無実の死刑囚・元プロボクサー 袴田巌さんを救おう

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棄却決定の問題点

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丙は 平成 12 年 7 月 27 日に死亡し 同人の相続が開始した ( 以下 この相続を 本件相続 という ) 本件相続に係る共同相続人は 原告ら及び丁の3 名である (3) 相続税の申告原告らは 法定の申告期限内に 武蔵府中税務署長に対し 相続税法 ( 平成 15 年法律第 8 号による改正前の

三衆議院議員稲葉誠一君提出再審三事件に関する質問に対する答弁書一について捜査当局においては 今後とも 捜査技術の一層の向上を図るとともに 自白の信用性に関し裏付け捜査を徹底する等十全な捜査の実施に努めるべきものと考える 二について再審三事件の判決においては いずれも被告人の自白の信用性に関する指摘が

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同黒柳安生 同田畑知久 同岡島順治 同小川央 同中川真 同伊豆田悦義 同村松奈緒美 同葦名ゆき 同戸舘圭之 同指宿昭一 同加藤英典 同髙橋右京 同佐野雅則 - 2 -

的にも影響があるので, 期間をできるだけ短縮することに向けて尽力していただきたい 争点がない事件でも三, 四か月かかるということであるが, 結構時間がかかっているという印象である 事案によっては, 慎重にしなければならないが, 争点がない事件では2か月くらいでできるのではないか 一般人からして裁判は

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控訴人は, 控訴人にも上記の退職改定をした上で平成 22 年 3 月分の特別老齢厚生年金を支給すべきであったと主張したが, 被控訴人は, 退職改定の要件として, 被保険者資格を喪失した日から起算して1か月を経過した時点で受給権者であることが必要であるところ, 控訴人は, 同年 月 日に65 歳に達し

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7 という ) が定める場合に該当しないとして却下処分 ( 以下 本件処分 という ) を受けたため, 被控訴人に対し, 厚年法施行令 3 条の12の7が上記改定請求の期間を第 1 号改定者及び第 2 号改定者の一方が死亡した日から起算して1 月以内に限定しているのは, 厚年法 78 条の12による

していた ところが合議では 裁判長と右陪席裁判官は有罪を主張し 多数決で死刑判決が決まった 確固たる有罪の立証がなされていなかったので 合議では他の裁判官を説得できると思っていた かなり強い口調で他の裁判官に詰め寄ったが 及ばなかった 合議結果を受けて 自分が 死刑に処す という心にもない死刑判決を

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中で 否認に転じて 無罪を主張した しかし 菅家氏の無罪主張は認められず 1993 年 7 月 7 日に宇都宮地裁 ( 久保真人裁判長 ) で無期懲役判決 1996 年 5 月 9 日に東京高裁 ( 高木俊夫裁判長 ) で控訴棄却 2000 年 7 月 17 日に最高裁第二小法廷 ( 亀山継夫裁判長

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非常に長い期間, 苦痛に耐え続けた親族にとって, 納得のできる対応を日本政府にしてもらえるよう関係者には協力賜りたい ( その他は, 上記 (2) と同旨であるため省略する ) (4) 意見書 3 特定個人 Aの身元を明らかにすること及び親子関係の証明に当たっては財務省 総務省において, 生年月日の

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次のように補正するほかは, 原判決の事実及び理由中の第 2に記載のとおりであるから, これを引用する 1 原判決 3 頁 20 行目の次に行を改めて次のように加える 原審は, 控訴人の請求をいずれも理由がないとして棄却した これに対し, 控訴人が控訴をした 2 原判決 11 頁 5 行目から6 行目

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ンダ氏は再勾留されることとなった 重要なことは ゴビンダ氏の勾留を認めたのは 控訴審が係属する高裁の裁判部である東京高裁刑事第 4 部だということである 同裁判部が 罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由 があると判断したことから その後の 異議申し立てについて判断した東京高裁刑事 5 部も 特別抗

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た損害賠償金 2 0 万円及びこれに対する遅延損害金 6 3 万 9 円の合計 3 3 万 9 6 円 ( 以下 本件損害賠償金 J という ) を支払 った エなお, 明和地所は, 平成 2 0 年 5 月 1 6 日, 国立市に対し, 本件損害賠償 金と同額の 3 3 万 9 6 円の寄附 (

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0 月 22 日現在, 通帳紛失の総合口座記号番号 特定番号 A-B~C 担保定額貯金 4 件 ( 特定金額 A): 平成 15 年 1 月 ~ 平成 16 年 3 月 : 特定郵便局 A 預入が証明されている 調査結果の回答書 の原本の写しの請求と, 特定年月日 Aの 改姓届 ( 開示請求者本人

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Ⅰ 被害者が記帳台に置いた封筒に現金 66,600 円が在中していたか? 一審判決は本件当日の朝 自宅を出る前に本件封筒の中に現金が入っているのを目視で確認したとの被害者の供述は これを信用することができる ( 弁護人が供述の変遷等として指摘する部分は いずれもこの供述の根幹部分に関わるものではない

目次 第 1 はじめに 4 第 2 裁判員制度の目的 5 第 3 対象事件の拡大と選択権 6 第 4 捜査のあり方 と 審理のあり方 の組み合わせが引き起こす問題 7 1 証拠の厳選 により 捜査の不可視化 が起こる 2 捜査のあり方の改革を ⑴ 捜査全過程の記録化 ⑵ 被疑者取り調べの全過程の録音

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原議保存期間 5 年 ( 平成 27 年 12 月 31 日まで ) 各都道府県警察の長 殿 警察庁丙刑企発第 43 号 ( 参考送付先 ) 平成 22 年 2 月 25 日 各附属機関の長 警察庁刑事局長 各地方機関の長庁内各局部課長 美容外科手術を行っている医師の団体に属する会員等からの指名手配

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Transcription:

検察官は即時抗告を取り下げろ! 東京高裁は即時抗告を棄却しろ! 無実の袴田さんに無罪判決を! 第 54 号 2015 年 6 月 30 日 袴田巌さんを救援する清水 静岡市民の会 424-0006 静岡市清水区石川本町 16-18 電話 :054-366-2468 FAX:054-366-2475 郵便振替口座 : 番号 00890-7-185276 名称 : 清水 静岡袴田巌救援会ホームページアドレス :http://hakamada2.exblog.jp/ 日時 :6 月 28 日 ( 日 ) 午後 1 時 20 分から 場所 : 清水テルサ 6F 研修室 JR 清水駅東口徒歩 5 分有料駐車場有り 集会協力金 :500 円をおねがいします ゲスト : 仙台 筋弛緩剤えん罪事件 ( 北陵クリニック事件 ) えん罪被害者 : 守大助さんのご両親 守勝男 祐子さん 至 : 静岡 至 : 東京 至 : 静岡 J R 駅清水 清水テルサ 漁 港 報告 : 福地明人弁護士 ( 袴田事件弁護団 ) B をサイズと偽った検察官 40 年前のズボンの装着実験 ( 仮題 ) 発言 : 袴田巌さん 袴田ひで子さん - 1 -

Free Hakamada Now! DNA検証実験 三者協議をどう見るか 代 表 楳 田 民 夫 三者協議は混迷停滞しているように見えますね DNA検証実験の内容がまとま らない 一支援者が漏れてくる情報を頼りに外から見てどう見えるかということで すのでどこまで正しいのか何とも言えませんが 筆者は農芸化学科で理系ですので その頭で雑感を書いてみます なんで混迷するかですが 当然ながら弁護団と高検では立場が対立する その両 者が共同の検証実験を やるということはお互 いが相当譲歩しないと 意見の一致はあり得ま せん しかし 両者と も相当の譲歩などした くはありませんから妥 協の産物を作ることは 元々無理な話です そ こで裁判官が職権を持 ってこういう検証実験 をやるからと 独自に 話を進めなければまと まる構図ではありませ ん しかし 裁判官は 何らかの検証実験をや ってから決定を出した いという強い意向はあ るものの 何を検証す るか明確な方針がない 科学者の研究であれば 何を解明したいか論理 的に目的が絞られてか ら実験が計画される訳 ですから検証目的があ いまいということはあ りえないはずですが 大 -2-

島裁判官は検証したい内容を本田鑑定人の 血液成分の選択的抽出法の効果 に絞り込んだまではよしとしても その先が具体的にない その段階で検証実験に使用するサンプルは何を使うか 実験を委託する専門家を誰にするか具体的に決めようと弁護団と高検の双方に意見を求めている これでは協議が混迷するのは当然です 問題の解決には裁判官がどうしたいのか何を検証したいのか更に絞りこみ 自から検証実験を指揮すべきです 弁護側は DNA 検証実験は不要 と主張してきました 本来それが正解だと私は思います 五点の衣類の内 半袖シャツの右肩の血痕は袴田さん以外であることが弁護側 検察側双方の鑑定人が結論を出した事実は 血液成分の選択的抽出法の効果 の有無によって揺らぐものではありません 血液成分の選択的抽出法の効果がどの程度であろうとも 検出された DNAの型に影響を与えることはあり得ないからです 仮に効果がないとしても袴田さん以外のDNAがそこにあった事実は変わらないからです そういう意味で 血液成分の選択的抽出法の効果 の検証は無意味です 弁護団としては一日も早い再審開始を配慮して 高検ではなく裁判官の検証実験の実施方針に譲歩した訳です 検察側は一貫してDNAコンタミ ( 汚染 ) 説をとっていますが 血液付着試料から DNA 型が検出され 血液が付いていない対象試料からは何も出ませんでした そしたら検出されたDNA 型は血液由来を考えるのが自然です 仮に血液付着試料からDNA 型がコンタミであるとすると 血液由来に DNAがどこかにすべて消え去り コンタミ ( 汚染 )DNA 型のみが検出されたことになります このような奇妙な現象が起こることを検察側も立証できていません したがってD NA 問題は本来すでに決着がついていると思います (2015.06.15) 東京高裁 高検要請行動 日時 :7 月 10 日 ( 金 ) 午前 11 時 55 分 場所 : 東京高裁前集合 12 時から東京高裁前宣伝行動 13 時から東京高裁要請行動 14 時から東京高検要請行動 15 時 15 分弁護団 DNA 検証三者協議への送り出し行動私たちにできることは 1. 検察官に即時抗告 ( 不服申し立て ) を取り下げることを求めることです 2. 東京高等裁判所に 検察官の即時抗告 ( 不服申し立て ) を棄却するよう求めることです 現在署名を集めていますので ご協力ください - 3 -

届かなかった手紙 13,000 通 事務局長山崎俊樹 5 月初め 浜松 袴田巌さんを救う市民の会 アムネスティ日本支部および静岡グループの方々の手によって 袴田さんに送られてきた手紙やハガキ類の整理 分類作業が行われた その数は外国から約 12,000 通以上 国内約 1,000 通以上の膨大な数である これらのハガキや手紙は獄中の袴田さんに届くことはなかった つまり 東京拘置所が袴田さんに見せることなく保管していたもので 昨年 3 月 27 日の保釈と同時に 袴田さんに返却されたものである 支援の経過 1966 年 8 月 18 日 袴田さんは清水警察署に逮捕された そして 201 4 年 3 月 27 日に釈放 しかし 19 80 年 11 月 19 日に死刑が確定した死刑囚である 袴田さんへの支援の歴史は 1968 年 9 月以降の控訴審 ( 東京高裁 ) から始まる 主にボクシング関係者が私的に関わり公判の傍聴と差し入れ程度のささやかな支援活動であった その後 - 4 -

70 年代の学生 市民運動の高揚の中で 袴田さんは東京拘置所の中で様々な人と出会う そしてさまざまな人たちに 自分は無実である と訴えていた その中でかかわりを深めていった人たちが民権人権設立ラジカル懇談会 ( 正確な名前かどうかはわからないが 私は75 78 年ごろ その会が発行していた ラジコン通信 というのを数回読んだことがある ) 東京拘置所で 獄中支援をしている人たちと袴田さんが初めて出会ったその当時のことを私は知りたいと思い 袴田さんに事件や救援運動のことを尋ねると 袴田事件 そんなものはなかったことだ と未だに語ろうとはしてくれない 1980 年 11 月 19 日 最高裁が上告を棄却して 袴田さんは確定死刑囚としての生活が始まる 1981 年 4 月 20 日に静岡地裁に再審請求 ( 第一次 ) を行うが 確定死刑囚としての袴田さんの生活は厳しく制限され 面会や手紙のやり取り ( 面会 交通 ) は肉親と弁護人に限られる そして いつ死刑が執行されるのかわからない生活が毎日続くことになる この頃 故 寺山修司さん ( 詩人 演出家 ) 故 郡司信夫さん ( ボクシング評論家 ) 故 金子正紀さん ( 協栄ボクシングジム会長 日本ボクシング協会会長 ) ルポライターの高杉晋吾さんらが中心となり 無実のプロボクサー袴田巌を救う会 が設立された その後 1982 年に清水で 袴田巌救援会 が発足し 袴田さんの再審請求を支えていく活動が本格的に始まっていた アムネスティ インターナショナルを中心とした国際支援 死刑は最大の人権侵害であるとし 世界中から死刑制度をなくすこと 良心の囚人を救うためにその国の様々な機関に働きかけをすること ( ただし 自国内の個別の人権侵害 は関わらない決まりがある ) を主に活動しているアムネスティ インターナショナルがいつごろから袴田さんの支援を始めたのかはっきりした資料はないが 1982 年 静岡地裁に再審請求 ( 第一次 ) を求めた直後ごろではないだろうか 私の記憶では最初は西ドイツ ( 当時 ) のアムネスティのメンバーが支援をしていた記憶がある そして 静岡地裁が再審請求 ( 第一次 ) を棄却したころから アムネスティによる国際的な支援が活発化し イギリスやスペインのメンバーたちが加わっていく アムネスティの支援 ( 詳しい活動内容は アムネスティ インターナショナル日本支部 http://www.amnesty.or.jp を参照 ) は 獄中の袴田さんへ手紙 ( ハガキ ) を送ることから始まる また同時に世界中から 法務省 法務大臣 東京拘置所長などへ 死刑執行をしないことや再審の開始 獄中処遇の改善などを求める要請が行われる 冒頭に記した12000 通以上の袴田さんに送られた手紙 ハガキ類はその活動の証であるが 残念ながら獄中の袴田さんに届いてはいなかった わが国では 死刑囚の心情の安定のため という理由で 死刑が確定すると面会 - 5 -

交通 ( 手紙のやりとり ) が許されるのは肉親と弁護人だけに制限される そのために 死刑が確定した袴田さんに送られた手紙類は 肉親からのものか弁護人からのものかを拘置所の職員が選別して 拘置所が面会交通を認めていない国内外の人たちが袴田さん衣送った手紙類約 13,000 通を袴田さんに渡すことなく 保管していたことになる 無実の人間を処刑する可能性がある死刑制度 そして死刑が確定すると国家権力がその心情を ( 勝手に ) 配慮するという理由で 本人に送られた手紙などを本人に見せることもしない その権力の非情さに あらためて強い憤りを感じる 東京高裁に検察官による即時抗告を棄却させ 袴田さんに一刻も早く無罪判決を下させることが 法務省 東京拘置所が行ってきた袴田さんに対する仕打ちを厳しく糾弾することにもつながると思う 東京高裁 大島裁判長に要請しました 腰塚雅代 東京高等裁判所 大島隆明裁判長殿 袴田さんはもともと犯人じゃないから証拠がない 本当の犯人ならば証拠は自然とついてくる だから証拠のねつ造など必要ない 警察は最初から袴田さんは犯人じゃないことを知っていた それゆえ 犯人にするためウソをついてねつ造したのだ 犯人じゃない人を犯人にすれば矛盾がたくさん出てくるのは当たり前 袴田さんの冤罪の原点は堂々と警察のウソから始まった 警察は昭和 41 年 7 月 4 日 血がついてもいないパジャマを血染めのパジャマとウソをつき 報道に流す 1つウソをつけば そのウソを隠すためまたウソをつかなければならない ウソは延々と続く 卑劣な拷問をして期限ぎりぎりやっとウソの自白を獲得するも9 9 検面調書の中身は矛盾だらけだ 侵入 脱出口は通行不能の裏木戸 凶器は被害者たちの創傷と全く合わないくり小刀 1 本だという また清水郵便局で昭和 41 年 9 月 13 日に発見された 清水警察署宛 差出人不明の現金入り封筒の不可解さ 袴田さんの自白から数日後のことである その司法警察員松本久次郎作成の昭和 41 年 9 月 21 日付捜査報告書はウソ でたらめだった 郵 - 6 -

政監察官長谷川正三が清水郵便局郵便物仕分け作業担当 S さんに聴取したとされているが S さんは聴取もされていないし 現金入り封筒の話すら知らないという ウソの自白から証拠作りのねつ造大である この松本久次郎こそが 5 点の衣類のねつ造に拘わる注目すべき人物だ 守秘義務の下 ウソ でたらめがまかり通り 何でもできると過信している警察 決め手となる証拠がなく困窮していた 事件から 1 年 2 ヶ月もたって昭和 42 年 8 月 31 日 みそタンクの中から5 点の衣類が発見される 袴田さんの衣類をまねて装った にせ物の犯行着衣だ 事件とは全然関係ないにせ物だから 矛盾だらけでぼろがぼろぼろ出てくる始末 1 1 枚しか無かったみどりのパンツが2 枚になってしまう 袴田さんのパンツは斉藤弁護士が みどりのパンツは派手すぎる といって差し入れから外し 実兄の加藤実が預かっていた 警察はみどりのパンツが1 枚しかないことを知らなかったのだ 2 サイズが小さすぎて はけないズボン もともと小さいサイズだったのに 警察は B 色を B サイズだとウソをついてごまかした その製造元の O さんの供述調書と証言がある 3 袴田さんが消火作業中 右肩にけがをした時 パジャマにカギ裂きができた 5 点の衣類の白半袖シャツとスポーツシャツにも同様 右肩に穴があいている 1つのけがでパジャマと5 点の衣類の2 組の穴はあり得ない 澤渡第 1 鑑定において 白半袖シャツとスポーツシャツの穴の位置は 袴田さんの傷の位置とずれていて合わない 以上 5 点の衣類はにせ物 間違いなし 袴田さんのものではない あくどい警察のねつ造である このにせ物 DNA 鑑定をめぐり 検察はいつまでも審議を引き延ばそうとしている もう無駄な DNA 鑑定はやめて 本物の証拠から真相解明をしてもらいたい そのためには証拠の全面開示が必要となる それにしても 無辜の袴田さんを死刑台に送った5 点の衣類のねつ造は卑怯千万!! 野蛮である 絶対許されぬ犯行だ 民主主義じゃない 袴田さんが獄中手記で訴えていたように 正義がひっくりかえっている 警察 検察 裁判所はもうこれ以上 社会を歪めないでほしい 高裁はこの違法で不正義な検察の即時抗告を直ちに棄却して 誠実で公正なる裁判を取り戻すよう尽力して下さい よろしくお願い致します 2015 年 6 月 9 日 - 7 -

静岡県警察本部長西川直哉殿 2015 年 5 月 20 日 静岡県警の接見盗聴に関する抗議申入書 今年 1 月に検察官から取調べ録音テープが開示され 清水こがね味噌事件の犯人と して袴田巖さんが逮捕されて 5 日目の 1966 年 8 月 22 日に清水警察署で行われた袴田 - 8 -

さんと弁護士との接見時の会話が盗聴録音されていたことが明らかとなった これは被疑者と弁護人との秘密交通権の侵害であり 刑事司法制度ではあってはならない重大な事態であるからここに厳重に抗議する また 静岡県警は事件から 4 日目の同年 7 月 4 日に 袴田さんが怪我の治療に出かけた診療所で 逮捕でも任意同行でもないにもかかわらず 警察医を立ち会わせた事実もある ( 別紙 1967 年 4 月 27 日の第 10 回公判記録参照 ) 通常の生活を送っている市民が怪我の治療に出かけたところで警察医が立ち会うなどあり得ないことで 人権侵害も甚だしいものである 静岡県警作成の当時の捜査記録では この事件を 全国でも例を見ない油質の鑑定に成功する等科学的捜査の結果 被害者方工場の住み込み従業員で ボクサーくずれの被疑者を検挙し 県警察の威信を大いに昂揚した事案である としている さらに 犯人は袴田以外にない 犯人は袴田に絶対間違いないということを強く袴田に印象づけることにつとめること として 袴田さんを連日深夜にまで及ぶ長時間の取調べと拷問により強制自白に追い込んだものである このような違法捜査を積み重ねられ 袴田さんは濡れ衣を着せられたのである 裁判開始から一貫した袴田さんの無実の訴えに対し 昨年 3 月 27 日の静岡地裁の再審開始決定は 捜査機関の違法 不当な捜査が存在し 又は疑われる と厳しく指摘した そして今回の接見盗聴の発覚である こうした重大な違法捜査が第一審静岡地裁の段階で明らかになっていれば裁判は成立せず 袴田さんの身に冤罪は起こり得なかったのである にもかかわらず なぜ袴田さんは今もなお無実の罪で死刑執行の恐怖に怯えながら生き続けなければならないのか 30 歳で逮捕され 48 年間自由を奪われた袴田さんはすでに 79 歳を迎え 冤罪被害からの救済と名誉回復に一刻の猶予もない 接見盗聴という卑劣な違法捜査を行った静岡県警は速やかに袴田さんと関係者に直接謝罪すべきであり 納税者である県民に対しても 報道機関を通じて謝罪文を公表して謝罪するよう強く要請する そして 別紙質問事項について 30 日以内に文書で誠実に回答することを求める 袴田巖さんの再審無罪を求める実行委員会 構成団体 アムネスティ インターナショナル日本 / 日本国民救援会 / 日本プロボクシング協会袴田巖支援委員会 / 袴田巖さんの再審を求める会 / 袴田巖さんを救援する清水 静岡市民の会 / 袴田巖さんを救援する静岡県民の会 / 浜松 袴田巖さんを救う市民の会 / 無実の死刑囚 袴田巖さんを救う会 - 9 -

質問事項 1. 1966 年 8 月 22 日に清水警察署で行われた袴田巖さんと岡村鶴夫弁護士との接見時 の会話を盗聴録音していたのは事実か? 2. その盗聴録音は どのような機材と方法を用いて行ったのか? 3. その盗聴録音は 誰が指示したのか? 4. 他の被疑者 被告人と弁護人との接見も含めて 同様の盗聴録音を いつからい つまで行っていたのか? 5. 他の被疑者 被告人と弁護人との接見も含めて 同様の盗聴録音を どの警察施 設 ( 清水警察署を除く ) で行ったことがあるのか? 6. 同様の盗聴録音を 現在も行っているのか? 7. 質問事項 1 について 事実でない旨回答する場合 その具体的根拠は何か? 8. 上記各質問事項について 回答できない ( もしくは回答しない ) 旨回答する場合 その理由およびその理由が正当化される法的根拠は何か? 以上 袴田巖再審請求事件決定書 第 2 当裁判所の判断 3 弁護人が提出した証拠の明白性 (3)5 点の衣類に関する 新証拠の総評価 (P50) このような証拠が 事件と関係なく事後に作成されたとすれば 証拠が後日ねつ造されたと考えるのが最も合理的であり 現実的には他に考えようがない そして このような証拠をねつ造する必要と能力を有するのは おそらく捜査機関 ( 警察 ) をおいて外にないと思われる 警察は 袴田を逮捕した後 連日 深夜にまで及ぶ長期間にわたる取調べを行って自白を獲得しており ( 松本久次郎 確 6 冊 2301 丁以下 ) その捜査手法は 袴田を有罪と認定した確定判決すら 適正手続の保障という見地からも 厳しく批判され 反省されなければならない と評価するほどである ( 確定判決 11 丁以下 ) そこには 人権を顧みることなく 袴 - 10 -

田を犯人として厳しく追及する姿勢が顕著であるから 5 点の衣類のねつ造が行われたとして も 特段不自然とはいえない 清水市横砂会社重役宅一家 4 名殺害の強盗殺人 放火事件捜査記録 第 14 被疑者袴田巖の取調状況 6(P69) 8 月 29 日静岡市内の本県警察寮芙蓉荘において本部長 刑事部長 捜一 鑑識両課長をはじめ清水署長 刑事課長 取調官による検討会を開催し 取調官から取調べの経過を報告させ 今後の対策を検討した結果 袴田の取り調べは情理だけでは自供に追い込むことは困難であるから取調官は確固たる信念を持って 犯人は袴田以外にない 犯人は袴田に絶対間違いないということを強く袴田に印象づけることにつとめること 1967 年 4 月 27 日第 10 回公判証人 A 検察官尋問 Q 警察医としては いろいろ警察から頼まれて解剖とか けがの診察とか というような事をやっておられるわけですか A やっております Q あなたは 昨年 6 月 30 日に清水のこがね味噌という会社の専務一家が殺害されたという事件はご存知ですね A 知っております Q この事件の後被告人の袴田巖のけがの診察に立ち会われたことがありましたか A ございます Q それはいつでしたか 覚えていますか A 7 月 4 日だと思います Q 診察した医師は何という方でしたか A Bという方 Q この人は 清水市 Cで B 外科医院を開業しておられた人ですか A そうでございます Q この人が診察をして あなたは その診察の際に立ち会ったということですね A そうでございます Q それは警察から連絡を受けて立ち会ったんですか A 警察で きょうは実は一人外傷患者に立ち会ってもらいたいから ということで B 先生の宅へ行きました - 11 -

映画上映 :SAYAMA 見えない手錠をはずすまで 6 月 20 日 ( 土 ) 午後 1 時 50 分 ~ 浜松 シネマイーラ午後 4 時から肴町公会堂で金監督を囲む会 死刑と再審を考える = 福岡事件と袴田事件 = 日時 :6 月 23 日 ( 火 ) 午後 6 時 ~ 場所 : クリエート浜松 51 会議室 1 アメリカにおける死刑廃止の現状ジョージケイン西コネチカット州立大学准教授 2 福岡事件と袴田事件宮本弘典関東学院大学法学部教授 - 12 -