膠 原 病 における 漢 方 医 学 治 療 許 志 泉 順 天 堂 大 学 膠 原 病 内 科 2004.7.7
科 学 的 データが 報 告 されてきた 28.8% 漢 方 薬 の 使 用 動 機 患 者 QOLを 高 め 全 人 的 医 療 がで きる 生 活 習 慣 病 等 疾 病 の 進 展 抑 制 に 期 待 医 療 経 済 的 に 見 て 薬 剤 費 用 の 節 減 となる 患 者 から 強 い 要 望 が 出 るように なった 6.2% 21.8% 45.9% 37.1% 使 用 する 医 師 の 数 も 徐 々に 増 え, 現 在 の 医 療 の 中 に 漢 方 薬 を 取 り 入 れ て い る 医 師 は70 %を 越 えている. 日 経 メディカルの2000 年 調 査 より
膠 原 病 における 漢 方 医 学 の 役 割 ステロイド 剤 の 減 量 薬 の 副 作 用 の 予 防 と 軽 減 自 覚 症 状 の 改 善 生 体 内 環 境 のホメオスタシス( 恒 常 性 )の 安 定 免 疫 の 是 正 体 質 の 改 善 長 期 管 理 には 役 に 立 つ
東 洋 医 学 の 独 特 な 見 方? 対 証 治 療 ( 対 症 治 療 ではない 対 病 治 療 ではない) 証 = 体 質 + 個 体 の 病 理 反 応 状 態 + 臨 床 所 見 証 はどう 決 めるか? 証 の 証 拠 を 探 すーー 薬 証 方 証
紅 楼 夢 の 林 黛 玉 水 滸 伝 の 李 逵
個 性 のある 人 と 病 人 体 質 が 異 なる --- ある 体 質 の 病 人 環 境 と 常 に 作 用 している--- 反 応 状 態 がよく 変 わる 病 気 にかかる 前 の 人 --- 未 病 の 状 態 心 身 一 如 個 の 医 療 体 系 流 動 性 を 認 識 する 医 療 体 系 外 環 境 内 環 境
Lock and key
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東 洋 医 学 の 証 : 一 つ 一 つの 時 間 の 断 面 における 状 態 黄 色 系 緑 色 系 赤 色 系 未 病 発 症 経 過 時 間 軸
柴 苓 湯 とステロイド 剤 の 減 量 や 離 脱 柴 苓 湯 はステロイド 剤 や 免 疫 抑 制 剤 の 減 量 や 離 脱 に 際 し ての 補 助 療 法 として 用 いられ 一 定 の 有 効 性 が 確 立 しつ つある: ステロイド 剤 の 効 果 増 加 と 副 作 用 の 低 減 が 明 らかとなっている 抗 炎 症 作 用 免 疫 調 節 作 用 現 代 東 洋 医 学 vol.16 No.1,1995 p35-40 漢 方 と 最 新 治 療 vol.11 N0.1,2002 p84-87
柴 苓 湯 と 膠 原 病 柴 苓 湯 ーーネフローゼ 症 候 群 の 再 発 防 止 ステロイド 剤 減 量 に 有 効 柴 苓 湯 ーーITPのステロイド 減 量 不 能 例 にステロイド 剤 減 量 成 功 したーー 抗 血 小 板 抗 体 - 血 小 板 複 合 体 の 網 内 系 で の 貪 食 能 の 改 善 と 推 定 実 験 的 ネフローゼ 症 候 群 (プロマイシン-マミノヌクレオシドによる)に 有 効 ーー 腎 糸 球 体 への 直 接 作 用 もあると 推 定 急 性 期 の 炎 症 では 肉 芽 の 形 成 を 慢 性 の 炎 症 では 臓 器 繊 維 化 を 防 止 する
ステロイド 剤 の 用 量 と 漢 方 の 使 い 方 葛 根 黄 ゴン 黄 連 湯 黄 連 解 毒 湯 ステロイド 剤 用 量 知 柏 地 黄 丸 柴 苓 湯 六 味 ( 地 黄 ) 丸 八 味 ( 地 黄 ) 丸
RA-- 柴 苓 湯 DMARDsとのランダム 化 比 較 試 験 (RCT) 対 象 :RA38 例 実 薬 群 (18,m2 f16 45~73 歳 平 均 60.7 歳 ): 柴 苓 湯 エキス9.0g/d 分 3 16w 対 照 群 (20,m4 f16.30~71 歳, 平 均 54.6 歳 ):ロベンザリット 二 ナトリウム(カルヘェニール) 240mg/d 分 3 16w 評 価 : 全 般 改 善 度 安 全 性 有 用 性 を 判 定 松 浦 美 喜 男 : 慢 性 関 節 リウマチ(RA) 診 療 における 柴 苓 湯 の 効 果 ( 第 10 回 臨 床 和 漢 薬 研 究 会 記 録 ).Modern Physician,14:403 408,1994
RA-- 柴 苓 湯 DMARDsとのランダム 化 比 較 試 験 (RCT) 結 果 : 全 般 改 善 度 実 薬 群 : 著 明 改 善 1(5.6%) 改 善 6(33.3%) やや 改 善 4(22.2%) 不 変 3(16.7%) やや 悪 化 2(11.1%) 悪 化 2(11.1%) 対 照 群 : 著 明 改 善 0 改 善 3(15.0%) やや 改 善 4(22.0%) 不 変 7(35.0%) やや 悪 化 4(20.0%) 悪 化 2(10.0%) 改 善 以 上 : 実 薬 群 38.9%(7/18) 対 象 群 15.0%(3/20): 差 がない 結 果 : 安 全 性 : 副 作 用 ( 検 査 値 異 常 ): 実 薬 群 :13.0% 対 照 群 :36.0%で 実 薬 群 が 有 意 に 優 れている 有 用 度 : 実 薬 群 :38.9%(7/18) 対 照 群 :19.1% 実 薬 群 の 有 用 性 が 有 意 に 高 い(p< 0.05) 結 論 : 治 療 効 果 は 同 等 で 副 作 用 は 少 なく 有 用 性 が 高 いことが 示 された
RAーー 柴 苓 湯 症 例 集 積 研 究 対 象 : 活 動 性 RA( 腫 脹 関 節 数 6 以 上 圧 痛 関 節 数 9 以 上 MS45 以 上 ESR28mm/hr 以 上 のうち2 項 目 を 満 たす)30 例 (m3,f27) 平 均 49.7±11.9 歳 投 与 : 柴 苓 湯 エキス 0.065g/kg/d 7d 0.098g/kg/d 7d 0.13g/kg/d ( 最 大 12g/d) 期 間 は24w 評 価 方 法 : 関 節 腫 脹 数 疼 痛 関 節 数 それらの 程 度 に 応 じた 指 数,MS 時 間 医 師 評 価 患 者 評 価 患 者 機 能 自 己 評 価 リウマトイド 結 節 と 血 管 炎 の 評 価 borigini, M. J., et al: TJ-114(Sairei-to), an herbal medicine in rheumatoid arthritis. A preliminary go-no-go clinical trial. J. Clin. Rhermatol., 2: 309-316, 1996
結 果 : 12 例 脱 落 ( 無 効 6 例 応 諾 撤 回 4 例 下 痢 1 例 下 痢 と 腹 痛 1 例 ) RAーー 柴 苓 湯 症 例 集 積 研 究 レスポンダー:16.7%(5/18)( 腫 脹 関 節 スコア 疼 痛 関 節 スコ ア MS 時 間 ESR 患 者 評 価 医 師 評 価 の6 項 目 の4 項 目 以 上 で 改 善 )
RAーー 防 已 黄 ぎ 湯 症 例 集 積 研 究 対 象 :ARA 基 準 RA32 例 (m9,f23) 年 齢 22~77 歳 平 均 53.8 歳 罹 患 期 間 7ヶ 月 ~32 年, 平 均 74.6ヶ 月 投 与 : 防 已 黄 ぎ 湯 7.5g/d 6w 評 価 方 法 : 前 後 のMS 時 間 RF ESR CRP 疼 痛 関 節 数 腫 脹 関 節 数 握 力 田 中 政 彦, 大 野 修 嗣, 鈴 木 輝 彦, 他 : 慢 性 関 節 リウマチに 対 する 防 已 黄 ぎ 湯 の 有 用 性 について. 日 本 東 洋 医 学 雑 誌,40:73-77, 1989
RAーー 防 已 黄 ぎ 湯 症 例 集 積 研 究 結 果 : 有 意 に 改 善 :MS:(p<0.02) 疼 痛 関 節 数 : (p<0.01) 腫 脹 関 節 数 : (p<0.01) 握 力 : (p<0.05) 改 善 傾 向 :CRP 不 変 :ESR RF 結 果 : 疼 痛 関 節 数 または 腫 脹 関 節 数 が 投 与 前 値 の1/2 以 下 となった 有 効 例 が14 例 (44%) やや 有 効 16%(5 例 ) 不 変 9 (28%) 悪 化 4(13%) やや 有 効 以 上 19(59%) 結 論 : 疼 痛 関 節 数 または 腫 脹 関 節 数 で 有 効 率 6 割 であった
RA 桂 枝 加 ( 苓 ) 朮 附 湯 桂 枝 に 越 ぴ 一 湯 加 苓 朮 附 桂 芍 知 母 湯 よく 苡 仁 湯 越 ピ 加 朮 湯 麻 杏 よく 甘 湯 五 積 散 麻 黄 湯 葛 根 湯 桂 枝 湯 防 已 黄 ぎ 湯 柴 苓 湯 当 帰 芍 薬 散 桂 枝 茯 苓 丸 桃 核 承 気 湯 疎 経 活 血 湯 補 中 益 気 湯 十 全 大 補 湯 大 防 風 湯 芍 薬 甘 草 附 子 湯 茯 苓 四 逆 湯 八 味 地 黄 丸
RAの 時 期 と 漢 方 麻 黄 加 朮 湯 麻 杏 ヨク 甘 湯 桂 枝 加 苓 朮 附 湯 桂 枝 二 越 ピ 一 湯 加 苓 朮 附 防 已 黄 ぎ 湯 桂 枝 芍 薬 知 母 湯 十 全 大 補 湯 大 防 風 湯
関 節 痛 ( 炎 ) 方 名 麻 黄 湯 27 越 ピ 加 朮 湯 28 麻 黄 附 子 細 辛 湯 127 桂 枝 加 朮 附 湯 18 ヨクイニン 湯 52 疎 経 活 血 湯 53 五 積 散 63 麻 杏 イ 甘 湯 78 大 防 風 湯 97 独 活 寄 生 湯 防 イ 黄 蓍 湯 20 丈 夫 体 力 充 実, 頭 重, 発 熱, 悪 寒, 腰 痛, 四 肢 の 関 節 痛 など, 自 然 発 汗 のない 四 肢 関 節 の 腫 脹, 疼 痛, 熱 感 など 比 較 的 体 力 のある 人 で, 冷 え 性 でなく, 浮 腫, 発 汗 傾 向, 口 渇 があり, 尿 量 減 少 する 場 合 に 用 いる 痛 み 体 力 の 低 下 した 人 の, 悪 寒 を 伴 う 発 熱 に 用 いる. 発 熱 は 顕 著 でないが, 全 身 倦 怠, 無 気 力 などがあり, 脈 は 沈 んで 細 く 力 がないのが 特 徴. 冷 え 性 で 比 較 的 体 力 の 低 下 した 人 が, 四 肢 関 節 の 疼 痛, 腫 脹, 筋 肉 痛, 四 肢 の 運 動 障 害 などを 訴 える 場 合 に 用 いる. 寒 冷 により 増 悪 汗 が 出 やすい 四 肢 の 関 節 筋 肉 の 疼 痛 腫 脹, 比 較 的 慢 性 に 経 過 するもの 特 に, 腰 部 より 下 肢 にかけての 筋 肉, 関 節 などに 激 しい 疼 痛 のある 場 合 に 用 いる. 冷 える と 増 悪 することが 多 い.また, 一 般 に 浮 腫 の 傾 向 があり, 下 腹 部 の 抵 抗 圧 痛 を 認 め, 多 く は 肌 が 黒 みを 帯 びた 人. 体 力 中 等 度 の 人. 寒 冷 や 湿 気 に 浸 されて, 下 腹 部 痛, 腰 痛, 四 肢 の 筋 肉 あるいは 関 節 の 痛 みなど.この 場 合 しばしば 下 半 身 の 冷 えと 上 半 身 ののぼせ, 頭 痛, 項 背 のこり, 悪 寒, 悪 心, 嘔 吐 などを 伴 うこともある. 月 経 不 順 や 月 経 困 難 などを 伴 うことが 多 い. 比 較 的 体 力 のある 人, 関 節 の 腫 脹 疼 痛,あるいは 筋 肉 痛 のある 場 合 用 いる. 一 般 に 腫 脹, 疼 痛 共 に 軽 度 で 発 汗 傾 向, 浮 腫 を 伴 うことがある. 比 較 的 体 力 の 低 下 した 人 で, 顔 色 が 悪 く, 関 節 の 腫 脹 疼 痛, 運 動 機 能 障 害 などがあり, 一 般 にこれらの 症 状 が 慢 性 に 経 過 した 場 合 慢 性 特 に 腰 下 肢 の 関 節 痛 わりに 年 寄 り 証 比 較 的 体 力 が 低 下 し 筋 肉 軟 らかく,いわゆる 水 ぶとり 体 質 の 人, 全 身 倦 怠 感, 多 汗 傾 向. 浮 腫, 尿 量 減 少, 関 節 ( 特 に 膝 関 節 )の 腫 脹 疼 痛 など 使 用 頻 度
MCTDにおけるレイノー 現 象 に 対 する 人 参 養 栄 湯 の 効 果 症 例 集 積 研 究 MCTD19(M2 F17) 平 均 年 齢 38.3y 平 均 罹 病 期 間 :57.6m 試 験 期 間 :11 月 1 日 ~3 月 30 日 評 価 :レイノー 日 記 (1 週 間 に 出 現 回 数 と 程 度 により) A. 著 明 改 善 : 消 失 B. 改 善 : 投 与 前 の1/2 以 下 C. 不 変 : 変 化 ない D.やや 改 善 : 改 善 と 不 変 の 間 E. 悪 化 : 増 えた りひどくなったり 人 参 養 栄 湯 エキス 9.0g/d 分 3 4 週 間 A5 例 B7 例 D2 例 C5 例 E0 サーモグラフィで ほぼすべて の 関 心 領 域 において 皮 膚 温 の 上 昇 傾 向 を 認 め 特 に 左 第 1 指 の 関 心 領 域 では 有 意 な 上 昇 (p<0.05) 改 善 以 上 が63% やや 改 善 以 上 が74% 田 中 政 彦, 他 : 混 合 性 結 合 組 織 病 に 対 する 人 参 養 栄 湯 の 有 用 性 について 日 本 東 洋 医 学 雑 誌,45:351-357,1994
レイノー 現 象 人 参 養 栄 湯 オ 血 : 大 黄 牡 丹 皮 湯 桂 枝 茯 苓 丸 加 味 逍 遥 散 当 帰 芍 薬 散 冷 えが 強 い 場 合 : 当 帰 四 逆 加 呉 しゅゆ 生 姜 湯 十 全 大 補 湯 茯 苓 四 逆 湯 ( 人 参 湯 + 真 武 湯 ) その 他 : 黄 連 解 毒 湯 半 夏 シャ 心 湯 六 君 子 湯
方 名 証 冷 え 性 レイノー 症 状 使 用 頻 度 四 逆 散 35 加 味 逍 遥 散 24 温 経 湯 106 四 物 湯 71 十 全 大 補 湯 48 人 参 養 栄 湯 108 体 力 中 等 度 もしくはそれ 以 上 の 人 で, 胸 脇 苦 満, 腹 直 筋 の 攣 急 がありイライラ, 不 眠, 抑 う つ 感 などの 精 神 神 経 症 状 を 訴 える 場 合 に 用 いる. 腹 痛, 腹 部 膨 満 感, 動 悸 などを 伴 う 場 合 比 較 的 虚 弱 な 人 で 疲 労 しやすく, 精 神 不 安, 不 眠,イライラなどの 精 神 神 経 症 状 を 訴 える 場 合 に 用 いる 1) 肩 こり, 頭 痛,めまい, 上 半 身 の 灼 熱 感, 発 作 性 の 発 汗 などを 伴 う 場 合 2) 心 窩 部 季 肋 部 に 軽 度 の 抵 抗 圧 痛 のある 場 合 ( 胸 脇 苦 満 ) 3) 性 周 期 に 関 連 して 上 記 精 神 神 経 症 状 を 訴 える 場 合 比 較 的 体 力 の 低 下 した 冷 え 性 の 人 で, 月 経 不 順, 月 経 困 難 などがあり, 手 掌 のほてり, 口 唇 の 乾 燥 感, 肌 あれ, 下 腹 部 の 冷 え 膨 満 感 などのある 場 合 に 用 いる.その 他,のぼせ, 腹 痛, 下 痢, 不 正 出 血 などの 症 状 を 伴 うこともある. 以 上 の 症 状 は, 一 般 に 性 周 期 に 関 連 して 消 長 することが 多 い. 腹 壁 は, 一 般 に 軟 弱 である. 比 較 的 体 力 の 低 下 した 人 で, 顔 色 が 悪 く, 皮 膚 の 栄 養 低 下 や 乾 燥 傾 向 があり, 腹 部 は 軟 弱 で 臍 傍 に 腹 部 大 動 脈 の 拍 動 亢 進 を 認 めることを 目 標 に 使 用 する. 一 般 に 産 婦 人 科 領 域 の 諸 疾 患 に 用 いられることが 多 い. 本 方 は 単 独 で 用 いられることは 少 なく 他 の 処 方 との 合 方 (たとえば 黄 連 解 毒 湯 と 合 方 した 温 清 湯 )あるいは 加 味 方 (たとえば 釣 藤, 黄 耆, 黄 柏 を 加 味 した 七 物 降 下 湯 )として 用 いられることが 多 い. 病 後, 術 後 あるいは 慢 性 疾 患 などで, 疲 労 衰 弱 している 場 合 に 用 いる. 1) 全 身 倦 怠 感, 食 欲 不 振, 顔 色 不 良, 皮 膚 枯 燥, 貧 血 などを 伴 うことが 多 い. 2) 盗 汗, 口 内 乾 燥 感 などを 伴 う 場 合 消 耗 性 疾 患 に 罹 患 し,あるいは 外 科 的 手 術 後, 体 力 低 下 が 著 しい 場 合 に 用 いられる.さら に, 生 来 体 質 虚 弱 で 種 々の 愁 訴 のある 場 合 にも 用 いられる.この 場 合, 全 身 倦 怠 感, 動 悸, 盗 汗, 咳 嗽, 下 痢, 健 忘 などを 伴 うことが 多 い.
SjSに 対 する 麦 門 冬 湯 の 効 果 補 中 益 気 湯 との 比 較 臨 床 試 験 厚 生 省 1977 年 基 準 66 例 A 麦 門 冬 湯 組 :38(f) 53.4±11.6y 9.0g/d B 補 中 益 気 湯 :28(f) 49.8±13.9 7.5g/d 評 価 :ガムテスト(4w) A:8.2±1.1ml 11.4±1.4ml (p<0.005) 唾 液 の 増 か:28 例 (76.3%) 2 倍 以 上 増 加 :8 例 B:8.7±1.3ml 8.8±1.3ml 大 野 修 嗣,シェーグレン 症 候 群 の 唾 液 分 泌 障 害 に 対 する 麦 門 冬 湯 の 効 果 リウマチ,30:10 16,1990
SjSに 対 する 麦 門 冬 湯 の 効 果 症 例 集 積 研 究 厚 生 省 1977 年 基 準 27 例 (m3,f24) 平 均 54.7y 麦 門 冬 湯 組 9.0g/d 3ヶ 月 評 価 : 自 覚 症 状 シルマ テスト,ガムテストなど 有 用 性 :12 例 (44.4%) シルマ:4.0±6.5mm 6.6±7.1mm 有 意 差 はない 2 倍 以 上 増 加 し 5mm 以 上 になる 例 :6 例 ガムテスト: 2.0±1.5ml 2.8±2.7ml 有 意 差 はない 2 倍 以 上 増 加 例 :6 例 殿 塚 典 彦, 他 :シェーグレン 症 候 群 の 乾 燥 症 状 に 対 する 麦 門 冬 湯 の 効 果 和 漢 医 薬 学 会 会 誌,6:436 437, 1989
SjSに 対 する 人 参 養 栄 湯 の 効 果 多 施 設 症 例 集 積 研 究 186 例 (m5,f181) < 40y 8 例 40~49y43 例 50~59y65 例 60y53 例 不 明 17 例 人 参 養 栄 湯 7.5g/d 分 3 食 前 or 食 間 12w 全 般 改 善 度 : 中 等 度 改 善 以 上 10.9% 軽 度 改 善 以 上 61.2% 副 作 用 : 惡 心 腹 満 など12 例 その 他 9 例 重 篤 ない 有 用 度 : 有 用 以 上 15.9% やや 有 用 以 上 58.0% 有 用 でない10.2% ガムテスト:5.5±4.8ml 6.7±5.4ml (n=32 p<0.01) 有 効 例 においてはIgG>1600mg/dl 群 では 投 与 後 有 意 に 低 下 した (p<0.01) 横 張 龍 一, 他 :シェーグレン 症 候 群 の 眼 乾 燥 症 状 および 口 腔 乾 燥 症 状 に たいする 人 参 養 栄 湯 の 臨 床 効 果 臨 床 医 薬,9:1959 1968,1993
SjS 麦 門 冬 湯 温 経 湯 人 参 養 栄 湯 白 虎 加 人 参 湯 柴 胡 桂 枝 乾 姜 湯 十 全 大 補 湯 六 味 丸 八 味 地 黄 丸 滋 陰 降 火 湯
乾 燥 症 状 方 名 麦 門 冬 湯 29 白 虎 加 人 参 湯 34 小 柴 胡 湯 9 清 肺 湯 90 六 味 丸 87 五 苓 散 17 証 体 力 中 等 度 もしくはそれ 以 下 の 人 の 激 しい 咳 嗽 で, 発 作 性 に 咳 が 頻 発 して 顔 面 紅 潮 する 場 合 に 用 いる. 1) 粘 稠 で 切 れにくい 痰 を 伴 う 場 合 2) 咽 喉 の 乾 燥 感 や 違 和 感 のある 場 合 3) 妊 娠 時 や 老 人 の 咳 嗽 比 較 的 体 力 がある 人 で, 急 性 症 では 激 しい 口 渇 や 発 汗, 身 体 的 灼 熱 感 などを 伴 って 高 熱 を 発 する 場 合 に 用 いる. 慢 性 症 では, 口 渇, 局 所 的 灼 熱 感,のぼせ, 発 疹, 皮 膚 そう 痒 感, 時 として 尿 量 の 増 加, 発 汗 などを 呈 する 場 合 に 用 いる. 体 力 中 等 度 の 人 で 胸 脇 苦 満 のある 場 合 に 用 いる. 1) 熱 性 疾 患 では 食 欲 不 振, 口 中 不 快 感 を 伴 う 場 合 2) 胸 脇 苦 満 の 認 められる 諸 種 慢 性 疾 患 3) 食 欲 不 振, 全 身 倦 怠 感 などを 伴 う 諸 種 慢 性 疾 患 4) 小 児 虚 弱 体 質 の 改 善 比 較 的 体 力 の 低 下 した 人 で, 咳 嗽 が 遷 延 化 し, 痰 が 比 較 的 多 く,かつ 粘 稠 で 切 れにくい 場 合 に 用 いる. 咳 はときとして 激 しく 血 痰 を 伴 うこともある.その 他, 咽 喉 頭 痛, 嗄 声, 咽 喉 頭 異 常 感 などを 伴 うこともある. 比 較 的 体 力 の 低 下 した 人 で, 漢 方 のいわゆる 腎 虚 の 症 状 に 用 いられる.その 症 状 は,すなわち 疲 労 感, 下 半 身 のしびれ 感, 尿 量 減 少 または 多 尿, 夜 間 尿, 遺 尿, 残 尿 感, 陰 萎, 遺 精, 腰 痛 などのいくつかが 複 合 した 場 合 である. 一 般 に, 上 腹 部 に 比 べ 下 腹 部 が 軟 弱 である.ただしこの 場 合, 冷 えおよび 浮 腫 は 比 較 的 軽 度 である. 小 児 においては, 上 記 のほかに 喘 息 症 状 を 呈 することがある. 体 力 のいかんを 問 わず 口 渇 ならびに 尿 利 減 少 を 主 目 標 として 用 いる. 1) 浮 腫, 悪 心, 嘔 吐, 頭 痛,めまいなどの 症 状 を 伴 う 場 合 2) 心 窩 部 に 振 水 音 を 認 める 場 合 使 用 頻 度
ベーチェットーー 温 清 飲 プラセボとの 比 較 臨 床 試 験 対 象 : 外 来 BD16 例 (m4,f12) 完 全 型 5, 不 全 型 11 例 平 均 53.8 歳 罹 患 年 数 1~38 年, 平 均 13.8 年 投 与 : 長 期 間 投 与 されていた 塩 酸 ミノサイクリン50mg, 塩 酸 チクロ ピジン200~300mgの 投 与 を 中 止 す ることなく 温 清 飲 エキスの 実 薬 と プラセボを 二 重 盲 検 法 によって 7.5g/dを12w 投 与 した 12w 後 のkey openによりプラセボと 判 明 した 患 者 にはさらに4w 実 薬 を 投 与 した 評 価 方 法 :1 口 腔 内 アフタ,2 外 陰 部 潰 瘍,3 結 節 性 紅 斑 様 発 疹,4 血 栓 性 静 脈 炎,5ざ 瘡 様 発 疹,6 関 節 痛 についての 自 覚 症 状 ならびに 他 覚 的 症 状 の 改 善 をみる 金 子 史 男 :ベーチェット 病 に 対 する 温 清 飲.Prog. Med., 6:384-386, 1996
ベーチェットーー 温 清 飲 プラセボとの 比 較 臨 床 試 験 結 果 : 実 薬 組 (9): 良 好 は1(11.1%) やや 良 好 は4(44.4%),どちらともいえな いは2(22.2%),まったく 改 善 を 見 な いは2(22.2%) プラセボ 組 (7):やや 良 好 2(28.6%), どちらとも 言 えないは4(57.1%), まったく 改 善 をみないは1 例 改 善 率 は 差 がある プラセボ 組 と 判 明 後 に 実 薬 に 変 えた5 例 中 3 例 (どちらとも いえない)はやや 良 好 を 得 た 結 論 : 温 清 飲 は 明 らかな 臨 床 効 果 を 得 られた
ベーチェットーー 温 清 飲 症 例 集 積 研 究 対 象 : 軽 症 BD30 例 (m15,f15) 完 全 型 15, 不 全 型 15 例 年 齢 20~50, 平 均 44 歳 罹 患 年 数 平 均 6.5 年, 肥 満 度 101.4±16.33% 投 与 :1ヶ 月 の 観 察 期 間 をおいた 後 温 清 飲 エキス5.0g/d, 分 2, 食 後 30 分 に 飲 む 1 年 間 単 独 または 他 剤 との 併 用 ( 少 なくとも 温 清 飲 を 服 用 前 1ヶ 月 から1 年 間 の 間 に 変 更 な い)で 使 用 した 評 価 : 臨 床 症 状 : 使 用 前 3 6 12ヶ 月 の 時 点 評 価 時 点 からさかのぼって 1ヶ 月 間 における 臨 床 諸 症 状 を 稲 葉 の BD 活 動 性 のスコアによって - + ++ +++の4 段 階 に 分 けて 評 価 検 査 : 使 用 前 6 12ヶ 月 の 時 点 で 赤 沈 CRP 血 算 肝 機 能 尿 検 査 橋 本 喬 史, 竹 内 明 輝, 森 伸 一, 他 :ベーチェット 病 に おける 温 清 飲 の 治 療 効 果. 診 療 と 新 薬,20(10):2283-2285, 1983
ベーチェットーー 温 清 飲 症 例 集 積 研 究 結 果 : 口 腔 アフタ: 前 と 比 べ 3ヶ 月 ~12ヶ 月 で 軽 快 (wikcoxonで p<0.01) 他 の 症 状 : 有 意 な 改 善 はなかった ざ 瘡 様 皮 疹 や 結 節 性 紅 斑 様 皮 疹 の 重 症 例 では 症 状 の 改 善 例 が 多 かった 結 論 : 60%が 全 般 改 善 度 口 腔 内 アフタに 3ヶ 月 より 有 意 に 改 善 検 査 : 変 化 はない 全 般 改 善 度 :30 例 に18 例 (60%)に 有 効 ( 医 師 患 者 ともに)
ベーチェット 甘 草 瀉 心 湯 温 清 飲 黄 連 解 毒 湯 半 夏 瀉 心 湯 + 甘 草 湯 龍 胆 瀉 肝 湯 清 熱 補 気 湯 清 熱 補 血 湯 十 全 大 捕 湯
他 の 病 態 と 漢 方 選 択 ループス 膀 胱 炎 : 五 苓 散 桃 核 承 気 湯 NSAIDsによる 胃 炎 潰 瘍 : 葛 根 黄 ごん 黄 連 湯 胃 腸 炎 口 内 炎 : 半 夏 瀉 心 湯 大 承 気 湯 ベーチット 病 : 甘 草 瀉 心 湯 温 清 飲 龍 胆 瀉 肝 湯 黄 連 解 毒 湯 血 管 炎 : 温 清 飲 龍 胆 瀉 肝 湯 黄 連 解 毒 湯 血 小 板 減 少 : 加 味 帰 脾 湯 白 虎 湯 黄 連 解 毒 湯 腎 炎 : 知 柏 地 黄 湯 温 清 飲 疎 経 活 血 湯 腹 水 隆 起 性 腹 : 檳 榔 九 味 湯 便 秘 : 檳 榔 九 味 湯 (とくに 透 析 の 患 者 ) 潤 腸 湯 浮 腫 頻 尿 : 苓 桂 朮 甘 湯 五 苓 散 防 い 黄 ぎ 湯 微 熱 紅 斑 : 滋 陰 降 火 湯 妊 娠 腹 痛 : 当 帰 芍 薬 散
漢 方 の 副 作 用 胃 腸 障 害 発 疹 甘 草 配 合 で 偽 アルドステロン 症 による 低 カリウム 血 症 お よびミオパシー アレルギー 性 肝 障 害 間 質 性 肺 炎
誤 治 証 に 合 わない 治 療 で 症 状 の 悪 化
他 の 病 態 と 漢 方 選 択 ループス 膀 胱 炎 : 五 苓 散 桃 核 承 気 湯 NSAIDsによる 胃 炎 潰 瘍 : 葛 根 黄 ごん 黄 連 湯 胃 腸 炎 口 内 炎 : 半 夏 瀉 心 湯 大 承 気 湯 ベーチット 病 : 甘 草 瀉 心 湯 温 清 飲 龍 胆 瀉 肝 湯 黄 連 解 毒 湯 血 管 炎 : 温 清 飲 龍 胆 瀉 肝 湯 黄 連 解 毒 湯 血 小 板 減 少 : 加 味 帰 脾 湯 白 虎 湯 黄 連 解 毒 湯 腎 炎 : 知 柏 地 黄 湯 温 清 飲 疎 経 活 血 湯 腹 水 隆 起 性 腹 : 檳 榔 九 味 湯 便 秘 : 檳 榔 九 味 湯 (とくに 透 析 の 患 者 ) 潤 腸 湯 浮 腫 頻 尿 : 苓 桂 朮 甘 湯 五 苓 散 防 い 黄 ぎ 湯 微 熱 紅 斑 : 滋 陰 降 火 湯 妊 娠 腹 痛 : 当 帰 芍 薬 散