目 次 はじめに 1 第 1 章 評 価 の 対 象 とした 政 策 等 2 第 2 章 政 策 効 果 の 把 握 5 第 1 具 体 的 な 国 際 協 力 の 推 進 5 1 知 識 技 術 の 移 転 5 2 文 民 警 察 活 動 11 3 国 際 緊 急 援 助 活 動 15 4 相 互



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2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 平 成 27 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 役 名 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 2,142 ( 地 域 手 当 ) 17,205 11,580 3,311 4 月 1

2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 役 名 法 人 の 長 理 事 理 事 ( 非 常 勤 ) 平 成 25 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 16,936 10,654 4,36

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定款  変更

2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 平 成 27 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 役 名 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 法 人 の 長 A 18,248 11,166 4, ,066 6,42

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Transcription:

総 合 評 価 書 警 察 による 国 際 協 力 の 推 進 平 成 2 0 年 1 2 月 国 家 公 安 委 員 会 警 察 庁

目 次 はじめに 1 第 1 章 評 価 の 対 象 とした 政 策 等 2 第 2 章 政 策 効 果 の 把 握 5 第 1 具 体 的 な 国 際 協 力 の 推 進 5 1 知 識 技 術 の 移 転 5 2 文 民 警 察 活 動 11 3 国 際 緊 急 援 助 活 動 15 4 相 互 理 解 と 信 頼 を 構 築 し 国 際 社 会 と 協 調 するための 国 際 協 力 18 第 2 国 際 協 力 を 推 進 するための 基 盤 づくり 21 1 派 遣 職 員 に 対 する 支 援 の 充 実 等 21 2 国 際 協 力 に 関 する 理 解 と 協 力 の 確 保 24 第 3 章 評 価 の 結 果 及 び 政 策 への 反 映 の 方 向 性 27 終 わりに 29 資 料 別 添 1 別 添 2 別 添 3 別 添 4 別 添 5 別 添 6 国 際 協 力 推 進 要 綱 インドネシアへの 協 力 フィリピンへの 協 力 タイへの 協 力 東 ティモールにおける 文 民 警 察 活 動 等 インドネシア 共 和 国 市 民 警 察 活 動 促 進 プロジェクト 終 了 時 評 価 調 査 結 果 ( 概 要 )

はじめに 国 家 公 安 委 員 会 及 び 警 察 庁 は 平 成 19 年 政 策 評 価 の 実 施 に 関 する 計 画 及 び 平 成 20 年 政 策 評 価 の 実 施 に 関 する 計 画 において 行 政 課 題 警 察 による 国 際 協 力 の 推 進 について 平 成 20 年 に 総 合 評 価 方 式 による 評 価 書 を 作 成 することとされている 本 評 価 書 は 警 察 庁 が 平 成 17 年 9 月 に 制 定 した 国 際 協 力 推 進 要 綱 ( 別 添 1)に 従 い 推 進 されてきた 国 際 協 力 関 係 施 策 の 効 果 を 明 らかにし その 問 題 点 について 分 析 すること により 我 が 国 の 警 察 による 国 際 協 力 の 今 後 の 在 り 方 の 検 討 に 資 するために 作 成 された ものである -1-

第 1 章 評 価 の 対 象 とした 政 策 等 第 1 警 察 による 国 際 協 力 近 年 警 察 による 国 際 協 力 は 支 援 対 象 国 ( 地 域 )の 効 率 的 民 主 的 な 政 治 行 政 という 良 い 統 治 (グッド ガバナンス)の 実 現 や 資 金 や 物 資 の 供 与 ではなく 人 材 の 育 成 や 制 度 構 築 を 通 じた 支 援 対 象 全 体 の 能 力 向 上 (キャパシティ ビルディン グ)の 観 点 から 社 会 の 安 定 と 発 展 のために 不 可 欠 な 基 盤 を 構 築 するものとして その 必 要 性 が 高 まっており 我 が 国 も 国 際 社 会 の 一 員 として 我 が 国 の 警 察 が 有 する 経 験 や 知 識 を 生 かし 積 極 的 に 国 際 協 力 を 行 い 関 係 国 の 国 づくりを 支 援 し 国 際 社 会 に 貢 献 することが 求 められている また 警 察 による 国 際 協 力 は 支 援 対 象 国 ( 地 域 )の 発 展 に 資 するだけではなく 一 国 では 対 処 できない 国 際 犯 罪 や 国 際 テロの 脅 威 に 関 係 国 が 協 調 して 対 処 する 基 盤 を 構 築 し ひいては 我 が 国 の 治 安 対 策 にも 効 果 を 有 するものである このような 理 解 の 下 警 察 による 国 際 協 力 を 積 極 的 に 推 進 するに 当 たっての 基 本 方 針 は 国 際 協 力 推 進 要 綱 において 次 のとおりとされ ている 1 国 際 社 会 との 協 調 グローバル 化 が 進 展 する 中 国 際 社 会 の 安 定 と 発 展 のためには 国 際 社 会 と 協 調 し 国 際 犯 罪 やテロに 対 処 する 必 要 があり 政 府 開 発 援 助 大 綱 等 の 我 が 国 の 国 際 協 力 の 基 本 方 針 の 下 外 務 省 等 と 連 携 し 国 際 連 合 他 の 援 助 国 等 と 協 調 した 対 応 を 強 化 する 2 アジア 諸 国 に 対 する 戦 略 的 な 国 際 協 力 我 が 国 が 近 年 重 点 的 に 支 援 を 行 ってきたインドネシア タイ フィリピンその 他 のアジア 諸 国 への 支 援 は 地 域 の 犯 罪 対 処 能 力 の 向 上 だけでなく 我 が 国 の 治 安 回 復 にも 大 きく 寄 与 するものであり 国 際 犯 罪 等 の 情 勢 や 地 理 的 関 係 等 を 踏 まえつつ これらの 諸 国 に 対 する 戦 略 的 な 国 際 協 力 を 強 化 する 3 我 が 国 の 警 察 の 特 質 等 を 生 かした 主 体 的 な 国 際 協 力 我 が 国 の 警 察 の 国 際 協 力 は 関 係 国 や 国 際 機 関 の 発 案 や 要 請 によって 始 まったも のが 多 かったが 警 察 による 国 際 協 力 の 意 義 を 踏 まえつつ 効 果 的 に 国 際 協 力 を 推 進 するためには 関 係 国 等 のニーズを 明 らかにし 我 が 国 の 警 察 による 国 際 協 力 の 実 績 と 経 験 を 踏 まえた 提 言 を 我 が 国 から 積 極 的 に 行 うなど 我 が 国 による 主 体 的 な 国 際 協 力 を 強 化 する 4 警 察 職 員 の 意 識 改 革 警 察 による 国 際 協 力 を 推 進 するためには 都 道 府 県 警 察 の 職 員 を 含 む 個 々の 職 員 がその 意 義 基 本 方 針 等 を 十 分 に 認 識 し 警 察 組 織 全 体 が 国 際 協 力 にできる 限 り 積 極 的 な 関 与 を 行 うという 姿 勢 を 持 つことが 必 要 であり 関 係 部 門 が 連 携 して 警 察 職 員 の 意 識 改 革 を 図 る 5 職 員 の 安 全 と 健 康 を 確 保 するための 十 分 な 検 証 と 支 援 措 置 の 実 施 警 察 による 国 際 協 力 においては 職 員 を 派 遣 し その 有 する 知 識 能 力 を 活 用 し て 支 援 を 行 うことが 効 果 的 である 派 遣 職 員 の 安 全 と 健 康 の 確 保 は 職 員 が 支 援 に 専 念 するための 前 提 条 件 であり また 支 援 対 象 国 ( 地 域 )に 対 する 継 続 的 な 支 援 -2-

と 更 なる 支 援 を 推 進 するためにも 不 可 欠 となる このため 職 員 の 安 全 と 健 康 の 確 保 について 十 分 な 検 証 と 支 援 措 置 を 講 ずる 第 2 評 価 の 目 的 及 び 観 点 本 政 策 評 価 においては 警 察 による 国 際 協 力 に 関 する 施 策 が 効 果 的 に 実 施 されて いるかという 観 点 を 中 心 に 評 価 を 行 い 問 題 等 のある 施 策 があればその 原 因 を 明 ら かにし 今 後 の 国 際 協 力 の 推 進 の 在 り 方 を 示 すことを 目 的 とした 第 3 評 価 の 対 象 とした 施 策 評 価 の 対 象 とする 施 策 は 国 際 協 力 推 進 要 綱 のうち 第 3 国 際 協 力 を 推 進 す るために 実 施 する 施 策 に 掲 げられた 施 策 とする 具 体 的 には 次 の 表 のとおりで ある 第 1 具 体 的 な 国 際 協 力 の 推 進 1 知 識 技 術 の 移 転 (1) 事 前 調 査 計 画 の 立 案 及 び 実 施 状 況 のフォローアップの 充 実 (2) 関 係 国 のニーズの 把 握 の 強 化 (3) 海 外 派 遣 候 補 者 のデータベース 化 (4) 外 国 治 安 機 関 からの 研 修 員 の 受 入 れ 拡 大 (5) 都 道 府 県 警 察 における 研 修 の 充 実 (6) 我 が 国 の 治 安 情 勢 等 に 関 する 研 修 の 充 実 2 文 民 警 察 活 動 (1) 文 民 警 察 活 動 に 関 する 調 査 研 究 (2) 警 察 庁 の 法 的 位 置 付 け 及 び 警 察 庁 における 体 制 整 備 に 関 する 検 討 (3) 文 民 警 察 活 動 実 施 前 の 十 分 な 検 証 及 び 支 援 措 置 3 国 際 緊 急 援 助 活 動 (1) 訓 練 の 充 実 及 び 装 備 資 機 材 の 整 備 の 推 進 (2) 身 元 確 認 チーム 設 置 並 びに 法 医 学 者 及 び 法 歯 学 者 との 連 携 強 化 の 検 討 4 相 互 理 解 及 び 信 頼 の 構 築 (1) 国 際 犯 罪 等 の 情 勢 に 応 じた 関 係 国 の 治 安 機 関 職 員 の 招 へい 推 進 (2) 国 際 機 関 が 行 う 活 動 への 職 員 派 遣 の 検 討 第 2 国 際 協 力 を 推 進 するための 基 盤 づくり 1 派 遣 職 員 に 対 する 支 援 の 充 実 等 (1) 派 遣 職 員 に 対 する 研 修 の 強 化 (2) 派 遣 前 の 現 地 調 査 及 び 派 遣 職 員 への 情 報 提 供 の 実 施 (3) 関 係 機 関 関 係 治 安 機 関 との 緊 密 な 連 携 等 を 通 じた 支 援 (4) 派 遣 職 員 に 対 する 適 切 な 処 遇 の 確 保 及 び 表 彰 2 国 際 協 力 に 対 する 理 解 と 協 力 の 確 保 (1) 警 察 職 員 に 対 する 研 修 の 充 実 (2) 国 際 協 力 に 関 する 執 務 資 料 の 作 成 及 び 都 道 府 県 警 察 への 配 布 (3) 国 民 に 対 する 各 種 広 報 活 動 第 4 政 策 所 管 課 及 び 政 策 を 評 価 した 時 期 -3-

1 政 策 所 管 課 長 官 官 房 国 際 課 2 評 価 を 実 施 した 時 期 平 成 17 年 から19 年 までの 間 第 5 学 識 経 験 を 有 する 者 の 知 見 の 活 用 に 関 する 事 項 この 報 告 書 の 作 成 に 当 たっては 平 成 20 年 11 月 5 日 に 開 催 した 警 察 庁 政 策 評 価 研 究 会 において 報 告 書 の 記 載 内 容 や 記 載 方 法 等 について 意 見 を 聴 取 した 上 で 作 成 した 第 6 評 価 を 行 う 過 程 において 使 用 した 資 料 その 他 の 情 報 に 関 する 事 項 警 察 庁 において 取 りまとめている 業 務 統 計 独 立 行 政 法 人 国 際 協 力 機 構 ( 以 下 JICA という ) 作 成 の インドネシア 共 和 国 市 民 警 察 活 動 促 進 プロジェク ト 終 了 時 評 価 調 査 報 告 書 ( 平 成 19 年 4 月 別 添 6) 等 を 使 用 した -4-

第 2 章 政 策 効 果 の 把 握 の 結 果 第 1 具 体 的 な 国 際 協 力 の 推 進 1 知 識 技 術 の 移 転 (1) 施 策 の 目 的 我 が 国 の 警 察 が 有 する 知 識 技 術 の 移 転 を 通 じて 支 援 対 象 国 ( 地 域 )における 制 度 の 構 築 及 び 諸 対 策 の 推 進 を 支 援 し もって 当 該 対 象 国 ( 地 域 )の 犯 罪 対 処 能 力 の 向 上 を 図 ること (2) 取 組 みの 内 容 ア 知 識 技 術 の 移 転 に 関 する 全 般 的 実 施 事 項 インドネシア フィリピン タイその 他 のアジア 諸 国 を 中 心 に 交 番 制 度 犯 罪 鑑 識 通 信 指 令 システム 等 に 関 する 専 門 的 知 識 を 有 する 警 察 職 員 ( 以 下 専 門 家 という )を 派 遣 し 支 援 対 象 国 ( 地 域 )の 治 安 機 関 職 員 の 指 導 に 当 たらせた また JICAと 協 力 し て 外 国 治 安 機 関 から 警 察 大 学 校 国 際 警 察 センター( 以 下 国 際 警 察 センター という ) 等 に 研 修 員 を 招 へいして 交 番 制 度 薬 物 対 策 情 報 通 信 等 多 岐 にわたるセミナーや 会 議 を 行 った なお これらの 取 組 みを 支 援 対 象 国 ( 地 域 ) 別 に 見 た 場 合 実 施 された 主 な 支 援 は 次 のとおりである インドネシアにおける 国 家 警 察 改 革 の 支 援 ( 別 添 2) フィリピンにおける 犯 罪 捜 査 鑑 識 技 術 等 に 関 する 支 援 ( 別 添 3) タイ 及 び 周 辺 国 における 薬 物 対 策 に 関 する 支 援 ( 別 添 4) イ 事 前 調 査 計 画 の 立 案 及 び 実 施 状 況 のフォローアップの 充 実 平 成 18 年 4 月 国 際 協 力 推 進 体 制 を 強 化 するため 警 察 庁 国 際 課 ( 以 下 国 際 課 という )に 国 際 支 援 官 及 び 国 際 支 援 係 を 新 設 し 警 察 庁 の 体 制 を 整 備 し それにより 職 員 の 派 遣 に 当 たっての 事 前 調 査 計 画 の 立 案 及 び 実 施 状 況 のフォローアップの 充 実 が 図 られた これらの 活 動 状 況 については 16 年 9 月 に 設 置 した 国 際 協 力 等 分 科 会 及 び 同 分 科 会 の 下 に 設 置 したワーキンググループにおいて 適 宜 報 告 を 行 った なお 20 年 4 月 国 際 支 援 官 は 国 際 協 力 室 長 に 組 織 改 編 された ウ 関 係 国 のニーズの 把 握 の 強 化 外 務 省 JICA 又 は 在 日 外 国 大 使 館 等 を 通 じて また 便 宜 供 与 ( 外 国 治 安 機 関 職 員 が 訪 日 した 際 に 警 察 実 務 の 運 用 状 況 に 関 す る 視 察 の 受 入 れや 治 安 情 勢 に 関 する 講 義 を 行 うなど 所 要 の 便 宜 を -5-

図 ること 以 下 同 じ )を 実 施 する 機 会 や 国 際 会 議 等 を 利 用 して イ ンドネシア フィリピン 等 の 関 係 国 の 知 識 技 術 の 移 転 に 関 するニ ーズを 把 握 した エ 海 外 派 遣 候 補 者 のデータベース 化 将 来 の 派 遣 の 参 考 とするため 海 外 派 遣 候 補 者 である 国 際 協 力 に 関 する 専 門 的 研 修 の 修 了 者 や 国 際 関 係 業 務 経 験 者 等 の 記 録 をデータ ベース 化 した また 国 際 警 察 センターの 語 学 課 程 修 了 者 の 都 道 府 県 警 察 における 配 置 状 況 等 を 把 握 した オ 外 国 研 修 員 の 受 入 れ 拡 大 平 成 18 年 4 月 国 際 警 察 センターに 国 際 協 力 に 関 する 学 術 の 研 修 等 を 担 当 する 国 際 協 力 研 修 室 を 新 設 するなどして 研 修 体 制 の 充 実 を 図 り 外 国 治 安 機 関 からの 研 修 員 ( 以 下 外 国 研 修 員 という )に 対 し テーマ 別 研 修 国 別 研 修 等 を 実 施 した カ 都 道 府 県 警 察 における 研 修 の 充 実 化 都 道 府 県 警 察 における 外 国 研 修 員 に 対 する 研 修 においては 設 備 装 備 品 等 のハード 面 に 留 まらず これらを 活 用 する 職 員 の 地 道 な 努 力 地 域 住 民 とのコミュニケーション 等 のソフト 面 を 正 しく 理 解 し てもらうため 警 察 と 地 域 住 民 が 協 力 して 行 う 防 犯 パトロール 活 動 に 参 加 するなどの 実 践 的 な 研 修 を 実 施 した キ 我 が 国 の 治 安 情 勢 等 に 関 する 研 修 の 充 実 化 我 が 国 と 関 係 国 の 国 際 的 な 協 力 関 係 を 強 化 するため 警 察 庁 が 実 施 する 研 修 において 外 国 研 修 員 に 対 し 日 本 警 察 の 制 度 組 織 等 及 び 我 が 国 の 治 安 情 勢 に 関 する 講 義 や 少 年 非 行 の 現 状 と 対 策 に 関 する 講 義 等 を 実 施 した (3) 取 組 みの 効 果 を 把 握 する 手 法 長 期 派 遣 者 ( 派 遣 期 間 が1 年 以 上 の 者 をいう 以 下 同 じ ) 及 び 短 期 派 遣 者 ( 派 遣 期 間 が1 年 未 満 の 者 をいう 以 下 同 じ )である 専 門 家 の 派 遣 人 数 便 宜 供 与 の 件 数 人 数 及 び 国 ( 地 域 ) 数 専 門 的 研 修 の 修 了 者 のデータベースへの 登 録 人 数 国 際 警 察 センターの 語 学 課 程 修 了 者 数 外 国 治 安 機 関 からの 研 修 受 入 れ 件 数 外 国 研 修 員 数 及 び 研 修 受 入 れ 国 ( 地 域 ) 数 並 びに 研 修 の 受 入 れを 行 った 都 道 府 県 警 察 数 を 指 標 とし その 推 移 を 分 析 することとした また 把 握 した 事 例 を 参 考 とした (4) 取 組 みの 効 果 を 把 握 した 結 果 ア 専 門 家 の 派 遣 人 数 専 門 家 の 派 遣 人 数 ( 継 続 派 遣 中 の 者 を 含 む )は 平 成 19 年 は47 人 -6-

であり 17 年 から19 年 にかけて9 人 増 加 した このうち 長 期 派 遣 者 の 人 数 は 19 年 は20 人 であり 17 年 から19 年 にかけて2 人 増 加 し た 専 門 家 の 派 遣 人 数 長 期 派 遣 者 数 短 期 派 遣 者 数 計 17 年 18 人 20 人 38 人 18 年 17 人 24 人 41 人 19 年 20 人 27 人 47 人 イ 便 宜 供 与 件 数 人 数 及 び 国 ( 地 域 ) 数 便 宜 供 与 件 数 は 平 成 17 年 から19 年 にかけて3 件 増 加 し 便 宜 供 与 人 数 は 同 期 間 に160 人 増 加 した 一 方 便 宜 供 与 国 ( 地 域 ) 数 に ついては 17 年 から19 年 にかけて19か 国 減 少 した 便 宜 供 与 件 数 人 数 及 び 国 数 便 宜 供 与 件 数 便 宜 供 与 人 数 便 宜 供 与 国 ( 地 域 ) 数 17 年 124 件 861 人 102か 国 等 18 年 118 件 775 人 95か 国 等 19 年 127 件 1,021 人 83か 国 等 ウ 専 門 的 研 修 の 修 了 者 のデータベースへの 登 録 人 数 平 成 18 年 5 月 国 際 警 察 センターに 警 察 分 野 における 国 際 協 力 に 資 する 人 材 を 養 成 するための 専 門 的 な 研 修 として 国 際 協 力 課 程 が 新 たに 設 けられ 同 年 及 び19 年 にその 課 程 を 修 了 した30 人 を 海 外 派 遣 候 補 者 としてデータベースに 新 規 登 録 した データベースへの 新 規 登 録 人 数 新 規 登 録 人 数 17 年 0 人 18 年 15 人 19 年 15 人 エ 国 際 警 察 センターの 語 学 課 程 修 了 者 数 専 門 家 等 の 候 補 となり 得 る 国 際 警 察 センターの 語 学 課 程 修 了 者 数 は 平 成 17 年 から19 年 にかけて259 人 増 加 した 国 際 警 察 センターの 語 学 課 程 修 了 者 数 語 学 課 程 修 了 者 数 17 年 3,375 人 18 年 3,536 人 19 年 3,634 人 オ 外 国 治 安 機 関 からの 研 修 受 入 れ 件 数 外 国 研 修 員 数 及 び 研 修 受 入 -7-

れ 国 ( 地 域 ) 数 外 国 治 安 機 関 からの 研 修 受 入 れ 件 数 は 平 成 17 年 から19 年 にかけ て4 件 増 加 し 外 国 研 修 員 数 は 同 期 間 に25 人 増 加 した 一 方 研 修 受 入 れ 国 ( 地 域 ) 数 は17 年 から19 年 にかけて3か 国 減 少 した 研 修 受 入 れ 件 数 外 国 研 修 員 数 研 修 受 入 れ 国 ( 地 域 ) 数 研 修 受 入 れ 件 数 外 国 研 修 員 数 研 修 受 入 れ 国 ( 地 域 ) 数 17 年 23 件 21 人 57か 国 等 18 年 27 件 178 人 47か 国 等 19 年 27 件 236 人 54か 国 等 カ 研 修 の 受 入 れを 行 った 都 道 府 県 警 察 数 研 修 の 受 入 れを 行 った 都 道 府 県 警 察 数 は 平 成 17 年 から19 年 にか けて9 都 道 府 県 増 加 した 研 修 の 受 入 れを 行 った 都 道 府 県 警 察 数 受 入 れ 都 道 府 県 警 察 数 17 年 16 府 県 18 年 17 都 道 府 県 19 年 25 都 道 府 県 キ 事 例 平 成 14 年 8 月 から5 年 間 の 計 画 で インドネシア 国 家 警 察 改 革 支 援 プログラム 市 民 警 察 活 動 促 進 プロジェクト 第 1フェーズを 実 施 し ていたところ 19 年 1 月 同 国 における より 有 意 義 な 協 力 及 び 支 援 に 資 するため JICA 現 地 調 査 団 に 警 察 庁 職 員 を 派 遣 し プロ グラムの 進 ちょく 状 況 インドネシア 国 家 警 察 側 のニーズ 日 本 と して 支 援 可 能 な 内 容 等 を 調 査 し 支 援 分 野 派 遣 専 門 家 の 増 減 等 に つき 総 合 的 な 判 断 を 行 った 結 果 を 踏 まえ 同 プロジェクトは19 年 8 月 から 第 2フェーズに 移 行 し 市 民 警 察 活 動 に 関 する 研 修 を 強 化 す るなどの 施 策 を 実 施 している 平 成 14 年 6 月 から17 年 6 月 まで タイを 拠 点 として 薬 物 対 策 周 辺 地 域 協 力 プロジェクトを 実 施 し 薬 物 分 析 技 術 等 の 継 続 的 な 移 転 等 を 行 っていたところ 国 際 会 議 等 の 各 種 機 会 において 表 明 された 同 プロジェクト 継 続 の 要 望 を 踏 まえ 18 年 9 月 から 同 プロジェクトは 第 2フェーズに 移 行 し 薬 物 の 成 分 分 析 に 関 する 指 導 を 強 化 するな どの 施 策 を 実 施 している 外 務 省 及 びJICAからの 依 頼 を 受 け 平 成 17 年 5 月 及 び18 年 3 月 にイラク 警 察 鑑 識 研 修 を 実 施 し イラク 警 察 の 職 員 に 対 し 日 本 の 警 察 組 織 制 度 全 般 及 び 現 場 鑑 識 技 術 に 関 する 講 義 等 を 行 った ま -8-

た 18 年 12 月 及 び19 年 12 月 には 中 南 米 地 域 治 安 対 策 強 化 セミナーを 実 施 し 中 南 米 地 域 の 治 安 機 関 職 員 に 対 し 地 域 警 察 活 動 等 に 関 す る 研 修 を 行 った 平 成 18 年 4 月 から19 年 2 月 にかけて 国 際 支 援 官 がフィリピンを 3 回 訪 問 するなどしてフィリピン 国 家 警 察 との 間 でワーキンググル ープを4 回 開 催 し 今 後 の 同 国 に 対 する 支 援 の 在 り 方 についての 検 討 を 行 った 平 成 18 年 6 月 及 び19 年 6 月 に 開 催 されたインドネシア 警 察 行 政 セ ミナーにおいては インドネシア 国 家 警 察 の 職 員 を 少 人 数 のグルー プに 分 けて5つの 道 府 県 警 察 で 受 け 入 れ 日 本 の 警 察 制 度 に 関 する 講 義 及 び 地 域 警 察 活 動 等 に 関 する 実 施 研 修 を 実 施 した 平 成 19 年 1 月 東 ティモール 国 際 平 和 協 力 隊 へ 派 遣 された 文 民 警 察 官 は 現 地 警 察 に 対 する 助 言 指 導 業 務 を 通 じて 東 ティモール 国 家 警 察 のニーズの 把 握 に 努 めた その 結 果 日 本 の 警 察 活 動 を 実 査 することにより 東 ティモール 国 家 警 察 の 制 度 改 革 の 参 考 とした いという 要 望 を 踏 まえ 同 年 9 月 に 開 催 した 上 級 警 察 幹 部 セミナー に 東 ティモール 国 家 警 察 幹 部 を 招 へいし 日 本 の 警 察 活 動 の 実 状 に 関 する 研 修 を 実 施 した 平 成 19 年 1 月 アメリカ オーストラリア フランス 中 国 及 び 韓 国 の 在 京 大 使 館 の 警 察 アタッシェとの 合 同 会 議 を 開 催 し これら 職 員 との 意 見 交 換 を 通 じて 日 本 警 察 への 関 係 国 のニーズを 把 握 し た 平 成 19 年 1 月 に 東 部 アフリカ 警 察 行 政 セミナーをJICAと 共 催 し ケニア タンザニア 等 6か 国 の 警 察 幹 部 を 受 け 入 れて 警 視 庁 での 警 察 施 設 視 察 香 川 県 警 察 での 地 域 警 察 活 動 等 の 研 修 を 実 施 し た 平 成 19 年 4 月 ベトナム 公 安 大 臣 が 国 家 公 安 委 員 会 委 員 長 及 び 警 察 庁 長 官 を 表 敬 訪 問 した 際 に 表 明 したベトナムの 警 察 官 に 対 する 研 修 の 実 施 等 の 要 望 を 踏 まえ 同 年 にベトナム 交 通 安 全 人 材 育 成 研 修 を 開 催 し ベトナムから 計 15 人 の 警 察 官 を 受 け 入 れた (5) 施 策 に 関 し 改 善 等 を 要 する 事 項 ア インドネシア 国 家 警 察 改 革 支 援 プログラムを 始 め アジア 各 国 に 対 する 国 際 協 力 が 継 続 してなされているとともに 専 門 家 の 派 遣 人 数 が 増 加 するなど 我 が 国 の 治 安 に 影 響 を 及 ぼす 可 能 性 の 高 いアジ ア 諸 国 を 中 心 に 我 が 国 の 警 察 の 特 質 を 生 かした 知 識 技 術 の 移 転 が 図 られていると 認 められる 他 方 で 警 察 庁 と 関 係 機 関 が 関 係 国 -9-

から 把 握 したニーズの 内 容 が 一 致 せず ニーズを 正 確 に 把 握 できな かった 例 も 見 られることから 今 後 警 察 庁 と 関 係 機 関 の 連 携 をよ り 緊 密 にし 関 係 国 のニーズを 十 分 に 把 握 する 必 要 がある イ 警 察 改 革 支 援 を 始 めとする 広 範 な 分 野 にわたる 知 識 技 術 の 移 転 ( 以 下 包 括 的 な 支 援 という )が インドネシア 国 家 警 察 に 対 し て 実 施 された 一 方 で 評 価 期 間 中 は 他 の 国 に 対 する 包 括 的 支 援 が 実 施 されなかったことから 今 後 包 括 的 支 援 の 対 象 国 を 拡 大 する 必 要 がある 特 に 平 成 20 年 10 月 に 開 始 した フィリピン 国 家 警 察 に 対 する 包 括 的 な 支 援 としてフィリピン 国 家 警 察 犯 罪 対 処 能 力 向 上 プ ログラムについて 効 果 的 な 知 識 技 術 の 移 転 を 図 るために 各 種 取 組 みを 強 化 する 必 要 がある ウ 警 察 による 国 際 協 力 の 効 果 を 評 価 するためには 支 援 対 象 国 ( 地 域 ) 別 に 評 価 することが 有 益 であると 考 えられる しかしながら 支 援 対 象 国 ( 地 域 )に 対 する 国 際 協 力 は 内 外 の 関 係 機 関 が 連 携 し て 実 施 しているものであり 個 々の 機 関 による 取 組 みの 効 果 を 把 握 することが 困 難 であることなどから 警 察 による 知 識 技 術 の 移 転 が 支 援 対 象 全 体 の 能 力 向 上 に どの 程 度 寄 与 したかを 客 観 的 に 把 握 する 方 法 が 確 立 されていない 今 後 支 援 対 象 国 ( 地 域 )のニーズ 評 価 に 要 するコスト 等 を 踏 まえつつ 支 援 対 象 国 ( 地 域 ) 別 の 評 価 方 法 の 開 発 に 努 める 必 要 がある エ 知 識 技 術 の 移 転 に 関 する 事 前 調 査 計 画 の 立 案 及 び 実 施 状 況 の フォローアップについては 警 察 庁 の 体 制 を 整 備 し その 充 実 が 図 られたところであるが 必 ずしも 各 案 件 について 十 分 に 行 われてい るとは 言 えない 面 もあることから 今 後 一 層 の 充 実 を 図 る 必 要 が ある オ 海 外 派 遣 候 補 者 のデータベースについては 未 だ 登 録 人 数 が 十 分 ではなく 登 録 された 者 の 専 門 分 野 も 限 られていることから 候 補 者 の 養 成 の 充 実 を 図 るなどして 登 録 人 数 登 録 された 者 の 専 門 分 野 等 を 充 実 させる 必 要 がある カ 外 国 治 安 機 関 からの 研 修 員 の 受 入 れについては 研 修 受 入 れ 国 数 が 減 少 していることから 今 後 外 務 省 及 びJICAと 協 力 して 受 入 れ 研 修 の 対 象 とならなかった 国 ( 地 域 )において 日 本 警 察 に 対 する 研 修 実 施 の 要 望 がないのかを 把 握 する 必 要 がある -10-

2 文 民 警 察 活 動 (1) 施 策 の 目 的 武 力 紛 争 終 了 後 間 もない 国 ( 地 域 )に 文 民 警 察 要 員 を 派 遣 し 警 察 行 政 事 務 に 関 する 助 言 及 び 指 導 並 びに 警 察 行 政 事 務 の 監 視 に 当 たらせる ことを 通 じて 派 遣 先 国 ( 地 域 )の 復 興 に 不 可 欠 な 警 察 機 能 の 再 建 支 援 に 資 すること (2) 取 組 みの 内 容 ア 文 民 警 察 活 動 に 関 する 全 般 的 実 施 事 項 平 成 18 年 4 月 から5 月 にかけて 発 生 した 騒 乱 で 崩 壊 した 東 ティモ ール 国 家 警 察 の 再 建 支 援 等 のため 19 年 1 月 から20 年 2 月 までの 間 国 連 東 ティモール 統 合 ミッション( 以 下 UNMIT という ) 警 察 部 門 の 長 官 特 別 顧 問 等 として 警 察 庁 幹 部 職 員 延 べ4 名 を 派 遣 し 東 ティモール 国 家 警 察 の 警 察 官 が 使 用 する 教 科 書 を 編 さんするなど の 活 動 を 行 った( 別 添 5) なお 国 際 連 合 平 和 維 持 活 動 等 に 対 する 協 力 に 関 する 法 律 ( 平 成 4 年 法 律 第 79 号 以 下 PKO 法 という )に 基 づき 警 察 職 員 を 国 際 平 和 協 力 隊 に 派 遣 し 実 施 された 文 民 警 察 活 動 のこれまでの 状 況 については 次 の 表 のとおりである PKO 法 に 基 づく 文 民 警 察 活 動 の 実 施 状 況 国 ( 地 域 ) 期 間 人 数 カンボジア 4 年 10 月 13 日 ~5 年 7 月 8 日 75 人 インドネシア 11 年 7 月 4 日 ~ 同 年 9 月 9 日 3 人 ( 東 ティモール) 東 ティモール 第 1 次 隊 :19 年 1 月 31 日 ~ 同 年 8 月 3 日 2 人 第 2 次 隊 :19 年 8 月 3 日 ~20 年 2 月 5 日 2 人 イ 文 民 警 察 活 動 に 関 する 調 査 研 究 国 内 で 開 催 された 文 民 警 察 関 連 のセミナーに 警 察 庁 幹 部 職 員 が 出 席 するとともに 文 民 警 察 活 動 に 関 する 専 門 的 な 教 育 訓 練 を 行 う 諸 外 国 の 施 設 へ 職 員 を 派 遣 するなど 文 民 警 察 活 動 を 適 切 かつ 効 果 的 に 実 施 するための 調 査 研 究 を 実 施 した ウ 警 察 庁 の 法 的 位 置 付 け 及 び 警 察 庁 における 体 制 整 備 に 関 する 検 討 内 閣 官 房 において 国 際 平 和 協 力 に 関 する 一 般 法 の 検 討 がなされて いることから その 動 向 に 併 せて 警 察 庁 を 国 際 平 和 協 力 業 務 の 実 施 主 体 として 位 置 付 けること 警 察 庁 の 恒 常 的 な 体 制 を 整 備 するこ と 等 について 検 討 した エ 文 民 警 察 活 動 実 施 前 の 十 分 な 検 証 及 び 支 援 措 置 -11-

平 成 19 年 1 月 警 察 庁 に 東 ティモール 国 際 平 和 協 力 対 策 室 事 務 局 を 設 置 し 文 民 警 察 活 動 に 対 する 全 庁 的 な 支 援 体 制 を 整 備 した また 文 民 警 察 活 動 実 施 前 に 警 察 庁 職 員 を 東 ティモールに 派 遣 し 現 地 の 治 安 情 勢 生 活 環 境 等 を 事 前 に 検 証 するとともに 文 民 警 察 活 動 開 始 後 は 文 民 警 察 要 員 の 勤 務 状 況 を 把 握 し 必 要 な 資 料 等 を 提 供 するなどの 支 援 を 行 った 加 えて 文 民 警 察 要 員 を 常 時 支 援 す るため 東 ティモール 国 際 平 和 協 力 隊 連 絡 調 整 要 員 として 文 民 警 察 活 動 期 間 中 に 延 べ2 名 の 警 察 庁 職 員 を 現 地 に 派 遣 した (3) 取 組 みの 効 果 を 把 握 する 手 法 文 民 警 察 活 動 に 関 する 調 査 研 究 に 従 事 した 海 外 派 遣 人 数 及 び 派 遣 期 間 東 ティモール 国 際 平 和 協 力 隊 への 派 遣 に 向 けた 事 前 調 査 回 数 並 び に 東 ティモール 国 際 平 和 協 力 隊 支 援 のための 警 察 庁 職 員 派 遣 回 数 及 び 人 数 を 指 標 とし その 推 移 を 分 析 することとした また 把 握 した 事 例 を 参 考 とした (4) 取 組 みの 効 果 を 把 握 した 結 果 ア 期 間 文 民 警 察 活 動 に 関 する 調 査 研 究 に 従 事 した 海 外 派 遣 人 数 及 び 派 遣 平 成 17 年 には 文 民 警 察 活 動 に 関 する 調 査 研 究 を 行 うための 職 員 をスウェーデン 並 びにドイツ 及 びスイスにそれぞれ1 人 派 遣 し 18 年 には カナダ 及 びスウェーデンにそれぞれ1 人 派 遣 した 1 回 当 たりの 派 遣 期 間 は 5 日 から19 日 であった 調 査 研 究 目 的 の 海 外 派 遣 人 数 及 び 派 遣 期 間 派 遣 期 間 派 遣 先 派 遣 人 数 17 年 5 月 23 日 ~6 月 10 日 SWE DINT 国 連 警 察 指 揮 官 コース(スウェーデン) 1 人 17 年 9 月 5 日 ~9 月 23 日 国 連 文 民 警 察 研 修 (ドイツ スイス) 1 人 18 年 1 月 9 日 ~1 月 13 日 カナダ 連 邦 警 察 研 修 (カナダ) 1 人 18 年 8 月 20 日 ~9 月 2 日 SWEDI NT 国 連 警 察 官 養 成 コース(スウェーデン) イ 人 数 1 人 東 ティモール 国 際 平 和 協 力 隊 への 派 遣 に 向 けた 事 前 調 査 回 数 及 び 平 成 18 年 12 月 に 東 ティモール 国 際 平 和 協 力 隊 への 警 察 職 員 の 派 遣 に 係 る 事 前 調 査 を 実 施 するため 警 察 庁 から4 人 の 職 員 を 現 地 に 派 遣 した また 19 年 1 月 には 東 ティモール 国 際 平 和 協 力 隊 への 派 遣 候 補 者 3 人 をオーストラリアに 派 遣 し オーストラリア 連 邦 警 察 において 研 修 を 実 施 した また 第 2 次 派 遣 要 員 への 交 代 を 前 に 同 隊 への 派 遣 候 補 者 3 人 を 19 年 6 月 には 東 ティモールに 同 年 7 月 にはオーストラリアに 派 遣 し それぞれ 事 前 調 査 及 び 研 修 を 実 施 -12-

した 事 前 調 査 回 数 及 び 派 遣 人 数 派 遣 期 間 派 遣 先 派 遣 人 数 18 年 12 月 10 日 ~12 月 15 日 政 府 調 査 団 4 人 19 年 1 月 16 日 ~1 月 19 日 豪 州 連 邦 警 察 研 修 3 人 19 年 6 月 26 日 ~6 月 30 日 東 ティモール 派 遣 前 調 査 3 人 19 年 7 月 15 日 ~7 月 19 日 豪 州 連 邦 警 察 研 修 3 人 ウ 東 ティモール 国 際 平 和 協 力 隊 支 援 のための 警 察 庁 職 員 派 遣 回 数 及 び 人 数 平 成 19 年 1 月 から20 年 2 月 までの 東 ティモールでの 文 民 警 察 活 動 期 間 中 に 派 遣 中 の 文 民 警 察 要 員 に 対 する 支 援 のため 延 べ25 人 の 警 察 庁 職 員 を15 回 にわたり 現 地 に 派 遣 した エ 事 例 東 ティモール 派 遣 要 員 に 対 して 国 内 においては けん 銃 射 撃 保 健 衛 生 対 策 車 両 運 転 等 の 研 修 訓 練 を 実 施 し 国 外 においては オーストラリアで 同 国 連 邦 警 察 による 事 前 研 修 を 実 施 した 平 成 18 年 12 月 警 察 庁 内 閣 府 及 び 外 務 省 の 職 員 からなる 政 府 調 査 団 を 東 ティモールへ 派 遣 し UNMIT 及 び 東 ティモール 政 府 関 係 者 と 意 見 交 換 を 行 い 我 が 国 が 東 ティモールにおいて 果 たす 役 割 を 確 認 するとともに 治 安 状 況 等 の 現 地 環 境 について 事 前 調 査 を 行 った 平 成 19 年 1 月 東 ティモール 現 地 連 絡 調 整 事 務 所 の 立 上 げ 等 の ため 文 民 警 察 要 員 の 現 地 入 り 前 に 警 察 庁 職 員 を 派 遣 し 文 民 警 察 要 員 として 派 遣 される 者 の 受 入 れ 体 制 を 整 備 した また 同 年 8 月 の 要 員 交 代 に 際 しても 警 察 庁 職 員 を 現 地 に 派 遣 し 業 務 引 継 の 支 援 措 置 を 講 じた 平 成 19 年 5 月 文 民 警 察 要 員 の 第 2 次 隊 の 派 遣 に 先 立 って 警 察 庁 幹 部 を 東 ティモールに 派 遣 し UNMIT 本 部 連 絡 調 整 員 事 務 所 空 港 周 辺 市 街 地 等 の 治 安 情 勢 けん 銃 車 両 等 装 備 品 の 保 管 状 況 等 を 視 察 するとともに 在 東 ティモール 日 本 国 大 使 館 において 大 使 等 と 現 地 生 活 上 の 留 意 点 大 使 館 と 派 遣 要 員 との 連 携 将 来 的 な 技 術 移 転 協 力 等 に 関 する 情 報 交 換 を 実 施 した また 東 ティモー ルへの 出 入 国 拠 点 となるインドネシアの 在 デンパサール 日 本 国 総 領 事 館 とも 情 報 交 換 を 実 施 し 緊 急 事 態 発 生 時 の 支 援 体 制 について 確 認 を 行 った 平 成 19 年 8 月 緊 急 時 の 東 ティモールにおける 国 際 平 和 協 力 隊 -13-

員 の 退 避 要 領 について 内 閣 府 及 び 外 務 省 との 間 で 確 認 した 平 成 19 年 8 月 に 東 ティモール 連 絡 会 議 を 内 閣 府 に 設 置 し 文 民 警 察 活 動 期 間 中 に 毎 週 開 催 し 警 察 庁 内 閣 府 及 び 外 務 省 の 連 絡 担 当 者 が 合 計 26 回 の 現 地 情 勢 の 把 握 意 見 交 換 等 を 行 い 現 地 支 援 の 対 策 強 化 を 図 った (5) 施 策 に 関 し 改 善 等 を 要 する 事 項 ア 平 成 11 年 以 来 約 7 年 振 りに 文 民 警 察 活 動 を 実 施 したことにより 東 ティモール 国 家 警 察 の 警 察 官 教 育 の 基 本 となる 教 科 書 の 編 さんが 進 められるなど 東 ティモール 国 家 警 察 の 再 建 に 不 可 欠 な 支 援 が 進 められたことが 認 められる 他 方 で 文 民 警 察 要 員 の 決 定 から 実 際 の 派 遣 に 至 るまでの 期 間 が 約 1か 月 と 短 かかったため 派 遣 される 文 民 警 察 要 員 に 対 して 事 前 に 十 分 な 教 育 訓 練 を 行 うことができなか ったことから 文 民 警 察 要 員 の 決 定 の 在 り 方 を 含 め 検 討 を 加 え 日 頃 からの 教 育 訓 練 を 充 実 させる 必 要 がある イ 警 察 庁 の 法 的 位 置 付 け 及 び 恒 常 的 な 体 制 整 備 については 内 閣 官 房 における 国 際 平 和 協 力 に 関 する 一 般 法 の 検 討 に 併 せて 引 き 続 き 検 討 を 進 める 必 要 がある ウ 派 遣 される 文 民 警 察 要 員 だけでなく その 家 族 に 対 する 情 報 提 供 等 も 重 要 であるという 東 ティモールでの 文 民 警 察 要 員 に 対 する 支 援 における 経 験 を 踏 まえ 文 民 警 察 要 員 及 びその 家 族 との 連 絡 体 制 を 強 化 するなど 文 民 警 察 要 員 の 家 族 に 対 する 支 援 を 充 実 させる 必 要 がある -14-

3 国 際 緊 急 援 助 活 動 (1) 施 策 の 目 的 国 際 緊 急 援 助 隊 の 派 遣 に 関 する 法 律 ( 昭 和 62 年 法 律 第 93 号 )に 基 づ き 大 規 模 災 害 が 発 生 した 国 の 政 府 又 は 国 際 機 関 の 要 請 に 応 じ 警 察 職 員 を 派 遣 し 被 災 者 の 捜 索 救 助 等 を 実 施 することを 通 じて 被 災 国 ( 地 域 )の 支 援 を 行 うこと (2) 取 組 みの 内 容 ア 国 際 緊 急 援 助 活 動 に 関 する 全 般 的 実 施 事 項 平 成 17 年 10 月 にパキスタンで 発 生 した 大 地 震 に 際 して 発 生 の 翌 日 には 国 際 緊 急 援 助 隊 員 の 救 助 チーム 要 員 として 警 察 職 員 15 人 を 現 地 に 派 遣 し 捜 索 救 助 活 動 等 を 実 施 した なお 警 察 がこれまで 実 施 した 国 際 緊 急 援 助 活 動 は 次 の 表 のと おりである 警 察 がこれまで 実 施 した 国 際 緊 急 援 助 活 動 国 ( 地 域 ) 災 害 の 種 類 期 間 派 遣 人 数 イラン 地 震 2 年 6 月 22 日 ~ 同 年 7 月 2 日 6 人 フィリピン 地 震 2 年 7 月 18 日 ~ 同 年 7 月 26 日 11 人 マレーシア ビル 倒 壊 5 年 12 月 13 日 ~ 同 年 12 月 20 日 11 人 エジプト ビル 倒 壊 8 年 10 月 30 日 ~ 同 年 11 月 6 日 9 人 コロンビア 地 震 11 年 1 月 26 日 ~ 同 年 2 月 4 日 15 人 台 湾 地 震 11 年 9 月 21 日 ~ 同 年 9 月 28 日 45 人 アルジェリア 地 震 15 年 5 月 22 日 ~ 同 年 5 月 29 日 19 人 モロッコ 地 震 16 年 2 月 25 日 ~ 同 年 3 月 1 日 7 人 タイ 津 波 16 年 12 月 29 日 ~17 年 1 月 8 日 15 人 パキスタン 地 震 17 年 10 月 9 日 ~ 同 年 10 月 18 日 15 人 中 国 地 震 20 年 5 月 15 日 ~ 同 年 5 月 21 日 20 人 イ 訓 練 の 充 実 及 び 装 備 資 機 材 の 整 備 の 推 進 定 期 的 に 関 係 機 関 と 合 同 で 実 施 する 国 際 緊 急 援 助 隊 総 合 訓 練 や 技 術 検 討 会 等 に 国 際 緊 急 援 助 活 動 を 行 うものとして 警 視 総 監 及 び 道 府 県 本 部 長 があらかじめ 指 名 した 要 員 ( 以 下 指 名 要 員 とい う )が 参 加 することにより 国 際 緊 急 援 助 隊 員 に 求 められる 能 力 の 向 上 を 図 るとともに 新 たに 導 入 された 資 機 材 を 用 いた 訓 練 を 随 時 実 施 するなどにより その 使 用 の 習 熟 に 努 めた ウ 身 元 確 認 チームの 設 置 並 びに 法 医 学 者 及 び 法 歯 学 者 との 連 携 強 化 の 検 討 平 成 17 年 1 月 に 鑑 識 担 当 職 員 等 からなる 身 元 確 認 チームを 設 置 す -15-

るとともに 身 元 確 認 に 係 る 体 制 の 整 備 並 びに 法 医 学 者 及 び 法 歯 学 者 との 連 携 強 化 方 策 について 検 討 した (3) 取 組 みの 効 果 を 把 握 する 手 法 国 際 緊 急 援 助 隊 総 合 訓 練 に 参 加 した 指 名 要 員 数 及 び 身 元 確 認 チーム による 身 元 確 認 数 を 指 標 とし その 推 移 を 分 析 することとした また 把 握 した 事 例 を 参 考 とした (4) 取 組 みの 効 果 を 把 握 した 結 果 ア 国 際 緊 急 援 助 隊 総 合 訓 練 に 参 加 した 指 名 要 員 数 平 成 17 年 に 国 際 緊 急 援 助 隊 総 合 訓 練 に 参 加 した 指 名 要 員 数 は55 人 であったが 18 年 は44 人 19 年 は31 人 とそれぞれ 減 少 した なお 指 名 要 員 については 大 規 模 災 害 が 発 生 した 被 災 国 の 政 府 からの 切 実 な 要 請 にこたえて 実 施 されるという 国 際 緊 急 援 助 活 動 の 特 性 を 踏 まえ 迅 速 かつ 適 切 な 派 遣 が 実 施 できるよう 昭 和 62 年 の 制 度 開 始 以 来 常 時 約 440 人 の 適 任 者 を 指 名 し 出 動 に 備 えている 参 加 した 指 名 要 員 数 参 加 指 名 要 員 数 17 年 55 人 18 年 44 人 19 年 31 人 イ 身 元 確 認 チームによる 身 元 確 認 数 平 成 16 年 12 月 に 発 生 したスマトラ 沖 大 地 震 及 びインド 洋 津 波 被 害 に 際 して タイの 要 請 に 応 じ 平 成 17 年 1 月 外 務 省 を 始 めとする 関 係 機 関 と 連 携 し 鑑 識 担 当 職 員 等 により 構 成 されている 身 元 確 認 チーム 設 置 派 遣 を 行 い 身 元 不 明 遺 体 のうち34 人 の 身 元 を 確 認 し た 18 年 及 び19 年 には 身 元 確 認 チームの 派 遣 要 請 はなかった 身 元 確 認 チームによる 身 元 確 認 数 身 元 確 認 数 17 年 34 人 18 年 派 遣 なし 19 年 派 遣 なし ウ 事 例 指 名 要 員 である 警 察 庁 職 員 は 平 成 18 年 8 月 に 中 国 19 年 7 月 にモンゴルにおいて 開 催 されたアジア 太 平 洋 地 域 チームリーダー 会 合 に 外 務 省 等 関 係 機 関 の 幹 部 職 員 と 共 に 参 加 し 大 規 模 災 害 を 想 定 した 派 遣 先 国 ( 地 域 ) 到 着 後 の 入 国 手 続 段 階 からの 実 地 訓 練 図 上 訓 練 等 を 実 施 した -16-

指 名 要 員 が 多 く 参 加 する 災 害 警 備 の 研 修 において 派 遣 経 験 の ある 指 名 要 員 や 国 際 緊 急 援 助 隊 関 係 者 による 講 義 を 行 い 経 験 の 共 有 を 図 った (5) 施 策 に 関 し 改 善 等 を 要 する 事 項 ア 平 成 17 年 10 月 にパキスタンで 発 生 した 大 地 震 に 際 して 発 生 の 翌 日 には 現 地 に 向 け 国 際 緊 急 援 助 隊 員 の 救 助 チーム 要 員 として 警 察 職 員 を 派 遣 し 捜 索 救 助 等 を 実 施 するなど 迅 速 かつ 適 切 な 国 際 緊 急 援 助 活 動 を 行 ったことが 認 められる しかしながら 災 害 の 状 況 や 派 遣 先 国 ( 地 域 )の 環 境 等 により 捜 索 及 び 救 助 を 行 う 環 境 も 異 な ることから 関 係 機 関 と 合 同 で 実 施 している 定 期 的 な 訓 練 や 研 修 の ほかに 警 察 部 内 における 独 自 の 訓 練 を 強 化 するなど 指 名 要 員 に 対 する 訓 練 を 一 層 充 実 する 必 要 がある イ 関 係 機 関 と 合 同 で 実 施 している 訓 練 等 には 定 員 があり すべての 指 名 要 員 が 参 加 することが 困 難 であるにもかかわらず 指 名 要 員 制 度 開 始 以 来 人 数 及 び 所 属 都 道 府 県 警 察 について 見 直 しが 行 われて いないことから 過 去 の 実 績 等 を 参 考 としつつ 指 名 要 員 数 を 削 減 す るなど 指 名 の 適 正 化 を 図 る 必 要 がある ウ 国 際 緊 急 援 助 隊 総 合 訓 練 に 参 加 する 指 名 要 員 が 平 成 17 年 から19 年 にかけて 減 少 していることから 同 訓 練 への 参 加 者 が 増 加 するよう 関 係 機 関 に 働 き 掛 ける 必 要 がある エ 身 元 確 認 チームについては 未 だ 常 設 チームの 設 置 に 至 っておら ず また 法 医 学 及 び 法 歯 学 者 との 連 携 についても 未 だ 具 体 的 な 対 応 に 至 っていないため 引 き 続 き 実 現 に 向 けて 関 係 機 関 等 に 働 き 掛 ける 必 要 がある -17-

4 相 互 理 解 及 び 信 頼 の 構 築 (1) 施 策 の 目 的 関 係 国 の 治 安 機 関 職 員 の 招 へいや 国 際 機 関 が 行 う 活 動 への 職 員 の 派 遣 等 を 通 じて 関 係 国 間 相 互 の 理 解 と 信 頼 の 構 築 を 図 り もって 国 際 社 会 による 国 際 的 な 犯 罪 に 対 する 協 調 した 対 処 を 促 進 すること (2) 取 組 みの 内 容 ア 相 互 理 解 と 信 頼 を 構 築 し 国 際 社 会 と 協 調 するための 国 際 協 力 に 関 する 全 般 的 実 施 事 項 国 際 協 力 を 関 係 国 間 相 互 の 理 解 と 信 頼 の 構 築 につなげるため 関 係 国 の 治 安 機 関 職 員 の 招 へいに 当 たっては 参 加 者 が 相 互 に 意 見 交 換 する 機 会 を 設 けるなどするとともに ウの 国 際 機 関 が 行 う 活 動 へ の 職 員 派 遣 に 当 たっては 警 察 庁 から 連 絡 調 整 要 員 1 名 を 現 地 に 派 遣 し 専 門 家 の 活 動 が 適 切 になされるよう 支 援 した イ 国 際 犯 罪 等 の 情 勢 に 応 じた 関 係 国 の 治 安 機 関 職 員 の 招 へい 推 進 第 1-1-(4)オのとおり 外 国 治 安 機 関 からの 受 入 れ 研 修 を 充 実 させたほか 警 察 庁 が 独 自 に 行 う 政 府 開 発 援 助 ( 以 下 警 察 庁 独 自 ODA という )による 国 際 会 議 の 開 催 等 を 通 じて 治 安 機 関 間 相 互 の 意 見 交 換 を 実 施 し 関 係 国 間 相 互 の 理 解 と 信 頼 の 構 築 を 図 った ウ 国 際 機 関 が 行 う 活 動 への 職 員 派 遣 平 成 17 年 2 月 にレバノン 共 和 国 ベイルート 市 内 で 発 生 したレバノン 元 首 相 暗 殺 事 件 の 鑑 識 活 動 のため 国 連 国 際 独 立 調 査 委 員 会 の 要 請 を 受 け 同 年 8 月 から9 月 までの 間 鑑 識 の 専 門 家 3 名 を 現 地 に 派 遣 し 被 疑 者 車 両 の 特 定 作 業 等 に 従 事 し 事 件 の 解 明 に 向 けた 捜 査 の 進 展 を 図 った また この 活 動 により 我 が 国 の 警 察 が 諸 外 国 に 対 し 移 転 を 図 ってきた 知 識 技 術 を 活 用 することにより 国 際 機 関 が 行 う 活 動 に 貢 献 できるという 経 験 が 得 られたことを 踏 まえ 国 際 機 関 が 行 う 活 動 への 職 員 派 遣 の 拡 大 に 向 けて 警 察 庁 幹 部 職 員 を 派 遣 して 国 連 幹 部 職 員 と 意 見 交 換 を 行 うなど 関 係 機 関 との 協 議 を 行 っ た (3) 取 組 みの 効 果 を 把 握 する 手 法 外 国 治 安 機 関 からの 研 修 受 入 れ 件 数 外 国 研 修 員 数 及 び 研 修 受 入 れ 国 ( 地 域 ) 数 並 びに 警 察 庁 独 自 ODAによる 国 際 会 議 への 招 へい 国 数 及 び 招 へい 人 数 を 指 標 とし その 推 移 を 分 析 することとした また 把 握 した 事 例 を 参 考 とした (4) 取 組 みの 効 果 を 把 握 した 結 果 -18-

ア 外 国 治 安 機 関 からの 研 修 受 入 れ 件 数 外 国 研 修 員 数 及 び 研 修 受 入 れ 国 ( 地 域 ) 数 第 1-1-(4)オを 参 照 (7ページ) イ 警 察 庁 独 自 ODAによる 国 際 会 議 の 招 へい 国 数 及 び 招 へい 人 数 警 察 庁 独 自 ODAによる 国 際 会 議 であるアジア 太 平 洋 薬 物 取 締 会 議 においては 平 成 17 年 から19 年 にかけて 招 へい 国 数 が1か 国 減 少 したが 招 へい 人 数 は2 人 増 加 した 警 察 庁 独 自 ODAによる 主 催 国 際 会 議 の 実 施 状 況 国 際 会 議 名 招 へい 国 数 招 へい 人 数 17 年 アジア 太 平 洋 薬 物 取 締 会 議 12か 国 31 人 18 年 アジア 太 平 洋 薬 物 取 締 会 議 10か 国 27 人 19 年 アジア 太 平 洋 薬 物 取 締 会 議 11か 国 33 人 ウ 事 例 アジア 諸 国 欧 米 諸 国 を 始 め 各 国 の 治 安 機 関 との 二 国 間 協 議 や 国 際 会 議 での 意 見 交 換 を 通 じて 相 互 理 解 の 促 進 に 努 めているところ であるが 警 察 庁 が 主 催 した 国 際 会 議 のうち 主 なものに 関 する 取 組 みは 次 のとおりである 平 成 12 年 度 から 毎 年 アジア 大 洋 州 地 域 サイバー 犯 罪 捜 査 技 術 会 議 を 開 催 し 関 係 国 とのサイバー 犯 罪 への 技 術 的 対 策 につ いて 意 見 交 換 等 を 実 施 している 平 成 16 年 から 毎 年 東 アジア 地 域 組 織 犯 罪 対 策 会 議 を 開 催 し 国 際 組 織 犯 罪 対 策 について 関 係 国 との 情 報 交 換 等 を 実 施 してい る 平 成 19 年 1 月 に 開 催 された 日 中 韓 首 脳 会 議 において 三 国 間 協 力 を 要 する 犯 罪 分 野 での 対 応 策 に 関 する 緊 密 な 協 力 の 強 化 に ついて 合 意 されたことを 踏 まえ 同 年 6 月 日 中 韓 治 安 関 係 高 級 実 務 者 会 合 を 主 催 し 三 国 の 審 議 官 級 の 高 級 実 務 者 間 で 治 安 情 勢 等 に 関 する 意 見 交 換 を 実 施 し 北 東 アジア 地 域 の 警 察 間 協 力 を 確 認 した (5) 施 策 に 関 し 改 善 等 を 要 する 事 項 ア 関 係 国 の 治 安 機 関 職 員 の 招 へいの 推 進 を 通 じて 我 が 国 の 警 察 制 度 等 に 対 する 関 係 国 の 理 解 が 促 進 されるとともに レバノン 元 首 相 暗 殺 事 件 の 鑑 識 活 動 において 捜 査 の 客 観 性 に 対 する 信 頼 を 高 め 関 係 国 間 における 無 用 の 対 立 の 発 生 を 防 ぐことに 寄 与 するなど 関 係 国 間 の 相 互 の 理 解 と 信 頼 の 構 築 が 一 定 程 度 図 られたものと 認 めら れる 他 方 で 交 流 の 増 加 は 関 係 国 間 の 相 互 の 理 解 と 信 頼 の 構 築 を -19-

促 進 するものであるにもかかわらず 研 修 受 入 れ 国 ( 地 域 ) 数 が 減 少 していることから 既 存 の 招 へい 研 修 や 国 際 会 議 のほか 新 たな 研 修 の 開 催 等 を 通 じて 関 係 国 の 治 安 機 関 職 員 の 招 へいを 推 進 する 必 要 がある イ 国 際 機 関 が 行 う 活 動 への 職 員 派 遣 の 実 施 が 国 連 国 際 独 立 調 査 委 員 会 での 派 遣 のみにとどまっていることから 今 後 国 際 機 関 が 行 う 活 動 への 職 員 の 派 遣 に 向 け 国 連 を 始 めとする 国 際 機 関 との 連 絡 を 緊 密 にする 必 要 がある -20-

第 2 国 際 協 力 を 推 進 するための 基 盤 づくり 1 派 遣 職 員 に 対 する 支 援 の 充 実 等 (1) 施 策 の 目 的 派 遣 職 員 がその 有 する 知 識 能 力 を 十 分 に 活 用 できるよう 職 員 の 健 康 と 安 全 を 確 保 するため 必 要 な 支 援 を 実 施 し 派 遣 職 員 が 国 際 協 力 に 専 念 するための 環 境 を 整 備 すること (2) 取 組 みの 内 容 ア 派 遣 職 員 に 対 する 研 修 の 強 化 派 遣 候 補 者 である 専 門 家 を 対 象 に 専 門 的 な 研 修 を 定 期 的 に 実 施 するとともに 専 門 家 派 遣 予 定 者 についてはJICA 主 催 の 各 種 研 修 等 に 出 席 させ 事 前 の 準 備 に 当 たらせた また 文 民 警 察 要 員 に 対 しても 派 遣 前 に 安 全 確 保 方 策 現 地 の 情 勢 等 に 関 する 研 修 を 実 施 した イ 派 遣 前 の 現 地 調 査 及 び 派 遣 職 員 への 情 報 提 供 の 実 施 新 たに 専 門 家 として 派 遣 される 職 員 に 対 しては 専 門 的 な 研 修 を 通 じて 派 遣 先 の 治 安 情 勢 の 事 前 知 識 を 提 供 したほか 随 時 に 派 遣 先 に 関 する 情 報 を 提 供 するよう 努 めた 派 遣 された 専 門 家 に 対 しては 自 らが 従 事 している 業 務 の 成 果 進 ちょく 状 況 等 を 把 握 できるよう 警 察 庁 も 協 力 し 実 施 されたJICAによる 現 地 調 査 の 結 果 等 の 各 種 情 報 を 提 供 した また 文 民 警 察 要 員 の 派 遣 前 には 事 前 に 十 分 な 現 地 調 査 を 行 うとともに 警 察 庁 職 員 を 現 地 に 適 宜 派 遣 し 各 種 情 報 を 提 供 した ウ 関 係 機 関 関 係 治 安 機 関 との 緊 密 な 連 携 等 を 通 じた 支 援 関 係 機 関 関 係 治 安 機 関 と 緊 密 に 連 携 して 派 遣 職 員 に 対 して 充 実 した 情 報 提 供 を 行 うなどの 支 援 を 行 った 特 に 派 遣 先 の 治 安 情 勢 や 生 活 環 境 が 悪 い 場 合 には 現 地 に 警 察 庁 職 員 を 派 遣 し 派 遣 職 員 の 要 望 に 沿 った 資 料 等 を 提 供 するなどして 支 援 の 万 全 を 期 した エ 派 遣 職 員 に 対 する 適 正 な 処 遇 の 確 保 及 び 表 彰 派 遣 職 員 の 処 遇 について 関 係 機 関 と 協 議 するなどして 派 遣 先 国 の 勤 務 環 境 に 応 じた 手 当 を 支 給 するなど 可 能 な 限 りその 労 苦 に 見 合 った 処 遇 を 確 保 するように 努 めた また 我 が 国 とは 異 なる 劣 悪 な 環 境 下 で 活 動 に 従 事 した 文 民 警 察 要 員 等 に 対 しては その 労 苦 に 報 いるため 長 官 賞 等 を 授 与 したほか 支 援 対 象 国 ( 地 域 )に 派 遣 された 専 門 家 に 対 しては 派 遣 期 間 に 応 じて 長 期 派 遣 者 に 対 して は 官 房 長 賞 を 短 期 派 遣 者 に 対 しては 国 際 課 長 賞 を それぞれ 授 与 した -21-

(3) 取 組 みの 効 果 を 把 握 する 手 法 派 遣 候 補 者 の 専 門 的 な 研 修 受 講 者 数 表 彰 の 授 与 状 況 を 指 標 とし その 推 移 を 分 析 することとした また 把 握 した 事 例 を 参 考 とした (4) 取 組 みの 効 果 を 把 握 した 結 果 ア 派 遣 候 補 者 の 専 門 的 な 研 修 受 講 者 数 平 成 18 年 に 警 察 大 学 校 に 専 門 家 の 派 遣 候 補 者 に 対 する 専 門 的 な 研 修 である 国 際 協 力 課 程 を 新 設 し 同 年 及 び19 年 において それぞれ15 人 が 参 加 した 派 遣 候 補 者 の 専 門 的 な 研 修 受 講 者 数 専 門 的 な 研 修 受 講 者 数 18 年 15 人 19 年 15 人 イ 表 彰 の 授 与 状 況 国 際 協 力 に 従 事 し 帰 国 した 者 に 対 する 表 彰 の 内 容 及 び 人 数 は 平 成 17 年 に 官 房 長 賞 21 人 国 際 課 長 賞 3 人 18 年 に 官 房 長 賞 4 人 国 際 課 長 賞 1 人 19 年 に 長 官 賞 3 人 官 房 長 賞 5 人 情 報 通 信 局 長 賞 1 人 官 房 長 感 謝 状 1 人 国 際 課 長 賞 2 人 であった 表 彰 授 与 状 況 表 彰 内 容 及 び 授 与 人 数 17 年 官 房 長 賞 21 人 ( 国 際 緊 急 援 助 隊 員 15 人 を 含 む ) 国 際 課 長 賞 3 人 18 年 官 房 長 賞 4 人 国 際 課 長 賞 1 人 19 年 長 官 賞 3 人 ( 東 ティモール 国 際 平 和 協 力 隊 員 ) 官 房 長 賞 5 人 情 報 通 信 局 長 賞 1 人 官 房 長 感 謝 状 1 人 国 際 課 長 賞 2 人 ウ 事 例 平 成 18 年 12 月 東 ティモールへの 文 民 警 察 要 員 派 遣 に 当 たり 在 東 ティモール 日 本 国 大 使 館 及 び 在 オーストラリア 日 本 国 大 使 館 と 連 携 し 現 地 治 安 情 勢 生 活 環 境 緊 急 避 難 場 所 等 に 関 する 情 報 収 集 を 実 施 した 在 東 ティモール 日 本 国 大 使 館 へは 平 成 19 年 2 月 から 警 察 庁 職 員 が 一 等 書 記 官 として 出 向 し 文 民 警 察 要 員 等 との 連 携 に 当 たった 平 成 19 年 にインドネシア フィリピン ブラジル カンボジア シンガポール マレーシア 及 びタイに 専 門 家 として 派 遣 予 定 の 職 員 -22-

に 対 し 専 門 家 としての 知 識 技 術 各 派 遣 先 における 専 門 家 のこ れまでの 活 動 状 況 等 についての 研 修 を 行 った また 18 年 に 専 門 的 な 研 修 として 国 際 協 力 課 程 が 開 始 されたことから これ 以 前 に 派 遣 された 専 門 家 等 に 対 しては 派 遣 先 における 国 際 協 力 に 関 する 資 料 を 提 供 するとともに 現 地 の 生 活 環 境 に 関 する 資 料 を 適 時 提 供 した (5) 施 策 に 関 し 改 善 等 を 要 する 事 項 ア 派 遣 職 員 の 健 康 と 安 全 を 確 保 するため 必 要 な 支 援 により 結 果 と して 派 遣 職 員 に 大 きな 事 故 傷 病 等 なく 国 際 協 力 を 実 施 することが できた 他 方 で 派 遣 先 国 における 生 活 環 境 等 について 派 遣 前 に 十 分 な 情 報 提 供 ができなかった 場 合 もあるなど 派 遣 職 員 に 対 する 支 援 は 未 だ 万 全 とは 言 えないことから 派 遣 職 員 のニーズを 踏 まえた 情 報 提 供 が 十 分 になされるよう 派 遣 前 の 研 修 を 充 実 させる 必 要 が ある イ 派 遣 職 員 に 対 する 表 彰 については 派 遣 期 間 の 長 短 のみを 基 準 と した 表 彰 がなされていることから 真 に 派 遣 職 員 の 労 苦 と 功 績 に 応 じたものとなるよう その 運 用 を 改 める 必 要 がある -23-

2 国 際 協 力 に 関 する 理 解 と 協 力 の 確 保 (1) 施 策 の 目 的 警 察 職 員 に 対 する 研 修 や 国 民 に 対 する 各 種 広 報 活 動 を 通 じて 国 際 協 力 に 対 する 警 察 職 員 の 意 識 改 革 を 図 るとともに 国 民 の 理 解 と 協 力 を 確 保 すること (2) 取 組 みの 内 容 ア 警 察 職 員 に 対 する 研 修 の 充 実 警 察 庁 における 各 種 会 議 において 国 際 的 な 警 察 活 動 の 推 進 を 検 討 課 題 として 取 り 上 げ 警 察 による 国 際 協 力 の 意 義 及 び 重 要 性 を 確 認 した また 各 都 道 府 県 警 察 の 警 察 学 校 等 において 職 員 に 国 際 協 力 の 意 義 基 本 方 針 等 を 十 分 に 認 識 させるための 研 修 を 実 施 した また 国 際 協 力 等 の 状 況 等 の 資 料 の 作 成 配 布 を 行 い 職 員 に 対 して 警 察 による 国 際 協 力 の 各 種 活 動 状 況 に 関 し 情 報 提 供 した イ 国 際 協 力 に 関 する 執 務 資 料 の 作 成 及 び 都 道 府 県 警 察 への 配 布 平 成 18 年 2 月 都 道 府 県 警 察 に 対 して 国 際 協 力 推 進 要 綱 制 定 に 伴 う 通 達 を 発 出 し 警 察 職 員 の 意 識 改 革 国 際 協 力 を 積 極 的 かつ 効 果 的 に 行 うための 施 策 等 都 道 府 県 警 察 で 推 進 すべき 事 項 を 具 体 的 に 明 らかにした 上 で 各 都 道 府 県 警 察 における 国 際 協 力 の 取 組 み 状 況 実 施 状 況 等 を 警 察 庁 において 把 握 するよう 努 めた また 直 接 的 に 国 際 協 力 に 関 与 することが 少 ない 都 道 府 県 警 察 職 員 の 国 際 協 力 に 対 する 意 識 を 向 上 させるため 日 本 の 国 際 協 力 等 の 資 料 を 配 付 する とともに 国 際 協 力 の 実 績 に 応 じ 都 道 府 県 警 察 に 対 して 表 彰 を 行 うことを 検 討 した ウ 国 民 に 対 する 各 種 広 報 活 動 警 察 白 書 等 の 警 察 活 動 を 一 般 に 対 して 広 く 紹 介 する 書 籍 冊 子 等 に 国 際 協 力 のページを 設 け 国 際 平 和 維 持 活 動 国 際 緊 急 援 助 活 動 等 我 が 国 の 警 察 による 国 際 協 力 を 広 く 国 民 に 広 報 した また 日 本 語 による 国 内 向 けの 広 報 にとどまらず 外 国 語 表 記 の 広 報 誌 及 びウェブサイトを 作 成 し 我 が 国 の 警 察 による 国 際 協 力 に 対 する 諸 外 国 の 理 解 と 協 力 を 求 めた (3) 取 組 みの 効 果 を 把 握 する 手 法 外 国 治 安 機 関 からの 研 修 の 受 入 れを 行 った 都 道 府 県 警 察 数 を 指 標 と し その 推 移 を 分 析 することとした また 把 握 した 事 例 を 参 考 とした (4) 取 組 みの 効 果 を 把 握 した 結 果 ア 研 修 の 受 入 れを 行 った 都 道 府 県 警 察 数 -24-

第 1-1-(4)カを 参 照 (8ページ) イ 事 例 警 察 職 員 に 広 く 東 ティモールでの 文 民 警 察 活 動 を 知 ってもらう ため 東 ティモール 文 民 警 察 活 動 ニュース を 合 計 で18 回 発 行 し 都 道 府 県 警 察 に 配 布 した 平 成 17 年 から19 年 にかけて 毎 年 の 国 際 協 力 の 実 施 状 況 等 を 取 りまとめた 資 料 である 国 際 協 力 等 の 状 況 を 総 計 2,500 冊 作 成 し 各 都 道 府 県 警 察 に 配 布 するとともに 警 察 庁 ウェブサイトに 掲 載 し た 警 察 白 書 の 英 語 版 である WHITE PAPER ON POLIC E を 毎 年 600 冊 作 成 し 国 内 外 の 関 係 機 関 に 配 布 した 財 団 法 人 社 会 安 全 研 究 財 団 が 企 画 し インドネシアへ 派 遣 され ている 専 門 家 の 活 動 状 況 を 中 心 に 取 りまとめた 日 本 警 察 の 国 際 協 力 のDVD 及 びパンフレットの 作 成 を 監 修 し 各 都 道 府 県 警 察 に 配 布 したほか それぞれ 英 語 版 を 国 際 会 議 において 配 布 した 警 察 庁 英 語 版 ウェブサイトには 日 本 の 警 察 制 度 等 を 分 かりや すく 英 語 で 記 述 した POLICE OF JAPAN のほか 東 ティモ ールにおける 文 民 警 察 活 動 状 況 等 を 英 語 で 記 述 した 資 料 等 を 掲 載 し ている 平 成 18 年 4 月 日 本 警 察 による 国 際 協 力 の 推 進 に 関 する 警 察 内 部 研 修 資 料 を 作 成 した 平 成 19 年 4 月 政 府 広 報 テレビ 番 組 ご 存 じですか にて 我 が 国 の 警 察 による 国 際 協 力 の 取 組 み 状 況 石 川 県 警 察 で 実 施 された インドネシア 治 安 機 関 職 員 に 対 する 研 修 の 状 況 等 を 紹 介 した (5) 施 策 に 関 し 改 善 等 を 要 する 事 項 ア 各 種 取 組 みにより 外 国 研 修 員 に 対 する 研 修 の 受 入 れを 行 った 都 道 府 県 数 が 着 実 に 増 加 するなど 警 察 による 国 際 協 力 に 対 する 理 解 が 促 されたことが 認 められる 他 方 で 研 修 の 受 入 れを 未 だ 行 った ことがない 都 道 府 県 警 察 があることから 今 後 当 該 当 該 都 道 府 県 警 察 に 受 入 れを 行 うよう 働 き 掛 けを 行 うとともに 受 入 れ 研 修 の 状 況 を 広 報 するなどして 国 際 協 力 に 対 する 理 解 を 一 層 促 す 必 要 があ る イ 警 察 職 員 に 対 する 研 修 については 警 察 学 校 等 において 国 際 協 力 に 関 する 研 修 が 実 施 されていることなどから 一 定 程 度 その 充 実 が 図 られたことが 認 められるところ 今 後 日 本 の 国 際 協 力 等 の 資 料 の 活 用 を 促 すなど 今 後 更 なる 充 実 に 向 けて 一 層 の 工 夫 を 行 う 必 -25-

要 がある ウ 都 道 府 県 警 察 に 対 しては 国 際 協 力 の 実 績 に 応 じた 表 彰 が 行 われ ていないことから 表 彰 基 準 の 作 成 等 を 行 い 都 道 府 県 警 察 に 対 す る 表 彰 を 実 施 する 必 要 がある -26-

第 3 章 評 価 の 結 果 及 び 今 後 の 政 策 の 方 向 性 警 察 は 平 成 17 年 9 月 に 国 際 協 力 推 進 要 綱 を 制 定 して 以 来 知 識 技 術 の 移 転 文 民 警 察 活 動 国 際 緊 急 援 助 活 動 等 の 具 体 的 な 国 際 協 力 を 推 進 するととも に 派 遣 職 員 に 対 する 支 援 の 充 実 国 際 協 力 に 対 する 理 解 の 促 進 等 の 国 際 協 力 を 推 進 するための 基 盤 づくりの 整 備 に 取 り 組 んだ これらの 取 組 みについては 外 務 省 等 の 関 係 機 関 と 連 携 し 関 係 国 のニーズ を 踏 まえ アジア 諸 国 を 中 心 に 具 体 的 な 国 際 協 力 が 実 施 されたことなどが 認 め られることから 国 際 協 力 推 進 要 綱 に 示 された 基 本 方 針 に 照 らして 妥 当 なもの であったと 評 価 できる また 国 際 協 力 推 進 要 綱 に 盛 り 込 まれた 施 策 の 推 進 に 関 する 評 価 の 詳 細 は 第 2 章 において 詳 述 したとおりであるが これらの 取 組 みの 結 果 については 次 のことが 認 められ 一 定 の 成 果 が 現 れていると 評 価 することができる インドネシア 国 家 警 察 改 革 支 援 プログラムを 始 め 我 が 国 の 警 察 による 知 識 技 術 の 移 転 は 支 援 対 象 国 のニーズに 適 合 したものであるとして 平 成 20 年 6 月 に 開 催 されたG8 司 法 内 務 大 臣 会 議 において 高 い 評 価 を 得 た こと 我 が 国 の 警 察 が 文 民 警 察 活 動 及 び 国 際 緊 急 援 助 活 動 を 実 施 したことに 関 し 国 際 機 関 及 び 関 係 国 から 感 謝 の 意 が 表 されたこと 専 門 家 文 民 警 察 要 員 国 際 緊 急 援 助 隊 員 等 が 派 遣 された 国 における 治 安 情 勢 や 生 活 環 境 は 必 ずしも 良 好 なものではなかったにもかかわらず こ れらの 派 遣 職 員 に 大 きな 事 故 傷 病 等 なかったこと 外 国 研 修 員 に 対 する 研 修 の 受 入 れを 積 極 的 に 行 う 都 道 府 県 警 察 も 現 れる など 都 道 府 県 警 察 における 国 際 協 力 に 対 する 理 解 の 促 進 が 図 られたこと 他 方 で 我 が 国 の 警 察 による 国 際 協 力 の 推 進 については その 取 組 み 及 び 評 価 方 法 について 依 然 として 課 題 も 残 されている まず 第 2 章 において 詳 述 したとおり 国 際 協 力 推 進 要 綱 に 盛 り 込 まれた 施 策 の 中 には 未 だ 実 現 に 至 っていないものあることから これらの 施 策 について は その 実 現 を 図 るべく 早 急 に 取 組 みを 具 体 化 する 必 要 がある 特 に 我 が 国 の 警 察 による 国 際 協 力 は 関 係 国 のニーズを 踏 まえて 実 施 され る 一 方 で 関 係 国 から 支 援 の 要 望 を 受 けた 後 に 警 察 庁 がその 可 否 を 検 討 する ことが 多 く 警 察 庁 自 らが 関 係 国 に 要 望 を 提 出 するよう 働 き 掛 けることは 少 な いほか 専 門 家 の 派 遣 外 国 研 修 員 の 受 入 れ 等 について 各 都 道 府 県 警 察 にお ける 取 組 みにばらつきがあるなどの 課 題 が 残 されている 今 後 警 察 庁 は 関 係 国 のニーズを 把 握 するだけでなく 対 象 国 の 犯 罪 対 処 能 力 の 向 上 を 通 じて 我 が 国 の 治 安 を 確 保 するという 観 点 から 関 係 国 に 対 し 要 -27-

望 を 提 出 するよう 積 極 的 に 働 き 掛 けるほか 各 都 道 府 県 警 察 に 対 して より 一 層 国 際 協 力 を 推 進 するよう 指 導 する 必 要 がある さらに 支 援 対 象 国 ( 地 域 ) 別 の 評 価 については 個 々の 機 関 による 取 組 み の 効 果 のみを 把 握 することが 困 難 であることなどから 警 察 による 知 識 技 術 の 移 転 が 支 援 対 象 国 の 能 力 向 上 にどの 程 度 寄 与 したかを 客 観 的 に 把 握 する 方 法 が 構 築 されていないという 課 題 がある 支 援 対 象 国 ( 地 域 ) 別 に 国 際 協 力 の 実 施 状 況 を 評 価 した 例 として インドネシア 市 民 警 察 活 動 促 進 プロジェクトに 関 するJICAの 評 価 調 査 結 果 ( 別 添 6 参 照 )があるが その 評 価 調 査 には 多 大 なコストを 要 していることを 踏 まえ 今 後 支 援 対 象 国 ( 地 域 ) 別 の 評 価 方 法 の 開 発 に 努 める 必 要 がある こうした 取 組 みを 通 じて 我 が 国 の 警 察 による 国 際 協 力 について 更 にその 充 実 及 び 強 化 を 図 る 必 要 がある -28-

終 わりに 我 が 国 の 警 察 による 国 際 協 力 は 昭 和 37 年 に 海 外 技 術 協 力 事 業 団 ( 現 在 のJICA) との 共 催 でアジア 各 国 の 警 察 官 を 集 めて 行 った 薬 物 関 係 研 修 コースにより 始 まった その 後 治 安 の 良 い 我 が 国 が 注 目 され 住 民 の 理 解 と 協 力 を 得 ながら 治 安 維 持 に 当 た る 我 が 国 の 警 察 の 特 質 を 生 かして 交 番 制 度 科 学 技 術 の 活 用 警 察 の 民 主 的 管 理 等 の 分 野 で 多 数 の 国 際 協 力 を 実 施 してきた しかしながら 警 察 による 国 際 協 力 の 基 本 方 針 及 び 方 向 性 を 示 し 各 種 施 策 を 実 施 することとした 国 際 協 力 推 進 要 綱 の 制 定 か らいまだ3 年 余 しか 経 過 しておらず 警 察 による 国 際 協 力 には いまだ 多 くの 課 題 が あると 言 わざるを 得 ない グローバル 化 が 進 展 する 中 一 国 治 安 主 義 すなわち 各 国 が 個 別 に 国 内 の 治 安 対 策 を 推 進 すれば 各 国 の 治 安 を 確 保 できるという 考 え 方 は もはや 過 去 のものとな っている 相 互 依 存 を 強 める 国 際 社 会 において 犯 罪 やテロに 対 処 するためには 関 係 国 が 協 調 して 制 度 を 構 築 し 対 策 を 講 ずることが 不 可 欠 であり 警 察 分 野 における 国 際 協 力 を 実 施 し 関 係 国 の 諸 制 度 の 構 築 や 諸 対 策 の 推 進 を 支 援 することは 我 が 国 の 治 安 対 策 にもつながる 本 評 価 を 踏 まえ 国 際 協 力 に 係 る 各 種 施 策 の 一 層 の 充 実 を 図 るとともに 関 係 国 の ニーズを 把 握 し その 効 果 や 問 題 点 等 の 把 握 に 努 め 今 後 の 施 策 の 展 開 に 生 かしてい くことが 求 められている -29-

In Larger Freedom: Towards Development, Security and Human Rights for All -1-

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インドネシアへの 協 力 別 添 2 インドネシア 国 家 警 察 改 革 支 援 プログラムとは インドネシアでは 平 成 11 年 に 国 家 警 察 が 国 軍 から 分 離 独 立 を 行 って 以 来 国 家 警 察 の 民 主 化 改 革 が 推 進 されている 警 察 庁 では この 改 革 を 支 援 するため 13 年 以 降 JICAとの 協 力 の 下 インドネシア 国 家 警 察 改 革 支 援 プログラム として 専 門 家 の 派 遣 や 研 修 員 の 受 入 れ 等 による 技 術 協 力 を 実 施 している この 警 察 改 革 支 援 プログラムは 一 国 の 警 察 制 度 改 革 を 支 援 するという 画 期 的 なものであり 国 際 的 にも 注 目 を 集 めてい る 同 プログラムの 中 核 事 業 である 市 民 警 察 活 動 促 進 プロジェクト は 19 年 8 月 から 交 番 鑑 識 通 信 司 令 等 におけるこれまでの 協 力 の 成 果 を 全 国 に 波 及 させることを 主 眼 とした5 年 間 の 第 2フェーズに 移 行 している インドネシア 国 家 警 察 改 革 支 援 プログラムの 概 要 プログラム マネージャー 国 家 警 察 長 官 政 策 アドバイザー:1 人 POLMAS 強 化 (インドネシア 式 市 民 警 察 活 動 ) 個 別 長 期 派 遣 者 :1 人 警 察 大 学 院 大 学 支 援 プログラムの 中 心 市 民 警 察 活 動 促 進 プロジェクト 長 期 派 遣 者 :4 人 プロジェクト リーダー/ 組 織 運 営 サブリーダー/ 現 場 警 察 活 動 現 場 警 察 活 動 現 場 鑑 識 活 動 バリ 島 安 心 なまちづくり プロジェクト 長 期 派 遣 者 :1 人 バリ 州 警 察 本 部 観 光 警 察 資 機 材 等 の 供 与 日 本 での 研 修 受 入 れ

インドネシア 国 家 警 察 改 革 支 援 プログラムにおける 専 門 家 の 活 動 状 況 定 例 会 議 毎 週 金 曜 日 短 期 派 遣 者 も 含 めたすべての 専 門 家 が 参 加 して 定 例 会 議 を 実 施 している 各 専 門 家 からの 報 告 の 後 今 後 の 活 動 方 針 を 決 定 している 現 場 鑑 識 専 門 家 捜 査 能 力 の 向 上 は 市 民 からの 通 報 に 誠 実 にこたえる ために 重 要 である 専 門 家 は 様 々な 鑑 識 技 術 について 鑑 識 係 員 に 指 導 を 行 っている 定 例 会 議 の 状 況 現 場 鑑 識 専 門 家 の 指 導 状 況 BKPM( 交 番 )における 活 動 無 償 資 金 協 力 や 市 民 警 察 活 動 促 進 プロジェ クトを 通 じて 日 本 から 交 番 建 物 等 が 供 与 され た BKPM( 交 番 )が 地 域 の 安 全 情 報 の 発 信 受 信 基 地 となり また 地 域 の 問 題 解 決 の 中 心 として 機 能 するよう 指 導 を 行 っている バリ 州 警 察 市 民 警 察 活 動 ( 観 光 警 察 ) 促 進 プロジェクト 平 成 14 年 にバリ 島 で 発 生 した 爆 弾 テロ 事 件 を 契 機 に 治 安 回 復 のため バリ 州 警 察 本 部 長 アドバイザー 派 遣 の 要 請 があった 初 代 ア ドバイザーは 15 年 10 月 から9か 月 間 の 活 動 を 通 じ 観 光 警 察 部 門 の 改 革 を 通 じてバリ 州 警 察 改 革 へ 提 言 を 行 った この 提 言 を 受 け 17 年 からバリ 州 警 察 市 民 警 察 活 動 ( 観 光 警 察 ) 促 進 プロジェクトが 開 始 された 女 性 警 察 官 を 指 導 する 組 織 運 営 専 門 家 専 門 家 の 活 動 状 況 専 門 家 の 活 動 状 況 日 本 での 国 別 特 設 研 修 この 研 修 では インドネシア 国 家 警 察 の 若 手 幹 部 に 都 道 府 県 警 察 で 実 際 の 交 番 勤 務 等 を 体 験 してもらい 市 民 警 察 活 動 とは 何 かを 体 感 してもらっている

フィリピンへの 協 力 別 添 3 警 察 科 学 捜 査 専 門 家 派 遣 と 指 紋 自 動 識 別 システム(AFIS) 運 用 強 化 プロジェクト ィリピンに フ 対 しては 従 来 から 国 家 警 察 に 科 学 捜 査 ( 初 動 捜 査 ) 専 門 家 と 科 学 捜 査 ( 鑑 識 ) 専 門 家 の2 人 を 派 遣 して おり 同 専 門 家 らは 平 成 19 年 も 科 学 捜 査 セミナーの 開 催 や 事 件 現 場 における 現 場 指 導 等 の 活 動 を 行 った また 1 6 年 7 月 に 指 紋 自 動 識 別 システム(AFIS)が 供 与 されたことに 伴 い 18 年 8 月 からは 3 年 間 の 計 画 で 指 紋 自 動 識 別 システム 運 用 強 化 プロジェクト を 実 施 中 で 短 期 専 門 家 の 派 遣 や 研 修 員 の 受 入 れを 通 じ 遺 留 指 紋 のトレース 要 領 や 指 紋 鑑 定 作 業 等 AFISの 運 用 強 化 のための 技 術 支 援 を 行 っている 最 近 では 強 盗 事 件 等 において 遺 留 指 紋 照 合 余 罪 照 合 等 により 被 疑 者 が 判 明 するなど 支 援 の 成 果 が 現 れつつある 今 後 は フィリピンにおいて 日 本 人 が 被 害 者 となる 事 件 が 続 発 していることやフィリピンが 日 本 で 押 収 される 違 反 銃 器 の 仕 出 し 地 となっている 現 状 を 踏 まえ フィリピン 国 家 警 察 の 捜 査 能 力 の 更 なる 向 上 に 資 するよう フィリピン 国 家 警 察 への 支 援 を 強 化 していく 予 定 である 専 門 家 の 活 動 状 況 セミナーの 開 催 おおむね 月 に1 回 又 は2 回 の 割 合 で フィリピン 各 地 で セミナーを 開 催 して 初 動 捜 査 鑑 識 技 術 の 普 及 に 努 めて いる また フィリピンの 警 察 大 学 校 では 薬 物 取 締 専 門 家 と 合 同 でセミナーを 開 催 している 専 門 家 によるセミナーの 状 況 事 件 現 場 での 指 導 事 件 の 現 場 に 赴 き 現 場 で の 実 践 指 導 を 行 っている AFIS 運 用 の 指 導 AFISを 用 いた 指 紋 の 入 力 照 合 の 技 術 指 導 を 行 っている 薬 物 法 執 行 能 力 向 上 プロジェクト フィリピンに 対 する 薬 物 犯 罪 対 策 支 援 としては 過 去 にも 専 門 家 の 短 期 派 遣 等 を 行 っていたところ この 面 の 支 援 を 強 化 するため フィリピン 薬 物 法 執 行 能 力 向 上 プロジェクト として 平 成 17 年 1 月 から19 年 1 月 まで 専 門 家 1 名 をフィリピン 薬 物 取 締 庁 (PDEA)に 派 遣 し 薬 物 取 締 りセミナーの 開 催 等 の 活 動 を 逐 次 派 遣 される 短 期 専 門 家 と 共 に 行 った 専 門 家 によるセミナーの 状 況

タイへの 協 力 別 添 4 タイ 薬 物 対 策 地 域 協 力 プロジェクト( 第 2フェーズ) 警 察 庁 としては 初 の また JICAとしても 例 の 少 ない 複 数 の 国 を 支 援 対 象 とする 広 域 プロジェクト である 薬 物 対 策 地 域 協 力 プロジェクトは 世 界 最 大 級 の 薬 物 密 造 地 域 である ゴールデン トライアングル 地 域 周 辺 の 薬 物 対 策 強 化 のため 平 成 14 年 から3 年 間 を 期 間 として 開 始 され 17 年 6 月 をもって 同 プロジェクトの 第 1 フェーズが 終 了 した 18 年 9 月 からは 同 プロジェクトは 第 2フェーズを 開 始 しており 薬 物 対 策 及 び 薬 物 分 析 の 両 分 野 の 長 期 専 門 家 計 2 名 をタイ 法 務 省 麻 薬 統 制 委 員 会 事 務 局 (ONCB)に 派 遣 し タイ 及 びその 周 辺 国 (カンボジア ラオ ス ミャンマー 及 びベトナム)における 薬 物 分 析 能 力 の 向 上 に 重 点 を 置 いた 技 術 協 力 を 推 進 するとともに 薬 物 犯 罪 捜 査 能 力 向 上 のためのセミナーの 開 催 第 1フェーズにおいて 供 与 した 機 材 を 用 いての 薬 物 分 析 技 術 の 向 上 日 本 における 研 修 の 実 施 等 を 通 じ タイ 及 びその 周 辺 国 における 薬 物 対 策 に 係 る 指 導 者 育 成 等 を 行 っている 専 門 家 の 活 動 状 況 各 国 の 取 締 官 らに 対 して 試 薬 の 適 正 活 用 等 を 指 導 す 専 門 家 の 状 況 タイのみならず カン ボジア ラオス ベトナム 等 の 周 辺 国 も 含 めた 広 域 的 指 導 を 推 進 している 薬 物 分 析 専 門 家 の 指 導 状 況

別 添 5 東 ティモールにおける 文 民 警 察 活 動 等 概 要 平 成 19 年 1 月 から 東 ティモール 国 際 平 和 協 力 隊 に 警 察 職 員 3 人 ( 文 民 警 察 官 要 員 2 人 及 び 連 絡 調 整 要 員 1 人 )を 派 遣 し 同 年 8 月 には 第 2 次 派 遣 要 員 3 人 を 派 遣 して 東 ティモール 内 務 省 及 び 国 家 警 察 に 対 して 警 察 行 政 事 務 に 関 する 助 言 及 び 指 導 業 務 を 行 った 第 1 次 隊 : 19 年 1 月 31 日 第 2 次 隊 : 19 年 8 月 3 日 ~ 19 年 8 月 3 日 ~ 20 年 2 月 5 日 東 ティモール 民 主 共 和 国 の 概 要 人 口 104.1 万 人 (2007 年 推 定 ) 面 積 約 1 万 4,00 平 方 キロ( 首 都 4 県 ( 東 京 千 葉 埼 玉 神 奈 川 )と 同 程 度 ) 首 都 ディリ 民 族 テトゥン 族 等 大 半 がメラネシア 系 種 族 宗 教 キリスト 教 (99.1%) 言 語 テトゥン 語 ポルトガル 語 政 体 共 和 制 (2002 年 5 月 20 日 独 立 ) ( 過 去 における 東 ティモールでの 国 連 の 活 動 ) 国 連 東 ティモール ミッション(UNAMET) 1999 年.6 月 から9 月 国 連 東 ティモール 暫 定 行 政 機 構 (UNTAET) 1999 年 10 月 から2002 年 5 月 国 連 東 ティモール 支 援 団 (UNMISET) 2002 年 5 月 から2005 年 5 月 国 連 東 ティモール 事 務 所 (UNOTIL) 2005 年 5 月 から2006 年 8 月 国 連 東 ティモール 統 合 ミッション (UNMIT) 2006 年 4 月 の 騒 擾 事 件 後 東 ティモール 政 府 からの 要 請 を 受 け 国 連 安 保 理 が 決 議 1704にて 設 立 を 決 定 し その 後 活 動 期 限 が 延 長 している 期 間 : 2006 年 8 月 ~2008 年 2 月 任 務 : 治 安 維 持 ( 国 家 警 察 再 建 までの 法 執 行 及 び 公 共 の 安 全 の 確 保 ) 国 家 警 察 (PNTL)の 訓 練 及 び 能 力 強 化 等 構 成 員 : 事 務 総 長 特 別 代 表 の 下 国 連 警 察 要 員 を 中 心 に 構 成 ( 要 員 1,556 名 ) (2008.7 月 現 在 ) 文 民 警 察 要 員 の 活 動 状 況 我 が 国 から 派 遣 された 文 民 警 察 要 員 2 名 は UNIMIT 警 察 部 門 の 長 官 特 別 顧 問 及 びその 補 佐 官 として 勤 務 している 文 民 警 察 部 門 の 定 例 幹 部 会 議 等 各 種 会 議 への 出 席 地 方 における 警 察 活 動 状 況 の 視 察 等 を 行 いつつ UNMIT 警 察 部 門 長 官 の 指 示 を 踏 まえ 警 察 行 政 に 関 してこれまでの 知 見 経 験 を 生 かした 助 言 等 を 実 施 している 我 が 国 の 貢 献 内 容 基 本 教 科 書 の 編 さん PMTLには 警 察 官 教 育 の 基 本 となる 刑 法 刑 事 訴 訟 法 等 に 関 する 基 礎 教 科 書 が 存 在 しないことから 我 が 国 隊 員 が 中 心 となり 豪 等 と 協 力 して PNLT 警 察 官 が 実 務 で 活 用 しやすく かつ 長 く 利 用 できる 教 科 書 の 作 成 に 当 たった UNII MIT 関 係 省 及 び 東 ティモール 政 府 関 係 者 から 高 い 評 価 警 察 官 の 海 外 研 修 手 続 の 制 度 化 対 象 警 察 官 の 選 考 方 法 研 修 後 の 報 告 等 の 手 続 を 制 度 化 し 計 画 的 な 人 材 育 成 研 修 内 容 の 組 織 的 な 活 用 等 を 図 った 東 ティモール 国 家 警 察 の 再 建 支 援 に 貢 献

別 添 6 インドネシア 共 和 国 市 民 警 察 活 動 促 進 プロジェクト 終 了 時 評 価 調 査 結 果 ( 概 要 ) JICAにより 実 施 されたインドネシア 共 和 国 市 民 警 察 活 動 促 進 プロジェクト 終 了 時 評 価 調 査 結 果 の 概 要 については 下 記 のとおりである(JICA 編 インドネシア 共 和 国 市 民 警 察 活 動 促 進 プロジェクト 終 了 時 評 価 調 査 報 告 書 参 照 ) 記 1 プロジェクトの 概 要 (1) 名 称 インドネシア 共 和 国 市 民 警 察 活 動 促 進 プロジェクト (2) 上 位 目 標 インドネシア 各 地 の 警 察 署 及 び 警 察 職 員 により 市 民 警 察 としての 活 動 ( 市 民 の 要 望 に 対 して 迅 速 かつ 誠 実 な 対 応 をすることをいう 以 下 同 じ )が 展 開 される こと (3) プロジェクトの 目 標 モデル 警 察 署 であるブカシ 警 察 署 (メトロブカシ 警 察 署 及 びブカシ 県 警 察 署 の 2 署 をいう 以 下 同 じ )において 市 民 警 察 としての 活 動 が 実 施 されること (4) 協 力 期 間 平 成 14 年 8 月 から19 年 7 月 まで (5) 期 待 される 成 果 ア ブカシ 警 察 署 の 市 民 警 察 としての 組 織 運 営 能 力 が 向 上 すること イ ブカシ 警 察 署 の 現 場 鑑 識 業 務 が 改 善 されること ウ ブカシ 警 察 署 の 通 信 指 令 体 制 が 改 善 されること エ 組 織 運 営 現 場 鑑 識 及 び 通 信 指 令 に 関 連 した 訓 練 プログラムが 整 備 及 び 改 善 されること 2 評 価 調 査 団 の 概 要 (1) 調 査 団 員 JICA 社 会 開 発 部 長 以 下 6 名 (2) 調 査 期 間 平 成 19 年 1 月 12 日 から31 日 まで 3 評 価 結 果 の 概 要 (1) 実 績 の 確 認 ア 成 果 の 発 現 度 (ァ) ブカシ 警 察 署 の 市 民 警 察 としての 組 織 運 営 能 力 が 向 上 すること の 発 現 度 各 指 標 からはブカシ 警 察 署 の 市 民 警 察 としての 組 織 運 営 能 力 が 向 上 した ことが 示 されており おおむね 達 成 されたと 判 断 される また インドネ -1-

シア 国 家 警 察 上 層 部 を 始 めとする 各 方 面 からの 訪 問 及 び 視 察 がなされたこ とにより 活 動 を 見 せる という 側 面 においても 向 上 していると 言 える 指 標 1:ブカシ 警 察 署 警 察 官 の75% 以 上 が2002 年 時 に 比 べ 職 務 に 対 するインセン ティブが 高 まること( 基 礎 資 料 : 署 員 に 対 するアンケート 調 査 ) 指 標 2: 組 織 体 制 について 交 番 活 動 を 含 む 分 署 の 機 能 が 向 上 すること( 基 礎 資 料 :ブカシ 警 察 署 における 人 員 配 置 状 況 ) 指 標 3: 防 犯 指 導 交 通 安 全 指 導 等 の 市 民 生 活 に 関 連 した 活 動 が 実 施 されること ( 基 礎 資 料 :ブカシ 警 察 署 の 活 動 記 録 ) (イ) ブカシ 警 察 署 の 現 場 鑑 識 活 動 業 務 が 改 善 されること の 発 現 度 各 指 標 値 に 大 きな 成 果 が 見 られたほか 指 紋 と 写 真 の 分 野 でそれぞれ 選 出 された3 名 の 指 導 者 級 の 部 内 鑑 識 検 定 合 格 者 は 無 償 資 金 協 力 によ り 投 入 した 資 機 材 の 取 扱 説 明 用 VCD 作 成 の 中 心 的 役 割 を 果 たし また 新 規 配 置 された 係 員 に 対 する 指 導 教 養 を 率 先 して 行 うなど 具 体 的 な 成 果 が 現 れている 指 標 1:2007 年 に 現 場 鑑 識 臨 場 数 が 増 加 すること( 基 礎 資 料 :ブカシ 警 察 署 案 件 処 理 記 録 ) 指 標 2:2007 年 に 鑑 識 係 員 が 現 場 臨 場 して 指 紋 を 採 取 した 事 件 について 指 紋 採 取 個 数 が 増 加 すること( 基 礎 資 料 :ブカシ 警 察 署 臨 場 記 録 ) 指 標 3: 制 服 警 察 官 が 一 定 レベルの 現 場 保 存 を 実 施 すること( 基 礎 資 料 :ブカ シ 警 察 署 臨 場 記 録 ) 指 標 4: 鑑 識 係 員 が 高 度 の 現 場 鑑 識 の 技 術 を 習 得 するとともに 警 察 活 動 現 場 で 使 用 すること( 基 礎 資 料 :ブカシ 警 察 署 技 術 認 定 記 録 ) (ウ) ブカシ 警 察 署 管 内 の 通 信 指 令 体 制 が 改 善 されること の 発 現 度 警 察 署 管 内 の 通 信 指 令 体 制 が 改 善 される 方 向 で 前 進 したことは 間 違 い ないが 実 際 的 訓 練 を 更 に 継 続 することが 必 要 である なお メトロブカシ 警 察 署 では 今 まで 組 織 上 存 在 しなかった 通 信 指 令 室 が 試 行 的 に 立 ち 上 げられており 実 施 規 則 についても 検 討 されてい る 指 標 1:2007 年 にブカシ 警 察 署 において 通 報 に 対 応 し 処 理 された 件 数 の 割 合 が10%となること( 基 礎 資 料 :ブカシ 警 察 署 案 件 処 理 記 録 ) 指 標 2: 緊 急 通 報 等 に 対 する 通 信 指 令 体 制 が 整 備 されること( 基 礎 資 料 : 通 信 指 揮 系 統 図 無 線 管 理 簿 緊 急 通 報 受 理 簿 及 び 通 話 記 録 ) 指 標 3: 住 民 からの 通 報 に 対 するレスポンスタイムが 適 正 に 記 録 されること( 基 礎 資 料 :ブカシ 警 察 署 案 件 処 理 記 録 ) (エ) 組 織 運 営 現 場 鑑 識 及 び 通 信 指 令 に 関 連 した 訓 練 プログラムが 整 備 改 善 されること の 発 現 度 本 プロジェクトにより 多 くのマニュアルが 作 成 され また 指 導 員 も 養 成 されたことから おおむね 達 成 されたと 評 価 できる しかしながら インドネシア 国 家 警 察 全 体 の 教 育 訓 練 システムに 正 式 に 取 り 入 れられる 段 階 には 至 っていない -2-

指 標 1: 開 発 されたマニュアル 等 を 完 成 すること( 基 礎 資 料 : 各 分 野 のマニュ アル) 指 標 2:ブカシ 警 察 署 において 組 織 運 営 現 場 鑑 識 及 び 通 信 指 令 の 分 野 で2 名 以 上 の 指 導 員 が 養 成 されること( 基 礎 資 料 : 各 分 野 の 訓 練 におけるインストラクター 記 録 ) イ プロジェクト 目 標 の 達 成 度 プロジェクト 目 標 の 達 成 度 については プロジェクトの 目 標 にかんがみ 市 民 警 察 としてのブカシ 警 察 署 の 活 動 を 市 民 がどう 受 け 止 め 判 断 している かにより 判 断 される 外 部 コンサルタント(ACNielsen)による 世 論 調 査 ( 次 表 参 照 ) 等 においても 市 民 は 警 察 は 以 前 より 良 くなった とする 意 見 が 増 加 していることから ブカシ 警 察 署 において 市 民 警 察 としての 活 動 は 確 実 に 動 き 出 していると 言 える しかしながら 世 論 調 査 による 評 価 が 上 昇 した 数 値 はわずかであり 中 には 評 価 が 下 降 している 項 目 もあることなどか ら 約 370 万 人 のブカシ 市 及 びブカシ 県 住 民 の 大 半 が 警 察 改 革 を 実 感 している とはいい 難 い <ブカシ 市 県 住 民 の 警 察 に 対 する 意 識 (ACNielsen 世 論 調 査 の 結 果 (%))> 2003 年 2004 年 2006 年 この 地 域 で 法 執 行 は 機 能 しているので 安 全 だ 69 77 78 インドネシアでは 正 義 は 確 立 され 犯 罪 者 は 処 罰 されると 信 じるよう になった 71 77 77 法 を 遵 守 する 地 域 を 作 るためには 地 域 住 民 もそのための 意 識 を 持 つ ことが 必 要 だ 70 81 80 お 金 で 処 罰 を 逃 れられるこの 国 の 法 執 行 は 不 公 平 である 92 97 96 法 執 行 分 野 の 向 上 は 見 られるが それは 国 際 社 会 が 見 ている 分 野 だけ である 36 30 25 住 民 は 警 察 を 信 頼 しないので 法 を 私 物 化 する 傾 向 が 増 加 している 41 33 33 ( 注 ) 203 年 の 結 果 は 同 年 2 月 21 日 から3 月 18 日 までにブカシ 市 県 住 民 男 女 15 歳 以 上 1,620 名 からの 有 効 回 答 を 2004 年 の 結 果 は 同 年 11 月 2 日 から12 月 18 日 までに 同 じく1,619 名 からの 有 効 回 答 を 206 年 の 結 果 は 同 年 1 月 から2 月 まで ( 実 施 日 不 明 ) に 同 じく1,60 4 名 からの 有 効 回 答 を それぞれ 得 て 実 施 されたインタビュー 調 査 に 基 づくものである(A CNielesn,Jakarta, "INPandMeasurin grespons etopolic erefor minbekashi":baselin ereadin g2003,midt ermr eadin g2004,endte-r mreadin g2006.) (2) 評 価 結 果 の 要 約 ア 妥 当 性 本 プロジェクトは インドネシアの 開 発 政 策 に 合 致 し 我 が 国 の 対 インド ネシア 援 助 政 策 に 合 致 していることが 認 められる また ジャカルタ 郊 外 のブカシ 警 察 署 をプロジェクト 対 象 地 区 として 選 定 し ブカシ 警 察 署 においてインドネシア 全 国 の 警 察 改 革 のモデル 署 を 構 築 し ようとする 戦 略 及 び 組 織 運 営 通 信 指 令 及 び 現 場 鑑 識 の3 分 野 を 選 定 し 現 場 におけるOJTを 中 心 とした 技 術 移 転 と 並 行 して 意 識 改 革 を 目 指 すという -3-

手 法 は 単 に 機 材 を 使 用 しての 技 術 の 習 得 のみならず インドネシアが 改 革 すべき 要 素 の 中 で 最 も 困 難 と 位 置 付 けている 文 化 ( 意 識 ) の 改 革 と 上 位 目 標 であるプロジェクトの 成 果 の 全 国 展 開 を 念 頭 に 置 いた 極 めて 妥 当 なも のである したがって 本 プロジェクトの 妥 当 性 は 極 めて 高 い イ 有 効 性 期 待 された 成 果 が 十 分 に 挙 げられていない 分 野 があることから 市 民 警 察 としての 活 動 は 十 分 に 定 着 したとはいえない 状 況 である その 点 で プロジ ェクトの 有 効 性 は 確 保 されているが まだ 十 分 であるとは 言 えない ウ 効 率 性 若 干 の 問 題 点 は 指 摘 されるが 全 体 として 資 機 材 や 人 材 等 の 投 入 はプロ ジェクト 活 動 に 適 切 かつ 有 効 に 活 用 され 投 入 に 見 合 った 成 果 の 発 現 に 貢 献 しており 効 率 性 は 確 保 されている エ インパクト インドネシア 国 家 警 察 上 層 部 には 上 位 目 標 であるプロジェクトの 成 果 の 全 国 展 開 をできるだけ 早 く 達 成 したいという 強 い 意 志 が 見 られるものの 調 査 時 点 において 上 位 目 標 達 成 に 至 る 詳 細 な 計 画 は 示 されておらず いつ どのように 達 成 されるかを 判 断 するのは 時 期 尚 早 である オ 自 立 発 展 性 インドネシア 国 家 警 察 では 市 民 警 察 活 動 の 推 進 を 最 重 要 事 項 の 一 つと 捉 え 予 算 面 や 人 材 面 でも 優 先 するとしている 機 材 の 維 持 管 理 面 での 不 安 は あるが 全 体 として 本 プロジェクトの 自 立 発 展 性 は かなり 高 いと 見 られる (3) 結 論 全 体 として 本 プロジェクトは 妥 当 性 の 高 いプロジェクトである 本 プロジェ クトによりブカシ 警 察 署 における 警 察 官 の 意 識 改 革 は 進 展 し 市 民 警 察 として の 活 動 は 確 実 に 始 まっている すなわち プロジェクトはその 目 標 達 成 に 向 け て 大 きく 前 進 しているが 調 査 時 点 においては 主 に 次 の2 点 において 不 十 分 な 点 も 見 られた これらの 点 については プロジェクトの 残 り 期 間 内 にできる 限 り 充 実 させるとともに プロジェクト 終 了 後 の 協 力 の 在 り 方 に 対 する 検 討 を 開 始 し 協 力 期 間 終 了 までにはその 具 体 策 を 固 めることが 望 まれる ア 本 プロジェクトの 重 点 的 活 動 の 対 象 とした インドネシア 版 の 交 番 である 警 察 市 民 パートナーシップセンターにおいて 市 民 と 常 時 接 触 する 前 線 の 警 察 官 に 比 べ ブカシ 警 察 署 の 本 署 幹 部 や 分 署 長 を 始 めとする 中 間 職 におけ る 意 識 改 革 が 未 だ 十 分 ではない イ プロジェクト 実 施 途 中 において 旧 ブカシ 警 察 署 が 都 市 部 を 所 轄 するメト ロブカシ 警 察 署 とそれ 以 外 のブカシ 県 警 察 署 に 分 割 された 成 果 のすべての 項 目 において 後 発 のブカシ 県 警 察 署 は 先 発 のメトロブカシ 警 察 署 と 比 べて 遅 れが 見 られる -4-