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Transcription:

教 育 委 員 会 からのメッセージ ~ 第 三 者 による 調 査 委 員 会 の 調 査 報 告 書 を 受 けて ~ 平 成 24 年 6 月 12 日 曳 馬 中 学 校 男 子 生 徒 ( 以 下 本 生 徒 という)が 自 ら 命 を 断 つという 悲 しい 出 来 事 ( 以 下 本 件 という)が 起 こりました 浜 松 市 教 育 委 員 会 ( 以 下 教 育 委 員 会 という)は この 出 来 事 を 受 け 第 三 者 による 調 査 委 員 会 ( 以 下 第 三 者 委 員 会 という)を 立 ち 上 げ 12 月 19 日 第 三 者 委 員 会 から 調 査 結 果 の 報 告 を 受 けました 同 報 告 書 は 極 めて 丁 寧 な 調 査 を 重 ねられ 関 係 者 へのきめ 細 やかな 心 配 り をされつつ その 同 意 と 協 力 を 得 ながら 本 件 の 背 景 にある 事 実 の 認 定 に 迫 り そこから 導 きだされる 課 題 を 浮 き 彫 りにしたものです さらに すべての 学 校 教 育 委 員 会 家 庭 や 地 域 社 会 において よりよい 教 育 がなされるために 提 言 さ れたものです 教 育 委 員 会 は 第 三 者 委 員 会 からの 報 告 書 の 内 容 を 厳 粛 に 受 け 止 め 教 育 に 関 わるすべての 者 が 二 度 とこのような 痛 ましい 出 来 事 を 起 こさぬよう その 決 意 を 新 たにいたしました 1 生 徒 の 死 の 背 景 にいじめが 存 在 したことについて 平 成 24 年 2 月 以 降 に 本 生 徒 に 対 して 学 校 の 内 外 において 行 われた 一 連 の 行 為 がいじめに 該 当 し その 結 果 生 徒 が 精 神 的 苦 痛 を 感 じ 自 らその 尊 い 命 を 断 つ 決 意 の 一 因 となったことは 誠 に 残 念 かつ 痛 恨 の 思 いがし 慚 愧 の 念 にた えません 子 どもが 安 全 で 安 心 な 生 活 を 営 めるよう どんなに 些 細 ないじめであっても 見 逃 さず ひょっとしたらこれはいじめなのではないかとの 意 識 をもち 子 ど もたちの 生 活 を 見 守 る 教 育 の 徹 底 をはかるべき 教 育 委 員 会 の 力 が 不 足 してお りましたこと 本 件 発 生 後 も 十 分 な 調 査 に 意 を 尽 くせませんでしたこと ご 遺 族 らへの 対 応 に 十 分 な 配 慮 に 欠 け 不 信 を 招 いたことを 率 直 に 反 省 し 亡 くな られた 本 生 徒 並 びにご 遺 族 に 対 し 衷 心 よりお 詫 び 申 し 上 げます 辛 い 思 いをして 自 らその 命 を 断 つことになった 本 生 徒 の 心 情 を 察 せられず 最 愛 の 我 が 子 を 失 って 悲 嘆 に 暮 れるご 両 親 の 心 情 にも 十 分 寄 り 添 えず 学 校 や 教 育 委 員 会 が 信 頼 できないものという 思 いを 抱 かせてしまいましたことを 大 変 申 し 訳 なく 思 います 1

教 育 委 員 会 は いじめがいつでもどこでも 起 こり 得 るもので 児 童 生 徒 の 生 活 を 注 意 深 く 見 守 る 必 要 のあること いじめは 絶 対 に 許 されず 態 様 や 場 所 の 如 何 を 問 わず 社 会 から 根 絶 すべきものであるとの 認 識 のもと 真 摯 な 姿 勢 でい じめ 問 題 に 取 り 組 み 本 生 徒 の 痛 ましい 死 を 決 して 忘 れることなく 浜 松 市 の 教 育 の 改 善 向 上 に 努 めることをお 誓 い 申 し 上 げます 2 すべての 児 童 生 徒 のみなさんへ いじめは 絶 対 に 許 されません いじめに 気 づきながら 何 もしないことも 許 されません 相 手 の 気 持 ちを 思 いやり いじめを 受 けたらどのような 気 持 ちに なるかを 自 分 のこととして 想 像 してみましょう 自 分 にいじめのつもりがなく ほんのふざけたつもりの 行 為 でも 相 手 がそれをとても 不 愉 快 に 感 じ 苦 痛 に 思 うことがあります 自 分 の 行 為 が 相 手 を 嫌 な 気 持 ちにさせていないか 相 手 の 気 持 ちが 想 像 できたり 自 分 自 身 がそのことを 考 えたりする 心 の 余 裕 を 持 ち ましょう みなさんが 大 人 になって 互 いを 尊 敬 し 合 う 社 会 を 築 こうとするならば い じめが 決 して 許 されないこと そもそもいじめと 尊 敬 が 相 容 れないものである ことに 気 づきます そして もし いじめを 受 けているようなことがあれば どのような 手 段 をとっても 構 わないので 周 りの 人 に 伝 えてください 友 だちはみなさんを 守 り ます 先 生 はみなさんを 守 ります 学 校 はみなさんを 守 ります 家 族 はみなさ んを 守 ります そして すべての 大 人 はみなさんを 守 ります みなさんは この 世 で 果 たすべき 役 割 をもって 生 まれてきました みなさん が 生 まれてきたこと 自 体 すべての 人 から 祝 福 されることでした そして 周 囲 から 大 切 にされてそのいのちが 育 まれてきました ですから みなさんは 生 涯 をかけて その 社 会 の 中 でひとりひとり 果 たすべき 役 割 をまっとうしなけれ ばなりません いのちを 粗 末 にしてはいけません いのちが 粗 末 にされてはいけません 人 間 にとって 最 も 大 切 な 尊 厳 で 誰 もが 決 して 侵 すことができない 大 切 な 価 値 を いじめは 奪 ってしまいます 絶 対 にしてはならないのです 絶 対 に 許 してはならないのです 私 たちは みなさんのことを 一 人 残 らず 大 切 に 思 っています どうか 忘 れないでください 2

3 すべての 教 職 員 のみなさんへ 教 育 委 員 会 は 第 三 者 委 員 会 から 以 下 の 提 言 を 受 けておりますのでお 伝 え 致 します この 提 言 をしっかりと 受 け 止 め これからの 浜 松 市 の 教 育 に 活 か していかなければなりません ( 報 告 書 より) 提 言 ~ 子 どもが 安 心 して 生 活 できるために ~ 平 成 18 年 に 文 部 科 学 省 は いじめ の 定 義 を 変 更 した しかし 実 際 に 子 どもに 関 わ る 大 人 の 間 には いじめ に 対 する 正 しい 認 識 が 十 分 に 浸 透 していない 感 がある 保 護 者 はもちろん 学 校 教 育 に 携 わるすべての 者 や 地 域 の 大 人 たちは いじめ について 敏 感 に 捉 え 個 々の 事 案 に 応 じた 適 切 な 対 応 を 考 えていかなければならない 本 調 査 委 員 会 で 把 握 できた 本 生 徒 に 対 する 行 為 は 悪 口 やプロレスの 真 似 等 であり 一 つ 一 つの 行 為 を 単 体 として 捉 えると 思 春 期 の 生 徒 間 では よくあること じゃれあい として 見 過 ごされてしまう 可 能 性 がある 行 為 である しかし 行 為 者 にとっては 遊 びのつもり や 冗 談 のつもり であっても 行 為 を 受 ける 者 にとっては 精 神 的 苦 痛 を 感 じる 場 合 もあり また そのような 状 態 が 放 置 され 行 為 が 継 続 することで より 深 刻 な いじめ へと 発 展 する 可 能 性 もある いじめ の 芽 はよ り 早 くより 小 さいうちに 摘 まなければならない そのためにも 子 どもに 関 わるすべての 大 人 が いじめ について 正 しく 認 識 し これ まで 以 上 に 子 どもに 関 心 を 持 ち どのような 些 細 な 行 為 であっても いじめ かもしれな いという 視 点 で 目 を 配 り 丁 寧 に 対 応 していく 必 要 がある 1 学 校 に 対 する 提 言 (1) いじめ の 早 期 発 見 のために ア いじめ の 認 識 を 変 える 本 中 学 校 では 生 活 指 導 部 会 や 学 年 会 が 定 期 的 に 開 かれ 教 員 間 の 生 徒 指 導 に 関 する 情 報 共 有 の 機 会 自 体 は 整 っていたといえる また 生 徒 指 導 上 の 問 題 を 発 見 したときは 発 見 者 がその 場 で 注 意 や 指 導 をするとともに 自 ら の 判 断 のもと 学 級 担 任 学 年 主 任 学 年 生 活 指 導 担 当 及 び 生 徒 指 導 主 事 に 報 告 し 対 応 することになっていた しかし 実 際 には プロレスを 真 似 た 本 生 徒 の 身 体 に 対 する 行 為 について 教 員 が3 回 目 撃 し 注 意 し 止 めさせたという 証 言 がある 一 方 で これらの 行 3

為 は 報 告 されておらず 教 員 間 での 情 報 共 有 もされていなかった 一 人 ひとりの 教 員 の いじめ の 認 識 の 甘 さが 情 報 共 有 が 行 われなかった という 事 実 の 根 底 にあるのではないだろうか 仮 に 一 見 したところでは いじ め ではなく 生 徒 間 の じゃれあい と 捉 えられる 程 度 の 行 為 だったとしても 教 員 間 で 共 有 できていれば 多 くの 教 員 が 本 生 徒 に 注 意 を 払 ったであろうから 本 生 徒 に 対 する いじめ を 発 見 できた 可 能 性 もあるかもしれない 一 人 ひとりの 教 員 が どのような 些 細 な 行 為 であっても これが いじめ につながっていくのではないか という 認 識 を 持 つことが 非 常 に 重 要 である そのような 認 識 のもと これまで 以 上 に 生 徒 の 様 子 を 注 意 深 く 観 察 するととも に 些 細 なことでも 教 員 間 で 情 報 共 有 を 行 い 適 切 に 対 応 していくことが 望 ま しい イ いじめ に 気 付 くための 工 夫 (ア) 日 常 的 なコミュニケーション 本 中 学 校 では いじめ は 教 員 の 目 の 届 かないところで 行 われることが 多 いという 認 識 に 立 ち 休 み 時 間 などには 教 員 が 校 内 を 見 回 るなどの 努 力 をし ており この 点 については 評 価 できる もっとも 今 後 は 単 に 見 回 るだけではなく 生 徒 に 声 を 掛 ける 生 徒 の 話 の 輪 に 入 る 校 庭 での 遊 びの 中 に 加 わるなどして より 積 極 的 に 生 徒 とコミ ュニケーションを 取 ることが 望 まれる なお 本 中 学 校 では これまでにも 生 徒 理 解 を 深 めたり 信 頼 関 係 を 築 いた りする 手 段 の 一 つとして 生 活 記 録 ノート 三 本 松 を 活 用 してきた 今 後 は 日 々の 記 録 としてだけではなく 教 員 が 生 徒 の 思 いを 感 じ 取 ったり 小 さな 変 化 に 気 付 いたりすることができるように 三 本 松 の 形 式 の 見 直 しや 活 用 の 仕 方 を 検 討 されたい また 生 徒 と 教 員 の 温 かな 人 間 関 係 が 育 まれるようなコミュニケーション の 図 り 方 も 工 夫 されたい (イ)アンケートの 改 善 ⅰ 生 徒 に 対 するアンケート 本 中 学 校 では 本 件 発 生 後 年 に5 回 実 施 していた いじめに 関 する 調 査 の 内 容 を 改 善 したり 回 答 結 果 にかかわらず 全 校 生 徒 との 個 別 面 談 を 行 ったりするなどして 生 徒 が いじめ について 訴 えやすい 環 境 を 整 え ようとしており この 点 については 評 価 できる 4

しかし アンケートを 教 室 で 配 布 し 記 載 させ 直 ちに 回 収 するという 方 法 は 変 わっておらず この 方 法 では 他 の 生 徒 の 目 を 気 にして 書 くことが できない 可 能 性 がある いじめられている 生 徒 にとって 教 員 に いじめ の 事 実 を 伝 えることは 勇 気 がいることであるから 教 室 で 配 布 し 自 宅 で 記 載 させ 後 日 回 収 するなど 更 なる 改 善 の 余 地 があるのではないだろうか また 教 員 よりも 生 徒 の 方 が いじめ の 実 態 をよく 分 かっていること が 多 いことから アンケートの 質 問 内 容 形 式 の 決 定 に 際 しては 生 徒 の 意 見 を 取 り 入 れることも 一 策 であると 思 料 する ⅱ 保 護 者 に 対 するアンケート どのような 方 法 を 取 ったとしても 本 生 徒 のように 自 ら いじめ を 訴 えることができない(しない) 場 合 も 考 えられる このような 場 合 は 家 庭 における 保 護 者 の 日 々の 観 察 から 生 徒 の 様 子 を 推 し 測 ることも 効 果 的 で あると 思 われる そのため 保 護 者 に 対 し 朝 登 校 を 渋 ることはないか 食 欲 はある か 衣 服 に 不 自 然 な 汚 れはないか 持 ち 物 を 頻 繁 に 失 くしていないか などの いじめ 発 見 のための 着 眼 点 を 質 問 事 項 としたアンケートを 実 施 することも 一 策 であると 思 料 する 保 護 者 もこのようなアンケートへの 記 載 を 通 じ 学 校 と 共 に いじめ を 考 えるきっかけとなり 我 が 子 の 学 校 生 活 に 関 心 を 持 ち 我 が 子 と 向 き 合 うことになるのではないだろうか なお 本 調 査 委 員 会 の 調 査 において 本 中 学 校 が 本 件 発 生 後 の 保 護 者 会 の 後 に 行 った 保 護 者 アンケートの 結 果 を 全 教 員 間 で 共 有 していないことが 判 明 した アンケートは その 結 果 を 踏 まえ 対 応 改 善 することこそが 目 的 であるので 今 後 は 全 教 員 間 で 共 有 し 対 応 に 活 かされたい (2) いじめ の 予 防 に 向 けて ア いじめ を 生 まない 土 壌 作 り いじめ は 人 権 を 害 するものであり 絶 対 に 許 してはいけないことである 本 件 では 本 学 級 の 生 徒 の 中 には 本 生 徒 への いじめ に 気 付 いていた 者 も 少 なからずいた 積 極 的 にこれを 止 める 者 はおらず 学 級 担 任 を 含 め 教 員 に 進 言 することもなかった このような 傍 観 者 の 存 在 が いじめ への 黙 示 的 な 支 持 認 容 となり いじめ が 促 進 された 可 能 性 がある 一 方 で 本 生 徒 の 孤 独 感 や 孤 立 感 を 強 め この 状 態 がいつになったら 終 わるのだろうかという 思 いに させたことは 想 像 に 難 くない 5

本 中 学 校 においては これまでにも いじめ を 行 うことがいけないことに 加 え 傍 観 することもいけないということについては 当 然 指 導 をしてきたと 思 料 するが 再 度 生 徒 に 対 する 指 導 を 徹 底 されたい イ いじめ 指 導 のあり 方 いじめ をなくすためには 全 教 員 が いじめは 絶 対 に 許 さない という 毅 然 とした 態 度 で 個 々の 判 断 でなく 組 織 で 真 摯 に 対 応 していくことが 必 要 で ある (ア)いじめられている 生 徒 に 対 する 関 わり いじめられている 生 徒 は 徹 底 して 守 り 通 すという 強 い 姿 勢 で 生 徒 の 訴 え を 真 剣 に 受 け 止 め その 心 情 に 誠 意 を 持 って 寄 り 添 い 組 織 での 丁 寧 な 関 わ り 見 届 けをしていただきたい 指 導 により 一 時 的 に いじめ が 沈 静 化 し たと 思 われる 場 合 であっても いじめ は 形 を 変 え 継 続 する 可 能 性 があるの であるから 長 期 的 な 対 応 が 必 要 である なお 教 員 の 対 応 如 何 によっては いじめられている 生 徒 をさらに 傷 つけ てしまう 可 能 性 があることを 理 解 し 適 切 な 対 応 をしなければならない (イ) いじめ を 行 っている 生 徒 への 指 導 いじめ を 行 っている 生 徒 に 対 しては 単 に 注 意 するだけではなく そ の 生 徒 の 行 為 によっていじめられた 生 徒 が 受 けた 心 の 痛 みを 実 感 させること が 大 切 である 一 般 的 に いじめ を 行 う 生 徒 は 道 徳 観 や 他 者 を 思 いやる 心 が 未 成 熟 であるため 授 業 で いじめ に 関 するロールプレイングを 行 う などして これらの 生 徒 の 道 徳 観 や 他 者 を 思 いやる 心 を 育 てる 努 力 が 必 要 不 可 欠 である また いじめ を 行 っている 生 徒 に 自 分 が 行 った いじめ を 曖 昧 にさせ ず 内 省 させるためには 保 護 者 の 協 力 が 欠 かせない 保 護 者 には 事 実 を 正 し く 伝 え 保 護 者 とともに いじめ の 解 決 に 向 け 尽 力 されたい ウ 相 談 体 制 の 充 実 開 かれた 学 校 (ア)まずは いじめられている 生 徒 が 悩 みを 相 談 しやすい 環 境 や 体 制 をさらに 整 えられたい (イ)また 本 件 では 本 塾 の 講 師 や 保 護 者 が 本 生 徒 への 行 為 の 一 部 を 認 識 してい たにもかかわらず 塾 でのことを 学 校 に 相 談 していいのか? この 程 度 で 連 絡 してもいいのか? との 迷 いや 遠 慮 から 本 中 学 校 に 対 し 連 絡 することはなか った もし これらの 者 から 本 中 学 校 に 対 して 連 絡 があり これを 受 け 本 中 学 校 が 6

適 切 な 指 導 を 行 っていれば 状 況 は 変 わっていたかもしれない 今 後 は いじめ に 関 する 外 部 からの 相 談 の 窓 口 を 一 本 化 するなどした 上 で どんな 小 さなことでも 伝 えてください 学 校 はきちんと 対 応 します という 姿 勢 を 外 部 に 向 けて 発 信 されたい そして 外 部 から 情 報 がもたらされた 場 合 には 組 織 を 挙 げて 真 摯 に 対 応 し その 結 果 を 還 元 するなどして 保 護 者 地 域 住 民 との 信 頼 関 係 の 構 築 に 努 めら れたい (3) 管 理 職 のリーダーシップ ア 教 員 に 対 する 指 導 管 理 職 におかれては 教 員 が いじめ に 対 する 正 しい 認 識 を 持 てるように 指 導 を 徹 底 されたい また 本 件 では 一 部 の 授 業 において 本 生 徒 の 発 表 のときに 咳 払 いがあった という 証 言 がある 一 方 で 教 科 担 任 の 中 には 咳 払 いに 気 付 いていなかった 唯 一 咳 払 いを 注 意 したという 教 員 も 本 生 徒 に 対 するものとは 認 識 していなかった いじめ に 対 するアンテナを 高 く 持 つように 指 導 を 徹 底 されたい イ 保 護 者 に 対 する 情 報 開 示 いじめに 関 する 調 査 の 結 果 についてもできる 範 囲 で 保 護 者 に 還 元 するな どして 学 校 で 起 きている 事 実 を 共 有 することに 努 められたい ウ いのちの 受 け 止 め 本 件 発 生 後 本 中 学 校 は 学 校 生 活 を 本 件 発 生 前 の 日 常 に 戻 すことには 力 を 入 れてきたと 思 われるが その 反 面 学 校 全 体 で 本 生 徒 の 死 に 十 分 向 き 合 って きたとは 言 い 難 い 学 校 全 体 で 本 件 を 重 く 受 け 止 め 本 生 徒 の 死 に 向 き 合 い 悲 しみや 重 大 性 を 考 える 機 会 を 設 け いのちの 大 切 さを 問 うことも 管 理 職 として 指 導 すべきであっ たと 思 われる エ 遺 族 対 応 本 件 発 生 後 本 中 学 校 と 遺 族 との 関 係 が 悪 化 した 背 景 の 一 つとしては 遺 族 への 弔 問 及 びその 際 の 説 明 並 びにホームページへの 掲 載 内 容 等 について 遺 族 に 対 する 配 慮 が 十 分 ではなかったことがあると 思 料 する 今 後 は 我 が 子 を 失 った 遺 族 の 悲 痛 な 思 いを 推 し 量 り 遺 族 の 心 情 に 配 慮 した 丁 寧 な 対 応 を 行 うこ とが 望 まれる 7

2 本 教 育 委 員 会 に 対 する 提 言 (1) 学 校 への 指 導 の 充 実 いじめ は 生 きる 権 利 を 脅 かすことにもなりうるので 絶 対 に 許 してはいけ ない そのため 学 校 に 対 し 一 見 すると じゃれあい や ふざけ と 思 われる ような 事 案 でも いじめ につながる 可 能 性 がある 事 項 として 報 告 を 要 求 し 本 教 育 委 員 会 において 報 告 内 容 を 注 意 深 く 精 査 し 必 要 に 応 じ 適 切 に 対 応 されたい また いじめ 防 止 の 視 点 から いじめ に 関 する 指 導 計 画 を 見 直 し 教 材 等 を 作 成 するなどされたい (2) 教 員 に 対 する 指 導 の 充 実 今 日 の いじめ に 対 応 した 研 修 の 内 容 と 機 会 を 見 直 し 教 員 の いじめ に 対 する 認 識 を 深 めさせ いじめ を 早 期 に 発 見 し 適 切 な 対 応 ができるよう 指 導 さ れたい (3) 支 援 体 制 の 充 実 ア 学 校 の 環 境 整 備 学 校 の 相 談 体 制 が 充 実 するように 相 談 室 の 設 置 等 物 的 環 境 を 整 備 し 必 要 な 教 員 やカウンセラーを 増 配 するなどの 人 的 環 境 を 充 実 されたい イ 専 門 家 チームの 設 置 校 内 における いじめ については まずは 学 校 が 対 応 すべきと 思 料 するが 学 校 が 適 切 な 対 応 ができない 場 合 には 専 門 家 による いじめ への 対 応 チー ムを 設 置 し 学 校 に 派 遣 するなどして 支 援 されたい ウ いじめ 子 どもホットライン いじめ 対 策 コーディネーターの 周 知 徹 底 本 教 育 委 員 会 は 平 成 23 年 6 月 から24 時 間 体 制 のいじめ 相 談 専 用 回 線 で ある いじめ 子 どもホットライン を 設 置 し また 平 成 24 年 9 月 からいじ めに 対 する 窓 口 として いじめ 対 策 コーディネーター を 市 内 の 小 中 学 校 に 設 置 しているが その 存 在 につき 関 係 各 所 への 周 知 をさらに 徹 底 されたい (4) 緊 急 時 の 危 機 管 理 ア 本 件 発 生 後 本 教 育 委 員 会 は 直 ちに 浜 松 市 精 神 保 健 福 祉 センターと 連 携 を 取 り カウンセラーを 本 中 学 校 へ 数 人 派 遣 するなどして 在 校 生 徒 への 心 の 緊 急 支 援 を 行 った かかる 対 応 は 二 次 被 害 を 防 止 するという 観 点 から 適 切 な 対 応 であり この 点 については 高 く 評 価 できる 8

イ 他 方 本 件 では 浜 松 市 精 神 保 健 福 祉 センターと 本 中 学 校 との 間 及 び 警 察 と 本 中 学 校 との 間 で 生 徒 への 調 査 についての 意 思 疎 通 が 十 分 ではなく 本 件 発 生 後 本 中 学 校 は 直 ちに 本 件 に 関 する 調 査 を 開 始 しなかったにもかかわらず 本 教 育 委 員 会 が 本 中 学 校 に 対 し 調 査 を 行 うように 積 極 的 に 指 導 することはなかった その 結 果 本 中 学 校 が 生 徒 に 対 する 聞 き 取 りを 行 ったのは 本 件 発 生 から1か 月 後 であ り この 対 応 の 遅 さが 遺 族 の 本 中 学 校 及 び 本 教 育 委 員 会 に 対 する 校 内 でのい じめを 隠 そうとしているのではないか という 不 信 感 を 強 めたことは 否 めない そのため 今 後 万 一 子 どもの 自 殺 や 自 殺 未 遂 など 学 校 における 重 大 事 故 が 発 生 した 場 合 には 本 教 育 委 員 会 は 学 校 に 対 し 生 徒 の 心 のケアをするとともに 警 察 等 関 係 機 関 との 連 携 を 取 りながら 迅 速 な 調 査 を 指 示 されたい 仮 に 事 案 の 性 質 に 鑑 み 学 校 を 主 体 とした 調 査 が 難 しい 場 合 には 本 教 育 委 員 会 において 自 ら 調 査 に 入 るか 又 は 第 6 章 2(3)イの 専 門 家 チームにより 調 査 委 員 会 を 組 織 するなどし 迅 速 な 調 査 を 実 施 すべきである (5) いじめ を 生 まない いのちの 教 育 の 推 進 本 件 を 通 して 思 うことは いのちの 教 育 の 大 切 さである 本 教 育 委 員 会 は 学 校 教 育 や 家 庭 教 育 においても いのちの 尊 さの 自 覚 を 深 める 教 育 の 一 層 の 充 実 に 努 める 必 要 がある 自 らのいのちの 大 切 さを 深 く 自 覚 できる 者 は まわりの 人 た ちのいのちも 大 切 にし それがいじめを 生 まない 土 壌 づくりが 醸 成 されると 考 え る また どんなに 辛 いことがあっても 自 らいのちを 断 つことも 決 してあって はならないことを 教 えなくてはならないと 考 える なお 平 成 23 年 2 月 市 内 公 立 中 学 1~3 年 生 のうち 無 作 為 に 抽 出 された 生 徒 約 5,000 人 に 対 して 思 春 期 メンタルヘルス 調 査 が 実 施 された そのう ち 2,538 人 から 有 効 回 答 が 得 られ 本 気 で 死 んでしまいたいと 考 えたこと がある 生 徒 ( 自 殺 念 慮 )が20.8% また 刃 物 や 鋭 利 なもので わざと 自 分 の 身 体 を 傷 つけたことがある 生 徒 ( 自 己 切 傷 )が8.6% 自 殺 の 計 画 を 立 てたことがある 生 徒 ( 自 殺 の 計 画 )が5.2%という 結 果 であった このことから 思 春 期 にある 中 学 生 の 心 理 状 態 が 非 常 に 不 安 定 な 状 態 にあるこ とがわかることを 付 言 しておく 聖 隷 クリストファー 大 学 の 大 場 義 貴 准 教 授 が 浜 松 市 の 依 頼 を 受 け 実 施 9

4 すべての 家 庭 及 び 地 域 社 会 のみなさまへ 教 育 委 員 会 は 第 三 者 委 員 会 の 報 告 書 において 併 せて 家 庭 や 地 域 のみな さまへの 提 言 も 承 っており 今 後 のみなさまへのご 参 考 にしていただきたく 慎 んでお 伝 え 申 し 上 げます 提 言 の 趣 旨 のご 理 解 を 賜 り 社 会 全 体 から いじめ を 根 絶 するためにご 協 力 をお 願 い 申 し 上 げます ( 報 告 書 より) (1) 家 庭 に 対 する 提 言 ア まずは 保 護 者 自 身 が いじめ に 対 する 認 識 を 変 えることが 必 要 である 集 団 による 暴 力 脅 迫 恐 喝 だけが いじめ ではない 本 調 査 委 員 会 における 調 査 の 中 でも これくらい(の 行 為 ) その 程 度 (の 行 為 ) という 言 葉 を 何 度 か 聞 いた 大 人 が いじめ についてそのような 誤 った 認 識 を 持 っていれば 子 どもに 対 し 指 導 できるわけがなく 子 どもが いじめ に 対 する 正 しい 理 解 をすることな ど 不 可 能 である また 我 が 子 に 対 する いじめ を 発 見 することも 困 難 となろ う いじめ か 否 かは いじめられている 児 童 生 徒 の 立 場 に 立 って 考 える とい う 当 然 のことを 再 確 認 し 子 どもにも 同 じ 教 育 をしていくことが 必 要 である イ また 一 般 的 に いじめられている 子 どもは 親 に 心 配 をかけたくない 親 を 失 望 させたくない 親 に 相 談 することで 事 態 が 悪 化 するかもしれない 親 に 話 すことで 自 分 が 余 計 にみじめになる などという 思 いから 親 に 対 し いじ められていることを 相 談 しない(むしろ 隠 す) 傾 向 にある 本 件 においても 本 生 徒 は いじめ を 受 け 悩 み 苦 しんでいたと 思 われる 時 期 ですら 家 庭 では 笑 顔 で 過 ごしており 家 族 に 対 し 自 分 が 受 けた 行 為 のほんの 一 部 しか 話 しておらず そのときでさえ 笑 顔 で 軽 い 口 調 で 話 していた このように 一 見 すると 軽 い 発 言 が いじめられている 子 どもにとっては 精 一 杯 のSOSである 可 能 性 があるということを 認 識 し 子 どもの 様 子 に 常 に 気 を 配 り 子 どもの 変 化 を 見 逃 さず 少 しでも 気 になる 兆 候 があれば お 父 さん お 母 さん はあなたの 味 方 だよ あなたのことを 大 切 に 思 っているよ というメッセージ を 伝 え 悩 みや 苦 しみを 共 有 し 子 どもの 心 に 寄 り 添 うという 姿 勢 が 大 切 である ウ 他 方 我 が 子 が いじめ に 関 与 していたことが 分 かった 場 合 その 子 が 自 己 の 行 為 に 向 き 合 うことができるような 手 助 けを 行 うことが 大 切 である 10

概 して 親 は 我 が 子 可 愛 さから うちの 子 は 悪 くない うちの 子 の 関 与 の 程 度 は 小 さい いじめられる 側 にも 原 因 理 由 がある などと 考 える 傾 向 にあり 子 どもが 事 実 を 話 せない 雰 囲 気 を 作 り 出 すことが 多 い 本 調 査 委 員 会 の 調 査 にお いても 親 が 子 どもを 事 実 から 遠 ざけようとしていた 家 庭 が 一 部 あったことは 否 めなかった そのような 状 況 では 子 どもが 親 に 対 し 事 実 を 話 すことなどできず まして 自 分 の 行 った 行 為 に 真 摯 に 向 き 合 い 反 省 することなどできない まずは 子 どもに 対 し あなたがこれまでにどんなことをしていたとしても お 父 さん お 母 さんがあなたを 見 捨 てることはない あなたが 行 った 行 為 につい ては お 父 さんもお 母 さんもきちんと 一 緒 に 向 き 合 う というメッセージを 伝 え 子 どもが 安 心 して 事 実 を 話 せる 環 境 を 作 っていただきたい そして 子 どもが 事 実 を 話 した 場 合 には それを 謙 虚 に 受 け 止 め 子 どもと 一 緒 に 悩 み 考 え ともに 子 どもが 行 った 行 為 に 向 き 合 っていただきたい (2) 地 域 社 会 に 対 する 提 言 本 件 では 本 生 徒 に 対 する 行 為 につき 一 部 の 地 域 住 民 が 認 識 していたにもかか わらず 本 生 徒 の 両 親 及 び 学 校 には 明 確 に 伝 えていなかった 我 が 子 のみならず 地 域 の 子 どもたちにも 関 心 を 持 ち 学 校 家 庭 及 び 地 域 住 民 が 協 力 して 地 域 の 子 どもたちを 見 守 り 育 てるという 意 識 をもって 対 応 することが 強 く 望 まれる 5 市 民 のみなさまへ 教 育 委 員 会 は 第 三 者 委 員 会 が 報 告 書 の おわりに で 締 めくくられたメッ セージを 心 に 焼 き 付 け 浜 松 市 の 教 育 がよりよいものとなるよう 力 の 限 り 尽 くすことをここにお 誓 いいたします ( 報 告 書 より) おわりに 本 調 査 委 員 会 は 13 歳 という 未 来 ある 生 徒 の 命 が 突 然 失 われるという 大 変 痛 まし い 出 来 事 を 受 け その 背 景 に 何 があったのかを 調 査 してきた 本 件 において いじめ が 本 生 徒 の 心 に 影 響 を 与 えたことは 否 定 できない しかし 誰 か1 人 でも 本 生 徒 の 痛 み 苦 しみをあるがままに 受 け 止 め 寄 り 添 うことができて いれば 本 生 徒 の 死 は 防 げたのではないかと 思 料 する 本 生 徒 に 関 わったすべての 人 が 彼 の 死 を 風 化 させることなく 自 分 の 問 題 として 考 11

え 続 けて 行 くこと そして 二 度 とこのような 痛 ましい 出 来 事 が 起 こらないことを 切 に 願 う 6 亡 くなられた 生 徒 さんへ 私 たちは あなたのことを 守 ってあげることができませんでした 最 初 は 戸 惑 いや 不 安 困 惑 といった 気 持 ちに 始 まり 次 第 にいらだちや 怒 りや 屈 辱 感 に 変 わり そして 終 いには 孤 立 と 無 力 の 中 に 取 り 残 され 尊 い 命 を 自 ら 絶 とうと 決 心 したのであろうとその 心 中 を 察 したとき 胸 が 引 き 裂 かれる 思 い がし 辛 い 思 いをさせたことを 深 く 悔 い あふれ 出 る 涙 が 止 りませんでした 今 となってはあなたにかける 適 切 な 言 葉 を 見 いだすことができません 本 当 にごめんなさい 二 度 とこのようなことを 起 こさないようお 誓 いし 心 からご 冥 福 をお 祈 り します 平 成 24 年 12 月 25 日 浜 松 市 教 育 委 員 会 委 員 長 教 育 長 委 員 委 員 委 員 12