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Transcription:

資 料 解 説 地 方 公 営 企 業 法 等 の 一 部 改 正 ( 通 知 ) ( 総 財 公 第 103 号 平 成 23 年 8 月 30 日 )について 菅 原 敏 夫 この 通 知 の 背 景 2011 年 8 月 30 日 に 地 方 公 営 企 業 法 政 令 改 正 に 関 する 通 知 が 地 域 の 自 主 性 及 び 自 立 性 を 高 めるための 改 革 の 推 進 を 図 るための 関 係 法 律 の 整 備 に 関 する 法 律 等 の 施 行 に 伴 う 地 方 公 営 企 業 法 等 の 一 部 改 正 について( 通 知 ) ( 以 下 通 知 と 呼 ぶ) 総 財 公 第 103 号 平 成 23 年 8 月 30 日 として 各 都 道 府 県 知 事 各 指 定 都 市 市 長 各 都 道 府 県 議 会 議 長 各 指 定 都 市 議 会 議 長 宛 に 総 務 副 大 臣 鈴 木 克 昌 名 で 出 された 地 域 の 自 主 性 及 び 自 立 性 を 高 めるための 改 革 の 推 進 を 図 るための 関 係 法 律 の 整 備 に 関 する 法 律 ( 以 下 第 1 次 一 括 法 と 呼 ぶ) 等 の 施 行 に 伴 って 地 方 公 営 企 業 法 地 方 公 営 企 業 法 施 行 令 地 方 公 営 企 業 法 施 行 規 則 地 方 公 営 企 業 資 産 再 評 価 規 則 の 一 部 が 改 正 されたことについての 通 知 である 地 方 公 営 企 業 法 は1952 年 に 制 定 され 企 業 の 再 建 制 度 を 導 入 した1966 年 の 改 正 同 制 度 を 廃 止 し 経 営 健 全 化 の 仕 組 みそのものを 地 方 公 共 団 体 の 財 政 の 健 全 化 に 関 する 法 律 ( 以 下 健 全 化 法 と 呼 ぶ)に 移 行 させた2008 年 の 改 正 に 続 く 根 本 的 な 改 正 に 直 面 する ことになった 今 回 法 改 正 されたのはたった2 条 分 ( 第 32 条 及 び 第 32 条 の2)だけであるが( 直 接 地 方 公 営 企 業 の 改 変 に 関 係 のない 企 業 団 の 組 織 に 関 する 事 項 を 除 いては) 地 方 公 営 企 業 に 本 質 的 なインパクトをあたえる 改 正 となった そもそも 地 方 公 営 企 業 法 は 地 方 公 営 企 業 制 度 特 有 の 仕 組 みを 地 方 公 営 企 業 法 施 行 令 に 委 ねているため 特 徴 を 支 える 法 律 本 体 の 規 定 の 変 更 は 施 行 令 全 体 の 変 更 に 直 結 する 今 回 の 法 改 正 もそうした 性 格 を 有 する 政 令 規 則 の 改 正 は 法 改 正 に 直 接 関 連 する 部 分 のみの 改 正 だが 法 が 支 えていた 制 度 全 体 の 改 正 のた めには 今 後 予 定 されている 政 省 令 の 改 正 と 健 全 化 法 等 の 改 正 が 残 されている 制 度 全 体 - 94 -

の 改 正 のための 政 省 令 の 改 正 の 詳 細 は 未 だ 明 らかではないが 法 の 基 本 が 改 正 されたこと から 不 可 避 である 資 本 制 度 等 に 関 する 政 省 令 の 改 正 を 待 たずに 今 日 論 ずる 所 以 であ る 先 にも 述 べたように 今 回 の 地 方 公 営 企 業 法 の 改 正 は 第 1 次 一 括 法 の 第 6 条 による 改 正 である 通 知 も 今 回 の 改 正 は 地 方 分 権 改 革 推 進 計 画 ( 平 成 21 年 12 月 15 日 間 議 決 定 )に 基 づき 地 域 の 自 主 性 及 び 自 立 性 を 高 めるための 改 革 を 推 進 するため 地 方 公 共 団 体 に 対 する 事 務 の 処 理 又 はその 方 法 の 義 務 付 けを 規 定 している 関 係 法 律 の 一 括 改 正 等 の 一 環 とし て 行 われたものです と 述 べている 確 かに 地 方 分 権 改 革 推 進 計 画 は 利 益 の 処 分 に 伴 う 減 債 積 立 金 等 の 積 立 義 務 (32 条 1 項 ) 減 債 積 立 金 等 の 使 途 に 係 る 規 定 ( 同 条 3 項 4 項 ) 資 本 剰 余 金 の 源 泉 別 の 積 立 てに 係 る 規 定 ( 同 条 5 項 ) 及 び 資 本 剰 余 金 の 使 途 に 係 る 規 定 ( 同 条 6 項 )は 廃 止 し 条 例 の 定 めるところにより 又 は 議 会 の 議 決 を 経 て 利 益 及 び 資 本 剰 余 金 を 処 分 できることとする また 議 会 の 議 決 を 経 て 資 本 金 の 額 の 減 少 を 行 うことができることとする 欠 損 の 処 理 の 規 定 (32 条 の2)のうち 繰 越 しに 係 る 政 令 委 任 規 定 は 廃 止 する 企 業 団 の 監 査 委 員 の 定 数 に 係 る 規 定 (39 条 の2 第 5 項 )は 廃 止 する の3 項 目 を 挙 げ 第 1 次 一 括 法 はそれを 条 文 化 している ところが この 地 方 分 権 改 革 推 進 計 画 の 元 となった 地 方 分 権 改 革 推 進 委 員 会 の 第 2 次 勧 告 では 地 方 公 営 企 業 法 第 32 条 の 第 5 項 第 6 項 はメルクマール 非 該 当 とされているが 第 32 条 第 1 項 第 3 項 第 4 項 第 32 条 の2は メルクマールⅲに 該 当 するとされている ちなみに メルクマールⅲは 地 方 自 治 に 関 する 基 本 的 な 準 則 ( 民 主 政 治 の 基 本 に 関 わる 事 項 その 他 の 地 方 自 治 体 の 統 治 構 造 の 根 幹 )に 関 する 事 務 を 処 理 する 場 合 及 び 他 の 地 方 自 治 体 との 比 較 を 可 能 とする ことが 必 要 と 認 められる 事 務 であって 全 国 的 に 統 一 して 定 めることが 必 要 とされる 場 合 である 第 3 次 勧 告 には 地 方 公 営 企 業 法 についての 言 及 はない 第 3 次 勧 告 は 第 2 次 勧 告 において メルクマールに 該 当 せず 見 直 しを 行 うべきとされた 義 務 付 け 枠 付 けに 係 る 条 項 のうち 特 に 問 題 があるとした 事 項 について 勧 告 を 行 っている 地 方 分 権 推 進 計 画 の 地 方 公 営 企 業 法 の 改 正 は 地 方 分 権 改 革 推 進 委 員 会 の 勧 告 を 超 えて 実 現 したものといえる 地 方 公 営 企 業 の 会 計 制 度 については ここ10 年 来 見 直 しが 試 みられて 地 方 公 営 企 業 会 計 制 度 に 関 する 報 告 書 (2001 年 3 月 ) 地 方 公 営 企 業 会 計 制 度 研 究 会 報 告 書 (2005 年 3 月 ) 地 方 公 営 企 業 会 計 制 度 等 研 究 会 報 告 書 (2009 年 12 月 )と ほぼ 同 趣 旨 の 報 告 書 が 公 表 されているが 具 体 的 な 法 改 正 にまでは 至 っていなかった 今 回 義 務 付 け 枠 付 けの 見 直 しのための 第 1 次 一 括 法 を 突 破 口 に 地 方 公 営 企 業 会 計 制 度 の 法 律 事 - 95 -

項 である 自 己 資 本 の 造 成 義 務 を 見 直 し ひいては 減 資 制 度 を 含 む 資 本 制 度 改 革 を 実 現 し ようとしたものである 沿 革 地 方 公 営 企 業 法 は1952 年 3 月 27 日 に 政 府 案 として 第 13 回 通 常 国 会 に 提 出 され 衆 議 院 に おいて 一 部 修 正 の 上 同 年 7 月 27 日 に 参 議 院 において 可 決 成 立 し 同 8 月 1 日 に 昭 和 27 年 法 律 292 号 として 公 布 同 10 月 1 日 から 施 行 された 3 月 27 日 の 衆 議 院 地 方 行 政 委 員 会 に おける 法 案 の 提 案 理 由 説 明 によれば 地 方 公 共 団 体 の 経 営 いたします 企 業 は 公 共 の 福 祉 の 増 進 をはかることを 第 一 義 とすることは 申 すまでもないところでありますが 一 方 それが 企 業 として 持 つ 性 格 にかんがみ 常 に 企 業 としての 経 済 性 を 発 揮 するように 運 営 さ れなければならないことはもちろんであり この 点 に 関 する 限 り 私 企 業 に 類 似 する 原 則 に 立 脚 すべきものであると 考 えられるのであります ( 中 略 ) 遺 憾 ながら 企 業 経 営 の 特 殊 性 に 対 応 する 措 置 は 何 ら 講 せられていない 現 状 であります 一 般 の 官 公 庁 の 行 政 事 務 を 規 制 するのと 同 様 な 法 規 のもとにある 限 り 企 業 の 能 率 的 経 営 を 促 進 し その 経 済 性 を 発 揮 させるためには 遺 憾 の 点 少 しとしないのでありまして 本 公 営 企 業 法 案 を 提 案 いたしま す 理 由 もここに 存 するのであります と 説 明 されている 財 務 に 関 しては 企 業 の 経 理 については 特 別 会 計 を 設 け 独 立 採 算 制 を 堅 持 し 企 業 の 能 率 的 な 運 営 をはかるため 一 般 会 計 の 経 理 方 法 に 対 する 特 例 を 相 当 広 汎 にわたつて 認 めることとしているのでありま す 第 一 に 計 理 の 方 法 は 一 般 会 計 における 現 金 主 義 に 対 し 企 業 会 計 と 同 様 の 発 生 主 義 を 採 用 して 経 営 成 績 及 び 財 政 状 態 を 明 らかにすることとし 従 つて 従 来 の 官 庁 会 計 と 異 なり 出 納 整 理 期 間 を 設 けず 複 式 簿 記 の 計 理 を 行 うこととなるのであります 第 二 に 予 算 につきましても 一 般 会 計 の 予 算 様 式 を 排 除 して 文 言 形 式 を 採 用 することといたし 日 本 国 有 鉄 道 の 予 算 等 と 同 じくいわゆる 弾 力 條 項 を 挿 入 いたすこととしております 第 三 に 企 業 の 建 設 改 良 等 に 要 する 資 金 に 充 てるための 地 方 債 については 償 還 期 限 を 定 め ないことができるものとし 利 用 者 である 住 民 の 出 資 に 基 く 地 方 公 営 企 業 の 発 展 を 期 待 す ることとしております 第 四 に 企 業 の 出 納 については 出 納 長 収 入 役 の 権 限 からはず して 管 理 者 の 権 限 とするとともに 企 業 会 計 方 式 の 採 用 に 伴 い 予 算 より 決 算 に 重 点 を 置 いて 経 営 成 績 を 検 討 する 必 要 がありますので 決 算 は 損 益 計 算 書 貸 借 対 照 表 等 をもつ てすることといたしております 以 上 のほか 資 産 の 再 評 価 をし 減 価 償 却 の 計 算 をする - 96 -

等 のことを 規 定 しているのであります と5 点 にわたって 説 明 されている 第 3の 償 還 期 限 を 定 めない 地 方 債 は 文 字 通 り 資 本 の 役 割 を 担 うものであったが 現 実 には 千 葉 県 の 工 業 用 水 道 事 業 においてただ1 件 の 例 があるのみだとされている( 関 根 則 之 地 方 公 営 企 業 法 逐 条 解 説 地 方 財 務 協 会 1998) したがって 地 方 公 営 企 業 の 資 本 は 借 入 資 本 金 に 任 されることになった 借 入 資 本 金 が 地 方 公 営 企 業 の 資 本 制 度 の 根 幹 に 座 ることとなった ( 遅 れて1961 年 には 自 治 体 の 一 般 会 計 から 地 方 公 営 企 業 に 対 して 出 資 できる 旨 の 改 正 が 行 われた) また 当 初 より 独 立 採 算 制 の 堅 持 が 目 的 の 一 つだったことがうかがえる 1966 年 の 改 正 は 大 規 模 な 改 正 となった 赤 字 企 業 の 財 政 再 建 に 関 する 規 定 が 定 められ た(この 条 項 は2008 年 に 健 全 化 法 へ 移 行 改 正 ) 改 正 案 は 1966 年 3 月 4 日 に 国 会 提 出 衆 議 院 では 社 会 党 の 対 案 が 出 て 企 業 債 の 償 還 繰 延 借 換 についての 特 別 な 配 慮 条 項 の 新 設 企 業 職 員 の 給 与 決 定 の 考 慮 事 項 自 治 大 臣 の 財 政 再 建 勧 告 権 の 削 除 財 政 再 建 債 の 償 還 期 限 の 延 長 などの 修 正 を 経 て 6 月 27 日 参 議 院 で 可 決 成 立 昭 和 41 年 7 月 5 日 法 律 第 120 号 として 公 布 された この 改 正 によって 今 日 の 地 方 公 営 企 業 法 の 原 型 が 定 まった 通 知 の 内 容 この 通 知 も 例 によって 地 方 自 治 法 第 245 条 の4( 技 術 的 な 助 言 )に 基 づくものとされ ている しかし 通 知 すべき 事 実 は 義 務 付 け 枠 付 けの 見 直 しで 規 定 がなくなったこと だけだが なくなったことに 伴 う 懸 念 が 幾 重 にも 表 明 されている また 述 べられている ことがらは 規 定 がなくなったという 事 実 から 外 れて 今 後 改 正 される 地 方 公 営 企 業 法 施 行 令 施 行 規 則 の 内 容 の 予 告 となっている 予 告 の 内 容 は 先 に 触 れた 地 方 公 営 企 業 会 計 制 度 等 研 究 会 報 告 書 のうち 資 本 制 度 の 見 直 しに 係 る 部 分 を 踏 まえているとされている 通 知 の 内 容 は 第 一 財 務 に 関 する 事 項 と 第 二 企 業 団 の 組 織 に 関 する 事 項 第 三 施 行 期 日 に 関 する 事 項 からなる 主 要 な 内 容 は 第 一 財 務 に 関 する 事 項 である 財 務 に 関 する 事 項 は 利 益 の 処 分 資 本 剰 余 金 の 処 分 欠 損 の 処 理 資 本 金 の 額 の 減 少 その 他 の5 項 目 からなる 利 益 の 処 分 からその 内 容 を 見 ていこう 一 利 益 の 処 分 - 97 -

( 一 ) 利 益 の 処 分 に 伴 う 減 債 積 立 金 の 積 立 義 務 及 び 利 益 積 立 金 の 積 立 義 務 を 廃 止 し 利 益 の 処 分 は 条 例 又 は 議 会 の 議 決 により 行 うものとしたこと( 改 正 前 の 法 第 32 条 第 1 項 法 第 32 条 第 2 項 改 正 前 の 令 第 24 条 第 1 項 から 第 3 項 まで) ( 法 は 地 方 公 営 企 業 法 令 は 地 方 公 営 企 業 法 施 行 令 規 則 は 地 方 公 営 企 業 資 産 再 評 価 規 則 旧 は 改 正 前 新 は 改 正 後 ) それぞれの 旧 の 規 定 と 新 の 規 定 は 次 のようになっている ( 旧 ) 法 第 32 条 ( 剰 余 金 ) 第 1 項 地 方 公 営 企 業 は 毎 事 業 年 度 利 益 を 生 じた 場 合 にお いて 前 事 業 年 度 から 繰 り 越 した 欠 損 金 があるときは その 利 益 をもつてその 欠 損 金 を うめ なお 残 額 があるときは 政 令 で 定 めるところにより その 残 額 の20 分 の1を 下 らない 金 額 を 減 債 積 立 金 又 は 利 益 積 立 金 として 積 み 立 てなければならない なお 残 額 があるときは 政 令 で 定 めるところにより その 残 額 の20 分 の1を 下 らない 金 額 を 減 債 積 立 金 又 は 利 益 積 立 金 として 積 み 立 てなければならない というこの 減 債 基 金 への 積 み 立 て 義 務 は 義 務 付 け 枠 付 けの 見 直 しとして 廃 止 される 新 しい 規 定 におけ る 義 務 は 経 理 処 理 の 原 則 を 述 べたものに 留 まることになる ( 新 ) 法 第 32 条 ( 剰 余 金 の 処 分 ) 第 1 項 地 方 公 営 企 業 は 毎 事 業 年 度 利 益 を 生 じた 場 合 において 前 事 業 年 度 から 繰 り 越 した 欠 損 金 があるときは その 利 益 をもつてその 欠 損 金 をうめなければならない ( 旧 ) 法 第 32 条 第 2 項 毎 事 業 年 度 生 じた 利 益 の 処 分 は 前 項 の 規 定 による 場 合 を 除 く ほか 議 会 の 議 決 を 経 て 定 めなければならない ( 新 ) 法 第 32 条 第 2 項 毎 事 業 年 度 生 じた 利 益 の 処 分 は 前 項 の 規 定 による 場 合 を 除 く ほか 条 例 の 定 めるところにより 又 は 議 会 の 議 決 を 経 て 行 わなければならない 第 1 項 の 積 み 立 て 義 務 がなくなるのだから 前 項 の 規 定 による 場 合 を 除 くほか の 前 項 の 規 定 には 積 み 立 て 義 務 がなくなっており 条 例 または 議 決 により 利 益 処 分 が 自 由 にできることになる 条 例 事 項 が 付 け 加 わっていることに 注 意 - 98 -

令 第 24 条 の 第 1 項 から 第 3 項 までは 旧 法 第 32 条 第 1 項 の 後 半 なお 残 額 があるときは 政 令 で 定 めるところにより その 残 額 の20 分 の1を 下 らない 金 額 を 減 債 積 立 金 又 は 利 益 積 立 金 として 積 み 立 てなければならない の 政 令 の 定 めなので 全 面 的 に 削 除 された ( 二 ) 減 債 積 立 金 及 び 利 益 積 立 金 の 使 途 を 限 定 する 規 定 を 廃 止 したこと( 改 正 前 の 法 第 32 条 第 3 項 及 び 第 4 項 ) ( 旧 ) 法 第 32 条 第 3 項 第 1 項 の 減 債 積 立 金 は 企 業 債 の 償 還 に 充 てる 場 合 のほか 使 用 することができない ( 旧 ) 法 第 32 条 第 4 項 第 1 項 の 利 益 積 立 金 は 欠 損 金 をうめる 場 合 のほか 使 用 する ことができない この 第 3 項 と 第 4 項 の 使 途 の 制 限 は 地 方 分 権 改 革 推 進 委 員 会 の 見 解 では メルクマー ルⅲに 該 当 し 義 務 付 け 枠 付 けの 見 直 しの 対 象 とは 見 なされなかった 確 かにこれは 自 己 資 本 を 造 成 することによって 借 入 資 本 金 に 漸 次 資 本 の 性 格 を 与 えるものとするための 規 定 である しかし 借 入 資 本 金 制 度 を 廃 止 するという 前 提 に 立 てば まったく 無 用 の 規 定 になる つまり 借 入 資 本 金 の 規 定 廃 止 のためにメルクマール 該 当 を 無 視 した 規 定 となっ て 条 項 番 号 条 文 の 文 言 は 似 ているが 旧 第 3 項 とは 非 なるものである 新 第 3 項 は 次 のようになった ( 新 ) 法 第 32 条 第 3 項 毎 事 業 年 度 生 じた 資 本 剰 余 金 の 処 分 は 条 例 の 定 めるところに より 又 は 議 会 の 議 決 を 経 て 行 わなければならない 新 第 4 項 は 旧 第 4 項 とまったく 逆 の 規 定 となった 利 益 積 立 金 の 資 本 造 成 義 務 は 減 資 の 規 定 に 姿 を 変 えてしまった 新 第 4 項 は 次 のようになった ( 新 ) 法 第 32 条 第 4 項 資 本 金 の 額 は 議 会 の 議 決 を 経 て 減 少 することができる 減 債 基 金 利 益 積 立 金 の 使 途 制 限 は 撤 廃 される だから 減 債 基 金 による 企 業 債 の 償 還 義 務 もなくなる 企 業 債 の 性 格 が 変 化 する 点 が 重 要 だ 借 入 資 本 金 の 性 格 がこのことによっ て 変 化 する つまり 資 本 の 造 成 義 務 がなくなるのだ - 99 -

二 資 本 剰 余 金 の 処 分 ( 一 ) 資 本 剰 余 金 は 令 で 定 める 場 合 を 除 くほか 処 分 することができないとする 規 定 を 廃 止 し 条 例 又 は 議 会 の 議 決 により 資 本 剰 余 金 を 処 分 できることとしたこと ( 改 正 前 の 法 第 32 条 第 6 項 法 第 32 条 第 3 項 ) ( 旧 ) 法 第 32 条 第 5 項 毎 事 業 年 度 生 じた 資 本 剰 余 金 は その 源 泉 別 に 当 該 内 容 を 示 す 名 称 を 附 した 科 目 に 積 み 立 てなければならない ( 旧 ) 法 第 32 条 第 6 項 前 項 の 資 本 剰 余 金 は 政 令 で 定 める 場 合 を 除 くほか 処 分 する ことができない この 二 つの 条 文 は 削 除 される 地 方 分 権 改 革 推 進 委 員 会 の 第 2 次 勧 告 でも メルクマー ル 非 該 当 だったので 当 然 の 運 命 として 削 除 された 資 本 剰 余 金 の 源 泉 別 積 み 立 ての 規 定 資 本 剰 余 金 の 使 途 制 限 は 廃 止 され 条 例 または 議 会 の 議 決 を 経 て 利 益 資 本 剰 余 金 の 処 分 ができることになる また 議 会 の 議 決 を 経 て 資 本 額 の 減 少 ( 減 資 )を 行 うことができ るという 規 定 が 盛 り 込 まれた したがって 資 本 金 の 処 分 に 関 して 議 決 により 可 能 となり 資 本 剰 余 金 の 処 分 に 関 して 条 例 または 議 決 により 可 能 となり 利 益 の 処 分 に 関 しても 条 例 または 議 決 により 処 分 が 可 能 となる 条 例 の 制 定 範 囲 が 拡 大 し 議 決 の 機 能 が 増 す これに 伴 い 資 本 剰 余 金 のうち 再 評 価 積 立 金 の 処 分 の 方 法 等 を 定 めた 規 定 を 廃 止 した ( 規 則 第 10 条 及 び 第 11 条 ) 削 除 された 規 則 の 部 分 は 以 下 の 通 り ( 旧 ) 規 則 第 10 条 ( 再 評 価 差 額 による 繰 越 欠 損 金 の 補 てん) 地 方 公 営 企 業 の 再 評 価 額 から 再 評 価 以 前 の 帳 簿 価 額 を 控 除 した 額 は 再 評 価 日 現 在 において 繰 越 欠 損 金 がある 場 合 においては 当 該 欠 損 金 の 補 てんに 充 てることができる ( 旧 ) 規 則 第 11 条 ( 自 己 資 本 金 への 組 入 れ) 地 方 公 営 企 業 の 資 産 の 再 評 価 額 から 再 評 価 以 前 の 帳 簿 価 額 を 控 除 した 額 のうち 前 条 の 規 定 により 再 評 価 日 現 在 における 繰 越 欠 損 金 をうめた 後 の 残 額 を 地 方 公 営 企 業 法 第 32 条 第 5 項 の 規 定 により 積 み 立 てた 場 合 に - 100 -

おいては 当 該 積 立 金 を 再 評 価 日 の 属 する 事 業 年 度 の 翌 翌 事 業 年 度 の 末 日 後 において 自 己 資 本 金 に 組 み 入 れることができる ( 二 ) 資 本 剰 余 金 の 源 泉 別 の 積 立 てに 係 る 規 定 を 廃 止 したこと( 改 正 前 の 法 第 32 条 第 5 項 改 正 前 の 令 第 24 条 の2) ( 旧 ) 法 第 32 条 第 5 項 については 先 に 見 た 通 り ( 旧 ) 令 第 24 条 の2( 資 本 剰 余 金 の 取 崩 し)は 資 本 剰 余 金 に 整 理 すべき 資 金 をもつて 取 得 した 資 産 で 総 務 省 令 で 定 めるものが 滅 失 し 又 はこれを 譲 渡 し 撤 去 し 若 しく は 廃 棄 した 場 合 において 損 失 を 生 じたときは 当 該 資 本 剰 余 金 を 取 り 崩 して 当 該 損 失 をうめることができる という 規 定 を 削 除 ( 三 ) その 他 所 要 の 規 定 の 整 備 を 行 ったものであること( 令 第 25 条 ) 令 第 25 条 の 第 1 項 の 削 除 によって 借 入 資 本 金 の 実 質 は 無 に 帰 した ( 旧 ) 令 第 25 条 ( 自 己 資 本 金 への 組 入 れ) 減 債 積 立 金 を 使 用 して 借 入 資 本 金 である 企 業 債 を 償 還 した 場 合 においては その 使 用 した 減 債 積 立 金 の 額 に 相 当 する 金 額 を 自 己 資 本 金 に 組 み 入 れなければならない この 規 定 によって 借 入 資 本 金 は 企 業 債 一 般 会 計 からの 長 期 借 入 という 負 債 である が 自 己 資 本 造 成 の 義 務 を 課 すことによって 資 本 と 見 なしうるという 借 入 資 本 金 の 基 本 的 性 格 が 規 定 されていた 減 債 基 金 への 積 み 立 て 義 務 がなくなれば 減 債 積 立 金 を 使 用 して 借 入 資 本 金 である 企 業 債 を 償 還 した 場 合 においては その 使 用 した 減 債 積 立 金 の 額 に 相 当 する 金 額 を 自 己 資 本 金 に 組 み 入 れなければならない という 規 定 が 意 味 をなさなくなる 地 方 公 営 企 業 の 資 本 金 は 借 入 資 本 金 の 形 をとっている この 資 本 金 は 借 入 ではあるが 減 債 基 金 への 積 み 立 て 義 務 と 減 債 基 金 による 償 還 は 自 己 資 本 へ 組 み 込 まなければならないという 義 務 によって 借 入 が 自 己 資 本 に 造 成 される 仕 組 みを 保 証 してきたのであった こ の 仕 組 みがなくなれば 借 入 は 借 入 のまま 放 置 されることになる 資 本 は 借 入 のままになってしまうのである 総 務 省 は 参 考 として 会 計 の 見 直 しについても - 101 -

平 成 22 年 度 に 所 要 の 政 省 令 改 正 を 行 い 2 年 から3 年 程 度 の 移 行 期 間 を 設 けた 上 で 新 た な 基 準 を 導 入 する と 述 べている この 会 計 の 見 直 しの 最 大 のものは 借 入 資 本 金 制 度 の 見 直 し 具 体 的 には 借 入 資 本 金 を 負 債 として 整 理 するということである 確 かに この 法 改 正 によって 借 入 資 本 金 は 負 債 となる 総 務 省 は 会 計 の 見 直 しについても と も を 付 けて 表 現 しているが 地 域 主 権 や 義 務 付 けの 見 直 しの 観 点 からの 改 正 で 資 本 制 度 の 根 幹 は 変 化 してしまうのだ ( 旧 ) 令 第 25 条 第 2 項 第 24 条 第 4 項 の 規 定 により 地 方 公 営 企 業 の 建 設 又 は 改 良 を 行 うた め 積 み 立 てた 積 立 金 を 使 用 して 地 方 公 営 企 業 の 建 設 又 は 改 良 を 行 つた 場 合 においては その 使 用 した 積 立 金 の 額 に 相 当 する 金 額 を 自 己 資 本 金 に 組 み 入 れなければならない 第 3 項 第 24 条 第 4 項 の 規 定 により 積 み 立 てた 積 立 金 を 使 用 して 借 入 資 本 金 である 法 第 17 条 の2 第 1 項 又 は 法 第 18 条 の2 第 1 項 の 規 定 により 長 期 の 貸 付 けを 受 けた 金 額 を 償 還 した 場 合 においては その 使 用 した 積 立 金 の 額 に 相 当 する 金 額 を 自 己 資 本 金 に 組 み 入 れなければならない は 条 文 番 号 の 調 整 を 行 っただけで 借 入 資 本 金 とい う 文 言 は 残 ったが 第 1 項 の 削 除 によって 実 質 は 失 われた 三 欠 損 の 処 理 利 益 積 立 金 任 意 積 立 金 及 び 資 本 剰 余 金 を 用 いて 欠 損 の 処 理 を 行 う 際 の 順 位 を 定 めた 規 定 を 廃 止 したこと( 改 正 前 の 法 第 32 条 の2 改 正 前 の 令 第 24 条 の3) 利 益 の 処 分 に 続 いて 欠 損 の 処 理 についても 改 正 される ( 旧 ) 法 第 32 条 の2( 欠 損 の 処 理 ) 地 方 公 営 企 業 は 毎 事 業 年 度 欠 損 を 生 じた 場 合 にお いて 前 事 業 年 度 から 繰 り 越 した 利 益 があるときは その 利 益 をもつてその 欠 損 金 をうめ なお 不 足 があるときは 政 令 で 定 めるところにより これを 繰 り 越 すものとする ここに 述 べられている 政 令 は 次 のように 規 定 していた ( 旧 ) 令 第 24 条 の3( 欠 損 の 処 理 ) 法 第 32 条 の2の 規 定 により 前 事 業 年 度 から 繰 り 越 した 利 益 をもつて 欠 損 金 をうめ なお 欠 損 金 に 残 額 があるときは 利 益 積 立 金 をもつ てうめるものとする - 102 -

2 前 項 の 規 定 により 利 益 積 立 金 をもつて 欠 損 金 をうめても なお 欠 損 金 に 残 額 があ るときは 翌 事 業 年 度 へ 繰 り 越 すものとする ただし 第 24 条 第 4 項 に 規 定 する 積 立 金 をもつてうめ なお 欠 損 金 に 残 額 があるときは 議 会 の 議 決 を 経 て 資 本 剰 余 金 ( 前 条 の 規 定 により 取 り 崩 すことができる 部 分 を 除 く )をもつてうめることが できる この 政 令 委 任 規 定 が 廃 止 される これに 伴 ってこの 部 分 の 政 令 の 規 定 は 廃 止 される 改 正 後 の 第 32 条 の2は ( 新 ) 法 第 32 条 の2( 欠 損 の 処 理 ) 地 方 公 営 企 業 は 毎 事 業 年 度 欠 損 を 生 じた 場 合 に おいて 前 事 業 年 度 から 繰 り 越 した 利 益 があるときは その 利 益 をもつてその 欠 損 金 を うめなければならない となった 四 資 本 金 の 額 の 減 少 事 業 規 模 の 変 更 資 本 金 として 留 保 すべき 水 準 の 見 直 し 等 地 方 公 営 企 業 の 経 営 のあり 方 を 変 更 する 場 合 には 議 会 の 議 決 を 経 て 資 本 金 の 額 の 減 少 ( 減 資 )を 行 うことができることとしたこと( 法 第 32 条 第 4 項 ) 減 債 積 立 金 及 び 利 益 積 立 金 の 使 途 を 限 定 する 規 定 の 廃 止 のところで 述 べた 通 り 使 途 の 限 定 の 条 項 は 減 資 の 条 項 に 取 って 代 わった 減 資 の 規 定 を 置 くことで 地 方 公 営 企 業 の 整 理 は 格 段 にしやすくなる 五 その 他 一 から 四 までの 改 正 に 伴 い 所 要 の 改 正 を 行 ったものであること( 改 正 前 の 規 則 第 11 条 の2 別 表 第 12 号 から 第 14 号 まで) なお 規 則 第 12 条 により 準 ずるものと されている 別 表 の 様 式 について 各 地 方 公 営 企 業 の 実 態 に 応 じたより 適 切 な 表 示 の ため 項 目 の 名 称 の 変 更 項 目 の 追 加 資 本 の 各 項 目 を 縦 に 並 べる 様 式 により 作 成 すること 等 は 差 し 支 えないものであること この 規 則 は 地 方 公 営 企 業 法 施 行 規 則 である 削 除 された 条 項 は - 103 -

( 旧 ) 第 11 条 の2( 資 本 剰 余 金 をもつて 損 失 をうめることができる 資 産 ) 令 第 24 条 の 2に 規 定 する 総 務 省 令 で 定 める 資 産 は 第 8 条 第 4 項 又 は 第 9 条 第 3 項 の 規 定 により 減 価 償 却 を 行 う 固 定 資 産 のうち 減 価 償 却 を 行 わなかつた 部 分 に 相 当 するものとす る である その 他 の 改 正 と 施 行 期 日 については 以 下 の 通 り 第 二 企 業 団 の 組 織 に 関 する 事 項 ( 一 ) 監 査 委 員 の 定 数 に 係 る 規 定 を 廃 止 したこと( 改 正 前 の 法 第 39 条 の2 第 5 項 ) ( 二 ) 議 会 の 議 員 の 定 数 に 係 る 規 定 を 廃 止 したこと( 改 正 前 の 法 第 39 条 の2 第 7 項 改 正 前 の 令 第 26 条 の7) 第 三 施 行 期 日 に 関 する 事 項 ( 一 ) 第 1 次 一 括 法 による 法 の 一 部 改 正 及 び 地 域 の 自 主 性 及 び 自 立 性 を 高 めるため の 改 革 の 推 進 を 図 るための 関 係 法 律 の 整 備 に 関 する 法 律 の 一 部 の 施 行 に 伴 う 総 務 省 関 係 政 令 の 整 備 に 関 する 政 令 による 令 の 一 部 改 正 は 平 成 24 年 4 月 1 日 か ら 施 行 するものであること( 上 記 第 一 第 二 の( 一 )) ( 二 ) 地 方 自 治 法 の 一 部 を 改 正 する 法 律 による 法 の 一 部 改 正 及 び 地 方 自 治 法 施 行 令 の 一 部 を 改 正 する 政 令 による 令 の 一 部 改 正 は 平 成 23 年 8 月 1 日 から 施 行 する ものであること( 上 記 第 二 の( 二 )) - 104 -

4つの なお 今 回 の 法 改 正 の 趣 旨 は 資 本 造 成 に 関 する 条 文 の 削 除 である 規 制 する 規 定 がなくなった のだから 特 段 の 通 知 は 必 要 もなかっただろう だから 奇 妙 な 通 知 である しかし 通 知 すべき 以 外 のことにこの 通 知 の 本 質 はあるようだ それは 全 てなお 書 きの 中 に 込 められて いる そしてそれは 亡 くした 児 の 齢 を 数 えるような 調 子 を 帯 びている 削 除 したことに 対 する 実 際 の 効 果 は 地 方 公 営 企 業 の 資 本 制 度 全 体 の 改 正 から 評 価 しなければならないよ うだ 資 本 剰 余 金 の 処 分 を 行 う 際 には その 処 分 が 当 該 地 方 公 営 企 業 の 公 益 性 と 経 済 性 を 増 進 し 経 営 の 健 全 性 を 確 保 したものであることを 確 認 した 上 での 適 切 な 判 断 が 求 め られるものであること なお 資 本 剰 余 金 に 整 理 すべき 資 金 ( 資 本 的 支 出 に 充 てるた めに 交 付 された 補 助 金 負 担 金 その 他 これらに 類 する 金 銭 又 は 物 件 ( 物 件 にあって は その 適 正 な 見 積 価 格 をいう )をいう )をもって 取 得 した 固 定 資 産 で いわゆ る みなし 償 却 により 減 価 償 却 を 行 わなかった 部 分 に 相 当 するものがある 場 合 当 該 部 分 に 相 当 する 額 の 資 本 剰 余 金 は 当 該 固 定 資 産 の 除 却 等 と 関 連 付 けて 処 分 されるべ きものであり 当 該 固 定 資 産 の 除 却 等 とは 無 関 係 に 取 り 崩 したり 欠 損 補 てんに 使 用 したりすることは 適 正 な 処 理 とはいえないものであること 旧 条 項 は 自 律 的 に 資 本 の 保 持 義 務 を 果 たす 機 能 を 持 っていたはずだった みなし 償 却 制 度 は 廃 止 される 予 定 だ なお 今 後 も 資 本 剰 余 金 はその 発 生 の 事 実 に 基 づき 適 当 な 区 分 に 従 って 整 理 され るべきものであること( 法 第 20 条 第 2 項 ) また 資 本 剰 余 金 から 利 益 剰 余 金 への 振 替 は 住 民 や 議 会 に 対 して 当 該 地 方 公 営 企 業 の 経 営 状 況 や 財 政 状 況 を 十 分 に 説 明 した 上 でなされるべきものであり 資 本 取 引 と 損 益 取 引 を 明 確 に 区 分 するためにも( 令 第 9 条 第 3 項 ) 年 度 途 中 に 資 本 剰 余 金 を 減 じ 繰 越 利 益 剰 余 金 に 振 り 替 える 等 の 処 理 を 行 うことは 予 定 していないものであること 資 本 剰 余 金 の 処 分 制 限 をゆるめたのでこういう 心 配 をしなければならなくなる - 105 -

なお 一 般 的 に 欠 損 の 処 理 を 行 う 場 合 には 資 本 金 の 性 質 等 に 照 らし 資 本 金 より も 資 本 剰 余 金 が 資 本 剰 余 金 よりも 利 益 積 立 金 が 先 に 取 り 崩 されるものであると 考 え られるが 最 終 的 には 議 会 の 関 与 を 経 て 資 本 金 剰 余 金 の 性 質 や 各 地 方 公 営 企 業 の 実 情 を 踏 まえた 適 切 な 判 断 が 求 められるものであること 議 会 の 関 与 が 重 要 になる 一 般 会 計 との 関 係 の 整 理 を 規 律 する 条 例 が 必 要 になる この 際 安 定 的 な 事 業 継 続 に 必 要 な 財 産 が 引 き 続 き 当 該 地 方 公 営 企 業 に 留 保 される ことを 確 認 した 上 での 適 切 な 判 断 が 求 められるものであること また 資 本 金 の 額 の 減 少 は 住 民 や 議 会 に 対 して 当 該 地 方 公 営 企 業 の 経 営 状 況 や 財 政 状 況 を 十 分 に 説 明 し た 上 でなされるべきものであり 資 本 取 引 と 損 益 取 引 を 明 確 に 区 分 するためにも( 令 第 9 条 第 3 項 ) 年 度 途 中 に 資 本 金 の 額 を 減 じ 繰 越 利 益 剰 余 金 に 振 り 替 える 等 の 処 理 を 行 うことは 予 定 していないものであること なお 借 入 資 本 金 は 実 体 的 には 負 債 であり その 償 還 とは 無 関 係 に 借 入 資 本 金 の 額 を 減 少 させることは 適 正 な 処 理 とは いえないものであること 借 入 資 本 金 は 実 体 的 には 負 債 として 貸 借 対 照 表 の 資 本 の 部 から 負 債 の 部 への 変 更 が 予 告 されている 先 に 見 た 通 り 令 第 25 条 の 第 1 項 の 削 除 によって 借 入 資 本 金 は 資 本 の 実 質 を 失 ってしまった なぜ 資 本 制 度 の 改 変 に 慎 重 でなければならないのか ここから 先 は 資 料 解 説 の 役 割 を 超 えるが なお で 見 た 通 り 借 入 資 本 金 やみなし 償 却 の 廃 止 が 予 定 されているので それに 関 する 考 えを 述 べておくことが 今 回 の 法 改 正 で 実 現 されつつあることの 背 景 を 理 解 する 上 でも 必 要 になろう - 106 -

企 業 の 根 幹 は 資 本 制 度 私 企 業 であれ 公 営 企 業 であれ 企 業 の 特 性 を 決 めるのは 資 本 制 度 である 借 りたお 金 は 返 さなければならない という 道 徳 律 の 大 原 則 に 反 して 返 さなくても 良 い 資 金 を 株 式 ( 弁 済 義 務 を 負 わない 株 主 の 出 資 額 )として 制 度 化 したことが 今 日 の 株 式 会 社 の 世 界 的 な 隆 盛 を 支 えている 株 式 会 社 の 貸 借 対 照 表 は 資 産 に 対 して 返 済 の 必 要 がある 資 金 ( 負 債 )と 返 済 の 必 要 がない 資 金 ( 資 本 )とを2つに 分 けて 表 示 している 地 方 公 営 企 業 でもその 特 性 を 決 めるのは 資 本 制 度 だ 私 企 業 にはなく 地 方 公 営 企 業 独 特 の 資 本 制 度 が 借 入 資 本 金 の 制 度 だ それは 株 式 というものを 発 行 しない 地 方 公 営 企 業 (したがっていわゆる 株 主 への 配 当 がない)のために 独 自 に 設 計 されたものであって 借 入 資 本 金 の 制 度 があるのは 地 方 公 営 企 業 の 特 性 を 表 現 しているためである この 借 入 資 本 金 の 制 度 を 変 えることは 地 方 公 営 企 業 の 特 性 を 変 えることだという 自 覚 が 必 要 であ る 私 企 業 ( 会 社 )にない 制 度 だからといって 借 入 資 本 金 を 遅 れたものと 見 なすことはで きない 確 かに 地 方 公 営 企 業 法 制 定 当 時 とは 異 なって 資 本 の 募 集 の 困 難 を 自 治 体 の 信 用 力 を 背 景 とした 資 金 調 達 で 補 う 必 要 性 は 減 じているかもしれない しかし 借 入 資 本 金 の 制 度 は 資 金 調 達 の 制 度 であるとともに 自 治 体 の 一 般 会 計 と 地 方 公 営 企 業 特 別 会 計 との 関 係 を 表 現 する 制 度 でもある 地 方 公 営 企 業 の 資 本 は 一 般 から 募 集 するのではなく( 一 般 募 集 の 条 項 は 存 在 する) 一 般 会 計 が 企 業 債 (あるいは 長 期 貸 し 付 け)で 資 金 調 達 をし 地 方 公 営 企 業 は 優 先 返 済 と 自 己 資 本 造 成 によって 返 済 を 行 う さらに 一 般 会 計 は 建 設 改 良 費 の 一 定 割 合 を 地 方 公 営 企 業 特 別 会 計 への 繰 出 によって 返 済 の 肩 代 わりを 行 う それに よって 借 入 資 本 金 の 資 本 的 性 格 を 確 保 し 資 本 維 持 義 務 を 果 たすものであった 今 回 導 入 さ れる 減 資 制 度 は 企 業 としての 地 方 公 営 企 業 の 最 終 処 理 の 制 度 も 併 せて 整 備 しようというも のである 地 方 公 営 企 業 の 整 理 ということがかなりの 数 起 こりそうな 状 況 に 備 えた 制 度 改 正 であろう 借 入 資 本 金 とは 借 入 資 本 金 とは 建 設 または 改 良 等 の 目 的 のために 発 行 した 企 業 債 同 様 の 目 的 で 他 会 計 から 借 り 入 れた 長 期 借 入 金 のことを 指 す 借 入 の 貸 し 主 は 地 方 自 治 体 ( 一 般 会 計 - 107 -

特 別 会 計 )である 地 方 公 営 企 業 は 一 般 の 銀 行 やその 他 の 金 融 機 関 からの 貸 付 を 直 接 受 け ているのではない( 地 方 公 営 企 業 は 法 人 格 がないのでそもそも 公 営 企 業 債 の 発 行 主 体 にな れない) 借 入 資 本 金 とは 地 方 公 営 企 業 が 地 方 自 治 体 ( 一 般 会 計 )から 借 りた 資 金 である これは 返 さなければならないのだろうか 返 す 必 要 がないのだろうか 返 す 必 要 がないの なら 文 字 通 り 株 式 会 社 の 資 本 と 同 じである 返 す 必 要 がないという 永 久 地 方 債 ( 償 還 期 限 を 定 めない 企 業 債 )の 制 度 も 地 方 公 営 企 業 法 にはある 返 す 必 要 があったとしても 建 設 改 良 費 に 係 る 負 債 の 元 利 償 還 金 の 一 定 割 合 (2 分 の1 等 )は 一 般 会 計 から 企 業 会 計 への 繰 出 ( 繰 出 基 準 内 繰 出 )として 支 出 されており 全 てが 地 方 公 営 企 業 の 負 債 ではない ま た 地 方 公 営 企 業 の 側 もそれに 合 わせて 利 益 剰 余 金 は 法 が 規 制 して20 分 の1は 減 債 基 金 への 強 制 積 み 立 てを 行 って 借 入 資 本 金 を 順 次 本 当 の 自 己 資 本 に 造 成 する 仕 組 みも 有 してい た 自 己 資 本 造 成 という 地 方 公 営 企 業 の 安 定 性 と 信 頼 保 証 の 確 保 という 大 事 な 機 能 を 損 なってまでも 議 決 による 利 益 処 分 権 の 強 化 が 図 られたことを 見 れば 地 方 公 営 企 業 の 大 原 則 である 独 立 採 算 制 の 少 なくとも 独 立 の 意 義 は 減 じられたと 見 なさざるをえない こ の 時 点 で 地 方 公 営 企 業 という 独 特 の 企 業 制 度 はいらない 職 員 公 務 員 制 度 を 除 けば 財 務 面 から 見 れば 地 方 独 立 行 政 法 人 あるいは 株 式 会 社 と 法 律 事 項 となるような 本 質 的 な 差 はない 健 全 化 法 以 後 の 地 方 公 営 企 業 以 上 に 見 てきた 通 り 借 入 資 本 金 制 度 は 株 式 制 度 をもたない 地 方 公 営 企 業 にとって 株 主 資 本 に 該 当 する 制 度 であり 資 金 の 使 途 ( 建 設 改 良 費 )をも 表 す 調 達 源 泉 を 示 してお り 減 債 基 金 への 強 制 積 立 制 度 を 伴 って 返 済 への 信 用 力 経 営 の 安 定 性 と 自 由 度 を 確 保 するための 制 度 である なにゆえに 廃 止 すべきなのか 特 に 地 方 公 営 企 業 法 の 企 業 再 建 制 度 が 廃 止 された( 健 全 化 法 )2008 年 以 降 は 自 己 資 本 造 成 を 求 めた 地 方 公 営 企 業 法 の 第 32 条 の 制 度 は 地 方 公 営 企 業 にとってきわめて 重 要 な 制 度 であったと 思 う この 条 項 は 企 業 の 内 部 規 律 に 対 する 規 定 であって 義 務 付 け 枠 付 けの 見 直 しの 対 象 ではない - 108 -

みなし 償 却 制 度 借 入 資 本 金 の 制 度 は 地 方 公 営 企 業 の 根 幹 をなす それは 以 上 に 述 べた 通 りである あと 二 つ 地 方 公 営 企 業 に 特 有 の 柱 がある 一 つは みなし 償 却 制 度 であり もう 一 つは 地 方 公 営 企 業 法 地 方 公 営 企 業 等 の 労 働 関 係 に 関 する 法 律 ( 地 公 企 労 法 )に 定 める 地 方 公 営 企 業 の 職 員 は 地 方 公 務 員 であるという 規 定 である みなし 償 却 制 度 とは 民 間 企 業 の 税 務 に 対 応 した 圧 縮 記 帳 の 代 替 版 である 地 方 公 営 企 業 の 場 合 みなし 償 却 によって 原 価 を 圧 縮 し 低 廉 な 公 共 サービス 料 金 を 実 現 しようとする この 制 度 も( 地 方 公 営 企 業 法 政 省 令 の 改 正 によって) 廃 止 が 予 定 されている この 廃 止 に よって 原 価 計 算 と 負 債 に 関 する 説 明 力 が 低 下 する みなし 償 却 制 度 の 廃 止 は 借 入 資 本 金 制 度 の 廃 止 とならんで 貸 借 対 照 表 上 の 負 債 を 増 加 させる 借 入 資 本 金 とみなし 償 却 制 度 の 廃 止 は 職 員 公 務 員 制 とともに3 本 の 脚 で 立 っていた 地 方 公 営 企 業 制 度 の2 本 の 脚 を 失 わせ 職 員 は 公 務 員 という1 脚 にする 試 みである それ 以 外 の 特 徴 は 地 方 公 営 企 業 法 施 行 令 の 改 正 で 失 われてしまうからだ 残 る1 脚 についても 地 公 企 労 法 の 改 正 が 俎 上 に 載 ることになろう 資 本 制 度 の 改 変 に 慎 重 でなければならない 地 方 公 営 企 業 法 同 施 行 令 の 改 正 には い くつかの 条 例 事 項 が 付 け 加 えられている 地 方 公 営 企 業 が 地 方 公 営 企 業 であるためには 条 例 を 用 いて 地 方 公 営 企 業 独 自 の 資 本 制 度 を 再 構 築 し (これは 条 例 では 難 しいが)み なし 償 却 制 度 を 再 導 入 することが 必 要 だろう (すがわら としお 公 益 財 団 法 人 地 方 自 治 総 合 研 究 所 非 常 任 研 究 員 ) - 109 -

< 資 料 > 総 財 公 第 103 号 平 成 23 年 8 月 30 日 各 都 道 府 県 知 事 各 指 定 都 市 市 長 各 都 道 府 県 議 会 議 長 各 指 定 都 市 議 会 議 長 殿 総 務 副 大 臣 鈴 木 克 昌 地 域 の 自 主 性 及 び 自 立 性 を 高 めるための 改 革 の 推 進 を 図 るための 関 係 法 律 の 整 備 に 関 する 法 律 等 の 施 行 に 伴 う 地 方 公 営 企 業 法 等 の 一 部 改 正 について( 通 知 ) 地 域 の 自 主 性 及 び 自 立 性 を 高 めるための 改 革 の 推 進 を 図 るための 関 係 法 律 の 整 備 に 関 する 法 律 ( 平 成 23 年 法 律 第 37 号 以 下 第 1 次 一 括 法 という ) 及 び 地 方 自 治 法 の 一 部 を 改 正 する 法 律 ( 平 成 23 年 法 律 第 35 号 )が 平 成 23 年 5 月 2 日 に 公 布 され 地 方 公 営 企 業 法 ( 昭 和 27 年 法 律 第 292 号 以 下 法 という )の 一 部 が 改 正 されました また これに 伴 い 地 域 の 自 主 性 及 び 自 立 性 を 高 めるための 改 革 の 推 進 を 図 るため の 関 係 法 律 の 整 備 に 関 する 法 律 の 一 部 の 施 行 に 伴 う 総 務 省 関 係 政 令 の 整 備 に 関 する 政 令 ( 平 成 23 年 政 令 第 272 号 ) 及 び 地 方 自 治 法 施 行 令 等 の 一 部 を 改 正 する 政 令 ( 平 成 23 年 政 令 第 235 号 )が 公 布 され 地 方 公 営 企 業 法 施 行 令 ( 昭 和 27 年 政 令 第 4 03 号 以 下 令 という )の 一 部 が 改 正 されるとともに 地 方 公 営 企 業 法 施 行 規 則 ( 昭 和 27 年 総 理 府 令 第 73 号 以 下 規 則 という ) 及 び 地 方 公 営 企 業 資 産 再 評 価 規 則 ( 昭 和 27 年 総 理 府 令 第 74 号 以 下 再 評 価 規 則 という )の 一 部 が 改 正 さ れました 今 回 の 改 正 は 地 方 分 権 改 革 推 進 計 画 ( 平 成 21 年 12 月 15 日 閣 議 決 定 )に 基 づ き 地 域 の 自 主 性 及 び 自 立 性 を 高 めるための 改 革 を 推 進 するため 地 方 公 共 団 体 に 対 する 事 務 の 処 理 又 はその 方 法 の 義 務 付 けを 規 定 している 関 係 法 律 の 一 括 改 正 等 の 一 環 として 行 われたものです また 内 容 については 地 方 公 営 企 業 会 計 制 度 等 研 究 会 報 告 書 ( 平 成 21 年 12 月 以 下 研 究 会 報 告 書 という )のうち 資 本 制 度 の 見 直 し に 係 る 部 分 を 踏 まえています 貴 職 におかれましては 下 記 事 項 に 十 分 御 留 意 の 上 その 運 用 に 配 慮 されるととも に 貴 都 道 府 県 内 の 市 町 村 長 及 び 市 町 村 議 会 議 長 に 対 してもこの 旨 周 知 されるようお 願 いします なお 本 通 知 は 地 方 自 治 法 ( 昭 和 22 年 法 律 第 67 号 ) 第 245 条 の4 ( 技 術 的 な 助 言 )に 基 づくものです - 110 -

おって 地 方 公 営 企 業 法 及 び 地 方 公 共 団 体 の 財 政 の 健 全 化 に 関 する 法 律 ( 公 営 企 業 に 係 る 部 分 )の 施 行 に 関 する 取 扱 いについて ( 昭 和 27 年 9 月 29 日 付 け 自 乙 発 第 245 号 )の 一 部 を 別 紙 により 改 正 するので その 運 用 についても 御 留 意 いただく ようお 願 いします また 研 究 会 報 告 書 のうち 資 本 組 入 れ 制 度 ( 令 第 25 条 )に 係 る 部 分 及 び 地 方 公 営 企 業 会 計 基 準 の 見 直 しに 係 る 部 分 についても 今 後 所 要 の 政 省 令 改 正 等 を 予 定 してお りますので 御 留 意 いただくようお 願 いします 記 第 一 財 務 に 関 する 事 項 一 利 益 の 処 分 ( 一 ) 利 益 の 処 分 に 伴 う 減 債 積 立 金 の 積 立 義 務 及 び 利 益 積 立 金 の 積 立 義 務 を 廃 止 し 利 益 の 処 分 は 条 例 又 は 議 会 の 議 決 により 行 うものとしたこと( 改 正 前 の 法 第 32 条 第 1 項 法 第 32 条 第 2 項 改 正 前 の 令 第 24 条 第 1 項 から 第 3 項 ま で) ( 二 ) 減 債 積 立 金 及 び 利 益 積 立 金 の 使 途 を 限 定 する 規 定 を 廃 止 したこと( 改 正 前 の 法 第 32 条 第 3 項 及 び 第 4 項 ) 二 資 本 剰 余 金 の 処 分 ( 一 ) 資 本 剰 余 金 は 令 で 定 める 場 合 を 除 くほか 処 分 することができないとする 規 定 を 廃 止 し 条 例 又 は 議 会 の 議 決 により 資 本 剰 余 金 を 処 分 できることとしたこ と( 改 正 前 の 法 第 32 条 第 6 項 法 第 32 条 第 3 項 ) これに 伴 い 資 本 剰 余 金 のうち 再 評 価 積 立 金 の 処 分 の 方 法 等 を 定 めた 規 定 を 廃 止 したこと( 再 評 価 規 則 第 10 条 及 び 第 11 条 ) 資 本 剰 余 金 の 処 分 を 行 う 際 には その 処 分 が 当 該 地 方 公 営 企 業 の 公 益 性 と 経 済 性 を 増 進 し 経 営 の 健 全 性 を 確 保 したものであること を 確 認 した 上 での 適 切 な 判 断 が 求 められるものであること なお 資 本 剰 余 金 に 整 理 すべき 資 金 ( 資 本 的 支 出 に 充 てるために 交 付 された 補 助 金 負 担 金 その 他 これらに 類 する 金 銭 又 は 物 件 ( 物 件 にあっては その 適 正 な 見 積 価 格 をいう ) をいう )をもって 取 得 した 固 定 資 産 で いわゆる みなし 償 却 により 減 価 償 却 を 行 わなかった 部 分 に 相 当 するものがある 場 合 当 該 部 分 に 相 当 する 額 の 資 本 剰 余 金 は 当 該 固 定 資 産 の 除 却 等 と 関 連 付 けて 処 分 されるべきものであり 当 該 固 定 資 産 の 除 却 等 とは 無 関 係 に 取 り 崩 したり 欠 損 補 てんに 使 用 したりする ことは 適 正 な 処 理 とはいえないものであること ( 二 ) 資 本 剰 余 金 の 源 泉 別 の 積 立 てに 係 る 規 定 を 廃 止 したこと( 改 正 前 の 法 第 3 2 条 第 5 項 改 正 前 の 令 第 24 条 の2) なお 今 後 も 資 本 剰 余 金 はその 発 生 の 事 実 に 基 づき 適 当 な 区 分 に 従 って 整 理 されるべきものであること( 法 第 20 条 第 2 項 ) また 資 本 剰 余 金 から 利 益 剰 余 金 への 振 替 は 住 民 や 議 会 に 対 して 当 該 地 方 公 営 企 業 の 経 営 状 況 や 財 政 状 況 を 十 分 に 説 明 した 上 でなされるべきも - 111 -

のであり 資 本 取 引 と 損 益 取 引 を 明 確 に 区 分 するためにも( 令 第 9 条 第 3 項 ) 年 度 途 中 に 資 本 剰 余 金 を 減 じ 繰 越 利 益 剰 余 金 に 振 り 替 える 等 の 処 理 を 行 うこ とは 予 定 していないものであること ( 三 ) その 他 所 要 の 規 定 の 整 備 を 行 ったものであること( 令 第 25 条 ) 三 欠 損 の 処 理 利 益 積 立 金 任 意 積 立 金 及 び 資 本 剰 余 金 を 用 いて 欠 損 の 処 理 を 行 う 際 の 順 位 を 定 めた 規 定 を 廃 止 したこと( 改 正 前 の 法 第 32 条 の2 改 正 前 の 令 第 24 条 の3) なお 一 般 的 に 欠 損 の 処 理 を 行 う 場 合 には 資 本 金 の 性 質 等 に 照 らし 資 本 金 よりも 資 本 剰 余 金 が 資 本 剰 余 金 よりも 利 益 積 立 金 が 先 に 取 り 崩 される ものであると 考 えられるが 最 終 的 には 議 会 の 関 与 を 経 て 資 本 金 剰 余 金 の 性 質 や 各 地 方 公 営 企 業 の 実 情 を 踏 まえた 適 切 な 判 断 が 求 められるものであるこ と 四 資 本 金 の 額 の 減 少 事 業 規 模 の 変 更 資 本 金 として 留 保 すべき 水 準 の 見 直 し 等 地 方 公 営 企 業 の 経 営 のあり 方 を 変 更 する 場 合 には 議 会 の 議 決 を 経 て 資 本 金 の 額 の 減 少 ( 減 資 )を 行 うことができることとしたこと( 法 第 32 条 第 4 項 ) この 際 安 定 的 な 事 業 継 続 に 必 要 な 財 産 が 引 き 続 き 当 該 地 方 公 営 企 業 に 留 保 されることを 確 認 した 上 での 適 切 な 判 断 が 求 められるものであること また 資 本 金 の 額 の 減 少 は 住 民 や 議 会 に 対 して 当 該 地 方 公 営 企 業 の 経 営 状 況 や 財 政 状 況 を 十 分 に 説 明 した 上 でなされるべきものであり 資 本 取 引 と 損 益 取 引 を 明 確 に 区 分 するため にも( 令 第 9 条 第 3 項 ) 年 度 途 中 に 資 本 金 の 額 を 減 じ 繰 越 利 益 剰 余 金 に 振 り 替 える 等 の 処 理 を 行 うことは 予 定 していないものであること なお 借 入 資 本 金 は 実 体 的 には 負 債 であり その 償 還 とは 無 関 係 に 借 入 資 本 金 の 額 を 減 少 させ ることは 適 正 な 処 理 とはいえないものであること 五 その 他 一 から 四 までの 改 正 に 伴 い 所 要 の 改 正 を 行 ったものであること( 改 正 前 の 規 則 第 11 条 の2 別 表 第 12 号 から 第 14 号 まで) なお 規 則 第 12 条 によ り 準 ずるものとされている 別 表 の 様 式 について 各 地 方 公 営 企 業 の 実 態 に 応 じ たより 適 切 な 表 示 のため 項 目 の 名 称 の 変 更 項 目 の 追 加 資 本 の 各 項 目 を 縦 に 並 べる 様 式 により 作 成 すること 等 は 差 し 支 えないものであること 第 二 企 業 団 の 組 織 に 関 する 事 項 ( 一 ) 監 査 委 員 の 定 数 に 係 る 規 定 を 廃 止 したこと( 改 正 前 の 法 第 39 条 の2 第 5 項 ) ( 二 ) 議 会 の 議 員 の 定 数 に 係 る 規 定 を 廃 止 したこと( 改 正 前 の 法 第 39 条 の2 第 7 項 改 正 前 の 令 第 26 条 の7) 第 三 施 行 期 日 に 関 する 事 項 - 112 -

( 一 ) 第 1 次 一 括 法 による 法 の 一 部 改 正 及 び 地 域 の 自 主 性 及 び 自 立 性 を 高 めるた めの 改 革 の 推 進 を 図 るための 関 係 法 律 の 整 備 に 関 する 法 律 の 一 部 の 施 行 に 伴 う 総 務 省 関 係 政 令 の 整 備 に 関 する 政 令 による 令 の 一 部 改 正 は 平 成 24 年 4 月 1 日 から 施 行 するものであること( 上 記 第 一 第 二 の( 一 )) ( 二 ) 地 方 自 治 法 の 一 部 を 改 正 する 法 律 による 法 の 一 部 改 正 及 び 地 方 自 治 法 施 行 令 の 一 部 を 改 正 する 政 令 による 令 の 一 部 改 正 は 平 成 23 年 8 月 1 日 から 施 行 するものであること( 上 記 第 二 の( 二 )) - 113 -