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平 成 28 年 5 月 自 然 災 害 による 被 災 者 の 債 務 整 理 に 関 するガ イドライン に 対 応 する 不 動 産 の 価 格 等 調 査 の ための 運 用 指 針 ( 研 究 報 告 ) 個 人 債 務 者 の 債 務 整 理 における 不 動 産 の 評 価 公 益 社 団 法 人 日 本 不 動 産 鑑 定 士 協 会 連 合 会

実 務 指 針 不 動 産 鑑 定 士 及 び 不 動 産 鑑 定 業 者 が 鑑 定 評 価 等 実 務 を 行 うにあたり 指 針 とす べきものとして 本 協 会 が 公 表 するものであり 鑑 定 評 価 を 活 用 する 関 係 者 の 参 考 資 料 としての 位 置 づけも 有 する( 鑑 定 評 価 書 の 利 用 者 が その 適 正 さを 確 認 す るための 指 針 としても 利 用 できるものとする 鑑 定 評 価 を 行 う 際 には 原 則 とし て 準 拠 するものとし 準 拠 できない 場 合 又 は 他 の 方 法 に 拠 る 場 合 には その 根 拠 を 明 示 する) 研 究 報 告 本 協 会 が 実 務 指 針 に 関 連 する 事 項 として 検 討 した 内 容 及 び 資 料 等 の 研 究 報 告 であり 不 動 産 鑑 定 士 及 び 不 動 産 鑑 定 業 者 が 鑑 定 評 価 実 務 を 行 うにあたり 参 考 となるものである 本 書 は 上 記 研 究 報 告 に 該 当 します

目 次 はじめに... 1 Ⅰ. 本 運 用 指 針 が 対 象 とする 債 務 整 理... 1 Ⅱ. 自 然 災 害 による 被 災 者 の 債 務 整 理 に 関 するガイドライン の 概 要... 1 1 目 的 債 務 整 理 の 準 則... 1 2 対 象 となりうる 債 務 者 および 債 権 者... 2 3 登 録 支 援 専 門 家 の 登 録... 2 4 登 録 支 援 専 門 家 の 委 嘱... 3 5 債 務 整 理 の 開 始 等... 3 7 調 停 条 項 案 の 作 成 及 び 提 出... 3 8 特 定 調 停 の 申 立 て... 4 9 債 務 者 の 信 用 情 報... 4 Ⅲ. 不 動 産 評 価 が 必 要 となる 局 面... 7 1. 調 停 条 項 案 作 成 のための 財 産 の 評 定... 7 2. 処 分 換 価 の 代 わりの 公 正 な 価 額 の 評 価... 7 Ⅳ. 不 動 産 評 価 の 方 法 及 び 留 意 点... 8 1. 評 価 の 位 置 づけ... 8 2. 依 頼 者... 9 3. 評 価 対 象 となる 不 動 産... 9 4. 求 める 価 格 の 種 類... 9 5. 価 格 時 点 ( 価 格 調 査 の 時 点 )... 9 6. 被 災 地 域 内 に 存 する 不 動 産 の 評 価 について... 10 (1) 対 象 不 動 産 の 確 定 及 び 確 認... 10 ア. 物 的 確 定 及 び 確 認 にあたっての 留 意 点... 10 イ. 権 利 の 態 様 の 確 定 及 び 確 認 にあたっての 留 意 点... 11 (2) 地 域 要 因 又 は 個 別 的 要 因 についての 想 定 上 の 条 件 等... 11 (3) 価 格 形 成 要 因 についての 調 査... 11 (4) 価 格 を 求 める 評 価 手 法... 12 ア. 更 地 の 評 価... 12 イ. 建 物 及 びその 敷 地 の 評 価... 13

ウ. 区 分 所 有 建 物 及 びその 敷 地 の 評 価... 14 エ. 早 期 売 却 減 価... 14 7. 被 災 地 域 外 に 存 する 不 動 産 の 評 価 について... 15 8. 成 果 報 告 書 への 記 載 事 項... 15

はじめに 東 日 本 大 震 災 により 被 災 を 受 けた 個 人 や 個 人 事 業 主 については 法 的 倒 産 手 続 によ らずに 債 権 者 と 債 務 者 の 合 意 に 基 づき 債 務 整 理 を 公 正 かつ 迅 速 に 行 うための 自 主 的 自 律 的 な 準 則 として 個 人 債 務 者 の 私 的 整 理 に 関 するガイドライン 平 成 23 年 7 月 が 作 成 され 運 用 されて 今 日 までに 多 くの 実 績 が 積 み 重 ねられてきている しかし 東 日 本 大 震 災 以 降 も 地 震 や 暴 風 豪 雨 等 による 様 々な 自 然 災 害 が 発 生 し ており 将 来 的 にもこのような 自 然 災 害 の 発 生 は 避 けて 通 れない そこで このような 自 然 災 害 の 影 響 によって 住 宅 ローンを 借 りている 個 人 や 事 業 性 ローン 等 を 借 りている 個 人 事 業 者 の 経 済 的 再 建 を 支 援 するための 一 般 的 枠 組 みが 作 られることとなった 本 運 用 指 針 は 自 然 災 害 による 被 災 者 の 債 務 整 理 に 関 するガイドライン 平 成 27 年 12 月 に 従 って 行 われる 債 務 整 理 において 債 務 者 の 財 産 である 不 動 産 の 評 価 が 必 要 となる 場 合 を 想 定 し 不 動 産 鑑 定 士 が 不 動 産 の 評 価 を 行 う 場 合 に 留 意 すべき 事 項 につ いてとりまとめを 行 ったものである 上 記 の 局 面 においては 被 災 した 債 務 者 の 救 済 が 主 眼 とされるため 簡 易 大 量 迅 速 な 評 価 による 対 応 が 必 要 となる したがって 以 下 に 記 載 するように 本 運 用 指 針 は 不 動 産 鑑 定 評 価 基 準 に 則 らな い 価 格 調 査 を 行 うことを 主 として 想 定 したものとなっている 本 運 用 指 針 を 参 考 に 調 査 の 手 順 や 鑑 定 評 価 手 法 を 省 略 した 評 価 は 不 動 産 鑑 定 評 価 基 準 に 則 った 手 順 や 手 法 により 価 格 を 判 断 する 場 合 と 比 較 して 精 度 が 劣 ることとな る 一 方 で 債 務 免 除 に 応 じる 債 権 者 への 説 得 力 が 求 められることも 十 分 に 認 識 したう えで 本 件 依 頼 目 的 に 特 有 の 要 請 から 手 法 等 の 省 略 を 行 うことについて 依 頼 者 に 十 分 に 説 明 し さらに 以 下 に 記 載 する 事 項 に 留 意 して 対 応 することが 必 要 である Ⅰ. 本 運 用 指 針 が 対 象 とする 債 務 整 理 自 然 災 害 による 被 災 者 の 債 務 整 理 に 関 するガイドライン 平 成 27 年 12 月 自 然 災 害 による 被 災 者 の 債 務 整 理 に 関 するガイドライン 研 究 会 ( 以 下 本 ガイドライン という )に 基 づく 債 務 整 理 を 対 象 とする 具 体 的 には 本 ガイドラインに 基 づき 一 般 社 団 法 人 全 国 銀 行 協 会 ( 以 下 全 銀 協 という )から 委 嘱 を 受 けた 不 動 産 鑑 定 士 が 行 う 対 象 債 務 者 が 所 有 する 不 動 産 の 価 格 調 査 が 対 象 となる Ⅱ. 自 然 災 害 による 被 災 者 の 債 務 整 理 に 関 するガイドライン の 概 要 1 目 的 債 務 整 理 の 準 則 本 ガイドラインは 平 成 27 年 9 月 2 日 後 に 災 害 救 助 法 ( 昭 和 22 年 法 律 第 118 号 )の 適 用 を 受 けた 自 然 災 害 の 影 響 を 受 けたことによって 住 宅 ローン 等 の 既 往 債 1

務 を 弁 済 できなくなった 個 人 債 務 者 を 破 産 手 続 き 等 の 法 的 倒 産 手 続 によらずに 債 権 者 と 債 務 者 の 合 意 に 基 づき 債 務 の 全 部 又 は 一 部 を 減 免 することを 内 容 とする 債 務 整 理 を 公 正 かつ 迅 速 に 行 うための 準 則 を 定 めることにより 債 務 者 の 債 務 整 理 を 円 滑 に 進 め 債 務 者 の 自 助 努 力 による 生 活 や 事 業 の 再 建 を 支 援 し ひいては 被 災 地 域 の 復 興 再 活 性 化 に 資 することを 目 的 としている 本 ガイドラインには 法 的 拘 束 力 はない( 注 )ものの 金 融 機 関 等 である 対 象 債 権 者 債 務 者 並 びにその 他 の 利 害 関 係 人 によって 自 発 的 に 尊 重 され 遵 守 されることが 期 待 されている ( 注 ) 東 日 本 大 震 災 により 被 災 を 受 けた 個 人 や 個 人 事 業 主 を 対 象 とした 個 人 債 務 者 の 私 的 整 理 に 関 するガイドラインでは その 実 行 を 含 め 利 害 関 係 者 が 自 発 的 に 遵 守 する 仕 組 みとなっていた 今 回 は 本 ガイドラインそのものには 法 的 拘 束 力 はないが 特 定 調 停 制 度 を 利 用 することにより 合 意 内 容 に 法 的 拘 束 力 を 持 たせる 仕 組 みをもっている 2 対 象 となりうる 債 務 者 および 債 権 者 (1) 債 務 者 住 居 勤 務 先 等 の 生 活 基 盤 や 事 業 所 事 業 設 備 取 引 先 等 の 事 業 基 盤 などが 災 害 の 影 響 を 受 けたことによって 住 宅 ローン 住 宅 のリフォームローンや 事 業 性 ロー ンその 他 の 既 往 債 務 を 弁 済 することができないこと 又 は 近 い 将 来 において 既 往 債 務 を 弁 済 できなくなることが 確 実 と 見 込 まれる 個 人 が 対 象 となる 事 業 者 の 場 合 に は その 事 業 に 価 値 があり 再 建 の 可 能 性 があることが 適 用 の 条 件 となる (2) 債 権 者 金 融 機 関 等 ( 銀 行 信 用 金 庫 信 用 組 合 労 働 金 庫 農 業 協 同 組 合 漁 業 協 同 組 合 政 府 系 金 融 機 関 貸 金 業 者 リース 会 社 クレジット 会 社 及 び 債 権 回 収 会 社 並 びに 信 用 保 証 協 会 農 業 信 用 基 金 協 会 等 及 びその 他 の 保 証 会 社 )であるが 本 ガイ ドラインに 基 づく 債 務 整 理 を 行 う 上 で 必 要 なときは その 他 の 債 権 者 を 含 む 3 登 録 支 援 専 門 家 の 登 録 本 ガイドラインに 基 づく 手 続 を 実 施 するための 第 三 者 機 関 は 設 立 されないが 債 務 整 理 を 円 滑 に 実 施 するための 手 続 きを 支 援 する 者 として 弁 護 士 公 認 会 計 士 税 理 士 及 び 不 動 産 鑑 定 士 の 各 専 門 家 の 登 録 を 行 うこととされている 専 門 家 の 登 録 は 1 日 本 弁 護 士 連 合 会 及 び 弁 護 士 会 2 日 本 公 認 会 計 士 協 会 及 び 各 地 域 会 3 日 本 税 理 士 会 連 合 会 及 び 各 税 理 士 会 4 公 益 社 団 法 人 日 本 不 動 産 鑑 定 士 協 会 連 合 会 及 び 各 不 動 産 鑑 定 士 協 会 で 行 うものとされており 各 団 体 は 各 団 体 の 内 部 規 定 に 従 って 支 援 専 門 家 登 録 簿 を 作 成 して 公 衆 の 縦 覧 に 供 されることとなる 日 本 弁 護 士 連 合 会 日 本 公 認 会 計 士 協 会 日 本 税 理 士 会 連 合 会 及 び 公 益 社 団 法 人 日 本 不 動 産 鑑 定 士 協 会 連 合 会 は 支 援 専 門 家 登 録 簿 を 全 銀 協 に 提 出 することになっ 2

ており 全 銀 協 が 本 ガイドライン 実 施 のための 事 務 局 としての 役 割 を 果 たすことと なる 4 登 録 支 援 専 門 家 の 委 嘱 債 務 整 理 の 申 し 出 を 行 おうとする 債 務 者 ( 以 下 対 象 債 務 者 という )は 対 象 債 権 者 のうち 元 金 総 額 が 最 大 の 債 権 者 に 対 して 本 ガイドラインに 基 づく 手 続 き に 着 手 することを 申 し 出 て 同 意 書 面 を 取 り 付 ける 対 象 債 務 者 は 前 記 3 に 掲 げる 専 門 家 の 各 団 体 を 通 じて 全 銀 協 に 対 して 同 意 書 面 を 添 付 して 登 録 支 援 専 門 家 を 委 嘱 することを 依 頼 する 全 銀 協 は 各 団 体 の 推 薦 を 踏 まえて 登 録 支 援 専 門 家 の 委 嘱 を 行 う 5 債 務 整 理 の 開 始 等 対 象 債 務 者 は 全 ての 対 象 債 権 者 に 対 して 本 ガイドラインに 基 づく 債 務 整 理 を 書 面 により 同 一 の 日 に 申 し 出 る また 全 ての 対 象 債 権 者 に 対 して 財 産 目 録 債 権 者 一 覧 表 等 必 要 な 書 類 を 提 出 する なお この 申 し 出 及 び 必 要 書 類 の 提 出 は 登 録 支 援 専 門 家 を 経 由 して 行 うこと ができる 6 一 時 停 止 一 時 停 止 とは 債 務 整 理 開 始 後 対 象 債 権 者 間 の 平 等 を 害 する 行 為 を 禁 止 するため の 措 置 である 対 象 債 務 者 は 全 ての 対 象 債 権 者 の 同 意 なく 新 たな 債 務 を 負 担 したり 資 産 を 処 分 したり 一 部 の 対 象 債 権 者 のみに 債 務 を 弁 済 したり あるいは 担 保 提 供 したりし てはならない また 対 象 債 権 者 は 与 信 残 高 を 維 持 し 対 象 債 務 者 に 対 する 相 対 的 地 位 の 改 善 を してはならず 担 保 権 の 実 行 手 続 もしてはならない なお 一 時 停 止 の 期 間 は 前 項 の 債 務 整 理 の 申 し 出 があった 時 点 から 本 ガイドラ インに 基 づき 債 務 整 理 が 終 了 した 日 までとされている 7 調 停 条 項 案 の 作 成 及 び 提 出 対 象 債 務 者 は 調 停 条 項 案 を 作 成 の 上 登 録 支 援 専 門 家 を 経 由 して 全 ての 対 象 債 権 者 に 提 出 する 必 要 があるが 登 録 支 援 専 門 家 の 支 援 を 受 けて 調 停 条 項 案 の 提 出 前 に 対 象 債 権 者 等 との 事 前 協 議 を 行 い 対 象 債 権 者 から 調 停 条 項 案 への 理 解 を 得 る よう 努 めなければならない また 調 停 条 項 案 は 破 産 手 続 きによる 回 収 の 見 込 みと 同 等 以 上 の 回 収 を 得 られ る 見 込 みがあるなど 対 象 債 権 者 にとって 経 済 的 な 合 理 性 が 期 待 できる 内 容 としな ければならない 3

1 非 事 業 主 ( 住 宅 ローン 債 務 者 等 ) 及 び2に 該 当 しない 個 人 事 業 主 以 下 の 事 項 を 含 む 調 停 条 項 案 を 作 成 する a 債 務 の 弁 済 ができなくなった 理 由 b 財 産 の 状 況 ( 財 産 の 評 定 は 原 則 として 財 産 を 処 分 するものとして 行 う ) c 債 務 弁 済 計 画 ( 原 則 5 年 以 内 ) d 資 産 の 換 価 処 分 の 方 針 e 対 象 債 権 者 に 対 して 債 務 の 減 免 期 限 の 猶 予 その 他 の 権 利 の 変 更 を 要 請 する 場 合 はその 内 容 2 事 業 から 生 じる 将 来 の 収 益 による 弁 済 により 事 業 の 再 建 継 続 を 図 ろうとす る 個 人 事 業 主 調 停 条 項 案 に 前 記 1の 各 事 項 に 加 え 事 業 計 画 (ア 事 業 見 通 し イ 収 支 計 画 ウ 災 害 発 生 前 から 既 に 事 業 利 益 が 赤 字 であったときは 赤 字 の 原 因 とその 解 消 の 方 策 を 記 載 するとともに 調 停 成 立 後 おおむね5 年 以 内 を 目 途 に 黒 字 に 転 換 する 内 容 とする)を 含 める 8 特 定 調 停 の 申 立 て 本 ガイドラインに 基 づく 債 務 整 理 に 当 たっては 特 定 調 停 手 続 きを 利 用 すること としている 全 ての 対 象 債 権 者 から 調 停 条 項 案 に 同 意 あるいは 同 意 の 見 込 みを 得 た 対 象 債 務 者 は 簡 易 裁 判 所 に 対 し 特 定 債 務 等 の 調 整 の 促 進 のための 特 定 調 停 に 関 する 法 律 第 3 条 第 1 項 に 基 づき 特 定 債 務 等 の 調 整 に 係 る 調 停 の 申 し 立 てを 行 う 9 債 務 者 の 信 用 情 報 対 象 債 権 者 は 対 象 債 務 者 が 債 務 整 理 を 行 った 事 実 その 他 の 債 務 整 理 に 関 する 情 報 ( 代 位 弁 済 に 関 する 情 報 を 含 む )を 信 用 情 報 登 録 機 関 に 報 告 登 録 しないこ ととする 自 然 災 害 による 被 災 者 の 債 務 整 理 に 関 するガイドライン 自 然 災 害 による 被 災 者 の 債 務 整 理 に 関 するガイドライン 研 究 会 ( 平 成 27 年 12 月 )を 基 に 作 成 4

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Ⅲ. 不 動 産 評 価 が 必 要 となる 局 面 1. 調 停 条 項 案 作 成 のための 財 産 の 評 定 対 象 債 務 者 は 調 停 条 項 案 を 作 成 する 際 に 財 産 の 評 定 を 行 う 必 要 がある この 財 産 の 評 定 は 主 として 破 産 の 場 合 の 回 収 見 込 みを 評 定 し 調 停 条 項 案 による 弁 済 との 比 較 を 行 うために 行 われるものであり 原 則 として 債 務 整 理 の 申 出 時 点 の 対 象 債 務 者 の 財 産 ( 破 産 手 続 において 自 由 財 産 とされるものを 除 く )について 当 該 財 産 を 処 分 するものとして 評 価 を 行 うこととされている この 財 産 に 不 動 産 が 含 まれる 場 合 当 該 不 動 産 について 不 動 産 鑑 定 士 に 評 価 が 求 められる この 場 合 の 評 価 は 本 ガイドラインを 運 用 する 全 銀 協 が 国 庫 の 費 用 をもって あら かじめ 登 録 を 受 けた 不 動 産 鑑 定 士 に 登 録 支 援 専 門 家 としての 業 務 を 委 嘱 し その 一 環 として 実 施 されるものであり 簡 易 大 量 迅 速 な 評 価 に 対 応 する 公 的 必 要 が 認 めら れ 本 運 用 指 針 が 適 用 される 一 方 本 ガイドラインに 基 づかず 対 象 債 務 者 あるいは 対 象 債 務 者 の 申 し 出 代 理 人 弁 護 士 から 依 頼 を 受 けた 場 合 には 対 象 債 務 者 サイドの 何 らかの 特 別 な 必 要 性 があっ て 評 価 が 求 められるものであり 本 ガイドラインに 基 づく 依 頼 ではないため 本 運 用 指 針 が 適 用 される 場 面 ではなく 不 動 産 鑑 定 評 価 基 準 に 則 った 鑑 定 評 価 もしくは 不 動 産 鑑 定 評 価 基 準 に 則 らない 価 格 調 査 として 価 格 等 調 査 ガイドラインに 従 った 価 格 調 査 を 行 う 必 要 がある 2. 処 分 換 価 の 代 わりの 公 正 な 価 額 の 評 価 対 象 債 務 者 は 財 産 を 処 分 換 価 しない 代 わりに 公 正 な 価 額 に 相 当 する 額 を 弁 済 7

することによりその 財 産 を 手 許 に 残 すことができ この 場 合 に 公 正 な 価 額 の 評 価 を 求 められる 場 合 もありうる 公 正 な 価 額 とは 適 切 な 基 準 日 を 設 定 して 財 産 を 処 分 するものとして 評 価 す ることになるが 前 記 1.の 調 停 条 項 案 作 成 のための 財 産 の 評 定 時 と 価 格 時 点 や 地 域 の 状 況 が 異 ならない 限 り 同 じ 価 額 になるものと 考 えられ 不 動 産 鑑 定 士 に 再 評 価 が 求 められる 場 合 は 少 ないと 思 われる 全 銀 協 が 関 係 当 事 者 の 合 意 形 成 のために 必 要 性 を 認 めて 再 評 価 を 依 頼 してきた 場 合 には 本 運 用 指 針 が 適 用 される Ⅳ. 不 動 産 評 価 の 方 法 及 び 留 意 点 1. 評 価 の 位 置 づけ 基 本 的 には 不 動 産 鑑 定 評 価 基 準 に 則 った 鑑 定 評 価 を 行 うことが 望 ましいが 本 ガ イドラインに 基 づく 債 務 整 理 の 在 り 方 を 踏 まえ 不 動 産 鑑 定 評 価 基 準 に 則 らない 価 格 調 査 を 行 うことができる 不 動 産 鑑 定 評 価 基 準 に 則 らない 価 格 調 査 を 行 う 場 合 の 価 格 等 調 査 ガイドラインの Ⅰ.4. 不 動 産 鑑 定 評 価 基 準 に 則 った 鑑 定 評 価 と 則 らない 価 格 等 調 査 の 峻 別 等 に ついては 本 運 用 指 針 に 従 うことにより 以 下 に 該 当 する 5その 他 Ⅱ.1. 依 頼 目 的 利 用 者 の 範 囲 等 等 を 勘 案 して 不 動 産 鑑 定 評 価 基 準 に 則 らないことに 合 理 的 な 理 由 がある 場 合 本 運 用 指 針 に 従 った 評 価 について 上 記 5に 記 載 される 合 理 的 な 理 由 があると 認 められる 理 由 は 本 運 用 指 針 が 対 象 とする 自 然 災 害 による 被 災 者 の 債 務 整 理 に 関 するガイドライン が 災 害 救 助 法 の 適 用 を 受 けた 自 然 災 害 の 影 響 を 受 けたことによ って 住 宅 ローンや 事 業 性 ローン 等 の 既 往 債 務 を 弁 済 できなくなった 個 人 債 務 者 の 債 務 整 理 により 債 務 免 除 等 を 行 うことによって 債 務 者 の 自 助 努 力 による 生 活 や 事 業 の 再 建 を 支 援 するための 施 策 としてとりまとめられたものであることを 踏 まえ 当 該 制 度 の 趣 旨 に 基 づく 特 別 な 対 応 を 行 う 必 要 があることによる 本 ガイドラインは 災 害 救 助 法 の 適 用 を 受 けた 自 然 災 害 の 被 災 者 を 支 援 するために 作 成 されたものであり 関 係 者 に 対 して 公 正 かつ 迅 速 な 対 応 を 行 うことを 前 提 として いる 公 正 な 対 応 を 行 うためには 求 める 価 格 への 説 得 力 の 重 要 度 に 鑑 み 不 動 産 の 評 価 に 関 しては その 専 門 家 である 不 動 産 鑑 定 士 が 対 応 する 必 要 がある 一 方 本 ガイ ドラインに 基 づき 短 期 間 に 大 量 迅 速 な 評 価 に 対 応 するためには 不 動 産 鑑 定 評 価 基 準 が 要 請 する 手 順 等 の 一 部 を 省 略 することもやむを 得 ないものと 判 断 する このような 背 景 から 本 運 用 指 針 は Ⅲ.1 2 に 記 載 した 債 務 整 理 のみを 対 象 とし たものであり 他 の 倒 産 手 続 に 係 る 不 動 産 の 評 価 にただちに 適 用 することがないよう に 留 意 する 必 要 がある 8

2. 依 頼 者 本 ガイドラインに 基 づき 不 動 産 の 評 価 が 求 められるのは 対 象 債 務 者 のために 登 録 支 援 専 門 家 が 作 成 を 支 援 する 調 停 条 項 案 に 債 務 整 理 の 申 し 出 時 の 財 産 の 状 況 として 財 産 の 価 額 を 記 載 するために 財 産 を 処 分 するものとして 評 価 する 場 合 であり その 後 の 債 務 整 理 の 進 捗 状 況 により 再 評 価 を 行 う 場 合 を 含 む 全 銀 協 は 登 録 支 援 専 門 家 に 対 して 登 録 支 援 専 門 家 として 行 う 業 務 を 委 嘱 し そ の 報 酬 を 支 払 う 主 体 となるが 個 々の 不 動 産 の 価 格 調 査 業 務 の 依 頼 者 は 対 象 債 務 者 ( 例 外 的 に 対 象 債 権 者 が 依 頼 者 となることがある )となるのが 原 則 である 不 動 産 の 評 価 に 精 通 していない 対 象 債 務 者 や 対 象 債 権 者 が 依 頼 者 となって 価 格 調 査 業 務 委 託 契 約 を 締 結 することとなることから 初 回 委 嘱 登 録 支 援 専 門 家 に 契 約 内 容 の 確 認 を 求 めるべきである なお 価 格 調 査 業 務 を 受 託 する 不 動 産 鑑 定 士 は 全 銀 協 から 対 象 債 務 者 が 所 有 する 不 動 産 の 価 格 を 調 査 することを 委 嘱 業 務 として 明 示 され 追 加 委 嘱 を 受 けて 登 録 支 援 専 門 家 となる 3. 評 価 対 象 となる 不 動 産 債 務 整 理 の 申 し 出 時 点 において 対 象 債 務 者 が 所 有 する 全 ての 財 産 ( 破 産 手 続 きにお いて 自 由 財 産 とされるものを 除 く )が 評 価 の 対 象 となるため 災 害 救 助 法 の 適 用 を 受 けた 被 災 地 域 に 存 する 不 動 産 に 限 らず 被 災 地 域 以 外 に 存 する 不 動 産 も 本 ガイドラ インに 基 づく 評 価 の 対 象 となる 4. 求 める 価 格 の 種 類 不 動 産 鑑 定 評 価 基 準 に 則 らない 価 格 調 査 を 行 う 場 合 は 不 動 産 鑑 定 評 価 基 準 で 定 め る 価 格 の 種 類 は 用 いず 調 査 価 格 または 意 見 価 格 ( 以 下 調 査 価 格 という ) とし 価 格 を 求 める 方 法 について 成 果 報 告 書 に 記 載 する また 当 該 調 査 価 格 は 基 本 的 に 本 ガイドラインが 求 める 処 分 するものとしての 価 格 ( 早 期 売 却 を 前 提 とした 価 格 )を 求 めるものとなるため 当 該 価 格 の 性 格 につい て 調 査 価 格 の 説 明 として 記 載 する 公 正 な 価 額 として 表 記 されている 局 面 においても 不 動 産 鑑 定 士 が 求 める 価 格 の 性 格 は 同 じであり 処 分 するものとしての 価 格 を 求 めることに 留 意 する 5. 価 格 時 点 ( 価 格 調 査 の 時 点 ) 本 ガイドラインの 運 営 上 対 象 債 務 者 からの 債 務 整 理 の 申 し 出 時 を 価 格 時 点 とする こととしている ただし 関 係 者 の 合 意 形 成 の 必 要 性 から 対 象 債 務 者 あるいは 初 回 委 嘱 登 録 支 援 専 門 家 ( 以 下 対 象 債 務 者 等 という )が 全 銀 協 及 び 対 象 債 権 者 の 同 意 を 得 て 価 格 時 点 を 別 途 定 めることもありうると 思 われるので この 場 合 にはその 9

指 示 に 従 うものとする 6. 被 災 地 域 内 に 存 する 不 動 産 の 評 価 について (1) 対 象 不 動 産 の 確 定 及 び 確 認 本 運 用 指 針 に 基 づき 不 動 産 鑑 定 評 価 基 準 に 則 らない 価 格 調 査 を 行 う 場 合 は 対 象 債 務 者 等 から 以 下 に 例 示 される 対 象 不 動 産 の 確 定 に 必 要 な 資 料 の 提 供 を 受 けるものと し 当 該 資 料 に 基 づく 価 格 調 査 であることを 成 果 報 告 書 に 記 載 する [ 価 格 調 査 に 必 要 な 対 象 不 動 産 に 係 る 資 料 等 ] 1 対 象 不 動 産 が 更 地 である 場 合 対 象 不 動 産 の 場 所 を 示 す 地 図 登 記 事 項 証 明 書 不 動 産 登 記 法 14 条 地 図 公 図 固 定 資 産 評 価 証 明 書 罹 災 証 明 書 価 格 調 査 の 依 頼 書 2 対 象 不 動 産 が 建 物 及 びその 敷 地 である 場 合 1に 加 えて 建 物 の 登 記 事 項 証 明 書 建 物 の 固 定 資 産 評 価 証 明 書 建 物 図 面 事 業 用 不 動 産 である 場 合 は 対 象 債 務 者 が 作 成 する 事 業 計 画 賃 貸 用 不 動 産 である 場 合 は 現 在 の 賃 貸 借 内 容 及 び 費 用 がわかる 資 料 3 対 象 不 動 産 が 区 分 所 有 建 物 及 びその 敷 地 である 場 合 1に 加 えて 建 物 の 登 記 事 項 証 明 書 建 物 の 固 定 資 産 評 価 証 明 書 建 物 図 面 管 理 規 約 ア. 物 的 確 定 及 び 確 認 にあたっての 留 意 点 上 記 の 資 料 に 基 づき 現 地 にて 対 象 不 動 産 の 確 認 を 行 う 現 地 確 認 により 上 記 確 定 資 料 と 異 なることが 判 明 した 場 合 は 対 象 債 務 者 等 に 確 認 を 行 い 新 たな 資 料 の 提 出 を 受 けるか 対 応 について 協 議 し 対 象 債 務 者 等 からの 指 示 による 旨 ( 基 準 に 則 らない 調 査 範 囲 等 条 件 の 設 定 )について 成 果 報 告 書 に 記 載 する 10

現 地 調 査 を 行 うことができない 不 動 産 あるいは 現 地 調 査 を 行 わない 不 動 産 の 評 価 は そのような 前 提 での 評 価 を 行 うことについて 利 害 関 係 を 有 する 関 係 当 事 者 全 員 の 合 意 を 得 ることは 難 しいと 考 えられ 当 面 依 頼 がないものと 考 えられる しか し 利 害 関 係 を 有 する 関 係 者 全 員 の 合 意 を 得 たことを 全 銀 協 対 象 債 務 者 等 が 確 認 したうえで 評 価 を 求 められた 場 合 以 下 に 例 示 される 必 要 事 項 についての 確 認 を 行 い 当 該 前 提 に 基 づく 評 価 ( 基 準 に 則 らない 調 査 範 囲 等 条 件 を 設 定 )であることを 成 果 報 告 書 に 記 載 する 対 象 不 動 産 の 確 定 は 登 記 事 項 証 明 書 公 図 建 物 図 面 あるいは 対 象 債 務 者 等 の 提 示 する 確 定 資 料 によるものであること 対 象 不 動 産 の 被 災 状 況 を 含 めた 現 状 の 確 認 ができないため 公 的 資 料 等 による 被 災 資 料 に 基 づくものであること あるいは 対 象 債 務 者 等 の 提 示 する 前 提 条 件 に 基 づくものであること イ. 権 利 の 態 様 の 確 定 及 び 確 認 にあたっての 留 意 点 不 動 産 鑑 定 評 価 基 準 に 則 らない 価 格 調 査 を 行 う 場 合 は 対 象 不 動 産 の 種 別 及 び 類 型 に 応 じ 評 価 に 必 要 な 資 料 として 対 象 債 務 者 等 から 提 示 される 登 記 事 項 証 明 書 各 種 契 約 書 等 により 対 象 不 動 産 の 権 利 の 確 定 及 び 確 認 を 行 うことができる (2) 地 域 要 因 又 は 個 別 的 要 因 についての 想 定 上 の 条 件 等 不 動 産 鑑 定 評 価 基 準 に 則 らない 価 格 調 査 を 行 う 場 合 は 対 象 債 務 者 等 の 同 意 のもと に 想 定 上 の 条 件 又 は 調 査 範 囲 等 条 件 を 設 定 することができる ただし 被 災 地 にお ける 復 興 計 画 等 については 当 該 計 画 等 を 想 定 上 の 条 件 として 設 定 するか 否 かによっ て 価 格 が 大 きく 異 なることが 予 測 される したがって 本 運 用 指 針 が 対 象 とする 価 格 調 査 においては 想 定 上 の 条 件 のうち 復 興 計 画 等 については 原 則 として 不 動 産 鑑 定 評 価 基 準 に 則 った 鑑 定 評 価 と 同 様 に 実 現 性 合 法 性 鑑 定 評 価 書 の 利 用 者 の 利 益 を 害 するおそれがないか 等 の 観 点 から 妥 当 なものであるか 否 かの 判 断 を 行 い 妥 当 な 場 合 に 限 り 想 定 上 の 条 件 として 設 定 する ことを 可 能 とする なお 本 運 用 指 針 に 記 載 があるように 復 興 計 画 等 については 価 格 時 点 において の 状 況 の 確 認 を 行 い 価 格 形 成 要 因 として 考 慮 するのか 上 記 判 断 に 基 づき 想 定 上 の 条 件 とするのか 合 理 的 推 定 を 行 うのか 考 慮 しないものとするのか 等 その 策 定 段 階 及 び 実 現 性 を 踏 まえて 判 断 する 必 要 がある (3) 価 格 形 成 要 因 についての 調 査 価 格 調 査 にあたっては 必 要 な 価 格 形 成 要 因 についての 調 査 の 全 てを 行 うことを 原 則 とするが 不 動 産 鑑 定 評 価 基 準 に 則 らない 価 格 調 査 を 行 う 場 合 は 土 壌 汚 染 調 査 や 放 射 能 の 影 響 等 調 査 の 一 部 について 省 略 ( 基 準 に 則 らない 調 査 範 囲 等 条 件 を 設 定 )す 11

ることができる 調 査 を 省 略 した 価 格 形 成 要 因 については その 旨 を 成 果 報 告 書 に 記 載 する (4) 価 格 を 求 める 評 価 手 法 本 運 用 指 針 に 基 づく 不 動 産 鑑 定 評 価 基 準 に 則 らない 価 格 調 査 においては 原 則 とし て 以 下 に 記 載 する 簡 略 化 された 方 法 の 適 用 も 可 能 とするが 対 象 不 動 産 の 総 額 類 型 用 途 等 に 応 じ 簡 略 化 された 方 法 では 価 格 についての 説 明 力 や 説 得 力 が 相 当 程 度 劣 る と 判 断 される 場 合 は 鑑 定 評 価 手 法 の 適 用 により 価 格 を 求 めるか 当 該 手 法 と 簡 略 化 された 方 法 を 併 用 し 価 格 を 求 めることが 望 ましい ア. 更 地 の 評 価 不 動 産 鑑 定 評 価 基 準 に 則 らない 価 格 調 査 を 行 う 場 合 においては 少 なくとも 土 地 価 格 については 地 価 公 示 価 格 からの 規 準 あるいは 地 価 調 査 価 格 からの 比 準 を 行 い これらにより 価 格 を 決 定 することもできる 標 準 地 等 と 比 較 して 地 域 要 因 等 の 格 差 が 大 きい 場 合 は 固 定 資 産 税 標 準 宅 地 との 比 準 や 相 続 税 路 線 価 の 活 用 等 他 の 価 格 指 標 を 活 用 することにより 検 証 を 行 うことが 望 ましい 1 被 災 前 の 地 価 公 示 価 格 等 ( 地 価 調 査 価 格 を 含 む)を 用 いる 場 合 被 災 前 の 地 価 公 示 価 格 等 からの 規 準 等 を 行 う 場 合 は 被 災 前 の 価 格 変 動 率 と 被 災 後 の 価 格 変 動 率 を 把 握 する 必 要 がある この 価 格 変 動 は 標 準 地 等 及 び 対 象 地 の 被 災 状 況 や 復 旧 復 興 状 況 によって 大 きく 異 なり 被 災 を 所 与 として 適 切 な 時 点 修 正 率 や 地 域 要 因 の 比 較 を 行 うことは 一 般 に 困 難 である したがって 時 点 修 正 は 被 災 前 の 市 場 動 向 等 を 前 提 とした 時 点 修 正 率 により 求 め 地 域 要 因 の 比 較 も 被 災 前 の 状 況 を 前 提 に 行 い 被 災 による 価 格 形 成 要 因 は 被 災 地 域 格 差 修 正 に おいて あるいは 個 別 的 要 因 の 比 較 において 反 映 させることが 望 ましい この 場 合 の 時 点 修 正 率 の 判 断 にあたっては 同 一 需 給 圏 内 の 被 災 前 の 価 格 変 動 率 や 被 災 により 大 きな 被 害 をうけていない 土 地 の 価 格 変 動 率 を 参 考 とするこ とができる 被 災 地 域 格 差 修 正 において 反 映 させる 被 災 格 差 率 は 地 域 要 因 の 比 較 において 反 映 することもできるが 近 隣 地 域 の 標 準 的 画 地 と 比 較 し 対 象 地 について 個 別 的 要 因 に 基 づく 格 差 が 認 められる 場 合 には 個 別 的 要 因 の 比 較 において 当 該 格 差 を 反 映 させる 必 要 があることに 留 意 する 被 災 地 域 格 差 修 正 の 判 断 にあたっては 相 続 税 路 線 価 の 調 整 率 が 公 表 されたよ うな 場 合 には これを 参 考 に 求 めることもできる 2 被 災 後 の 地 価 公 示 価 格 等 ( 地 価 調 査 価 格 を 含 む)を 用 いる 場 合 被 災 後 の 地 価 公 示 価 格 等 から 規 準 等 を 行 う 場 合 は 1 月 1 日 または 7 月 1 日 か 12

ら 価 格 時 点 までの 価 格 変 動 について 被 災 後 の 価 格 変 動 率 から 時 点 修 正 率 を 判 断 する 市 場 における 価 格 変 動 率 が 把 握 できない 場 合 は 標 準 地 等 の 1 月 1 日 時 点 また は 7 月 1 日 時 点 における 被 災 状 況 及 び 復 興 状 況 を 前 提 とした 被 災 格 差 率 や 価 格 時 点 の 被 災 格 差 率 などを 参 考 として 適 用 する 時 点 修 正 率 を 判 断 することが 必 要 と なる 被 災 状 況 復 旧 復 興 状 況 の 相 違 は 地 域 要 因 の 比 較 や 個 別 的 要 因 の 比 較 にお いて 反 映 させる 東 日 本 大 震 災 を 例 とした 場 合 のイメージ 価 格 変 動 のイメージ 図 被 災 がなかった 場 合 の 価 格 推 移 被 災 時 H23.7.1 復 旧 時 H22.7.1 被 災 格 差 率 被 災 後 の 価 格 推 移 イ. 建 物 及 びその 敷 地 の 評 価 1 自 用 の 建 物 及 びその 敷 地 a. 居 住 用 途 の 場 合 等 (1)により 求 めた 土 地 の 価 格 に 建 物 の 価 格 を 加 算 して 建 物 及 びその 敷 地 の 価 格 を 求 める 再 調 達 原 価 の 査 定 にあたっては 被 災 後 においては 建 築 資 材 等 の 上 昇 がみられる 場 合 もあるため その 動 向 に 注 意 する 必 要 がある 建 物 等 の 減 価 修 正 にあたっては 被 災 によって 建 物 等 が 損 傷 している 場 合 には 被 災 がなかったであろう 場 合 に 発 生 していたと 判 断 される 減 価 に 被 災 による 損 傷 に 係 る 修 繕 費 相 当 額 を 加 算 した 額 を 減 価 修 正 の 対 象 とする 建 物 が 存 在 しているが 全 壊 あるいは 半 壊 の 状 況 にあり 取 壊 すことが 最 有 効 使 用 と 判 断 される 場 合 においては 更 地 価 格 から 取 壊 し 費 用 を 控 除 するこ とにより 価 格 を 求 める ただし 取 壊 し 費 用 については 地 方 公 共 団 体 等 から 補 助 金 が 交 付 される 場 合 があるため その 範 囲 について 確 認 が 必 要 である 所 有 者 に 発 生 しない 取 壊 し 費 用 の 負 担 については 取 壊 し 費 用 の 査 定 において 考 慮 する b. 事 業 の 用 に 供 する 不 動 産 の 場 合 対 象 不 動 産 が 賃 貸 以 外 の 事 業 の 用 に 供 する 不 動 産 の 場 合 は その 利 用 形 態 に 13

応 じて 求 める 価 格 に 対 する 説 得 力 の 観 点 から a.の 方 法 に 加 えて 収 益 還 元 法 を 必 要 に 応 じて 適 用 する 収 益 還 元 法 の 適 用 にあたっては 将 来 の 事 業 収 支 について 予 測 することが 必 要 となるが 本 ガイドラインに 基 づく 債 務 整 理 においては 対 象 債 務 者 は 登 録 支 援 専 門 家 の 支 援 を 受 けて 事 業 計 画 の 策 定 を 行 うため 価 格 調 査 に 必 要 な 資 料 として 当 該 事 業 計 画 の 提 供 をうけ 参 考 とすることができる ただし 事 業 計 画 の 作 成 と 不 動 産 の 評 価 が 並 行 して 進 められることも 想 定 され 適 宜 情 報 提 供 を 受 けることが 必 要 となる また 事 業 計 画 は 対 象 債 務 者 が 登 録 支 援 専 門 家 の 支 援 を 受 けて 作 成 するものであり 公 正 な 評 価 を 行 う 不 動 産 鑑 定 士 としての 立 場 からの 検 証 が 必 要 である この 検 証 にあたっては 個 人 事 業 者 の 債 務 の 状 況 について 理 解 することが 必 要 であり 必 要 に 応 じ 事 業 計 画 を 作 成 した 登 録 支 援 専 門 家 等 から 説 明 をうける 必 要 がある なお 借 入 金 返 済 額 は 不 動 産 の 純 収 益 を 求 める 費 用 (あるいは 支 出 )には 含 まれないため 事 業 計 画 に 借 入 金 返 済 額 が 含 まれている 場 合 は 当 該 項 目 を 除 く 必 要 がある 建 物 を 取 壊 すことが 最 有 効 使 用 と 判 断 される 場 合 の 留 意 点 についてはa.と 同 様 である 2 貸 家 及 びその 敷 地 対 象 不 動 産 が 貸 家 及 びその 敷 地 の 場 合 は 求 める 価 格 に 対 する 説 得 力 の 観 点 か ら a.の 方 法 に 加 えて 収 益 還 元 法 を 適 用 することを 原 則 とする 収 益 還 元 法 の 適 用 にあたっては 対 象 債 務 者 等 から 現 在 の 賃 貸 借 の 状 況 及 び 費 用 に 係 る 資 料 を 受 領 し 当 該 資 料 を 参 考 とするか 周 辺 の 類 似 の 不 動 産 に 係 る 賃 料 等 を 参 考 に 収 益 及 び 費 用 の 予 測 を 行 い 査 定 する なお 事 業 用 不 動 産 に 該 当 する 場 合 には 1b.に 準 じ 賃 借 人 等 の 事 業 計 画 に 十 分 留 意 する 必 要 がある 建 物 を 取 壊 すことが 最 有 効 使 用 と 判 断 される 場 合 の 留 意 点 については1a.と 同 様 である ウ. 区 分 所 有 建 物 及 びその 敷 地 の 評 価 対 象 不 動 産 が 区 分 所 有 建 物 及 びその 敷 地 である 場 合 は 取 引 事 例 比 較 法 の 適 用 に より 価 格 調 査 を 行 うことを 原 則 とする 取 引 事 例 が 被 災 前 のものである 場 合 は 被 災 による 価 格 形 成 要 因 の 変 動 を 地 域 要 因 の 比 較 または 個 別 的 要 因 の 比 較 に 反 映 させることにより 価 格 を 求 める エ. 早 期 売 却 減 価 処 分 するものとしての 価 格 を 求 める 場 合 の 早 期 売 却 減 価 については アからウ 14

の 類 型 に 応 じ 対 象 不 動 産 の 所 在 する 地 域 の 状 況 に 応 じて 適 切 と 判 断 される 減 価 率 を 求 め これを 乗 じることにより 処 分 するものとしての 価 格 を 求 める 求 める 価 格 については 一 般 に 対 象 債 権 者 は 競 売 を 行 った 場 合 との 比 較 を 行 うことに 留 意 する この 場 合 民 事 執 行 法 の 規 定 に 従 い 強 制 的 に 実 施 されることに よる 競 売 不 動 産 特 有 の 各 種 制 約 ( 売 主 の 協 力 が 得 られないことが 常 態 であること 買 受 希 望 者 は 内 覧 制 度 によるほかは 物 件 内 部 の 確 認 が 直 接 できないこと 引 き 渡 し を 受 けるために 法 定 の 手 続 きをとらなければならない 場 合 があること 瑕 疵 担 保 責 任 がないこと 等 ) 等 と 法 的 強 制 によらずに 本 ガイドラインに 基 づき 債 務 整 理 がな される 本 件 の 場 合 との 比 較 検 討 を 十 分 に 行 って 減 価 率 を 求 めることが 必 要 である また 対 象 不 動 産 の 最 有 効 使 用 が 建 物 等 を 取 壊 すことと 判 断 される 場 合 の 建 物 等 の 取 壊 し 費 用 は 早 期 売 却 による 減 価 の 対 象 とならないことにも 留 意 する 必 要 が ある 7. 被 災 地 域 外 に 存 する 不 動 産 の 評 価 について 対 象 債 務 者 が 所 有 する 不 動 産 で 災 害 救 助 法 の 適 用 を 受 ける 被 災 地 域 外 に 存 する ものでも 評 価 の 対 象 とされる 場 合 がある この 場 合 被 災 地 域 内 に 存 する 不 動 産 に 関 する 評 価 とは 異 なり 被 災 不 動 産 等 としての 特 別 な 配 慮 は 不 要 となる しかし この 場 合 にも 破 産 処 理 との 比 較 における 検 討 が 必 要 であることから 処 分 するも のとしての 価 格 を 求 めることになる 但 し 早 期 売 却 による 減 価 率 の 査 定 については 対 象 不 動 産 の 存 する 地 域 の 実 情 に 配 慮 して よりきめの 細 かい 対 応 をする 必 要 がある 8. 成 果 報 告 書 への 記 載 事 項 不 動 産 鑑 定 評 価 基 準 に 則 らない 価 格 調 査 を 行 う 場 合 においては 省 略 した 調 査 事 項 評 価 の 方 法 についての 記 載 が 必 要 である 特 に 鑑 定 評 価 手 法 と 異 なる 方 法 を 採 用 し た 場 合 はその 旨 の 記 載 を 行 う また 以 下 の 事 項 を 調 査 価 格 の 近 傍 など 分 かりやすい 場 所 に 記 載 する 必 要 がある 1) 価 格 調 査 の 手 順 が 不 動 産 鑑 定 評 価 基 準 に 定 める 手 順 と 異 なることから 不 動 産 鑑 定 評 価 基 準 に 則 った 鑑 定 評 価 とは 結 果 が 異 なる 可 能 性 がある 旨 2) 本 価 格 調 査 は 成 果 報 告 書 に 記 載 された 依 頼 目 的 及 び 利 用 者 の 範 囲 で 使 用 されることを 前 提 としたものであり 成 果 報 告 書 に 記 載 された 以 外 の 目 的 での 使 用 及 び 記 載 されていない 者 への 調 査 価 格 又 は 成 果 報 告 書 の 公 表 開 示 提 出 は 想 定 していない 旨 詳 細 については 価 格 等 調 査 ガイドライン 及 び 価 格 等 調 査 ガイドライン の 取 扱 いに 関 する 実 務 指 針 参 照 以 上 15

調 査 研 究 委 員 会 自 然 災 害 の 被 災 地 対 応 鑑 定 評 価 実 務 の 検 討 小 委 員 会 ( 敬 称 略 ) 役 職 氏 名 勤 務 先 名 称 所 属 地 域 小 委 員 長 北 條 誠 一 郎 三 井 不 動 産 東 京 委 員 箕 輪 安 洋 日 本 土 地 建 物 東 京 調 査 研 究 委 員 長 鴇 澤 省 一 日 本 土 地 建 物 東 京 調 査 研 究 副 委 員 長 杉 浦 綾 子 緒 方 不 動 産 鑑 定 事 務 所 東 京 16