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2016 司 法 書 士 試 験 中 上 級 ガイダンス 2016 年 はどうなる? 改 正 が 司 法 書 士 試 験 にもたらす 影 響 司 法 書 士 講 師 根 本 正 次 第 1 章 民 法 改 正 案 の 国 会 への 提 出 国 会 提 出 日 平 成 27 年 3 月 31 日 民 法 の 一 部 を 改 正 する 法 律 案 可 決 成 立 日 未 定 公 布 日 未 定 官 報 掲 載 日 未 定 施 行 日 未 定 法 律 案 名 ( 施 行 期 日 ) 第 一 条 この 法 律 は 公 布 の 日 から 起 算 して 三 年 を 超 えない 範 囲 内 において 政 令 で 定 める 日 から 施 行 する 平 成 27.3.31 平 成 28.4.1 平 成 29.4.1 平 成 30.4.1 平 成 31.4.1 7/1 7/1 7/1 7/1 1 年 2 年 3 年 改 正 の 流 れは 確 実 な 模 様 法 務 省 が 数 年 前 から 大 学 教 授 などの 専 門 家 を 交 えて 検 討 修 正 を 加 えている 平 成 30 年 (2018 年 ) 以 降 に 施 行 される 可 能 性 が 高 い ( 法 律 案 提 出 の 理 由 ) 社 会 経 済 情 勢 の 変 化 に 鑑 み 消 滅 時 効 の 期 間 の 統 一 化 等 の 時 効 に 関 する 規 定 の 整 備 法 定 利 率 を 変 動 さ せる 規 定 の 新 設 保 証 人 の 保 護 を 図 るための 保 証 債 務 に 関 する 規 定 の 整 備 定 型 約 款 に 関 する 規 定 の 新 設 等 を 行 う 必 要 がある これが この 法 律 案 を 提 出 する 理 由 である 1

要 綱 案 ( 定 型 約 款 の 合 意 ) 第 五 百 四 十 八 条 の 二 1 定 型 取 引 (ある 特 定 の 者 が 不 特 定 多 数 の 者 を 相 手 方 として 行 う 取 引 であって その 内 容 の 全 部 又 は 一 部 が 画 一 的 であることがその 双 方 にとって 合 理 的 なものをいう 以 下 同 じ )を 行 う ことの 合 意 ( 次 条 において 定 型 取 引 合 意 という )をした 者 は 次 に 掲 げる 場 合 には 定 型 約 款 ( 定 型 取 引 において 契 約 の 内 容 とすることを 目 的 としてその 特 定 の 者 により 準 備 さ れた 条 項 の 総 体 をいう 以 下 同 じ )の 個 別 の 条 項 についても 合 意 をしたものとみなす 一 定 型 約 款 を 契 約 の 内 容 とする 旨 の 合 意 をしたとき 二 定 型 約 款 を 準 備 した 者 ( 以 下 定 型 約 款 準 備 者 という )があらかじめその 定 型 約 款 を 契 約 の 内 容 とする 旨 を 相 手 方 に 表 示 していたとき 2 前 項 の 規 定 にかかわらず 同 項 の 条 項 のうち 相 手 方 の 権 利 を 制 限 し 又 は 相 手 方 の 義 務 を 加 重 する 条 項 であって その 定 型 取 引 の 態 様 及 びその 実 情 並 びに 取 引 上 の 社 会 通 念 に 照 らして 第 一 条 第 二 項 に 規 定 する 基 本 原 則 に 反 して 相 手 方 の 利 益 を 一 方 的 に 害 すると 認 められるものに ついては 合 意 をしなかったも のとみなす 解 説 コメント 1 改 正 民 法 548 条 の2 第 1 項 では, 定 型 取 引 と 定 型 約 款 の 定 義 をした 上 で, 定 型 約 款 の 合 意 の 成 立 要 件 を, 第 2 項 では, 相 手 方 の 利 益 を 一 方 的 に 害 する 条 項 の 効 力 について 定 めてい る 2 定 型 取 引 については, ある 特 定 の 者 が 不 特 定 多 数 の 者 を 相 手 方 として 行 う 取 引 であって, その 内 容 の 全 部 又 は 一 部 が 画 一 的 であることがその 双 方 にとって 合 理 的 なもの を 指 すとして いる この 判 断 においては, 当 該 当 事 者 が 交 渉 による 契 約 条 項 の 修 正 を 予 定 しているかという 主 観 ではなく, 具 体 的 な 契 約 の 態 様 等 の 事 情 に 照 らして, 上 記 の 定 義 に 合 致 するか 客 観 的 に 判 断 することを 要 する そして,この 定 義 は, 相 手 方 が 不 特 定 多 数 であり 給 付 が 均 一 である 場 合 を 念 頭 において 定 め られたものであり, 典 型 例 として, 多 数 の 人 々にとって 生 活 上 有 用 性 のある 財 やサービスが 平 等 な 基 準 で 提 供 される 場 合 や, 提 供 される 財 やサービスの 性 質 から, 多 数 の 相 手 方 に 対 して 同 一 の 内 容 で 契 約 を 締 結 することがビジネスモデルとして 要 請 される 場 合 が 挙 げられている (こ のことから, 就 業 規 則 が 適 用 されるとしても, 個 別 合 意 が 前 提 となっている 労 働 契 約 などはこ れに 該 当 しないこととなる ) 3 以 上 の 定 義 を 定 めた 上 で, 同 条 柱 書 は,1 定 型 取 引 を 行 なうことの 合 意 をすること( 定 型 取 引 合 意 ),2 同 条 1 号 もしくは2 号 に 該 当 することの2つを 充 足 することで, 定 型 約 款 の 個 別 の 条 項 が 契 約 内 容 になることを 規 定 している 4 同 条 1 号 は, 定 型 約 款 を 契 約 の 内 容 とする 旨 の 合 意 をしたとき としており, 合 意 に 基 づく 当 然 の 帰 結 を 定 めている ただし,ここでの 合 意 とは, 意 思 表 示 をする 者 が, 定 型 約 款 の 全 て の 条 項 を 具 体 的 に 認 識 していることは 要 しない 点 には 注 意 する 必 要 がある 一 方,2 号 は, 定 型 約 款 を 準 備 した 者 ( 以 下 定 型 約 款 準 備 者 という )があらかじめその 定 型 約 款 を 契 約 の 内 容 とする 旨 を 相 手 方 に 表 示 していたとき にも, 定 型 約 款 が 契 約 内 容 を 構 成 するものとしてい る この 場 合, 明 確 な 意 思 表 示 はないものの, 黙 示 的 な 合 意 が 肯 定 される 場 合 が 多 いと 考 えら れるため, 個 別 的 に 合 意 の 存 否 を 判 断 することなく 黙 示 的 に 合 意 したものとみなして, 定 型 約 款 の 条 項 が 契 約 内 容 を 構 成 することを 規 定 している 5 第 2 項 については, 第 1 項 に 基 づき 定 型 約 款 の 合 意 が 成 立 することを 前 提 に, 相 手 方 の 利 益 を 一 方 的 に 害 する 条 項 については, 合 意 をしなかったものとして, 契 約 内 容 とならないこと を 規 定 している これに 該 当 するといえるためには,その 定 型 取 引 の 態 様 及 びその 実 情 並 びに 取 引 上 の 社 会 通 念 に 照 らして 民 法 第 1 条 第 2 項 に 規 定 する 基 本 原 則 に 反 していることを 要 す る 2

第 2 章 民 法 改 正 の 大 枠 1 現 行 法 と 同 じ( 判 例 の 解 釈 の 明 文 化 ) 現 行 法 規 定 なし 法 案 3 条 の2 法 律 行 為 の 当 事 者 が 意 思 表 示 をした 時 に 意 思 能 力 を 有 しなかったときは その 法 律 行 為 は 無 効 とする 解 説 コメント 改 正 民 法 3 条 の2は, 表 意 者 が 意 思 表 示 の 時 に 意 思 能 力 を 欠 いていた 法 律 行 為 を 無 効 とする 旨 を 明 文 で 定 めるものである 意 思 能 力 とは 何 かについては, 依 然 解 釈 にゆだねられている 現 行 法 ( 心 裡 留 保 ) 第 93 条 意 思 表 示 は, 表 意 者 がその 真 意 ではないことを 知 ってしたときであっても,そのため にその 効 力 を 妨 げられない ただし, 相 手 方 が 表 意 者 の 真 意 を 知 り, 又 は 知 ることができたと きは,その 意 思 表 示 は, 無 効 とする 法 案 93 条 1 意 思 表 示 は, 表 意 者 がその 真 意 ではないことを 知 ってしたときであっても,そのためにその 効 力 を 妨 げられない ただし, 相 手 方 がその 意 思 表 示 が 表 意 者 の 真 意 ではないことを 知 り, 又 は 知 ることができたときは,その 意 思 表 示 は, 無 効 とする 2 前 項 ただし 書 の 規 定 による 意 思 表 示 の 無 効 は 善 意 の 第 三 者 に 対 抗 することができない 解 説 コメント 改 正 民 法 93 条 1 項 は 基 本 的 に 現 民 法 93 条 を 維 持 したもの 第 2 項 については, 心 裡 留 保 における 善 意 の 第 三 者 を 保 護 する 旨 の 規 定 を 新 設 するものである その 内 容 は, 判 例 ( 最 二 小 判 昭 44 11 14 民 集 23 11 2023 項 ただし, 代 理 権 濫 用 の 事 例 ) 通 説 が 現 民 法 94 条 2 項 を 類 推 することにより 認 めている 法 理 を 明 文 化 するものである このこ とから, 第 三 者 保 護 のために, 権 利 外 観 法 理 という 現 民 法 94 条 2 項 の 趣 旨 から 同 条 の 類 推 適 用 を 論 じる 必 要 性 がなくなった 3

要 綱 案 ( 下 線 はLEC) ( 併 存 的 債 務 引 受 の 要 件 及 び 効 果 ) 第 四 百 七 十 条 1 併 存 的 債 務 引 受 の 引 受 人 は 債 務 者 と 連 帯 して 債 務 者 が 債 権 者 に 対 して 負 担 する 債 務 と 同 一 の 内 容 の 債 務 を 負 担 する 2 併 存 的 債 務 引 受 は 債 権 者 と 引 受 人 となる 者 との 契 約 によってすることができる 3 併 存 的 債 務 引 受 は 債 務 者 と 引 受 人 となる 者 との 契 約 によってもすることができる この 場 合 において 併 存 的 債 務 引 受 は 債 権 者 が 引 受 人 となる 者 に 対 して 承 諾 をした 時 に その 効 力 を 生 ずる 4 前 項 の 規 定 によってする 併 存 的 債 務 引 受 は 第 三 者 のために する 契 約 に 関 する 規 定 に 従 う 解 説 コメント 1 改 正 民 法 470 条 は, 現 民 法 下 において 規 定 が 存 在 しなかったものの, 判 例 学 説 共 に 異 論 な く 認 めていた, 並 存 的 債 務 引 受 の 要 件 及 び 効 果 を 明 文 で 定 めるものである 2 第 1 項 は, 並 存 的 債 務 引 受 における 債 務 者 の 債 務 と 引 受 人 の 債 務 は, 連 帯 債 務 の 関 係 となる ことを 述 べたものである この 点 に 関 して, 現 民 法 下 の 判 例 ( 最 判 昭 41 12 20 民 集 20 10 2139 頁 )は, 反 対 に 解 すべき 特 段 の 事 情 のないかぎり, 連 帯 債 務 関 係 が 生 ずる 旨 判 示 しており, 本 項 は 同 判 例 の 原 則 論 と 整 合 的 な 規 律 ということができる 改 正 民 法 下 で, 並 存 的 債 務 引 受 については, 連 帯 債 務 として 扱 われる 結 果, 債 務 者 引 受 人 に 生 じた 事 由 が 他 の 債 務 者 に 及 ぼす 効 果 や, 一 人 が 弁 済 した 場 合 における 求 償 関 係 の 問 題 につ いては, 特 別 の 合 意 なき 限 り 連 帯 債 務 の 規 定 が 準 用 されることとなる 他 方 で, 並 存 的 債 務 引 受 においては, 引 受 人 が 債 務 者 の 債 務 を 保 証 することを 目 してなされる 場 合 も 考 えられるとこ ろ,この 場 合 には, 保 証 の 規 律 によって 処 理 することが 相 当 な 場 合 も 生 じることと 考 えられる 3 第 2 項 は, 並 存 的 債 務 引 受 が 債 権 者 債 務 者 引 受 人 の 三 面 契 約 でされることには 問 題 がな いとした 上 で, 引 受 人 と 債 権 者 との 間 の 契 約 でも 行 うことができることを 定 めている この 条 文 には, 債 務 者 の 意 に 反 する 場 合 でもよいことが 含 意 されている これは 現 民 法 下 の 判 例 ( 大 判 大 15 3 25 民 集 5 219 頁 )と 同 様 の 結 論 であり, 学 説 上 も 争 いのないところであ る 4 第 3 項 4 項 は, 債 務 者 と 引 受 人 の 合 意 によっても, 並 存 的 債 務 引 受 が 可 能 であること,こ の 場 合 に 並 存 的 債 務 引 受 は 第 三 者 のためにする 契 約 であることを 明 示 している これは, 並 存 的 債 務 引 受 は 債 権 者 を 利 する 契 約 であるところ, 債 権 者 を 関 与 させる 必 要 性 は ないことによる 結 論 であり, 現 民 法 下 の 判 例 ( 大 判 大 6 11 1 民 録 23 1715 頁 )でも 同 様 の 結 論 が 採 られていたものを 明 文 化 したといえる このため,この 種 の 並 存 的 債 務 引 受 は, 第 三 者 のためにする 契 約 の 規 律 に 服 することとなり, 債 権 者 の 承 諾 が, 受 益 の 意 思 表 示 となるため,これが 債 務 引 受 の 効 力 発 生 要 件 となる 4

第 3 章 民 法 改 正 の 大 枠 2 実 質 的 に 改 正 しようとしている 部 分 (ポイントのみ) 1 債 権 の 消 滅 時 効 1 時 効 期 間 と 起 算 点 の 改 正 2 商 法 522 条 の 廃 止 2 錯 誤 1 無 効 から 取 消 へ 2 第 三 者 の 保 護 規 定 の 追 加 3 詐 害 行 為 取 消 権 1 相 当 の 対 価 を 得 てした 財 産 の 処 分 行 為 の 特 則 2 特 定 の 債 権 者 に 対 する 担 保 の 供 与 等 の 特 則 3 過 大 な 代 物 弁 済 等 の 特 則 4 相 殺 1 相 殺 禁 止 の 意 思 表 示 ( 民 法 第 505 条 第 2 項 関 係 ) 2 不 法 行 為 債 権 等 を 受 働 債 権 とする 相 殺 の 禁 止 ( 民 法 第 509 条 関 係 ) 3 支 払 の 差 止 めを 受 けた 債 権 を 受 働 債 権 とする 相 殺 ( 民 法 第 511 条 関 係 ) 5 債 権 譲 渡 1 債 権 の 譲 渡 性 とその 制 限 ( 民 法 第 466 条 関 係 ) ex 預 金 債 権 又 は 貯 金 債 権 に 係 る 譲 渡 制 限 の 意 思 表 示 の 効 力 2 異 議 をとどめない 承 諾 による 抗 弁 の 切 断 の 廃 止 6 危 険 負 担 目 的 物 の 滅 失 損 傷 に 関 する 危 険 は, 目 的 物 の 引 渡 しによって, 売 主 から 買 主 に 移 転 する 7 売 買 の 担 保 責 任 1 買 主 の 追 完 請 求 権 = 引 き 渡 された 目 的 物 が 種 類, 品 質 又 は 数 量 に 関 して 契 約 の 内 容 に 適 合 しないものであるときは, 買 主 は, 売 主 に 対 し, 目 的 物 の 修 補, 代 替 物 の 引 渡 し 又 は 不 足 分 の 引 渡 しによる 履 行 の 追 完 を 請 求 することができる 2 性 質 に 不 適 合 があった 場 合 の 代 金 減 額 請 求 2 種 類 又 は 品 質 に 関 する 担 保 責 任 の 追 及 について,1 年 の 期 間 制 限 を 設 ける 8 賃 貸 借 1 賃 借 人 に 帰 責 事 由 がある 場 合 には, 賃 貸 人 に 修 繕 義 務 が 生 じない 2 賃 借 人 の 原 状 回 復 義 務 3 賃 貸 借 の 存 続 期 間 を 20 年 から 50 年 に 引 き 延 ばす 5

第 4 章 改 正 が 司 法 書 士 試 験 にもたらす 影 響 改 正 される 部 分 は 出 題 する or 改 正 される 部 分 は 外 してくる 26 年 -16 問 教 授 : 債 権 者 は, 債 権 者 代 位 権 や 詐 害 行 為 取 消 権 を 行 使 するために 必 要 な 費 用 を 支 出 した 場 合 に, 債 務 者 に 対 してその 費 用 の 償 還 を 請 求 することができますか 学 生 :ウ 債 権 者 代 位 権 を 行 使 した 債 権 者 は, 費 用 の 償 還 を 請 求 することができないのに 対 し, 詐 害 行 為 取 消 権 を 行 使 した 債 権 者 は, 費 用 の 償 還 を 請 求 することができます 誤 債 権 者 代 位 権 は 債 務 者 の 権 利 を 行 使 するものであって,その 限 りで 一 種 の 法 定 委 任 関 係 であるから, 債 権 者 代 位 権 を 行 使 した 債 権 者 が, 必 要 な 費 用 を 支 出 した 場 合, 債 権 者 は, 費 用 償 還 請 求 権 を 有 する( 民 650) なお, 債 権 者 債 務 者 間 の 関 係 を 事 務 管 理 における 管 理 者 と 本 人 と 捉 える 見 解 もある これに 対 し, 詐 害 行 為 取 消 権 は, 取 消 債 権 者 が 債 務 者 に 代 わって 債 務 者 の 権 利 を 行 使 するわけではないから, 債 権 者 代 位 権 の 場 合 と 同 様 の 法 律 構 成 をすることは 困 難 ではあるが, 債 務 者 の 責 任 財 産 が 保 全 されるという 関 係 に あることは 確 かであることから, 詐 害 行 為 取 消 権 を 行 使 した 債 権 者 も, 一 般 的 には, 費 用 償 還 を 請 求 でき ると 解 されている また,これらの 費 用 償 還 請 求 権 については, 次 回 民 法 改 正 において, 明 文 化 される 予 定 である したがって, 債 権 者 代 位 権 を 行 使 した 債 権 者 は, 費 用 の 償 還 を 請 求 することができないとする 点 で, 本 肢 は 誤 っている 27 年 -18 問 教 授 :では, 本 件 事 例 において,AがCに 対 して 弁 済 期 の 到 来 している1000 万 円 の 丙 債 権 を 有 しており,か つ, 乙 債 権 はもともとBのAに 対 する 債 権 として 発 生 したもので,AB 間 で 相 殺 を 禁 止 する 合 意 がさ れていたとします その 合 意 の 存 在 については 善 意 であったCがBから 乙 債 権 を 譲 り 受 けBからAに 対 して 乙 債 権 の 譲 渡 の 通 知 がされた 場 合 には,Cは, 乙 債 権 と 丙 債 権 とを 相 殺 することができますか 学 生 :オ Cは,AB 間 でされた 相 殺 を 禁 止 する 合 意 を 対 抗 されることはありませんから, 乙 債 権 と 丙 債 権 とを 相 殺 することができます 27 年 -18 問 ( 一 部 ) 第 35 問 商 事 消 滅 時 効 に 関 する 次 のアからオまでの 記 述 のうち, 判 例 の 趣 旨 に 照 らし 誤 っているものの 組 合 せは, 後 記 1から5までのうち,どれか ア 商 行 為 である 売 買 契 約 が 解 除 された 場 合 には,その 解 除 による 原 状 回 復 請 求 権 は,5 年 間 行 使 し ないときは, 時 効 によって 消 滅 する イ 商 人 がその 営 業 のために 商 人 でない 者 の 債 務 を 保 証 した 場 合 には, 主 たる 債 務 についての 消 滅 時 効 期 間 が 10 年 であっても, 債 権 者 の 当 該 商 人 に 対 する 保 証 債 務 履 行 請 求 権 は,5 年 間 行 使 しない ときは, 時 効 によって 消 滅 する ウ 商 人 がその 営 業 のために 商 人 でない 者 に 対 して 金 銭 を 貸 し 付 け, 当 該 商 人 でない 者 が 利 息 制 限 法 所 定 の 制 限 を 超 えて 利 息 を 支 払 った 場 合 には, 当 該 商 人 でない 者 の 当 該 商 人 に 対 する 不 当 利 得 返 還 請 求 権 は,5 年 間 行 使 しないときは, 時 効 によって 消 滅 する 6

司 法 書 士 試 験 中 上 級 公 開 講 座 改 正 が 司 法 書 士 試 験 にもたらす 影 響 ~ 会 社 商 登 の 出 題 傾 向 と 民 法 大 改 正 のゆくえ~ 担 当 専 任 講 師 海 野 禎 子 1. 改 正 法 の 前 提 知 識 (1) 2015 年 5 月 1 日 会 社 法 の 一 部 を 改 正 する 法 律 案 が 施 行 (2) 2015 年 2 月 27 日 商 業 登 記 規 則 等 の 一 部 を 改 正 する 省 令 が 施 行 1 株 式 会 社 の 設 立 の 登 記 又 は 役 員 の 就 任 登 記 を 申 請 するときには, 本 人 確 認 証 明 書 の 添 付 が 必 要 となる( 改 正 後 の 商 業 登 記 規 則 第 61 条 第 5 項 ) 2 3 代 表 取 締 役 等 ( 印 鑑 提 出 者 )の 辞 任 の 登 記 を 申 請 するときには, 辞 任 届 に, 当 該 代 表 取 締 役 の 実 印 の 押 印 ( 市 区 町 村 長 作 成 の 印 鑑 証 明 書 添 付 ) 又 は 登 記 所 届 出 印 の 押 印 が 必 要 となる( 同 条 第 6 項 ) 役 員 又 は 清 算 人 の 就 任 等 の 登 記 の 申 請 をするときには,その 婚 姻 前 の 氏 をも 記 録 するよう 申 し 出 ることができるようになる( 規 則 第 81 条 の2) (3) 2015 年 2 月 6 日 会 社 法 の 一 部 を 改 正 する 法 律 等 の 施 行 に 伴 う 商 業 法 人 登 記 事 務 の 取 扱 いについて( 通 達 ) 2.27 年 本 試 験 における 会 社 法 商 登 規 則 改 正 点 の 出 題 点 1 択 一 第 30 問 目 肢 イ イ 監 査 役 を 置 く 株 式 会 社 は, 監 査 役 の 監 査 の 範 囲 を 会 計 に 関 するものに 限 定 す る 旨 の 定 款 の 定 めを 設 けた 場 合 には,その 旨 の 変 更 の 登 記 をしなければならな い 1

2 記 述 商 業 登 記 法 第 37 問 役 員 の 就 任 登 記 の 本 人 確 認 証 明 書 の 添 付 非 公 開 会 社 の 発 行 可 能 株 式 総 数 の 増 加 変 更 3. 平 成 27 年 本 試 験 における 改 正 点 の 出 題 傾 向 1 択 一 及 び 記 述 共 に メインテーマとしては 出 題 してきていない 2 改 正 点 を 知 らなければ 正 確 な 判 断 ができない( 発 行 可 能 株 式 総 数 の 増 加 変 更 ) 3 本 人 確 認 証 明 書 の 添 付 のミスは 致 命 傷 にならない 4. 来 年 の 改 正 点 出 題 予 想 及 び 対 策 1 改 正 論 点 の 多 さからみると 平 成 28 年 は 改 正 論 点 を 正 面 から 聞 いてくる 問 題 は 避 けられない?! 2 平 成 27 年 受 験 対 策 として 講 義 でもあまり 解 説 しなかった 改 正 点 も 攻 略 必 要 a. 社 外 取 締 役 社 外 監 査 役 の 要 件 (2 条 15 号 16 号 ) b. 組 織 再 編 の 差 止 請 求 (784 条 の2 796 条 の2 805 条 の2) c. 詐 害 的 会 社 分 割 (759 条 4 項 7614 項 764 条 4 項 766 条 4 項 ) d. 分 割 会 社 に 知 れていない 債 権 者 の 保 護 (759 条 2 項 3 項 761 条 2 項 3 項 764 条 2 項 3 項 766 条 2 項 3 項 ) e. 反 対 株 主 の 株 式 の 買 取 口 座 の 開 設 ( 社 債 株 式 等 の 振 替 に 関 する 法 律 155 条 1 項 ) f. 特 定 責 任 追 及 訴 訟 (847 条 の3) 2

g. 旧 株 主 による 責 任 追 及 等 の 訴 え(847 条 の2) h. 企 業 集 団 内 部 統 制 システム 構 築 義 務 (348 条 3 項 4 号 362 条 4 項 6 号 416 条 1 項 1 号 ホ) i. 新 株 予 約 権 無 償 割 当 に 関 する 割 当 通 知 (279 条 2 項 3 項 ) 3 商 登 法 記 述 問 題 では 本 人 確 認 証 明 書 はもちろんのこと 代 表 取 締 役 等 の 辞 任 の 印 鑑 証 明 書 の 論 点 も 要 注 意 特 に 議 事 録 の 援 用 の 可 否 に 要 注 意 4 監 査 等 委 員 会 設 置 会 社 の 記 述 問 題 も 攻 略 必 要 5. 今 後 の 勉 強 法 1 会 社 法 択 一 対 策 は 過 去 問 のみでは 不 十 分 H27 年 向 けの 答 練 公 開 模 試 の 活 用 過 去 問 プラスH26 27 改 正 点 のみの 問 題 を 追 加 2 記 述 対 策 は 必 ず 改 正 法 対 応 済 みの 問 題 を 解 くこと 6. 中 上 級 向 けインプット 講 座 の 改 正 法 対 策 3

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