2012 大 問 1 急 性 大 動 脈 解 離 問 1 急 性 大 動 脈 解 離 の 診 断 に 有 用 な 検 査 を 一 つ 挙 げよ 大 動 脈 造 影 CTによって 急 性 大 動 脈 解 離 を 診 断 する 大 動 脈 解 離 を 疑 う 病 歴 として 突 然 の 胸 背 部 の 激 痛 意 識 障 害 虚 血 症 状 などがある その 他 バイタルが 正 常 か? 意 識 レベルは? 脈 拍 左 右 差 は? 心 雑 音 は?といった 検 査 がある があくまで 確 定 診 断 となるのは 大 動 脈 造 影 CT 大 動 脈 解 離 とその 位 置 が 診 断 できたら 心 エコーで 心 嚢 液 の 貯 留 があるか 大 動 脈 弁 閉 鎖 不 全 が 起 きているかな どを 調 べる 特 に 心 タンポナーデは 放 っておくと 死 につながる 問 2 意 識 障 害 が 起 きた 機 序 について 論 じよ 上 行 大 動 脈 に 破 裂 があり 血 液 が 心 嚢 に 貯 留 して 心 タンポナーデを 引 き 起 こしてショック 意 識 障 害 総 頸 動 脈 への 血 流 の 障 害 による 脳 虚 血 からの 意 識 障 害 解 離 が 大 動 脈 弁 付 近 まで 進 み 大 動 脈 弁 閉 鎖 不 全 により 急 性 心 不 全 を 起 こし 意 識 障 害 急 性 心 筋 梗 塞 により 心 拍 出 量 低 下 脳 血 流 量 が 低 下 して 意 識 障 害 破 裂 による 出 血 性 ショック 意 識 障 害 問 3 急 性 大 動 脈 解 離 の 分 類 と 治 療 DeBakey 分 類 と Stanford 分 類 がある DoBakey 分 類 は 内 膜 亀 裂 ( 入 口 )の 位 置 と 解 離 の 範 囲 で 分 類 したもの で Stanford 分 類 は 入 口 部 の 位 置 に 関 係 なく 解 離 の 範 囲 のみ( 大 動 脈 を 含 むか 否 か)で 判 断 したもの DeBakey 分 類 でみる 頻 度 は Ⅰ Ⅱ 型 :Ⅲ 型 は 等 頻 度 Stanford 分 類 で 見 たときA 型 とB 型 は 等 頻 度 である Marfan 症 候 群 ではⅡ 型 が 多 い 臨 床 では Stanford 分 類 がよく 用 いられる
Stanford A 型 は 原 則 緊 急 手 術 B 型 で 切 迫 破 裂 が 5cm 以 上 あるもの 分 岐 血 流 障 害 があるものは 緊 急 手 術 が 行 われる 通 常 入 口 部 を 含 む 解 離 度 大 動 脈 を 部 分 的 に 切 除 し 人 工 血 管 置 換 術 を 行 う ステントグラフトによる 治 療 もおこなわれている 緊 急 手 術 を 行 わないときは 血 圧 管 理 と 鎮 静 適 度 な 安 静 で 様 子 を 見 る 大 問 2 高 血 圧 の 治 療 薬 について 述 べよ (A4 一 枚 が 解 答 用 紙 ) そもそも 高 血 圧 の 治 療 は 減 塩 運 動 節 酒 などの 生 活 習 慣 の 修 正 が 主 で それで 効 果 が 不 十 分 な 際 に 降 圧 薬 に よる 治 療 が 行 われる 降 圧 薬 は 目 標 血 圧 に 向 けて 少 量 投 与 から 開 始 するが( 特 に 高 齢 者 ) Ⅲ 度 高 血 圧 や 多 重 危 険 因 子 保 有 など 高 リ スク 例 では 数 週 間 以 内 に 高 圧 目 標 を 達 成 することが 好 ましい 降 圧 薬 の 心 血 管 疾 患 防 止 効 果 の 大 部 分 は その 種 類 よりも 降 圧 度 によって 規 定 される 単 剤 で 高 圧 目 標 を 達 成 す ることは 難 しく 2.3 剤 の 併 用 が 必 要 になることが 多 い その 際 少 量 の 利 尿 薬 を 積 極 的 に 用 いるべきである 第 一 選 択 薬 Ca 拮 抗 薬 血 管 平 滑 筋 細 胞 内 へのカルシウムイオン 流 入 を 抑 制 し 血 管 拡 張 作 用 をもたらす DHP 系 Ca 拮 抗 薬 は 降 圧 の 有 効 性 が 最 も 高 くかつ 臓 器 血 流 も 保 たれるので 最 もよく 使 用 されている 非 DHP 系 Ca 拮 抗 薬 は 強 い 心 抑 制 作 用 のために 心 不 全 や 高 度 徐 脈 例 には 禁 忌 である 副 作 用 は 動 悸 頭 痛 浮 腫 ほてり 感 便 秘 反 射 性 頻 脈 など 主 な 薬 剤 はシルニジピン アムロジピンベシル 酸 塩 ジルチアゼム 塩 酸 塩 など アンジオテンシンⅡ 受 容 体 拮 抗 薬 (ARB) AⅡのタイプⅠ 受 容 体 に 結 合 し AⅡの 作 用 ( 血 管 収 縮 体 液 貯 留 交 感 神 経 活 性 亢 進 )などを 阻 害 する 心 筋 保 護 作 用 腎 保 護 作 用 脳 循 環 調 節 作 用 抗 動 脈 硬 化 作 用 心 房 細 動 発 症 抑 制 作 用 インスリン 感 受 性 感 受 作 用 があるため 心 臓 腎 脳 の 臓 器 合 併 症 や 糖 尿 病 合 併 症 に 積 極 的 に 使 われる ARB は Ca 拮 抗 薬 に 次 いで 使 用 頻 度 が 高 い 禁 忌 は 妊 娠 高 K 血 症 両 側 性 腎 動 脈 狭 窄 血 管 神 経 性 浮 腫 などの 患 者 副 作 用 に 高 K 血 症 がある 主 な 薬 剤 はロサルタンカリウム バルサルタン イルベサルタンなど アンジオテンシン 変 換 酵 素 (ACE) 阻 害 薬 ACE を 阻 害 して AⅡの 産 生 を 抑 制 する 特 徴 禁 忌 は ARB と 同 じ ACE 阻 害 薬 は ARB とほぼ 同 等 の 効 果 があるが 空 咳 の 副 作 用 のためやや 使 いにくい 主 な 薬 剤 はエナラプリルマレイン 酸 塩 イミダプリル 塩 酸 塩 など 利 尿 薬 (カリウム 保 持 性 利 尿 薬 は 除 く) 腎 尿 細 管 での Na 再 吸 収 を 抑 制 し 循 環 血 液 量 を 減 少 させる サイアザイド 系 は 降 圧 薬 として ループ 系 は 心 不 全 治 療 に 用 いられることが 多 い 禁 忌 は 低 K 血 症 痛 風 腎 不 全 など(ループ 系 は 腎 不 全 患 者 に 用 いられる) 副 作 用 は 低 K 血 症 耐 糖 能 低 下 高 尿 酸 血 症 脂 質 異 常 症 など ループ 利 尿 薬 :フロセミド サイアザイド 系 利 尿 薬 :ヒドロクロロチアジト クロルタリドン
β 遮 断 薬 β1 受 容 体 を 遮 断 し 心 拍 出 量 の 低 下 レニン 産 生 の 抑 制 中 枢 での 交 感 神 経 抑 制 作 用 などにより 降 圧 する 交 感 神 経 活 性 の 亢 進 が 認 められる 患 者 頻 脈 合 併 例 甲 状 腺 機 能 亢 進 症 高 レニン 性 高 血 圧 大 動 脈 解 離 など の 患 者 に 用 いられる 禁 忌 は 喘 息 高 度 徐 脈 などの 患 者 糖 や 脂 質 代 謝 へ 悪 影 響 を 及 ぼす 副 作 用 があるため 高 齢 者 や 代 謝 異 常 合 併 例 の 患 者 には 使 いにくい β 遮 断 薬 :アテノロール αβ 遮 断 薬 :カルベジロール ラベタロール 第 一 選 択 薬 とはならない 降 圧 薬 α 遮 断 薬 血 管 平 滑 筋 α1 受 容 体 を 選 択 的 に 遮 断 し 血 管 収 縮 を 抑 制 する 脂 質 代 謝 改 善 作 用 があるため 高 脂 血 症 の 患 者 に 対 し 積 極 的 な 適 応 がなされる 副 作 用 は 起 立 性 低 血 圧 禁 忌 は 妊 娠 や 起 立 性 低 血 圧 のある 患 者 カリウム 保 持 性 利 尿 薬 ( 抗 アルドステロン 薬?) アルドステロンを 直 接 阻 害 することによる 降 圧 臓 器 保 護 作 用 遠 位 尿 細 管 や 集 合 管 に 作 用 し K の 喪 失 なく Na 排 泄 を 促 進 する 副 作 用 は 女 性 化 乳 房 高 K 血 症 などで 禁 忌 は 高 K 血 症 の 患 者 大 問 3 慢 性 心 不 全 の 診 断 について 述 べよ (A4 一 枚 が 解 答 用 紙 ) 病 態 血 行 動 態 を 長 時 間 維 持 していた 代 謝 機 構 が 破 綻 して 心 機 能 低 下 が 顕 著 となり 血 行 動 態 の 悪 化 が 徐 々に 進 行 する 状 態 慢 性 的 に 心 筋 に 負 荷 や 障 害 を 与 える 原 因 疾 患 の 存 在 が 考 えられる 症 状 呼 吸 困 難 息 切 れ 頻 呼 吸 起 坐 呼 吸 発 作 性 夜 間 呼 吸 困 難 喘 鳴 ピンク 色 泡 沫 状 痰 などがある( 左 心 不 全 ) 頸 動 脈 怒 張 浮 腫 体 重 増 加 右 季 肋 部 痛 腹 部 膨 満 感 肝 腫 大 肝 胆 道 系 酵 増 加 などがある( 右 心 不 全 ) 意 識 障 害 冷 汗 不 穏 チアノーゼ 低 血 圧 乏 尿 などがある( 低 心 拍 出 症 状 ) 身 体 診 察 検 査 聴 診 で 断 続 性 ラ 音 Ⅲ 音 やⅣ 音 (gallop rhythm)などを 認 める 血 液 検 査 で BNP 上 昇 を 認 める 胸 部 単 純 X 線 像 で butterfly shadow Kerley s B line 心 陰 影 の 拡 大 胸 水 などが 見 られる 以 上 の 症 状 所 見 検 査 より 心 不 全 を 疑 う 重 症 度 や 病 態 評 価 のため 心 エコー 12 誘 導 心 電 図 血 液 ガス 分 析 なども 行 う
大 問 4 WPW 症 候 群 と PSVT 2010 年 度 の 症 例 1 と 類 似 問 題 らしいのでとばす 大 問 5 心 房 細 動 65 歳 男 性 数 年 前 に 検 診 で 心 雑 音 を 指 摘 され 二 次 検 診 で 僧 帽 弁 逸 脱 と 僧 帽 弁 閉 鎖 不 全 と 診 断 された 定 期 検 診 を 勧 められたが 自 覚 症 状 がなかったため 通 院 はしていなかった 2 週 間 ほど 前 から 動 機 と 労 作 時 の 息 切 れを 自 覚 するようになり 2 日 前 より 顔 と 足 のむくみが 出 現 夜 になって 息 苦 しさが 増 強 し 救 急 搬 送 された 図 がないので 何 とも 言 えないが 心 房 細 動 と 書 いてあるので 僧 房 弁 閉 鎖 不 全 からの 心 房 細 動 心 房 細 動 からの 左 心 不 全 右 心 不 全 といった 病 態 の 患 者 であると 推 測 される 1 心 電 図 : 所 見 を 述 べよ 左 房 負 荷 所 見 ( 心 房 細 動 )と 左 室 負 荷 所 見 が 見 られる 心 房 細 動 の 心 電 図 の 特 徴 は 基 線 の 細 かな 動 揺 : 多 数 の random reentry が 心 房 内 で 発 生 するため 心 房 が 無 秩 序 に 興 奮 し 基 線 が 全 く 不 規 則 な 波 が 現 れる RR 感 覚 の 不 整 : 心 房 の 興 奮 が 早 く 不 規 則 な 為 P 波 (-): 無 秩 序 な 心 房 の 句 分 のため P 波 が 生 じない などがある 左 室 負 荷 所 見 は R 波 の 異 常 増 大 などが 見 られる 左 室 負 荷 がひどければ 左 軸 偏 位 も 見 れるかも 参 考
2 胸 部 単 純 エックス 線 写 真 : 所 見 を 述 べよ 左 房 および 左 室 の 拡 大 により 左 第 3 弓 及 び 第 4 弓 の 突 出 ( 矢 印 )が 見 られる 心 不 全 をきたすと 肺 うっ 血 胸 水 が 出 現 する 参 考 3この 疾 患 の 病 態 について 述 べよ 僧 房 弁 閉 鎖 不 全 症 は 収 縮 期 に 左 室 左 房 への 血 液 の 逆 流 があるため 左 房 容 量 負 荷 がかかり 心 房 細 動 を 起 こし やすくなる また 拡 張 期 に 左 房 から 左 室 への 流 入 血 液 が 増 大 するため 左 房 左 室 の 拡 大 が 著 名 になり 左 心 不 全 次 いで 右 心 不 全 を 起 こす まず 僧 房 弁 閉 鎖 不 全 症 があり 左 心 不 全 が 起 きた(2 週 間 ほど 前 から 動 機 と 労 作 時 の 息 切 れを 自 覚 ) 次 に 左 心 不 全 や 心 房 細 動 から 肺 うっ 血 が 起 き 右 心 不 全 となった(2 日 前 より 顔 と 足 のむくみが 出 現 ) 本 日 心 不 全 が 増 悪 し て 夜 間 呼 吸 困 難 が 発 生 し 救 急 車 で 搬 送 された
2010 症 例 1 Tさんは35 歳 女 性 である 以 前 から 心 電 図 異 常 を 指 摘 されていたが これまでは 特 に 自 覚 症 状 はなかった 最 近 ときどき 急 に 動 悸 が 出 現 することがあり 本 日 外 来 を 受 診 した 1. 動 悸 とは 何 か? 心 臓 の 拍 動 鼓 動 やその 乱 れを 自 覚 すること 原 因 は 不 整 脈 心 不 全 高 心 拍 出 状 態 交 感 神 経 興 奮 パニック などがある 2.Tさんの 通 常 時 の 心 電 図 を 別 紙 心 電 図 1に 示 す 担 当 医 はこの 心 電 図 をみて WPW 症 候 群 と 診 断 した その 根 拠 を 述 べよ WPW 症 候 群 とは 心 房 と 心 室 とを 直 接 に 連 結 する 副 伝 導 路 が 存 在 し 心 室 の 早 期 興 奮 が 生 じる 病 態 であり 房 室 回 帰 頻 拍 (AVRT)や 心 房 細 動 (AF)を 引 き 起 こす
1 波 ( 早 期 興 奮 波 )が 出 現 している 2PQ 時 間 が 短 縮 している 3 広 い QRS 波 より WPW 症 候 群 が 疑 われる 3. 担 当 医 はTさんに 次 に 動 悸 が 出 現 したらすぐ 来 院 するように 指 示 した 1 週 間 後 Tさんが いつもと 同 じような 動 悸 がする といって 受 診 してきた 際 の 心 電 図 を 心 電 図 2に 示 す 担 当 医 はこのときの 心 電 図 の 波 形 をみて 発 作 性 上 室 性 頻 拍 (PSVT)であると 診 断 した 心 電 図 1と 心 電 図 2の QRS 波 形 が 異 なる 理 由 を WPW 症 候 群 における PSVT の 起 こり 方 をふまえて 説 明 せよ
PSVT の 内 の AVRT を 起 こしている 心 電 図 の 特 徴 は 1 逆 行 性 P 波 : 心 室 心 房 の 順 に 興 奮 するため P 波 が 陰 性 になる 2 波 の 消 失 : 副 伝 導 路 を 経 由 した 早 期 興 奮 が 起 こらなくなるため がある WPW 症 候 群 で AVRT が 起 きるのは 副 伝 導 路 (Kent 束 )を 介 してリエントリーが 起 きるからである WPW 発 作 時 に AF が 合 併 すると pseudo VT( 偽 性 心 室 頻 拍 )と 呼 ばれる 特 異 的 な 心 電 図 を 呈 する 4.Tさんの 動 悸 発 作 に 対 する 治 療 について 発 作 に 対 する 治 療 と 今 後 の 発 作 予 防 にわけて 述 べよ 4-1. 発 作 時 の 治 療 AVRT 合 併 に 対 して 迷 走 神 経 刺 激 法 (Valsalva 法 頸 動 脈 洞 圧 迫 顔 面 浸 水 など) ATPやCa 拮 抗 薬 の 静 注 AF 合 併 に 対 して Naチャネル 遮 断 薬 静 注 4-2. 今 後 の 発 作 予 防 薬 物 内 服 によるコントロール 予 防 というかカテーテルアブレーション( 異 常 な 部 位 を 焼 き 殺 す)で 根 治 すればいいんじゃね?
症 例 2 Sさんは40 歳 男 性 である 会 社 の 健 康 診 断 で 高 血 圧 を 指 摘 され 精 密 検 査 のためあなたの 外 来 を 受 診 した 昨 年 まで 血 圧 は 正 常 であった ほかに 特 記 すべき 既 往 歴 はない 家 族 歴 として 母 親 に 高 血 圧 がある 身 長 170cm 体 重 64kg 血 圧 180/110mmHg 頻 脈 70 回 / 分 ( 整 ) 1. 身 長 と 体 重 からSさんのBMIを 計 算 し その 値 について 評 価 せよ 64/(1.7^2)=22 至 適 体 重 2. 高 血 圧 で 初 診 の 患 者 の 身 体 所 見 ではどのような 点 を 注 意 してみる 必 要 があるか 痩 せていたり 太 っていたりしていないか 眼 底 に 乳 頭 浮 腫 がないか( 悪 性 高 血 圧 の 所 見 ) 腹 部 聴 診 で 血 管 雑 音 を 聴 取 しないか( 腎 血 管 性 高 血 圧 の 所 見 ) 3.Sさんの 血 液 検 査 ではKが2.9mEg/lと 低 値 であった 3-1.Sさんの 高 血 圧 の 原 因 としてどのようなことが 考 えられるか? 昨 年 まで 血 圧 が 正 常 であったこと BMIが 正 常 であること 特 に 既 往 がないことから 二 次 性 高 血 圧 が 疑 われる カリウムが 低 値 になっていることから 原 発 性 アルドステロン 症 であると 考 えられる これはアルドステロンの 過 剰 分 泌 による 水 Na 貯 留 K 喪 失 が 病 態 の 疾 患 である 3-2.その 診 断 のためにはどのような 検 査 を 追 加 すればよいか? 心 電 図 検 査 :ST 下 降 T 波 平 坦 化 U 波 出 現 などが 見 られる カプトプリル 試 験 フロセミド- 立 位 試 験 生 理 食 塩 水 負 荷 試 験 のうち 二 つ アルドステロン 過 剰 分 泌 の 局 在 診 断 として 選 択 的 副 腎 静 脈 サンプリング 症 例 3 Aさん 65 歳 男 性 高 血 圧 で 内 服 加 療 中 であった 突 然 の 激 しい 胸 痛 を 訴 え 意 識 消 失 すぐに 救 急 車 で 搬 送 され た 来 院 時 血 圧 は 右 上 肢 で60/40mmHg 左 上 肢 で110/70mmHgあった 来 院 時 意 識 レベルはJCS Ⅱ-30 程 度 であった 心 電 図 でST-Tに 有 意 な 変 化 を 認 めなかった 経 胸 壁 心 エコーでは 1cm 程 度 の 心 嚢 液 貯 留 を 認 めた 問 1. 確 定 診 断 のために 行 うべきもっとも 重 要 な 検 査 をひとつあげてください 大 動 脈 造 影 CT 問 2. 考 えられる 疾 患 名 および 本 疾 患 と 意 識 障 害 の 関 連 について 論 じてください 突 然 の 激 しい 胸 痛 や 血 圧 の 左 右 差 ( 大 動 脈 解 離 症 状 ) 心 電 図 に 有 意 な 変 化 なし( 心 筋 梗 塞 の 否 定 ) などから 大 動 脈 解 離 が 疑 われる(ついでに 心 嚢 液 も 溜 まっているので 心 タンポナーデも 起 こしている 可 能 性 あり) 意 識 障 害 の 関 連 上 行 大 動 脈 に 破 裂 があり 血 液 が 心 嚢 に 貯 留 して 心 タンポナーデを 引 き 起 こしてショック 意 識 障 害 総 頸 動 脈 への 血 流 の 障 害 による 脳 虚 血 からの 意 識 障 害 解 離 が 大 動 脈 弁 付 近 まで 進 み 大 動 脈 弁 閉 鎖 不 全 により 急 性 心 不 全 を 起 こし 意 識 障 害
急 性 心 筋 梗 塞 により 心 拍 出 量 低 下 脳 血 流 量 が 低 下 して 意 識 障 害 破 裂 による 出 血 性 ショック 意 識 障 害 問 3. 本 疾 患 の 緊 急 手 術 適 応 に 関 し 本 疾 患 の 分 類 に 準 じて 論 じてください Stanford A 型 は 原 則 緊 急 手 術 B 型 で 切 迫 破 裂 が 5cm 以 上 あるもの 分 岐 血 流 障 害 があるものは 緊 急 手 術 が 行 われる 通 常 入 口 部 を 含 む 解 離 度 大 動 脈 を 部 分 的 に 切 除 し 人 工 血 管 置 換 術 を 行 う ステントグラフトによる 治 療 もおこなわれている 緊 急 手 術 を 行 わないときは 血 圧 管 理 と 鎮 静 適 度 な 安 静 で 様 子 を 見 る 症 例 4 Bさん 65 歳 男 性 高 血 圧 症 で 内 服 加 療 中 であった 突 然 の 激 しい 胸 痛 を 訴 え すぐに 救 急 車 で 搬 送 された 心 電 図 でV1-V4にST-T 上 昇 を 認 めた 経 胸 壁 心 エコーでは 前 壁 中 隔 の 壁 運 動 低 下 を 認 めた 胸 部 単 純 X 線 検 査 では 軽 度 心 拡 大 と 軽 度 肺 うっ 血 所 見 を 認 めた 問 1.この 時 点 での 診 断 名 を 記 載 してください 高 血 圧 持 ち( 危 険 因 子 ) 突 然 の 激 しい 胸 痛 やST-T 上 昇 と 壁 運 動 低 下 ( 心 筋 の 壊 死 )から 心 筋 梗 塞 であると 考 え られる 胸 部 単 純 X 線 検 査 で 軽 度 心 拡 大 と 軽 度 肺 うっ 血 所 見 があることから 心 不 全 も 起 こしている 可 能 性 がある 問 2.すぐに 行 うべき 診 断 法 とその 予 想 される 所 見 を 記 載 してください 冠 動 脈 造 影 : 前 壁 中 隔 に 壁 運 動 低 下 があることから 左 前 下 行 枝 に 狭 窄 や 完 全 閉 塞 があると 考 えられる 参 考
問 3. 幸 い 急 性 期 加 療 で 小 康 状 態 となり 入 院 加 療 中 突 然 ショック 状 態 に 陥 りました 考 えられる 病 態 を 列 記 し てください 心 収 縮 力 低 下 による 心 不 全 の 進 行 からショック 心 破 裂 ( 左 室 自 由 壁 破 裂 )で 心 嚢 に 血 液 がたまり 心 タンポナーデとなってショック 状 態 心 室 中 隔 穿 孔 で 突 然 の 血 圧 低 下 が 起 きショック 状 態 乳 頭 筋 断 裂 による 僧 房 弁 閉 鎖 不 全 症 候 群 から 血 圧 低 下 ショック ただし 乳 頭 筋 の 断 裂 は 右 冠 動 脈 の 閉 塞 で 起 きる 今 回 の 症 例 は 前 壁 中 隔 に 壁 運 動 低 下 があることから 左 前 下 行 枝 の 閉 塞 が 最 も 疑 われる そのため 可 能 性 は 非 常 に 低 いが いきなり 右 冠 動 脈 が 詰 まることがあり 得 ないとは 言 い 切 れないし 別 にいいよね