危険物事故防止の取組み を推進するために 仙台市消防局
仙台市危険物事故防止アクションプランとは 平成 20 年度より 本市では ハインリッヒの法則 を応用した事故防止対策である 仙台市危険物事故防止アクションプラン を推進しております また 各事業所においても 様々な業態や実情に合った事故防止対策等に取組んでいただいているところです 現状 重大事故が低減するイメージ 1の重大事故 29の軽微な事故 300のヒヤリ ハット事例 改善後この事故は発生しなくなります! 事故を軽減! 重大事故改一善つ減改し一少善てつしさいたれ部くヒヤリ ハット等の改善によりて軽微な事故分減改少善しさたれヒヤリ ハット事例部て分火災 漏えいの原因を究明してハインリッヒの法則とは 同じ人間が起こした1 件の重大事故 ( 死亡や手足の切断等の重篤な事故 ) があったとすると その裏には29 件の軽微な事故 ( かすり傷程度で済んだ軽い事故 ) 300 件のヒヤリ ハット事例 ( 事故には至らないがヒヤッとした事例 ) を起こしているというものです 1
すべての危険物施設をお持ちの事業所で 事故防止のための行動 ( アクション ) を起こしましょう 1 すでに事故防止対策を構築している事業所は その対策が適切に機能しているか見直しましょう 2 まだ 事故防止対策を立てていない事業所は シンプルで平易な対策から始めてみましょう そこで 仙台市消防局では 小さな異常 ヒヤリ ハットしたことを できるだけ早く見つけて対策を講ずることが事故防止に は最重要 と考えます 具体的には? ルール作りをしましょう! 労働災害の経験則としてよく取り上げられているハインリッヒの法則を応用 4 つの雰囲気づくり Action❶ Action❷ 小さな異常 ヒヤリ Action❸ ミスが起こることを Action❹ 全社員が 日常的に ハットしたことを隠 前提に ミスを責め リスクセンスを一人 起こりうるヒヤリ さずオープンに報告 ず 叱らずに 改善 ひとりが磨き 育成 ハットの低減に向け できる雰囲気づくり につなげる雰囲気づ することができる雰 地道に徹底して取り ( 社風 土壌 ) くり 囲気づくり 組める雰囲気づくり ( 会社 上司の理解 ) ( 保安技術の伝承 ) ( 日々の積み重ね ) メリット ❶ 過去に起きた同様な事故が起きない! メリット ❸ 危険物事故全体の発 生確率がダウン! メリット ❷ 経験したことがない 新たな形態の事故も 起きない! この 4 つの Action を実行することにより 事故の芽が摘まれ 事故が限りなくゼロに近づきます! 2
危険物事故防止アクションプラン取組事業所のご紹介 A 社の取組み施設形態 : 給油取扱所 ( ガソリンスタンド ) ハインリッヒの法則を活用し ケアレスミスを防止するための ヒヤリ ハット活動 を定期的に実施し 具体的に下記の取組みを 実践している 給油車両のサイドミラーに注意表示 ( タスキがけによ る誤給油 誤発進の防止 ) 屋外スタッフが無線通信機 ( インカム ) を携帯し 監 視者等と連携しながらセルフ給油の安全管理を実施 セルフスタンド等への案内スタッフの配置による不慮 の事故の防止 タイヤ交換など 作業終了後のダブルチェックの実施 指差し呼称による 給油口キャップ閉め忘れ防止 3
B 社の取組み 施設形態 : 屋外タンク貯蔵所 一般取扱所 危険物事故防止のために ヒヤリ ハット活動や社内での各種教育 リスクアセスメント等を活用して 事業所の実態にあった事故防止対 策を実施している 技術の伝承や 作業内容の習熟を目的とした 新人 転入者への理解度チェックテストの実施 ヒヤリ ハット情報シート を活用して ヒヤリ ハット事例を出しやすい環境を 整え 事例を抽出し 安全会議等において 周知 対策を図るだけでなく 想定される危険予知についての情報も共有する 日常業務における法令及び管理基準等の遵守のため 日常業務総点検 の定期的な実施 事業所規模に合った緊急時対応訓練 ( 少人数対応 どの場所からでも対応 ) 工事 作業時における 工事業者を含めたKYT マニュアル 基準類の読み合わせを含むミーティングの実施など 4
仙台市内で発生した危険物事故事例 一般取扱所内の電気室から出火した火災 1 事故発生年月日 平成 25 年 2 月 ( 仙台市宮城野区 ) 2 事故概要 電気室内の変電設備から出火し 変電設備を焼損した 3 原因 工場内のモーターの異常信号を感知し 電源が遮断されたため点検を行った 異常個所以外の電源を復旧させようと 再度電源を投入したところ電気室内の変電設備に過電流が生じ火災に至った 異常時の対応では 慌てて復旧するのではなく 原因を究明し 機器点検 動作確認等 十分な安全対策を講じてから行わなければなりません 5
1 事故発生年月日 仙台市内で発生した危険物事故事例 屋内タンク貯蔵所からの漏えい 平成 25 年 2 月 ( 仙台市青葉区 ) 2 事故概要 地下に設置されていた屋内タンクへ 移動タンク貯蔵所から重油を過剰に注油したため 屋内タンクの一部が破損し 重油約 2,000lが屋内タンク貯蔵所室内に流出した 3 原因 屋内タンクへの注油の際 注油口付近に屋内タンクの残油量を表示する油面計が無く 残油量を確認しなかったこと また 相互立ち合いによる注油先の確認を行わなかったことから 注油先の屋内タンクを取り違え 過剰に注油したために漏えいに至った 過剰注油により破断したタンクの天板 複数の要因が重なり 流出事故を招きました 幸い重油は 室内から外へ漏えいしませんでしたが 日頃から相互立ち合いによる確認作業を実施しなければなりません 6
仙台市内で発生した危険物事故事例 屋外タンク貯蔵所の配管からの危険物漏えい 1 事故発生年月日 平成 25 年 4 月 ( 仙台市宮城野区 ) 2 事故概要 配管 ( 直径 6 インチ ) 底部から 油分を含む廃水 ( 約 18.6 kl ) が構内に流出した 3 原因 流れていた危険物の成分等が 時間の経過 ( 配管の敷設後 41 年 ) とともに内部から腐食を進行させ 底部に直径約 10ミリの腐食孔を生じさせた また 配管には保温材が巻かれており 定期的に保温材を解体し配管の肉厚測定を行っていたが 今回の腐食孔があった部分は バルブの近くで点検範囲の対象から外れていた 長期間設置されている設備は 必ず老朽化します 通常の点検に加え 点検未実施箇所に対する 他の方法による点検も考慮する必要があります 底面にある 直径約 10 ミリメートルの腐食孔 7
仙台市内で発生した危険物事故事例 給油取扱所の雑品庫から出火した火災 1 事故発生年月日 平成 25 年 5 月 ( 仙台市青葉区 ) 2 事故概要 営業時間外に雑品庫に置いていたごみ袋から出火した 3 原因 従業員が完全に消えていないタバコの吸殻をごみ箱に捨てたため タバコの吸殻の残り火がごみ袋の他のごみ屑に着火し出火した 普段からやっていることが 実は危険な行為であったりもします 今まで たまたま大丈夫であっても いつかは重大事故へつながってしまいます 現在の作業内容等を見直すと共に 火気の管理は確実に行いましょう! 8
仙台市内で発生した危険物事故事例 一般取扱所の配管からの危険物漏えい 1 事故発生年月日 平成 25 年 9 月 ( 仙台市宮城野区 ) 2 事故概要 一般取扱所 ( 桟橋 ) の配管から 油分を含む廃水 ( 約 500l) が流出した なお 一部が海上に流出したが オイルフェンスにより拡散は防いだ 3 原因 海水の滞留により内部に局所的な腐食が進行していた中 油分を含む廃水の加圧送水をしたため配管内の圧力が上昇し 腐食減肉していた箇所が開口し流出した 施設の設置場所等の条件により 腐食の進行度は全く異なります 施設の特殊性を把握し それに合った日々の点検が事故を防ぐポイントです 鏡を使用し配管の底部を見ると 腐食孔が確認できる 9
消防法令改正等のお知らせ ガソリン携行缶を安全に取り扱うための留意事項について 平成 25 年 10 月 4 日付消防危第 177 号消防庁 ガソリン携行缶の取扱いに関する注意表示シールの配布について 平成 25 年 11 月 21 日付消防危第 201 号消防庁 平成 25 年 8 月 15 日に京都府福知山市の花火大会会場において ガソリン携行缶の使用方法に起因する火災が発生しました この件に関して ガソリン携行缶は広く一般に普及しており 特に 東日本大震災以降 当市においても各家庭や各事業所で燃料供給不足時の対策として ガソリン携行缶での保管がなされている状況下での事故も懸念されているところであります この件に関し 有識者 関係団体 消防機関等を委員とする ガソリン携行缶の使用上の注意事項に関する検討会 が開催され ガソリン携行缶の使用者が特に注意すべき事項に関する提言が取りまとめられております この提言を受けて 平成 25 年 12 月以降に出荷されるガソリン携行缶については 使用者の目に触れやすい箇所に注意表示シールが貼付されておりますほか 既に流通しているガソリン携行缶への対策として 関係団体 ( 全国危険物安全協会 危険物保安技術協会 ) において 注意表示シール等が作成され 全国の消防機関に配布されているところであります 当局においては ガソリンスタンド等に注意表示シールを配布し 注油する際等に持ち込まれるガソリン携行缶に注意表示シールを貼付していただくよう協力依頼を行っております 消防庁 HP( 注意表示シール関係 ) http://www.fdma.go.jp/concern/law/tuchi2511/pdf/251121_ki201.pdf 10
震災時等における危険物の仮貯蔵 仮取扱い等の安全対策及び手続きについて 平成 25 年 10 月 3 日付消防災第 364 号 消防危第 171 号消防庁 東日本大震災では 燃料油の供給源である製油所が被災したことや搬送手段の途絶等から極度の燃料供給不足に陥ったことは記憶に新しく 当市においても事業所等の燃料供給不足への対策として 危険物施設以外の場所で危険物を貯蔵等する 消防法第 10 条第 1 項ただし書き の規定による危険物仮貯蔵 仮取扱いに関する申請を震災から1か月の間に95 件承認し 仙台市消防手数料条例 の規定に基づき申請手数料を全て減免対象と致しております また 消防庁においても震災時の課題として 有識者 関係団体 消防機関等を委員とする 東日本大震災を踏まえた危険物の仮貯蔵 仮取扱い等の安全確保のあり方に係る検討会 を立ち上げ 当市のみならず 被災地で行われた危険物仮貯蔵 仮取扱いに関する実態を調査する等により 問題点やその対策について検討がなされ 平成 25 年 3 月に報告書が提出されております この報告書を受けて 消防庁から 震災時等における危険物の仮貯蔵 仮取扱い等の安全対策及び手続きに係るガイドライン が公表されており 当局としては 震災時の対応を踏まえて同ガイドラインを運用することとしておりますことから 各事業所における準備として 同種災害が発生した場合においても 同ガイドラインを参考に事業が継続できるよう 燃料油が枯渇した際の調達方法や調達後の安全対策 又 それに伴う申請等を事前に計画しておくことが大変重要となります 参考 震災時に行った当局での危険物仮貯蔵仮取扱承認申請書等の取扱いは 以下のとおりとなっておりますので事前計画の参考としてください 消防法抜粋第 10 条第 1 項指定数量以上の危険物は 貯蔵所以外の場所で貯蔵し 又は製造所 貯蔵所及び取扱所以外の場所でこれを取り扱ってはならない ただし 所轄消防長又は消防署長の承認を受けて指定数量以上の危険物を 10 日以内の期間 仮に貯蔵し 又は取り扱う場合は この限りでない 11
事前の準備として 1 ドラム缶等を置く屋外の空地 2 貯蔵場所 貯蔵量 火気厳禁である旨の標識等や消火器具 4 油吸着マット等の流出防止対策 5 アース線等の静電気対策 6 手動式等のポンプや小分け用のガソリン携行缶 申請に必要な書類 1 危険物仮貯蔵仮取扱承認申請書 ( 仙台市 HP 掲載 ) 2 消防手数料減免申請書 ( 仙台市 HP 掲載 ) 激甚災害や災害救助法の適用を受けた場合 3 安全対策書 案内図 配置図など 仙台市消防関係手数料条例の一部改正について 消費税及び地方消費税の税率引き上げ等により 地方公共団体の手数料の標準に関する政令 ( 平成 12 年政令第 16 号 ) の一部が改正されたことに伴い 仙台市議会第 1 回定例会において標記条例に規定する手数料の一部が改正され 平成 26 年 4 月 1 日より施行されます 主な改正 ( 単位 : 千円 ) 種別区分項目旧新 設置許可申請 完成検査申請 :1/2 相当額 変更許可申請 :1/2 相当額 製造所 200 倍超 91 92 1,000~5,000kl 820 830 5,000~10,000kl 990 1,010 特定屋外タンク貯蔵所 10,000~50,000kl 1,100 1,120 50,000~100,000 kl 1,400 1,420 特定屋外タンク ( 浮き屋根式等 ) 1,000~5,000 kl 1,120 1,130 5,000~10,000 kl 1,330 1,340 10,000~50,000 kl 1,480 1,500 一般取扱所 200 倍超 91 92 完成検査前検査 ( 溶接部 ) 申請特定屋外タンク貯蔵所 10,000~50,000 kl 950 990 保安検査申請 特定屋外タンク貯蔵所 5,000~10,000 kl 410 430 50,000~100,000 kl 920 960 12
化学工場等における点検 保守等の作業中の事故防止の徹底について 平成 26 年 1 月 10 日付消防危第 7 号 消防特第 4 号消防庁 平成 26 年 1 月 9 日に三重県四日市市の石油コンビナート等特別防災区域内において 複数の作業員が死傷する爆発事故が発生したことを受け 消防庁から標記通知が発出されましたが 1 月 14 日には福島県いわき市 1 月 17 日には愛知県東海市の各石油コンビナート等特別防災区域内において 爆発や火災が連続して発生している状況にあります また 本市においても2 月 5 日に石油コンビナート特別防災区域内において火災が発生しているほか 昨年中には同区域内において火災等の事故は4 件 ( 平成 24 年度 :3 件 ) 発生しております 点検不足や腐食劣化など事故原因は様々ですが 化学工場や大規模な危険物施設に限らず下記事項にご留意いただき 引き続き事故防止の徹底をお願いいたします 記 1 点検 保守等の作業を実施する際には 次の事項に留意し 作業に携わる者全員に保安教育を実施して安全確保の徹底を図ること ⑴ 当該設備で取り扱っている化学物質 ( 危険物を含む ) の性状 作業環境等を踏まえた危険要因を洗い出すとともに 作業手順等が当該危険要因を排除するために有効であることを確認すること ⑵ 火災危険性を有する物質 ( 危険物を含む ) が残留している状態で点検 保守作業を行う場合は 点検 保守作業に伴う圧力変化 温度変化 洗浄剤等使用する物質等により火災危険性が増大することがないことを確認すること 2 平成 25 年度危険物事故防止アクションプランの取組について において示している近年の危険物に係る事故の傾向及び有効と思われる対策 その他過去に発生した事故やヒヤリハット事例等を踏まえ 施設等の特徴に応じた十分な安全対策を講ずること 参考 平成 25 年度危険物事故防止アクションプランの取組について 平成 25 年 3 月 27 日消防危第 47 号 http://www.fdma.go.jp/concern/law/tuchi2503/pdf/250327_ki47.pdf 業種別危険性評価方法 ( チェックリスト方式 ) 評価マニュアル 全国危険物安全協会企業防災対策支援事業 http://www.zenkikyo.or.jp/bousai/index.html 13
平成 25 年度仙台市危険物事故防止連絡会の結果 日 時 平成 25 年 10 月 23 日 13:30 ~ 15:30 場 所 仙台市福祉プラザ2 階ふれあいホール 参加者 危険物施設事業所等 175 名 関係団体 3 名 概 要 仙台市危険物事故防止アクションプランの普及啓発 を図り 事故発生の低減を目指すことと併せ 今年は 大事故の要因となっているヒューマンエラー対策を中 心に実施しました 平成 25 年度仙台市危険物事故防止連絡会アンケート集計結果 回収数 128 枚 / 175 名参加者 ( 回収率 73.1%) Q1 本日の連絡会に参加して良かったですか? 1 良かった 125 2 良くなかった 1 3 無回答 2 (97.6%) (0.8%) (1.6%) Q2 これからも連絡会に参加しようと思いましたか? 1 思った 124 2 思わなかった 4 3 無回答 0 (96.9%) (3.1%) (0%) Q3 代表事業所の発表は災害防止等に関する取り組みの参考となりましたか? 1 参考となった 120 2 参考にならなかった 6 3 無回答他 2 (93.8%) (4.6%) (1.6%) Q4 特別講演は災害防止等に関する取り組みの参考となりましたか? 1 参考となった 119 2 参考にならなかった 0 3 無回答 9 (93.0%) (7.0%) Q5 本日の連絡会に参加しての御意見 御質問等があればご記入ください ( 抜粋 ) 事業所の発表が分かり易かった 社内での周知徹底を図りたい 非常にためになりました また参加させていただきます 高圧ガスと合同でのものにしてほしい 視点を変える重要性を改めて感じた ( 特別講演 ) 大橋教授の心理学を通してのヒューマンエラーに関する講演は 非常にわかりやすく説得力があった 思い込み 固定観念 人によって考え方が違うので指導方法の難しさを実感した 常時 リスクととなり合わせだと意識付けをミーティング時に打ち合せしようと思う 事故は人的要因が多くかかわる事がわかった 大橋さんの話に深く興味がわいた 14
お問い合わせは 消防局又は所轄消防署へご連絡ください 仙台市消防局予防部危険物保安課仙台市青葉消防署仙台市宮城野消防署仙台市若林消防署仙台市太白消防署仙台市泉消防署仙台市宮城消防署 Tel 022-234-1111 Tel 022-234-1121 Tel 022-284-9211 Tel 022-282-0119 Tel 022-244-1119 Tel 022-373-0119 Tel 022-392-8119 Fax 022-234-1411 Fax 022-234-1128 Fax 022-238-1630 Fax 022-282-0120 Fax 022-243-6139 Fax 022-374-7343 Fax 022-392-8580