開放制免許制度における教員養成教育の取組事例|国立教育政策研究所 National Institute for Educational Policy Research



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平成25年度 独立行政法人日本学生支援機構の役職員の報酬・給与等について

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m07 北見工業大学 様式①

●幼児教育振興法案

公表表紙

2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 平 成 27 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 役 名 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 2,142 ( 地 域 手 当 ) 17,205 11,580 3,311 4 月 1

2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 役 名 法 人 の 長 理 事 理 事 ( 非 常 勤 ) 平 成 25 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 16,936 10,654 4,36

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(2) 広 島 国 際 学 院 大 学 ( 以 下 大 学 という ) (3) 広 島 国 際 学 院 大 学 自 動 車 短 期 大 学 部 ( 以 下 短 大 という ) (4) 広 島 国 際 学 院 高 等 学 校 ( 以 下 高 校 という ) ( 学 納 金 の 種 類 ) 第 3 条

16 日本学生支援機構

新 行 財 政 改 革 推 進 大 綱 実 施 計 画 個 票 取 組 施 策 国 や 研 究 機 関 への 派 遣 研 修 による 資 質 向 上 の 推 進 鳥 インフルエンザ 等 新 たな 感 染 症 等 に 対 する 検 査 技 術 の 習 得 など 職 員 の 専 門

第 8 条 本 協 議 会 における 研 修 は 以 下 のとおりとする (1) 座 学 研 修 農 業 講 座 や 先 進 農 家 視 察 など 農 業 経 営 基 礎 講 座 やその 他 担 い 手 のための 研 修 会 等 への 参 加 など 年 24 回 程 度 とする (2) 実 務 研

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1. 実 施 内 容 (1) 研 修 体 制 の 概 要 2 大 阪 府 教 育 庁 大 阪 府 教 育 センター 進 捗 管 理 研 修 の 委 託 進 捗 管 理 連 携 協 力 進 捗 報 告 民 間 業 者 ( 外 部 機 関 ) 市 町 村 教 育 委 員 会 府 立 高 等 学 校 研

別記

定款  変更

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参 考 様 式 再 就 者 から 依 頼 等 を 受 けた 場 合 の 届 出 公 平 委 員 会 委 員 長 様 年 月 日 地 方 公 務 員 法 ( 昭 和 25 年 法 律 第 261 号 ) 第 38 条 の2 第 7 項 規 定 に 基 づき 下 記 のとおり 届 出 を します この

慶應義塾利益相反対処規程

別 紙 第 号 高 知 県 立 学 校 授 業 料 等 徴 収 条 例 の 一 部 を 改 正 する 条 例 議 案 高 知 県 立 学 校 授 業 料 等 徴 収 条 例 の 一 部 を 改 正 する 条 例 を 次 のように 定 める 平 成 26 年 2 月 日 提 出 高 知 県 知 事 尾

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企 画 課 企 画 部 満 了 2 55 総 務 部 企 画 室 設 置 認 可 学 部 佐 賀 大 学 附 属 図 書 館 医 学 分 館 設 置 申 請 書 企 画 室 企 画 調 査 係 2004/4/1 30 年 2005/4/1 2035/3/31 ファイル 事 務 室 企 画 部 企 画

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公 的 年 金 制 度 について 制 度 の 持 続 可 能 性 を 高 め 将 来 の 世 代 の 給 付 水 準 の 確 保 等 を 図 るため 持 続 可 能 な 社 会 保 障 制 度 の 確 立 を 図 るための 改 革 の 推 進 に 関 する 法 律 に 基 づく 社 会 経 済 情

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推 進 項 目 15 人 材 育 成 の 強 化 重 要 A 番 号 取 組 事 業 名 151 職 員 の 専 門 性 向 上 作 成 日 H 更 新 日 H 担 当 部 署 32 総 務 部 人 事 課 責 任 者 吉 田 克 夫 担 当 者 人 事 人 材 育 成 担

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者 が 在 学 した 期 間 の 年 数 を 乗 じて 得 た 額 から 当 該 者 が 在 学 した 期 間 に 納 付 すべき 授 業 料 の 総 額 を 控 除 した 額 を 徴 収 するものとする 3 在 学 生 が 長 期 履 修 学 生 として 認 められた 場 合 の 授 業 料 の

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本 校 の 沿 革 昭 和 21 年 昭 和 49 年 昭 和 54 年 昭 和 60 年 平 成 9 年 平 成 11 年 平 成 18 年 北 海 道 庁 立 農 業 講 習 所 として 発 足 北 海 道 立 農 業 大 学 校 に 改 組 修 業 年 限 を1 年 制 から2 年 制 に 改

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とする (1) 多 重 債 務 や 過 剰 債 務 を 抱 え 返 済 が 困 難 になっている 人 (2) 債 務 整 理 を 法 律 専 門 家 に 依 頼 した 直 後 や 債 務 整 理 途 上 の 人 (3) 収 入 よりも 生 活 費 が 多 くお 金 が 不 足 がちで 借 金 に 頼

続 に 基 づく 一 般 競 争 ( 指 名 競 争 ) 参 加 資 格 の 再 認 定 を 受 けていること ) c) 会 社 更 生 法 に 基 づき 更 生 手 続 開 始 の 申 立 てがなされている 者 又 は 民 事 再 生 法 に 基 づき 再 生 手 続 開 始 の 申 立 てがなさ

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4 承 認 コミュニティ 組 織 は 市 長 若 しくはその 委 任 を 受 けた 者 又 は 監 査 委 員 の 監 査 に 応 じなければ ならない ( 状 況 報 告 ) 第 7 条 承 認 コミュニティ 組 織 は 市 長 が 必 要 と 認 めるときは 交 付 金 事 業 の 遂 行 の

質 問 票 ( 様 式 3) 質 問 番 号 62-1 質 問 内 容 鑑 定 評 価 依 頼 先 は 千 葉 県 などは 入 札 制 度 にしているが 神 奈 川 県 は 入 札 なのか?または 随 契 なのか?その 理 由 は? 地 価 調 査 業 務 は 単 にそれぞれの 地 点 の 鑑 定

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代 議 員 会 決 議 内 容 についてお 知 らせします さる3 月 4 日 当 基 金 の 代 議 員 会 を 開 催 し 次 の 議 案 が 審 議 され 可 決 承 認 されました 第 1 号 議 案 : 財 政 再 計 算 について ( 概 要 ) 確 定 給 付 企 業 年 金 法 第

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2. ど の 様 な 経 緯 で 発 覚 し た の か ま た 遡 っ た の を 昨 年 4 月 ま で と し た の は 何 故 か 明 ら か に す る こ と 回 答 3 月 17 日 に 実 施 し た ダ イ ヤ 改 正 で 静 岡 車 両 区 の 構 内 運 転 が 静 岡 運

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4 教 科 に 関 する 調 査 結 果 の 概 況 校 種 学 年 小 学 校 2 年 生 3 年 生 4 年 生 5 年 生 6 年 生 教 科 平 均 到 達 度 目 標 値 差 達 成 率 国 語 77.8% 68.9% 8.9% 79.3% 算 数 92.0% 76.7% 15.3% 94

2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 平 成 27 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 役 名 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 法 人 の 長 A 18,248 11,166 4, ,066 6,42

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4 参 加 資 格 要 件 本 提 案 への 参 加 予 定 者 は 以 下 の 条 件 を 全 て 満 たすこと 1 地 方 自 治 法 施 行 令 ( 昭 和 22 年 政 令 第 16 号 ) 第 167 条 の4 第 1 項 各 号 の 規 定 に 該 当 しない 者 であること 2 会 社

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(5) 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しの 実 施 状 況 について 概 要 の 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しにおいては 俸 給 表 の 水 準 の 平 均 2の 引 き 下 げ 及 び 地 域 手 当 の 支 給 割 合 の 見 直 し 等 に 取 り 組 むとされている

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03 平成28年度文部科学省税制改正要望事項

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2) 言 語 能 力 SPACE J では 以 下 の 日 本 語 の 能 力 が 求 められます 文 化 教 育 学 部 教 育 学 研 究 科 経 済 学 部 経 済 学 研 究 科 理 工 学 部 工 学 系 研 究 科 農 学 部 農 学 研 究 科 学 部 生 JLPT N2 以 上 SP

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Transcription:

開 放 制 免 許 制 度 における 教 員 養 成 教 育 の 取 組 事 例 平 成 24 年 4 月 国 立 教 育 政 策 研 究 所 淵 上 孝 小 松 明 希 子 1

目 次 1 A 大 学 の 事 例 ( 私 立 総 合 大 学 )... 3 ~ 総 合 大 学 の 知 を 結 集 し その 強 みを 最 大 限 に 生 かした 教 員 養 成 教 育 の 改 革 ~... 3 2 B 大 学 の 事 例 ( 私 立 総 合 大 学 )... 6 ~グローバル 人 材 育 成 の 一 環 としての 教 員 の 養 成 ~... 6 3 C 大 学 の 事 例 ( 私 立 総 合 大 学 )... 9 ~ゆるぎない 就 業 力 を 身 に 付 けた 教 員 の 養 成 ~... 9 4 D 大 学 の 事 例 ( 私 立 総 合 大 学 )... 11 ~ 確 かな 基 礎 的 素 養 を 備 えた 教 員 の 養 成 ~... 11 5 E 大 学 の 事 例 ( 私 立 専 門 系 総 合 大 学 )... 13 ~6 年 一 貫 教 育 を 見 据 えた 専 門 性 の 高 い 教 員 の 養 成 ~... 13 6 F 大 学 の 事 例 ( 私 立 中 規 模 大 学 )... 16 ~ 海 外 インターンシップ 等 を 核 としたグローバルな 視 点 をもった 教 員 の 養 成 ~... 16 2

1 A 大 学 の 事 例 ( 私 立 総 合 大 学 ) ~ 総 合 大 学 の 知 を 結 集 し その 強 みを 最 大 限 に 生 かした 教 員 養 成 教 育 の 改 革 ~ 1 大 学 の 概 要 学 部 数 :13 学 部 卒 業 者 数 (H22 年 度 学 部 ): 約 7,300 人 教 員 免 許 取 得 者 実 数 (H22 年 度 学 部 ): 約 600 人 ( 実 人 数 ) ( 中 学 校 一 種 免 許 状 約 430 人 高 等 学 校 一 種 免 許 状 約 760 人 ) 教 員 採 用 試 験 合 格 実 績 (H23 年 度 学 部 ): 合 計 250 人 ( 小 学 校 約 80 人 中 学 校 約 80 人 中 学 高 校 約 20 人 高 等 学 校 約 50 人 特 別 支 援 約 20) 2 学 位 プログラム 化 の 一 環 としての 教 職 課 程 の 改 善 教 員 養 成 については 通 常 のアカデミックトラックに 基 づく Ph.D ではなく アメ リカ 型 の Ed.D のような 高 度 職 業 人 養 成 ができるプロフェッショナルスクール(リ サーチ バックグラウンドを 持 った)という 新 しい 実 践 知 のモデルを まずはマ スターレベルから 作 っていきたい これまで 人 間 科 学 研 究 所 で 心 理 学 福 祉 学 教 育 学 の 関 係 者 が ここ 10 年 位 かけて 学 習 心 理 や 学 習 科 学 に 関 する 研 究 を 実 施 してきた また 地 域 の 高 等 学 校 と 連 携 し ジョブコーチの 仕 組 みを 導 入 し 大 学 生 をジョブコーチャーにすると いったプロジェクトも 実 施 してきた また 言 語 教 育 に 関 する 独 立 研 究 科 におい ても 第 二 言 語 取 得 メカニズムなど ラーニング サイエンスの 観 点 から 研 究 を 進 めているチームもある こうした 研 究 の 蓄 積 を 統 合 して 高 度 な 教 員 養 成 を 展 開 したい こうした 取 組 が 今 後 の4+2の 2 について 開 放 制 の 大 学 として 取 り 組 む 際 の 基 礎 になるのではないかと 考 えている 3 全 学 的 な 共 通 教 育 の 一 環 としての 教 職 課 程 の 改 善 教 職 教 育 は スポーツ サービスラーニング 等 の 共 通 教 育 と 同 様 に 全 学 体 制 で 実 施 している 教 学 部 長 を 長 とする 教 職 教 育 推 進 機 構 の 下 で 教 職 課 程 は 管 理 されており 専 門 の 各 学 部 においても 教 職 課 程 への 理 解 は 浸 透 してきている カリキュラムは 公 共 財 という 考 えの 下 で シラバスは 全 学 的 な 点 検 体 制 をとって 3

いる 点 検 はまず 副 学 部 長 の 職 務 として 実 施 し 最 終 的 には 執 行 部 で 総 点 検 して いる 特 に 教 職 に 関 する 科 目 のシラバスについては 課 程 認 定 の 科 目 の 狙 いな ど 決 まった 枠 組 みの 中 で 書 いてもらい 最 終 的 に 点 検 している 4 キャリア 教 育 の 一 環 としての 教 職 課 程 の 改 善 学 内 のキャリアセンターで1 年 次 から 教 職 に 限 らず 就 職 支 援 を 実 施 就 職 先 は 保 護 者 の 関 心 であることもあり 就 職 部 がかなり 積 極 的 に 取 り 組 んでいるが 就 職 部 の 取 組 だけではなく インターンシップの 充 実 も 含 め キャリア 教 育 という コンセプトで 充 実 していくことが 重 要 だと 考 えている 昨 年 の2 年 生 から 履 修 カルテをポートフォリオで 管 理 するという 取 組 を 開 始 学 部 ごとに 担 任 を 決 め 学 生 に 自 己 分 析 シートを 書 かせ 提 出 させる 1 担 任 当 た り 150 名 前 後 を 受 け 持 ち 提 出 されたシートにそれぞれコメントを 記 入 し 学 生 に 戻 している また 法 の 定 めはないが 教 育 実 習 に 行 くための 必 修 科 目 として 1 年 間 のゼミを 実 施 (2012 年 度 ~) ここでも 同 様 のポートフォリオを 活 用 ゼ ミの 受 講 要 件 として 2 年 次 までに 教 職 に 関 する 科 目 を 20 単 位 履 修 していること が 必 要 学 生 の 高 い 資 質 と 能 力 の 担 保 を 心 がけている 5 学 士 課 程 教 育 における 授 業 形 態 教 育 方 法 の 改 善 これまで 教 員 側 が 自 らの 専 門 に 基 づき 設 定 し 実 施 していた 科 目 を 改 めて 学 習 者 中 心 の 教 育 の 観 点 から 必 要 な 科 目 に 厳 選 する 取 組 を 進 めている 具 体 的 には 大 規 模 科 目 についてはカリキュラムを 共 通 化 し クラスを 分 散 して 教 員 が 教 え やすく 学 生 には 学 びやすい 環 境 づくりを 目 指 している 学 生 が 学 生 を 教 えるというサポーター 制 度 を 大 規 模 に 実 施 教 職 課 程 では 相 当 数 のサポーターを 取 り 入 れており 学 生 と 教 員 の 間 のフォローや 授 業 の 振 り 返 り をまとめてもらったりしている この 教 育 文 化 のようなものが 学 内 で 学 生 たち の 間 で 引 き 継 がれ 大 学 への 帰 属 意 識 も 高 まる また ラーニング バイ ティ ーチングという 教 えることによって 学 ぶ という 学 習 効 果 も 大 きい 今 後 はキャ ンパスや 学 部 を 超 えての 実 施 を 目 指 す ある 学 部 では 学 生 の 達 成 度 をレーダーチャートにして 単 位 取 得 状 況 から 自 分 の 弱 い 分 野 などが 分 かるようにしている この 前 提 として カリキュラム ス トラクチャーが 必 要 になる 4

アクティブ ラーニングについては 多 くの 分 野 でとりいれられてきている 今 後 は 評 価 論 としての 体 系 の 構 築 が 必 要 6 大 学 教 員 のFDと 学 校 教 員 としての 継 続 的 な 向 上 努 力 教 員 のFDはオンデマンドで 実 施 実 習 用 プログラムを 教 員 自 身 が 本 部 からダウ ンロードできる 仕 組 みを 導 入 強 制 ではなく 任 意 で 実 施 FDが 進 んでいる 分 野 では 教 職 の 先 生 が 同 じ 指 導 案 に 対 する 指 導 を 担 当 者 会 議 で 詰 めて 最 終 的 に 指 導 案 集 として 学 生 に 返 すということも 行 われている 基 礎 科 目 の 共 通 化 を 進 めることより 同 じ 科 目 で 担 当 する 教 員 同 士 では 必 然 的 に FDが 必 要 となってくる FDの 推 進 については 修 了 証 を 出 したり 教 育 資 金 を 出 すなどして インセン ティブが 働 くようにしている 7 その 他 90 年 代 に 学 内 に 教 職 課 程 を 支 援 するセンターを 置 き センター 設 立 以 前 から 行 っ ていた 履 修 相 談 自 主 ゼミのアドバイス 採 用 試 験 対 策 等 包 括 的 に 実 施 セ ンターには 多 様 な 経 験 を 持 つベテラン 教 員 ( 退 職 教 員 )を 特 別 任 用 の 形 で 置 き 協 力 支 援 をしてもらっている 教 員 のネットワークの 場 として 同 窓 会 を 組 織 免 許 更 新 制 はもちろんのこと 年 2 回 ほど 事 例 発 表 等 を 実 施 地 域 によっては 教 員 同 士 の 校 友 会 もある 特 に 教 員 になって 最 初 の 頃 は 教 えることの 悩 みも 深 くなりがちだが このネットワー クで 互 いに 支 えあうことができている 5

2 B 大 学 の 事 例 ( 私 立 総 合 大 学 ) ~グローバル 人 材 育 成 の 一 環 としての 教 員 の 養 成 ~ 1 大 学 の 概 要 学 部 数 :8 学 部 学 生 数 : 学 年 当 たり 約 2,500 人 教 員 免 許 取 得 者 数 (H21 年 度 生 ): 約 450 人 ( 延 べ) ( 中 一 種 約 160 人 高 一 種 約 230 人 中 専 修 約 20 人 高 専 修 約 20 人 ) 教 員 採 用 者 数 (H21 年 度 卒 業 生 ): 約 60 人 2 学 位 プログラムの 一 環 としての 教 職 課 程 の 改 善 大 学 全 体 のミッションとして 社 会 のリーダーを 養 成 することを 掲 げており 教 師 の 育 成 もその 一 つとして 明 確 に 位 置 付 けている グローバル 化 の 進 展 の 中 で 全 学 的 に 学 生 の 専 門 性 を 引 き 出 すことのできるカリ キュラムの 在 り 方 を 模 索 している 従 来 の 縦 軸 としての 学 部 教 育 だけではなく 学 生 がキャリアアップの 中 で 必 要 な 科 目 を 見 いだし その 時 点 で 必 要 なものを 学 べるような 仕 掛 けが 必 要 と 認 識 している また グローバル 化 への 対 応 の 視 点 は 教 職 課 程 についても 必 要 なことと 考 えて いる 特 に グローバル 化 に 関 する 中 等 教 育 と 高 等 教 育 の 接 続 の 問 題 については 強 い 課 題 意 識 を 持 っており 大 学 に よりグローバル 志 向 の 強 い 学 生 にきてもら い これらの 学 生 が 中 等 教 育 の 教 員 として 指 導 に 当 たるという 循 環 が 図 られるよ うにしたいと 考 えている 大 学 全 体 でグローバル コンピテンシーを 育 成 する 中 で 本 学 から 輩 出 される 教 師 の 基 礎 的 なセンスとしてグローバルな 素 養 を 身 に 付 けることができるようにし ていきたい 3 全 学 的 な 共 通 教 育 の 一 環 としての 教 職 課 程 の 改 善 全 学 的 なカリキュラムの 在 り 方 の 検 討 の 中 で いわゆる 共 通 教 育 の 在 り 方 につい ても 検 討 している この 中 で 共 通 教 育 を 学 んでから 専 門 教 育 という 一 方 向 の 流 れではなく 必 要 なら3 年 次 4 年 次 に 必 要 な 教 養 的 な 教 科 を 学 ぶようなことも できるような 仕 掛 けを 考 えている 6

縦 軸 としての 学 部 教 育 を 横 断 するようなプログラムを 立 てる 必 要 性 を 認 識 してお り 教 職 課 程 もその 一 つとして 考 えられるかもしれない 4 キャリア 教 育 の 一 環 としての 教 職 課 程 の 改 善 キャリア 教 育 については キャリアセンターと 教 職 センターとが 協 働 しながら 先 輩 教 員 との 交 流 や 教 職 に 必 要 となる 情 報 などについて 支 援 を 行 っている これ に 加 えて 今 後 学 事 系 との 連 携 も 深 めて 総 合 的 なキャリア 教 育 の 展 開 が 必 要 と 考 えている 教 職 志 望 者 については 最 初 のガイダンスの 段 階 で 中 途 半 端 に 履 修 することのな いよう 厳 しく 指 導 している 本 学 は 必 修 の 少 ない 大 学 で 教 職 課 程 については 他 学 部 他 学 科 の 履 修 につい ても 相 当 融 通 できることになっており 学 生 が 自 らのキャリアデザインに 基 づく 履 修 ができるような 仕 組 みは 整 えている 5 学 士 課 程 教 育 等 における 授 業 形 態 教 育 方 法 の 改 善 大 学 全 体 の 学 びの 質 を 上 げる 工 夫 は 必 要 と 考 える かつての 総 合 演 習 のような 科 目 は 学 生 が 社 会 と 学 びをつなげる 観 点 から アクティブ ラーニングを 学 ぶチャンスがあった このような 機 会 を 教 職 課 程 全 体 の 中 でもっと 増 やす 必 要 があると 考 える 6 大 学 教 員 の FD と 学 校 教 員 としての 継 続 的 な 向 上 努 力 大 学 教 員 の FD を 高 度 化 し それぞれの 授 業 の 在 り 方 を 改 善 するためには 高 等 教 育 を 学 術 的 に 研 究 するスタッフが 関 わる 必 要 がある 一 方 で 中 学 校 や 高 等 学 校 での 実 践 から 大 学 が 学 ぶことも 多 く その 意 味 で 多 く の 大 学 教 員 がもっと 中 学 校 高 等 学 校 との 連 携 を 深 める 必 要 がある 教 えることを 前 提 とした 専 門 教 科 の 学 習 (ペダゴジカル コンテント ナレッジ) が 重 要 である 開 放 制 の 理 念 との 関 係 を 整 理 する 必 要 がある 7 機 能 別 分 化 の 観 点 からの 教 職 課 程 の 改 善 グローバル 化 の 進 展 の 中 で 本 学 の 強 みを 生 かしたグローバルな 感 覚 を 持 った 教 員 を 養 成 することは 一 つの 重 要 な 使 命 と 考 えている 例 えば 英 語 で 教 科 の 指 導 7

を 担 当 することができるような 教 員 の 育 成 といったことも 視 野 に 入 ってくる その 一 環 として 学 生 の 留 学 時 に 取 得 した 単 位 が 免 許 制 度 の 中 で 生 かされるよう な 仕 掛 けが 必 要 と 考 えている 8

3 C 大 学 の 事 例 ( 私 立 総 合 大 学 ) ~ゆるぎない 就 業 力 を 身 に 付 けた 教 員 の 養 成 ~ 1 大 学 の 概 要 学 部 数 :15 学 部 卒 業 者 数 (H22 年 度 ): 約 7,500 人 教 員 免 許 取 得 者 数 (H22 年 度 ): 約 320 人 教 員 採 用 者 数 (H22 年 度 ): 約 50 人 2 学 位 プログラムの 一 環 としての 教 職 課 程 の 改 善 本 学 では 学 士 課 程 答 申 を 受 けて 教 育 開 発 支 援 機 構 を 設 けた この 機 構 の 中 には FD センター リベラルアーツセンター 学 習 環 境 支 援 センターを 設 けて 学 生 の 学 びを 支 えることとしている グローバル 化 の 進 展 の 中 で 一 定 期 間 の 留 学 を 義 務 付 けている 学 部 もあれば 全 て 授 業 を 英 語 により 行 う 学 部 があるなど 様 々なグローバル 対 応 を 行 っている 3 キャリア 教 育 の 一 環 としての 教 職 課 程 の 改 善 本 学 では 国 の 就 業 力 GPが 終 了 した 後 も 大 学 独 自 の 予 算 でキャリア 教 育 に 取 り 組 んでいる 本 学 では 就 業 力 を 1 文 章 作 成 力 2 情 報 収 集 分 析 発 信 力 3 状 況 判 断 行 動 力 の 三 点 と 位 置 付 け これを 気 づき 成 長 発 展 の3ステップで 育 成 することにしている 気 づき のステップでは 高 大 連 携 プログラムを 実 施 している 成 長 のステップでは ふだんの 正 課 教 育 の 中 で 上 記 の 就 業 力 を 育 成 するため にシラバスにどの 能 力 を 身 に 付 けるかを 明 記 した 上 で 授 業 を 展 開 したり 正 課 外 でもキャリアセンターやエクステンション カレッジで 学 生 をサポートすること としている 発 展 のステップでは 卒 業 生 と 学 生 との 交 流 ができる 職 業 コミュニティを 通 じて 様 々な 情 報 交 流 を 行 っている 教 職 課 程 を 履 修 する 学 生 についても 普 段 の 授 業 の 中 で 上 記 のような 就 業 力 を 育 成 するとともに 教 職 としての 力 量 を 身 に 付 けた 教 員 の 育 成 を 目 指 している 大 学 全 体 として 最 も 大 量 にとる 資 格 が 教 職 課 程 であるので これをキャリア 教 育 9

で 推 進 することで 成 果 を 出 せる 可 能 性 がある ただし 大 学 の 教 職 課 程 での 学 生 の 学 びと 教 員 採 用 選 考 試 験 とが 必 ずしも 連 動 していないので 採 用 対 策 をどうする か あるいは 教 職 に 就 いたら 一 人 前 の 教 師 として 大 きな 責 任 を 負 うこととなると いうことをどのように 考 えるかという 悩 みもある 4 学 士 課 程 教 育 等 における 授 業 形 態 教 育 方 法 の 改 善 学 生 は 高 等 学 校 までの 段 階 で 小 中 高 等 学 校 である 種 の 競 争 的 なシステムで 徹 底 して 学 習 してきた 大 学 に 入 って 改 めて 学 習 の 目 的 を 立 て 直 す 必 要 がある また 討 論 のできない 学 生 も 多 い 大 学 において 少 人 数 教 育 やプレゼンテーション 教 育 やきちんとしたポートフォリ オの 活 用 など 大 学 の 教 育 が 変 革 することを 通 じて 小 中 高 等 学 校 の 教 育 を 変 える 契 機 となるよう 教 員 養 成 の 変 革 が 重 要 であると 考 えている 5 大 学 教 員 の FD と 学 校 教 員 としての 継 続 的 な 向 上 努 力 FDセンターのFD 活 動 の 一 環 として 大 学 全 体 の 取 組 ではない 学 部 独 自 のFD 活 動 例 えば ポートフォリオを 活 用 する 先 導 的 な 学 部 に 対 して 学 内 の 資 金 を 重 点 的 に 投 入 して 全 学 に 広 げていくような 取 組 を 行 っている 6 機 能 別 分 化 の 観 点 からの 教 職 課 程 の 改 善 本 学 は 大 きな 大 学 であるので 大 学 全 体 として 教 職 課 程 を 管 理 運 営 することには 困 難 な 面 もあるが 全 学 に 教 職 課 程 委 員 会 を 設 けて 全 学 的 な 課 題 に 対 応 すること としている また 本 年 度 から 教 職 課 程 センター を 設 置 して 全 体 の 連 絡 調 整 を 行 うこと としている 今 回 センターを 設 置 することとした 背 景 は 狭 い 意 味 でのキャリア 支 援 採 用 対 策 や 教 職 実 践 演 習 など 個 別 対 応 が 必 要 となること キャンパス 間 の 連 携 を 深 める 必 要 があることなどである 今 後 このセンターにおいて 教 員 養 成 に 関 する 調 査 研 究 開 発 や 卒 業 生 のコミュ ニティの 整 備 なども 図 ることとしている 本 学 は 全 国 から 学 生 が 集 まり 入 学 経 路 も 様 々で 非 常 に 多 様 性 に 富 んだ 大 学 で ある このため 学 生 は 相 手 を 理 解 することに 長 けているし たくましさも 備 え ている また コミュニケーション 能 力 もあるので 子 供 との 対 応 がうまいと いった 特 徴 がある こうした 特 徴 を 生 かしながら 教 職 の 実 践 力 のある 学 生 を 育 て ていきたい 10

4 D 大 学 の 事 例 ( 私 立 総 合 大 学 ) ~ 確 かな 基 礎 的 素 養 を 備 えた 教 員 の 養 成 ~ 1 大 学 の 概 要 学 部 数 :14 学 部 卒 業 者 数 : 約 6,300 人 教 員 免 許 取 得 者 数 (H22 年 度 学 部 ): 約 420 人 ( 小 学 校 一 種 免 許 状 約 55 人 中 学 校 一 種 免 許 状 約 270 人 高 等 学 校 一 種 免 許 状 約 480 人 ) 教 員 採 用 試 験 合 格 実 績 (H23 年 度 学 部 ): 約 100 人 ( 小 学 校 約 30/ 中 学 校 約 30 人 / 高 等 学 校 約 25 人 / 私 立 15 人 ) 2 全 学 的 な 共 通 教 育 の 一 環 としての 教 職 課 程 の 改 善 教 育 実 習 の 担 当 教 員 によるシラバスの 統 一 化 を 図 っている 大 学 として 実 施 した い 教 育 実 習 指 導 の 形 の 大 枠 を 決 め その 担 当 者 を 決 め 特 定 の 範 囲 の 中 での 創 意 工 夫 を 入 れたカリキュラムを 作 成 年 2 回 担 当 者 会 議 を 開 催 し 申 し 合 わせなが らカリキュラムに 関 する 議 論 を 実 施 3 学 士 課 程 教 育 における 授 業 形 態 教 育 方 法 の 改 善 一 部 の 学 部 で 知 のナビゲーター という 導 入 教 育 を 実 施 している 学 部 生 とし ての 基 本 となるライティング リーディング プレゼンテーション ディベート 等 を 通 じ 共 通 のナレッジとして ロジカルに 考 えるということはどういうこと か といったことを 学 生 に 教 えている 学 部 の 教 員 の 多 くは 自 分 の 科 目 に 関 係 な く この 科 目 を 担 当 することになる 授 業 の 進 め 方 については 担 当 者 会 議 で 議 論 また この 授 業 についてのテキストも 共 同 で 作 成 している 開 放 制 の 良 さを 生 かして 免 許 教 科 ごとに 実 習 クラスを 編 成 することで 異 なる 学 部 学 科 の 学 生 が 相 互 に 刺 激 し 合 えるような 環 境 を 作 っている GP 予 算 で 卒 業 論 文 の 作 成 に 向 けて 4 年 間 でどのようなライティングスキル を 高 めていくのかというプログラムを 実 施 した このプログラム 終 了 後 も より 一 般 的 なライティングのスキルを 高 めることを 支 援 するようなプログラムを 全 学 的 に 展 開 することについて 議 論 されている 11

4 大 学 教 員 のFDと 学 校 教 員 としての 継 続 的 な 向 上 努 力 教 員 のFDについては 大 学 の 教 育 開 発 センターで 授 業 アンケートやFDに 関 する 研 究 会 シンポジウム 勉 強 会 を 実 施 している また 教 職 科 目 の 担 当 者 に よる 研 究 会 も 年 1 回 実 施 教 育 開 発 センターとして 教 員 のFDについての 機 関 誌 や 研 究 誌 も 発 刊 しており FDの 成 果 が 蓄 積 されてきていると 考 える 学 生 の 多 様 化 に 伴 い 初 等 中 等 教 育 段 階 の 教 員 の 実 践 や 取 組 に 大 学 として 学 ばな ければいけない 面 が 出 てきていると 思 われる 12

5 E 大 学 の 事 例 ( 私 立 専 門 系 総 合 大 学 ) ~6 年 一 貫 教 育 を 見 据 えた 専 門 性 の 高 い 教 員 の 養 成 ~ 1 大 学 の 概 要 学 部 数 :8 学 部 卒 業 生 数 (H22 年 度 ): 学 部 約 3,700 人 大 学 院 約 1,200 人 教 員 免 許 取 得 者 数 (H22 年 度 生 ): 約 440 人 ( 実 人 数 ) ( 学 部 約 360 人 大 学 院 約 80 人 ) 教 員 採 用 者 数 (H22 年 度 卒 業 生 ): 約 170 人 ( 学 部 約 110 人 大 学 院 約 60 人 ) 2 学 位 プログラムの 一 環 としての 教 職 課 程 の 改 善 本 学 では 大 学 全 体 の 学 部 学 生 の 約 半 数 が 大 学 院 に 進 学 し 学 部 学 科 によっては 大 学 院 進 学 率 が9 割 以 上 のところもある このため ある 意 味 6 年 制 の 大 学 とし ての 性 格 を 持 っている 教 職 志 望 者 についても 4 年 の 学 部 を 卒 業 して 教 職 に 就 く 学 生 とその 後 大 学 院 に 進 学 してから 教 職 に 就 く 学 生 とがいる このうち 特 に 教 職 を 志 望 しながら 大 学 院 に 進 学 する 学 生 に 対 しては 科 学 教 育 に 特 化 した 独 立 研 究 科 を 設 け 6 年 間 を 見 通 した 教 員 養 成 を 実 践 してきている この 研 究 科 においては 専 門 的 に 学 んだ 高 度 な 教 科 の 内 容 と 教 科 教 育 教 育 工 学 学 習 指 導 法 などを 統 合 的 に 学 んだり 教 科 の 歴 史 や 教 科 の 存 在 について 学 んだり 科 学 文 化 科 目 などで 科 学 的 なものの 見 方 や 考 え 方 を 総 合 的 に 学 べるようにしてい るほか 学 校 教 育 特 別 実 習 なども 履 修 させて 教 科 に 関 する 幅 広 い 知 識 と 実 践 力 を 養 うようにしている また 自 らの 課 題 を 自 ら 解 決 する 力 を 養 うために 科 学 教 育 研 究 方 法 論 を 設 けて いる このほか 自 らの 専 門 の 教 科 を 多 角 的 に 見 ることができるよう 他 コース の 単 位 取 得 も 義 務 付 けている こうした 全 体 の 取 組 を 通 じて いわゆるプロフェッショナル コンテント ナレ ッジを 高 めるようにしている 他 の 研 究 科 の 学 生 で 教 職 を 志 望 するものは この 独 立 研 究 科 の 教 育 に 関 する 単 位 を 取 得 することも 可 能 な 仕 組 みになっている 大 学 院 レベルにおいて 修 士 論 文 を 作 成 するということは 学 生 の 学 びにおいて 極 13

めて 大 きな 意 味 を 持 っている これにより 思 考 力 論 理 力 構 成 力 など 人 間 とし て また 教 員 として 必 要 な 力 量 が 相 当 に 高 められている 専 門 知 識 の 背 景 にある 様 々な 事 象 に 対 する 深 い 理 解 と 専 門 の 学 問 全 体 を 習 得 す ることによって 初 めて 得 られる 高 度 な 認 識 を 身 に 付 けることによって 正 確 な 知 識 を 生 徒 に 伝 達 することが 可 能 となると 考 えている このため 各 学 年 の 関 門 科 目 制 度 を 設 けており 例 えばある 学 科 で 4 年 間 でストレートに 卒 業 できる 学 生 は 入 学 者 の8 割 に 満 たないということもある 3 全 学 的 な 共 通 教 育 の 一 環 としての 教 職 課 程 の 改 善 理 系 の 総 合 大 学 として 理 系 における 教 養 教 育 の 在 り 方 について 研 究 が 必 要 と 考 えている 4 キャリア 教 育 の 一 環 としての 教 職 課 程 の 改 善 1 年 次 から 教 養 教 育 と 専 門 教 育 を 並 行 して 履 修 させて 高 度 な 専 門 性 を 身 に 付 け た 学 生 を 育 てており その 中 で 高 度 な 実 力 を 備 えた 教 員 を 育 てている 理 系 専 門 のスキル 開 発 論 やキャリア 開 発 論 などの 授 業 を 通 じて 学 生 の 視 野 を 広 げ るような 取 組 も 行 っている 全 学 的 な 就 職 率 は 極 めて 高 く 約 97%である 本 学 の 学 生 で 教 職 課 程 を 履 修 する 者 は 専 門 科 目 を 履 修 しながら 相 当 な 負 担 を 覚 悟 して 履 修 しており 目 的 意 識 ははっきりしている また 学 生 が 悩 んだ 場 合 には 教 職 課 程 指 導 室 個 々の 専 任 教 員 専 門 学 科 の 教 職 担 当 教 員 などがきめ 細 かく 相 談 に 応 じて 対 応 している どの 学 年 からでも 相 談 で きる 体 制 を 整 えている なお 教 職 課 程 指 導 室 には 6 名 の 中 学 校 高 等 学 校 の 校 長 経 験 者 を 配 置 し 学 生 の 個 別 指 導 や 教 員 採 用 試 験 に 対 する 指 導 を 行 っている そもそも 専 門 性 を 高 める 指 導 を 行 っているので 仮 に 教 職 課 程 から 変 更 しようと する 場 合 にも 専 門 を 生 かした 分 野 に 転 向 できる 学 生 の 入 学 時 点 から 卒 業 時 点 までの 追 跡 調 査 を 行 ったところ 入 学 試 験 と 卒 業 時 点 の 成 績 には 全 く 相 関 は 認 められなかったが 1 年 次 終 了 時 点 の 成 績 と 卒 業 時 点 の 成 績 には 明 確 な 相 関 が 認 められた このため 1 年 次 にノートの 取 り 方 や 書 き 方 などをはじめとした 大 学 の 学 生 としての 学 びをきちんと 育 てることが 必 要 との 認 識 に 立 っている 14

教 職 に 就 いた 卒 業 生 を 中 心 とする 大 規 模 な 研 究 会 が 組 織 されており この 研 究 会 には 現 役 の 学 部 生 や 大 学 院 生 も 参 加 して 研 究 を 進 めている 5 学 士 課 程 教 育 等 における 授 業 形 態 教 育 方 法 の 改 善 ある 学 部 では 1 年 間 全 寮 制 で 授 業 を 行 い その 間 の 実 験 レポートやそれに 対 す る 教 員 の 添 削 さらにそれを 踏 まえた 学 生 の 修 正 などをすべてデータ 化 して 残 し ている これにより 他 の 教 官 が 見 て 指 導 に 生 かすことができるほか 当 該 学 生 の 学 びの 過 程 が 可 視 化 されている このような 学 びのマネジメントの 仕 組 みは 学 生 か 教 員 になったときに 参 考 になる と 思 われる 6 機 能 別 分 化 の 観 点 からの 教 職 課 程 の 改 善 大 学 全 体 としては 世 界 的 研 究 教 育 拠 点 型 大 学 を 目 指 しており 教 職 課 程 を 履 修 する 学 生 は このような 高 度 な 研 究 教 育 の 環 境 の 中 で 実 力 主 義 に 基 づく 高 度 な 力 を 身 に 付 けた 教 員 を 輩 出 してきている 大 学 の 専 門 教 科 の 授 業 で 使 用 する 実 験 室 とは 別 に 中 学 校 高 等 学 校 段 階 の 基 礎 的 な 理 科 実 験 観 察 を 実 体 験 できる 理 科 実 験 室 を 設 置 するとともに 実 験 用 の 設 備 や 機 材 材 料 とも 確 保 して 理 科 実 験 指 導 の 経 験 を 積 むことのできる 環 境 を 整 備 した 今 後 は 模 擬 授 業 室 の 設 置 も 検 討 している 15

6 F 大 学 の 事 例 ( 私 立 中 規 模 大 学 ) ~ 海 外 インターンシップ 等 を 核 としたグローバルな 視 点 をもった 教 員 の 養 成 ~ 1 大 学 の 概 要 学 部 数 :2 学 部 学 生 数 : 約 1,800 人 教 員 免 許 取 得 者 数 :- 教 員 採 用 実 績 :- 2 全 学 的 な 共 通 教 育 の 一 環 としての 教 職 課 程 の 改 善 今 年 度 から 客 観 的 なデータに 基 づく 思 考 を 身 に 着 けることを 目 的 とした リサ ーチ 入 門 という 導 入 教 育 を 実 施 している ここでは 科 学 的 な 方 法 論 や 社 会 科 学 的 方 法 論 を 一 通 り 学 ぶことになっている 来 年 度 からは 共 通 教 育 として 必 修 科 目 に 追 加 予 定 本 学 では グローバル 人 材 の 育 成 を 図 る 観 点 から 全 学 生 に 海 外 学 習 (グローバル スタディ)を 義 務 付 けており 学 生 は 海 外 フィールド 調 査 フィールドスタデ ィ サービスティーチング 海 外 インターンシップ 交 換 留 学 のいずれかの 海 外 学 習 プログラムに 必 ず 参 加 することになっている 3 学 士 課 程 教 育 における 授 業 形 態 教 育 方 法 の 改 善 グローバル 化 に 対 応 できる 人 材 を 育 成 するための アクティブ ラーニングや 体 験 プログラムを 実 施 具 体 例 として アジアの 学 校 へ 行 き 勉 強 についていけな い 小 学 生 等 に 算 数 を 教 えるというサービスラーニングを 学 生 に 体 験 させた 学 生 は 子 供 が 分 かる 瞬 間 を 学 生 は 目 の 当 たりにすることができ 学 習 効 果 は 非 常 に 高 い 海 外 インターンシップだけではなく 異 文 化 という 環 境 下 での 教 育 体 験 もグ ローバル 人 材 の 育 成 に 寄 与 すると 考 える 本 学 では 学 生 がアカデミックの 基 礎 としてどのような 事 を 身 に 付 けるべきか ということについて チェック 用 のルーブリックを 作 っている 学 生 は それに 対 するエビデンスを 揃 え ポートフォリオとして 記 録 し そのうえで リフレク ション ディに 学 生 自 身 が 自 ら 目 標 の 達 成 状 況 や 今 後 の 課 題 を 振 り 返 り 総 合 化 する すなわち テスト 以 外 の 能 力 の 可 視 化 の 観 点 から 大 学 独 自 のベンチマークを 観 16

点 基 準 表 としてルーブリックを 策 定 し その 観 点 と 基 準 に 基 づき 学 生 の 達 成 度 をチェックさせる 取 組 を 実 施 している こうした 取 組 を 通 じて 学 生 の 学 びの 質 的 な 評 価 を 可 視 化 し 自 分 の 置 かれた 状 況 を 理 解 させるというアプローチを 導 入 している 大 学 独 自 でIR(Institutional Research)も 開 発 しているため どの 学 生 に どのプログラムが 効 果 的 だったか というようなタイプ 分 類 のようなこともやろ うとしている 将 来 的 には 大 学 間 連 携 でIRとルーブリックの 開 発 をして 学 習 成 果 の 総 合 的 な 評 価 と 本 人 へのフィードバックを 進 めていきたいと 考 えている 4 大 学 教 員 のFDと 学 校 教 員 としての 継 続 的 な 向 上 努 力 教 員 のFDの 中 で 全 学 的 にグローバルスタディの 意 義 等 を 取 り 上 げ 教 員 間 の 共 通 理 解 を 図 っている ラーニングアウトカムを 上 げることの 重 要 性 についても 学 内 コンセンサスがあり それが 形 になってきている アクティブ ラーニングなどの 指 導 法 のトレーニングについても 教 員 FD 全 体 で 取 り 上 げている 5 機 能 別 分 化 の 観 点 からの 教 職 課 程 の 改 善 最 重 要 事 項 として 取 り 組 んでいるのは 英 語 で 教 えられる 教 員 を 養 成 するという こと このため 例 えば 海 外 インターンシップなどで 学 生 に 英 語 で 教 えるこ とを 体 験 させ 学 生 自 身 が 高 校 まで 受 けてきた 英 語 教 育 との 違 い 日 本 の 英 語 教 育 がどのように 変 わるべきか ということが 考 えられるようにしている 英 語 で 教 えられる 教 員 を 養 成 するための 取 組 を 通 じて 最 近 では 教 員 採 用 実 績 も 上 がり 始 めている 17