相続税の節税対策としての生前贈与 相続税 贈与税はともに相手に渡る財産の金額に対して累進的な税率により税金がかかりま す そこで 相続税の税率よりも低い税率で贈与をすれば 相続税の節税になります 下の 図で相続税と贈与税税率を確認して下さい 贈与税は 相続税に比べ 基礎控除額が低く さらに税率が高く

Similar documents
(2) 父母 ( 祖父母 ) から子 ( 孫 ) への住宅取得等資金の贈不 父母 ( 祖父母 ) など直系尊属から その子 ( 孫 ) へ居住用の家屋の新築 取得または増改築のための金銭 ( 住宅取得等資金 ) を贈不した場合 表の通りの金額について贈不税が非課税となります また 贈不税の基礎控除

住宅取得等資金贈与の非課税特例 教育資金一括贈与の非課税特例 結婚 子育て資金贈与の非課税特例 相続時精算課税制度 贈与者 贈与年の 1 月 1 日現在で 60 歳以上の父母または祖父母 受贈者 贈与者の直系卑属 ( 子 孫 ひ孫等 ) で贈与の年の 1 月 1 日現在 20 歳以上 受贈年の合計所

Microsoft Word - 第67号 来年からの贈与税改正と相続時精算課税を選択する際の注意点

相続税・贈与税の基礎と近年の改正点

5 適用手続 ⑴ 相続時精算課税の適用を受けようとする受贈者は 贈与を受けた財産に係る贈与税の申告期間内に 相続時精算課税選択届出書 ( 贈与者ごとに作成が必要 ) を贈与税の申告書に添付して 納税地の所轄税務署長に提出する ( 相法 21の92) なお 提出された当該届出書は撤回することができない

< F2D A91B C FC90B38E9197BF>

2015 年 1 月いよいよ施行! 相続税増税の影響と対策 Part 1 相続税はどう変わる? 影響は? Part 2 相続税の負担を軽減するには?

Microsoft Word - 第53号 相続税、贈与税に関する税制改正大綱の内容

4.住宅取得等資金の非課税の適用を受ける場合編

2011年税制改正のポイント

4.住宅取得等資金の非課税の適用を受ける場合編

スライド 1

税制改正を踏まえた生前贈与方法の検討<訂正版>

平成 25 年度税制改正解説相続税 ~ 基礎控除の引き下げ 税率構造の見直し等 法定相続人の数と基礎控除法定相続人の数と基礎控除 法定相続人の数 1 人 2 人 3 人 4 人 5 人 60,000 千円 70,000 千円 80,000 千円 90,000 千円 100,000 千円 36,000

[2] 税率構造の見直し 相続税の税率構造が現行の6 段階から8 段階に変更されるとともに 最高税率が 50% から 55% に引き上げられることとなりました ただし 各法定相続人の取得金額が2 億円以下の場合の税率は と変わりありません この改正は 平成 27 年 1 月 1 日以後に相続または遺

13. 平成 29 年 4 月に中古住宅とその敷地を取得した場合 当該敷地の取得に係る不動産取得税の税額から 1/2 に相当する額が減額される 14. 家屋の改築により家屋の取得とみなされた場合 当該改築により増加した価格を課税標準として不動産 取得税が課税される 15. 不動産取得税は 相続 贈与

DIC1-MetroTax2019_00-32入稿.indd

このうち 申告納税額がある方 ( 納税人員 ) は640 万 8 千人で は41 兆 4,298 億円 申告納税額は3 兆 2,037 億円となっており 平成 28 年分と比較すると 人数 (+0.6%) (+ 3.4%) 及び申告納税額 (+4.6%) はいずれも増加しました 所得者区分別の状況イ

(3) 年金所得者公的年金等の収入金額が400 万円以下であり かつ その公的年金等の全部が源泉徴収の対象となる場合において公的年金等に係る雑所得以外の所得金額が20 万円以下である場合には 確定申告の必要はありません また 上記 (2) 又は (3) に該当する方であっても 医療費控除や住宅借入金

テキスト編 第 1 章相続税 贈与税とはなにか 目次 1 相続税が課税される理由 1 2 どれくらいの遺産がある場合 相続税は課税されるか 2 3 贈与税が課税される理由 3 4 相続税と贈与税の関係 4 第 2 章相続人と相続分 1 相続人と相続順位 5 2 相続の承認と放棄 14 3 相続人の相

1. 贈与税のながれ はじめに行う作業 1 データの 新規追加 2 税理士登録 3 受贈者登録 4 贈与者登録 贈与税申告書の作成 5 贈与税申告書 の作成 その他の帳票作成 印刷 6 税務代理権限証書 の作成 印刷 2

スライド 1

(1) 相続税の納税猶予制度の概要 項目 納税猶予対象資産 ( 特定事業用資産 ) 納税猶予額 被相続人の要件 内容 被相続人の事業 ( 不動産貸付事業等を除く ) の用に供されていた次の資産 1 土地 ( 面積 400 m2までの部分に限る ) 2 建物 ( 床面積 800 m2までの部分に限る

Ⅰ ワンルームマンション経営と節税 税務署 確定申告 税金還付 20 万 ~30 万円 ワンルーム家賃収入ローン元利返済サラリーマンマンション A 氏 1 戸所有月 70,000 円月 60,000 円 銀行 年 30,000 円 月 8,000 円 固定資産税 管理会社 1 ワンルームマンション投

(2) みなし相続財産ものか13 第1 章12 2 課税される 相続財産 の範囲 海外にある財産も課税対象となる 贈与税の暦年課税適用財産も 3 年以内は課税対象となる 葬式費用 墓地や墓碑 仏壇 仏具等は非課税 相続税の課税対象となる相続財産は (1) 被相続人が亡くなったときに所有していた財産

税法入門コース 相続税 学習スケジュール 回数学習テーマ内容 第 1 回 第 2 回 第 3 回 第 4 回 第 4 回 第 1 章 第 2 章 第 2 章 第 3 章 第 4 章 第 4 章 第 5 章 テーマ 1 相続税 贈与税とは? テーマ 2 用語の説明 テーマ 1 相続人となれる人は? テ

基本資料1-平成25年税制改正ポイント(表紙).pdf

受贈者ごとの非課税限度額 ( 注 1) 1 下記 2 以外の場合住宅用の家屋の種類 住宅用の家屋の新築等に係る契約の締結日 ( 注 3) 省エネ等住宅 ( 注 4) 左記以外の住宅 平成 27 年 12 月 31 日まで 1,500 万円 1,000 万円 平成 28 年 1 月 1 日から平成 2


Microsoft PowerPoint - ‡g‡o„´“e†iH18’Å’§›ü’³†j0403

システムインフォメーション


住宅取得等資金の贈与に係る贈与税の非課税制度の改正

暦年課税の贈与を毎年する人のデータ 暦年課税の贈与は 現金を贈与するのか不動産を贈与するのかで違ってきます 土地は路線価方式または倍率方式で評価し建物は固定資産税評価額で評価しますので 現金での贈与の場合よりも税率は低くなります ただし不動産の贈与では 土地や建物の贈与または共有持分の贈与になります

4. 平成 27 年度税制改正の概要 (1) 住宅の取得に関わる税制 登録免許税 不動産取得税 改正項目ヘ ーシ 改正内容 所有権保存登記 所有権移転登記 所有権の信託 抵当権設定の登記の軽減措置 税率の軽減措置 宅地評価土地の課税標準の軽減措置 軽減税率の適用期限を平成 27 年 3

記号 欄 税務署長 年 月 日提出 書きかた 住所地を所轄する税務署名を記入します 申告書の提出年月日を記入します 平成 年分 住所 氏名 及び フリガナ の中に 30 と記入します 住所 住所地の郵便番号及び電話番号を記入します 申告をする人の氏名及びフリガナを記入します フリガナの濁点 や半濁点

平成 31 年度住宅関連税制改正の概要 ( 一社 ) 住宅生産団体連合会 平成 31 年 3 月 (1) 住宅ローン減税の拡充 ( 所得税 個人住民税 ) 消費税率 10% が適用される住宅取得等をして 2019 年 10 月 1 日から 2020 年 12 月 31 日までの間にその者の居住の用に

配偶者の税額軽減特例の有利な受け方 配偶者がいる場合の 相続税の具体的な計算例は以下の通りです 1. 設例 自宅 預貯金等の相続財産の遺産額 =2 億円 法定相続人 = 配偶者 + 子 2 人の合計 3 人 実際の遺産分割は 法定相続分の通りとする 未成年者控除 外国税額控除 生命保険金の非課税枠金

2011年度税制改正大綱(相続・贈与税)

平成29年 住宅リフォーム税制の手引き 本編_概要

<4D F736F F F696E74202D208DA1944E937882CC89FC90B E937882CC89FC90B382C697AF88D3935F81838E9197BF >

の範囲は 築 20 年以内の非耐火建築物及び築 25 年以内の耐火建築物 ((2) については築 25 年以内の既存住宅 ) のほか 建築基準法施行令 ( 昭和二十五年政令第三百三十八号 ) 第三章及び第五章の四の規定又は地震に対する安全上耐震関係規定に準ずるものとして定める基準に適合する一定の既存

1.修正申告書を作成する場合の共通の手順編

問題 1 1 問題 1 1 納税義務者 相続税の納税義務者及び課税財産の範囲 課税価格 1 納税義務者 ⑴ 次に掲げる者は 相続税を納める義務がある 1 居住無制限納税義務者 ( 法 1 の 3 1 一 ) 相続又は遺贈により財産を取得した個人でその財産を取得した時において法施行地に住所を有するもの

やさしい税金教室

法人会の税制改正に関する提言の主な実現事項 ( 速報版 ) 本年 1 月 29 日に 平成 25 年度税制改正大綱 が閣議決定されました 平成 25 年度税制改正では 成長と富の創出 の実現に向けた税制上の措置が講じられるともに 社会保障と税の一体改革 を着実に実施するため 所得税 資産税についても

相続人の居住用または事業用の宅地については2 割または5 割評価にするという小規模宅地等の評価減の特例があるが 平成 22 年度税制改正により 原則として申告期限まで居住または事業を継続していなければ適用が認められなくなっている 今回 基礎控除額が引き下げられることと合わせ 都市部の独居老人が亡くな

目 次 最近における相続税の課税割合 負担割合及び税収の推移 1 地価公示価格指数と基礎控除(58 年 =100) の推移 2 最近における相続税の税率構造の推移 3 小規模宅地等の課税の特例の推移 4 相続税負担の推移( 東京都区部のケース ) 5 ( 補足資料 ) 相続税の概要 6 相続税の仕組

受贈者ごとの非課税限度額 ( 注 1) 1 下記 2 以外の場合住宅用の家屋の種類 住宅用の家屋の新築等に係る契約の締結日 ( 注 3) 省エネ等住宅 ( 注 4) 左記以外の住宅 平成 27 年 12 月 31 日まで 1,500 万円 1,000 万円 平成 28 年 1 月 1 日から平成 3

税金読本(13-2)直系尊属からの贈与の贈与税非課税制度

相続税計算 例 不動産等の評価財産の課税評価額が 4 億 8 千万円 生命保険金の受取額が 2 千万円 現金 預金等が 4 千万円 ローン等の債務及び葬式費用等が 3 千万円である場合の相続税を計算します 相続人は妻と 2 人の子供の 3 人です ( 評価額を計算するには専門知識を要します 必ず概算

未成年者控除 障害者控除の見直し 未成年者控除 障害者控除 6 万円 20 歳に達するまでの年数 6 万円 ( 特別障害者 :12 万円 ) 85 歳に達するまでの年数 10 万円 20 歳に達するまでの年数 10 万円 ( 特別障害者 :20 万円 ) 85 歳に達するまでの年数 小規模宅地等につ

内に 耐火建築物以外の建物についてはその購入の日以前 20 年以内に建築されたものであること 地震に対する安全上必要な構造方法に関する技術的基準又はこれに準ずるものに適合する一定の中古住宅 を 平成 17 年 4 月 1 日以降に取得した場合には 築年数に関係なく適用が受けられます (56ページ 一

土地建物等の譲渡損失は 同じ年の他の土地建物等の譲渡益から差し引くことができます 差し引き後に残った譲渡益については 下記の < 計算式 2> の計算を行います なお 譲渡益から引ききれずに残ってしまった譲渡損失は 原則として 土地建物等の譲渡所得以外のその年の所得から差し引くこと ( 損益通算 )

税金のいろいろ所得税の計算の税金サラリーマン20 生活の税金株式の税金事業の税金不動産の税金贈与の税金相続の税金(2) 適用を受けるための主な要件 取得又は増改築等をした日から6か月以内に居住すること 住宅の床面積が50m 2 以上で取得又は増改築後の家屋の床面積の1/2 以上が居住用であること 中

所得税確定申告セミナー

叔父から財産の贈与(1~3) を受けた場合 1/1 12/31 2/1 3/15 相選養続択与子贈時届贈精出縁与算書与 1組課提2 税出3 暦年課税相続時精算課税 養子縁組前の贈与 1については 暦年課税により贈与税額を計算し 養子縁組以後の贈与 2 及び 3は 相続時精算課税により贈与税額を計算し

1.一般の贈与の場合(暦年課税)編

この特例は居住期間が短期間でも その家屋がその人の日常の生活状況などから 生活の本拠として居住しているものであれば適用が受けられます ただし 次のような場合には 適用はありません 1 居住用財産の特例の適用を受けるためのみの目的で入居した場合 2 自己の居住用家屋の新築期間中や改築期間中だけの仮住い

コピー又は web からダウンロードしてご使用ください 答案用紙 Chapter1 問題 1 個人とみなされる納税義務者 Ⅰ 相続人及び受遺者の相続税の課税価格の計算 1 遺贈財産価額の計算 ( 単位 : 千円 ) 取得者財産の種類計算過程金額 2 生前贈与加算される贈与財産の額の計算 ( 単位 :

である 12 遺留分とは 遺言の内容にかかわらず一定の相続人が確実に受け取ることができる一定の 割合のことである 直系尊属のみが相続人である場合は 被相続人の財産の 1/3 その 他の場合には 被相続人の財産の 1/2 である ただし 兄弟姉妹には遺留分はない 13 相続の放棄は 被相続人の生前に行

おき 太郎様 Inheritance Report 相続診断書 税理士法人おき会計 平成 28 年 7 月 20 日作成

各年の住宅ローン控除額の算出 所得税から控除しきれない額は住民税からも控除 当該年分の住宅ローン控除額から当該年分の所得税額 ( 住宅ローン控除の適用がないものとした場合の所得税額 ) を控除した際に 残額がある場合については 翌年度分の個人住民税において 当該残額に相当する額が 以下の控除限度額の

Microsoft Word - 平成15年税制改正(2).doc

★889133_相続税ハンドブック_本体.indb

相続税 贈与税の基本がよくわかる! 誰が相続人になるの? 税額はどのようにして求めるの? 土地 建物の評価はどうするの? 住宅取得資金の贈与は最大 3,000 万円が非課税に? 教育資金や結婚 子育て資金の贈与は非課税に? 新しくできる配偶者居住権ってどんなもの? etc.

< F31322D89FC90B390C C18F578D8692C7985E5B315D2E6A74>

(4) 宅地建物取引士の欠格要件について定める第十八条第一項の五号の二の次に次の号が 付け加えられました 五の三暴力団員等 ( 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律第二条第六号に規 定する暴力団員又は同号に規定する暴力団員でなくなった日から五年を経過しない者 ) (5) 更新日前でも手数料を

3種類の贈与税非課税制度を使いこなす

3.相続時精算課税の適用を受ける場合編

日興証券

原稿4.xls

土地の譲渡に対する課税 農地に限らず 土地を売却し 譲渡益が発生すると その譲渡益に対して所得税又は法人税などが課税される 個人 ( 所得税 ) 税額 = 譲渡所得金額 15%( ) 譲渡所得金額 = 譲渡収入金額 - ( 取得費 + 譲渡費用 ) 取得後 5 年以内に土地を売却した場合の税率は30

一戸建ての自宅を所有している人のデータ 東京都内やその近郊など路線価の高い宅地に一戸建ての自宅を所有し その他に預貯金や有価証券を保有している人の相続税シミュレーションになります 路線価が高いと自宅の敷地の面積が広くなくても その宅地の評価額は高額になりますので この宅地に対して小規模宅地等の特例が

ラリーマン 相続税の申告は? 45 相続税の申告はどのようにすればよいのでしょうか 相続が開始したことを知った日 ( 通常は被相続人が死亡した日 ) の翌日から 10 か月以内に 被相続人の住所 地の所轄税務署に申告し 相続税を納付する必要があります 申告書を提出する人が 2 名以上いる場合は 共同

N 譲渡所得は 売却した土地や借地権 建物などの所有期間によって 長期譲渡所得 と 短期譲渡所得 に分けられ それぞれに定められた税率を乗じて税額を計算します この長期と短期の区分は 土地や借地権 建物などの場合は 売却した資産が 譲渡した年の1 月 1 日における所有期間が5 年以下のとき 短期譲

2 税額控除等の計算 ( 単位 : 円 ) 項目対象者計算過程金額 答案用紙 Chapter2 問題 3 課税価格の計算 Ⅰ 相続人及び受遺者の相続税の課税価格の計算 1 分割財産価額の計算 ( 単位 : 千円 ) 2 みなし取得財産価額の計算 ( 単位 : 千円 ) 取得者財産の種類計算過程金額

平成16年版 真島のわかる社労士

東京太郎様 Inheritance Report 相続診断書 弁護士法人 税理士法人リーガル東京 平成 30 年 8 月 20 日作成

N 譲渡所得は 売却した土地や借地権 建物などの所有期間によって 長期譲渡所得 と 短期譲渡所得 に分けられ それぞれに定められた税率を乗じて税額を計算します この長期と短期の区分は 土地や借地権 建物などの場合は 売却した資産が 譲渡した年の1 月 1 日における所有期間が5 年以下のとき 短期譲

注 1 認定住宅とは 認定長期優良住宅及び認定低炭素住宅をいう 注 2 平成 26 年 4 月から平成 29 年 12 月までの欄の金額は 認定住宅の対価の額又は費用の額に含まれる消費税等の税率が 8% 又は 10% である場合の金額であり それ以外の場合における借入限度額は 3,000 万円とする

Microsoft Word - 東日本大震災により被害を受けた場合の相続税・贈与税の取扱い

1. 相続税 (1) 基礎控除額の引き下げ 1) 改正の趣旨現在 ( ) の相続税の仕組みは 下図の通りです すなわち 合計課税価格から 基礎控除額を除いた課税遺産総額が相続税の計算の対象となるため 合計課税価格が基礎控除額の範囲内である場合には 相続税が課税されません その結果として 現状の相続税

平成 22 年 12 月 7 日 資料 ( 資産課税 )

控除の種類判定 次の表に従い 対象となる控除を判定します 区分対象となる控除該当ページ 一般住宅の新築等 A 一般住宅の新築等に係る住宅借入金等特別控除 3 ページ 認定住宅の新築等 A2 認定住宅の新築等に係る住宅借入金等特別控除 4 ページ 中古住宅の購入 A3 中古住宅の購入に係る住宅借入金等

給与所得控除額の改正前後の比較 改正前 改正後 給与等の収入金額給与所得控除額給与等の収入金額給与所得控除額 180 万円以下 収入金額 40% 65 万円に満たない場合は 65 万円 180 万円以下 収入金額 40%-10 万円 55 万円に満たない場合は 55 万円 180 万円超 360 万

1 サラリーマンが 1 年間にもらった給料やボーナスなどの 収入には所得税がかかります 収入金額から給与所得控 除額を控除した金額が所得の金額となり 給与から源泉 徴収された所得税は 年末調整で精算されます 給与などの年間収入合計額が 2,000 万円を超える人 給与所得と退職所得以外の所得の金額の

契約をするとき 契約書に貼る印紙税不動産取引で取り交わす契約書は 印紙税の対象となります 具体的には 不動産の売買契約書や建物の建築請負契約書 土地賃貸借契約書 ローン借入時の金銭消費貸借契約書等がこれに当たります 印紙税の額は 契約書に記載された金額によって決定されます 原則として 収入印紙を課税

野村資本市場研究所|顕著に現れた相続税制改正の影響-課税対象者は8割増、課税割合は過去最高の8%へ-(PDF)

1 病気になったら 給与と税金 サラリーマンが 1 年間にもらった給料やボーナスなどの 収入には所得税がかかります 収入金額から給与所得控 除額を控除した金額が給与所得の金額となり 給与から 源泉徴収された所得税は 年末調整で精算されます 配偶者その他の親族のために支払った 医療費がある場合は 下記

<ライフプランニング>

住宅税制の概要 1 住宅の取得に係る税制 ( 注 ) を付した部分は 平成 22 年度税制改正により改正されたもの ( 1) 所得税 住宅ローン減税 ( 租 41) ( 国税 ) 住宅の新築 取得又は増改築等をした場合 10 年間 住宅ローン等の年末残 個人住民税 高の1.0%( 長期優良住宅につい

自宅の他に賃貸マンションと駐車場を所有している人のデータ 自宅の他に賃貸マンションと駐車場を所有している人の 法定相続人の数と相続財産および債務のデータから相続税を試算します 賃貸マンションについては全室が賃貸用かどうか 駐車場については舗装がしてあるかどうかで評価額が違ってくることがあります また

課税遺産総額 = 各人の課税価格 ( ア ) の合計額 - 遺産に係る基礎控除額ウ相続税の総額の計算 1 課税遺産総額を法定相続人が法定相続分に応じて取得したものと仮定し 各人ごとの取得金額を計算する 2 1に税率をかけ 各人の税額を合計する (= 相続税の総額 ) エ各人の相続税額の計算相続税の総

障財源化分とする経過措置を講ずる (4) その他所要の措置を講ずる 2 消費税率の引上げ時期の変更に伴う措置 ( 国税 ) (1) 消費税の軽減税率制度の導入時期を平成 31 年 10 月 1 日とする (2) 適格請求書等保存方式が導入されるまでの間の措置について 次の措置を講ずる 1 売上げを税

相続税対応策と土地活用 ~ これだけは押さえておきたい ~ ラジオ NIKKEI 公開録音土地活用セミナー 2014 年 7 月 26 日 税理士奥村眞吾

Microsoft Word 常発041号 改正相続税法等の周知について(・

Microsoft Word - 36号事業承継.doc

システムインフォメーション

配偶者がいる人の一次相続と二次相続のデータ 被相続人に配偶者がいる一次相続と 配偶者がいない二次相続の相続税シミュレーションを行います 配偶者の税額軽減は その節税効果が大きいために一次相続で相続税を大幅に減額することができますが 次の二次相続では想定外の相続税が発生することがあります 配偶者がいる

Transcription:

上手に財産贈与 ~ 自分の大切な財産を引き継ぐために 贈与を上手に利用されることをおすすめします ~ 生前に財産を贈与する場合は 1 年間に 110 万円までなら贈与税はかかりませんが 110 万円 ( 基礎控除 ) を超えた財産贈与には 累進的な税率により贈与税がかかります 基礎控除後の金額 税率 控除額 200 万円以下 10% - 200 万円超 300 万円以下 15% 10 万円 300 万円超 400 万円以下 20% 25 万円 400 万円超 600 万円以下 30% 65 万円 600 万円超 1000 万円以下 40% 125 万円 1000 万円超 50% 225 万円 そこで 贈与税の特例を上手に活用すれば (1) 夫婦間の居住用不動産の贈与をする場合 婚姻期間 20 年以上の夫婦間なら住宅及び住宅取得資金について 2000 万円まで非課税に なります ( 基礎控除分を含めると 2110 万円まで ) (2) 父母 ( 祖父母 ) から子 ( 孫 ) への住宅取得等資金の贈与をする場合 ( 受贈者ごとの非課税限度額 / 平成 24 年 ~ 平成 26 年中の贈与に限る ) 平成 24 年 平成 25 年 平成 26 年 省エネ等住宅 1500 万円 1200 万円 1000 万円 上記以外の住宅 1000 万円 700 万円 500 万円 * 基礎控除を含めると 例えば省エネ住宅を平成 24 年に取得した場合 1610 万円まで非課税枠があります * 住宅の新築に先行して土地を取得する場合の資金も含まれることになりました (3) 相続時精算課税 親から子へ財産を贈与する場合 2500 万円まで非課税になります * 住宅取得等資金の贈与に係る相続時精算課税の特例の適用期限が 平成 26 年 12 月 31 日まで 3 年間延長されます さらに上記を組み合わせることで 親から子への住宅取得 増改築資金の贈与なら平成 24 年中は最大 4000 万円まで 平成 25 年では最大 3700 万円まで非課税になります ( 1) 1 相続発生時に 相続税として課税される場合もあります なお 上記特例については細かな適用要件があり 贈与税の申告も必要となります 詳細は税理士法人みらいまでおたずねください 税理士法人みらい資産税部門 電話 042-422-7440 info@tax-mirai.or.jp

相続税の節税対策としての生前贈与 相続税 贈与税はともに相手に渡る財産の金額に対して累進的な税率により税金がかかりま す そこで 相続税の税率よりも低い税率で贈与をすれば 相続税の節税になります 下の 図で相続税と贈与税税率を確認して下さい 贈与税は 相続税に比べ 基礎控除額が低く さらに税率が高くなっています これは 相 続税の課税逃れのために生前に贈与されないようにするためです しかし 贈与税は 人と 時期を分けることにより節税が可能です その結果 相続税の節税になります 税率 贈与税 基礎控除後の金額 控除額 相続税 法定相続人の法定相続分に応じる各取得金額 10% 200 万円以下 - 1000 万円以下 - 15% 300 万円以下 10 万円 3000 万円以下 50 万円 控除額 20% 400 万円以下 25 万円 5000 万円以下 200 万円 30% 600 万円以下 65 万円 1 億円以下 700 万円 40% 1000 万円以下 125 万円 3 億円以下 1700 万円 50% 1000 万円超 225 万円 3 億円超 4700 万円 節税対策として生前贈与を効果的に利用するには まず自分の財産について何がいくらあるのかを知る必要があります その上で相続税額を計算して何パーセントの税率が適用されているのか把握しなければなりません その税率より低い贈与税率で贈与出来れば節税出来ることになります 例えば... 相続財産 6 億円 法定相続人は子供 2 人のみの場合 (6 億円 - 基礎控除額 7 千万円 ) 2 人 =2.65 億円 相続税の税率 40% 贈与税の税率 20% の課税価格 400 万円と基礎控除額 110 万円の合計 510 万円以下で贈与すれば 相続税の節税になります 計算例 - 何もしない場合 - 相続税額 2.65 億円 40%-1700 万円 =8900 万円 2 人分 1.78 億円 - 子供二人にそれぞれ毎年 500 万円ずつ 10 年間贈与をした場合 - 贈与税毎年の納税額 106 万円 10 年間で 1060 万円 (2 人分 ) 相続税 2.15 億円 40%-1700 万円 =6900 万円 2 人分 1.38 億円納税の総額 1.486 億円 差額 2940 万円の節税になります

(1) 夫婦間の居住用不動産の贈与 婚姻期間が 20 年以上の夫婦間で居住用不動産 または居住用財産を取得するための資金の贈与を行った時は 贈与された金額から 2000 万円まで控除される特例があります 贈与税の基礎控除 110 万円とあわせると 最高 2110 万円まで贈与税がかからずに居住用財産 またはその取得のための資金の贈与を行えます メリット この特例を受けて贈与された居住用不動産 またはその取得のための資金は 相続発生時に相続 財産に含めないこととすることができます 対象者等 婚姻期間 20 年以上の夫婦 * 同じ夫婦間では一生に一度しか特例を受けることが出来ません 適用要件 贈与された財産が 自分が住むための居住用不動産であること または居住用不動産を取得するための金銭であること 贈与された年の翌年の 3 月 15 日までに 贈与された居住用不動産 または贈与された金銭で取得した居住用不動産に居住し かつその後も引き続き居住する見込であること 手続 贈与を受けた年の翌年 3 月 15 日までに 贈与税の申告書に必要書類を添付し 所轄税務署へ提出する

(2) 父母 ( 祖父母 ) から子 ( 孫 ) への住宅取得等資金の贈与 父母 ( 祖父母 ) など直系尊属から その子 ( 孫 ) へ居住用の家屋の新築 取得または増改築のための金銭 ( 住宅取得等資金 ) を贈与した場合 表の通りの金額について贈与税が非課税となります また 贈与税の基礎控除 110 万円と併用出来ますので 非課税限度額が 110 万円増えます

(2) 父母 ( 祖父母 ) から子 ( 孫 ) への住宅取得等資金の贈与 -2 メリット 非課税の適用を受けた住宅取得等資金相当額は 相続税の課税価格に加算する必要はありません ので 相続税の観点からもメリットがあります 対象者等贈与者 ( 贈与をする人 ) は直系尊属 ( 父母 祖父母等 ) 受贈者 ( 贈与を受ける人 ) は20 歳以上の直系卑属 ( 子 孫等 ) 受贈者は贈与を受けた年の合計所得金額が2000 万円以下であること 適用要件 平成 24 年 平成 25 年 平成 26 年の贈与に限る 居住用の家屋及びその敷地の購入資金 増改築の費用としての金銭の贈与であること 居住用家屋そのものの贈与について適用は出来ません 贈与を受けた年の翌年 3 月 15 日までに家屋の引渡を受け 同日までに居住すること または 同日後その家屋に居住することが確実であると見込まれること 手続 贈与を受けた年の翌年 3 月 15 日までに 非課税制度の適用を受ける旨を記載した贈与税の申告書に必要書類を添付し 所轄税務署へ提出する

(3) 相続時精算課税 相続時精算課税は 65 歳以上の親から 20 歳以上の子への贈与時に 贈与財産に対する贈与税を納め 贈与者が亡くなったときに相続税額からすでに納めた贈与税相当額を控除することにより贈与税 相続税を通じた納税を行うものです 相続時精算課税には 複数年にわたり利用できる 2500 万円の特別控除があり 相続時精算課税を選択した場合 贈与された金額から 2500 万円まで控除を受けられます 特別控除額を超えた部分に対しては贈与税を納め ( 一律税率 20%) 相続時に贈与税相当額を相続税から控除します 相続時精算課税を選択した場合 贈与された財産は相続時に贈与時の価格で相続財産に加算されます 贈与を受ける人が居住用のための家屋の新築もしくは取得 居住している家屋の増改築のための金銭 ( 住宅取得等資金 ) の贈与を受けるときは 親が 65 歳未満であっても相続時精算課税を選択できる特例があります ( 平成 26 年中の贈与まで ) * 相続時精算課税の仕組み

(3) 相続時精算課税 -2 メリット 1( 早期の財産移転が出来る ) 相続財産の金額が基礎控除以下であれば 税負担もなく財産移転が早めに実行出来る 2( 多額の生前贈与が出来る )2500 万円までは贈与税がかからないため まとまった金額の生前贈与がやりやすい 税負担がないわけではありません 3( 生前に財産分与が出来る ) 生前に贈与することで 財産分与を自分の思い通りに進めることが出来る デメリット 1 暦年課税に戻れない 相続時精算課税を選択した贈与者については 選択後暦年課税に戻ることが出来ない 2 相続財産を減らすことが出来ない 相続時精算課税で取得した財産は 相続税の計算時に加えられるので 相続財産自体を減らすことにはならない 3 小規模宅地等の特例の適用は出来ない 相続時精算課税で取得した財産は 贈与時 相続時のどちらでも小規模宅地等の減税特例が適用出来ない 対象者等贈与者 ( 贈与をする人 ) は65 歳以上である親 * 居住用の家屋の新築 取得または増改築のための金銭の贈与の時は65 歳未満でも可受贈者 ( 贈与を受ける人 ) は20 歳以上の贈与者の推定相続人であること 適用要件 65 歳以上の親からの贈与の場合は どのような財産にも適用されます 65 歳未満の親から住宅取得等資金の贈与の特例を受けるための要件は 以下のようになります 平成 26 年中の贈与まで 家屋の新築のための金銭の贈与 建売住宅または建築後 20 年以内 ( マンション等耐火建築物の場合は建築後 25 年以内 ) の中古住宅もしくは地震に対する安全性の基準に適合する中古住宅の取得のための金銭の贈与 居住している家屋の増改築の費用 (100 万円以上 ) のための金銭の贈与 贈与を受けた年の翌年 3 月 15 日までにその金銭の全部を住宅の取得もしくは増改築等の費用に充てていること 贈与を受けた年の翌年 3 月 15 日までにその家屋に居住しているか 居住することが確実であると見込まれること 手続 相続時精算課税を選択した最初の贈与を受けた年の翌年 3 月 15 日までに 相続時精算課税選択届出書 を必要書類とともに贈与税の申告書に添付し 所轄税務署へ提出する