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公表表紙

2 一 般 行 政 職 給 料 表 の 状 況 (23 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 級 2 級 3 級 4 級 5 級 6 級 7 級 1 号 級 の 給 料 月 額 135,60 185,80 22,90 261,90 289,20 320,60 36,20 最 高 号 給 の 給 料 月

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目 次 第 1. 土 区 画 整 理 事 業 の 名 称 等 1 (1) 土 区 画 整 理 事 業 の 名 称 1 (2) 施 行 者 の 名 称 1 第 2. 施 行 区 1 (1) 施 行 区 の 位 置 1 (2) 施 行 区 位 置 図 1 (3) 施 行 区 の 区 域 1 (4) 施

 

16 日本学生支援機構

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は 固 定 流 動 及 び 繰 延 に 区 分 することとし 減 価 償 却 を 行 うべき 固 定 の 取 得 又 は 改 良 に 充 てるための 補 助 金 等 の 交 付 を 受 けた 場 合 にお いては その 交 付 を 受 けた 金 額 に 相 当 する 額 を 長 期 前 受 金 とし

(5) 給 与 改 定 の 状 況 には 事 委 員 会 が 設 置 されていないため 勧 告 はありません 1 月 例 給 民 間 給 与 公 務 員 給 与 A B 24 年 度 事 委 員 会 の 勧 告 ( 参 考 ) 較 差 勧 告 給 与 改 定 率 国 の 改 定 率 AB ( 改 定

(2) 勤 続 5 年 を 超 え 10 年 までの 期 間 については 勤 続 期 間 1 年 につき 本 俸 月 額 の100 分 の140 (3) 勤 続 10 年 を 超 え 20 年 までの 期 間 については 勤 続 期 間 1 年 につき 本 俸 月 額 の100 分 の180 (4)

(3) 職 員 の 初 任 給 の 状 況 ( 平 成 5 年 月 日 現 在 ) 決 定 初 任 給 採 用 年 経 過 後 給 料 月 額 大 学 卒 7, 8, 一 般 行 政 職 短 大 卒 9,8 6, 高 校 卒, 8,5 () 職 員 の 経 験 年 数 別 学 歴 別 平 均 給 料

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Q7 従 業 員 に 対 する 現 物 給 付 は 報 酬 給 与 額 に 含 まれます A7 法 人 が 役 員 又 は 使 用 人 のために 給 付 する 金 銭 以 外 の 物 又 は 権 利 その 他 経 済 的 利 益 (いわ ゆる 現 物 給 与 )については 所 得 税 において 給

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1 総 合 設 計 一 定 規 模 以 上 の 敷 地 面 積 及 び 一 定 割 合 以 上 の 空 地 を 有 する 建 築 計 画 について 特 定 行 政 庁 の 許 可 により 容 積 率 斜 線 制 限 などの 制 限 を 緩 和 する 制 度 である 建 築 敷 地 の 共 同 化 や

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財団法人○○会における最初の評議員の選任方法(案)

回 答 Q3-1 土 地 下 落 の 傾 向 の 中 固 定 資 産 税 が 毎 年 あがるのはなぜですか? 質 問 : 土 地 下 落 の 傾 向 の 中 土 地 の 固 定 資 産 税 が 毎 年 あがるのはなぜですか? 答 : あなたの 土 地 は 過 去 の 評 価 替 えで 評 価 額 が

別 表 1 土 地 建 物 提 案 型 の 供 給 計 画 に 関 する 評 価 項 目 と 評 価 点 数 表 項 目 区 分 評 価 内 容 と 点 数 一 般 評 価 項 目 立 地 条 件 (1) 交 通 利 便 性 ( 徒 歩 =80m/1 分 ) 25 (2) 生 活 利 便

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平成16年度

- 1 - 総 控 負 傷 疾 病 療 養 産 産 女 性 責 帰 べ 由 試 ~ 8 契 約 契 約 完 了 ほ 契 約 超 締 結 専 門 的 知 識 技 術 験 専 門 的 知 識 高 大 臣 専 門 的 知 識 高 専 門 的 知 識 締 結 契 約 満 歳 締 結 契 約 契 約 係 始

2 職 員 の 平 均 給 与 月 額 初 任 給 等 の 状 況 (1) 職 員 の 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 及 び 平 均 給 与 月 額 の 状 況 (26 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 一 般 行 政 職 区 分 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 平 均 給 与

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ドイツ オーストリアの 新 聞 に 1) 見 られる 狩 猟 表 現 野 島 利 彰 1. Parforceritt durch die Nachkriegsgeschichte SZ. 96.10.1 Die Geschichte der Weltpolitik von Hitler bis Gorbatschow, 1941-1991 戦 後 史 を 強 引 に 駆 ける ヒトラーからゴルバチョフまでの 世 界 政 策 の 著 者 がドイツの 視 点 を 維 持 しながら それを 世 界 史 的 な 視 野 に 強 引 に 拡 大 し た 点 を 批 判 した 書 評 記 事 2. Im Solingen-Prozeß unternimmt die Verteidigung einen Parforceritt FAZ.95.9.13 ゾーリンゲン 裁 判 で 弁 護 側 が 強 引 な 弁 論 を 展 開 右 翼 による 放 火 事 件 が 公 安 警 察 のスパイの 示 唆 によるものと 弁 護 側 が 主 張 しようとしていることを 扱 った 記 事 Parforceritt は 追 走 猟 (Parforcejagd) における 騎 走 逃 げる 獲 物 を 追 い 森 や 野 をがむしゃらに 騎 走 すること 強 引 な 行 為 を 指 す Kein Verzicht auf Vetorecht gegen weibliche Kollegen 3. Wenn der Pfarrer Platzhirsch bleiben will SZ.91.3.28 Auch in der evangelischen Kirche gibt es immer noch männliche Vorbehalte gegen das andere Geschlecht. もし 男 性 牧 師 がそのままその 教 区 の 長 であることを 望 むなら 福 音 派 の -197-

野 島 利 彰 教 区 長 の 地 位 に 女 性 牧 師 がなることに 対 し 拒 否 権 が 未 だに 維 持 されていること を 訴 えた 記 事 4. Da muß sich Trittin rhetorisch oft weiter nach links aus dem Fenster lehnen, als ihm inhaltlich recht ist, um sich als Platzhirsch im Revier zu behaupten. Volmer, so sagt ein Realpolitiker unter Anspielung auf die Getreuen, die der ehemalige Vorstandsprecher noch hat, kann zwar nicht mehr Leithund werden, aber er kann den Leithund in den Schwanz beißen. FAZ. 97.11.14 本 来 は 党 内 右 派 の 環 境 大 臣 トリティーンは 緑 の 党 内 部 でトップの 地 位 を 守 るためにはもっと 左 の 発 言 をしなければならない フォルマーはもう 皆 を 導 く 先 導 犬 にはなれないが 先 導 犬 の 尻 尾 に 噛 み 付 くことはできる Platzhirsch はテリトリーの 主 であるアカシカ 他 の 雄 が 近 寄 って 来 ると 排 除 し ようとする Leithund は 先 導 犬 嗅 覚 に 優 れた 猟 犬 で 追 走 猟 の 際 に 追 跡 すべきアカシカの 足 跡 の 臭 いを 覚 え 追 走 猟 団 や 猟 犬 群 を 導 く 5. Halali für ein Grundrecht SZ. 98.2.6 Viele Jäger sind des Grundrechts Tod.Vor zehn Jahren hat die Jagd auf das Grundrecht der Unverletzlichkeit der Wohnung begonnen; am heutigen Freitag ist im Bundesrat das große Finale. Damals vor zehn Jahren, stand die CSU allein mit ihrem Plan, in Privatwohnungen einzubrechen und die Wanzen zu installieren; dann hat sich rasch die CDU angeschlossen. Heute wollen viele mitmachen....man darf sich nicht täuschen lassen. Es gibt Jäger, die sich als Heger des Grundrechts gerieren. 基 本 的 人 権 に 追 悼 のホルン 住 居 の 不 可 侵 を 侵 害 する 盗 聴 を 許 可 しよう とする 保 守 党 CSU に 対 し これまで 反 対 してきた 保 守 党 CDU が 賛 成 に 転 じた -198-

ドイツ オーストリアの 新 聞 に 見 られる 狩 猟 表 現 1) のをはじめ 野 党 の 中 からも 賛 成 者 が 出 たことを 言 う 記 事 最 後 の 部 分 は 騙 されてはならない 基 本 的 人 権 の 保 護 者 として 振 舞 う 者 がそれを 殺 すハンター である 場 合 もある Rom: Die neue Dimension der Staatskrise 6. Halali auf einen alten Fuchs SZ.93.3.29 Der Vorwurf der Mafia-Kontakte trifft in Giulio Andreotti die Gestalt, die wie keine andere Italiens Parteien-Regime symbolisiert. 老 獪 なキツネをついに 倒 す イタリアの 元 首 相 アンドレオッチがマフィ ア 疑 惑 で 逮 捕 された 事 件 の 記 事 Halali は 追 っていた 獲 物 が 撃 ち 取 られ 狩 猟 が 終 わったこと ないしそれを 告 げるホルンの 曲 を 意 味 する Heger hegen は 野 生 動 物 の 保 護 育 成 を 意 味 し ドイツの 狩 猟 家 は 狩 猟 法 でそれ を 義 務 づけられている 動 物 を 殺 す 者 が 同 時 にそれを 育 てる 者 である 点 が 皮 肉 7. Jagd auf die Münchner Bücher-Sau SZ. 94.11.22 die ominöse Bücher-Sau, ein Wesen, das als Einzelgänger oder in Kleingruppen in die im Gasteig stattfindende große Buchausstellung hereinbricht und sofort ihre zerstörerische Wühltätikeit aufnimmt. ミュンヘン 図 書 展 示 会 で 本 を 粗 雑 に 扱 うイノシシのような 連 中 を 取 り 締 ま る Jagd= 狩 猟 目 的 とする 獲 物 を 前 置 詞 auf で 示 す Sau は 狩 猟 家 の 間 ではイノ シシを 意 味 する Sau は 一 般 的 に 汚 らしい 乱 暴 者 のイメージがある Wühltätikeit=wühlen はイノシシが 鼻 先 で 餌 を 求 めて 畑 や 林 内 を 掘 り 返 すこと -199-

野 島 利 彰 8. Durch sämtliche Lappen gegangen FAZ. 05.3.11 Am Golde hängt doch alles: Einer Frankfurter Rothschild-Villa droht der Abriß 全 部 の 保 護 策 から 逃 れる フランクフルト 郊 外 にあるロスチャイルド 家 の 邸 宅 が 保 存 建 築 に 指 定 されず 崩 壊 の 危 機 に 瀕 していることを 訴 えた 文 芸 欄 の 記 事 9. Dagobert geht Polizei durch die Lappen SZ.92.9.23 Beamter packt Erpresser am Kragen, rutscht aus und läßt ihn laufen 爆 発 犯 ダゴベルト 逃 れる デパートなどに 爆 発 物 を 仕 掛 け 企 業 から 多 額 の 金 を 脅 し 取 った 事 件 の 犯 人 が 一 度 は 警 察 に 捕 まったが 間 違 って 釈 放 され てしまった durch die Lappen gehen は 張 り 巡 らした 威 しを 潜 り 抜 けること 囲 い 込 み 猟 で アカシカを 追 い 立 て 集 める 際 に 元 の 森 に 戻 らないように 威 しとして 布 や 羽 根 をつけた 綱 を 張 る 10.Handwerk bläst zur Jagd auf Bönhasen SZ. 95.3.13 職 人 組 合 が 不 法 就 労 者 の 摘 発 を 開 始 zur Jagd blasen はホルンによる 狩 猟 開 始 の 合 図 集 団 で 狩 猟 を 行 なうときには ホルンの 音 でまざまな 指 示 を 伝 達 する Bönhase は 組 合 に 属 さない もぐりの 職 人 11. 100 Polizisten auf Brandstifter-Pirsch (SZ. 発 行 日 不 明 ) 放 火 犯 の 捜 査 に 100 名 の 警 察 官 Pirsch は 単 独 またはごく 少 数 で 獲 物 を 求 めて 森 などを 歩 くこと -200-

ドイツ オーストリアの 新 聞 に 見 られる 狩 猟 表 現 1) 12. Unterm Hedschab FAZ. 05.2.17 Für viele Frauen ist es problematisch, daß die staatliche und männliche Deutungsmacht die Schlechter-Hedschab -Frauen geradezu als Freiwild betrachtet. Vor allem junge Frauen, die den Hedschab modischer und angenehmer gestalten, sehen sich oftmals falsch verstanden, wenn Männer dies als Aufforderung zur Anmache auslegen. Die Männer hier haben die Vorstellung, daß diese Frauen sich nicht schützen wollen sagt die 67 Jahre alte Schhla. 多 くの 女 性 たちにとって 問 題 なのは 国 = 男 の 法 解 釈 権 力 がイスラム 服 装 規 程 に 違 反 している 女 性 を 何 をしても 構 わない 獲 物 のように 看 做 していること である 夫 ともにイランに 在 住 するドイツ 人 女 性 の 報 告 記 事 13. Österreich ist verpflichtet, seinen Luftraum zu überwachen, und dazu stehen wir, auch wenn dies unpopulär ist.nichts wäre gefährlicher, als wenn ein neutraler Staat zum Freiwild nicht neutraler Staaten würde. Standard 05.4.28. 中 立 国 が 非 中 立 国 の 獲 物 となることほど 危 険 なことはないであろう オー ストリアのシュセル 首 相 が 議 会 で 高 価 なユーロファイター 機 を 次 期 戦 闘 機 と して 配 備 することが 正 当 であると 答 弁 現 在 配 備 されている 戦 闘 機 は 20 年 前 のスウェーデン 製 機 で 空 飛 ぶ 屑 鉄 と 称 され ほとんど 防 空 機 能 を 果 たせ ないため 新 規 購 入 は 焦 眉 の 問 題 である しかしそれとは 別 に 国 土 の 狭 い 国 に 緊 急 発 進 のための 迎 撃 戦 闘 機 がそもそも 必 要 かとの 議 論 がある Freiwild は 狩 猟 に 供 された 狩 猟 動 物 zum Jagd freigegebenes Wild の 意 味 で そ こから 保 護 を 失 った 人 間 や 物 を 意 味 するようになった 14. Mit Computern in fremden Systemen wildern SZ. 87.5.9 コンピューターで 他 人 のシステムに 侵 入 -201-

野 島 利 彰 15. Bei den Grünen wildern FAZ. 05.4.18 Im Wahlkampf in Nordrhein-Westfalen gibt sich die FDP radikaler als die CDU 緑 の 党 の 票 田 を 荒 らす ノルトライン ヴェストファーレン 州 選 挙 では 自 由 党 FDP がキリスト 教 民 主 同 盟 CDU との 連 立 政 権 に 食 い 込 むためには 緑 の 党 die Grünen を 追 い 落 とさなければならない そのため FDP は 左 よりの 発 言 をし て 緑 の 党 の 票 を 奪 おうとしている 16. Wilderer im Garten der Geschichte FAZ.88.9.23 歴 史 の 庭 の 密 猟 者 有 名 な 絵 画 のパロディー 作 品 を 扱 った 展 覧 会 に 関 する 文 芸 欄 の 批 評 記 事 wildern Wilderer は 密 猟 する 密 猟 者 = 権 利 のないものが 狩 猟 をすること Bei der Nominierung des Bundestagskandidaten SZ.93.12.20 17. CSU schießt Achtender ab Günther Müller muß in Bonn die Koffer packen. バイエルン 州 の 保 守 党 CSU が 枝 角 数 8 本 のアカシカを 射 殺 8 期 連 邦 議 会 議 員 であった CSU 議 員 が 党 に 従 わない 行 動 が 何 度 かあったため 選 挙 リスト からはずされたことを 言 う 記 事 Achtender は 枝 数 の 合 計 すなわち 左 右 の 合 計 が 8 本 あるアカシカ Die Kuron-Prozeß in Düsseldorf: Landesverrat oder nur Weitergabe von Dienstgeheimnissen? 18. Fährtensuche in dichtem Gestrüpp SZ.92.1.27 Obwohl beide Dienstherren des Doppelagenten im Prozeß als Zeugen auftreten, lassen sich die Details des Verrats nicht lückenlos aufklären. 密 なヤブの 中 で 足 跡 探 し 二 重 スパイの 裁 判 でなぜ 彼 がそうなったかを -202-

ドイツ オーストリアの 新 聞 に 見 られる 狩 猟 表 現 1) 知 るためにかつての 上 司 を 証 人 として 呼 んだが それでも 真 相 究 明 は 難 しいこ とを 伝 える 記 事 Fährtensuche は 足 跡 を 探 すこと 19. Die Japaner auf Trophäenjagd -- Ängste der Amerikaner FAZ.89.11.15 Der Vergleich mit Großwildjägern und ihrem gehetzten Opfer scheint manchen Amerikenern angemessen zu sein. Während japanische Investoren in den letzten Jahren mit hartnäckigem Jagdeifer ihre Sammlung amerikanischer Unternehmen und Immobilien durch teilweise spektakuläre Käufe ständig vervollständigt haben, fühlt sich die amerikanische Öffentlichkeit zunehmend durch die erfolgreichen Geschäftsleute aus Japan bedrängt. 大 物 狩 りをする 日 本 企 業 日 本 企 業 がアメリカ 企 業 の 買 収 に 乗 り 出 して いることを 伝 える 記 事 下 線 部 大 物 狩 りをするハンターと 追 われる 獲 物 に 喩 えることは 上 手 い 比 喩 だと 思 うアメリカ 人 も 多 いだろう Jagdeifer は 狩 猟 熱 に 浮 かされること Trophäenjagd は 狩 猟 記 念 品 を 求 めて 行 なう 狩 猟 Großwild はヨーロッパにいない 大 型 動 物 ゾウ サイ ライオンなど 20. Am Freitag letzter Woche wurde die neue Justizministerin Karin Miklautsch noch als frauenpolitisches Signal präsentiert, tags darauf nannte sie Jörg Haider am Rande eines Kärntner Prominenten-Gokart-Rennens launig Boxenluder. Ob scherzhaft oder nicht: Die FPÖ hat es geschafft, binnen 24 Stunden ihre neue Ministerin völlig zu desavouieren. Standard 04.7.1 先 週 金 曜 日 に 新 法 務 大 臣 カーリン ミクラウチュはまだ 女 性 優 先 政 策 へ の 合 図 と 紹 介 されたが 翌 日 ハイダーはケルンテン 州 有 名 人 ゴーカートレー ス 大 会 の 席 上 彼 女 をユーモアのつもりで 引 っ 掛 け 女 と 呼 んだ -203-

野 島 利 彰 自 分 で 法 相 に 推 薦 した 女 性 をハイダーが 軽 蔑 的 に 表 現 したため この 後 ハイ ダーは 女 性 閣 僚 や 野 党 また 女 性 団 体 から 抗 議 される Boxenluder は Box + Luder で Luder は 狩 猟 用 語 で 食 肉 性 狩 猟 動 物 を 誘 き 寄 せる ための 動 物 の 死 骸 そこから だらしない 人 間 ことに 女 などを 意 味 するよ うになった 21. Und die wichtigsten Wahlgänge kommen erst: in zwei Wochen die Bundeshauptstadt, nächstes Jahr die Nationalratswahl mit der für die Grünen historischen Chancen auf eine Regierungsbeteiligung im Bund. Die Vorzeichen stehen schlecht und die Voraussetzungen sind schwierig. Wien suhlt sich in einer absoluten Häupl-Mehrheit, das ist relativ unspannend und erschwert den Grünen die Mobilisierung. Standard. 05.10.11. ウィーンはホイプル 市 長 の 社 民 党 絶 対 多 数 の 下 でのうのうと 過 ごしている 緑 の 党 が 伸 び 悩 み 10 月 23 日 のウィーン 州 議 会 選 挙 来 年 の 総 選 挙 に 向 け どのような 対 策 があるのかを 問 うた 記 事 suhlen はアカシカが 泥 濘 に 浸 かり 気 持 ちよさそうに 泥 浴 びをすること 22. Wahlkampfzeiten sind auch immer Zeiten intensiver Schulung, die vor allem der jeweilige Parteijugend beibringen soll, wie und wohin der Hase zu laufen hat. Standard 05.8.17. 選 挙 戦 は 同 時 にいつも 集 中 的 な 訓 練 の 時 でもある ことに 若 い 党 員 たちに どのように 選 挙 を 進 めるべきかを 教 育 する 時 である 最 近 のオーストリアの 選 挙 はかなり 汚 い 選 挙 で インターネットやニセの 投 書 で 相 手 候 補 の 誹 謗 中 傷 が 行 われる 保 守 の 国 民 党 が 党 員 学 生 を 集 めて 恒 常 的 にその 訓 練 を 行 なってい たとされる 疑 惑 に 関 する 記 事 wissen,wohin der Hase läuft ウサギがどこへ 逃 げるか 知 っている は 成 り 行 き -204-

ドイツ オーストリアの 新 聞 に 見 られる 狩 猟 表 現 1) がどうなるか 知 っている の 意 この 最 後 の 例 は 先 ほどの durch die Lappen gehen ( 例 文 8,9) などと 同 じ 慣 用 句 表 現 である 一 般 的 に 言 葉 には 生 活 に 由 来 するさまざまな 要 素 が 入 り 込 んでい る ドイツ 語 (に 限 らないが) を 見 ていると 窮 地 にある が ハンマーと 鉄 床 の 間 にある zwischen Hammer oder Amboß sein 悩 みの 原 因 を 知 っている が 靴 のどこが 当 たるか 知 っている wissen, wo einen der Schuh drückt. もっけの 幸 い は 自 分 の 水 車 に 水 das ist Wasser auf seiner Mühle. あることを 甘 受 す る は 買 い 取 る in Kauf nehmen などいかにも 生 活 を 感 じさせる 慣 用 句 表 現 が 多 数 見 出 される この 中 には 狩 猟 に 関 する 表 現 も 多 い jemandem auf die Spur kommen 足 跡 に 達 する が 手 掛 かりを 得 る jemanden (etwas) zur Strecke bringen 獲 物 検 分 の 場 に 持 って 行 く が 敵 を 打 ち 負 かす Wind von etwas bekommen あることの 臭 いを 感 ずる が 密 かにあることを 知 る ins Garn gehen 狩 猟 用 の 網 にかかる は 騙 される in die Falle gehen. 罠 にはまる mit jemandem ins gleiche Horn blasen 同 じホルンを 吹 く は 同 意 見 だ 追 走 猟 -フランス 式 狩 猟 慣 用 句 や 見 出 しの 狩 猟 的 表 現 を 見 ると ドイツが 狩 猟 大 国 であるように 錯 覚 してしまう しかし 実 は 隣 国 フランスこそが 中 世 以 来 狩 猟 の 先 進 国 であった フランスでは 早 くから 狩 猟 に 関 する 書 が 出 され その 集 大 成 とも 言 うべきもの が 美 しい 写 本 中 庸 王 と 理 性 王 妃 の 狩 猟 書 (1350 年 ころ) と 華 麗 で 網 羅 的 な ガストン フェビュスの 狩 猟 書 (1387 年 ころ) であった これらの 書 は 主 として 騎 馬 で 狩 猟 動 物 を 追 う 狩 猟 について 述 べている フランスの 狩 猟 はス -205-

野 島 利 彰 ポーツ 性 が 濃 厚 で 多 数 の 狩 猟 家 が 騎 馬 で 追 跡 猟 犬 の 群 とともに 一 頭 のアカ シカまたはイノシシをそれが 疲 れ 切 るまで 追 う 方 式 であった これはバロック 時 代 に 一 定 の 様 式 を 備 え 追 走 猟 (Parforcejagd) に 発 展 し 典 型 的 なフランス 式 狩 猟 となった その 時 代 フランスでは 同 時 に 宮 廷 文 化 がその 頂 点 にあり 周 辺 諸 国 の 宮 延 はその 華 麗 さに 憧 れ 争 ってそれを 取 り 入 れた ドイツの 諸 邦 に もフランス 宮 廷 文 化 およびそれに 付 随 して 狩 猟 文 化 が 移 入 された 追 走 猟 は 猟 そのものよりも その 準 備 に 長 い 時 間 が 必 要 であり 準 備 が 日 常 的 に 行 なわれねばならなかった そのために 宮 廷 は 狩 猟 専 門 の 官 職 を 置 き そ の 下 に 職 人 集 団 である 多 数 の 狩 猟 員 を 雇 用 していた 狩 猟 員 は 日 々 森 林 を 管 理 し そこに 現 在 どのようなアカシカ すなわち 頭 数 性 別 のみならず ことに 枝 角 の 大 きさ 角 の 小 枝 の 数 やその 形 状 までを 含 めて どのようなアカシカが いるかを 把 握 した その 知 識 から 彼 らは 前 もって 狩 猟 に 相 応 しい ( 一 般 的 に 枝 の 数 が 十 本 以 上 で 身 体 も 十 分 発 育 しているもの) 複 数 のアカシカを 候 補 とし て 選 び その 居 場 所 を 日 々 確 かめた 狩 猟 の 当 日 に 主 催 者 である 王 侯 がそのど れを 追 うかを 決 定 した 先 導 犬 (Leithund 例 文 4) と 呼 ばれる 嗅 覚 犬 は 非 常 に 鼻 が 利 き 異 なるアカシカの 多 数 の 足 跡 の 中 から 指 定 されたアカシカの 足 跡 を 確 認 し その 居 場 所 へと 狩 猟 員 を 案 内 した 狩 猟 員 は 目 的 のアカシカを 追 いや すくするため 他 のアカシカから 分 離 し 森 から 道 へと 徐 々に 追 い 出 した こ れには 先 導 犬 に 足 跡 を 追 わせ アカシカが 臭 いや 物 音 で 不 安 を 感 じ 移 動 するよ う 強 いた アカシカが 孤 立 するとその 足 跡 に 追 跡 猟 犬 群 が 連 れてこられ 臭 い を 確 認 させる ここでファンファーレの 響 きとともに (zur Jagd blasen 例 文 10) 猟 犬 の 群 れが 放 たれ 追 走 が 開 始 される 騎 馬 の 狩 猟 員 は 猟 犬 を 統 率 しつつア カシカを 追 い 馬 を 馳 せながら 何 が 起 きているかをホルンで 仲 間 の 騎 馬 あるい は 主 催 者 の 貴 族 に 知 らせる 逃 げるアカシカは 途 中 足 跡 を 後 戻 りして 脇 に 逃 げ あるいは 飛 び 跳 ねるなどして 猟 犬 をまこうとする 追 跡 猟 犬 が 間 違 った 場 合 に は 狩 猟 員 は 正 しい 足 跡 まで 戻 り 先 導 犬 に 探 させ 見 つかれば 再 び 追 跡 を 開 始 す る 追 走 は 平 均 で 約 2 時 間 掛 かった しかし 老 練 なアカシカは 疲 れ 果 てて 猟 犬 の 群 れに 追 いつかれるまで 6 時 間 から 9 時 間 も 逃 げることができた 立 ち 止 -206-

ドイツ オーストリアの 新 聞 に 見 られる 狩 猟 表 現 1) まったアカシカが 枝 角 で 猟 犬 に 戦 いを 挑 み 始 めたら 狩 猟 員 は 馬 から 下 り その 背 後 に 回 り 後 ろ 脚 の 腱 を 猟 刀 で 切 り アカシカがこれ 以 上 逃 げられないように する ここで 狩 猟 員 はホルンを 吹 き 追 走 猟 の 主 催 者 (= 狩 猟 主 Jagdherr) であ る 王 侯 を 呼 ぶ (Fürstenruf) 王 侯 が 到 着 し 狩 猟 動 物 の 心 臓 を 剣 で 突 き トドメ を 与 えた アカシカが 倒 されると 狩 猟 員 がそれを 告 げるホルンを 吹 き それに 応 じて 他 の 狩 猟 員 もホルンを 吹 いた ガストン フェビュスの 狩 猟 書 ですで に アカシカが 倒 されたら 狩 猟 の 終 了 (Halali 例 文 5,6) を 知 らせるため 長 くひと 吹 き それに 続 けて 短 く 多 数 吹 き これ 全 体 を 二 度 繰 り 返 す ホルン を 持 つ 他 の 狩 猟 員 は 互 いにそれに 応 える と 述 べている 追 走 猟 の 参 加 者 は 逃 げる 狩 猟 動 物 を 追 って 走 るので 騎 走 に 長 けていなけれ ばならなかった 例 えば 狩 猟 新 聞 によると 1880 年 3 月 ゲーティング (ウ ィーンの 北 東 約 86km 現 チェコ 領 ) で 宮 廷 追 走 猟 が 行 われ 皇 帝 フランツ ヨ ーゼフも 参 加 した この 年 は 厳 しい 冬 で 雪 が 十 分 に 積 もり 地 面 が 非 常 にぬ かり 場 所 によっては 底 なし 沼 のようになっていた また 森 の 内 部 は 日 の 射 さ ず 地 面 が 凍 ったままで また 雪 が 解 けた 水 溜 りも 完 全 に 凍 っていた そこを 駆 け 抜 けた 際 に 何 人 かが 落 馬 した 草 原 は 所 により 泥 沼 あるいは 半 分 乾 いた 池 で 騎 手 は 望 む 望 まないに 拘 わらず 冷 水 で 水 浴 びをする 羽 目 になったという またパルドゥビッツ (プラハの 西 約 90km 現 チェコ 領 ) で 地 元 の 貴 族 らが 追 走 猟 団 を 再 建 し 飼 育 したアカシカを 放 して 追 った この 周 辺 は 建 物 のない 土 地 と 草 地 が 森 林 と 交 替 し なだらかで 追 走 猟 に 無 条 件 に 適 した 土 地 であった ただし 跳 び 越 えねばならない 広 い 溝 や 流 れがあり またあちこちに 大 きな 障 害 物 があった このような 適 地 でも ある 追 走 猟 で 始 めの 30 騎 が 早 駆 け 5 マイ ルでたったの 9 騎 に 減 ってしまったという ( 狩 猟 新 聞 1859.9.30) 追 走 猟 の 騎 走 (Parforceritt 例 文 1,2) がどんなものであるか 1873 年 11 月 10 日 にプロイセンのポツダムで 行 われた 追 走 猟 が 示 している この 追 走 猟 はイ ノシシが 相 手 で プロイセンのカール 王 子 が 参 加 した イノシシは 背 が 低 く かなりのところにでも 潜 り 込 めるので その 分 追 跡 が 苦 労 であったようだ 参 加 者 は 100 騎 を 越 えた 指 揮 をするアルニム 大 尉 がまず 28 組 の 猟 犬 群 をイノ -207-

野 島 利 彰 シシ ( 満 一 才 過 ぎ) が 放 たれた 道 に 置 き 臭 いを 覚 えさせた 追 跡 が 始 まり 速 い 足 並 みで 最 初 は 狩 猟 小 屋 の 後 ろにある 高 木 林 を 抜 け 南 にある 密 な 保 護 林 に 入 り 込 み 騎 手 たちはがむしゃらに 飛 び 込 んだが 簡 単 には 突 破 できなかった 猟 犬 群 はイノシシの 足 跡 を 再 び 見 つけるのに 数 秒 掛 かった いずれにしろ 猟 犬 群 は 大 きく 曲 がり 近 くの 林 道 を 越 え 公 道 の 方 に 向 かい その 後 再 び 騎 手 た ちを 森 の 中 の 狭 い 道 に 引 き 込 んだ 追 跡 は 抜 けるのが 難 しいヤブの 中 をくねく ねと 休 みなく 続 き 隠 れた 沼 地 を 越 え 開 けた 開 墾 地 に 出 た ここで 3 頭 の 馬 が 切 り 株 を 掘 り 出 した 穴 と 雑 草 や 雑 木 で 覆 われた 溝 に 足 を 取 られ 真 っ 逆 様 に 転 倒 した 追 跡 はやや 樹 木 のある 伐 採 跡 地 にもう 一 度 入 ってから ようやく 開 けた 原 に 出 た ここで 逃 げるイノシシの 姿 が 見 られた イノシシは 猟 犬 群 の 3 分 の 2 に 囲 まれ 残 った 猟 犬 があっという 間 に 抑 え 込 んだ マイヤーリンク 中 尉 が 逃 げられないようにイノシシの 腱 を 切 り 狩 猟 主 であるカール 殿 下 がトド メを 与 えた 妃 殿 下 は 赤 のマントを 羽 織 られホルンによるハラリ (Halali) の 吹 奏 と 栄 誉 の 枝 印 授 与 の 場 に 出 られた ( 狩 猟 新 聞 1873.11.15) 上 の 二 つの 例 に 見 られるように 近 代 の 宮 廷 は 常 時 多 数 の 狩 猟 員 を 雇 用 し 森 を 管 理 させる 余 裕 がなかったものと 見 え 追 走 猟 では 飼 育 された 狩 猟 動 物 を 放 ってそれを 追 った フランツ ヨーゼフ 皇 帝 の 妃 エリーザベトも 追 走 猟 を 好 み ハンガリー 平 原 でアカシカを 追 ったが これもオーストリア 国 内 で 捕 獲 し わざわざ 列 車 で 送 ったものであった 飼 育 されていた 狩 猟 動 物 (Wild) が 放 たれ (frei) 狩 猟 に 供 され 騎 馬 と 猟 犬 がそれを 過 酷 に 追 い 詰 め 狩 猟 動 物 は 悲 惨 な 状 況 に 陥 る このイメージが Freiwild ( 例 文 12,13)である 狩 猟 用 語 上 で 述 べたように 追 走 猟 には 日 常 的 な 準 備 が 必 要 で そのために 狩 猟 員 が 存 在 した アカシカに 対 する 狩 猟 が 中 心 であったため アカシカ 専 門 の 狩 猟 員 が 養 成 され 専 門 的 な 知 識 の 集 積 と 伝 達 が 行 なわれた アカシカ 専 門 hirschgerecht の 狩 猟 員 はホルンを 革 帯 に 付 けて 下 げることが 許 された 彼 らはアカシカの 痕 -208-

ドイツ オーストリアの 新 聞 に 見 られる 狩 猟 表 現 1) 跡 ついて 72 種 類 の 区 別 ができ しかもその 大 部 分 に 固 有 の 名 称 が 付 けられて いた 痕 跡 とは 足 跡 のみならず 樹 木 の 幹 にできた 傷 あるいは 枝 角 が 引 っ 掛 かって 折 れた 木 の 枝 など アカシカが 通 ったと 特 定 することの 出 来 る 痕 跡 のこ とである この 知 識 なしにはアカシカ 専 門 狩 猟 員 に 任 ぜられることはなかった 狩 猟 員 はこれらの 痕 跡 からアカシカの 存 在 ばかりでなく 性 別 やその 大 きさ さらには 枝 角 の 枝 の 数 まで 判 断 した 狩 猟 員 は 職 人 であり 恐 らく 同 じ 狩 猟 員 身 分 の 出 身 者 であった ( 絵 で 見 る 限 り 彼 らの 姿 は 農 民 とあまり 変 わりがない) ガストン フェビュスの 狩 猟 書 では 狩 猟 職 人 の 教 育 は 7 才 で 始 めるべきだと 言 っている 彼 らは 猟 犬 の 世 話 か ら 始 め 猟 犬 の 訓 練 足 跡 やその 他 の 痕 跡 の 観 察 と 判 断 ホルンの 吹 き 方 銃 の 操 作 などを 修 得 しつつ 仲 間 内 だけで 通 じる 特 殊 な 言 葉 すなわち 狩 猟 用 語 を 獲 得 した 狩 猟 用 語 は 同 時 に 森 などで 出 会 う 見 知 らぬ 人 間 の 識 別 にも 使 われた 狩 猟 員 は 森 で 生 きているばかりでなく グリム 童 話 の 赤 頭 巾 ちゃん に 見 られるよう 日 常 的 に 村 人 と 接 し 農 民 からも 狩 猟 動 物 に 関 する 情 報 を 得 ていた ヘッペは 狩 猟 員 の 心 得 として 森 で 会 う 羊 飼 いや 農 民 や 炭 焼 きと 和 やかにおし ゃべりをしてはならず むしろ 彼 らにアカシカやイノシシを 見 なかったか 見 たならばその 大 きさと 場 所 を さらに 足 跡 を 見 たか そこに 連 れて 行 って 貰 え るか と 尋 ねなければならない そうすることで 足 跡 に 詳 しい 知 識 が 得 られる こうした 場 合 この 人 たちにいくらか 酒 手 を 与 えることが 大 きな 役 に 立 つであろ う ( 狩 猟 の 喜 び Jagdlust1783 年 ) と 言 っている 狩 猟 用 語 がこうした 交 流 から 次 第 に 流 出 し 庶 民 にも 理 解 され 一 般 化 したことは 確 かであろう 例 えば Fährtensuche の Fährte Platzhirsch suhlen Sau Pirsch Achtender は 狩 猟 用 語 である Fährte ( 例 文 18) は 厳 密 には ヒヅメ 動 物 の 足 跡 で さ らにそれの 連 なったものを 意 味 し ( 一 つ 一 つの 足 跡 は Siegel) これを 狩 猟 員 は 絶 えず 森 の 中 で 探 し そして 読 み どの 狩 猟 動 物 がいるのか 何 をしているの かを 把 握 した 犯 人 探 しが 狩 猟 に 譬 えやすいのは 足 跡 を 追 い それを 解 釈 し ながら 逃 げているものを 捕 らえようとする 点 が 共 通 しているからである つ いでに 言 えば 慣 用 句 で 示 した auf die Spur kommen の Spur はひづめ 動 物 以 外 の -209-

野 島 利 彰 哺 乳 類 が 残 す 足 跡 で 狩 猟 鳥 類 の 場 合 は Geläuf である ただしクマ オオカミ オオヤマネコおよび 鳥 類 のヨーロッパオオライチョウは 高 狩 猟 動 物 に 数 えら れるため 足 跡 も Fährte と 呼 ばれることがある Platzhirsch ( 例 文 3,4)はテリトリーの 主 である 繁 殖 期 になったときにアカシ カは 多 数 の 雌 を 従 えてテリトリーを 形 成 する もし 若 い 雄 が 挑 戦 するために 近 づくと 突 進 してきてそれを 追 い 払 おうとする 追 い 払 おうとするイメージが 女 性 牧 師 の 任 用 を 妨 げようとする 男 性 牧 師 の 姿 に 非 常 に 上 手 く 合 致 している suhlen ( 例 文 21) はやはり 習 性 を 表 す 狩 猟 用 語 で アカシカやイノシシが 泥 濘 や 水 溜 りなどで 泥 浴 びをすることを 意 味 する 近 くにその 泥 をこすりつけた 樹 木 (Malbaum) があることから 必 ずしも 害 虫 退 治 のためではなく テリトリー の 主 張 と 見 られる Sau ( 例 文 7) はまず 貪 欲 なイメージがあり 畑 などを 襲 っ た 場 合 にはその 荒 らし 方 が 酷 い ことに 土 中 にある 昆 虫 の 幼 虫 や 植 物 の 根 など を 鼻 先 で 土 を 掘 り 返 して 探 し 回 る (wühlen 例 文 7) 習 性 があるため 根 菜 類 の 畑 では 深 刻 な 被 害 を 与 える オーストリアの 女 帝 マリア テレージアはこの イノシシによる 農 業 被 害 を 防 ぐため 勅 令 で 狩 猟 用 にイノシシを 保 護 している 森 は 害 を 防 ぐため 塀 で 囲 わなければならないと 命 じた 2) これによって 成 立 した 皇 帝 の 狩 猟 地 ラインツ 狩 猟 園 ( 面 積 2500ha) にはその 息 子 ヨーゼフ 2 世 が 高 さ 2.5m の 壁 を 築 き その 長 さは 25km にも 及 び ネストロイはこれを 万 里 の 長 城 の 仔 das Junge der chinesischen Mauer と 呼 んだ Pirsch ( 例 文 11)= 探 索 は 獲 物 を 求 めて 森 を 歩 くことで これが 真 の 狩 猟 だと 言 われている その 際 にはもちろん 足 跡 や 糞 の 解 釈 などかつて 狩 猟 員 が 持 って いた 知 識 が 必 要 となる 追 うばかりでなく 気 づかれないことも 必 要 で 風 向 きを 計 算 し 足 音 を 立 てないで 追 う ことに 枯 れ 枝 を 踏 まぬように 注 意 する 枝 を 踏 み 折 る 音 は 静 かな 森 では 意 外 によく 響 く 密 やかさが 重 要 なので 狩 猟 家 は 探 索 に 行 くには 一 人 でも 多 すぎる と 言 う Achtender ( 例 文 17)= 枝 数 が 8 ないし 7 本 の 枝 角 を 持 つアカシカ 枝 の 数 は 左 右 の 合 計 で 奇 数 を 使 わず 偶 数 で 表 示 する 枝 分 かれしてない 角 を 持 つ 2 才 のアカシカは Spießer 串 二 又 に 分 かれた 角 を 持 つものは Gabler フォーク -210-

ドイツ オーストリアの 新 聞 に 見 られる 狩 猟 表 現 1) と 呼 び それ 以 上 は 数 詞 に-ender を 付 けた 名 称 (Sechsender, Achtender, Zehnender )である かつては 枝 数 が 10 本 以 上 でなければ jagdbar 狩 猟 可 能 ではなかった ( 現 在 では 厳 密 な 規 準 はなく 十 分 に 発 達 した 重 さも 十 分 にあ りそうな 枝 角 を 持 っている 場 合 を 狩 猟 可 能 としている) それ 故 例 文 17 の Achtender を 射 殺 は 言 外 に 狩 猟 可 能 でないものを 撃 った つまり 任 期 を 全 うしないうちに 下 ろした のニュアンスが 感 じられる 一 般 化 している 狩 猟 - 庶 民 から 政 治 家 まで- 日 本 人 にとって 狩 猟 は 一 般 的 ではない 仏 教 の 伝 来 とともに 獣 肉 を 食 すこと が 公 的 に 禁 止 され 厭 われたため それを 得 る 手 段 である 狩 猟 そのものが 限 ら れた 地 域 ないし 場 面 でしか 行 なわれなかった 熊 の 胆 薬 ぐい あるいは 山 くじら などの 表 現 に 見 られるように 狩 猟 や 獣 肉 の 摂 取 が 皆 無 であったわけで はないが あくまでもそれは 特 殊 な 行 為 あるいは 禁 忌 を 踏 まえた 上 の 行 為 で それが 表 に 現 れることはなかった 逆 に 慣 用 句 表 現 を 始 めとする 狩 猟 関 係 の 言 葉 がドイツ 語 の 新 聞 記 事 に 見 受 け られるのは ドイツ 人 の 中 に 狩 猟 が 共 通 理 解 として 広 く 存 在 するからと 考 えら れる それは 衣 服 にも 表 れ 緑 色 を 基 調 とした 狩 猟 服 姿 はドイツ 南 部 では 晴 れ 着 であるばかりでなく 日 常 的 にも 着 ることが 多 い 南 部 の 正 式 な 狩 猟 服 姿 では さらに 胸 当 ての 付 いた 革 の 半 ズボンで ソックスに 革 靴 である そして 帽 子 も 緑 で 羽 根 や シャモアのヒゲ と 呼 ばれる 毛 を 束 ねた 飾 りがつく 女 性 にも 狩 猟 服 姿 がある これも 緑 が 基 調 で 緑 色 の 帽 子 に 鳥 の 羽 根 を 飾 り 厚 手 のフ ェルト 製 の 緑 のコートを 羽 織 る 営 林 署 員 の 制 服 も 狩 猟 服 である これはもと もと 狩 猟 の 場 としての 森 林 を 管 理 していた 狩 猟 員 が 過 剰 利 用 による 森 林 の 荒 廃 により 18 世 紀 後 半 から 次 第 に 林 務 員 に 教 育 し 直 され 従 って 制 服 もそのま ま 受 け 継 いだことによる 狩 猟 服 がオーストリアを 含 むドイツ 南 部 で 民 族 衣 装 として 広 まっていること -211-

野 島 利 彰 は そこでは 狩 猟 が 普 遍 的 な 概 念 として 定 着 していることを 意 味 している 実 際 南 ドイツ 新 聞 の 政 治 漫 画 にはよく 狩 猟 が 使 われる これは 単 に 政 治 状 況 を 表 現 するのに 狩 猟 の 比 喩 が 適 しているばかりではない バイエルンやオース トリアの 政 治 家 には 狩 猟 家 が 多 いからでもある バイエルン 州 の 帝 王 と 言 われ たフランツ ヨーゼフ シュトラウス 首 相 (1915-1988) は 同 州 の 貴 族 トゥル ン ウント タクシス 家 の 招 かれ 狩 猟 の 最 中 に 心 臓 発 作 で 亡 くなった その 後 任 のシュトライブル 首 相 も 狩 猟 家 であった シュトイバー 現 首 相 は 公 的 行 事 に 狩 猟 服 姿 でよく 現 れる Arbeitsplatzhirsch SZ.96.1.20 3) オーストリアでは 郵 政 省 の 女 性 広 報 部 長 ( 国 民 党 ÖVP) が 狩 猟 家 の 超 党 派 の 常 設 会 合 を 設 定 した 彼 女 は 国 民 党 よりも 社 民 党 SPÖ に 狩 猟 家 が 多 いはず と 言 っている 意 外 にも 環 境 保 護 の 党 である 緑 の 党 の 中 にも 狩 猟 家 が 一 名 いる もっとも 彼 は 一 度 も 動 物 を 撃 ったことがない 狩 猟 家 団 体 という 敵 を 知 るた めに 免 許 を 得 ただけ と 自 己 弁 護 している -212-

ドイツ オーストリアの 新 聞 に 見 られる 狩 猟 表 現 1) 公 式 行 事 の 狩 猟 ドイツでは 狩 猟 はつい 最 近 まで 政 府 の 公 式 行 事 であった ヨーロッパ 各 国 で も 外 交 官 を 招 いての 狩 猟 や 国 家 元 首 あるいは 首 相 と 外 国 の 賓 客 との 狩 猟 がか つては 通 例 であった ドイツ 政 府 はハノーファー 近 郊 の 国 有 狩 猟 地 シュプリン ゲ (ボンの 北 東 240km) やガイスターホルツ (ボンの 北 東 140km) あるいはカ ッセル 近 郊 のラインハルツヴァルト (ボンの 東 北 東 194km) やゾーンヴァルト (ボンの 南 南 東 100km) などで 各 国 の 大 使 公 使 を 招 き 大 統 領 が 主 催 する 公 式 の 外 交 官 狩 猟 を 行 った シュプリンゲ 狩 猟 園 はかつてハノーファー 王 家 の の ちにドイツ 皇 帝 の 狩 猟 場 であった 狩 猟 園 は 狩 猟 動 物 ことにイノシシが 外 に 出 て 畑 を 荒 らさないよう 2mの 高 さのレンガ 塀 で 囲 まれている 1975 年 に 公 式 行 事 として 狩 猟 は 廃 止 されたが その 後 も 閣 僚 や 高 官 を 中 心 にした 政 府 狩 猟 が 行 なわれいた 1985 年 に 祭 日 に 閣 僚 の 半 数 が 参 加 する 狩 猟 がここで 行 われ 祭 日 の 静 穏 を 乱 した 罪 で 取 調 べを 受 け さらに 反 狩 猟 団 体 の 厳 しい 批 判 を 受 けた 閣 僚 の 一 人 は 質 問 に 対 し あれは 狩 猟 ではなく 銃 を 持 った 散 歩 だった と 答 え た しかしシュプリンゲの 政 府 狩 猟 も 時 代 の 波 に 抗 し 切 れず 1990 年 に 廃 止 さ れ 公 園 化 され 現 在 では 一 般 人 による 狩 猟 に 限 定 されている 宮 廷 の 狩 猟 狩 猟 が 公 式 行 事 に 採 用 されるほど 催 し 物 として 高 い 位 置 を 得 られたのは そ れがかつて 宮 廷 での 賓 客 歓 待 の 行 事 であり 王 家 の 祝 祭 であったからである 歴 史 上 の 出 来 事 から 多 数 の 例 を 挙 げることができる 1808 年 9 月 から 10 月 にかけてエアフルトでナポレオンとロシア 皇 帝 および ドイツ 諸 侯 との 会 談 が 行 なわれた これは 1807 年 に 締 結 されたティルジット の 和 約 から 生 じた 問 題 を 話 し 合 うのが 目 的 であった この 会 談 の 際 にザクセ ン ヴァイマル 公 爵 カール アウグストはナポレオンを 歓 迎 して 狩 猟 を 行 なっ た 一 日 目 はエタースベルクでアカシカ 猟 二 日 目 はイェーナ 近 郊 の 山 でウサ -213-

野 島 利 彰 ギ 猟 であった イェーナが 選 ばれたのは ナポレオンが 1806 年 10 月 にプロ イセン 軍 を 破 ったイェーナ 会 戦 の 戦 場 をロシア 皇 帝 アレクサンドルに 見 せよう としたからであった こうした 歓 迎 行 事 の 狩 猟 では 一 般 的 にその 準 備 がたいへ んであった 賓 客 が 楽 しめるよう 獲 物 が 必 要 であったからである この 場 合 で も 狩 猟 動 物 を 駆 り 集 めるのに 毎 日 数 百 人 の 農 民 が 一 週 間 動 員 された 1666 年 ハプスブルク 家 のレオポルト I 世 とスペイン 王 女 マルガリータ テレ サとの 結 婚 を 祝 して 祝 祭 狩 猟 が 行 われた 場 所 はウィーンのプラーター 狩 猟 園 で ここで 囲 い 込 み 猟 とキツネ 潰 しが 行 なわれた 囲 い 込 み 猟 では 多 数 のアカ シカとイノシシが 狩 られたが 狩 猟 の 喜 びを 大 きくするためあらゆる 種 類 の 狩 猟 動 物 を 一 部 はチロルなどで 捕 らえ プラーターに 運 んだ キツネ 潰 しは 実 際 の 狩 猟 とは 関 係 がなく バロック 時 代 の 残 酷 な 遊 びである テニスのネット のような 細 くて 長 い 網 の 端 を 二 人 の 人 間 がそれぞれ 持 ち 網 の 本 体 は 地 面 に 延 べておく 放 たれたキツネが 網 の 上 を 通 過 するときに 二 人 は 気 を 合 わせてキツ ネを 跳 ね 上 げ トランポリンのようにだんだん 高 く 上 げてから 網 をはずしキ ツネを 地 面 に 激 突 させて 殺 す 遊 びである この 祝 祭 では 100 頭 のキツネと 50 匹 のウサギが 投 入 された 女 官 や 貴 婦 人 たちもこれによく 参 加 した 庶 民 は 見 物 するだけであったが 非 常 に 人 気 があった 1814 年 のウィーン 会 議 では 会 議 は 踊 る ばかりでなく 昼 間 は 狩 猟 が 行 な われた 狩 猟 にはロシア 皇 帝 アレクサンドル 1 世 を 始 めとし 各 国 の 首 脳 が 招 かれた 狩 猟 はすぐ 行 けるプラーターやラインツ 狩 猟 園 郊 外 のラクセンブル クで 行 われた プラーターでは 主 としてダマジカに 対 する 囲 い 込 み 猟 が 行 われ た またドナウの 古 い 支 流 でアカシカに 対 する 水 上 猟 が 行 われた これはアカ シカを 水 路 に 追 い 込 み 動 きが 鈍 くなったところを 待 ち 構 えて 陸 からあるいは 舟 から 撃 つ 猟 であった ラインツではイノシシ 猟 ラクセンブルクでは 鷹 を 用 いたサギ 猟 が 行 なわれた 1873 年 ペルシア 王 ナスル ウデインが 王 位 就 任 後 最 初 のヨーロッパ 旅 行 の 際 にモスクワ ペテルブルク ベルリン ロンドン パリ スイス 北 イタリア を 歴 訪 し 7 月 29 日 ウィーンを 訪 れた ウィーンではその 年 に 万 国 博 覧 会 が 行 -214-

ドイツ オーストリアの 新 聞 に 見 られる 狩 猟 表 現 1) われ ペルシアも 自 国 のパビリオンを 出 していた 旅 行 の 目 的 は 外 交 関 係 の 緊 密 化 と ペルシアの 近 代 化 に 必 要 な 経 済 関 係 の 樹 立 であったが この 時 代 ロシアが 急 激 にその 版 図 を 広 げ 中 央 アジアに 進 出 し ペルシアは 微 妙 な 立 場 にあり オ ーストリアに 期 待 することが 多 かった このペルシア 王 を 歓 迎 してラインツ 狩 猟 園 でアカシカ 猟 が 行 なわれた これとは 別 に 宿 舎 に 指 定 されたウィーン 郊 外 のラ クセンブルクで 王 が 豊 かな 水 面 を 見 て 水 鳥 猟 を 思 いつき カモ 猟 が 行 なわれた 4) 1884 年 9 月 15-17 日 オーストリア 皇 帝 フランツ ヨーゼフ 1 世 ドイツ 皇 帝 ヴィルヘルム 1 世 ロシア 皇 帝 アレクサンドル 3 世 がロシア 領 ポーランド のスキェルニェヴィツェ (ワルシャワ 近 郊 )で 会 談 した これがいわゆる 三 帝 会 談 で 会 談 の 目 的 は 1881 年 に 結 ばれた 三 帝 同 盟 の 更 新 であった とりわけバ ルカン 半 島 の 政 治 情 勢 に 関 しロシアとドイツ オーストリアとの 関 係 の 緊 張 緩 和 が 重 要 であった 会 談 の 最 終 日 にアカシカとダマジカ 猟 が 行 われた 以 上 が 賓 客 歓 待 あるいは 祝 祭 行 事 としての 狩 猟 の 例 である 皇 帝 フランツ ヨーゼフ 時 代 の 狩 猟 新 聞 ではこのような 歓 迎 行 事 の 狩 猟 を zu Ehren jemandes ~に 敬 意 を 表 して と 表 現 している 例 えば 1885 年 8 月 26 日 にロシア 皇 帝 アレクサンドル 3 世 を 歓 迎 した 狩 猟 では 狩 猟 新 聞 はそれを Im Fürstenwald bei Kremsier wurde am 26.August zu Ehren der Anwesenheit des russischen Monarchen eine sehr gelungene Jagd auf Hoch- und Damwild abgehalten. クレムジ ーア (ウィーンの 北 東 約 150 キロ 現 チェコ 領 ) 近 傍 のフュルステンヴァルト で 8 月 26 日 ロシア 皇 帝 のご 来 臨 に 敬 意 を 表 しアカシカとダマジカに 対 する 狩 猟 が 行 なわれ 非 常 な 成 果 を 収 めた と 記 している 5) オーストリアの 政 界 財 界 の 狩 猟 家 ドイツでは 反 狩 猟 運 動 が 過 激 である 過 激 な 動 物 保 護 団 体 が 狩 猟 の 妨 害 活 動 を 行 い 例 えば 森 にある 狩 猟 台 を 破 壊 したり 知 らずに 登 る 狩 猟 家 が 踏 み 抜 い て 怪 我 をするように 狩 猟 台 の 梯 子 に 鋸 を 入 れたり あるいは 狩 猟 小 屋 を 荒 らし たりした またミュンヘンの 目 抜 き 通 りにあった 有 名 狩 猟 用 品 店 ケットナーも -215-

野 島 利 彰 何 度 か 過 激 派 の 攻 撃 を 受 け 移 転 してしまった 公 人 や 財 界 人 はそのため 過 激 な 動 物 保 護 団 体 を 恐 れ 次 第 に 狩 猟 家 であることを 隠 すようになった ドイツ に 比 べるとオーストリアは 狩 猟 家 に 対 する 反 発 がほとんどない 政 治 家 も 財 界 人 も 自 分 が 狩 猟 家 であることを 割 合 おおらかに 宣 言 している 公 的 な 狩 猟 は 現 在 ではもはや 行 なわれないが 新 聞 雑 誌 で 政 治 家 が 狩 猟 家 であるか 否 か 簡 単 に 知 り 得 る オーストリアの 政 界 には ザルツブルク 州 の 前 知 事 シャウスベルガ ー プリンツホルン 現 国 会 副 議 長 ハイダー ケルンテン 州 知 事 リーグラー 元 副 首 相 ヴラニツキー 元 首 相 などなお 多 数 の 狩 猟 家 がいる 経 済 界 では 狩 猟 は 必 要 と 考 えられている オーストリアの 最 大 の 都 市 銀 行 の オーストリア 信 用 銀 行 (オーストリアでも 銀 行 の 合 併 が 進 み 現 在 ではオースト リア 銀 行 と 合 併 し BA-CA 銀 行 ) では 狩 猟 は 良 いテーブルマナーと 同 じくらい 出 世 のために 必 要 なことである この 銀 行 の 頭 取 はここ 数 十 年 間 みな 狩 猟 家 で 30 年 前 から 8000ha の 大 狩 猟 区 を 持 っている 一 般 的 に 狩 猟 は 高 い 遊 びで 自 分 で 猟 区 を 持 っている 人 も 収 支 が 合 うことは ない しかし 狩 猟 家 の 属 する 上 流 階 級 にとってはコストは 問 題 ではなく コス トに 見 合 う 利 益 が 回 り 回 っていずれは 入 ってくることは 確 かなのである ライ フアイゼン 銀 行 の 頭 取 は 互 いに 暗 いうちから 起 き ともに 朝 露 を 踏 んで 探 索 猟 に 出 かけ 狩 猟 の 後 今 日 や 過 去 の 獲 物 の 話 をして 夜 の 宴 を 楽 しく 過 ごせば 仲 間 意 識 が 生 まれ これは 後 で 仕 事 の 時 に 十 分 に 割 が 合 うからである 一 度 で も 一 緒 にアカシカの 吠 え 声 に 胸 ときめかした 者 は 政 治 的 信 条 や 仕 事 上 の 競 争 意 識 の 溝 を 容 易 に 越 えられる 感 動 的 な 共 通 の 自 然 体 験 は 人 の 気 持 ちを 近 づけ いつもと 違 う 環 境 が 舌 をゆるめ 古 いわだかまりを 取 り 去 る と 言 っている 狩 猟 体 験 の 感 動 は 狩 猟 採 集 時 代 の 人 類 の 原 体 験 を 思 い 起 こさせ その 前 には 個 別 的 な 差 はなくなってしまうらしい 囲 い 込 み 猟 と 狩 猟 賦 役 しかし 王 侯 や 現 代 の 政 治 家 や 銀 行 家 が 狩 猟 をするから 狩 猟 的 表 現 がドイツ -216-

ドイツ オーストリアの 新 聞 に 見 られる 狩 猟 表 現 1) 語 に 豊 富 にあるとは 言 えない 言 葉 にはやはり 庶 民 的 裏 づけがなければならな い 庶 民 が 狩 猟 を 理 解 してなければその 表 現 も 広 まらない 例 えば 日 本 では 野 球 が 大 衆 的 スポーツなので 小 泉 首 相 は 2005 年 の 選 挙 で 逆 転 ホームランを 打 った と 言 えばほとんどすべての 人 がすぐに 分 るが 野 球 をほとんど 知 らな い 一 般 ドイツ 人 には 説 明 が 必 要 である 庶 民 が 狩 猟 について 知 るには 庶 民 が 狩 猟 をしていたことが 前 提 になろう し かししばしば 述 べているように 王 制 時 代 にあってはすべての 野 生 動 物 は 王 侯 の 所 有 物 であり 従 って 王 侯 のみに 狩 猟 の 権 利 があった それに 違 背 して 庶 民 がアカシカなど 狩 猟 動 物 を 捕 らえること (wildern 例 文 14,15) は 王 侯 の 財 産 を 奪 う 行 為 であり 密 猟 者 (Wilderer 例 文 16) は 重 罪 に 処 せられた 結 局 庶 民 に 許 されることは 網 やワナを 使 って 小 鳥 程 度 は 獲 ることであった これも 王 の 狩 猟 の 妨 げにならない 限 りであった それ 故 庶 民 は 狩 猟 を 主 体 的 に 行 なうことで 狩 猟 の 知 識 を 得 ることは 出 来 ない 庶 民 がそれを 得 たのは 王 侯 の 行 う 狩 猟 の 準 備 と 実 施 のために 使 役 されたからであった つまりドイツ 式 狩 猟 = 囲 い 込 み 猟 にはそれほど 膨 大 な 人 力 が 必 要 であった フランス 式 狩 猟 である 追 走 猟 には 狩 猟 動 物 を 数 時 間 追 いかけ 続 けることの 出 来 る 大 きな 開 けた 空 間 が 必 要 であった しかし 300 以 上 の 領 邦 に 分 かれていた ドイツでは 国 そのものの 面 積 が 小 さく 町 や 村 に 触 れずに 走 ることが 難 しく またアルプスやアルプスに 近 い 地 方 では 土 地 が 複 雑 であり 過 ぎ 広 大 な 空 間 を 走 り 回 る 追 走 猟 に 適 さなかった このような 狭 い 空 間 では 古 くから 人 工 的 に 設 置 された 障 害 物 で 狩 猟 動 物 が 遠 くに 逃 げるのを 防 いで 追 う 狩 猟 が 行 われていた 山 地 では 勢 子 と 猟 犬 で 狩 り 立 てた 狩 猟 動 物 を 網 (Garn) を 張 って 一 定 の 通 り 道 (= 動 物 がどうしても 通 る 道 ) へと 強 制 的 に 行 かせ 平 地 の 猟 区 では 前 もっ て 設 置 しておいた あるいは 移 動 式 の 植 え 込 み (Hagen) が 狩 猟 動 物 の 逃 げ 道 を 塞 いだ 6) この 方 式 からドイツ 式 狩 猟 である 囲 い 込 み 猟 へと 発 展 した 囲 い 込 み 猟 は 16 世 紀 末 に 始 まり その 対 象 はアカシカ イノシシなどの 高 狩 猟 動 物 であった 囲 い 込 み 猟 の 特 徴 はその 準 備 に 膨 大 な 労 力 を 必 要 とするこ とであった 準 備 にはしばしば 数 週 間 掛 かった 何 百 人 もの 勢 子 (= 狩 猟 賦 役 -217-

野 島 利 彰 によって 駆 り 出 された 庶 民 ) 狩 猟 員 馬 荷 車 大 量 の 用 具 食 物 燃 料 が 必 要 で そのため 莫 大 な 費 用 が 掛 かった まず 狩 猟 動 物 が 遠 い 森 林 から 勢 子 によ り 狩 猟 場 所 に 決 められた 土 地 へとゆっくりと 追 われる 追 い 込 みは 徐 々に 広 い 場 所 から 狭 い 場 所 へと 移 される 狩 猟 動 物 が 移 動 するとすぐに 戻 るのを 防 ぐ ために 高 幕 や 威 し 布 ( 後 述 ) あるいは 網 が 張 られる 夜 間 には 逃 亡 防 止 に 火 が 焚 かれ さらに 人 が 置 かれる 騎 馬 の 見 張 りが 焚 き 火 の 明 かりで 狩 猟 動 物 と 勢 子 が 闇 を 利 用 して 逃 げないように 監 視 する 狩 猟 動 物 を 追 い 集 める 空 間 が 狭 くなるに 従 って 使 用 する 高 幕 が 多 くなる 多 数 の 狩 猟 動 物 が 囲 まれ 狩 猟 が 数 日 後 に 迫 ると 穴 を 開 けて 逃 げないよう 高 幕 に 防 護 網 を 加 えて 二 重 にする 追 い 込 み 場 はだんだん 狭 くなり 高 幕 で 囲 まれる この 狭 い 空 間 をけもの 部 屋 と 呼 ぶ 狩 猟 のために 狩 猟 動 物 を 放 つ 場 所 である 走 路 は 学 校 の 運 動 場 のような 広 さで 高 幕 で 囲 まれ 中 央 に 防 護 された 狩 猟 台 がある 走 路 とけもの 部 屋 は 幕 で 区 切 られる 狩 猟 動 物 が 多 数 いる 場 合 には 内 部 をさらに 幕 で 区 切 り それを 開 閉 し て 狩 猟 動 物 を 性 大 きさなどで 分 類 し 射 手 が 楽 しめるよう 走 路 に 出 す 狩 猟 動 物 の 組 み 合 わせや 数 を 操 作 する 射 手 である 王 侯 は 狩 猟 台 の 前 を 走 りぬける 狩 猟 動 物 を 至 近 距 離 で 撃 った 古 い 時 代 の 先 込 め 銃 では 素 早 く 連 発 することが 困 難 だったので 射 手 は 数 人 の 装 填 手 を 側 に 置 いた また 走 る 狩 猟 動 物 に 命 中 さ せることは 非 常 に 困 難 だったので 場 所 があれば 水 上 猟 を 行 った つまり 狩 猟 動 物 を 川 や 湖 に 追 い 込 み 水 の 中 では 動 きが 遅 いので 射 手 は 命 中 させや すかった 後 世 にはさらに 非 常 に 快 適 な 水 上 猟 専 用 の 射 撃 船 を 作 り そこ から 水 の 中 に 追 い 込 まれた 狩 猟 動 物 を 撃 った 狩 猟 動 物 を 追 う 勢 子 および 高 幕 を 張 る 労 働 には 多 数 の 人 間 が 必 要 である 高 幕 とは 現 在 市 内 の 工 事 現 場 などでしばしば 見 受 けられる 張 り 巡 らしたシート とほぼ 同 じである ハインリヒ デーベルの 実 践 的 狩 猟 (1746 年 ) によれ ば 狩 猟 場 やけもの 部 屋 さらには 狩 猟 動 物 の 狩 り 立 ての 際 に 高 さ 4.5 エレ ( 約 2m) で 長 さ 150 歩 の 厚 手 の 麻 布 を 張 って 行 く 7) 長 さから 想 像 してかなりの 重 量 が 予 想 される 牛 馬 の 引 く 荷 車 一 台 にこれが 4 枚 しか 載 らない ここには さらに 張 るための 支 柱 や 杭 穴 掘 り 道 具 類 張 り 綱 などが 載 る -218-

ドイツ オーストリアの 新 聞 に 見 られる 狩 猟 表 現 1) デーベルは 高 幕 の 縫 い 合 わせから 張 り 方 まで 事 細 かに 記 している 狩 猟 動 物 が 後 戻 りしないよう 広 大 な 地 域 を 高 幕 で 囲 い 翌 日 さらにそれを 撤 去 してまた 追 い 立 て また 高 幕 を 張 り また 撤 去 し この 繰 り 返 しをしながら 狭 い 地 域 予 定 した 狩 猟 場 へと 狩 猟 動 物 を 追 い 立 てて 行 く 追 い 立 ての 始 めの 段 階 は 労 力 の 軽 減 の 意 味 もあり 必 要 最 小 限 しか 高 幕 は 張 らず 代 わりに 布 威 し (Lappen) や 羽 根 威 しを 目 の 高 さに 張 る これは 綱 に 長 さ 1m 幅 50cm 程 度 の 長 方 形 の 布 あるいはワシやタカなどの 猛 禽 類 の 羽 根 2 3 枚 を 一 組 として 一 定 の 間 隔 でぶ ら 下 げたもので 巻 き 取 り 機 に 巻 いてあり 張 るときには 繰 り 出 して 行 けば 簡 単 に 張 ることができる 不 思 議 なことに 狩 猟 動 物 は 逃 げる 場 所 が 十 分 ある 段 階 ではこれらの 威 しをくぐって 逃 げることはない 囲 い 込 み 猟 にはこのような 準 備 と 道 具 立 て 不 可 欠 なので 人 力 が 如 何 に 必 要 であるかは 容 易 に 想 像 できる その 人 員 を 集 めるために 狩 猟 賦 役 が 存 在 した 狩 猟 賦 役 は 農 民 ばかりでない 1728 年 皇 帝 カール 6 世 の 狩 猟 法 によれば 狩 猟 賦 役 は 所 有 者 個 人 あるいは 身 分 に 対 してではなく 所 有 している 奉 仕 納 税 義 務 のある 土 地 に 対 して 課 せられた 納 税 奉 仕 義 務 ある 家 屋 粉 ひき 小 屋 ビ ール 醸 造 所 飲 食 店 レンガ 焼 き 窯 野 菜 畑 などを 所 有 する 者 は 速 やかに 指 定 された 時 間 に 出 頭 しなければならない そのうち 経 営 職 業 利 便 商 業 の ために 荷 車 を 持 つ 者 あるいは 持 つ 義 務 のある 者 は 荷 車 とともに 出 頭 そうでな い 者 は 手 による 賦 役 のために 召 集 され 通 知 を 受 けた 場 所 に 確 実 に 誤 りなく 出 頭 しなければならない そして 狩 猟 の 終 了 数 の 確 認 あるいは 予 定 された 賦 役 ないし 課 された 賦 役 が 完 全 に 終 了 するまで 逃 亡 することなく 留 まる 義 務 を 負 う のであった 8) 農 民 に 対 する 狩 猟 賦 役 はさらに 厳 しく マリア テレージアの 1772 年 の 賦 役 法 では 完 全 農 民 は 年 間 最 大 104 日 の 荷 車 賦 役 を 4 頭 の 牽 引 動 物 を 連 れて 果 た し 半 農 民 は 同 じ 日 数 を 2 頭 の 牽 引 動 物 で 果 たさなければならないとした 1 ヨホ 以 上 の 農 地 を 持 つ 小 農 は 52 日 1 ヨホ 以 下 の 農 地 を 持 つ 小 農 は 26 日 の 手 仕 事 賦 役 に 服 さなければならなかった さらに 104 日 の 賦 役 義 務 ある 者 に 対 し ては 週 の 賦 役 労 働 は 最 大 3 日 に 定 められた しかし 法 令 による 賦 役 日 数 の 制 限 -219-

野 島 利 彰 は 実 はそれを 超 える 賦 役 が ことにハプスブルク 帝 国 内 の 諸 邦 で 存 在 したから であった 賦 役 労 働 に 対 しては 報 酬 も 払 われるはずであったが これも 無 視 さ れてしまうことが 多 かった マリア テレージアの 息 子 で 啓 蒙 君 主 のヨーゼフ 2 世 は 帝 国 狩 猟 園 アウホーフの 署 長 に 賦 役 農 民 を 私 用 に 使 わないことと 彼 ら に 報 酬 を 支 払 うべきであることを 思 い 起 こせと 注 意 を 与 えたほどであった 9) このようにドイツやオーストリアには 囲 い 込 み 猟 が 存 在 することで 農 民 を 始 めとして 多 数 の 人 間 が 狩 猟 に 関 わることになり それが 狩 猟 に 関 する 共 通 理 解 を 広 げたと 考 えられる 例 文 8,9 の durch die Lappen gehen はそのような 状 況 から 得 られた 表 現 で 苦 労 して 準 備 した 甲 斐 もなく 逃 げられた の 意 味 である この 狩 猟 賦 役 は 三 月 革 命 の 翌 年 1849 年 に 一 切 の 補 償 なしに 廃 止 された しかしハプスブルク 帝 国 では 相 変 わらず 大 掛 かりな 狩 猟 が 行 なわれた 狩 猟 行 事 費 を 削 減 するため 上 記 のラインツ 狩 猟 園 の 中 に 頑 丈 なナラ 材 の 塀 で 囲 んだ 恒 常 的 な 狩 猟 場 をさらに 数 カ 所 建 設 し この 中 で 毎 年 少 なくとも 三 回 閉 じ 込 め 猟 が 行 われた 野 外 での 囲 い 込 み 猟 と 同 じように 狩 猟 園 内 で 捕 らえた 狩 猟 動 物 を 放 ち 皇 族 や 貴 族 が 射 手 台 からそれを 撃 った 閉 じ 込 め 猟 では 通 常 毎 回 イノシシ 300 頭 あるいはアカシカ 50-60 頭 が 放 たれた 最 後 の 閉 じ 込 め 猟 が 1908 年 12 月 19 日 に 行 われた 西 ヨーロッパ 諸 国 はオーストリアの 狩 猟 を ウィーン 宮 廷 は 快 適 さを 好 み 闘 争 に 重 点 を 置 いた 追 走 猟 の 危 険 を 避 け ている と 馬 鹿 にした キツネ 猟 オオカミ 猟 ウサギ 猟 市 民 にとっては 狩 猟 は 直 接 に 接 する 機 会 は 少 なかったように 思 えるが 上 で 述 べた 狩 猟 賦 役 に 見 られるように 実 際 にはかなり 身 近 であった また 今 でも 市 場 に 行 けばウサギやカモなどの 狩 猟 動 物 が 売 られ 市 内 のレストランではイノシシ やノロシカの 肉 がメニューに 載 っている かつては 大 量 殺 戮 の 後 狩 猟 の 肉 が 市 民 に 放 出 された またウィーンのプラーターとアウガルテンは 現 在 では 公 園 とし -220-

ドイツ オーストリアの 新 聞 に 見 られる 狩 猟 表 現 1) て 市 民 の 憩 いの 場 であるが かつては 宮 廷 の 狩 猟 場 で 1766 年 ヨーゼフ 2 世 によ って 市 民 に 開 放 された 狩 猟 場 の 時 代 市 民 は 皇 帝 の 狩 猟 を 見 物 することができ た またプラーターは 追 走 猟 が 行 われたが その 際 騎 馬 の 皇 帝 や 狩 猟 長 官 き らびやかな 制 服 を 着 た 追 走 狩 猟 団 と 100 頭 を 超 える 猟 犬 の 群 れなどが 行 進 する 姿 を 市 民 は 見 ることができた また 断 食 の 期 間 の 最 後 に 市 民 のためのお 祭 りとし て 宮 廷 が 主 催 するキツネ 潰 しが 行 なわれた キツネ 潰 しはドイツ 語 で Fuchsprellen (Fuchs キツネ+prellen 激 突 させる) と 言 うが この 残 酷 な 遊 びが 起 源 で prellen は 騙 してひどい 目 にあわせる の 意 味 になり 現 在 でも 使 われている 狩 猟 賦 役 は 本 来 猛 獣 駆 除 のために 存 在 した オオカミやクマなどに 対 し 領 主 はその 駆 除 のために 領 民 を 使 役 する 権 利 を 持 っていた その 権 利 を 領 主 が 自 分 の 娯 楽 のために 行 う 狩 猟 に 転 用 したしたのである いずれにしろヨーロッパ にはオオカミに 対 する 恐 怖 が 普 遍 的 に 存 在 し オオカミに 対 する 戦 いが 組 織 的 に 行 われた 村 の 近 くにオオカミの 群 れが 現 れれば 農 民 はオオカミ 網 を 使 って 囲 い 込 み 猟 と 同 じようにオオカミを 遠 くから 囲 んで 行 った また 恒 常 的 にオオ カミ 捕 獲 も 行 い そのためにさまざまな 工 夫 がされた 例 えばオオカミ 捕 獲 園 Wolfsgarten である これは 樹 林 を 含 む 大 きな 地 域 を 塀 で 囲 い 一 部 を 200 歩 ほ ど 開 けておく その 近 くに 餌 場 を 設 け 牛 馬 の 死 骸 (Luder) を 置 き 監 視 所 を 作 る オオカミが 入 ったら 開 口 部 を 閉 じる あるいは 死 骸 で 射 撃 小 屋 まで 誘 き 寄 せたり 挟 みワナで 捕 らえた ウィーンはワインの 生 産 地 がある 首 都 として 有 名 で その 生 産 地 グリンツィ ングはかつてキツネ 撃 ちに 良 く 使 われた ぶどう 園 は 森 からのイノシシ 害 を 避 けるために 古 くから 塀 が 設 置 されていた 皇 帝 フランツ ヨーゼフの 父 フラ ンツ カール 大 公 はこの 塀 を 利 用 してよくキツネ 狩 りをした ブドウの 摘 み 取 り 直 後 の 9 月 から 10 月 ころに 馬 の 死 骸 が 林 内 に 置 かれた 死 骸 は 宮 廷 狩 猟 の 行 われる 12 月 あるいは 1 月 まで 順 に 次 第 に 塀 の 近 くへと 置 かれた 使 用 す る 馬 の 死 骸 は 狩 猟 庁 が 農 民 から 買 い 集 めたもので 8 頭 から 10 頭 必 要 であった こうしてだんだんとキツネの 餌 である 馬 の 死 骸 は 塀 のそばに 設 置 されている 射 手 台 に 近 づけられ 狩 猟 の 日 に 勢 子 70 人 から 100 人 がウィーンの 森 の 数 カ 所 -221-

野 島 利 彰 を 遠 巻 きにし 射 手 たちに 向 けてキツネを 追 い 立 てて 行 く このLuder ( 死 骸 ) は 狩 猟 用 語 であるが オオカミとの 戦 いやキツネ 猟 の 中 で 食 肉 性 動 物 をおびき 寄 せる 餌 として 人 々の 語 彙 の 中 に 定 着 した しかし 死 骸 (Luder) は 当 然 腐 り その 臭 いや 形 状 を 想 像 すれば 分 るように 清 潔 なイメージ はない にもかかわらず あるいはそれ 故 にオオカミやキツネはその 誘 惑 に 抗 し 難 く 近 づいてくる このイメージが 人 間 ことに 女 に 転 用 され だらしない 女 ふしだらな 女 などの 意 味 になり さらに 現 代 では 男 を 引 っ 掛 けるため パーティなどに 現 れる 若 い 女 性 (Partyluder) に 転 用 された 例 文 20 の Boxenluder は Box ( 自 動 車 レースのコックピット) の 近 辺 に 現 れ レーサーや チームのメンバーと 関 係 を 持 ち うまく 行 けばモデルへの 道 を 開 こうとする 派 手 な 女 性 たちのことを 意 味 する 新 語 である 狩 猟 の 中 でもウサギ 猟 は 比 較 的 庶 民 的 な (といっても 権 利 のない 者 は 狩 猟 で きないが) 狩 猟 である ウサギの 姿 も 数 が 多 いので 畑 や 牧 草 地 でよく 目 にする 10) ウサギ 猟 では 勢 子 が 追 ってくるウサギを 一 列 に 配 置 された 射 手 が 撃 つ いわゆる 団 体 猟 がよく 行 なわれる しかし 狩 猟 家 が 単 独 で 行 なう 場 合 には 一 般 に 猟 犬 に 探 させ 逃 げ 出 したところを 散 弾 銃 で 撃 つ もう 一 つの 狩 猟 方 法 は 巣 戻 り 猟 Brackieren で 猟 犬 に 地 域 を 限 定 せず 最 後 までウサギを 追 わせる この 猟 犬 は 吠 えながら 追 うタイプの 猟 犬 Bracke で 足 が 遅 く ウサギにはかなわな い しかし 猟 犬 はしつこく 追 い 続 ける ウサギは 逃 げ 回 るが 大 きく 円 を 描 い て 最 後 にまた 自 分 が 慣 れ 親 しんでいる 巣 穴 に 戻 って 来 る 狩 猟 家 はこの 性 質 を 利 用 してその 近 くで 待 っている つまりウサギがどんなに 逃 げても 行 く 先 が 読 めるので 騙 されない すなわち wissen,wohin der Hase läuft ウサギがどこへ 逃 げるか 知 っている ( 例 文 22) で ここから 物 事 の 成 り 行 きが 分 っていること を 意 味 するようになった 現 代 の 狩 猟 1848 年 の 三 月 革 命 以 来 狩 猟 権 は 土 地 所 有 に 結 び 付 けられ 一 定 の 土 地 さえ -222-

ドイツ オーストリアの 新 聞 に 見 られる 狩 猟 表 現 1) 所 有 していれば 一 般 市 民 も 狩 猟 ができるようになった 現 在 は 州 によって 異 な るが 100ha 前 後 の 土 地 を 所 有 して 初 めて 狩 猟 権 が 生 ずる (それ 以 下 の 面 積 の 場 合 には 土 地 所 有 者 が 複 数 集 まり 規 定 以 上 の 面 積 にし その 狩 猟 権 を 賃 貸 する) 権 利 ない 者 が 他 人 の 土 地 で 狩 猟 をすれば 刑 法 で 規 定 する 密 猟 罪 に 該 当 する 従 って 例 文 14,15,16 の wildern, Wilderer の 基 本 的 意 味 は 権 利 のない 者 が 他 人 の 領 域 に 入 り 込 んで 勝 手 なことをする である 日 本 では 狩 猟 権 は 免 許 制 で 土 地 所 有 と 無 関 係 であるが ドイツ オースト リア スイス ( 一 部 ) では 現 在 も 土 地 所 有 と 結 び 付 けられている しかし 狩 猟 法 で 規 定 されている 100ha もの 大 土 地 を 持 つ 市 民 は 稀 である 土 地 を 持 たない 者 は 狩 猟 免 許 証 を 獲 得 し 狩 猟 権 つきの 土 地 ( 例 えば 国 有 林 町 村 林 小 農 地 をまとめ 狩 猟 地 とした 土 地 など) を 賃 借 する 賃 借 料 そのものはたいした 額 で はない (ha あたり 20 ユーロ 程 度 ) が 自 分 でやらないとすれば 狩 猟 管 理 人 を 雇 って 狩 猟 小 屋 や 狩 猟 台 の 設 置 をさせ 狩 猟 動 物 の 世 話 をし さらに 狩 猟 動 物 が 農 地 に 害 を 与 えればその 補 償 をするなど 賃 借 猟 地 に 付 随 する 費 用 が 掛 り 結 局 富 裕 階 層 でなければ 借 りることはできない 狩 猟 免 許 だけを 持 ついわゆる 日 曜 ハンター はどうしても 狩 猟 をしたければ 国 有 地 の 狩 猟 順 番 待 ちリストに 名 前 を 記 入 し 一 日 限 りの 狩 猟 を 楽 しむことになる あるいは 同 じヨーロッパ ことに 東 欧 圏 で 行 なわれる 狩 猟 ツアーに 参 加 する 狩 猟 には 獲 物 が 必 要 で それはその 肉 を 食 するためと 私 たちは 考 えがちであ る 実 際 日 本 でエゾシカ 猟 あるいはイノシシ 猟 をすると 言 えば それはその 肉 を 食 べたいがためである ドイツやオーストリアの 狩 猟 家 がそう 考 えること は 少 ない 彼 らが 狩 猟 するのは 狩 猟 動 物 を 撃 ち 記 念 となるその 角 や 牙 (Trophäe) を 得 て それを 部 屋 に 飾 るためである 11) ヨーロッパの 城 館 にはよ く 狩 猟 動 物 の 角 や 牙 あるいは 頭 や 全 身 の 剥 製 などが 飾 られている 王 侯 によ る 狩 猟 が 伝 統 であったが 故 に このような 狩 猟 記 念 品 で 部 屋 が 飾 られているこ とが 貴 族 的 雰 囲 気 を 醸 し 出 すらしい 富 裕 階 層 の 中 にはこの 貴 族 的 雰 囲 気 を 付 け 加 えたいと 願 っている 人 間 も 存 在 し 彼 らは 飾 りが 欲 しくて 狩 猟 をする ウ ィーン 市 内 にあるラインツ 狩 猟 園 には 現 在 も 狩 猟 地 があり 市 が 大 型 のアカシ -223-

野 島 利 彰 カを 有 料 で 撃 たせている 射 手 は 車 で 狩 猟 園 に 着 き 係 員 に 案 内 されて 狩 猟 台 に 座 り 係 員 の 指 示 で 引 き 金 を 引 く 費 用 は 枝 角 のポイント ( 狩 猟 記 念 品 には 評 価 基 準 が 国 際 的 に 決 められ 点 数 で 表 示 される)によって 決 まるが 大 体 80 万 円 くらいである 射 手 のすることは 引 き 金 を 一 度 引 くだけで 獲 物 は 係 員 が 飾 りなる 枝 角 のついた 頭 骨 の 形 にしてくれる 狩 猟 希 望 者 は 重 役 医 者 弁 護 士 などである ヨーロッパには 大 型 動 物 といえばヘラシカ アカシカくらいで また 珍 しい 動 物 もいない しかし 海 外 ことにアフリカに 行 けば 大 型 の 珍 しい 動 物 (Großwild) が 生 育 し アフリカ 諸 国 では 外 貨 獲 得 のために 積 極 的 に 狩 猟 ツアー を 企 画 している その 参 加 者 ももちろんその 珍 しい 記 念 品 を 部 屋 に 飾 り 訪 れ る 客 を 驚 嘆 させるために 狩 猟 するのである それ 故 例 文 19 の Trophäenjagd や Großwildjäger の 語 にはどことなく 成 金 趣 味 を 揶 揄 している 点 が 感 じられる 注 1) この 稿 は 主 として 外 国 語 部 第 二 群 の 有 志 で 運 営 されている 多 言 語 文 化 サ ロン で 発 表 (05.9.24) した 原 稿 を 基 本 に 加 筆 修 正 したものである なお 以 下 に 現 れる 新 聞 の 略 号 は SZ. Süddeutsche Zeitung FAZ. Frankfurter Allgemeine Zeitung である 2) 我 が 国 の 母 であるマリア テレージアは 常 に 臣 民 の 食 糧 事 情 を 改 善 しよう と 努 め また 農 業 にいかなる 形 でも 不 利 益 となるようなことを 避 けるよう 努 めている ことに 余 は 自 らの 土 地 で 過 酷 に 働 くことだけで 生 きている 農 民 たちに 各 所 で 保 護 育 成 されている 過 剰 な 狩 猟 動 物 ことにイノシシが 与 える 大 きな 損 害 しかも 従 来 のあらゆる 処 置 にも 拘 わらずそれについて ますます 苦 情 が 寄 せられるにつき これを 考 慮 することとした 従 ってこ れらの 苦 情 を 我 が 臣 民 から 取 り 除 き とりわけイノシシに 関 し その 数 に ついて 一 度 に 救 済 を 行 うため 余 はここに 何 人 たりとも 脱 出 を 十 分 防 止 し 得 る 囲 いのある 動 物 飼 育 地 (Tiergarten) 以 外 でイノシシを 飼 うことを 禁 じ -224-

ドイツ オーストリアの 新 聞 に 見 られる 狩 猟 表 現 1) 森 であろうと 平 地 であろうと それ 以 外 の 地 で 見 かけたイノシシは 害 獣 と 見 なす すなわちいつでも 射 殺 するものとする マリア テレージアの 勅 令 Gergely / Prossinag. S.19. 3) この 政 治 漫 画 (SZ.96.1.20) も Platzhirsch の 例 で 当 時 の CDU のコール 首 相 は 1982 年 から 続 く 長 期 政 権 の 座 にあり 野 党 SPD はその 座 を 取 り 返 す ことができなかった Platzhirsch のコール 首 相 に 対 し SPD の 当 時 のシャ ーピング 党 首 や 緑 の 党 の 党 首 フィシャーなどが 挑 もうとしているが 身 体 の 大 きさに 差 があり 過 ぎ とても 勝 てそうもない コール 政 権 は 結 局 1998 年 まで 続 く 4) この 狩 猟 でペルシア 王 は 王 家 の 威 厳 を 見 せるために 全 員 がきらびやかな 服 装 で 狩 猟 に 現 れたが オーストリアの 参 加 者 がみすぼらしい 服 装 で 現 れた のに 驚 いた それはみすぼらしい 服 装 でもなんでもなく オーストリア 側 は 高 官 も 含 め みな 狩 猟 服 を 着 用 していたのに 過 ぎなかった 5) 歓 迎 狩 猟 が 具 体 的 にどのように 行 われるのかをこの 記 事 に 見 ることができ る この 狩 猟 園 は 約 800 ヨホ (400ha 前 後 ) で 一 部 は 丸 木 で 一 部 は 金 網 で 柵 がしてあり 美 しく 狩 猟 の 設 備 がされ アカシカ 約 200 頭 ダマジカ 100 頭 イノシシ 100 頭 ( 別 囲 い) が 生 息 し さらに 丸 木 柵 を 通 ってノロ シカが 出 入 りし 500-1000 羽 のキジがいる 狩 猟 の 招 待 主 である 枢 機 卿 領 主 大 司 教 フュルステンベルク 方 伯 は 高 齢 であるが まだ 若 々しく 元 気 で 人 付 き 合 い 良 く 魅 力 ある 方 で 同 時 に 経 験 豊 かな 情 熱 的 な 優 れた 狩 猟 家 で 注 意 の 行 き 届 いた 保 護 育 成 家 でもある 数 日 前 にすでに 囲 い 込 み 猟 で 必 要 な 設 備 を 整 え 狩 猟 当 日 に 逃 げ 場 を 塞 ぐ 勢 子 を 立 てて 万 全 の 備 えを した その 後 11 時 に 両 皇 帝 がその 他 の 高 貴 な 方 々を 従 え 狩 猟 場 にお 着 きになり 狩 猟 主 あるいはその 甥 のパラヴィチーニ 辺 境 伯 に 案 内 され 持 ち 場 に 着 かれた さわやかなホルンの 合 図 で 狩 り 出 しが 始 まり アカシカ 約 130-140 頭 ダマジカ 約 70-80 頭 が 狩 猟 場 に 追 い 出 された 狩 猟 動 物 が 逃 げ 回 る 場 所 が 十 分 にあったので それは 非 常 に 興 奮 を 覚 えるものであっ -225-

野 島 利 彰 た 狩 猟 の 後 両 皇 帝 と 高 貴 な 方 々は 狩 猟 道 具 が 運 び 込 まれたのと 同 じ 道 路 を 通 ってフュルステンヴァルトの 狩 猟 館 へ 行 かれた ここで 両 皇 妃 がお 付 きの 方 々とともに 狩 猟 の 参 加 者 をお 待 ちしていた この 日 のために 営 林 署 の 建 物 の 前 に 特 別 に 作 られた 屋 根 が 三 つある 内 装 が 非 常 に 美 しい 大 きな 天 幕 の 中 で 食 事 が 行 われた 食 事 の 間 宮 廷 オペラ ソロカルテット のシャントルと 二 人 の 狩 猟 官 が 4 つのマシンホルンあるいは 6 つの 狩 猟 用 ホルンで 食 卓 音 楽 を 演 奏 した 指 揮 者 もタクトもなしに 狩 猟 家 の 心 から 出 るままに 楽 しげで 新 鮮 な 狩 猟 曲 が 演 奏 された 小 さな 紙 片 に 書 かれた 演 奏 曲 目 の 説 明 が 配 布 された 両 陛 下 はシャントルにお 誉 めの 言 葉 を 掛 け られた 彼 はロシア 皇 妃 にも 紹 介 された このような 栄 誉 を 狩 猟 用 楽 器 で あるホルンは 初 めて 受 けた ロシア 皇 帝 も 明 らかに 喜 ばれ この 優 れた 取 り 繕 わない 朗 らかな 狩 猟 音 楽 演 奏 に 驚 かれた 午 後 3 時 に 陛 下 ならび に 高 貴 な 狩 猟 客 たちは 数 時 間 の 素 晴 らしい 時 を 与 えてくれた そしてフレ ンチホルン 音 楽 隊 の 演 奏 する 狩 猟 家 の 挨 拶 の 曲 が 響 き 渡 るフュルステ ンヴァルトを 離 れられた 別 れに 際 してロシア 皇 帝 陛 下 は 多 数 の 高 貴 な 貴 族 的 な 心 映 えの 狩 猟 家 たちに 囲 まれ 高 貴 な 狩 猟 客 たちの 間 をまったく 自 然 に 自 由 に 動 き 回 られた 今 回 の 狩 猟 では 非 常 に 専 門 的 な 狩 猟 家 の 手 で 狩 り 出 し 猟 の 持 ち 場 11 ヶ 所 が 設 置 された そこにはロシア 皇 帝 オーストリア 皇 帝 モロンゾフ=ダシ ュコフ 伯 爵 F.Z.M.ランベルク 男 爵 フュルステンベルク 方 伯 パラヴィ チーニ 辺 境 伯 リヒター 将 軍 とベルヒトルツハイム 将 軍 イシェレヴィン 将 軍 とフリーサー 男 爵 ロシア 皇 帝 外 科 侍 医 ヒルシュ 博 士 ルドルフ 皇 太 子 ウラジミール 大 公 が 着 かれた 各 持 ち 場 は 互 いに 80-100 歩 離 れ 囲 い から 140 歩 離 れていた 倒 された 獲 物 に 撃 った 射 手 を 示 す 色 別 リボンが 付 けられ 食 事 の 直 後 に 行 われた 獲 物 の 検 分 で 枝 角 の 枝 数 16 本 のアカシカ 2 頭 14 本 が 2 頭 12 本 が 4 頭 10 本 が 5 頭 8 本 が 9 頭 6 本 が 4 頭 フォーク 状 が 1 頭 二 本 角 1 老 雌 8 頭 若 雌 1 頭 ダマジカ 雄 2 頭 雌 1 頭 仔 1 頭 合 計 41 頭 であった 捜 索 の 結 果 枝 数 14 本 12 本 10 本 -226-

ドイツ オーストリアの 新 聞 に 見 られる 狩 猟 表 現 1) 各 1 頭 8 本 2 頭 6 本 1 頭 フォーク 状 1 頭 雌 とダマジカ 10 頭 が 見 つ かった 従 って 合 計 58 頭 であった Jagdzeitung 1885.9.1. 号 6) 狩 猟 は 人 名 にも 現 れ Bernhard (クマのように 強 い), Wolfgang (オオカミの 通 り 道 ) などが 有 名 であるが 苗 字 としても Geyer ハゲタカ Geiß 雌 ヤギ Rabe カラス Hirsch アカシカ Bock 雄 ヤギ Wolf オオカミ Fuchs キツネ Vogel 小 鳥 などの 動 物 の 名 が 良 く 用 いられている ミュンヘン 大 学 の 森 林 土 壌 学 に Rehfuß ノロシカの 足 教 授 がいた ここで 述 べた Hagen も 人 名 に 現 れ 2004 年 ヨーロッパカップでギリシャのサッカーチームを 金 メダルに 導 いた 監 督 はドイツ 人 で Rehagel とという 名 である この 名 はもともと Reh (ノロシカ)+Hagen ( 狩 猟 用 垣 根 )で ノロシカを 捕 らえる 垣 根 の 意 味 であ る (FAZ.04.7.8) 7) エレは 単 位 としては 地 域 により 幅 がありすぎるので 換 算 が 難 しいが デー ベルの 付 している 図 に 馬 車 の 荷 台 に 立 ち 中 を 覗 いて 狩 猟 の 様 子 を 見 物 し ている 男 が 描 かれているので 2m と 見 積 もった デーベルは 歩 を 森 歩 きの 歩 と 言 っているので 70cm で 換 算 すれば 150 歩 は 約 105m 8) Codex Austriacus. Auer S.16 9) 農 民 は 早 くから 狩 猟 特 権 に 不 満 を 持 ち 1525 年 の 農 民 戦 争 では 農 民 によ る 司 祭 の 選 挙 十 分 の 一 税 の 使 用 目 的 農 奴 制 の 廃 止 を 謳 った 12 ヵ 条 要 求 の 第 4 条 は 野 生 動 物 鳥 魚 は 共 有 財 産 である なぜなら 神 がその 創 造 の 際 に 人 間 にそれらに 対 する 支 配 権 を 与 えたからである と 狩 猟 の 自 由 掲 げている (メミンゲンの 農 民 要 求 ) このように 狩 猟 は 農 民 にとっ て 日 々その 痛 みを 感 ずる 行 為 で 逆 の 意 味 で 関 心 事 であったと 言 える 12 ヶ 条 要 求 の 第 6 条 では 労 役 は 削 減 されるべきである と 言 っているが この 労 役 には 狩 猟 賦 役 も 含 まれる 南 ドイツのシュチューリングの 農 民 は 1525 年 領 主 に 対 し 我 々は 狩 猟 夫 役 の 廃 止 を 望 む と 要 求 し その 24 条 で 狩 猟 に 関 する 労 役 に 触 れ さらに 動 物 を 囲 い 込 むための 垣 を 造 り 勢 子 を 勤 め 捕 網 の 綱 を 引 く そ して 動 物 が 捕 まるとそれを 城 に 運 ぶ また 時 には 獲 物 を 城 からタン (エル -227-

野 島 利 彰 ザス 地 方 ) やエンゲン (バーデン 地 方 ) あるいは 領 主 様 がお 気 に 召 す 場 所 ならどこへでも 運 ばなければならない と 述 べている Hobusch S.181 狩 猟 賦 役 に 関 する 法 令 は 厳 しいにもかかわらず 農 民 は 賦 役 を 免 れようとし た 狩 猟 賦 役 に 出 れば 農 耕 作 業 を 中 断 され 何 日 も 家 を 留 守 にしなければ ならなかったからである そのため 生 産 物 の 支 給 によって 代 替 させたり 狩 猟 員 を 買 収 したりした また 働 き 手 を 取 られまいと 子 供 や 老 人 を 賦 役 に 出 そうとした 賦 役 を 拒 否 するばかりでなく 狩 猟 そのものを 妨 害 するこ ともあった 例 えば 遮 断 機 の 破 壊 である 王 侯 の 狩 猟 地 には 一 般 人 や 農 民 の 馬 車 や 荷 車 が 入 り 込 まないよう 要 所 要 所 に 遮 断 機 が 下 りている 遮 断 機 には 鍵 が 掛 けられているが その 鍵 穴 に 異 物 を 入 れて 鍵 を 使 えなくして しまうのである いざ 王 侯 がやって 来 たときに 遮 断 機 が 上 げられず 結 局 狩 猟 が 出 来 ないことになる 10) かつてウサギは 生 息 数 が 多 かったが 近 年 その 数 が 減 り ことに 旧 東 ドイ ツで 激 減 している メクレンブルク フォアポマン 州 では 絶 滅 危 惧 種 に 挙 げられている 原 因 は 農 作 物 の 単 一 栽 培 により 生 育 環 境 が 大 きく 変 わった ためと 言 われている FAZ.04.4.8 11) Trophäe は 動 物 によりその 部 位 が 異 なり シカ 類 では 角 犬 歯 ;イノシシで は 牙 毛 皮 ;カモシカでは 角 背 中 の 毛 ; 鳥 類 では 尾 羽 根 や 風 切 り 羽 など 参 考 文 献 Küpper, Heiz: Illustriertes Lexikon der deutschen Umgangssprache. 7Bde. Klett. Stuttgart.1982 Röhrich,Lutz: Das große Lexikon der sprichwörtlichen Redensarten. 3Bde.Verlag Herder. Freiburg, Basel, Wien.1991, Hugo, Albert (hrg.):jagd=zeitung Hobusch, Erich: Von der edlen Kunst des Jagens. 2.verbesserte Auflage. Pinguin- Verlag. Innsbruck.1983 Prossinagg, Hermann: Österreichs Jagd im 20. Jahrhundert. Österreichischer Jagd- und Fischerei-Verlag. Wien, 1999-228-

ドイツ オーストリアの 新 聞 に 見 られる 狩 猟 表 現 1) Gergely, Thomas u. Gabriele / Prossinagg, Hermann: Vom Saugarten des Kaisers zum Tiergarten der Wiener. Böhlau Verlag, Wien Köln Weimar, 1993 Katalog von der 209. Sonderausstellung des Historischen Museum der Stadt Wien: Jagdzeit, Österreichsjagdgeschichte eine Pirsch. 1997 Auer, Franz:Jagd und Jagdrobot im kaiserlichen Forstamt Wolkersdorf und Orth vom 17. bis 20. Jahrhundert. Diplomarbeit. Wien, im Mai 1994. -229-