 課 税 の 見 直 し) 一

125 時 所 得 と 雑 所 得 との 統 合 不 動 産 所 得 ( 廃 止 ) 年 金 所 得 の 雑 所 得 か らの 独 立 などが 挙 げられており 一 体 化 の 議 論 とは 別 に 今 後 引 き 続 き 検 討 されるべきであると 考 える (ロ) 利 子 所 得 への 拡 大 も 検 討 する 必 要 がある しかし 預 貯 金 の 利 子 に ついては 口 座 保 有 者 ( 注 3) 全 員 への 支 払 通 知 書 の 交 付 口 座 保 有 者 全 員 の 確 定 申 告 の 可 能 性 を 踏 まえるとともに 納 税 者 番 号 制 度 適 正 な 税 務 執 行 課 税 の 簡 便 性 財 源 の 確 保 上 の 課 題 及 び 納 税 者 利 便 等 との 関 係 を 考 慮 する 必 要 があり これらを 勘 案 すると 当 面 は 現 在 の 20%の 税 率 による 源 泉 分 離 課 税 の 維 持 が 適 当 であり その 後 納 税 者 番 号 制 度 の 行 方 や 環 境 整 備 を 見 極 めながら 再 検 討 することが 望 まし いと 考 える ( 注 3) 銀 行 預 金 口 座 7 億 7,474 口 ( 平 成 20 年 9 月 末 ) 信 用 金 庫 預 金 口 座 1 億 4,644 口 ( 平 成 20 年 9 月 末 ) 郵 便 貯 金 4 億 1,477 口 座 枚 ( 平 成 18 年 度 ) 一 方 公 社 債 の 利 子 や 公 社 債 投 資 信 託 の 収 益 の 分 配 等 に 係 る 利 子 は 源 泉 徴 収 は 維 持 して 20%の 税 率 による 申 告 分 離 課 税 の 選 択 制 度 を 創 設 し 申 告 による 一 体 化 の 対 象 に 含 めることが 適 当 であると 考 える これにより 平 成 21 年 から 導 入 されている 上 場 株 式 等 の 配 当 の 申 告 分 離 課 税 制 度 ともバランスが 取 れるものと 考 える (ハ) 大 口 株 主 等 に 係 る 上 場 株 式 等 の 配 当 は 申 告 分 離 課 税 の 選 択 及 び 上 場 株 式 の 譲 渡 損 失 との 損 益 通 算 の 対 象 から 除 かれており 配 当 の 申 告 不 要 制 度 についても 非 上 場 株 式 の 配 当 と 同 様 となっている 事 業 参 加 的 側 面 が 強 い 株 主 等 が 受 ける 配 当 等 の 一 体 化 の 対 象 への 拡 大 は 慎 重 に 検 討 すべきであるが( 上 記 (2)ロ) オーナー 経 営 の 多 い 非 上 場 会 社 とは 異 なる 上 場 会 社 の 配 当 については 拡 大 してよいと 考 える ニ 金 融 商 品 間 の 課 税 の 中 立 性 の 確 保 等 課 税 の 中 立 性 等 の 観 点 等 から 類 似 の 金 融 商 品 間 では 同 様 の 課 税 とす ることが 望 ましいため 次 のような 課 税 が 適 当 であると 考 える

126 (イ) 所 得 税 の 源 泉 徴 収 の 対 象 外 である 国 際 金 融 機 関 により 発 行 された 債 券 の 利 子 や 国 外 の 銀 行 等 の 預 貯 金 の 利 子 は 総 合 課 税 となっているが これらを 20%の 税 率 による 申 告 分 離 課 税 とし 預 貯 金 の 利 子 を 除 いて 一 体 化 の 対 象 とする (ロ) 公 社 債 の 譲 渡 による 所 得 や 公 社 債 投 資 信 託 公 社 債 等 運 用 投 資 信 託 等 の 受 益 証 券 の 譲 渡 による 所 得 は 非 課 税 とされ その 損 失 はなかった ものとされているが 株 式 等 や 証 券 投 資 信 託 の 受 益 権 の 譲 渡 による 所 得 と 同 様 に 20%の 税 率 による 分 離 課 税 とし 損 失 が 生 じた 場 合 は 譲 渡 損 失 として 一 体 化 の 対 象 とする( 有 価 証 券 の 譲 渡 という 点 で 同 じ 性 質 との 観 点 ) (ハ) 割 引 の 方 法 により 国 外 で 発 行 される 一 定 の 公 社 債 及 び 一 定 の 短 期 割 引 国 債 等 の 譲 渡 による 所 得 は 総 合 課 税 の 対 象 となっているが これら の 割 引 債 の 譲 渡 による 所 得 についても 20%の 税 率 による 分 離 課 税 と して 一 体 化 の 対 象 とし 上 記 (ロ)の 公 社 債 の 譲 渡 による 所 得 と 同 様 の 課 税 とする( 下 記 (チ)の 割 引 債 の 譲 渡 による 所 得 は 一 体 化 の 対 象 としない ) (ニ) 金 融 類 似 商 品 の 収 益 ( 定 期 積 金 の 給 付 補 てん 金 一 定 の 抵 当 証 券 の 利 息 金 投 資 口 座 の 利 益 等 外 貨 投 資 口 座 の 為 替 差 金 等 )は 20%の 税 率 による 源 泉 分 離 課 税 となっている このうち 定 期 積 金 の 給 付 補 てん 金 については 預 貯 金 の 利 子 との 類 似 性 が 強 いため 引 き 続 き 源 泉 分 離 課 税 を 維 持 し その 他 のものについては 金 融 所 得 に 係 る 雑 所 得 等 として 20%の 税 率 による 申 告 分 離 課 税 の 選 択 制 度 を 創 設 し 申 告 によ る 一 体 化 の 対 象 に 含 める (ホ) 外 貨 建 ての 金 融 商 品 に 関 連 する 為 替 差 損 益 は 内 容 に 応 じて 総 合 課 税 又 は 分 離 課 税 となっているが 金 融 商 品 間 の 中 立 性 又 は 他 の 金 融 所 得 との 中 立 性 を 確 保 する 観 点 から 金 融 所 得 に 係 る 雑 所 得 等 として 20%の 税 率 による 分 離 課 税 とし 一 体 化 の 対 象 に 含 める (ヘ) 保 険 のうち 満 期 保 険 や 解 約 返 戻 金 等 の 収 益 で 保 険 料 の 運 用 に 相 当

127 する 部 分 は 20%の 税 率 による 申 告 分 離 課 税 とし 一 体 化 の 対 象 とす る( 現 状 は 一 時 所 得 等 として 総 合 課 税 ) (ト) 先 物 取 引 に 係 る 所 得 については 総 合 課 税 の 雑 所 得 等 となるものと 先 物 取 引 に 係 る 分 離 課 税 の 雑 所 得 等 となるものがあるが 他 の 金 融 所 得 とは 異 なる 顕 著 な 特 徴 も 有 していることから 一 体 化 の 対 象 として 広 く 損 益 通 算 の 対 象 とするかどうかは 引 き 続 き 検 討 することとする (チ) 割 引 債 の 償 還 差 益 (18% 又 は 16%の 税 率 で 源 泉 分 離 課 税 )は 課 税 時 期 ( 発 行 時 課 税 ) 及 び 税 率 の 相 違 から 一 体 化 には 含 めず 現 状 の 制 度 を 維 持 する また 償 還 差 益 について 発 行 時 に 所 得 税 が 源 泉 徴 収 され 源 泉 分 離 課 税 となる 割 引 債 の 譲 渡 による 所 得 も 一 体 化 の 対 象 とせず 現 行 どお りとする ホ 経 費 の 範 囲 と 損 失 利 子 所 得 は 必 要 経 費 は 一 切 認 められておらず その 理 由 についての 説 明 や 見 解 は 様 々であるが ワラント 債 の 利 子 の 必 要 経 費 を 認 めるべき として 争 われた 事 件 では 必 要 経 費 の 控 除 は 国 の 租 税 立 法 政 策 に 由 来 し 認 めなくとも 憲 法 には 違 反 しないとされた また 配 当 所 得 は 株 式 取 得 のための 借 入 金 利 子 のみ 経 費 として 認 め られており その 損 失 の 他 の 所 得 との 損 益 通 算 は 認 められていない( 注 4) ( 注 4) 配 当 所 得 の 損 失 について 他 の 所 得 との 損 益 通 算 が 認 められな くなったのは 昭 和 36 年 の 税 制 改 正 からであるが 当 時 の 税 制 調 査 会 の 答 申 では 1 無 配 の 株 式 取 得 のために 巨 額 の 負 債 を 負 い 多 額 の 配 当 の 損 失 を 生 じさせ 損 益 通 算 を 行 う 事 例 の 発 生 2 株 式 を 取 得 するために 要 した 負 債 の 利 子 か 他 の 家 事 上 の 負 債 利 子 かの 税 務 上 の 認 定 が 困 難 である 点 等 が 指 摘 されている 申 告 分 離 課 税 を 選 択 した 公 社 債 等 の 利 子 や 配 当 所 得 について 制 度 論 としては 一 定 の 必 要 経 費 を 認 める 余 地 はあると 考 えられるが 上 記 のよ

128 うな 経 緯 及 び 租 税 回 避 防 止 等 の 観 点 を 踏 まえると いずれもその 損 失 の 他 の 所 得 との 損 益 通 算 については 制 限 することが 適 当 であると 考 える また 雑 所 得 についても その 損 失 を 他 の 所 得 から 控 除 することを 認 めない 現 在 の 制 度 を 維 持 することが 相 当 であると 考 える ただし 株 式 等 の 譲 渡 ( 公 社 債 等 の 譲 渡 による 所 得 を 課 税 対 象 とする 場 合 の 公 社 債 等 の 譲 渡 を 含 む )に 係 る 雑 所 得 については 株 式 等 の 譲 渡 に 係 る 譲 渡 所 得 に 対 する 課 税 と 同 様 とすることが 適 当 であると 考 えられ ることから その 損 失 については 一 体 化 の 対 象 とする 利 子 所 得 配 当 所 得 及 び 他 の 雑 所 得 等 (いずれも 申 告 分 離 課 税 を 選 択 したものに 限 る ) からの 控 除 を 認 容 する ヘ 元 本 の 損 失 の 取 扱 い 会 社 の 倒 産 等 に 係 る 株 式 等 の 損 失 について 特 定 口 座 内 保 有 上 場 株 式 等 が 価 値 を 失 ったことによる 損 失 は 譲 渡 損 失 とみなされることになっ た それ 以 外 の 場 合 の 株 式 等 の 無 価 値 化 による 損 失 への 拡 大 は 適 正 執 行 のための 担 保 措 置 が 講 じられることが 必 要 であるが 現 状 では 適 当 な 担 保 措 置 は 見 当 たらないことから 相 当 でないと 考 える 公 社 債 のデフォルトにより 元 本 が 回 収 できないことによる 損 失 は 保 有 者 や 取 得 価 額 の 真 正 性 を 確 認 できるよう 特 定 口 座 内 保 有 上 場 株 式 等 の 場 合 と 同 様 の 担 保 措 置 を 設 けることを 条 件 として 認 容 してよいと 考 え る この 場 合 一 体 化 の 中 で 認 容 する 見 地 から 資 産 損 失 又 は 雑 損 控 除 に 類 似 する 方 法 による 認 容 ではなく 譲 渡 損 失 とみなす 方 法 が 適 当 であ ると 考 える また 預 金 のペイオフ 損 失 については 1 預 金 のペイオフは 元 本 1 千 万 円 までの 預 金 とその 利 子 が 預 金 保 険 により 全 額 保 護 されており 損 失 回 避 のための 一 定 の 措 置 が 採 られていること 2 税 制 の 中 での 損 失 の 認 容 は 貯 蓄 から 投 資 へ の 政 策 要 請 とは 異 なる 観 点 であること 3 預 貯 金 の 利 子 に 対 する 課 税 は 現 行 の 源 泉 分 離 課 税 を 維 持 し 当 面 は 一 体 化 の 対 象 としないことが 適 当 と 考 えることから 現 状 では 税 制 の 中 で 認

129 めるのは 適 当 でないと 考 える 預 金 のペイオフ 損 失 についても 一 体 化 の 中 で 認 容 すべきであるとの 見 解 もあり 一 体 化 の 対 象 を 預 貯 金 の 利 子 へ 拡 大 する 際 には 再 度 検 討 すべき 課 題 であると 考 える ト 損 益 通 算 の 在 り 方 等 (イ) 利 子 所 得 配 当 所 得 及 び 金 融 類 似 商 品 の 収 益 等 で 申 告 分 離 課 税 を 選 択 したものについては 一 体 化 の 対 象 とし 有 価 証 券 の 譲 渡 による 損 失 との 損 益 通 算 を 認 めることが 適 当 であると 考 える (ロ) 平 成 22 年 からは 源 泉 徴 収 選 択 口 座 において 上 場 株 式 等 の 配 当 等 と 上 場 株 式 等 の 譲 渡 損 失 の 損 益 通 算 が 可 能 となる 源 泉 徴 収 口 座 が 複 数 あった 場 合 にもそれらの 源 泉 徴 収 口 座 内 での 損 益 通 算 だけで 申 告 不 要 とすることができれば 簡 便 性 等 の 観 点 から 望 ましいが 異 なる 金 融 機 関 の 間 での 納 税 者 情 報 の 伝 達 や 源 泉 徴 収 に 係 る 所 得 税 の 調 整 をどのよ うに 行 うかなどについて 課 題 があることから 複 数 の 源 泉 徴 収 口 座 の 所 得 の 損 益 通 算 は 確 定 申 告 によらざるを 得 ないと 考 える チ 租 税 回 避 等 への 対 応 ( 課 税 上 有 利 な 所 得 区 分 への 変 更 損 失 の 創 出 等 への 対 応 ) 課 税 上 有 利 な 所 得 区 分 への 変 更 のインセンティブは 上 記 ニの 対 応 に より 減 尐 すると 考 えられる 損 失 の 創 出 については 譲 渡 ( 発 生 )の 時 期 を 選 択 できるという 点 で 有 価 証 券 の 譲 渡 損 が 問 題 となる その 対 応 策 としては 1 他 の 所 得 との 損 益 通 算 の 対 象 とする 有 価 証 券 の 譲 渡 は 現 行 の 上 場 株 式 等 の 一 定 の 譲 渡 及 びそれに 準 じた 公 社 債 等 の 一 定 の 譲 渡 に 限 定 すること 及 び2 控 除 対 象 とする 所 得 は 申 告 分 離 課 税 による 一 体 化 の 対 象 とした 利 子 所 得 配 当 所 得 及 び 雑 所 得 等 ( 金 融 類 似 商 品 等 )に 限 定 することがよいと 考 える また 損 益 通 算 の 範 囲 を 金 融 所 得 全 般 に 更 に 広 げる 場 合 には 金 額 の 制 限 を 設 けるもの( 例 : 米 国 3,000 米 ドル)や 一 定 割 合 を 制 限 するもの ( 例 :スウェーデン 株 式 譲 渡 等 以 外 のグループの 資 本 所 得 からの 控 除 は 70%のみ 認 容 ) 等 を 参 考 とした 制 限 措 置 の 検 討 が 必 要 であると 考 える

130 また 租 税 回 避 否 認 ( 防 止 )の 一 般 規 定 の 創 設 は 検 討 すべき 課 題 と して 議 論 がある リ 納 税 環 境 の 整 備 (イ) 資 料 情 報 制 度 法 定 調 書 等 について 適 宜 範 囲 の 拡 大 等 の 改 正 がなされている また 上 場 株 式 配 当 等 の 申 告 分 離 課 税 及 び 上 場 株 式 等 に 係 る 譲 渡 損 失 の 上 場 株 式 等 に 係 る 配 当 所 得 の 金 額 からの 控 除 の 創 設 に 伴 って 上 場 株 式 等 の 配 当 の 支 払 通 知 書 が 創 設 され また 確 定 申 告 の 際 にはそ の 支 払 通 知 書 又 は 特 定 口 座 年 間 取 引 報 告 書 を 確 定 申 告 書 に 添 付 しな ければならないこととされた このように 一 体 化 を 推 進 する 場 合 には それらに 対 応 する 法 定 調 書 等 が 提 出 され 執 行 体 制 が 整 備 されることが 必 要 であると 考 える また 提 出 が 円 滑 かつ 確 実 に 実 行 されるためには 提 出 する 側 の 事 務 負 担 にも 配 慮 した 環 境 作 りが 望 ましいと 考 えられることから e-tax で 提 出 する 場 合 のより 提 出 しやすい 環 境 整 備 や 光 ディスク 磁 気 ディス ク 等 での 提 出 手 続 の 一 層 の 簡 素 化 等 について 提 案 する (ロ) 納 税 者 番 号 制 度 一 体 化 の 拡 大 が 直 ちに 納 税 者 番 号 制 度 の 導 入 につながるものでは ないとされるが 納 税 者 番 号 とは 異 なる 選 択 制 の 金 融 番 号 を 導 入 する 考 え 方 納 税 者 番 号 の 将 来 の 導 入 を 視 野 に 入 れて 対 応 すべきであると いう 意 見 等 がある 納 税 者 番 号 制 度 方 式 としては 税 務 番 号 方 式 基 礎 年 金 番 号 ( 年 金 番 号 方 式 ) 住 民 票 コード( 住 民 基 本 台 帳 方 式 ) 等 が あるが それぞれにメリット デメリットがある これらのほか 現 在 導 入 について 検 討 されている 社 会 保 障 番 号 があり 納 税 者 番 号 と して 活 用 する 新 たな 候 補 として 注 目 される 平 成 21 年 度 の 税 制 調 査 会 の 答 申 及 び 自 民 党 の 税 制 改 正 大 綱 では 納 税 者 番 号 の 導 入 を 目 指 すべきであるとされている 更 に 与 党 内 に 納 税 者 番 号 制 度 に 関 する 検 討 会 を 立 ち 上 げて 精 力 的 に 議 論 することとさ

131 れているほか 税 制 調 査 会 でも 新 たにスタディグループによる 検 討 が 開 始 (5 月 12 日 )されるなど 納 税 者 番 号 制 度 導 入 についての 議 論 が 行 われている 適 正 公 平 な 課 税 の 実 現 及 び 税 務 執 行 の 観 点 から 納 税 者 番 号 制 度 の 導 入 は 必 要 であり グリーン カード 制 導 入 及 び 廃 止 の 際 の 議 論 や 社 会 保 障 カード 社 会 保 障 番 号 の 導 入 の 議 論 なども 参 考 にし ながら 番 号 制 導 入 に 向 けて 議 論 が 更 に 進 展 することが 望 まれる なお 各 国 の 納 税 者 番 号 の 最 初 に 国 番 号 を 付 して 国 際 納 税 者 番 号 として 発 展 させる 提 案 があり 将 来 構 想 として 興 味 深 い

132 目 次 はじめに 136 第 1 章 金 融 所 得 課 税 の 現 状 138 第 1 節 所 得 税 における 課 税 所 得 の 計 算 138 1 課 税 所 得 の 計 算 138 2 所 得 税 計 算 の 仕 組 み(イメージ) 140 第 2 節 利 子 所 得 142 1 利 子 所 得 の 意 義 142 2 利 子 所 得 の 金 額 144 3 利 子 所 得 の 課 税 方 法 144 4 利 子 所 得 の 非 課 税 制 度 145 第 3 節 配 当 所 得 146 1 配 当 所 得 の 意 義 146 2 配 当 所 得 の 金 額 148 3 配 当 所 得 の 課 税 方 法 149 第 4 節 株 式 等 の 譲 渡 による 所 得 156 1 株 式 等 に 係 る 譲 渡 所 得 等 の 課 税 の 概 要 156 2 株 式 等 に 係 る 譲 渡 所 得 等 の 申 告 分 離 課 税 と 株 式 等 の 意 義 157 3 株 式 等 に 係 る 譲 渡 所 得 等 の 金 額 157 4 上 場 株 式 等 を 譲 渡 した 場 合 の 軽 減 税 率 の 特 例 159 5 特 定 口 座 制 度 161 6 源 泉 徴 収 選 択 口 座 内 配 当 等 に 係 る 所 得 計 算 及 び 源 泉 徴 収 等 の 特 例 163 7 上 場 株 式 等 に 係 る 譲 渡 損 失 の 損 益 通 算 及 び 繰 越 控 除 164 8 特 定 管 理 株 式 が 価 値 を 失 った 場 合 の 株 式 等 に 係 る 譲 渡 所 得 等 の 課 税 の 特 例 165 9 特 定 中 小 会 社 が 発 行 した 株 式 に 係 る 譲 渡 所 得 等 の 特 例 (エンジェル 税 制 ) 166

133 第 5 節 その 他 の 金 融 所 得 167 1 先 物 取 引 に 係 る 雑 所 得 等 の 課 税 の 特 例 等 167 2 金 融 類 似 商 品 169 3 割 引 債 の 償 還 差 益 169 4 公 社 債 等 の 譲 渡 による 所 得 170 5 生 命 保 険 契 約 等 に 基 づく 年 金 一 時 金 172 6 その 他 172 第 2 章 金 融 所 得 課 税 の 沿 革 174 第 1 節 利 子 所 得 課 税 の 推 移 174 1 明 治 21 年 から 昭 和 21 年 174 2 昭 和 22 年 以 降 175 3 シャウプ 税 制 178 4 定 期 預 金 等 の 総 合 課 税 及 び 源 泉 分 離 選 択 課 税 の 導 入 ( 昭 和 45 年 税 制 改 正 ) 179 5 総 合 課 税 への 移 行 及 び 尐 額 貯 蓄 等 用 者 カード 制 度 の 導 入 凍 結 廃 止 182 6 一 律 分 離 課 税 制 度 の 創 設 ( 昭 和 62 年 税 制 改 正 ) 185 第 2 節 配 当 所 得 課 税 の 推 移 189 1 明 治 22 年 から 昭 和 21 年 189 2 昭 和 22 年 以 降 189 第 3 節 株 式 等 の 譲 渡 所 得 等 の 課 税 の 推 移 194 1 明 治 20 年 から 昭 和 21 年 194 2 昭 和 22 年 改 正 194 3 シャウプ 税 制 とその 修 正 195 4 昭 和 63 年 改 正 196 5 平 成 11 年 改 正 等 197 6 平 成 13 年 以 降 197 第 4 節 金 融 所 得 課 税 に 関 する 最 近 の 税 制 改 正 204

134 1 平 成 20 年 税 制 改 正 204 2 平 成 21 年 税 制 改 正 205 第 3 章 納 税 環 境 の 整 備 208 第 1 節 資 料 情 報 制 度 208 1 資 料 情 報 208 2 法 定 資 料 208 第 2 節 納 税 者 番 号 制 度 214 1 納 税 者 番 号 制 度 の 意 義 及 び 仕 組 み 等 214 2 我 が 国 の 国 税 当 局 が 使 用 している 番 号 215 3 個 人 付 番 方 式 の 比 較 等 216 第 4 章 主 要 国 の 金 融 所 得 課 税 の 動 向 219 第 1 節 主 要 国 の 金 融 所 得 課 税 219 1 主 要 国 の 利 子 所 得 に 対 する 課 税 219 2 主 要 国 の 配 当 所 得 に 対 する 課 税 の 概 要 221 3 主 要 国 の 株 式 等 の 譲 渡 所 得 等 に 対 する 課 税 の 概 要 223 4 ドイツの 金 融 所 得 に 関 する 税 制 改 革 225 第 2 節 北 欧 等 の 二 元 的 所 得 税 233 1 北 欧 等 の 二 元 的 所 得 税 の 内 容 233 2 我 が 国 への 適 用 239 第 3 節 納 税 者 番 号 制 度 241 1 主 要 国 の 納 税 者 番 号 制 度 241 2 ドイツにおける 導 入 243 第 5 章 金 融 所 得 課 税 の 一 体 化 の 議 論 の 推 移 244 第 1 節 金 融 所 得 課 税 の 一 体 化 の 意 義 244 1 金 融 所 得 の 意 義 244 2 金 融 所 得 課 税 の 一 体 化 の 意 義 245 第 2 節 税 制 調 査 会 での 議 論 等 245 1 平 成 14 年 11 月 及 び 成 15 年 6 月 の 税 制 調 査 会 の 答 申 246

135 2 税 制 調 査 会 金 融 小 委 員 会 での 議 論 248 3 税 制 調 査 会 金 融 小 委 員 会 の 報 告 内 容 248 第 3 節 審 議 会 研 究 会 での 議 論 等 258 1 経 済 産 業 省 産 業 構 造 審 議 会 産 業 金 融 部 会 小 委 員 会 258 2 金 融 庁 金 融 税 制 に 関 する 研 究 会 266 第 4 節 最 近 の 動 向 267 1 税 制 調 査 会 答 申 267 2 自 民 党 公 明 党 税 制 改 正 大 綱 269 第 6 章 金 融 所 得 課 税 の 一 体 化 の 論 点 と 在 り 方 272 第 1 節 金 融 所 得 課 税 の 一 体 化 の 必 要 性 と 課 税 方 法 等 272 1 金 融 所 得 課 税 の 一 体 化 の 意 義 と 必 要 性 272 2 金 融 所 得 の 定 義 (とらえ 方 ) 278 3 金 融 所 得 課 税 の 一 体 化 の 対 象 範 囲 等 281 4 金 融 商 品 間 の 中 立 性 の 確 保 等 284 第 2 節 金 融 所 得 課 税 の 一 体 化 における 所 得 計 算 の 在 り 方 289 1 必 要 経 費 の 範 囲 と 損 失 289 2 元 本 損 失 ( 資 産 損 失 ) 等 の 取 扱 い 294 3 損 益 通 算 の 在 り 方 298 第 3 節 租 税 回 避 等 の 問 題 と 対 応 302 1 課 税 上 有 利 な 所 得 区 分 への 変 更 302 2 損 失 の 創 出 への 対 応 303 第 4 節 納 税 環 境 の 整 備 305 1 資 料 情 報 制 度 305 2 納 税 者 番 号 制 度 306 結 びに 代 えて 311

136 はじめに 金 融 所 得 課 税 の 一 体 化 は 基 本 的 には 個 人 ( 主 に 居 住 者 )の 金 融 所 得 に 対 する 所 得 税 等 の 課 税 に 関 するものであると 言 える (1) 経 済 財 政 諮 問 会 議 で 取 りまとめられ 平 成 13 年 6 月 26 日 に 閣 議 決 定 された 今 後 の 経 済 財 政 運 営 及 び 経 済 社 会 の 構 造 改 革 に 関 する 基 本 方 針 (いわゆる 骨 太 の 方 針 )には 従 来 の 預 貯 金 中 心 の 貯 蓄 優 遇 から 株 式 投 資 などの 投 資 優 遇 へという 金 融 のあり 方 の 切 り 替 えや 起 業 創 業 の 重 要 性 を 踏 まえ 税 制 を 含 めた 諸 制 度 のあり 方 を 検 討 する として 貯 蓄 から 投 資 への 方 針 が 打 ち 出 された そして 平 成 15 年 6 月 の 政 府 税 制 調 査 会 の 中 期 答 申 尐 子 高 齢 社 会 における 税 制 のあり 方 においては 今 後 金 融 所 得 課 税 をできる 限 り 一 本 化 すべきである との 方 向 性 が 示 された これを 受 けて 税 制 調 査 会 金 融 小 委 員 会 において 平 成 15 年 10 月 から 検 討 が 開 始 され 同 委 員 会 において3 年 間 24 回 にわたり 詳 細 な 検 討 議 論 が 行 われ た 後 平 成 16 年 6 月 には 同 委 員 会 から 一 体 化 についての 基 本 的 考 え 方 が 報 告 さ れている また 金 融 庁 及 び 経 済 産 業 省 の 審 議 会 研 究 会 においても 同 時 期 に 同 様 のテーマについて 議 論 がなされ 金 融 所 得 課 税 の 在 り 方 等 についての 報 告 書 が 公 表 されている それぞれ 考 え 方 について 相 違 は 見 られるが 一 体 化 を 推 進 するとの 方 向 で はおおむね 一 致 しており その 後 の 累 次 の 税 制 調 査 会 の 答 申 においても 金 融 所 得 課 税 の 一 体 化 を 更 に 推 進 すべきであるとされている また 平 成 20 年 及 び 平 成 21 年 の 自 民 党 公 明 党 の 税 制 改 正 大 綱 においても 金 融 所 得 課 税 の 一 体 化 に 向 けての 措 置 について 言 及 されており 一 体 化 推 進 に 向 けて 更 に 検 討 すべきであるとされている (1) 1 貯 蓄 投 資 や 企 業 活 動 への 中 立 性 の 確 保 のための 法 人 個 人 の 両 段 階 の 税 率 の 統 合 ( 国 枝 繁 樹 金 融 所 得 の 一 体 課 税 の 論 点 と 課 題 税 務 弘 報 52 巻 2 号 6 頁 ( 2004)) や2 利 益 の 配 当 等 の 損 金 算 入 その 他 の 方 法 により 法 人 税 との 調 整 をどのように 行 うかという 議 論 等 は 別 途 あり 検 討 すべき 課 題 である

137 更 に 平 成 21 年 度 税 制 改 正 における 改 正 法 の 附 則 において 税 制 の 抜 本 的 な 改 革 について 平 成 23 年 度 までに 必 要 な 法 律 上 の 措 置 を 講 ずるものとするとさ れ そのために 検 討 を 加 える 基 本 的 方 向 性 として 1 一 体 化 を 更 に 推 進 するこ と 2 納 税 者 番 号 制 度 の 導 入 の 準 備 を 含 め 納 税 者 利 便 の 向 上 及 び 課 税 の 適 正 化 を 図 ることなどが 記 載 されたことは 注 目 される このように 金 融 所 得 課 税 の 一 体 化 の 推 進 についての 検 討 が 今 後 更 に 行 われていくこととなることとから 本 稿 は 金 融 所 得 課 税 の 一 体 化 を 進 めるに 当 たっての 論 点 と 在 り 方 を 検 討 するものであるが 税 務 執 行 上 の 問 題 点 やその 解 決 策 についても 考 察 し 提 案 する その 研 究 の 方 向 性 としては まず 利 子 所 得 配 当 所 得 株 式 等 の 譲 渡 によ る 所 得 及 びその 他 の 金 融 所 得 についての 課 税 の 仕 組 みについて 現 状 を 確 認 し 整 理 するとともに これまでの 金 融 所 得 課 税 の 沿 革 最 近 の 税 制 改 正 の 状 況 納 税 者 番 号 制 度 についての 議 論 や 資 料 情 報 制 度 の 現 状 について 確 認 する また 主 要 国 における 金 融 所 得 課 税 の 動 向 北 欧 等 の 二 元 的 所 得 税 主 要 国 の 納 税 者 番 号 制 度 ドイツにおける 金 融 所 得 課 税 に 関 する 改 革 について 確 認 整 理 し 我 が 国 への 教 訓 示 唆 について 考 察 する その 後 税 制 調 査 会 金 融 小 委 員 会 や 審 議 会 研 究 会 での 議 論 の 内 容 について 確 認 整 理 し その 後 の 税 制 調 査 会 における 答 申 租 税 法 学 者 の 議 論 各 研 究 会 や 経 済 界 からの 提 言 について 検 討 を 行 うことにより 本 研 究 を 進 めていく

138 第 1 章 金 融 所 得 課 税 の 現 状 第 1 節 所 得 税 における 課 税 所 得 の 計 算 1 課 税 所 得 の 計 算 (1) 課 税 の 原 則 所 得 税 における 個 人 の 納 税 者 は 居 住 者 ( 所 法 21 三 )と 非 居 住 者 ( 所 法 21 五 )に 区 分 され (2) 居 住 者 はすべての 所 得 ( 国 内 源 泉 所 得 及 び 国 外 源 泉 所 得 )について 納 税 義 務 を 有 する( 所 法 51 71 一 ) そして 居 住 者 に 対 する 所 得 税 の 課 税 は すべての 所 得 を 合 算 した 金 額 に 対 して 納 付 す べき 税 額 の 計 算 を 行 う 総 合 課 税 が 原 則 であるが 退 職 所 得 及 び 山 林 所 得 に 対 してはそれぞれ 分 離 課 税 とされている( 所 法 22 89) 更 に 租 税 特 別 措 置 法 において 利 子 所 得 ( 措 法 31 3の31 措 令 1の43) 配 当 所 得 ( 措 法 8の41)に 対 する 源 泉 分 離 課 税 株 式 等 に 係 る 譲 渡 所 得 等 の 課 税 の 特 例 ( 措 法 37 の 101) 先 物 取 引 に 係 る 雑 所 得 等 の 課 税 の 特 例 ( 措 法 41 の 141)など 総 合 課 税 に 対 する 多 くの 例 外 が 定 められている また 非 居 住 者 は 国 内 源 泉 所 得 ( 所 法 161)についてのみ 納 税 義 務 を 有 し( 所 法 52 71 三 ) 国 内 に 有 する 事 務 所 事 業 所 その 他 の 恒 久 的 施 設 (1641)の 有 無 とその 種 類 及 び 国 内 源 泉 所 得 の 種 類 に 応 じて 総 合 課 税 又 は 分 離 課 税 となり( 所 法 1641 2) 住 民 税 は 課 税 されない( 地 法 24 1 2941) 金 融 所 得 課 税 の 一 体 化 の 意 義 等 については 別 途 第 6 章 第 1 節 の1 で 述 べるが 金 融 所 得 課 税 の 一 体 化 において 議 論 されるのは 主 に 居 住 者 に 対 する 課 税 についてである 居 住 者 について 原 則 として 総 合 課 税 例 外 的 に 分 離 課 税 となっているものを どのように 一 体 化 をしていくかという (2) 居 住 者 とは 国 内 に 住 所 を 有 し 又 は 現 在 まで 引 き 続 いて1 年 以 上 居 所 を 有 する 個 人 いう とされ 非 居 住 者 とは 居 住 者 以 外 の 個 人 をいう とされている( 所 法 21 三 五 )

139 ものである (2)10 種 類 の 所 得 及 びその 計 算 所 得 税 法 は 所 得 を 10 種 類 の 所 得 ( 利 子 所 得 配 当 所 得 不 動 産 所 得 事 業 所 得 給 与 所 得 退 職 所 得 山 林 所 得 譲 渡 所 得 一 時 所 得 雑 所 得 ) に 分 類 した 上 で それぞれの 所 得 につきその 金 額 を 計 算 し そのうち 総 合 課 税 の 対 象 となるものは 合 算 して 総 所 得 金 額 が 計 算 される( 所 法 222) 各 種 所 得 の 計 算 は 一 般 的 には 総 収 入 金 額 から 必 要 経 費 を 控 除 して 計 算 さ れるが 所 得 の 中 には 必 要 経 費 の 概 念 がない 利 子 所 得 また 給 与 所 得 退 職 所 得 公 的 年 金 等 に 係 る 雑 所 得 のように 特 別 の 控 除 をもって 必 要 経 費 に 代 えるものなどがある なお 各 種 所 得 の 計 算 上 損 失 が 生 じたときは 通 常 総 所 得 金 額 等 の 計 算 の 際 に 他 の 所 得 との 間 で 損 益 通 算 ( 所 法 69)が なされる (3) 損 益 通 算 イ 損 益 通 算 は ある 所 得 に 損 失 の 金 額 があり 他 の 所 得 が 黒 字 の 場 合 に その 損 失 の 金 額 をその 所 得 の 黒 字 の 金 額 から 一 定 の 順 序 に 従 って 差 し 引 く 計 算 を 行 うものであり 損 失 が 生 じた 場 合 に 他 の 所 得 から 差 し 引 くこ とができる 所 得 は 1 不 動 産 所 得 2 事 業 所 得 3 譲 渡 所 得 及 び4 山 林 所 得 に 限 られる( 所 法 691) ロ また これらの 所 得 に 損 失 が 生 じた 場 合 でも 損 益 通 算 はできないこと があり その 主 なものは 次 のとおりである (イ) 生 活 に 通 常 必 要 でない 資 産 に 係 る 所 得 の 損 失 は 競 走 馬 の 譲 渡 に 係 るもので 一 定 の 場 合 を 除 き 損 益 通 算 はできない( 所 法 692 所 令 200) (ロ) 不 動 産 所 得 の 金 額 の 損 失 のうち 生 活 に 通 常 必 要 でない 資 産 に 係 る もの 以 外 でも 次 に 揚 げるような 損 失 の 金 額 は その 損 失 が 生 じなか ったものとみなされ 損 益 通 算 ができない A 土 地 ( 土 地 の 上 に 存 する 権 利 を 含 む )を 取 得 するために 要 した 負 債 の 利 子 に 相 当 する 部 分 の 金 額 で 一 定 のもの( 措 令 26 の61) B 一 定 の 組 合 契 約 に 基 づいて 営 まれる 事 業 から 生 じたもので その

140 組 合 の 特 定 組 合 員 に 係 るもの( 措 法 41 の4の21) (ハ) 申 告 分 離 課 税 の 株 式 等 の 譲 渡 による 所 得 (3) ( 措 法 37 の 101) 申 告 分 離 課 税 の 先 物 取 引 に 係 る 所 得 (4) ( 措 法 41 の 141)については こ れらの 所 得 の 間 での 差 引 計 算 はできるが 他 の 所 得 との 損 益 通 算 はで きない なお 平 成 21 年 分 以 後 の 所 得 税 の 確 定 申 告 においては 上 場 株 式 等 の 譲 渡 所 得 等 の 金 額 の 計 算 上 生 じた 損 失 の 金 額 がある 場 合 には 申 告 分 離 課 税 を 選 択 した 上 場 株 式 等 の 配 当 所 得 の 金 額 から 控 除 することが できることとなった (5) ( 措 法 37 の 12 の21) (4) 税 額 の 計 算 等 所 得 税 の 税 額 は 所 得 控 除 後 の 課 税 所 得 金 額 に 対 して 税 率 を 適 用 して 算 出 されるが 課 税 山 林 所 得 金 額 に 対 してはいわゆる5 分 5 乗 の 方 法 が 採 ら れ 更 に 総 所 得 金 額 のうちの 変 動 所 得 又 は 臨 時 所 得 に 対 しては 一 定 の 条 件 の 下 に5 分 5 乗 による 平 均 課 税 の 方 法 で 税 額 を 計 算 することが 認 めら れている このようにして 算 出 された 税 額 から 各 種 の 税 額 控 除 がなされ る この 税 率 については 所 得 税 制 における 応 能 負 担 の 要 請 から 所 得 の 増 加 に 応 じて 適 用 税 率 を 増 加 させる 超 過 累 進 税 率 が 採 られているが 平 成 19 年 分 からは 5%から 40%の6 段 階 制 ( 住 民 税 については 10%にフラ ット 化 )となっている( 所 法 89) 2 所 得 税 計 算 の 仕 組 み(イメージ) 所 得 税 計 算 の 仕 組 み(イメージ)の 図 は 次 頁 のとおりである (6) (3) 第 4 節 で 説 明 (4) 第 5 節 1で 説 明 (5) 第 4 節 7で 説 明 (6) 財 務 省 ホームページを 参 考 に 作 成 http://www.mof.go.jp/jouhou/syuzei/siryou/024.htm

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142 第 2 節 利 子 所 得 1 利 子 所 得 の 意 義 利 子 所 得 とは 公 社 債 及 び 預 貯 金 の 利 子 並 びに 合 同 運 用 信 託 公 社 債 投 資 信 託 及 び 公 募 公 社 債 等 運 用 投 資 信 託 の 収 益 の 分 配 に 係 る 所 得 をいうが これ らについてはそれぞれ 次 のとおりである( 所 法 231) 公 債 には 外 国 及 び 外 国 の 地 方 公 共 団 体 の 発 行 した 債 券 が 含 まれる( 所 基 通 2-10) また 社 債 とは 株 式 会 社 が 会 社 法 その 他 の 法 律 の 規 定 により 発 行 する 債 券 及 び 会 社 以 外 の 内 国 法 人 が 特 別 の 法 律 により 発 行 する 債 券 並 びに 外 国 法 人 が 発 行 する 債 券 でこれらに 準 ずるものをいうのであるから 債 券 の 発 行 につき 法 律 の 規 定 をもたない 会 社 以 外 の 内 国 法 人 が 発 行 するいわゆる 学 校 債 又 は 組 合 債 のようなものは これに 該 当 せず これらの 利 子 は 雑 所 得 に 該 当 する( 所 基 通 2-11( 注 )) 預 貯 金 には 銀 行 その 他 の 金 融 機 関 に 対 する 預 金 及 び 貯 金 のほか 勤 務 先 預 け 金 ( 労 働 基 準 法 第 18 条 又 は 船 員 法 第 34 条 の 規 定 により 管 理 される 労 働 者 又 は 船 員 の 貯 蓄 金 ) 特 定 の 共 済 組 合 に 対 する 組 合 員 の 貯 金 及 び 証 券 会 社 等 に 対 する 預 託 金 で 勤 労 者 財 産 形 成 貯 蓄 契 約 勤 労 者 財 産 形 成 年 金 貯 蓄 契 約 又 は 勤 労 者 財 産 形 成 住 宅 貯 蓄 契 約 に 基 づく 有 価 証 券 の 購 入 のためのものが 含 ま れる( 所 法 21 十 所 令 2) ここで 銀 行 その 他 の 金 融 機 関 とは 法 律 の 規 定 により 預 金 又 は 貯 金 の 受 入 れの 業 務 を 行 うことが 認 められている 銀 行 信 用 金 庫 信 用 金 庫 連 合 会 労 働 金 庫 労 働 金 庫 連 合 会 信 用 協 同 組 合 農 業 協 同 組 合 漁 業 協 同 組 合 水 産 加 工 業 協 同 組 合 等 をいう( 所 基 通 2-12) 金 融 機 関 以 外 のものに 対 する 寄 託 金 につき 受 ける 利 子 は 所 得 税 法 施 行 令 第 2 条 各 号 に 掲 げるものにつき 受 けるものを 除 き 雑 所 得 に 該 当 する( 所 基 通 2-12( 注 )) 合 同 運 用 信 託 とは 信 託 会 社 ( 信 託 業 務 を 営 む 金 融 機 関 を 含 む )が 引 き 受 けた 金 銭 信 託 で 共 同 しない 多 数 の 委 託 者 の 信 託 財 産 を 合 同 して 運 用 するも の( 委 託 者 非 指 図 型 投 資 信 託 及 びこれに 類 する 外 国 投 資 信 託 並 びに 委 託 者 が

143 実 質 的 に 多 数 でない 一 定 の 信 託 を 除 く )をいう( 所 法 21 十 一 所 令 2の2) 具 体 的 には 指 定 金 銭 信 託 (7) と 貸 付 信 託 (8) をいうとされる (9) 公 社 債 投 資 信 託 とは 証 券 投 資 信 託 のうち その 信 託 財 産 を 公 社 債 に 対 す る 投 資 として 運 用 することを 目 的 とするもので 株 式 ( 投 資 法 人 の 投 資 口 を 含 む ) 又 は 出 資 に 対 する 投 資 として 運 用 しないものをいう( 所 法 21 十 五 ) ここで 証 券 投 資 信 託 とは 投 資 信 託 及 び 投 資 法 人 に 関 する 法 律 ( 以 下 投 (10) 資 信 託 法 という ) 第 2 条 第 4 項 に 規 定 する 証 券 投 資 信 託 及 びこれに 類 する 外 国 投 資 信 託 をいうこととされている( 所 法 21 十 三 ) 公 募 公 社 債 等 運 用 投 資 信 託 とは その 設 定 に 係 る 受 益 権 の 募 集 が 公 募 によ り 行 われた 公 社 債 等 運 用 投 資 信 託 のうち 一 定 のものをいう( 所 法 21 十 五 の 三 法 法 2 二 十 九 ロ(2)) ここで 公 社 債 等 運 用 投 資 信 託 とは 証 券 投 資 信 託 以 外 の 投 資 信 託 のうち 信 託 財 産 として 受 け 入 れた 金 銭 を 公 社 債 手 形 又 は 指 名 金 銭 債 権 に 対 する 投 資 として 運 用 することを 目 的 とする 投 資 信 託 で その 信 託 財 産 をこれらの 資 産 及 び 合 同 運 用 信 託 にのみ 運 用 するものであるこ と 及 びその 旨 が 投 資 信 託 約 款 等 に 定 められているものをいう( 所 法 21 十 五 の 二 所 令 2 条 の2) 公 募 公 社 債 等 運 用 投 資 信 託 の 収 益 の 分 配 に 係 る 所 得 は 平 成 12 年 の 税 制 改 正 により 追 加 されたものである (7) 運 用 方 法 が 指 定 された 金 銭 信 託 ( 金 融 機 関 の 信 託 業 務 の 兹 営 等 に 関 する 法 律 施 行 規 則 32 二 信 託 業 法 施 行 細 則 21 甲 二 ) (8) 貸 付 信 託 とは 貸 付 信 託 法 第 2 条 第 1 項 に 規 定 する 貸 付 信 託 をいうとされ( 所 法 21 十 二 ) 同 項 に 規 定 する 貸 付 信 託 とは 一 個 の 信 託 約 款 に 基 いて 受 託 者 が 多 数 の 委 託 者 との 間 に 締 結 する 信 託 契 約 により 受 け 入 れた 金 銭 を 主 として 貸 付 又 は 手 形 割 引 の 方 法 により 合 同 して 運 用 する 金 銭 信 託 であって 当 該 信 託 契 約 に 係 る 受 益 権 を 受 益 証 券 によって 表 示 するものをいう とされている (9) 植 松 守 雄 編 著 注 解 所 得 税 法 四 訂 版 249 頁 ( 大 蔵 財 務 協 会 2005) (10) 同 項 に 規 定 する 証 券 投 資 信 託 とは 委 託 者 指 図 型 投 資 信 託 のうち 主 として 有 価 証 券 に 対 する 投 資 として 運 用 することを 目 的 とするものであって 投 資 信 託 財 産 の 総 額 の2 分 の1を 超 える 額 を 有 価 証 券 に 対 する 投 資 として 運 用 すること( 有 価 証 券 に ついての 有 価 証 券 関 連 デリバティブ 取 引 を 行 うことを 含 む )を 目 的 とする 委 託 者 指 図 型 投 資 信 託 とをいう( 投 資 信 託 及 び 投 資 法 人 に 関 する 法 律 2 条 4 項 同 施 行 令 6 条 )

144 2 利 子 所 得 の 金 額 利 子 所 得 の 金 額 は その 年 中 の 利 子 等 の 収 入 金 額 とされている( 所 法 232) すなわち 必 要 経 費 の 控 除 は 一 切 認 められていない なお この 理 由 等 については 第 6 章 第 2 節 1(2)で 確 認 及 び 検 討 を 行 う 3 利 子 所 得 の 課 税 方 法 (1) 源 泉 分 離 課 税 居 住 者 又 は 国 内 に 恒 久 的 施 設 を 有 する 非 居 住 者 ( 以 下 居 住 者 等 とい う )が 国 内 において 利 子 等 ( 公 社 債 等 の 利 子 で 条 約 又 は 法 律 により 源 泉 徴 収 の 規 定 を 適 用 しないこととされているものを 除 く )の 支 払 を 受 けるべき 場 合 又 は 国 内 の 支 払 の 取 扱 者 を 通 じて 国 外 公 社 債 等 の 利 子 等 の 支 払 の 交 付 を 受 ける 場 合 において その 利 子 所 得 については 総 合 課 税 を 行 わずに 他 の 所 得 を 区 分 してその 支 払 を 受 けるべき 金 額 に 対 して 15%の 税 率 を 適 用 して 所 得 税 が 課 される(ほかに 住 民 税 5%が 特 別 徴 収 される )( 措 法 3 1 3の31 措 令 1の43) これらの 利 子 等 については 支 払 の 際 に 15%の 税 率 で 所 得 税 が 源 泉 徴 収 される( 所 法 181 1821 措 法 3の33)(ほかに 住 民 税 5%が 特 別 徴 収 される )ので 源 泉 徴 収 によって 課 税 関 係 が 完 結 することとなる( 源 泉 分 離 課 税 ) 利 子 所 得 は 所 得 税 法 上 は 総 合 課 税 の 対 象 とされているが 特 別 措 置 と して 分 離 課 税 とされているものである (2) 総 合 課 税 支 払 の 際 に 所 得 税 の 源 泉 徴 収 の 対 象 とならないもの すなわち 1 国 外 の 銀 行 等 に 預 けた 預 金 の 利 子 2 外 国 市 場 ユーロ 市 場 において 発 行 され た 債 券 のうち 指 定 証 券 会 社 に 設 けられる 外 国 証 券 取 引 口 座 を 通 じな いで 受 け 取 られる 利 子 3 東 京 市 場 で 発 行 される 債 券 のうち 加 盟 協 定 に より 我 が 国 の 源 泉 微 収 義 務 が 免 除 されている 国 際 金 融 機 関 (アジア 開 発 銀

145 行 国 際 復 興 開 発 銀 行 米 州 開 発 銀 行 等 )により 発 行 されたものの 利 子 に ついては 所 得 税 法 の 本 則 どおり 総 合 課 税 の 対 象 となる (11) ( 所 法 22 89 165 措 法 31 措 令 1の43) (12) 4 利 子 所 得 の 非 課 税 制 度 (1) 所 得 税 法 の 規 定 によるもの イ 当 座 預 金 の 利 子 ( 所 法 91 一 ) ロ こども 銀 行 の 預 金 の 利 子 等 ( 所 法 91 二 ) ハ 障 害 者 等 の 郵 便 貯 金 の 利 子 ( 所 法 9の2) ( 注 ) 障 害 者 等 の 郵 便 貯 金 の 利 子 ( 所 法 9の2)は 郵 政 民 営 化 法 の 施 行 の 日 をもって 廃 止 される ニ 障 害 者 等 の 尐 額 預 金 の 利 子 等 ( 所 法 10) (2) 租 税 特 別 措 置 法 によるもの イ 障 害 者 等 の 尐 額 公 債 の 利 子 ( 措 法 4) ロ 財 形 住 宅 貯 蓄 の 利 子 等 ( 措 法 4の2) ハ 財 形 年 金 貯 蓄 の 利 子 等 ( 措 法 4の3) ニ 納 税 準 備 預 金 の 利 子 ( 措 法 5) ホ 振 替 国 債 の 利 子 ( 措 法 5の2) ヘ 民 間 国 外 債 の 利 子 ( 措 法 6) ト 特 別 国 際 金 融 取 引 勘 定 において 経 理 された(いわゆるオフショア 勘 定 の) 預 金 等 の 利 子 ( 措 法 7) (3)その 他 の 法 令 によるもの イ 納 税 貯 蓄 組 合 の 預 金 の 利 子 ( 納 税 貯 蓄 組 合 法 ) ロ 割 増 金 付 定 額 郵 便 貯 金 の 割 増 金 品 ( 旧 郵 便 貯 金 法 55 の2) ハ 政 府 保 証 外 貨 建 債 券 の 利 子 ( 国 際 復 興 開 発 銀 行 等 からの 外 貨 の 受 入 に (11) 苫 米 地 邦 男 編 所 得 税 質 疑 応 答 集 平 成 18 年 版 82 頁 ( 大 蔵 財 務 協 会 2006) (12) 武 田 昌 輔 監 修 DHCコンメンタール 所 得 税 第 2 巻 1,458 頁 以 下 ( 第 一 法 規 ) を 参 考 に 作 成

146 関 する 特 別 措 置 に 関 する 法 律 5) ニ 外 貨 公 債 の 利 子 ( 外 貨 公 債 の 発 行 に 関 する 法 律 2 4) 第 3 節 配 当 所 得 1 配 当 所 得 の 意 義 配 当 所 得 とは 法 人 ( 公 益 法 人 等 及 び 人 格 のない 社 団 等 を 除 く )から 受 け る1 剰 余 金 の 配 当 2 利 益 の 配 当 3 剰 余 金 の 分 配 4 基 金 利 息 並 びに5 投 資 信 託 の 収 益 の 分 配 及 び6 特 定 受 益 証 券 発 行 信 託 の 収 益 の 分 配 に 係 る 所 得 を いうが これら1から6についてはそれぞれ 次 のとおりである( 所 法 241) 剰 余 金 の 配 当 は 株 式 会 社 や 協 同 組 合 等 の 剰 余 金 の 配 当 ( 会 社 法 453 農 業 協 同 組 合 法 52 等 )があるが 株 式 又 は 出 資 ( 公 募 公 社 債 等 運 用 投 資 信 託 以 外 の 公 社 債 等 運 用 投 資 信 託 の 受 益 権 及 び 社 債 的 受 益 権 を 含 む )に 係 るものに 限 られ 資 本 剰 余 金 の 額 の 減 尐 に 伴 うもの 及 び 分 割 型 分 割 (13) によるものは 除 かれる 会 社 法 において 株 主 等 の 金 銭 等 の 分 配 ( 従 来 の 利 益 の 配 当 中 間 配 当 資 本 及 び 準 備 金 の 減 尐 に 伴 う 払 戻 し)がすべて 剰 余 金 の 配 当 として 統 一 されたことなどに 伴 い 平 成 18 年 の 税 制 改 正 により 改 正 されたものであ る (14) 法 人 課 税 信 託 ( 所 法 21 八 の 三 法 法 2 二 十 九 の 二 )の 受 益 権 につき 支 払 を 受 ける 利 益 の 分 配 も 株 式 又 は 出 資 に 係 る 剰 余 金 の 配 当 に 含 まれる( 所 法 6の 四 八 241) 利 益 の 配 当 は 持 分 会 社 ( 合 名 会 社 合 資 会 社 合 同 会 社 ) 及 び 特 定 目 的 会 社 (15) の 利 益 の 配 当 があるが 事 業 年 度 を 一 年 とする 特 定 目 的 会 社 について は 一 事 業 年 度 の 途 中 において1 回 に 限 り 事 業 年 度 中 の 一 定 の 日 を 定 めその 日 における 社 員 ( 当 該 特 定 目 的 会 社 を 除 く )に 対 し 取 締 役 の 決 定 により 金 銭 (13) 法 人 税 法 第 2 条 第 12 号 の9に 規 定 する 分 割 型 分 割 をいい 法 人 課 税 信 託 に 係 る 信 託 の 分 割 を 含 む (14) 国 税 庁 平 成 18 年 税 制 改 正 の 解 説 139 頁 (15) 資 産 の 流 動 化 に 関 する 法 律 により 設 立 された 特 定 目 的 会 社

147 の 分 配 ( 中 間 配 当 )をすることができる 旨 を 定 款 で 定 めることができるとさ れており (16) この 中 間 配 当 は 利 益 の 配 当 に 含 まれるが 分 割 型 分 割 によるも のは 除 かれる 剰 余 金 の 分 配 は 例 えば 船 主 相 互 保 険 組 合 法 第 42 条 に 基 づく 剰 余 金 の 分 配 があるが 出 資 に 係 るものに 限 られる 基 金 利 息 は 保 険 業 法 第 55 条 第 1 項 の 規 定 に 基 づき 相 互 会 社 から 支 払 われ るものである なお 基 金 利 息 は 相 互 保 険 会 社 の 所 得 の 金 額 の 計 算 上 損 金 に 算 入 されるので 配 当 控 除 は 認 められない (17) ( 所 法 92) 投 資 信 託 の 収 益 の 分 配 は 公 社 債 投 資 信 託 及 び 公 募 公 社 債 等 運 用 投 資 信 託 からの 収 益 の 分 配 以 外 のものをいう 公 社 債 投 資 信 託 及 び 公 募 公 社 債 等 運 用 投 資 信 託 の 収 益 の 分 配 に 係 る 所 得 は 利 子 所 得 となる( 所 法 231) なお 所 得 税 法 上 の 投 資 信 託 とは 投 資 信 託 法 に 規 定 する 投 資 信 託 及 び 外 国 投 資 信 託 をいい( 所 法 21 十 二 の 二 ) 同 法 に 規 定 する 投 資 信 託 とは 委 託 者 指 図 型 投 資 信 託 及 び 委 託 者 非 指 図 型 投 資 信 託 をいうとされている( 投 資 信 託 法 23) こ こで 委 託 者 指 図 型 投 資 信 託 とは 信 託 財 産 を 委 託 者 の 指 図 ( 一 定 の 者 に 指 図 に 係 る 権 限 の 全 部 又 は 一 部 を 委 託 する 場 合 を 含 む )に 基 づいて 主 として 有 価 証 券 不 動 産 その 他 の 特 定 資 産 に 対 する 投 資 として 運 用 することを 目 的 とする 信 託 で 投 資 信 託 法 に 基 づき 設 定 され かつ その 受 益 権 を 分 割 して 複 数 の 者 に 取 得 させることを 目 的 とするものをいい( 投 資 信 託 法 21) 委 託 者 非 指 図 型 投 資 信 託 とは 一 個 の 信 託 約 款 に 基 づいて 受 託 者 が 複 数 の 委 託 者 との 間 に 締 結 する 信 託 契 約 により 受 け 入 れた 金 銭 を 合 同 して 委 託 者 の 指 図 に 基 づかず 主 として 特 定 資 産 に 対 する 投 資 として 運 用 ( 一 定 の 者 に 運 用 に 係 る 権 限 の 一 部 を 委 託 する 場 合 を 含 む )することを 目 的 とする 信 託 で 同 法 に 基 づき 設 定 されるものをいう( 同 法 22) 特 定 受 益 証 券 発 行 信 託 とは 信 託 法 第 185 条 第 3 項 に 規 定 する 受 益 証 券 発 (16) 資 産 の 流 動 化 に 関 する 法 律 第 115 条 第 1 項 (17) 植 松 前 掲 注 (9)295 頁 武 田 前 掲 注 (12)1,482 頁

148 行 信 託 (18) のうち 法 人 税 法 第 2 条 第 29 号 ハに 規 定 するもの( 信 託 事 務 の 実 施 につき 一 定 の 要 件 に 該 当 するものであることについて 税 務 署 長 の 承 認 を 受 けた 法 人 が 引 き 受 けたものであること 等 の 要 件 のすべてに 該 当 するもの)を いう( 所 法 21 十 五 の 五 ) 企 業 組 合 の 組 合 員 が 中 小 企 業 等 協 同 組 合 法 第 59 条 第 3 項 の 規 定 によりそ の 企 業 組 合 の 事 業 に 従 事 した 程 度 に 応 じて 受 ける 分 配 金 協 業 組 合 の 組 合 員 が 中 小 企 業 団 体 の 組 織 に 関 する 法 律 第 5 条 の 20 第 2 項 の 定 款 の 別 段 の 定 め に 基 づき 出 資 口 数 に 応 じないで 受 ける 分 配 金 等 一 定 の 企 業 組 合 等 の 分 配 金 については 配 当 所 得 の 収 入 金 額 とされる( 所 令 62) 法 人 ( 公 益 法 人 等 及 び 人 格 のない 社 団 等 を 除 く )の 株 主 等 が その 法 人 の 合 併 分 割 型 分 割 資 本 の 払 戻 し 解 散 による 残 余 財 産 の 分 配 自 己 の 株 式 又 は 出 資 の 取 得 出 資 の 消 却 出 資 の 払 戻 し 等 組 織 変 更 により 金 銭 その 他 の 資 産 の 交 付 を 受 けた 場 合 において その 金 銭 の 額 及 び 金 銭 以 外 の 資 産 の 価 額 の 合 計 額 がその 法 人 の 資 本 金 等 の 額 のうちその 交 付 の 基 因 となったその 法 人 の 株 式 又 は 出 資 に 対 応 する 部 分 の 金 額 を 超 えるときは その 超 える 部 分 の 金 額 に 係 る 金 銭 その 他 の 資 産 は 剰 余 金 の 配 当 利 益 の 配 当 又 は 剰 余 金 の 分 配 とみなされ 配 当 所 得 に 係 る 収 入 金 額 となる( 所 法 25) 2 配 当 所 得 の 金 額 (1) 収 入 金 額 配 当 所 得 の 金 額 は その 年 中 の 配 当 等 の 収 入 金 額 である( 所 法 242) ただし 無 記 名 株 式 等 の 剰 余 金 の 配 当 又 は 無 記 名 の 投 資 信 託 若 しくは 特 定 受 益 証 券 発 行 信 託 の 受 益 証 券 に 係 る 収 益 の 分 配 については その 年 にお いて 支 払 を 受 けた 金 額 を 配 当 所 得 の 収 入 金 額 とする( 所 法 363) (2) 負 債 の 利 子 控 除 株 式 その 他 配 当 所 得 を 生 ずべき 元 本 を 取 得 するために 要 した 負 債 の 利 子 (18) 信 託 行 為 においては 一 又 は 二 以 上 の 受 益 権 を 表 示 する 証 券 を 発 行 する 旨 を 定 め ることができ 受 益 証 券 発 行 信 託 とはこの 定 めのある 信 託 をいう

149 ( 事 業 所 得 又 は 雑 所 得 の 基 因 となった 有 価 証 券 を 取 得 するために 要 した 負 債 の 利 子 を 除 く )でその 年 中 に 支 払 うものがある 場 合 は 収 入 金 額 から その 支 払 う 負 債 の 利 子 の 額 のうちその 年 においてその 元 本 を 有 していた 期 間 に 対 応 する 部 分 の 金 額 とし 計 算 した 金 額 の 合 計 額 を 控 除 した 金 額 が 所 得 金 額 とされる (19) ( 所 法 242) 申 告 分 離 課 税 の 適 用 を 受 ける 株 式 等 の 譲 渡 に 係 る 事 業 所 得 譲 渡 所 得 又 は 雑 所 得 の 基 因 となった 元 本 を 取 得 するために 要 した 負 債 の 利 子 は 配 当 等 の 収 入 金 額 からは 控 除 しないこととされており このうち 申 告 分 離 課 税 の 適 用 を 受 ける 所 得 の 基 因 となった 元 本 を 取 得 するために 要 した 負 債 の 利 子 については その 所 得 の 金 額 の 計 算 上 必 要 経 費 に 算 入 することとされ ている (20) ( 措 37 の 106 二 三 ) 3 配 当 所 得 の 課 税 方 法 (1) 概 要 配 当 所 得 は 総 合 課 税 を 原 則 としながら 一 定 の 場 合 に 確 定 申 告 不 要 と されていたが 平 成 20 年 度 の 税 制 改 正 により 平 成 21 年 から 一 定 の 上 場 株 式 等 の 申 告 分 離 課 税 制 度 が 導 入 された 配 当 所 得 の 課 税 の 概 要 を 表 にまとめると 次 のとおりとなる (21) (19) この 場 合 配 当 所 得 の 金 額 の 計 算 上 控 除 する 負 債 の 利 子 の 金 額 は その 年 中 に 支 払 う 負 債 の 利 子 の 額 を 12 で 除 し これにその 年 において 当 該 負 債 により 取 得 した 元 本 を 有 していた 期 間 の 月 数 を 乗 じて 計 算 した 金 額 とするが 月 数 は 暦 に 従 って 計 算 し 1 月 に 満 たない 端 数 を 生 じたときは これを1 月 とする( 所 令 58) (20) 配 当 所 得 の 金 額 の 計 算 上 控 除 する 負 債 の 利 子 であるか 株 式 等 に 係 る 譲 渡 所 得 等 の 金 額 等 の 計 算 上 控 除 する 負 債 の 利 子 か 明 確 に 区 分 することが 困 難 なときは 次 の 算 式 により 計 算 した 金 額 を 配 当 所 得 の 金 額 の 計 算 上 控 除 すべき 負 債 の 利 子 の 額 とす ることができるものとするとされている( 所 基 通 24-6) 株 式 等 を 取 得 するために 要 した 負 債 の 利 子 の 総 額 配 当 所 得 の 収 入 金 額 /( 配 当 所 得 の 収 入 金 額 +その 利 子 の 額 を 差 し 引 く 前 の 株 式 等 に 係 る 譲 渡 所 得 等 の 金 額 及 び 総 合 課 税 の 株 式 等 に 係 る 事 業 所 得 等 の 金 額 ) なお 申 告 分 離 課 税 の 株 式 等 の 譲 渡 による 所 得 の 金 額 の 計 算 上 控 除 すべき 負 債 の 利 子 の 金 額 については 措 置 法 通 達 37 の 10-17 に 掲 げる 算 式 により 計 算 すること とされており これについては 第 4 節 3(3)で 説 明 する (21) 財 務 省 のホームページを 参 考 に 作 成

150 区 分 平 成 21 年 ~ 平 成 23 年 平 成 24 年 ~ 公 募 株 式 投 資 信 託 の 収 益 の 分 配 等 剰 余 金 の 配 当 利 益 の 配 当 剰 余 金 の 分 配 等 上 場 株 式 等 の 配 当 ( 大 口 以 外 ) 等 ( 注 )1 上 記 以 外 尐 額 ( 注 )2 申 告 不 要 と 総 合 課 税 と の 選 択 1 申 告 不 要 (20% 源 泉 徴 収 )( 所 15% 住 5%) 軽 減 税 率 ( 平 成 21 年 ~ 平 成 23 年 ) 10% 源 泉 徴 収 ( 所 7% 住 3%) 2 総 合 課 税 ( 配 当 控 除 )(10~50%)( 所 5~40% 住 10%) ( 注 ) 株 式 譲 渡 損 との 損 益 通 算 のため 申 告 分 離 課 税 も 選 択 可 20%( 所 15% 住 5%) 軽 減 税 率 ( 平 成 21 年 ~ 平 成 23 年 ) 10% 源 泉 徴 収 ( 所 7% 住 3%) 総 合 課 税 ( 配 当 控 除 ) 20%の 源 泉 徴 収 ( 所 20%) 確 定 申 告 不 要 20%の 源 泉 徴 収 ( 所 20%) ( 注 )1 上 場 株 式 等 の 配 当 ( 大 口 以 外 ) 等 とは 株 式 等 の 保 有 割 合 が 発 行 済 株 式 又 は 出 資 の 総 数 又 は 総 額 の5% 未 満 である 者 が 支 払 を 受 ける 配 当 をいう 2 尐 額 とは 1 回 の 支 払 金 額 が 10 万 円 配 当 計 算 期 間 12 以 下 の 配 当 をい う (2) 総 合 課 税 配 当 所 得 は 原 則 として 総 合 課 税 により5~40%の 累 進 税 率 を 適 用 し て 課 税 される( 所 法 22 89 165) また 配 当 所 得 ( 外 国 法 人 から 受 けるこれらの 金 額 に 係 るものを 除 く ) を 有 する 場 合 には その 年 分 の 所 得 税 額 につき 配 当 控 除 ( 所 法 92)の 適 用 を 受 けることができる 配 当 控 除 の 控 除 率 は 剰 余 金 の 配 当 利 益 の 配 当 剰 余 金 の 分 配 については その 配 当 所 得 の 金 額 の 10%( 課 税 所 得 金 額 の 合 計 が 1,000 円 超 の 部 分 については 5%) 証 券 投 資 信 託 の 収 益 の 分 配 については その 配 当 所 得 の 金 額 の5%( 課 税 所 得 金 額 の 合 計 が 1,000 円 http://www.mof.go.jp/jouhou/syuzei/siryou/kinyu/haitou01.htm

151 超 の 部 分 については 2.5%)である なお 配 当 控 除 は 法 人 個 人 間 の 二 重 課 税 を 調 整 (22) するためのもので ある (23) (3) 申 告 分 離 課 税 イ この 制 度 は 平 成 20 年 度 の 税 制 改 正 により 導 入 されたものであり 居 住 者 等 が 平 成 21 年 1 月 1 日 以 後 に 支 払 を 受 けるべき 上 場 株 式 等 の 配 当 等 を 有 する 場 合 において その 上 場 株 式 等 の 配 当 等 に 係 る 配 当 所 得 につ きこの 特 例 の 適 用 を 受 けようとする 旨 の 記 載 のある 確 定 申 告 書 を 提 出 し たときは その 上 場 株 式 等 の 配 当 等 に 係 る 配 当 所 得 については 他 の 所 得 と 区 分 して その 年 中 のその 上 場 株 式 等 の 配 当 等 に 係 る 配 当 所 得 の 金 額 ( 以 下 上 場 株 式 等 に 係 る 配 当 所 得 の 金 額 という )に 対 し 上 場 株 式 等 に 係 る 課 税 配 当 所 得 の 金 額 ( 所 得 控 除 を 適 用 した 後 の 上 場 株 式 等 に 係 る 配 当 所 得 の 金 額 をいう )の 15%の 税 率 により 所 得 税 ( 住 民 税 は 5%)を 課 することとされた( 措 法 8 の 41) また 特 例 措 置 として 平 成 20 年 度 の 税 制 改 正 では 平 成 21 年 1 月 1 日 から 平 成 22 年 12 月 31 日 までの 間 は 上 場 株 式 等 に 係 る 課 税 配 当 所 得 の 金 額 のうち 100 万 円 以 下 の 部 分 については 7%(ほかに 住 民 税 3%)の 税 率 が 適 用 されることとされていた( 平 成 20 年 改 正 法 附 則 33 3)が 平 成 21 年 度 の 税 制 改 正 により この 100 万 円 の 金 額 基 準 がなく なるとともに 軽 減 税 率 の 適 用 期 間 が 平 成 23 年 12 月 31 日 まで 延 長 され た( 平 成 20 年 改 正 法 附 則 33 の 改 正 ) 加 えて 平 成 20 年 度 の 税 制 改 正 では 確 定 申 告 書 を 提 出 する 居 住 者 等 の 平 成 21 年 分 以 後 の 各 年 分 の 上 場 株 式 等 に 係 る 譲 渡 損 失 の 金 額 がある 場 合 には その 上 場 株 式 等 に 係 る 譲 渡 損 失 の 金 額 は 上 場 株 式 等 に 係 る 配 当 所 得 の 金 額 ( 申 告 分 離 課 税 を 選 択 したものに 限 る )を 限 度 として その 年 分 の 上 場 株 式 等 に 係 る 配 当 所 得 の 金 額 の 計 算 上 控 除 することとさ (22) 配 当 所 得 に 関 して 法 人 個 人 間 での 調 整 方 式 については 第 5 章 第 3 節 1(6) (23) 国 税 庁 平 成 20 年 税 制 改 正 の 解 説 63 頁 以 下 を 参 考 にした

152 れた( 措 法 37 の 12 の21) この 損 益 通 算 制 度 については 第 4 節 7で 説 明 する この 申 告 分 離 課 税 制 度 及 び 損 益 通 算 制 度 は いずれも 金 融 所 得 課 税 の 一 体 化 へ 向 けての 措 置 であると 言 える ロ この 申 告 分 離 課 税 の 特 例 の 対 象 となる 上 場 株 式 等 の 配 当 等 とは 配 当 等 ( 租 税 特 別 措 置 法 第 8 条 の2 第 1 項 に 規 定 する 私 募 公 社 債 等 運 用 投 資 信 託 等 の 収 益 の 分 配 に 係 る 配 当 等 及 び 同 法 第 8 条 の3 第 1 項 に 規 定 する 国 外 私 募 公 社 債 等 運 用 投 資 信 託 等 の 配 当 等 を 除 く (24) )のうち 次 に 掲 げるものをいう( 措 法 8の41 各 号 ) (イ) 金 融 商 品 取 引 所 に 上 場 されている 株 式 等 その 他 一 定 の 株 式 等 の 配 当 等 で いわゆる 大 口 株 主 等 (25) がその 内 国 法 人 から 支 払 を 受 けるもの 以 外 のもの ここで 金 融 商 品 取 引 所 に 上 場 されている 株 式 等 その 他 一 定 の 株 式 等 とは 次 のAからFまでの 株 式 等 (26) のうち 金 融 商 品 取 引 所 に 上 場 されている 株 式 等 店 頭 売 買 銘 柄 として 登 録 された 株 式 店 頭 転 換 社 債 型 新 株 予 約 権 付 社 債 店 頭 管 理 銘 柄 株 式 登 録 銘 柄 として 登 録 さ れた 日 本 銀 行 出 資 証 券 又 は 外 国 金 融 商 品 市 場 において 売 買 されている 株 式 等 をいう( 措 法 37 の 102 37 の 11 の32 措 令 25 の 10 の25 措 規 18 の 114) A 株 式 ( 株 主 又 は 投 資 主 となる 権 利 株 式 の 割 当 てを 受 ける 権 利 新 株 予 約 権 及 び 新 株 予 約 権 の 割 当 てを 受 ける 権 利 を 含 む ) B 特 別 の 法 律 により 設 立 された 法 人 の 出 資 者 の 持 分 合 名 会 社 合 (24) これらは 源 泉 分 離 課 税 となる (25) 内 国 法 人 から 支 払 がされるその 配 当 等 の 支 払 に 係 る 基 準 日 において その 内 国 法 人 の 発 行 済 株 式 ( 投 資 法 人 にあっては 発 行 済 みの 投 資 口 ) 又 は 出 資 の 総 数 又 は 総 額 の 100 分 の5 以 上 に 相 当 する 数 又 は 金 額 の 株 式 又 は 出 資 を 有 する 者 (26) 外 国 法 人 に 係 るものを 含 み いわゆる 株 式 出 資 形 態 のゴルフ 会 員 権 (ゴルフ 場 の 所 有 又 は 経 営 に 係 る 法 人 の 株 式 又 は 出 資 を 所 有 することがそのゴルフ 場 を 一 般 の 利 用 者 に 比 して 有 利 な 条 件 で 継 続 的 に 利 用 する 権 利 を 有 する 者 となるための 要 件 と されている 場 合 における 当 該 株 式 又 は 出 資 者 の 持 分 )を 除 く( 措 法 37 の 102かっこ 書 措 令 25 の82)

153 資 会 社 又 は 合 同 会 社 の 社 員 の 持 分 法 人 税 法 第 2 条 第 7 号 に 規 定 す る 協 同 組 合 等 の 組 合 員 又 は 会 員 の 持 分 その 他 法 人 の 出 資 者 の 持 分 ( 出 資 者 社 員 組 合 員 又 は 会 員 となる 権 利 及 び 出 資 の 割 当 てを 受 ける 権 利 を 含 み (ハ)に 掲 げるものを 除 く ) C 新 株 予 約 権 付 社 債 ( 資 産 の 流 動 化 に 関 する 法 律 に 規 定 する 転 換 特 定 社 債 及 び 新 優 先 出 資 引 受 権 付 特 定 社 債 を 含 む ) D 協 同 組 織 金 融 機 関 の 優 先 出 資 に 関 する 法 律 に 規 定 する 優 先 出 資 ( 優 先 出 資 者 となる 権 利 及 び 優 先 出 資 の 割 当 てを 受 ける 権 利 を 含 む ) 及 び 資 産 の 流 動 化 に 関 する 法 律 に 規 定 する 優 先 出 資 ( 優 先 出 資 社 員 となる 権 利 及 び 引 受 権 を 含 む ) E 公 社 債 投 資 信 託 以 外 の 証 券 投 資 信 託 の 受 益 権 及 び 証 券 投 資 信 託 以 外 の 投 資 信 託 で 公 社 債 等 運 用 投 資 信 託 に 該 当 しないものの 受 益 権 F 特 定 受 益 証 券 発 行 信 託 の 受 益 権 (ロ) 公 社 債 投 資 信 託 以 外 の 証 券 投 資 信 託 でその 設 定 に 係 る 受 益 権 の 募 集 が 一 定 の 公 募 により 行 われたもの( 特 定 株 式 投 資 信 託 を 除 く )の 収 益 の 分 配 に 係 る 配 当 等 この 一 定 の 公 募 により 行 われたもの とは その 募 集 が 次 に 掲 げる 場 合 の 区 分 に 応 じ それぞれ 次 に 定 める 取 得 勧 誘 により 行 われた 証 券 投 資 信 託 をいう( 措 令 4の22) A その 受 益 権 の 募 集 が 国 内 において 行 われる 場 合 その 募 集 に 係 る 金 融 商 品 取 引 法 第 2 条 第 3 項 に 規 定 する 取 得 勧 誘 が 同 項 第 1 号 に 掲 げる 場 合 ( 多 数 の 者 を 相 手 方 として 行 う 場 合 をい うが 適 格 機 関 投 資 家 のみを 相 手 方 とするものは 除 かれる 以 下 の B 及 び(ハ)Bにおいて 同 じ )に 該 当 し かつ 委 託 者 指 図 型 投 資 信 託 約 款 その 他 これに 類 する 書 類 にその 取 得 勧 誘 が 同 号 に 掲 げる 場 合 に 該 当 するものである 旨 の 記 載 がなされて 行 われるもの B その 受 益 権 の 募 集 が 国 外 において 行 われる 場 合 その 募 集 に 係 る 取 得 勧 誘 が 金 融 商 品 取 引 法 第 2 条 第 3 項 第 1 号 に

154 掲 げる 場 合 に 該 当 するものに 相 当 するものであり かつ 目 論 見 書 その 他 これに 類 する 書 類 にその 取 得 勧 誘 が 同 号 に 掲 げる 場 合 に 該 当 するものに 相 当 するものである 旨 の 記 載 がなされて 行 われるもの (ハ) 特 定 投 資 法 人 の 投 資 口 の 配 当 等 特 定 投 資 法 人 とは 投 資 信 託 及 び 投 資 法 人 に 関 する 法 律 の 投 資 法 人 のうち 次 に 掲 げる 要 件 を 満 たすもの( 公 募 オープンエンド 型 )を いう A その 規 約 に 投 資 主 の 請 求 により 投 資 口 の 払 戻 しをする 旨 が 定 めら れていること B その 投 資 口 の 募 集 に 係 る 勧 誘 が 金 融 商 品 取 引 法 第 2 条 第 3 項 第 1 号 に 掲 げる 場 合 に 該 当 し かつ その 投 資 口 申 込 証 にその 勧 誘 が 同 号 に 掲 げる 場 合 に 該 当 するものである 旨 の 記 載 がなされて 行 われる ものであること( 措 令 4の23) ハ 国 内 において 上 場 株 式 配 当 等 ( 上 場 株 式 等 の 配 当 等 のうちオープン 型 の 証 券 投 資 信 託 の 収 益 の 分 配 及 びいわゆるみなし 配 当 以 外 のものをい う )の 支 払 をする 者 は 上 場 株 式 配 当 等 の 支 払 に 関 する 通 知 書 を その 支 払 を 受 ける 者 に 交 付 しなければならないこととされ( 措 法 8の44 措 規 4の41) 上 場 株 式 等 の 配 当 等 に 係 る 配 当 所 得 を 申 告 する 場 合 には 上 場 株 式 等 の 配 当 等 に 係 る 支 払 通 知 書 又 は 特 定 口 座 年 間 取 引 報 告 書 を 確 定 申 告 書 に 添 付 しなければならない( 措 令 4の25 7 所 法 1203 三 166 所 令 2623) (4) 確 定 申 告 不 要 制 度 次 の 配 当 等 については 確 定 申 告 不 要 とされている( 措 法 8の51) イ 内 国 法 人 から 支 払 を 受 ける 配 当 等 (ロからニまでに 掲 げるものを 除 く )で その 内 国 法 人 から1 回 に 支 払 を 受 けるべき 金 額 が 10 万 円 に 配 当 計 算 期 間 の 月 数 を 乗 じてこれを 12 で 除 して 計 算 した 金 額 以 下 であ るもの ロ 内 国 法 人 から 支 払 を 受 ける 金 融 商 品 取 引 所 に 上 場 されている 株 式 等

155 その 他 一 定 の 株 式 等 の 配 当 等 で いわゆる 大 口 株 主 等 がその 内 国 法 人 から 支 払 を 受 けるもの 以 外 のもの( 上 記 (3)ロ(イ)と 同 様 ) ハ 内 国 法 人 から 支 払 を 受 けるべき 公 社 債 投 資 信 託 以 外 の 証 券 投 資 信 託 で その 設 定 に 係 る 受 益 権 の 募 集 が 一 定 の 公 募 により 行 われたもの( 特 定 株 式 投 資 信 託 を 除 く )の 収 益 の 分 配 に 係 る 配 当 等 ニ 特 定 投 資 法 人 から 支 払 を 受 けるべき 投 資 口 の 配 当 等 (5) 配 当 所 得 の 源 泉 徴 収 居 住 者 に 対 して 国 内 において 配 当 等 を 支 払 う 場 合 には 所 得 税 を 源 泉 徴 収 する 必 要 があり( 所 法 1811) 原 則 として その 税 率 は 20%とされてい る( 所 法 182 二 )が 租 税 特 別 措 置 法 の 規 定 により 特 例 が 設 けられている その 適 用 関 係 を 表 にまとめると 次 のとおりとなる (27) ~ 平 15.3.31 平 15.4.1~ 12.31 平 16.1.1~ 20.12.31 平 21.1.1~ 23.12.31 平 24.1.1~ 原 則 未 上 場 株 式 等 の 配 当 等 上 場 株 式 等 の 配 当 等 ( 個 人 の 大 口 株 主 ) 上 場 株 式 等 の 配 当 等 ( 個 人 の 大 口 株 主 ) 所 20% ( 所 法 182) 所 10% ( 旧 措 法 9 の 3 平 15 改 正 法 附 則 682) 所 20% ( 所 法 182) 所 7% 住 3% 所 7% 住 3% 所 15% 住 5% ( 旧 措 法 9 の 32) ( 措 法 9の3 ( 措 法 9の3) 措 法 9の3の 2 平 20 改 正 法 附 則 333 同 条 の 改 正 ) 公 募 証 券 投 資 所 15% 住 5% 信 託 の 収 益 の ( 源 泉 分 離 課 税 ) 分 配 特 定 投 ( 旧 措 法 8の 資 法 人 の 投 資 2 1 8 の 4 所 7% 住 3% 所 7% 住 3% 所 15% 住 5% ( 旧 措 法 9 の 32) ( 措 法 9の3 ( 措 法 9の3) 措 法 9の3の 2 平 20 改 正 (27) 塩 崎 潤 ほか 監 修 DHC 源 泉 徴 収 所 得 税 釈 義 第 2 巻 2,411 の5 頁 及 び 2,412 頁 ( 第 一 法 規 ) 国 税 庁 平 成 15 年 改 正 税 法 のすべて 69 頁 を 参 考 にし 平 成 21 年 度 税 制 改 正 の 内 容 を 織 り 込 んで 作 成

156 口 の 配 当 等 1) 法 附 則 333 同 条 の 改 正 ) 源 泉 徴 収 選 択 口 座 内 配 当 等 に 係 る 所 得 計 算 及 び 源 泉 徴 収 等 の 特 例 が 平 成 20 年 度 の 税 制 改 正 で 創 設 され 平 成 22 年 1 月 1 日 から 適 用 となるが これについては 第 4 節 6で 説 明 する 第 4 節 株 式 等 の 譲 渡 による 所 得 1 株 式 等 に 係 る 譲 渡 所 得 等 の 課 税 の 概 要 株 式 等 に 係 る 譲 渡 所 得 等 の 課 税 の 概 要 は 次 のとおりである (28) 区 分 平 成 21 年 ~ 平 成 23 年 平 成 24 年 ~ 申 告 分 離 課 税 上 場 株 式 等 上 場 株 式 店 頭 登 録 株 式 ETF その 他 の 株 式 等 譲 渡 益 20%( 所 15% 住 5%) 軽 減 税 率 ( 平 成 21 年 ~ 平 成 23 年 ) 譲 渡 益 10% ( 所 7% 住 3%) 源 泉 徴 収 口 座 における 確 定 申 告 不 要 の 特 例 源 泉 徴 収 口 座 ( 源 泉 徴 収 を 選 択 した 特 定 口 座 )を 通 じて 行 われる 上 場 株 式 等 の 譲 渡 による 所 得 については 源 泉 徴 収 のみで 課 税 関 係 を 終 了 させることができる 申 告 分 離 課 税 譲 渡 益 20%( 所 15% 住 5%) ( 注 )1 上 場 株 式 等 の 譲 渡 損 失 の 金 額 のうち その 年 に 控 除 しきれない 金 額 について は 翌 年 以 後 3 年 間 にわたり 株 式 等 に 係 る 譲 渡 所 得 等 の 金 額 からの 繰 越 控 除 可 2 上 場 株 式 等 の 譲 渡 損 失 の 金 額 があるときは 上 場 株 式 等 の 配 当 所 得 の 金 額 か ら 控 除 可 (28) 財 務 省 のホームページを 参 考 に 作 成 http://www.mof.go.jp/jouhou/syuzei/siryou/kinyu/kabu01.htm

157 2 株 式 等 に 係 る 譲 渡 所 得 等 の 申 告 分 離 課 税 と 株 式 等 の 意 義 (1) 株 式 等 に 係 る 譲 渡 所 得 等 の 申 告 分 離 課 税 居 住 者 等 が 平 成 16 年 1 月 1 日 以 後 に 株 式 等 の 譲 渡 をした 場 合 には そ の 株 式 等 の 譲 渡 による 事 業 所 得 譲 渡 所 得 及 び 雑 所 得 ( 以 下 株 式 等 に 係 る 譲 渡 所 得 等 という )については 他 の 所 得 と 区 分 して その 年 中 のそ の 株 式 等 の 譲 渡 に 係 る 事 業 所 得 の 金 額 譲 渡 所 得 の 金 額 及 び 雑 所 得 の 金 額 ( 以 下 株 式 等 に 係 る 譲 渡 所 得 等 の 金 額 という )に 対 し 株 式 等 に 係 る 課 税 譲 渡 所 得 等 の 金 額 の 15%の 税 率 によって 所 得 税 (ほかに 住 民 税 5%)が 課 される( 措 法 37 の 101) この 場 合 において 株 式 等 に 係 る 譲 渡 所 得 等 の 金 額 の 計 算 上 生 じた 損 失 の 金 額 があるときは 当 該 損 失 の 金 額 は 生 じなかったものとみなされる( 措 法 37 の 101 後 段 ) (2) 株 式 等 の 意 義 申 告 分 離 課 税 制 度 の 対 象 となる 株 式 等 は 第 3 節 配 当 所 得 の3 (3)ロ(イ)の AからF に 掲 げたものと 同 様 である( 措 37 の 102) 3 株 式 等 に 係 る 譲 渡 所 得 等 の 金 額 (1) 概 要 申 告 分 離 課 税 の 対 象 とされる 株 式 等 に 係 る 譲 渡 所 得 等 の 金 額 は 株 式 等 の 譲 渡 に 係 る 事 業 所 得 の 金 額 譲 渡 所 得 の 金 額 及 び 雑 所 得 の 金 額 の 合 計 額 であり( 措 法 37 の 101) これらの 所 得 の 金 額 の 計 算 上 生 じた 損 失 の 金 額 は 他 の 株 式 等 の 譲 渡 に 係 る 事 業 所 得 譲 渡 所 得 の 金 額 及 び 雑 所 得 の 金 額 から 控 除 する 株 式 等 に 係 る 譲 渡 所 得 等 の 金 額 の 計 算 上 生 じた 損 失 の 金 額 があるときは 損 失 の 金 額 は 生 じなかったものとみなすとされている ( 措 法 37 の 101 後 段 ) しかしながら 平 成 20 年 度 の 税 制 改 正 により 平 成 21 年 分 以 後 の 各 年 分 の 上 場 株 式 等 に 係 る 譲 渡 損 失 の 金 額 がある 場 合 には 申 告 分 離 課 税 を 選 択 した 上 場 株 式 等 に 係 る 配 当 所 得 の 金 額 からの 控 除 を 認 められることと

158 なった これについては 下 記 7で 説 明 する (2) 株 式 等 の 譲 渡 による 所 得 に 係 る 収 入 金 額 株 式 等 の 譲 渡 による 所 得 に 係 る 収 入 金 額 は その 株 式 等 の 譲 渡 の 対 価 と してその 年 において 収 入 すべき 金 額 であるが 次 に 掲 げる 金 額 ( 所 得 税 法 第 25 条 によって 配 当 等 の 額 とみなされる 部 分 の 金 額 を 除 く )は 株 式 等 の 譲 渡 による 所 得 に 係 る 収 入 金 額 とみなされる( 措 法 37 の 103 4 措 令 25 の83) 法 人 ( 公 益 法 人 を 除 く )の 株 主 等 が その 法 人 の 合 併 分 割 資 本 の 払 戻 し 自 己 の 株 式 又 は 出 資 の 取 得 出 資 の 消 却 出 資 の 払 戻 し 等 組 織 変 更 その 他 一 定 の 場 合 に 交 付 を 受 ける 金 銭 及 び 金 銭 以 外 の 価 額 の 合 計 額 (3) 株 式 等 の 譲 渡 による 所 得 に 係 る 取 得 費 等 株 式 等 の 譲 渡 による 所 得 に 係 る 総 収 入 金 額 から 控 除 する 取 得 費 等 には その 株 式 等 の 取 得 価 額 株 式 等 を 取 得 するために 要 した 負 債 の 利 子 譲 渡 のために 要 した 委 託 手 数 料 有 価 証 券 取 引 税 管 理 費 等 がある( 所 法 48 所 令 1091) 取 得 価 額 は 有 価 証 券 の 評 価 等 の 原 則 によることとなるが 2 回 以 上 にわ たって 取 得 した 同 一 銘 柄 の 株 式 等 の 取 得 価 額 については 総 平 均 法 ( 譲 渡 所 得 又 は 雑 所 得 については 総 平 均 法 に 準 ずる 方 法 )によって 評 価 する( 所 法 483 所 令 1181) 譲 渡 所 得 の 基 因 となる 資 産 を 取 得 するのに 要 した 負 債 の 利 子 は 所 得 税 法 上 原 則 として 取 得 費 等 にならないのであるが 申 告 分 離 課 税 の 株 式 等 の 譲 渡 による 所 得 の 基 因 となる 株 式 等 を 取 得 するための 負 債 の 利 子 は 株 式 等 の 譲 渡 に 係 る 事 業 所 得 譲 渡 所 得 の 金 額 及 び 雑 所 得 のいずれの 場 合 に も 費 用 として 控 除 する (29) ( 所 法 381 措 法 37 の 106) (29) その 年 において 株 式 等 に 係 る 譲 渡 所 得 等 及 び 配 当 所 得 を 有 する 者 が 負 債 により 取 得 した 株 式 等 を 有 する 場 合 において 当 該 負 債 を 株 式 等 に 係 る 譲 渡 所 得 等 の 基 因 となった 株 式 等 を 取 得 するために 要 したものとその 他 のものとに 明 確 に 区 分 するこ とが 困 難 なときには 次 の 算 式 により 計 算 した 金 額 を 株 式 等 に 係 る 譲 渡 所 得 等 の 金 額 の 計 算 上 控 除 すべき 負 債 の 利 子 の 額 とすることができるものとされている( 措 通

159 4 上 場 株 式 等 を 譲 渡 した 場 合 の 軽 減 税 率 の 特 例 (1) 上 場 株 式 等 を 譲 渡 した 場 合 の 軽 減 税 率 の 特 例 株 式 等 に 係 る 譲 渡 所 得 等 の 金 額 のうち 平 成 21 年 1 月 1 日 から 平 成 23 年 12 月 31 日 までの 間 に 上 場 株 式 等 の 一 定 の 譲 渡 に 係 るものにつ いては 税 率 が7%(ほかに 住 民 税 3%)となる( 平 成 20 年 改 正 法 附 則 432の 改 正 措 法 37 の 11 の32 37 の 12 の22) なお 平 成 20 年 度 の 税 制 改 正 では 特 例 措 置 として 平 成 21 年 1 月 1 日 から 平 成 22 年 12 月 31 日 までの 間 は 上 場 株 式 等 に 係 る 課 税 譲 渡 所 得 等 の 金 額 のうち 500 万 円 以 下 の 部 分 については 7%(ほかに 住 民 税 3%) の 税 率 が 適 用 されることとされていた( 改 正 法 附 則 432)が 平 成 21 年 度 の 税 制 改 正 により この 500 万 円 以 下 の 基 準 が 撤 廃 され 軽 減 税 率 が 平 成 23 年 12 月 31 日 までとなった( 平 成 20 年 改 正 法 附 則 432の 改 正 ) (2) 上 場 株 式 等 上 場 株 式 等 を 譲 渡 した 場 合 の 軽 減 税 率 の 特 例 の 対 象 となる 上 場 株 式 等 とは 申 告 分 離 課 税 の 特 例 の 対 象 となる 上 場 株 式 等 の 配 当 等 (30) におけ る 上 場 株 式 等 と 同 様 で 次 に 掲 げるものである( 措 法 37 の 11 の32) 以 下 上 場 株 式 等 という 場 合 には 同 様 である イ 金 融 商 品 取 引 所 に 上 場 されている 株 式 等 その 他 一 定 の 株 式 等 ロ 公 社 債 投 資 信 託 以 外 の 証 券 投 資 信 託 でその 設 定 に 係 る 受 益 権 の 募 集 が 一 定 の 公 募 により 行 われたもの( 特 定 株 式 投 資 信 託 を 除 く )の 受 益 権 37 の 10-17) 株 式 等 を 取 得 するために 要 した 負 債 の 利 子 の 総 額 (その 利 子 の 額 を 差 し 引 く 前 の 株 式 等 に 係 る 譲 渡 所 得 等 の 金 額 /( 配 当 所 得 の 収 入 金 額 +その 利 子 の 額 を 差 し 引 く 前 の 株 式 等 に 係 る 譲 渡 所 得 等 の 金 額 +その 利 子 の 額 を 差 し 引 く 前 の 総 合 課 税 の 株 式 等 に 係 る 事 業 所 得 等 の 金 額 )) ( 注 ) 算 式 中 の 総 合 課 税 の 株 式 等 に 係 る 事 業 所 得 等 とは 所 得 税 法 第 22 条 課 税 標 準 又 は 同 法 第 165 条 総 合 課 税 に 係 る 所 得 税 の 課 税 標 準 税 額 等 の 計 算 の 規 定 の 適 用 を 受 ける 株 式 等 の 譲 渡 による 所 得 で 事 業 所 得 又 は 雑 所 得 に 該 当 す るものをいう (30) 第 3 節 3(3)ロ

160 ハ 特 定 投 資 法 人 (31) の 投 資 口 ( 措 法 37 の 11 の32) ただし 申 告 分 離 課 税 の 特 例 の 対 象 となる 上 場 株 式 等 の 配 当 等 の 場 合 には いわゆる 大 口 株 主 等 がその 内 国 法 人 から 支 払 を 受 けるものは 除 外 されているが この 上 場 株 式 等 を 譲 渡 した 場 合 の 軽 減 税 率 の 特 例 の 対 象 となる 上 場 株 式 等 の 場 合 には このような 除 外 はない (3) 一 定 の 譲 渡 この 上 場 株 式 等 を 譲 渡 した 場 合 の 軽 減 税 率 の 特 例 の 対 象 となる 一 定 の 譲 渡 とは 次 に 掲 げる 上 場 株 式 等 の 譲 渡 である(37 の 12 の22) (32) イ 金 融 商 品 取 引 業 者 又 は 登 録 金 融 機 関 (33) への 売 委 託 により 行 う 上 場 株 式 等 の 譲 渡 ロ 金 融 商 品 取 引 業 者 に 対 する 上 場 株 式 等 の 譲 渡 ハ 登 録 金 融 機 関 又 は 投 資 信 託 委 託 会 社 (34) に 対 する 上 場 株 式 等 の 譲 渡 で 一 定 のもの ニ 租 税 特 別 措 置 法 第 37 条 の 10 第 3 項 又 は 第 4 項 各 号 に 規 定 する 事 由 に よる 上 場 株 式 等 の 譲 渡 ホ 上 場 株 式 等 を 発 行 した 法 人 の 行 う 株 式 交 換 又 は 株 式 移 転 による 当 該 法 (35) 人 に 係 る 株 式 交 換 完 全 親 法 人 又 は 株 式 移 転 完 全 親 法 人 (36) に 対 する 当 該 上 場 株 式 等 の 譲 渡 ヘ 上 場 株 式 等 を 発 行 した 法 人 に 対 して 会 社 法 第 192 条 第 1 項 の 規 定 に 基 づいて 行 う 同 項 に 規 定 する 単 元 未 満 株 式 の 譲 渡 その 他 これに 類 する 上 場 株 式 等 の 譲 渡 で 一 定 のもの ト 上 場 株 式 等 を 発 行 した 法 人 に 対 して 会 社 法 の 施 行 に 伴 う 関 係 法 律 の 整 備 等 に 関 する 法 律 第 64 条 の 規 定 による 改 正 前 の 商 法 第 220 条 ノ6 第 1 項 (31) 第 3 節 3(3)ロ(ハ) (32) 金 融 商 品 取 引 法 第 2 条 第 9 条 に 規 定 する 金 融 商 品 取 引 業 者 で 同 法 第 28 条 第 1 項 に 規 定 する 第 一 種 金 融 商 品 取 引 業 を 行 う 者 に 限 る (33) 金 融 商 品 取 引 法 第 2 条 第 11 項 に 規 定 する 登 録 金 融 機 関 (34) 投 資 信 託 及 び 投 資 法 人 に 関 する 法 律 第 2 条 第 11 項 に 規 定 する 投 資 信 託 委 託 会 社 (35) 法 人 税 法 第 2 条 第 12 号 の6の4に 規 定 する 株 式 交 換 完 全 親 法 人 (36) 法 人 税 法 第 12 号 の7に 規 定 する 株 式 移 転 完 全 親 法 人

161 の 規 定 に 基 づいて 行 う 同 項 に 規 定 する 端 株 の 譲 渡 チ 上 場 株 式 等 を 発 行 した 法 人 が 行 う 会 社 法 第 234 条 第 1 項 又 は 第 235 条 第 1 項 (これらの 規 定 を 他 の 法 律 において 準 用 する 場 合 を 含 む )の 規 定 その 他 政 令 で 定 める 規 定 による 一 株 又 は 一 口 に 満 たない 端 数 に 係 る 上 場 株 式 等 の 競 売 (37) による 当 該 上 場 株 式 等 の 譲 渡 5 特 定 口 座 制 度 (1) 特 定 口 座 内 保 管 上 場 株 式 等 の 譲 渡 等 に 係 る 所 得 計 算 等 の 特 例 居 住 者 等 が 上 場 株 式 等 保 管 委 託 契 約 に 基 づき 特 定 口 座 (2 以 上 の 特 定 口 座 を 有 する 場 合 には それぞれの 特 定 口 座 )に 保 管 の 委 託 等 がされてい る 上 場 株 式 等 ( 以 下 特 定 口 座 内 保 管 上 場 株 式 等 という )の 譲 渡 をした 場 合 には それぞれの 口 座 ごとに その 特 定 口 座 内 保 管 上 場 株 式 等 の 譲 渡 による 事 業 所 得 の 金 額 譲 渡 所 得 の 金 額 又 は 雑 所 得 の 金 額 とその 特 定 口 座 内 保 管 上 場 株 式 等 の 譲 渡 以 外 の 株 式 等 の 譲 渡 による 事 業 所 得 の 金 額 譲 渡 所 得 の 金 額 又 は 雑 所 得 の 金 額 とを 区 分 して これらの 金 額 を 計 算 する( 措 法 37 の 11 の31) ここで 特 定 口 座 とは 金 融 商 品 取 引 業 者 登 録 金 融 機 関 又 は 投 資 信 託 委 託 会 社 ( 以 下 金 融 商 品 取 引 業 者 等 という )の 国 内 における 営 業 所 等 に 特 定 口 座 開 設 届 出 書 を 提 出 して 設 定 された 一 定 の 要 件 を 満 たす 口 座 をい う( 措 法 37 の 11 の33 一 ) また 信 用 取 引 等 (38) を 行 う 居 住 者 等 が 上 場 株 式 等 信 用 取 引 等 契 約 に 基 づき 上 場 株 式 等 の 信 用 取 引 等 を 特 定 口 座 において 処 理 した 場 合 には それ ぞれの 口 座 ごとに その 特 定 口 座 に 係 る 信 用 取 引 当 に 係 る 上 場 株 式 等 の 譲 渡 による 事 業 所 得 の 金 額 又 は 雑 所 得 の 金 額 とその 信 用 取 引 等 に 係 る 上 場 株 (37) 会 社 法 第 234 条 第 2 項 ( 同 法 第 235 条 第 2 項 又 は 他 の 法 律 において 準 用 する 場 合 を 含 む )の 規 定 その 他 一 定 の 規 定 による 競 売 以 外 の 方 法 による 売 却 を 含 む (38) 金 融 商 品 取 引 法 第 156 条 の 24 第 1 項 に 規 定 する 信 用 取 引 又 は 金 融 商 品 取 引 法 第 161 条 の2に 規 定 する 取 引 及 びその 保 証 金 に 関 する 内 閣 府 令 第 1 条 第 2 項 に 規 定 す る 発 行 日 取 引 ( 措 法 37 の 11 の32 措 規 18 の 11)